JP6413786B2 - Icカード - Google Patents

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Description

本発明は、非接触でリーダーライターと通信できるICカードに関する。本発明に係るICカードは、非接触でリーダーライターと通信できる機能に加えて、接触状態でリーダーライターと通信できる機能を有するものであってもよい。
接触状態及び非接触状態の両者でリーダーライターと通信できる機能を有するICカードは、デュアルICカードの名前で知られている。このようなデュアルICカードは、モジュール基板にICチップを搭載して成るICモジュールを使用し、このICモジュールをカード本体に固定して構成されていることが通常である。リーダーライターの端子と接触する外部接触端子は一般にモジュール基板に設けられており、この外部接触端子はICチップの端子に配線されている。また、非接触でリーダーライターと通信するため、カード本体には送受信用アンテナコイルが設けられている。送受信用アンテナコイルとICチップとを電気配線によって接続したデュアルICカードも知られているが、カード本体とモジュール基板の両者に結合用コイルを設け、両結合用コイルを対面させることによりトランス結合(電磁結合)させ、このトランス結合を通じて通信するデュアルICカードも知られている。もちろん、このようなデュアルICカードにおいては、カード本体の結合用コイル(カード側結合コイル)は電気配線によって送受信用アンテナコイルに接続しており、モジュール基板の結合用コイル(モジュール側結合コイル)は電気配線によってICチップに接続している。このため、リーダーライターから送信された情報を送受信用アンテナコイルで受信し、トランス結合を通じてICチップに送ることができる。
カード側結合コイルとモジュール側結合コイルとを有するデュアルICカードは、例えば、特許文献1〜3に記載されている。図8はその断面構造を示す説明図であり、図9から図10は、説明の便宜のため、カード本体1とICモジュール2とを分離して図示したもので、図9(a)はカード本体1の説明用平面図、図9(b)はその説明用断面図である。また、図10(a)は、モジュール側結合コイルの形状及びICチップとモジュール側結合コイルの位置関係を示すため、拡大して表示したICモジュール2の説明用平面図、図10(b)はその説明用断面図である。
これらの図から分かるように、カード本体1は、回路シート11を上下のカード基材12で挟んで構成されている。回路シート11は、回路シート基材111の両面に電気配線を有しており、この電気配線のうち、回路シート基材111の上面に配置された電気配線は、渦巻き状のカード側結合コイル113、送受信用アンテナコイル112、コンデンサ電極114を直列に接続して構成されており、カード側結合コイル113の端部に表裏接続ランド115を有している。また、回路シート基材11の下面に配置された電気配線はコンデンサ電極116と、このコンデンサ電極116に接続した引き回し線117を有しており、コンデンサ電極114とコンデンサ電極116とは、回路シート基材111を誘電体として、その両側に対面するように配置されており、これらコンデンサ電極114、コンデンサ電極116及び回路シート基材111によってコンデンサを構成している。そして、前記表裏接続ランド115は、回路シート基材111に設けられたスルーホール118によって、前記引き回し線117に接続されている。この説明から分かるように、回路シート11に設けられた電気配線は、送受信用アンテナコイル112、カード側結合コイル113、及びコンデンサを直列配列した閉回路を構成している。
次に、このカード本体1には、深さが2段階の凹部が設けられている。この凹部のうち、深さの浅い凹部(基板用凹部)1aはモジュール基板21を収容するもので、その深さはモジュール基板21の厚みとほぼ同一であり、回路シート11に達しない深さである。他方、深さの深い凹部(チップ用凹部)1bは前記基板用凹部の底部に設けられてICチップ22を収容するもので、その深さはICチップ22の厚みとほぼ同一であり、回路シート11を越える深さである。なお、前記カード側結合コイル113は、チップ用凹部1bを囲むように配置されている。
