JP6416013B2 - ディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキ - Google Patents

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本発明は、ディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキに関する。
鉄道用車両等では、ディスクブレーキ装置が各車輪ごとに備えられ、制輪子をディスクに押し付けた際の摩擦により制動力を発生している(例えば、特許文献1等参照)。
図14、図15に示すように、ディスクブレーキ装置501は、車輪と一体に回転するディスク503の両側にはディスク面と所定の隙間をおいて一対の制輪子505がそれぞれ配設されており、それら制輪子505はキャリパ507により支持されている。制輪子505のいずれか一方(図14の上方)はキャリパ507に設けられたピストン509を介して支持されており、ピストン509の油供給口511に圧力流体を供給することでディスク503に向けて押し出し可能になっている。
一方、キャリパ507は、ディスク503の回転軸513に平行で回転軸513から等距離にある2本の平行な支持ピン515により支持枠(サポート)517に連結されており、支持枠517に対して支持ピン515の軸方向に移動可能とされている。なお、支持枠517は、複数のボルトで台車の所定の位置に固定されている。
このような構成により、油供給口511より圧力流体が供給されると、ピストン509が伸側に作動し、制輪子505がディスク503に向けて押し出されるとともに、その反力によりディスク503を挟んで反対側に配設されている制輪子505が引き寄せられる。その結果、一対の制輪子505がディスク503を両側から挟み込むようになり、そのときの摩擦により制動力が発生する。
更に、このディスクブレーキ装置501は、図16に示すように、キャリパ507と支持枠517とを連結する2本の平行な支持ピン515が摺動自由に嵌合する2つのスリーブ519と、それらスリーブ519の外周に設けられた防振ゴム521とを備えている。2つのスリーブ519が、それぞれ支持枠517に形成された取付用孔523に防振ゴム521を介して支持されている。このディスクブレーキ装置501によれば、制動時、キャリパ507が適宜支持ピン515の軸方向に移動し、制輪子505の片当たりを防止するが、支持ピン515の支持構造を上下とも同じにしたことにより、キャリパ507の追従性が安定し、制輪子505の偏摩耗が最小限に抑えられる。
特開平11−141579号公報
しかしながら、上記した従来のディスクブレーキ装置501は、ブレーキ開放後に反ピストン側のパッドクリアランスが強制的に開かず、車輪移動などの外乱でしか反ピストン側のパッドクリアランスが開かないという問題があった。このため、反ピストン側の制輪子505には、引きずりが生じやすく、それによってピストン側と反ピストン側の摩耗差が生じた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、ブレーキ解放時の反ピストン側のパッドクリアランスを強制的に開けることのできるディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキを提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) サポートの筒状支持部に対しガイドピンを介して摺動自在に支承された基部と、該基部からディスクロータを軸方向両側から挟む位置にまで延出された一対の押圧腕とを有するフローティングキャリパと、前記ディスクロータの側面に対向するように前記一対の押圧腕の先端部にそれぞれ設けられた一対のブレーキパッドと、前記ブレーキパッドの一方を前記ディスクロータの側面に向けて駆動するために前記一対の押圧腕における一方の押圧腕に設けられた駆動ピストンと、前記サポートに対して前記フローティングキャリパを前記駆動ピストン側と反対側へ弾性付勢すると共に、前記サポートと前記一対の押圧腕における他方の押圧腕との間を所定間隔に保持するためのキャリパ戻し装置と、を備えることを特徴とするディスクブレーキ。
上記(1)の構成のディスクブレーキによれば、駆動ピストンが駆動されると、駆動ピストン側のブレーキパッドがディスクロータに当接する。更に、駆動ピストンが突出すると、その反力によりディスクロータを挟んで反対側に配設されているブレーキパッドが引き寄せられる。その結果、一対のブレーキパッドがディスクロータを両側から挟み、制動力が発生する。この際、キャリパ戻し装置は、フローティングキャリパが駆動ピストン側に移動されることにより弾性復元力が蓄積される。ブレーキ解放時、キャリパ戻し装置は、蓄積された弾性復元力によって、フローティングキャリパを駆動ピストン側と反対側に所定間隔分移動させる。これにより、ディスクロータを挟んで駆動ピストンと反対側のブレーキパッドとディスクロータとの間には、パッドクリアランスが開けられる。
(2) 前記キャリパ戻し装置が、前記ガイドピンにおける前記駆動ピストン側と反対側の端部に固定された反ピストン側支持プレートと、前記反ピストン側支持プレートと前記サポートとの間に配置された第1キャリパ戻し装置と、を備えることを特徴とする上記(1)の構成のディスクブレーキ。
上記(2)の構成のディスクブレーキによれば、キャリパ戻し装置が、ガイドピンに固定された反ピストン側支持プレートに、第1キャリパ戻し装置を配置することにより構成される。第1キャリパ戻し装置は、弾性付勢のための座面としてサポートにおける駆動ピストン側と反対側の反ピストン側対向面を利用する。このキャリパ戻し装置では、フローティングキャリパの基部側の付属部品であるガイドピンに第1キャリパ戻し装置を固定することで、既存部品の変更を最小限にすることができる。これにより、フローティングキャリパの基部やサポートだけでなく、サポート内部の部品構成も変更する必要がない。
(3) 前記キャリパ戻し装置が、前記ガイドピンにおける前記駆動ピストン側の端部に固定されたピストン側支持プレートと、前記ピストン側支持プレートと前記サポートとの間に配置された第2キャリパ戻し装置と、を備えることを特徴とする上記(1)の構成のディスクブレーキ。
上記(3)の構成のディスクブレーキによれば、キャリパ戻し装置が、ガイドピンに固定されたピストン側支持プレートに、第2キャリパ戻し装置を配置することにより構成される。第2キャリパ戻し装置は、弾性付勢のための座面としてサポートにおける駆動ピストン側と反対側の反ピストン側対向面を利用する。このキャリパ戻し装置では、フローティングキャリパの基部側の付属部品であるガイドピンに第2キャリパ戻し装置を固定することで、既存部品の変更を最小限にすることができる。これにより、フローティングキャリパの基部やサポートだけでなく、サポート内部の部品構成も変更する必要がない。
(4) 前記第1キャリパ戻し装置が、前記反ピストン側支持プレートに固定された筒状のハウジングと、前記ハウジングに相対移動可能に内挿され、前記ハウジングの内周に設けられた先端側係止部に係止されるフランジ部を外周に有する筒状のピストンケースと、前記フランジ部が前記先端側係止部に係止されるように前記ハウジングの基端側係止部と前記フランジ部との間に圧縮して介装される圧縮ばね部材と、前記ピストンケースに摺動自在に内挿され、先端部が前記サポートにおける前記駆動ピストン側と反対側の反ピストン側対向面に当接するピストンと、中心軸線方向の基端側への相対移動不可能に前記ピストンケースの穴部に設けられ、前記ピストンの基端部に立設した軸部に摩擦係合し、前記ピストンの突出位置を保持する摩擦部材と、を備え、前記ピストンケースの基端部と前記ハウジングの基端部との間に設けた所定間隙により前記所定間隔が設定されることを特徴とする上記(2)の構成のディスクブレーキ。
