<第1の実施の形態>
第1の実施の形態における冷却装置1000の構成について説明する。図1は、冷却装置1000の構成を示す図である。図1(a)は、冷却装置1000の構成を示す正面図である。図1(b)は、冷却装置1000の構成を示す側面図である。図2は、冷却装置1000の気相管および戻り管付近の部分拡大図である。図1および図2には、鉛直方向Gを矢印で示している。
図1に示されるように、冷却装置1000は、受熱部10と、放熱部20と、気相管30と、液相管40と、戻り管50とを備えている。冷却装置1000は、自然循環方式が採用された冷却装置である。
冷却装置1000のうち、受熱部10は建物内に設置され、放熱部20は建物外に設置される。そして、受熱部10は、発熱部200に取り付けられている。発熱部200も建物内に配置されている。受熱部10および放熱部20は、2本の配管(気相管30および液相管40)によって、連通されている。
冷却装置1000は、受熱部10および放熱部20の間を循環する冷媒(Condensation preparations)を有する。すなわち、受熱部10および放熱部20の内部には、空洞が設けられている。また、冷媒は、受熱部10、放熱部20、気相管30、液相管40および戻り管50により形成される閉鎖空間内に、密閉された状態で閉じ込められる。この冷媒は、密閉された状態で、受熱部10および放熱部20の間を、気相管30、液相管40および戻り管50を介して、循環する。
冷媒は、例えば高分子材料などにより構成されており、高温になると気化し、低温になると液化する特性を有している。また、情報通信機器での使用を考え、冷媒には絶縁性のものを使用する。具体的には、HFC(hydro fluorocarbon:ハイドロフルオロカーボン)や、HFE(hydro fluor ether:ハイドロフルオロエーテル)を用いているが、材料はこれに限定されない。
冷却装置1000の前記閉鎖空間内に冷媒を充填する方法については、次の通りである。まず、受熱部10および放熱部40の内部空洞と、気相管30と、液相管40と、戻り管50とにより形成される閉鎖空間内に冷媒を注入する。次に、真空ポンプ(不図示)などを用いて、前記閉鎖空間内から空気を排除して、この当該閉鎖空間内に冷媒を密閉する。これにより、前記空間内の圧力は冷媒の飽和蒸気圧と等しくなり、前記閉鎖空間内に密閉された冷媒の沸点が室温近傍となる。以上の通り、冷却装置1000の前記閉鎖空間内に冷媒を充填する方法を説明した。
図1に示されるように、受熱部10は、発熱部200に取り付けられ、発熱部200の熱を受熱する。
ここで、発熱部200は、例えばラックである。このラックは、例えば、高温熱量を出す複数の情報通信機器(サーバ等)を収容する。ラックは、収容体とも呼ばれる。ラックは、例えば、多くの情報通信機器の収容に使用されている19インチラックである。19インチラックには、JIS規格(日本工業規格)に適合したものや、EIA規格(米国電子工業会規格)に適合したものを用いることができる。なお、本実施の形態では、発熱部200に19インチラックを使用すると説明したが、これに類するラックであれば発熱部200に適用できる。
受熱部10は、具体的には、発熱部200としてのラックの側面(排気側)に取り付けられている。受熱部10は、気相管30および液相管40を介して、放熱部20に接続されている。このとき、受熱部10は、放熱部20よりも鉛直方向Gの下方側に、配置されている。
受熱部10は、液相冷媒を蓄溜する。受熱部10は、発熱部200の熱を受熱(吸熱)することによって、液相冷媒を気相冷媒に相変化させる。この気相冷媒は、気相管30を介して、放熱部40へ流入される。
受熱部10の材料には、好ましくは、例えば、熱伝導率の高いアルミニウムや銅が用いられる。ただし、受熱部10の材料は、アルミニウムや銅に限定されない。
受熱部10内の具体的な構成を説明する。受熱部10は、上部ヘッダ11と、下部ヘッダ12と、複数のチューブ13と、複数のフィン14とを備えている。
上部ヘッダ11は、下部ヘッダ12よりも、鉛直方向Gの上方側に配置されている。上部ヘッダ11内は、空洞となっている。上部ヘッダ11は、気相管30に接続されている。
下部ヘッダ12は、上部ヘッダ11よりも、鉛直方向Gの下方側に配置されている。下部ヘッダ12内は、空洞となっている。下部ヘッダ12は、液相管40に接続されている。
複数のチューブ13の各々は、上部ヘッダ11および下部ヘッダ12を連結する。
複数のフィン14は、チューブ13の間に設けられている。各フィン14は、各チューブ13の間に設けられる。これらのフィン14は、高温になった送風から熱を奪い、チューブ13内の冷媒に、受熱した熱を伝える。受熱した冷媒は、液相から気相に相変化し、チューブ13内を上昇する。
なお、フィン14は、複数の羽により構成されており、複数の羽の間には空気が通ることができるように構成されている。すなわち、フィン14の領域内では、受熱部10の一方の主面から他方の主面に向けて、空気が通り抜けることができる。
図1に示されるように、放熱部20は、受熱部10よりも鉛直方向Gの上方側に設けられている。放熱部20は、気相管30および液相管40を介して、受熱部10に接続されている。放熱部20の上部(鉛直方向Gの上方側)には、気相管30が接続されている。また、放熱部20の下部(鉛直方向Gの下方側)には、液相管40が接続されている。放熱部20は、受熱部10内の液相冷媒が相変化した気相冷媒を介して流入される発熱部100の熱を放熱する。なお、受熱部10内の液相冷媒は、受熱部10により発熱部200の熱を受熱することによって、気相冷媒に相変化する。
放熱部20は、気相冷媒を介して流入される発熱部200の熱を放熱することによって、気相冷媒を凝縮して、液相冷媒に相変化させる。すなわち、気相冷媒により輸送された熱は、外部のファンやチラー(chiller)等の冷却機器(不図示)から供給される空気や水に放熱される。この放熱により、気相冷媒は、凝縮して、液相冷媒に相変化する。そして、放熱部20で生じた液相冷媒は、液相管40を介して、受熱部10の下部ヘッダ12へ流入する。
