JP6413630B2 - 赤外線応力測定方法および赤外線応力測定装置 - Google Patents

赤外線応力測定方法および赤外線応力測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、試験体に圧縮・引張の荷重を繰り返し負荷したときの微小な温度変化を測定して、応力分布を計測する赤外線応力測定方法および赤外線応力測定装置に関する。
物体に圧縮・引張荷重を繰り返し加えると、発熱、吸熱作用が現れ、この発熱及び吸熱を比較的短い周期で繰り返すと、周囲への熱の拡散、あるいは周囲から熱の流入が断たれた断熱状態で表面温度が変化する。温度変化量と応力変化量との間に比例関係があるので、これを利用して応力分布を計測する赤外線応力測定装置がある(特許文献1)。
赤外線応力測定装置では、赤外線カメラを用いて試験体から放射される赤外線を検出して、2次元平面に配置された複数のピクセルで構成される撮像素子によって熱分布画像を作成している。荷重を負荷したときの熱分布画像と、荷重を除いたときの熱分布画像とを重ねて、各ピクセルごとに温度変化量を測定することによって、試験体の応力分布を計測している。
特開平10−274570号公報
赤外線応力測定装置では、応力を計測するために荷重を負荷しているので、試験体が変位している。そのため、特定のピクセルが撮影している試験体の部位は、負荷荷重が最大になる時(時刻T1)と、負荷荷重が最小になる時(時刻T2)とでは、わずかに位置が異なっている。試験体の表面の塗装ムラがある箇所や、試験体の輪郭付近などを計測するときには、特定のピクセルが撮影している部位の表面温度が時刻T1と時刻T2とで異なる場合がある。赤外線応力測定では微小な温度の変化を計測しているので、この試験体の表面の特性の違いによる温度差を計測することによって、実際には試験体には応力の異常は生じていないにもかかわらず、高い応力値が生じているという計測結果が出力されることがある。
このように、大きい応力が発生していると判断したときには、試験体の大きさを大きくするなどの対策が取られている。しかし、実際には試験体には応力の異常は生じていないので、この場合には、試験体に不要なサイズアップをすることになり、製造コストがいたずらに増大するなどの不利益が生じる。
一方、応力集中などによって、試験体に局部的に高い応力が生じる場合がある。この場合には、その計測した応力値を正しい値として処理する必要がある。
このように、赤外線応力測定装置においては、大きな測定値が計測された場合に、その計測値が異常であるか否かを判断して、異常な計測値を出力するピクセルだけを的確に検出して対処する必要がある。しかし、一般的に、赤外線カメラの撮像素子を構成するピクセルの数が膨大であるため、異常な値を示すピクセルを手作業で検出するのは極めて効率が悪い。異常なピクセルの検出を自動化されたデータ処理によって行う必要がある。
本発明の目的は、赤外線カメラによって撮影した熱分布画像に基づいて応力分布を計測するときに、異常な応力値を示すピクセルを自動化されたデータ処理によって検出して、正確な応力分布を効率よく求めることである。
本発明の赤外線応力測定方法の一形態は、2次元平面に配置した複数のピクセルからなる撮像素子を有する赤外線カメラを使用して、負荷装置によって試験体に荷重を負荷したときの前記試験体の表面温度と除荷したときの前記試験体の表面温度を計測する表面温度計測工程と、前記各ピクセルに対応して前記負荷時の表面温度と前記除荷時の表面温度の差である表面温度変動量を計測して、前記表面温度変動量を処理することによって前記試験体の応力を求める応力演算工程とを有している赤外線応力測定方法であって、前記応力演算工程は、前記撮像素子の複数のピクセルを、一の方向に一列に並んだピクセルからなる複数の第1ピクセル群に分割し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する近似関数を求める第1ステップと、前記第1ピクセル群ごとに前記近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第2ステップと、絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルXaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルXbを特定することによって、前記ピクセルXaと、前記ピクセルXaと前記ピクセルXbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第3ステップと、前記撮像素子の複数のピクセルのうち前記異常ピクセルを除くピクセルについて前記表面温度変動量から前記試験体の応力を計測する第7ステップと、を有している。
