以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に従った無線システムの例示的な構成図である。図1に示すように、無線システム1は、移動端末装置10−1〜10−8、無線基地局装置20−1〜20−4、コアネットワーク装置30−1〜30−2、及び障害監視装置40を含む。以下の説明において、移動端末装置10−1〜10−8を特に区別しない場合には、移動端末装置10と記載する。無線基地局装置20−1〜20−4を特に区別しない場合には、無線基地局装置20と記載する。コアネットワーク装置30−1〜30−2を特に区別しない場合には、コアネットワーク装置30と記載する。
移動端末装置10は、無線基地局装置20によりカバーされる通信区域であるセル内に存在し、当該移動端末装置10が存在するセルに対応する無線基地局装置20と無線で通信する。移動端末装置10は、例えば、Third Generation Partnership Project(3GPP)の仕様書で規定されるUser Equipment(UE)であり、スマートフォンと称される携帯電話、及びタブレット端末と称される無線通信端末装置を含む。図1には、8つの移動端末装置10が示されているが、無線システム1に含まれる移動端末装置10の数は、任意の数であってよい。
無線基地局装置20は、当該無線基地局装置20に対応するセル内に存在する移動端末装置10と無線で通信する。図1に示した一例では、各無線基地局装置20は、2つの移動端末装置10と無線で接続されるが、各無線基地局装置20が接続し得る移動端末装置10の数は、任意の数であり得る。無線基地局装置20は、S1インタフェースといった第1のInternet Protocol(IP)インタフェースを介してコアネットワーク装置30と接続する。また、無線基地局装置20は、X2インタフェースといった第2のIPインタフェースを介して、隣接する他の無線基地局装置20と接続する。無線基地局装置20は、例えば、3GPPの仕様書で規定されるevolved Node B(eNB)である。図1には、4つの無線基地局装置20が示されているが、無線システム1に含まれる無線基地局装置20の数は、任意の数であってよい。
コアネットワーク装置30は、無線基地局装置20を含む無線アクセスネットワークとインターネットといった外部ネットワーク(不図示)とを接続するコアネットワークに含まれる装置である。コアネットワークは、例えば、3GPPの仕様書で規定されるEvolved Packet Core(EPC)である。コアネットワーク装置30は、例えば、配下の無線基地局装置20を収容し且つモビリティ制御を行うMobility Management Entity(MME)や、ユーザパケットのルーティング等を行うSystem Architecture Evolution Gateway(SAE−GW)である。コアネットワーク装置30は、S1インタフェースといった第1のIPインタフェースを介して配下の無線基地局装置20と接続する。図1に示した一例では、各コアネットワーク装置30は、2つの無線基地局装置20と接続されるが、各コアネットワーク装置30が接続し得る無線基地局装置20の数は、任意の数であり得る。また、図1には、2つのコアネットワーク装置30が示されているが、無線システム1に含まれるコアネットワーク装置30の数は、任意の数であってよい。
障害監視装置40は、無線基地局装置20に発生した障害を監視する装置である。障害監視装置40は、コアネットワーク装置30と接続する。障害監視装置40は、障害が発生した無線基地局装置20から送信されたアラーム信号をコアネットワーク装置30を介して受信する。障害監視装置40は、コンピュータといった情報処理装置であってよい。
無線基地局装置20は、当該無線基地局装置20に発生した障害を検出し、障害の発生を通知するアラーム信号を障害監視装置40へ送信するように構成される。しかしながら、無線基地局装置20から当該無線基地局装置20に対応するセルへの送信機能に生じた障害は、アラーム信号が送信されないサイレント障害になる危険性がある。
例えば、無線基地局装置20と、当該無線基地局装置20と接続された移動端末装置10との間では、次のように信号が送受信される。すなわち、無線基地局装置20は、当該無線基地局装置20と接続された移動端末装置10へ測定指示信号を送信する。測定指示信号は、各無線基地局装置20が対応するセルへ送信した報知信号の無線品質を測定するように移動端末装置10に指示する信号である。測定指示信号は、例えば、3GPPの仕様書に規定されるMeasurement Controlメッセージである。移動端末装置10は、無線基地局装置20から送信された測定指示信号を受信する。移動端末装置10は、受信された測定指示信号に従って報知信号の無線品質を測定する。すなわち、移動端末装置10は、当該移動端末装置10と接続された無線基地局装置20から送信された報知信号と移動端末装置10が存在する位置の周辺の無線基地局装置20から送信された報知信号とを受信し、受信された各報知信号の無線品質を測定する。測定される無線品質は、例えば、報知信号の受信電界強度である。移動端末装置10は、測定された各報知信号の無線品質を報告する測定報告信号を、移動端末装置10と接続された無線基地局装置20へ送信する。移動端末装置10から無線基地局装置20へ送信される測定報告信号は、例えば、3GPPの仕様書に規定されるMeasurement Reportメッセージである。
無線基地局装置20から当該無線基地局装置20に対応するあるセルへの送信機能に何らかの障害が発生した場合、報知信号及び測定指示信号を含む電波は、当該セルへ送信されなくなる。このため、移動端末装置10は、電波が送信されないセルに対する無線品質の測定及び測定結果の報告を行わない。したがって、無線基地局装置20が受信する測定報告信号には、電波が送信されていないセルの無線品質は含まれない。
このように、無線基地局装置20から対応するセルへの送信機能に何らかの障害が発生した場合、無線基地局装置20が受信する測定報告信号には、電波が送信されていないセルの無線品質の情報は含まれない。しかしながら、無線基地局装置20が受信する測定報告信号に当該無線基地局装置20に対応するセルの無線品質が含まれない原因は、当該セルに対応する無線基地局装置20の送信機能に障害が発生したことに限られない。例えば、移動端末装置10の受信機能に障害が発生した場合や、ある位置に存在する移動端末装置10と無線基地局装置20との間の無線環境が降雨等により一時的に悪化した場合にも、無線基地局装置20が受信する測定報告信号には、当該セルの無線品質は含まれない。これらの場合、無線基地局装置20には障害が発生していないが、無線基地局装置20が受信する測定報告信号には当該セルの無線品質が含まれない。したがって、無線基地局装置20が受信する測定報告信号に当該無線基地局装置20に対応するセルの無線品質が含まれない原因が当該セルに対応する無線基地局装置20の送信機能の障害発生にあるのか、それともそれ以外にあるのかが判別されなくなり得る。すなわち、無線基地局装置20から対応するセルへの送信機能の障害は、サイレント障害になる危険性がある。
そこで、第1の実施形態に従った無線基地局装置20は、無線基地局装置20から対応するセルへの送信機能に発生した障害をサイレント障害とせずに検出するように構成される。例えば、無線基地局装置20は、受信された測定報告信号に第1のセルに対する無線品質の測定報告が含まれない場合に、第1のセルのカバーエリア内に存在する移動端末装置10により測定された第2のセルに対する無線品質の測定報告を含む測定報告信号は受信されていると判定すると、第1のセル対する障害を検出する。
第1の実施形態に従った無線基地局装置20と通信する移動端末装置10の構成は、例えば、以下のとおりである。図2は、第1の実施形態に従った移動端末装置の例示的な構成図である。図2に示すように、移動端末装置10は、Central Processing Unit(CPU)11、メモリ12、無線通信インタフェース13、及びアンテナ14を含む。
CPU11は、演算処理を行う論理回路である。CPU11は、移動端末装置10全体の動作を制御する。メモリ12には、CPU11により実行されるプログラム及びデータや、CPU11による処理中のデータが記憶される。CPU11は、測定信号通信部11A及び品質計測部11Bを含む。
測定信号通信部11Aは、無線基地局装置20から送信された報知信号をアンテナ14及び無線通信インタフェース13を介して受信する。受信される報知信号には、当該移動端末装置10と接続された無線基地局装置20に対応する各セルの報知信号と、移動端末装置10が存在する位置周辺の無線基地局装置20に対応する各セルの報知信号とが含まれ得る。また、測定信号通信部11Aは、当該移動端末装置10と接続された無線基地局装置20から送信された測定指示信号をアンテナ14及び無線通信インタフェース13を介して受信する。
品質計測部11Bは、測定信号通信部11Aにより受信された測定指示信号に従って、測定信号通信部11Aにより受信された報知信号の無線品質を測定する。測定される無線品質は、例えば、報知信号の受信電界強度である。測定信号通信部11Aは、品質計測部11Bにより測定された報知信号の無線品質を示す無線品質情報と、無線品質を測定した当該移動端末装置10の位置を示す位置情報とを含む測定報告信号を生成する。測定信号通信部11Aは、生成された測定報告信号を当該移動端末装置10と接続された無線基地局装置20へ無線通信インタフェース13及びアンテナ14を介して送信する。
無線通信インタフェース13は、CPU11から送信された無線基地局装置20宛ての信号を受信し、受信された信号をベースバンド処理および無線信号処理し、処理された無線信号をアンテナ14を介して送信する。また、無線通信インタフェース13は、無線基地局装置20から送信された無線信号をアンテナ14を介して受信し、受信された信号を無線信号処理およびベースバンド処理し、処理された信号をCPU11へ送信する。
次に、第1の実施形態に従った無線基地局装置20の構成を説明する。図3は、第1の実施形態に従った無線基地局装置の例示的な構成図である。図3に示すように、無線基地局装置20は、CPU21、メモリ22、無線通信インタフェース23、アンテナ24、及びネットワークインタフェース25を含む。
CPU21は、演算処理を行う論理回路である。CPU21は、無線基地局装置20全体の動作を制御する。CPU21は、呼処理監視制御部21Aを含む。呼処理監視制御部21Aは、無線基地局装置20に接続を要求した移動端末装置10と無線基地局装置20との間で送受信される信号や、無線基地局装置20が形成するセル内に存在する移動端末装置10への発呼に応じて送受信される信号等を処理する。また、呼処理監視制御部21Aは、無線基地局装置20内における障害の発生を監視する。