上記(4)の構成のディスクブレーキによれば、第1キャリパ戻し装置は、圧縮ばね部材の反発力が、摩擦部材の摺動抵抗力よりも小さく設定されている。第1キャリパ戻し装置は、通常のブレーキ作動時、フローティングキャリパが駆動ピストン側に移動されると、圧縮ばね部材だけが撓む。すなわち、ピストンケースとピストンは、一体物としてサポートに対するフローティングキャリパの移動量を吸収する。ブレーキ解放時、第1キャリパ戻し装置は、フローティングキャリパとサポートとの間に、圧縮ばね部材に蓄積された弾性復元力(反発力)を発生させる。その結果、サポートに対してフローティングキャリパは、初期位置に戻される。
一方、パッド摩耗時、第1キャリパ戻し装置のハウジングは、ブレーキパッドの摩耗量分、サポートに長い距離引き寄せられる。すると、ピストンケースとピストンは、圧縮ばね部材を圧縮させた後、ピストンケースの基端部がハウジングの基端部に当たる。パッド摩耗時には、更にピストンが押し込まれる。その結果、ピストンは、軸部を摩擦部材に摺動させてピストンケースに対して移動される。ブレーキ解放時、第1キャリパ戻し装置は、フローティングキャリパとサポートとの間に、圧縮ばね部材に蓄積しておいた弾性復元力(反発力)を発生させる。フローティングキャリパは、ピストンが圧縮ばね部材を圧縮して後退した分、再びサポートに対して反ピストン側へ移動する。これにより、ディスクロータを挟んで駆動ピストンと反対側のブレーキパッドとディスクロータとの間には、パッドクリアランスが開けられる。
(5) 前記サポートと前記一方の押圧腕との間には、前記サポートに対して前記一方の押圧腕を前記圧縮ばね部材の反発力と等しい反発力で前記駆動ピストン側へ弾性付勢する戻しばね部材が設けられることを特徴とする上記(4)の構成のディスクブレーキ。
上記(5)の構成のディスクブレーキによれば、サポートと一方の押圧腕との間に戻しばね部材が設けられるので、例えば車輪の揺動時において必要となる駆動ピストン側へフローティングキャリパの基部を戻す力を付与することができる。なお、制動時には、駆動ピストンが駆動されてフローティングキャリパがガイドピンに対して駆動ピストン側に移動されると、サポートと一方の押圧腕との間に設けられた戻しばね部材は反発力を発生するが、駆動ピストンの駆動力はこの戻しばね部材の反発力よりも大きいので、制動に支障をきたすことはない。
また、車輪の揺動時において必要となる駆動ピストン側と反対側へフローティングキャリパの基部を戻す力は、第1キャリパ戻し装置の圧縮ばね部材により付与することができる。
(6) 前記サポートと前記ピストンとの間には、前記サポートの前記駆動ピストン側におけるピストン側対向面に対して前記ピストンを前記圧縮ばね部材の反発力と等しい反発力で前記駆動ピストン側へ弾性付勢する戻しばね機構が設けられることを特徴とする上記(4)の構成のディスクブレーキ。
上記(6)の構成のディスクブレーキによれば、サポートのピストン側対向面と第1キャリパ戻し装置のピストンとの間に戻しばね機構が設けられるので、例えば車輪の揺動時において必要となる駆動ピストン側へフローティングキャリパの基部を戻す力を第1キャリパ戻し装置を介して付与することができる。なお、ブレーキ解放時に、第1キャリパ戻し装置によってフローティングキャリパがサポートに対して反駆動ピストン側に移動される際には、サポートのピストン側対向面と第1キャリパ戻し装置のピストンとの間に設けられた戻しばね機構は反発力を発生するが、第1キャリパ戻し装置の圧縮ばね部材の反発力はこの戻しばね機構の反発力よりも大きいので、駆動ピストンと反対側のブレーキパッドとディスクロータとの間に開けられるパッドクリアランスの形成に支障をきたすことはない。
また、車輪の揺動時において必要となる駆動ピストン側と反対側へフローティングキャリパの基部を戻す力は、第1キャリパ戻し装置の圧縮ばね部材により付与することができる。
(7) 前記第2キャリパ戻し装置が、前記ピストン側支持プレートに固定された筒状のハウジングと、前記ハウジングに相対移動可能に内挿され、前記ハウジングの内周に設けられた先端側係止部に係止されるフランジ部を外周に有する筒状のピストンケースと、前記フランジ部が前記先端側係止部に係止されるように前記ハウジングの基端側係止部と前記フランジ部との間に圧縮して介装される圧縮ばね部材と、前記ピストンケースに摺動自在に内挿され、先端部が前記サポートにおける前記駆動ピストン側のピストン側対向面に当接するピストンと、中心軸線方向の基端側への相対移動不可能に前記ピストンケースの穴部に設けられ、前記ピストンの基端部に立設した軸部に摩擦係合し、前記ピストンの突出位置を保持する摩擦部材と、前記ピストンに固定されるピストン保持部が一端に設けられると共に、前記サポートにおける前記駆動ピストン側と反対側の反ピストン側対向面に向かって突設されたばね支持軸部が他端に設けられるばね支持フレームと、前記ばね支持軸部に装着されて該ばね支持軸部の基部と前記反ピストン側対向面との間に圧縮して介装される圧縮コイルばねと、を備え、前記反ピストン側対向面と前記ばね支持軸部の先端部との間に設けた所定間隙により前記所定間隔が設定されることを特徴とする上記(3)の構成のディスクブレーキ。
上記(7)の構成のディスクブレーキによれば、第2キャリパ戻し装置は、圧縮ばね部材の反発力が、摩擦部材の摺動抵抗力よりも小さく設定されている。第2キャリパ戻し装置は、通常のブレーキ作動時、フローティングキャリパが駆動ピストン側に移動されると、ばね支持フレームのばね支持軸部に装着された圧縮コイルばねだけが撓む。すなわち、ピストン側支持プレートに固定されたハウジングに内挿されたピストンケース及びピストンと一体に構成されたばね支持フレームのばね支持軸部に装着された圧縮コイルばねは、サポートに対するフローティングキャリパの移動量を吸収する。ブレーキ解放時、第2キャリパ戻し装置は、フローティングキャリパとサポートとの間に、圧縮コイルばねに蓄積された弾性復元力(反発力)を発生させる。その結果、サポートに対してフローティングキャリパは、初期位置に戻される。
一方、パッド摩耗時、第2キャリパ戻し装置におけるピストンに固定されたばね支持フレームは、ブレーキパッドの摩耗量分、駆動ピストン側に移動される。すると、ばね支持フレームのばね支持軸部は、基部が圧縮コイルばねを圧縮させた後、先端部がサポートの反ピストン側対向面に当たり、移動が規制される。パッド摩耗時には、更にピストン側支持プレートに固定されたハウジングが駆動ピストン側に移動される。その結果、支持フレームを介して移動が規制されたピストンは、軸部を摩擦部材に摺動させてピストンケースに対して移動される。ブレーキ解放時、第2キャリパ戻し装置は、フローティングキャリパとサポートとの間に、圧縮コイルばねに蓄積しておいた弾性復元力(反発力)を発生させる。フローティングキャリパは、ピストンに固定されたばね支持フレームが圧縮コイルばねを圧縮して駆動ピストン側に移動した分、再びサポートに対して反ピストン側へ移動する。これにより、ディスクロータを挟んで駆動ピストンと反対側のブレーキパッドとディスクロータとの間には、パッドクリアランスが開けられる。
(8) 上記(1)〜(7)の何れか1つの構成のディスクブレーキを備えたことを特徴とする鉄道車両用ディスクブレーキ。
上記(6)の構成の鉄道車両用ディスクブレーキによれば、上記のディスクブレーキの構成を備えることで、鉄道車両用の車輪の両側面に取り付けたディスクロータにブレーキパッドを押圧して制動する際に、ブレーキパッドとディスクロータのパッドクリアランスを一定に維持できる。これにより、ブレーキパッドの偏摩耗及び引きずりを防止するとともに、車両の始動トルクの増大を抑制することができる。