本発明の赤外線応力測定方法の他の形態は、2次元平面に配置した複数のピクセルからなる撮像素子を有する赤外線カメラを使用して、負荷装置によって試験体に荷重を負荷したときの前記試験体の表面温度と除荷したときの前記試験体の表面温度を計測する表面温度計測工程と、前記各ピクセルに対応して前記負荷時の表面温度と前記除荷時の表面温度の差である表面温度変動量を計測して、前記表面温度変動量を処理することによって前記試験体の応力を求める応力演算工程とを有している赤外線応力測定方法であって、前記応力演算工程は、前記撮像素子の複数のピクセルを、一の方向に一列に並んだピクセルからなる複数の第1ピクセル群に分割し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する第1近似関数を求める第1ステップと、前記第1ピクセル群ごとに前記第1近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第2ステップと、絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルXaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルXbを特定することによって、前記ピクセルXaと、前記ピクセルXaと前記ピクセルXbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第3ステップと、前記異常ピクセルを除いた前記各第1ピクセル群について、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する第2近似関数を求める第8ステップと、前記異常ピクセルの前記表面温度変動量を、前記第2近似関数を用いて求めた近似値で置き換える第9ステップと、を有している。
本発明の赤外線応力測定装置の一形態は、2次元平面に配置した複数のピクセルからなる撮像素子を有し、試験体の表面温度を計測する赤外線カメラと、前記撮像素子によって計測した前記表面温度を記憶し、前記試験体の応力を演算する応力演算部と、前記応力演算部が演算した結果を表示する画像表示部と、を備えている赤外線応力測定装置であって、前記応力演算部は、前記ピクセルごとに、負荷装置によって前記試験体に荷重を負荷したときの前記試験体の表面温度と、除荷したときの前記試験体の表面温度との差である表面温度変動量を求める演算機能を有するとともに、前記撮像素子の複数のピクセルを、一の方向に一列に並んだピクセルからなる複数のピクセル群に分割し、前記ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する近似関数を求める第1ステップと、前記ピクセル群ごとに前記近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第2ステップと、絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルXaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルXbを特定することによって、前記ピクセルXaと、前記ピクセルXaと前記ピクセルXbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第3ステップと、前記撮像素子の複数のピクセルのうち前記異常ピクセルを除くピクセルが有する前記表面温度変動量から前記試験体の応力を計測する第4ステップと、を順に行う演算機能を有している。
本発明の赤外線応力測定装置の他の形態は、2次元平面に配置した複数のピクセルからなる撮像素子を有し、試験体の表面温度を計測する赤外線カメラと、前記撮像素子によって計測した前記表面温度を記憶し、前記試験体の応力を演算する応力演算部と、前記応力演算部が演算した結果を表示する画像表示部と、を備えている赤外線応力測定装置であって、前記応力演算部は、前記ピクセルごとに、負荷装置によって前記試験体に荷重を負荷したときの前記試験体の表面温度と、除荷したときの前記試験体の表面温度との差である表面温度変動量を求める演算機能を有するとともに、前記撮像素子の複数のピクセルを、一の方向に一列に並んだピクセルからなる複数の第1ピクセル群に分割し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する第1近似関数を求める第1ステップと、前記第1ピクセル群ごとに前記第1近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第2ステップと、絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルXaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルXbを特定することによって、前記ピクセルXaと、前記ピクセルXaと前記ピクセルXbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第3ステップと、前記異常ピクセルを除いた前記各第1ピクセル群について、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する第2近似関数を求める第8ステップと、前記異常ピクセルが有する前記表面温度変動量を、前記第2近似関数を用いて求めた近似値で置き換える第9ステップと、を順に行う演算機能を有している。
