以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[基本原理]
図1を参照して本発明に係る光源制御装置30及び照明器具3の基本原理を説明する。照明器具3は、光源制御装置30と、点灯負荷340とを備える。光源制御装置30は、電力供給部31と、信号生成部32とを備える。電力供給部31は、点灯負荷340に電力を供給する。
信号生成部32には、伝送信号が入力される。信号生成部32は、伝送信号に基づいて、電力供給部31から点灯負荷340へ供給される電力を制御するための制御信号を生成する。
信号生成部32は、伝送信号が信号生成部32の想定する電力制御方式(以下、想定電力制御方式と記載することがある。)の信号である場合、伝送信号に従って点灯負荷340が点灯するように制御信号を生成する。具体的には、照明器具3が位相調光方式の照明器具であり、伝送信号として位相調光方式の信号が信号生成部32に入力された場合、信号生成部32は、伝送信号に従って点灯負荷340が点灯するように制御信号を生成する。
一方、伝送信号が想定電力制御方式の信号ではない場合、予め決められたように点灯負荷340が点灯するように制御信号を生成する。具体的には、照明器具3が位相調光方式の照明器具であり、伝送信号としてPWM調光方式の信号が信号生成部32に入力された場合、予め決められたように点灯負荷340が点灯するように制御信号を生成する。
例えば、伝送信号が想定電力制御方式の信号ではない場合、信号生成部32は、点灯負荷340が最小の点灯レベルで点灯するように制御信号を生成する。あるいは、伝送信号が想定電力制御方式の信号ではない場合、信号生成部32は、点灯負荷340が間欠点灯(フラッシュ点灯)するように制御信号を生成する。このように、伝送信号が想定電力制御方式の信号ではない場合、点灯負荷340が通常の点灯と異なる点灯をするため、伝送信号の電力制御方式が照明器具の想定する電力制御方式に適合しないことをユーザーは簡便に知ることができる。
また、照明器具3が位相調光方式の照明器具であり、伝送信号として途切れの無い正弦波状の交流電圧が供給された場合、調光のために必要なデータが照明器具3に入力されないため、信号生成部32は、予め決められたように点灯負荷340が点灯するように制御信号を生成する。
以上、図1を参照して説明したように、伝送信号が想定電力制御方式の信号ではない場合、信号生成部32は、予め決められたように点灯負荷340が点灯するように制御信号を生成する。従って、伝送信号の電力制御方式が照明器具の想定する電力制御方式に適合しない場合でも、ユーザーがその事実を簡便に知ることができる。
なお、信号生成部32は、所定の期間経過しても想定電力制御方式の信号が入力されない場合、伝送信号が想定電力制御方式の信号ではないと判定することが好ましい。所定の期間経過後になっても想定電力制御方式の信号が入力されない場合、照明器具3は、伝送信号の電力制御方式が照明器具の想定する電力制御方式に適合していないことを簡便にユーザーに知らせることができる。
なお、上述した説明では、信号生成部32の想定電力制御方式は、位相調光方式及びPWM調光方式であったが、本発明はこれに限定されない。
例えば、信号生成部32は、電力制御方式として、調光方式に加えて所定の方式を想定していてもよい。一例として、信号生成部32は、位相調光方式又はPWM調光方式の伝送信号に所定の設定信号が組み込まれている場合に、伝送信号に従って点灯負荷340が点灯するように制御信号を生成する。一方、伝送信号がたとえ位相調光方式又はPWM調光方式であっても所定の設定信号が組み込まれていない場合には、信号生成部32は、予め決められたように点灯負荷340が点灯するように制御信号を生成してもよい。
また、上述した説明では、照明器具の電力制御方式の具体例として、一般的な位相調光方式及びPWM調光方式について説明したが、本発明はこれに限定されない。照明器具の電力制御方式として、位相調光方式及びPWM調光方式のいずれとも異なる方式を用いてもよい。
以下、図2を参照して、位相調光方式及びPWM調光方式のいずれとも異なる方式の伝送信号をコントローラー2から本実施形態の照明器具3に出力する照明システム1を説明する。
図2は本発明の一実施形態に係る照明システム1の要部を示すブロック図である。図2に示すように、照明システム1は、コントローラー(照明制御装置の一例)2と、照明器具3とを備える。照明システム1において、コントローラー2は照明器具3に伝送信号を出力する。ここでは、コントローラー2から出力される伝送信号は、照明器具3の信号生成部32の想定している電力制御方式の信号である。
コントローラー2は、商用電源5に電気的に接続され、商用電源5から給電される。照明器具3は、コントローラー2を介して商用電源5に電気的に接続され、商用電源5から給電される。
照明器具3において、光源制御装置30は、電力供給部31と、信号生成部32とを備える。ここでは、電力供給部31は、整流回路310と、平滑回路320と、定電流回路330とを含む。定電流回路330は、第1点灯負荷340に電流を供給する第1定電流回路330aと、第2点灯負荷340に電流を供給する第2定電流回路330bとを有している。
コントローラー2は、照明器具3から発生する光の光量及び光色(例えば、相関色温度)を制御する機器であり、コントローラー2の起動時、又は照明器具3から発生する光の光量及び光色又はそれらのうちの一方を変更する際に、電力線4a、4bを通じて、光量及び光色を設定する伝送信号を照明器具3へ伝送する。照明器具3は、コントローラー2から伝送された伝送信号に応じた光量及び光色の光を発生させる。
詳しくは、コントローラー2はスイッチ部21を有し、コントローラー2の起動時、又は照明器具3から発生する光の光量及び光色又はそれらのうちの一方を変更する際に、商用電源5から供給される交流電圧の波形が、制御信号設定区間において、設定された切り欠きのパターンを有するように、スイッチ部21が、商用電源5から供給される交流電圧の導通を制御する。この切り欠きのパターンを有する交流電圧が、照明器具3へ伝送される。照明器具3は、切り欠きのパターンを有する交流電圧を、光を発生させるためのエネルギー源として利用する一方で、その光の光量及び光色を、切り欠きのパターンに従う光量及び光色にする。つまり、制御信号設定区間に含まれる切り欠きのパターンが、光量及び光色を設定する信号として照明器具3へ送信される。
以上のように、照明器具3から発生する光の光量及び光色を設定する伝送信号が、コントローラー2から電力線4a、4bを介して照明器具3へ伝送される。従って、伝送信号を伝送するための専用の信号線を敷設することなく、調光調色制御を行うことができる。
以下、照明システム1について、更に詳しく説明する。コントローラー2は4線式のコントローラーであり、室内の壁等に敷設される。照明器具3は、例えば、ダウンライト又は間接照明である。コントローラー2及び照明器具3は、それぞれ、電力線4a、4bを介して商用電源5に電気的に接続される。商用電源5は、電力線4a、4bを介してコントローラー2及び照明器具3に給電する。
コントローラー2は、スイッチ部21と、駆動部22と、入力部23と、表示部24と、第1制御部25と備える。
スイッチ部21は、電力線4aに介装される。スイッチ部21は、商用電源5から供給される交流電圧の波形が、制御信号設定区間において、設定された切り欠きのパターンを有するように、商用電源5から供給される交流電圧の導通を制御する。また、スイッチ部21は、制御信号設定区間以外の区間において、交流電圧を連続的に通過させる。駆動部22は、スイッチ部21を駆動する駆動信号を生成する。第1制御部25は、駆動部22を介して、スイッチ部21の動作を制御する。
