JP2023069276A - 加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム - Google Patents

加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム Download PDF

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Abstract

【課題】加齢黄斑変性症の患者に大きな負担を要することなく、患者が自宅に居ながら早期又はタイムリーに再発を検知できる加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムを提供する。【解決手段】加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムSは、患者の自宅に備えられて当該患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCT10と、専用アプリケーションがインストールされると共にホームOCT10とローカルネットワークを介して接続されて患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末20と、携帯端末20と広域ネットワークを介して接続されて携帯端末20を介して取得された撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するクラウドサーバ30と、少なくとも医師による当該患者に対するホームOCT10の撮像条件をクラウドサーバ30に送信する端末装置40と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、加齢黄斑変性症の進行と再発を有効に監視するホームモニタリングシステムに関し、特に、患者が自宅に居ながら症状の進行と再発を監視できる加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムに関する。
加齢黄斑変性(黄斑変性症)とは加齢と共に、眼球の中で視力をつかさどる網膜の中心部分に位置する直径1.5mm~2mm程の小さな組織である黄斑に老廃物が蓄積することで障害され、あるいは黄斑部に脈絡膜新生血管が生じ障害されることで、物が見えにくくなる病気である(図10(a)参照のこと)。近年における加齢黄斑変性症の患者数は、日本では約70万人、全世界では約2億人程度と推定されており、図10(b)に示すように、2018年度には国内失明原因の第4位となっている。
加齢黄斑変性は大きく萎縮型と滲出型の2種類に分けられ、萎縮型は加齢によって網膜の組織が萎縮することで網膜とその中になる黄斑が障害され視力が段々と低下していく。滲出型では、網膜の下にある脈絡膜に生じた新生血管により、網膜へ血液中の成分が漏れ出したり、新生血管が破れて出血が起こったりなどして網膜が障害される疾患である。
加齢黄斑変性症の診断方法は種々知られているが、近年は、光干渉断層計(OCT:Optical Coherence Tomography)が主流となっている。この光干渉断層計を使用した検査では、網膜の断面を撮影し、網膜や脈絡膜の血管の状態、新生血管の有無を検査することが可能である。また、造影剤を使わず、短時間での検査が可能のため患者の負担が少ないというメリットがある。
加齢黄斑変性のうち萎縮型には現在のところ治療方法はない。一方、滲出型の治療法は薬物療法、光線力学的療法、レーザー凝固、手術が挙げられる。薬物療法は、図11(a)に示すように、新生血管の活動性を抑えるためにVFGFと呼ばれる血管内皮増殖因子を阻害する薬を眼球に直接注射する方法である。この抗VEGF薬の硝子体注射療法では、新生血管が退縮することで視細胞が死滅することを防止して、視力が失われることを阻止できる。また、図11(b)に示すように、通常、眼の中に4週の期間を空けて3回注射したのち定期的に診察を続け、網膜の状態及び新生血管の様子を診て追加の注射を行うものであり、光干渉断層計を用いた診断で効果と再発をフォローして管理する。
ところで、光干渉断層計としては、ガルバノミラーを用いた測定光の走査に基づいて、データを良好に取得できる光干渉断層計が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、本願発明者の著作として、眼科における光干渉断層計の進歩に関する文献や眼の黄斑に関する著書も開示されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
特開2018-121888号公報
"眼科における光干渉断層計の進歩、板谷正紀著"[令和3年10月29日検索]、<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/28/2/28_2_146/_pdf> 板谷正紀著,「目の悩みは眼底を疑いなさい 「見える」を支える"黄斑"のチカラ」,2019年12月,株式会社幻冬舎
上述のように、近年においては抗VEGF薬の硝子体注射療法が確立され現在第一選択の標準治療方法となっている。このVEGF薬の硝子体注射療法の効果は上述のように1ヶ月程度しか続かず再発するため、繰り返し何度も注射をする必要があり3年間程度は治療を継続する事が必要となる。そして、治療を放置又は先延ばして再発を繰り返すと、網膜の中心にあり視力を司る部分である黄斑の破壊が進み視力が失われていく。そのために、図12に示すように、網膜に生じる網膜下液121の再発をタイムリーに検知して、理想的には再発しかけたらすぐ注射を行うことが重要となる。
しかしながら、現状では、加齢黄斑変性症の診断には、光干渉断層計で網膜断層像を撮影し、その結果より医師が症状を診断するため、患者は定期的に必ず医療機関(眼科)を受診しなくてはならない。実際には、患者は頻繁に医師の診察を受けるのは難しく、月1回の受診が限度であり、再発を早期又はタイムリーに発見することができないという問題がある。
