JP6413179B2 - 流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ - Google Patents

流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ Download PDF

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Description

この発明は、気体や液体のような流体の流速、流量を計測するとともに、流体の流れる方向(以下、流向と記す)を検出する流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサに関するものである。
一般に、自然環境や居住空間、工業設備、植物や動物の生育環境等の現場では、流体(気体及び液体)の流量や流速も重要な環境要素であるが、どの方向から流体が流れてくるか等の情報も環境要素を把握する上では重要である。たとえば、居住空間では、タバコの煙等のような有害物質の流向を把握するほうが良く、また、工業設備の分野でも、クリーンルーム等の風向きを考慮するアプリケーションがある。
又、居住空間、工業設備、植物や動物の生育環境等の現場では、気流が生産性に影響を与えることが判っている。ICT(情報通信技術:Information and Communication Technology)化・クラウド化等で中心的な役割を果たすデータセンタ・サーバルーム等では、気流管理が適切に行われないと、サーバの冷却が適切に行われなくなり、処理速度の制約を受ける事になる。このような空間では、屋外環境とは異なり、空間の風速は1m/s.以下である事が多く、又、これらの空間における気流を管理するための設備の設置場所にも限りがあるため、設備としては、小型である必要がある。
又、屋外環境であっても、流体の流向等を検出するセンサの小型化・低コスト化の要求は強くなっており、これらのニーズを満たすセンサデバイスが求められている。
このような流体(気体及び液体)の流向を検出する方法としては、多くの方式が提案され、実用化されている。例えば、図14に示すように、屋外の気象計測で一般的に用いられているのは、風の応力によって風下側に羽根が来るように形成されている、いわゆる風見鶏タイプの風向計がある。屋外気象計測する場合には、このような風向計に風速検出のプロペラを接続した、いわゆる3軸プロペラ式の風向風速計が用いられている。なお、図15に示すように、このプロペラ式の風向風速計を3方位組み合わせて三次元方位の風向を計測することのできる風向風速計も、一部では用いられている。
その他には、図16に示すように、超音波の伝達速度から風向と風速を求める超音波型が実用化されている。これは、複数方向の風速を同時に計測し、その複数の風速からベクトルを求め、風向を求める方法である。風向を算出するには、最低2軸の超音波発振器と受信器が必要である。なお、これを3組用いて3軸で計測した場合には、三次元の風向を計測することができる。
このように、従来型の風見鶏式や3軸プロペラ式風向計の場合、図14〜図15に示すように、装置を設置するためには20cm四方以上の空間を必要とするものが一般的であり、装置の価格も高価(20万円〜100万円程度)なものがほとんどである。そのため、手軽に装置を設置するには、設置面積及びコストの問題がある。その上、1m/sec以下の微風速域を測定することが出来ないという問題もある。
そこで、1m/sec以下の微風速域の風速、風向を良好に検出出来る風向計としては、図16に示す超音波式の風向・風速センサがある。しかしながら、この超音波式の風向風速センサも、分解能を上げるためには使用周波数を高くするか発振器と受信器間の距離を広げる必要がある等の問題がある。そのため、プロペラ式の風向計や超音波式の風向計では、小型化するには限界がある。
一方、発明者は、熱式流速・流量センサの製造方法及びその熱式流速・流量センサについて、先に特許出願(特願2013−200812号参照)した。この発明による熱式の流速・流量センサは、流向に対する流速・流量の検出感度には指向性がある。従って、パイプやダクト等を流れる流体のように、流向が決まっている場合には、このように検出感度に指向性のある熱式流速・流量センサでも十分その効果が得られる。
このような熱式のセンサを用いた風向風速計は、従来でも実用化されており、指向性を持たせたPt自己発熱式風速センサを3つ組合せ、指向性による感度の違いを利用して風向を算出する方法が用いられており、市販もされている。例えば、指向性を持たせたPt自己発熱式風速センサを3つ組合せた方法のものは、細い白金抵抗体を3本用いているため、機械的衝撃や腐食性に対し、耐性が低く、その上、製造・組立の手間も必要であり、コストダウンや製造工程の自動化には限界がある等の問題がある。その他の熱式の風向検出方法の従来例としては、下記特許文献1〜特許文献7がある。
特許文献1に記載のものは、図17に示すように、熱電対を用いて風向検出が可能なもので、電熱線113と銅箔114とを一組とする熱電対111をプリント基板110上に形成するとともに、サーミスタ112をプリント基板110上に配置し、熱電対111及びサーミスタ112を制御回路121と接続する。そして、通電制御回路116で電熱線113への通電を制御すると共に、熱起電力検出回路117で電熱線113と銅箔114との接合点115a、115b間の温度差に応じた熱起電力を極性と共に検出し、これにより微風域での風向と風量を得る。又、強風域は熱電対111により風向を検出し、サーミスタ112で風量を検出する。なお、熱電対はプリント基板110上で多数直列接続するのが好ましいとしたものである。
しかしながら、特許文献1のものは、熱電対を用いて風向検出が可能な事を示しているが、ダクト内の二次元方位の検出を想定しているため、オープンエアでの不特定方位からの方位検出は想定していないという問題点がある。
特許文献2に記載のものは、熱式風速センサにおける方位検出の一方法を示しており、図18(a)、(b)に示すように、少なくとも計測すべき方位に対する断面形状が実質的に円形とされた風向風速計測装置において、略中心に設けられたヒータ201と、このヒータ201の周囲に設けられた第1の熱伝導体202と、この第1の熱伝導体202の周囲に設けられ、第1の熱伝導体202の熱伝導率より小さい熱伝導率を有する表面が球状あるいは円筒状の第2の熱伝導体203と、この第2の熱伝導体203の表面に、計測方位に対して所定の位置関係をもって設けられた複数の熱電対204(温度検出手段)を備えたものである。
しかしながら、特許文献2に記載のものは、円筒形の異なる材質の物体を組合せる必要があるので、全方位に均等に熱を伝えるためには、高い工作精度が要求される。又、2つの物質の熱膨張率が異なると、隙間が生じ、機械的なストレスを部品に与えることになる。その上、曲面状の表面にヒータ素子を形成する必要があるため生産技術の構築を必要とするという問題がある。
特許文献3に記載のものは、図19(a)、(b)に示すように、一部分を支持部材302に結合されるとともに、内部に熱源(電気ヒータ)303を設けられた球体301と、この球体301の表面上の、その球体の中心点と支持部材302への結合部分とを通る中心軸線にその球体301の中心点Pを通って直交する平面と交差する位置に互いに等間隔に配置されてその球体の表面温度を測定する少なくとも4個の側部温度センサ306a〜306dと、この球体301の表面上の、支持部材302への結合部分と反対の側で中心軸線と交差する位置に配置されてその球体301の表面温度を測定する一個の端部温度センサ307とを備える三次元風向計測装置に用いられる風向算定方法において、少なくとも側部温度センサ306a〜306dの全てでそれぞれ測定した表面温度の平均値から端部温度センサ307で測定した表面温度を引いた温度差に基づき風向を算定している。
なお、304は球殻、305は薄膜である。
しかしながら、特許文献3に記載のものは、特許文献2と同様な問題がある。
