JP6412233B1 - エネルギー回収装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、圧送工程終了後、取水ポンプから流路方向規制装置を介してシリンダ装置に海水を供給し、圧送工程と逆方向にピストンを駆動することで濃縮海水を排出しながら海水を充填する操作を充填工程と称している。
このように、このエネルギー回収装置では、シリンダ装置のピストンがシリンダの端部に達した際に流路切換機構によって膜分離装置からの高圧濃縮海水を一対のシリンダ装置に交互に供給すると共に取水ポンプから一対のシリンダ装置に交互に海水を充填するように制御を行っている。
図6は、従来のエネルギー回収装置の構成を示す模式図である。図7は、1対のシリンダ装置の圧送工程と充填工程とにおける流量パターンを示すグラフである。図8は、取水ポンプの吐出流量と圧力との関係を示すグラフである。
圧送工程にある第1シリンダ装置7aの他端側は、第1流路切換機構20aの流出入ポート22bと流入ポート22aとを介して膜分離装置3の流出口23と連通され、他端側から高圧濃縮海水が流入し、一端側から高圧海水が増圧ポンプ11に供給されている。
充填工程にある第2シリンダ装置7bの他端側は、第2流路切換機構20bの流出入ポート21bと流出ポート21cとを介して排水路60と連通され、他端側から濃縮海水が排出され、一端側から取水ポンプ1により海水が供給されている。このとき、第1流路切換機構20aの第1ピストン26aは、流出入ポート22bと流出ポート22cとの連通を遮断する位置にある。
一方、第2流路切換機構20bの第1ピストン26bは、流出入ポート21bと流入ポート21aとの連通を遮断する位置にある。なお、符号11は、増圧ポンプであり、符号28a、28bは、流路切換機構20a、20bを駆動する駆動装置である。また、符号35は、駆動装置に圧油を供給する油圧ポンプである。
一方、圧送工程にある第1シリンダ装置7aの位置検出器31aの位置にピストン8aが達すると、位置検出器31aから検出信号が制御部132に送信され、第2流路切換機構20bの流路が切り換わり、充填工程を終了する。そして、待機状態にある第2シリンダ装置7bの他端側が流出入ポート21bと流入ポート21aとを介して膜分離装置3の流出口23と連通され、第2シリンダ装置7bの圧送工程が開始されると共に、第1流路切換機構20aの流路が切り換わり、第1シリンダ装置の7aの圧送工程が終了する。さらに、第1シリンダ装置7aの他端側が流出入ポート22bと流出ポート22cとを介して排水路60に連通され、第1シリンダ装置7aの充填工程が開始される。
流量Qbで圧送工程にある第1シリンダ装置7aのピストン8aが位置検出器31aの位置に達すると、検出信号により第1流路切換機構20aの流路の切り換えが始まり、流出入ポート22bから第1シリンダ装置7aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して0となる。その後、第1流路切換機構20aの流出入ポート22bと流出ポート22cとの連通が始まる。そして、取水ポンプ1から供給される海水の流量が次第に増加して流量Qaとなり、第1シリンダ装置7aの充填工程が行われる。このとき、流量Qbと流量Qaとの比Qb:Qaは、略1:1.5である。
一対のシリンダ装置で圧送工程と充填工程とを交互に繰り返す従来のエネルギー回収装置では、充填工程終了後の待機時間が必ず必要となる。待機時間中のシリンダ装置には取水ポンプから海水が全く供給されないため、高圧ポンプへの供給のみとなる。取水ポンプの吐出圧力は高圧ポンプとシリンダ装置との双方に供給されるときに比べ、高圧ポンプのみに海水が供給されるときの方が高くなり、その圧力差は大きなものとなる。すなわち、従来のエネルギー回収装置においては、シリンダ装置に海水が供給されない待機時間中は取水ポンプの吐出圧力が上昇し、待機時間終了後は吐出圧力が低下するという急激な圧力変動を伴う運転が繰り返される。これにより、高圧ポンプの吐出圧力に脈動が生じ、この脈動よって高圧ポンプから膜分離装置に供給される高圧海水に圧力変動が生じる。長期間にわたり繰り返される圧力変動が、膜分離装置の寿命や造水率に悪影響を及ぼすと共に、取水ポンプ自体も急激な流量変動や圧力変動を伴う運転が繰り返されることにより、性能や寿命が低下する恐れがある。
すなわち、3つの前記工程を3本のシリンダ装置で順次交代させながら運転することで、運転中は、各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3本のシリンダ装置のうちいずれか1本は圧送工程にあり、いずれか1本は充填工程にあり、いずれか1本は待機工程にある。なお、各前記工程の切り換え直前及び直後は、次の工程への過渡期であり、2つのシリンダ装置が同時に圧送工程又は充填工程を行っていることになる。したがって、取水ポンプから常に海水が高圧ポンプとシリンダ装置とに供給されている状態で運転できる。このため、取水ポンプの吐出流量と吐出圧力とにほとんど変動がなく、高圧ポンプの脈動が抑制され、高圧ポンプから供給される高圧海水の圧力変動による膜分離装置への悪影響を防止することができる。
また、いずれか3本のうち1本のシリンダ装置が待機工程にあるため、従来のエネルギー回収装置のように一対のシリンダ装置のうち一方の圧送工程が終了する前に他方のシリンダ装置の充填工程を終了させて待機状態にしておく必要がなく、待機工程にあるシリンダ装置を速やかにかつ確実に圧送工程に移行させることができる。
すなわち、このエネルギー回収装置では、制御部が、位置検出器の信号を受信してから予め設定された時間が経過した際に、流路切換機構を制御してシリンダ装置の他端と濃縮海水の排水路とに連通する流路の面積を絞るので、シリンダ装置の他端側に位置検出器を設ける必要が無く、これを省略することができる。このように一端側に設けた位置検出器の検出信号と制御部のタイマー機能とを利用することで、1つのシリンダ装置の外壁に設ける位置検出器が1つで済み、シリンダ装置の付属設備が簡素化される。