メモリ22には、CPU21により実行されるプログラム及びデータや、CPU21による処理中のデータが記憶される。また、メモリ22は、報告管理表22A及びセル状態表22Bを含む。報告管理表22Aは、無線基地局装置20により受信された測定報告信号に当該セルに対する無線品質の測定報告が含まれるか否かがセル毎に記録されるテーブルである。セル状態表22Bは、各セルの運用状態と各セルの障害発生の有無とが記録されるテーブルである。
無線通信インタフェース23は、CPU21から送信された移動端末装置10宛ての信号を受信し、受信された信号をベースバンド処理および無線信号処理し、処理された無線信号をアンテナ24を介して送信する。また、無線通信インタフェース23は、移動端末装置10から送信された無線信号をアンテナ24を介して受信し、受信された信号を無線信号処理およびベースバンド処理し、処理された信号をCPU21へ送信する。
ネットワークインタフェース25は、S1インタフェースといった第1のIPインタフェースとX2インタフェースといった第2のIPインタフェースとを提供する装置である。ネットワークインタフェース25は、コアネットワーク装置30又は隣接する他の無線基地局装置20から送信されたIPパケットを受信し、受信されたIPパケットが処理されたデータ信号をCPU21へ送信する。また、ネットワークインタフェース25は、CPU21から送信されたコアネットワーク装置30宛て又は隣接する他の無線基地局装置20宛てのデータ信号を受信し、受信された信号が処理されたIPパケットを宛先装置へ送信する。
図4は、第1の実施形態に従った呼処理監視制御部の例示的な構成図である。図4に示すように、呼処理監視制御部21Aは、セル管理部210、呼処理部211、報知信号送信部212、測定信号通信部213、及び移動端末装置用通信部214を含む。また、呼処理監視制御部21Aは、位置座表変換部215、障害検出処理部216、タイマ管理部217、アラーム信号送信部218、及び他ノード用通信部219を含む。
セル管理部210は、当該無線基地局装置20がカバーする通信区域である各セルの運用を管理する。セル管理部210は、セル管理部210が管理するセルに障害が検出された旨の通知を障害検出処理部216から受信し、受信された通知に従って、障害が検出されたセルの初期化処理の実行を呼処理部211に指示する。
呼処理部211は、セル管理部210により運用が管理されるセル内に存在する移動端末装置10と通信される信号を処理する。また、呼処理部211は、障害が検出されたセルの初期化処理をセル管理部210による指示に従って実行し、障害が検出されたセルの復旧処理を行う。また、呼処理部211は、障害が検出されたセルの初期化処理を他の無線基地局装置20から送信されたアラーム信号に従って実行し、障害が検出されたセルの復旧処理を行う。
報知信号送信部212は、呼処理部211により決定された当該セルの報知情報を含む報知信号を移動端末装置用通信部214を介して対応するセルへ送信する。報知信号は、例えば、3GPPで規定されるDownlink Reference Signalといったパイロット信号である。報知情報には、当該セルのセル識別子(Identifier、ID)、及び当該セル内の全ての移動端末装置10に共通して通信に必要とされる運用パラメータ等が含まれ得る。
測定信号通信部213は、当該無線基地局装置20に対応するセルの無線品質と、当該無線基地局装置20の周辺の他の無線基地局装置20に対応するセルの無線品質とが測定及び報告されるための信号を、移動端末装置10と送受信する。
具体的には、測定信号通信部213は、当該無線基地局装置20と接続した移動端末装置10へ測定指示信号を移動端末装置用通信部214を介して送信する。測定信号通信部213は、移動端末装置10から送信された測定報告信号を移動端末装置用通信部214を介して受信する。受信される測定報告信号には、無線品質を測定した移動端末装置10が存在する位置を示す位置情報が含まれる。また、受信される測定報告信号には、当該無線基地局装置20に対応するセルの無線品質情報、及び周辺の無線基地局装置20に対応するセルの無線品質情報が含まれ得る。
移動端末装置用通信部214は、移動端末装置10と通信される信号の内容及びフォーマットを確認し、確認された信号を転送する。例えば、移動端末装置用通信部214は、報知信号送信部212から送信された報知信号及び測定信号通信部213から送信された測定指示信号を受信する。移動端末装置用通信部214は、受信信号のフォーマットが正しいフォーマットであることを確認し、受信信号を無線通信インタフェース23へ送信する。また、移動端末装置用通信部214は、無線通信インタフェース23から送信された測定報告信号を受信する。移動端末装置用通信部214は、受信された測定報告信号のフォーマットが正しいフォーマットであることを確認し、受信された測定報告信号を測定信号通信部213へ送信する。
位置座標変換部215は、測定信号通信部213により受信された測定報告信号に含まれる位置情報から、測定報告信号を送信した移動端末装置10の位置を抽出する。位置座標変換部215は、無線基地局装置20の周辺地域が分割された分割区域の内、抽出された位置を含む分割区域に、測定報告信号が送信された位置を変換する。また、位置座標変換部215は、測定信号通信部213により受信された測定報告信号から、無線品質が報告されたセルを抽出する。位置座標変換部215は、測定報告信号が送信された位置が変換された分割区域と、抽出されたセルとを相互に対応付けて報告管理表22Aに記録する。この結果、報告管理表22Aには、当該分割区域において当該セルに対する無線品質の測定報告が行われたことが記録される。
タイマ管理部217は、無線基地局装置20に対応する各セルに発生した障害を所定の監視周期で監視するための監視周期タイマを管理する。タイマ管理部217は、監視周期タイマが満了されると、監視周期タイマの満了を障害検出処理部216へ通知する。タイマ管理部217は、障害検出処理部216により障害検出処理が実行された後、監視周期タイマを再開する。
障害検出処理部216は、タイマ管理部217により管理される監視周期タイマの満了後に、報告管理表22Aを更新する。また、障害検出処理部216は、更新された報告管理表22Aと、当該無線基地局装置20及び周辺の無線基地局装置20の各セルの運用状態が記録されたセル状態表22Bとを用いて、各セルに対する障害発生の有無を判定する。
ずなわち、障害検出処理部216は、報知信号及び測定指示信号を含む電波が当該無線基地局装置20から送信されていないセルを障害が発生したセルとして検出する。
具体的には、障害検出処理部216は、所定の監視周期内に受信された各測定報告信号により無線品質が報告された当該セルの全ての分割区域を、当該セルにより通信がカバーされるカバーエリアとして報告管理表22Aに記録する。また、障害検出処理部216は、当該セルのカバーエリアとして報告管理表22Aに記録された分割区域の内、連続した所定回数の監視周期において無線品質が報告されない分割区域を、当該セルのカバーエリアから除外する。
障害検出処理部216は、更新された報告管理表22Aで管理される各セルに対して、無線品質が報告されているか否かを確認する。無線品質が報告されていると確認されたセルに対しては、障害検出処理部216は、障害無しと判定する。無線品質が報告されていないと確認されたセルに対しては、障害検出処理部216は、当該セルのカバーエリアに含まれる全ての分割区域が、報告管理表22Aで管理される他の全てのセルに対して無線品質が報告されていない分割区域であるか否かを確認する。
当該セルのカバーエリアに含まれる全ての分割区域が他の全てのセルに対して無線品質が報告されていない分割区域である場合には、障害検出処理部216は、当該セルに対する障害発生の有無の判定を保留する。判定が保留されたセルに対する障害は、他の無線基地局装置20から送信されたアラーム信号によって検知され得る。一方、当該セルのカバーエリアに含まれる少なくとも一部の分割区域が他の少なくとも一部のセルに対して無線品質が報告されている分割区域である場合には、障害検出処理部216は、当該セルの運用状態が運用中であるか否かをセル状態表22Bを参照することにより確認する。
当該セルの運用状態が停止中であると確認された場合には、障害検出処理部216は、当該セルに対して障害無しと判定する。当該セルの運用状態が運用中であると確認された場合には、障害検出処理部216は、当該セルに対して障害有りと判定する。
障害検出処理部216は、障害有りと判定されたセルをアラーム信号送信部218へ通知する。また、障害検出処理部216は、障害有りと判定されたセルの内、当該無線基地局装置20に対応するセルをセル管理部210へ通知する。
アラーム信号送信部218は、障害検出処理部216により通知されたセルに障害が発生したことを示すアラーム信号を生成し、生成されたアラーム信号を他ノード用通信部219を介して障害監視装置40へ送信する。また、通知されたセルが周辺の無線基地局装置20に対応するセルである場合、アラーム信号送信部218は、生成されたアラーム信号を障害監視装置40へ送信すると共に、他ノード用通信部219を介して当該セルに対応する無線基地局装置20へ送信する。
他ノード用通信部219は、他の無線基地局装置20やコアネットワーク装置30といった他ノードと通信される信号の内容及びフォーマットを確認し、確認された信号を転送する。例えば、他ノード用通信部219は、アラーム信号送信部218から送信されたアラーム信号を受信する。他ノード用通信部219は、受信信号のフォーマットが正しいフォーマットであることを確認し、受信されたアラーム信号をネットワークインタフェース25へ送信する。また、他ノード用通信部219は、ネットワークインタフェース25から送信されたアラーム信号を受信する。他ノード用通信部219は、受信されたアラーム信号のフォーマットが正しいフォーマットであることを確認し、受信されたアラーム信号を呼処理部211へ送信する。
無線基地局装置20が実行する障害検出方法の一例を説明する。図5は、無線基地局装置の例示的な配置図である。図5に示す無線基地局装置20A〜20Gは、第1の実施形態に従った無線基地局装置20である。各無線基地局装置20A〜20Gは、楕円で示される通信エリアを有する。無線基地局装置20A〜20Gの通信エリアの一部は、相互に重複し得る。なお、図5に示す配置は、一例にすぎず、各無線基地局装置20の配置は、任意であってよく、ある無線基地局装置20の周辺に存在する無線基地局装置20の数は、任意の数であってよい。また、各無線基地局装置20の通信エリアの形状は、図5に示したような楕円でなくてよい。以下の説明では、無線基地局装置20B〜20Gを無線基地局装置20Aの周辺に存在する無線基地局装置20と仮定し、無線基地局装置20Aが実行する障害検出方法を具体例として説明する。
