JP6412078B2 - シミュレーション装置および制御プログラム - Google Patents
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Description
図1に本実施形態に係るエリア影響シミュレーションシステムのシステム図を示す。図1に示すように、本実施形態に係るエリア影響シミュレーションシステム1は、例えば情報機密性の高い社内システムであり、通信事業者の局舎内に設置された端末装置10を備えている。
まず、電子地図上の対象となるエリア(例えば日本全土)を任意の大きさのメッシュM(図2では100メートル四方を想定)に分割し、各メッシュについてセルの重なり数(すなわち、隣接する基地局の通信エリアの重なり数)をカウントする。図2に示す例では、2.1GHz帯の基地局Bが3局、900MHz帯の基地局Bが2局設置されている。周知のように、基地局のセルのサイズは、地理的な要因(山間部、都市部の違いなど)やアンテナの種類などで大きく異なる。
例えば、図3Aに示すように、メッシュMa1〜Ma8をカバーする基地局Ba1の設備障害により回線断が発生したとする。この場合、メッシュMa1〜Ma8は、基地局Ba1の周辺に設置された他の基地局Ba2〜Ba5のセルによってカバーされるため、通信不能になるといった問題は回避される。別言すれば、基地局Ba1において回線断が生じたとしても、メッシュMa1〜Ma8は、他の複数の基地局(ここでは、基地局Ba2〜Ba5)のセルがカバーすることによって救済される。このように、セルの重なり数が2以上であるマルチ・メッシュは、基地局Ba1において回線断が生じたとしても、複数の基地局によって救済され得るため、ユーザに及ぼす影響はない。
本実施形態では、基地局単位でのリスク管理、伝送系統単位でのリスク管理、MSAN単位でのリスク管理、の3種類のリスク管理を実施する。
基地局単位でのリスク管理は、それぞれの基地局Bc1〜Bc3のセルによってカバーされるメッシュがリスク管理の対象となる。図4Aでは、基地局Bc2のセルによってカバーされる16メッシュがリスク管理の対象となる。
一方、伝送系統単位でのリスク管理は、下位の基地局からMSANまでの伝送系統に存在する複数の基地局のセルによってカバーされるメッシュがリスク管理の対象となる。図4Bに示すように、各基地局Bc1〜Bc3は、全てがMSANに直接接続されているわけではない。例えば、基地局Bc2は、基地局Bc1を介してMSANと間接的に接続されている。従って、図4Bに示すように、基地局Bc2から見て上位の基地局Bc1で回線断が生じると、基地局Bc1のセルによってカバーされるメッシュだけでなく、その下位の基地局Bc2のセルによってカバーされるメッシュも影響を受け得る。よって、図4Bに示す例では、基地局Bc1のセルによってカバーされる16メッシュと、その下位の基地局Bc2のセルによってカバーされる16メッシュ(合計32メッシュ)がリスク管理の対象となる。
さらに、MSAN単位でのリスク管理は、MSANに直接または間接的に接続される全ての基地局のセルによってカバーされるメッシュがリスク管理の対象となる。よって、図4Cでは、基地局Bc1のセルによってカバーされる16メッシュ、基地局Bc2のセルによってカバーされる16メッシュ、基地局Bc3のセルによってカバーされる16メッシュ(合計48メッシュ)がリスク管理の対象となる。
次に、各リスク管理方法の詳細について説明する。
図6は、メッシュ・データベースDB1の登録内容を例示した図である。メッシュ・データベースDB1には、基地局単位リスク管理テーブルTb1、伝送系統単位リスク管理テーブルTb2、MSAN単位リスク管理テーブルTb3などが登録されている。なお、メッシュ・データベースDB1には、施設管理者等によって設定されるメッシュ(例えば100メートル四方)に関する情報(メッシュ情報)なども登録されている。
基地局単位リスク管理テーブルTb1には、基地局を識別する基地局IDと、シングル・メッシュの数(全周波数帯)Mと、シングル・メッシュの数(周波数帯別)Nとが対応づけて登録されている。ここで、シングル・メッシュの数(全周波数帯)Mは、基地局の周波数帯を問わずにセルの重なり数が1であるシングル・メッシュの数を意味し、シングル・メッシュの数(周波数帯別)Nは、特定の周波数帯(例えば、2.1GHz)の基地局のセルの重なり数が1であるシングル・メッシュの数を意味する。
図8に示すように、伝送系統単位リスク管理テーブルTb2には、伝送系統を識別するためのグループIDと、シングル・メッシュの数(全周波数帯)Mと、シングル・メッシュの数(周波数帯別)Nとが対応づけて登録されている。一方、図9に示すように、MSAN単位用リスク管理テーブルTb3には、MSANを識別するための閉域IDと、シングル・メッシュの数(全周波数帯)Mと、シングル・メッシュの数(周波数帯別)Nとが対応づけて登録されている。なお、シングル・メッシュの意味や表示態様については、図7に示す基地局単位でリスク管理する場合と同様に説明することができるため、これ以上の説明は割愛する。