ICモジュール2は、前述のように、モジュール基板21にICチップ22を搭載して構成されている。モジュール基板21の表面にはリーダーライターと接触する外部接触端子212が設けられており、この外部接触端子212はICカード外面に露出している。また、モジュール基板21の裏面にはICチップ22を囲むように渦巻き状のモジュール側結合コイル211が設けられていて、カード側結合コイル113と対面している。そして、これら外部接触端子212及びモジュール側結合コイル211はいずれも、ICチップ22と電気的に接続されている。
国際公開第99/26195号 国際公開第98/15916号 国際公開第96/35190号
ところで、カード側結合コイル113とモジュール側結合コイル211との間の通信効率は、この両者の内部を通る磁力線の数によって左右される。例えば、送受信用アンテナコイル112によって外部機器から信号を受信した場合には、この送受信用アンテナコイル112に接続されたカード側結合コイル113に電流が流れてその内部領域に磁力線を発生させ、この磁力線がモジュール側結合コイル211の内部領域を通過することによってモジュール側結合コイル211に誘導電流が流れ、この誘導電流によってICチップ22が駆動されるのである。すなわち、カード側結合コイル113の内部領域で発生した磁力線がモジュール側結合コイル211の内部領域を通過することによってICチップ22が駆動される。したがって、その通信効率は、カード側結合コイル113の内部領域とモジュール側結合コイル211の内部領域とが重なり合う共通領域の面積によって左右される。また、ICチップ22から発生した信号をモジュール側結合コイル211からカード側結合コイル113に送信する場合も、同様に、カード側結合コイル113の内部領域とモジュール側結合コイル211の内部領域とが重なり合う共通領域の面積によって通信効率が左右される。
そこで、両結合コイル211,113のトランス結合を強めて通信効率を高めるため、従来、渦巻き状カード側結合コイル113の巻き数を多くしていた。カード側結合コイル113の巻き数を多くするほどこのカード側結合コイル113から発生する磁力線の数も大きくなるため、両結合コイル211,113のトランス結合が強まり、通信効率も高まるのである。そして、このように巻き数を多くするため、渦巻き状カード側結合コイル113の外径は、モジュール側結合コイル211の外径よりも大きくなっていた。
しかしながら、両結合コイル211,113の間のトランス結合の効率はこれら両コイルの径が互いに近いほど高まるのである。前述のようにカード側結合コイル113の径がモジュール側結合コイル211の径より大きいと、大径のカード側結合コイル113の内部を通過する磁力線の一部が小径のモジュール側結合コイル211の内部を通過せず、洩れ磁束を発生させるため、両結合コイル211,113の間のトランス結合が低下し、両者の通信効率が低下するのである。
そこで、本発明は、渦巻き状カード側結合コイル113の径を小さくして両結合コイル211,113の間のトランス結合の効率を高め、しかも、十分な強度のトランス結合を実現して高い通信効率を得ることができるICカードを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、モジュール基板にICチップを搭載して成るICモジュールと、回路シートを内蔵したカード本体とで構成されたICカードであって、前記回路シートが回路シート基材とトランス結合用コイル(カード側結合コイル)とを有しており、一方、モジュール基板が前記ICチップに電気的に接続されたトランス結合用コイル(モジュール側結合コイル)を有しており、カード側結合コイルとモジュール側結合コイルとが互いに対面してトランス結合しているICカードにおいて、
前記カード側結合コイルが前記回路シート基材の上下両面に設けられており、これら両面のカード側結合コイルが互いに対面していることを特徴とするICカードである。
この発明によれば、回路シート基材の上下両面にカード側結合コイルが設けられているため、これら両カード側結合コイルから磁力線が発生する。このため、これら両カード側結合コイルの径を小さくしても、磁力線の数を多くすることが可能となり、モジュール側結合コイルとの間で強いトランス結合を実現して、その通信効率を高めることができる。しかも、両カード側結合コイルの径を小さくすることができるから、これら両カード側結合コイルとモジュール側結合コイルとの間の洩れ磁束を減少させることができ、そのトランス結合の効率も高まるのである。