まず、無線基地局装置20は、図6に示すようなフォーマットの報告管理表22Aをメモリ22内に予め保持する。図6は、報告管理表の例図である。図6には、無線基地局装置20Aのメモリ22に保持される報告管理表22Aの一例が示されている。図6に示す一例では、報告管理表22Aには、セル番号、報告有無、座標メッシュ番号、及びカバーエリアが記録項目として含まれる。
セル番号は、当該無線基地局装置20に対応する各セルの識別子、及び周辺の無線基地局装置20に対応する各セルの識別子である。図6に示す一例では、無線基地局装置20Aに対応する各セルの番号と、周辺の無線基地局装置20B〜20Gに対応する各セルの番号とが“セル番号”欄の各行に予め登録される。また、“セル番号”欄の最終行には、報告管理表22Aに登録された全てのセルを表す“全セル”が登録される。なお、図6に記載されたセル番号“…”は、図6中に明示されたセル番号以外のあるセル番号を表す。
報告有無は、当該セル番号に対応するセルの無線品質情報が受信された測定報告信号に含まれたか否かを示す。
座標メッシュ番号は、当該無線基地局装置20の周辺地域が分割された各分割区域の識別番号を示す。図7は、無線基地局装置の周辺区域に割り当てられた座標メッシュ番号の第1の例図である。図7に示す一例では、無線基地局装置20Aの通信エリアは、セルA−1〜セルA6により構成される。セルA−1〜セルA6の一部は、相互に重複し得る。また、図7に示す一例では、無線基地局装置20Aの通信エリアを含む無線基地局装置20Aの周辺地域は、緯度及び経度によってメッシュ状に12個の分割区域に分割され、分割された各分割区域には、固有の座標メッシュ番号1〜12が割り当てられる。そこで、図6に示す一例では、報告管理表22Aの“座標メッシュ番号”欄の各列には、座標メッシュ番号1〜12が登録される。なお、図6に記載された座標メッシュ番号“…”は、図6中に明示された座標メッシュ番号以外のある座標メッシュ番号を表す。また、図7は、説明のための例示にすぎず、無線基地局装置20Aの周辺地域の分割方法及び座標メッシュ番号の割り当て方法は、任意の方法であってよい。
カバーエリアは、当該監視周期までに受信された各測定報告信号から特定された当該セルのカバーエリアを示す。カバーエリアは、分割区域の座標メッシュ番号により表される。カバーエリアに含まれる各分割区域は、受信された測定報告信号に当該セル番号に対応するセルの無線品質情報が含まれる場合に当該測定報告信号に含まれる位置情報に基づき取得される。
図6に示すような報告管理表22Aは、無線基地局装置20が設置された時、無線基地局装置20に対応するセルの構成が変更された時、及び周辺の無線基地局装置20に対応するセルの構成が変更された時に初期状態に設定される。図6に示す報告管理表22A中に記載された記号“−”は、初期値を示す。初期値は、例えば、数値“0”であってよい。図6に示すような報告管理表22Aは、無線基地局装置20が使用する周波数毎にメモリ22内に保持され得る。
報告管理表22Aが保持された後、無線基地局装置20の報知信号送信部212は、当該無線基地局装置20に対応する各セルへ報知信号を送信する。図7に示した一例では、無線基地局装置20Aの報知信号送信部212は、セルA−1〜セルA6へ報知信号を送信する。また、周辺の無線基地局装置20B〜20Gの各報知信号送信部212は、対応する各セルへ報知信号を送信する。
タイマ管理部217は、監視周期タイマを開始する。測定信号通信部213は、測定指示信号を無線基地局装置20に対応する各セルへ送信する。図7に示した一例では、無線基地局装置20Aの測定信号通信部213は、セルA−1〜セルA6へ測定指示信号を送信する。
測定信号通信部213は、送信された測定指示信号に従って移動端末装置10から送信された測定報告信号を受信する。図8に示す一例ように、受信される測定報告信号には、位置情報と1つ以上のセルの品質情報とが含まれる。図8は、測定報告信号の例図である。測定報告信号に含まれる位置情報は、無線品質を測定した移動端末装置10の位置を示す情報であり、例えば、移動端末装置10が存在する位置の緯度及び経度を含む。測定報告信号に含まれる各品質情報は、移動端末装置10が測定した報知信号の無線品質と、その報知信号が送信されたセルのセル番号(セル識別子)とを含む。
位置座標変換部215は、測定信号通信部213により受信された測定報告信号を用いて、無線品質が測定された分割区域と無線品質が測定されたセルとを報告管理表22Aに記録する。例えば、位置座標変換部215は、図9に示すような処理フローに従って測定報告信号の記録処理、すなわち測定報告記録処理を実行する。図9は、位置座標変換部が実行する例示的な測定報告記録処理のフロー図である。
一連の測定報告記録処理が開始されると(ステップS1001)、位置座標変換部215は、受信された測定報告信号に含まれる位置情報に従って、受信された測定報告信号を送信した移動端末装置10の位置を特定する。そして、位置座標変換部215は、特定された位置を含む分割区域に、受信された測定報告信号が送信された位置を変換し、変換された分割区域の座標メッシュ番号を抽出する(ステップS1002)。
位置座標変換部215は、受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルの数だけ、ステップS1003とステップS1008との間の繰り返し処理を実行する。
すなわち、位置座標変換部215は、受信された測定報告信号から無線品質が報告されたセルのセル番号を抽出する(ステップS1004)。報告管理表22Aにおいて、位置座標変換部215は、抽出されたセル番号に対応する“報告有無”欄にフラグを立てる(ステップS1005)。“報告有無”欄にフラグが立てられることによって、当該セルへ送信された報知信号に対する無線品質の測定報告があったことが示され、報知信号といった電波が当該セルにおいて送信されていたことが示される。
位置座標変換部215は、抽出されたセル番号に対応する“座標メッシュ番号”欄の内、抽出された座標メッシュ番号の“座標メッシュ番号”欄にフラグを立てる(ステップS1006)。こうしたフラグが立てられることによって、当該座標メッシュ番号の分割区域から当該セルの無線品質が報告されたことが示され、当該セルへ送信された報知信号が当該座標メッシュ番号の分割区域において受信されたことが示される。
位置座標変換部215は、“全セル”に対応する“座標メッシュ番号”欄の内、抽出された座標メッシュ番号の“座標メッシュ番号”欄にフラグを立てる(ステップS1007)。こうしたフラグが立てられることによって、報告管理表22Aで管理される全てのセルの内、あるセルへ送信された報知信号の無線品質が当該座標メッシュ番号の分割区域から報告されたことが示される。また、こうしたフラグが立てられることによって、測定報告信号の送信といった移動端末装置10による通信が当該区域において存在することが示される。
受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルの数だけ、ステップS1003とステップS1008との間の繰り返し処理が実行されると、一連の測定報告記録処理は終了される(ステップS1009)。
図9を参照しながら説明した一連の測定報告記録処理は、移動端末装置10から送信された測定報告信号が受信される度に実行される。監視周期タイマが所定の監視周期に達して満了すると、タイマ管理部217は、監視周期タイマの満了を障害検出処理部216へ通知する。
図10は、監視周期タイマ満了時の報告管理表の例図である。図10に示す一例では、報告管理表22Aに記録された記号“○”は、フラグが立てられた状態を表し、例えば、数値“1”であってよい。また、報告管理表22Aに記録された記号“−”は、初期状態、すなわちフラグが立てられていない状態を表し、例えば、数値“0”であってよい。なお、図10に記載されるセル番号“…”は、図10中に明示されたセル番号以外のあるセル番号を表す。また、図10に記載される座標メッシュ番号“…”は、図10中に明示された座標メッシュ番号以外のある座標メッシュ番号を表す。
障害検出処理部216は、位置座標変換部215による測定報告記録処理が実行された報告管理表22Aを参照し、報告管理表22Aにより管理される各セルのカバーエリアを記録及び更新する。例えば、障害検出処理部216は、図11に示すような処理フローに従ってカバーエリアを記録及び更新する処理、すなわちカバーエリア記録処理を実行する。図11は、第1の実施形態に従った障害検出処理部が実行する例示的なカバーエリア記録処理のフロー図である。
監視周期タイマが満了し、一連のカバーエリア記録処理が開始されると(ステップS2001)、障害検出処理部216は、報告管理表22Aに登録されたセルの数だけ、ステップS2002とステップS2006との間の繰り返し処理を実行する。
すなわち、障害検出処理部216は、当該セル番号のセルのカバーエリアとして、フラグが立てられた座標メッシュ番号の分割区域を記録する(ステップS2003)。前述したように、“座標メッシュ番号”欄に立てられたフラグは、当該座標メッシュ番号の分割区域から当該セルの無線品質が報告されたこと、すなわち、当該セルへ送信された報知信号が当該座標メッシュ番号の分割区域において受信されたことを示す。例えば、図10に示す一例では、記号“○”で示されるフラグは、セルA−1に対応する座標メッシュ番号1、2、3、及び“…”に立てられている。そこで、障害検出処理部216は、セルA−1のカバーエリアとして座標メッシュ番号1、2、3、及び“…”の分割区域を記録する。すなわち、障害検出処理部216は、座標メッシュ番号1、2、3、及び“…”をセルA−1に対応する“カバーエリア”欄に記録する。
障害検出処理部216は、当該監視周期において無線品質が報告されない分割区域、すなわち、フラグが立てられていない座標メッシュ番号の分割区域に対して、報告未受信をカウントするカウント値をインクリメントする(ステップS2004)。そして、障害検出処理部216は、当該セルのカバーエリアとして既に記録された分割区域の内、連続した所定回数の監視周期において無線品質が報告されない分割区域、すなわちカウント値が既定値に達した分割区域を当該セルのカバーエリアから除外する(ステップS2005)。例えば、セルA−1に対応する“カバーエリア”欄に記録された座標メッシュ番号1、2、3、及び“…”の内、座標メッシュ番号1のフラグが連続した所定回数の監視周期において立てられておらず、座標メッシュ番号1に対するカウント値が既定値に達したと仮定する。この仮定の場合、障害検出処理部216は、セルA−1に対応する“カバーエリア”欄から座標メッシュ番号1を削除する。なお、各座標メッシュ番号のカウント値は、当該座標メッシュ番号にフラグが立てられた時に、0(ゼロ)に初期化される。
報告管理表22Aに登録されたセルの数だけ、ステップS2002とステップS2006との間の繰り返し処理が実行されると、一連のカバーエリア記録処理は終了される(ステップS2007)。