本発明によると、赤外線カメラによって撮影した熱分布画像に基づいて応力分布を計測するときに、異常な応力値を示すピクセルを自動化されたデータ処理によって検出して、正確な応力分布を効率よく求めることが出来る。
本発明の第1実施形態の赤外線応力測定装置を使用して、応力を測定している状態を示す模式図である。 異常な値が計測されている温度変動量の分布図の例である。 撮像素子におけるピクセルの配置図である。 第1実施形態の赤外線応力測定方法のフローチャートである。 ピクセルの位置と表面温度変動量との相関図である。 ピクセルの位置と表面温度変動量の変化率との相関図である。 第1実施形態における応力演算部のブロック図である。 第2実施形態における応力演算部のブロック図である。
図1と図4によって、本発明にかかる赤外線応力測定方法および赤外線応力測定装置の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態の赤外線応力測定装置10を使用して、捩じり変位負荷装置30に組み付けた試験体25の応力を測定している状態を示す模式図である。図4は、第1実施形態の赤外線応力測定方法を説明するフローチャートである。
赤外線応力測定装置10は、捩じり変位負荷装置30と、赤外線カメラ11と、画像信号処理部15と、画像表示部18とで構成されている。
試験体25の応力測定は、捩じり変位負荷装置30によって、試験体25に一定の周期で大きさが変化する荷重を負荷しながら行う。試験体25には、荷重の変動に伴って変動する応力が生じる。このとき、試験体25では、この応力の変動に応じて表面温度が変動している。表面温度は試験体25に生じる応力の大きさに比例する。したがって、試験体25の部位ごとに、荷重を負荷したときと除荷したときの表面温度の変動量(以下、単に「温度変動量ΔT」という)を計測することによって、試験体25の各部に生じる応力を測定することが出来る。
捩じり変位負荷装置30について説明する。捩じり変位負荷装置30は、試験体25に応力を発生させるための負荷装置である。捩じり変位負荷装置30は、図1に示したように、固定側台座31と駆動側台座32とを有している。固定側台座31と駆動側台座32は、図1の左右方向に所定の間隔で配置されていて、試験機本体ベース37に強固に固定されている。固定側台座31には、試験体25の軸方向の一方の端部を固定するための取付部35が設けられている。駆動側台座32には、駆動シャフト33が回転自在に組み込まれている。駆動シャフト33の一方の軸端には、試験体25の軸方向の他方の端部を固定するための取付部36が設けられている。
試験体25は、段付きの円筒形状である。試験体25の外周には、円筒形状の小径外周面26と、小径外周面26より大径で円筒形状の大径外周面27とが同軸に形成されていて、小径外周面26と大径外周面27とは、軸に直角な平面である側面28によってつながっている。
駆動シャフト33の他方の軸端は、油圧のロータリーアクチュエータ34に連結されている。ロータリーアクチュエータ34を駆動することによって、駆動シャフト33が回転方向に所定の振幅で揺動する。この揺動運動によって、試験体25には、一定の周期で繰り返す捩じり荷重が負荷されている。ロータリーアクチュエータ34からは、駆動シャフト33の回転方向の位相に応じた信号(位相信号E)が出力されている。位相信号Eは、画像信号処理部15に送信されている。
赤外線カメラ11について説明する。赤外線カメラ11は、集光部12と撮像素子13を有している。集光部12を試験体25に向けることによって、試験体25の表面から放射される赤外線を集光している。集光部12はレンズを備えていて、集光部12に入射した赤外線は撮像素子13のうえで結像している。
図3は、撮像素子13のピクセルの配置図である。撮像素子13は、2次元の平面上に配列された複数のピクセル14で構成されている。以下の説明では、撮像素子13に配置されたピクセル14の配列を、縦方向に、X1列、X2列、・・・Xn−1列、Xn列とし、横方向にY1列、Y2列、・・・Ym−1列、Ym列とする。
各ピクセル14は、そのピクセルが受像している試験体25の部位の表面温度に比例する大きさの温度信号Vを出力する。撮像素子13は各ピクセル14の温度信号を2次元のマトリクスデータとして出力していて、赤外線カメラ11の撮像素子13から出力される温度信号Vは、試験体25の表面温度の分布を表している。温度信号Vは、ピクセル14の位置データとともに画像信号処理部15に送信されている。
画像信号処理部15は、データ処理部16と、データ記憶部17とを有している。図7は、第1実施形態における画像信号処理部15のブロック図である。温度信号Vと位相信号Eは、データ処理部で処理されて、その処理結果が逐次データ記憶部17で記憶されている。以下、画像信号処理部15において、試験体25の応力を演算する処理手順を説明する。