また、抗VFGF薬の効果は約1か月であって再発するリスクが高いため、毎月検査して再発したタイミングで注射をすることが望まれる。しかしながら、症状の進行度は患者によって異なり、実際には月一回の検査では再発のタイミングを正確に捉えることは不可能である。この結果、注射のタイミングが遅れ、黄斑の光を感じる視細胞が減少して最悪の場合には視力を失ってしまう患者もいる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものである、加齢黄斑変性症の患者に大きな負担を要することなく、患者が自宅に居ながら早期又はタイムリーに再発を検知できる加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムであって、患者の自宅に備えられて、当該患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCT(Optical Coherence Tomography)と、前記ホームモニタリングシステムの専用アプリケーションがインストールされると共に、前記ホームOCTとローカルネットワークを介して接続されて前記ホームOCTから患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末と、前記携帯端末と広域ネットワークを介して接続され、前記携帯端末を介して取得された前記撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するサーバと、前記サーバと広域ネットワークを介して接続され、少なくとも医師による当該患者に対する前記ホームOCTの撮像条件を前記サーバに送信する端末装置と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムにおいて、前記サーバは、前記携帯端末から受け取った前記撮像データを、AIを用いた画像解析を行うことで加齢黄斑変性症の進行を自動判定する撮像データ解析部と、前記撮像データを記憶する撮像データ記憶部と、少なくとも前記撮像データ解析部の解析結果及び前記ホームOCTの撮像条件を記憶するユーザ情報記憶部と、を備えることが好ましい。
本発明に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムにおいて、前記撮像データ解析部は、前記撮像データに基づいて(1)網膜前面のセグメンテーション、(2)網膜後面のセグメンテーション、(3)網膜色素上皮のセグメンテーションを行った後、網膜後面及び網膜色素上皮の間にある網膜下液を検出することで再受診タイミングを自動的に判断することが好ましい。
本発明に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムにおいて、前記ホームOCTは、前記携帯端末との通信接続を実現する通信モジュールである通信部と、前記通信部を介して取得した撮像条件に基づいて、測定光を患者の眼球の黄斑部領域に照射して撮像データを取得する撮像部と、を備え、前記撮像部は、前記撮像データとして、眼球の硝子体、脈絡膜及び網膜の3層を識別した撮像データを撮像することが好ましい。
本発明に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムにおいて、前記撮像部は、前記患者の眼球の黄斑部領域に測定光を照射する光源と、前記光源からの測定光を、予め設定したスキャン領域である黄斑部の所定範囲で走査させる光スキャナと、参照光と黄斑部領域で反射された散乱光との干渉を検出する検出部と、を有することが好ましい。
本発明に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムにおいて、前記ホームOCTは、さらに、前記携帯端末から取得した撮像の成否、及び医療機関への受診の要否の情報に基づいて、その結果を色分け表示する表示部を備えることが好ましい。
本発明に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムにおいて、前記携帯端末は、インターネットへの通信接続を実現する通信モジュールである通信処理部と、前記通信処理部を介して前記サーバから解析結果を受信した場合、ユーザにGUIで表示する画面表示部と、前記解析結果及び前記専用アプリケーションプログラムの少なくとも1つを記憶する記憶部と、を備えることが好ましい。
本発明に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムにおいて、前記専用アプリケーションプログラムは、患者に前記ホームOCTの撮像時期が来たことを前記画面表示部に自動表示する撮像指令機能を有することが好ましい。
上記目的を達成するために本発明は、加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムに用いるアプリケーションプログラムであって、前記ホームモニタリングシステムは、患者の自宅に備えられて、当該患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCT(Optical Coherence Tomography)と、前記アプリケーションプログラムがインストールされると共に、前記ホームOCTとローカルネットワークを介して接続されて前記ホームOCTから患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末と、前記携帯端末と広域ネットワークを介して接続され、前記携帯端末を介して取得された前記撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するサーバと、前記サーバと広域ネットワークを介して接続され、少なくとも医師による当該患者に対する前記ホームOCTの撮像条件を前記サーバに送信する端末装置と、を備え、前記アプリケーションプログラムは、患者に前記ホームOCTの撮像時期が来たことを自動表示する撮像指令ステップと、前記ホームOCTから前記撮像データを取得した場合、前記サーバに当該撮像データを転送する転送ステップと、前記サーバから受信した解析結果を表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムは、患者の自宅に備えられて患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCTと、ホームモニタリングシステムの専用アプリケーションがインストールされると共にホームOCTとローカルネットワークを介して接続されて患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末と、携帯端末と広域ネットワークを介して接続されて携帯端末を介して取得された撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するサーバと、サーバと広域ネットワークを介して接続されて少なくとも医師による患者に対するホームOCTの撮像条件をサーバに送信する端末装置と、を備える。この構成により、本発明では、加齢黄斑変性症の患者に大きな負担を要することなく、患者が自宅に居ながら早期又はタイムリーに再発を検知できる。