本発明に係るディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキによれば、ブレーキ解放時の反ピストン側のパッドクリアランスを強制的に開けることができ、ブレーキパッドの偏摩耗及び引きずりを防止できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキの斜視図である。 図1に示したディスクブレーキの側面図である。 図2におけるIII−III断面図である。 図3の要部拡大図である。 図1に示したキャリパ戻し装置の斜視図である。 図5に示したキャリパ戻し装置の分解斜視図である。 (a)〜(c)はブレーキ解放時にパッドクリアランスが確保される過程を表した動作説明図である。 (a)〜(d)はパッド摩耗時におけるブレーキ解放時にパッドクリアランスが確保される過程を表した動作説明図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキの垂直断面図である。 本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキの水平断面図である。 本発明の第4実施形態に係るディスクブレーキの垂直断面図である。 本発明の第5実施形態に係るディスクブレーキの垂直断面図である。 (a)及び(b)は図12に示したキャリパ戻し装置の分解斜視図及び組立斜視図である。 従来の浮動型キャリパブレーキ装置の平面図である。 図14の正面図である。 図15におけるXVI−XVI断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ11は、鉄道車両用ディスクブレーキに用いられる場合を例に説明する。この他、ディスクブレーキ11は、例えばエレベータ等、回転部材に対して制動力を発生させる種々の産業用駆動装置のブレーキ装置にも好適に用いることができるものである。
本第1実施形態に係るフローティングキャリパ型のディスクブレーキ11は、図示しない台車枠に結合されたサポート13に摺動自在に支承された基部15から車輪17(図7参照)の両側面に取り付けられたディスクロータ19を軸方向両側から挟む位置にまで延出された一対の押圧腕であるピストン側押圧腕21及び反ピストン側押圧腕23を有するフローティングキャリパ25と、ディスクロータ19の外側面に対向するようにピストン側押圧腕21及び反ピストン側押圧腕23にそれぞれ設けられた一対のブレーキパッド27,27と、ピストン側押圧腕21に設けられた駆動ピストン29と、サポート13に対してフローティングキャリパ25の反ピストン側押圧腕23を駆動ピストン29側と反対側へ弾性付勢するキャリパ戻し装置31と、を主要な構成として有している。
フローティングキャリパ25における基部15の上部及び下部には、サポート13の上下一対の筒状支持部である上段筒状支持部33及び下段筒状支持部35に対し、ガイドピンである上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39がそれぞれ掛け渡されている。フローティングキャリパ25の基部15は、上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39を介して上段筒状支持部33及び下段筒状支持部35に摺動自在に支承される。
上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39の両端部には、それぞれブーツ固定用カラー50,52が装着されており、基部15はこれらブーツ固定用カラー50,52を介して上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39に固定されている。そして、上段筒状支持部33及び下段筒状支持部35の両端部と各ブーツ固定用カラー50,52との間には、防塵用ブーツ60が装着されている。
フローティングキャリパ25の基部15には、車輪17の両側面に取り付けられたディスクロータ19を軸方向両側から挟む位置にまで、一対の押圧腕である上記のピストン側押圧腕21及び反ピストン側押圧腕23が延設される。なお、本第1実施形態におけるピストン側押圧腕21及び反ピストン側押圧腕23は、それぞれ平行な二股の腕部により構成されている。
ブレーキパッド27は、車輪17の両側面に取り付けられたディスクロータ19の外側面に対向するようにピストン側押圧腕21及び反ピストン側押圧腕23の先端部にそれぞれ設けられたパッドアッシー26に取り付けられている。なお、本第1実施形態では、ブレーキパッド27のライニング面が、ディスクロータ19を押圧してブレーキ動作を行う構造を例に説明する。勿論、ディスクブレーキ11は、車輪17の両側面を直接挟圧して制動する構成であってもよい。
駆動ピストン29は、本第1実施形態において、ブレーキパッド27の一方をディスクロータ19の側面に向けて駆動するために一対の押圧腕の一方であるピストン側押圧腕21に設けられている。
サポート13の上段筒状支持部33の内方には、一対のフリクションゴムリング41,41が嵌装されている。フリクションゴムリング41の軸方向両側には、ワッシャ部材43が配置される。ワッシャ部材43は、フリクションゴムリング41の上段ガイドピン37に沿う方向の移動を規制する。
上段ガイドピン37を囲む上段筒状支持部33の内周面中央には、段部45とスナップリング47とにより調心軸受49が固定されている。調心軸受49は、上段ガイドピン37を揺動可能に支持する。調心軸受49は、台車枠に弾力的に支持される車輪17が台車枠に対して相対的に変位(揺動)して上段ガイドピン37とサポート13の上段筒状支持部33とが不平行になっても、ブレーキパッド27とディスクロータ19との摺動面を制動時に密接させることができる。
なお、下段ガイドピン39と下段筒状支持部35との間には、図3に示すように、ゴムブッシュ51とスリーブ53が介装される。下段ガイドピン39は、調心軸受49の代わりに、これらゴムブッシュ51及びスリーブ53を介して、下段筒状支持部35に対して軸線方向に摺動自在に支持されている。
一対のフリクションゴムリング41,41は、上段筒状支持部33の内周面において、調心軸受49の軸方向両側に配置される。一対のフリクションゴムリング41,41は、上段筒状支持部33に嵌装されて上段ガイドピン37を摺動自在に弾性支持する。
ワッシャ部材43は、フリクションゴムリング41の軸方向両側に配置されて、フリクションゴムリング41の軸方向移動を規制する。本実施形態において、フリクションゴムリング41は、図3に示すように、上段筒状支持部33の内周面に形成された段部45によって軸方向一方への移動が規制され、スナップリング47によって軸方向他方への移動が規制される。これにより、一対のフリクションゴムリング41,41は、上段筒状支持部33の内周面に軸方向の移動が規制された状態で固定される。
フリクションゴムリング41は、高い弾性域(変形量)と戻し力(リトラクション効果)を有する形状及び材質のものが選定される。本実施形態において、フリクションゴムリング41の軸線を含む面による断面形状は、内周面にグリスが保持できる環状溝55を有する断面U字形状に形成されている。フリクションゴムリング41は、図4に示すように、環状溝55を有する内周面側の一対の凸部先端が上段ガイドピン37の外周面に摺接する。フリクションゴムリング41の凸部先端と上段ガイドピン37の外周面との間には、両者間の摺動抵抗値を適性値である5〜50kgfにするために、二硫化モリブデン等の固化潤滑材を混入した高性能グリスを保持させることができる。
なお、本発明に係るフリクションゴムリング41の断面形状は、本実施形態のU字形状に限定されるものではなく、弾性復元作用の調整を可能とするものであれば、断面H形等の種々の形状を採りうる。