データ処理部16には、図4のフローチャートに示すようなプログラムが記憶されている。プログラムは、データ処理部16の一部を構成し、データ処理部16は、ピクセル14の位置データと温度信号Vと位相信号Eとを受信する入力部50と、負荷時と除荷時の表面温度から温度変動量ΔTを計算する温度変動量演算部51と、Y1からYmまでの各ピクセル14の温度変動量ΔTをスプライン近似することによって第1近似関数を作成する第1近似関数演算部52と、第1近似関数に沿ってピクセル14の位置を変えたときの温度変動量ΔTの変化率を演算する微分係数演算部53と、微分係数の変化に基づいて温度変動量ΔTが異常であるピクセルを検出する異常ピクセル検出部54と、異常ピクセルの有する温度変動量ΔTを修正する異常ピクセル処理部57と、試験体25の応力を演算する応力演算部58と、からなっている。
データ記憶部17では、負荷時と除荷時のそれぞれにおける試験体25の表面温度の計測値を表面温度記憶部41で、温度変動量ΔTを温度変動量記憶部42で、温度変動量ΔTとピクセル14の位置との相関を近似する第1近似関数を第1近似関数記憶部43で、ピクセル14の位置を変えたときの温度変動量ΔTの変化率を微分係数記憶部44で、温度変動量ΔTの計測値が異常であるピクセルの位置を異常ピクセル記憶部45で、異常ピクセルが有する温度変動量ΔTを処理した値を修正温度変動量記憶部47で、応力演算部で計算した各ピクセル14の応力値を応力値記憶部48で、それぞれ記憶している。なお、位相信号Eによって、負荷周期のうちで負荷時と除荷時を検出できるので、表面温度記憶部41では、各ピクセル14ごとに負荷時と除荷時の表面温度のみを記憶している。
図4のフローチャートと、図7のブロック図によって、試験体25の応力を計算する処理手順を説明する。あわせて、図2と図5、図6によって、データ処理の具体的内容を説明する。図2は、温度変動量ΔTの分布図である。図5は、図2における点P1と点P2の間の、ピクセル14の位置と温度変動量ΔTとの相関図である。図6は、図2における点P1と点P2の間の、ピクセル14の位置と温度変動量ΔTの変化率との相関図である。
図4のS10では、撮像素子13を構成する全ピクセル14について温度変動量ΔTを計算している。温度変動量ΔTは、表面温度記憶部41に記憶されている負荷時と除荷時の表面温度の計測値をもとにして、温度変動量演算部51で計算されている。具体的には、ピクセル14ごとに、荷重が負荷されたときに測定した温度信号V1と、除荷されたときに測定した温度信号V2とから、その差(V2−V1)を求めることによって、温度変動量ΔTを計算している。計算された各ピクセル14の温度変動量ΔTは、温度変動量記憶部42に記憶される。
図2は、温度変動量記憶部42に記憶されているデータをもとにして画像表示部18に表示された、温度変動量ΔTの分布図の例である。図2では、各ピクセル14を、温度変動量ΔTの大きさによる階層別の濃淡で示している。ここでは、本発明の効果を説明するために、試験体25の表面に温度変動量ΔTの異常な値(図2に示すA部である)が計測されている場合の分布図を例に示している。なお、点P1と点P2を結ぶ直線は、A部を通っている。
A部では、実際には大きい応力は生じていないにもかかわらず、大きい温度変動量ΔTが計測されている。A部は、大径外周面27の軸方向の端(エッジ)であって側面28とつながる部分と一致している。一般的に、試験体25の外形形状におけるエッジ部分に大きい温度変動量ΔTが計測される事象を「エッジ効果」という。応力測定においては、このように異常な計測値を出力するピクセル(以下、「異常ピクセル」という)だけを的確に検出して対処する必要がある。第1実施形態では、以下に説明する処理手順で、異常ピクセルを検出している。
S11では、撮像素子13に配列されたピクセル14のうち、一列に並んだピクセル群について、第1近似関数を求めている。第1近似関数は第1近似関数演算部52で計算されている。第1近似関数演算部52では、図3の左右方向に1列に並んだピクセル群に分割し、それぞれのピクセル群を図3の上から下に向かって順にX1列、X2列、X3列・・・Xn列としている。X1列からXn列までの各列について、Y1からYmまでの各ピクセル14の温度変動量ΔTをスプライン近似することによって、第1近似関数を求めている。
具体的には、たとえば、X1列からXn列のうちのXi列について、Y1からYmまでの各ピクセル14に1、2、3の順に1ずつ増加する数字によって位置を表す番号(以下「位置番号」という)を付与する。温度変動量記憶部42に記憶されているデータを元にして、各ピクセル14について位置番号と温度変動量ΔTを組み合わせたデータ群を作成する。その後、このデータ群をスプライン近似する第1近似関数を求める。なお、データの近似方法としては、ラグランジュ近似を用いてもよい。ここで求めた第1近似関数は、ピクセル14の位置に対する温度変動量ΔTの関数として、第1近似関数記憶部43に記憶される。