特許文献4に記載のものは、熱式風速センサにおいて、線材を発熱体および検出体に用いる一方式を示しており、図20に示すように、円盤状の基体402の上面403に、支柱404、405、406の先端部を等長に突出し、この先端部両側に電気加熱される電熱線407、408を非平行に配列して設け、気流の方向と速度に応じて冷却される電熱線407、408と同温になる風向風速測定用高温接点419,420と、気流と同温になる風温補正用低温接点421、422を基体402上に配置した熱電対413、414、416、417を両側の各電熱線407、408についてそれぞれ設けた熱電式風向風速計用検出体401である。なお、409、410は熱電対用第1支柱、411、412は熱電対用第2支柱、415、418は熱電対線である。
しかしながら、特許文献4のものは、線材(電熱線407、408)を用いた風速・風向センサであり、腐食や機械的衝撃に耐久性が低く、さらに製造の手間が多く必要となる問題がある。
特許文献5に記載のものは、パルス駆動により空気体を加熱し、それによって風向検出を可能とする方法を提案している。図21(a)、(b)に示すように、パルス電圧供給部と、空気流路内に配設されパルス電圧によって発熱する発熱体509と、流路内であって発熱体509から所定距離下流に配設された熱電変換素子510と、パルス電圧の印加時刻と熱電変換素子510から信号が発生する時刻との時間差を検出する時間差検出部と、熱電変換素子510から発生する信号および時間差とから空気流の速度および方向を算出する演算部とにより構成された風向風速検出装置である。
しかしながら、特許文献5のものは、短時間で空気体を温めるためだけの熱エネルギーを要する事、多数の発熱体509および温度検出素子を必要とする事、空気の通路を設ける必要が有る事、通路幅を狭くすると境界層を生じるため、小型化には限界があること等、小型化や低コスト化には問題が多い。
特許文献6に記載のものは、図22に示すように、パイプ形状の空気通路を4方位に設け、その内部に熱式風速検出部を設け、これらにより風向を得ようとする方法である。この方法の風向計では、比較的風速の大きい風は勿論のこと、微風速の風の風向きも360°の方位について、実用上十分大きい感度で測定出来るように構成されている。即ち、風向検出器601は、支持柱上に固定された支持台603を中心として、4個の風検出器604A〜604Dが固定されており、各風検出器604A、604C及び604B、604Dは、配置された方位、即ち、+X方向、−X方向及び+Y方向、−Y方向を中心にして予定の測定可能範囲から到来する風を検出するように構成されている。
しかしながら、特許文献6のものは、指向性を持たせるための構造物を必要とするため、部材コスト並びに組立コストを下げることが出来ず、小型化にも限界がある。
特許文献7に記載のものは、薄膜ヒータを形成し、その周囲に測温抵抗体を配置する方法を提案したもので、図23に示すように、矩形のチップ701の中央部に風向に対応して温度分布を形成する薄膜ヒータ702を備え、この薄膜ヒータ702を中心とする円周上に同一の温度係数を有する4個の測温抵抗体703S、703E、703N、703Wが略々90°の角度で等間隔に配設されている風向センサで、この風向センサの駆動装置は、測温抵抗体ブリッジ回路を構成するとともに、この相対向する2個の測温抵抗体をそれぞれ個別の差動増幅器に接続し、各差動電圧信号から8方位の風向検出用のデジタル信号に変換する信号処理回路からの信号により、判別回路により風向を判別している。
しかしながら、特許文献7のものは、薄膜ヒータ702をチップ701上に形成することを想定したものである。従って、化学的方法によって物質上に発熱素子である薄膜ヒータを形成するため、小型に製作出来る反面、薄膜形成のための専用の設備を必要とする。又、取付平面に平行な気流の流れ方位は検出できるものの、垂直方向の風の検出は想定していない等の問題がある。
特開2008−241318号公報 特開2000−19195号公報 特開2001−289869号公報 特開昭58−218653号公報 特開昭60−166868号公報 特開昭61−105466号公報 特開昭63−200069号公報
風見鶏や3軸プロペラ式風向計や超音波式等のような従来型の風向計では、小型化には限界がある。又、風見鶏や3軸プロペラ式風向計では、微風速域の風向を検出できないという問題がある。
特許文献1〜特許文献4に示す方法では、従来の熱式の風向風速計のうち、細い発熱ワイヤを用いて風向を検出するので、機械的衝撃や腐食性に対し、耐性が低いという問題がある。また同時に、製造・組立の手間がかかり、コストダウンや製造自動化には限界があるという問題がある。
特許文献2〜特許文献6に示す方法では、円形の物体の曲面上に測温素子を等角度に複数配置した方が、風向に対する各測温素子の反応は均一性を得やすくなる。しかしながら、一方で、円形もしくは球形の物体を高精度に仕上げ、且つ、表面に測温素子を形成もしくは取り付ける方法では、製造・組立の手間がかかりコスト増の原因になるという問題がある。
特許文献3、特許文献7に示す方法では、基板の平面上に薄膜素子を形成するため、薄膜素子専用の製造設備と薄膜素子の製造に関する一定以上の技術レベルが必要であり、かつ製造安定化を図るためには、専用の製造設備や製造担当者の技術レベルの維持等、相応の維持費が必要となる等の問題がある。
特許文献2〜特許文献6に示す方法では、測温素子の配置や周辺構造物との位置関係や、発熱体からの熱伝導特性等から、流体の流入角度に応じた正確なサインカーブの値を得られるとは限らないという問題がある。さらに、コンパレータやOP-AMPなどのアナログ演算方式によるデータ変換方式では、測定誤差を生じる場合があるという問題もある。
特許文献4〜特許文献5に示す方法では、発熱素子と検出素子との間に距離がある場合、応答性の低下や感度の低下の原因となる。従って、感度を向上させるためには、投入される熱エネルギー量を多くする必要があるため、消費電力が上昇するという問題がある。又、不必要に感熱部の板状部分の表面積を設けると、その分応答性や投入に必要な熱量(=電気エネルギー)が必要になるという問題がある。さらに、三次元方位での計測を目指す場合、板状部分の面積が広いと指向性が生じるという問題もある。
以上述べたように、従来技術には多くの問題点がある。そこで、この発明では、発明者が先に特許出願(特願2013-200812)したもので、低コストで製造出来る熱式流速・流量センサの感熱部の製造方法として、板状物質等の表面に、ヒータ素子や測温素子を形成することにより、あるいは、ヒータ素子や測温素子を溶着、接着等の手段により取り付ける事により、あるいは、シートもしくは板状物質の片側または両面にヒータ素子を備え、その反対側の面もしくは、両面に風向検出用の測温素子を備えることにより実現された風速・風量センサを用いて、小型で、且つ、製造・組立の自動化、専用の製造設備を必要としない等による低コスト化した風向検出機能を有する熱式流速・流量センサの製造方法及びその熱式流速・流量センサを提供することを第1の目的としている。
さらに、この発明では、従来のコンパレータやアナログ回路では演算不可能であった複雑な形状の感度特性パターンからも目的とする計測値(流速、流量、流向)を類推可能とし、従来のものより高精度の風向検出機能を有する熱式流速・流量センサを提供することを第2の目的としている。
さらに、この発明では、少なくとも3個の測温素子の信号を検出して、二次元方位の流向を計測可能な風向検出機能を有する熱式流速・流量センサを提供することを第3の目的としている。
さらに、この発明では、少なくとも4個の測温素子の信号を検出して、三次元方位の流向を計測可能な風向検出機能を有する熱式流速・流量センサを提供することを第4の目的としている。