ところで、これら両カード側結合コイルは、回路シート基材を間に挟んでその上下両面に設けられており、しかも、互いに対面するように配置されているから、この両カード側結合コイルと回路シート基材とでコンデンサを構成しており、両カード側結合コイルの間で浮遊容量が発生する。すなわち、このICカードでは、送受信用アンテナコイル、両カード側結合コイル、及びコンデンサ電極114とコンデンサ電極116で構成されるコンデンサに加えて、この浮遊容量を発生するコンデンサを直列配列した閉回路が構成されるのである。
そして、製造上のバラツキ等に起因して両カード側結合コイルの相対的位置のバラツキが生じた場合には、これら両カード側結合コイルの間の浮遊容量も変動することとなる。このように両カード側結合コイル間の浮遊容量が変動すると、前記閉回路の共振周波数が変動するため、両カード側結合コイルとモジュール側結合コイルとの間の通信効率が低下する結果となる。
請求項2及び請求項3に記載の発明は、このような技術的理由に基づいてなされたもので、両カード側結合コイルの相対的位置にバラツキが生じた場合にも、これら両カード側結合コイルの間の浮遊容量が変化せず、したがって、前記閉回路の共振周波数が一定に保たれるICカードを提供することを目的とするものである。
すなわち、請求項2に記載の発明は、回路シート基材の上下両面に設けられた前記カード側結合コイルのうち、一方のコイルを構成する導体が他方のコイルを構成する導体より細く、かつ、上面から見たとき、細い方の導体(細線)が太い方の導体(太線)の内部に位置していることを特徴とする請求項1に記載のICカードである。
請求項2に記載の発明においては、両結合コイルを構成する導体の太さを変えて、上面から見たとき細線が太線の内部に位置するように構成したから、これら両結合コイルの相対的位置関係が多少変動した場合でも、これら両結合コイルが互いに対面する面積は変動
せず、両コイルの間の浮遊容量も変化しない。たとえば、その製造条件のバラツキ等に起因して細線の位置がばらついても、この細線が太線の外部に飛び出すほどの大きな位置変動でない限り、両結合コイルが互いに対面する面積は変動しないのである。そして、このため、多少のばらつきにも拘わらず、浮遊容量が一定に保たれて、共振周波数も一定に保たれるのである。
次に、請求項3に記載の発明は、回路シート基材の上下両面に設けられた前記カード側結合コイルの外形がいずれも矩形を有しており、かつ、上面から見たとき、一方のコイルを構成する導体と他方のコイルを構成する導体とが交差していることを特徴とする請求項1に記載のICカードである。
請求項3に記載の発明においては、矩形状の両結合コイルを構成する導体が互いに交差するように配置されているから、これら両結合コイルの相対的位置関係が多少変動した場合でも、これら両結合コイルが互いに対面する面積は変動せず、両コイルの間の浮遊容量も変化しない。このため、多少のばらつきにも拘わらず、浮遊容量が一定に保たれて、共振周波数も一定に保たれるのである。
次に、請求項4に記載の発明は、回路シート基材の上下両面に設けられた前記カード側結合コイルが直列結合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のICカードである。
また、請求項5に記載の発明は、前記回路シート基材に送受信用アンテナコイルが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のICカードである。
また、請求項6に記載の発明は、回路シート基材の上下両面に設けられた前記カード側結合コイルのうち、いずれか一方又は両方が渦巻き状の形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のICカードである。
本発明によれば、回路シート基材の上下両面にカード側結合コイルが設けられているため、両カード側結合コイルの径を小さくしても、モジュール側結合コイルとの間で強いトランス結合を実現して、その通信効率を高めることができる。しかも、両カード側結合コイルの径を小さくすることができるから、これら両カード側結合コイルとモジュール側結合コイルとの間の洩れ磁束を減少させることができ、そのトランス結合の効率も高まるのである。
