JP6413036B2 - 眼科情報システム - Google Patents

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Description

この発明は、眼科情報を処理するためのシステムに関する。
病態の長期管理が必要な患者に対する診療方法として在宅医療がある。在宅医療とは、医療機関以外の場所(たとえば自宅、老人福祉施設等。まとめて「自宅等」と称することがある。)において患者に施される医療を示す。在宅医療においては、自宅等に医療装置が設置され、この医療装置の遠隔管理が行なわれる(たとえば特許文献1−3を参照)。
近年の高齢化社会の進行に伴い、在宅医療の増加が予想される。一方、高齢化や生活習慣の変化などの要因から、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症、緑内障などの眼科疾患が増加することが予想される。これら眼科疾患は、失明の危険性を孕むとともに、長期にわたる管理が必要である。
しかしながら、このような眼科疾患の管理を従来の在宅医療技術でまかなうことは困難である。すなわち、これら眼科疾患の管理には病態を把握することが必要であり、病態を的確に把握するには、視標を用いた主観的な検査(自覚式検査)だけでなく、眼の形態や特性を把握するための検査も必要である。
眼の形態を把握するための検査には、たとえば次のような装置が用いられる。
・光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography、OCT)を用いて眼底や角膜の断面像を得るための光干渉断層計(OCT装置)
・眼底を写真撮影するための眼底カメラ
・共焦点光学系を用いたレーザ走査により眼底の画像を得るための走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope、SLO)
また、眼の特性を把握するための検査には、たとえば次のような装置が用いられる。
・眼球の屈折特性を測定する眼屈折検査装置(レフラクトメータ、ケラトメータ)
・眼圧を測定するための眼圧計
・角膜の特性(角膜厚、細胞分布等)を得るためのスペキュラーマイクロスコープ
・ハルトマン−シャックセンサを用いて眼球の収差情報を得るウェーブフロントアナライザ
このように眼科分野では様々な検査装置が用いられるが、OCT装置への注目が近年高まっている。これは、高精細の画像を取得できる点、断面像や3次元画像を取得できる点など、OCT装置の顕著な優位性によるものである。以下に示すように、OCTには様々な方式がある。
特許文献4には、フーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT)或いは周波数ドメインOCT(Frequency Domain OCT)と呼ばれる手法を用いた装置が開示されている。この装置は、低コヒーレンス光のビームで被測定物体をスキャンし、被測定物体からの反射光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル強度分布を分光器で取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換を施すことによりスキャン断面を画像化するように構成されている。このように分光器を用いる手法は、スペクトラルドメイン(Spectral Domain)とも呼ばれる。
特許文献5には、フーリエドメインOCTの一種であるスウェプトソース(Swept Source)OCTと呼ばれる手法を用いた装置が開示されている。この装置は、被測定物体に照射される光の波長を走査(波長掃引)し、各波長の光の反射光を参照光と重ね合わせて得られる干渉光を順次に検出することによりスペクトル強度分布を取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換を施すことにより画像を形成するように構成されている。
特許文献6には、フルフィールド(full−field)OCT、或いはインファス(en−face)OCTなどと呼ばれる手法を用いた装置が開示されている。この装置は、所定のビーム径を有する光を被測定物体に照射し、その反射光を参照光と重ね合わせて得られる干渉光の成分を解析することにより、光の進行方向に直交する断面を画像化するように構成されている。
特許文献7には、OCTを眼科分野に適用した構成が開示されている。また、特許文献8には、OCT装置と自覚式視力検査装置とを組み合わせることにより、黄斑症や緑内障の診断材料を提供する眼科検査装置が知られている。
特開2009−20794号公報 特開2005−285033号公報 特開2004−199631号公報 特開平11−325849号公報 特開2007−24677号公報 特開2006−153838号公報 特開2013−248376号公報 特表2011−515194号公報
前述したようにOCT装置等の眼科装置は病態の把握に有用であり、各患者の自宅等に眼科装置を設置して日常的にかつ手軽に検査を行えることが望ましい。しかし、そのためには、たとえば患者への費用負担や眼科装置の操作への習熟など、様々な問題を解決する必要がある。
この発明の目的は、病態の長期管理を行うための新たな技術を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、サーバと、通信回線を介して前記サーバと通信可能な複数の眼科検査装置とを含み、前記サーバは、前記複数の眼科検査装置を制御するための設定情報を患者識別情報ごとにあらかじめ記憶した記憶部を含み、前記複数の眼科検査装置のそれぞれは、医療機関と異なる施設に設置されており、通信回線を介して通信を行うための通信部と、患者識別情報を受け付ける受付部と、眼を光学的に検査することにより検査データを生成する検査部と、前記受付部により受け付けられた患者識別情報と当該眼科検査装置の装置識別情報とを前記サーバに送信するよう前記通信部を制御し、かつ、前記サーバが前記患者識別情報に基づき前記記憶部から検索して前記装置識別情報に基づき当該眼科検査装置に送信した前記設定情報に基づいて前記検査部を制御することにより被検眼の検査を実行させる制御部とを含むことを特徴とする眼科情報システムである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の眼科情報システムであって、通信回線を介して前記サーバと通信可能な、複数の医療機関に設置された医療機関端末を更に含み、
前記医療機関端末は、前記サーバの前記記憶部に記憶された前記設定情報を編集するためのユーザインターフェイスを含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の眼科情報システムであって、前記複数の眼科検査装置のいずれかは、光コヒーレンストモグラフィを実行可能であり、前記設定情報は、固視位置、スキャンパターン、合焦位置、視度補正値、及び解析処理のうちの少なくとも1つに関する設定内容を含むことを特徴とする。
この発明によれば、病態の長期管理を行うための新たな技術を提供することが可能である。
実施形態に係るシステムの構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係るクラウドサーバの構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係るクラウドサーバの構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る眼科検査装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る眼科検査装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るクラウドサーバの構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るクラウドサーバの構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るクラウドサーバの構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。
この発明の実施形態の例を説明する。なお、この明細書に記載された文献の内容を、以下の実施形態の内容として適宜援用することが可能である。
実施形態に係る眼科情報システムは、クラウドサーバを中心に構成される。クラウドサーバは、通信回線を介して接続可能な各種のコンピュータに対してサービスを提供する。
[システム構成]
図1に示す眼科情報システム1は、1以上のクラウドサーバ100と、複数の眼科検査装置200−a(a=1,2,3,・・・・)と、複数の患者端末300−b(b=1,2,3,・・・・)と、複数の指定人端末400−c(c=1,2,3,・・・・)と、複数の診断医端末500−d(d=1,2,3,・・・・)と、複数の医療機関内サーバ600−e(e=1,2,3,・・・・)と、複数の医療従事者端末650−f(f=1,2,3,・・・・)と、複数の金融機関サーバ700−g(g=1,2,3,・・・・)と、複数の保険機関サーバ800−h(h=1,2,3,・・・・)と、1以上の検査データ処理装置900とを含む。
一般に、実施形態に係るシステムはこれら情報処理装置の全てを含んでいる必要はなく、あらかじめ決められた機能を実現するための情報処理装置が設けられていれば十分である。また、機能の拡張などに応じて新たな情報処理装置をシステムに追加することが可能である。
これら情報処理装置は、通信回線Nを介して接続されている。通信回線Nは、インターネット、仮想プライベートネットワーク、専用通信回線などのワイドエリアネットワーク(WAN)を含む。また、通信回線Nは、有線通信網および/または無線通信網を含む。なお、医療機関内サーバ600−eと、この医療機関内サーバ600−eにアクセス可能な医療従事者端末650−fとの間の通信回線は、ローカルエリアネットワーク(LAN)を含んでいてよい。
〔クラウドサーバ100〕
クラウドサーバ100について説明する。クラウドサーバ100は、いわゆるクラウドコンピューティングに利用されるサーバであり、コンピュータによるデータ処理やデータ格納などのサービスを、通信回線Nを介して複数のコンピュータに提供する。本例において、クラウドサーバ100によるサービスの提供先には、眼科検査装置200−a、患者端末300−b、指定人端末400−c、診断医端末500−d、医療機関内サーバ600−e、金融機関サーバ700−g、保険機関サーバ800−h、および、検査データ処理装置900が含まれる。
クラウドサーバ100は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。ROMやハードディスクドライブには、各種の制御および演算を行うためのコンピュータプログラムやデータが格納されている。マイクロプロセッサ等のハードウェアと、コンピュータプログラム等のソフトウェアとが協働することによって、各種の処理が実行される。
クラウドサーバ100の内部構成の例を図2Aおよび図2Bに示す。本例のクラウドサーバ100は、演算制御部110と、記憶部120と、通信部130と、ユーザ情報管理部140と、検査データ処理部150と、レポート処理部160と、料金処理部170と、保険処理部180とを含む。
(演算制御部110)
演算制御部110は、クラウドサーバ100の各部の制御と、各種の演算処理とを行う。演算制御部110が実行する処理の具体例は後述される。
(記憶部120)
記憶部120は各種のデータを記憶する。記憶部120には、クラウドサーバ100により提供されるサービスに関する情報が記憶される。本サービスの提供先、つまり本サービスのユーザには、患者、患者の関係者(家族等)、眼科検査装置が設置されている機関(検査装置設置機関)、医療機関、金融機関、保険機関などが含まれる。なお、検査装置設置機関の例として薬局や眼鏡店やオプトメトリストや老人福祉施設がある。これらユーザに関する情報を記憶するために、記憶部120には、患者情報記憶領域121と、医療機関情報記憶領域122と、検査装置情報記憶領域123と、金融機関情報記憶領域124と、保険機関情報記憶領域125とが設けられている。
患者情報記憶領域121は、患者ユーザごとに設けられる。患者情報記憶領域121には、患者ユーザに関する情報が記憶される。患者ユーザに関する情報としては、本システムにおけるユーザID(識別子)、認証情報(パスワード、生体認証情報等)、氏名、性別、生年月日、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、課金に関する情報、関連する医療機関の識別情報、その医療機関における当該患者ユーザの識別情報(患者ID)、診療情報(眼科検査装置200−aにより取得された情報、その解析結果、医師により作成された診断レポート、電子カルテ情報の一部、検査履歴など)、関連する金融機関の識別情報、その金融機関における当該患者ユーザの識別情報、関連する保険機関の識別情報、その保険機関における当該患者ユーザの識別情報(被保険者ID等)などがある。
また、患者情報記憶領域121には、患者ユーザの関係者(関係者ユーザ)に関する情報が記憶される。関係者ユーザに関する情報としては、本システムにおけるユーザID、認証情報(パスワード等)、氏名、患者との関係(続柄等)、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、課金に関する情報などがある。
医療機関情報記憶領域122は、医療機関ユーザごとに設けられる。医療機関情報記憶領域122には、医療機関ユーザに関する情報が記憶される。医療機関ユーザに関する情報としては、本システムにおけるユーザID、認証情報(パスワード等)、医療機関の種別(病院、診療所、健康診断センター等)、医療機関名、診療科名、関連する医療従事者に関する情報(所属医師名、専門とする疾患名等)、連絡先(所在地、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、関連する医療機関のリスト、関連する患者ユーザの識別情報、課金に関する情報などがある。
検査装置情報記憶領域123には、複数の眼科検査装置200−aに関する情報が記憶される。眼科検査装置200−aに関する情報としては、当該装置の識別情報(装置ID)、当該装置が設置されている機関の種別(薬局や眼鏡店やオプトメトリストや老人福祉施設等)、その機関の連絡先(所在地、電話番号、メールアドレス、IPアドレス、担当者の氏名等)、メンテナンスに関する情報、当該装置により実施された検査の履歴(検査の回数、頻度等)などがある。なお、検査装置情報記憶領域123は、眼科検査装置200−aごとに設けられていてもよいし、検査装置設置機関ごとに設けられていてもよい。
金融機関情報記憶領域124は、金融機関ユーザごとに設けられる。金融機関情報記憶領域124には、金融機関ユーザに関する情報が記憶される。金融機関ユーザに関する情報としては、本システムにおけるユーザID、認証情報(パスワード等)、金融機関の種別(銀行、クレジットカード会社等)、金融機関名、連絡先(所在地、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、関連する患者のユーザIDや患者ID、課金に関する情報などがある。
保険機関情報記憶領域125は、保険機関ユーザごとに設けられる。保険機関情報記憶領域125には、保険機関ユーザに関する情報が記憶される。保険機関ユーザに関する情報としては、本システムにおけるユーザID、認証情報(パスワード等)、保険機関の種別(公的保険、私的保険等)、保険機関名、連絡先(所在地、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、関連する患者のユーザIDや被保険者ID、課金に関する情報などがある。
記憶部120には、上記以外の情報も記憶される。その例として、報酬額算出規則126がある。報酬額算出規則126は、本システムの利用料に基づく各種ユーザの報酬額を算出するために参照される。報酬額算出規則126は、システム利用料の種別(課金の種別)ごとに設けられていてよい。一例として、システム利用料は、眼科検査装置200−aを用いた検査(課金の種別)が実施される度に発生し、患者ユーザまたは保険機関に対して課金される。また、このシステム利用料に基づく報酬は、たとえば、検査に用いられた眼科検査装置200−aが設置されている機関や、検査により取得された情報(検査データ)に基づき診断を行った医療機関(医師)や、当該システムの運営機関(システム運営機関)に対して発生する。報酬額算出規則126は、このような課金形態や報酬形態に基づいてあらかじめ作成される。
一例として、報酬額算出規則126には、眼科検査装置200−aを用いた各回の検査に関し、次の情報が記録されている:課金額がXであること;検査装置設置機関への報酬額がY1であること;医療機関への報酬額がY2であること;システム運営機関への報酬額がY3であること。ここで、X=Y1+Y2+Y3であってよいが、税などが関係する場合にはこれに限られない。また、或る機関への報酬額はゼロであってもよい。
また、報酬額算出規則126は、各種のオプションサービスに関する情報を含んでいてよい。たとえば、報酬額算出規則126は、検査データに対する所定の解析処理に対する課金額と、その解析結果に基づき診断を行った医療機関(医師)への報酬額と、当該解析処理を行った機関(たとえばシステム運営機関)への報酬額とを記録している。なお、オプションサービスは解析処理には限定されず、たとえばセカンドオピニオンの要請および提供などを含んでいてよい。
記憶部120に記憶される情報は上記したものに限定されない。記憶部120に記憶される他の情報については、以下において適宜に説明する。
(通信部130)