請求項1に係る発明は、供給電流により熱を発生するヒータ素子と、流速に応じて変化するヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの主要部である板状形状の基板主要部を構成する帯状外周部と、この帯状外周部から互いに中心方向へ一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、この流速検出部用支持部の先端部に支持されて帯状外周部の内側に位置するとともに、基板主要部と一体的に形成してなる板状形状の流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された流速検出部用の回路パターンとからなり、帯状外周部を構成する基板主要部を、流速検出部を保護するガード部とする流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、流速検出部用支持部は、複数対形成し、測温素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面に、少なくとも3個以上実装し、ヒータ素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の他方の面に1個以上実装し、流速検出部を実装する基板部分を介して測温素子とヒータ素子とを熱的に接続し、測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する信号入力処理部と、この信号入力処理部からの信号を演算処理して流体の二次元方位及び又は三次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサとを備え、流向検出機能を有する熱式流速・流量センサである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、測温素子は流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面に、方位別に位置決めして4個実装するようにしたものである。
請求項3に係る発明は、供給電流により熱を発生するヒータ素子と、流速に応じて変化するヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの主要部である板状形状の基板主要部を構成する帯状外周部と、この帯状外周部から互いに中心方向へ一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、この流速検出部用支持部の先端部に支持されて帯状外周部の内側に位置するとともに、基板主要部と一体的に形成してなる板状形状の流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された流速検出部用の回路パターンとからなり、帯状外周部を構成する基板主要部を、流速検出部を保護するガード部とする流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、流速検出部用支持部は、複数対形成し、記測温素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に、それぞれ互いに対をなすように配置するとともに、2個の測温素子を結ぶ軸方向がすべて異なる方向となるように位置決めして少なくとも4個以上実装し、ヒータ素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に1個以上実装し、流速検出部を実装する基板部分を介して測温素子とヒータ素子とを熱的に接続し、測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する信号入力処理部と、この信号入力処理部からの信号を演算処理して流体の三次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサとを備え、流向検出機能を有するものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、マイクロプロセッサは、測温素子からの測定値をそれぞれ取得する機能と、各測温素子の誤差を補正する機能と、測温素子間の温度差を各軸(X軸、Y軸、Z軸)について求める機能と、各測温素子の誤差及び温度特性に基づいて各軸の温度差の値を補正する機能と、各軸の合成ベクトル値を求める機能と、この合成ベクトル値から二次元方位及び又は三次元方位を求める機能を備えたものである。
請求項5に係る発明は、供給電流により熱を発生するヒータ素子と流速に応じて変化するヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの基板の主要部である基板主要部と、この基板主要部から一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された流速検出部用の回路パターンとからなり、流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、測温素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面に、少なくとも3個以上実装し、ヒータ素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の他方の面に1個以上実装し、流速検出部を実装する基板部分を介して測温素子とヒータ素子とを熱的に接続し、測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する入力信号処理部と、この入力信号処理部からの信号を演算処理して流体の二次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサとを備え、流向検出機能を有するものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、測温素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面に、方位別に位置決めして4個実装したものである。
請求項7に係る発明は、供給電流により熱を発生するヒータ素子と流速に応じて変化するヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの基板の主要部である基板主要部と、この基板主要部から一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された流速検出部用の回路パターンとからなり、流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、測温素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に、2個の測温素子を結ぶ軸方向がすべて異なる方向となるように位置決めして少なくとも4個以上の偶数個実装し、ヒータ素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に1個以上実装し、流速検出部を実装する基板部分を介して測温素子とヒータ素子とを熱的に接続し、測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する入力信号処理部と、この入力信号処理部からの信号を演算処理して流体の三次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサとを備え、流向検出機能を有するものである。
請求項8に係る発明は、請求項5〜請求項7の何れかに記載の発明において、マイクロプロセッサは、測温素子からの測定値をそれぞれ取得する機能と、各測温素子の誤差を補正する機能と、測温素子間の温度差を各軸(X軸、Y軸、Z軸)について求める機能と、各測温素子の誤差及び温度特性に基づいて各軸の温度差の値を補正する機能と、各軸の合成ベクトル値を求める機能と、この合成ベクトル値から二次元方位及び又は三次元方位を求める機能をと有するものである。
請求項9に係る発明は、請求項1〜請求項8の何れかに記載の発明において、流速検出部に熱伝導率の高い構成物を形成し、流速検出部を実装する基板部分の各面に実装したヒータ素子を互いに熱的に接続したものである。