本発明のICカードの第1の実施形態の断面構造を示す説明図である。 図2は本発明の第1の実施形態のカード本体を示すもので、図2(a)は上面か見た説明用平面図、図2(b)は上面から下面側の電気回路を透視した状態を示す説明用平面図、図2(c)はカード本体の断面構造を示す説明図である。 図3は本発明の第1の実施形態のインレットの例を示し、その回路シート基材の下面側に設けられたカード側結合コイルと、上面側に設けられたカード側結合コイルとの位置関係を説明するもので、図3(a)は上面側のカード側結合コイルを示す要部平面図であり、図3(b)は下面側のカード側結合コイルを示す要部平面図である。 図4は本発明の第1の実施形態のインレットの例を示し、上面側のカード側結合コイルと下面側のカード側結合コイルとの位置関係を示す説明用平面図である。 図5は本発明のICカードの第2の実施形態を示すもので、図5(a)は上面から見た説明用平面図、図5(b)は上面から下面側の電気回路を透視した状態を示す説明用平面図である。 図6は本発明の第2の実施形態のインレットの例を示し、図6(a)はその回路シート基材の上面側のカード側結合コイルを示す要部平面図であり、図6(b)は下面側のカード側結合コイルを示す要部平面図である。 図7は本発明の第1の実施形態のインレットの例を示し、上面側のカード側結合コイルと下面側のカード側結合コイルとの位置関係を示す説明用平面図である。 従来のICカードの断面構造を示す説明図である。 図9は従来のカード本体を示すもので、図9(a)はカード本体の説明用平面図、図9(b)はその説明用断面図である。 図10はICモジュールを示すもので、図10(a)は、モジュール側結合コイルの形状及びICチップとモジュール側結合コイルの位置関係を示すため、拡大して表示したICモジュールの説明用平面図、図10(b)はその説明用断面図である。
本発明に係るICカードはICモジュールとカード本体とで構成されたものである。ICモジュールはモジュール基板にICチップを搭載して成り、モジュール基板にはICチップに電気的に接続された渦巻き状のトランス結合用コイル(モジュール側結合コイル)が設けられている。一方、カード本体は回路シートを内蔵しており、この回路シートの上下面に電気回路が形成されている。この電気回路は、その一部に渦巻き状のトランス結合用コイル(カード側結合コイル)を有しており、カード側結合コイルとモジュール側結合コイルとが互いに対面してトランス結合している。望ましくは、この電気回路の一部に送受信用アンテナコイルが設けられている。送受信用アンテナコイルも渦巻き状の形状とすることができる。そして、このように送受信用アンテナコイルを設けた場合には、この送受信用アンテナコイルと外部機器との間で情報を通信することができ、前記トランス結合を通じてこの情報を前記ICチップに送信又は受信することができる。このため、送受信用アンテナコイル及びカード側結合コイルを有する電気回路を通じて、ICチップと外部機器との間で情報の授受が可能である。なお、電気回路は、この他、コンデンサを有することができる。
カード側結合コイルは、回路シートの上面と下面とに分離して設ける必要がある。これら上面側のカード側結合コイルと下面側のカード側結合コイルとは直列に接続することが望ましい。カード側結合コイルを上面と下面とに分離して設けることにより、上面側のカード側結合コイルと下面側のカード側結合コイルのそれぞれの巻き数が少なくても、その合計の巻き数を多くすることができ、このため、モジュール側結合コイルとのトランス結合を強くすることができる。また、上下面の前記カード側結合コイルの巻き数を少なくすることにより、渦巻き状のこれら両カード側結合コイルの外径を小さくしてモジュール側結合コイルの径に近づけることができ、前記モジュール側結合コイルとの間の洩れ磁束を減少させてトランス結合の結合効率を高めることができる。
図1はこのようなICカードの第1の例の断面構造を示す説明図である。このICカードは、非接触で外部機器と通信できると共に、外部接触端子212を使用して接触状態で外部機器と通信することもできるデュアルICカードであり、カード側結合コイルが回路シートの上面と下面とに分離して設けられている点を除き、従来のデュアルICカード(図8参照)と同一である。
このICカードに内蔵された回路シート11は、図2に示すような構造を有している。図2(a)は上面か見た説明用平面図、図2(b)は上面から下面側の電気回路を透視した状態を示す説明用平面図、図2(c)はカード本体の断面構造を示す説明図である。