図5は、S11における処理を説明するための、ピクセルの位置と温度変動量ΔTとの相関図の例である。横軸はピクセル14の位置番号である。縦軸は、各ピクセル14における温度変動量ΔTである。図5に示した各プロットは、図2のA部を通るX列についての、点P1から点P2の間にある各ピクセル14の温度変動量ΔTを示している。図中のZ1の領域にあるピクセル14が図2のA部と一致していて、温度変動量ΔTが高くなっている。ここでは、A部において温度変動量ΔTが異常に大きくなる場合を例にして説明するが、温度変動量ΔTが異常に小さくなる場合(この場合は温度変動量ΔTは負の値となる)においても同様に処理することが出来る。
図5において、各プロットをつなぐ曲線は、各ピクセルの温度変動量ΔTをスプライン近似したときの第1近似関数を表している。
S12では、S11で求めた第1近似関数をピクセル14の位置で微分して、各位置における微分係数を求めている。微分係数の演算は、微分係数演算部53で計算されている。計算された微分係数の値は、ピクセル14ごとに微分係数記憶部44に記憶される。
S13では、微分係数の値が異常であるピクセルを検出している。異常ピクセルの検出は、異常ピクセル検出部54で演算されている。
図6は、異常ピクセル検出部54における具体的な処理を説明するための、ピクセルの位置と温度変動量ΔTの変化率(微分係数)との相関図の例である。横軸はピクセル14の位置番号である。縦軸は、図5に示した第1近似関数を位置番号で微分したときの微分係数である。
図5では、温度変動量ΔTはZ1の領域で大きく増大していて、その後、再び増大する前の温度変動量ΔTと同等の値に戻っている。このため、図6では、微分係数は、温度変動量ΔTが増大し始めたZ2の領域で、絶対値が大きい正の値を示している。その後、温度変動量ΔTが最大であるZ1の領域(図5参照)を過ぎて、微分係数は、温度変動量ΔTが減少しているZ3の領域で、絶対値が大きい負の値を示している。その後、微分係数は、温度変動量ΔTが増大する前における値と概ね等しい値を示している。
このように、試験体25のエッジ部や塗装ムラがある箇所(以下「特異箇所」という)では、その境界部だけで大きな温度変動量ΔTが計測される。すなわち、特異箇所では、その境界部で大きな温度変動量ΔTが計測された後、再びもとの温度変動量ΔTと同等の値が計測される。したがって、特異箇所の前後にわたる第1近似関数の微分係数の値は、温度変動量ΔTが増大するときと、元の温度変動量ΔTに復帰するときの2回のタイミングで、絶対値が大きくなる。
異常ピクセル検出部54では、微分係数の絶対値が大きくなるピクセルを検出するために、閾値を設定している。図6では、閾値の絶対値をBに設定している。図6に示したように、異常ピクセル検出部54では、ピクセル14の位置を順次変えたときに、微分係数の値が最初に正の閾値(+B)より大きい値を持つピクセルXaを特定している。次に、負の閾値(−B)より小さい値を持つピクセル14(Z3の領域にあるピクセル)を検出した後、最初に負の閾値(−B)より大きい値を持つピクセルXbを特定している。
この結果、ピクセルXaを含み、ピクセルXaとピクセルXbとの間にあるすべてのピクセル14を異常ピクセルとして検出することが出来る。ここで検出した、異常ピクセルの位置番号(XaからXb−1までである)が、異常ピクセル記憶部45に記憶される。
図6では、図2のA部において、温度変動量ΔTが正の値として大きく検出されている場合を例にして説明した。しかし、温度変動量ΔTが負の値として検出される場合にも同様に処理することが出来る。
まず、微分係数の値が最初に負の閾値より小さい値を持つピクセルXaを特定する。次に、位置番号を順次増加させて、正の閾値より大きい値を持つピクセル14を検出する。その後、最初に正の閾値より小さい値を持つピクセルXbを特定する。ピクセルXaを含み、ピクセルXaとピクセルXbとの間にあるすべてのピクセル14の温度変動量ΔTが、異常な温度変動量ΔTであると判断できる。
S15では、S14で検出された異常ピクセルについて、データの処理を行っている。このデータ処理は、異常ピクセル処理部57で行われる。第1実施形態では、温度変動量記憶部42に記憶されている温度変動量ΔTのデータのうち、S11で選択したXi列のデータ群について、異常ピクセル記憶部45に記憶された位置番号に対応するピクセル14の温度変動量ΔTの値を削除している。異常ピクセルの温度変動量ΔTのデータを削除することによって、正しい値のみで構成されたXi列の温度変動量ΔTの値は、修正温度変動量記憶部47に記憶される。
S16では、X1列からXn列までの全ての列について、S11からS15までの処理を行う。こうして、塗装ムラやエッジ効果によって温度変動量ΔTが異常な値として計測された場合には、コンピュータに組み込まれたプログラムに従って自動的に検出することが出来る。この結果、温度変動量記憶部42に記憶されている全ピクセル14の温度変動量ΔTのデータから異常なデータが取り除かれ、正しい値のみで構成された温度変動量ΔTが、修正温度変動量記憶部47に記憶される。
