JP6412233B1 - エネルギー回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 取水ポンプの流量変動や圧力変動を抑制して、高圧ポンプの圧力脈動を防止すると共に高効率でエネルギー回収ができるエネルギー回収装置を提供すること。【解決手段】 高圧海水を淡水と濃縮海水とに分離する膜分離装置3に接続されるエネルギー回収装置であって、一端が取水ポンプに連通し、濃縮水管との連通と遮断とを行うと共に流路切換機構を介してそれぞれ他端が濃縮水管と排水路とに接続され、シリンダ内を往復移動するピストン16a,16b,16cを有した3つのシリンダ装置15a,15b,15cと、流路切換機構を制御して濃縮水管及び排水路に対する3つのシリンダ装置の接続を切り換え、圧送工程と充填工程と待機工程とをこの順で各シリンダ装置において順次交代させながら繰り返し行う制御機能を有した制御部32とを備え、制御部が、各工程の切り換え直前及び直後を除き、3つのシリンダ装置で互いに異なる各工程を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、海水の淡水化等に用いられる逆浸透膜法による水処理システムのエネルギー回収装置に関する。
海水から淡水を造水する方法の一つとして、逆浸透法が知られている。この逆浸透法は、海水に海水の浸透圧(約2.5MPa)以上の高い圧力を浸透圧の作用する方向と逆方向に加えて半透膜(逆浸透膜)でろ過し、塩類と淡水とを分離するものである。この逆浸透法において、淡水が分離されて塩類が濃縮された海水(濃縮海水)は、高い圧力エネルギーを保持したまま逆浸透膜モジュールである膜分離装置から流出する。この流出する濃縮海水の有する高い圧力エネルギーを有効に利用するため、種々のエネルギー回収装置が実用化されている。
従来、例えば特許文献1には、逆浸透法による海水淡水化システムにおける従来のエネルギー回収装置の一例が提案されている。この特許文献1では、一対のシリンダ装置のそれぞれの一端が、4つの逆止弁で構成された流路方向規制装置を介して取水ポンプおよび増圧ポンプに連通されている。また、シリンダ装置の他端は流路切換機構の流出入ポートに連通される。また、流路切換機構の流入ポートは膜分離装置の高圧な濃縮海水の流出口に連通される。さらに、流路切換機構の一端に流出ポートが設けられている。
このエネルギー回収装置では、取水ポンプから送水される海水を高圧ポンプ(加圧ポンプ)で加圧して膜分離装置に供給すると共に、膜分離装置から排出される高圧の濃縮海水をシリンダ装置に供給して高圧で海水を押し出すピストンを駆動し、シリンダ装置からも増圧ポンプを介して高圧海水を膜分離装置に送っている。この膜分離装置から排出される高圧の濃縮海水をシリンダ装置に供給して高圧で海水を押し出すピストンを駆動する操作を圧送工程と称している。
また、圧送工程終了後、取水ポンプから流路方向規制装置を介してシリンダ装置に海水を供給し、圧送工程と逆方向にピストンを駆動することで濃縮海水を排出しながら海水を充填する操作を充填工程と称している。
このように、このエネルギー回収装置では、シリンダ装置のピストンがシリンダの端部に達した際に流路切換機構によって膜分離装置からの高圧濃縮海水を一対のシリンダ装置に交互に供給すると共に取水ポンプから一対のシリンダ装置に交互に海水を充填するように制御を行っている。
これによって、2つのシリンダ装置で海水の圧送工程と充填工程とを繰り返し行って連続ろ過が可能となる。このように、膜分離装置から排出される濃縮海水の高圧エネルギーを利用して2つのシリンダ装置から増圧ポンプに高圧海水を供給することで、それだけ増圧ポンプの消費エネルギーが削減され、圧送工程におけるエネルギーが回収できる。
上記従来のエネルギー回収装置では、膜分離装置からの高圧濃縮海水を一対のシリンダ装置に交互に供給すると共に、取水ポンプから一対のシリンダ装置に交互に海水を充填するように制御を行っている。エネルギーの回収効率を高めるには、充填工程が終了する前に圧送工程に切り換わらないように、充填工程を圧送工程よりも早く終了させておく必要がある。そのため、充填工程におけるピストンの移動速度を、圧送工程におけるピストンの移動速度よりも速くなるように設定する必要がある。充填工程におけるピストンの移動速度は、取水ポンプからシリンダ装置に供給される海水の流量で調整され、圧送工程におけるピストンの移動速度は、膜分離装置からシリンダ装置に供給される高圧濃縮海水の流量で調整される。そこで、取水ポンプからシリンダ装置に供給される海水の流量を、膜分離装置からシリンダ装置に流入する高圧濃縮海水の流量より多くすることで、充填工程におけるピストンの移動速度を圧送工程におけるピストンの移動速度よりも速くすることができる。
エネルギー回収装置において必要とされる取水ポンプの吐出流量は、高圧ポンプへの供給流量とシリンダ装置への供給流量とを合算したものとなる。充填工程において取水ポンプからシリンダ装置に供給される最大流量Qaは、圧送工程において膜分離装置からシリンダ装置に供給される高圧濃縮海水の最大流量Qbよりも大きい。その流量割合は、水理条件によって多少変化するが、圧送工程における最大流量Qbを1とすると、充填工程における最大流量Qaは概ね1.5である。一対のシリンダ装置で圧送工程と充填工程とを交互に繰り返しながら効率的に運転するためには、充填工程が終了した後、圧送工程が開始されるまでに、適宜な待機時間が必要となる。そのため、確実に待機時間を確保できるように充填工程時の流量割合を大きくして、ピストンの移動速度を圧送工程時より速くする必要があるが、振動・騒音の抑制、機器の寿命、安全性、経済性等を考慮すると、圧送工程及び充填工程でのシリンダ装置のピストン移動最高速度は1m/sec程度が好ましい。
次に、従来のエネルギー回収装置について、図6から図8を参照して具体的に説明する。
図6は、従来のエネルギー回収装置の構成を示す模式図である。図7は、1対のシリンダ装置の圧送工程と充填工程とにおける流量パターンを示すグラフである。図8は、取水ポンプの吐出流量と圧力との関係を示すグラフである。
図6において、第1シリンダ装置7aは、ピストン8aが第1シリンダ装置7aの他端側から一端側に向かって移動(紙面の右側から左側に移動)する圧送工程にあり、第2シリンダ装置7bは、ピストン8bが第2シリンダ装置7bの一端側から他端側に向かって移動(紙面の左側から右側に移動)する充填工程にある。
圧送工程にある第1シリンダ装置7aの他端側は、第1流路切換機構20aの流出入ポート22bと流入ポート22aとを介して膜分離装置3の流出口23と連通され、他端側から高圧濃縮海水が流入し、一端側から高圧海水が増圧ポンプ11に供給されている。
充填工程にある第2シリンダ装置7bの他端側は、第2流路切換機構20bの流出入ポート21bと流出ポート21cとを介して排水路60と連通され、他端側から濃縮海水が排出され、一端側から取水ポンプ1により海水が供給されている。このとき、第1流路切換機構20aの第1ピストン26aは、流出入ポート22bと流出ポート22cとの連通を遮断する位置にある。
一方、第2流路切換機構20bの第1ピストン26bは、流出入ポート21bと流入ポート21aとの連通を遮断する位置にある。なお、符号11は、増圧ポンプであり、符号28a、28bは、流路切換機構20a、20bを駆動する駆動装置である。また、符号35は、駆動装置に圧油を供給する油圧ポンプである。
充填工程にある第2シリンダ装置7bのピストン8bが位置検出器36bの位置に達すると、位置検出器36bから検出信号が制御部132に送信され、第2流路切換機構20bの第1ピストン26bによって流出入ポート21bの流路面積が絞られ、流出入ポート21bの流路抵抗が増大し濃縮海水の排出流量が減少する。これによりピストン8bの他端側への移動速度が減速されて第2シリンダ装置7bの他端に到達する。
一方、圧送工程にある第1シリンダ装置7aの位置検出器31aの位置にピストン8aが達すると、位置検出器31aから検出信号が制御部132に送信され、第2流路切換機構20bの流路が切り換わり、充填工程を終了する。そして、待機状態にある第2シリンダ装置7bの他端側が流出入ポート21bと流入ポート21aとを介して膜分離装置3の流出口23と連通され、第2シリンダ装置7bの圧送工程が開始されると共に、第1流路切換機構20aの流路が切り換わり、第1シリンダ装置の7aの圧送工程が終了する。さらに、第1シリンダ装置7aの他端側が流出入ポート22bと流出ポート22cとを介して排水路60に連通され、第1シリンダ装置7aの充填工程が開始される。
第2シリンダ装置7bの圧送工程が開始され、ピストン8bが位置検出器31bの位置に達すると、位置検出器31bから検出信号が制御部132に送信され、第2流路切換機構20bの流路が切り換わり、充填工程を終了する。そして、待機状態にある第1シリンダ装置7aの他端側が流出入ポート22bと流入ポート22aとを介して膜分離装置3の流出口23と連通され、第1シリンダ装置7aの圧送工程が開始されると共に第2流路切換機構20bの流路が切り換わり、第2シリンダ装置7bの圧送工程が終了する。さらに、第2シリンダ装置7bの他端側が流出入ポート21bと流出ポート21cとを介して排水路60に連通され、第2シリンダ装置7bの充填工程が開始される。
充填工程にある第1シリンダ装置7aのピストン8aが位置検出器36aの位置に達すると、位置検出器36aから検出信号が制御部132に送信され、第1流路切換機構20aの第1ピストン26aによって流出入ポート21aの流路面積が絞られて流出入ポート21aの流路抵抗が増大し、濃縮海水の排出流量が減少する。これによりピストン8aにブレーキ作用が働き、移動速度が急減する。このブレーキ作用による減速効果により、ピストン8aが他端側の終端に達してシリンダの端面に接触しても衝撃が加わることはなく、騒音の発生が抑制される。以後、この充填工程と圧送工程とが交互に繰り返されながらエネルギー回収装置の運転が行われる。
図7は、1対のシリンダ装置の圧送工程と充填工程とにおける流量パターンを示す図であり、横軸に圧送工程と充填工程とが行われている経過時間を、縦軸に流量0を起点として上方が圧送工程時の流量を、下方が充填工程時の流量を示す。
流量Qbで圧送工程にある第1シリンダ装置7aのピストン8aが位置検出器31aの位置に達すると、検出信号により第1流路切換機構20aの流路の切り換えが始まり、流出入ポート22bから第1シリンダ装置7aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して0となる。その後、第1流路切換機構20aの流出入ポート22bと流出ポート22cとの連通が始まる。そして、取水ポンプ1から供給される海水の流量が次第に増加して流量Qaとなり、第1シリンダ装置7aの充填工程が行われる。このとき、流量Qbと流量Qaとの比Qb:Qaは、略1:1.5である。
一方、第1シリンダ装置7aが圧送工程にあったときに、充填工程にあった第2シリンダ装置7bのピストン8bが位置検出器36bの位置に達すると、検出信号により第2流路切換機構20bの流出入ポート21bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から供給される海水の流量が次第に減少して流量Qcとなる。そして、ピストン8bの移動速度にブレーキ作用が働いて減速され、ピストン8bが第2シリンダ装置7bの他端に達して流量が0となり、第2シリンダ装置7bは待機状態となる。位置検出器31aの検出信号により、待機状態にあった第2シリンダ装置7bの圧送工程が開始され、第2シリンダ装置7bに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量Qbとなり、第2シリンダ装置7bの圧送工程が行われる。
流量Qbで圧送工程にある第2シリンダ装置7bのピストン8bが位置検出器31bの位置に達すると、検出信号により第2流路切換機構20bの流路の切り換えが始まり、流出入ポート21bから第2シリンダ装置7bに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して0となる。その後、第2流路切換機構20bの流出入ポート21bと流出ポート21cとの連通が始まり、取水ポンプ1から供給される海水の流量が次第に増加して流量Qaとなり、第2シリンダ装置7bの充填工程が行われる。このとき、流量Qbと流量Qaとの比Qb:Qaは、略1:1.5である。
一方、第2シリンダ装置7bが圧送工程にあったときに、充填工程にあった第1シリンダ装置7aのピストン8aが位置検出器36aの位置に達すると、検出信号により第1流路切換機構20aの流出入ポート22bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から供給される海水の流量が次第に減少して流量Qcとなる。そして、ピストン8aの移動速度にブレーキ作用が働いて減速され、ピストン8aが第1シリンダ装置7aの他端に達して流量が0となり、第1シリンダ装置7aは待機状態となる。位置検出器31bの検出信号により、待機状態にあった第1シリンダ装置7aの圧送工程が開始され、第1シリンダ装置7aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量Qbとなり、第1シリンダ装置7aの圧送工程が行われる。なお、ta、tbは充填工程が終了してから圧送工程に移行するまでの待機時間である。
図8は、取水ポンプ1の吐出流量と吐出圧力との関係を示したものである。充填工程が終了し待機時間中のシリンダ装置には、取水ポンプから海水が供給されないため、この間の吐出流量はQ1となり、吐出圧力はH1となる。これに対して高圧ポンプとシリンダ装置との双方に供給しているときは、吐出流量はQ3となり、吐出圧力はH2となる。高圧ポンプのみに供給しているときの取水ポンプの吐出流量Q1を1とすると、高圧ポンプとシリンダ装置との双方に供給しているときの吐出流量Q3は、概ね2.5となる。また、高圧ポンプのみに供給しているときの取水ポンプの吐出圧力H1は、高圧ポンプとシリンダ装置との双方に供給しているときの取水ポンプの吐出圧力H2に比べ著しく高くなり、取水ポンプの運転点が大きく移動する。
特開2013−116459号公報
従来のエネルギー回収装置においては以下の課題が残されている。
一対のシリンダ装置で圧送工程と充填工程とを交互に繰り返す従来のエネルギー回収装置では、充填工程終了後の待機時間が必ず必要となる。待機時間中のシリンダ装置には取水ポンプから海水が全く供給されないため、高圧ポンプへの供給のみとなる。取水ポンプの吐出圧力は高圧ポンプとシリンダ装置との双方に供給されるときに比べ、高圧ポンプのみに海水が供給されるときの方が高くなり、その圧力差は大きなものとなる。すなわち、従来のエネルギー回収装置においては、シリンダ装置に海水が供給されない待機時間中は取水ポンプの吐出圧力が上昇し、待機時間終了後は吐出圧力が低下するという急激な圧力変動を伴う運転が繰り返される。これにより、高圧ポンプの吐出圧力に脈動が生じ、この脈動よって高圧ポンプから膜分離装置に供給される高圧海水に圧力変動が生じる。長期間にわたり繰り返される圧力変動が、膜分離装置の寿命や造水率に悪影響を及ぼすと共に、取水ポンプ自体も急激な流量変動や圧力変動を伴う運転が繰り返されることにより、性能や寿命が低下する恐れがある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、取水ポンプの流量変動や圧力変動を抑制して、高圧ポンプの圧力脈動を防止すると共に高効率でエネルギー回収ができるエネルギー回収装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るエネルギー回収装置は、高圧海水を逆浸透膜で淡水と濃縮海水とに分離し前記淡水を淡水管に排出すると共に高圧の前記濃縮海水を濃縮水管に排出する膜分離装置に接続されるエネルギー回収装置であって、海水を供給する取水ポンプと、前記取水ポンプからの前記海水を加圧して前記膜分離装置へ前記高圧海水を供給する加圧ポンプと、一端が前記取水ポンプに連通し、前記濃縮水管との連通と遮断とを行うと共に前記濃縮海水の排水路との連通と遮断とを行う流路切換機構を介してそれぞれ他端が前記濃縮水管と前記排水路とに接続され、シリンダ内を往復移動するピストンを有した3つのシリンダ装置と、前記流路切換機構を制御して前記濃縮水管及び前記排水路に対する3つの前記シリンダ装置の接続を切り換え、高圧の前記濃縮海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記高圧海水を高圧で押し出す圧送工程と、前記圧送工程後に前記取水ポンプからの前記海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記濃縮海水を排出しながら前記海水を充填させる充填工程と、前記シリンダ装置に前記濃縮海水及び前記海水のどちらも供給しない待機工程とをこの順で各前記シリンダ装置において順次交代させながら繰り返し行う制御機能を有した制御部とを備え、前記制御部が、各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3つの前記シリンダ装置で互いに異なる各前記工程を行うことを特徴とする。
このエネルギー回収装置では、制御部が、圧送工程,充填工程及び待機工程の各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3つのシリンダ装置で互いに異なる各前記工程を行うので、3本のシリンダ装置のうち1本を圧送工程とし、1本を充填工程とし、1本を待機工程として使用することで、取水ポンプから常に海水が供給されて高圧ポンプ(加圧ポンプ)の脈動を抑制することができる。
すなわち、3つの前記工程を3本のシリンダ装置で順次交代させながら運転することで、運転中は、各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3本のシリンダ装置のうちいずれか1本は圧送工程にあり、いずれか1本は充填工程にあり、いずれか1本は待機工程にある。なお、各前記工程の切り換え直前及び直後は、次の工程への過渡期であり、2つのシリンダ装置が同時に圧送工程又は充填工程を行っていることになる。したがって、取水ポンプから常に海水が高圧ポンプとシリンダ装置とに供給されている状態で運転できる。このため、取水ポンプの吐出流量と吐出圧力とにほとんど変動がなく、高圧ポンプの脈動が抑制され、高圧ポンプから供給される高圧海水の圧力変動による膜分離装置への悪影響を防止することができる。
また、いずれか3本のうち1本のシリンダ装置が待機工程にあるため、従来のエネルギー回収装置のように一対のシリンダ装置のうち一方の圧送工程が終了する前に他方のシリンダ装置の充填工程を終了させて待機状態にしておく必要がなく、待機工程にあるシリンダ装置を速やかにかつ確実に圧送工程に移行させることができる。
第2の発明に係るエネルギー回収装置は、第1の発明において、前記シリンダ装置の一端側の外壁に、前記ピストンを検出して信号を発する位置検出器が配設され、前記制御部が、前記位置検出器の前記信号を受信してから予め設定された時間が経過した際に、前記流路切換機構を制御して前記シリンダ装置の他端と前記濃縮海水の排水路とに連通する流路の面積を絞ることを特徴とする。
すなわち、このエネルギー回収装置では、制御部が、位置検出器の信号を受信してから予め設定された時間が経過した際に、流路切換機構を制御してシリンダ装置の他端と濃縮海水の排水路とに連通する流路の面積を絞るので、シリンダ装置の他端側に位置検出器を設ける必要が無く、これを省略することができる。このように一端側に設けた位置検出器の検出信号と制御部のタイマー機能とを利用することで、1つのシリンダ装置の外壁に設ける位置検出器が1つで済み、シリンダ装置の付属設備が簡素化される。
第3の発明に係るエネルギー回収装置は、第1又は第2の発明において、前記シリンダに供給される前記取水ポンプからの前記海水の流量と前記膜分離装置から供給される前記濃縮海水の流量とを調整し、前記シリンダ装置の前記ピストンが前記シリンダの一端側から他端側に移動する速度と、前記ピストンが前記シリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しくしたことを特徴とする。
すなわち、このエネルギー回収装置では、シリンダ装置のピストンがシリンダの一端側から他端側に移動する速度と、ピストンがシリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しくしたので、圧送工程時のピストンの移動速度を充填工程時のピストンの移動速度と略等しくなるようにすることができ、圧送工程時の流量を増加させることができるので、従来のものよりエネルギー回収装置の運転効率の向上が可能となる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明によるエネルギー回収装置によれば、制御部が、圧送工程,充填工程及び待機工程の各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3つのシリンダ装置で互いに異なる各前記工程を順次交代させながら行うので、3本のシリンダ装置のうち1本を圧送工程とし、1本を充填工程とし、1本を待機工程として使用することで、取水ポンプから常に海水が供給されて高圧ポンプ(加圧ポンプ)の脈動を抑制することができる。
したがって、本発明のエネルギー回収装置では、高圧ポンプの脈動が抑制され、高圧ポンプから供給される高圧海水の圧力変動による膜分離装置への悪影響を防止することができる。
本発明に係るエネルギー回収装置の第1実施形態を示す模式図である。 第1実施形態において、取水ポンプの吐出流量と吐出圧力との関係を示すグラフである。 第1実施形態において、圧送工程と充填工程における流量パターンを示すグラフである。 本発明に係るエネルギー回収装置の第2実施形態を示す模式図である。 第2実施形態において、圧送工程と充填工程における流量パターンを示すグラフである。 本発明に係るエネルギー回収装置の従来例を示す模式図である。 従来例において、圧送工程と充填工程における流量パターンを示すグラフである。 従来例において、取水ポンプの吐出流量と吐出圧力との関係を示すグラフである。
以下、本発明におけるエネルギー回収装置の第1実施形態を、図1から図3に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記従来技術において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態におけるエネルギー回収装置101は、図1に示すように、高圧海水を逆浸透膜で淡水と濃縮海水とに分離し淡水を淡水管3aに排出すると共に高圧の濃縮海水を濃縮水管3bに排出する膜分離装置3に接続されるエネルギー回収装置である。
このエネルギー回収装置101は、海水を供給する取水ポンプ1と、取水ポンプ1からの海水を加圧して膜分離装置3へ高圧海水を供給する加圧ポンプ2と、一端が取水ポンプ1に連通し、濃縮水管3bとの連通と遮断とを行うと共に濃縮海水の排水路60との連通と遮断とを行う流路切換機構40a,40b,40cを介してそれぞれ他端が濃縮水管3bと排水路60とに接続され、シリンダ内を往復移動するピストン16a,16b,16cを有した3つのシリンダ装置15a,15b,15cと、流路切換機構40a,40b,40cを制御して濃縮水管3b及び排水路60に対する3つのシリンダ装置15a,15b,15cの接続を切り換え、高圧の濃縮海水をシリンダ装置15a,15b,15cに供給して内部の海水を高圧で押し出す圧送工程と、圧送工程後に取水ポンプ1からの海水をシリンダ装置15a,15b,15cに供給して内部の濃縮海水を排出しながら海水を充填させる充填工程と、シリンダ装置15a,15b,15cに濃縮海水及び海水のどちらも供給しない待機工程とをこの順で各シリンダ装置15a,15b,15cにおいて順次交代させながら繰り返し行う制御機能を有した制御部32とを備えている。
上記制御部32は、上記各工程の切り換え直前及び直後を除き、3つのシリンダ装置15a,15b,15cで互いに異なる上記各工程を行う制御機能を有している。
また、本実施形態のエネルギー回収装置101では、シリンダに供給される取水ポンプ1からの海水の流量と膜分離装置3から供給される高圧の濃縮海水の流量とを調整し、シリンダ装置15a,15b,15cのピストン16a,16b,16cがシリンダの一端側から他端側に移動する速度とピストン16a,16b,16cがシリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しく設定している。
上記3つのシリンダ装置15a,15b,15cは、シリンダ内を往復移動する第1ピストン16aを有した第1シリンダ装置15aと、シリンダ内を往復移動する第2ピストン16bを有した第2シリンダ装置15bと、シリンダ内を往復移動する第3ピストン16cを有した第3シリンダ装置15cとで構成されている。
上記3つの流路切換機構40a,40b,40cは、第1シリンダ装置15aに接続された第1流路切換機構40aと、第2シリンダ装置15bに接続された第2流路切換機構40bと、第3シリンダ装置15cに接続された第3流路切換機構40cとで構成されている。
第1シリンダ装置15aと第2シリンダ装置15bと第3シリンダ装置15cのそれぞれの一端は、流路方向規制装置17を介して取水ポンプ1及び増圧ポンプ11に連通される。
上記流路方向規制機構17は、3つのシリンダ装置15a,15b,15cの一端に接続され、海水を3つのシリンダ装置15a,15b,15cに順に供給すると共に、3つのシリンダ装置15a,15b,15cから高圧で順に押し出される海水を増圧手段である増圧ポンプ11を介して膜分離装置3に戻すものである。
また、第1シリンダ装置15aと第2シリンダ装置15bと第3シリンダ装置15cのそれぞれの他端は、第1流路切換機構40aの流出入ポート41b、第2流路切換機構40bの流出入ポート42b、第3流路切換機構40cの流出入ポート43bにそれぞれ連通される。
さらに、第1流路切換機構40aと第2流路切換機構40bと第3流路切換機構40cのそれぞれの流入ポート41a、42a、43aは、膜分離装置3の高圧濃縮水流出口23に連通される。
また、第1流路切換機構40aと第2流路切換機構40bと第3流路切換機構40cのそれぞれの流出ポート41c、42c、43cは、排水路60に連通される。なお、符号55a、55b、55cは流路切換機構40a、40b、40cを駆動する駆動装置(電動アクチュエータ)で、流路切換機構40a、40b、40cの流路の切り換え速度を任意に調整できる。
第1シリンダ装置15aの一端側の外壁には、第1シリンダ装置15aのピストン16aを検出して信号を発する位置検出器45aが配設され、第1シリンダ装置15aの他端側の外壁には、位置検出器47aが配設されている。
また、第2シリンダ装置15bの一端側の外壁には、第2シリンダ装置15bのピストン16bを検出して信号を発する位置検出器45bが配設され、第2シリンダ装置15bの他端側の外壁には、位置検出器47bが配設されている。
さらに、第3シリンダ装置15cの一端側の外壁には、第3シリンダ装置15cのピストン16cを検出して信号を発する位置検出器45cが配設され、第3シリンダ装置15cの他端側の外壁には、位置検出器47cが配設されている。
なお、取水ポンプ1と膜分離装置3との間の供給管には、供給する海水を加圧する加圧ポンプ2が接続されている。
また、濃縮水管3bは、途中で分岐されて各流路切換機構40a,40b,40cに接続されている。
各流路切換機構40a,40b,40cは、対応する各シリンダ装置15a,15b,15cへの濃縮海水の供給とその停止及び各シリンダ装置15a,15b,15cからの濃縮海水の排出とその停止との切り換えを行う切換用シリンダ装置と、切換用シリンダ装置を駆動する駆動装置55a,55b,55cとを備えている。
上記各切換用シリンダ装置は、図1に示すように、対応するシリンダ装置15a,15b,15cの他端と排水路60と濃縮水管3bとに接続された切換用シリンダと、切換用シリンダ内で往復移動し対応するシリンダ装置15a,15b,15cの他端と排水路60及び濃縮水管3bとの連通及び遮断が可能な排水側ピストン50a,50b,50cと、切換用シリンダ内で排水側ピストン50a,50b,50cと一体で往復移動する供給側ピストン25a,25b,25cと、一端に排水側ピストン50a,50b,50cが設けられていると共に中間部に供給側ピストン25a,25b,25cが設けられ他端が切換用シリンダの他端から外部に突出して駆動装置に接続された切換用ピストンロッドとを備えている。なお、各図において、切換用シリンダ内のピストンには、分かり易いようにハッチングを施して図示している。
各位置検出器45a,45b,45c,47a,47b,47cは、対応する各シリンダの一端近傍又は他端近傍に設けられ、ピストン16a,16b,16cがシリンダの所定の一端近傍又は他端近傍に達したことを検出し、検出信号を制御部32へ送信する機能を有している。
上記各切換用シリンダは、濃縮海水の排水路60に接続され一端側に設けられた流出ポート41c,42c,43cと、濃縮水管3bに接続され中間部に設けられた流入ポート41a,42a,43aと、対応するシリンダ装置15a,15b,15cの他端に接続され流出ポート41c,42c,43cと流入ポート41a,42a,43aとの間に設けられた流出入ポート41b,42b,43bとを有している。
各シリンダ装置15a,15b,15cのそれぞれの一端は、6つの逆止弁で構成された流路方向規制機構17を介して取水ポンプ1および増圧ポンプ11に連通されている。すなわち、3つのシリンダ装置15a,15b,15cのそれぞれの一端と流路方向規制機構17との接続部分の両側には、それぞれ一対の逆止弁が設けられている。
また、流路方向規制機構17を構成する接続管は、シリンダ装置15a,15b,15cからの濃縮海水を供給可能に増圧ポンプ11に接続されている。
次に、本実施形態のエネルギー回収装置101における各シリンダ装置15a,15b,15cの動作について説明する。
図1では、第1流路切換機構40aの流出入ポート41bが、流入ポート41aを介して膜分離装置3の流出口23に連通されており、第1シリンダ装置15aは、ピストン16aが他端側から一端側に移動する圧送工程にある。
また、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bは流路面積が絞られ、ピストン16bが第2シリンダ装置15bの他端に到達している状態であり、第2シリンダ装置15bは待機工程にある。
さらに、第3流路切換機構40cの流出入ポート43bは、流出ポート43cを介して排水路60と連通されており、第3シリンダ装置15cは、ピストン16cが一端側から他端側に移動する充填工程にある。
上記圧送工程にある第1シリンダ装置15aのピストン16aが位置検出器45aの位置に達して位置検出器45aから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流出ポート42c側に移動し、流入ポート42aと流出入ポート42bとが連通されて流路が切り換えられ、待機工程にある第2シリンダ装置の圧送工程が開始される。
また、位置検出器45aから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流入ポート41a側に移動し、流出入ポート41bと流出ポート41cとが連通されて流路が切り換えられ、第1シリンダ装置15aの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
一方、充填工程にある第3シリンダ装置15cのピストン16cが第3シリンダ装置15cの他端側に配設された位置検出器47cの位置に達して位置検出器47cから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第3流路切換機構40cのピストン50cが流出入ポート43bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート43bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート43bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第3シリンダ装置15cのピストン16cにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第3シリンダ装置15cは充填工程が終了し、待機工程に移行する。
また、圧送工程にある第2シリンダ装置15bのピストン16bが位置検出器45bの位置に達して位置検出器45bから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第3流路切換機構40cのピストン50cが流出ポート43c側に移動し、流入ポート43aと流出入ポート43bとが連通されて流路が切り換えられ、待機工程にある第3シリンダ装置15cの圧送工程が開始される。
また、位置検出器45bから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流入ポート42a側に移動し、流出入ポート42bと流出ポート42cとが連通されて流路が切り換えられ、第2シリンダ装置15bの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
一方、充填工程にある第1シリンダ装置15aのピストン16aが第1シリンダ装置15aの他端側に配設された位置検出器47aの位置に達して位置検出器47aから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流出入ポート41bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート41bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート41bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第1シリンダ装置15aのピストン16aにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第1シリンダ装置15aは充填工程が終了し、待機工程に移行する。
また、圧送工程にある第3シリンダ装置15cのピストン16cが位置検出器45cの位置に達して位置検出器45cから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流出ポート41c側に移動し、流入ポート41aと流出入ポート41bとが連通されて流路が切り換えられ、待機工程にある第1シリンダ装置15aの圧送工程が開始される。
また、位置検出器45cから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第3流路切換機構40cのピストン50cが流入ポート43a側に移動し、流出入ポート43bと流出ポート43cとが連通されて流路が切り換えられ、第3シリンダ装置15cの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
一方、充填工程にある第2シリンダ装置15bのピストン16bが第2シリンダ装置15bの他端近傍に配設された位置検出器47bの位置に達して位置検出器47bから検出信号が制御部32に送信されると、制御部32の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流出入ポート42bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート42bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート42bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第2シリンダ装置15bのピストン16bにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第2シリンダ装置15bは充填工程が終了し、待機工程に移行する。
次に、本実施形態におけるエネルギー回収装置101の取水ポンプの吐出流量と吐出圧力との関係を図2に基づいて説明する。
図2において、Q4は高圧ポンプ(加圧ポンプ2)に供給する海水の吐出流量であり、Q5は高圧ポンプと充填工程時のシリンダ装置15a,15b,15cとに供給する海水の吐出流量である。また、Q6は充填工程が終了する直前にピストン16a,16b,16cの移動速度を減速するため、流出入ポートの流路面積を絞った時の吐出流量であり、Q7は取水ポンプ1の合計最大吐出流量である。さらに、H2は吐出流量Q7の時の吐出圧力であり、H3は吐出流量Q5の時の吐出圧力であり、ΔHbはH2とH3との差圧である。
定常状態における取水ポンプ1の吐出流量は、高圧ポンプとシリンダ装置15a,15b,15cに常時海水が供給される吐出流量Q5の状態で運転される。この吐出流量の変動は充填工程が終了する直前に流出入ポートの流路面積を絞った時に生じるものであるが、吐出流量の変動Q6及び吐出圧力の変動ΔHbは極めて小さいため、安定した運転が可能となる。
本実施形態では、取水ポンプ1の流量変動と圧力変動とが小さいため、高圧ポンプの脈動が抑制され、膜分離装置3に供給される高圧海水の圧力も安定したものとなり、圧力変動による膜分離装置3の寿命低下や造水率の変動等が生じることがない。また、取水ポンプ1も流量変動や圧力変動の少ない安定した運転ができるため、取水ポンプ1自体の性能や寿命が保持される。
次に、3本のシリンダ装置15a,15b,15cの圧送工程、充填工程、待機工程における流量パターンを、図3に基づいて説明する。なお、図3では、横軸に圧送工程、充填工程、待機工程が行われている経過時間を示し、縦軸に流量0を起点として上方が圧送工程時の流量を示すと共に下方が充填工程時の流量を示す。
高圧濃縮海水の流量Qeで圧送工程にある第1シリンダ装置15aのピストン16aが位置検出器45aの位置に達すると、検出信号により第1流路切換機構40aの流路の切り換えが始まる。流出入ポート41bから第1シリンダ装置15aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して0となった後、第1流路切換機構40aの流出入ポート41bと流出ポート41cとの連通が始まる。そして、取水ポンプ1から第1シリンダ装置15aに供給される海水の流量が次第に増加し、流量がQdとなり、第1シリンダ装置15aの充填工程が行われる。このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。また、位置検出器45aの検出信号により第2流路切換機構40bの流路が切り換わり、待機工程にあった第2シリンダ装置15bの圧送工程が開始され、第2シリンダ装置15bに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加し、流量がQeとなり、第2シリンダ装置15bの圧送工程が行われる。
第1シリンダ装置15aが圧送工程にあった時に充填工程にあった第3シリンダ装置15cのピストン16cが位置検出器47cの位置に達すると、検出信号により第3流路切換機構40cの流出入ポート43bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から第3シリンダ装置15cに供給される海水の流量が次第に減少して流量Qfとなる。そして、ピストン16cが減速されて第3シリンダ装置15cの他端に達して流量が0となり、第3シリンダ装置15cが待機工程となる。
流量Qeで圧送工程にある第2シリンダ装置15bのピストン16bが位置検出器45bの位置に達すると、検出信号により第2流路切換機構40bの流路の切り換えが始まり、流出入ポート42bから第2シリンダ装置15bに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して0となった後、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bと流出ポート42cとの連通が始まる。そして、取水ポンプ1から第2シリンダ装置15bに供給される海水の流量が次第に増加し、流量がQdとなり、第2シリンダ装置15bの充填工程が行われる。このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。
また、この位置検出器45bの検出信号により第3流路切換機構40cの流路が切り換わり、待機工程にあった第3シリンダ装置15cの圧送工程が開始され、第3シリンダ装置15cに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量がQeとなり、第3シリンダ装置15cの圧送工程が行われる。
第2シリンダ装置15bが圧送工程にあったときに充填工程にあった第1シリンダ装置15aのピストン16aが位置検出器47aの位置に達すると、検出信号により第1流路切換機構40aの流出入ポート41bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から第3シリンダ装置15cに供給される海水の流量が次第に減少して流量Qfとなる。そして、ピストン16aが減速されて第1シリンダ装置15aの他端に達して流量が0となり、第1シリンダ装置15aが待機工程となる。流量Qeで圧送工程にある第3シリンダ装置15cのピストン16cが位置検出器45cの位置に達すると、検出信号により第3流路切換機構40cの流路の切り換えが始まる。さらに、流出入ポート43bから第3シリンダ装置15cに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して0となった後、第3流路切換機構40cの流出入ポート43bと流出ポート43cとの連通が始まる。そして、取水ポンプ1から第3シリンダ装置15cに供給される海水の流量が次第に増加して流量がQdとなり、第3シリンダ装置15cの充填工程が行われる。このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。
また、この位置検出器45cの検出信号により第1流路切換機構40aの流路が切り換わり、待機工程にあった第1シリンダ装置15aの圧送工程が開始され、第1シリンダ装置15aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量がQeとなり、第1シリンダ装置15aの圧送工程が行われる。
第3シリンダ装置15cが圧送工程にあったときに充填工程にあった第2シリンダ装置15bのピストン16bが位置検出器47bの位置に達すると、検出信号により第2流路切換機構40bの流出入ポート42bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から第2シリンダ装置15bに供給される海水の流量が次第に減少して流量Qfとなる。そして、ピストン16bが減速されて第2シリンダ装置15bの他端に達して流量が0となり、第2シリンダ装置15bが待機工程となる。
図3の流量パターンによれば、圧送工程を終了する際に、シリンダ装置の流量がQeから0まで減少する減少速度と、圧送工程が開始される際にシリンダ装置の流量が0からQeまで増加する増加速度とが等しくなり、双方の流量は流量がQe/2の時に等しくなる。すなわち、この過渡期においては2つのシリンダ装置で同時に圧送工程が行われていることになるが、膜分離装置3から2つのシリンダ装置に供給される高圧濃縮海水の流量Qeに変動はない。
また、充填工程を終了する際に、シリンダ装置の流量がQdからQfまで減少する減少速度と、充填工程が開始される際にシリンダ装置の流量が0からQdまで増加する増加速度とが等しくなり、双方の流量は流量がQd/2の時に等しくなる。すなわち、この過渡期においては2つのシリンダ装置で同時に充填工程が行われていることになるが、取水ポンプから2つのシリンダ装置に供給される海水の流量Qdは、充填工程を終了するシリンダ装置の流量がQfに減少するまでは変化しない。
従来のエネルギー回収装置では、充填工程を圧送工程より先に終了させる必要があるため、充填工程時のピストンの移動速度を圧送工程時より速くなるように流量設定していた。具体的には、おおよその流量比をQb:Qa=1:1.5に設定していたが、シリンダ装置の振動や騒音の抑制、機器の寿命、安全性、経済性等を考慮すると、ピストンの最高移動速度は1m/sec程度が好ましい。また、充填工程時のピストンの移動速度Vbを1m/secに設定した場合、圧送工程時のピストンの移動速度Vaは0.67m/secとなる。
これに対して、第1実施形態のエネルギー回収装置101では、圧送工程時の流量Qeを充填工程時の流量Qdと等しくなるように設定したので、充填工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度を1m/secに設定した場合、圧送工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度も1m/secに設定することができ、圧送工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度が従来の1.5倍に増速し、エネルギー回収装置101の運転効率の向上が可能となる。
このように本実施形態のエネルギー回収装置101では、制御部32が、圧送工程,充填工程及び待機工程の各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3つのシリンダ装置15a,15b,15cで互いに異なる各前記工程を行うので、3本のシリンダ装置15a,15b,15cのうち1本を圧送工程とし、1本を充填工程とし、1本を待機工程として使用することで、取水ポンプ1から常に海水が供給されて高圧ポンプ(加圧ポンプ2)の脈動を抑制することができる。
すなわち、3つの前記工程を3本のシリンダ装置15a,15b,15cで順次交代させながら運転することで、運転中は、各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3本のシリンダ装置15a,15b,15cのうちいずれか1本は圧送工程にあり、いずれか1本は充填工程にあり、いずれか1本は待機工程にある。なお、各前記工程の切り換え直前及び直後は、次の工程への過渡期であり、2つのシリンダ装置が同時に圧送工程又は充填工程を行っていることになる。したがって、取水ポンプ1から常に海水が高圧ポンプとシリンダ装置15a,15b,15cとに供給されている状態で運転できる。このため、取水ポンプ1の吐出流量と吐出圧力とにほとんど変動がなく、高圧ポンプの脈動が抑制され、高圧ポンプから供給される高圧海水の圧力変動による膜分離装置3への悪影響を防止することができる。
また、いずれか3本のうち1本のシリンダ装置15a,15b,15cが待機工程にあるため、従来のエネルギー回収装置のように一対のシリンダ装置のうち一方の圧送工程が終了する前に他方のシリンダ装置の充填工程を終了させて待機状態にしておく必要がなく、待機工程にあるシリンダ装置15a,15b,15cを速やかにかつ確実に圧送工程に移行させることができる。
また、シリンダ装置15a,15b,15cのピストン16a,16b,16cがシリンダの一端側から他端側に移動する速度と、ピストン16a,16b,16cがシリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しくしたので、圧送工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度を充填工程時のピストン16a,16b,16cの移動速度と略等しくなるようにすることができ、圧送工程時の流量を増加させることができるので、従来のものよりエネルギー回収装置101の運転効率の向上が可能となる。
次に、本発明におけるエネルギー回収装置の第2実施形態を、図4及び図5に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、シリンダ装置15a,15b,15cの一端側と他端側との両方に位置検出器を配設しているのに対し、第2実施形態のエネルギー回収装置102では、図4に示すように、シリンダ装置15a,15b,15cの一端側の外壁にだけ、対応するピストン16a,16b,16cを検出して信号を発する位置検出器45a,45b,45cが配設され、制御部72が、位置検出器45a,45b,45cの信号を受信してから予め設定された時間が経過した際に、対応する流路切換機構40a,40b,40cを制御してシリンダ装置15a,15b,15cの他端と濃縮海水の排水路60とに連通する流路の面積を絞っている点である。
すなわち、第2実施形態では、第1シリンダ装置15aの一端側の外壁に、第1シリンダ装置15aのピストン16aを検出して信号を発する位置検出器45aが配設されている。また、第2シリンダ装置15bの一端側の外壁には、第2シリンダ装置15bのピストン16bを検出して信号を発する位置検出器45bが配設されている。さらに、第3シリンダ装置15cの一端側の外壁には、第3シリンダ装置15cのピストン16cを検出して信号を発する位置検出器45cが配設されている。
図4において、第1流路切換機構40aの流出入ポート41bは、流入ポート41aを介して膜分離装置3の流出口23に連通されており、第1シリンダ装置15aはピストン16aが他端側から一端側に移動する圧送工程にある。
また、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bは流路面積が絞られてピストン16bが第2シリンダ装置15bの他端に到達している状態であり、第2シリンダ装置15bは待機工程にある。
さらに、第3流路切換機構40cの流出入ポート43bは流出ポート43cを介して排水路60と連通されており、第3シリンダ装置15cはピストン16cが一端側から他端側に移動する充填工程にある。
上記圧送工程にある第1シリンダ装置15aのピストン16aが位置検出器45aの位置に達して位置検出器45aから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流出ポート42c側に移動し、流入ポート42aと流出入ポート42bとが連通されて流路が切り換えられ、待機工程にある第2シリンダ装置の圧送工程が開始される。
また、位置検出器45aから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流入ポート41a側に移動し、流出入ポート41bと流出ポート41cとが連通されて流路が切り換えられ、第1シリンダ装置15aの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
さらに、この位置検出器45aから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定された時間が経過すると、制御部72の制御信号により、第3流路切換機構40cのピストン50cが流出入ポート43bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート43bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート43bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第3シリンダ装置15cのピストン16cにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第3シリンダ装置15cは充填工程が終了し、待機工程に移行する。
また、圧送工程にある第2シリンダ装置15bのピストン16bが位置検出器45bの位置に達して位置検出器45bから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第3流路切換機構40cのピストン50cが流出ポート43c側に移動し、流入ポート43aと流出入ポート43bとが連通されて流路が切り換えられ、待機工程にある第3シリンダ装置15cの圧送工程が開始される。
また、位置検出器45bから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流入ポート42a側に移動し、流出入ポート42bと流出ポート42cとが連通されて流路が切り換えられ、第2シリンダ装置15bの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
さらに、この位置検出器45bから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定された時間が経過すると、制御部72の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流出入ポート41bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。このように流出入ポート41bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート41bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第1シリンダ装置15aのピストン16aにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第1シリンダ装置15aは充填工程が終了し待機工程に移行する。
また、圧送工程にある第3シリンダ装置15cのピストン16cが位置検出器45cの位置に達して位置検出器45cから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第1流路切換機構40aのピストン50aが流出ポート41c側に移動し、流入ポート41aと流出入ポート41bとが連通されて流路が切り換えられ、待機工程にある第1シリンダ装置15aの圧送工程が開始される。
また、位置検出器45cから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72の制御信号により第3流路切換機構40cのピストン50cが流入ポート43a側に移動し、流出入ポート43bと流出ポート43cとが連通されて流路が切り換えられ、第3シリンダ装置15cの圧送工程が終了して充填工程が開始される。
さらに、この位置検出器45cから検出信号が制御部72に送信されると、制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定された時間が経過すると、制御部72の制御信号により第2流路切換機構40bのピストン50bが流出入ポート42bの流路面積が絞られる所定の位置まで移動して停止する。
このように流出入ポート42bの流路面積が絞られることにより、流出入ポート42bの流路抵抗が増大して排水路60への濃縮海水の排出流量が減少し、第2シリンダ装置15bのピストン16bにブレーキ作用が働き、移動速度が急減して他端に到達し、第2シリンダ装置15bは充填工程が終了し待機工程に移行する。
第2実施形態において、3本のシリンダ装置15a,15b,15cの圧送工程、充填工程、待機工程における流量パターンを図5に基づいて説明する。なお、図5では、横軸に圧送工程、充填工程、待機工程が行われている経過時間を示し、縦軸に流量0を起点として上方が圧送工程時の流量を示すと共に、下方が充填工程時の流量を示す。
流量Qeで圧送工程にある第1シリンダ装置15aのピストン16aが位置検出器45aの位置に達すると、検出信号により第1流路切換機構40aの流路の切り換えが始まり、流出入ポート41bから第1シリンダ装置15aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して流量0になる。この後、第1流路切換機構40aの流出入ポート41bと流出ポート41cとの連通が始まり、取水ポンプ1から第1シリンダ装置15aに供給される海水の流量が次第に増加し、流量がQdとなり、第1シリンダ装置15aの充填工程が行われる。
このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。また、位置検出器45aの検出信号により第2流路切換機構40bの流路が切り換わり、待機工程にあった第2シリンダ装置15bの圧送工程が開始され、第2シリンダ装置15bに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加し、流量がQeになり圧送工程が行われる。
さらに、この位置検出器45aの検出信号により制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定した時間Tcが経過した後、制御部72からの信号により第3流路切換機構40cの流出入ポート43bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から充填工程にある第3シリンダ装置15cに供給される海水の流量が次第に減少する。そして、流量がQfとなり、ピストン16cが減速されて第3シリンダ装置15cの他端に達して流量が0となり、第3シリンダ装置15cが待機工程となる。
流量Qeで圧送工程にある第2シリンダ装置15bのピストン16bが位置検出器45bの位置に達すると、検出信号により第2流路切換機構40bの流路の切り換えが始まり、流出入ポート42bから第2シリンダ装置15bに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して流量0になる。この後、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bと流出ポート42cとの連通が始まり、取水ポンプ1から第2シリンダ装置15bに供給される海水の流量が次第に増加し、流量がQdになり、第2シリンダ装置15bの充填工程が行われる。
このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。また、この位置検出器45bの検出信号により第3流路切換機構40cの流路が切り換わり、待機工程にあった第3シリンダ装置15cの圧送工程が開始され、第3シリンダ装置15cに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量がQeになり、第3シリンダ装置15cの圧送工程が行われる。
さらに、この位置検出器45bの検出信号により制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定した時間Taが経過した後、制御部72からの信号により第1流路切換機構40aの流出入ポート41bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から第1シリンダ装置15aに供給される海水の流量が次第に減少して流量がQfとなり、ピストン16aが減速されて第1シリンダ装置15aの他端に達して流量が0となり、第1シリンダ装置15aが待機工程となる。
流量Qeで圧送工程にある第3シリンダ装置15cのピストン16cが位置検出器45cの位置に達すると、検出信号により第3流路切換機構40cの流路の切り換えが始まり、流出入ポート43bから第3シリンダ装置15cに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に減少して0となる。この後、第3流路切換機構40cの流出入ポート43bと流出ポート43cとの連通が始まり、取水ポンプ1から第3シリンダ装置15cに供給される海水の流量が次第に増加して流量がQdになり、第3シリンダ装置15cの充填工程が行われる。
このとき、流量Qeと流量Qdとの比(Qe:Qd)は、略1:1である。また、この位置検出器45cの検出信号により第1流路切換機構40aの流路が切り換わり、待機工程にあった第1シリンダ装置15aの圧送工程が開始され、第1シリンダ装置15aに流入する高圧濃縮海水の流量が次第に増加して流量がQeになり、第1シリンダ装置15aの圧送工程が行われる。
さらに、この位置検出器45cの検出信号により制御部72に設けられたタイマーが計時を開始し、予め設定した時間Tbが経過した後、制御部72からの信号により、第2流路切換機構40bの流出入ポート42bの流路面積が絞られて取水ポンプ1から第2シリンダ装置15bに供給される海水の流量が次第に減少して流量がQfとなり、ピストン16bが減速されて第2シリンダ装置15bの他端に達して流量が0となり、第2シリンダ装置15bが待機工程となる。
このように上記流量パターンによれば、圧送工程を終了する際に、シリンダ装置15a,15b,15cの流量がQeから0まで減少する減少速度と、圧送工程が開始される際にシリンダ装置の流量が0からQeまで増加する増加速度とが等しくなり、双方の流量は、流量がQe/2の時に等しくなる。すなわち、この過渡期においては、2つのシリンダ装置で同時に圧送工程が行われていることになるが、膜分離装置3から2つのシリンダ装置に供給される高圧濃縮海水の流量Qeに変動はない。
また、充填工程を終了する際に、シリンダ装置15a,15b,15cの流量がQdからQfまで減少する減少速度と、充填工程が開始される際にシリンダ装置15a,15b,15cの流量が0からQdまで増加する増加速度とが等しくなり、双方の流量は流量がQd/2の時に等しくなる。すなわち、この過渡期においては、2つのシリンダ装置で同時に充填工程が行われていることになるが、取水ポンプ1から2つのシリンダ装置に供給される海水の流量Qdは、充填工程を終了するシリンダ装置の流量がQfに減少するまでは変化しない。
このように第2実施形態のエネルギー回収装置102では、制御部72が、位置検出器45a,45b,45cの信号を受信してから予め設定された時間が経過した際に、流路切換機構40a,40b,40cを制御してシリンダ装置15a,15b,15cの他端と濃縮海水の排水路60とに連通する流路の面積を絞るので、シリンダ装置15a,15b,15cの他端側に位置検出器を設ける必要が無く、これを省略することができる。このように一端側に設けた位置検出器45a,45b,45cの検出信号と制御部72のタイマー機能とを利用することで、1つのシリンダ装置15a,15b,15cの外壁に設ける位置検出器が1つで済み、シリンダ装置15a,15b,15cの付属設備が簡素化される。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…取水ポンプ、2…加圧ポンプ、3…膜分離装置、3a…淡水管、3b…濃縮水管、11…増圧ポンプ、16a,16b,16c…ピストン、15a,15b,15c…シリンダ装置、32,72,132…制御部、40a,40b,40c…流路切換機構、45a,45b,45c,47a,47b,47c…位置検出器、60…排水路、101,102…エネルギー回収装置

Claims (3)

  1. 高圧海水を逆浸透膜で淡水と濃縮海水とに分離し前記淡水を淡水管に排出すると共に高圧の前記濃縮海水を濃縮水管に排出する膜分離装置に接続されるエネルギー回収装置であって、
    海水を供給する取水ポンプと、
    前記取水ポンプからの前記海水を加圧して前記膜分離装置へ前記高圧海水を供給する加圧ポンプと、
    一端が前記取水ポンプに連通し、前記濃縮水管との連通と遮断とを行うと共に前記濃縮海水の排水路との連通と遮断とを行う流路切換機構を介してそれぞれ他端が前記濃縮水管と前記排水路とに接続され、シリンダ内を往復移動するピストンを有した3つのシリンダ装置と、
    前記流路切換機構を制御して前記濃縮水管及び前記排水路に対する3つの前記シリンダ装置の接続を切り換え、高圧の前記濃縮海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記海水を高圧で押し出す圧送工程と、前記圧送工程後に前記取水ポンプからの前記海水を前記シリンダ装置に供給して内部の前記濃縮海水を排出しながら前記海水を充填させる充填工程と、前記シリンダ装置に前記濃縮海水及び前記海水のどちらも供給しない待機工程とをこの順で各前記シリンダ装置において順次交代させながら繰り返し行う制御機能を有した制御部とを備え、
    前記制御部が、各前記工程の切り換え直前及び直後を除き、3つの前記シリンダ装置で互いに異なる各前記工程を行うと共に、各前記工程の切り換え直前及び直後に2つの前記シリンダ装置で同時に前記圧送工程又は前記充填工程を行うことを特徴とするエネルギー回収装置。
  2. 請求項1に記載のエネルギー回収装置において、
    前記シリンダ装置の一端側の外壁に、前記ピストンを検出して信号を発する位置検出器が配設され、
    前記制御部が、前記位置検出器の前記信号を受信してから予め設定された時間が経過した際に、前記流路切換機構を制御して前記シリンダ装置の他端と前記濃縮海水の排水路とに連通する流路の面積を絞ることを特徴とするエネルギー回収装置。
  3. 請求項1又は2記載のエネルギー回収装置において、
    前記シリンダに供給される前記取水ポンプからの前記海水の流量と前記膜分離装置から供給される高圧の前記濃縮海水の流量とを調整し、前記シリンダ装置の前記ピストンが前記シリンダの一端側から他端側に移動する速度と、前記ピストンが前記シリンダの他端側から一端側に移動する速度とを略等しくしたことを特徴とするエネルギー回収装置。
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