フリクションゴムリング41は、断面U字形状に形成され、その凸部先端が上段ガイドピン37の外周面に摺接することで、弾性復元作用を有する。これにより、例えばブレーキ制動時に上段ガイドピン37が上段筒状支持部33に対して駆動ピストン29側へ移動した際、ブレーキ緩開時においては、駆動ピストン29側と反対側(以下、反駆動ピストン側と云う)へ上段ガイドピン37を戻す力を作ることが可能となる。
図5に示すように、本実施形態に係るキャリパ戻し装置31は、上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39における反駆動ピストン側(図3中、左側)の端部に固定された反ピストン側支持プレート57と、反ピストン側支持プレート57とサポート13との間に配置された第1キャリパ戻し装置59と、を備える。反ピストン側支持プレート57は、支持プレート固定ボルト61によって、上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39における反駆動ピストン側の端部に固定される。
図6に示すように、第1キャリパ戻し装置59は、ハウジング63と、ピストンケース65と、圧縮ばね部材67と、ピストン69と、摩擦部材71と、を有する。
ハウジング63は、円筒状に形成され、反ピストン側支持プレート57に固定される。反ピストン側支持プレート57には、ハウジング固定穴73が穿設されている。ハウジング固定穴73は、ハウジング63の基端部であるハウジング基端部75がハウジング固定穴73に貫通され、貫通先端がハウジング固定用止め輪77によって固定される。ハウジング基端部75には、透孔79が穿設されている。透孔79は、ハウジング63の内部に連通する。この透孔79は、着脱自在なキャップ81によって塞がれる。ハウジング63の先端内周には、ピストンケース65のフランジ部87を係止するための先端側係止部である先端側係止部用止め輪83が固定される。ハウジング63の先端外周とピストン69との間には、防塵用ブーツ85が装着される。
ピストンケース65は、円筒状に形成され、ハウジング63に相対移動可能に内挿される。ピストンケース65は、ハウジング63の内周に設けられた先端側係止部用止め輪83に、外周に設けたフランジ部87が係止されて、ハウジング63内からの離脱が規制されている。
圧縮ばね部材67は、ハウジング63とピストンケース65との間に配置される。圧縮ばね部材67は、フランジ部87が先端側係止部用止め輪83側に押圧付勢されるように、ハウジング63の基端側係止部89とフランジ部87との間に圧縮状態で介装される。この圧縮ばね部材67は、駆動ピストン29の駆動力よりも小さい力で圧縮変形が可能である。また、この圧縮ばね部材67の弾性復元力は、上記したフリクションゴムリング41と上段ガイドピン37との摩擦力よりも大きく設定されている。
ピストン69は、ピストンケース65に摺動自在に内挿される。ピストン69の先端部は、半球面形状に形成されて突出している。このピストン先端部91は、対向するサポート13における駆動ピストン29と反対側の反ピストン側対向面である外面13aに当接する(図4参照)。このピストン69には、軸部93が軸線方向後方に突出して固定されている。軸部93は、軸部93の基端側に外挿される軸部用ワッシャ95と、軸用止め輪97によってピストン69に固定される。
摩擦部材71は、例えばコイルばね等によって筒状に形成された摩擦係合部材である。摩擦部材71は、ピストンケース65の中心軸線方向の基端側への相対移動不可能にピストンケース65の穴部99に設けられる。摩擦部材71は、摩擦部材71を収容した穴部99の開口側に、摩擦部材用ワッシャ101及び摩擦部材用止め輪103によって穴部99からの離脱が規制される。摩擦部材71は、内穴にピストン69の軸部93を所定の摩擦力によって固定している。これにより、摩擦部材71は、ピストン69の基端部に立設した軸部93に摩擦係合し、ピストン69の突出位置を保持する。摩擦部材71は、所定の摩擦力以上の力によって軸部93との摺動が可能とされる。この所定の摩擦力は、駆動ピストン29の駆動力よりも小さく設定される。なお、摩擦部材71は、コイルばねの他、ゴム等の弾性材料からなるものであってもよい。
第1キャリパ戻し装置59は、ピストンケース65の基端部であるピストンケース基端部105と、ハウジング基端部75との間に所定間隙K1(図4参照)を設定する。本実施形態において、この所定間隙K1は、サポート13と反ピストン側押圧腕23との間を所定間隔Hに保持し、反駆動ピストン側のブレーキパッド27とディスクロータ19との間のパッドクリアランスC(図7参照)と等しくなる。
また、キャリパ戻し装置31におけるフランジ部87と先端側係止部用止め輪83との間には、ワッシャ107が介装されている。
次に、上記した構成のディスクブレーキ11の作用を説明する。
図7の(a)〜(c)はブレーキ解放時にパッドクリアランスが確保される過程を表した動作説明図である。
本第1実施形態に係るディスクブレーキ11では、図7の(a)に示すように、ブレーキ解放時、それぞれのブレーキパッド27とディスクロータ19との間には、パッドクリアランスCが設定されている。この状態が、駆動ピストン29及びキャリパ戻し装置31の初期位置とする。
図7の(b)に示すように、駆動ピストン29がストロークCで駆動されると、駆動ピストン側(図中、右側)のブレーキパッド27がディスクロータ19に当接する。図7の(c)に示すように、更に、駆動ピストン29がストロークCだけ突出すると、その反力により反駆動ピストン側のブレーキパッド27が引き寄せられる。すなわち、フローティングキャリパ25がフリクションゴムリング41の摩擦抵抗に抗しサポート13に対して駆動ピストン29側へ移動する。その結果、一対のブレーキパッド27がディスクロータ19を両側から挟み込むようになり、そのときの摩擦により制動力が発生する。
この際、キャリパ戻し装置31は、フローティングキャリパ25が駆動ピストン29側に移動され、反ピストン側押圧腕23が図7の(c)の矢印a方向に引き寄せられることで、サポート13に接近して矢印b方向に圧縮ばね部材67が圧縮される。キャリパ戻し装置31は、この圧縮ばね部材67の圧縮により弾性復元力が蓄積される。ブレーキ解放時、キャリパ戻し装置31は、蓄積された圧縮ばね部材67の弾性復元力によって、フローティングキャリパ25の反ピストン側押圧腕23をサポート13から離反する方向(駆動ピストン29側と反対側)に所定間隔分(所定間隙K1の分)移動させる。その結果、サポート13とフローティングキャリパ25の基部15とは、図7の(a)に示した初期位置に戻される。これにより、反駆動ピストン側のブレーキパッド27とディスクロータ19との間には、パッドクリアランスCが開けられることになる。
そして、本第1実施形態のディスクブレーキ11では、キャリパ戻し装置31が、上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39に固定された反ピストン側支持プレート57に、第1キャリパ戻し装置59を配置することにより構成されている。第1キャリパ戻し装置59は、弾性付勢のための座面としてサポート13における駆動ピストン29側と反対側の反ピストン側対向面である外面13aを利用する。このキャリパ戻し装置31では、フローティングキャリパ25の基部側の付属部品である上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39に第1キャリパ戻し装置59を固定することで、既存部品の変更を最小限にすることができる。これにより、フローティングキャリパ25の基部15やサポート13だけでなく、サポート内部の部品構成も変更する必要がない。