スイッチ部21に含まれるスイッチ素子は、好ましくは半導体スイッチである。本実施形態では、電源として商用電源5が使用されるため、スイッチ部21に含まれるスイッチ素子として、半導体スイッチの一例である双方向サイリスタ(所謂トライアック)を使用することが好ましい。本実施形態では、スイッチ部21のスイッチとして双方向サイリスタが使用される。図3はスイッチ部21の一例を示す図である。図3に示すように、双方向サイリスタ6のゲートに駆動部22が電気的に接続する。駆動部22は、双方向サイリスタ6のゲートを駆動する駆動信号を発生する。詳しくは、駆動部22は、双方向サイリスタ6をターンオンさせるパルス状の駆動信号を発生する。
ここで再び図2を参照する。コントローラー2の入力部23は、ユーザーインターフェースであり、例えば、複数個の押しボタンを含む。ユーザーは、入力部23を介して、照明器具3の光量及び光色の少なくとも一方の変更を指示することができる。ユーザーによる変更指示は、入力部23を介して第1制御部25に入力される。
第1制御部25は、例えばマイクロコンピューターである。第1制御部25は、ユーザーによる変更指示に従い、切り欠きのパターンを設定する。そして、第1制御部25は、制御信号設定区間において、交流電圧の波形が、設定された切り欠きのパターンを有するように、駆動部22を介してスイッチ部21の動作を制御する。具体的には、第1制御部25は、切り欠きのパターンとして、光量を示す第1パターン、及び光色を示す第2パターンを設定する。第1パターン及び第2パターンの設定は、例えば、第1制御部25の記憶部25aにルックアップテーブルを記憶させておくことで実現してもよい。
例えば、ユーザーが光量及び光色の変更を指示した場合、第1制御部25は、ユーザーが指示した光量及び光色をそれぞれ示す第1及び第2パターンを設定する。また、ユーザーが光量の変更のみを指示した場合、第1制御部25は、ユーザーが指示した光量を示す第1パターンと、現在の光色を示す第2パターンとを設定する。
第1制御部25は、入力部23を介してユーザーが入力(登録)した光量及び光色の情報を記憶部25aに記憶させてもよい。これにより、例えばコントローラー2の電源投入時に、第1制御部25は、記憶部25aに記憶された光量及び光色の情報を用いて切り欠きのパターンを設定することができる。よって、電源投入時に、ユーザーが前回登録した光量及び光色の光を再現することができる。
また第1制御部25は、表示部24を制御して、表示部24に、ユーザーによる光量及び光色の登録を視覚的に補助する情報を表示させる。詳しくは、表示部24は、家屋や事務所等に照明システム1が設置された直後の初期段階では、規定された光量及び光色の情報を表示する。規定された光量及び光色の情報は記憶部25aに記憶されており、初期段階では、この規定された光量及び光色の光が照明器具3から照射される。その後、表示部24は、入力部23を介して入力された変更の指示に応じた光量及び光色の情報を表示する。これにより、ユーザーは、表示部24を見ながら、所望の光量及び光色を登録することができる。
また本実施形態では、電源として商用電源5が使用されるため、コントローラー2はゼロクロス検出部26を備える。ゼロクロス検出部26が、交流電圧波形のゼロクロスポイントを検出し、第1制御部25は、ゼロクロス検出部26の検出結果に基づいてスイッチ部21の動作(双方向サイリスタ6のターンオン)を制御する。詳しくは、第1制御部25は、ゼロクロス検出部26の検出結果に基づいて、駆動部22が駆動信号を発生するタイミングを制御する。
図4は、駆動部22が生成する駆動信号61の一例を示す図である。より具体的には、図4(a)は、スイッチ部21を通過した交流電圧51を示し、図4(b)は駆動信号61を示す。
図4に示すように、交流電圧51の波形に切り欠き53を形成する際、交流電圧51の半波が始まるゼロクロスポイント52から所定の時間遅延したタイミングTで、駆動信号61の生成が開始される(駆動信号61が立ち上がる)。本実施形態では、スイッチ部21のスイッチ素子が双方向サイリスタ6であるため、ゼロクロスポイント52において双方向サイリスタ6が点弧されない場合、双方向サイリスタ6はゼロクロスポイント52においてターンオフする。従って、交流電圧51の半波が始まるゼロクロスポイント52から所定の時間遅延したタイミングTで駆動信号61を立ち上げることで、双方向サイリスタ6は、交流電圧51の半波が始まるゼロクロスポイント52から所定の時間遅延したタイミングTでターンオンする。これにより、所定の幅の切り欠き53が交流電圧51の波形に形成される。
双方向サイリスタ6の点弧角は90度未満とする。これにより、交流電圧51の半波の波形のうち、該半波が始まるゼロクロスポイント52から、該半波の位相角度90度未満の位置までが切り欠かれる。このように双方向サイリスタ6の点弧角を90度未満とすることで、ノイズの発生を抑制することができる。更に好ましくは、交流電圧51の半波が始まるゼロクロスポイント52から2.5m秒の範囲内で双方向サイリスタ6を点弧する。これにより、交流電圧51の半波の波形のうち、該半波が始まるゼロクロスポイント52から2.5m秒以内の位置までが切り欠かれるため、照明器具3へ送る電力の損失を抑制することができる。
一方、スイッチ部21が交流電圧51の半波を導通させる際には、駆動信号61は、該半波が開始するゼロクロスポイント52において立ち上り、該半波が終わるゼロクロスポイント52の手前で立ち下がる。つまり、第1制御部25は、交流電圧51の半波が始まるゼロクロスポイント52から該半波が終わるゼロクロスポイント52の手前まで駆動信号61が生成されるように、駆動部22を制御する。駆動信号61を立ち下げるタイミングは、第1制御部25が交流電圧51の周波数を判定して決定する。
以上、コントローラー2について説明した。なお、コントローラー2は図示しない電源回路を備えている。該電源回路は電力線4a、4bに電気的に接続しており、コントローラー2の各部の動作に必要な電力を、電力線4a、4bを伝送される交流電圧51に基づいて生成している。また、入力部23は、タッチパネルで形成されてもよい。タッチパネルは、表示部24に設けられてもよい。また入力部23は、赤外線リモートコントローラーなどから送信される赤外線を受光可能な赤外線受光部を含むことができる。
この場合、赤外線リモートコントローラーなどから伝送された赤外線コード信号が赤外線受光部を介して第1制御部25に伝送される。例えば、赤外線リモートコントローラーの筐体に、光量アップボタン、光量ダウンボタン、光色アップボタン、及び光色ダウンボタンが設けられている場合、ユーザーがいずれかのボタンを1回押下する毎に、赤外線コード信号によって、ユーザーが変更を指示した光量又は光色の情報が第1制御部25へ送られる。従って、例えば、ユーザーが光量ダウンボタンを押下した場合、第1制御部25は、ユーザーが指示した光量を示す第1パターンと、現在の光色を示す第2パターンとを設定する。
続いて、照明器具3について説明する。図2に示すように、照明器具3は、電力供給部31と信号生成部32とを備える。電力供給部31は電力線4a、4bに電気的に接続しており、スイッチ部21を介して伝送された交流電圧51に基づいて、点灯負荷340に電力を供給する。信号生成部32も電力線4a、4bに電気的に接続しており、スイッチ部21を介して照明器具3へ伝送された交流電圧51が、信号生成部32に伝送される。本実施形態では、電力供給部31に含まれる整流回路310を通過した交流電圧51が、信号生成部32に伝送される。従って、信号生成部32に伝送される電圧は、整流後の電圧である。
信号生成部32は、交流電圧51(整流後の電圧)が有する切り欠き53のパターンに基づいて制御信号を生成する。つまり、信号生成部32は、交流電圧51の波形のうちの制御信号設定区間の部分を用いて、制御信号を生成する。該制御信号は、電力供給部31による点灯負荷340への電力供給動作を制御するための信号である。