通信部130は、通信回線Nを介して他の情報処理装置とデータ通信を行う。データ通信の方式は任意である。たとえば、通信部130は、インターネットに準拠した通信インターフェイス、LANに準拠した通信インターフェイス、近距離通信に準拠した通信インターフェイスなどを含む。通信部130により送受信されるデータは暗号化されていてもよい。その場合、演算制御部110は、送信データを暗号化する暗号化処理部と、受信データを復号する復号化処理部とを有する。
(ユーザ情報管理部140)
ユーザ情報管理部140は、本システムのユーザに関する情報についての処理を行う。上記のように、本システムのユーザとしては、患者、患者関係者、医療機関、金融機関、保険機関などがある。ユーザ情報管理部140には、本システムのユーザの種別に応じた機能が設けられる。この実施形態においては、患者情報管理部141と、医療機関情報管理部142と、検査装置情報管理部143と、金融機関情報管理部144と、保険機関情報管理部145とが、ユーザ情報管理部140に設けられる。
(患者情報管理部141)
患者情報管理部141は、本システムを利用する各患者ユーザのアカウントを管理する。各患者ユーザのアカウントは、患者情報記憶領域121内に設けられた当該患者ユーザのための記憶領域に対応付けられている。アカウントは、たとえば患者ユーザに付与されたユーザIDによって識別される。患者情報管理部141が実行する処理の具体例は後述される。
患者情報管理部141は、患者ユーザの認証処理を実行する。前述したように、本システムの各ユーザには、ユーザIDが付与されている。特に、各患者ユーザには、たとえば本システムの利用開始時(ユーザ登録時)に患者ユーザIDが付与される。患者ユーザの登録は、たとえば、本システムの対象となる疾患の診断確定後に行われる。患者ユーザIDの発行は、たとえば、患者情報管理部141が患者情報等の入力を受けて実行する。
患者ユーザの認証処理の一例を説明する。なお、他種別のユーザについても同様の認証処理を実行することが可能である。前述したように、記憶部120の患者情報記憶領域121には、各患者ユーザのユーザIDと、ユーザ認証情報とが記憶されている。
眼科検査装置200−aの利用者は、ユーザIDとユーザ認証情報とを眼科検査装置200−aまたはこれに接続された装置に入力する。検査が実施された後、眼科検査装置200−aは、取得された検査データと、入力されたユーザIDおよびユーザ認証情報とを関連付けてクラウドサーバ100に送る。なお、正規の患者ユーザ以外の者が眼科検査装置200−aを利用した場合などにおいて、ユーザIDに類する文字列情報等および/またはユーザ認証情報に類する文字列情報等がクラウドサーバ100に送られることがある。
患者情報管理部141は、眼科検査装置200−aから送られたユーザID(またはこれに類する文字列情報等)とユーザ認証情報(またはこれに類する文字列情報等)との組み合わせと、患者情報記憶領域121に記憶されているユーザIDとユーザ認証情報との組み合わせとを照合する。つまり、患者情報管理部141は、眼科検査装置200−aから送られたユーザIDおよびユーザ認証情報の組み合わせと一致するユーザIDおよびユーザ認証情報の組み合わせを、患者情報管理部141から検索する。
目的の組み合わせが検索された場合、患者情報管理部141は、眼科検査装置200−aを利用した者は本システムのユーザであると判定する。一方、目的の組み合わせが検索されなかった場合、患者情報管理部141は、眼科検査装置200−aを利用した者は本システムのユーザではないと判定する。クラウドサーバ100は、この判定結果に応じた所定の処理を実行する。
なお、眼科検査装置200−aに認証機能を設けることができる。その場合、眼科検査装置200−aは、患者情報管理部141と同様の患者ユーザ認証処理を実行する。認証に成功した場合、眼科検査装置200−aは、取得された検査データと、入力されたユーザIDとを関連付けてクラウドサーバ100に送る。他方、認証に失敗した場合、眼科検査装置200−aは、たとえば、ユーザIDおよびユーザ認証情報の再入力を利用者に促し、患者ユーザ認証処理を再度実行する。
眼科検査装置200−aを用いた検査時にクラウドサーバ100との間で通信をリアルタイムで行うことにより認証処理を行うように構成されていてよい。眼科検査装置200−aは、ユーザIDおよびユーザ認証情報の入力を受けると、これら情報をクラウドサーバ100に送る。患者情報管理部141は、前述の要領で患者ユーザ認証処理を実行し、その結果(認証の成功または失敗)を眼科検査装置200−aに送る。認証に成功した場合、眼科検査装置200−aは、検査の実施を許諾し、それにより取得された検査データと、ユーザIDとを関連付けてクラウドサーバ100に送る。他方、認証に失敗した場合、眼科検査装置200−aは、たとえば、ユーザIDおよびユーザ認証情報の再入力を利用者に促す。そして、同様の患者ユーザ認証処理が再度実行される。
(医療機関情報管理部142)
医療機関情報管理部142は、本システムを利用する各医療機関ユーザに関する情報を、たとえば各医療機関ユーザのアカウントを設けることにより管理する。各医療機関ユーザのアカウントは、医療機関情報記憶領域122内に設けられた当該医療機関ユーザのための記憶領域に対応付けられている。アカウントは、たとえば医療機関ユーザに付与されたユーザIDによって識別される。医療機関情報管理部142が実行する処理の具体例は後述される。
(検査装置情報管理部143)
検査装置情報管理部143は、各眼科検査装置200−aに関する情報を、たとえば各眼科検査装置200−aのアカウント(または、各検査装置設置機関のアカウント)を設けることにより管理する。各眼科検査装置200−a(または各検査装置設置機関)のアカウントは、検査装置情報記憶領域123内に設けられた当該眼科検査装置200−a(または当該検査装置設置機関)のための記憶領域に対応付けられている。アカウントは、たとえば眼科検査装置200−aの装置IDや検査装置設置機関のIDなどによって識別される。検査装置情報管理部143が実行する処理の具体例は後述される。
(金融機関情報管理部144)
金融機関情報管理部144は、本システムを利用する金融機関ユーザに関する情報を、たとえば各金融機関ユーザのアカウントを設けることにより管理する。各金融機関ユーザのアカウントは、金融機関情報記憶領域124内に設けられた当該金融機関ユーザのための記憶領域に対応付けられている。アカウントは、たとえば金融機関ユーザに付与されたユーザIDによって識別される。金融機関情報管理部144が実行する処理の具体例は後述される。
(保険機関情報管理部145)
保険機関情報管理部145は、本システムを利用する保険機関ユーザに関する情報を、たとえば各保険機関ユーザのアカウントを設けることにより管理する。各保険機関ユーザのアカウントは、保険機関情報記憶領域125内に設けられた当該保険機関ユーザのための記憶領域に対応付けられている。アカウントは、たとえば保険機関ユーザに付与されたユーザIDによって識別される。保険機関情報管理部145が実行する処理の具体例は後述される。
(検査データ処理部150)
眼科情報システム1は、眼科検査装置200−aにより取得された被検眼Eの検査データを処理する機能を有する。この処理には解析処理が含まれる。この実施形態では、クラウドサーバ100(検査データ処理部150)および検査データ処理装置900が解析処理を実行する。なお、クラウドサーバ100が実行する解析処理と、検査データ処理装置900が実行する解析処理は、同じ処理を含んでいてもよいし、全て異なってもよい。たとえば、検査データ処理装置900が高度の解析処理を実行し、クラウドサーバ100がそれ以外の解析処理を実行するように構成することができる。また、クラウドサーバ100が実行する解析処理と検査データ処理装置900が実行する解析処理との間で、課金形態が異なっていてよい。たとえば、クラウドサーバ100が実行する解析処理を無課金とし(つまり眼科検査装置200−aによる検査料に含まれる)、検査データ処理装置900が実行する解析処理にオプション料金を付加するように構成することができる。以下、検査データ処理部150および/または検査データ処理装置900により実行可能な解析処理の例について説明する。
検査データ処理部150(または検査データ処理装置900。以下同様。)は、眼科検査装置200−aから送信されたデータ(検査データ)を処理する。検査データの例として次のデータがある。
(1)図3等に示すCCDイメージセンサ223から出力された信号
(2)図4に示す画像形成部250により形成された画像データ
(3)画像形成部250が実行する処理の中間段階で得られるデータ(つまり、画像データ形成処理の途中で得られるデータ)
(4)CCDイメージセンサ223から出力された信号を画像形成部250以外の構成要素により処理して得られるデータ
眼科検査装置200−aが画像データを形成する機能を有する場合、つまり眼科検査装置200−aに画像形成部250が設けられる場合、たとえば、上記(1)〜(4)のうち任意の検査データがクラウドサーバ100に入力される。一方、眼科検査装置200−aが画像データを形成する機能を有しない場合、たとえば、上記(1)および/または(4)の検査データがクラウドサーバ100に入力される。この場合、検査データ処理部150は、画像形成部250と同様の機能を有する。また、画像形成部250により形成された画像データを処理する機能を眼科検査装置200−aが有する場合、上記(4)の検査データは、当該機能によって取得されたデータであってよい。なお、当該機能の例として、後述する眼底層厚解析、ドルーゼン解析、乳頭形状解析などがある。
上記した検査データはOCTによって取得されるものであるが、検査データは他の検査により取得されるデータであってよい。他の検査の例として後述の自覚式視力検査がある。また、検査データは、眼底撮影や前眼部撮影により取得される画像データを含んでいてもよい。
検査データ処理部150が実行する処理の例を説明する。第1の例として、検査データ処理部150は、OCTにより取得された検査データに基づいて眼底の層厚情報を生成することができる。つまり、検査データ処理部150は、眼底層厚解析(網膜厚解析、RNFL厚解析など)を実行することができる。さらに、検査データ処理部150は、眼底層厚解析により取得された層厚情報と、標準的な層厚値(たとえば健常眼に関する標準層厚値)との比較解析を行うことが可能である。
眼底層厚解析は、OCTにより取得された検査データに基づいて、眼底の所定の層組織の厚さ(分布)を求める処理である。その一例として網膜厚解析について説明する。他の層組織の厚さを求める場合も同様の処理が実行される。
網膜厚解析では、たとえば眼底の断面像や3次元画像を解析することにより、OCTにおけるスキャン範囲の一部または全部における網膜の厚さ分布を求める。なお、網膜厚には様々な定義がある。たとえば、内境界膜から内顆粒層(視細胞の内接・外接)までの厚さを網膜厚とする場合、内境界膜から網膜色素上皮層までの厚さを網膜厚とする場合などがある。網膜厚解析で求める網膜厚はこのような定義のうちのいずれかである。
網膜厚解析は、たとえば次のようにして実行される。まず、眼底のOCT画像を解析して、所定の境界部位(たとえば内境界膜と網膜色素上皮層)に相当する画像領域を特定する。そして、特定された境界部位の間の画素数をカウントして網膜厚(深度方向の距離)を求める。なお、OCT画像を解析して眼底の層の厚さを求める処理は、たとえば本出願人による特開2007−325831号公報、特開2008−206684号公報、特開2009−61203号公報、特開2009−66015号公報などに説明されている。
網膜厚の比較解析は、網膜厚解析により求められた網膜厚と、あらかじめ記憶された標準データ(Normative data)と比較する解析処理である。Normative dataは、健常眼の網膜厚の標準値(標準厚)である。Normative dataは、健常眼の網膜厚を多数計測し、その計測結果の統計値(平均値、標準偏差など)を求めることにより作成される。比較解析は、被検眼Eの網膜厚が健常眼のそれの範囲に含まれるか否か判定するものである。なお、比較解析は、疾患のある眼における網膜厚の範囲を求め、網膜厚解析により得られた網膜厚が当該範囲に含まれるか否か判定する処理であってよい。
検査データ処理部150はドルーゼン解析を実行できるように構成されていてよい。ドルーゼン解析は、たとえばOCT画像を解析することにより、そのスキャン範囲の一部または全部におけるドルーゼンの分布状態を求める解析処理である。この分布状態には、眼底におけるドルーゼンの位置やサイズ(面積、体積、径)などが含まれる。
ドルーゼン解析は、たとえば、OCT画像を解析してブルッフ膜に相当する画像領域と網膜色素上皮に相当する画像領域とを特定し、これら画像領域の間の画素値に基づいて小さな略円形の隆起形状に相当する画像領域をドルーゼン(の候補)として特定することにより実行できる。このような形状に基づく画像領域の特定処理は、たとえば、当該形状のテンプレートとの画像マッチングによって行うことが可能である。さらに、検査データ処理部150は、このようにして特定されたドルーゼンに相当する画像領域に基づいて、ドルーゼンの位置、個数、サイズなどを求める。また、取得されたドルーゼンの分布にもとづいて、加齢黄斑変性症の状態の評価情報を生成することができる。
なお、眼底の正面画像が検査データに含まれている場合、この正面画像に基づいてドルーゼン解析を行うことができる。このドルーゼン解析は、たとえば、正面画像の各画素の画素値が所定範囲に含まれるか判定し、所定範囲に含まれる画素を特定することにより実行される。正面画像がカラー画像である場合、ドルーゼンは特徴的な色(黄白色)で描写されるので、この特徴的な色に相当する画素値の範囲が上記所定範囲としてあらかじめ設定される。また、正面画像がモノクロ画像である場合、ドルーゼンは特徴的な明るさ(輝度)で描写されるので、この特徴的な輝度に相当する画素値の範囲が上記所定範囲としてあらかじめ設定される。また、ドルーゼンの標準的な形状(小さな略円形の隆起形状)に基づくテンプレートマッチングなどを行うことによって、ドルーゼンに相当する画像領域を特定することも可能である。
乳頭形状解析は、眼底の断面像や3次元画像を解析して網膜の孔部(切れ目、欠損部位)を検出し、視神経乳頭の形状を求める解析処理を含んでいてよい。乳頭形状解析は、たとえば、断面像等を解析して視神経乳頭及びその近傍の網膜表面に相当する画像領域を特定し、特定された画像領域を解析してその大域的形状や局所的形状(凹凸)を表すパラメータ(乳頭形状パラメータ)を求める。乳頭形状パラメータの例として、視神経乳頭のカップ径、ディスク径、リム径、乳頭深さなどがある。
また、乳頭形状解析は、視神経乳頭の傾き(形状の非対称性)を求める解析処理を含んでいてよい。この解析処理は、たとえば次のようにして実行される。まず、検査データ処理部150は、視神経乳頭を含む領域をスキャンして得られた3次元画像を解析して乳頭中心を特定する。次に、検査データ処理部150は、乳頭中心を中心とする円形領域を設定し、この円形領域を放射状に分割して複数の部分領域を得る。続いて、検査データ処理部150は、円形領域の断面像を解析することで、各ピクセル位置における所定層(たとえば網膜色素上皮層)の高さ位置を求める。さらに、検査データ処理部150は、各部分領域における所定層の高さ位置の平均値を算出する。次に、検査データ処理部150は、乳頭中心に関して対向位置に相当する一対の部分領域について得られた一対の平均値を比較することにより、この対向方向における眼底の傾斜を求める。そして、検査データ処理部150は、複数の対向方向について得られた傾斜に基づいて、上記円形領域における眼底の傾斜の分布を示す傾斜分布情報を生成する。なお、生成された傾斜分布情報(およびその標準的な分布を示す情報)に基づいて、疾患の状態の評価情報を生成することができる。
(レポート処理部160)
クラウドサーバ100は、眼科検査装置200−aから送られた検査データや解析結果を、その患者ユーザの担当医(診断医端末500−dまたは医療従事者端末650−f)に向けて送る。なお、画像の読影を担当する医師(読影医)に向けて検査データ(画像データを含む)を送信してもよい。担当医(または読影医)は、この検査データや解析結果やカルテ情報に基づいて診断レポート(医用レポート、読影レポートなどとも呼ばれる)を作成する。診断レポートには、検査データや解析結果に基づく診断結果を含む。この診断結果には、たとえば、現在の病態、病態の時系列変化、投薬の要否、投薬量の変更、来院の要否などが含まれる。作成された診断レポートは、診断医端末500−d等からクラウドサーバ100に送られる。
レポート処理部160は、診断医端末500−d等から送られた診断レポートに関する処理を実行する。一例として、レポート処理部160は、患者に対する来院要求が診断レポートに含まれているか否か判定する。来院要求は、来院の要否を示す情報(文字列情報、チェックマークの有無等)を少なくとも含み、さらに来院予定日などを含んでいてよい。レポート処理部160は、たとえば、所定の来院要求記載欄に入力されている情報に基づいて、来院の要否や来院予定日を認識する。なお、来院要求に関する処理には、図6Aおよび図6Bを参照して後述される。
レポート処理部160は、診断レポートから所定の情報を抽出する処理を実行してよい。診断レポートから抽出された情報は、たとえば、当該患者ユーザの患者情報記憶領域121に記憶される。また、診断レポートから抽出された情報は、当該患者ユーザに対応する患者端末300−bおよび/または指定人端末400−cに送信される。
(料金処理部170)
料金処理部170は、クラウドサーバ100が提供するサービスの利用料金に関する処理を実行する。料金処理部170が実行する処理には、サービス利用者に対する課金処理と、所定ユーザへの報酬額を算出する処理とが含まれる。
課金は、たとえば、患者ユーザ、患者関係者ユーザ、医療機関ユーザ、金融機関ユーザ、および保険機関ユーザのうち、いずれかの種別のユーザに対して発生する。なお、利用料金が発生する各サービスは、オプションであってもよいし、デフォルトであってもよい。また、報酬は、たとえば、医療機関ユーザ、検査装置設置機関、およびシステム運営機関のうちのいずれかに対して発生する。なお、システム運営機関以外の機関が検査データ処理装置900の運用を行っている場合には、この機関に報酬が発生することもある。
課金処理について説明する。クラウドサーバ100が患者ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・患者情報管理部141によりアカウントを管理すること
・眼科検査装置200−aを自宅等へ設置すること(レンタル、ローン、売買等)
・眼科検査装置200−aを用いて検査を実施すること
・検査データ処理部150により検査データを処理すること
・検査データの処理結果を患者ユーザや患者関係者ユーザに提供すること
・患者ユーザのアカウントに検査データを保管すること
・眼科検査装置200−aのメンテナンスサービスを提供すること
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・金融機関ユーザが患者ユーザに提供するサービスを代行すること
・保険機関ユーザが患者ユーザに提供するサービスを代行すること
クラウドサーバ100が患者関係者ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・患者関係者ユーザ用のアカウントの作成および管理を行うこと
・検査データの処理結果を患者関係者ユーザに提供すること
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・金融機関ユーザが患者関係者ユーザに提供するサービスを代行すること
・保険機関ユーザが患者関係者ユーザに提供するサービスを代行すること
クラウドサーバ100が医療機関ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・医療機関情報管理部142によりアカウントを管理すること
・新規の患者ユーザを医療機関ユーザに紹介すること
・転院を希望する患者ユーザを医療機関ユーザに紹介すること
・患者ユーザの紹介サービスの成功報酬
・患者ユーザについて統計的に得られた情報を提供すること
・特定または不特定の患者ユーザにアクセスすること(アンケート等)
・他の医療機関ユーザにアクセスすること(セカンドオピニオン、紹介状等)
・解析処理に関する情報(Normative data等)を利用すること
・眼科検査装置を所有または使用すること(レンタル、ローン、売買等)
・検査データ処理部150により検査データを処理すること
・検査データによる処理結果を医療機関ユーザに提供すること
・所定の患者ユーザの検査データを医療機関ユーザのアカウントで管理すること
・眼科検査装置のメンテナンスサービスを提供すること
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・金融機関ユーザが医療機関ユーザに提供するサービスを代行すること
・保険機関ユーザが医療機関ユーザに提供するサービスを代行すること
・医療機関ユーザの広告を患者ユーザ等に提供すること
・広告に対する成功報酬
クラウドサーバ100が金融機関ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・金融機関ユーザ用のアカウントの作成および管理を行うこと
・ユーザの課金に関する情報を提供すること(引き落とし金額等)
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・クラウドサーバ100が金融機関ユーザのサービスを代行すること
・金融機関ユーザの広告を患者ユーザ等に提供すること
・広告に対する成功報酬
クラウドサーバ100が保険機関ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・保険機関ユーザ用のアカウントの作成および管理を行うこと
・患者ユーザの保険に関する情報を提供すること(通院履歴、支払額等)
・医療機関ユーザの保険に関する情報を提供すること(診療報酬点数、レセプト等)
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・クラウドサーバ100が保険機関ユーザのサービスを代行すること
・保険機関ユーザの広告を患者ユーザ等に提供すること
・広告に対する成功報酬
料金処理部170は、各有料サービスの課金額をあらかじめ記憶している。この情報は、たとえば、有料サービスの種別と課金額とを対応付けたテーブル情報である。有料サービスが或るユーザに対して提供されると、演算制御部110は、当該ユーザのユーザIDと、当該サービスの種別情報とを料金処理部170に送る。料金処理部170は、上記テーブル情報を参照することにより、この種別情報に対応する課金額を取得する。そして、料金処理部170は、この課金額とユーザIDとを対応付けて演算制御部110に送る。演算制御部110は、料金処理部170から入力された情報をユーザ情報管理部140に送る。ユーザ情報管理部140は、このユーザIDにより識別されるアカウントに課金額を記憶させる。このとき、サービスに関連する情報(提供日時、種別等)を、課金額とともに記憶させることができる。
報酬額算出処理について説明する。前述したように、報酬は、たとえば、医療機関ユーザ、検査装置設置機関、およびシステム運営機関のうちのいずれかに対して発生する。
料金処理部170は、たとえば上記のような課金(システム利用料)が発生したとき、このシステム利用料に基づく報酬額を算出する。たとえば、眼科検査装置200−aを用いた検査および医療機関ユーザによるレポート作成が行われ、このレポートの少なくとも一部が患者ユーザまたはその関係者に送信されたときに、料金処理部170は、その課金額と報酬額算出規則126とに基づいて、この医療機関ユーザ、この眼科検査装置200−aが設置されている機関、およびシステム運営機関のそれぞれへの報酬額を算出する。なお、システム運営機関以外の機関が検査データ処理装置900を運営している場合であって、検査データ処理装置900による解析処理が実行された場合には、検査データ処理装置900の運営機関への報酬額も算出される。このような報酬額算出処理については、報酬額算出規則126の説明において例示した。
(保険処理部180)
保険処理部180は、保険に関する処理を実行する。なお、保険に関する有料サービスについては、料金処理部170が課金処理や報酬額算出処理を実行するように構成されていてよい。保険処理部180は、たとえば、或る患者ユーザと或る保険機関ユーザとの間で既に締結されている保険に関する処理を行う。前述したように、保険機関ユーザと患者ユーザとの関係を示す情報が記憶部120(たとえば患者情報記憶領域121および保険機関情報記憶領域125)に記憶されている。この情報は、たとえば、患者ユーザのユーザIDと保険機関ユーザのユーザIDとを対応付けるテーブル情報である。このような情報を参照することにより、保険処理部180は、或る患者ユーザがどの保険機関と契約しているか、逆に、或る保険機関がどの患者ユーザと契約しているか、を特定することができる。
具体例として、患者ユーザが医療機関において医療行為を受けたときに、クラウドサーバ100は、この医療機関の医療機関内サーバ600−eから、あらかじめ設定された情報(疾患名、診療報酬額等)を患者ユーザIDとともに取得する。保険処理部180は、たとえば上記のテーブル情報を参照することにより、この患者ユーザに対応する保険機関ユーザを特定する。演算制御部110は、医療機関内サーバ600−eから取得された情報(の少なくとも一部)を、保険処理部180により特定された保険機関ユーザに送信するように、通信部130を制御する。
他の例として、眼科検査装置200−aを用いた検査および医療機関ユーザによるレポート作成が行われ、このレポートの少なくとも一部が患者ユーザまたはその関係者に送信されたときに、保険処理部180は、次の処理を実効することができる。まず、保険処理部180は、上記のテーブル情報を参照することにより、この患者ユーザのユーザIDに対応付けられた保険機関ユーザのユーザIDを特定する。つまり、保険処理部180は、この患者ユーザが契約している保険機関ユーザを特定する。さらに、保険処理部180は、この患者ユーザIDと、特定された保険機関ユーザのユーザIDと、課金額を示す情報とを演算制御部110に送る。演算制御部110は、この保険機関ユーザの保険機関サーバ800−hに、この患者ユーザIDと課金額を示す情報とを送信するように、通信部130を制御する。
〔眼科検査装置200−a〕
眼科検査装置200−aの構成例を説明する。眼科検査装置200−aは、被検眼の光学的な検査に用いられる。眼科検査装置200−aは、眼科撮影装置としての機能、および/または、眼科測定装置としての機能を有する。眼科撮影装置としては、光干渉断層計(OCT装置)、眼底カメラ、走査型レーザ検眼鏡などがある。また、眼科測定装置としては、眼屈折検査装置、眼圧計、スペキュラーマイクロスコープ、ウェーブフロントアナライザなどがある。この実施形態では、光干渉断層計が適用される場合について詳述するが、他の眼科検査装置にこの発明を適用することが可能である。
この明細書において、OCTによって取得される画像をOCT画像と総称することがある。また、OCT画像を形成するための計測動作をOCT計測と呼ぶことがある。
この実施形態では、低コヒーレンス光源と分光器が搭載された、いわゆるスペクトラルドメイン(Spectral Domain)タイプのOCTを用いた光干渉断層計について説明するが、スペクトラルドメイン以外のタイプ、たとえばスウェプトソース(Swept Source)タイプのOCTの手法を用いた光干渉断層計に対してこの発明を適用することも可能である。スウェプトソースOCTとは、被測定物体に照射される光の波長を走査(波長掃引)し、各波長の光の反射光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光を順次に検出してスペクトル強度分布を取得し、それに対してフーリエ変換を施すことにより被測定物体の形態を画像化する手法である。
実施形態に係る眼科検査装置200−aは、OCT以外の撮影機能を有していてもよい。この付加的な撮影機能の例として、前眼部および/または眼底の正面画像を取得する機能がある。本例は、たとえば従来の眼底カメラと同様の構成によって実現される。
実施形態に係る眼科検査装置の構成について説明する。この実施形態に係るシステムは、複数の眼科検査装置200−aを含む。眼科検査装置200−aの構成例を図3に示す。図3に示す眼科検査装置200−aは、光学ユニット210と、コンピュータ230と、ユーザインターフェイス(UI)280とを有する。
(光学ユニット210)
光学ユニット210は、OCT計測を行うための光学系と、所定の光学素子を駆動する機構とを含む。光学系は、光源211からの光を測定光と参照光とに分割し、測定光の被検眼Eからの戻り光と参照光とを干渉させ、その干渉光を検出する。この光学系は、従来のスペクトラルドメインタイプのOCT装置と同様の構成を有する。すなわち、この光学系は、低コヒーレンス光(広帯域光)を参照光と測定光に分割し、被検眼Eを経由した測定光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル成分を検出するように構成される。スペクトル成分の検出結果(検出信号)はコンピュータ230に送られる。
スウェプトソースタイプのOCTが適用される場合、低コヒーレンス光源の代わりに波長掃引光源が設けられるとともに、干渉光をスペクトル分解する光学部材が設けられない。また、干渉光を検出する素子として、たとえばバランスドフォトダイオードが設けられる。一般に、光学ユニット210の構成については、OCTのタイプに応じた公知の技術を任意に適用することができる。
光源211は広帯域の低コヒーレンス光を出力する。この低コヒーレンス光は、たとえば、近赤外領域の波長帯(約800nm〜900nm程度)を含み、数十マイクロメートル程度の時間的コヒーレンス長を有する。なお、人眼では視認できない波長帯、たとえば1040〜1060nm程度の中心波長を有する近赤外光を低コヒーレンス光として用いてもよい。
光源211は、スーパールミネセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)や、LEDや、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)等の光出力デバイスを含んで構成される。
光源211から出力された低コヒーレンス光は、コリメートレンズ212により平行光束とされてビームスプリッタ213に導かれる。ビームスプリッタ213は、たとえば、所定割合の光を反射し、残りを透過させるハーフミラーである。ビームスプリッタ213は、この平行光束を測定光と参照光とに分割する。
測定光とは被検眼Eに照射される光である(信号光などとも呼ばれる)。測定光の光路(測定光路)を形成する光学素子群は測定アームと呼ばれる(サンプルアームなどとも呼ばれる)。参照光とは、測定光の戻り光に含まれる情報を干渉信号として抽出するための基準となる光である。参照光の光路(参照光路)を形成する光学素子群は参照アームと呼ばれる。
参照光路の一端はビームスプリッタ213であり、他端は参照ミラー214である。ビームスプリッタ213を透過した成分からなる参照光は、参照ミラー214により反射されてビームスプリッタ213に戻ってくる。
参照ミラー214は、図4に示す参照ミラー駆動部214Aにより、参照光の進行方向に沿って移動される。それにより、参照光路の長さが変更される。参照ミラー駆動部214Aは、測定光路の長さと参照光路の長さとを相対的に変更するように機能し、それにより測定光と参照光との干渉強度が最大となる深さ位置が変更される。このような干渉深度を変更する動作は、測定光の合焦位置を変更する動作の一例である。
この実施形態では参照光路の長さを変更する構成が適用されているが、この構成の代わりに、或いはこの構成に加えて、測定光路の長さを変更する構成を設けることができる。測定光路の長さの変更は、たとえば、入射する測定光を当該入射方向と反対方向に反射するコーナーキューブと、このコーナーキューブを当該入射方向および当該反射方向に移動させるための機構とにより実現される。
ビームスプリッタ213に反射された成分からなる測定光は、測定光路に対して傾斜配置された固定ミラー215により偏向されてスキャナ216に導かれる。スキャナ216は、たとえば2軸光スキャナである。つまり、スキャナ216は、測定光を2次元的に偏向可能な構成を有する。スキャナ216は、たとえば、互いに直交する方向に偏向可能な2つのミラーを含むミラースキャナである。このミラースキャナは、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として構成される。他の例として、1つのミラースキャナとロータリープリズムを用いてスキャナ216を構成することも可能である。
スキャナ216から出力される測定光は、2次元的に偏向されたコリメート光である。この測定光は、リレーレンズ217により集束光とされ、眼底Efと共役な面(眼底共役面)Pcにおいて空中結像される。さらに、測定光は、合焦レンズとしての機能を有する対物レンズ219により再び集束光とされて被検眼Eに入射する。なお、眼底共役面Pcに配置された光学素子(ダイクロイックミラー218)については後述する。
対物レンズ219と鏡筒部219Aは、図4に示す鏡筒駆動部219Bにより、測定光路に沿って移動される。対物レンズ219と鏡筒部219Aは、被検眼Eの屈折力に応じて光軸方向に移動される。それにより、眼底共役面Pcが眼底Efと共役な位置に配置される。その結果、測定光は、スポット光として眼底Efに投射される。対物レンズ219(および鏡筒駆動部219B)は、視度補正を行うための視度補正部として、また測定光の合焦位置を変更する合焦位置変更部として機能する。
視度補正部の他の例を説明する。たとえば強度近視のように極端な屈折力を有する被検眼に対処するために、視度補正レンズを測定光路に設けることができる。視度補正レンズは、たとえば、図示しない機構により測定光路に対して挿入/退避される。また、たとえばアルバレッツレンズのように屈折力が可変に構成された光学素子を適用することも可能である。このような視度補正用の光学素子は、たとえば、対物レンズ219と被検眼Eとの間の位置に配置される。
眼底Efに照射された測定光は、眼底Efの様々な深さ位置において散乱(反射を含む)される。眼底Efによる測定光の後方散乱光(戻り光)は、往路と同じ経路を逆向きに進行してビームスプリッタ213に導かれる。
ビームスプリッタ213は、測定光の戻り光と、参照光路を経由した参照光とを干渉させる。このとき、参照光路の長さとほぼ等しい距離を経由した戻り光の成分、つまり参照光路の長さに対して可干渉距離以内の範囲からの後方散乱光のみが、参照光と実質的に干渉する。ビームスプリッタ213を介して生成された干渉光は、分光器220に導かれる。分光器220に入射した干渉光は、回折格子221により分光(スペクトル分解)され、レンズ222を介してCCDイメージセンサ223の受光面に照射される。なお、図4に示す回折格子221は透過型であるが、たとえば反射型の回折格子など、他の形態の分光素子を用いることも可能である。
CCDイメージセンサ223は、たとえばラインセンサであり、分光された干渉光の各スペクトル成分を検出して電荷に変換する。CCDイメージセンサ223は、この電荷を蓄積して検出信号を生成し、これをコンピュータ230に送る。
前述したように、測定光路の眼底共役面Pcに相当する位置には、ダイクロイックミラー218が傾斜配置されている。ダイクロイックミラー218は、近赤外帯域の測定光を透過させ、可視帯域の光を反射するように構成されている。
ダイクロイックミラー218を介して測定光路から分岐した光路には、フラットパネルディスプレイ(FPD)225と、レンズ226とが設けられている。フラットパネルディスプレイ225は、制御部240による制御を受けて情報を表示する。フラットパネルディスプレイ225に表示される情報として、被検眼Eに対して提示される各種の視標がある。このような視標の例として、自覚式視力検査用の視標(ランドルト環など)や、被検眼Eを固視させるための固視標などがある。
フラットパネルディスプレイ225は、レンズ226を介して眼底共役面Pcと共役な位置(よって、眼底Efと共役な位置)に配置されている。フラットパネルディスプレイ225としては、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイ(OELD)が用いられる。
フラットパネルディスプレイ225から出力された可視光は、レンズ226を介してダイクロイックミラー218に反射される。さらに、この可視光は、対物レンズ219を介して被検眼Eに入射し、眼底Efに到達する。それにより、この可視光に基づく像(たとえば視標像)が眼底Efに投影される。
なお、ダイクロイックミラー218の代わりに、ハーフミラー等の光学素子を設けてもよい。また、測定光路に対して挿入/退避できるように構成された反射ミラーを設けることも可能である。ダイクロイックミラー218やハーフミラーが設けられる場合、OCT計測と視標の投影を同時に行うことができる。一方、反射ミラーが設けられる場合には、OCT計測と視標の投影とが異なるタイミングで実行される。
この実施形態ではマイケルソン型の干渉計を採用しているが、たとえばマッハツェンダー型など任意のタイプの干渉計を適宜に採用することが可能である。また、CCDイメージセンサに代えて、他の形態の受光素子、たとえばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いることが可能である。
この実施形態では、ビームスプリッタ213に反射された光が測定光として用いられ、これを透過した光が参照光として用いられている。一方、これとは逆に、ビームスプリッタ213に反射された光を参照光として使用し、これを透過した光を測定光として使用する構成を適用することも可能である。その場合、測定アームと参照アームの配置が図3とは逆になる。
測定光および/または参照光の特性を変換する部材を設けることができる。たとえば、光減衰器(アッテネータ)や偏波調整器(偏波コントローラ)を、参照光路に設けることが可能である。光減衰器は、コンピュータ230の制御を受けて、参照光の光量を調整する。光減衰器は、たとえば、減光フィルタと、これを参照光路に対して挿入/退避させるための機構とを含む。偏波調整器は、コンピュータ230の制御を受けて、参照光の偏光状態を調整する。偏波調整器は、たとえば、参照光路に配置された偏光板と、これを回転させるための機構とを含む。これらは、測定光の戻り光と参照光との干渉強度を調整するために使用される。
被検眼Eを撮影してその正面画像を取得するための正面画像取得光学系を設けることが可能である。この正面画像は、前眼部または眼底Efを描画した画像である。正面画像取得光学系は、測定光路から分岐した光路を形成するものであり、たとえば従来の眼底カメラと同様の照明光学系と撮影光学系とを含む。照明光学系は、(近)赤外光または可視光からなる照明光を被検眼Eに照射する。撮影光学系は、被検眼Eからの照明光の戻り光(反射光)を検出する。撮影光学系はズームレンズ系を有する。また、撮影光学系は、測定光路と共通の合焦レンズ(対物レンズ219、視度補正レンズなど)、および/または、測定光路から独立した合焦レンズを有する。正面画像取得光学系の他の例として、従来のSLOと同様の光学系がある。
正面画像取得光学系が設けられる場合、従来の眼底カメラと同様のアライメント光学系をさらに設けることができる。アライメント光学系は、測定光路から分岐した光路を形成するものであり、被検眼Eに対する装置光学系の位置合わせ(アライメント)を行うための視標(アライメント視標)を生成する。アライメントには、測定光路(対物レンズ219の光軸)に対して直交する面に沿う方向(xy方向と呼ばれる)における位置合わせ(xyアライメント)と、このxy平面に直交する方向であるz方向における位置合わせ(zアライメント)とが含まれる。図示は省略するが、アライメント光学系は、アライメント光源(LED等)から出力された光束から2孔絞りによって2つのアライメント光束を生成する。2つのアライメント光束は、測定光路に対して傾斜配置されたビームスプリッタを介して測定光路に導かれ、被検眼Eの角膜に投影される。アライメント光束の角膜反射光は、正面画像取得光学系のイメージセンサによって検出される。
アライメント光学系が設けられる場合、オートアライメントを実行することができる。具体的には、コンピュータ230のデータ処理部260は、正面画像取得光学系のイメージセンサから入力される信号を解析して2つのアライメント視標像の位置を特定する。さらに、制御部240は、特定された2つのアライメント視標像の位置に基づいて、イメージセンサの受光面の所定位置(たとえば中心位置)に2つの角膜反射光が重なって投影されるように、光学ユニット210を移動させる。なお、光学ユニット210は、ユニット駆動部210Aによって移動される。
アライメント手段の他の例として、たとえば特許文献7に開示された一対の前眼部カメラを用いた構成がある。本例の眼科検査装置は、被検者の顔を支持する支持部と、被検眼Eを検査するための光学系と支持部とを相対的にかつ3次元的に移動する駆動部とを有する。一対の前眼部カメラは、被検眼Eの前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影する。コンピュータ230のデータ処理部260は、一対の前眼部カメラにより実質的に同時に得られた2つの前眼部像を解析することにより、被検眼Eの3次元的な位置を求める。制御部240は、求められた3次元位置に基づき駆動部を制御することにより、光学系と支持部とを相対的に移動させる。この制御は、被検眼Eの3次元位置を光学系の光軸が通過するように、かつ、この3次元位置と光学系(対物レンズ219)との間隔を所定のワーキングディスタンスに合わせるようにして実行される。このアライメント方法によれば、被検眼Eの探索から光学系の3次元的な位置合わせまで全てを自動で行えるという利点がある。なお、アライメント視標を用いる場合には、アライメント視標が被検眼Eに投影されるように光学系を手作業で誘導する必要がある。
正面画像取得光学系が設けられる場合、従来の眼底カメラと同様のフォーカス光学系をさらに設けることができる。フォーカス光学系は、測定光路から分岐した光路を形成するものであり、眼底Efに対するフォーカシング(ピント合わせ)を行うための視標(スプリット視標)を生成する。図示は省略するが、フォーカス光学系は、フォーカシング光源(LED等)から出力された光束からスプリット視標板によって2つのフォーカシング光束を生成する。2つのフォーカシング光束は、測定光路に対して傾斜配置された反射部材を介して測定光路に導かれ、眼底Efに投影される。フォーカシング光束の眼底反射光は、正面画像取得光学系のイメージセンサによって検出される。
フォーカス光学系が設けられる場合、オートフォーカスを実行することができる。具体的には、コンピュータ230のデータ処理部260は、正面画像取得光学系のイメージセンサから入力される信号を解析して2つのスプリット視標像の位置を特定する。さらに、制御部240は、特定された2つのスプリット視標像の位置に基づいて、イメージセンサの受光面に対して2つの眼底反射光が一直線上に投影されるように、フォーカス光学系の移動制御および合焦レンズの制御(対物レンズ219の移動制御、視度補正レンズの挿入/退避の制御など)を行う。
正面画像取得光学系が設けられる場合、オートトラッキングを行うことができる。オートトラッキングとは、被検眼Eの動きに合わせて光学ユニット210を移動させるものである。オートトラッキングを行う場合、事前にアライメントとフォーカシングが実行される。オートトラッキングは、たとえば次のようにして実行される。まず、正面画像取得光学系によって被検眼Eを動画撮影する。データ処理部260は、この動画撮影により得られるフレームを逐次に解析することで、被検眼Eの動き(位置の変化)を監視する。制御部240は、逐次に取得される被検眼Eの位置に合わせて光学ユニット210を移動させるようにユニット駆動部210Aを制御する。それにより、被検眼Eの動きに対して光学ユニット210をリアルタイムで追従させることができ、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持することが可能となる。
(制御系・データ処理系)
実施形態に係る眼科検査装置200−aの制御系およびデータ処理系について説明する。制御系およびデータ処理系の構成例を図4に示す。
制御系およびデータ処理系は、コンピュータ230を中心に構成される。コンピュータ230は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、眼科検査装置200−aに各種処理を実行させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。コンピュータ230は、特定の処理を実行する専用の回路基板を有していてよい。たとえばOCT画像を形成するための処理を実行する回路基板が設けられていてよい。
(ユーザインターフェイス280)
コンピュータ230にはユーザインターフェイス280が接続されている。ユーザインターフェイス280には、表示部281と操作部282とが含まれる。表示部281は、フラットパネルディスプレイ等の表示デバイスを含む。操作部282は、眼科検査装置200−aの筐体や外部に設けられたボタン、キー、ジョイスティック、操作パネル等の操作デバイスを含む。コンピュータ230がパーソナルコンピュータを含む場合、操作部282は、このパーソナルコンピュータの操作デバイス(マウス、キーボード、トラックパッド、ボタン等)を含んでいてよい。
表示部281と操作部282は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。たとえばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。その場合、操作部282は、このタッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。操作部282に対する操作内容は、電気信号として制御部240に入力される。また、表示部281に表示されたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)と、操作部282とを用いて、操作や情報入力を行うようにしてもよい。
(制御部240)
制御部240は、コンピュータ230に設けられている。制御部240は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。制御部240には、主制御部241と記憶部242が設けられている。
(主制御部241)
主制御部241は、眼科検査装置200−aの各部の制御を行う。たとえば、主制御部241による制御の対象には、ユニット駆動部210A、光源211、参照ミラー駆動部214A、スキャナ216、鏡筒駆動部219B、CCD(イメージセンサ)223、フラットパネルディスプレイ225、表示部281、データ処理部260、および通信部270が含まれる。
ユニット駆動部210Aは、測定光路(対物レンズ219の光軸)に沿う方向(z方向)と、z方向に対して直交する面に沿う方向(xy方向)とに、光学ユニット210を移動するための機構を有する。参照ミラー駆動部214Aは、参照光路に沿って参照ミラー214を移動する。鏡筒駆動部219Bは、測定光路に沿って対物レンズ219および鏡筒部219Aを移動する。
(記憶部242)
記憶部242は、各種のデータを記憶する。また、記憶部242には、眼科検査装置200−aを動作させるための各種コンピュータプログラムやデータが記憶されている。記憶部242に記憶されるデータは、眼科検査装置200−aにより取得されるデータと、あらかじめ記憶されるデータとを含む。コンピュータプログラムは、たとえば、クラウドサーバ100と連動して眼科検査装置200−aを動作させるように構成されている。
眼科検査装置200−aにより取得されるデータとしては、OCT画像の画像データ、検査データ、正面画像の画像データなどがある。検査データは、光学ユニット210による干渉光の検出結果を処理することにより生成される、被検眼の状態を示すデータを含む(詳細は後述する)。また、検査データは、自覚式視力検査により得られた視力値データや、正面画像の画像データを処理することにより生成されるデータを含んでいてよい。
記憶部242に記憶されるデータの例として、以下に説明する設定情報がある。設定情報は、光学ユニット210およびデータ処理部260に関する設定の内容が記録された情報である。設定情報は、たとえば、クラウドサーバ100から取得されて記憶部242に記憶される。具体例として、患者ユーザID(および認証情報)が入力されたことに対応し、制御部240は、この患者ユーザID等および装置IDを、通信部270を介してクラウドサーバ100に送信する。患者情報記憶領域121には、患者ユーザごとの設定情報があらかじめ記憶されている。患者情報管理部141は、この患者ユーザIDに対応する設定情報を検索する。演算制御部110は、当該装置IDに基づき通信部130を制御することにより、検索された設定情報を眼科検査装置200−aに送る。眼科検査装置200−aの主制御部241は、通信部270が受信した設定情報を記憶部242に格納する。また、主制御部241は、この設定情報に基づき眼科検査装置200−aの各部を制御することによって、当該被検眼Eの検査を実行する。
設定情報の例を説明する。設定情報はたとえば次の事項のうち少なくとも1つに関する設定内容を含む:(1)固視位置;(2)スキャンパターン;(3)合焦位置;(4)視度補正値;(5)解析処理。固視位置は、被検眼Eを固視させる方向を示す。
(1)「固視位置」は、被検眼Eを固視させる方向、つまりOCT計測が実行される被検眼Eの部位を示す。固視位置としては、黄斑およびその周囲のOCT計測を行うための固視位置、視神経乳頭およびその周囲のOCT計測を行うための固視位置、黄斑および視神経乳頭並びにこれらの周囲のOCT計測を行うための固視位置などがある。また、被検眼Eの任意の部位に対応する固視位置を設定することも可能である。固視位置は、たとえば、フラットパネルディスプレイ225による固視標の表示位置(画素の位置)を示す情報を含む。
(2)「スキャンパターン」は、被検眼Eに対する測定光の投射位置をどのようなパターンに沿って移動させるかを示す。スキャンパターンとしては、1以上のラインスキャン(水平スキャン、垂直スキャン)、1以上のクロススキャン、ラジアルスキャン、サークルスキャンなどがある。また、3次元画像(3次元データセット)を取得する場合には、複数のラインスキャンの間隔が十分に狭く設定された3次元スキャンが適用される。
(3)「合焦位置」は、OCT計測において適用されるフォーカス条件を示す。合焦位置は、たとえば、対物レンズ219の位置を示す情報を含む。
(4)「視度補正値」は、視度補正において適用される条件を示す。具体的には、被検眼Eの屈折力(視力値)を示す値、視度補正レンズの適用/非適用、視度補正レンズにより印加する屈折力を示す値などがある。
(5)「解析処理」は、光学ユニット210により取得されるデータに基づき実行される処理の内容、つまり取得される検査データの種別を示す。解析処理としては、たとえばクラウドサーバ100と同様に、眼底層厚解析、ドルーゼン解析、乳頭形状解析などがある。眼底層厚解析は、眼底の所定の層組織(網膜、網膜のサブ組織、脈絡膜、強膜等)の厚さを求めるための解析処理である。ドルーゼン解析は、加齢黄斑変性症の診断材料として用いられるドルーゼン(老廃物の塊)の分布を求めるための解析処理である。乳頭形状解析は、眼底の断面像や3次元画像を解析して、網膜の孔部(切れ目、欠損部位)を検出して視神経乳頭の形状を求める解析処理である。また、乳頭形状解析では、視神経乳頭の傾き(形状の非対称性)を求めることもできる。なお、これら解析処理については後述する。
被検者の左眼と右眼の双方のOCT計測を行う場合であって、特に左右で異なる設定が適用される場合には、左眼に関する設定情報(左眼用設定情報)と、右眼に関する設定情報(右眼用設定情報)とを別々に設けることが可能である。
設定情報の作成においては、被検眼Eの検査結果や検査条件、疾患名(その診断材料となるデータの種別など)などが参照される。たとえば、固視位置の設定は、過去のOCT計測において適用された固視位置や、疾患名を参照して行われる。スキャンパターンの設定は、過去のOCT計測において適用されたスキャンパターンや、疾患名を参照して行われる。合焦位置の設定は、過去のOCT計測において適用された合焦位置を参照して行われる。視度補正値の設定は、過去の検査で取得された視力値や屈折力を参照して行われる。解析処理の設定は、過去の検査で適用された解析処理の種別や、疾患名を参照して行われる。
検査結果、検査条件および/または疾患名と、設定内容との関係の具体例を説明する。黄斑の検査においては次のような設定内容を採用することができる。
(1)固視位置としては、スキャン範囲に黄斑が含まれるような固視位置、たとえば測定光路の光軸の延長上に黄斑が位置するような固視位置が採用される。
(2)スキャンパターンとしては、3次元スキャン、ラジアルスキャンおよび/またはラインスキャンが採用される。
(3)合焦位置としては、過去に実施されたOCT計測において適用された合焦位置、または被検眼Eの測定値(眼軸長、屈折力等)から演算によって得られる合焦位置が採用される。
(4)視度補正値としては、過去に実施されたOCT計測において適用された視度補正値、または被検眼Eの屈折力の測定値から得られる視度補正値が採用される。
(5)解析処理としては、眼底層厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)が用いられる。なお、この眼底層厚解析では、たとえば網膜の厚さが求められる(網膜厚解析)。
視神経乳頭の検査においては次のような設定内容を採用することができる。
(1)固視位置としては、スキャン範囲に視神経乳頭が含まれるような固視位置、たとえば、測定光路の光軸の延長上に視神経乳頭が位置するような固視位置が採用される。
(2)スキャンパターンとしては、3次元スキャンおよび/またはサークルスキャンが採用される。
(3)合焦位置としては、過去に実施されたOCT計測において適用された合焦位置、または被検眼Eの測定値(眼軸長、屈折力等)から演算によって得られる合焦位置が採用される。
(4)視度補正値としては、過去に実施されたOCT計測において適用された視度補正値、または被検眼Eの屈折力の測定値から得られる視度補正値が採用される。
(5)解析処理としては、眼底層厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)および/または乳頭形状解析が用いられる。なお、この眼底層厚解析では、たとえば網膜神経線維層の厚さが求められる(RNFL厚解析)。
緑内障の検査においては次のような設定内容を採用することができる。
(1)固視位置としては、スキャン範囲に黄斑が含まれるような固視位置(たとえば測定光路の光軸の延長上に黄斑が位置するような固視位置)、および/または、スキャン範囲に視神経乳頭が含まれるような固視位置(たとえば測定光路の光軸の延長上に視神経乳頭が位置するような固視位置)が採用される。
(2)スキャンパターンとしては、3次元スキャンが採用される。
(3)合焦位置としては、過去に実施されたOCT計測において適用された合焦位置、または被検眼Eの測定値(眼軸長、屈折力等)から演算によって得られる合焦位置が採用される。
(4)視度補正値としては、過去に実施されたOCT計測において適用された視度補正値、または被検眼Eの屈折力の測定値から得られる視度補正値が採用される。
(5)解析処理としては、網膜厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)、RNFL厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)、および/または乳頭形状解析が用いられる。
加齢黄斑変性症の検査においては次のような設定内容を採用することができる。
(1)固視位置としては、スキャン範囲に黄斑が含まれるような固視位置、たとえば測定光路の光軸の延長上に黄斑が位置するような固視位置が採用される。
(2)スキャンパターンとしては、3次元スキャンが採用される。
(3)合焦位置としては、過去に実施されたOCT計測において適用された合焦位置、または被検眼Eの測定値(眼軸長、屈折力等)から演算によって得られる合焦位置が採用される。
(4)視度補正値としては、過去に実施されたOCT計測において適用された視度補正値、または被検眼Eの屈折力の測定値から得られる視度補正値が採用される。
(5)解析処理としては、網膜厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)、および/またはドルーゼン解析が用いられる。
設定情報の編集を行うことも可能である。たとえば、担当医等は、被検眼Eの検査結果や検査条件、疾患名に関する情報を、当該被検者の電子カルテを参照しつつ編集(書き換え、追加、削除等)することができる。また、医療機関にて検査が行われた場合に適用された設定内容を現在の設定情報と比較し、この比較結果に基づいて自動または手動で設定情報の編集を行うようにしてもよい。
(画像形成部250)
画像形成部250は、CCDイメージセンサ223からの検出信号に基づいて、被検眼Eの2次元断面像の画像データを形成する。この処理には、従来のスペクトラルドメインタイプのOCTと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、分散補償、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理が含まれている。他のタイプのOCTが適用される場合、画像形成部250は、そのタイプに応じた公知の処理を実行する。
画像形成部250は、たとえば、専用の回路基板および/またはマイクロプロセッサを含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。
OCT画像を形成する機能の一部または全部をクラウドサーバ100に設けることが可能である。OCT画像を形成する機能の全部がクラウドサーバ100に設けられる場合、眼科検査装置200−aに画像形成部250を設ける必要はない。
眼科検査装置200−aに画像形成部250が設けられない場合、主制御部241は、通信部270を制御し、CCDイメージセンサ223からの検出信号(検出データ)またはこの検出データを加工したデータを、クラウドサーバ100に送信させる。クラウドサーバ100の検査データ処理部150は、眼科検査装置200−aから受信されたデータに基づいて、被検眼Eの2次元断面像の画像データを形成する。
眼科検査装置200−aおよびクラウドサーバ100の双方に画像形成機能が設けられる場合、たとえば、画像形成部250と検査データ処理部150との連係によって被検眼Eの2次元断面像の画像データを形成することができる。この場合における他の処理例として、クラウドサーバ100の処理負荷が高いときには眼科検査装置200−aに画像形成処理を実行させ、処理負荷が低いときにはクラウドサーバ100に処理を実行させることができる。この処理負荷の判定は、たとえば演算制御部110が行う。また、処理負荷の判定において、複数の眼科検査装置200−aの使用状況を考慮することが可能である。
(データ処理部260)
データ処理部260は、各種のデータ処理を実行する。たとえば、データ処理部260は、画像形成部250により形成された画像に対して画像処理を施す。その一例として、データ処理部260は、断面位置が異なる複数の2次元断面像に基づいて、被検眼Eの3次元画像の画像データを形成することができる。3次元画像の画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像データを意味する。3次元画像の画像データとしては、3次元的に配列されたボクセルからなる画像データがある。この画像データは、ボリュームデータ或いはボクセルデータなどと呼ばれる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、データ処理部260は、このボリュームデータに対してレンダリング処理(ボリュームレンダリングやMIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影)など)を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像の画像データを形成する。また、データ処理部260は、3次元画像の任意の断面を画像化することができる(MPR(Multi−Planar Reconstruction):断面変換)。
また、3次元画像の画像データとして、複数の断面像のスタックデータを形成することも可能である。スタックデータは、複数の走査線に沿って得られた複数の断面像を、走査線の位置関係に基づいて3次元的に配列させることで得られる画像データである。すなわち、スタックデータは、元々個別の2次元座標系により定義されていた複数の断面像を、1つの3次元座標系により表現する(つまり1つの3次元空間に埋め込む)ことにより得られる画像データである。データ処理部260は、スタックデータに基づくMPR処理を行うことが可能である。
データ処理部260は、たとえば、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、所定のデータ処理専用の回路基板などを含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、後述のデータ処理をマイクロプロセッサに実行させるコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。
データ処理部260は、検査データ生成部261と、静止判定部262と、左右判定部263とを有する。
(検査データ生成部261)
検査データ生成部261は、光学ユニット210による干渉光の検出結果を処理することにより、被検眼Eの状態を示す検査データを生成する。検査データ生成部261は処理部の一例である。検査データ生成部261が処理する「干渉光の検出結果」は、たとえば次のいずれかである。
(1)CCDイメージセンサ223から出力される信号
(2)画像形成部250により形成された画像データ
(3)画像形成部250が実行する処理の中間段階で得られるデータ(つまり、画像データ形成処理の途中で得られるデータ)
(4)CCDイメージセンサ223から出力される信号を画像形成部250以外の構成要素によって処理して得られるデータ
検査データ生成部261が実行する処理は、たとえば、眼底層厚解析(網膜厚解析、RNFL厚解析など)、網膜厚の比較解析、ドルーゼン解析、乳頭形状解析などを含んでいてよい。
フラットパネルディスプレイ225が自覚式視力検査用の視標(ランドルト環など)を表示可能である場合、検査データ生成部261は、自覚式視力検査の結果を含む検査データを生成することが可能である。自覚式視力検査は、被検眼Eに提示された視標に対して被検者が応答することによって行われる。検査データ生成部261は、所定のコンピュータプログラムにしたがい、被検者の応答の正否を判定する処理と、その判定結果に応じて次に提示される視標を決定する処理とを繰り返し行う。主制御部241は、検査データ生成部261により決定された視標をフラットパネルディスプレイ225に表示させる。このような処理を繰り返し行うことにより、検査データ生成部261は被検眼Eの視力値を決定し、この視力値を含む検査データを生成する。
(静止判定部262)
静止判定部262は、光学ユニット210により取得されるデータに基づいて被検眼Eが実質的に静止しているか否か判定する(静止判定処理)。「実質的に静止している」には、被検眼Eが静止している場合だけでなく、OCT計測に影響を与えない程度の動きを被検眼Eが行なっている場合も含まれる。この動きの許容範囲は、あらかじめ任意に設定される。
静止判定処理の例を説明する。第1の例として、測定光の戻り光の強度に基づく静止判定処理がある。測定光の戻り光の強度は、アライメントが合っている状態において最大となる(角膜からの正反射が最大となるため)。戻り光の強度の検出は、たとえば、戻り光の一部をフォトディテクタ等で検出することによって得られる。静止判定部262は、戻り光の強度の時間変化に基づいて、被検眼Eが実質的に静止しているか判定することができる。また、戻り光の強度は干渉光の強度に影響するので、CCDイメージセンサ223からの信号の強度の時間変化に基づいて静止判定を行うことも可能である。
第2の例として、前述の正面画像取得光学系が設けられている場合には、次のような静止判定処理を実行することが可能である。まず、正面画像取得光学系を用いて被検眼Eを動画撮影する。それにより、所定の時間間隔で被検眼Eの正面画像(フレーム)が得られる。静止判定部262は、逐次に入力される正面画像を解析し、被検眼Eの特徴部位を検出する。この特徴部位は、前眼部像においてはたとえば瞳孔(またはその中心)であり、眼底像においてはたとえば視神経乳頭(またはその中心)、黄斑(またはその中心)、血管、疾患部である。さらに、静止判定部262は、時系列で入力される正面画像における特徴部位の位置の変化を監視することにより、被検眼Eが実質的に静止しているか判定することができる。
(左右判定部263)
左右判定部263は、被検眼Eが左眼であるか右眼であるか判定する(左右判定処理)。左眼判定処理は、眼科検査装置200−aを用いて左右両眼の検査を行う場合に実行される。左右いずれか一方の眼の検査のみ行う場合、たとえば、検査対象の眼が左眼であるか右眼であるかを示す情報が記憶部242にあらかじめ記憶される。
なお、一方の眼のみが検査対象である場合であっても、誤って他方の眼の検査を行なってしまう事態を防止するために、左右判定処理を行なってもよい。つまり、たとえば左眼が検査対象として設定されている場合において、左右判定処理を行った結果、被検眼Eが右眼であると判定されたときに、所定の報知情報を出力するように構成することができる。この報知情報は、たとえば、表示部281若しくはフラットパネルディスプレイ225による表示情報、または図示しない音声出力部による聴覚情報である。また、測定光が可視成分を含んでいる場合においては、測定光を点滅させるなどして報知を行うことが可能である。
左右判定処理の例を説明する。第1の例として、ユニット駆動部210Aに対する制御状態に基づく左右判定処理がある。本例は、左眼を検査するときと、右眼を検査するときとで、光学ユニット210の位置が異なる構成が適用される場合に用いられる。前述のように、光学ユニット210は、主制御部241がユニット駆動部210Aを制御することによって移動される。主制御部241は、ユニット駆動部210Aを制御する度に、その制御内容を左右判定部263に送信する。左右判定部263は、主制御部241から入力される制御内容に基づいて、光学ユニット210が左眼を検査するための位置に配置されているか、または右眼を検査するための位置に配置されているか判定する。なお、左眼を検査するための位置の範囲、および、右眼を検査するための位置の範囲は、それぞれあらかじめ設定されている。
第2の例として、前述の正面画像取得光学系が設けられている場合には、正面画像を解析することによって左右判定処理を行うことが可能である。正面画像が前眼部像である場合、たとえば瞼の形状に基づいて目頭側および目尻側を特定でき、それにより被検眼Eが左眼か右眼かを判定することが可能である。また、正面画像が眼底像である場合、視神経乳頭の位置、黄斑の位置、視神経乳頭と黄斑との位置関係、血管の走行状態などによって、被検眼Eが左眼か右眼かを判定することができる。
なお、上記のような左右判定機能を設けないことも可能である。たとえば、被検眼Eが左眼であるか右眼であるかを、被検者または検者が操作部282を介して入力するように構成されていてよい。
眼科検査装置200−aにデータ処理部260を設けない構成を適用することも可能である。その場合、主制御部241は、通信部270を制御し、CCDイメージセンサ223からの検出信号(検出データ)若しくはこの検出データを加工したデータ、または画像形成部250により形成された画像データを、検査データとしてクラウドサーバ100に送信させる。クラウドサーバ100の検査データ処理部150は、眼科検査装置200−aから受信されたデータに基づいて、所定のデータ処理を実行する。
眼科検査装置200−aおよびクラウドサーバ100の双方にデータ処理機能が設けられる場合、たとえば、データ処理部260と検査データ処理部150との連係によって所定のデータ処理を実行することができる。この場合における他の処理例として、クラウドサーバ100の処理負荷が高いときには眼科検査装置200−aに所定のデータ処理を実行させ、処理負荷が低いときにはクラウドサーバ100に所定のデータ処理を実行させることができる。この処理負荷の判定は、たとえば演算制御部110が行う。また、処理負荷の判定において、複数の眼科検査装置200−aの使用状況を考慮することが可能である。
(通信部270)
通信部270は、通信回線Nを介してデータ通信を行う。データ通信の方式は任意である。たとえば、通信部270は、インターネットに準拠した通信インターフェイス、LANに準拠した通信インターフェイス、近距離通信に準拠した通信インターフェイスなどを含む。また、データ通信は有線通信でも無線通信でもよい。通信先は、たとえばクラウドサーバ100や患者端末300−bである。
通信部270による送受信されるデータは暗号化されていてもよい。その場合、制御部240(またはデータ処理部260)は、送信データを暗号化する暗号化処理部と、受信データを復号する復号化処理部とを有する。
〔患者端末300−b〕
患者端末300−bは、患者ユーザの使用に供されるコンピュータ端末である。患者端末300−bは、たとえば、患者ユーザが所有するコンピュータ端末や、患者ユーザに貸し出されるコンピュータ端末を含む。患者端末300−bの形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどがある。患者端末300−bには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば、汎用のブラウザおよび/または専用のアプリケーションソフトウェアを含む。
〔指定人端末400−c〕
指定人端末400−cは、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用可能な者として指定された者(指定人)の使用に供されるコンピュータ端末である。指定人は、患者ユーザや、診断医端末500−dの使用者以外のユーザである。指定人としては、患者関係者、診断医端末500−dまたは医療従事者端末650−fの使用者以外の医療従事者などがある。なお、医療従事者とは医療業務に従事する者の総称である。医療従事者の例として、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、保健師、助産師、臨床検査技師、衛生検査技師、診療放射線技師、診療X線技師、栄養士、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、救急救命士、医事会計担当者などがある。
指定人端末400−cは、たとえば、指定人が所有するコンピュータ端末、指定人に貸し出されるコンピュータ端末、または、所定の場所(たとえば薬局、眼鏡店、老人福祉施設、病院、診療所、オプトメトリスト等)に設置されたコンピュータ端末である。指定人端末400−cの形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどがある。指定人端末400−cには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば、汎用のブラウザおよび/または専用のアプリケーションソフトウェアを含む。
〔診断医端末500−d〕
診断医端末500−dは、クラウドサーバ100によるサービスの対象疾患の診断を行う医師(またはその診断結果をコンピュータに入力する者。まとめて診断医等と呼ぶことがある。)の使用に供されるコンピュータ端末である。診断医端末500−dは、たとえば、診断医等が所有するコンピュータ端末、診断医等に貸し出されるコンピュータ端末、または、所定の場所(たとえば病院、診療所、健康診断センター、人間ドックセンター、検診車等)に設置されたコンピュータ端末である。診断医端末500−dの形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどがある。診断医端末500−dには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば、汎用のブラウザおよび/または専用のアプリケーションソフトウェアを含む。
診断医端末500−dの利用者は患者ユーザの担当医であってよい。その場合、担当医は、診断医端末500−dを用いることにより、眼科検査装置200−aにより取得された検査データおよび/またはその解析結果に基づく診断レポートを作成する。また、診断医端末500−dの利用者は読影医であってよい。その場合、読影医は、診断医端末500−dを用いることにより、眼科検査装置200−aにより取得された検査データ(画像データ)に基づく読影レポートを作成する。この読影レポートは担当医の診断医端末500−dに送信される。担当医は、読影レポートを参照しつつ診断レポートを作成する。
〔医療機関内サーバ600−e〕
医療機関内サーバ600−eは、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用可能な医療機関(病院、診療所等)に設置されたサーバである。医療機関内サーバ600−eは、クラウドサーバ100と連係してサービスを提供し、たとえば、病院情報システム(オーダリングシステム、電子カルテシステム、画像ファイリングシステム、レセプトシステム等を含む)と連係して動作するよう構成されている。医療機関内サーバ600−eは、クラウドサーバ100が提供するサービスを複数のクライアント(医療従事者端末650−f)に提供する。医療機関内サーバ600−eには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば専用のアプリケーションソフトウェアを含む。
〔医療従事者端末650−f〕
医療従事者端末650−fは、クラウドサーバ100が提供するサービスを、医療機関内サーバ600−eを介して利用するために用いられる。医療従事者端末650−fは、たとえば、医療従事者が所有するコンピュータ端末、医療従事者に貸し出されるコンピュータ端末、または、所定の場所(病院、診療所等)に設置されたコンピュータ端末である。医療従事者端末650−fの形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどがある。医療従事者端末650−fには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば、汎用のブラウザおよび/または専用のアプリケーションソフトウェアを含む。なお、医療従事者端末650−fは、複数の診断医端末500−dのうちの少なくとも一部を含んでいてよい。
〔金融機関サーバ700−g〕
金融機関サーバ700−gは、銀行やクレジットカード会社が取り扱う情報を処理するためのサーバである。金融機関サーバ700−gは、クラウドサーバ100が提供するサービスにおいて当該金融機関に関する情報(課金に関する情報、料金の支払に関する情報等)をクラウドサーバ100との間でやりとりする。金融機関サーバ700−gには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば専用のアプリケーションソフトウェアを含む。
〔保険機関サーバ800−h〕
保険機関サーバ800−hは、公的保険機関や保険会社が取り扱う情報を処理するためのサーバである。保険機関サーバ800−hは、クラウドサーバ100が提供するサービスにおいて当該保険機関に関する情報(課金に関する情報、保険給付に関する情報等)をクラウドサーバ100との間でやりとりする。保険機関サーバ800−hには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば専用のアプリケーションソフトウェアを含む。
〔検査データ処理装置900〕
検査データ処理装置900は、たとえば、クラウドサーバ100や眼科検査装置200−aには搭載されていない解析処理を実行する場合に使用される。この解析処理は、オプションであってよく、追加の課金が発生するサービスであってよい。検査データ処理装置900により実行される解析処理は任意に決定される。
検査データ処理装置900による解析処理には、クラウドサーバ100や眼科検査装置200−aが実行する解析処理と同種の解析処理であって、より高精度および/または高確度な解析処理が含まれていてよい。たとえば、多数の被検眼について得られた臨床データベース(ビッグデータ)を利用して、クラウドサーバ100等と同種の解析処理を実行することができる。このビッグデータは、定期的にまたは非定期的に新規の臨床データを含むように更新される。
また、検査データ処理装置900による解析処理には、クラウドサーバ100や眼科検査装置200−aが実行する解析処理と異なる種別の解析処理が含まれていてよい。
検査データ処理装置900は、たとえば、患者ユーザまたは医師からのオーダに応じて解析処理を実行する。このオーダは、たとえば、検査ごとに任意的に入力される。或いは、このオーダは、あらかじめ設定された患者ユーザおよび/または検査種別に対して自動的に生成される。
[使用形態]
実施形態に係る眼科情報システム1の使用形態を説明する。以下、眼科情報システム1が提供するサービスの各種のフェーズについて、さらに、サービスの各種の形態について説明する。実際の運用においては、以下に説明される複数の使用形態のうちの1つ以上を選択的に適用することが可能である。或いは、実際の運用において、以下の使用形態のいずれとも異なるサービスを提供してもよい。ただし、そのサービスは、本発明の要旨の範囲に含まれるものである。
〔概要〕
まず、使用形態の概要について説明する。図5は、例示としての使用形態の全体の流れを表す。
(S1:患者ユーザの登録)
使用形態に係る処理は患者ユーザごとに実行される。各患者ユーザに関する処理の最初のステップは、眼科情報システム1が提供するサービスへの登録である。新規患者ユーザの登録は、たとえば、医師の診断を受けて行われる。具体的には、医師が或る患者について所定の疾患(加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症や緑内障など、当該サービスの対象である疾患)を有すると診断した場合、または所定の疾患を有するおそれがあると診断した場合、医師は、当該サービスを患者に紹介する。なお、当該サービスへの加入は任意である。
当該サービスへの加入を決定した患者は、患者情報、疾患名、契約している保険機関や金融機関に関する情報など、必要な情報を入力する。この入力作業は、たとえば、ウェブを通じて行われるか、或いは所定の用紙への記入により行われる。患者により入力された情報は、自動でまたは手動でクラウドサーバ100に入力される。
演算制御部110は、入力された情報を患者情報管理部141に送る。患者情報管理部141は、この入力情報に基づいて当該患者のユーザ登録を行う。ユーザ登録処理は、患者ユーザIDの発行、患者ユーザアカウントの作成、このアカウント(患者情報記憶領域121)への情報の格納などを含む。ユーザ登録が完了したら、クラウドサーバ100は、その旨を示す情報をこの新規患者ユーザに送るための処理を行う。この情報伝達処理の例として、この新規患者ユーザの患者端末300−b(および/または関係者の指定人端末400−c)に向けた電子メールの送信、携帯電話および/または固定電話への送話、ファクシミリへの送信、葉書や手紙の作成および送付などがある。
なお、当該サービスへの加入に際して必要な情報のうち少なくとも一部を医療機関内サーバ600−eからクラウドサーバ100に提供するようにしてもよい。
(S2:眼科検査の実施)
患者ユーザは、眼科検査装置200−aが設置されている場所を表す情報の提供を受ける。この処理の例として、クラウドサーバ100は、眼科検査装置200−aの設置場所を表すリストやマップを患者端末300−bに送信する。或いは、クラウドサーバ100により印刷出力されたリストやマップが患者ユーザに提供される。
提供されるリストやマップへの記載対象となる眼科検査装置200−aを、患者ユーザの所在地から選択することができる。たとえば、患者情報管理部141は、患者ユーザの住所に基づいて、全ての眼科検査装置200−aのうち、当該住所に対して所定の範囲(距離、道のり、時間、地域など)内に存在する眼科検査装置200−aを選択する。演算制御部110は、選択された眼科検査装置200−aの設置場所を表すリストやマップを作成し、通信部130を介して当該患者ユーザの患者端末300−bに送信する。
上記のようにして患者ユーザは眼科検査装置200−aの設置場所を認識することができる。患者ユーザは、所望のタイミングまたは既定のタイミングで所望の設置場所に行って眼科検査装置200−aを用いた検査を受ける。この検査は、検査のトレーニングを受けた検者により、または患者ユーザ自身により行われる。検査に際し、患者ユーザは、自身のユーザIDの入力を行う。眼科検査装置200−aは、患者ユーザの被検眼の検査を実施して検査データを生成する。さらに、眼科検査装置200−aは、患者ユーザIDと検査データとをクラウドサーバ100に送る。
クラウドサーバ100の患者情報管理部141は、眼科検査装置200−aから入力された患者ユーザIDに基づいて当該患者ユーザのアカウントを検索する。さらに、患者情報管理部141は、検索されたアカウントに検査データを格納する。また、患者情報管理部141は、今回の検査内容(検査日時、検査種別等)をアカウント中の検査履歴に追加する。
また、患者情報管理部141は、当該患者ユーザに関する既定の情報または今回の検査において入力された要求に基づいて、解析処理の要否を判定する。解析処理が必要である場合、患者情報管理部141は、患者ユーザIDと検査データ(および過去の医療情報。以下同様。)と解析処理種別とを演算制御部110に送る。演算制御部110は、解析処理種別に基づいて、患者ユーザIDと検査データと解析処理種別とを解析手段(検査データ処理部150または検査データ処理装置900)に送る。これら情報を取得した解析手段は、この検査データに基づく解析処理を実行し、それにより得られた解析結果を患者ユーザIDとともに演算制御部110に送る。演算制御部110は、この解析結果を当該患者ユーザのアカウントに格納し、かつ、今回の解析内容を検査履歴に追加する。
(S3:検査データを医療機関端末に送る)
続いて、患者情報管理部141は、当該患者ユーザのアカウントに記録されている医療機関の識別情報(および当該医療機関における患者ID)に基づいて、検査データ等の送信先となる医療機関端末(診断医端末500−d、または医療機関内サーバ600−e(および医療従事者端末650−f))を特定する。演算制御部110は、特定された医療機関端末に向けて、ステップS2で取得された検査データや解析結果を患者ユーザIDとともに送信する。送信先である医療機関端末は、たとえば、ステップS1で当該患者ユーザの診断を行った医師により使用されるコンピュータ端末である。
(S4:診断レポートの作成)
検査データ等を受けた医師は診断レポートを作成する。医療機関端末には、検査データ(解析結果を含む)に基づくレポートを作成するためのユーザインターフェイスが搭載されている。このユーザインターフェイスは、表示デバイスや操作デバイスのようなハードウェアだけでなく、レポート作成用ツール(表示画面やソフトウェアキー等)を提供するためのソフトウェアを含んでいてよい。医療機関端末は、作成された診断レポートを患者ユーザIDとともにクラウドサーバ100に送る。
(S5:診断レポートの格納)
クラウドサーバ100の患者情報管理部141は、この患者ユーザIDにより当該患者ユーザのアカウントを検索し、検索されたアカウントに診断レポートを格納する。
(S6:診断レポートを患者ユーザに送る)
演算制御部110は、この診断レポートを当該患者ユーザに送るための処理を実行する。この処理は、たとえば、診断レポートを電子メールに添付して患者端末300−bおよび/または指定人端末400−cに送信することにより行われる。また、前述したように、FAX、葉書、手紙等によって診断レポートを送るようにしてもよい。
(S7:課金処理および報酬額算出処理)
料金処理部170は、この患者ユーザに対する課金処理と、所定ユーザへの報酬額を算出する処理とを、たとえば前述した要領で実行する。
患者情報管理部141は、課金に関する情報(サービス利用日時、サービスの内訳、課金額等)を当該患者ユーザのアカウントに記録する。同様に、金融機関情報管理部144および/または保険機関情報管理部145は、課金に関する情報と患者ユーザに関する情報とを、対応するアカウントに記録する。記録された課金に関する情報は、所定のタイミングで集計されてユーザに送られる。
さらに、ユーザ情報管理部140は、報酬を受けるユーザ(医療機関、検査装置設置機関等)のアカウントに、報酬に関する情報(患者ユーザに関する情報、サービス利用日時、サービスの内訳、報酬の内訳、報酬額等)を記録する。記録された報酬に関する情報は、所定のタイミングで集計されてユーザに送られる。
以上が、例示としての使用形態の全体の流れである。以下、いくつかの段階において実行される処理の例を説明する。
〔来院要求に関する処理〕
診断レポートに来院要求が含まれている場合がある。来院要求とは、医師が患者ユーザに対して医療機関での診療を要求することである。来院要求は、たとえば、医師が検査データや解析結果に基づき来院が必要であると判断したときや、定期的な来院が必要な場合に次回の来院時期が到来するときに発生する。来院要求は、たとえば前述のように、来院の要否を示す情報(文字列情報、チェックマークの有無等)を少なくとも含み、さらに来院予定日などを含んでよい。
来院要求に関する処理が適用される場合、クラウドサーバ100のレポート処理部160は、来院要求判定部161を含む(図6Aを参照)。来院要求判定部161は、患者ユーザに対する来院要求が診断レポートに含まれているか判定する。来院要求判定部161は、診断レポート中の来院要求記載欄に入力されている情報に基づいて、来院の要否を判定する。来院予定日が記載されている場合、来院要求判定部161は、この来院予定日を認識する。また、来院予定日が記載されていない場合、患者情報管理部141は、来院日を決定するために、当該患者ユーザ(患者端末300−bおよび/または指定人端末400−c)との間で情報の送受を行うよう構成されていてよい。
来院要求に関する処理の例を図6Bに示す。図5のステップS4と同様にして作成された診断レポートは、クラウドサーバ100に送られる(S11、S12)。来院要求判定部161は、患者ユーザに対する来院要求が診断レポートに含まれているか判定する(S13)。
診断レポートに来院要求が含まれている場合(S14:YES)、演算制御部110は、この診断レポートと来院要求情報を当該患者ユーザに送るための処理を実行する(S15)。この処理は、患者端末300−bおよび/または指定人端末400−cに対する電子メールおよび添付情報の送信である。来院要求情報には、たとえば、患者ユーザに来院(通院)を促す旨のメッセージと、対応する医療機関や医師に関する情報と、来院予定日とを含む。来院予定日が含まれている場合、当該日に通院することが可能か否か返答するための情報を含んでいてよい。患者ユーザは、たとえば患者端末300−bを操作することにより、当該日の通院が可能な否かをクラウドサーバ100に通知する。演算制御部110は、この通知内容を診断医端末500−dまたは医療機関内サーバ600−eに送信する。また、患者情報管理部141は、来院要求があったことと、それに対する通知内容とを、当該患者ユーザのアカウントに記録する。
診断レポートに来院要求が含まれていない場合(S14:NO)、演算制御部110は、図5のステップ6と同様に、診断レポートを当該患者ユーザに送るための処理を実行する(S17)。なお、来院要求が無い旨のメッセージを診断レポートとともに送るように構成してもよい。以上で、例示としての来院要求に関する処理は終了となる。
〔検査要求に関する処理〕
眼科情報システム1は、患者ユーザに検査の実施を要求する処理を実行することができる。この検査要求処理は、たとえば、検査の実施頻度が低い患者ユーザに対して行われる。以下、検査要求処理の例を説明する。
検査要求処理が適用される場合の構成の例を図7Aに示す。患者情報記憶領域121には、検査履歴情報1211と、検査タイミング情報1212とが記憶される。検査履歴情報1211は、前述のように、各患者ユーザのアカウントに格納される情報であり、既に実施された検査の内容(検査日時、検査種別等)を含む。検査タイミング情報1212は、検査を実施すべきタイミングを表す。検査タイミング情報1212は、たとえば、検査の実施間隔や、検査の実施スケジュール(日付)を含む。本例では、患者ユーザごとに検査タイミング情報1212が設けられているが、これに限定されない。たとえば、疾患や使用薬剤などの属性ごとに検査タイミング情報1212を設けることが可能である。本例では、検査の実施間隔を含む検査タイミング情報1212が患者ユーザごとに設けられている場合について詳しく説明するが、他の構成の場合であっても同様の処理を実行することができる。
患者情報管理部141には端末選択部1411が設けられている。端末選択部1411は、検査タイミング情報1212に基づいて、いずれかの患者側端末(患者端末300−bおよび/または指定人端末400−c)を選択する。特に、本例においては、端末選択部1411は、患者情報記憶領域121に記憶されている最新の検査実施日と検査の実施間隔とに基づいて、患者側端末の選択を行う。最新の検査実施日は、検査履歴情報1211に記録されている検査日時のうち最新のものに相当する。検査の実施間隔は、検査タイミング情報1212に含まれている。
端末選択部1411は、たとえば、あらかじめ指定された患者ユーザについて上記処理を実行する。この場合、患者側端末の選択は、当該患者ユーザに対して検査要求を行うか判定することに相当する。他の例においては、端末選択部1411は、所定のタイミングで複数の患者ユーザについて上記処理を実行することにより、検査要求の通知対象となる患者ユーザ(患者側端末)を特定する。
端末選択部1411が実行する処理の具体例を説明する。検査タイミング情報1212には、検査の実施間隔として「30日」が記録されているとする。また、検査履歴情報1211には、最新の検査実施日として「2014年3月1日」が記録されているとする。端末選択部1411は、最新の検査実施日「2014年3月1日」に検査の実施間隔「30日」を加算する。それにより「2014年3月31日」が得られる。この日を「算出日」と呼ぶ。
端末選択部1411は、算出日「2014年3月31日」と所定日とを比較する。所定日は任意に設定される。たとえば、所定日は、現在日(端末選択部1411による処理の実行日)でもよいし、それ以外でもよい。後者の例として、現在日よりも前の日を設定することができる。この遡及期間は、たとえば、検査要求の通知から検査を実施するまでに必要と考えられる期間を考慮して設定される。
算出日が所定日と同じか所定日より前である場合、端末選択部1411は、当該患者ユーザは検査要求の通知対象であると判断する。これに対し、算出日が所定日より後である場合、端末選択部1411は、当該患者ユーザは検査要求の通知対象ではないと判断する。具体例を説明する。現在日(所定日)が「2014年4月1日」である場合、算出日「2014年3月31日」は現在日「2014年4月1日」より前である。算出日「2014年3月31日」は、検査履歴情報1211に記録されている最新の検査実施日「2014年3月1日」の後、最初に検査を受けるべき期間の最終日である。この最終日が現在日「2014年4月1日」と同じかそれよりも前であることは、検査を受けるべき期間の最終日である現在日になっても当該患者ユーザは検査を受けていないことを意味する。したがって、当該患者ユーザは検査要求の通知対象となる。逆に、現在日(所定日)が「2014年3月15日」である場合、算出日「2014年3月31日」は現在日「2014年3月15日」より後である。つまり、検査を受けるべき期間の最終日は未だ到来していない。この場合、当該患者ユーザは検査要求の通知対象とはならない。
検査要求に関する処理の例を図7Bに示す。検査履歴情報1211および検査タイミング情報1212は、あらかじめ記憶されている。演算制御部110は、所定のタイミングで端末選択部1411の動作を開始する。端末選択部1411は、検査履歴情報1211を参照することにより最新の検査日時を取得する(S21)。次に、端末選択部1411は、取得された最新の検査実施日に、検査タイミング情報1212に記録されている検査実施間隔を加算する(S22)。続いて、端末選択部1411は、この加算処理により得られた算出日と所定日(現在日等)とを比較する(S23)。
算出日が所定日よりも後である場合(S24:NO)、当該患者ユーザは検査要求の通知対象ではないと判断され、当該患者ユーザに関する処理は終了となる。
一方、算出日が所定日と同じか所定日よりも前である場合(S24:YES)、当該患者ユーザは検査要求の通知対象であると判断される。この判断結果が得られた場合、患者情報管理部141は、当該患者ユーザの患者側端末(患者端末300−bおよび/または指定人端末400−c)のアドレスを、当該患者ユーザのアカウントから取得する。演算制御部110は、患者情報管理部141によって取得されたアドレスの患者側端末に検査の実施を要求する情報(検査実施要求)を送信するように通信部130を制御する(S25)。この検査実施要求には、たとえば、検査の実施を促す旨のメッセージと、検査を完了すべき日付とが含まれる。また、検査実施要求は、当該患者ユーザの所在地から決定された眼科検査装置200−aの所在地などを含んでいてもよい。
なお、ファクシミリ、葉書、手紙等の通信手段を用いて検査実施要求を通知するように構成することも可能である。以上で、例示としての検査要求に関する処理は終了となる。
〔眼科検査装置の所在地を通知する処理〕
眼科情報システム1は、眼科検査装置200−aの所在地を患者ユーザに通知する処理を実行することができる。この処理は、たとえば、患者ユーザが通常の所在地(自宅等)以外の場所に滞在しているとき(たとえば旅行中)に、滞在地の近隣の眼科検査装置200−aを提供する場合などに有効である。また、患者ユーザが引っ越しをした場合などにも有効である。以下、本例に係る処理について説明する。
本例に係る処理が適用される場合の構成の例を図8Aに示す。患者情報記憶領域121には、患者所在地情報1213が記憶される。患者所在地情報1213は、患者ユーザの所在地を表す。患者所在地情報1213は、患者ユーザ等によりあらかじめ入力された情報(自宅等の所在地、旅行スケジュール等)を含んでいてよい。また、患者所在地情報1213は、実質的にリアルタイムで取得された情報を含んでいてよい。実質的にリアルタイムで取得された情報とは、患者ユーザが現在滞在している場所や地域を表す情報である。この情報は、たとえば、患者端末300−bに搭載されている現在地特定機能(衛星測位システム等)によって提供される。
検査装置情報記憶領域123には、眼科検査装置200−aが設置されている機関の名称(薬局名や眼鏡店名など)と、その機関の連絡先(所在地、電話番号、メールアドレス、IPアドレス、担当者の氏名等)とが記憶されている。特に、検査装置設置機関の所在地は、装置所在地情報1231として記憶されている。ユーザ情報管理部140の検査装置情報管理部143には検査装置選択部1431が設けられている。検査装置選択部1431は、或る患者ユーザの所在地と装置所在地情報1231とに基づいて、複数の眼科検査装置200−aのいずれかを選択する。この処理の具体例については後述する。
眼科検査装置の所在地を患者ユーザに通知する処理の例を図8Bに示す。或る一人の患者ユーザを考慮する。この患者ユーザの患者端末300−b(または指定人端末400−c)は、GPS等の衛星測位システムによって現在地を取得する(S31)。この現在地は、患者ユーザの所在地とみなされる。患者端末300−bは、取得された現在地を表す情報(現在地情報)を患者ユーザIDとともにクラウドサーバ100に送る(S32)。患者情報管理部141は、患者端末300−bから送られた患者ユーザIDに対応するアカウントを検索し、このアカウントに現在地情報を格納する(S33)。格納された現在地情報は患者所在地情報1213として用いられる。
患者情報管理部141は、患者所在地情報1213に記録されている現在地情報を検査装置情報管理部143に送る。検査装置選択部1431は、この現在地情報と装置所在地情報1231とに基づいて、管理下にある複数の眼科検査装置200−aのいずれかを選択する。この処理は、たとえば、患者ユーザの現在地に対して所定範囲(距離、道のり、時間、地域など)に設置場所が含まれる眼科検査装置200−aを特定することにより行われる(S34)。
ユーザ情報管理部140は、検査装置選択部1431により特定された各眼科検査装置200−aに関する情報を演算制御部110に送る。この情報(特定検査装置情報)には、たとえば、設置機関の名称(薬局名や眼鏡店名など)と、その機関の連絡先(所在地、電話番号等)が含まれている。演算制御部110は、特定検査装置情報を患者ユーザに通知する(S35)。この通知処理は、たとえば、当該患者ユーザの患者端末300−bおよび/または指定人端末400−cに電子メールを送信することにより行われる。以上で、例示としての検査装置の所在地を通知する処理は終了となる。
〔課金処理・報酬額算出処理について〕
前述したように、クラウドサーバ100の料金処理部170は、課金処理と報酬額算出処理とを実行する。課金処理は、あらかじめ設定されたサービスをユーザが利用したときに、その利用料を当該ユーザに請求するために行われる。報酬額算出処理は、一のユーザが他のユーザに対して所定のサービスを提供した場合に、そのサービスを提供したユーザが受け取る報酬額を決定するために行われる。以下、課金処理および報酬額算出処理において実行される処理の例を説明する。
料金処理部170は、課金が発生したときに、その課金額と報酬額算出規則126とに基づいて、所定のユーザに対する課金処理と、他の一以上のユーザに対する報酬額算出処理とを実行する。一例として、診断レポートが患者端末300−b等に送信されたことに対応し、料金処理部170は、この診断レポートの作成を行った医療機関(または医師)と、この診断レポートのための検査を実施した眼科検査装置200−aの設置機関(薬局、眼鏡店等)と、眼科情報システム1の運営機関のそれぞれに対する報酬額を算出する。医療機関への報酬は、診断レポートの作成を含む医療行為に対して発生する。検査装置設置機関への報酬は、眼科検査装置200−aが設置されていることに対して発生する。システム運営機関への報酬は、当該システムの利用に対して発生する。なお、報酬の対象はこれらに限定されない。たとえば、検査データ処理装置900が利用された場合、その運用機関に対する報酬が発生する。また、オプションサービスが提供された場合、その提供機関に対して報酬が発生する。
医療機関に対する報酬を各医療機関のアカウントで管理するように眼科情報システム1を構成することができる。その場合、クラウドサーバ100の記憶部120に、各医療機関ユーザに対応するアカウント(医療機関情報記憶領域122)が設けられる。各医療機関情報記憶領域122は、その医療機関ユーザのユーザID(医療機関ID、医療機関識別情報)に関連付けられている。
料金処理部170により報酬額が算出された場合であって、報酬の対象に医療機関が含まれている場合、演算制御部110は、その医療機関のユーザIDと報酬情報とを医療機関情報管理部142に送る。医療機関情報管理部142は、この医療機関IDに関連付けられたアカウントを検索し、このアカウントに報酬情報を格納する。報酬情報には、たとえば、報酬額、報酬の対象となったサービスの種別、サービスが提供された日時、課金されたユーザの識別情報(患者ユーザID等)などが含まれている。
上記のようにして、各医療機関ユーザのアカウントに報酬情報が蓄積される。医療機関情報管理部142は、各医療機関ユーザのアカウントに蓄積された報酬情報を集計する。集計された報酬情報は、対応する医療機関ユーザに通知される。この通知処理は、たとえば、演算制御部110が医療機関内サーバ600−eに集計データを送信する処理を含む。なお、上記のような集計処理を行う代わりに、報酬が発生する度に報酬情報を送信するように構成してよい。また、2以上の医療機関がグループを形成している場合、これら医療機関についての報酬情報を集計するように構成してよい。
眼科情報システム1の利用料(課金額)は、実質的には、対応するサービスを利用したユーザに対して請求されるが、当該ユーザと異なるユーザに対して課金額を通知する場合もある。たとえば、患者ユーザが保険に加入している場合において、患者ユーザによるサービスの利用に対する課金額を保険機関に送付することがある。このような場合に実行される処理の例を説明する。
図1に示すように、クラウドサーバ100は、各保険機関ユーザの保険機関サーバ800−hと通信回線Nを介して通信可能である。また、クラウドサーバ100の記憶部120には、各保険機関ユーザのアカウント(保険機関情報記憶領域125)が設けられており、保険機関情報管理部145が各アカウントを管理している。各アカウントには、その保険機関に加入している患者ユーザのユーザIDが記憶されている。同様に、各患者ユーザのアカウントには、その患者ユーザが加入している保険機関のユーザIDが記憶されている。なお、患者ユーザIDと保険機関ユーザIDとを関連付ける情報はこのような形態には限定されない。たとえば、患者ユーザIDと保険機関ユーザIDとを関連付ける情報を独立に設けることができる。
患者ユーザに対する課金が発生したときに、患者情報管理部141または保険機関情報管理部145は、上記関連情報を参照することにより、当該患者ユーザのユーザIDに関連付けられた保険機関ユーザIDを特定する。保険機関情報管理部145は、特定された保険機関ユーザIDに関連付けられたアカウントから、当該保険機関ユーザの保険機関サーバ800−hのアドレスを取得する。また、保険機関情報管理部145は、当該患者ユーザに関する情報(患者ユーザID等)と、今回の課金に関する情報(課金額、サービス提供日等)とを、当該保険機関ユーザのアカウントに格納する。
演算制御部110は、保険機関情報管理部145により取得されたアドレスの保険機関サーバ800−hに、課金に関する情報(課金情報)を送信するよう通信部130を制御する。この送信処理は、たとえば、保険機関情報管理部145により集計された課金情報を所定のタイミングで送信することにより行われる。或いは、この送信処理は、課金が発生する度に実行される。
以上、保険機関に対して課金情報を送信する場合について説明したが、銀行やクレジットカード会社等の金融機関ユーザに対して課金情報を送信することも可能である。この処理は、患者情報記憶領域121、金融機関情報記憶領域124、患者情報管理部141、金融機関情報管理部144、演算制御部110、通信部130、金融機関サーバ700−g等により、同様にして実行することができる。
[効果]
実施形態に係る眼科情報システムの効果について説明する。
実施形態に係る眼科情報システムは、サーバと、複数の医療機関端末と、複数の眼科検査装置と、複数の患者側端末とを含む。各医療機関端末、各眼科検査装置および各患者側端末は、通信回線を介してサーバと通信可能とされている。
上記の例において、サーバはクラウドサーバ100に相当し、複数の医療機関端末は診断医端末500−dおよび/または医療従事者端末650−fに相当し、複数の眼科検査装置は眼科検査装置200−aに相当し、複数の患者側端末は患者端末300−bおよび/または指定人端末400−cに相当する。
眼科検査装置は、複数の医療機関と異なる施設に設置されている。この施設の例として、薬局、眼鏡店、オプトメトリスト、老人福祉施設などがある。眼科検査装置は、第1の通信部と、受付部と、検査部と、第1の制御部とを含む。
第1の通信部は、通信回線を介して通信を行う機能を有する。上記の例において、第1の通信部は通信部270に相当する。
受付部は、患者識別情報(患者ユーザID)を受け付ける機能を有する。上記の例において、受付部はユーザインターフェイス280に相当する。なお、受付部は、記録媒体から患者ユーザID等を読み取るリーダなどであってもよい。
検査部は、眼を光学的に検査することにより検査データを生成する機能を有する。上記の例において、検査部は光学ユニット210、画像形成部250および検査データ生成部261に相当する。
第1の制御部は、受付部により受け付けられた患者識別情報と検査部により生成された検査データとを関連付けする。さらに、第1の制御部は、関連付けられた患者識別情報と検査データとをサーバに送信するよう第1の通信部を制御する。上記の例において、第1の制御部は制御部240に相当する。
医療機関端末は、医療機関において使用される。医療機関端末は、第2の通信部と、ユーザインターフェイスと、第2の制御部とを含む。
第2の通信部は、通信回線を介して通信を行う機能を有する。
ユーザインターフェイスは、眼科検査装置により生成された検査データに基づくレポートを作成するために用いられる。ユーザインターフェイスを提供する形態は任意である。たとえば、ユーザインターフェイスは、デスクトップアプリケーション、ウェブアプリケーション、クラウドアプリケーションとして提供される。ユーザインターフェイスは、たとえば、検査データやその解析結果を含む各種の医療情報を表示する表示手段と、レポートを作成するための入力操作を行うための操作手段(入力手段)とを含む。
第2の制御部は、ユーザインターフェイスを用いて作成されたレポートをサーバに送信するよう第2の通信部を制御する。上記の例において、レポートは、診断医端末500−dからクラウドサーバ100に直接に送信され、または、医療従事者端末650−fから医療機関内サーバ600−eを介してクラウドサーバ100に送信される。
サーバは、第3の通信部と、記憶部と、データ処理部と、第3の制御部とを含む。
第3の通信部は、通信回線を介して通信を行う機能を有する。上記の例において、第3の通信部は通信部130に相当する。