一連のカバーエリア記録処理が終了されると、障害検出処理部216は、カバーエリアが記録及び更新された報告管理表22Aを参照して、報告管理表22Aに登録された各セルの障害発生の有無を検出する。例えば、障害検出処理部216は、図12に示すような処理フローに従って各セルの障害発生の有無を検出する処理、すなわち障害検出処理を実行する。図12は、第1の実施形態に従った障害検出処理部が実行する例示的な障害検出処理のフロー図である。
一連の障害検出処理が開始されると(ステップS3001)、障害検出処理部216は、報告管理表22Aに登録されたセルの数だけ、ステップS3002とステップS3016との間の繰り返し処理を実行する。
すなわち、障害検出処理部216は、当該セルのセル番号に対応する“報告有無”欄にフラグが立てられているか否かを判定する(ステップS3003)。前述したように、“報告有無”欄のフラグは、当該セル番号のセルへ送信された報知信号に対する無線品質の測定報告があったこと、すなわち、報知信号といった電波が当該セルにおいて送信されていたことが示される。
当該セル番号に対応する“報告有無”欄にフラグが立てられていると判定される場合(ステップS3003で“YES”)、障害検出処理部216は、当該セル番号のセルに対して障害無しと判定する(ステップS3004)。例えば、ある監視周期においてカバーエリア記録処理された報告管理表22Aが図13に示すように記録されていると仮定する。図13は、カバーエリアが記録された報告管理表の例図である。図13に示す一例では、障害検出処理部216は、セルA−2、セルA−5、セルA−6、セルB−4、セルC−5、セルD−6、セル“…”、及びセルG−3に対して障害無しと判定する。
当該セル番号に対応する“報告有無”欄にフラグが立てられていないと判定される場合(ステップS3003で“NO”)、障害検出処理部216は、当該セル番号に対応する “カバーエリア”欄から座標メッシュ番号を抽出する(ステップS3005)。“カバーエリア”欄に記載された座標メッシュ番号は、移動端末装置10が送信した測定報告信号によって当該セル番号のセルの無線品質が報告された分割区域を示す。
障害検出処理部216は、抽出された座標メッシュ番号の数だけ、ステップS3006とステップS3008との間の繰り返し処理を実行する。すなわち、障害検出処理部216は、“全セル”に対応する“座標メッシュ番号”欄の内、抽出された座標メッシュ番号の“座標メッシュ番号”欄にフラグが立てられているか否かを判定する(ステップS3007)。前述したように、“全セル”に対応する“座標メッシュ番号”欄に立てられたフラグは、報告管理表22Aで管理される全てのセルの内、あるセルへ送信された報知信号の無線品質が当該座標メッシュ番号の分割区域から報告されたことを示す。また、“全セル”に対応する“座標メッシュ番号”欄に立てられたフラグは、測定報告信号の送信といった移動端末装置10による通信が当該区域において存在することを示す。
抽出された当該座標メッシュ番号に対して“座標メッシュ番号”欄にフラグが立てられていないと判定される場合(ステップS3007で“NO”)、障害検出処理部216は、抽出された次の座標メッシュ番号に対してステップS3007の判定処理を繰り返す。
抽出された全ての座標メッシュ番号に対してステップS3007の判定処理が繰り返され、抽出された全ての座標メッシュ番号に対してフラグが立てられていないと判定される場合、障害検出処理部216は、当該セル番号のセルに対してデータ未取得と判定する(ステップS3009)。すなわち、障害検出処理部216は、一連の障害検出処理が実行された当該監視周期において当該セル番号のセル内で移動端末装置10による通信がなかったと判定し、当該セル番号のセルに対する障害発生の有無の判定を保留する。
図13に示す一例では、セル番号A−4のカバーエリアは、座標メッシュ番号4の分割区域である。そこで、障害検出処理部216は、“全セル”に対応する座標メッシュ番号4にフラグが立てられているか否かを判定する。図13に示す一例では、フラグが立てられていないことを示す記号“−”が座標メッシュ番号4に記録されている。そこで、障害検出処理部216は、セル番号A−4のセルに対してデータ未取得と判定し、セル番号A−4のセルに対する障害発生の有無の判定を保留する。
一方、抽出された当該座標メッシュ番号に対してフラグが立てられていると判定される場合(ステップS3007で“YES”)、障害検出処理部216は、当該セル番号のセルが障害検出処理を実行している当該無線基地局装置20に対応するセルであるか否かを判定する(ステップS3010)。図13に示す一例では、障害検出処理部216は、当該セル番号のセルが無線基地局装置20Aに対応するセルA−1〜A−6の何れかのセルであるか否かを判定する。
当該セル番号のセルが障害検出処理を実行している当該無線基地局装置20に対応するセルではないと判定される場合(ステップS3010で“NO”)、障害検出処理部216は、当該セル番号のセルに対して障害有りと判定する(ステップS3011)。障害検出処理を実行している当該無線基地局装置20は、他の無線基地局装置20に対応する各セルの運用状態を把握しない。そこで、障害検出処理部216は、他の無線基地局装置20に対応する各セルの運用状態を運用中とみなし、運用中であるにもかかわらずカバーエリアとして記録された分割区域から無線品質が報告されないセルに対して障害有りと判定する。図13に示す一例では、障害検出処理部216は、セルB−5に対して障害有りと判定する。
当該セル番号のセルが障害検出処理を実行している当該無線基地局装置20に対応するセルであると判定される場合(ステップS3010で“YES”)、障害検出処理部216は、セル状態表22B中の当該セルの運用状態を参照する(ステップS3012)。そして、障害検出処理部216は、当該セルの運用状態が運用中であるか否かを判定する(ステップS3013)。
図14は、セル状態表の第1の例図である。図14に示すように、セル状態表22Bには、報告管理表22Aに登録された各セルの運用状態が記録される。記録され得る運用状態には、運用中、停波中、又は状態不明が挙げられる。停波中には、当該セルに対する保守中及び当該セルの故障中が含まれる。障害検出処理を実行している当該無線基地局装置20は、当該無線基地局装置20に対応する各セルの運用状態を把握し得るので、当該無線基地局装置20に対応する各セルの運用状態として運用中又は停波中が記録される。一方、当該無線基地局装置20は、他の無線基地局装置20に対応する各セルの運用状態を把握しないので、他の無線基地局装置20に対応する各セルの運用状態として図14に示す記号“−”で表されるような状態不明が記録される。
当該セルの運用状態が運用中ではないと判定される場合(ステップS3013で“NO”)、障害検出処理部216は、当該セルに対して障害無しと判定する(ステップS3014)。図13に示す一例では、障害検出処理部216は、A−3に対して障害無しと判定する。
当該セルの運用状態が運用中であると判定される場合(ステップS3013で“YES”)、障害検出処理部216は、当該セルに対して障害有りと判定する(ステップS3011)。図13に示す一例では、障害検出処理部216は、セルA−1に対して障害有りと判定する。
障害検出処理部216は、ステップS3004、ステップS3009、ステップS3011、又はステップS3014での障害判定結果を図14に示す一例のようにセル状態表22Bに記録する(ステップS3015)。そして、報告管理表22Aに登録されたセルの数だけ、ステップS3002とステップS3016との間の繰り返し処理が実行されると、一連の障害検出処理は終了される(ステップS3017)。
障害検出処理部216は、障害有りと判定されたセルをアラーム信号送信部218へ通知する。また、障害検出処理部216は、当該無線基地局装置20に対応するセルの内、障害有りと判定されたセルをセル管理部210へ通知する。図14に示す一例では、障害検出処理部216は、障害有りと判定されたセルA−1及びセルB−5をアラーム信号送信部218へ通知し、障害有りと判定されたセルA−1をセル管理部210へ通知する。
障害有りと判定されたセルが通知された後、障害検出処理部216は、報告管理表22A内の“報告有無”欄及び“座標メッシュ番号”欄を全て初期化する。また、障害検出処理部216は、障害検出処理の完了をタイマ管理部217へ通知する。通知を受信したタイマ管理部217は、監視周期タイマをリセットし、監視周期タイマを再開する。
アラーム信号送信部218は、障害検出処理部216から通知されたセルに障害が検出されたことを示すアラーム信号を生成し、生成されたアラーム信号を障害監視装置40へ送信する。アラーム信号送信部218から送信されたアラーム信号は、ネットワークインタフェース25が提供するS1インタフェースといった第1のIPインタフェースを介して障害監視装置40へ送信される。図14に示す一例では、アラーム信号送信部218は、セルA−1及びセルB−5に対するアラーム信号をそれぞれ生成し、生成された各アラーム信号を障害監視装置40へ送信する。
また、アラーム信号装置部218は、障害検出処理部216から通知されたセルの内、他の無線基地局装置20に対応するセルに対するアラーム信号を当該他の無線基地局装置20へ送信する。すなわち、アラーム信号送信部218から送信されたアラーム信号は、ネットワークインタフェース25が提供するX2インタフェースといった第2のIPインタフェースを介して他の無線基地局装置20へ送信される。図14に示す一例では、アラーム信号送信部218は、セルB−5に対するアラーム信号をセルB−5に対応する無線基地局装置20B(図5)へ送信する。
セル管理部210は、障害検出処理部216から通知されたセルの再設定処理を呼処理部211に指示する。図14に示す一例では、セル管理部210は、セルA−1の再設定処理を呼処理部211に指示する。
呼処理部211は、セル管理部210より指示されたセルの再設定処理を行う。また、障害判定結果がデータ未取得とセル状態表22Bに記録されたセルに対するアラーム信号が次の監視周期タイマの満了までに受信された場合、呼処理部211は、受信されたアラーム信号により示されるセルの再設定処理を行う。図14に示した一例では、セルA−4に対する障害判定結果は、データ未取得と記録されている。そこで、セルA−4に対するアラーム信号が無線基地局装置20B〜20Gの内の任意の無線基地局装置20から送信され得る。セルA−4に対するアラーム信号が次の監視周期タイマの満了までに受信された場合、無線基地局装置20Aの呼処理部211は、セルA−4の再設定処理を行う。
発生した障害が呼処理に関するバグといったソフトウェアに起因する場合、呼処理部211による再設定処理によってセルの障害は復旧され得る。また、発生した障害が無線通信インタフェース23の故障といったハードウェアに起因する場合、保守管理者は、障害監視装置40へ通知された障害アラームによって、障害が発生したセルを特定し、特定されたセルの復旧作業を行い得る。