また、第1キャリパ戻し装置59は、圧縮ばね部材67の反発力が、摩擦部材71の摺動抵抗力よりも小さく設定されている(圧縮ばね部材67の反発力<摩擦部材の摺動抵抗力)。第1キャリパ戻し装置59は、通常のブレーキ作動時、フローティングキャリパ25が駆動ピストン29側に移動されると、圧縮ばね部材67だけが撓む。すなわち、ピストンケース65とピストン69は、摩擦部材71によって連結されていることで、一体物としてサポート13に対するフローティングキャリパ25の移動量を吸収する。ブレーキ解放時、第1キャリパ戻し装置59は、フローティングキャリパ25とサポート13との間に、圧縮ばね部材67に蓄積された弾性復元力(反発力)を発生させる。その結果、サポート13に対してフローティングキャリパ25は、初期位置に戻される。
図8の(a)〜(d)はパッド摩耗時におけるブレーキ解放時にパッドクリアランスが確保される過程を表した動作説明図である。
ディスクブレーキ11は、ブレーキパッド27に摩耗の生じることが想定される。ここで、その摩耗量をdとする。従って、この場合のそれぞれのディスクロータ19とブレーキパッド27とのパッドクリアランスは、図8の(a)に示すように、C+dとなる。
図8の(b)に示すように、駆動ピストン29がストロークC+dで駆動されると、駆動ピストン側のブレーキパッド27がディスクロータ19に当接する。図8の(c)に示すように、更に、駆動ピストン29がストロークC+dだけ突出すると、その反力により反駆動ピストン側のブレーキパッド27が駆動ピストン側へ引き寄せられる。
パッド摩耗時、第1キャリパ戻し装置59のハウジング63は、ブレーキパッド27の摩耗量d分、サポート13に長い距離引き寄せられる。すると、一体物としてのピストンケース65とピストン69は、圧縮ばね部材67を圧縮させた後、ピストンケース基端部105がハウジング基端部75に当たる。パッド摩耗時には、更にピストン69が摩耗量dだけ押し込まれる。この際の押し込み力は、駆動ピストン29の力であり、摩擦部材71の摺動抵抗力よりも大きい。従って、ピストン69は、軸部93を摩擦部材71に摺動させてピストンケース65に摩耗量dだけ押し込まれる。この摺動によって、パッド摩耗時におけるサポート13とフローティングキャリパ25の位置ずれが吸収される。
図8の(d)に示すように、ブレーキ解放時、第1キャリパ戻し装置59は、フローティングキャリパ25とサポート13との間に圧縮ばね部材67に蓄積しておいた弾性復元力(反発力)を発生させる。その結果、フローティングキャリパ25は、ピストン69が圧縮ばね部材67を圧縮して後退した分(所定間隙K1の分)、再びサポート13に対して反ピストン側へ移動する。これにより、反駆動ピストン側のブレーキパッド27とディスクロータ19との間には、所定間隙K1の分だけのパッドクリアランスCが開けられることになる。また、ピストン側押圧腕21には、駆動ピストン29と共に公知のオートアジャスタ装置40(図3参照)が設けられており、ピストン側のブレーキパッド27の摩耗に応じて駆動ピストン29の突出位置が自動調整される。これにより、ピストン側のブレーキパッド27とディスクロータ19との間も、パッドクリアランスCが維持される。
つまり、本第1実施形態に係るディスクブレーキ11は、ブレーキパッド27に摩耗が生じても、常にブレーキパッド27とディスクロータ19のパッドクリアランスが自動調整され、所定間隙K1と等しいパッドクリアランスCが保持されるように構成されている。
なお、本第1実施形態のキャリパ戻し装置31は、反駆動ピストン側のパッドクリアランスCの距離のみを作動すればよいため、ピストン側押圧腕21に設けられた上記オートアジャスタ装置40よりも作動距離が短い。その結果、キャリパ戻し装置31は、各部材の疲労が抑制され、信頼性が確保しやすくなっている。
従って、本第1実施形態に係るディスクブレーキ11によれば、ブレーキ解放時の反ピストン側のパッドクリアランスCを強制的に開けることができる。
そして、本第1実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキによれば、上記のディスクブレーキ11の構成を備えることで、鉄道車両用の車輪17の両側面に取り付けたディスクロータ19にブレーキパッド27を押圧して制動する際に、ブレーキパッド27とディスクロータ19のパッドクリアランスCを一定に維持できる。これにより、ブレーキパッド27の偏摩耗及び引きずりを防止するとともに、車両の始動トルクの増大を抑制可能とすることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ111を説明する。
なお、本第2実施形態に係るディスクブレーキ111は、サポート13とピストン側押圧腕21との間に、戻しばね部材120が設けられた以外は、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ11と同様の構成であるので、同様の構成部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図9に示すように、本第2実施形態のディスクブレーキ111は、サポート13における上段筒状支持部33の駆動ピストン側端(本実施形態においては、フリクションゴムリング41の側面)と、上段ガイドピン37の駆動ピストン側端に固定されたブーツ固定用カラー50との間に、戻しばね部材120が介装されている。
戻しばね部材120は、第1キャリパ戻し装置59における圧縮ばね部材67の反発力と等しい反発力でピストン側押圧腕21をサポート13に対して駆動ピストン側へ弾性付勢する圧縮コイルばねである。
従って、本第2実施形態のディスクブレーキ111によれば、サポート13とピストン側押圧腕21との間に戻しばね部材120が設けられるので、例えば車輪17の反ピストン側(図9中左側)への揺動時において必要となる駆動ピストン側へフローティングキャリパ25の基部15を戻す力を付与することができる。
なお、制動時には、駆動ピストン29が駆動されてフローティングキャリパ25が上段ガイドピン37に対して駆動ピストン側に移動されると、サポート13とピストン側押圧腕21との間に設けられた戻しばね部材120は反発力を発生するが、駆動ピストン29の駆動力はこの戻しばね部材120の反発力よりも大きいので、制動に支障をきたすことはない。
また、車輪17のピストン側(図9中右側)への揺動時において必要となる駆動ピストン側と反対側へフローティングキャリパ25の基部15を戻す力は、第1キャリパ戻し装置59の圧縮ばね部材67により付与することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキ211を説明する。
なお、本第3実施形態に係るディスクブレーキ211は、サポート13とピストン69との間に、戻しばね機構80が設けられた以外は、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ11と同様の構成であるので、同様の構成部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図10に示すように、本第3実施形態のディスクブレーキ211は、サポート13における外面13aの背面側(駆動ピストン29側)に位置するピストン側対向面である内面13bと、第1キャリパ戻し装置59のピストン69との間に、戻しばね機構80が配設されている。
戻しばね機構80は、一端にピストン保持部71aが形成されると共に他端にばね支持部72bが形成された支持フレーム72と、戻しばね74とで構成されている。支持フレーム72のピストン保持部72aは、ピストン69の外周部を把持して一体にねじ固定される。支持フレーム72のばね支持部72bには、圧縮コイルばねから成る戻しばね74が挿着される。