すなわち、このエネルギー回収装置では、シリンダ装置のピストンがシリンダの一端側から他端側に移動する速度と、ピストンがシリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しくしたので、圧送工程時のピストンの移動速度を充填工程時のピストンの移動速度と略等しくなるようにすることができ、圧送工程時の流量を増加させることができるので、従来のものよりエネルギー回収装置の運転効率の向上が可能となる。
すなわち、本発明によるエネルギー回収装置によれば、制御部が、圧送工程,充填工程及び待機工程の各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3つのシリンダ装置で互いに異なる各前記工程を順次交代させながら行うので、3本のシリンダ装置のうち1本を圧送工程とし、1本を充填工程とし、1本を待機工程として使用することで、取水ポンプから常に海水が供給されて高圧ポンプ(加圧ポンプ)の脈動を抑制することができる。
したがって、本発明のエネルギー回収装置では、高圧ポンプの脈動が抑制され、高圧ポンプから供給される高圧海水の圧力変動による膜分離装置への悪影響を防止することができる。
また、本実施形態のエネルギー回収装置101では、シリンダに供給される取水ポンプ1からの海水の流量と膜分離装置3から供給される高圧の濃縮海水の流量とを調整し、シリンダ装置15a,15b,15cのピストン16a,16b,16cがシリンダの一端側から他端側に移動する速度とピストン16a,16b,16cがシリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しく設定している。
上記3つの流路切換機構40a,40b,40cは、第1シリンダ装置15aに接続された第1流路切換機構40aと、第2シリンダ装置15bに接続された第2流路切換機構40bと、第3シリンダ装置15cに接続された第3流路切換機構40cとで構成されている。
上記流路方向規制機構17は、3つのシリンダ装置15a,15b,15cの一端に接続され、海水を3つのシリンダ装置15a,15b,15cに順に供給すると共に、3つのシリンダ装置15a,15b,15cから高圧で順に押し出される海水を増圧手段である増圧ポンプ11を介して膜分離装置3に戻すものである。
さらに、第1流路切換機構40aと第2流路切換機構40bと第3流路切換機構40cのそれぞれの流入ポート41a、42a、43aは、膜分離装置3の高圧濃縮水流出口23に連通される。
また、第1流路切換機構40aと第2流路切換機構40bと第3流路切換機構40cのそれぞれの流出ポート41c、42c、43cは、排水路60に連通される。なお、符号55a、55b、55cは流路切換機構40a、40b、40cを駆動する駆動装置(電動アクチュエータ)で、流路切換機構40a、40b、40cの流路の切り換え速度を任意に調整できる。
また、第2シリンダ装置15bの一端側の外壁には、第2シリンダ装置15bのピストン16bを検出して信号を発する位置検出器45bが配設され、第2シリンダ装置15bの他端側の外壁には、位置検出器47bが配設されている。
さらに、第3シリンダ装置15cの一端側の外壁には、第3シリンダ装置15cのピストン16cを検出して信号を発する位置検出器45cが配設され、第3シリンダ装置15cの他端側の外壁には、位置検出器47cが配設されている。
また、濃縮水管3bは、途中で分岐されて各流路切換機構40a,40b,40cに接続されている。
各流路切換機構40a,40b,40cは、対応する各シリンダ装置15a,15b,15cへの濃縮海水の供給とその停止及び各シリンダ装置15a,15b,15cからの濃縮海水の排出とその停止との切り換えを行う切換用シリンダ装置と、切換用シリンダ装置を駆動する駆動装置55a,55b,55cとを備えている。
上記各切換用シリンダは、濃縮海水の排水路60に接続され一端側に設けられた流出ポート41c,42c,43cと、濃縮水管3bに接続され中間部に設けられた流入ポート41a,42a,43aと、対応するシリンダ装置15a,15b,15cの他端に接続され流出ポート41c,42c,43cと流入ポート41a,42a,43aとの間に設けられた流出入ポート41b,42b,43bとを有している。
また、流路方向規制機構17を構成する接続管は、シリンダ装置15a,15b,15cからの濃縮海水を供給可能に増圧ポンプ11に接続されている。
また、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bは流路面積が絞られ、ピストン16bが第2シリンダ装置15bの他端に到達している状態であり、第2シリンダ装置15bは待機工程にある。
さらに、第3流路切換機構40cの流出入ポート43bは、流出ポート43cを介して排水路60と連通されており、第3シリンダ装置15cは、ピストン16cが一端側から他端側に移動する充填工程にある。
また、位置検出器45aから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流入ポート41a側に移動し、流出入ポート41bと流出ポート41cとが連通されて流路が切り換えられ、第1シリンダ装置15aの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
一方、充填工程にある第3シリンダ装置15cのピストン16cが第3シリンダ装置15cの他端側に配設された位置検出器47cの位置に達して位置検出器47cから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第3流路切換機構40cのピストン50cが流出入ポート43bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート43bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート43bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第3シリンダ装置15cのピストン16cにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第3シリンダ装置15cは充填工程が終了し、待機工程に移行する。