S17では、各ピクセル14ごとの応力値を計算している。応力値の計算は、応力演算部58で行われる。応力値の計算は、修正温度変動量記憶部47のデータに基づいて行われる。温度変動量ΔTは、応力の大きさに比例するので、温度変動量ΔTに所定の係数をかけることによって、各ピクセル14ごとの応力値を計算することが出来る。計算された応力値は、ピクセル14毎に応力値記憶部48に記憶される。
応力演算部58では、各ピクセル14の応力値について平均化処理を行っている。平均化処理とは、着目した特定のピクセルMについて、その近傍にある複数のピクセル14の応力値を平均して平均値を求め、その平均値をピクセルMの応力値とすることをいう。この処理によって、ばらつきの小さい応力分布を得ることが出来る。
平均化処理について、Xi列とYj列が交差する点にあるピクセルMを例に説明する。平均化処理では、Xi−1列からXi+1列までの各列において、Yj−1列からYj+1列までの各ピクセル14(合計9個のピクセルである)について、応力の平均値σmを求めている。この平均値σmを、ピクセルMの応力値としている。同様の処理を繰り返して、全ピクセル14について行う。なお、S15の処理によって削除されたピクセル14は除外して平均化処理を行う。
画像表示部18では、応力値記憶部48のデータに基づいて、各ピクセル14の応力値をディスプレイに表示している。応力値の大きさによって数段階に区分し、その区分ごとに色別することによって、試験体25の応力分布を視覚的に認識することができる。応力値の計算は、異常な計測値が削除された修正温度変動量記憶部47のデータに基づいて行われているので、画像表示部18に表示される応力分布には、特異箇所の応力異常値が表示されることがない。
一方、試験体25の表面に応力集中などによって高い応力が発生している場合には、温度変動量ΔTの微分係数の値(絶対値)は、特異箇所での微分係数の値(絶対値)に比べて小さい。したがって、閾値を適正に設定することによって、応力集中等によって生じた高い応力と、特異箇所での高い応力とを区別することが出来る。したがって、応力集中等によって高い応力が発生している場合には、その計測した応力値を正しい値として処理することができる。
こうして、第1実施形態の赤外線応力測定装置10では、赤外線カメラ11によって撮影した熱分布画像に基づいて応力分布を計測するときに、異常な応力値を示すピクセル14を自動化されたデータ処理によって検出することが出来る。このため、試験体25の塗装ムラやエッジ効果によって異常な値の応力値が計測されることを防止して、正確な応力分布を効率よく求めることができる。
本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、図4に示したフローチャートのS15における異常ピクセルの処理の仕方が第1実施形態と異なっている。図8は、第2実施形態における画像信号処理部15のブロック図である。第2実施形態の画像信号処理部15では、第1実施形態の画像信号処理部15に対して、データ記憶部17に第2近似関数記憶部46が、データ処理部16に第2近似関数演算部55と近似値演算部56とがさらに組み込まれている。第1実施形態と共通する構成については同一の番号を付した。第1実施形態と異なる処理手順について説明する。
第2実施形態のS15では、第1実施形態と同様に、S14で検出された異常ピクセルについて、データの処理を行っている。このデータ処理は、第2近似関数演算部55と近似値演算部56とで行われる。
第2近似関数演算部55では、まず、S11で選択したXi列の温度変動量記憶部42に記憶されている温度変動量ΔTのうち、異常ピクセル記憶部45に記憶された位置番号のピクセル14の温度変動量ΔTを削除している。異常ピクセルのデータを削除した後のデータ群についてスプライン近似することによって、第2近似関数を作成している。ここで作成した第2近似関数は、ピクセル14の位置に対する温度変動量ΔTの近似値として、第2近似関数記憶部46に記憶される。
近似値演算部56では、温度変動量記憶部42に記憶されている温度変動量ΔTのデータを、異常ピクセル記憶部45に記憶されている位置番号に対応する第2近似関数記憶部46に記憶された温度変動量ΔTの近似値で置き換えている。
こうして、正しい値のみで構成されたXi列の温度変動量ΔTの値が、修正温度変動量記憶部47に記憶される。その後、第1実施形態と同様にして、応力演算部58で応力が計算される。
こうして、第2実施形態では、異常ピクセルが有する温度変動量ΔTの値を近似値で補っているので、各ピクセル14の温度変動量ΔTのデータの欠落をなくすことが出来る。したがって、第1実施形態において、異常ピクセルの温度変動量ΔTのデータを削除して平均化処理をした場合に比べて、第2実施形態では、より高い精度で応力分布を計算することが出来る。
また、図4のフローチャートでは、X1列からXn列まで順に1列ずつ、Y1〜Ymの各ピクセル14の温度変動量ΔTをスプライン近似した。しかし、Y1列からYm列まで順に1列ずつ、X1〜Xnの各ピクセル14の温度変動量ΔTをスプライン近似して、近似関数を求めてもよい。