基部部がばね支持部72bに装着され、先端部がサポート13の内面13bに当接した戻しばね74は、第1キャリパ戻し装置59における圧縮ばね部材67の反発力と等しい反発力でピストン69をサポート13に対して駆動ピストン側へ弾性付勢する。
従って、本第3実施形態のディスクブレーキ211によれば、サポート13の内面13bと第1キャリパ戻し装置59のピストン69との間に戻しばね機構80が設けられるので、例えば車輪17の反ピストン側(図10中左側)への揺動時において必要となる駆動ピストン側へフローティングキャリパ25の基部15を戻す力を第1キャリパ戻し装置59を介して付与することができる。
なお、ブレーキ解放時に、第1キャリパ戻し装置59によってフローティングキャリパ25がサポート13に対して反駆動ピストン側に移動される際には、サポート13の内面13bと第1キャリパ戻し装置59のピストン69との間に設けられた戻しばね機構80は反発力を発生するが、第1キャリパ戻し装置59の圧縮ばね部材67の反発力はこの戻しばね機構80の反発力よりも大きいので、駆動ピストン29と反対側のブレーキパッド27とディスクロータ19との間に開けられるパッドクリアランスの形成に支障をきたすことはない。
また、車輪17のピストン側(図10中右側)への揺動時において必要となる駆動ピストン側と反対側へフローティングキャリパ25の基部15を戻す力は、第1キャリパ戻し装置59の圧縮ばね部材67により付与することができる。
次に、本発明の第4実施形態に係るディスクブレーキ311を説明する。
なお、本第4実施形態に係るディスクブレーキ311は、サポート13に対してピストン側押圧腕21を駆動ピストン29側へ弾性付勢する戻しばね装置130が設けられた以外は、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ11と同様の構成であるので、同様の構成部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図11に示すように、本第4実施形態のディスクブレーキ311における戻しばね装置130は、上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39における駆動ピストン側(図11中、右側)の端部に固定されたピストン側支持プレート58と、ピストン側支持プレート58とサポート13との間に配置されたオートアジャスタ機構59Aと、を備える。
戻しばね装置130におけるオートアジャスタ機構59Aは、キャリパ戻し装置31における第1キャリパ戻し装置59と同様の構成であり、弾性付勢のための座面としてサポート13の駆動ピストン29側におけるピストン側対向面である外面13cを利用する。
従って、本第4実施形態のディスクブレーキ311によれば、サポート13に対してピストン側押圧腕21を駆動ピストン29側へ弾性付勢する戻しばね装置130が設けられるので、例えば車輪17の反ピストン側(図11中左側)への揺動時において必要となる駆動ピストン側へフローティングキャリパ25の基部15を戻す力を付与することができる。
なお、ブレーキ解放時に、キャリパ戻し装置31の第1キャリパ戻し装置59によってフローティングキャリパ25がサポート13に対して反駆動ピストン側に移動される際には、サポート13の外面13cに対してピストン69が離れたオートアジャスタ機構59Aは圧縮ばね部材67の反発力を付与することができないので、駆動ピストン29と反対側のブレーキパッド27とディスクロータ19との間に開けられるパッドクリアランスの形成に支障をきたすことはない。
また、車輪17のピストン側(図11中右側)への揺動時において必要となる駆動ピストン側と反対側へフローティングキャリパ25の基部15を戻す力は、第1キャリパ戻し装置59の圧縮ばね部材67により付与することができる。
このように、戻しばね装置130におけるオートアジャスタ機構59Aとして第1キャリパ戻し装置59と同様の構成を用いることにより、既存部品の変更を最小限にすると共に部品の種類が増えることを防止できる。
次に、本発明の第5実施形態に係るディスクブレーキ411を説明する。
なお、本第5実施形態に係るディスクブレーキ411は、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ11のキャリパ戻し装置31に代えてキャリパ戻し装置431を有する以外は、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ11と同様の構成であるので、同様の構成部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図12に示すように、本第5実施形態のディスクブレーキ411におけるキャリパ戻し装置431は、上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39における駆動ピストン側(図12中、右側)の端部に固定されたピストン側支持プレート458と、ピストン側支持プレート458とサポート13との間に配置された第2キャリパ戻し装置459と、を備える。ピストン側支持プレート458は、支持プレート固定ナット62によって、上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39における駆動ピストン側の端部に固定される。
図12及び図13に示すように、第2キャリパ戻し装置459は、上記第1実施形態のキャリパ戻し装置31における第1キャリパ戻し装置59と略同様のハウジング63と、ピストンケース65と、圧縮ばね部材67と、ピストン69と、摩擦部材71と、を有する。更に、第2キャリパ戻し装置459は、ピストン69に固定されるピストン保持部473が一端に設けられると共に、サポート13の外面13cの背面側(駆動ピストン29側と反対側)に位置する反ピストン側対向面である内面13dに向かって突設されたばね支持軸部477が他端に設けられるばね支持フレーム471と、ばね支持軸部477に装着される圧縮コイルばね480と、を有する。
ばね支持フレーム471のピストン保持部473は、U字状に折り曲げ形成された一対の把持片によりピストン69の外周部を把持して一体にねじ固定される。ばね支持フレーム471のばね支持軸部477は、基部477bに外側フランジを有する円筒部材からなり、L字状に折り曲げ形成された取付片475に一体にねじ固定される。
ばね支持フレーム471のばね支持軸部477に装着される圧縮コイルばね480は、ばね支持軸部477の軸方向長さよりも長いばね全長を有しており、該ばね支持軸部477の基部477bとサポート13の内面13dとの間に圧縮して介装される。この圧縮コイルばね480は、駆動ピストン29の駆動力よりも小さい力で圧縮変形が可能である。また、この圧縮コイルばね480の弾性復元力は、上記したフリクションゴムリング41と上段ガイドピン37との摩擦力よりも大きく設定されている。
第2キャリパ戻し装置459は、サポート13の内面13dとばね支持軸部477の先端部477aとの間に設けた所定間隙K2(図12参照)を設定する。本第5実施形態において、この所定間隙K2は、サポート13と反ピストン側押圧腕23との間を所定間隔Hに保持し、反駆動ピストン側のブレーキパッド27とディスクロータ19との間のパッドクリアランスと等しく設定することができる。なお、所定間隙K2は、パッドクリアランスよりも大きくてもよい。この場合、所定間隙K2とパッドクリアランスの差分は、ブレーキパッド27が摩耗した際に第2キャリパ戻し装置459が作動するまでの遊び分となる。
次に、上記した構成のディスクブレーキ411の作用を説明する。