すなわち、この回路シート11は、回路シート基材111の両面に電気配線を有しており、この電気配線のうち、回路シート基材111の上面に配置された電気配線は、渦巻き
状の上面側のカード側結合コイル113b、送受信用アンテナコイル112、コンデンサ電極114を直列に接続して構成されている。また、回路シート基材111の下面に配置された電気配線は、渦巻き状の下面側のカード側結合コイル113a、コンデンサ電極116、及びこれらカード側結合コイル113aとコンデンサ電極116を接続する引き回し線117である。そして、上下面のカード側結合コイル113a,113bは、表裏接続ランド115によって接続されている。したがって、回路シート基材111の上下両面に形成されたこれら電気回路は、送受信用アンテナコイル112、上面側のカード側結合コイル113b、下面側のカード側結合コイル113a、コンデンサの順に接続した閉回路を構成している。そして、これら両面のカード側結合コイル113a、113bの両方がモジュール側結合コイル211とトランス結合しているから、これら両カード側結合コイル113a、113bの大きさを小さくしても、そのトランス結合を強くすることができる。
しかも、これら両カード側結合コイル113a、113bは、いずれも、モジュール側結合コイル211と同じ正方形状で、しかも、その大きさも同じである。このように、同形同大のモジュール側結合コイル211と両カード側結合コイル113a、113bとが対面するように配置されているから、これらモジュール側結合コイル211と両カード側結合コイル113a、113bとの間の洩れ磁束を最小限として、トランス結合の結合効率を高めることができる。
ところで、上下面のカード側結合コイル113a,113bは、回路シート基材111を挟んで互いに対面するように配置されているため、これら上下面のカード側結合コイル113a,113bの間に浮遊容量が発生しており、この浮遊容量も前記閉回路の一部を構成している。
前述のように、この例では、下面側のカード側結合コイル113aと上面側のカード側結合コイル113bとは同じ大きさの正方形の形状を有しているが、下面側のカード側結合コイル113aを構成する導体と上面側のカード側結合コイル113bを構成する導体の太さが相違している。この例では、カード側結合コイル113aを構成する導体(細線)がカード側結合コイル113bを構成する導体(太線)より細く構成されている。図3(a)は上面側のカード側結合コイル113bを示す要部平面図であり、図3(b)は下面側のカード側結合コイル113aを示す要部平面図である。そして、回路シート11を上面から見たとき、図4に示すように、両結合コイル113a,113bは、外形が一致するように配置されており、こうして、両結合コイル113a,113bは互いに対面している。
そして、この図4から分かるように、下面側のカード側結合コイル113aを構成する細線が、上面側のカード側結合コイル113bを構成する太線の内部に位置している。このため、製造工程上のバラツキ等に起因して、カード側結合コイル113bの位置が多少ばらついた場合であっても、両カード側結合コイル113a,113bが互いに重なり合う面積が変動することなく、一定の面積に保たれる。このため、両カード側結合コイル113a,113b間の浮遊容量は、カード側結合コイル113bの位置のバラツキの有無や大小に拘わらず、一定に保たれる。そして、このように両カード側結合コイル113a,113b間の浮遊容量が一定に保たれるため、前記閉回路の電気特性も安定して一定に保たれ、その共振周波数も安定する。
なお、細線は太線の中央位置に配置されていることが望ましいが、これに限られるものではない。
また、以上の説明では、カード側結合コイル113aを構成する導体が細い場合を例と
して説明したが、逆にカード側結合コイル113bを構成する導体が細い場合でもよいことは明らかであろう。
次に、図5は、本発明のICカードの第2の例を示すもので、図5(a)は上面から見た説明用平面図、図5(b)は上面から下面側の電気回路を透視した状態を示す説明用平面図である。なお、下面側の電気回路は、前述の第1の例と同様である。