また、その双方を行うことによって、異常値の検出精度をより高くすることが出来る。双方を行った場合には、いずれかの方向で検出された異常ピクセルをすべて除外する。
こうして、本発明の実施形態である赤外線応力測定装置10ならびに赤外線応力測定方法を使用することによって、赤外線カメラ11によって撮影した熱分布画像に基づいて応力分布を計測するときに、異常な応力値を示すピクセル14を自動化されたデータ処理によって検出して、正確な応力分布を効率よく求めることが出来る。
10:赤外線応力測定装置、11:赤外線カメラ、12:集光部、13:撮像素子、14:ピクセル、15:画像信号処理部、16:データ処理部、17:データ記憶部、18:画像表示部、25:試験体、26:小径外周面、27:大径外周面、28:側面、30:捩じり変位負荷装置、31:固定側台座、32:駆動側台座、33:駆動シャフト、34:ロータリーアクチュエータ、41:表面温度記憶部、42:温度変動量記憶部、43:第1近似関数記憶部、44:微分係数記憶部、45:異常ピクセル記憶部、46:第2近似関数記憶部、47:修正温度変動量記憶部、48:応力値記憶部、50:入力部、51:温度変動量演算部、52:第1近似関数演算部、53:微分係数演算部、54:異常ピクセル検出部、55:第2近似関数演算部、56:近似値演算部、57:異常ピクセル処理部、58:応力演算部

Claims (5)

  1. 2次元平面に配置した複数のピクセルからなる撮像素子を有する赤外線カメラを使用して、負荷装置によって試験体に荷重を負荷したときの前記試験体の表面温度と除荷したときの前記試験体の表面温度を計測する表面温度計測工程と、前記各ピクセルに対応して前記負荷時の表面温度と前記除荷時の表面温度の差である表面温度変動量を計測して、前記表面温度変動量を処理することによって前記試験体の応力を求める応力演算工程とを有している赤外線応力測定方法であって、
    前記応力演算工程は、前記撮像素子の複数のピクセルを、一の方向に一列に並んだピクセルからなる複数の第1ピクセル群に分割し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する近似関数を求める第1ステップと、
    前記第1ピクセル群ごとに前記近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第2ステップと、
    絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルXaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルXbを特定することによって、前記ピクセルXaと、前記ピクセルXaと前記ピクセルXbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第3ステップと、
    前記撮像素子の複数のピクセルのうち前記異常ピクセルを除くピクセルについて前記表面温度変動量から前記試験体の応力を計測する第7ステップと、
    を有する赤外線応力測定方法。
  2. 前記第3ステップと前記第7ステップとの間に、
    前記撮像素子の複数のピクセルを、前記一の方向と異なる他の方向に一列に並んだピクセルからなる複数の第2ピクセル群に分割し、前記第2ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する近似関数を求める第4ステップと、
    前記第2ピクセル群ごとに前記近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第5ステップと、
    絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記第2ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルYaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルYbを特定することによって、前記ピクセルYaと、前記ピクセルYaと前記ピクセルYbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第6ステップと、
    を有する請求項1の赤外線応力測定方法。
  3. 2次元平面に配置した複数のピクセルからなる撮像素子を有する赤外線カメラを使用して、負荷装置によって試験体に荷重を負荷したときの前記試験体の表面温度と除荷したときの前記試験体の表面温度を計測する表面温度計測工程と、前記各ピクセルに対応して前記負荷時の表面温度と前記除荷時の表面温度の差である表面温度変動量を計測して、前記表面温度変動量を処理することによって前記試験体の応力を求める応力演算工程とを有している赤外線応力測定方法であって、
    前記応力演算工程は、前記撮像素子の複数のピクセルを、一の方向に一列に並んだピクセルからなる複数の第1ピクセル群に分割し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する第1近似関数を求める第1ステップと、