本第5実施形態に係るディスクブレーキ411では、キャリパ戻し装置431が、上段ガイドピン37及び下段ガイドピン39に固定されたピストン側支持プレート58に、第2キャリパ戻し装置459を配置することにより構成されている。第2キャリパ戻し装置459は、弾性付勢のための座面としてサポート13の駆動ピストン29側の外面13cの背面側に位置する反ピストン側対向面である内面13dを利用する。このキャリパ戻し装置431では、上記第1実施形態のキャリパ戻し装置31と同様に、既存部品の変更を最小限にすることができる。
第2キャリパ戻し装置459は、圧縮ばね部材67の反発力が、摩擦部材71の摺動抵抗力よりも小さく設定されている。第2キャリパ戻し装置459は、通常のブレーキ作動時、フローティングキャリパ25が駆動ピストン29側に移動されると、ばね支持フレーム471のばね支持軸部477に装着された圧縮コイルばね480だけが撓む。すなわち、ピストン側支持プレート458に固定されたハウジング63に内挿されたピストンケース65及びピストン69と一体に構成されたばね支持フレーム471のばね支持軸部477に装着された圧縮コイルばね480は、サポート13に対するフローティングキャリパ25の移動量を吸収する。ブレーキ解放時、第2キャリパ戻し装置459は、フローティングキャリパ25とサポート13との間に、圧縮コイルばね480に蓄積された弾性復元力(反発力)を発生させる。その結果、サポート13に対してフローティングキャリパ25は、初期位置に戻される。
一方、パッド摩耗時、第2キャリパ戻し装置459におけるピストン69に固定されたばね支持フレーム471は、ブレーキパッド27の摩耗量分、駆動ピストン29側に移動される。すると、ばね支持フレーム471のばね支持軸部477は、基部477bが圧縮コイルばね480を圧縮させた後、先端部477aがサポート13の内面13dに当たり、移動が規制される。このパッド摩耗時には、更にピストン側支持プレート458に固定されたハウジング63が駆動ピストン29側に移動される。この際の移動力は、駆動ピストン29の力であり、摩擦部材71の摺動抵抗力よりも大きい。従って、支持フレーム471を介して移動が規制されたピストン69は、軸部93を摩擦部材71に摺動させてピストンケース65から摩耗量だけ引き出される。この摺動によって、パッド摩耗時におけるサポート13とフローティングキャリパ25の位置ずれが吸収される。
ブレーキ解放時、第2キャリパ戻し装置459は、フローティングキャリパ25とサポート13との間に、圧縮コイルばね480に蓄積しておいた弾性復元力(反発力)を発生させる。フローティングキャリパ25は、ピストン69に固定されたばね支持フレーム471が圧縮コイルばね480を圧縮して駆動ピストン29側に移動した分(所定間隙K2の分)、再びサポート13に対して反ピストン側へ移動する。これにより、ディスクロータ19を挟んで駆動ピストン29と反対側のブレーキパッド27とディスクロータ19との間には、所定間隙K2の分だけパッドクリアランスが開けられることになる。
従って、本第5実施形態に係るディスクブレーキ411によれば、ブレーキパッド27に摩耗が生じても、常にブレーキパッド27とディスクロータ19のパッドクリアランスが自動調整され、所定間隙K2と等しいパッドクリアランスが保持されるように構成されており、ブレーキ解放時の反ピストン側のパッドクリアランスを強制的に開けることができる。
また、本第5実施形態の第2キャリパ戻し装置459における圧縮ばね部材67は、例えば車輪17の反ピストン側(図12中左側)への揺動時において必要となる駆動ピストン側へフローティングキャリパ25の基部15を戻す力を付与することができる。
ここで、上述した本発明に係るディスクブレーキ及び鉄道車両用ディスクブレーキ装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] サポート(13)の筒状支持部(上段筒状支持部33)に対しガイドピン(上段ガイドピン37)を介して摺動自在に支承された基部(15)と、該基部からディスクロータ(19)を軸方向両側から挟む位置にまで延出された一対の押圧腕(ピストン側押圧腕21、反ピストン側押圧腕23)とを有するフローティングキャリパ(25)と、
前記ディスクロータの側面に対向するように前記一対の押圧腕の先端部にそれぞれ設けられた一対のブレーキパッド(27)と、
前記ブレーキパッドの一方を前記ディスクロータの側面に向けて駆動するために前記一対の押圧腕における一方の押圧腕(ピストン側押圧腕21)に設けられた駆動ピストン(29)と、
前記サポートに対して前記フローティングキャリパを前記駆動ピストン側と反対側へ弾性付勢すると共に、前記サポートと前記一対の押圧腕における他方の押圧腕(反ピストン側押圧腕23)との間を所定間隔(H)に保持するためのキャリパ戻し装置(31,431)と、
を備えることを特徴とするディスクブレーキ(11,411)。
[2] 前記キャリパ戻し装置(31)が、
前記ガイドピンにおける前記駆動ピストン側と反対側の端部に固定された反ピストン側支持プレート(57)と、
前記反ピスト側支持プレートと前記サポートとの間に配置された第1キャリパ戻し装置(59)と、
を備えることを特徴とする上記[1]に記載のディスクブレーキ(11)。
[3] 前記キャリパ戻し装置(431)が、前記ガイドピンにおける前記駆動ピストン側の端部に固定されたピストン側支持プレート(458)と、
前記ピストン側支持プレートと前記サポートとの間に配置された第2キャリパ戻し装置(431)と、
を備えることを特徴とする上記[1]に記載のディスクブレーキ(411)。
[4] 前記第1キャリパ戻し装置(59)が、
前記反ピストン側支持プレートに固定された筒状のハウジング(63)と、
前記ハウジングに相対移動可能に内挿され、前記ハウジングの内周に設けられた先端側係止部(先端側係止部用止め輪83)に係止されるフランジ部(87)を外周に有する筒状のピストンケース(65)と、
前記フランジ部が前記先端側係止部に係止されるように前記ハウジングの基端側係止部(89)と前記フランジ部との間に圧縮して介装される圧縮ばね部材(67)と、
前記ピストンケースに摺動自在に内挿され、先端部が前記サポートにおける前記駆動ピストン側と反対側の反ピストン側対向面(外面13a)に当接するピストン(69)と、
中心軸線方向の基端側への相対移動不可能に前記ピストンケースの穴部(99)に設けられ、前記ピストンの基端部に立設した軸部(93)に摩擦係合し、前記ピストンの突出位置を保持する摩擦部材(71)と、を備え、
前記ピストンケースの基端部と前記ハウジングの基端部との間に設けた所定間隙(K1)により前記所定間隔(H)が設定されることを特徴とする上記[2]に記載のディスクブレーキ(11)。
[5] 前記サポート(13)と前記一方の押圧腕(ピストン側押圧腕21)との間には、前記サポートに対して前記一方の押圧腕を前記圧縮ばね部材(67)の反発力と等しい反発力で前記駆動ピストン側へ弾性付勢する戻しばね部材(120)が設けられることを特徴とする上記[4]に記載のディスクブレーキ(111)。
[6] 前記サポート(13)と前記ピストン(69)との間には、前記サポートの前記駆動ピストン側におけるピストン側対向面(内面13b)に対して前記ピストンを前記圧縮ばね部材(67)の反発力と等しい反発力で前記駆動ピストン側へ弾性付勢する戻しばね機構(80)が設けられることを特徴とする上記[4]に記載のディスクブレーキ(211)。
[7] 前記第2キャリパ戻し装置(431)が、
前記ピストン側支持プレート(458)に固定された筒状のハウジング(63)と、
前記ハウジングに相対移動可能に内挿され、前記ハウジングの内周に設けられた先端側係止部(先端側係止部用止め輪83)に係止されるフランジ部(87)を外周に有する筒状のピストンケース(65)と、