本実施形態では、点灯負荷340が、照明素子として、互いに光色の異なる光を出射する複数色のLEDを含む。例えば、照明素子として、5000ケルビン(寒色)のLEDと2700ケルビン(暖色)のLEDとを使用することができる。このように、互いに光色の異なるLEDを使用することで、調光調色制御を実現することができる。本実施形態では、点灯負荷340が2色のLEDを含む。
図5(a)及び図5(b)にLED341の接続例を示す。図5(a)及び図5(b)に示すように、同色のLED341が電気的に直列接続されてもよいし、電気的に並列接続されてもよい。あるいは、点灯負荷340は、光色ごとにLED341を1個ずつ含んでもよい。複数色のLED341は、平面視したときに均等に配置されることが好ましい。これにより、各光色の光が均等に混ざるため、点灯負荷340から発生する光の光量及び光色を高精度に調節することが可能となる。
再び図2を参照する。本実施形態では、点灯負荷340の照明素子がLED341であるため、電力供給部31は、スイッチ部21を介して伝送された交流電圧51に基づいて定電流を生成する。本実施形態では、電源として商用電源5を使用しているため、電力供給部31は、整流回路310、平滑回路320、及び、各色のLED341に対応してそれぞれ設けられた定電流回路330(第1定電流回路330a及び第2定電流回路330b)を備える。
整流回路310は、スイッチ部21を介して伝送された交流電圧51を整流する。整流回路310は、好適には全波整流回路である。本実施形態において整流回路310は全波整流回路である。平滑回路320は、整流回路310の出力を平滑化する。図6に平滑回路320の一例を示す。図6に示すように、平滑回路320は、ダイオード321と電解コンデンサ322とから構成されてもよい。
再び図2を参照する。整流回路310及び平滑回路320により、スイッチ部21を介して伝送された交流電圧51が直流電圧に変換される。各定電流回路330はそれぞれ、平滑回路320の出力(直流電圧)に基づいて定電流を生成する。この定電流により、点灯負荷340(LED341)に電力が供給される。
図7は、定電流回路330の一例の一部を示す図であり、点灯負荷340(LED341)の周辺の回路構成を示している。図7に示すように、定電流回路330は、3個の抵抗器331、332、333、NchMOSFET334、コイル335、ダイオード336、鉄心入りコイル337、及び電解コンデンサ338を含んでもよい。電解コンデンサ338は、平滑回路320の出力によって充電される。信号生成部32からの信号に従ってNchMOSFET334がターンオン及びターンオフを繰り返すことにより、電解コンデンサ338が充電と放電とを繰り返す。これにより、LED341に定電流が流れて、LED341が発光する。
点灯負荷340から発生する光の光量及び光色の調節は、各色のLED341に流れる定電流の電流値を制御することで実行される。従って、信号生成部32は、制御信号として、NchMOSFET334のオン時間及びオフ時間を制御する信号を生成する。
図8は、信号生成部32の一例を示す図であり、図9は、図8に示す信号生成部32の各部で発生する信号波形を示す。NchMOSFET334(スイッチ素子の一例)のオン時間及びオフ時間を制御する場合、信号生成部32は、図8に示すような回路構成であってもよい。図8に示す信号生成部32は、波形変換回路70と、第2制御部75とを備える。なお、図8に示すように、第2制御部75には電源電圧Vccが供給されている。電源電圧Vccが、コントローラー2と同様に照明器具3に設けられた電源回路(図示せず)によって生成される。
波形変換回路70は、整流回路310の出力(整流後の電圧)を閾値と比較して、パルス信号を生成する。波形変換回路70は、3個の抵抗器71、72、73、及びバイポーラ型トランジスタ74を備えてもよい。抵抗器71、72は、整流後の電圧を分圧する分圧回路を構成する。この分圧回路の出力電圧がバイポーラ型トランジスタ74のベースに印加される。
図9(a)は、バイポーラ型トランジスタ74のベースに印加される電圧81(分圧回路の出力電圧)の波形の一例を示す。分圧回路の出力電圧81は、切り欠き53を含む。バイポーラ型トランジスタ74は、そのベースの閾値と分圧回路の出力電圧81との大小関係に応じて、ターンオン及びターンオフを繰り返す。これにより、バイポーラ型トランジスタ74のコレクタと抵抗器73との接続点に、図9(b)に示すパルス信号83が発生する。図9(b)は、パルス信号83の一例を示す。なお、抵抗器73はプルアップ抵抗である。
図9(a)及び図9(b)に示すように、交流電圧51のゼロクロスポイント52に対応する位置82付近において、分圧回路の出力電圧81がベース閾値を下回り、パルス信号83はLレベルとなる。詳しくは、パルス信号83は、切り欠き53の有無に応じた幅を有する2種類のLレベルを含む。これは、切り欠き53が形成されている箇所では、分圧回路の出力電圧81がベース閾値を下回る時間が、切り欠き53が形成されていない箇所と比べて長くなるためである。つまり、切り欠き53が形成されていない箇所では、第1の幅を有する第1Lレベル83aが発生し、切り欠き53が形成されている箇所では、第1の幅よりも長い第2の幅を有する第2Lレベル83bが発生する。このようにして生成されたパルス信号83が、第2制御部75に伝送される。
第2制御部75は、例えばマイクロコンピューターである。第2制御部75には、バイポーラ型トランジスタ74のコレクタと抵抗器73との接続点から電圧が印加される。即ち、パルス信号83が第2制御部75に伝送される。第2制御部75は、パルス信号83に含まれる2種類のLレベル(第1Lレベル83a及び第2Lレベル83b)に従って、デジタル信号を発生させる。
具体的には、第2制御部75は、パルス信号83を閾値と比較して、Lレベルの幅を判断する。そして、第2制御部75は、Lレベルの幅に基づいて、該Lレベルが第1Lレベル83aであるのか第2Lレベル83bであるのかを判定し、第1Lレベル83aに対応して値が「0」となり、第2Lレベル83bに対応して値が「1」となるデジタル信号を発生させる。つまり、制御信号設定区間に含まれる交流電圧51の半波の全部又は一部の波形が切り欠き53を有するように、コントローラー2(スイッチ部21)が交流電圧51の導通を制御することで、交流電圧51の半波単位で1ビット分のデータに相当する信号が照明器具3に送信される。ここで、第2制御部75は、例えば数100μ秒毎にパルス信号83を閾値と比較し、パルス信号83のLレベルの幅を判断している。このようにパルス信号83が閾値と細かく比較されることで、パルス信号83に含まれるノイズの影響を抑制することができる。
好ましくは、第2制御部75は、第2Lレベル83bが検出されるまで、時間的に隣接するLレベルの幅の比を求めて、Lレベルが第1Lレベル83aであるのか第2Lレベル83bであるのかを判定する。つまり、あるLレベルの幅の比の値は、時間的に一つ前のLレベルの幅に対する比の値である。詳しくは、第2制御部75は、求めたLレベルの幅の比の値が、規定された第1範囲内の値であるとき、そのLレベルが第1Lレベル83aであると判定する。一方、第2制御部75は、求めたLレベルの幅の比の値が、規定された第2範囲内の値であるとき、そのLレベルが第2Lレベル83bであると判定する。第1範囲は、第2範囲よりも狭く設定されている。そして、第2制御部75は、第2Lレベル83bが検出された後は、第1Lレベル83aが検出されるまで、Lレベルの幅の比の値として、第2Lレベル83bの前のLレベル(第1Lレベル83a)の幅に対する比の値を求める。なお、第2制御部75は、求めたLレベルの幅の比の値が“1”であるとき、そのLレベルが第1Lレベル83aであると判定してもよい。
このようにLレベルの幅の比の値を求める場合、好ましくは、コントローラー2は、電源投入直後は交流電圧51の波形に切り欠き53を形成せずに、パルス信号83に複数回連続して第1Lレベル83aが発生するようにする。また、1つの制御信号設定区間が終了した後、コントローラー2は、交流電圧51の波形に切り欠き53を形成せずに、パルス信号83に複数回連続して第1Lレベル83aが発生するようにする。