本発明の実施の形態に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムの全体システム構成図である。 同上ホームモニタリングシステムの全体構成図である。 同上ホームモニタリングシステムに備わるホームOCTを用いた黄斑部領域の撮像データの一例である。 (a)同上ホームモニタリングシステムのサービス概要の説明図、(b)同サービスの利用契約者の有する携帯端末の画面表示例を示す図である。 (a)及び(b)既存型OCTの説明図である。 (a)及び(b)同上ホームOCTの撮像領域を説明するための図である。 (a)及び(b)同上ホームOCTの走査方法の一例を示す図である。 (a)乃至(c)同上ホームモニタリングシステムに備わるクラウドサーバにおける加齢黄斑変性症の画像解析の一例を示す図である。 同上ホームモニタリングシステムの動作シーケンス図である。 (a)及び(b)加齢黄斑変性症の説明図である。 (a)及び(b)加齢黄斑変性症における抗VEGF薬の硝子体注射療法の説明図である。 加齢黄斑変性症の再発時に生じる網膜下液の写真図である。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る加齢黄斑変性症(AMD:age-related macular degeneration)のホームモニタリングシステム(以下、ホームモニタリングシステムと記載)について図面を参照しながら説明する。
<全体システム図>
最初に、本実施の形態に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムの全体構成に関して図1及び図2を参照しながら説明する。ホームモニタリングシステムSは、患者が、自宅に居ながら、加齢黄斑変性症の進行を早期又はタイムリーに監視できるものであり、図1に示すように、ホームOCT(Home-OCT、Optical Coherence Tomography)10、携帯端末20、クラウドサーバ30及び端末装置40を備える。
<ホームOCT10の機能構成>
ホームOCT10は、加齢黄斑変性症を検知するための光干渉断層計であり、患者の自宅に備えられて、患者の眼球の黄斑部領域を撮像する機能に特化した小型且つ低価格な装置である。本実施の形態に係るホームOCT10は、制御部11、撮像部12、記憶部13、通信部14、表示部15及び操作入力部16を備える。
制御部11は、CPUなどのプロセッサやメモリを用いて、ホームOCT10の構成部を制御して各種機能(ここでは主として、眼球の黄斑部領域の撮像機能)を実現する。
撮像部12は、測定光を被検眼の組織(ここでは黄斑部領域)に照射して撮像データを取得する。撮像部12は、特に、図3の画像50に示すような眼球の硝子体、脈絡膜、及び網膜の3層を識別する撮像データを撮像する(これら3層の撮像に特化)。撮像部12は、患者の眼球の黄斑部領域に測定光(レーザ光)を照射する光源12aと、光源12aからのレーザ光を予め設定したスキャン領域である黄斑部の所定領域(例えば6×6mmの範囲)で走査させる光スキャナ12bと、参照光と黄斑部領域で反射された散乱光との干渉を検出する検出部12cと、を備える。
記憶部13は、RAMなどのメモリであり、ホームOCT10の撮像条件、固有識別番号(端末ID)、機能開始日時などの情報が記憶される。通信部14は、wifi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)などの家庭内のローカルネットワークへの通信接続を実現する通信モジュールであり、携帯端末20との間で撮像データ、ホームOCT10の撮像条件、撮像の成否、医療機関への受診の要否などの情報を送受信する。
表示部15は、携帯端末20から取得した撮像の成否、受診の要否などの情報に基づいて、その結果をLEDなどを用いて色分け(例えば撮像成功は青、撮像失敗は赤の点滅、医師への受診要請は赤の点灯など)表示する。操作入力部16は、ユーザによる操作情報を制御部11へ通知するものであり、例えば撮像時の物理ボタンやタッチパネルなどである。なお、上記結果を音声を用いて患者に伝えても良い。
<携帯端末20の機能構成>
携帯端末20は、ホームモニタリングシステムSの専用アプリケーションプログラムがインストールされると共に、ホームOCT10とローカルネットワークを介して接続されて患者の黄斑部領域の撮像データを取得する。携帯端末20は、具体的には、患者(利用契約者)のスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの端末であって、ソフト開発会社などが作成したホームモニタリングシステムSの専用アプリが画面表示される。本実施の形態に係る携帯端末20は、制御部21、記憶部22、通信処理部23、画面表示部24及び操作入力部25を備える。
制御部21は、CPUなどのプロセッサやメモリを用いて、携帯端末20の構成部を制御して各種機能を実現するものであり、画像処理部21a及びリクエスト生成部21bを有する。画像処理部21aは、GPU又は専用回路等のプロセッサ及びメモリを用い、制御部21からの制御指示に応じて画像処理を実行する。なお、制御部21及び画像処理部21aは、CPU,GPU等のプロセッサ、メモリ、さらには記憶部22及び通信処理部23などを集積した1つのハードウェア(SoC:System on a Chip)として構成されてもよい。
リクエスト生成部21bは、クラウドサーバ30に送信するリクエスト要求などを生成する。例えば、ホームOCT10から送信された端末IDを用いて、記憶部22に記憶されているテーブルを参照して送信先アドレスを特定して、ヘッダ部に送信先情報及び送信元情報を付与して、データ部に端末IDやリクエスト要求を含んだコマンドを付与してパケットデータを作成する。リクエストとしては「撮像条件」、「解析結果」などである。
記憶部22は、RAMなどのメモリであり、ホームモニタリングシステムSにおけるホームOCT10とクラウドサーバ30のアドレス情報やホームモニタリングシステムSのユーザインタフェース(UI)としての機能を発揮させるアプリケーションプログラムなどが記憶されている。