前記フランジ部が前記先端側係止部に係止されるように前記ハウジングの基端側係止部(89)と前記フランジ部との間に圧縮して介装される圧縮ばね部材(67)と、
前記ピストンケースに摺動自在に内挿され、先端部が前記サポートにおける前記駆動ピストン側のピストン側対向面(外面13c)に当接するピストン(69)と、
中心軸線方向の基端側への相対移動不可能に前記ピストンケースの穴部(99)に設けられ、前記ピストンの基端部に立設した軸部(93)に摩擦係合し、前記ピストンの突出位置を保持する摩擦部材(71)と、
前記ピストンに固定されるピストン保持部(473)が一端に設けられると共に、前記サポートにおける前記駆動ピストン側と反対側の反ピストン側対向面(内面13d)に向かって突設されたばね支持軸部(477)が他端に設けられるばね支持フレーム(471)と、
前記ばね支持軸部に装着されて該ばね支持軸部の基部(477b)と前記反ピストン側対向面との間に圧縮して介装される圧縮コイルばね(480)と、を備え、
前記反ピストン側対向面と前記ばね支持軸部の先端部(477a)との間に設けた所定間隙(K2)により前記所定間隔(H)が設定されることを特徴とする上記[3]に記載のディスクブレーキ(411)。
[8] 上記[1]〜[7]の何れか1つに記載のディスクブレーキ(11,111,211,311,411)を備えたことを特徴とする鉄道車両用ディスクブレーキ。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11…ディスクブレーキ
13…サポート
13a…外面(反ピストン側対向面)
15…基部
19…ディスクロータ
21…ピストン側押圧腕(一方の押圧腕)
23…反ピストン側押圧腕(他方の押圧腕)
25…フローティングキャリパ
27…ブレーキパッド
29…駆動ピストン
31…キャリパ戻し装置
33…上段筒状支持部(筒状支持部)
35…下段筒状支持部(筒状支持部)
37…上段ガイドピン(ガイドピン)
39…下段ガイドピン(ガイドピン)
57…反ピストン側支持プレート
59…第1キャリパ戻し装置
63…ハウジング
65…ピストンケース
67…圧縮ばね部材
69…ピストン
71…摩擦部材
75…ハウジング基端部(ハウジングの基端部)
83…先端側係止部用止め輪(先端側係止部)
87…フランジ部
89…基端側係止部
93…軸部
99…穴部
105…ピストンケース基端部(ピストンの基端部)
H…所定間隔
K1…所定間隙

Claims (8)

  1. サポートの筒状支持部に対しガイドピンを介して摺動自在に支承された基部と、該基部からディスクロータを軸方向両側から挟む位置にまで延出された一対の押圧腕とを有するフローティングキャリパと、
    前記ディスクロータの側面に対向するように前記一対の押圧腕の先端部にそれぞれ設けられた一対のブレーキパッドと、
    前記ブレーキパッドの一方を前記ディスクロータの側面に向けて駆動するために前記一対の押圧腕における一方の押圧腕に設けられた駆動ピストンと、
    前記サポートに対して前記フローティングキャリパを前記駆動ピストン側と反対側へ弾性付勢すると共に、前記サポートと前記一対の押圧腕における他方の押圧腕との間を所定間隔に保持するためのキャリパ戻し装置と、
    を備えることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記キャリパ戻し装置が、
    前記ガイドピンにおける前記駆動ピストン側と反対側の端部に固定された反ピストン側支持プレートと、
    前記反ピストン側支持プレートと前記サポートとの間に配置された第1キャリパ戻し装置と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記キャリパ戻し装置が、
    前記ガイドピンにおける前記駆動ピストン側の端部に固定されたピストン側支持プレートと、
    前記ピストン側支持プレートと前記サポートとの間に配置された第2キャリパ戻し装置と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  4. 前記第1キャリパ戻し装置が、
    前記反ピストン側支持プレートに固定された筒状のハウジングと、
    前記ハウジングに相対移動可能に内挿され、前記ハウジングの内周に設けられた先端側係止部に係止されるフランジ部を外周に有する筒状のピストンケースと、
    前記フランジ部が前記先端側係止部に係止されるように前記ハウジングの基端側係止部と前記フランジ部との間に圧縮して介装される圧縮ばね部材と、
    前記ピストンケースに摺動自在に内挿され、先端部が前記サポートにおける前記駆動ピストン側と反対側の反ピストン側対向面に当接するピストンと、
    中心軸線方向の基端側への相対移動不可能に前記ピストンケースの穴部に設けられ、前記ピストンの基端部に立設した軸部に摩擦係合し、前記ピストンの突出位置を保持する摩擦部材と、を備え、
    前記ピストンケースの基端部と前記ハウジングの基端部との間に設けた所定間隙により前記所定間隔が設定されることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
  5. 前記サポートと前記一方の押圧腕との間には、前記サポートの前記駆動ピストン側におけるピストン側対向面に対して前記一方の押圧腕を前記圧縮ばね部材の反発力と等しい反発力で前記駆動ピストン側へ弾性付勢する戻しばね部材が設けられることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ。
  6. 前記サポートと前記ピストンとの間には、前記サポートの前記駆動ピストン側におけるピストン側対向面に対して前記ピストンを前記圧縮ばね部材の反発力と等しい反発力で前記駆動ピストン側へ弾性付勢する戻しばね機構が設けられることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ。
  7. 前記第2キャリパ戻し装置が、
    前記ピストン側支持プレートに固定された筒状のハウジングと、
    前記ハウジングに相対移動可能に内挿され、前記ハウジングの内周に設けられた先端側係止部に係止されるフランジ部を外周に有する筒状のピストンケースと、
    前記フランジ部が前記先端側係止部に係止されるように前記ハウジングの基端側係止部と前記フランジ部との間に圧縮して介装される圧縮ばね部材と、
    前記ピストンケースに摺動自在に内挿され、先端部が前記サポートにおける前記駆動ピストン側のピストン側対向面に当接するピストンと、
    中心軸線方向の基端側への相対移動不可能に前記ピストンケースの穴部に設けられ、前記ピストンの基端部に立設した軸部に摩擦係合し、前記ピストンの突出位置を保持する摩擦部材と、
    前記ピストンに固定されるピストン保持部が一端に形成されると共に、前記サポートにおける前記駆動ピストン側と反対側の反ピストン側対向面に向かって突設されたばね支持軸部が他端に形成されるばね支持フレームと、
    前記ばね支持軸部に装着されて該ばね支持軸部の基部と前記反ピストン側対向面との間に圧縮して介装される圧縮コイルばねと、を備え、
    前記反ピストン側対向面と前記ばね支持軸部の先端部との間に設けた所定間隙により前記所定間隔が設定されることを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のディスクブレーキを備えたことを特徴とする鉄道車両用ディスクブレーキ。
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