以上のようにLレベルの幅の比の値を求めることで、温度上昇に起因してLレベルの幅が変化しても、第2制御部75はパルス信号83(切り欠き53のパターン)を読み取ることができる。図10(a)は、通常状態のパルス信号83の波形の一例を示す。図10(a)に示すように、通常、第1Lレベル83aの幅W1及び第2Lレベル83bの幅W2は一定である。一方、図10(b)に2点鎖線で示すように、温度上昇に起因してパルス信号83の立下りが鈍化して、第1Lレベル83aの幅W1及び第2Lレベル83bの幅W2が変化することがある。このため、第2制御部75が判断した第1Lレベル83aの幅W1及び第2Lレベル83bの幅W2をそれぞれ固定値と比較して、Lレベルが第1Lレベル83aであるのか第2Lレベル83bであるのかを判定する場合、温度上昇に起因してパルス信号83の波形幅が変化すると、第2制御部75はパルス信号83を読み取ることができなくなる可能性がある。これに対し、温度上昇に起因してパルス信号83の立下りが鈍化しても、各Lレベルの幅の変化は略同程度であるため、Lレベルの幅の比の値を求めることで、パルス信号83を読み取ることができる。
第2制御部75は、デジタル信号を発生させると、そのデジタル信号の内容(データ)に基づいて、各定電流回路330(第1定電流回路330a及び第2定電流回路330b)に含まれる各NchMOSFET334のオン時間及びオフ時間を制御する信号(制御信号)をそれぞれ生成する。具体的には、制御信号はパルス電圧であり、デジタル信号の内容に応じて、各定電流回路330a、330bへ伝送されるパルス電圧のパルス幅が決まる。従って、各定電流回路330a、330bに含まれるLED341に流れる定電流の電流値は、デジタル信号の内容に応じた値、即ち切り欠き53のパターンに応じた値となる。パルス電圧のパルス幅の設定は、例えば、第2制御部75の記憶部75aにルックアップテーブルを記憶させておくことで実現してもよい。
続いて、図1〜図13を参照して、点灯負荷340の光量及び光色の少なくとも一方が変更される際の照明システム1の動作を説明する。図10〜図12は、照明システム1の各部の信号波形を示す。
電力線4a、4bには、商用電源5から、図11(a)に示す正弦波状の交流電圧51が供給されている。第1制御部25は、点灯負荷340から発生する光の光量及び光色の少なくとも一方を変更する指示が入力部23を介して入力されると、変更の指示に応じてスイッチ部21の動作を制御する。これにより、スイッチ部21は、交流電圧51の波形が、制御信号設定区間において、設定された切り欠き53のパターンを有するように、交流電圧51の導通を制御する。また、第1制御部25は、制御信号設定区間以外の区間において、交流電圧51がスイッチ部21を連続的に通過するように、スイッチ部21の動作を制御する。
本実施形態では、切り欠き53のパターンが、光量を示す第1パターンと、光色を示す第2パターンとを含むように、スイッチ部21が交流電圧51の導通を制御する。詳しくは、スイッチ部21は、交流電圧51の波形が、連続して複数の第1パターンの切り欠き53を有するように、交流電圧51の導通を制御した後、交流電圧51の波形が、連続して複数の第2パターンの切り欠き53を有するように、交流電圧51の導通を制御する。ここでは、交流電圧51の波形が、第1パターンで連続して2回切り欠かれた後に、第2パターンで連続して2回切り欠かれる場合について説明する。
図11(b)は、スイッチ部21を通過した交流電圧51の波形の一例を示す。スイッチ部21が交流電圧51を一時的に遮断することにより、図11(b)に示すように、交流電圧51の波形に切り欠き53が形成される。そして、切り欠き53を有する交流電圧51が、照明器具3の整流回路310へ伝送される。
整流回路310は、スイッチ部21を介して伝送された交流電圧51を整流する。図11(c)は、整流回路310の出力(整流後の電圧81)の一例を示す。平滑回路320は、整流回路310の出力を平滑化する。図11(d)は、平滑回路320の出力の一例を示す。図11(d)に示すように、平滑回路320により直流電圧101が得られる。従って、平滑回路320から各定電流回路330へ直流電圧101が供給される。
一方、信号生成部32には、整流回路310による整流後の電圧81が伝送される。信号生成部32は、電圧81が有する切り欠き53のパターンに基づいて、各色のLED341ごとに制御信号を変更する。本実施形態では、波形変換回路70が、切り欠き53のパターンに応じたパルス信号83(図9参照)を発生させる。そして第2制御部75が、パルス信号83に含まれる2種類のLレベル(第1Lレベル83a及び第2Lレベル83b)に従い、デジタル信号を発生させる。詳しくは、第2制御部75は、図12に示すように、第1パターンの切り欠き53に対応する第1デジタル信号(光量データコード111)を連続して2回発生させ、次いで、第2パターンの切り欠き53に対応する第2デジタル信号(光色データコード112)を連続して2回発生させる。
第2制御部75は、2つの光量データコード111が同一であるか否かに応じて、点灯負荷340から発生する光の光量の調節の有効無効を判定する。同様に、第2制御部75は、2つの光色データコード112が同一であるか否かに応じて、点灯負荷340から発生する光の光色の調節の有効無効を判定する。そして、第2制御部75は、光量の調節及び光色の調節のそれぞれの有効無効の判定結果に応じた制御信号を生成する。
具体的には、2つの光量データコード111が同一であり、2つの光色データコード112が同一である場合、第2制御部75は、光量データコード111及び光色データコード112に基づいて、各定電流回路330の動作を制御する制御信号(パルス電圧)をそれぞれ生成する。つまり、第2制御部75は、各定電流回路330(第1定電流回路330a及び第2定電流回路330b)へ伝送するパルス電圧のパルス幅を決定する。そして、第2制御部75は、次にコントローラー2が交流電圧51の波形に切り欠き53を形成するまで、決定されたパルス幅を有する各パルス電圧を、対応する定電流回路330へそれぞれ送信する。これにより、制御信号設定区間に含まれる切り欠き53のパターンに応じて、各定電流回路330へ送信される制御信号のうちの少なくとも一方が変更される。この制御信号は、点灯負荷340の光量及び光色をそれぞれ光量データコード111及び光色データコード112に応じたレベルにする信号である。また第2制御部75は、光量データコード111及び光色データコード112を記憶部75aに記憶させる。
一方、2つの光量データコード111は同一であるが、2つの光色データコード112が一致しなかった場合、第2制御部75は、今回発生させた光量データコード111と記憶部75aに記憶されている光色データコード112とに基づいて、各定電流回路330へ伝送するパルス電圧のパルス幅を決定する。2つの光量データコード111が不一致であり、2つの光色データコード112が一致した場合も同様にパルス電圧のパルス幅が決定される。また、2つの光量データコード111と2つの光色データコード112とがいずれも不一致であった場合、第2制御部75は制御信号の変更を行わない。
図13は、信号生成部32(第2制御部75)が、制御信号設定区間に含まれる切り欠き53のパターンに対応して発生させるデジタル信号の一例を示す。図13は、デジタル信号を模式的に表した図であって、各データコードに記載されている「0」「1」の数値はデジタル信号の値を示す。図13に示すように、本実施形態では、光量データコード111及び光色データコード112のビット数はいずれも6ビットである。つまり、スイッチ部21は、交流電圧51の連続する24個の半波の全部又は一部の波形が切り欠き53を有するように、交流電圧51の導通を制御することで、信号生成部32に光量データコード111及び光色データコード112をそれぞれ2回発生させる。このように、制御信号設定間は、交流電圧51の半波の数によって規定される。
また、各光量データコード111及び各光色データコード112のそれぞれの先頭の値は「1」となる。これにより、第2制御部75が、各光量データコード111及び各光色データコード112のそれぞれの先頭を確実に検出できるようになる。また、コントローラー2(第1制御部25)は、交流電圧51の半波のうち、コントローラー2の起動直後及び制御信号設定区間終了直後の5つの半波の波形に切り欠き53を形成しない仕様となっている。照明器具3の制御部75は、デジタル信号の値が5ビット以上連続して「0」となったとき、待機モードに遷移する。待機モードに遷移した第2制御部75は、デジタル信号の値が「1」となったとき、制御信号設定区間が開始されたと判断する。つまり、5ビット以上連続する「0」は、制御信号設定区間の開始を予告する。
図14(a)は第1定電流回路330aへ伝送される制御信号121aの一例を示し、図14(b)は第2定電流回路330bへ伝送される制御信号121bの一例を示している。図14(a)及び図14(b)に示すように、制御信号121a、121bは、切り欠き53のパターンに基づいてパルス幅が調整されたパルス電圧である。図14(a)及び図14(b)に示す例では、時刻t1において、制御信号121a、121bのパルス幅が変化している。このパルス幅の変化により、点灯負荷340から発生する光の光量及び光色が、入力部23を介して入力された変更の指示に応じた光量及び光色に調節される。
具体的には、制御信号121a、121bによって、各色のLED341に流れる電流の割合が制御されて、点灯負荷340から発生する光(混光)の光色が調節される。また、制御信号121a、121bによって、各色のLED341に流れる電流の合計値が制御されて、点灯負荷340から発生する光の光量が調節される。つまり、信号生成部32は、2色のLED341に流れる電流の割合、及び2色のLED341に流れる電流の合計値を制御して、調光調色制御を実行している。このように、信号生成部32は、各色のLED341に供給される電力を個別に制御して、点灯負荷340から発生する光(混光)の光量及び光色を、切り欠き53のパターンに応じた光量及び光色にする。
なお、コントローラー2の起動時には、コントローラー2(第1制御部25)は、記憶部25aに記憶された光量及び光色の情報を用いて切り欠き53のパターンを設定する。そして、コントローラー2は、少なくとも交流電圧51の5つの連続する半波が、切り欠かれることなくそのままスイッチ部21を通過した後に、交流電圧51の波形が、設定された切り欠き53のパターンを有するように、スイッチ部21の動作を制御する。コントローラー2の起動時に使用される光量及び光色の情報の内容は規定値であってもよいし、ユーザーが記憶部25aに記憶させた値であってもよい。
また、記憶部25aに、時刻に合わせた光量及び光色の情報を記憶させておき、コントローラー2の起動時に、コントローラー2が、現在の時刻に対応する光量及び光色の情報を用いて切り欠き53のパターンを設定してもよい。これにより、時刻に合った光量及び光色の光を発生させることができる。更に、コントローラー2は、照明器具3の点灯中に、現在の時刻に対応する光量及び光色の情報を用いて切り欠き53のパターンを設定してもよい。これにより、時刻の変化に応じて自動的に光量及び光色を変化させることができる。
以上のように本実施形態によれば、点灯負荷340から発生する光の光量及び光色を設定する信号が、コントローラー2から電力線4a、4bを介して照明器具3へ送られる。従って、専用の信号線を敷設することなく、調光調色制御を行うことができる。
更に本実施形態によれば、ノイズの発生を抑制することができる。例えば位相調光方式では、交流電圧のサインカーブの頂点で双方向サイリスタがONすることがあり、この際に大きなノイズ(電磁波)が発生するという問題があった。これに対し本実施形態によれば、交流電圧51の半波のうち、該半波が始まるゼロクロスポイント52から、該半波の位相角度90度未満の位置までの範囲内で、双方向サイリスタ6がターンオンする。よって、位相調光方式のように大きなノイズが発生することがない。また、好ましくは、交流電圧51の半波が始まるゼロクロスポイント52から2.5m秒の範囲内で双方向サイリスタ6をターンオンさせることで、ノイズの発生をより一層抑制することができるとともに、照明器具3へ送る電力の損失を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、交流電圧51の波形は、制御信号設定区間においてのみ切り欠き53のパターンを有し、制御信号設定区間以外の区間においては、交流電圧51はスイッチ部21を連続的に通過する。これにより、照明器具3へ送る電力の損失を抑制することができる。
なお、スイッチ部21は、交流電圧51の波形が、切り欠き53のパターンを一定時間間隔で繰り返し有するように、交流電圧51の導通を制御してもよい。これにより、第2制御部75が読み取りエラーを起こすおそれが抑制される。切り欠き53のパターンの繰り返し間隔は、一定時間間隔に限らず、変動する時間間隔であってもよい。
また、第1Lレベル83aに対応して「0」となり、第2Lレベル83bに対応して「1」となるデジタル信号を発生させる場合について説明したが、第1Lレベル83aに対応して「1」となり、第2Lレベル83bに対応して「0」となるデジタル信号を発生させてもよい。
また、光量データコード111及び光色データコード112のビット数はいずれも6ビットであったが、光量データコード111及び光色データコード112のビット数は、照明器具3において設定可能な光量及び光色の全てのレベルを示すことが可能である限り、特に限定されるものではない。但し、ビット数が少ないほど、照明器具3へ送ることができる電力量を多くすることができ、商用電源5から供給される電力を有効に活用することができる。また、ビット数が少ないほど、照明器具3への光量及び光色の情報の伝達速度を速くすることができる。
また、第2制御部75は、デジタル信号の値が5ビット以上連続して「0」となったとき、待機モードに遷移したが、第2制御部75を待機モードに遷移させるデジタル信号の値は、5ビット以上連続する「0」に限定されるものではない。例えば、制御信号設定区間の開始を予告するために、特定のパターンの切り欠き53が交流電圧51に形成されてもよい。
また、交流電圧51の波形が連続して複数の第1パターンの切り欠き53を有するように、交流電圧51の導通が制御された後、交流電圧51の波形が連続して複数の第2パターンの切り欠き53を有するように、交流電圧51の導通が制御されたが、スイッチ部21は、第1パターンの切り欠き53と第2パターンの切り欠き53とをそれぞれ1回ずつ交流電圧51の波形に形成してもよい。
続いて、コントローラー2の駆動部22が発生する駆動信号61の他例について、図15及び図16を参照して説明する。図15(a)及び図15(b)に示すように、交流電圧51の半波が終わるゼロクロスポイント52の手前で駆動信号61が立ち下がる場合、交流電圧51の半波の終りの部分に、意図しない切り欠き54が発生することがある。切り欠き54は、交流電圧51の半波の終りの部分において電力が急激に小さくなることに起因して、双方向サイリスタ6が自動的にターンオフすることによって発生する。
切り欠き54が発生すると、図15(c)に示すように、第2制御部75(照明器具3の制御部)に送信されるパルス信号83に、第3Lレベル83cが発生する。第3Lレベル83cは、第1Lレベル83aよりも幅が広いため、第2制御部75は、第3Lレベル83c(切り欠き54)に対応して値が「1」となるデジタル信号を発生させる可能性がある。
そこで、図16(a)及び図16(b)に示すように、第1制御部25(コントローラー2の制御部)は、スイッチ部21が交流電圧51を連続して通過させる間、交流電圧51の半波のうちの切り欠き53を形成する対象の半波の手前まで、駆動信号61が継続して生成されるように、駆動部22を制御する。このようすれば図16(a)に示すように、交流電圧51に切り欠き54が形成されないため、図16(c)に示すように、第3Lレベル83cが発生しない。従って、第2制御部75が読み取りエラーを起こすおそれが抑制される。
続いて、照明器具3の他の構成について説明する。図17は、照明器具3の他の構成を示す。図17に示すように、照明器具3は、電力供給部31(整流回路310)に供給される前の交流電圧51を整流する整流回路33を更に備えてもよい。この場合、図2に示す照明器具3と異なり、信号生成部32には、整流回路33によって整流された電圧が供給される。従って、信号生成部32は、整流回路33による整流後の電圧の波形が有する切り欠き53のパターンに基づいて、制御信号121a、121bを生成する。整流回路33は、図17に示すように、電力線4a、4bにそれぞれ接続されるダイオード161、162を備えてもよい。斯かる構成によれば、信号生成部32が切り欠き53をより確実に検出することができる。
続いて、信号生成部32の他の構成について説明する。図18は、信号生成部32の他の構成を示す。図18(a)に示すように、波形変換回路70の後段に反転回路76を設けてもよい。図18(b)に示すように、反転回路76は、バイポーラ型トランジスタ77と抵抗器78とを備えてもよい。この場合、バイポーラ型トランジスタ77のベースにパルス信号83が送信され、バイポーラ型トランジスタ77のコレクタと抵抗器78との接続点から、反転されたパルス信号83が第2制御部75に送信される。なお、抵抗器78はプルアップ抵抗である。以下、反転回路76によって反転されたパルス信号83を「反転パルス信号84」と記載する。
第2制御部75は、反転パルス信号84を閾値と比較して、Hレベルの幅を判断する。そして、第2制御部75は、Hレベルの幅に基づいて、該Hレベルが、第1Lレベル83aを反転させたHレベルであるのか、第2Lレベル83bを反転させたHレベルであるのかを判定する。そして、第2制御部75は、第1Lレベル83aを反転させたHレベルに対応して値が「0」となり、第2Lレベル83bを反転させたHレベルに対応して値が「1」となるデジタル信号を発生させる。
図19(a)は、通常状態のパルス信号83の一例を示す。図19(a)に示すように、通常、第1Lレベル83aの幅W1及び第2Lレベル83bの幅W2は一定である。一方、図19(b)に2点鎖線で示すように、温度上昇に起因してパルス信号83の立下りが鈍化して、第1Lレベル83aの幅W1及び第2Lレベル83bの幅W2が変化することがある。波形が変化したパルス信号83が第2制御部75に送信されると、閾値との関係で、第2制御部75が検出するLレベルの幅が変化する。
図19(c)は、反転パルス信号84の一例を示す。図19(b)及び図19(c)に示すように、パルス信号83の立下りが鈍化すると、反転パルス信号84の立ち上がりが鈍化する。しかし、波形が変化した反転パルス信号84が第2制御部75に送信されても、閾値との関係で、第2制御部75が検出するLレベルの幅は略一定又は一定となる。
従って、反転回路76を設けることで、温度上昇に起因してパルス信号83の波形が変化しても、第2制御部75は、反転パルス信号84に含まれるHレベルの幅の比を求めることなく、切り欠き53のパターンを読み取ることができる。
上述した説明では、照明システム1において、本実施形態の照明器具を1つ備えていたが、本発明はこれに限定されない。以下、図20〜図22を参照して、説明する。本実施形態の照明器具に接続されたコントローラー及び本実施形態の照明器具を備える照明システムの概略構成を説明する。図20は、照明システム1の概略構成を示す。図20に示すように、照明システム1は、複数の照明器具3aを備える点で、図4に示した照明システム1とは異なる。
図21は、この照明システム1における照明器具3aの要部を示すブロック図である。照明器具3aは、出力端子35a、35bを備える点で、上述した照明システム1の照明器具3と異なる。出力端子35a、35bは、配線42a、42bを介して、入力端子34a、34bと電気的に接続している。
入力端子34a、34bは、送り線41a、41bを介して、前段のコントローラー2の出力端子又は前段の照明器具3aの出力端子35a、35bと電気的に接続している。コントローラー2の出力端子の一方は、スイッチ部21を介して電力線4aと接続し、コントローラー2の出力端子の他方は、電力線4bと接続している(図2参照)。
従って、図20に示す照明システム1において、各照明器具3aは、コントローラー2を介して、電力線4a、4bに対して並列接続されており、各照明器具3から発生する光の光量及び光色を設定する信号(切り欠き53のパターンを有する交流電圧51の波形)が、コントローラー2から送り線41a、41bを介して各照明器具3へ一括して送信される。
以上のように、本実施形態によれば、制御用の信号線を敷設することなく、1台のコントローラー2によって、複数の照明器具3aから発生する光の光量及び光色を一括して制御することができる。
なお、図22に示すように、各照明器具3aにそれぞれ固有のアドレス(宛先)が設定されてもよい。アドレスは、例えば、各照明器具3aに設けたディップスイッチによって設定することができる。この場合、コントローラー2は、切り欠き53のパターンに、制御対象の照明器具3aのアドレスを示す切り欠き53のパターンを含ませる。複数の照明器具3aの各々の信号生成部32は、切り欠き53のパターンが自己のアドレスと同一のアドレスを示すパターンを含む場合に、該切り欠き53のパターンに基づいて、制御信号121a、121bを生成する。このように各照明器具3aにそれぞれ固有のアドレスを設定することで、各照明器具3aから発生する光の光量及び光色を個別に制御することができる。
なお、図2を参照して上述した本実施形態に接続されたコントローラー2は表示部24を備えていたが、本発明はこれに限定されない。
以下、図23、図24及び図25を参照して説明する。本実施形態の照明器具3aに接続されるコントローラー2a及びコントローラー2aに接続された本実施形態の照明器具3aを備える照明システム1の概略構成を説明する。本実施形態の照明器具3aに接続されるコントローラー2aは表示部24を備えない点で、上述したコントローラー2とは異なる。
図23は、本実施形態の照明器具3aに接続されるコントローラー2a及びコントローラー2aに接続された本実施形態の照明器具3aを備える照明システム1の概略構成を示す。図23に示した照明システム1は、図20を参照して説明した照明システム1と同様に、照明システム1が複数の照明器具3aを備える。図24は、本実施形態の照明器具3aに接続されるコントローラー2aの外観図である。
図24に示すように、コントローラー2aは、1個用スイッチボックス型の筐体200を備える。筐体200には、入力部23として、光量アップボタン201、光量ダウンボタン202、光色アップボタン203、光色ダウンボタン204、全灯ボタン205、及び電源入り切りボタン206が設けられている。
第1制御部25(コントローラー2aの制御部)は、ユーザーによる入力部23の操作に応じて、スイッチ部21(図2参照)の動作を制御する。即ち、双方向サイリスタ6(図3参照)のターンオンが、各種のボタン201〜206の操作に応じて制御される。
例えば、光量アップボタン201が1回押下されると、第1制御部25は、各照明器具3a(点灯負荷340)から発生する光の光量を1段階上げる切り欠き53のパターンを交流電圧51の波形が有するにように、スイッチ部21の動作を制御する。
また、第1制御部25は、全灯ボタン205が押される毎に、各照明器具3aから発生する光の光色が、寒色、中間色、暖色の順に切り替わるように、スイッチ部21の動作を制御する。
例えば、全灯ボタン205が1回押下されると、第1制御部25は、各照明器具3aから発生する光の光色を光量が一番高い状態で寒色にする切り欠き53のパターンを交流電圧51の波形が有するにように、スイッチ部21の動作を制御する。
また、全灯ボタン205が2回押下されると、第1制御部25は、各照明器具3aから発生する光の光色を光量が一番高い状態で中間色にする切り欠き53のパターンを交流電圧51の波形が有するように、スイッチ部21の動作を制御する。
また、全灯ボタン205が3回押下されると、第1制御部25は、各照明器具3aから発生する光の光色を光量が一番高い状態で暖色にする切り欠き53のパターンを交流電圧51の波形が有するように、スイッチ部21の動作を制御する。
電源入り切りボタン206(主電源ボタン)は、コントローラー2の起動及び停止を指示するためのボタンである。即ち、各照明器具3aが消灯している状態で電源入り切りボタン206が押下されると、第1制御部25は、記憶部25a(図2参照)に記憶されている光量及び光色の情報を用いて切り欠き53のパターンを設定する。一方、各照明器具3aが点灯している状態で電源入り切りボタン206が押下されると、第1制御部25は、駆動部22に、双方向サイリスタ6をオフ状態にする駆動信号61を発生させて、交流電圧51がスイッチ部21を導通しないようにする。
また、第1制御部25は、光量アップボタン201、光量ダウンボタン202、光色アップボタン203、及び光色ダウンボタン204のうちの少なくとも1つが押下されて、光量及び光色が設定された後、全灯ボタン205が所定時間以上押されると、光量及び光色の情報を記憶部25aに記憶させる。そして、第1制御部25は、光量アップボタン201、光量ダウンボタン202、光色アップボタン203、及び光色ダウンボタン204が押される前に、全灯ボタン205が所定時間以上押されると、記憶部25aに記憶されている光量及び光色の情報に応じて、切り欠き53のパターンを設定する。
続いて、コントローラー2aの他例について説明する。図25は、コントローラー2aの他例の外観図である。詳しくは、図25(a)は、コントローラー2aの他例の正面図であり、図25(b)は、コントローラー2aの他例の側面図である。
図24に示すコントローラー2aと同様に、図25に示すコントローラー2aは、1個用スイッチボックス型の筐体200aを備える。筐体200aには、入力部23として、第1ダイヤル207及び第2ダイヤル208が設けられている。ここでは、第1ダイヤル207は、光量の調節のために使用され、第2ダイヤル208は、光色の調整のために使用される。更に、第1ダイヤル207には、各照明器具3a(点灯負荷340)を全灯状態にするためのプッシュスイッチが内蔵されている。
第1制御部25(コントローラー2aの制御部)は、ユーザーによる第1ダイヤル207及び第2ダイヤル208の操作に応じて、スイッチ部21(図2参照)の動作を制御する。即ち、双方向サイリスタ6(図3参照)のターンオンが、第1ダイヤル207及び第2ダイヤル208の操作に応じて制御される。
具体的には、ユーザーが、図25(a)に示す矢印方向へ第1ダイヤル207を回転させると、第1ダイヤル207の回転位置に応じた光量の光が各照明器具3aから発生するように、第1制御部25がスイッチ部21の動作を制御する。
また、ユーザーが、図25(a)に示す矢印方向へ第2ダイヤル208を回転させると、第2ダイヤル208の回転位置に応じた光色の光が各照明器具3aから発生するように、第1制御部25がスイッチ部21の動作を制御する。
また、ユーザーが、図25(b)に示す矢印方向へ第1ダイヤル207を押すと、各照明器具3aが全灯状態となるように、第1制御部25がスイッチ部21の動作を制御する。
なお、図24に示すコントローラー2aと同様に、第1ダイヤル207が押下されるごとに、各照明器具3aから発生する光の光色が、寒色、中間色、暖色の順に切り替わるように、第1制御部25がスイッチ部21の動作を制御してもよい。また、第1ダイヤル207が光量の調節のために使用され、第2ダイヤル208が光色の調整のために使用されたが、第1ダイヤル207が光色の調節のために使用され、第2ダイヤル208が光量の調整のために使用されてもよい。
本実施形態によれば、1台のコントローラー2によって、複数の照明器具3aから発生する光の光量及び光色を一括して制御することができるため、コントローラー2の筐体200として、1個用スイッチボックス型を使用することができる。従って、コントローラー2のコンパクト化を実現することができる。
また、1個のボタン(全灯ボタン205)の操作によって、各照明器具3aから発生する光の光量及び光色として、ユーザーが希望する光量及び光色の情報を一つ記憶させ、かつ、ユーザーが希望する光量及び光色の光を再現することができる。
図26〜27を参照して、コントローラー2bから3系統300a、300b、300cの配線で接続された複数の照明器具を備える照明システム1を説明する。この照明システム1は、照明システム1が3系統300a、300b、300cの照明器具群を備える点で、上述した照明システム1とは異なる。
図26は、照明システム1の概略構成を示す。図26に示すように、照明システム1は、3系統300a、300b、300cの照明器具群を備える。各系統300a、300b、300cの照明器具群はそれぞれ、複数の照明器具3aを含む。詳しくは、図26に示す照明システム1において、各照明器具3aは、コントローラー2bを介して、電力線4a、4bに対して並列接続されており、コントローラー2bは、各系統300a、300b、300cごとに、照明器具群を一括して制御することができる。
図27は、コントローラー2bの要部を示すブロック図である。コントローラー2bは、3つのスイッチ部21a、21b、21c、3つの駆動部22a、22b、22c、並びに4つの出力端子28a、28b、28c、28dを備える点で、図2に示したコントローラー2と異なる。
第1出力端子28aは、配線29aを介して、電力線4aが接続する入力端子27aに電気的に接続されている。配線29aに第1スイッチ部21aが介装されている。第1スイッチ部21aは、第1系統300aに含まれる各照明器具3aから発生する光の光量及び光色の制御に使用される。第1制御部25は、第1駆動部22aを介して第1スイッチ部21aの動作を制御する。第2出力端子28bは、配線29bを介して、電力線4bが接続する入力端子27bに電気的に接続されている。
第3出力端子28cは、配線29c及び配線29aを介して、入力端子27aに電気的に接続されている。配線29cに第2スイッチ部21bが介装されている。第2スイッチ部21bは、第2系統300bに含まれる各照明器具3aから発生する光の光量及び光色の制御に使用される。第1制御部25は、第2駆動部22bを介して第2スイッチ部21bの動作を制御する。
第4出力端子28dは、配線29d及び配線29aを介して、入力端子27aに電気的に接続されている。配線29dに第3スイッチ部21cが介装されている。第3スイッチ部21cは、第3系統300cに含まれる各照明器具3aから発生する光の光量及び光色の制御に使用される。第1制御部25は、第3駆動部22cを介して第3スイッチ部21cの動作を制御する。
図28は、コントローラー2bの外観図であり、カバー部211が開かれた状態を示している。図28に示すように、コントローラー2bは、筐体210とカバー部211とを備える。カバー部211は、筐体210に回動可能に支持される。なお、カバー部211は省略することができる。
筐体210には、入力部23として、選択ボタン212、決定ボタン213、アップボタン214、ダウンボタン215、電源入り切りボタン216、第1記憶ボタン217、第2記憶ボタン218、第3記憶ボタン219、おやすみボタン220、及びお目覚めボタン221が設けられている。
