JP6413701B2 - 生物検出用担体、及び生物の検出方法 - Google Patents
生物検出用担体、及び生物の検出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6413701B2 JP6413701B2 JP2014241121A JP2014241121A JP6413701B2 JP 6413701 B2 JP6413701 B2 JP 6413701B2 JP 2014241121 A JP2014241121 A JP 2014241121A JP 2014241121 A JP2014241121 A JP 2014241121A JP 6413701 B2 JP6413701 B2 JP 6413701B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- primer
- detection
- amplification product
- label
- detected
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
Description
特に、処理しなければならないサンプル数が多い場合や、検査対象の生物種が多いために多数のプライマーを反応液に添加する必要がある場合などには、このような人為的ミスが生じる可能性は増大する。このため、電気泳動の結果が陰性の場合の原因追及が、困難を極めることも少なくなかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、遺伝子検査結果が陰性であった場合に、その原因が、核酸増幅に用いられた反応液中へのプライマーの入れ忘れに起因するものであるか否かを判定可能な生物検出用担体、及び生物の検出方法の提供を目的とする。
本実施形態の生物検出用担体は、検出対象の生物のゲノムにおける増幅対象領域を標識されたプライマーを用いて増幅させ、得られた増幅産物の標識を検出することにより、該ゲノムを有する生物を検出するために用いられる生物検出用担体であって、増幅産物にハイブリダイズする増幅産物検出用プローブが固定化された増幅産物検出用スポットと、標識されたプライマーにハイブリダイズするプライマー検出用プローブが固定化されたプライマー検出用スポットとを備えたことを特徴とする。
このため、例えば、反応液中にプライマーが添加されていたことが検出され、かつ増幅産物が検出されなかった場合には、その原因が、反応液中へのプライマーの入れ忘れではなく、検査対象の生物が存在していなかったことによるものと判断することが可能となる。
PCRにより蛍光標識を行う場合は、蛍光標識されたプライマーを用いて、末端のみが蛍光標識された増幅産物を得ることができる。
蛍光標識成分としては、Cy5やCy3などを好適に用いることができる。さらに、標識として、ジコキシゲニン、ビオチン、放射性同位体などのその他のものを用いることも可能である。
また、測定結果として、蛍光強度値の他、S/N比値(Signal to Noise ratio,(メディアン蛍光強度値−バックグラウンド値)÷バックグラウンド値)を算出することも好ましい。S/N比値にもとづいて、測定結果が陽性であるか陰性であるかを、精度高く判定することができるためであり、一般にS/N比値が3〜4以上の場合、陽性と判定することができる。なお、以下の実施例では、S/N比値が4以上の場合を陽性と判定している。
本実施形態の生物の検出方法は、検出対象の生物のゲノムにおける増幅対象領域を標識されたプライマーを用いて増幅させ、得られた増幅産物の標識を検出することにより、該ゲノムを有する生物を検出する生物の検出方法であって、増幅産物にハイブリダイズする増幅産物検出用プローブが固定化された増幅産物検出用スポットと、標識されたプライマーにハイブリダイズするプライマー検出用プローブが固定化されたプライマー検出用スポットとを備えた担体を用い、増幅産物検出用プローブに増幅産物をハイブリダイズさせると共に、プライマー検出用プローブに標識されたプライマーをハイブリダイズさせ、増幅産物検出用スポットとプライマー検出用スポットにおける標識の検出にもとづいて、増幅に用いられた反応液における増幅産物の有無と標識されたプライマーの有無を同時に判定することを特徴とする。
なお、検査対象の生物として、カビや食中毒菌などの微生物を選択する場合、増幅工程に先立って、環境や食品中から微生物のサンプリングを行い、複数の微生物を同時に増菌培養した後、得られた培養液からDNAを同時に抽出することが好ましい。
そして、増幅産物とプライマーの標識を検出することにより、反応液中における増幅産物の有無と、プライマーの有無を同時に判定する(検出工程)。
また、プライマー検出用スポットで標識が検出され、かつ増幅産物検出用スポットで標識が検出されなかった場合、増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった理由が、増幅に用いられた反応液へのプライマーの入れ忘れではなく、検査対象の生物が存在していなかったことによるものと判断することが可能となる。
また、プライマー検出用スポットにおいて標識が検出されず、かつ増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった場合、増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった理由が、増幅に用いられた反応液への標識されたプライマーの入れ忘れであると判定することができる。すなわち、増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった直接的な原因が、反応液中へのプライマーの入れ忘れであることが確認できるため、反応液中にプライマーを入れて再度試験を行い、検査対象の生物の有無を再確認することが可能となる。
すなわち、プライマー検出用スポットで標識が検出され、かつ増幅産物検出用スポットで標識が検出されなかった場合には、その原因が、反応液中へのプライマーの入れ忘れではなく、検査対象の生物が存在していなかったことによるものと判断することが可能となる。
また、プライマー検出用スポットにおいて標識が検出されず、かつ増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった場合には、その原因が、反応液中へのプライマーの入れ忘れであることを容易に確認することが可能となる。
サンプル1:ITS用、βチューブリン用の各プライマーと、試料の全てを含む。
サンプル2:βチューブリン用のプライマーと、試料のみを含む。
サンプル3:ITS用のプライマーと、試料のみを含む。
サンプル4:試料のみを含む。
サンプル5:ITS用、βチューブリン用の各プライマーのみを含む。
サンプル6:βチューブリン用のプライマーのみを含む。
サンプル7:ITS用のプライマーのみを含む。
サンプル8:プライマー及び試料を含まない。
(1)95℃ 10分
(2)95℃ 30秒(DNA鎖の乖離工程)