    前記第1ピクセル群ごとに前記第1近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第2ステップと、
    絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルXaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルXbを特定することによって、前記ピクセルXaと、前記ピクセルXaと前記ピクセルXbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第3ステップと、
    前記異常ピクセルを除いた前記各第1ピクセル群について、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する第2近似関数を求める第8ステップと、
    前記異常ピクセルの前記表面温度変動量を、前記第2近似関数を用いて求めた近似値で置き換える第9ステップと、
    を有する赤外線応力測定方法。
  4. 2次元平面に配置した複数のピクセルからなる撮像素子を有し、試験体の表面温度を計測する赤外線カメラと、
    前記撮像素子によって計測した前記表面温度を記憶し、前記試験体の応力を演算する応力演算部と、
    前記応力演算部が演算した結果を表示する画像表示部と、
    を備えている赤外線応力測定装置であって、
    前記応力演算部は、
    前記ピクセルごとに、負荷装置によって前記試験体に荷重を負荷したときの前記試験体の表面温度と、除荷したときの前記試験体の表面温度との差である表面温度変動量を求める演算機能を有するとともに、
    前記撮像素子の複数のピクセルを、一の方向に一列に並んだピクセルからなる複数のピクセル群に分割し、前記ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する近似関数を求める第1ステップと、
    前記ピクセル群ごとに前記近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第2ステップと、
    絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルXaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルXbを特定することによって、前記ピクセルXaと、前記ピクセルXaと前記ピクセルXbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第3ステップと、
    前記撮像素子の複数のピクセルのうち前記異常ピクセルを除くピクセルが有する前記表面温度変動量から前記試験体の応力を計測する第4ステップと、
    を順に行う演算機能を有する赤外線応力測定装置。
  5. 2次元平面に配置した複数のピクセルからなる撮像素子を有し、試験体の表面温度を計測する赤外線カメラと、
    前記撮像素子によって計測した前記表面温度を記憶し、前記試験体の応力を演算する応力演算部と、
    前記応力演算部が演算した結果を表示する画像表示部と、
    を備えている赤外線応力測定装置であって、
    前記応力演算部は、
    前記ピクセルごとに、負荷装置によって前記試験体に荷重を負荷したときの前記試験体の表面温度と、除荷したときの前記試験体の表面温度との差である表面温度変動量を求める演算機能を有するとともに、
    前記撮像素子の複数のピクセルを、一の方向に一列に並んだピクセルからなる複数の第1ピクセル群に分割し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する第1近似関数を求める第1ステップと、
    前記第1ピクセル群ごとに前記第1近似関数を前記位置で微分して、前記各ピクセルの位置における微分係数を求める第2ステップと、
    絶対値が等しい正、負の閾値を設定し、前記第1ピクセル群ごとに、前記ピクセルの位置の順に配列した前記微分係数の値が最初に前記正、負の閾値を超える値を持つピクセルXaを特定し、その後、前記ピクセルの位置を順次変えて、前記負、正の閾値を超える値を持つピクセルを検出した後において最初に前記負、正の閾値を超えない値を持つピクセルXbを特定することによって、前記ピクセルXaと、前記ピクセルXaと前記ピクセルXbとの間にあるすべてのピクセルとを異常ピクセルとして検出する第3ステップと、
    前記異常ピクセルを除いた前記各第1ピクセル群について、前記ピクセルの位置と前記表面温度変動量との関係を近似する第2近似関数を求める第8ステップと、
    前記異常ピクセルが有する前記表面温度変動量を、前記第2近似関数を用いて求めた近似値で置き換える第9ステップと、
    を順に行う演算機能を有する赤外線応力測定装置。
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