通信処理部23は、インターネット等の通信網への通信接続を実現する通信モジュールである。ここでは、例えば、携帯端末20の通信処理部23や端末装置40の送受信部44は、加齢黄斑変性症のホームOCT10に基づく解析機能を公開しているクラウドサーバ30に対して、インターネットを介して例えばHttpのリクエスト形式で依頼内容を送信する。すると、この処理結果がHttpのレスポンス形式で依頼元の携帯端末20や端末装置40へ返信される。この送受信されるデータの形式は様々だが、webでよく用いられるXML(Extensible Markup Language)やHTML(HyperText Markup Language)、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)、各種の画像ファイル形式などを用いることができる。通信処理部23は、クラウドサーバ30より送信されるレスポンスである解析結果、ホームOCT10の撮像条件、ユーザ情報などを受信する。
画面表示部24は、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)ディプレイ等であり、制御部21の指示による画像処理部21aでの処理によってホームモニタリングシステムSを発揮するためのユーザインタフェースを表示する。なお、画面表示部24は、クラウドサーバ30から撮像の成否や受診の要否を受信した場合には、ユーザに分かりやすい形のGUIで表示する。このため、患者が自身で結果を参照して、加齢黄斑変性症の進行状態、すなわち再発したか否か、受診が必要か否かを把握できる。患者が自身の網膜断層像を見たい場合はアプリのメニューを選択すると閲覧できる。また、クラウドサーバ30側において受診必要と判定された場合に、患者は医療機関への受診の要請を受けることで受診時期を明確に把握できる。
操作入力部25は、ユーザによる操作情報を制御部21へ通知するものであり、タッチパネルなどを含む。携帯端末20の筐体に設けられた物理的ボタンを用いてもよい。携帯端末20のユーザは、操作入力部25を介して、ホームOCT10の操作、アプリの操作を行うこともできる。
なお、携帯端末20にインストールされた専用アプリは、患者にホームOCT10の撮像時期が来たことを画面表示部24に自動表示する撮像指令機能を有する。この撮像指令機能によって、患者の携帯端末20の画面表示部24に警告を表示して、ホームOCT10の定期的な撮像(例えば毎日、隔日や定期)を患者に促すことができる。また、アプリケーションプログラムは、患者にホームOCT10の撮像時期が来たことを自動表示する撮像指令ステップと、ホームOCT10から撮像データを取得した場合にサーバ30に当該撮像データを転送する転送ステップと、サーバ30から受信した解析結果を表示する表示ステップと、を含んでも良い。
<クラウドサーバ30の機能構成>
クラウドサーバ(サーバ)30は、携帯端末20及び端末装置40とインターネットなどの広域ネットワークを介して接続され、携帯端末20を介して取得された患者の撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定する機能を有する。本実施の形態に係るクラウドサーバ30は、送受信部31、制御部32、撮像データ解析部33、撮像データ記憶部34及びユーザ情報記憶部35を備える。
送受信部31は、携帯端末20や端末装置40との間でデータの送受信を行い、リクエスト要求や撮像データを携帯端末20から受け取る。また、自動解析の結果を、携帯端末20に送信する。
制御部32は、携帯端末20や端末装置40からリクエスト要求を受信した場合、このリクエスト要求に従ったレスポンス情報を携帯端末20や端末装置40に送信する制御処理を行う。
撮像データ解析部33は、携帯端末20から受け取った撮像データを、AI(Artificial Intelligence)を用いた画像解析に基づいて加齢黄斑変性症の進行を判定する。すなわち、ホームOCT10を用いて患者がセルフ撮影した網膜データは、携帯端末20を介してクラウドサーバ30に自動転送され、そこで動作する撮像データ解析部33(クラウドAI)が、機械学習などで構築された所定のアルゴリズムにて加齢黄斑変性症の進行状態を自動的に判定する。この画像判定方法の一例に関しては後述する。なお、AI解析機能はクラウドサーバ30以外の別のサーバに備えても良い。
撮像データ記憶部34は、ホームOCT10を用いて撮像された患者(利用契約者)の撮像データを蓄積するデータベースである。ユーザ情報記憶部16は、例えば、患者(利用契約者)のホームOCT10の撮像条件、解析結果、利用契約者ID、パスワードなどが格納される。
<端末装置40の機能構成>
端末装置40は、クラウドサーバ30と広域ネットワークを介して接続され、少なくとも医師による患者に対するホームOCT10の撮像条件をクラウドサーバ30に送信する。端末装置40は、具体的には、クラウドサーバ30とネットワークを介して接続された医師の所有するパーソナルコンピュータなどであり、医師は患者を診断し、クラウドサーバ30に記憶される各患者のホームOCT10の撮像条件を指定する。この撮像条件は、例えば左右眼の設定、スキャンモード、スキャン位置、スキャンサイズ、スキャン間隔などの条件である。基本的に、医師は、クラウドサーバ30にある本サービスに登録し利用できる。医師はまた、自身の患者(患者が自身の登録情報中の担当医として指定されている場合)の加齢黄斑変性症に関する被検眼の解析データをクラウドサーバ30から取得して参照できる。
端末装置40は、医師から入力を受け付けるキーボードなどの入力部41、専用アプリケーションをWebブラウザで実行するアプリケーション実行部42、入力部41を介して撮像条件の送信や患者の被検眼の撮像データや解析結果の取得を行うリクエスト生成部43、送受信部44、撮像データや解析結果を取得した場合にGUI表示処理を行う演算部45、及び記憶部46を備える。
ここで、アプリケーション実行部42は、アプリケーションによる実行結果を画面に表示するために使用するWebブラウザを実行する。リクエスト生成部43は、入力部41を介した医師からの入力に応じて、クラウドサーバ30に対してHttpプロトコル経由で処理要求(Httpリクエスト)を行う。ここで、送受信部44から送信されるHttpリクエストの際のデータ形式は、例えばXMLである。
<ホームモニタリングシステムSのサービス詳細>
次に、本実施の形態に係るホームモニタリングシステムSのサービス内容に関して図4を参照しながら説明する。ホームモニタリングサービスSを稼働させるために、患者Pに対してクラウドシステムを提供(月額利用料徴収)する。ホームモニタリングシステムSでは、ホームOCT10は承認医療機器として販売する販売業許可を有し、製造委託先より仕入れし患者Pへ貸し出される。