(3)56℃ 30秒(アニーリング工程)
(4)72℃ 60秒(DNA合成工程)
(5)72℃ 10分
(2)〜(4)を40サイクル
すなわち、プライマー検出用スポットとして、配列番号5の塩基配列(ITS用フォワードプライマーの相補鎖)からなるプローブが固定化されたものと、配列番号6の塩基配列(ITS用リバースプライマーの相補鎖)からなるプローブが固定化されたものと、配列番号7の塩基配列(βチューブリン用フォワードプライマーの相補鎖)からなるプローブが固定化されたものと、配列番号8の塩基配列(βチューブリン用リバースプライマーの相補鎖)からなるプローブが固定化されたものの4種類を備え、増幅産物検出用スポットとして、配列番号9の塩基配列(ITS領域検出用)からなるプローブが固定化されたものと、配列番号10の塩基配列(βチューブリン遺伝子検出用)からなるプローブが固定化されたものの2種類を備えたものを準備した。
反応後、生物検出用担体を室温下で洗浄液(2×SSC/0.2%SDS溶液、2×SSC溶液の順に)に浸して洗浄を行い、カバーガラスを載せて蛍光検出器Bioshot(東洋鋼鈑株式会社製)により各プローブのスポットの蛍光を検出した。
一方、ITS領域の増幅産物と、ITS用のプライマーは検出されていない。したがって、ITS領域の増幅産物が検出されない理由が、反応液中にITS用のプライマーが含まれていないためであることが分かる。
一方、βチューブリン遺伝子の増幅産物は検出されていないが、本サンプルではβチューブリン用プライマーを含まないにも拘わらず、βチューブリン用フォワードプライマーを検出するための配列番号7に対応するスポットも陽性となっている。その理由としては、ITS領域の増幅産物が、当該スポットに固定化されたプライマー検出用プローブとハイブリダイズしたことが考えられる。
しかしながら、βチューブリン用リバースプライマーを検出するための配列番号8に対応するスポットは陰性であることから、反応液中にβチューブリン用プライマーが適切に含まれていないことが確認できる。したがって、βチューブリン遺伝子の増幅産物が検出されない理由が、反応液中にβチューブリン用プライマーが適切に含まれていないためであることが分かる。
Claims (10)
- 検出対象の生物のゲノムにおける増幅対象領域を標識されたプライマーを用いて増幅させ、得られた増幅産物の標識を検出することにより、該ゲノムを有する生物を検出するために用いられる生物検出用担体であって、
前記増幅産物にハイブリダイズする増幅産物検出用プローブが固定化された増幅産物検出用スポットと、
前記標識されたプライマーにハイブリダイズするプライマー検出用プローブが固定化されたプライマー検出用スポットと、を備えた
ことを特徴とする生物検出用担体。 - 前記プライマー検出用スポットに、
前記標識されたプライマーを構成するフォワードプライマーにハイブリダイズするプローブ、及び/又は、
前記標識されたプライマーを構成するリバースプライマーにハイブリダイズするプローブが固定化された
ことを特徴とする請求項1記載の生物検出用担体。 - 前記標識が、蛍光物質又は発色物質による標識であることを特徴とする請求項1又は2記載の生物検出用担体。
- 前記増幅に用いられた反応液における前記標識されたプライマーの有無が、前記プライマー検出用スポットにおける標識の検出にもとづき判定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生物検出用担体。
- 前記増幅に用いられた反応液における前記増幅産物の有無と前記標識されたプライマーの有無が、前記増幅産物検出用スポットと前記プライマー検出用スポットにおける標識の検出にもとづき同時に判定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生物検出用担体。
- 検出対象の生物のゲノムにおける増幅対象領域を標識されたプライマーを用いて増幅させ、得られた増幅産物の標識を検出することにより、該ゲノムを有する生物を検出する生物の検出方法であって、
前記増幅産物にハイブリダイズする増幅産物検出用プローブが固定化された増幅産物検出用スポットと、前記標識されたプライマーにハイブリダイズするプライマー検出用プローブが固定化されたプライマー検出用スポットと、を備えた担体を用い、
前記増幅産物検出用プローブに前記増幅産物をハイブリダイズさせると共に、前記プライマー検出用プローブに前記標識されたプライマーをハイブリダイズさせ、
前記増幅産物検出用スポットと前記プライマー検出用スポットにおける標識の検出にもとづいて、前記増幅に用いられた反応液における前記増幅産物の有無と前記標識されたプライマーの有無を同時に判定する
ことを特徴とする生物の検出方法。 - 前記プライマー検出用スポットにおいて標識が検出された場合、
前記増幅に用いられた反応液に前記標識されたプライマーが含有されていたと判定することを特徴とする請求項6記載の生物の検出方法。 - 前記プライマー検出用スポットにおいて標識が検出され、かつ前記増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった場合、
前記増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった理由が、前記増幅に用いられた反応液への前記標識されたプライマーの入れ忘れではないと判定する
ことを特徴とする請求項7記載の生物の検出方法。 - 前記プライマー検出用スポットにおいて標識が検出されなかった場合、
前記増幅に用いられた反応液に前記標識されたプライマーが含有されていなかったと判定することを特徴とする請求項6記載の生物の検出方法。 - 前記プライマー検出用スポットにおいて標識が検出されず、かつ前記増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった場合、
前記増幅産物検出用スポットにおいて標識が検出されなかった理由が、前記増幅に用いられた反応液への前記標識されたプライマーの入れ忘れであると判定することを特徴とする請求項9記載の生物の検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014241121A JP6413701B2 (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | 生物検出用担体、及び生物の検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014241121A JP6413701B2 (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | 生物検出用担体、及び生物の検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016101120A JP2016101120A (ja) | 2016-06-02 |
JP6413701B2 true JP6413701B2 (ja) | 2018-10-31 |