請求項1〜請求項2、請求項5〜請求項6に係る発明は、上記のように構成したので、二次元方位の流向を検出することが出来る。さらに、小型で、応答性が良く、個体差の少ない、且つ、低コストの流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサが得られる。その上、構成が簡単な周辺回路で構成可能であり、演算処理部分も含めて小型化、低コスト化が可能である。又、求められる設置場所や応用分野に応じてさまざまな形状のセンサを形成することが出来る。従って、従来は設置場所や応用分野が実験室等に限られていた気体等の流体の流向検出を、一般居住空間にまで広げることが出来る。
請求項3、請求項7に係る発明は、上記のように構成したので、上記請求項1〜請求項2、請求項5〜請求項6と同様な効果がある。さらに、三次元方位の流向をも検出することが出来る。
請求項4、請求項8に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1、請求項3、請求項5、請求項7と同様な効果がある。
請求項9に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1〜請求項3、請求項5〜請求項7と同様な効果がある。さらに、熱伝導率の高い構成物を介して測温素子とヒータ素子を熱的・機械的に接合したので伝熱特性が向上し、流速検出部の検出感度が良くなる。
この発明の第1の実施例を示す要部平面図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、図1に示す流速検出部4部分の要部拡大図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、信号処理装置10の要部ブロック図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、マイクロプロセッサ12の演算処理フロー図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、二次元方位の流向を求める説明図である。 この発明の第2の実施例を示すもので、流速検出部4部分の要部拡大平面図である。 この発明の第3の実施例を示すもので、流速検出部4の要部拡大平面図である。 この発明の第4の実施例を示すもので、(a)は流速検出部44部分の要部拡大表面図、(b)は要部拡大裏面図である。 この発明の第4の実施例を示すもので、方位別に配置した測温素子6(6a〜6d)の位置関係を説明するための図である。 図10は、流向の三次元方位を求めるためのベクトル表示した説明図である。 この発明の第5の実施例を示す要部平面図である。 この発明の第5の実施例を示すもので、流速検出部54の要部拡大図で、(a)は一方の面(表面)に、(b)は他方の面(裏面)における測温素子6とヒータ素子7の配置状態を示す図である。 この発明の第5の実施例を示すもので、流速検出部54の感度特性図である。 従来例を示すもので、風見鶏タイプの風向計の斜視図である。 従来例を示すもので、3軸プロペラ式の風向・風速計の斜視図である。 従来例を示すもので、超音波式の三次元方位の風向計の斜視図である。 従来例を示すもので、空気流量計のシステム構成図である。 従来例を示す風向風速計測装置で、(a)は斜視図、(b)は横断面図である。 従来例を示す三次元風向風速計測装置で、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 従来例を示す熱電式風向風速計用検出体の斜視図である。 従来例を示す風向風速検出装置で、(a)は平面図、(b)は断面図である。 従来例を示す風向検出計の平面図である。 従来例を示す風向センサの概略平面図である。
供給電流により熱を発生するヒータ素子と、流速に応じて変化するヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの主要部である板状形状の基板主要部を構成する帯状外周部と、この帯状外周部から互いに中心方向へ一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、この流速検出部用支持部の先端部に支持されて帯状外周部の内側に位置するとともに、基板主要部と一体的に形成してなる板状形状の流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された流速検出部用の回路パターンとからなり、帯状外周部を構成する基板主要部を、流速検出部を保護するガード部とする流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、流速検出部用支持部は、複数対形成し、記測温素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に、それぞれ互いに対をなすように配置するとともに、2個の測温素子を結ぶ軸方向がすべて異なる方向となるように位置決めして少なくとも4個以上実装し、ヒータ素子は、流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に1個以上実装し、流速検出部を実装する基板部分を介して測温素子とヒータ素子とを熱的に接続し、測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する信号入力処理部と、この信号入力処理部からの信号を演算処理して流体の二次元方位及び又は三次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサとを備え、流体の流速及び流量を計測するとともに、流向検出機能をも備えた熱式流速・流量センサを形成する。
この発明の第1の実施例を、図1〜図5に基づいて詳細に説明する。第1の実施例は、気体や液体の流れる方向、即ち、二次元方位の流向を求めるための実施例である。
図1は、この発明の第1の実施例を示す要部平面図、図2は図1の要部拡大図、図3は測温素子6の信号を検出し、流体の流向を求める信号処理装置10の要部ブロック図である。図4は、図3に示すマイクロプロセッサ12の演算処理フロー図、図5は二次元方位の流向を求めるための説明図である。なお、基板部分1aに形成されている回路パターンは記載していない。又、温度補正用の気温計測部についてはその説明を省略する。
図1〜図2に示すように、板状形状の基板1の基板主要部1bは、円形の帯状外周部を構成する形状に形成されており、この帯状外周部から中心方向へ一体的に延びるとともに、互いに対をなす二対(4本)の流速検出部用支持部2が形成されている。さらに、この中心方向へ一体的に伸びる二対の流速検出部用支持部2の先端部(帯状外周部の中心部分)には、気体や液体等の流れる速度を検出する流速検出部4を形成する基板部分1aが一体的に形成されている。さらに、基板主要部1bには、電源供給用及び信号の入出力用の接点3が形成されている。
従って、この基板部分1aは、基板主要部1bの中心部分において二対の流速検出部用支持部2により支持された構造となっている。このような構造に形成するには、例えば、NCM等により板状形状の基板1を切断することにより形成される。なお、この実施例1の場合には、基板部分1aは、4本(二対)の流速検出部用支持部2により支持された構造となっているが、これに限定されるものではなく、2本でも3本でもあるいはそれ以上であっても良い。
又、この実施例1では、基板主要部1bの形状は、円形の帯状外周部の形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、基板主要部1bを構成する帯状外周部は、矩形状であっても良く、あるいはその他、多角形状であっても良く、いずれも基板主要部1bを構成する帯状外周部の内側部分に、あるいは中心部分に、基板部分1aに実装された流速検出部4が流速検出部用支持部2により支持された構造であればよい。