本サービスの利用を希望する患者Pは、自身でサービス利用を登録申し込む。登録後、患者Pと運営企業KはホームOCT10のレンタル契約を含むサービス利用契約をオンラインで取り交し、取交する。次に、運営企業KはホームOCT10を患者Pの自宅に送付する。ここでのサービス利用料は月額制であり、患者Pは使用量を運営企業Kに支払う。患者Pは、治療が完結したらサービス利用を中止し及び解約する。なお、治療の完結に関わらず途中解約も可能であり、契約期間満了又は解約後、ホームOCT10は運営会社Kに返却される。
契約を締結した患者Pは、毎日(又は定期的に)所定の方法で、ホームOCT10を用いて網膜(黄斑)の状態を撮像する。この際の撮像は、ホームOCT10と携帯端末20にインストールされたアプリを用いて行う。このアプリは、ホームOCT10と通信してその機能を制御し、撮影結果をクラウドサーバ30に送る。そして、クラウドサーバ30上のAIが撮影結果を自動解析し、患者Pに受診要否の結果を携帯端末20のアプリとホームOCT10に知らせる。このように、本ホームモニタリングシステムSでは撮像データは自動的にクラウドサーバ30へ送信され、解析結果は一定様式のレポートで表記されてインターネットに接続している携帯端末20の画面表示部24にて参照できる。
<既存型OCTとホームOCT10の比較>
次に、光干渉断層計について「既存型OCT」と本実施の形態に係る「ホームOCT10」との差異点について説明する。
光干渉断層撮影とは、光の干渉性を利用して試料内部の構造を高分解能・高速で撮影する技術である。近赤外線などを照射して非接触・非侵襲で撮像でき、被爆の心配もなく、人体の様々な器官の断層撮像に用いられている。光干渉断層計では立体的な断層画像が高画質で撮像でき、別体のソフトの画像操作で任意の断層面(2次元)の画像を切り出して示すことができる。光干渉撮像計において最も普及したアプリケーションが眼科診断装置となる。これらは、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、各種網膜疾患などの診断を多用途に適用できる。
ここで、既存型OCTの基本的な構成に関して説明する。既存型OCTは、800nmか 1300nmに中心をもつレーザー光源にて、特殊な光学系にて、患者の瞳孔から網膜へ光源の焦点が合致するように操作し、予め設定したスキャン領域内にレーザー光をスキャンさせて網膜から得られる散乱光を受光器にて捉え、その光干渉データより網膜断層を画像化する。
既存型OCTでは様々な用途に対応しているために、撮影する際に様々な設定をする必要があり、例えば、左右眼、スキャンモード、スキャン位置、スキャンサイズ、スキャン間隔、加算平均枚数、自動モード/手動モード、内部固視灯/外部固視灯の選択、内部固視灯のサイズ、内部固視灯の位置などの設定が要求される。この中でスキャンモードは複数のモードがあり、レーザーをスキャンする方法が複数用意されており、患者の状態や疾患に応じて適切なスキャン方法を選択する。例えば、Macura 3D(黄斑三次元)モードの場合、レーザー光源(点光源)をミラー光学系により焦点位置をX→Yと一点間隔で移動させる事で、点光源から面としての情報を作る。また網膜の奥域方向は点光源レーザーが持つ奥域解像度により得られ、結果3次元情報得る事ができます。X方向の幅、Y方向の幅は設定で可変にできる。得られた情報は散乱光の濃淡(光の明度)情報から画像を構築し、この結果、ラインスキャンでは、画像の明度(光強度)より網膜の断層構造が得られる。このように、従来型OCTでは高度な解析性能を有するものの、長い距離を出すほど光学系などの仕組みが複雑になり、また精度(ノイズが少なく明瞭な画像にするなど)を上げるには光学系や駆動系の精密さが必要となり製造コストが高くなるという問題がある。
また、既存型OCTは、図5に示すようにOCT製品本体51とPC52で構成される。このOCT製品本体51は、電源・制御回路・駆動部・光学系・ベースかカバー等々の機械部品などで構成され、制御や画像生成・画像解析のためのソフトウェアはPC52にインストールされ、様々な画像参照、解析アプリケーションが用意されている。また、患者と正常者の比較などのために正常者データベースを搭載し、撮影した患者の網膜と正常者データを比較して正常、異常状態を視覚的に表示する機能など様々な機能が搭載される。そして、OCT製品本体51とPC52とは専用机53に搭載され、眼科の検査室に設置され、専有スペースはかなり広いスペース(少なくとも80cm四方)が必要になる。
一方、本実施の形態に係るホームOCT10は、上述のように被検眼の黄斑部の所定領域で、且つ眼球の硝子体、脈絡膜、及び網膜の3層の識別に特化するため、既存品OCTに比較して小型・軽量・単機能・自動撮影・低消費電力・簡単に使える。ホームOCT10のフットプリントは、30cm×30cm程度となる。ホームOCT10における撮影は極めてシンプルな機能に限定され、全自動(スマホアプリで「撮影開始」ボタンをタップし 患者が目をホームOCT10の除き窓に当てると自動的に撮影し結果をスマホ経由でクラウドサーバ30へ自動送信される)である。
網膜は10層の層構造を持ち、厚さは中央部で0.3~0.4mm,周辺では0.15mm程度である。既存型OCTでは、網膜の7~8層程度を自動セグメンテーションし、眼底写真や OCT 画像より黄斑だけでなく様々な場所の状態を確認して患者の状態(病態)を医師が診断する。一方、ホームOCT10は、wAMD(加齢黄斑変性症)に特化した機能を有するのみであるため、図3に示すような眼球の硝子体、脈絡膜、及び網膜の3層の撮像を行う。
ホームOCT10を用いた撮像の際のスキャンモードは、図6及び図7に示すように、中心窩を中心として黄斑部の所定範囲(例えば6mm幅(図7(a)参照のこと))で、例えばラインスキャンLを7本(1mm間隔、図7(b)参照のこと)又は5本(1.5mm間隔、図7(c)参照のこと)で、横(X)軸方向に走査(スキャン)させる事で直線上に散乱光情報を得て網膜の一断面を構築する。また、焦点位置をX→Yと一点間隔で移動させる事で、点光源から面としての情報を作る。さらに、網膜の奥域方向は点光源レーザーが持つ奥域解像度により得られ、結果3次元情報得ることができる。このように、ホームOCT10は、既存型OCTとは異なり、黄斑部撮像の用途以外の診断機能は無いため、小型化・低価格を実現可能となる。
<クラウドサーバ30における画像解析>
次に、クラウドサーバ30の撮像データ解析部33におけるAI解析に関して図8を参照して説明する。上述のように、ホームOCT10により得られた撮影データは、クラウドサーバ30により自動解析される。