記憶部は、複数の患者(患者ユーザ)に対応する複数の患者識別情報にそれぞれ関連付けられた複数の患者情報記憶領域を含む。さらに、記憶部は、各患者識別情報に対して複数の医療機関のいずれかの医療機関識別情報(医療機関ユーザID)が関連付けられた第1の関連情報をあらかじめ記憶している。上記の例において、記憶部は記憶部120に相当し、患者情報記憶領域は患者情報記憶領域121に相当する。また、第1の関連情報は、たとえば、各患者ユーザのアカウント(患者情報記憶領域121)に記憶されている。或いは、第1の関連情報は、複数の患者に関する情報(患者ユーザID等)と複数の医療機関に関する情報(医療機関ユーザID)とが関連付けられた、独立の情報であってよい。なお、医療機関識別情報は、医師個人に付与された識別情報(医師ユーザID)を含む概念である。
データ処理部は、第3の通信部が眼科検査装置から患者識別情報および検査データを受信したときに、この患者識別情報に対応する医療機関端末を複数の医療機関端末のうちから特定する。この特定処理は、第1の関連情報を参照することにより行われる。上記の例において、この特定処理はユーザ情報管理部140等により実行される。
第3の制御部は、眼科検査装置からサーバに送られた患者識別情報および検査データを、データ処理部により特定された医療機関端末に送信するよう第3の通信部を制御する。さらに、第3の制御部は、第3の通信部が医療機関端末から患者識別情報およびレポートを受信したことに対応し、少なくとも次の2つの処理を実行する。第1の処理として、第3の制御部は、この患者識別情報に関連付けられた患者情報記憶領域に、このレポートの少なくとも一部を記憶させる。第2の処理として、第3の制御部は、この患者識別情報に対応する患者側端末に、このレポートの少なくとも一部を送信するよう第3の通信部を制御する。なお、第1の処理において患者情報記憶領域に記憶される情報と、第2の処理において患者側端末に送信される情報とは、同じでもよいし異なってもよい。上記の例において、第3の制御部は、演算制御部110(およびユーザ情報管理部140)に相当する。
このような構成を有する眼科情報システムによれば、薬局やオプトメトリスト等の医療機関以外の施設において眼の検査を実施し、それにより得られた検査データに基づいて医師がレポートを作成し、このレポートを患者に提供することができる。すなわち、患者は、所在地の近隣の施設で検査を行うだけで診断結果を取得することが可能である。また、眼科検査装置の操作方法を薬局等の従業員に教授することにより、検査を円滑に行うことが可能となる。したがって、長期的な病態管理が必要な疾患についての検査を、従来よりも日常的にかつ手軽に行うことができる。このように、実施形態に係る眼科情報システムによれば、病態の長期管理を好適に行うことが可能な新たな技術を提供することが可能である。
実施形態に係る眼科情報システムにおいて、サーバのデータ処理部は、第3の通信部が受信したレポートに患者に対する来院要求が含まれているか否か判定する判定部を含んでいてよい。さらに、第3の制御部は、来院要求が含まれていると判定された場合と、来院要求が含まれていないと判定された場合とで、異なる処理を実行することができる。なお、上記の例において、判定部は来院要求判定部161に相当する。この構成によれば、来院要求の有無に応じた適当な処理を提供することが可能となる。
レポートに来院要求が含まれていると判定された場合、第3の制御部は次の処理を実行するよう構成されていてよい。まず、第3の制御部は、第1の関連情報を参照することにより、当該患者の患者識別情報に関連付けられている医療機関識別情報を特定する。次に、第3の制御部は、特定された医療機関識別情報に対応する医療機関への来院を要求する情報を、この患者識別情報に対応する患者側端末に送信するように第3の通信部を制御する。この構成によれば、レポートに来院要求が含まれている場合に、その旨を対象患者に通知することが可能である。患者は、この通知によって医療機関での診療が必要なことを認識することができる。
レポートに来院要求が含まれていると判定された場合、第3の制御部は、当該患者の患者識別情報に関連付けられた患者情報記憶領域に、判定部による判定結果(来院要求があったこと)を記憶させるよう構成することが可能である。また、任意的ではあるが、レポートに来院要求が含まれていない場合においても同様の処理(来院要求がなかったことを記憶する処理)を実行してよい。この構成によれば、来院要求の有無を蓄積することにより、来院状況や病態を把握することが可能となる。
実施形態に係る眼科情報システムは、次の構成を備えていてよい。まず、検査を実施すべきタイミングを表す検査タイミング情報が、サーバの記憶部にあらかじめ記憶される。データ処理部は、検査タイミング情報に基づいて、複数の患者側端末のいずれかを選択する第1の選択部を含む。第3の制御部は、選択された患者側端末に検査の実施を要求する情報を送信するよう第3の通信部を制御する。なお、上記の例において、第1の選択部は端末選択部1411に相当する。また、本例により要求される検査は、医療機関以外で行ってよいし(つまり複数の眼科検査装置のいずれかで行ってもよいし)、医療機関で行ってもよい。この構成によれば、好適なタイミングで検査を行うよう患者に指示を出すことができる。よって、病態の長期管理を好適に行うことが可能となる。
この構成は次のように具体化されてよい。本例において、検査タイミング情報は、検査の実施間隔を表す情報を含む。第3の通信部が複数の眼科検査装置のいずれかから患者識別情報および検査データを受信したとき、第3の制御部は、この患者識別情報に関連付けられた患者情報記憶領域に、この検査データが取得された日を表す検査実施日を記憶させる。それにより、検査履歴が患者ごとに管理される。第1の選択部は、患者情報記憶領域に記憶されている最新の検査実施日と、検査タイミング情報に含まれる実施間隔とに基づいて、患者側端末の選択を行う。この構成によれば、適当な時間間隔で検査を行っていない患者に対して選択的に検査の実施を要求することができる。
実施形態に係る眼科情報システムは、次の構成を備えていてよい。まず、サーバの記憶部は、複数の眼科検査装置のそれぞれの所在地を表す装置所在地情報をあらかじめ記憶している。第3の制御部は、患者の所在地を表す患者所在地情報を、対応する患者情報記憶領域に記憶させる。患者所在地情報は、たとえば、衛星測位システム等によって自動でサーバに入力される。或いは、患者所在地情報は、患者やその関係者により手作業で入力される。データ処理部は、一の患者の患者所在地情報と装置所在地情報とに基づいて、複数の眼科検査装置のいずれかを選択する第2の選択部を含む。この選択処理は、たとえば、距離、道のり、移動時間、地域などを基準として行われる。第3の制御部は、第2の選択部により選択された眼科検査装置の所在地を表す情報を、この患者に対応する患者側端末に送信するよう第3の通信部を制御する。この構成によれば、アクセスし易い眼科検査装置の所在地を患者に提供することができる。したがって、検査に要する患者の負担を軽減することが可能である。なお、上記の例において、第2の選択部は検査装置選択部1431に相当する。
実施形態に係る眼科情報システムにおいて、サーバのデータ処理部は報酬処理部を含んでいてよい。報酬処理部は、課金が発生したときに、この課金の額とあらかじめ決められた規則とに基づいて、複数の医療機関のいずれかと、複数の眼科検査装置のいずれかが設置されている機関と、システム運営機関とを含む複数の機関のそれぞれの報酬額を算出する。ここで、複数の機関のいずれかに対する報酬額はゼロでもよい。この構成によれば、複数のユーザに対する報酬額の分配を自動で行うことができる。なお、上記の例において、報酬処理部は料金処理部170に相当し、上記規則は報酬額算出規則126に相当する。
報酬処理部は次のように構成されていてよい。レポートが患者側端末に送信されたことを受けて、報酬処理部は、このレポートの作成を行った医療機関と、このレポートの作成に用いられた検査データを生成した眼科検査装置が設置されている機関と、システム運営機関とを含む複数の機関のそれぞれの報酬額を算出する。この構成によれば、検査およびレポート作成が実施されたことに対する課金額をそれらに関与したユーザに報酬として自動で分配することができる。
実施形態に係る眼科情報システムは次のように構成されていてよい。まず、サーバの記憶部は、複数の医療機関に対応する複数の医療機関識別情報にそれぞれ関連付けられた複数の医療機関情報記憶領域を含む。報酬処理部により報酬額が算出されたとき、第3の制御部は、その医療機関の医療機関識別情報に関連付けられた医療機関情報記憶領域に、その医療機関の報酬額を記憶させる。なお、上記の例において、医療機関情報記憶領域は医療機関情報記憶領域122に相当する。この構成によれば、複数の医療機関に対する報酬額を医療機関ごとに管理することが可能である。したがって、各医療機関に対する報酬額の集計や通知を好適に行うことができる。
実施形態に係る眼科情報システムは次のように構成されていてよい。サーバは、1以上の保険機関のそれぞれに関する情報を管理する保険機関サーバと通信回線を介して通信可能である。サーバの記憶部は、各患者識別情報に対して1以上の保険機関のいずれかの保険機関識別情報が関連付けられた第2の関連情報をあらかじめ記憶している。データ処理部は、課金が発生したときに、この課金に関する患者の患者識別情報に関連付けられた保険機関識別情報を第2の関連情報に基づき特定する。さらに、第3の制御部は、特定された保険機関識別情報に対応する保険機関サーバに、この課金の額を送信するよう第3の通信部を制御する。この構成によれば、患者に対する課金額を保険機関に請求する場合に、この請求処理を自動で行うことができる。なお、上記の例において、保険機関サーバは保険機関サーバ800−hに相当する。第2の関連情報は、たとえば、各患者ユーザのアカウント(患者情報記憶領域121)に記憶されている。或いは、第2の関連情報は、複数の患者に関する情報(患者ユーザID等)と複数の保険機関に関する情報(保険機関ユーザID)とが関連付けられた、独立の情報であってよい。上記の例において、課金についてデータ処理部が実行する処理は、料金処理部170が実行する課金処理に相当する。
実施形態に係る眼科情報システムは次のように構成されていてよい。サーバの記憶部は、1以上の医療機関に対応する1以上の保険機関識別情報にそれぞれ関連付けられた1以上の保険機関情報記憶領域を含む。さらに、記憶部は、各患者識別情報に対していずれかの保険機関の保険機関識別情報が関連付けられた第2の関連情報をあらかじめ記憶している。データ処理部は、課金が発生したとき、この課金に関する患者の患者識別情報に関連付けられた保険機関識別情報を第2の関連情報に基づき特定する。第3の制御部は、特定された保険機関識別情報に関連付けられた保険機関情報記憶領域に、この課金の種別および額を記憶させる。この構成によれば、保険機関ごとに請求額を管理することが可能である。したがって、各保険機関に対する請求額の集計や通知を好適に行うことができる。なお、上記の例において、保険機関情報記憶領域は保険機関情報記憶領域125に相当する。第2の関連情報は、たとえば、各患者ユーザのアカウント(患者情報記憶領域121)に記憶されている。或いは、第2の関連情報は、複数の患者に関する情報(患者ユーザID等)と複数の保険機関に関する情報(保険機関ユーザID)とが関連付けられた、独立の情報であってよい。上記の例において、課金についてデータ処理部が実行する処理は、料金処理部170が実行する課金処理に相当する。
眼科検査装置はOCT機能を有していてよい。その場合、眼科検査装置の検査部は、OCT計測を行うための光学系と、検査データ生成部とを含む。光学系は、光源からの光を測定光と参照光とに分割し、患者の眼からの測定光の戻り光と参照光とを重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光を検出する。検査データ生成部は、光学系による検出結果を処理することにより検査データを生成する。この構成によれば、OCTの優位性(高精細の画像を取得できること、断面像や3次元画像を取得できることなど)を利用することにより有用な検査データを取得し、それに基づきレポートを作成することができる。なお、上記の例において、光学系は光学ユニット210に相当し、検査データ生成部は画像形成部250および検査データ生成部261に相当する。
[眼科情報処理サーバについて]
本発明に係る眼科情報処理サーバは、上記の眼科情報システムのサーバとして運用可能である。眼科情報処理サーバは、通信部と、記憶部と、データ処理部と、制御部とを含む。
通信部は、複数の眼科検査装置のそれぞれ、複数の医療機関端末のそれぞれ、および、複数の患者側端末のそれぞれと、通信回線を介して通信する機能を有する。ここで、眼科装置は、複数の医療機関と異なる施設に設置されており、眼を光学的に検査することにより検査データを生成する。医療機関端末は、複数の医療機関に設置されており、検査データに基づくレポートを作成するために用いられる。患者側端末は、複数の患者またはその関係者により使用される。
記憶部は、複数の患者に対応する複数の患者識別情報にそれぞれ関連付けられた複数の患者情報記憶領域を含む。さらに、記憶部は、各患者識別情報に対して複数の医療機関のいずれかの医療機関識別情報が関連付けられた関連情報をあらかじめ記憶する。
データ処理部は、通信部が複数の眼科検査装置のいずれかから患者識別情報および検査データを受信したときに、関連情報を参照することにより、この患者識別情報に対応する医療機関端末を複数の医療機関端末のうちから特定する。
制御部は、通信部により受信された患者識別情報および検査データを、データ処理部により特定された医療機関端末に送信するよう通信部を制御する。また、制御部は、通信部が医療機関端末から患者識別情報とレポートとを受信したとき、この患者識別情報に関連付けられた患者情報記憶領域にこのレポートの少なくとも一部を記憶させる。さらに、制御部は、この患者識別情報に対応する患者側端末にこのレポートの少なくとも一部を送信するよう通信部を制御する。
このような構成を有する眼科情報処理サーバによれば、薬局やオプトメトリスト等の医療機関以外の施設において取得された眼の検査データに関する処理と、この検査データに基づいて医師が作成したレポートに関する処理とを実行することにより、患者にレポートを提供することができる。したがって、長期的な病態管理が必要な疾患についての検査を、従来よりも日常的にかつ手軽に行うことができる。
実施形態に係る眼科情報処理サーバは、前述した眼科情報システムのサーバが実行可能な任意の処理を実行できるように構成されていてよい。
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。
上記の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、たとえば、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。
また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
1 眼科情報システム
100 クラウドサーバ
110 演算制御部
120 記憶部
121 患者情報記憶領域
122 医療機関情報記憶領域
123 検査装置情報記憶領域
124 金融機関情報記憶領域
125 保険機関情報記憶領域
126 報酬額算出規則
130 通信部
140 ユーザ情報管理部
141 患者情報管理部
142 医療機関情報管理部
143 検査装置情報管理部
144 金融機関情報管理部
145 保険機関情報管理部
150 検査データ処理部
160 レポート処理部
170 料金処理部
180 保険処理部
200−a 眼科検査装置
210 光学ユニット
240 制御部
241 主制御部
242 記憶部
250 画像形成部
260 データ処理部
261 検査データ生成部
262 静止判定部
263 左右判定部
270 通信部
280 ユーザインターフェイス
281 表示部
282 操作部
300−b 患者端末
400−c 指定人端末
500−d 診断医端末
600−e 医療機関内サーバ
650−f 医療従事者端末
700−g 金融機関サーバ
800−h 保険機関サーバ
900 検査データ処理装置
N 通信回線

Claims (3)

  1. サーバと、
    通信回線を介して前記サーバと通信可能な複数の眼科検査装置と
    を含み、
    前記サーバは、前記複数の眼科検査装置を制御するための設定情報を患者識別情報ごとにあらかじめ記憶した記憶部を含み、
    前記複数の眼科検査装置のそれぞれは、
    医療機関と異なる施設に設置されており、
    通信回線を介して通信を行うための通信部と、
    患者識別情報を受け付ける受付部と、
    眼を光学的に検査することにより検査データを生成する検査部と、
    前記受付部により受け付けられた患者識別情報と当該眼科検査装置の装置識別情報とを前記サーバに送信するよう前記通信部を制御し、かつ、前記サーバが前記患者識別情報に基づき前記記憶部から検索して前記装置識別情報に基づき当該眼科検査装置に送信した前記設定情報に基づいて前記検査部を制御することにより被検眼の検査を実行させる制御部と
    を含む
    ことを特徴とする眼科情報システム。
  2. 通信回線を介して前記サーバと通信可能な、複数の医療機関に設置された医療機関端末を更に含み、
    前記医療機関端末は、前記サーバの前記記憶部に記憶された前記設定情報を編集するためのユーザインターフェイスを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科情報システム。
  3. 前記複数の眼科検査装置のいずれかは、光コヒーレンストモグラフィを実行可能であり、
    前記設定情報は、固視位置、スキャンパターン、合焦位置、視度補正値、及び解析処理のうちの少なくとも1つに関する設定内容を含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の眼科情報システム。

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