自然循環方式の冷却装置1000では、気相冷媒と液相冷媒の密度差を利用して冷媒を循環させるため、密度の大きい液相冷媒を生じさせる放熱部20を、受熱部10よりも、鉛直方向Gの上方に、配置する必要がある。
また、放熱部20は、通常、情報通信機器が設置される建物に設けられているチラーやファンなど(冷却機器の一種)に応じて、配置される。このため、放熱部20は、水平方向(すなわち、鉛直方向Gに対して垂直な方向)で、受熱部10から離れた位置に、配置されることが多い。
放熱部20の材料には、好ましくは、例えば、熱伝導率の高いアルミニウムや銅が用いられる。ただし、放熱部20の材料は、アルミニウムや銅に限定されない。
図1に示されるように、気相管30は、受熱部10および放熱部20に接続され、両者を連結する。気相管30の一端部は、受熱部10の上部ヘッダ11に接続される。気相管30の他端部は、放熱部20の上部に接続される。気相管30は、受熱部10で生じた気相冷媒を含む冷媒を、受熱部10から放熱部20へ流入させる。
冷却装置1000は、多くの熱量を吸熱することが要求されている。受熱部10は、発熱部200の熱を確実に吸熱するために、多量の液相冷媒を蓄溜する必要がある。このため、受熱部10で発生した気相冷媒の中には、多量の液相冷媒が混入する。したがって、気相管30内を流れる冷媒には、気相冷媒だけでなく、液相冷媒も混在することになる。
受熱部10および放熱部20は、一般的な自然循環方式の冷却装置において、互いに離れた位置に配置される。このため、受熱部10および放熱部20を接続する気相管30は、電気配線、ネットワーク線、空調機のための配線や配管等を避けながら、敷設される。つまり、気相管30は、本発明の冷却装置の設置フロアの平面方向(鉛直方向Gに対して平行方向)に延びる配管と、その配管の方向を曲げる曲がり管を有している。
また、特に、自然循環方式の冷却装置1000では、液相冷媒と気相冷媒の密度差を利用して動作する。このため、放熱部20は、受熱部10よりも鉛直方向Gの上方側に配置される。このため上方へ曲がる曲がり管(後述の上方曲がり管32)を有する。
ここで、気相管30の一例として、図1および図2に示されるように、気相管30が、上方管31と、上方曲がり管32と、連結管33とを有する場合について説明する。
上方管31は、受熱部10に接続されている。上方管31は、受熱部10から放熱部20側へ向けて鉛直方向Gの上方側に延びるように設けられている。
上方曲がり管32は、放熱部20に接続されている。上方曲がり管32は、放熱部20から受熱部10側へ向けて鉛直方向Gの下方側に延びるように設けられている。
連結管33は、上方管31および上方曲がり管32を接続する。連結管33は、鉛直方向Gに対して垂直方向に沿って延在する。
図1に示されるように、液相管40は、受熱部10および放熱部20に接続され、両者を連結する。液相管40の一端部は、放熱部20の下部に接続される。液相管40の他端部は、受熱部10の下部ヘッダ12に接続される。
液相管40は、放熱部20により凝縮された液相冷媒を、放熱部20から受熱部10へ流入させる。すなわち、液相管40は、放熱部20により発熱部200の熱を放熱することによって気相冷媒が相変化した液相冷媒を、放熱部20から受熱部10へ流入させる。
受熱部10および放熱部20は、一般的な自然循環方式の冷却装置において、互いに離れた位置に配置される。このため、受熱部10および放熱部20を接続する液相管40は、電気配線、ネットワーク線、空調機のための配線や配管等を避けながら、敷設される。つまり、液相管40は、本発明の冷却装置の設置フロアの平面方向(鉛直方向Gに対して平行方向)に延びる配管と、その配管の方向を曲げる曲がり管を有している。
図1および図2に示されるように、戻り管50は、気相管30に接続されている。より具体的には、戻り管50は、上方曲がり管32および連結管33を接続する接続部M1と、上方管31とに、接続されている。ここで、戻り管50は、気相管30が分岐した管とすることもできる。すなわち、気相管30は、上方曲がり管32および連結管33を接続する接続部M1において分岐し、分岐した気相管(戻り管50)は、上方管31と合流する。このとき、上方曲がり管32および連結管33の接続部M1は、上方管31と戻り管50との接続部M2より、鉛直方向Gの上方に設けられている。戻り管50は、気相管50を流れる冷媒に含まれる液相冷媒を、受熱部10へ戻す。また、戻り管50とおよび上方管31は、接続部M2で、戻り管50の中心線と上方管31の中心線とが交わるように設けられている。
図1および図2に示されるように、戻り管50は、戻り管入口51と、戻り管出口52を有する。
戻り管入口51は、上方曲がり管32および連結管33を接続する接続部M1に設けられている。戻り管入口51は、接続部M1において、上方曲がり管32の下面を開口して設けられる。このように、戻り管入口51を設けることにより、上方曲がり管32において、気相冷媒は鉛直方向Gの上方側へ上昇し、液相冷媒は鉛直方向Gの下方側へ下降する。このため、気相管50を流れる冷媒に含まれる液相冷媒を、効率よく戻り管50へ流入させることができる。一方で、設置環境によっては、戻り管入口51を連結管33に設けても良い。
戻り管出口52は、上方管31の壁を開口して設けられている。このとき、上方管31と戻り管50との接続部M2は、上方曲がり管32および連結管33の接続部M1より、鉛直方向Gの下方に設けられている。戻り管出口52を上方管31の壁に設けることにより、戻り管50内を流れる液相冷媒が、気相管30の上方管31の内壁面を伝って鉛直方向Gの下方へ降下する。これにより、戻り管50内を流れる液相冷媒が、気相管30の上方管31内を上昇する気相冷媒と干渉することを抑止することができる。
ここで、戻り管50の配管径(または、配管内側の断面積)が大きすぎる場合、気相管30の上方管31内を上昇する気相冷媒が戻り管出口52から流入することも考えられる。これに関して、気相冷媒は、同じ質量あたりの体積が液相冷媒より大きいため、戻り管50の配管径(または、配管内側の断面積)は気相管30の配管径(または、配管内側の断面積)より小さいことが望ましい。