次に、本実施形態に係る設備障害発生時に及ぼす影響範囲(エリア)をシミュレートする方法(以下、「影響シミュレーション方法」と略称する。)について説明する。
図10は、本実施形態に係る影響シミュレーション方法を示すフローチャートである。
端末装置10は、記憶部20に格納されている基地局設定情報Tb、伝送情報Ttなど、シミュレーションのためのデータソースを読み込む(ステップS10)。そして、端末装置(マッピング手段)10は、無線ネットワークシミュレーションプログラムP1を起動するとともに、読み込んだデータソースを利用して対応周波数帯が異なる複数の基地局の電波強度などを電子地図上にマッピングし、エリアマップを作成する(ステップS20)。
特に、基地局のセルの重なり数が1となるエリア、すなわちシングル・メッシュをエリアマップに強調表示することで、回線断によるリスクを効率良く管理することが可能となる。
本発明は、上記各実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。すなわち、上記発明の各実施形態を通じて説明された実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、または変更もしくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせまたは変更もしくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
図11Aは、900MHz帯でのMSAN(閉域ID:TK173−085AN−02)の正常時のメッシュ・マップMM1であり、図11Bは、回線断が発生したときのメッシュ・マップMM2を例示した図である。回線断が生じることで、1メッシュあたりのセル数が全体として減少しているものの、シングル・メッシュ(1メッシュあたりのセル数;1)の発生は認められない。よって回線断によるユーザ影響は限りなく小さいことが分かる。
Claims (7)
- 各基地局の位置、対応周波数帯を含む基地局設定情報を記憶する記憶手段と、
前記基地局設定情報を用いて前記対応周波数帯が異なる複数の前記基地局を電子地図上にマッピングするマッピング手段と、
前記電子地図上の所定エリアを複数のメッシュに分割し、メッシュ単位で前記基地局のセルの重なり数を求める導出手段と、
前記セルの重なり数に基づき、当該メッシュに及ぼす障害発生時の影響をシミュレートするシミュレーション手段と
を具備するシミュレーション装置。 - 前記セルの重なり数に応じて、前記各メッシュを前記電子地図上に色分け表示する表示手段をさらに具備する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
- 前記表示手段は、入力される表示指示に従って、前記各メッシュのうち、前記セルの重なり数が1であるシングル・メッシュを強調表示する、請求項2に記載のシミュレーション装置。
- 前記シングル・メッシュの識別情報をデータベースに登録する登録手段をさらに具備する、請求項3に記載のシミュレーション装置。
- 前記メッシュの大きさの設定を入力する入力手段をさらに具備する、請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載のシミュレーション装置。
- 前記導出手段は、前記メッシュ単位で、かつ、前記対応周波数帯ごとに、前記基地局のセルの重なり数を求める、請求項1〜5のいずれか1の請求項に記載のシミュレーション装置。
- 各基地局の位置、対応周波数帯を含む基地局設定情報を記憶する記憶手段を備えたコンピュータに、
前記基地局設定情報を用いて前記対応周波数帯が異なる複数の前記基地局を電子地図上にマッピングするマッピング機能と、
前記電子地図上の所定エリアを複数のメッシュに分割し、メッシュ単位で前記基地局のセルの重なり数を求める導出機能と、
前記セルの重なり数に基づき、当該メッシュに及ぼす障害発生時の影響をシミュレートするシミュレーション機能と
を実現させるための制御プログラム。
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JP2016190131A Active JP6412078B2 (ja) | 2016-09-28 | 2016-09-28 | シミュレーション装置および制御プログラム |
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