このように、第1の実施形態に従った無線基地局装置によれば、無線基地局装置から対応するセルへの送信機能に発生した障害をサイレント障害とせずに検出できる。また、第1の実施形態に従った無線基地局装置によれば、障害発生が検出されたセルを早期に特定でき、早期に復旧し得る。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に従った無線基地局装置は、第1の実施形態に従った無線基地局装置と同様に、無線基地局装置から対応するセルへの送信機能に発生した障害をサイレント障害とせずに検出するように構成される。例えば、第2の実施形態に従った無線基地局装置は、第1のセルのカバーエリア内に存在する移動端末装置10により測定された第2のセルに対する測定報告を含み第1のセルに対する測定報告を含まない測定報告信号が受信されると判定すると、第1のセル対する障害を検出する。
図15は、第2の実施形態に従った無線基地局装置の例示的な構成図である。図15において、無線基地局装置20と同様の構成要素に対しては、第2の実施形態に従った無線基地局装置50の構成要素に同じ参照符号がふられている。図15に示すように、無線基地局装置50は、CPU21、メモリ22、無線通信インタフェース23、アンテナ24、及びネットワークインタフェース25を含む。また、図15に示すように、無線基地局装置50のCPU21は、呼処理監視制御部51Aを含む。無線基地局装置50のメモリ22は、カバーエリア表52A、カバー率表52B、及びセル状態表22Bを含む。
呼処理監視制御部51Aは、無線基地局装置50に接続を要求した移動端末装置10と無線基地局装置50との間で送受信される信号や、無線基地局装置50が形成するセル内に存在する移動端末装置10への発呼に応じて送受信される信号等を処理する。また、呼処理監視制御部51Aは、無線基地局装置50内における障害の発生を監視する。
カバーエリア表52Aは、当該分割区域内に存在する移動端末装置10から報知信号の無線品質が報告されたセルが分割区域毎に記録されるテーブルである。分割区域とは、無線基地局装置50の通信エリアを含む無線基地局装置50の周辺地域が分割された区域を指す。カバー率表52Bは、カバー率がセル毎に記録されるテーブルである。カバー率とは、最大区域数に対する登録区域数の割合である。最大区域数とは、過去から現時点までに当該セルの無線品質が報告された分割区域の最大数を指し、登録区域数とは、現時点で当該セルの無線品質が報告され得る分割区域の数を指す。セル状態表22Bは、運用状態に基づく障害発生の有無がセル毎に記録されるテーブルである。
図16は、第2の実施形態に従った呼処理監視制御部の例示的な構成図である。図16において、呼処理監視制御部21Aと同様の構成要素に対しては、呼処理監視制御部51Aの構成要素に同じ参照符号がふられている。図16に示すように、呼処理監視制御部51Aは、セル管理部210、呼処理部211、報知信号送信部212、測定信号通信部213、及び移動端末装置用通信部214を含む。また、呼処理監視制御部51Aは、障害検出処理部511、アラーム信号送信部218、及び他ノード用通信部219を含む。
セル管理部210、呼処理部211、報知信号送信部212、測定信号通信部213、移動端末装置用通信部214、アラーム信号送信部218、及び他ノード用通信部219の各動作は、それらの構成要素が無線基地局装置50において動作する点を除いて、呼処理監視制御部21Aに含まれるそれらの構成要素の各動作と同様であってよい。
障害検出処理部511は、測定信号通信部213が受信した測定報告信号に含まれる無線品質の測定報告をカバーエリア表52A及びカバー率表52Bに記録する。そして、障害検出処理部511は、測定報告が記録されたカバーエリア表52A及びカバー率表52Bと、当該無線基地局装置50及び周辺の無線基地局装置50の各セルの運用状態が記録されたセル状態表22Bとを用いて、各セルに対する障害発生の有無を判定する。すなわち、障害検出処理部511は、報知信号及び測定指示信号を含む電波が当該無線基地局装置50から送信されていないセルを障害が発生したセルとして検出する。
具体的には、障害検出処理部511は、測定信号通信部213により受信された測定報告信号に含まれる移動端末装置10の位置情報に従って、受信された測定報告信号を送信した移動端末装置10の位置を特定する。そして、障害検出処理部511は、無線基地局装置50の周辺地域が分割された分割地域の中から特定された位置を含む分割区域を抽出し、受信された測定報告信号が送信された位置を抽出された分割区域に変換する。また、障害検出処理部511は、受信された測定報告信号に含まれる無線品質が報告されたセルを抽出する。
障害検出処理部511は、測定報告信号から抽出された分割区域と測定報告信号から抽出された全てのセルとを相互に対応付けてカバーエリア表52Aに記録する。すなわち、抽出されたセルが抽出された分割区域に対応付けてカバーエリア表52Aに記録されていない場合、障害検出処理部511は、抽出されたセルを抽出された分割区域に新たに対応付けて記録する。一方、抽出された分割区域に対応付けてカバーエリア表52Aに既に記録されたセルの中に、測定報告信号から抽出されないセルが存在する場合、障害検出処理部511は、抽出された分割区域に対応付けた当該セルを記録から削除する。障害検出処理部511による記録処理の結果、当該分割区域において報知信号の無線品質が報告されたセルが分割区域毎にカバーエリア表52Aに記録される。
障害検出処理部511は、測定報告信号から抽出された分割区域を、測定報告信号から抽出されたセルのカバーエリアとしてカバー率表52Bに記録する。また、障害検出処理部511は、測定報告信号から抽出されたセルに対して、登録区域数、最大区域数、及びカバー率を計算する。すなわち、抽出されたセルが抽出された分割区域に対応付けてカバーエリア表52Aに記録されていない場合には、障害検出処理部511は、抽出された分割区域を抽出されたセルのカバーエリアとしてカバー率表52Bに新たに記録する。また、障害検出処理部511は、抽出されたセルの登録区域数及び最大区域数を加算し、抽出されたセルのカバー率を計算する。一方、抽出された分割区域に対応付けてカバーエリア表52Aに既に記録されたセルの中に、測定報告信号から抽出されないセルが存在する場合、障害検出処理部511は、当該分割区域を抽出されたセルのカバーエリアとしての記録から削除する。また、障害検出処理部511は、抽出されたセルの登録区域数を減算し、抽出されたセルのカバー率を計算する。
カバー率が計算された結果、当該セルのカバー率が所定の閾値を下回る場合、障害検出処理部511は、当該セルの運用状態が運用中であるか否かをセル状態表22Bを参照して確認する。当該セルの運用状態が運用中であると確認された場合、障害検出処理部511は、当該セルに対して障害有りと判定する。一方、当該セルの運用状態が停止中であると確認された場合、障害検出処理部511は、当該セルに対して障害発生の有無の判定を保留する。判定が保留されたセルに対する障害は、他の無線基地局装置50から送信されたアラーム信号によって検知され得る。
障害検出処理部511は、障害有りと判定されたセルをアラーム信号送信部218へ通知する。アラーム信号送信部218は、障害検出処理部511により通知されたセルに障害が発生したことを示すアラーム信号を生成し、生成されたアラーム信号を他ノード用通信部219を介して障害監視装置40へ送信する。また、通知されたセルが周辺の無線基地局装置50に対応するセルである場合、アラーム信号送信部218は、生成されたアラーム信号を障害監視装置40へ送信すると共に、他ノード用通信部219を介して当該セルに対応する無線基地局装置50へ送信する。
障害検出処理部511は、障害有りと判定されたセルの内、当該無線基地局装置50に対応するセルをセル管理部210へ通知する。セル管理部210は、障害検出処理部511より障害の発生が通知されたセルの再設定処理を呼処理部211へ指示する。
呼処理部211は、セル管理部210より指示されたセルの再設定処理を行う。また、障害発生の有無の判定が保留されたセルに対するアラーム信号が他の無線基地局装置50から送信され、他ノード用通信部219を介して受信された場合、呼処理部211は、受信されたアラーム信号により示される当該セルの再設定処理を行う。
第2の実施形態に従った無線システムは、無線基地局装置20の代わりに無線基地局装置50を含む点を除いて、図1に示した無線システム1と同様の構成であってよい。
無線基地局装置50が実行する障害検出方法の一例を説明する。第2の実施形態に従った障害検出方法を実行する無線基地局装置50及び周辺の無線基地局装置50の配置は、例えば、図5に示す無線基地局装置20A〜20Gと同様の配置であってよい。なお、図5に示す配置は、一例にすぎず、各無線基地局装置50の配置は、任意であってよく、ある無線基地局装置50の周辺に存在する無線基地局装置50の数は、任意の数であってよい。また、各無線基地局装置50の通信エリアの形状は、図5に示したような楕円でなくてよい。以下の説明では、無線基地局装置50の一例である無線基地局装置50A〜50Gに図5に示す無線基地局装置20A〜20Gをそれぞれ置き換えて、無線基地局装置50Aが実行する障害検出方法を具体例として説明する。
まず、無線基地局装置50は、図17に示すようなフォーマットのカバーエリア表52Aをメモリ22内に予め保持する。また、無線基地局装置50は、図18に示すようなフォーマットのカバー率表52Bをメモリ22内に予め保持する。
図17は、カバーエリア表の例図である。図17には、無線基地局装置50Aのメモリ22に保持されるカバーエリア表52Aの一例が示されている。図17に示す一例では、カバーエリア表52Aには、座標メッシュ番号及び報告セル番号が記録項目として含まれる。
座標メッシュ番号は、無線基地局装置50の周辺地域が分割された各分割区域の識別番号を示す。図19は、無線基地局装置の周辺区域に割り当てられた座標メッシュ番号の第2の例図である。図19において、無線基地局装置50A〜50Cのそれぞれの周囲に図示された楕円は、無線基地局装置50A〜50Cのそれぞれの通信エリアを表す。図19には図示されていないが、無線基地局装置50Aの通信エリアは、図7に示す無線基地局装置20Aの通信エリアと同様に、セルA−1〜セルA6により形成される。図19に示す一例では、無線基地局装置50Aの通信エリアを含む無線基地局装置50Aの周辺地域は、緯度及び経度によってメッシュ状に96個の分割区域に分割され、分割された各分割区域には、固有の座標メッシュ番号1〜96が割り当てられる。そこで、図17に示す一例では、カバーエリア表52Aの“座標メッシュ番号”欄の各行には、座標メッシュ番号1〜96が登録される。なお、図17に記載された座標メッシュ番号“…”は、図17中に明示された座標メッシュ番号以外のある座標メッシュ番号を表す。また、図19は、説明のための例示にすぎず、無線基地局装置50Aの周辺地域の分割方法及び座標メッシュ番号の割り当て方法は、任意の方法であってよい。