AIにおけるアルゴリズムの構築は機械学習などを応用し、特に画像認識の分野にて適用されているニューラルネットワークを多層構造で使用したディープラーニング(Deep Learning;深層学習)の畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)などを用いた学習装置及び推論装置が挙げられる。
撮像データ解析部33は、例えば図8に示すように、ホームOCT10の撮像データに基づいて(1)網膜前面8aのセグメンテーション、(2)網膜後面8bのセグメンテーション、(3)網膜色素上皮(retinal pigment epithelium: RPE)8cのセグメンテーションを行う。そして、網膜後面8b及び網膜色素上皮8cの間にある網膜下液(subretinal fluid: SRF)8dを検出して再受診タイミングを自動的に判断する。これは、加齢黄斑変性症再発の原因となる網膜下液を検出することで再受診タイミングを判定できるためである。
<全体シーケンス図>
次に、本実施の形態に係るホームモニタリングシステムSの全体シーケンスを、図9を参照しながら説明する。
本ホームモニタリングシステムSの前提として、患者(利用契約者)の処方を終えた医師は、端末装置40を用いて患者及び担当医の氏名、患者氏名に紐付けたホームOCT10の撮影条件をクラウドサーバ30に送信する(S91)。通常、右眼か左眼か両眼か、複数ある撮影方法(スキャン方法)のどの方法で撮影するかなどの撮像条件は、患者の医師が処方より決める。クラウドサーバ30は、医師の端末装置40から患者氏名や撮像条件を受信すると、これをユーザ情報記憶部35に記憶する(S92)。
一方、患者は、事業者のサービス利用契約に基づき一定期間、ホームOCT10をレンタルする。ホームOCT10は、各装置固有の識別番号(端末ID)を記憶部13に保持しており、患者が最初に電源を入れた日時を利用開始日時と記憶部13に記憶する(S93)。そして、ホームOCT10の電源が入れられると、ホームOCT10から患者の携帯端末20に対して端末IDが通知される(S94)。
携帯端末20は、ホームOCT10より端末IDを受信すると、クラウドサーバ30に対して端末IDに紐付けられたユーザ契約情報及び撮像条件を取得するための撮像条件リクエストを送信する(S95)。
そして、要求リクエストを受信したクラウドサーバ30は、ユーザ情報記憶部35を参照し、端末ID(又は患者氏名)に紐づけられた契約情報や撮像条件を携帯端末20に送信する(S96)。
次に、ホームOCT10は、携帯端末20を通じて契約情報及び撮像条件を取得し(S97)、記憶部13に記憶する(S98)。携帯端末20も、取得した撮像条件や契約情報を記憶部に記憶する(S99)。このように、ホームモニタリングシステムSでは、ホームOCT10をレンタルする患者の状態が予め診断されて分かっている。このため、ホームOCT10をレンタルする際にこの患者に該当する撮影方法(非検眼と撮影方法の選択)をクラウドサーバ30内のユーザ情報記憶部35に格納された患者情報より引き出すことを可能とする。また、ホームOCT10は、日時を比較して記憶部13に記憶される利用期限が近づいてきた事や利用期限を過ぎた事を表示部15に表示することで患者に利用期限を通知する。なお、利用期限が過ぎた後には撮影機能が働かなくなり、その後に電源を切ると再度ホームOCT10を起動させることができない。契約が終了すると、事業者はホームOCT10を回収して、端末IDと契約期限を照合して、ホームOCT10の回収と契約完了などを管理する。
そして、携帯端末20のアプリにおいて設定された撮像時期(毎日、隔日、定期など)が来ると、撮像指令が携帯端末20(又はホームOCT10)の画面表示部24に表示される(S100)。この撮像指令を見た患者は、ホームOCT10を用いて撮像を行う。なお、この撮像時期の警告は、ホームOCT10の表示部15を用いて定期的に行うことも考え得る。
ホームOCT10の記憶部15には患者の撮像条件が書き込まれているため、患者が自身で撮影する際は、ホームOCT10はこの撮像条件を参照し、自動的に撮影条件が設定される。或いは、ホームOCT10は、極めてシンプルな構成であり必要最低限のスイッチ(SW)などの操作入力部16と表示部15(LEDなど)のみを搭載しているために、ホームOCT10の設定・操作・撮影指示・撮影結果参照などはスマートフォンで動作するアプリで行っても良い。ホームOCT10で撮像された撮像データ(専用形式のファイル)は、携帯端末20に自動送信され(S101)、携帯端末20のアプリはさらにクラウドサーバ30に撮像データを自動送信する(S102)。
撮影データの蓄積や解析とその結果(レポート)はインターネット上で稼働するクラウドサーバ30で行われる(S103)。クラウドサーバ30内にはWEBサーバ・DBサーバ・アプリケーションインターフェイスサーバなどの機能が一つ又は複数のサーバ(ハードウェア)内に格納され動作する。クラウドサーバ30は、携帯端末20より送信された撮影データを撮像データ記憶部34に格納すると共に、撮像データ解析部33では、撮像データを、AIを用いて画像解析する。なお、クラウドサーバ30は、アプリケーションインターフェイスサーバを介して撮影データをAIサービスへ解析依頼しても良い。
次に、クラウドサーバ30は、問題なく撮影が成功してデータが送信されたか否かの撮像の成否判定や医師への受診の要否結果を、携帯端末20に通知する(S104)。そして、ホームOCT10に転送されて(S105)、ホームOCT10の表示部15に分かりやすく色別(例えば、赤=失敗、青=成功)で提示する(S106)。また、撮像の成否、医師への受診の要否などの情報は携帯端末20の画面表示部24にも表示される(S107)。また、クラウドサーバ30は、ユーザ情報記憶部35の該当患者の解析結果テーブルに新たな解析結果を格納する(S108)。
このように、クラウドサーバ30における解析結果は、該当患者の携帯端末20に送信されて携帯端末20のアプリは解析結果が届いたことをスマホの通知機能を利用して患者に通知する。通知に気づいた患者は携帯端末20のアプリに表示される解析結果を参照することができる。携帯端末20のアプリでは、さらにホームOCT10に医療機関での受診の要否の結果をOK・NGなどの簡単なデータとして送り、ホームOCT10はそれを表示部15に色別で表示する。このため、患者は受診の正確な時期を把握できる。