また、位置検出器45bから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流入ポート42a側に移動し、流出入ポート42bと流出ポート42cとが連通されて流路が切り換えられ、第2シリンダ装置15bの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
一方、充填工程にある第1シリンダ装置15aのピストン16aが第1シリンダ装置15aの他端側に配設された位置検出器47aの位置に達して位置検出器47aから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流出入ポート41bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート41bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート41bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第1シリンダ装置15aのピストン16aにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第1シリンダ装置15aは充填工程が終了し、待機工程に移行する。
また、位置検出器45cから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第3流路切換機構40cのピストン50cが流入ポート43a側に移動し、流出入ポート43bと流出ポート43cとが連通されて流路が切り換えられ、第3シリンダ装置15cの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
一方、充填工程にある第2シリンダ装置15bのピストン16bが第2シリンダ装置15bの他端近傍に配設された位置検出器47bの位置に達して位置検出器47bから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流出入ポート42bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート42bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート42bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第2シリンダ装置15bのピストン16bにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第2シリンダ装置15bは充填工程が終了し、待機工程に移行する。
本実施形態では、取水ポンプ1の流量変動と圧力変動とが小さいため、高圧ポンプの脈動が抑制され、膜分離装置3に供給される高圧海水の圧力も安定したものとなり、圧力変動による膜分離装置3の寿命低下や造水率の変動等が生じることがない。また、取水ポンプ1も流量変動や圧力変動の少ない安定した運転ができるため、取水ポンプ1自体の性能や寿命が保持される。
流量Qeで圧送工程にある第2シリンダ装置15bのピストン16bが位置検出器45bの位置に達すると、検出信号により第2流路切換機構40bの流路の切り換えが始まり、流出入ポート42bから第2シリンダ装置15bに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して0となった後、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bと流出ポート42cとの連通が始まる。そして、取水ポンプ1から第2シリンダ装置15bに供給される海水の流量が次第に増加し、流量がQdとなり、第2シリンダ装置15bの充填工程が行われる。このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。
また、この位置検出器45bの検出信号により第3流路切換機構40cの流路が切り換わり、待機工程にあった第3シリンダ装置15cの圧送工程が開始され、第3シリンダ装置15cに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量がQeとなり、第3シリンダ装置15cの圧送工程が行われる。
また、この位置検出器45cの検出信号により第1流路切換機構40aの流路が切り換わり、待機工程にあった第1シリンダ装置15aの圧送工程が開始され、第1シリンダ装置15aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量がQeとなり、第1シリンダ装置15aの圧送工程が行われる。
また、充填工程を終了する際に、シリンダ装置の流量がQdからQfまで減少する減少速度と、充填工程が開始される際にシリンダ装置の流量が0からQdまで増加する増加速度とが等しくなり、双方の流量は流量がQd/2の時に等しくなる。すなわち、この過渡期においては2つのシリンダ装置で同時に充填工程が行われていることになるが、取水ポンプから2つのシリンダ装置に供給される海水の流量Qdは、充填工程を終了するシリンダ装置の流量がQfに減少するまでは変化しない。
これに対して、第1実施形態のエネルギー回収装置101では、圧送工程時の流量Qeを充填工程時の流量Qdと等しくなるように設定したので、充填工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度を1m/secに設定した場合、圧送工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度も1m/secに設定することができ、圧送工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度が従来の1.5倍に増速し、エネルギー回収装置101の運転効率の向上が可能となる。
すなわち、3つの前記工程を3本のシリンダ装置15a,15b,15cで順次交代させながら運転することで、運転中は、各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3本のシリンダ装置15a,15b,15cのうちいずれか1本は圧送工程にあり、いずれか1本は充填工程にあり、いずれか1本は待機工程にある。なお、各前記工程の切り換え直前及び直後は、次の工程への過渡期であり、2つのシリンダ装置が同時に圧送工程又は充填工程を行っていることになる。したがって、取水ポンプ1から常に海水が高圧ポンプとシリンダ装置15a,15b,15cとに供給されている状態で運転できる。このため、取水ポンプ1の吐出流量と吐出圧力とにほとんど変動がなく、高圧ポンプの脈動が抑制され、高圧ポンプから供給される高圧海水の圧力変動による膜分離装置3への悪影響を防止することができる。