報告セル番号は、当該分割区域内に存在する移動端末装置10から送信された測定報告信号によって報知信号の無線品質が報告されたセルの識別子を指す。カバーエリア表52Aに記録される報告セル番号には、当該無線基地局装置50に対応する各セルのセル番号、及び周辺の無線基地局装置50に対応する各セルのセル番号が含まれ得る。図5に示す配置例では、無線基地局装置50Aに対応する各セルの番号と、周辺の無線基地局装置50B〜50Gに対応する各セルの番号とが含まれ得る。
図18は、カバー率表の例図である。図18には、無線基地局装置50Aのメモリ22に保持されるカバー率表52Bの一例が示されている。図18に示す一例では、カバー率表52Bには、セル番号、座標メッシュ番号、登録区域数、最大区域数、及びカバー率が記録項目として含まれる。
セル番号は、当該無線基地局装置50に対応する各セルの識別子、及び周辺の無線基地局装置50に対応する各セルの識別子である。図5に示す配置例では、無線基地局装置50Aに対応する各セルの番号と、周辺の無線基地局装置50B〜50Gに対応する各セルの番号とが“セル番号”欄の各行に予め登録される。なお、図18に記載されたセル番号“…”は、図18中に明示されたセル番号以外のあるセル番号を表す。
座標メッシュ番号は、カバーエリア表52Aの座標メッシュ番号と同様に、無線基地局装置50の周辺地域が分割された各分割区域の識別番号を示す。カバー率表52Bの“座標メッシュ番号”欄には、対応する当該セル番号のセルのカバーエリアを構成する分割区域の座標メッシュ番号が記録される。
登録区域数は、現時点で当該セルの無線品質が報告され得る分割区域の数を指す。登録区域数は、現時点で受信された測定報告信号から判定された当該セルに対する現在のカバーエリアの広さに対応する。最大区域数は、過去から現時点までに当該セルの無線品質が報告された分割区域の最大数を指す。最大区域数は、現時点までに受信された測定報告信号から判定された当該セルに対するカバーエリアの最大の広さに対応する。カバー率とは、最大区域数に対する登録区域数の割合である。
カバーエリア表52A及びカバー率表52Bは、無線基地局装置50が設置された時、無線基地局装置50に対応するセルの構成が変更された時、及び周辺の無線基地局装置50に対応するセルの構成が変更された時に初期状態に設定される。なお、図17及び図18に記載された記号“−”は、初期値を示す。初期値は、例えば、数値“0”であってよい。また、図17に示すようなカバーエリア表52A及び図18に示すようなカバー率表52Bは、無線基地局装置50が使用する周波数毎に保持され得る。
カバーエリア表52A及びカバー率表52Bが保持された後、無線基地局装置50の報知信号送信部212は、当該無線基地局装置50に対応する各セルへ報知信号を送信する。例えば、無線基地局装置50Aの報知信号送信部212は、図7に示すようなセルA−1〜セルA6へ報知信号を送信する。また、周辺の無線基地局装置50B〜50Gの各報知信号送信部212は、対応する各セルへ報知信号を送信する。
測定信号通信部213は、送信された測定指示信号に従って移動端末装置10から送信された測定報告信号を受信する。受信される測定報告信号は、図8に示す一例のように、位置情報と1つ以上のセルの品質情報とが含まれる。測定報告信号に含まれる位置情報は、無線品質を測定した移動端末装置10の位置を示す情報であり、例えば、移動端末装置10が存在する位置の緯度及び経度を含む。測定報告信号に含まれる各品質情報は、移動端末装置10が測定した報知信号の無線品質とその報知信号が送信されたセルのセル番号(セル識別子)とを含む。
障害検出処理部511は、測定信号通信部213により受信された測定報告信号を用いて、障害検出処理を実行する。図20A及び図20Bは、第2の実施形態に従った障害検出処理部が実行する例示的な障害検出処理のフロー図である。
測定報告信号が受信され、一連の障害検出処理が開始されると(ステップS4001)、障害検出処理部511は、測定信号通信部213により受信された測定報告信号に含まれる位置情報に従って、受信された測定報告信号を送信した移動端末装置10の位置を特定する。そして、障害検出処理部511は、特定された位置を含む分割区域に、受信された測定報告信号が送信された位置を変換し、変換された分割区域の座標メッシュ番号を抽出する(ステップS4002)。
障害検出処理部511は、測定信号通信部213により受信された測定報告信号から無線品質が報告された全てのセルのセル番号を抽出する(ステップS4003)。そして、障害検出処理部511は、抽出された座標メッシュ番号に対応してカバーエリア表52Aに記録された報告セル番号と、抽出されたセルのセル番号とを比較する(ステップS4004)。
ステップS4004での比較の結果、抽出されたセルのセル番号の中に、抽出された座標メッシュ番号に対応する報告セル番号としてカバーエリア表52Aに記録されていないセル番号が存在する場合(ステップS4004で“(1)”)、一連の障害検出処理は、ステップS4005の処理へ進められる。
カバーエリア表52Aにおいて、障害検出処理部511は、抽出された座標メッシュ番号に対応する“報告セル番号”欄に、抽出された当該セルのセル番号を追加登録する(ステップS4005)。また、カバー率表52Bにおいて、障害検出処理部511は、抽出された当該セルのセル番号に対応する“座標メッシュ番号”欄に、抽出された座標メッシュ番号を追加登録する(ステップS4006)。
障害検出処理部511は、抽出された当該セルのセル番号に対応する分割区域数に1を加算する(ステップS4007)。そして、障害検出処理部511は、加算された当該セルの分割区域数が当該セルの最大分割数よりも大きいか否かを判定する(ステップS4008)。
加算された当該セルの分割区域数が当該セルの最大分割数よりも大きいと判定される場合(ステップS4008で“YES”)、障害検出処理部511は、加算された当該セルの分割区域数を当該セルの最大分割数としてカバー率表52Bに記録する(ステップS4009)。加算された当該セルの分割区域数が当該セルの最大分割数以下であると判定される場合(ステップS4008で“NO”)、障害検出処理部511は、ステップS4010の処理へ進む。
障害検出処理部511は、当該セルの分割区域数を当該セルの最大分割数で除算して、当該セルのカバー率を計算する(ステップS4010)。そして、障害検出処理部511は、受信された測定報告信号に対する一連の障害検出処理を終了する(ステップS4021)。
ステップS4006〜ステップS4010の処理の一例を説明する。例えば、カバーエリア表52A及びカバー率表52Bが図17及び図18に示すような初期状態であるときに、測定報告信号が受信されたと仮定する。また、受信された測定報告信号の位置座標に従って抽出された分割区域の座標メッシュ番号は、33であると仮定する。受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルのセル番号は、セルA−2、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5であると仮定する。カバーエリア表52Aが初期状態である場合、抽出された座標メッシュ番号33に対応する“報告セル番号”欄には、報告セル番号が記録されていない。そこで、障害検出処理部511は、抽出されたセルのセル番号の中に、抽出された座標メッシュ番号に対応する報告セル番号としてカバーエリア表52Aに記録されていないセル番号A−2、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5が存在すると判定する(ステップS4004で“(1)”)。
図21は、登録処理されたカバーエリア表の例図である。ステップS4005において、障害検出処理部511は、座標メッシュ番号33に対応する“報告セル番号”欄にセル番号としてのセルA−2、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5を追加登録する(図21)。
図22は、登録処理されたカバー率表の例図である。ステップS4006において、障害検出処理部511は、セルA−2、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5に対応する各“座標メッシュ番号”欄に、抽出された座標メッシュ番号33を追加登録する(図22)。ステップS4007において、障害検出処理部511は、セルA−2、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5に対応する各登録区域数に“1”を加算する(図22)。加算された登録区域数“1”は、初期化状態の最大区域数“0”より大きいため(ステップS4008で“YES”)、ステップS4009において、障害検出処理部511は、セルA−2、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5に対応する各最大区域数を登録区域数と同数の“1”に変更する(図22)。ステップS4010において、障害検出処理部511は、登録区域数“1”を最大区域数“1”で除算することにより各々のカバー率を計算し、計算されたカバー率“100%”を記録する(図22)。
ステップS4004での比較の結果、受信された測定報告信号から抽出された全てのセルのセル番号と、抽出された座標メッシュ番号に対応してカバーエリア表52Aに記録された全ての報告セル番号とが一致する場合(ステップS4004で“(2)”)、受信された当該測定報告信号に対する一連の障害検出処理は、終了される(ステップS4021)。
例えば、カバーエリア表52A及びカバー率表52Bが図23及び図24に示すような記録状態であるときに、測定報告信号が受信されたと仮定する。図23は、ある時点におけるカバーエリア表の例図である。図24は、ある時点におけるカバー率表の例図である。また、受信された測定報告信号の位置座標に従って抽出された分割区域の座標メッシュ番号は、32であると仮定する。受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルは、セルA−2、セルA−3、及びセルB−5であると仮定する。
カバーエリア表52Aが図23に示す記録状態である場合、抽出された座標メッシュ番号32に対応する“報告セル番号”欄には報告セル番号としてセルA−2、セルA−3、及びセルB−5が記録されている。そこで、障害検出処理部511は、受信された測定報告信号から抽出された全てのセルのセル番号と、抽出された座標メッシュ番号に対応してカバーエリア表52Aに記録された全ての報告セル番号とが一致と判定する(ステップS4004で“(2)”)。ステップS4004で“(2)”と判定される場合、カバーエリア表52A及びカバー率表52Bに既に記録されたセルへ送信された電波の受信環境に変化はない。そこで、障害検出処理部511は、一連の障害検出処理を終了する(ステップS4021)。