なお、患者は、携帯端末20を用いて、最新の撮像データの解析結果(撮像データを含む)のリクエスト要求をクラウドサーバ30に送信することができる(S201)。このリクエスト要求を受けたクラウドサーバ30は、ユーザ情報記憶部35に記憶されている最新の解析結果を取得して(S202)、当該解析結果を携帯端末20に応答し(S203)、携帯端末20のアプリでグラフィック処理をしてGUI表示する(S204)。
この解析結果の要求は、医師の所有する端末装置40からも行うことができ(S205及びS206)、画面に表示され(S207)、患者の情報を参照した医師は、撮像条件の更新を適宜行える(S208及びS209)。
<本願発明の効果>
以上の説明のように、本実施の形態に係る加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムSは、患者の自宅に備えられて当該患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCT10と、ホームモニタリングシステムSの専用アプリケーションがインストールされると共にホームOCT10とローカルネットワークを介して接続されてホームOCT10から患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末20と、携帯端末20と広域ネットワークを介して接続されて携帯端末20を介して取得された撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するサーバ(クラウドサーバ)30と、サーバ30と広域ネットワークを介して接続されて少なくとも医師による当該患者に対するホームOCT10の撮像条件をサーバ30に送信する端末装置40と、を備える。この構成により、加齢黄斑変性症の患者に大きな負担を要することなく、患者が自宅に居ながら早期又はタイムリーに加齢黄斑変性症の再発の検知を可能とし、再発すると即、患者に眼科への受診を促すことができ、加齢黄斑変性症の進行を阻止できる。
具体的には、(1)通常は医療機関にしか設置されていないOCTを、患者の家にホームOCT10として置いて日々簡単に自身の網膜の状態を撮影取得できる。(2)セルフ撮影した網膜データはホームOCT10と接続されたクラウドサーバ30に転送され、そこで動作する画像診断用AIが所定アルゴリズムにてその状態を自動判定する。(3)判定結果は患者のスマホ等の携帯端末20に送られ患者が自身で状態を把握できる。(4)AIにより受診必要と判定された場合に、患者は医療機関を受診する。(5)医師は自身の患者の日々のデータを、端末装置40を用いてクラウドサーバ30から取得して患者の状態を診断できる。
なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。上述では加齢黄斑変性症のホームモニタリングを説明したが、日々の症状の進行の監視を必要とする他の疾患のホームモニタリングシステムとしても応用できることは言うまでもない。
S 加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム
10 ホームOCT
12 撮像部
12a 光源
12b 光スキャナ
12c 検出部
14 通信部
15 表示部
20 携帯端末
22 記憶部
23 通信処理部
24 画面表示部
30 クラウドサーバ(サーバ)
33 撮像データ解析部
34 撮像データ記憶部
35 ユーザ情報記憶部
40 端末装置
上記目的を達成するために本発明は、加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムであって、患者の自宅に備えられて、当該患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCT(Optical Coherence Tomography)と、前記ホームモニタリングシステムの専用アプリケーションがインストールされると共に、前記ホームOCTとローカルネットワークを介して接続されて前記ホームOCTから患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末と、前記携帯端末と広域ネットワークを介して接続され、前記携帯端末を介して取得された前記撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するサーバと、前記サーバと広域ネットワークを介して接続され、少なくとも医師による当該患者に対する前記ホームOCTの撮像条件を前記サーバに送信する端末装置と、を備え、前記ホームOCTは、前記携帯端末との通信接続を実現する通信モジュールである通信部と、前記通信部を介して取得した撮像条件に基づいて、測定光を患者の眼球の黄斑部領域に照射して撮像データを取得する撮像部と、を備え、前記撮像部は、前記撮像データとして、眼球の硝子体、脈絡膜及び網膜の3層を識別した撮像データを撮像し、前記ホームOCTは、さらに、前記携帯端末から取得した撮像の成否、及び医療機関への受診の要否の情報に基づいて、その結果を色分け表示する表示部を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明は、加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムに用いるアプリケーションプログラムであって、前記ホームモニタリングシステムは、患者の自宅に備えられて、当該患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCT(Optical Coherence Tomography)と、前記アプリケーションプログラムがインストールされると共に、前記ホームOCTとローカルネットワークを介して接続されて前記ホームOCTから患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末と、前記携帯端末と広域ネットワークを介して接続され、前記携帯端末を介して取得された前記撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するサーバと、前記サーバと広域ネットワークを介して接続され、少なくとも医師による当該患者に対する前記ホームOCTの撮像条件を前記サーバに送信する端末装置と、を備え、前記ホームOCTは、前記携帯端末との通信接続を実現する通信モジュールである通信部と、前記通信部を介して取得した撮像条件に基づいて、測定光を患者の眼球の黄斑部領域に照射して撮像データを取得する撮像部と、を備え、前記撮像部は、前記撮像データとして、眼球の硝子体、脈絡膜及び網膜の3層を識別した撮像データを撮像し、前記ホームOCTは、さらに、前記携帯端末から取得した撮像の成否、及び医療機関への受診の要否の情報に基づいて、その結果を色分け表示する表示部を備え、前記アプリケーションプログラムは、患者に前記ホームOCTの撮像時期が来たことを自動表示する撮像指令ステップと、前記ホームOCTから前記撮像データを取得した場合、前記サーバに当該撮像データを転送する転送ステップと、前記サーバから受信した解析結果を前記表示部に表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする。