また、シリンダ装置15a,15b,15cのピストン16a,16b,16cがシリンダの一端側から他端側に移動する速度と、ピストン16a,16b,16cがシリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しくしたので、圧送工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度を充填工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度と略等しくなるようにすることができ、圧送工程時の流量を増加させることができるので、従来のものよりエネルギー回収装置101の運転効率の向上が可能となる。
また、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bは流路面積が絞られてピストン16bが第2シリンダ装置15bの他端に到達している状態であり、第2シリンダ装置15bは待機工程にある。
さらに、第3流路切換機構40cの流出入ポート43bは流出ポート43cを介して排水路60と連通されており、第3シリンダ装置15cはピストン16cが一端側から他端側に移動する充填工程にある。
また、位置検出器45aから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流入ポート41a側に移動し、流出入ポート41bと流出ポート41cとが連通されて流路が切り換えられ、第1シリンダ装置15aの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
さらに、この位置検出器45aから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定された時間が経過すると、制御部72の制御信号により、第3流路切換機構40cのピストン50cが流出入ポート43bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート43bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート43bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第3シリンダ装置15cのピストン16cにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第3シリンダ装置15cは充填工程が終了し、待機工程に移行する。
また、位置検出器45bから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流入ポート42a側に移動し、流出入ポート42bと流出ポート42cとが連通されて流路が切り換えられ、第2シリンダ装置15bの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
さらに、この位置検出器45bから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定された時間が経過すると、制御部72の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流出入ポート41bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。このように流出入ポート41bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート41bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第1シリンダ装置15aのピストン16aにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第1シリンダ装置15aは充填工程が終了し待機工程に移行する。
また、位置検出器45cから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第3流路切換機構40cのピストン50cが流入ポート43a側に移動し、流出入ポート43bと流出ポート43cとが連通されて流路が切り換えられ、第3シリンダ装置15cの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
さらに、この位置検出器45cから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定された時間が経過すると、制御部72の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流出入ポート42bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート42bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート42bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第2シリンダ装置15bのピストン16bにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第2シリンダ装置15bは充填工程が終了し待機工程に移行する。
このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。また、位置検出器45aの検出信号により第2流路切換機構40bの流路が切り換わり、待機工程にあった第2シリンダ装置15bの圧送工程が開始され、第2シリンダ装置15bに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加し、流量がQeになり圧送工程が行われる。
さらに、この位置検出器45aの検出信号により制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定した時間Tcが経過した後、制御部72からの信号により第3流路切換機構40cの流出入ポート43bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から充填工程にある第3シリンダ装置15cに供給される海水の流量が次第に減少する。そして、流量がQfとなり、ピストン16cが減速されて第3シリンダ装置15cの他端に達して流量が0となり、第3シリンダ装置15cが待機工程となる。
このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。また、この位置検出器45bの検出信号により第3流路切換機構40cの流路が切り換わり、待機工程にあった第3シリンダ装置15cの圧送工程が開始され、第3シリンダ装置15cに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量がQeになり、第3シリンダ装置15cの圧送工程が行われる。
さらに、この位置検出器45bの検出信号により制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定した時間Taが経過した後、制御部72からの信号により第1流路切換機構40aの流出入ポート41bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から第1シリンダ装置15aに供給される海水の流量が次第に減少して流量がQfとなり、ピストン16aが減速されて第1シリンダ装置15aの他端に達して流量が0となり、第1シリンダ装置15aが待機工程となる。
このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。また、この位置検出器45cの検出信号により第1流路切換機構40aの流路が切り換わり、待機工程にあった第1シリンダ装置15aの圧送工程が開始され、第1シリンダ装置15aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量がQeになり、第1シリンダ装置15aの圧送工程が行われる。
さらに、この位置検出器45cの検出信号により制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定した時間Tbが経過した後、制御部72からの信号により、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から第2シリンダ装置15bに供給される海水の流量が次第に減少して流量がQfとなり、ピストン16bが減速されて第2シリンダ装置15bの他端に達して流量が0となり、第2シリンダ装置15bが待機工程となる。
また、充填工程を終了する際に、シリンダ装置15a,15b,15cの流量がQdからQfまで減少する減少速度と、充填工程が開始される際にシリンダ装置15a,15b,15cの流量が0からQdまで増加する増加速度とが等しくなり、双方の流量は流量がQd/2の時に等しくなる。すなわち、この過渡期においては、2つのシリンダ装置で同時に充填工程が行われていることになるが、取水ポンプ1から2つのシリンダ装置に供給される海水の流量Qdは、充填工程を終了するシリンダ装置の流量がQfに減少するまでは変化しない。
Claims (3)
- 高圧海水を逆浸透膜で淡水と濃縮海水とに分離し前記淡水を淡水管に排出すると共に高圧の前記濃縮海水を濃縮水管に排出する膜分離装置に接続されるエネルギー回収装置であって、
海水を供給する取水ポンプと、
前記取水ポンプからの前記海水を加圧して前記膜分離装置へ前記高圧海水を供給する加圧ポンプと、
一端が前記取水ポンプに連通し、前記濃縮水管との連通と遮断とを行うと共に前記濃縮海水の排水路との連通と遮断とを行う流路切換機構を介してそれぞれ他端が前記濃縮水管と前記排水路とに接続され、シリンダ内を往復移動するピストンを有した3つのシリンダ装置と、
前記流路切換機構を制御して前記濃縮水管及び前記排水路に対する3つの前記シリンダ装置の接続を切り換え、高圧の前記濃縮海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記海水を高圧で押し出す圧送工程と、前記圧送工程後に前記取水ポンプからの前記海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記濃縮海水を排出しながら前記海水を充填させる充填工程と、前記シリンダ装置に前記濃縮海水及び前記海水のどちらも供給しない待機工程とをこの順で各前記シリンダ装置において順次交代させながら繰り返し行う制御機能を有した制御部とを備え、
前記制御部が、各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3つの前記シリンダ装置で互いに異なる各前記工程を行うと共に、各前記工程の切り換え直前及び直後に2つの前記シリンダ装置で同時に前記圧送工程又は前記充填工程を行うことを特徴とするエネルギー回収装置。 - 請求項1に記載のエネルギー回収装置において、
前記シリンダ装置の一端側の外壁に、前記ピストンを検出して信号を発する位置検出器が配設され、
前記制御部が、前記位置検出器の前記信号を受信してから予め設定された時間が経過した際に、前記流路切換機構を制御して前記シリンダ装置の他端と前記濃縮海水の排水路とに連通する流路の面積を絞ることを特徴とするエネルギー回収装置。 - 請求項1又は2記載のエネルギー回収装置において、
前記シリンダに供給される前記取水ポンプからの前記海水の流量と前記膜分離装置から供給される高圧の前記濃縮海水の流量とを調整し、前記シリンダ装置の前記ピストンが前記シリンダの一端側から他端側に移動する速度と、前記ピストンが前記シリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しくしたことを特徴とするエネルギー回収装置。
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