流速検出部4が実装される基板部分1aの実装箇所には、流速検出部用の回路パターン(図示せず)が形成され、一方の面には、4個の測温素子6(6a、6b、6c、6d)が方位別に配置され半田付け等の手段により実装されている。さらに、基板部分1aの他方の面には、4個の測温素子6(6a〜6d)に対向位置させてヒータ素子7が同様な手段により実装されている。なお、この実施例1の場合、ヒータ素子7は、1個のみ実装しているが、これに限定されるものではなく、複数個であっても良い。
このように、基板部分1aの一方の面に実装されている測温素子6と他方の面に実装されているヒータ素子7とは、基板部分1aの両面(表面及び裏面)で、基板部分1aの実装箇所を介して熱的に直接接続された構造となっている。また、流速検出部4は、帯状外周部の中心部分において、基板主要部1bから一体的に延びた二対の流速検出部用支持部2により支持された構造となっており、流速検出部4の周辺には空間9が形成されている。
なお、この実施例1では、流速検出部4は帯状外周部の中心部分に形成されているが、これに限定されるものではなく、流速検出部4は帯状外周部の内側に形成すれば良い。
このように構成されているので、流速検出部4には、汎用の表面実装用の電子部品であるヒータ素子7と、このヒータ素子7からの熱の温度を計測する測温素子6とを用いて、板状形状の電子基板の製造方法において一般に用いられている自動実装機により各電子部品を基板に実装することが出来るので、組み立て工程の自動化が容易となり、組み立てコストを安く抑えることが出来る。又、ヒータ素子を複数個用いた場合には、測温素子6の温度が低下した際、より迅速に測温素子46の温度を回復させることが出来るので応答性を良くすることが出来る。
図3に示すように、信号処理装置10は、入力信号処理部11と、この入力信号処理部11からの信号を演算処理して流体の二次元方位及び又は三次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサ12とにより構成されている。さらに、入力信号処理部11は、信号を電圧に変換する機能とAD変換機能とを備えている。
従って、各測温素子6(6a〜6d)からの各信号(a’〜d’)が入力信号処理部11に入力すると、各信号は電圧に変換される。次いで、AD変換されたデジタル信号(信号a〜信号d)が、マイクロプロセッサ12に入力すると、演算処理されて二次元方位が求まるように構成されている。
第1の実施例の場合、方位別に配置された4個の測温素子からの信号に基づいて、二次元方位の流向を求めるために、マイクロプロセッサ12は、さらに、各測温素子6(6a〜6d)の誤差を補正する機能と、測温素子6(6a〜6d)間の温度差を各軸(X軸、Y軸)について求める機能と、各測温素子6(6a〜6d)の誤差及び温度特性に基づいて、各軸の温度差の値を補正する機能と、各軸の合成ベクトル値を求める機能と、この合成ベクトル値から二次元方位を求める機能を有している。
なお、後述する三次元方位の流向を求めるために、マイクロプロセッサ12は、さらに、測温素子6(6a〜6d)間の温度差を各軸(X軸、Y軸、Z軸)について求める機能と、各測温素子6(6a〜6d)の誤差及び温度特性に基づいて、各軸(X軸、Y軸、Z軸)の温度差の値を補正する機能と、各軸(X軸、Y軸、Z軸)の合成ベクトルを求める機能と、この合成ベクトル値から三次元方位を求める機能を有している。
次に、流速検出部4の作用動作について説明する。基板部分1aに実装されている内部電源配線(図示せず)を介して供給される供給電流により、基板部分1aに実装されているヒータ素子7は加熱されている。ヒータ素子7の熱は、基板部分1aを介して方位別に配置されている4個の測温素子6(6a〜6d)へと熱的に伝わるとともに、ヒータ素子7や各測温素子6(6a〜6d)が接する気体(又は液体)も介して熱的に伝わる。この熱の温度は、4個の測温素子6(6a〜6d)によりそれぞれ検出される。この検出された4個の測温素子6(6a〜6d)からの各信号a’〜信号d’は、図3に示す信号処理装置10に入力されている。
信号処理装置10の入力信号処理部11において、4個の測温素子6(6a〜6d)からの信号a‘〜信号d’は、電流電圧変換器(図示せず)により電圧信号に変換され、次いで、AD変換器(図示せず)により、デジタル信号a〜信号dにそれぞれ変換された後、マイクロプロセッサ12に入力される。このように、この発明による流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサが、流体中(例えば、空気中)に配置されると、その流体の流速や流向に応じて各測温素子6(6a〜6d)で検出される温度に変化が生じるとともに、各測温素子6(6a〜6d)の位置関係による温度変化の違いが生じる。
流体中に置かれた発熱体であるヒータ素子7の上流側と下流側では、上流側が下流側より温度が低下し、又、上流側と下流側との間の温度差は、流体の流速に応じて大きくなる。従って、この原理を利用して流体の流向を求めることが出来る。なお、流体の流速・流量を求める場合には、温度補正用の気温計測用の測温素子(図示せず)を設ければ良い。
次いで、図4に示すように、デジタル信号にそれぞれ変換された各測温素子6(6a〜6d)の信号a〜信号dは、マイクロプロセッサ12に入力され(ステップ12a)、温度補正用の測温素子(図示せず)の補正データに基づいて、各測温素子6(6a〜6d)の信号が補正される(ステップ12b)。
次いで、図5に示すように、各軸(a−c軸、b−d軸)の測温素子6間の温度差、即ち、2対の測温素子間の温度差(測温素子6aと6cの温度差、測温素子6bと6dの温度差)を求める(ステップ12c)。この際、各測温素子6(6a〜6d)の誤差及び温度特性に基づき、各軸の温度差の値を補正する(ステップ12d)。次いで、この2軸(a−c軸とd−b軸)をベクトル合成してその角度θを求めれば、二次元方位の流向を求めることが出来る(ステップ12e)。
なお、この実施例1の場合には、流体の流向を検出するために、4個の測温素子6が方位別に配置されているが、これに限定されるものではなく、二次元方位(X軸、Y軸)の流向を得るためには、少なくとも3個以上の測温素子があれば検出可能である。さらに、3個の測温素子は、必ずしも等分の角度で配置する必要はない。多点間の、少なくとも角度の異なる2方位にある測温素子間の温度差を求めることが出来るように配置すればよい。2点間の温度差を求め、この値をベクトル演算やパターンマッチング等の方法で数値演算処理すれば、二次元方位の流向を求めることが出来る。
この発明の第2の実施例を、図6に基づいて説明する。図6は、この発明の第2の実施例を示す要部拡大平面図で、流速検出部4のみを示している。なお、実施例1と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。なお、基板に形成されている回路パターンは記載していない。
実施例2は、実施例1と同様に、二次元方位の流向を求める実施例で、実施例1の変形例を示している。図6に示すように、流速検出部4を実装する基板部分1aは、板状形状であり、この基板部分1aの一方の面には、方位別に4個の測温素子6(6a〜6d)がそれぞれ半田付け等の手段により実装されており、一方の面に対向する他方の面には、2個のヒータ素子7がそれぞれ同様な手段で実装されている。従って、一方の面に実装されている4個の測温素子6(6a〜6d)及び他方の面に実装されている2個のヒータ素子7とは、基板部分1aの両面(表面及び裏面)で、基板部分1aを介して熱的に直接接続された構造となっている。
例えば、発明者の試作した結果によれば、1005サイズ(1mm×0.5mm)の測温素子6を用いた場合、ヒータ素子7は1608サイズ(1.6mm×0.8mm)が好適であった。その他は実施例1と同様である。なお、基板部分1aに形成されている回路パターンは記載していない。又、温度補正用の気温計測部についてはその説明を省略する。
この発明の第3の実施例を、図7に基づいて説明する。図7は、この発明の第3の実施例を示す要部拡大平面図で、流速検出部4を示している。なお、実施例1〜実施例2と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。なお、基板に形成されている回路パターンは記載していない。又、温度補正用の気温計測部についてはその説明を省略する。