逆に、戻り管50の配管径(または、配管内側の断面積)が小さすぎる場合、戻る液相冷媒の流動を妨げるため、所望の効果を得られないことも考えられる。気相冷媒が巻き込む液相冷媒量は、その冷却装置が受ける熱量や、寸法に依存するために一律に決めることは難しい。そこで、少なくとも気相冷媒と同質量程度の液相冷媒は輸送されるため、気相冷媒の質量流量と同程度の質量流量が戻り管50に流れるようにすることが、好ましい。つまり、好ましくは、戻り管50と気相管30の配管径比が、液相冷媒と気相冷媒の密度比以上になるように、戻り管7の配管径を決める。
たとえば、多くの冷却装置で利用されている冷媒であるR134aの場合、温度−10℃、圧力約200パスカルの時、液体冷媒の密度が約10キログラム毎立方メートル、気相冷媒の密度が約1330キログラム毎立方メートルとなる。すなわち、気体の密度が、液体の密度に対して約133倍程度大きい。このため、液相管40の配管径は、気相管30の配管径の約133分の1以上であることを望ましい。多くの冷媒の場合、R134aのように、液相冷媒の方が気相冷媒より数100倍程度密度が大きいため、戻り管50の配管径を、気相管30の配管径の100分1以上にすることが望ましい。
図3は、本発明の第1の実施の形態における冷却装置の変形例の構成を示す図である。なお、図3では、図1、2で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1、2に示した符号と同等の符号を付している。上記例では、気相管30が、上方管31、上方曲がり管32及び連結管33を有する場合について説明したが、他の構成の場合も考えられる。例えば、図3に示すように、気相管30が、一か所で屈曲している構成である。この構成の場合、気相管30は、放熱部20との接続部と屈曲箇所との間で分岐する。また、この構成の場合、気相管30は、屈曲箇所の下方で合流する。
次に、冷却装置1000の動作について説明する。図4は、冷却装置1000の動作を説明するための概略図である。図5は、冷却装置1000の気相管30および戻り管50付近の部分拡大図であって、冷却装置1000の動作を説明するための図である。なお、便宜上、図4では戻り管50を省略している。図4および図5には、鉛直方向Gを矢印で示している。
まず、受熱部10は、発熱部200(例えば、ラック(不図示))の熱(例えば、ラック内の情報通信機器(不図示)の排熱)を受熱する。受熱部10が発熱部200の熱を吸熱すると、液相冷媒が沸騰して気相状態になり気相冷媒へ相変化する。気化した気相冷媒は、液相冷媒よりも密度が小さいため、その浮力により鉛直方向Gの上方へ上昇し、受熱部10の上部ヘッダ11を通って気相管30へ流入する。
ここで、冷却装置1000は、多くの熱量を吸熱することが要求されている。このため、受熱部10は、発熱部200の熱を確実に吸熱するために、多量の液相冷媒を蓄溜する必要がある。したがって、受熱部10で発生した気相冷媒の中には、多量の液相冷媒が混入する。したがって、気相管30内を流れる冷媒には、気相冷媒だけでなく、液相冷媒も混在する。
次に、図4の矢印P1に示すように、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒は、気相管30内を、放熱部20へ向かって上昇する。この間、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒は、上方管31、連結管33および上方曲がり管32を順次通って、放熱部20へ向かう。
ここで、前述の通り、戻り管50が、上方曲がり管32および連結管33を接続する接続部M1と、上方管31とに、接続されている。このとき、上方曲がり管32および連結管33の接続部M1は、上方管31と戻り管50との接続部M2より、鉛直方向Gの上方に設けられている。
したがって、図5の矢印P3に示すように、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒RCQは、その自重により、上方曲がり管32から戻り管50へ、戻り管入口51を介して、上方曲がり管32および戻り管50の内壁を伝って下降する。このように、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒RCQは、気相管40内の気相冷媒の流動を妨げることなく、気相冷媒と逆方向に移動する。
もし、戻り管50が設けられていない場合、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒は、気相冷媒の流れに干渉しながら、気相管30内を逆流する以外ないい。このため、気相管30内の気相冷媒の流動を著しく妨げ、冷却装置の熱輸送能力を低下させる。
これに対して、本発明の冷却装置1000では、戻り管50を設けることにより、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒RCQは、図5の矢印P4で示すように、上方曲がり管32および戻り管50の内壁を伝って下降しながら、戻り管入口51から戻り管50内に流入する。戻り管50内を流れる液相冷媒RCQは、当該液相冷媒の自重により受熱部10側へ移動し、戻り管出口52に到達し、戻り管出口52を介して気相管30の上方管31内に流入する。
戻り管出口52は上方管31の壁面に設けられており、上方管31は鉛直方向Gの上方側へ延びるように設けられている。このため、図5の矢印P5に示されるように、戻り管出口52を介して気相管30の上方管31内に流入する液相冷媒は、すぐに上方管31内を、当該上方管31の内壁を伝って、鉛直方向Gの下方側へ降下する。
つまり、液相冷媒は、上方管31の内壁を伝って鉛直方向Gの下方側へ降下するので、上方管31内を上昇する気相冷媒と、上方管内を下降する液相冷媒の干渉を、最小限に抑えることができる。