この例では、上面側のカード側結合コイル113bは、下面側のカード側結合コイル113aと同じ大きさの正方形の形状を有しており、したがって、モジュール側結合コイル211の形状と同形同大である。このため、この例においても、モジュール側結合コイル211との間で強いトランス結合を実現することができ、また、モジュール側結合コイル211と両カード側結合コイル113a,113bとの間の洩れ磁束も減らして、結合効率を高めることができる。
ところで、上面側のカード側結合コイル113bは、下面側のカード側結合コイル113aと同形同大であり、しかも、カード側結合コイル113bを構成する導体の太さもカード側結合コイル113aを構成する導体の太さと同じであるが、カード側結合コイル113bはカード側結合コイル113aに対して傾いて配置されている。図6〜図7はこの位置関係を説明するためのもので、図6(a)は上面側のカード側結合コイル113bを示す要部平面図であり、図6(b)は下面側のカード側結合コイル113aを示す要部平面図である。そして、回路シート11を上面から見たとき、図7に示すように、両結合コイル113a,113bは互いに対面するように配置されている。このため、カード側結合コイル113aを構成する導体とカード側結合コイル113bを構成する導体とが交差している。なお、これら両結合コイル113a,113bは、モジュール側結合コイル211に対面して、このモジュール側結合コイル211との間でトランス結合する位置である。
そして、このように、カード側結合コイル113bがカード側結合コイル113aに対して傾いて配置されているため、両結合コイル113a,113bの相対的位置関係が多少変動した場合でも、これら両結合コイルが互いに対面する面積は変動せず、両コイルの間の浮遊容量も変化しない。このため、多少のばらつきにも拘わらず、浮遊容量が一定に保たれて、共振周波数も一定に保たれるのである。
次に、これらの例に係るICカードの製造方法を、その材料と共に説明する。
まず、回路シート11の回路シート基材111としては、任意の電気絶縁性フィルムが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムである。厚さは15〜50μmでよい。
次に、回路シート11の電気配線112〜117は、前記回路シート基材111の上下面に金属箔を貼り合わせた後、フォトリソグラフィ法を利用してエッチングすることにより形成することができる。金属箔としては銅箔あるいはアルミニウム箔が使用できる。厚みは5〜50μmでよい。また、導電性インキを印刷することにより、表裏の電気配線112〜117を形成することも可能である。
なお、スルーホール118は、前記回路シート基材111の表裏に金属箔を貼り合わせた後、又は電気配線112〜117を形成した後、回路シート基材111に孔を設けてその内面を導電性材料を施すことによって形成することができる。例えば、無電解メッキである。また、無電解メッキの後、電解メッキを施してもよい。あるいは、前記孔に導電性インキを充填することによって前記スルーホール118を形成することも可能である。ま
た、スルーホール118に代えて、前記回路シート基材111をクリンピングして押し潰し、表裏の電気配線112〜117を互いに接触させることにより、表裏接続ランド115を形成することも可能である。
次に、カード基材12はICカードの物理的機械的支持体となるものである。このため、電気絶縁性と共に、ICカードに要求される強靭性と耐久性を兼ね備えたシート材料で構成することが望ましい。このような材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)シートやポリエイレンテレフタレート共重合体(PET−G)を例示することができる。そして、このカード基材12を2枚使用し、この2枚のカード基材12,12の間に前記回路シート11を挟んで全体を積層一体化することで、3層構造の積層体を製造することができる。この積層一体化は、例えば、加熱加圧により、回路シート11とカード基材12,12とを熱融着することによって可能である。なお、接着剤を利用して、これら2枚のカード基材12,12と回路シート11とを積層一体化してもよい。
次に、この3層構造の積層体の所定の位置に凹部1a,1bを形成することにより、本発明に係るカード基材を製造することができる。これら凹部1a,1bは、ミリング加工(掘削加工)により形成することができる。