実施例3は、実施例1及び実施例2と同様に、二次元方位の流向を求めるもので、実施例1のさらに他の変形例を示している。図7に示すように、流速検出部4を実装する基板部分1aは、板状形状であり、この基板部分1aの一方の面には、方位別に4個の測温素子6a〜6dがそれぞれ半田付け等の手段により実装されており、この一方の面に対向する他方の面には、4個のヒータ素子7・・・がそれぞれ同様な手段により実装されている。従って、一方の面に実装されている4個の測温素子6(6a〜6d)及び他方の面に実装されている4個のヒータ素子7・・・とは、基板部分1aの両面(表面及び裏面)で、基板部分1aを介して熱的に直接接続された構造となっている。
この実施例3の場合、ヒータ素子7は、測温素子6と同じサイズが用いられている。20はスルーホールで、流速検出部4が実装されている基板部分1aの中心部に開設されている。このスルーホール20を形成することにより、基板部分1aの表面及び裏面に配置されているヒータ素子7や測温素子6との間の熱伝導を良くして検出感度を上げることが出来る。なお、実施例3では、ヒータ素子7と測温素子6との間の熱伝導を良くするためにスルーホール20を開設しているが、これに限定されるものではなく、熱伝導率の高い構成物を流速検出部が実装されている基板部分に形成すればよい。
なお、実施例1〜実施例3のいずれにおいても、ヒータ素子は1個でも2個でも良く、これら実施例に限定されるものではない。
又、実施例1〜実施例3の場合、流速検出部4を実装する基板部分1aの中心と二対の流速検出部用支持部2の中心線とは、たがいに直交した形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、卍型のオフセット構造となるように形成してもよい。
この発明の第4の実施例を、図8〜図10に基づいて詳細に説明する。図8は、この発明の第4の実施例を示すもので、(a)図は流速検出部44部分のみを拡大した要部拡大表面図、(b)図は、図8(a)の裏面図である。図9は、方位別に配置した測温素子6の位置関係を説明するための図である。図10は、三次元方位の流向を求めるための説明図である。なお、実施例1〜実施例3と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。また、気温計測用の気温計測素子は省略している。なお、基板1に形成されている回路パターンは記載していない。
実施例4は、三次元方位の流向を求めるための実施例である。図8(a)、(b)及び図9に示すように、流速検出部44を実装する基板1の基板部分1aは、板状形状であり、この基板部分1aの一方の面には、互いに対をなす2個の測温素子6a、6cが、図9に示すX軸、Y軸方向(水平方向)において対向配置され、さらに、2個のヒータ素子7、7が、対をなす測温素子6a、6cとX軸、Y軸方向(水平方向)において直交する方向に対向配置され、それぞれ半田付け等の手段により実装されている。
さらに、基板部分1aの一方の面に対向する他方の面には、互いに対をなす2個の測温素子6b、6dが、基板部分1aを介して、図9に示すZ軸方向(垂直方向)において測温素子6a、6cにそれぞれ対向配置されている。従って、4個の測温素子6(6a〜6d)は、基板部分1aの一方の面と他方の面に、それぞれ互いに対をなすように配置するとともに、2個の測温素子を結ぶ軸方向が、すべて異なる方向となるように位置決めして少なくとも4個以上実装されている。又、2個のヒータ素子7、7は、対をなす測温素子6b、6dとX軸、Y軸方向(水平方向)において直交する方向に対向配置され、それぞれ半田付け等の手段により実装されている。
このように4個の測温素子6(6a〜6d)が配置されているので、対をなす測温素子6a、6cと対をなす測温素子6b、6dとは、基板部分1aを介して互いにZ軸方向(垂直方向)においても対向配置された構造となっている。従って、基板部分1aの基板材の厚み方向、即ち、Z軸方向(垂直方向)に流れる流体に対して、上流側と下流側との差を明瞭に判別することが出来る。
ここで、三次元方位の流向を求めるためには、少なくとも4個の測温素子があれば検出可能となる。そこで、4個の測温素子6(6a〜6d)の位置関係は、図9に示すように、2点間の測温素子6を直線でそれぞれ接続すると、軸が6本生じるが、これらの直線の角度が同一となる組み合わせが生じないように、4個の各測温素子6(6a〜6d)を配置する。そして、多点間の、少なくとも角度の異なる3方位の差を求め、その値をマイクロプロセッサ12に入力し、数値演算処理すれば、三次元方位を得ることが出来る。
そこで、4個の測温素子6(6a〜6d)の信号(温度データ)から三次元方位の流向を求める方法について具体的に説明する。
まず、互いに対をなす測温素子6aと測温素子6cから、流体のX軸方向の流れとその強さを表すベクトルXを求める。同様に、互いに対をなす測温素子6bと測温素子6dから、Y軸方向の流れとその強さを表すベクトルYを求める。次いで、Z軸方向の流れは、上記対をなす測温素子6a、6c及び測温素子6b、6dの組み合わせ以外の2個の測温素子を対として求め、ベクトル演算でZ軸方向の流れ及びその強さを表すベクトルZを求める。このようにして求めた3軸(X軸、Y軸、Z軸)のベクトルX、ベクトルY、ベクトルZから流向の三次元方位を求めることが出来る。
なお、その他の方法としては、下記式(1)により、Z軸方向の流れとその強さを求めることが出来る。
このようにして求めた3軸(X軸、Y軸、Z軸)のベクトルX、ベクトルY、ベクトルZの値から3軸(X軸、Y軸、Z軸)間の感度誤差を補正した後、図10に示すように、ベクトル表示し、ベクトル演算処理すれば、三次元方位h及び俯角δ、流れの強さSを求めることが出来る。
この発明の第5の実施例を、図11〜図13に基づいて詳細に説明する。図11は、この発明の第5の実施例を示す要部平面図である。図12は、流速検出部54の要部拡大図で、(a)図は一方の面に、(b)図は他方の面における測温素子6とヒータ素子7の配置状態を示す図である。図13は、流速検出部54の感度特性図である。なお、基板に形成されている回路パターンは記載していない。また、気温計測用の気温計測素子は省略している。
実施例5では、実施例4と同様に、三次元方位の流向を求めるもので、図11、図12に示すように、板状形状の基板の基板主要部51bには、この基板主要部51bの一端から一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部52が形成されており、さらに、この流速検出部用支持部52の先端部には、この流速検出部用支持部52に支持された流速検出部54を実装する基板部分51aが形成されている。なお、気温計測部については、その説明を省略する。
なお、板状形状の基板としては、この実施例に限らず上記すべての実施例において、プリント基板として一般に広く販売されているガラスエポキシ製のFR−4を用いているが、ポリアミド製の基板でも良く、セラミック製の基板、シリコン基板等のように、熱伝導率の低い部材で形成された基板材でもよい。
流速検出部54を実装する基板部分51aの両面(表面及び裏面)の実装箇所には、いずれも汎用の表面実装部品である4個の測温素子6、即ち、2個ずつ互いに対をなすように配置された2組(2対)の測温素子6a、6c及び測温素子6b、6dが、それぞれ対向配置され、半田付け等の手段により実装されている。従って、4個の測温素子6(6a〜6d)は、基板部分51aの一方の面と他方の面に、それぞれ互いに対をなすように配置するとともに、2個の測温素子を結ぶ軸方向が、すべて異なる方向となるように位置決めして少なくとも4個以上実装されている。又、2対の2個のヒータ素子7、7は、基板部分51aの両面において、それぞれ各測温素子6(6a〜6d)に隣接して配置され実装されていることで熱的に直接接続された構造となっている。
このように4個の測温素子6(6a〜6d)が配置されているので、対をなす測温素子6a、6cと対をなす測温素子6b、6dとは、X軸、Y軸方向(水平方向)に対向配置されるとともに、基板部分1aを介して互いにZ軸方向(垂直方向)においても対向配置された構造となっている。