Claims (9)

  1. 加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムであって、
    患者の自宅に備えられて、当該患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCT(Optical Coherence Tomography)と、
    前記ホームモニタリングシステムの専用アプリケーションがインストールされると共に、前記ホームOCTとローカルネットワークを介して接続されて前記ホームOCTから患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末と、
    前記携帯端末と広域ネットワークを介して接続され、前記携帯端末を介して取得された前記撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するサーバと、
    前記サーバと広域ネットワークを介して接続され、少なくとも医師による当該患者に対する前記ホームOCTの撮像条件を前記サーバに送信する端末装置と、を備えることを特徴とする加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム。
  2. 前記サーバは、
    前記携帯端末から受け取った前記撮像データを、AIを用いた画像解析を行うことで加齢黄斑変性症の進行を自動判定する撮像データ解析部と、
    前記撮像データを記憶する撮像データ記憶部と、
    少なくとも前記撮像データ解析部の解析結果及び前記ホームOCTの撮像条件を記憶するユーザ情報記憶部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム。
  3. 前記撮像データ解析部は、前記撮像データに基づいて(1)網膜前面のセグメンテーション、(2)網膜後面のセグメンテーション、(3)網膜色素上皮のセグメンテーションを行った後、網膜後面及び網膜色素上皮の間にある網膜下液を検出することで再受診タイミングを自動的に判断する、ことを特徴とする請求項2記載の加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム。
  4. 前記ホームOCTは、
    前記携帯端末との通信接続を実現する通信モジュールである通信部と、
    前記通信部を介して取得した撮像条件に基づいて、測定光を患者の眼球の黄斑部領域に照射して撮像データを取得する撮像部と、を備え、
    前記撮像部は、前記撮像データとして、眼球の硝子体、脈絡膜及び網膜の3層を識別した撮像データを撮像する、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム。
  5. 前記撮像部は、
    前記患者の眼球の黄斑部領域に測定光を照射する光源と、
    前記光源からの測定光を、予め設定したスキャン領域である黄斑部の所定範囲で走査させる光スキャナと、
    参照光と黄斑部領域で反射された散乱光との干渉を検出する検出部と、を有することを特徴とする請求項4記載の加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム。
  6. 前記ホームOCTは、さらに、
    前記携帯端末から取得した撮像の成否、及び医療機関への受診の要否の情報に基づいて、その結果を色分け表示する表示部を備える、ことを特徴とする請求項4又は5記載の加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム。
  7. 前記携帯端末は、
    インターネットへの通信接続を実現する通信モジュールである通信処理部と、
    前記通信処理部を介して前記サーバから解析結果を受信した場合、ユーザにGUIで表示する画面表示部と、
    前記解析結果及び前記専用アプリケーションプログラムの少なくとも1つを記憶する記憶部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステム。
  8. 前記専用アプリケーションプログラムは、患者に前記ホームOCTの撮像時期が来たことを前記画面表示部に自動表示する撮像指令機能を有する、ことを特徴とする請求項7記載の加齢黄斑変性症のホームモニタリング。
  9. 加齢黄斑変性症のホームモニタリングシステムに用いるアプリケーションプログラムであって、
    前記ホームモニタリングシステムは、
    患者の自宅に備えられて、当該患者の眼球の黄斑部領域を撮影する光干渉断層計であるホームOCT(Optical Coherence Tomography)と、
    前記アプリケーションプログラムがインストールされると共に、前記ホームOCTとローカルネットワークを介して接続されて前記ホームOCTから患者の眼球の黄斑部領域の撮像データを取得する携帯端末と、
    前記携帯端末と広域ネットワークを介して接続され、前記携帯端末を介して取得された前記撮像データに基づいて加齢黄斑変性症の進行状態を自動判定するサーバと、
    前記サーバと広域ネットワークを介して接続され、少なくとも医師による当該患者に対する前記ホームOCTの撮像条件を前記サーバに送信する端末装置と、を備え、
    前記アプリケーションプログラムは、
    患者に前記ホームOCTの撮像時期が来たことを自動表示する撮像指令ステップと、
    前記ホームOCTから前記撮像データを取得した場合、前記サーバに当該撮像データを転送する転送ステップと、
    前記サーバから受信した解析結果を表示する表示ステップと、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
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