次に、この例では、モジュール基板21は、絶縁基材の表裏にモジュール側結合コイル211及び外部接触端子212を含む電気配線を形成したものである。絶縁基材としてはガラスエポキシシートやPETシートを使用することができる。厚みは50〜200μmでよい。
モジュール側結合コイル211及び外部接触端子212を含む電気配線は、前記絶縁基材の表裏に銅箔を貼り合わせた後、フォトリソグラフィ法を利用してエッチングすることにより形成することができる。また、銅箔をエッチングして形成された外部接触端子212の銅箔表面にはニッケルメッキと金メッキとをこの順に施すことが望ましい。ニッケルメッキは0.5〜3μmの厚さでよく、金メッキは0.01〜0.3μmの厚さでよい。なお、絶縁基材の表裏に設けられた電気配線は、例えばスルーホール等を介して電気的に接続されていてもよい。
なお、銅線を引き回すことによって前記モジュール側結合コイル211を構成することも可能である。また、絶縁基材に接合されたリードフレームで前記外部接触端子212を構成してもよい。
そして、このモジュール基板21にICチップ22を搭載することによってICモジュール2を製造することができる。ICチップ22は、例えばダイアタッチ用接着剤によってモジュール基板21に接着することができる。あるいはリードフレームを介してモジュール基板21に接着してもよい。そして、ICチップ22の端子をワイヤーによって、前記モジュール側結合コイル211及び外部接触端子212に接続することによって搭載することができる。ワイヤーとしては、例えば、径10〜40μmの金ワイヤーや銅ワイヤーを使用することができる。
そして、前記カード本体1の凹部1a,1bにこのICモジュール2を収容し、接着固定することによって、本発明に係るICカードを製造することができる。接着は、例えば、ホットメルトシートなどの接着剤によって可能である。
1‥カード本体
1a‥基板用凹部
1b‥チップ用凹部
11‥回路シート
111‥回路シート基材
112‥送受信用アンテナコイル
113a‥下面側のカード側結合コイル
113b‥上面側のカード側結合コイル
114‥コンデンサ電極
115‥表裏接続ランド
116‥コンデンサ電極
117‥引き回し線
118‥スルーホール
12‥カード基材
2‥ICモジュール
21‥モジュール基板
211‥モジュール側結合コイル
212‥外部接触端子
22‥ICチップ

Claims (6)

  1. モジュール基板にICチップを搭載して成るICモジュールと、回路シートを内蔵したカード本体とで構成されたICカードであって、前記回路シートが回路シート基材とトランス結合用コイル(カード側結合コイル)とを有しており、一方、モジュール基板が前記ICチップに電気的に接続されたトランス結合用コイル(モジュール側結合コイル)を有しており、カード側結合コイルとモジュール側結合コイルとが互いに対面してトランス結合しているICカードにおいて、
    前記カード側結合コイルが前記回路シート基材の上下両面に設けられており、これら両面のカード側結合コイルが互いに対面していることを特徴とするICカード。
  2. 回路シート基材の上下両面に設けられた前記カード側結合コイルのうち、一方のコイルを構成する導体が他方のコイルを構成する導体より細く、かつ、上面から見たとき、細い方の導体(細線)が太い方の導体(太線)の内部に位置していることを特徴とする請求項1に記載のICカード。
  3. 回路シート基材の上下両面に設けられた前記カード側結合コイルの外形がいずれも矩形を有しており、かつ、上面から見たとき、一方のコイルを構成する導体と他方のコイルを構成する導体とが交差していることを特徴とする請求項1に記載のICカード。
  4. 回路シート基材の上下両面に設けられた前記カード側結合コイルが直列結合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のICカード。
  5. 前記回路シート基材に送受信用アンテナコイルが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のICカード。
  6. 回路シート基材の上下両面に設けられた前記カード側結合コイルのうち、いずれか一方又は両方が渦巻き状の形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のICカード。
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