また、流速検出部54は、流速検出部用支持部52を介して基板主要部51bに一体的に形成され、支持された構造となっている。さらに、流速検出部54の周囲には、それぞれ空間9が設けられた構造となっている。
基板主要部51bのいずれか一方の面には、各測温素子6(6a〜6d)からのデータを演算処理するマイクロプロセッサ12(図3、図4参照)が実装されている。さらに、基板主要部51bには、上記各実施例と同様に、この発明による流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサを他の装置に取り付けるための取付孔58と、電源供給用及び信号取り出し用のための入出力用の接点53が形成されている。
このように構成されているので、基板部分51aの内部電源配線(図示せず)からの供給電流により、基板部分51aの表面及び裏面に実装されているヒータ素子7、7は加熱されている。この熱は、基板部分51aの実装箇所の基板を介して4個の測温素子6へと熱的に直接伝導するとともに、ヒータ素子7や各測温素子6(6a〜6d)が接する気体(又は流体)を介して熱的に伝導する。この伝導する熱の温度は、4個の測温素子6によりそれぞれ方位別に計測され、この信号(計測値)は、信号処理装置10に入力すると、上記実施例1〜実施例4で述べたと同様に、マイクロプロセッサ12により演算処理され、流向の二次元方位及び又は三次元方位が求められる。
このように、ヒータ素子7と測温素子6とは、実装箇所の基板部分51aを介して熱的に直接接続された構造となっているので、応答性の良い流速検出部54が得られるとともに、個体差の少ない流速検出部54が得られる。
さらに、流速検出部54を実装する基板部分51a、流速検出部用支持部52、基板主要部51bとは、いずれも一体的に形成された構造である。従って、基板1及び流速検出部用支持部52の基板材は、熱伝導率が低い部材(FR−4基板:熱伝導率は0.45W/m/K)が用いられている。その上、流速検出部用支持部52を細長く形成することにより、流速検出部54から基板主要部51bへの熱伝導を抑えることが出来るとともに、さらに、取付孔58を介して固定されている他の装置等への熱伝導をも抑えることが出来る。
また、2つのヒータ素子7は、基板部分51aを介在させて両面(表面と裏面)に対向配置されているので、測温素子6の温度が低下した場合でも、より迅速に測温素子6の温度を回復させることが出来るので、応答性が良くなる。
次いで、発明者は、この実施例5による方位別に配置された4個の測温素子6(6a〜6d)からの信号を用いて、Z軸を中心として周囲の感度特性を測定した。その結果を図13に示す。この図から明らかなように、感度特性は円形とならない。しかしながら、このような感度特性から方位を推測する場合、ニュートラルネットワーク、遺伝子アルゴリズム、変換テーブル等を用いて、X軸、Y軸、Z軸の各3軸方向について流体の流れ方向(流向)と流れの強さを推定し、その結果から流向の三次元方位を確定することが出来る。
なお、実施例5では、互いに対をなすように対向配置された4個の測温素子6(6a〜6d)を用いて流向の三次元方位を求めているが、これに限定されるものではなく、測温素子6を3個にした場合には、流向の二次元方位を求めることが出来る。また、4個の測温素子6(6a〜6d)を、基板部分51aの両面を合わせた場合に方位別になるように配置すれば、二次元方位を求める際にマイクロプロセッサ12の演算処理が簡単になるとともに、演算処理に係るマイクロプロセッサ12の負担を軽減することが出来る。
なお、実施例1〜実施例5では、ヒータ素子及び測温素子は、汎用の表面実装部品を用いているが、これに限定されるものではない。ヒータ素子及び測温素子は、汎用の表面実装部品を用いなくても同様の効果を得ることが可能である。
建物内の各部屋に載置して快適センサの一部として使用することが可能である。人間の生活環境の快適性評価指数として、PMV(予測平均温冷感)やET(有効温度)、OT(作用温度)等があるが、いずれも風速の値を用いて算出される。温度センサや湿度センサは一般家庭にも普及しつつあるが、夏季の快適性維持手法として扇風機等が用いられており、風が快適性維持・向上に効果がある事は知られている。
しかし、エアコンデイショナや扇風機等の機器に、空気の流れる方向を検出するためのセンサ(風向センサ)が用いられることは無かった。本発明では、コスト面・耐久面・製作容易性等の効果のある流向計が得られるため、従来は導入されなかった住環境への導入の可能性が見込まれる。
同様に、建物内の換気機能の検査や、労働環境基準の検査・監視、健康増進法に基づく分煙状況の検査・監視など、人間の居住環境および周囲環境のモニタリングへの応用が期待できる。
一方、病院等の医療機関においては、患者の周囲環境が患者の治療回復に影響を与えることが知られており、旧来より温度・湿度の管理は積極的に行われてきた。また、手術中や手術直後の患者や、生体調整機能に変調をきたしている患者は、体温調整機能が低下しているために、他の状態の患者よりも環境管理に特に注意を払う必要がある。さらに、手術患者の術後の経過は、手術中および手術後の患者に与える環境ストレスを最小化する事が特に求められている。しかし、快適性の評価要素の一つである気流速度は、これまで積極的に用いられる事は無かった。病床数が減少している日本の医療環境において、患者の短期間の回復による早期退院が進めば、医療機関への負担および入院待ちを余儀なくされている他の患者にとってメリットがある。よって、医療現場への導入が期待できる。
産業分野においては、清浄空気環境の風速・風量・風向の検査等に応用することが出来る。クリーンルームや、箱状構造物内部のみを清浄空気環境にすることの可能なチャンバー等は、汚染空気の混合・混入に注意を払わねばならないが、従来は風速・風量・風向をモニタリングできなかった。また、農業分野の特に園芸分野では、0.3〜0.7m/s.の微風を植物体もしくは植物群落に与えることが、光合成促進や病害予防に効果があることが判っている。よって、清浄空気環境のモニタリングや植物生産管理への利用が見込まれる。
1 基板
1a、51a 流速検出部用の基板部分
1b、51b 基板主要部
2、52 流速検出部用支持部
3、53 入出力用接点
4、44、54 流速検出部
6(6a〜6d) 測温素子
7 ヒータ素子
9、59 空間
10 信号処理装置
11 入力信号処理部
12 マイクロプロセッサ
20 スルーホール(構成物)

Claims (9)

  1. 供給電流により熱を発生するヒータ素子と、流速に応じて変化する前記ヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの主要部である板状形状の基板主要部を構成する帯状外周部と、この帯状外周部から互いに中心方向へ一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、この流速検出部用支持部の先端部に支持されて前記帯状外周部の内側に位置するとともに、前記基板主要部と一体的に形成してなる板状形状の前記流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された前記流速検出部用の回路パターンとからなり、前記帯状外周部を構成する前記基板主要部を、前記流速検出部を保護するガード部とする流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、
    前記流速検出部用支持部は、複数対形成し、
    前記測温素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面に、少なくとも3個以上実装し、
    前記ヒータ素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の他方の面に1個以上実装し、
    前記流速検出部を実装する基板部分を介して前記測温素子と前記ヒータ素子とを熱的に接続し、