ステップS4004での比較の結果、受信された測定報告信号から抽出された座標メッシュ番号に対応してカバーエリア表52Aに既に記録された報告セル番号の中に、受信された測定報告信号から抽出されない報告セル番号が存在する場合(ステップS4004で“(3)”)、一連の障害検出処理は、ステップS4011の処理へ進められる。
カバーエリア表52Aにおいて、障害検出処理部511は、抽出された座標メッシュ番号に対応する“報告セル番号”欄から当該報告セル番号を削除する(ステップS4011)。また、カバー率表52Bにおいて、障害検出処理部511は、当該報告セル番号と同じセル番号に対応する“座標メッシュ番号”欄から、抽出された座標メッシュ番号を削除する(ステップS4012)。
カバー率表52Bにおいて、障害検出処理部511は、当該報告セル番号と同じセル番号に対応する分割区域数から1を減算する。そして、障害検出処理部511は、減算された当該セルの分割区域数を当該セルの最大分割数で除算して、当該セルのカバー率を計算する(ステップS4013)。障害検出処理部511は、計算されたカバー率が所定の閾値未満であるか否かを判定する(ステップS4014)。
計算されたカバー率が所定の閾値以上であると判定される場合(ステップS4014で“NO”)、障害検出処理部511は、当該報告セル番号のセルに対して障害無しと判定する(ステップS4019)。一方、計算されたカバー率が所定の閾値未満であると判定される場合(ステップS4014で“YES”)、障害検出処理部511は、当該報告セル番号のセルが一連の障害検出処理を実行している当該無線基地局装置50に対応するセルであるか否かを判定する(ステップS4015)。
当該報告セル番号のセルが障害検出処理を実行している当該無線基地局装置50に対応するセルではないと判定される場合(ステップS4015で“NO”)、障害検出処理部511は、当該セル番号のセルに対して障害有りと判定する(ステップS4016)。障害検出処理を実行している当該無線基地局装置50は、他の無線基地局装置50に対応する各セルの運用状態を把握しない。そこで、障害検出処理部511は、他の無線基地局装置50に対応する各セルの運用状態を運用中とみなし、運用中であるにもかかわらずカバーエリアとして記録された分割区域から無線品質が報告されないセルに対して障害有りと判定する。
当該報告セル番号のセルが当該無線基地局装置50に対応するセルであると判定される場合(ステップS4015で“YES”)、障害検出処理部511は、セル状態表22Bを参照する(ステップS4017)。そして、障害検出処理部511は、当該報告セル番号のセルの運用状態が運用中であるか否かを確認する(ステップS4018)。
当該報告セル番号のセルの運用状態が停波中であると確認される場合(ステップS4018で“NO”)、障害検出処理部511は、当該報告セル番号のセルに対して障害無しと判定する(ステップS4019)。一方、当該報告セル番号のセルの運用状態が運用中であると確認される場合(ステップS4018で“YES”)、障害検出処理部511は、当該報告セル番号のセルに対して障害有りと判定する(ステップS4016)。
障害検出処理部511は、ステップS4016又はステップS4019での障害判定結果をセル状態表22Bに記録する(ステップS4020)。そして、受信された当該測定報告信号に対する一連の障害検出処理は終了される(ステップS4021)。
ステップS4011〜ステップS4020の処理の一例を説明する。例えば、ある時点においてカバーエリア表52A及びカバー率表52Bが図23及び図24にそれぞれ示すような記録状態であったときに、測定報告信号が受信されたと仮定する。また、受信された測定報告信号の位置座標に従って抽出された分割区域の座標メッシュ番号は、33であると仮定する。受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルのセル番号は、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5であると仮定する。
カバーエリア表52Aが図23に示すような記録状態である場合、抽出された座標メッシュ番号33に対応する“報告セル番号”欄に記録された報告セル番号A−2は、受信された測定報告信号により報告されたセル番号に存在しない。そこで、障害検出処理部511は、受信された測定報告信号から抽出された座標メッシュ番号33に対応してカバーエリア表52Aに既に記録された報告セル番号の中に、受信された測定報告信号から抽出されない報告セル番号A−2が存在すると判定する(ステップS4004で“(3)”)。
図25は、削除処理されたカバーエリア表の例図である。ステップS4011において、障害検出処理部511は、カバーエリア表52A内で抽出された座標メッシュ番号33に対応する“報告セル番号”欄から報告セル番号A−2を削除する(図25)。
図26は、削除処理されたカバー率表の例図である。ステップS4012において、障害検出処理部511は、カバー率表52B内で報告セル番号A−2と同じセル番号に対応する“座標メッシュ番号”欄から、抽出された座標メッシュ番号33を削除する(図26)。ステップS4013において、障害検出処理部511は、カバー率表52Bにおいて報告セル番号A−2と同じセル番号に対応する分割区域数“15”から1を減算する(図26)。そして、障害検出処理部511は、減算された当該セルの分割区域数“14”を当該セルの最大分割数“15”で除算し、当該セルのカバー率“93%”を計算する(図26)。ステップS4014において、障害検出処理部511は、計算されたカバー率が所定の閾値未満であるか否かを判定する。
例えば、所定の閾値が90%に設定されていたと仮定する。この場合、ステップS4014において、障害検出処理部511は、計算されたカバー率(“93%”)が所定の閾値(“90%”)以上であると判定する。そこで、ステップS4019において、障害検出処理部511は、報告セル番号A−2のセルに対して障害無しと判定する。ステップS4020において、障害検出処理部511は、報告セル番号A−2の障害判定結果として障害無しとセル状態表22Bに記録する。そして、ステップS4021において、受信された当該測定報告信号に対する一連の障害検出処理は終了される。
その後、測定報告信号が新たに受信されたと仮定する。新たに受信された測定報告信号の位置座標に従って抽出された分割区域の座標メッシュ番号は、34であると仮定する。また、受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルのセル番号は、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5であると仮定する。図25に示すカバーエリア表52Aでは、座標メッシュ番号34に対応する報告セル番号は、セルA−2、セルA−3、セルB−4、及びセルB−5である。しかしながら、新たに受信された測定報告信号においては、セルA−2の無線品質が報告されていない。
同一のセルに対する報知信号の無線品質が複数の測定報告信号において報告されないこうしたケースは、例えば、報知信号及び測定指示信号といった電波が無線基地局装置50AからセルA−2へ送信されないときに発生し得る。無線基地局装置50AからセルA−2への送信機能に障害が発生した場合、セルA−2の内外に存在する移動端末装置10は、セルA−2の報知信号を受信できない。このため、任意の分割区域中に存在する移動端末装置10から送信される全ての測定報告信号には、セルA−2の無線品質情報が含まれない。すなわち、図26に示すカバー率表52Bでは、座標メッシュ番号18〜22、30〜32、34〜35、及び42〜45の各分割区域内に存在する移動端末装置10から送信された測定報告信号には、セルA−2の無線品質情報が含まれなくなる。
このように、無線基地局装置50AからセルA−2への送信機能に障害が発生した場合、受信された測定報告信号から抽出された座標メッシュ番号に対応してカバーエリア表52Aに既に記録された報告セル番号の中に、受信された測定報告信号から抽出されない報告セル番号A−2が存在すると判定され得る(ステップS4004で“(3)”)。この結果、ステップS4011〜S4013の処理が繰り返され、カバー率表52Bにおいて報告セル番号A−2に対応する登録区域数は減少し、セルA−2のカバー率は、閾値未満に低下する(ステップS4014で“YES”)。
図27は、セル状態表の第2の例図である。セルA−2は、一連の障害検出処理を実行している無線基地局装置50Aに対応するセルである(ステップS4015で“YES”)。そこで、図27に示すセル状態表22BのようにセルA−2の運用状態が運用中であると確認されると(ステップS4018で“YES”)、障害検出処理部511は、セルA−2に対して障害有りと判定する(ステップS4016)。そして、図27に示すように、障害検出処理部511は、セルA−2に対応する“障害判定結果”欄に障害有りと記録する(ステップS4020)。
障害検出処理部511は、障害有りと判定されたセルをアラーム信号送信部218へ通知する。また、障害検出処理部511は、当該無線基地局装置50に対応するセルの内、障害有りと判定されたセルをセル管理部210へ通知する。図23〜図27を用いて前述した一例では、障害検出処理部511は、障害有りと判定されたセルA−2をアラーム信号送信部218へ通知する。
アラーム信号送信部218は、障害検出処理部511から通知されたセルに障害が検出されたことを示すアラーム信号を生成し、生成されたアラーム信号を障害監視装置40へ送信する。アラーム信号送信部218から送信されたアラーム信号は、ネットワークインタフェース25が提供するS1インタフェースといった第1のIPインタフェースを介して障害監視装置40へ送信される。図23〜図27を用いて前述した一例では、アラーム信号送信部218は、セルA−2に対するアラーム信号を生成し、生成された各アラーム信号を障害監視装置40へ送信する。
また、アラーム信号装置部218は、障害検出処理部511から通知されたセルの内、他の無線基地局装置50に対応するセルに対するアラーム信号を当該他の無線基地局装置50へ送信する。アラーム信号送信部218から送信されたアラーム信号は、ネットワークインタフェース25が提供するX2インタフェースといった第2のIPインタフェースを介して他の無線基地局装置50へ送信される。
セル管理部210は、障害検出処理部511から通知されたセルの再設定処理を呼処理部211へ指示する。前述した一例では、セル管理部210は、セルA−2の再設定処理を呼処理部211へ指示する。
呼処理部211は、セル管理部210より指示されたセルの再設定処理を行う。また、他の無線基地局装置50から送信されたアラーム信号が受信された場合、呼処理部211は、受信されたアラーム信号により示されるセルの再設定処理を行う。