気相管30の上方管31に戻った液相冷媒は、受熱部10の上部ヘッダ11に流入し、受熱部30内で発熱部200の熱を吸熱することで気相冷媒に相変化し、受熱部10および放熱部20の間を循環する冷媒として使用される。
戻り管50を設けることによって、上方曲がり管32を上昇する冷媒は、液相冷媒をほとんど含まず、ほぼ全てが気相冷媒となる。このため、気相管30のうちで接続部M1より鉛直方向Gの上方側(特に、曲がり部)では、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒と気相冷媒が、気相管30内で互いに干渉することはない。すなわち、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒が、気相管30内の曲がり部等で、気相管30内を上昇する気相冷媒の流動の妨げになることはない。
次に、上方曲がり管32を上昇する気相冷媒は、放熱部20内に流入する。放熱部20内に流入した気相冷媒は、放熱部20により冷却され、液化される。これにより、気相冷媒が液相冷媒に相変化する。この結果、気相冷媒によって運ばれた発熱部200の熱が放熱部20で放熱される。
液相冷媒は気相冷媒より密度が小さいので、放熱部20内で生じた液相冷媒は、放熱部20内を鉛直方向Gの下方側へ下降する。そして、液相冷媒は、放熱部20の下部に接続された液相管40内に流入する。
次に、図4の矢印P2に示すように、液相管40内を流れる液相冷媒は、当該液相冷媒の自重により、液相管40内を鉛直方向Gの下方側へ下降し、受熱部10の下部ヘッダ12内に流入する。このようにして、受熱部10内に蓄溜されていた液相冷媒が、放熱部20を介して再び受熱部10に還流される。
そして、還流された液相冷媒は、受熱部10で発熱部200の熱を吸熱して、気相冷媒へ相変化し、冷却装置1000の熱輸送に使用される。以降、同じ動作を繰り返す。
このように、冷媒は、受熱部10、気相管30、放熱部20および液相管40を順次、循環する。すなわち、冷媒は、受熱部10により吸熱された発熱部200の熱を含んだ状態で受熱部10から放熱部20へ気相管30を介して流れ、放熱部20により発熱部200の熱を放熱された後に放熱部20から受熱部10へ液相管40を介して流れる。これにより、受熱部10により受熱された発熱部200の熱が放熱される。以上の通り、冷却装置1000は、受熱部10および放熱部20の間で、冷媒を相変化(液相←→気相)させながら循環させることにより、受熱部10により受熱される発熱部200の熱を冷却する。
また、戻り管50は、気相管30に接続されている。気相管30を流れる冷媒に含まれる液相冷媒は、戻り管入口51を介して戻り管50内に流入し、戻り管出口52を介して気相管30の受熱部10側に流入し、受熱部10へ戻る。このように、気相管30を流れる冷媒に含まれる液相冷媒は、気相管30を上昇する気相冷媒の流動に干渉することなく、受熱部10へ戻る。
以上、冷却装置1000の構成および動作について説明した。
次に、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000の変形例である冷却装置1000Aについて説明する。図6は、冷却装置1000Aの構成を示す部分拡大図である。図6(a)は、冷却装置1000Aの構成を示す部分拡大正面図である。図6(b)は、冷却装置1000Aの構成を示す部分拡大側面図である。なお、図6では、図1〜5で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜5に示した符号と同等の符号を付している。また、図6には、鉛直方向Gを矢印で示している。
図6(a)および図6(b)に示されるように、冷却装置1000Aは、受熱部10と、放熱部20と、気相管30Aと、液相管40と、戻り管50Aとを備えている。冷却装置1000Aは、自然循環方式が採用された冷却装置である。
ここで、図1(a)、(b)と、図6(a)、(b)を比較する。図1(a)、(b)では、気相管30の上方管31は、受熱部10の上部から鉛直方向Gの上方側に延出されていた。また、戻り管50は、受熱部10の上方で、気相管30の上方管31に接続されていた。これに対して、図6(a)、(b)では、気相管30の上方管31は、受熱部10の上部から下部に亘り、鉛直方向Gの上方側に延在する。また、戻り管50は、受熱部10の下部側で、気相管30の上方管31に接続されている。
図6(a)および図6(b)に示されるように、戻り管50Aおよび上方管31の接続部M2は、受熱部10および気相管30の接続部よりも鉛直方向Gの下方に設けられている。なお、戻り管30Aおよび上方管31の接続部M2には、戻り管出口52が設けられている。
これにより、気相管30A内を放熱部20へ向けて上昇する気相冷媒と、戻り管50Aから気相管30Aの上方管31に流入する液相冷媒とが、互いに干渉し合うことを、さらに低減することができる。
以上、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000の変形例である冷却装置1000Aについて説明した。
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000は、受熱部10と、放熱部20と、液相管40と、気相管30とを備えている。受熱部10は、発熱部200からの熱を受熱する。放熱部20は、受熱部10より上方に設けられ、熱を放熱する。液相管40は、受熱部10と放熱部20とを接続する。気相管30は、受熱部10と放熱部20とを接続する。冷却装置1000は、受熱部10、放熱部20、液相管40及び気相管20を冷媒が循環する。そして、気相管30は、気相管30と放熱部20との接続部M1より下方で分岐する。また、分岐した気相管(戻り管50)は、分岐した箇所よりも下方(接続部M2)で合流する。
このように、気相管30は、気相管30と放熱部20との接続部M1より下方で分岐する。また、分岐した気相管(戻り管50)は、分岐した箇所よりも下方(接続部M2)で合流する。すなわち、気相管30を流れる冷媒のうち液相冷媒は、気相管30とは別に、分岐した気相管(戻り管50)内を流れて、受熱部20へ戻る。したがって、気相管30内を流れる冷媒のうち気相冷媒は、気相管30内で、液相冷媒の流動に干渉されることなく、受熱部10から放熱部20へ流れる。また、分岐した気相管(戻り管50)を通って受熱部20へ戻った液相冷媒は、発熱部200の熱により再び気相冷媒へ相変化され、分岐した気相管(戻り管50)内を受熱部10から放熱部30へ向けて上昇する。
よって、液相冷媒および気相冷媒が互いに干渉することなく、気相管30内の気相冷媒を受熱部10から放熱部20へ円滑に流入させることができ、分岐した気相管(戻り管50)を介して気相管30内の液相冷媒を受熱部10へ戻すことができる。
したがって、本発明の冷却装置1000によれば、発熱部200を冷却する性能が低減することを抑止することができる。
本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000において、気相管30は少なくとも1か所以上で屈曲しており、気相管30は、放熱部20と屈曲箇所の間で分岐し、屈曲箇所より下方で合流する。
このように、気相管30は、放熱部20と屈曲箇所の間で分岐し、屈曲箇所より下方で合流する。これにより、屈曲箇所に冷媒が溜まることを抑止できる。この結果、気相管30に屈曲箇所が設けられても、発熱部200を冷却する性能が低減することを抑止することができる。
本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000は、受熱部10と、放熱部20と、気相管30と、液相管40と、戻り管50とを備えている。受熱部10は、液相冷媒を蓄溜する。受熱部10は、発熱部200に取り付けられる。受熱部10は、
発熱部200の熱を受熱する。放熱部20は、受熱部20よりも鉛直上方側に設けられている。放熱部20は、受熱部20により発熱部200の熱を受熱することによって、液相冷媒が相変化した気相冷媒を介して流入される発熱部200熱を放熱する。気相管30は、受熱部10および放熱部20に接続されている。気相管30は、気相冷媒を含む冷媒を受熱部10から放熱部20へ流す。液相管40は、受熱部10および放熱部20に接続されている。液相管40は、放熱部20により発熱部200の熱を放熱することによって気相冷媒が相変化した液相冷媒を放熱部20から受熱部10へ流入させる。戻り管50は、気相管30に接続されている。戻り管50は、気相管30を流れる冷媒に含まれる液相冷媒を受熱部10へ戻す。
このように、戻り管50が、気相管30に接続され、気相管30を流れる冷媒に含まれる液相冷媒を受熱部10へ戻す。すなわち、気相管30を流れる冷媒のうち液相冷媒は、気相管30とは別に設けられた戻り管50内を流れて、受熱部20へ戻る。したがって、気相管30内を流れる冷媒のうち気相冷媒は、気相管30内で、液相冷媒の流動に干渉されることなく、受熱部10から放熱部20へ流れる。また、戻り管50を通って受熱部20へ戻った液相冷媒は、発熱部200の熱により再び気相冷媒へ相変化され、気相管30内を受熱部10から放熱部30へ向けて上昇する。
よって、気相管30に曲がり部が設けられても、液相冷媒および気相冷媒が互いに干渉することなく、気相管30内の気相冷媒を受熱部10から放熱部20へ円滑に流入させることができ、戻り管50を介して気相管30内の液相冷媒を受熱部10へ戻すことができる。
したがって、本発明の冷却装置1000によれば、気相管30に曲がり部が設けられても、発熱部200を冷却する性能が低減することを抑止することができる。
自然循環方式の冷却装置1000では、気相冷媒は、液相冷媒が混入された状態で、気相管5内を受熱部10から放熱部20へ向けて移動する。上述の通り、戻り管50を設けることにより、気相管30の上方曲がり管32内を降下する液相冷媒と、気相管30内を放熱部20へ向けて上昇する気相冷媒とが干渉することを防止し、熱輸送能力の低下を抑制できる。
自然循環方式の冷却装置1000では、気相冷媒と液相冷媒の密度差を利用して動作させているため、放熱器20を、受熱器10より鉛直方向Gの上方側に配置しなくてはならない等の制約がある。このため、冷却装置1000の設置時には、当該冷却装置1000の動作を考慮した設置が求められる。
すなわち、さまざまなケーブルや配管があるサーバルームにおいて、複数の曲がり部を配管(特に気相管30)に設けても、熱輸送能力を低下させないために、設置時に考慮すべき項目を少なくすることができる。
また、冷却装置1000の配管(特に気相管30)を、当該冷却装置1000の内部動作を考えることなく、発熱部200(例えばラック)を収容するサーバルーム内の電源配線や空調機の配管やダクト等を避けて、設けることができる。このため、冷却装置1000を容易に設置することができる。
また、前述の通り、本発明の冷却装置1000では、戻り管50を設けることによって、自重により降下して受熱部10側へ戻ろうとする液相冷媒と、放熱部20へ向けて上昇する気相冷媒とが、気相管30内で干渉することが抑制されている。このため、気相管30の配管径(配管内の断面積)をより小さくすることができる。これにより、冷却装置1000の設置事時に、当該冷却装置1000の取扱いが簡便になり、設置時のコストを低減することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000は、戻り管50を備えている。戻り管50は、気相管30から気相管30と放熱部20との接続部M1より下方で分岐され、分岐した箇所よりも下方(接続部M2)で気相管30に合流し、気相管30を流れる冷媒に含まれる液相冷媒を受熱部10へ戻す。気相管30は、上方管31と、上方曲がり管32と、連結管33とを有する。上方管31は、受熱部10に接続されている。上方管31は、受熱部10から放熱部20側へ向けて鉛直上方側に延びるように設けられている。上方曲がり管32は、放熱部20に接続されている。上方曲がり管32は、放熱部20から受熱部10側へ向けて鉛直下方側に延びるように設けられている。連結管33は、上方管31および上方曲がり管32を接続する。戻り管50は、上方曲がり管32および連結管33の接続部と、上方管31とに接続されている。上方曲がり管32および連結管33の接続部は、上方管31および戻り管50の接続部より、鉛直方向Gの上方に設けられている。
このように、戻り管50は、上方曲がり管32および連結管33の接続部M1に、接続されている。上方管31は、受熱部10から放熱部20側へ向けて鉛直上方側に延びるように設けられている。これにより、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒は、上方曲がり管32および戻り管50の内壁を伝って自重により下降しながら、戻り管入口51(戻り管入口51は、上方曲がり管32および連結管33の接続部M1に配置されている。)から戻り管50内に流入する(図5の矢印P3)。したがって、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒を、円滑に気相管30の上方曲がり管32から戻り管50へ流入させることができる。
また、戻り管50は、上方管31に接続されている。上方管31は、受熱部10から放熱部20側へ向けて鉛直上方側に延びるように設けられている。これにより、戻り管出口52を介して気相管30の上方管31内に流入する液相冷媒は、すぐに上方管31内を、当該上方管31の内壁を伝って自重により鉛直方向Gの下方側へ降下する(図5の矢印P5)。したがって、発熱部200の熱を吸収した気相冷媒を含む冷媒のうち、液相冷媒を、円滑に戻り管50から気相管30の上方管31へ流入させることができる。液相冷媒は、上方管31の内壁を伝って鉛直方向Gの下方側へ降下するので、上方管31内を上昇する気相冷媒と、上方管内を下降する液相冷媒との干渉を、最小限に抑えることができる。
本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000において、発熱部200は、複数の電子装置を収容するラックである。これにより、ラック内の複数の電子装置から生じる熱を、冷却することができる。
本発明の第1の実施の形態における冷却装置1000の変形例である冷却装置1000Aにおいて、戻り管30Aおよび上方管31の接続部M2は、受熱部10および気相管30の接続部よりも鉛直方向Gの下方に設けられている。
これにより、気相管30A内を放熱部20へ向けて上昇する気相冷媒と、戻り管50Aから気相管30Aの上方管31に流入する液相冷媒とが、互いに干渉し合うことを、さらに低減することができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態における冷却装置1000Bの構成を説明する。図7は、冷却装置1000Bの構成を示す部分拡大側面図である。なお、図7では、図1〜6で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜6に示した符号と同等の符号を付している。また、図7には、鉛直方向Gを矢印で示している。
図7に示されるように、冷却装置1000Bは、受熱部10と、放熱部20と、気相管30と、液相管40と、戻り管50と、接続機構61、62とを備えている。冷却装置1000Bは、自然循環方式が採用された冷却装置である。
ここで、図1(a)、(b)と、図7を比較する。図7では、接続機構61、62が設けられている点で、図1(a)、(b)と相違する。
図7に示されるように、接続機構61は、気相管30の上方曲がり管32に設けられている。接続機構62は、気相管30の上方管31に設けられている。
少なくとも、気相管30の連結管33と、戻り管50と、接続部M1(戻り管入口51)と、接続部M2(戻り管出口52)とが、接続機構61および接続機構62の間に配置されるように、設けられている。接続機構61および接続機構62の間に設けられた気相管30の一部と戻り管50は、分離部として、気相管30に対して取り付けまたは取り外すことができる。接続機構61、62は、フランジ形状に形成されており、ガスケットやねじ等を用いて、分離部と気相管30と連結することができる。
このように、冷却装置1000Bでは、冷却装置1000Bの一部の構造を分離部として部品化し、これを接続構造61、62を用いて連結できるようにした。このため、本発明の設置環境ごとの個別設計や、設置工事時の微調整が必要なくなるので、大幅はコスト削減ができる。また、すでに設置された冷却装置であっても、接続構造61、62を通して、取り付けること可能であり、適用範囲を拡大することができる。
なお、冷却装置1000Bの動作は、冷却装置1000の動作を同様である。
以上の通り、本発明の第2の実施の形態における冷却装置1000Bにおいて、戻り管50は、気相管30から取り外すことができる。これにより、本発明の設置環境ごとの個別設計や、設置工事時の微調整が必要なくなるので、大幅はコスト削減ができる。また、すでに設置された冷却装置であっても、接続構造61、62を通して、取り付けること可能であり、適用範囲を拡大することができる。また、戻り管30付近が破損した場合であっても、すぐに交換することができる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態における冷却装置1000Cの構成を説明する。図8は、冷却装置1000Cの構成を示す部分拡大側面図である。なお、図8では、図1〜7で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜7に示した符号と同等の符号を付している。また、図8には、鉛直方向Gを矢印で示している。
図8に示されるように、冷却装置1000Cは、受熱部10と、放熱部20と、気相管30と、液相管40と、戻り管50Bと、屈曲部53とを備えている。冷却装置1000Cは、自然循環方式が採用された冷却装置である。
ここで、図1(a)、(b)と、図8を比較する。図8では、屈曲部53が戻り管50Bに設けられている点で、図1(a)、(b)と相違する。
図8に示されるように、屈曲部53は、戻り管50Bの戻り管出口52付近の配管を、鉛直方向Gの下方に凸となるように、戻り管50Bを屈曲させて形成される。すなわち、屈曲部53は、気相管30の上方管31および戻り管50Bの接続部側で戻り管50Bを屈曲させて形成される。屈曲部53は、戻り管50Bを流れる液相冷媒を蓄溜する。
戻り管50Bによって受熱部10に戻る液相冷媒は、常に一定量とは限らないので、戻る液相冷媒量が少なくなる場合がある。その時に、戻り管50Bが液相冷媒で満たされないために、戻り管出口52より気相冷媒が気相管30から流入する場合がある。
気相冷媒が気相管30から戻り管50Bに流入すると、液相冷媒が戻り管50Bから受熱部10へ戻らなくなるため、第1の実施の形態で説明したような所望の効果を得られない。
そこで、本実施の形態では、屈曲部53を戻り管50Bに設けている。これにより、戻り管50Bの液相冷媒量が減ったとしても、屈曲部53に液相冷媒RCQが溜まるため、気相冷媒が戻り管出口52から流入することを防止することができる。
屈曲部53の凸部には液相冷媒RCQを貯めなくてはならないので、最低でも戻り管50Bの配管径以上に凸部が突き出るようにする。戻り管50Bの屈曲部53が設けられても、屈曲部53にたまった液相冷媒RCQは、戻り管50Bを受熱部10へ向けて戻ろうとする液相冷媒に押し出されて、戻り管出口52より上方管10に流入する。このため、屈曲部53を設けても、液相冷媒の流動に影響を与えることはない。
以上の通り、本発明の第3の実施の形態における冷却装置1000Cは、屈曲部53を備えている。屈曲部53は、気相管30の上方管31および戻り管50Bの接続部側で戻り管50Bを屈曲させて形成される。屈曲部53は、戻り管50Bを流れる液相冷媒を蓄溜する。これにより、屈曲部53に液相冷媒を常時溜めておくことができる。この結果、受熱部30の上方管31内を放熱部20へ向けて上昇する気相冷媒が、戻り管50Bに流入することを防止することができる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態における冷却装置1000Dの構成を説明する。図9は、冷却装置1000Dの構成を示す部分拡大側面図である。なお、図9では、図1〜8で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜8に示した符号と同等の符号を付している。また、図9には、鉛直方向Gを矢印で示している。
図9に示されるように、冷却装置1000Dは、受熱部10と、放熱部20と、気相管30と、液相管40と、戻り管50Cと、タンク54とを備えている。冷却装置1000Dは、自然循環方式が採用された冷却装置である。
ここで、図1(a)、(b)と、図9を比較する。図9では、戻り管50Cにタンク54が設けられている点で、図1(a)、(b)と相違する。
図9に示されるように、タンク54は、戻り管50Cに設けられている。タンク54は、戻り管50Cを流れる液相冷媒RCQを蓄溜する。タンク54の配置位置は、戻り管50Cの途中であれば、特に限定されない。また、好ましくは、タンク54の内容積は、戻り管50Cの内容積の0.1〜1倍である。
戻り管50Cより受熱部10へ戻る液相冷媒は、急激に増えることもあれば、少ないこともある。液相冷媒が急激に増えた場合、戻り管出口52より気相管30に戻る液相冷媒の流速が速く、上方管31の壁を伝わらずに、上方管31の中央部に飛び出し、上方管31内を上昇する気相冷媒の流れを阻害する。一方、液相冷媒が少ない場合、戻り管出口52から気相冷媒が戻り管5Cに流入するため、戻り管50C内を受熱部10へ戻ろうとして流れる液相冷媒の流動を阻害する。
そこで、本実施の形態では、戻り管50Cに容積の大きいタンク54を設けている。これにより、戻り管50C内を受熱部10へ戻ろうとして流れる液相冷媒が多い場合、タンク54がバッファとして機能する。また、タンク54に一時的に液相冷媒RCQを貯蔵することで、戻り管出口52を介して受熱部10へ戻る液相冷媒の量を一定量にすることができる。
一方、戻り管50C内を受熱部10へ戻ろうとして流れる液相冷媒が少ない場合、タンク54に液相冷媒RCQを貯蔵することによって、上方管31を放熱部20に向けて上方に流れる気相冷媒が、戻り管出口52を介して戻り管50Cに流入することを防止することができる。
このようにして、受熱部10に戻る液相冷媒を滞らせることなく流動させることができる。この結果、冷却装置1000Dの熱輸送能力を低下させることがない。
以上の通り、本発明の第4の実施の形態における冷却装置1000Dは、タンク54を備えている。タンク54は、戻り管50Cに設けられている。タンク54は、戻り管50Cを流れる液相冷媒RCQを蓄溜する。これにより、受熱部10に戻る液相冷媒を滞らせることなく流動させることができる。この結果、冷却装置1000Dの熱輸送能力を低下させることがない。
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態における冷却装置1000Eの構成を説明する。図10は、冷却装置1000Eの構成を示す図である。図10(a)は、冷却装置1000Eの構成を示す部分拡大側面図である。図10(b)は、図10(a)のA−A切断線における部分断面図である。なお、図10では、図1〜9で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜9に示した符号と同等の符号を付している。また、図10には、鉛直方向Gを矢印で示している。
図10(a)および図10(b)に示されるように、冷却装置1000Eは、受熱部10と、放熱部20と、気相管30と、液相管40と、戻り管50Dとを備えている。冷却装置1000Eは、自然循環方式が採用された冷却装置である。
ここで、図2と、図10(a)、(b)を比較する。図2では、戻り管50とおよび上方管31は、接続部M2で、戻り管50の中心線と上方管31の中心線とが交わるように設けられていた。これに対して、図10(a)、(b)では、戻り管50Dとおよび上方管31は、接続部M2で、戻り管50Dの中心線と上方管31の中心線とが交わらないように設けられている。この点で、両者は互いに相違する。
図10(a)および図10(b)に示されるように、戻り管50Dとおよび上方管31は、接続部M2で、戻り管50Dの中心線と上方管31の中心線とが交わらないように設けられている。すなわち、戻り管50Dを上方管31の外壁の中心に接続するのではなく、戻り管50Dを上方管31の外壁に当該上方管31の外壁の中心から偏心させて接続している。
戻り管出口52は、戻り管50D内の液相冷媒が上方管31の内周壁に沿って流れるように、設けられている。これにより、戻り管50Dから受熱部10へ戻ろうとする液相冷媒が、上方管31の内周壁に沿って流動し、上方管31の内周壁を回転しながら鉛直方向Gの下方へ向かって降下する。
以上の通り、本発明の第5の実施の形態における冷却装置1000Eにおいて、戻り管50Dおよび上方管31は、戻り管50Dおよび上方管31の接続部M2で、戻り管50Dの中心線と上方管31の中心線が交わらないように、接続されている。これにより、戻り管50Dから受熱部10へ戻ろうとする液相冷媒が、上方管31の内周壁に沿って流動し、上方管31の内周壁を回転しながら鉛直方向Gの下方へ向かって降下する。この結果、戻り管50Dから受熱部10へ戻ろうとする液相冷媒は、気相管30の上方管31内を放熱部へ向かって鉛直方向Gの上方へ上昇する気相冷媒と干渉することなく、受熱部10へ向かって降下することができる。したがって、気相管30の上方管31内を放熱部へ向かって鉛直方向Gの上方へ上昇する気相冷媒の流動が、戻り管50Dから受熱部10へ戻ろうとする液相冷媒によって、阻害されることを防止できる。
<第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施の形態における冷却装置1000Fの構成を説明する。図11は、冷却装置1000Fの構成を示す図である。図11(a)は、冷却装置1000Fの構成を示す部分拡大側面図である。図11(b)は、図11(a)のB−B切断線における部分断面図である。なお、図11では、図1〜10で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜10に示した符号と同等の符号を付している。また、図11には、鉛直方向Gを矢印で示している。
図11(a)および図11(b)に示されるように、冷却装置1000Fは、受熱部10と、放熱部20と、気相管30と、液相管40と、戻り管50Eとを備えている。冷却装置1000Fは、自然循環方式が採用された冷却装置である。
ここで、図2と、図11(a)、(b)を比較する。図2では、戻り管50とおよび上方管31は、接続部M2で、戻り管50の中心線と上方管31の中心線とが交わるように設けられていた。これに対して、図11(a)、(b)では、戻り管50Eは、接続部M2で、上方管31の外周面に沿って上方管31に接続されている。この点で、両者は互いに相違する。
図11(a)および図11(b)に示されるように、戻り管50Eは、接続部M2で、上方管31の外周面に沿って上方管31に接続されている。すなわち、戻り管50Eは、上方管31の外周面に巻き付けられるように取り付けられている。このとき、好ましくは、戻り管50Eのうちで、上方管31の外周面に巻き付けられる部分の内径は、それ以外の部分の内径とほぼ同じであることが望ましい。これにより、戻り管50Eを流れる液相冷媒を、上方管31の全外周面に亘り、より均一に且つ円滑に流すことができる。
また、複数の戻り管出口52は、戻り管50Eおよび上方管31の接続部M2に、戻り管50Eを流れる液相冷媒が、上方管31の外周面側から中心部へ向けて流入するように、設けられている。この複数の戻り管出口52の開口率は、5〜50%であることが好ましい。これにより、戻り管出口52から戻り管31に流入する気相冷媒を少なくすることができる。複数の戻り管出口52の開口率とは、当該複数の戻り管出口52が形成された領域の面積に対する、複数の戻り管出口52の内側の開口面積の割合である。なお、複数の戻り管出口52は、本発明の複数の開口孔に対応する。
以上の通り、本発明の第6の実施の形態における冷却装置1000Fにおいて、戻り管50Eは、接続部M2で、上方管31の外周面に沿って上方管31に接続されている。また、複数の戻り管出口52は、戻り管50Eおよび上方管31の接続部M2に、戻り管50Eを流れる液相冷媒が上方管31の外周面側から中心部へ向けて流入するように、設けられている。
これにより、戻り管50Eを受熱部10へ向けて流れる液相冷媒が、上方管31の外周部に回り込みながら、上方管31の外周全体から複数の戻り管出口52を介して上方管31内へ流入する。戻り管出口52を複数個設けたことで、各戻り管出口52から流出する液相冷媒の流圧を低減することができる。これにより、各戻り管出口52から流出する液相冷媒の流速を低減することができる。この結果、各戻り管出口52から上方管31へ流出する液相冷媒を、上方管31の内周壁面を伝って降下させることができる。よって、戻り管50Eから受熱部10へ戻ろうとする液相冷媒は、気相管30の上方管31内を放熱部へ向かって鉛直方向Gの上方へ上昇する気相冷媒と干渉することなく、受熱部10へ向かって降下することができる。したがって、気相管30の上方管31内を放熱部へ向かって鉛直方向Gの上方へ上昇する気相冷媒の流動が、戻り管50Dから受熱部10へ戻ろうとする液相冷媒によって、阻害されることを防止できる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述各実施の形態に対して、さまざまな変更、増減、組合せを加えてもよい。これらの変更、増減、組合せが加えられた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。