    前記測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する信号入力処理部と、この信号入力処理部からの信号を演算処理して流体の二次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサと
    を備えたことを特徴とする流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
  2. 前記測温素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面に、方位別に位置決めして4個実装すること、
    を特徴とする請求項1に記載の流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
  3. 供給電流により熱を発生するヒータ素子と、流速に応じて変化する前記ヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの主要部である板状形状の基板主要部を構成する帯状外周部と、この帯状外周部から互いに中心方向へ一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、この流速検出部用支持部の先端部に支持されて前記帯状外周部の内側に位置するとともに、前記基板主要部と一体的に形成してなる板状形状の前記流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された前記流速検出部用の回路パターンとからなり、前記帯状外周部を構成する前記基板主要部を、前記流速検出部を保護するガード部とする流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、
    前記流速検出部用支持部は、複数対形成し、
    前記測温素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に、それぞれ互いに対をなすように配置するとともに、2個の測温素子を結ぶ軸方向がすべて異なる方向となるように位置決めして少なくとも4個以上実装し、
    前記ヒータ素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に1個以上実装し、
    前記流速検出部を実装する基板部分を介して前記測温素子と前記ヒータ素子とを熱的に接続し、
    前記測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する信号入力処理部と、この信号入力処理部からの信号を演算処理して流体の三次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサと
    を備えたことを特徴とする流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
  4. 前記マイクロプロセッサは、前記測温素子からの測定値をそれぞれ取得する機能と、前記各測温素子の誤差を補正する機能と、前記測温素子間の温度差を各軸(X軸、Y軸、Z軸)について求める機能と、各測温素子の誤差及び温度特性に基づいて各軸の温度差の値を補正する機能と、各軸の合成ベクトル値を求める機能と、この合成ベクトル値から、二次元方位及び又は三次元方位を求める機能を有すること
    を特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
  5. 供給電流により熱を発生するヒータ素子と流速に応じて変化する前記ヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの基板の主要部である基板主要部と、この基板主要部から一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、前記流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された前記流速検出部用の回路パターンとからなり、流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、
    前記測温素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面に、少なくとも3個以上実装し、
    前記ヒータ素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の他方の面に1個以上実装し、
    前記流速検出部を実装する基板部分を介して前記測温素子と前記ヒータ素子とを熱的に接続し、
    前記測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する入力信号処理部と、この入力信号処理部からの信号を演算処理して流体の二次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサと
    を備えたことを特徴とする流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
  6. 前記測温素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面に、方位別に位置決めして4個実装すること、
    を特徴とする請求項5に記載の流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
  7. 供給電流により熱を発生するヒータ素子と流速に応じて変化する前記ヒータ素子からの熱の温度を検出する測温素子とを有する流速検出部と、熱式流速・流量センサの基板の主要部である基板主要部と、この基板主要部から一体的に延びた細長形状の流速検出部用支持部と、前記流速検出部を実装する基板部分と、この基板部分に形成された前記流速検出部用の回路パターンとからなり、流体の流速及び流量を計測する熱式流速・流量センサにおいて、
    前記測温素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に、2個の測温素子を結ぶ軸方向がすべて異なる方向となるように位置決めして少なくとも4個以上の偶数個実装し、
    前記ヒータ素子は、前記流速検出部を実装する板状形状の基板部分の一方の面と他方の面に1個以上実装し、
    前記流速検出部を実装する基板部分を介して前記測温素子と前記ヒータ素子とを熱的に接続し、
    前記測温素子からの信号を、電圧に変換する機能とAD変換機能とを有する入力信号処理部と、この入力信号処理部からの信号を演算処理して流体の三次元方位を求める機能を有するマイクロプロセッサと
    を備えたことを特徴とする流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
  8. 前記マイクロプロセッサは、前記測温素子からの測定値をそれぞれ取得する機能と、前記各測温素子の誤差を補正する機能と、前記測温素子間の温度差を各軸(X軸、Y軸、Z軸)について求める機能と、各測温素子の誤差及び温度特性に基づいて各軸の温度差の値を補正する機能と、各軸の合成ベクトル値を求める機能と、この合成ベクトル値から二次元方位及び又は三次元方位を求める機能を有すること
    を特徴とする請求項5〜請求項7の何れかに記載の流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
  9. 前記流速検出部に熱伝導率の高い構成物を形成し、前記流速検出部を実装する基板部分の各面に実装した前記ヒータ素子を互いに熱的に接続すること
    を特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載の流向検出機能を備えた熱式流速・流量センサ。
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