発生した障害が呼処理に関するバグといったソフトウェアに起因する場合、呼処理部211による再設定処理によってセルの障害は復旧され得る。また、発生した障害が無線通信インタフェース23の故障といったハードウェアに起因する場合、保守管理者は、障害監視装置40へ通知された障害アラームによって、障害が発生したセルを特定し、特定されたセルの復旧作業を行い得る。
このように、第2の実施形態に従った無線基地局装置によれば、無線基地局装置から対応するセルへの送信機能に発生した障害をサイレント障害とせずに検出できる。また、第2の実施形態に従った無線基地局装置によれば、障害発生が検出されたセルを早期に特定でき、早期に復旧し得る。
以上の実施形態を含む本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
無線基地局装置に対応するセルへ報知信号を送信する報知信号送信部と、
前記報知信号送信部により送信された前記報知信号の無線品質の測定を指示する測定指示信号を前記セルに存在する移動端末装置へ送信し、前記セルに対する前記無線品質の測定を報告する測定報告信号を前記移動端末装置から受信する測定信号通信部と、
前記測定信号通信部により受信された前記測定報告信号に第1のセルに対する無線品質の測定報告が含まれない場合に、前記第1のセルのカバーエリア内に存在する移動端末装置により測定された第2のセルに対する無線品質の測定報告を含む測定報告信号が受信されたか否かに従って、前記無線基地局装置から前記第1のセルへの送信機能に関する前記第1のセルの障害を検出する障害検出処理部と、
前記障害検出部により前記第1のセルに障害が検出された場合に、障害が検出された前記第1のセルの通知を前記障害検出処理部から受信し、前記第1のセルの障害発生を通知するアラーム信号を障害監視装置へ送信するアラーム信号送信部と
を含む無線基地局装置。
(付記2)
各セルの障害発生を所定の監視周期で監視する監視周期タイマを管理するタイマ管理部と、
前記タイマ管理部により管理される前記監視周期タイマが満了するまでに受信された各測定報告信号に対して、受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルと、前記無線基地局装置の周辺地域が分割された分割区域の中で、受信された前記測定報告信号を送信した移動端末装置の位置を含む分割区域とを抽出し、抽出された前記セルと抽出された前記分割区域とを対応づけて報告管理表に記録する位置座標検出部と、
を更に含み、
前記障害検出処理部は、
前記タイマ管理部により管理される前記監視周期タイマ満了後に、抽出された前記セルに対応付けて記録された前記分割区域を、抽出された前記セルのカバーエリアとして前記報告管理表に記録し、
前記第1のセルに対する無線品質の測定報告が前記報告管理表に無く、前記第1のセルの前記カバーエリアに含まれる少なくとも一部の分割区域が他の少なくとも一部のセルに対して無線品質が報告されている分割区域である場合に、前記第1のセルに対して障害有りと判定する、
付記1に記載の無線基地局装置。
(付記3)
前記障害検出処理部は、
受信された各測定報告信号に対して、受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルと、前記無線基地局装置の周辺地域が分割された分割区域の中で、受信された前記測定報告信号を送信した移動端末装置の位置を含む分割区域とを抽出し、抽出された前記セルと抽出された前記分割区域とを対応づけてカバーエリア表に記録し、
受信された測定報告信号から抽出された分割区域に対応付けて前記カバーエリア表に記録されたセルの中に、受信された測定報告信号から抽出されない前記第1のセルが存在する場合、抽出された前記分割区域を前記第1のセルのカバーエリアから除外して、前記第1のセルのカバー率を計算し、
計算された前記カバー率が所定の閾値未満である場合、前記第1のセルに対して障害有りと判定する、
付記1に記載の無線基地局装置。
(付記4)
前記第1のセルが他の無線基地局装置に対応するセルである場合、前記アラーム信号送信部は、前記第1のセルに対応する前記他の無線基地局装置へ前記アラーム信号を送信する、付記1〜3の何れか一項に記載の無線基地局装置。
(付記5)
無線基地局装置から前記無線基地局装置に対応するセルへ送信された報知信号と、送信された前記報知信号の無線品質の測定を指示する測定指示信号とを受信し、受信された前記測定指示信号に従って受信された前記報知信号の無線品質を測定し、測定された前記セルに対する無線品質の測定報告を含む測定報告信号を前記無線基地局装置へ送信する移動端末装置と、
前記報知信号及び前記測定指示信号を前記セルに存在する移動端末装置へ送信し、前記測定報告信号を前記移動端末装置から受信し、受信された前記測定報告信号に第1のセルに対する無線品質の測定報告が含まれない場合に、前記第1のセルのカバーエリア内に存在する移動端末装置により測定された第2のセルに対する無線品質の測定報告を含む測定報告信号が受信されたか否かに従って、前記無線基地局装置から前記第1のセルへの送信機能に関する前記第1のセルの障害を検出し、前記第1のセルに障害が検出された場合に、前記第1のセルの障害発生を通知するアラーム信号を障害監視装置へ送信する無線基地局装置と
を含む無線システム。
(付記6)
前記無線基地局装置は、
各セルの障害発生を所定の監視周期で監視する監視周期タイマを管理し、
管理された前記監視周期タイマが満了するまでに受信された各測定報告信号に対して、受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルと、前記無線基地局装置の周辺地域が分割された分割区域の中で、受信された前記測定報告信号を送信した移動端末装置の位置を含む分割区域とを抽出し、抽出された前記セルと抽出された前記分割区域とを対応づけて報告管理表に記録し、
管理された前記監視周期タイマ満了後に、抽出された前記セルに対応付けて記録された前記分割区域を、抽出された前記セルのカバーエリアとして前記報告管理表に記録し、
前記第1のセルに対する無線品質の測定報告が前記報告管理表に無く、前記第1のセルの前記カバーエリアに含まれる少なくとも一部の分割区域が他の少なくとも一部のセルに対して無線品質が報告されている分割区域である場合に、前記第1のセルに対して障害有りと判定する、
付記5に記載の無線システム。
(付記7)
前記無線基地局装置は、
受信された各測定報告信号に対して、受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルと、前記無線基地局装置の周辺地域が分割された分割区域の中で、受信された前記測定報告信号を送信した移動端末装置の位置を含む分割区域とを抽出し、抽出された前記セルと抽出された前記分割区域とを対応づけてカバーエリア表に記録し、
受信された測定報告信号から抽出された分割区域に対応付けて前記カバーエリア表に記録されたセルの中に、受信された測定報告信号から抽出されない前記第1のセルが存在する場合、抽出された前記分割区域を前記第1のセルのカバーエリアから除外して、前記第1のセルのカバー率を計算し、
計算された前記カバー率が所定の閾値未満である場合、前記第1のセルに対して障害有りと判定する、
付記5に記載の無線システム。
(付記8)
前記第1のセルが他の無線基地局装置に対応するセルである場合、前記無線基地局装置は、前記第1のセルに対応する前記他の無線基地局装置へ前記アラーム信号を送信する、付記5〜7の何れか一項に記載の無線システム。
(付記9)
無線基地局装置が、前記無線基地局装置に対応するセルへ報知信号を送信し、送信された前記報知信号の無線品質の測定を指示する測定指示信号を前記セルに存在する移動端末装置へ送信し、
前記移動端末装置が、前記無線基地局装置から送信された前記報知信号と前記測定指示信号とを受信し、受信された前記測定指示信号に従って受信された前記報知信号の無線品質を測定し、測定された前記セルに対する無線品質の測定報告を含む測定報告信号を前記無線基地局装置へ送信し、
前記無線基地局装置が、前記測定報告信号を前記移動端末装置から受信し、受信された前記測定報告信号に第1のセルに対する無線品質の測定報告が含まれない場合に、前記第1のセルのカバーエリア内に存在する移動端末装置により測定された第2のセルに対する無線品質の測定報告を含む測定報告信号が受信されたか否かに従って、前記無線基地局装置から前記第1のセルへの送信機能に関する前記第1のセルの障害を検出し、前記第1のセルに障害が検出された場合に、前記第1のセルの障害発生を通知するアラーム信号を障害監視装置へ送信する
障害検出方法。
(付記10)
前記無線基地局装置は、
各セルの障害発生を所定の監視周期で監視する監視周期タイマを管理し、
管理された前記監視周期タイマが満了するまでに受信された各測定報告信号に対して、受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルと、前記無線基地局装置の周辺地域が分割された分割区域の中で、受信された前記測定報告信号を送信した移動端末装置の位置を含む分割区域とを抽出し、抽出された前記セルと抽出された前記分割区域とを対応づけて報告管理表に記録し、
管理された前記監視周期タイマ満了後に、抽出された前記セルに対応付けて記録された前記分割区域を、抽出された前記セルのカバーエリアとして前記報告管理表に記録し、
前記第1のセルに対する無線品質の測定報告が前記報告管理表に無く、前記第1のセルの前記カバーエリアに含まれる少なくとも一部の分割区域が他の少なくとも一部のセルに対して無線品質が報告されている分割区域である場合に、前記第1のセルに対して障害有りと判定する、
付記9に記載の障害検出方法。
(付記11)
前記無線基地局装置は、
受信された各測定報告信号に対して、受信された測定報告信号により無線品質が報告されたセルと、前記無線基地局装置の周辺地域が分割された分割区域の中で、受信された前記測定報告信号を送信した移動端末装置の位置を含む分割区域とを抽出し、抽出された前記セルと抽出された前記分割区域とを対応づけてカバーエリア表に記録し、
受信された測定報告信号から抽出された分割区域に対応付けて前記カバーエリア表に記録されたセルの中に、受信された測定報告信号から抽出されない前記第1のセルが存在する場合、抽出された前記分割区域を前記第1のセルのカバーエリアから除外して、前記第1のセルのカバー率を計算し、
計算された前記カバー率が所定の閾値未満である場合、前記第1のセルに対して障害有りと判定する、
付記9に記載の障害検出方法。
(付記12)
前記第1のセルが他の無線基地局装置に対応するセルである場合、前記無線基地局装置は、前記第1のセルに対応する前記他の無線基地局装置へ前記アラーム信号を送信する、付記9〜11の何れか一項に記載の障害検出方法。