Family
ID=56087669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014241121A Active JP6413701B2 (ja) | 2014-11-28 | 2014-11-28 | 生物検出用担体、及び生物の検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6413701B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005351690A (ja) * | 2004-06-09 | 2005-12-22 | Hitachi Sci Syst Ltd | マルチレーン電気泳動分析方法、それに用いる電気泳動分析装置、マルチレーン電気泳動分析プログラム、及び媒体 |
JP5935803B2 (ja) * | 2011-06-09 | 2016-06-15 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | カビの検出方法、pcr用反応液、及びカビ検出用担体 |
JP2014230497A (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-11 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | Dnaチップを用いた生物の検出方法、及び誤判定抑制方法 |
-
2014
- 2014-11-28 JP JP2014241121A patent/JP6413701B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016101120A (ja) | 2016-06-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DK2271767T3 (en) | Amplikonredning-multiplex polymerase chain reaction for the amplification of multiple target | |
JP5935803B2 (ja) | カビの検出方法、pcr用反応液、及びカビ検出用担体 | |
US20120171673A1 (en) | Sample analysis method and assay kit used therein | |
JP2017518768A5 (ja) | ||
JP2008005760A (ja) | カビの検出方法、それに用いるマイクロアレイ及びカビ検出用キット | |
WO2008041354A1 (fr) | DÉTECTION DE BACTÉRIES PAR L'UTILISATION DU GÈNE DnaJ ET UTILISATION DU PROCÉDÉ | |
RU2270254C2 (ru) | Способ идентификации трансгенных последовательностей днк в растительном материале и продуктах на его основе, набор олигонуклеотидов и биочип для осуществления этого способа | |
WO2015190107A1 (ja) | ビブリオ・パラヘモリティカスの検出方法、及びビブリオ・パラヘモリティカス検出用担体 | |
JP2017006012A (ja) | 微生物の検査方法、微生物の検査キット、及び微生物検査用マイクロアレイ | |
US20180195135A1 (en) | Method for examining microorganism, kit for examining microorganism, microarray for examining microorganism, carrier for detecting fungi, method for detecting fungi and kit for detecting fungi | |
JP6413701B2 (ja) | 生物検出用担体、及び生物の検出方法 | |
JP5718575B2 (ja) | 特定カビ検出用マイクロアレイ、及び特定カビ検出用マイクロアレイの使用方法 | |
JP6459438B2 (ja) | マイクロアレイにおけるプローブの位置決定方法、及び標識反応用キット | |
US20170081709A1 (en) | Method for detecting escherichia coli and carrier for detecting escherichia coli | |
TWI531654B (zh) | 用於鑑別h5禽流感病毒病原性之寡核酸探針、含其之套組及方法 | |
JP5919631B2 (ja) | カビの検査方法 | |
JP6880554B2 (ja) | カビ検出用担体、カビの検出方法、及びカビ検出用キット | |
JP6530198B2 (ja) | 乳酸菌の検出方法、乳酸菌検出キット、及び乳酸菌検出器具 | |
JP5769377B2 (ja) | 特定カビ検出システム、特定カビ検出方法、及びpcr反応液 | |
WO2015170362A1 (ja) | 微生物の検査方法 | |
JP2014230497A (ja) | Dnaチップを用いた生物の検出方法、及び誤判定抑制方法 | |
JP6291721B2 (ja) | 微生物の検査方法 | |
JPWO2017179085A1 (ja) | マイクロアレイにおけるプローブの位置決定方法、及び標識反応用キット | |
JP2018143147A (ja) | カビ検出用担体、カビの検出方法、及びカビ検出用キット | |
JP6400981B2 (ja) | タラロマイセス属に属する種の検出に用いられるオリゴヌクレオチド及びプライマー対、並びにタラロマイセス属に属する種の検出キット及び検出方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20170630 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171018 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180829 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180904 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180917 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6413701 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |