JP6608479B2 - 患者管理システム - Google Patents

患者管理システム Download PDF

Info

Publication number
JP6608479B2
JP6608479B2 JP2018086671A JP2018086671A JP6608479B2 JP 6608479 B2 JP6608479 B2 JP 6608479B2 JP 2018086671 A JP2018086671 A JP 2018086671A JP 2018086671 A JP2018086671 A JP 2018086671A JP 6608479 B2 JP6608479 B2 JP 6608479B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
patient
information
unit
user
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018086671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018125032A (ja
Inventor
康文 福間
誠 藤野
央 塚田
貴士 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2018086671A priority Critical patent/JP6608479B2/ja
Publication of JP2018125032A publication Critical patent/JP2018125032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6608479B2 publication Critical patent/JP6608479B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

この発明は、患者の病態を管理するためのシステムに関する。
長期の管理を必要とする患者に対する診療方法として在宅医療がある。在宅医療とは、医療機関以外の場所(たとえば自宅、老人福祉施設等。まとめて「自宅等」と称する。)において患者に施される医療を示す。在宅医療においては、自宅等に医療装置が設置され、この医療装置の遠隔管理が行なわれる(たとえば特許文献1−3を参照)。
近年の高齢化社会の進行に伴い、在宅医療の増加が予想される。一方、高齢化や生活習慣の変化などの要因から、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症、緑内障などの眼科疾患が増加することが予想される。これら眼科疾患は、失明の危険性を孕むとともに、長期にわたる管理が必要である。
しかしながら、このような眼科疾患の管理を従来の在宅医療技術でまかなうことは困難である。すなわち、これら眼科疾患の管理には病態を把握することが必要であり、病態を的確に把握するには、視標を用いた主観的な検査(自覚式検査)だけでなく、眼の形態や特性を把握するための検査も必要である。
眼の形態を把握するための検査には、たとえば次のような装置が用いられる。
・光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography、OCT)を用いて眼底や角膜の断面像を得るための光干渉断層計(OCT装置)
・眼底を写真撮影するための眼底カメラ
・共焦点光学系を用いたレーザ走査により眼底の画像を得るための走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope、SLO)
また、眼の特性を把握するための検査には、たとえば次のような装置が用いられる。
・眼球の屈折特性を測定する眼屈折検査装置(レフラクトメータ、ケラトメータ)
・眼圧を測定するための眼圧計
・角膜の特性(角膜厚、細胞分布等)を得るためのスペキュラーマイクロスコープ
・ハルトマン−シャックセンサを用いて眼球の収差情報を得るウェーブフロントアナライザ
このように眼科分野では様々な検査装置が用いられるが、OCT装置への注目が近年高まっている。これは、高精細の画像を取得できる点、断面像や3次元画像を取得できる点など、OCT装置の顕著な優位性によるものである。以下に示すように、OCTには様々な方式がある。
特許文献4には、フーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT)或いは周波数ドメインOCT(Frequency Domain OCT)と呼ばれる手法を用いた装置が開示されている。この装置は、低コヒーレンス光のビームで被測定物体をスキャンし、被測定物体からの反射光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル強度分布を分光器で取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換を施すことによりスキャン断面を画像化するように構成されている。このように分光器を用いる手法は、スペクトラルドメイン(Spectral Domain)とも呼ばれる。
特許文献5には、フーリエドメインOCTの一種であるスウェプトソース(Swept Source)OCTと呼ばれる手法を用いた装置が開示されている。この装置は、被測定物体に照射される光の波長を走査(波長掃引)し、各波長の光の反射光を参照光と重ね合わせて得られる干渉光を順次に検出することによりスペクトル強度分布を取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換を施すことにより画像を形成するように構成されている。
特許文献6には、フルフィールド(full−field)OCT、或いはインファス(en−face)OCTなどと呼ばれる手法を用いた装置が開示されている。この装置は、所定のビーム径を有する光を被測定物体に照射し、その反射光を参照光と重ね合わせて得られる干渉光の成分を解析することにより、光の進行方向に直交する断面を画像化するように構成されている。
特許文献7には、OCTを眼科分野に適用した構成が開示されている。また、特許文献8には、OCT装置と自覚式視力検査装置とを組み合わせることにより、黄斑症や緑内障の診断材料を提供する眼科検査装置が知られている。
特開2009−20794号公報 特開2005−285033号公報 特開2004−199631号公報 特開平11−325849号公報 特開2007−24677号公報 特開2006−153838号公報 特開2008−73099号公報 特表2011−515194号公報
この発明の目的は、患者の自宅等に設置された眼科撮影装置を用いて病態を管理するための技術を提供することにある。
実施形態に係る患者管理システムは、サーバと、複数の患者に割り当てられた複数の眼科撮影装置と、複数の医療機関に設置された複数のコンピュータとを含む。複数の眼科撮影装置のそれぞれは、被検眼の眼底に光コヒーレンストモグラフィを適用して3次元画像データを生成する検査部と、検査部により生成された3次元画像データを通信回線を介してサーバに送信する第1の通信部とを含む。サーバは、複数の眼科撮影装置のいずれかから送信された3次元画像データを受信する第2の通信部と、第2の通信部により受信された3次元画像データを解析して特徴情報を抽出する抽出部と、抽出部により3次元画像データから抽出された特徴情報に基づいて被検者の個人認証を行う認証処理部と、当該個人認証に成功した場合、あらかじめ作成された当該被検者のアカウントに3次元画像データを記憶させる制御部と、当該アカウントに記憶された3次元画像データを解析して視神経乳頭の形状パラメータを求める解析部と、被検者のアカウントにあらかじめ記憶された患者情報を、複数の医療機関のうち当該被検者にあらかじめ関連付けられた医療機関に送信する第3の通信部とを含む。複数のコンピュータのそれぞれは、サーバから送信された患者情報を受信する第4の通信部と、第4の通信部により受信された患者情報に基づいて当該被検者の電子カルテを作成する手段とを含む
この発明によれば、患者の自宅等に設置された眼科撮影装置を用いて病態を管理することが可能である。
実施形態に係るシステムの構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係るクラウドサーバの構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る眼科検査装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係る眼科検査装置の構成の一例を表す概略図である。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を説明するための概略図である。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。 実施形態に係るシステムの使用形態の一例を表すフローチャートである。
この発明の実施形態の例を説明する。なお、この明細書に記載された文献の記載内容を、以下の実施形態の内容として適宜援用することが可能である。
実施形態に係る患者管理システムは、クラウドサーバを中心に構成される。クラウドサーバは、通信回線を介して接続可能な各種のコンピュータに対してサービスを提供する。
[システム構成]
図1に示す患者管理システム1は、クラウドサーバ100と、複数の眼科検査装置200−a(a=1,2,3,・・・・)と、複数の患者端末300−b(b=1,2,3,・・・・)と、複数の指定人端末400−c(c=1,2,3,・・・・)と、複数の診断医端末500−d(d=1,2,3,・・・・)と、複数の医療機関内サーバ600−e(e=1,2,3,・・・・)と、複数の医療従事者端末700−f(f=1,2,3,・・・・)と、複数の金融機関サーバ800−g(g=1,2,3,・・・・)と、複数の保険提供者サーバ900−h(h=1,2,3,・・・・)とを含む。
一般に、実施形態に係るシステムはこれら情報処理装置の全てを含んでいる必要はなく、あらかじめ決められた機能を実現するための情報処理装置が設けられていれば十分である。また、機能の拡張などに応じて新たな情報処理装置をシステムに追加することが可能である。
これら情報処理装置は、通信回線Nを介して接続されている。通信回線Nは、インターネット、仮想プライベートネットワーク、専用通信回線などのワイドエリアネットワーク(WAN)を含む。また、通信回線Nは、有線通信網および/または無線通信網を含む。なお、医療機関内サーバ600−eと、この医療機関内サーバ600−eにアクセス可能な医療従事者端末700−fとの間の通信回線は、ローカルエリアネットワーク(LAN)を含んでいてよい。
〔クラウドサーバ100〕
クラウドサーバ100について説明する。クラウドサーバ100は、いわゆるクラウドコンピューティングに利用されるサーバであり、コンピュータによるデータ処理やデータ格納などのサービスを、通信回線Nを介して複数のコンピュータに提供する。本例において、クラウドサーバ100によるサービスの提供先には、眼科検査装置200−a、患者端末300−b、指定人端末400−c、診断医端末500−d、医療機関内サーバ600−e、金融機関サーバ800−g、および、保険提供者サーバ900−hが含まれる。
クラウドサーバ100は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。ROMやハードディスクドライブには、上記の制御および演算処理を行うためのコンピュータプログラムやデータが格納されている。マイクロプロセッサ等のハードウェアと、コンピュータプログラム等のソフトウェアとが協働することによって、各種の処理が実行される。
クラウドサーバ100の内部構成の例を図2に示す。本例のクラウドサーバ100は、演算制御部110と、記憶部120と、通信部130と、ユーザ情報管理部140と、検査データ処理部150と、認証処理部160と、課金処理部170と、保険処理部180とを含む。
(演算制御部110)
演算制御部110は、クラウドサーバ100の各部の制御と、各種の演算処理とを行う。演算制御部110が実行する処理の具体例は後述される。
(記憶部120)
記憶部120は各種のデータを記憶する。記憶部120には、クラウドサーバ100により提供されるサービスに関する情報が記憶される。本サービスの提供先、つまり本サービスのユーザには、患者、患者の関係者(家族等)、医療機関、金融機関、保険提供者などが含まれる。これらユーザについて、たとえば次のような情報が記憶部120に記憶される。
患者ユーザに関する情報としては、当該サービスにおけるユーザID(識別子)、認証情報(パスワード等)、氏名、性別、生年月日、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、課金に関する情報、関連する医療機関のID(患者ID)、診療情報(電子カルテ情報の一部、眼科検査装置200−aにより取得された情報など)、関連する金融機関のユーザIDやアカウントID、関連する保険提供者のユーザIDや被保険者IDなどが、記憶部120に記憶される。
なお、患者ユーザのユーザIDは、当該患者に対して付与された識別子には限定されず、たとえば、当該患者が利用する眼科検査装置200−aに対して付与された識別子や、連絡先(IPアドレス等)などであってよい。また、認証情報は、パスワード等の文字列情報には限定されず、たとえば生体認証情報などであってよい。
患者関係者ユーザに関する情報としては、当該サービスにおけるユーザID、認証情報(パスワード等)、氏名、患者との関係(続柄等)、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、課金に関する情報などが、記憶部120に記憶される。
医療機関ユーザに関する情報としては、当該サービスにおけるユーザID、認証情報(パスワード等)、医療機関の種別(病院、診療所、健康診断センター等)、医療機関名、診療科名、関連する医療従事者に関する情報(所属医師名、専門とする疾患名等)、連絡先(所在地、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、関連する医療機関のリスト、関連する患者のユーザIDや患者ID、課金に関する情報などが、記憶部120に記憶される。
金融機関ユーザに関する情報としては、当該サービスにおけるユーザID、認証情報(パスワード等)、金融機関の種別(銀行、クレジットカード会社等)、金融機関名、連絡先(所在地、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、関連する患者のユーザIDや患者ID、課金に関する情報などが、記憶部120に記憶される。
保険提供者ユーザに関する情報としては、当該サービスにおけるユーザID、認証情報(パスワード等)、保険提供者の種別(公的保険、私的保険等)、保険提供者名、連絡先(所在地、電話番号、メールアドレス、IPアドレス等)、関連する患者のユーザIDや被保険者ID、課金に関する情報などが、記憶部120に記憶される。
(通信部130)
通信部130は、通信回線Nを介して他の情報処理装置とデータ通信を行う。データ通信の方式は任意である。たとえば、通信部130は、インターネットに準拠した通信インターフェイス、LANに準拠した通信インターフェイス、近距離通信に準拠した通信インターフェイスなどを含む。通信部130により送受信されるデータは暗号化されていてもよい。その場合、演算制御部110は、送信データを暗号化する暗号化処理部と、受信データを復号する復号化処理部とを有する。
(ユーザ情報管理部140)
ユーザ情報管理部140は、当該サービスのユーザに関する情報についての処理を行う。上記のように、当該サービスのユーザとしては、患者、患者関係者、医療機関、金融機関、保険提供者などがある。ユーザ情報管理部140には、当該サービスのユーザの種別に応じた機能が設けられる。この実施形態においては、患者情報管理部141と、医療機関情報管理部142と、金融機関情報管理部143と、保険提供者情報管理部144とが、ユーザ情報管理部140に設けられる。
(患者情報管理部141)
患者情報管理部141は、当該サービスを利用する患者ユーザのアカウントを管理する。アカウントは、患者ごとに作成される。アカウントは、たとえば患者ユーザに付与されたユーザIDによって識別される。患者情報管理部141は、患者ユーザに関する情報(前述)と、当該患者の関係者である患者関係者ユーザに関する情報(前述)とを管理する。患者情報管理部141が実行する処理の具体例は後述される。
(医療機関情報管理部142)
医療機関情報管理部142は、当該サービスを利用する医療機関ユーザに関する情報(前述)を、たとえば各医療機関のアカウントを設けることにより管理する。アカウントは、たとえば医療機関ユーザに付与されたユーザIDによって識別される。医療機関情報管理部142が実行する処理の具体例は後述される。
(金融機関情報管理部143)
金融機関情報管理部143は、当該サービスを利用する金融機関ユーザに関する情報(前述)を、たとえば各金融機関のアカウントを設けることにより管理する。アカウントは、たとえば金融機関ユーザに付与されたユーザIDによって識別される。金融機関情報管理部143が実行する処理の具体例は後述される。
(保険提供者情報管理部144)
保険提供者情報管理部144は、当該サービスを利用する保険提供者ユーザに関する情報(前述)を、たとえば各保険提供者のアカウントを設けることにより管理する。アカウントは、たとえば保険提供者ユーザに付与されたユーザIDによって識別される。保険提供者情報管理部144が実行する処理の具体例は後述される。
クラウドサーバ100は、複数の眼科検査装置200−aのステータスを管理するための機能(装置管理部)を有していてよい。装置管理部は、各眼科検査装置200−aの識別情報と、ステータス情報とを関連付けて記憶する。ステータス情報は、眼科検査装置200−aの稼動状態(たとえば、患者ユーザに貸し出されている状態、貸し出し待ちの状態、メンテナンス中など)を示す。貸し出されている状態である場合、ステータス情報は、貸し出し先の患者ユーザのユーザIDなどを含んでいてよい。また、メンテナンス中である場合、ステータス情報は、メンテナンススケジュールなどを含んでいてよい。
(検査データ処理部150)
検査データ処理部150は、眼科検査装置200−aから送信されたデータ(検査データ)を処理する。検査データの例として次のデータがある。
(1)図3等に示すCCDイメージセンサ223から出力された信号
(2)図4に示す画像形成部250により形成された画像データ
(3)画像形成部250が実行する処理の中間段階で得られるデータ(つまり、画像データ形成処理の途中で得られるデータ)
(4)CCDイメージセンサ223から出力された信号を画像形成部250以外の構成要素により処理して得られるデータ
眼科検査装置200−aが画像データを形成する機能を有する場合、つまり眼科検査装置200−aに画像形成部250が設けられる場合、たとえば、上記(1)〜(4)のうち任意の検査データがクラウドサーバ100に入力される。一方、眼科検査装置200−aが画像データを形成する機能を有しない場合、たとえば、上記(1)および/または(4)の検査データがクラウドサーバ100に入力される。この場合、検査データ処理部150は、画像形成部250と同様の機能を有する。また、画像形成部250により形成された画像データを処理する機能を眼科検査装置200−aが有する場合、上記(4)の検査データは、当該機能によって取得されたデータであってよい。なお、当該機能の例として、後述する眼底層厚解析、ドルーゼン解析、乳頭形状解析などがある。
上記した検査データはOCTによって取得されるものであるが、検査データは他の検査により取得されるデータであってよい。他の検査の例として後述の自覚式視力検査がある。
検査データ処理部150が実行する処理の例を説明する。第1の例として、検査データ処理部150は、OCTにより取得された検査データに基づいて眼底の層厚情報を生成することができる。つまり、検査データ処理部150は、眼底層厚解析(網膜厚解析、RNFL厚解析など)を実行することができる。さらに、検査データ処理部150は、眼底層厚解析により取得された層厚情報と、標準的な層厚値(たとえば健常眼に関する標準層厚値)との比較解析を行うことが可能である。
眼底層厚解析は、OCTにより取得された検査データに基づいて、眼底の所定の層組織の厚さ(分布)を求める処理である。その一例として網膜厚解析について説明する。他の層組織の厚さを求める場合も同様の処理が実行される。
網膜厚解析では、たとえば眼底の断面像や3次元画像を解析することにより、OCTにおけるスキャン範囲の一部または全部における網膜の厚さ分布を求める。なお、網膜厚には様々な定義がある。たとえば、内境界膜から内顆粒層(視細胞の内接・外接)までの厚さを網膜厚とする場合、内境界膜から網膜色素上皮層までの厚さを網膜厚とする場合などがある。網膜厚解析で求める網膜厚はこのような定義のうちのいずれかである。
網膜厚解析は、たとえば次のようにして実行される。まず、眼底のOCT画像を解析して、所定の境界部位(たとえば内境界膜と網膜色素上皮層)に相当する画像領域を特定する。そして、特定された境界部位の間の画素数をカウントして網膜厚(深度方向の距離)を求める。なお、OCT画像を解析して眼底の層の厚さを求める処理は、たとえば本出願人による特開2007−325831号公報、特開2008−206684号公報、特開2009−61203号公報、特開2009−66015号公報などに説明されている。
網膜厚の比較解析は、網膜厚解析により求められた網膜厚と、あらかじめ記憶された標準データ(Normative data)と比較する解析処理である。Normative dataは、健常眼の網膜厚の標準値(標準厚)である。Normative dataは、健常眼の網膜厚を多数計測し、その計測結果の統計値(平均値、標準偏差など)を求めることにより作成される。比較解析は、被検眼Eの網膜厚が健常眼のそれの範囲に含まれるか否か判定するものである。なお、比較解析は、疾患のある眼における網膜厚の範囲を求め、網膜厚解析により得られた網膜厚が当該範囲に含まれるか否か判定する処理であってよい。
検査データ処理部150はドルーゼン解析を実行できるように構成されていてよい。ドルーゼン解析は、たとえばOCT画像を解析することにより、そのスキャン範囲の一部または全部におけるドルーゼンの分布状態を求める解析処理である。この分布状態には、眼底におけるドルーゼンの位置やサイズ(面積、体積、径)などが含まれる。
ドルーゼン解析は、たとえば、OCT画像を解析してブルッフ膜に相当する画像領域と網膜色素上皮に相当する画像領域とを特定し、これら画像領域の間の画素値に基づいて小さな略円形の隆起形状に相当する画像領域をドルーゼン(の候補)として特定することにより実行できる。このような形状に基づく画像領域の特定処理は、たとえば、当該形状のテンプレートとの画像マッチングによって行うことが可能である。さらに、検査データ処理部150は、このようにして特定されたドルーゼンに相当する画像領域に基づいて、ドルーゼンの位置、個数、サイズなどを求める。また、取得されたドルーゼンの分布にもとづいて、加齢黄斑変性症の状態の評価情報を生成することができる。
なお、眼底の正面画像が検査データに含まれている場合、この正面画像に基づいてドルーゼン解析を行うことができる。このドルーゼン解析は、たとえば、正面画像の各画素の画素値が所定範囲に含まれるか判定し、所定範囲に含まれる画素を特定することにより実行される。正面画像がカラー画像である場合、ドルーゼンは特徴的な色(黄白色)で描写されるので、この特徴的な色に相当する画素値の範囲が上記所定範囲としてあらかじめ設定される。また、正面画像がモノクロ画像である場合、ドルーゼンは特徴的な明るさ(輝度)で描写されるので、この特徴的な輝度に相当する画素値の範囲が上記所定範囲としてあらかじめ設定される。また、ドルーゼンの標準的な形状(小さな略円形の隆起形状)に基づくテンプレートマッチングなどを行うことによって、ドルーゼンに相当する画像領域を特定することも可能である。
乳頭形状解析は、眼底の断面像や3次元画像を解析して網膜の孔部(切れ目、欠損部位)を検出し、視神経乳頭の形状を求める解析処理を含んでいてよい。乳頭形状解析は、たとえば、断面像等を解析して視神経乳頭及びその近傍の網膜表面に相当する画像領域を特定し、特定された画像領域を解析してその大域的形状や局所的形状(凹凸)を表すパラメータ(乳頭形状パラメータ)を求める。乳頭形状パラメータの例として、視神経乳頭のカップ径、ディスク径、リム径、乳頭深さなどがある。
また、乳頭形状解析は、視神経乳頭の傾き(形状の非対称性)を求める解析処理を含んでいてよい。この解析処理は、たとえば次のようにして実行される。まず、検査データ処理部150は、視神経乳頭を含む領域をスキャンして得られた3次元画像を解析して乳頭中心を特定する。次に、検査データ処理部150は、乳頭中心を中心とする円形領域を設定し、この円形領域を放射状に分割して複数の部分領域を得る。続いて、検査データ処理部150は、円形領域の断面像を解析することで、各ピクセル位置における所定層(たとえば網膜色素上皮層)の高さ位置を求める。さらに、検査データ処理部150は、各部分領域における所定層の高さ位置の平均値を算出する。次に、検査データ処理部150は、乳頭中心に関して対向位置に相当する一対の部分領域について得られた一対の平均値を比較することにより、この対向方向における眼底の傾斜を求める。そして、検査データ処理部150は、複数の対向方向について得られた傾斜に基づいて、上記円形領域における眼底の傾斜の分布を示す傾斜分布情報を生成する。なお、生成された傾斜分布情報(およびその標準的な分布を示す情報)に基づいて、疾患の状態の評価情報を生成することができる。
(認証処理部160)
認証処理部160は、ユーザの認証処理を行う。前述したように、当該サービスの各ユーザには、ユーザIDが付与されている。認証処理部160は、外部の情報処理装置から当該サービスの利用要求を受けたことに対応し、この利用要求を許容するか否かを判定する。
このような認証処理の一例を説明する。前述したように、記憶部120には、各ユーザのユーザIDと、正規のユーザ認証情報(正規ユーザ認証情報)とが記憶されている。外部の情報処理装置から入力される利用要求には、ユーザID(またはこれに類する文字列情報等)と、ユーザ認証情報(またはこれに類する文字列情報等)が含まれているものとする。利用要求を受けると、認証処理部160は、この利用要求に含まれているユーザIDとユーザ認証情報との組み合わせと、記憶部120に記憶されているユーザIDと正規ユーザ認証情報との組み合わせとを照合する。つまり、認証処理部160は、利用要求に含まれているユーザIDおよびユーザ認証情報の組み合わせと一致するユーザIDおよび正規ユーザ認証情報の組み合わせを、記憶部120から検索する。目的の組み合わせが検索された場合、認証処理部160は、この利用要求を行った者は当該サービスのユーザであると判定する。一方、目的の組み合わせが検索されなかった場合、認証処理部160は、この利用要求を行った者は当該サービスのユーザではないと判定する。この判定結果は演算制御部110に送られる。演算制御部110は、この判定結果に応じた所定の処理を実行する。
1台の眼科検査装置200−aを2以上の患者ユーザが共用する場合、つまり1台の眼科検査装置200−aに対して2以上の正規の患者ユーザが存在する場合がある。この場合において、前述したように、眼科検査装置200−aに対して付与された識別子がユーザIDとして用いられる場合がある。この場合、これら患者ユーザに対し、同じユーザIDが付与され、かつ、異なるユーザ認証情報が付与される。よって、これら患者ユーザを識別するために、ユーザIDとユーザ認証情報との組み合わせを常に使用することができる。すなわち、この組み合わせをあたかもユーザIDのように使用することができる。このように構成することで、当該2以上の患者ユーザの認証処理を個別に行うことが可能となる。
(課金処理部170)
課金処理部170は、クラウドサーバ100が提供するサービスの利用料金に関する処理を実行する。利用料金は、患者ユーザ、患者関係者ユーザ、医療機関ユーザ、金融機関ユーザ、および保険提供者ユーザのうち、いずれかの種別のユーザに対して発生する。なお、課金が発生する各サービスは、オプションであってもよいし、デフォルトであってもよい。
クラウドサーバ100が患者ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・患者情報管理部141によりアカウントを管理すること
・眼科検査装置200−aを自宅等へ設置すること(レンタル、ローン、売買等)
・眼科検査装置200−aを用いて検査を実施すること
・検査データ処理部150により検査データを処理すること
・検査データの処理結果を患者ユーザや患者関係者ユーザに提供すること
・患者ユーザのアカウントに検査データを保管すること
・眼科検査装置200−aのメンテナンスサービスを提供すること
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・金融機関ユーザが患者ユーザに提供するサービスを代行すること
・保険提供者ユーザが患者ユーザに提供するサービスを代行すること
クラウドサーバ100が患者関係者ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・患者関係者ユーザ用のアカウントの作成および管理を行うこと
・検査データの処理結果を患者関係者ユーザに提供すること
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・金融機関ユーザが患者関係者ユーザに提供するサービスを代行すること
・保険提供者ユーザが患者関係者ユーザに提供するサービスを代行すること
クラウドサーバ100が医療機関ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・医療機関情報管理部142によりアカウントを管理すること
・新規の患者ユーザを医療機関ユーザに紹介すること
・転院を希望する患者ユーザを医療機関ユーザに紹介すること
・患者ユーザの紹介サービスの成功報酬
・患者ユーザについて統計的に得られた情報を提供すること
・特定または不特定の患者ユーザにアクセスすること(アンケート等)
・他の医療機関ユーザにアクセスすること(セカンドオピニオン、紹介状等)
・解析処理に関する情報(Normative data等)を利用すること
・眼科検査装置を所有または使用すること(レンタル、ローン、売買等)
・検査データ処理部150により検査データを処理すること
・検査データによる処理結果を医療機関ユーザに提供すること
・所定の患者ユーザの検査データを医療機関ユーザのアカウントで管理すること
・眼科検査装置のメンテナンスサービスを提供すること
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・金融機関ユーザが医療機関ユーザに提供するサービスを代行すること
・保険提供者ユーザが医療機関ユーザに提供するサービスを代行すること
・医療機関ユーザの広告を患者ユーザ等に提供すること
・広告に対する成功報酬
クラウドサーバ100が金融機関ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・金融機関ユーザ用のアカウントの作成および管理を行うこと
・ユーザの課金に関する情報を提供すること(引き落とし金額等)
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・クラウドサーバ100が金融機関ユーザのサービスを代行すること
・金融機関ユーザの広告を患者ユーザ等に提供すること
・広告に対する成功報酬
クラウドサーバ100が保険提供者ユーザに提供する有料サービスの例を以下に挙げる。
・保険提供者ユーザ用のアカウントの作成および管理を行うこと
・患者ユーザの保険に関する情報を提供すること(通院履歴、支払額等)
・医療機関ユーザの保険に関する情報を提供すること(診療報酬点数、レセプト等)
・ブログ機能、掲示板機能等のソーシャルネットワーキングサービスを提供すること
・クラウドサーバ100が保険提供者ユーザのサービスを代行すること
・保険提供者ユーザの広告を患者ユーザ等に提供すること
・広告に対する成功報酬
課金処理部170は、各有料サービスの課金額をあらかじめ記憶している。この情報は、たとえば、有料サービスの種別と課金額とを対応付けたテーブル情報である。有料サービスに相当するサービスが或るユーザに対して提供されると、演算制御部110は、当該ユーザのユーザIDと、当該サービスの種別情報とを課金処理部170に送る。課金処理部170は、上記テーブル情報を参照することにより、この種別情報に対応する課金額を取得する。そして、課金処理部170は、この課金額とユーザIDとを対応付けて演算制御部110に送る。演算制御部110は、課金処理部170から入力された情報をユーザ情報管理部140に送る。ユーザ情報管理部140は、このユーザIDにより識別されるアカウントに課金額を記憶させる。このとき、サービスに関連する情報(提供日時、種別等)を、課金額とともに記憶させることができる。
(保険処理部180)
保険処理部180は、保険に関する処理を提供する。なお、保険に関する有料サービスについては、課金処理部170が処理を行うことができる。保険処理部180は、たとえば、或る患者ユーザと或る保険提供者ユーザとの間で既に締結されている保険に関する処理を行う。前述したように、保険提供者ユーザと患者ユーザとの関係を示す情報が記憶部120に記憶されている。この情報は、たとえば、患者ユーザのユーザIDと保険提供者ユーザのユーザIDとを対応付けるテーブル情報である。このような情報を参照することにより、保険処理部180は、或る患者ユーザがどの保険提供者と契約しているか、逆に、或る保険提供者がどの患者ユーザと契約しているか、を特定することができる。
具体例として、患者ユーザが医療機関において医療行為を受けたときに、クラウドサーバ100は、この医療機関の医療機関内サーバ600−eから、あらかじめ設定された情報(疾患名、診療報酬額等)を患者ユーザIDとともに取得する。保険処理部180は、たとえば上記のテーブル情報を参照することにより、この患者ユーザに対応する保険提供者ユーザを特定する。演算制御部110は、医療機関内サーバ600−eから取得された情報(の少なくとも一部)を、保険処理部180により特定された保険提供者ユーザに送信させるように、通信部130を制御する。
〔眼科検査装置200−a〕
眼科検査装置200−aの構成例を説明する。眼科検査装置200−aは、被検眼の光学的な検査に用いられる。眼科検査装置200−aは、眼科撮影装置としての機能、および/または、眼科測定装置としての機能を有する。眼科撮影装置としては、光干渉断層計(OCT装置)、眼底カメラ、走査型レーザ検眼鏡などがある。また、眼科測定装置としては、眼屈折検査装置、眼圧計、スペキュラーマイクロスコープ、ウェーブフロントアナライザなどがある。この実施形態では、光干渉断層計が適用される場合について詳述するが、それ以外の任意の眼科検査装置にこの発明を適用することが可能である。
この明細書において、OCTによって取得される画像をOCT画像と総称することがある。また、OCT画像を形成するための計測動作をOCT計測と呼ぶことがある。
この実施形態では、低コヒーレンス光源と分光器が搭載された、いわゆるスペクトラルドメイン(Spectral Domain)タイプのOCTを用いた光干渉断層計について説明するが、スペクトラルドメイン以外のタイプ、たとえばスウェプトソース(Swept Source)タイプのOCTの手法を用いた光干渉断層計に対してこの発明を適用することも可能である。スウェプトソースOCTとは、被測定物体に照射される光の波長を走査(波長掃引)し、各波長の光の反射光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光を順次に検出してスペクトル強度分布を取得し、それに対してフーリエ変換を施すことにより被測定物体の形態を画像化する手法である。
実施形態に係る眼科検査装置200−aは、OCT以外の撮影機能を有していてもよい。この付加的な撮影機能の例として、前眼部および/または眼底の正面画像を取得する機能がある。本例は、たとえば従来の眼底カメラと同様の構成によって実現される。
実施形態に係る眼科検査装置の構成について説明する。この実施形態に係るシステムは、複数の眼科検査装置200−aを含む。眼科検査装置200−aの構成例を図3に示す。図3に示す眼科検査装置200−aは、光学ユニット210と、コンピュータ230と、ユーザインターフェイス(UI)280とを有する。
(光学ユニット210)
光学ユニット210は、OCT計測を行うための光学系と、所定の光学素子を駆動する機構とを含む。光学系は、光源211からの光を測定光と参照光とに分割し、測定光の被検眼Eからの戻り光と参照光とを干渉させ、その干渉光を検出する。この光学系は、従来のスペクトラルドメインタイプのOCT装置と同様の構成を有する。すなわち、この光学系は、低コヒーレンス光(広帯域光)を参照光と測定光に分割し、被検眼Eを経由した測定光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル成分を検出するように構成される。スペクトル成分の検出結果(検出信号)はコンピュータ230に送られる。
スウェプトソースタイプのOCTが適用される場合、低コヒーレンス光源の代わりに波長掃引光源が設けられるとともに、干渉光をスペクトル分解する光学部材が設けられない。また、干渉光を検出する素子として、たとえばバランスドフォトダイオードが設けられる。一般に、光学ユニット210の構成については、OCTのタイプに応じた公知の技術を任意に適用することができる。
光源211は広帯域の低コヒーレンス光を出力する。この低コヒーレンス光は、たとえば、近赤外領域の波長帯(約800nm〜900nm程度)を含み、数十マイクロメートル程度の時間的コヒーレンス長を有する。なお、人眼では視認できない波長帯、たとえば1040〜1060nm程度の中心波長を有する近赤外光を低コヒーレンス光として用いてもよい。
光源211は、スーパールミネセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)や、LEDや、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)等の光出力デバイスを含んで構成される。
光源211から出力された低コヒーレンス光は、コリメートレンズ212により平行光束とされてビームスプリッタ213に導かれる。ビームスプリッタ213は、たとえば、所定割合の光を反射し、残りを透過させるハーフミラーである。ビームスプリッタ213は、この平行光束を測定光と参照光とに分割する。
測定光とは被検眼Eに照射される光である(信号光などとも呼ばれる)。測定光の光路(測定光路)を形成する光学素子群は測定アームと呼ばれる(サンプルアームなどとも呼ばれる)。参照光とは、測定光の戻り光に含まれる情報を干渉信号として抽出するための基準となる光である。参照光の光路(参照光路)を形成する光学素子群は参照アームと呼ばれる。
参照光路の一端はビームスプリッタ213であり、他端は参照ミラー214である。ビームスプリッタ213を透過した成分からなる参照光は、参照ミラー214により反射されてビームスプリッタ213に戻ってくる。
参照ミラー214は、図4に示す参照ミラー駆動部214Aにより、参照光の進行方向に沿って移動される。それにより、参照光路の長さが変更される。参照ミラー駆動部214Aは、測定光路の長さと参照光路の長さとを相対的に変更するように機能し、それにより測定光と参照光との干渉強度が最大となる深さ位置が変更される。このような干渉深度を変更する動作は、測定光の合焦位置を変更する動作の一例である。
この実施形態では参照光路の長さを変更する構成が適用されているが、この構成の代わりに、或いはこの構成に加えて、測定光路の長さを変更する構成を設けることができる。測定光路の長さの変更は、たとえば、入射する測定光を当該入射方向と反対方向に反射するコーナーキューブと、このコーナーキューブを当該入射方向および当該反射方向に移動させるための機構とにより実現される。
ビームスプリッタ213に反射された成分からなる測定光は、測定光路に対して傾斜配置された固定ミラー215により偏向されてスキャナ216に導かれる。スキャナ216は、たとえば2軸光スキャナである。つまり、スキャナ216は、測定光を2次元的に偏向可能な構成を有する。スキャナ216は、たとえば、互いに直交する方向に偏向可能な2つのミラーを含むミラースキャナである。このミラースキャナは、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として構成される。他の例として、1つのミラースキャナとロータリープリズムを用いてスキャナ216を構成することも可能である。
スキャナ216から出力される測定光は、2次元的に偏向されたコリメート光である。この測定光は、リレーレンズ217により集束光とされ、眼底Efと共役な面(眼底共役面)Pcにおいて空中結像される。さらに、測定光は、合焦レンズとしての機能を有する対物レンズ219により再び集束光とされて被検眼Eに入射する。なお、眼底共役面Pcに配置された光学素子(ダイクロイックミラー218)については後述する。
対物レンズ219と鏡筒部219Aは、図4に示す鏡筒駆動部219Bにより、測定光路に沿って移動される。対物レンズ219と鏡筒部219Aは、被検眼Eの屈折力に応じて光軸方向に移動される。それにより、眼底共役面Pcが眼底Efと共役な位置に配置される。その結果、測定光は、スポット光として眼底Efに投射される。対物レンズ219(および鏡筒駆動部219B)は、視度補正を行うための視度補正部として、また測定光の合焦位置を変更する合焦位置変更部として機能する。
視度補正部の他の例を説明する。たとえば強度近視のように極端な屈折力を有する被検眼に対処するために、視度補正レンズを測定光路に設けることができる。視度補正レンズは、たとえば、図示しない機構により測定光路に対して挿入/退避される。また、たとえばアルバレッツレンズのように屈折力が可変に構成された光学素子を適用することも可能である。このような視度補正用の光学素子は、たとえば、対物レンズ219と被検眼Eとの間の位置に配置される。
眼底Efに照射された測定光は、眼底Efの様々な深さ位置において散乱(反射を含む)される。眼底Efによる測定光の後方散乱光(戻り光)は、往路と同じ経路を逆向きに進行してビームスプリッタ213に導かれる。
ビームスプリッタ213は、測定光の戻り光と、参照光路を経由した参照光とを干渉させる。このとき、参照光路の長さとほぼ等しい距離を経由した戻り光の成分、つまり参照光路の長さに対して可干渉距離以内の範囲からの後方散乱光のみが、参照光と実質的に干渉する。ビームスプリッタ213を介して生成された干渉光は、分光器220に導かれる。分光器220に入射した干渉光は、回折格子221により分光(スペクトル分解)され、レンズ222を介してCCDイメージセンサ223の受光面に照射される。なお、図4に示す回折格子221は透過型であるが、たとえば反射型の回折格子など、他の形態の分光素子を用いることも可能である。
CCDイメージセンサ223は、たとえばラインセンサであり、分光された干渉光の各スペクトル成分を検出して電荷に変換する。CCDイメージセンサ223は、この電荷を蓄積して検出信号を生成し、これをコンピュータ230に送る。
前述したように、測定光路の眼底共役面Pcに相当する位置には、ダイクロイックミラー218が傾斜配置されている。ダイクロイックミラー218は、近赤外帯域の測定光を透過させ、可視帯域の光を反射するように構成されている。
ダイクロイックミラー218を介して測定光路から分岐した光路には、フラットパネルディスプレイ(FPD)225と、レンズ226とが設けられている。フラットパネルディスプレイ225は、制御部240による制御を受けて情報を表示する。フラットパネルディスプレイ225に表示される情報として、被検眼Eに対して提示される各種の視標がある。このような視標の例として、自覚式視力検査用の視標(ランドルト環など)や、被検眼Eを固視させるための固視標などがある。
フラットパネルディスプレイ225は、レンズ226を介して眼底共役面Pcと共役な位置(よって、眼底Efと共役な位置)に配置されている。フラットパネルディスプレイ225としては、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイ(OELD)が用いられる。
フラットパネルディスプレイ225から出力された可視光は、レンズ226を介してダイクロイックミラー218に反射される。さらに、この可視光は、対物レンズ219を介して被検眼Eに入射し、眼底Efに到達する。それにより、この可視光に基づく像(たとえば視標像)が眼底Efに投影される。
なお、ダイクロイックミラー218の代わりに、ハーフミラー等の光学素子を設けてもよい。また、測定光路に対して挿入/退避できるように構成された反射ミラーを設けることも可能である。ダイクロイックミラー218やハーフミラーが設けられる場合、OCT計測と視標の投影を同時に行うことができる。一方、反射ミラーが設けられる場合には、OCT計測と視標の投影とが異なるタイミングで実行される。
この実施形態ではマイケルソン型の干渉計を採用しているが、たとえばマッハツェンダー型など任意のタイプの干渉計を適宜に採用することが可能である。また、CCDイメージセンサに代えて、他の形態の受光素子、たとえばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いることが可能である。
この実施形態では、ビームスプリッタ213に反射された光が測定光として用いられ、これを透過した光が参照光として用いられている。一方、これとは逆に、ビームスプリッタ213に反射された光を参照光として使用し、これを透過した光を測定光として使用する構成を適用することも可能である。その場合、測定アームと参照アームの配置が図3とは逆になる。
測定光および/または参照光の特性を変換する部材を設けることができる。たとえば、光減衰器(アッテネータ)や偏波調整器(偏波コントローラ)を、参照光路に設けることが可能である。光減衰器は、コンピュータ230の制御を受けて、参照光の光量を調整する。光減衰器は、たとえば、減光フィルタと、これを参照光路に対して挿入/退避させるための機構とを含む。偏波調整器は、コンピュータ230の制御を受けて、参照光の偏光状態を調整する。偏波調整器は、たとえば、参照光路に配置された偏光板と、これを回転させるための機構とを含む。これらは、測定光の戻り光と参照光との干渉強度を調整するために使用される。
被検眼Eを撮影してその正面画像を取得するための正面画像取得光学系を設けることが可能である。この正面画像は、前眼部または眼底Efを描画した画像である。正面画像取得光学系は、測定光路から分岐した光路を形成するものであり、たとえば従来の眼底カメラと同様の照明光学系と撮影光学系とを含む。照明光学系は、(近)赤外光または可視光からなる照明光を被検眼Eに照射する。撮影光学系は、被検眼Eからの照明光の戻り光(反射光)を検出する。撮影光学系はズームレンズ系を有する。また、撮影光学系は、測定光路と共通の合焦レンズ(対物レンズ219、視度補正レンズなど)、および/または、測定光路から独立した合焦レンズを有する。正面画像取得光学系の他の例として、従来のSLOと同様の光学系がある。
正面画像取得光学系が設けられる場合、従来の眼底カメラと同様のアライメント光学系をさらに設けることができる。アライメント光学系は、測定光路から分岐した光路を形成するものであり、被検眼Eに対する装置光学系の位置合わせ(アライメント)を行うための視標(アライメント視標)を生成する。アライメントは、測定光路(対物レンズ219の光軸)に対して直交する面に沿う方向(xy方向と呼ばれる)における位置合わせである。図示は省略するが、アライメント光学系は、アライメント光源(LED等)から出力された光束から2孔絞りによって2つのアライメント光束を生成する。2つのアライメント光束は、測定光路に対して傾斜配置されたビームスプリッタを介して測定光路に導かれ、被検眼Eの角膜に投影される。アライメント光束の角膜反射光は、正面画像取得光学系のイメージセンサによって検出される。
アライメント光学系が設けられる場合、オートアライメントを実行することができる。具体的には、コンピュータ230のデータ処理部260は、正面画像取得光学系のイメージセンサから入力される信号を解析して2つのアライメント視標像の位置を特定する。さらに、制御部240は、特定された2つのアライメント視標像の位置に基づいて、イメージセンサの受光面の所定位置(たとえば中心位置)に2つの角膜反射光が重なって投影されるように、光学ユニット210をxy方向に移動させる。なお、光学ユニット210は、ユニット駆動部210Aによって移動される。
正面画像取得光学系が設けられる場合、従来の眼底カメラと同様のフォーカス光学系をさらに設けることができる。フォーカス光学系は、測定光路から分岐した光路を形成するものであり、眼底Efに対するフォーカシング(ピント合わせ)を行うための視標(スプリット視標)を生成する。図示は省略するが、フォーカス光学系は、フォーカシング光源(LED等)から出力された光束からスプリット視標板によって2つのフォーカシング光束を生成する。2つのフォーカシング光束は、測定光路に対して傾斜配置された反射部材を介して測定光路に導かれ、眼底Efに投影される。フォーカシング光束の眼底反射光は、正面画像取得光学系のイメージセンサによって検出される。
フォーカス光学系が設けられる場合、オートフォーカスを実行することができる。具体的には、コンピュータ230のデータ処理部260は、正面画像取得光学系のイメージセンサから入力される信号を解析して2つのスプリット視標像の位置を特定する。さらに、制御部240は、特定された2つのスプリット視標像の位置に基づいて、イメージセンサの受光面に対して2つの眼底反射光が一直線上に投影されるように、フォーカス光学系の移動制御および合焦レンズの制御(対物レンズ219の移動制御、視度補正レンズの挿入/退避の制御など)を行う。
正面画像取得光学系が設けられる場合、オートトラッキングを行うことができる。オートトラッキングとは、被検眼Eの動きに合わせて光学ユニット210を移動させるものである。オートトラッキングを行う場合、事前にアライメントとフォーカシングが実行される。オートトラッキングは、たとえば次のようにして実行される。まず、正面画像取得光学系によって被検眼Eを動画撮影する。データ処理部260は、この動画撮影により得られるフレームを逐次に解析することで、被検眼Eの動き(位置の変化)を監視する。制御部240は、逐次に取得される被検眼Eの位置に合わせて光学ユニット210を移動させるようにユニット駆動部210Aを制御する。それにより、被検眼Eの動きに対して光学ユニット210をリアルタイムで追従させることができ、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持することが可能となる。
(制御系・データ処理系)
実施形態に係る眼科検査装置200−aの制御系およびデータ処理系について説明する。制御系およびデータ処理系の構成例を図4に示す。
制御系およびデータ処理系は、コンピュータ230を中心に構成される。コンピュータ230は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、眼科検査装置200−aに各種処理を実行させるためのコンピュータプログラムが記憶されている。コンピュータ230は、特定の処理を実行する専用の回路基板を有していてよい。たとえばOCT画像を形成するための処理を実行する回路基板が設けられていてよい。
(ユーザインターフェイス280)
コンピュータ230にはユーザインターフェイス280が接続されている。ユーザインターフェイス280には、表示部281と操作部282とが含まれる。表示部281は、フラットパネルディスプレイ等の表示デバイスを含む。操作部282は、眼科検査装置200−aの筐体や外部に設けられたボタン、キー、ジョイスティック、操作パネル等の操作デバイスを含む。コンピュータ230がパーソナルコンピュータを含む場合、操作部282は、このパーソナルコンピュータの操作デバイス(マウス、キーボード、トラックパッド、ボタン等)を含んでいてよい。
表示部281と操作部282は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。たとえばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。その場合、操作部282は、このタッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。操作部282に対する操作内容は、電気信号として制御部240に入力される。また、表示部281に表示されたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)と、操作部282とを用いて、操作や情報入力を行うようにしてもよい。
(制御部240)
制御部240は、コンピュータ230に設けられている。制御部240は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。制御部240には、主制御部241と記憶部242が設けられている。
(主制御部241)
主制御部241は、眼科検査装置200−aの各部の制御を行う。たとえば、主制御部241による制御の対象には、ユニット駆動部210A、光源211、参照ミラー駆動部214A、スキャナ216、鏡筒駆動部219B、CCD(イメージセンサ)223、フラットパネルディスプレイ225、表示部281、データ処理部260、および通信部270が含まれる。
ユニット駆動部210Aは、測定光路(対物レンズ219の光軸)に沿う方向(z方向)と、z方向に対して直交する面に沿う方向(xy方向)とに、光学ユニット210を移動するための機構を有する。参照ミラー駆動部214Aは、参照光路に沿って参照ミラー214を移動する。鏡筒駆動部219Bは、測定光路に沿って対物レンズ219および鏡筒部219Aを移動する。
(記憶部242)
記憶部242は、各種のデータを記憶する。また、記憶部242には、眼科検査装置200−aを動作させるための各種コンピュータプログラムやデータが記憶されている。記憶部242に記憶されるデータは、眼科検査装置200−aにより取得されるデータと、あらかじめ記憶されるデータとを含む。コンピュータプログラムは、たとえば、クラウドサーバ100と連動して眼科検査装置200−aを動作させるように構成されている。
眼科検査装置200−aにより取得されるデータとしては、OCT画像の画像データ、検査データ、正面画像の画像データなどがある。検査データは、光学ユニット210による干渉光の検出結果を処理することにより生成される、被検眼の状態を示すデータを含む(詳細は後述する)。また、検査データは、自覚式視力検査により得られた視力値データや、正面画像の画像データを処理することにより生成されるデータを含んでいてよい。記憶部242にあらかじめ記憶されるデータとしては、設定情報や正規ユーザ認証情報などがある。
(設定情報)
設定情報は、光学ユニット210およびデータ処理部260に関する所定の項目の設定の内容が記録された情報である。設定情報はたとえば次の事項のうち少なくとも1つに関する設定内容を含む:(1)固視位置;(2)スキャンパターン;(3)合焦位置;(4)視度補正値;(5)解析処理。固視位置は、被検眼Eを固視させる方向を示す。
(1)「固視位置」は、被検眼Eを固視させる方向、つまりOCT計測が実行される被検眼Eの部位を示す。固視位置としては、黄斑およびその周囲のOCT計測を行うための固視位置、視神経乳頭およびその周囲のOCT計測を行うための固視位置、黄斑および視神経乳頭並びにこれらの周囲のOCT計測を行うための固視位置などがある。また、被検眼Eの任意の部位に対応する固視位置を設定することも可能である。固視位置は、たとえば、フラットパネルディスプレイ225による固視標の表示位置(画素の位置)を示す情報を含む。
(2)「スキャンパターン」は、被検眼Eに対する測定光の投射位置をどのようなパターンに沿って移動させるかを示す。スキャンパターンとしては、1以上のラインスキャン(水平スキャン、垂直スキャン)、1以上のクロススキャン、ラジアルスキャン、サークルスキャンなどがある。また、3次元画像(3次元データセット)を取得する場合には、複数のラインスキャンの間隔が十分に狭く設定された3次元スキャンが適用される。
(3)「合焦位置」は、OCT計測において適用されるフォーカス条件を示す。合焦位置は、たとえば、対物レンズ219の位置を示す情報を含む。
(4)「視度補正値」は、視度補正において適用される条件を示す。具体的には、被検眼Eの屈折力(視力値)を示す値、視度補正レンズの適用/非適用、視度補正レンズにより印加する屈折力を示す値などがある。
(5)「解析処理」は、光学ユニット210により取得されるデータに基づき実行される処理の内容、つまり取得される検査データの種別を示す。解析処理としては、たとえばクラウドサーバ100と同様に、眼底層厚解析、ドルーゼン解析、乳頭形状解析などがある。眼底層厚解析は、眼底の所定の層組織(網膜、網膜のサブ組織、脈絡膜、強膜等)の厚さを求めるための解析処理である。ドルーゼン解析は、加齢黄斑変性症の診断材料として用いられるドルーゼン(老廃物の塊)の分布を求めるための解析処理である。乳頭形状解析は、眼底の断面像や3次元画像を解析して、網膜の孔部(切れ目、欠損部位)を検出して視神経乳頭の形状を求める解析処理である。また、乳頭形状解析では、視神経乳頭の傾き(形状の非対称性)を求めることもできる。なお、これら解析処理については後述する。
被検者の左眼と右眼の双方のOCT計測を行う場合であって、特に左右で異なる設定が適用される場合には、左眼に関する設定情報(左眼用設定情報)と、右眼に関する設定情報(右眼用設定情報)とを別々に設けることが可能である。
また、眼科検査装置200−aを2以上の被検者が共用する場合であって、特に被検者ごとに異なる設定が適用される場合には、被検者ごとに個別の設定情報を設けることが可能である。各被検者の設定情報は、たとえば患者ユーザIDと対応付けられている。その場合、たとえば検査時に入力される患者ユーザIDによって、設定情報が選択的に適用される。
設定情報の作成方法について説明する。眼科検査装置200−aは、被検者に貸し出され、被検者の自宅等で使用される。設定情報の作成は、貸し出しの前に行われる。
設定情報の作成方法の第1の例として、眼科検査装置200−aのユーザインターフェイス280を用いることができる。たとえば、表示部281に表示された所定の設定画面に対し、光学ユニット210およびデータ処理部260に関する所定の項目の設定内容を、操作部282を用いて入力する。主制御部241は、入力された設定内容を含む設定情報を作成し、記憶部242に記憶させる。この場合、ユーザインターフェイス280がインターフェイス部として機能する。
設定情報の作成方法の第2の例として、眼科検査装置200−aに接続されたコンピュータ(たとえば医療従事者端末700−f)を用いることができる。医療従事者端末700−fはたとえば医師が使用するパーソナルコンピュータである。医療従事者端末700−fには、設定情報を作成するための機能(コンピュータプログラム)が搭載されている。医療従事者端末700−fのディスプレイには所定の設定画面が表示される。医師等は、この設定画面に対し、光学ユニット210およびデータ処理部260に関する所定の項目の設定内容を、操作デバイス(キーボード、マウス等)を用いて入力する。医療従事者端末700−fは、入力された設定内容をケーブル等を介して眼科検査装置200−aに送信する。眼科検査装置200−aは、医療従事者端末700−fから送信された設定内容を通信部270によって受信する。主制御部241は、受信された設定内容を含む設定情報を作成し、記憶部242に記憶させる。この場合、通信部270がインターフェイス部として機能する。
設定情報の作成においては、被検眼Eの検査結果や検査条件、疾患名(その診断材料となるデータの種別など)などが参照される。たとえば、固視位置の設定は、過去のOCT計測において適用された固視位置や、疾患名を参照して行われる。スキャンパターンの設定は、過去のOCT計測において適用されたスキャンパターンや、疾患名を参照して行われる。合焦位置の設定は、過去のOCT計測において適用された合焦位置を参照して行われる。視度補正値の設定は、過去の検査で取得された視力値や屈折力を参照して行われる。解析処理の設定は、過去の検査で適用された解析処理の種別や、疾患名を参照して行われる。
検査結果、検査条件および/または疾患名と、設定内容との関係の具体例を説明する。黄斑の検査においては次のような設定内容を採用することができる。
(1)固視位置としては、スキャン範囲に黄斑が含まれるような固視位置、たとえば測定光路の光軸の延長上に黄斑が位置するような固視位置が採用される。
(2)スキャンパターンとしては、3次元スキャン、ラジアルスキャンおよび/またはラインスキャンが採用される。
(3)合焦位置としては、過去に実施されたOCT計測において適用された合焦位置、または被検眼Eの測定値(眼軸長、屈折力等)から演算によって得られる合焦位置が採用される。
(4)視度補正値としては、過去に実施されたOCT計測において適用された視度補正値、または被検眼Eの屈折力の測定値から得られる視度補正値が採用される。
(5)解析処理としては、眼底層厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)が用いられる。なお、この眼底層厚解析では、たとえば網膜の厚さが求められる(網膜厚解析)。
視神経乳頭の検査においては次のような設定内容を採用することができる。
(1)固視位置としては、スキャン範囲に視神経乳頭が含まれるような固視位置、たとえば、測定光路の光軸の延長上に視神経乳頭が位置するような固視位置が採用される。
(2)スキャンパターンとしては、3次元スキャンおよび/またはサークルスキャンが採用される。
(3)合焦位置としては、過去に実施されたOCT計測において適用された合焦位置、または被検眼Eの測定値(眼軸長、屈折力等)から演算によって得られる合焦位置が採用される。
(4)視度補正値としては、過去に実施されたOCT計測において適用された視度補正値、または被検眼Eの屈折力の測定値から得られる視度補正値が採用される。
(5)解析処理としては、眼底層厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)および/または乳頭形状解析が用いられる。なお、この眼底層厚解析では、たとえば網膜神経線維層の厚さが求められる(RNFL厚解析)。
緑内障の検査においては次のような設定内容を採用することができる。
(1)固視位置としては、スキャン範囲に黄斑が含まれるような固視位置(たとえば測定光路の光軸の延長上に黄斑が位置するような固視位置)、および/または、スキャン範囲に視神経乳頭が含まれるような固視位置(たとえば測定光路の光軸の延長上に視神経乳頭が位置するような固視位置)が採用される。
(2)スキャンパターンとしては、3次元スキャンが採用される。
(3)合焦位置としては、過去に実施されたOCT計測において適用された合焦位置、または被検眼Eの測定値(眼軸長、屈折力等)から演算によって得られる合焦位置が採用される。
(4)視度補正値としては、過去に実施されたOCT計測において適用された視度補正値、または被検眼Eの屈折力の測定値から得られる視度補正値が採用される。
(5)解析処理としては、網膜厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)、RNFL厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)、および/または乳頭形状解析が用いられる。
加齢黄斑変性症の検査においては次のような設定内容を採用することができる。
(1)固視位置としては、スキャン範囲に黄斑が含まれるような固視位置、たとえば測定光路の光軸の延長上に黄斑が位置するような固視位置が採用される。
(2)スキャンパターンとしては、3次元スキャンが採用される。
(3)合焦位置としては、過去に実施されたOCT計測において適用された合焦位置、または被検眼Eの測定値(眼軸長、屈折力等)から演算によって得られる合焦位置が採用される。
(4)視度補正値としては、過去に実施されたOCT計測において適用された視度補正値、または被検眼Eの屈折力の測定値から得られる視度補正値が採用される。
(5)解析処理としては、網膜厚解析(および標準的な層厚値との比較解析)、および/またはドルーゼン解析が用いられる。
設定情報の一部または全部を自動で作成することも可能である。その場合、主制御部241や医療従事者端末700−fは、被検眼Eの検査結果や検査条件、疾患名に関する情報を当該被検者の電子カルテから取得する。そして、取得された情報を含む設定情報が作成される。
(正規ユーザ認証情報)
正規ユーザ認証情報は、眼科検査装置200−aを用いて検査を行うことが許可された者(正規の被検者)のユーザ認証情報である。ユーザ認証情報とは、眼科検査装置200−aを用いて検査を行おうとしている者のユーザ認証を行うために使用される情報である。
ユーザ認証情報としては、文字列情報や画像情報が用いられる。文字列情報としては、医療機関にて付与された患者ID、被検者の氏名等の個人情報、被検者が任意に指定した文字列情報、ランダムに指定された文字列情報などがある。画像情報としては、生体認証情報(指紋パターン、虹彩パターン、静脈パターン、顔型パターンなど)、1次元コード、2次元コードなどがある。また、ユーザ認証情報として音声パターンや筆跡パターンを用いることも可能である。
正規ユーザ認証情報は、たとえば、眼科検査装置200−aが被検者に貸し出される前に、眼科検査装置200−aに入力される。正規ユーザ認証情報が文字列情報である場合の入力方法としては、ユーザインターフェイス280または医療従事者端末700−fを用いた手入力、カードリーダ等の読取装置を用いた読み取り入力、電子カルテ等からの読み込みなどがある。また、正規ユーザ認証情報が画像情報である場合の入力方法としては、カードリーダ等の読取装置を用いた読み取り入力、紙葉類に記載された情報のスキャン入力、電子カルテ等からの読み込み、生体認証情報入力装置(指紋読取装置、虹彩読取装置、静脈読取装置、顔型解析装置など)からの入力などがある。また、音声パターンが用いられる場合には、音声入力装置から正規ユーザ認証情報が入力される。また、筆跡パターンが用いられる場合には、紙葉類に記載された情報を読み取ったスキャナから正規ユーザ認証情報が入力される。
眼科検査装置200−aが患者の自宅等に設置された後に、この眼科検査装置200−aに正規ユーザ認証情報を記憶させることも可能である。たとえば、眼科検査装置200−aを自宅等に設置するときに、眼科検査装置200−aとクラウドサーバ100との間のデータ通信を確立する処理が行われる。この処理において、データ通信が確立した後に、クラウドサーバ100から眼科検査装置200−aに対して、患者ユーザIDや正規ユーザ認証情報を送付することが可能である。
眼科検査装置200−aを用いた検査を行おうとする者は、所定の方法でユーザ認証情報を入力する。入力方法は、使用されるユーザ認証情報の種別に対応する。つまり、眼科検査装置200−aの使用に際して行われるユーザ認証情報の入力は、上記した正規ユーザ認証情報の入力と同様の方法にて行われる。ユーザ認証情報を入力するための構成要素は第2の入力部に相当する。
第2の入力部の具体例として次のものがある。
・ユーザ認証情報を手入力するためのユーザインターフェイス280
・患者端末300−b等にて入力されたユーザ認証情報を受信する通信部270
・カード等の記録媒体に記録されたユーザ認証情報を読み取る、カードリーダ等の読取装置
・電子カルテ等に記録されているユーザ認証情報を受信する通信部270
・紙葉類に記載されたユーザ認証情報をスキャンするスキャナ
・生体認証情報からなるユーザ認証情報を読み取る生体認証情報入力装置(指紋読取装置、虹彩読取装置、静脈読取装置、顔型解析装置など)
・聴覚情報からなるユーザ認証情報を入力するための音声入力装置
眼科検査装置200−aを2人以上の被検者が共用する場合、各被検者についての正規ユーザ認証情報が記憶部242にあらかじめ記憶される。
眼科検査装置200−aとクラウドサーバ100とが連係して被検眼Eの検査を行うように構成することが可能である。たとえば、個人認証処理をクラウドサーバ100で行うように構成することができる。その場合、検査を行おうとする者は、患者ユーザIDおよびユーザ認証情報を、眼科検査装置200−aまたは患者端末300−bを介してクラウドサーバ100に送る。クラウドサーバ100の認証処理部160は、眼科検査装置200−aからの入力された患者ユーザIDおよびユーザ認証情報に基づいて認証処理を行う。
認証に成功した場合、クラウドサーバ100の演算制御部110は、通信部130を制御し、検査の実施を許可する旨を示す情報を眼科検査装置200−aに送信させる。この許可情報が受信されたことに対応し、眼科検査装置200−aの主制御部241は、検査に関する制御を開始する。
一方、認証に失敗した場合、クラウドサーバ100の演算制御部110は、通信部130を制御し、検査の実施を禁止する旨を示す情報を眼科検査装置200−aに送信させる。この禁止情報が受信されたことに対応し、眼科検査装置200−aの主制御部241は、検査に関する機能を停止する。或いは、禁止情報が受信されたことに対応し、主制御部241は、認証に失敗した旨や、患者ユーザID等の再入力を促す旨のメッセージを出力させる(たとえば表示部281にメッセージを表示させる)。認証の失敗が所定回数に達した場合、たとえば、クラウドサーバ100の演算制御部110は、通信部130を制御し、患者端末300−b、患者関係者の指定人端末400−c、および医療機関内サーバ600−eのうちのいずれかに、認証に問題が発生している旨を示す情報を送信させることができる。
(画像形成部250)
画像形成部250は、CCDイメージセンサ223からの検出信号に基づいて、被検眼Eの2次元断面像の画像データを形成する。この処理には、従来のスペクトラルドメインタイプのOCTと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、分散補償、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理が含まれている。他のタイプのOCTが適用される場合、画像形成部250は、そのタイプに応じた公知の処理を実行する。
画像形成部250は、たとえば、専用の回路基板および/またはマイクロプロセッサを含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。
OCT画像を形成する機能の一部または全部をクラウドサーバ100に設けることが可能である。OCT画像を形成する機能の全部がクラウドサーバ100に設けられる場合、眼科検査装置200−aに画像形成部250を設ける必要はない。
眼科検査装置200−aに画像形成部250が設けられない場合、主制御部241は、通信部270を制御し、CCDイメージセンサ223からの検出信号(検出データ)またはこの検出データを加工したデータを、クラウドサーバ100に送信させる。クラウドサーバ100の検査データ処理部150は、眼科検査装置200−aから受信されたデータに基づいて、被検眼Eの2次元断面像の画像データを形成する。
眼科検査装置200−aおよびクラウドサーバ100の双方に画像形成機能が設けられる場合、たとえば、画像形成部250と検査データ処理部150との連係によって被検眼Eの2次元断面像の画像データを形成することができる。この場合における他の処理例として、クラウドサーバ100の処理負荷が高いときには眼科検査装置200−aに画像形成処理を実行させ、処理負荷が低いときにはクラウドサーバ100に処理を実行させることができる。この処理負荷の判定は、たとえば演算制御部110が行う。また、処理負荷の判定において、複数の眼科検査装置200−aの使用状況を考慮することが可能である。
(データ処理部260)
データ処理部260は、各種のデータ処理を実行する。たとえば、データ処理部260は、画像形成部250により形成された画像に対して画像処理を施す。その一例として、データ処理部260は、断面位置が異なる複数の2次元断面像に基づいて、被検眼Eの3次元画像の画像データを形成することができる。3次元画像の画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像データを意味する。3次元画像の画像データとしては、3次元的に配列されたボクセルからなる画像データがある。この画像データは、ボリュームデータ或いはボクセルデータなどと呼ばれる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、データ処理部260は、このボリュームデータに対してレンダリング処理(ボリュームレンダリングやMIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影)など)を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像の画像データを形成する。また、データ処理部260は、3次元画像の任意の断面を画像化することができる(MPR(Multi−Planar Reconstruction):断面変換)。
また、3次元画像の画像データとして、複数の断面像のスタックデータを形成することも可能である。スタックデータは、複数の走査線に沿って得られた複数の断面像を、走査線の位置関係に基づいて3次元的に配列させることで得られる画像データである。すなわち、スタックデータは、元々個別の2次元座標系により定義されていた複数の断面像を、1つの3次元座標系により表現する(つまり1つの3次元空間に埋め込む)ことにより得られる画像データである。データ処理部260は、スタックデータに基づくMPR処理を行うことが可能である。
データ処理部260は、たとえば、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、所定のデータ処理専用の回路基板などを含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、後述のデータ処理をマイクロプロセッサに実行させるコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。
データ処理部260は、検査データ生成部261と、静止判定部262と、左右判定部263と、認証処理部264と、監視処理部265とを有する。
(検査データ生成部261)
検査データ生成部261は、光学ユニット210による干渉光の検出結果を処理することにより、被検眼Eの状態を示す検査データを生成する。検査データ生成部261は処理部の一例である。検査データ生成部261が処理する「干渉光の検出結果」は、たとえば次のいずれかである。
(1)CCDイメージセンサ223から出力される信号
(2)画像形成部250により形成された画像データ
(3)画像形成部250が実行する処理の中間段階で得られるデータ(つまり、画像データ形成処理の途中で得られるデータ)
(4)CCDイメージセンサ223から出力される信号を画像形成部250以外の構成要素によって処理して得られるデータ
検査データ生成部261が実行する処理の例を説明する。第1の例として、検査データ生成部261は、光学ユニット210による干渉光の検出結果に基づいて眼底Efの層厚情報を生成することができる。この場合、検査データ生成部261は、層厚情報生成部として機能し、前述の眼底層厚解析(網膜厚解析、RNFL厚解析など)を実行する。さらに、検査データ生成部261は、眼底層厚解析により取得された層厚情報と標準的な層厚値との比較解析を行うことが可能である。
眼底層厚解析は、干渉光の検出結果に基づいて、眼底Efの所定の層組織の厚さ(分布)を求める処理である。その一例として網膜厚解析について説明する。他の層組織の厚さを求める場合も同様の処理が実行される。
網膜厚解析では、たとえば眼底Efの断面像や3次元画像を解析することにより、当該スキャン範囲の一部または全部における網膜の厚さ分布を求める。なお、網膜厚には様々な定義がある。たとえば、内境界膜から内顆粒層(視細胞の内接・外接)までの厚さを網膜厚とする場合、内境界膜から網膜色素上皮層までの厚さを網膜厚とする場合などがある。網膜厚解析で求める網膜厚はこのような定義のうちのいずれかである。
網膜厚解析は、たとえば次のようにして実行される。まず、眼底EfのOCT画像を解析して、所定の境界部位(たとえば内境界膜と網膜色素上皮層)に相当する画像領域を特定する。そして、特定された境界部位の間の画素数をカウントして網膜厚(深度方向の距離)を求める。なお、OCT画像を解析して眼底の層の厚さを求める処理は、たとえば本出願人による特開2007−325831号公報、特開2008−206684号公報、特開2009−61203号公報、特開2009−66015号公報などに説明されている。
網膜厚の比較解析は、網膜厚解析により求められた網膜厚と、あらかじめ記憶された標準データ(Normative data)と比較する解析処理である。Normative dataは、健常眼の網膜厚の標準値(標準厚)である。Normative dataは、健常眼の網膜厚を多数計測し、その計測結果の統計値(平均値、標準偏差など)を求めることにより作成される。比較解析は、被検眼Eの網膜厚が健常眼のそれの範囲に含まれるか否か判定するものである。なお、比較解析は、疾患のある眼における網膜厚の範囲を求め、網膜厚解析により得られた網膜厚が当該範囲に含まれるか否か判定する処理であってよい。
検査データ生成部261はドルーゼン解析を実行できるように構成されていてよい。ドルーゼン解析は、たとえばOCT画像を解析することにより、そのスキャン範囲の一部または全部におけるドルーゼンの分布状態を求める解析処理である。この分布状態には、眼底Efにおけるドルーゼンの位置やサイズ(面積、体積、径)などが含まれる。
ドルーゼン解析は、たとえば、OCT画像を解析してブルッフ膜に相当する画像領域と網膜色素上皮に相当する画像領域とを特定し、これら画像領域の間の画素値に基づいて小さな略円形の隆起形状に相当する画像領域をドルーゼン(の候補)として特定することにより実行できる。このような形状に基づく画像領域の特定処理は、たとえば、当該形状のテンプレートとの画像マッチングによって行うことが可能である。さらに、検査データ生成部261は、このようにして特定されたドルーゼンに相当する画像領域に基づいて、ドルーゼンの位置、個数、サイズなどを求める。また、取得されたドルーゼンの分布にもとづいて、加齢黄斑変性症の状態の評価情報を生成することができる。
なお、前述の正面画像取得光学系が設けられている場合であって、眼底Efの撮影が可能である場合には、眼底Fの撮影画像に基づいてドルーゼン解析を行うことができる。このドルーゼン解析は、たとえば、撮影画像の各画素の画素値が所定範囲に含まれるか判定し、所定範囲に含まれる画素を特定することにより実行される。撮影画像がカラー画像である場合、ドルーゼンは特徴的な色(黄白色)で描写されるので、この特徴的な色に相当する画素値の範囲が上記所定範囲としてあらかじめ設定される。また、撮影画像がモノクロ画像である場合、ドルーゼンは特徴的な明るさ(輝度)で描写されるので、この特徴的な輝度に相当する画素値の範囲が上記所定範囲としてあらかじめ設定される。また、ドルーゼンの標準的な形状(小さな略円形の隆起形状)に基づくテンプレートマッチングなどを行うことによって、ドルーゼンに相当する画像領域を特定することも可能である。
乳頭形状解析は、眼底Efの断面像や3次元画像を解析して網膜の孔部(切れ目、欠損部位)を検出し、視神経乳頭の形状を求める解析処理を含んでいてよい。乳頭形状解析は、たとえば、断面像等を解析して視神経乳頭及びその近傍の網膜表面に相当する画像領域を特定し、特定された画像領域を解析してその大域的形状や局所的形状(凹凸)を表すパラメータ(乳頭形状パラメータ)を求める。乳頭形状パラメータの例として、視神経乳頭のカップ径、ディスク径、リム径、乳頭深さなどがある。
また、乳頭形状解析は、視神経乳頭の傾き(形状の非対称性)を求める解析処理を含んでいてよい。この解析処理は、たとえば次のようにして実行される。まず、検査データ生成部261は、視神経乳頭を含む領域をスキャンして得られた3次元画像を解析して乳頭中心を特定する。次に、検査データ生成部261は、乳頭中心を中心とする円形領域を設定し、この円形領域を放射状に分割して複数の部分領域を得る。続いて、検査データ生成部261は、円形領域の断面像を解析することで、各ピクセル位置における所定層(たとえば網膜色素上皮層)の高さ位置を求める。さらに、検査データ生成部261は、各部分領域における所定層の高さ位置の平均値を算出する。次に、検査データ生成部261は、乳頭中心に関して対向位置に相当する一対の部分領域について得られた一対の平均値を比較することにより、この対向方向における眼底Efの傾斜を求める。そして、検査データ生成部261は、複数の対向方向について得られた傾斜に基づいて、上記円形領域における眼底Efの傾斜の分布を示す傾斜分布情報を生成する。なお、生成された傾斜分布情報(およびその標準的な分布を示す情報)に基づいて、疾患の状態の評価情報を生成することができる。
以上に説明した検査データはOCT計測の結果に基づくものであるが、検査データは他の検査の結果を含んでいてもよい。その一例として、フラットパネルディスプレイ225が自覚式視力検査用の視標(ランドルト環など)を表示可能である場合、検査データ生成部261は、自覚式視力検査の結果を含む検査データを生成することが可能である。
自覚式視力検査は、被検眼Eに提示された視標に対して被検者が応答することによって行われる。検査データ生成部261は、所定のコンピュータプログラムにしたがい、被検者の応答の正否を判定する処理と、その判定結果に応じて次に提示される視標を決定する処理とを繰り返し行う。主制御部241は、検査データ生成部261により決定された視標をフラットパネルディスプレイ225に表示させる。このような処理を繰り返し行うことにより、検査データ生成部261は被検眼Eの視力値を決定し、この視力値を含む検査データを生成する。
(静止判定部262)
静止判定部262は、光学ユニット210により取得されるデータに基づいて被検眼Eが実質的に静止しているか否か判定する(静止判定処理)。「実質的に静止している」には、被検眼Eが静止している場合だけでなく、OCT計測に影響を与えない程度の動きを被検眼Eが行なっている場合も含まれる。この動きの許容範囲は、あらかじめ任意に設定される。
静止判定処理の例を説明する。第1の例として、測定光の戻り光の強度に基づく静止判定処理がある。測定光の戻り光の強度は、アライメントが合っている状態において最大となる(角膜からの正反射が最大となるため)。戻り光の強度の検出は、たとえば、戻り光の一部をフォトディテクタ等で検出することによって得られる。静止判定部262は、戻り光の強度の時間変化に基づいて、被検眼Eが実質的に静止しているか判定することができる。また、戻り光の強度は干渉光の強度に影響するので、CCDイメージセンサ223からの信号の強度の時間変化に基づいて静止判定を行うことも可能である。
第2の例として、前述の正面画像取得光学系が設けられている場合には、次のような静止判定処理を実行することが可能である。まず、正面画像取得光学系を用いて被検眼Eを動画撮影する。それにより、所定の時間間隔で被検眼Eの正面画像(フレーム)が得られる。静止判定部262は、逐次に入力される正面画像を解析し、被検眼Eの特徴部位を検出する。この特徴部位は、前眼部像においてはたとえば瞳孔(またはその中心)であり、眼底像においてはたとえば視神経乳頭(またはその中心)、黄斑(またはその中心)、血管、疾患部である。さらに、静止判定部262は、時系列で入力される正面画像における特徴部位の位置の変化を監視することにより、被検眼Eが実質的に静止しているか判定することができる。
(左右判定部263)
左右判定部263は、被検眼Eが左眼であるか右眼であるか判定する(左右判定処理)。左眼判定処理は、眼科検査装置200−aを用いて左右両眼の検査を行う場合に実行される。左右いずれか一方の眼の検査のみ行う場合、たとえば、検査対象の眼が左眼であるか右眼であるかを示す情報が記憶部242にあらかじめ記憶される。
なお、一方の眼のみが検査対象である場合であっても、誤って他方の眼の検査を行なってしまう事態を防止するために、左右判定処理を行なってもよい。つまり、たとえば左眼が検査対象として設定されている場合において、左右判定処理を行った結果、被検眼Eが右眼であると判定されたときに、所定の報知情報を出力するように構成することができる。この報知情報は、たとえば、表示部281若しくはフラットパネルディスプレイ225による表示情報、または図示しない音声出力部による聴覚情報である。また、測定光が可視成分を含んでいる場合においては、測定光を点滅させるなどして報知を行うことが可能である。
左右判定処理の例を説明する。第1の例として、ユニット駆動部210Aに対する制御状態に基づく左右判定処理がある。本例は、左眼を検査するときと、右眼を検査するときとで、光学ユニット210の位置が異なる構成が適用される場合に用いられる。前述のように、光学ユニット210は、主制御部241がユニット駆動部210Aを制御することによって移動される。主制御部241は、ユニット駆動部210Aを制御する度に、その制御内容を左右判定部263に送信する。左右判定部263は、主制御部241から入力される制御内容に基づいて、光学ユニット210が左眼を検査するための位置に配置されているか、または右眼を検査するための位置に配置されているか判定する。なお、左眼を検査するための位置の範囲、および、右眼を検査するための位置の範囲は、それぞれあらかじめ設定されている。
第2の例として、前述の正面画像取得光学系が設けられている場合には、正面画像を解析することによって左右判定処理を行うことが可能である。正面画像が前眼部像である場合、たとえば瞼の形状に基づいて目頭側および目尻側を特定でき、それにより被検眼Eが左眼か右眼かを判定することが可能である。また、正面画像が眼底像である場合、視神経乳頭の位置、黄斑の位置、視神経乳頭と黄斑との位置関係、血管の走行状態などによって、被検眼Eが左眼か右眼かを判定することができる。
上記のように、左右判定部263は、被検眼Eが左眼であるか右眼であるかを自動で判定する機能を有する。この判定結果は制御部240に入力される。左右判定部263は、被検眼Eが左眼であるか右眼であるかを示す情報を制御部240に入力する第1の入力部として機能する。一方、このような自動判定機能を設けないことも可能である。たとえば、被検眼Eが左眼であるか右眼であるかを、被検者(または補助者)が操作部282を介して入力する。この場合、操作部282が第1の入力部に相当する。
(認証処理部264)
前述したように、制御部240は、第2の入力部からユーザ認証情報の入力を受ける。制御部240は、入力されたユーザ認証情報を、記憶部242に記憶されている正規ユーザ認証情報とともに認証処理部264に送る。認証処理部264は、このユーザ認証情報と正規ユーザ認証情報とが一致するか判定する。認証処理部264は、その判定結果を制御部240に送る。
なお、眼科検査装置200−aを2以上の被検者が共用する場合、つまり2人以上の正規の被検者が存在する場合、前述したように、各被検者の正規ユーザ認証情報が記憶部242に記憶されている。制御部240は、ユーザ認証情報の入力を受けたときに、記憶部242に記憶されている全ての正規ユーザ認証情報を、入力されたユーザ認証情報とともに認証処理部264に送る。認証処理部264は、入力されたユーザ認証情報が、これら正規ユーザ認証情報のいずれかに一致するか判定する。換言すると、認証処理部264は、入力されたユーザ認証情報に一致する正規ユーザ認証情報を探索する。
(監視処理部265)
監視処理部265は、眼科検査装置200−aの所定部位の動作状態を監視する。たとえば、監視処理部265は、眼科検査装置200−aの所定部位の誤動作、破損、故障などを検出する。或いは、監視処理部265は、眼科検査装置200−aの所定部位について、誤動作、破損、故障のおそれがあることを検出する。その具体例として、監視処理部265は、累積動作時間を計測し、その計測結果が所定の閾値を超えたことを検出する。
監視対象となる眼科検査装置200−aの部位は、任意のハードウェアおよび/または任意のソフトウェアを含んでいてよい。ハードウェアとしては、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス、光源、光学素子、受光素子、アクチュエータ、機構、ケーブルなどがある。ソフトウェアとしては、装置制御用のコンピュータプログラム、データ処理用のコンピュータプログラムなどがある。
所定部位の動作状態の監視方法の例を説明する。監視処理部265は、監視対象のハードウェアに関する物理量を検出し、その検出値が許容範囲に属するか判定することによって、当該ハードウェアに異常が発生しているか判定する。このような処理の例として次のものがある。
・熱を検出し、所定の温度以上であるか判定する
・機構が発する音を検出し、その周波数等によって異常音であるか否か判定する
・エンコーダ等によりハードウェアの変位を検出し、機構の異常動作やガタツキが発生しているか否か判定する
監視方法の他の例として、所定のデータをマイクロプロセッサに入力し、処理されたデータが正常であるか否かによって、マイクロプロセッサが正常に動作しているか否か、或いはコンピュータプログラムが正常であるか否かを判定することができる。
以上に説明したようなデータ処理部260の機能の一部または全部をクラウドサーバ100に設けることが可能である。データ処理部260の機能の全部がクラウドサーバ100に設けられる場合、眼科検査装置200−aにデータ処理部260を設ける必要はない。
眼科検査装置200−aにデータ処理部260が設けられない場合、主制御部241は、通信部270を制御し、CCDイメージセンサ223からの検出信号(検出データ)若しくはこの検出データを加工したデータ、または画像形成部250により形成された画像データを、クラウドサーバ100に送信させる。クラウドサーバ100の検査データ処理部150は、眼科検査装置200−aから受信されたデータに基づいて、所定のデータ処理を実行する。
眼科検査装置200−aおよびクラウドサーバ100の双方にデータ処理機能が設けられる場合、たとえば、データ処理部260と検査データ処理部150との連係によって所定のデータ処理を実行することができる。この場合における他の処理例として、クラウドサーバ100の処理負荷が高いときには眼科検査装置200−aに所定のデータ処理を実行させ、処理負荷が低いときにはクラウドサーバ100に所定のデータ処理を実行させることができる。この処理負荷の判定は、たとえば演算制御部110が行う。また、処理負荷の判定において、複数の眼科検査装置200−aの使用状況を考慮することが可能である。
(通信部270)
通信部270は、通信回線Nを介してデータ通信を行う。データ通信の方式は任意である。たとえば、通信部270は、インターネットに準拠した通信インターフェイス、LANに準拠した通信インターフェイス、近距離通信に準拠した通信インターフェイスなどを含む。また、データ通信は有線通信でも無線通信でもよい。通信先は、たとえばクラウドサーバ100や患者端末300−bである。
通信部270による送受信されるデータは暗号化されていてもよい。その場合、制御部240(またはデータ処理部260)は、送信データを暗号化する暗号化処理部と、受信データを復号する復号化処理部とを有する。
〔患者端末300−b〕
患者端末300−bは、患者ユーザの使用に供されるコンピュータ端末である。患者端末300−bは、たとえば、患者ユーザが所有するコンピュータ端末、患者ユーザに貸し出されるコンピュータ端末、または、所定の場所(たとえば老人福祉施設)に設置されたコンピュータ端末である。患者端末300−bの形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどがある。患者端末300−bには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば、汎用のブラウザおよび/または専用のアプリケーションソフトウェアを含む。患者端末300−bの機能や使用形態は、別途説明される。
〔指定人端末400−c〕
指定人端末400−cは、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用可能な者として指定された者(指定人)の使用に供されるコンピュータ端末である。指定人は、患者ユーザや、診断医端末500−dの使用者以外のユーザである。指定人としては、患者関係者、診断医端末500−dまたは医療従事者端末700−fの使用者以外の医療従事者などがある。なお、医療従事者とは医療業務に従事する者の総称である。医療従事者の例として、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、保健師、助産師、臨床検査技師、衛生検査技師、診療放射線技師、診療X線技師、栄養士、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、救急救命士、医事会計担当者などがある。
指定人端末400−cは、たとえば、指定人が所有するコンピュータ端末、指定人に貸し出されるコンピュータ端末、または、所定の場所(たとえば病院、診療所、老人福祉施設等)に設置されたコンピュータ端末である。指定人端末400−cの形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどがある。指定人端末400−cには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば、汎用のブラウザおよび/または専用のアプリケーションソフトウェアを含む。指定人端末400−cの機能や使用形態は、別途説明される。
〔診断医端末500−d〕
診断医端末500−dは、クラウドサーバ100によるサービスの対象疾患の診断を行う医師(またはその診断結果をコンピュータに入力する者。まとめて診断医等と呼ぶことがある。)の使用に供されるコンピュータ端末である。診断医端末500−dは、たとえば、診断医等が所有するコンピュータ端末、診断医等に貸し出されるコンピュータ端末、または、所定の場所(たとえば病院、診療所、健康診断センター、人間ドックセンター、検診車等)に設置されたコンピュータ端末である。診断医端末500−dの形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどがある。診断医端末500−dには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば、汎用のブラウザおよび/または専用のアプリケーションソフトウェアを含む。診断医端末500−dの機能や使用形態は、別途説明される。
〔医療機関内サーバ600−e〕
医療機関内サーバ600−eは、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用可能な医療機関(病院、診療所等)に設置されたサーバである。医療機関内サーバ600−eは、クラウドサーバ100と連係してサービスを提供し、たとえば、病院情報システム(オーダリングシステム、電子カルテシステム、レセプトシステム等を含む)と連係して動作するよう構成されている。医療機関内サーバ600−eは、クラウドサーバ100が提供するサービスを複数のクライアント(医療従事者端末700−f)に提供する。医療機関内サーバ600−eには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば専用のアプリケーションソフトウェアを含む。医療機関内サーバ600−eの機能や使用形態は、別途説明される。
〔医療従事者端末700−f〕
医療従事者端末700−fは、クラウドサーバ100が提供するサービスを、医療機関内サーバ600−eを介して利用するために用いられる。医療従事者端末700−fは、たとえば、医療従事者が所有するコンピュータ端末、医療従事者に貸し出されるコンピュータ端末、または、所定の場所(病院、診療所等)に設置されたコンピュータ端末である。医療従事者端末700−fの形態として、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどがある。医療従事者端末700−fには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば、汎用のブラウザおよび/または専用のアプリケーションソフトウェアを含む。医療従事者端末700−fの機能や使用形態は、別途説明される。
〔金融機関サーバ800−g〕
金融機関サーバ800−gは、銀行やクレジットカード会社が取り扱う情報を処理するためのサーバである。金融機関サーバ800−gは、クラウドサーバ100が提供するサービスにおいて当該金融機関に関する情報(課金に関する情報、料金の支払に関する情報等)をクラウドサーバ100との間でやりとりする。金融機関サーバ800−gには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば専用のアプリケーションソフトウェアを含む。金融機関サーバ800−gの機能や使用形態は、別途説明される。
〔保険提供者サーバ900−h〕
保険提供者サーバ900−hは、公的保険機関や保険会社が取り扱う情報を処理するためのサーバである。保険提供者サーバ900−hは、クラウドサーバ100が提供するサービスにおいて当該保険提供者に関する情報(課金に関する情報、保険給付に関する情報等)をクラウドサーバ100との間でやりとりする。保険提供者サーバ900−hには、クラウドサーバ100が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、たとえば専用のアプリケーションソフトウェアを含む。保険提供者サーバ900−hの機能や使用形態は、別途説明される。
[使用形態]
実施形態に係る患者管理システム1の使用形態を説明する。
〔患者ユーザの登録〜眼科検査〕
患者ユーザの登録、眼科検査装置200−aの自宅等への設置、および、在宅での眼科検査について説明する。この流れの一例を図5Aおよび図5Bに示す。図5Aは、眼科検査装置200−aが被検者の自宅等に設置されるまでの流れを示している。図5Bは、眼科検査装置200−aの設置から返却まで流れ、特に被検者の自宅等における眼科検査装置200−aの使用形態を示している。
(S1)
診断医は、所定の疾患に関する診断を行う。所定の疾患とは、クラウドサーバ100によるサービスの対象となっている疾患を示す。或る受診者について、「所定の疾患にかかっている」または「その疑いがある」との診断がなされた場合、診断医等は、この受診者を新規の患者ユーザとして登録するようクラウドサーバ100に要求する。具体的には、診断医等は、この受診者に関する情報(氏名、年齢、性別、住所、被保険者番号、疾患名等)を含む新規登録に必要な情報を、診断医端末500−dを介してクラウドサーバ100に送信する。
(S2)
クラウドサーバ100は、診断医端末500−dから送信された情報を受信する。患者情報管理部141は、受信された情報に基づいて、この患者ユーザのアカウントを作成する。なお、受信された情報に基づいてこの患者ユーザのアカウントが既に存在するか判定するように構成することができる。アカウントが既に存在する場合、今回受信された情報や日時情報などを当該アカウントに記録する。一方、アカウントが存在しない場合には、新規アカウントを作成する。
なお、本例では診断医端末500−dを介して患者ユーザの紹介を行っているが、他の任意の端末またはサーバを介して患者ユーザの紹介を行うことも可能である。たとえば、この患者管理システム1を既に利用している患者ユーザが、自身の患者端末300−b等を用いて、知人を新たな患者ユーザとして紹介できるように構成することができる。
サーバが介在する場合の例を説明する。保険提供者サーバ900−hは、当該保険提供者のデータベースに登録されている保険ユーザ(または、これら登録ユーザのうち患者管理システム1が提供するサービスに適合する保険ユーザ)の情報(たとえば氏名、年齢、住所、連絡先等)をクラウドサーバ100に送信する。ユーザ情報管理部140は、保険提供者サーバ900−hから送信された保険ユーザの情報と、既存の各患者ユーザのアカウントに記録されている情報とを照合することにより、当該サービスの患者ユーザとして未だ登録がされていない保険ユーザを特定する。演算制御部110は、特定された保険ユーザの連絡先に、当該サービスへの登録を促す情報(たとえば電子メール)を送信する。なお、クラウドサーバ100は、特定された保険ユーザに向けて当該サービスへの登録を促す情報を送ることを保険提供者サーバ900−hに依頼するように構成されていてもよい。また、クラウドサーバ100と保険提供者サーバ900−hとの間において、既存の患者ユーザに関する情報の共有がなされている場合、または、クラウドサーバ100が管理している患者ユーザの情報(の一部)に対して保険提供者サーバ900−hがアクセスできる構成が適用されている場合、上記においてクラウドサーバ100が実行する処理を保険提供者サーバ900−hが行なってもよい。
(S3)
ステップS2に示すアカウント処理が終了したら、患者情報管理部141は、この患者ユーザのための医療機関を特定する。この処理はたとえば次のようにして行われる。患者情報管理部141は、この患者ユーザに関連付けられた医療機関があるか判定する。たとえば、患者情報管理部141は、記憶部120に記憶されている医療機関ユーザに関する情報に、この患者ユーザのID(ユーザID、患者ID等)が含まれているか探索する。
そのような医療機関ユーザが存在する場合、この患者ユーザとこの医療機関ユーザとは関連付けられていると判定される。また、この患者ユーザのアカウントが既に作成されていた場合、患者情報管理部141は、このアカウントに記録されている医療機関ユーザのユーザIDを探索する。医療機関ユーザのユーザIDが探索された場合、この患者ユーザとこの医療機関とは関連付けられていると判定される。
この患者ユーザに関連付けられた医療機関ユーザが存在しないと判定された場合、患者情報管理部141は、医療機関情報管理部142により管理されている医療機関のうちから、この患者ユーザのための医療機関ユーザを選択する。この処理では、たとえば、この患者ユーザの住所に最も近い所在地の医療機関ユーザが選択される。また、医療機関ユーザから診察スケジュール(来院患者の予約状況、混み具合等)が提供されている場合などには、複数の医療機関ユーザのうち、最短で診療を受けられる医療機関ユーザ、つまり最も近い日時に予約を受け付け可能な医療機関ユーザを選択するようにしてもよい。また、選択される医療機関ユーザの数は任意(1以上)である。患者情報管理部141は、選択された医療機関のユーザIDを、この患者ユーザのアカウントに記録する。
(S4)
演算制御部110は、ステップS3で特定された医療機関ユーザのアカウントから連絡先(IPアドレス)を取得し、かつ、この患者ユーザのアカウントから所定の情報(患者情報:患者ユーザID、氏名、年齢、性別、住所、被保険者番号、疾患名等)を取得する。さらに、演算制御部110は、この連絡先に基づいて通信部130を制御することにより、この患者情報を医療機関内サーバ600−eに送信させる。
(S5)
医療機関内サーバ600−eは、ステップS4でクラウドサーバ100から送信された患者情報を受信し、図示しない記憶部に記憶する。このとき、この患者ユーザの電子カルテを新規に作成する処理、または、既に存在するこの患者ユーザの電子カルテに所定の情報を記録させる処理を行なってもよい。
(S6)
ステップS5の後の任意のタイミングにおいて、この患者ユーザに貸し出される眼科検査装置200−aの設定が行われる。この処理は、たとえば、医師等により、次のようにして実行される。なお、以下の設定処理は、この患者ユーザが当該医療機関に来院する前、来院時、または来院後に行われる。来院前の設定は、診断医がOCTを行った場合に適用可能であり、このOCTで適用された設定内容を利用して行われる。よって、クラウドサーバ100は、たとえば診断医端末500−dから当該設定内容を取得してクラウドサーバ100に提供するように構成される。一方、来院時または来院後の設定は、診断医が行ったOCTにおける設定内容、および/または、来院時に行われたOCTにおける設定内容に基づいて行われる。
まず、設定用のアプリケーションプログラムが起動される。このアプリケーションプログラムは、設定作業に用いられる装置(たとえば眼科検査装置200−a、医療従事者端末700−fなど)にインストールされている。次に、医師等は、たとえば前述の要領で、光学ユニット210およびデータ処理部260に関する所定の項目の設定内容を入力する。眼科検査装置200−aの主制御部241は、たとえば前述の要領で、入力された設定内容を含む設定情報を作成する。主制御部241は、たとえば前述の要領で、作成された設定情報を記憶部242に記憶させる。設定情報には、たとえば、固視位置の設定内容、スキャンパターンの設定内容、合焦位置の設定内容、視度補正値の設定内容、解析処理の設定内容などが含まれる。
また、患者情報管理部141は、この患者ユーザに貸し出される眼科検査装置200−aに付与されている識別情報を、この患者ユーザのアカウントに記録する。
(S7)
ステップS6における設定情報の記憶が完了した後、この患者ユーザの自宅等に眼科検査装置200−aが搬送されて設置される。このとき、眼科検査装置200−aを安定的に設置するための取付具などを用いることができる。次のステップから図5Bを参照する。
(S11)
患者ユーザの自宅等に設置された眼科検査装置200−aを用いて眼科検査が実施される。眼科検査はたとえば次のような流れで実施される。
まず、検査開始の指示が行われる。この指示は、たとえば、電源オン操作、検査開始ボタンの押下、ユーザ認証情報の入力などである。
眼科検査装置200−aにおいてユーザ認証が行われる場合、たとえば前述の要領で、患者ユーザIDやユーザ認証情報の入力が行われる。認証処理部264は、入力されたユーザ認証情報と、記憶部242にあらかじめ記憶された正規ユーザ認証情報とが一致するか判定する。認証処理部264は、その判定結果を制御部240に送る。入力されたユーザ認証情報と正規ユーザ認証情報とが一致している場合、検査に移行する。一方、入力されたユーザ認証情報と正規ユーザ認証情報とが一致しない場合、主制御部241は、ユーザ認証情報の再入力を促すメッセージを、表示によりまたは音声により出力する。主制御部241は、不一致との判定が所定回数(たとえば3回)に達するまでメッセージの出力を繰り返す。不一致との判定が所定回数を超えた場合、主制御部241は、眼科検査装置200−aによる検査を禁止する。さらに、主制御部241は、通信部270を制御し、検査が禁止されたこと(認証エラーが生じたこと)をクラウドサーバ100に通知する。医師やメーカの担当者は、クラウドサーバ100を介して認証エラーが生じたことを認識し、検査の禁止を解除するための所定の作業を行う(電話にて確認するなど)。また、検査の禁止を解除するための処理をクラウドサーバ100等が行うように構成してもよい。たとえば、クラウドサーバ100は、この患者ユーザの患者端末300−bに個人確認用の情報を送信する。この情報に基づきパスワード入力が行われる。クラウドサーバ100は、入力されたパスワードの正否に基づいて、入力した者が正規の患者ユーザであるか否か判定する。入力した者が正規の患者ユーザであると判定された場合、クラウドサーバ100は、検査の禁止を解除するための情報を眼科検査装置200−aに送る。主制御部241は、クラウドサーバ100から受信した情報に基づいて、検査の禁止を解除する。
検査開始の指示が受け付けられると、主制御部241は、今回の検査が、自宅等に眼科検査装置200−aが設置されてから第1回目の検査であるか判定する。この処理は、たとえば、検査が行われる度にその履歴(ログ)を記憶部242に保存する構成を適用し、かつ、自宅等への設置前に検査履歴(検査ログ)をリセットしておくことにより実現できる。今回の検査が第2回目以降の検査であると判定された場合、自覚式視力検査を開始する。一方、今回の検査が第1回目の検査であると判定された場合、主制御部241は、ステップS6で記憶部242に記憶された設定情報に基づいて、光学ユニット210およびデータ処理部260に含まれる該当部分の設定を行う。この処理は、たとえば、固視位置の設定内容、スキャンパターンの設定内容、合焦位置の設定内容、視度補正値の設定内容、解析処理の設定内容などに基づいて行われる。
なお、ステップS19において設定情報が返却されるまでの間に行われる各回の検査において、ここで設定された内容がそのまま適用される。
本例では、被検眼Eの検査としてOCT計測と自覚式視力検査が行われる。OCT計測は、たとえば、自覚式視力検査の途中の段階で実行される。この場合、主制御部241は、まず、自覚式視力検査を開始する。すなわち、あらかじめ決定された検眼プログラムに基づいて最初の視標が被検眼Eに提示される。
このとき、主制御部241は、設定情報に含まれる固視位置の設定内容に基づくフラットパネルディスプレイ225の表示位置に、自覚式視力検査用の視標を表示させることができる。たとえば、円環の一部が欠損した形状のランドルト環が視標として用いられる場合、固視位置の設定内容に対応する位置に当該欠損部位が配置されるようにランドルト環を表示させることができる。より一般に、視標のうち被検者が特に注目する部分が固視位置の設定内容に対応する位置に配置されるように、フラットパネルディスプレイ225に視標を表示させることができる。それにより、OCT計測を行うための固視標としての機能を自覚式視力検査用の視標に付与することができる。
自覚式視力検査の開始を受けて、主制御部241は、被検眼Eの静止判定処理を開始させる。この静止判定処理は、たとえば前述の要領で、静止判定部262などによって実行される。静止判定処理は、少なくとも、被検眼Eが実質的に静止していると判定されるまで実行される。被検眼Eが実質的に静止していると判定されたら、OCT計測を開始する。
自覚式視力検査の開始から所定時間経過しても被検眼Eが静止したと判定されない場合、或いは、自覚式視力検査が所定の段階まで進んでも被検眼Eが静止したと判定されない場合などにおいて、警告を行うことができる。この警告は、たとえば、主制御部241が、上記のような警告タイミングの到来を検知し、表示部281または音声出力部を制御することによって行われる。
本例では自覚式視力検査の途中の段階でOCT計測を行なっているが、これら検査を行うタイミングは任意である。たとえば、自覚式視力検査の終了後にOCT計測を行うように、または、OCT計測を行った後に自覚式視力検査を行うように、制御を行うことが可能である。
被検眼Eが実質的に静止していると判定されたことに対応し、主制御部241は、光学ユニット210に被検眼EのOCT計測を実行させる。このOCT計測は、設定情報に含まれる設定内容(たとえば固視位置の設定内容、スキャンパターンの設定内容、合焦位置の設定内容、視度補正値の設定内容)にて実行される。
眼科検査装置200−aの動作の一例として、後述のステップS13を行う代わりに、OCT計測により取得されたデータに基づく解析処理(眼底層厚解析、ドルーゼン解析、乳頭形状解析など)を実行することができる。この解析処理は、設定情報に含まれる解析処理の設定内容に基づいて行われる。
自覚式視力検査において、被検眼Eの視力値は、検眼プログラムに応じて逐次に提示される視標に対する被検者の応答に基づいて決定される。視力値の決定とともに自覚式視力検査は終了となる。
検査データ生成部261は、OCT計測により取得されたデータ(たとえば画像データ、解析結果など)と、自覚式視力検査により取得されたデータとを含む検査データを生成する。
(S12)
主制御部241は、通信部270を制御し、検査データ処理部150により生成された検査データをクラウドサーバ100に向けて送信させる。
検査データは、検査日時、患者ユーザID、被検眼Eの識別情報、眼科検査装置200−aの識別情報などの付帯情報を含んでいてよい。検査日時は、たとえば、主制御部241(システムソフトウェア)に搭載された日時・時刻機能によって得られる。各種識別情報は、事前に記憶部242に記憶されている。
(S13)
クラウドサーバ100は、眼科検査装置200−aから送信された検査データを受信する。演算制御部110および/または検査データ処理部150は、受信された検査データに対して所定の処理を施す。その具体例として、検査データ処理部150は、OCTにより得られたデータに対し、眼底層厚解析、ドルーゼン解析、乳頭形状解析などを施すことができる。他の例については後述する。なお、検査データ処理部150による処理が介在しない使用形態もある。たとえば、当該処理を眼科検査装置200−aで行う使用形態や、後段の処理に検査データをそのまま用いる使用形態がある。
(S14)
患者情報管理部141は、検査データに含まれる患者ユーザIDに基づいてこの患者ユーザのアカウントを特定し、ステップS13による処理結果をこのアカウントに格納する。
(S15)
演算制御部110は、ステップS13による処理結果を医療機関内サーバ600−eに送信するか判断する。
この処理の例として、解析処理(たとえば網膜厚の比較解析)によって異常が発見されたか否かに基づいて処理結果を送信するか否か判断することができる。異常が発見された場合には処理結果の送信を行うと判断され、異常が発見されなかった場合には処理結果の送信を行わないと判断される。
他の例として、複数回の眼科検査の検査データを参照して病態の経時変化を取得し、病態が悪化傾向にあるか判定し、この判定結果に基づいて処理結果を送信するか否か判断することができる。この判定処理は、たとえば、網膜厚に関する閾値処理を適用して網膜の菲薄化(網膜厚の減少)を検出することにより行われる。病態が悪化傾向にあると判定された場合には処理結果の送信を行うと判断され、悪化傾向にないと判定された場合には処理結果の送信を行わないと判断される。
処理結果を送信すると判断された場合(S15:YES)にはステップS16に移行し、処理結果を送信しないと判断された場合(S15:NO)にはステップS18に移行する。
(S16)
処理結果を送信すると判断された場合(S15:YES)、演算制御部110は、通信部130を制御し、ステップS13による処理結果を医療機関内サーバ600−eに送信させる。この処理結果には、この患者ユーザのユーザIDや患者ID等が付帯されている。
(S17)
医療機関内サーバ600−eは、ステップS16で送信された処理結果および付帯情報を受信する。医療機関内サーバ600−eは、この付帯情報に含まれるユーザIDや患者IDに基づいて、この患者ユーザの電子カルテを検索し、この電子カルテに処理結果を記録する。或いは、医療機関内サーバ600−eは、あらかじめ作成されたこの患者ユーザのためのデータ記憶領域に処理結果を記憶する。
(S18)
以上のような検査が、眼科検査装置200−aの返却まで繰り返し行われる(S18:YES)。眼科検査装置200−aの返却は、たとえば、自宅等での検査(経過観察等)の終了、装置の交換、装置のメンテナンス、設定情報の変更などを理由として行われる。
(S19)
眼科検査装置200−aの返却の決定を受けて(S18:NO)、眼科検査装置200−aは医療機関やメーカ等に搬送される。医療機関の医師やメーカ等の担当者は、眼科検査装置200−aに記憶されている設定情報を変更または破棄する。以上で、この動作例の説明は終了となる。
〔通院の指示〕
患者ユーザに通院を指示する処理について、2つの例を説明する。第1の例では、クラウドサーバ100が起点となる場合を説明する(図6Aを参照)。第2の例では、医師が起点となる場合を説明する(図6Bを参照)。
(第1の例:図6A)
(S31)
図5BのステップS13(クラウドサーバ100による検査データの処理)の例として、演算制御部110は、或る患者ユーザの検査データに基づき、通院を提案するか否か判定する。
この処理の例として、解析処理(たとえば網膜厚の比較解析)によって異常が発見されたか否かに基づいて通院を提案するか否か判定することができる。異常が発見された場合には通院の提案を行うと判断され、異常が発見されなかった場合には通院の提案を行わないと判断される。
他の例として、複数回の眼科検査の検査データを参照して病態の経時変化を取得し、病態が悪化傾向にあるか判定し、この判定結果に基づいて通院を提案するか否か判定することができる。病態の変化の傾向を判定する処理は、たとえば、網膜厚に関する閾値処理を適用して網膜の菲薄化(網膜厚の減少)を検出することにより行われる。病態が悪化傾向にあると判定された場合には通院の提案を行うと判断され、悪化傾向にないと判定された場合には通院の提案を行わないと判断される。
(S32)
通院を提案すると判定された場合(S32:YES)にはステップS33に移行し、通院を提案しないと判定された場合(S32:NO)には図5BのステップS11に移行して眼科検査が継続的に行われる。
(S33)
通院を提案すると判定された場合(S32:YES)、演算制御部110は、通信部130を制御し、通信を提案する旨を示す情報(通信提案)と、この患者ユーザの検査データ(ステップS31の判定処理で参照された検査データを含む)とを、この患者ユーザのユーザIDや患者IDとともに、医療機関内サーバ600−eに送信させる。なお、検査データが医療機関側にも保管されている場合には、検査データを送信する必要はなく、この検査データを特定するための情報(たとえば検査日時、検査IDなど)を送信するように構成してよい。
(S34)
医療機関内サーバ600−eは、ステップS33でクラウドサーバ100から送信された情報を受信する。医師は、医療機関内サーバ600−eが受信した情報を医療従事者端末700−fによって閲覧する。医師は、閲覧した情報等に基づいて通院の要否を判断し、その結果を医療従事者端末700−fに入力する。医療従事者端末700−fは、入力された判断結果を医療機関内サーバ600−eに送信する。
(S35)
医療機関内サーバ600−eは、医療従事者端末700−fから送信された判断結果を、この患者ユーザのユーザID等とともにクラウドサーバ100に送信する。
(S36)
通院は不要と判断された場合(S36:NO)、図5BのステップS11に移行して眼科検査が継続的に行われる。一方、通院が必要と判断された場合(S36:YES)、ステップS37に移行する。
(S37)
通院が必要と判断された場合(S36:YES)、演算制御部110は、通信部130を制御し、この患者ユーザに通院を指示する情報(通院指示)を、この患者ユーザの患者端末300−bや、この患者ユーザの関係者の指定人端末400−cに送信する。通院指示には、通院日時(通院予定日時)が含まれていてよい。また、通院すべき医療機関に関する情報(医療機関名、所在地、連絡先等)を、通院指示とともに送信してもよい。
(S38)
患者ユーザが通院予定日時に医療機関に来院した場合(S38:YES)、図5BのステップS11に移行して眼科検査が継続的に行われる。なお、医療機関で得られた検査データや診察結果を医療機関内サーバ600−eからクラウドサーバ100に送信し、この患者ユーザのアカウントに記録するように構成してもよい。
一方、患者ユーザが通院予定日時に医療機関に来院しなかった場合(S38:NO)、ステップS39に移行する。
(S39)
患者ユーザが通院予定日時に医療機関に来院しなかった場合(S38:NO)、その旨を示す情報が医療機関内サーバ600−eからクラウドサーバ100に送られる。ここで、医療機関内サーバ600−eは、たとえば、電子カルテシステムとの連係により、つまり通院予定日にこの患者ユーザの電子カルテに実質的な書き込みがなされなかったことを検出することにより、来院しなかったことを認識することができる。また、患者ユーザが来院しなかった旨を医師が手入力するようにしてもよい。
演算制御部110は、患者ユーザが来院しなかった旨を示す情報を医療機関内サーバ600−eから受けたことに対応し、患者ユーザが通院したか否か確認するための情報(通院確認)を、この患者ユーザの患者端末300−bや、この患者ユーザの関係者の指定人端末400−cに送信する。通院確認には、再度設定された通院日時(通院予定日時)が含まれていてよい。また、通院すべき医療機関に関する情報(医療機関名、所在地、連絡先等)を、通院確認とともに送信してもよい。以上で、本例の説明を終える。
(第2の例:図6B)
(S51)
図5BのステップS17(医療機関内サーバ600−eによる検査データの処理結果の記憶)よりも後に行われる処理の例を説明する。医師は、この処理結果等を参照し、この患者ユーザに通院の必要があるか否か判断し、その結果を医療従事者端末700−fに入力する。
(S52)
医療従事者端末700−fは、ステップS51で入力された判断結果を医療機関内サーバ600−eに送信する。
(S53)
通院は不要と判断された場合(S53:NO)、図5BのステップS11に移行して眼科検査が継続的に行われる。一方、通院が必要と判断された場合(S53:YES)、ステップS37に移行する。
(S54)
通院が必要と判断された場合(S53:YES)、演算制御部110は、通信部130を制御し、この患者ユーザの患者端末300−bや、この患者ユーザの関係者の指定人端末400−cに、通院指示を送信する。通院指示には、通院日時(通院予定日時)が含まれていてよい。また、通院すべき医療機関に関する情報(医療機関名、所在地、連絡先等)を、通院指示とともに送信してもよい。
(S55)
患者ユーザが通院予定日時に医療機関に来院した場合(S55:YES)、図5BのステップS11に移行して眼科検査が継続的に行われる。なお、医療機関で得られた検査データや診察結果を医療機関内サーバ600−eからクラウドサーバ100に送信し、この患者ユーザのアカウントに記録するように構成してもよい。
一方、患者ユーザが通院予定日時に医療機関に来院しなかった場合(S55:NO)、ステップS56に移行する。
(S56)
患者ユーザが通院予定日時に医療機関に来院しなかった場合(S55:NO)、その旨を示す情報が医療機関内サーバ600−eからクラウドサーバ100に送られる。演算制御部110は、通信部130を制御し、この患者ユーザの患者端末300−bや、この患者ユーザの関係者の指定人端末400−cに、通院確認を送信する。通院確認には、再度設定された通院日時(通院予定日時)が含まれていてよい。また、通院すべき医療機関に関する情報(医療機関名、所在地、連絡先等)を、通院確認とともに送信してもよい。以上で、本例の説明を終える。
〔検査結果の通知〕
患者ユーザに検査結果を通知する処理について、2つの例を説明する。第1の例では、眼底Efの層厚をNormative dataと比較した結果を通知する場合を説明する(図7Aを参照)。第2の例では、眼底Efの層厚の経時変化を通知する場合を説明する(図7Bを参照)。
(第1の例:図7A)
(S71)
図5BのステップS13(クラウドサーバ100による検査データの処理)の例として、検査データ処理部150は、OCTにより得られたデータに基づいて眼底層厚解析を実行する。それにより、眼底Efの層厚情報が得られる。
(S72)
次に、検査データ処理部150は、ステップS71で取得された層厚情報と、健常眼における層厚の範囲(正常層厚範囲)を示すNormative dataとを比較する。
(S73)
検査データ処理部150は、ステップS72における比較結果を示す情報(比較結果情報)を作成する。比較結果情報は、たとえば、比較結果を文字列で表現した情報、および/または、比較結果を数値で表現した情報を含む。前者の例には、「異常はみられません」または「異常の疑いがあります」等のメッセージが含まれる。後者の例には、検査結果を示す数値(層厚の値)と、正常層厚範囲を示す数値との双方が含まれる。正常層厚範囲の数値は、当該範囲の上限および下限の少なくとも一方である。
(S74)
演算制御部110は、通信部130を制御し、ステップS73で作成された比較結果情報を、この患者ユーザの患者端末300−bや、この患者ユーザの関係者の指定人端末400−cに送信する。
(S75)
患者端末300−bや指定人端末400−cは、クラウドサーバ100からの比較結果情報を受信し、たとえば所定の操作が行われたことに対応してこの比較結果情報を表示する。それにより、患者ユーザや関係者は、比較結果情報を確認することができる。
(第2の例:図7B)
(S91)
図5BのステップS13(クラウドサーバ100による検査データの処理)の例として、検査データ処理部150は、OCTにより得られたデータに基づいて眼底層厚解析を実行する。それにより、眼底Efの層厚情報が得られる。
(S92)
演算制御部110は、ステップS91で取得された層厚情報を、この患者ユーザのアカウントに格納する。ステップS91およびS92は、眼科検査装置200−aを用いてOCTが実施される度に行われる。このような処理を行うことにより、患者ユーザのアカウントには、過去に取得された層厚情報が検査日時とともに記録される。つまり、患者ユーザのアカウントには、眼底層厚解析の履歴情報が記録される。
(S93)
検査データ処理部150は、患者ユーザのアカウントに記録されている眼底層厚解析の履歴情報と、眼底層厚解析における正常層厚範囲(Normative data)とに基づいて、眼底Efの層厚の推移を示すグラフ(層厚推移グラフ)を作成する。層厚推移グラフの具体例については後述する。
層厚推移グラフの作成は、任意のタイミングで実行される。たとえば、眼底層厚解析が行われる度に層厚推移グラフを作成することができる。また、眼底層厚解析によって異常が発見された場合に層厚推移グラフを作成するようにしてもよい。また、患者ユーザ等からの要求に応じて層厚推移グラフを作成するようにしてもよい。
(S94)
演算制御部110は、通信部130を制御し、ステップS93で作成された層厚推移グラフを、この患者ユーザの患者端末300−bや、この患者ユーザの関係者の指定人端末400−cに送信する。
(S95)
患者端末300−bや指定人端末400−cは、クラウドサーバ100からの層厚推移グラフを受信し、たとえば所定の操作が行われたことに対応してこの層厚推移グラフを表示する。それにより、患者ユーザや関係者は、眼底Efの層厚の経時変化などを確認することができる。
層厚推移グラフの例を図7Cに示す。この層厚推移グラフには、異なるタイミングで取得された複数の層厚値T1〜T10が記録されている。層厚値T1〜T10は、たとえば一定間隔で行われたOCT計測に基づく。
層厚推移グラフには、層厚の正常範囲を示す情報(たとえば図7Cに示す文字列「正常」)、および/または、患者ユーザ等に注意を促すための情報(たとえば図7Cに示す文字列「注意」)が含まれていてよい。また、層厚推移グラフには、治療を行ったタイミングや治療内容を示す情報が含まれていてよい。図7Cに示す層厚推移グラフにおいては、2月5日と5月6日に薬剤の注射が行われたことが提示されている。図7Cに示す層厚推移グラフによれば、眼底Efの層厚の経過観察において、菲薄化が検出された直後に注射で薬剤が投与され、その結果、改善がみられたことが分かる。
〔検査データを用いた個人認証〕
患者ユーザの個人認証において検査データを用いることが可能である。この構成が適用される場合、患者ユーザのアカウントには、被検眼の画像データ、または被検眼の画像データに基づき作成された特徴情報が記録されている。被検眼の画像データとしては、眼底の正面画像の画像データ、前眼部の正面画像の画像データ、眼底の3次元画像データ(OCT画像)、前眼部の3次元画像データなどがある。特徴情報としては、画像データから抽出された特徴部位の形状、位置、分布などを示す情報がある。この特徴部位は、たとえば、眼底においては血管、視神経乳頭、黄斑部、病変部などであり、前眼部においては瞳孔、虹彩、病変部などである。
図8に示す例では、OCTにより取得されたデータに基づく認証処理について説明するが、これに限られない。また、図8に示す例では、眼底の画像に基づいて認証処理を行なっているが、対象部位は眼底には限られない。一例として、眼科検査装置200−aが正面画像取得光学系を有している場合、これにより取得される眼底の正面画像や前眼部の正面画像に基づいて、図8と同様の認証処理を行うことが可能である。
(S111)
図5BのステップS11(在宅での眼科検査)において、OCTを含む眼底Efの検査が実行される。このOCTでは、たとえば3次元スキャンが適用される。それにより、眼底Efの3次元画像が得られる。
(S112)
眼科検査装置200−aの主制御部241は、通信部270を制御し、この患者ユーザのユーザIDと、ステップS111で得られた眼底Efの3次元画像とを、クラウドサーバ100に送信させる。
(S113)
クラウドサーバ100は、ステップS112で眼科検査装置200−aから送信されたユーザIDと3次元画像を受信する。検査データ処理部150は、この3次元画像を解析して特徴情報を抽出する。この特徴情報は、たとえば、眼底Efの表層部分における血管の分布情報である。特徴情報の抽出処理は、たとえば画素値(輝度値)に基づく閾値処理など、公知の画像処理を含む。
(S114)
演算制御部110は、ステップS113で受信されたユーザIDに基づいてこの患者ユーザのアカウントを特定し、特定されたアカウントから特徴情報を読み出して認証処理部160に送る。認証処理部160は、アカウントから読み出された特徴情報と、ステップS113で検査データ(3次元画像)から抽出された特徴情報とを比較し、双方の特徴情報が実質的に一致するか判定する。この比較処理は、たとえば、パターンマッチングや画像相関処理など、公知の画像処理を含む。「実質的に一致する」とは、双方の特徴情報が完全に一致する場合だけでなく、或る程度の誤差を許容してもよいことを示す。誤差の許容範囲(閾値等)はあらかじめ設定される。
(S115、S116)
双方の特徴情報が実質的に一致した場合、つまり認証に成功した場合(S115:YES)、演算制御部110は、検査データ等(3次元画像、その処理結果等)を、この患者ユーザのアカウントに格納する。
(S115、S117)
一方、双方の特徴情報が実質的に一致しなかった場合、つまり認証に失敗した場合(S115:NO)、演算制御部110は、この患者ユーザの患者端末300−bや、この患者ユーザの関係者の指定人端末400−cに、認証に失敗した旨を通知する。このとき、ユーザIDやユーザ認証情報を再度送信するよう促す情報等を送信してもよい。その場合、患者ユーザのユーザIDや検査データ等を記憶部120に記憶しておき、再送信されたユーザIDやユーザ認証情報等に基づいて、認証処理を再度行うことができる。
認証処理の他の例を説明する。上記の認証処理では、眼科検査装置200−aにより取得された検査データと、事前に登録された特徴情報(または画像データ)を照合することにより、検査を行った者が正規の患者ユーザであるか判定している。これに対し、眼科検査装置200−aを用いた自覚式視力検査における応答状態に基づいて、患者ユーザが的確に検査を行なっているか判定することができる。この判定処理は、患者ユーザの安否確認としても利用可能である。
このような構成は、たとえば次のような場合に適用可能である:(1)眼科検査装置200−aとクラウドサーバ100とが、常時通信可能に接続されている場合;(2)眼科検査装置200−aに対して所定の操作(たとえば電源オン、検査開始指示等)がなされたことに対応して、眼科検査装置200−aとクラウドサーバ100との間の通信が開始される場合;(3)所定の日時(検査開始予定日時)が到来したことに対応して、眼科検査装置200−aとクラウドサーバ100との間の通信が開始される場合。自覚式視力検査が開始されない場合、眼科検査装置200−aは、その旨をクラウドサーバ100に通知する。クラウドサーバ100は、当該患者ユーザの検査が的確に行われていないと判定する。自覚式視力検査が開始されると、眼科検査装置200−aは、視標の提示を開始し、視標の提示内容(たとえば提示された視標の種別、視標が提示されたタイミング等)をクラウドサーバ100に送る。さらに、眼科検査装置200−aは、提示された視標に対する応答が入力されたことに対応し、その応答内容(たとえば応答の正否、応答タイミング等)をクラウドサーバ100に送る。演算制御部110は、眼科検査装置200−aから受信した応答内容と、この患者ユーザが過去(たとえば前回)に行った自覚式視力検査の検査データとに基づいて、検査が的確に行われているか否か判定する。この判定処理は、たとえば、応答の正否における異常を検出する処理、および/または、応答タイミングにおける異常を検出する処理を含む。応答の正否における異常の検出では、たとえば、前回の検査で得られた視力値よりも所定値以上低い視力値の視標に対する応答が不正解であることを検出する。また、応答タイミングにおける異常の検出では、たとえば、視標が提示された時刻から応答が入力された時刻までの経過時間が所定値以上であることを検出する。このような事象は、たとえば、検査が的確に行われていない、患者ユーザ以外の者が検査を行なっている、患者ユーザの容態が悪化している、などの理由から生じる。このような事象が検出された場合、演算制御部110は所定の処理を実行する。この所定の処理としては、異常が発生された旨を当該患者ユーザのアカウントに記録する処理、当該患者ユーザの患者端末300−bへの情報の送信、当該患者ユーザの関係者の指定人端末400−cへの情報の送信、当該患者ユーザのかかりつけ医の指定人端末400−cへの情報の送信、医療機関内サーバ600−eへの情報の送信などがある。
〔有料サービスへの課金〕
クラウドサーバ100は、有料のサービスをユーザに提供することができる。有料サービスの提供先は任意である。つまり、患者ユーザ、患者関係者ユーザ、医療機関ユーザ、金融機関ユーザ、保険提供者ユーザ等に対して、有料サービスを提供することが可能である。以下の説明では、患者ユーザに有料サービスを提供する場合について説明する(図9を参照)。
(S131)
有料サービスの提供を希望する患者ユーザは、患者端末300−bを操作してその旨を入力する。患者端末300−bは、当該操作を受けて、有料サービスの利用要求をクラウドサーバ100に送信する。利用要求には、ユーザIDおよびユーザ認証情報が含まれる。なお、有料サービスの利用要求は、たとえば、患者端末300−bで閲覧可能な、クラウドサーバ100が提供するウェブページを用いて行われる。
(S132)
クラウドサーバ100は、ステップS131で患者端末300−bから送信された利用要求を受信する。患者情報管理部141は、この利用要求に含まれるユーザIDに基づきこの患者ユーザのアカウントを特定する。さらに、認証処理部160は、ユーザIDおよびユーザ認証情報に基づいて認証処理を行う。
(S133、S134)
認証に失敗した場合において(S132:NO)、認証処理部160は、今回の失敗が所定回数を超えているか判定する(S133)。この失敗が所定回数を超えていない場合(S133:NO)、演算制御部110は、通信部130を制御し、再度の利用要求の送信を促す旨を示す情報を、この患者ユーザの患者端末300−bに送信する(S134)。患者端末300−bは、再度の利用要求の送信を促す旨を示す情報を表示する。患者ユーザは、表示された情報に応じ、再度のりよう要求を行う(S131)。
(S133、S135)
認証の失敗が所定回数を超えた場合(S133:YES)、演算制御部110は、通信部130を制御し、有料サービスの提供を行わない旨を示す情報を、この患者ユーザの患者端末300−bに送信する(S135)。それでも有料サービスの提供を望む患者ユーザは、当該システムの管理者のコールセンター等に連絡し、有料サービスの提供、ユーザ認証情報の再発行などを申し込む。
(S136)
ステップS132において認証に成功した場合(S132:YES)、演算制御部110等は、患者ユーザが要求した有料サービスを患者端末300−b等を介して提供する(S136)。なお、有料サービスの例については前述した。
(S137)
課金処理部170は、患者ユーザに提供された有料サービスに対する課金額を算出する。前述したように、課金処理部170は、あらかじめ記憶された有料サービスの課金額を参照して、この患者ユーザに対する課金額を求める。
(S138)
演算制御部110は、ステップS137で算出された課金額をユーザ情報管理部140に送る。ユーザ情報管理部140は、この患者ユーザのアカウントに課金額を記録する。このとき、サービスに関連する情報(提供日時、種別等)を、課金額とともに記憶させることができる。
(S139)
演算制御部110は、ステップS137で算出された課金額を、この患者ユーザの患者端末300−bに通知する。なお、クラウドサーバ100は、有料サービスを提供する前の段階で、このサービスの料金を患者端末300−bに提示させることができる。また、段階的に料金が発生する有料サービスにおいては、料金が発生する直前の段階で、患者端末300−bに料金を提示させることができる。
(S140)
ステップS139よりも前若しくは後の段階で、またはステップS139と並行して、演算制御部110は、ステップS137で算出された課金額と、この患者ユーザのユーザID等(口座番号、クレジットカード番号、パスワード等)とを、この患者ユーザが利用している金融機関の金融機関サーバ800−gに送信する。金融機関サーバ800−gは、この患者ユーザの口座等に課金額を記録する。
〔他の使用形態〕
患者管理システム1の他の使用形態の他の使用形態について、上記使用形態との相違点を中心に説明する。
患者ユーザは、所定の時間間隔(たとえば毎日、隔日)で検査を行うように医師等から指示を受ける。クラウドサーバ100における当該患者ユーザのアカウントには、この時間間隔またはそれより長い期間(まとめて「所定の期間」と称する)を示す情報があらかじめ記憶される。クラウドサーバ100は、自宅等で実際に行われた検査の間隔をモニタする。この処理は、たとえば前述の検査履歴(検査ログ)を参照して行われる。検査が所定の期間行われなかった場合、つまり検査データの生成が所定の期間実行されなかった場合、クラウドサーバ100の演算制御部110は所定の処理を実行する。この所定の処理としては、検査が所定の期間行われなかった旨を当該患者ユーザのアカウントに記録する処理、当該患者ユーザの患者端末300−bへの情報の送信、当該患者ユーザの関係者の指定人端末400−cへの情報の送信、当該患者ユーザのかかりつけ医の指定人端末400−cへの情報の送信、医療機関内サーバ600−eへの情報の送信などがある。
眼科検査装置200−aを2人以上の患者ユーザが共用する場合がある。その場合、被検者ごとの設定情報が記憶部242に記憶される。また、記憶部242には、各被検者の正規ユーザ認証情報が記憶される。ユーザ認証情報が入力されると、主制御部241は、入力されたユーザ認証情報と一致する正規ユーザ認証情報を探索し、その正規ユーザ認証情報に対応する設定情報を特定する。そして、主制御部241は、特定された設定情報に基づいてステップS13の設定処理を行う。クラウドサーバ100の認証処理部160も同様の処理を行うことにより、2人以上の患者ユーザのアカウントを識別する。
[効果]
実施形態に係る患者管理システムおよび患者管理サーバの効果について説明する。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、サーバ(クラウドサーバ100)と、複数の眼科検査装置(200−a)と、複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)とを含む。
複数の眼科検査装置(200−a)は、複数の患者に対してあらかじめ割り当てられている。複数の眼科検査装置(200−a)は、それぞれ、複数の患者の自宅等に設置される。複数の眼科検査装置(200−a)のそれぞれは、通信回線(N)を介してサーバ(クラウドサーバ100)と通信可能である。複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)は、複数の医療機関に設置されている。複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)は、通信回線(N)を介してサーバ(クラウドサーバ100)と通信可能である。
複数の眼科検査装置(200−a)のそれぞれは、第1の通信部(通信部270)と、検査部(光学ユニット210、画像形成部250、検査データ生成部261等)と、第1の制御部(制御部240)とを含む。第1の通信部(通信部270)は、通信回線(N)を介してサーバ(クラウドサーバ100)と通信するための機能を有する。検査部(光学ユニット210等)は、この眼科検査装置(200−a)の使用が許可された患者の眼を光学的に検査することにより検査データを生成する。第1の制御部(制御部240)は、検査部(光学ユニット210等)により生成された検査データをサーバ(クラウドサーバ100)に送信するように第1の通信部(通信部270)を制御する。
サーバ(クラウドサーバ100)は、第2の通信部(通信部130)と、情報管理部(ユーザ情報管理部140)と、第2の制御部(演算制御部110)とを有する。第2の通信部(通信部130)は、通信回線(N)を介して複数の眼科検査装置(200−a)および複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)と通信するための機能を有する。情報管理部(ユーザ情報管理部140)は、検査データが記憶される複数の患者のそれぞれのアカウントと、複数の医療機関のそれぞれのアカウントとを管理する。第2の制御部(演算制御部110)は、第2の通信部(通信部130)を制御する。
複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)のそれぞれは、第3の通信部と、記憶部と、第3の制御部とを有する。第3の通信部は、通信回線(N)を介してサーバ(クラウドサーバ100)と通信するための機能を有する。第3の通信部は、たとえば第1の通信部や第2の通信部と同様の構成を有する。記憶部は、各種の情報を記憶する。記憶部は、たとえばハードディスクドライブ等の記憶装置を含む。第3の制御部は、第2の通信部(通信部130)が送信した情報を第3の通信部が受信したときに、この情報を記憶部に記憶させる。
このような患者管理システムによれば、患者の自宅等に設置された眼科検査装置を用いて患者の病態を管理することが可能である。より具体的には、実施形態に係る患者管理システムによれば、患者の自宅等に設置された眼科検査装置により得られた検査結果を、患者ごとに作成されたアカウントによって個別に管理することができ、また、複数の患者についての検査結果を集中的に管理することができる。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、複数の第1のコンピュータ端末(診断医端末500−d)を含んでいてよい。第1のコンピュータ端末(診断医端末500−d)は、通信回線(N)を介してサーバ(クラウドサーバ100)と通信可能である。この場合において、次のような構成を適用することが可能である。サーバ(クラウドサーバ100)の第2の通信部(通信部130)が第1のコンピュータ端末(診断医端末500−d)から患者登録要求を受信すると、情報管理部(ユーザ情報管理部140)は、受信された患者登録要求に係る患者のアカウントを作成する処理と、複数の医療機関のいずれかを当該患者に割り当てる処理とを行う。さらに、第2の制御部(演算制御部110)は、当該患者に割り当てられた医療機関に設置されたコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)に、当該患者に関する情報を送信するように、第2の通信部(通信部130)を制御する。
この構成によれば、新規の患者を登録する処理を自動化することができる。また、新規の患者と医療機関とをマッチングする処理や、新規の患者に関する情報を医療機関に通知する処理を、自動化することができる。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、サーバ(クラウドサーバ100)の第2の通信部(通信部130)が複数の眼科検査装置(200−a)のいずれかから検査データを受信したときに、次のような処理を行うように構成されていてもよい。すなわち、第2の制御部(演算制御部110)は、受信された検査データを、当該患者に割り当てられた医療機関に設置されたコンピュータに送信するように、第2の通信部(通信部130)を制御することができる。
この構成によれば、眼科検査装置(200−a)を用いて取得された或る患者の検査データを、この患者に割り当てられた医療機関に自動で通知することができる。
検査データを医療機関に通知する処理において、第2の制御部(演算制御部110)は、眼科検査装置(200−a)から受信された検査データを送信するか否か判定し、送信すると判定された場合にのみ検査データの送信処理を第2の通信部(通信部130)に実行させることができる。
この構成によれば、眼科検査装置(200−a)を用いて取得された検査データを、必要な場合にのみ医療機関に通知することができる。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、次のように構成されていてもよい。サーバ(クラウドサーバ100)は、検査データ処理部(150)を含んでいてよい。検査データ処理部(150)は、複数の眼科検査装置(200−a)のいずれかから第2の通信部(通信部130)が受信した検査データに対して、所定の処理を施す。さらに、第2の制御部(演算制御部110)は、検査データ処理部(150)による検査データの処理結果を、当該患者に割り当てられた医療機関に設置されたコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)に送信するように、第2の通信部(通信部130)を制御する。
この構成によれば、眼科検査装置(200−a)を用いて取得された或る患者の検査データを処理し、その処理結果をこの患者に割り当てられた医療機関に自動で通知することができる。
検査データの処理結果を医療機関に通知する処理において、第2の制御部(演算制御部110)は、検査データの処理結果を送信するか否か判定し、送信すると判定された場合にのみ、検査データの処理結果を送信する処理を第2の通信部(通信部130)に実行させることができる。
この構成によれば、眼科検査装置(200−a)を用いて取得された検査データの処理結果を、必要な場合にのみ医療機関に通知することができる。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、次のように構成されていてもよい。サーバ(クラウドサーバ100)の第2の通信部(通信部130)が複数の眼科検査装置(200−a)のいずれかから検査データを受信したときに、第2の制御部(演算制御部110)は、受信された検査データに基づいて通院を提案するか否か判定し、通院を提案すると判定された場合、この患者に割り当てられた医療機関に設置されたコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)に通院提案を送信するように、第2の通信部(通信部130)を制御する。
この構成によれば、眼科検査装置(200−a)を用いて取得された検査データに基づいて、この患者に通院が必要かどうか検討することを医師に提案することが可能である。なお、患者が在宅治療を受けている場合や、患者が往診を受けられる環境にある場合などを考慮し、「通院」は「往診」を含む意味である。つまり、「通院提案」は、往診の提案などの診療の提案であってよい。
通院提案を行う場合において、次のような構成を適用することが可能である。実施形態に係る患者管理システム(1)は、複数の患者のそれぞれまたはその関係者の使用に供される第2のコンピュータ端末(患者端末300−b、指定人端末400−c)を含む。第2のコンピュータ端末(患者端末300−b等)は、通信回線(N)を介してサーバ(クラウドサーバ100)と通信可能である。通院提案を受信したコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)から第2の通信部(通信部130)が通院の要否の判断結果を受信したときに、第2の制御部(演算制御部110)は、当該患者またはその関係者の使用に供される第2のコンピュータ端末(患者端末300−b等)に、当該判断結果を送信するように、第2の通信部(通信部130)を制御することができる。なお、通院が必要であるとの判断結果が得られた場合にのみ、この処理を行うように構成することができる。
この構成によれば、医師による通院の要否の判断結果を、患者やその関係者に自動で通知することが可能である。特に、通院が必要な場合に、その旨を患者等に自動で通知することができる。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、次のように構成されていてもよい。実施形態に係る患者管理システム(1)は、複数の患者のそれぞれまたはその関係者の使用に供される第2のコンピュータ端末(患者端末300−b、指定人端末400−c)を含む。第2のコンピュータ端末(患者端末300−b等)は、通信回線(N)を介してサーバ(クラウドサーバ100)と通信可能である。サーバ(クラウドサーバ100)は、複数の眼科検査装置(200−a)のいずれかから第2の通信部(通信部130)が受信した検査データを解析する検査データ解析部(検査データ処理部150)を含む。第2の制御部(演算制御部110)は、検査データ解析部(検査データ処理部150)による検査データの解析結果を、当該患者またはその関係者の使用に供される第2のコンピュータ端末(患者端末300−b等)に送信するように、第2の通信部(通信部130)を制御することができる。
この構成によれば、検査データの解析結果を、当該患者やその関係者に自動で通知することができる。解析結果は、たとえば数値情報やグラフ情報として作成されて患者等に通知される。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、次のように構成されていてもよい。複数の患者のそれぞれのアカウントには、当該患者の眼の形態を表す形態情報があらかじめ記憶されている。形態情報は、たとえば、被検眼の画像データ、または被検眼の画像データに基づき作成された特徴情報である。被検眼の画像データとしては、眼底の正面画像の画像データ、前眼部の正面画像の画像データ、眼底の3次元画像データ(OCT画像)、前眼部の3次元画像データなどがある。特徴情報としては、画像データから抽出された特徴部位の形状、位置、分布などを示す情報がある。この特徴部位は、たとえば、眼底においては血管、視神経乳頭、黄斑部、病変部などであり、前眼部においては瞳孔、虹彩、病変部などである。また、本構成において、検査データは、眼の形態を表す画像データを含む。この画像データは、たとえば、OCT画像の画像データ、眼底の撮影画像、前眼部の撮影画像である。サーバ(クラウドサーバ100)は、認証処理部(160)を含む。認証処理部(160)は、第2の通信部(通信部130)が複数の眼科検査装置(200−a)のいずれかから検査データを受信したときに、この検査データに含まれる画像データと、この患者のアカウントに記憶されている形態情報とに基づいて、この画像データが正規の患者の眼の形態を表す画像データであるか否か判定する。この画像データがこの患者の眼の形態を表す画像データであると認証処理部(160)により判定された場合、第2の制御部(演算制御部110)は、この患者のアカウントにこの検査データを記憶させる。
この構成によれば、認証情報を入力するための操作を行わなくても、患者の個人認証を行うことができる。また、生体認証等を行うための専用の装置を設けなくとも、患者の個人認証を行うことができる。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、次のように構成されていてもよい。実施形態に係る患者管理システム(1)は、複数の患者のそれぞれまたはその関係者の使用に供される第2のコンピュータ端末(患者端末300−b、指定人端末400−c)を含む。第2のコンピュータ端末(患者端末300−b等)は、通信回線(N)を介してサーバ(クラウドサーバ100)と通信可能である。また、サーバ(クラウドサーバ100)は、第2のコンピュータ端末(患者端末300−b等)に対して、所定の有料サービスを提供することが可能である。サーバ(クラウドサーバ100)は、第2のコンピュータ端末(患者端末300−b等)のいずれかに有料サービスが提供されたときに、その有料サービスの課金額を算出する課金処理部(170)を含む。第2の制御部(演算制御部110)は、課金処理部(170)により算出された課金額を、この患者のアカウントに記憶する処理を行う。また、第2の制御部(演算制御部110)は、有料サービスが提供された第2のコンピュータ端末(患者端末300−b等)に、算出された課金額を送信する処理を行う。
この構成によれば、患者が有料サービスを利用したときの課金処理を自動で行うことができる。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、次のように構成されていてもよい。サーバ(クラウドサーバ100)は、複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)を介して、所定の有料サービスを提供することが可能である。サーバ(クラウドサーバ100)は、複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)のいずれかを介して有料サービスが提供されたときに、その有料サービスの課金額を算出する課金処理部(170)を含む。第2の制御部(演算制御部110)は、課金処理部(170)により算出された課金額を、当該医療機関のアカウントに記憶する処理を行う。また、第2の制御部(演算制御部110)は、当該有料サービスが提供されたコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)に、算出された課金額を送信する処理を行う。
この構成によれば、医療機関(医療従事者)が有料サービスを利用したときの課金処理を自動で行うことができる。
実施形態に係る患者管理システム(1)は、この明細書に記載されている任意の処理を実行できるように構成されていてよい。
実施形態に係る患者管理サーバ(クラウドサーバ100)は、複数の患者に割り当てられた複数の眼科検査装置(200−a)および複数の医療機関に設置された複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)と通信回線(N)を介して通信可能である。患者管理サーバ(クラウドサーバ100)は、通信部(130)と、情報管理部(ユーザ情報管理部140)と、制御部(演算制御部110)とを含む。通信部(130)は、通信回線(N)を介して複数の眼科検査装置(200−a)および複数のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)と通信するための機能を有する。情報管理部(ユーザ情報管理部140)は、複数の患者のそれぞれのアカウントと、複数の医療機関のそれぞれのアカウントとを管理する。制御部(演算制御部110)は、通信部(130)の制御を行う。通信部(130)は、複数の眼科検査装置(200−a)のそれぞれが患者の眼を光学的に検査することにより生成した検査データを受信する。情報管理部(ユーザ情報管理部140)は、受信された検査データを当該患者のアカウントに記憶する。制御部(演算制御部110)は、当該患者のアカウントに記憶されている情報を、当該患者にあらかじめ割り当てられた医療機関のコンピュータ(医療機関内サーバ600−e)に送信するように、通信部(130)を制御する。
このような患者管理サーバによれば、患者の自宅等に設置された眼科検査装置により取得された検査データを管理することにより、患者の病態を管理することが可能である。より具体的には、実施形態に係る患者管理サーバによれば、患者の自宅等に設置された眼科検査装置により得られた検査結果を、患者ごとに作成されたアカウントによって個別に管理することができ、また、複数の患者についての検査結果を集中的に管理することができる。
実施形態に係る患者管理サーバ(クラウドサーバ100)は、この明細書に記載されている任意の処理を実行できるように構成されていてよい。
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。
上記の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、たとえば、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。
また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
1 患者管理システム
100 クラウドサーバ
110 演算制御部
120 記憶部
130 通信部
140 ユーザ情報管理部
141 患者情報管理部
142 医療機関情報管理部
143 金融機関情報管理部
144 保険提供者情報管理部
150 検査データ処理部
160 認証処理部
170 課金処理部
180 保険処理部
200−a 眼科検査装置
210 光学ユニット
210A ユニット駆動部
211 光源
214 参照ミラー
214A 参照ミラー駆動部
216 スキャナ
218 ダイクロイックミラー
219 対物レンズ
219B 鏡筒駆動部
223 CCDイメージセンサ
225 フラットパネルディスプレイ
230 コンピュータ
240 制御部
241 主制御部
242 記憶部
250 画像形成部
260 データ処理部
261 検査データ生成部
262 静止判定部
263 左右判定部
264 認証処理部
265 監視処理部
270 通信部
280 ユーザインターフェイス
281 表示部
282 操作部
300−b 患者端末
400−c 指定人端末
500−d 診断医端末
600−e 医療機関内サーバ
700−f 医療従事者端末
800−g 金融機関サーバ
900−h 保険提供者サーバ
N 通信回線

Claims (4)

  1. サーバと、
    複数の患者に割り当てられた複数の眼科撮影装置と
    複数の医療機関に設置された複数のコンピュータと
    を含み、
    前記複数の眼科撮影装置のそれぞれは、
    被検眼の眼底に光コヒーレンストモグラフィを適用して3次元画像データを生成する検査部と、
    前記検査部により生成された3次元画像データを通信回線を介して前記サーバに送信する第1の通信部と
    を含み、
    前記サーバは、
    前記複数の眼科撮影装置のいずれかから送信された3次元画像データを受信する第2の通信部と、
    前記第2の通信部により受信された3次元画像データを解析して特徴情報を抽出する抽出部と、
    前記抽出部により3次元画像データから抽出された特徴情報に基づいて被検者の個人認証を行う認証処理部と、
    当該個人認証に成功した場合、あらかじめ作成された当該被検者のアカウントに3次元画像データを記憶させる制御部と、
    当該アカウントに記憶された3次元画像データを解析して視神経乳頭の形状パラメータを求める解析部と
    被検者のアカウントにあらかじめ記憶された患者情報を、前記複数の医療機関のうち当該被検者にあらかじめ関連付けられた医療機関に送信する第3の通信部と
    を含み、
    前記複数のコンピュータのそれぞれは、
    前記サーバから送信された患者情報を受信する第4の通信部と、
    前記第4の通信部により受信された患者情報に基づいて当該被検者の電子カルテを作成する手段と
    を含む
    ことを特徴とする患者管理システム。
  2. 被検者のアカウントには、当該被検者の眼底の特徴情報があらかじめ記憶されており、
    前記認証処理部は、前記抽出部により3次元画像データから抽出された特徴情報と当該アカウントにあらかじめ記憶された特徴情報とを比較することにより当該被検者の個人認証を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の患者管理システム。
  3. 被検者のアカウントには、当該患者の眼の形態を表す形態情報があらかじめ記憶されており、
    前記認証処理部は、前記抽出部により3次元画像データから抽出された特徴情報と当該アカウントにあらかじめ記憶された形態情報とに基づいて当該被検者の個人認証を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の患者管理システム。
  4. 前記解析部は、前記形状パラメータとして、視神経乳頭のカップ径、ディスク径、リム径、乳頭深さ、及び傾きのいずれかを求める
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の患者管理システム。
JP2018086671A 2018-04-27 2018-04-27 患者管理システム Active JP6608479B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018086671A JP6608479B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 患者管理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018086671A JP6608479B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 患者管理システム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013165609A Division JP2015035111A (ja) 2013-08-08 2013-08-08 患者管理システムおよび患者管理サーバ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019192127A Division JP2020009505A (ja) 2019-10-21 2019-10-21 患者管理システムおよび患者管理サーバ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018125032A JP2018125032A (ja) 2018-08-09
JP6608479B2 true JP6608479B2 (ja) 2019-11-20

Family

ID=63111494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018086671A Active JP6608479B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 患者管理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6608479B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7082730B1 (ja) * 2021-11-05 2022-06-09 株式会社Personal General Practitioner 加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002123613A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Support Life:Kk 在宅健康管理システム
JP2002238858A (ja) * 2001-02-20 2002-08-27 Matsushita Electric Works Ltd 眼底検査方法、サーバ及び眼底検査事業システム
JP2006158592A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Nikon Corp 眼球観察装置
JP2007215694A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 個人認証装置および入出ゲートシステム
JP2008210328A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Gifu Univ 眼底画像認証装置及び眼底画像認証プログラム
WO2011035262A1 (en) * 2009-09-18 2011-03-24 Orthomems, Inc. Implantable ophthalmic mems sensor devices and methods for eye surgery
JP5658305B2 (ja) * 2013-04-10 2015-01-21 株式会社トプコン 眼科観察装置、その制御方法、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018125032A (ja) 2018-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015019865A1 (ja) 患者管理システムおよび患者管理サーバ
US10945597B2 (en) Optical coherence tomography-based ophthalmic testing methods, devices and systems
JP6141140B2 (ja) 眼科撮影装置
US11510567B2 (en) Optical coherence tomography-based ophthalmic testing methods, devices and systems
US10238278B2 (en) Ophthalmic information system and ophthalmic information processing server
EP2835097A1 (en) Ophthalmologic imaging apparatus
CN107692960B (zh) 光学相干断层分析设备、方法及系统
BR112015010320B1 (pt) Sistema e método para a provisão de exames de saúde ocular e visão
TW201014571A (en) Optical coherence tomography device, method, and system
JP6413036B2 (ja) 眼科情報システム
JP6608479B2 (ja) 患者管理システム
JP6392408B2 (ja) 眼科装置
JP2020009505A (ja) 患者管理システムおよび患者管理サーバ
JP6422529B2 (ja) プログラムおよび眼科システム
JP2017164521A (ja) 眼科装置
JP2017164520A (ja) 眼科装置
JP2017164522A (ja) 眼科装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181225

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6608479

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250