第1制御部25は、ユーザーによる入力部23の操作に応じて、スイッチ部21a、21b、21cの動作を制御する。即ち、各スイッチ部21a、21b、21cに含まれる双方向サイリスタ6(図2参照)のターンオンが、各種のボタン212〜221の操作に応じて制御される。
第1制御部25は、カバー部211が開くと、図28に示すように、表示部24のディスプレイに、各系統300a、300b、300cの照明器具群から発生する光の現在の光量及び光色(各系統300a、300b、300cの点灯状態)を示す画面を表示させる。詳しくは、「照明1」は第1系統300aの照明器具群を示す。「照明1」の上方の目盛りは、第1系統300aに含まれる各照明器具3aから発生する光の光量及び光色を示す。同様に、「照明2」は第2系統300bの照明器具群を示し、「照明2」の上方の目盛りは、第2系統300bに含まれる各照明器具3aから発生する光の光量及び光色を示す。また、「照明3」は第3系統300cの照明器具群を示し、「照明3」の上方の目盛りは、第3系統300cに含まれる各照明器具3aから発生する光の光量及び光色を示す。なお、図28は、「シーン1」における各系統300a、300b、300cの点灯状態を示す画面を例示している。
以下、ユーザーによる入力部23の操作方法の一例について説明する。まず、ユーザーが、選択ボタン212を押下すると、機能選択画面が表示される。機能選択画面は、「シーン1」、「シーン2」、「シーン3」、「お目覚め時刻」、及び「照明選択」の各項目を含む。機能選択画面が表示された後、ユーザーが選択ボタン212を押下するごとに、各項目が所定の順序で選択される。
「シーン1」における各系統300a、300b、300cの点灯状態を更新する場合、ユーザーは、「シーン1」が選択されているときに、決定ボタン213を押下する。これにより、図28に示す画面が、表示部24のディスプレイに表示される。
次にユーザーは、選択ボタン212を押下する。選択ボタン212が押下されるごとに、「照明1」、「照明2」、「照明3」がこの順で繰り返し選択される。ユーザーは、光量及び光色又はそれらのうちの一方の調節を希望する系統が選択されたときに、決定ボタン213を押す。これにより、まず、選択された系統の光量のレベルが選択可能となる。
次にユーザーは、アップボタン214又はダウンボタン215を押下する。このとき、アップボタン214又はダウンボタン215が押下される度に、選択された系統の光量の目盛りにおいて、反転表示される位置(光量のレベル)が変化する。ユーザーは、所望の光量のレベルが選択されたときに、決定ボタン213を押す。これにより、選択された系統の光量のレベルが設定されるとともに、選択された系統の光色のレベルが選択可能となる。
次にユーザーは、アップボタン214又はダウンボタン215を押下する。このとき、アップボタン214又はダウンボタン215が押下される度に、選択された系統の光色の目盛りにおいて、反転表示される位置(光色のレベル)が変化する。ユーザーは、所望の光色のレベルが選択されたときに、決定ボタン213を押す。これにより、選択された系統の光色のレベルが設定されるとともに、表示部24のディスプレイ上で「登録」が選択される。
ユーザーは、他の系統の点灯状態を調節する場合は、再度、選択ボタン212を操作する。選択ボタン212が押下されるごとに、「照明1」、「照明2」、「照明3」がこの順で繰り返し選択される。
ユーザーが、表示部24のディスプレイ上で「登録」が選択されているときに決定ボタン213を押すと、「シーン1」における各系統300a、300b、300cの点灯状態が更新される。つまり、設定された光量及び光色の情報が、第1記憶ボタン217に対応づけられて、記憶部25aに記憶される。
設定した「シーン1」の点灯状態を再現させる際には、ユーザーは、第1記憶ボタン217を押下する。第1記憶ボタン217が押下されると、第1制御部25は、第1記憶ボタン217に対応づけて記憶部25aに記憶されている情報を用いて、各系統300a、300b、300cごとに切り欠き53のパターンを設定する。
また、現在、「シーン1」が選択されている場合には、「シーン1」における各系統300a、300b、300cの点灯状態の更新と共に、各系統300a、300b、300cの照明器具群から発生する光の現在の光量及び光色が調節される。つまり、第1制御部25は、ユーザーによって設定された光量及び光色に応じた切り欠き53のパターンを交流電圧51の波形が有するよう、スイッチ部21a、21b、21cの動作を制御する。
また、「おやすみタイマー機能」を設定する場合、ユーザーは、機能選択画面において、「照明選択」が選択されているときに、決定ボタン213を押下する。これにより、表示部24のディスプレイに、各系統300a、300b、300cごとに「おやすみタイマー機能」又は「お目覚めタイマー機能」を設定することが可能な画面が表示される。
まず、ユーザーは、選択ボタン212を操作して、「おやすみタイマー機能」又は「お目覚めタイマー機能」の設定を希望する系統(「照明1」、「照明2」、「照明3」)を選択した後、決定ボタン213を押下する。これにより、所望の系統に対して、「おやすみタイマー機能」又は「お目覚めタイマー機能」の設定が可能となる。
次に、ユーザーは、アップボタン214又はダウンボタン215を押下して、「おやすみタイマー機能」を選択した後、決定ボタン213を押下する。これにより、表示部24のディスプレイに、「おやすみタイマー設定画面」が表示される。「おやすみタイマー設定画面」では、選択された系統が完全消灯するまでの時間の候補が複数表示される。
次に、ユーザーは、おやすみボタン220を操作して、選択された系統が完全消灯するまでの時間を複数の候補の中から選択する。これにより、選択された系統の各照明器具3aから発生する光が、選択された時間が経過する間に、徐々に光量を落とし、選択された時間が経過すると完全消灯する。この間、光量の変化に合わせて、光色も変化する。この光量及び光色の変化は、選択された系統の各照明器具3aへ、時間の経過に合わせて、所定の切り欠き53のパターンを有する交流電圧51の波形を送ることで実現できる。
また、「お目覚めタイマー機能」を設定する場合、ユーザーは、機能選択画面において、「照明選択」が選択されているときに、決定ボタン213を押下する。これにより、表示部24のディスプレイに、各系統300a、300b、300cごとに「おやすみタイマー機能」又は「お目覚めタイマー機能」を設定することが可能な画面が表示される。
まず、ユーザーは、選択ボタン212を操作して、「おやすみタイマー機能」又は「お目覚めタイマー機能」の設定を希望する系統(「照明1」、「照明2」、「照明3」)を選択した後、決定ボタン213を押下する。これにより、所望の系統に対して、「おやすみタイマー機能」又は「お目覚めタイマー機能」の設定が可能となる。
次に、ユーザーは、アップボタン214又はダウンボタン215を押下して、「お目覚めタイマー機能」を選択した後、決定ボタン213を押下する。これにより、表示部24のディスプレイに、「お目覚め時刻設定画面」が表示される。
次に、ユーザーは、アップボタン214又はダウンボタン215を押下して、まず、「時」を選択した後、アップボタン214又はダウンボタン215を長押しして、「時」を決定する。次に、ユーザーは、アップボタン214又はダウンボタン215を操作して、「分」を選択した後、アップボタン214又はダウンボタン215を長押しして、「分」を決定する。これにより、「お目覚めタイマー時刻」が設定される。
「お目覚めタイマー機能」を作動させる場合、ユーザーは、お目覚めボタン221を押下する。これにより、選択された系統の各照明器具3aから発生する光の光量が、設定された時刻よりも所定時間前から徐々に上がる。そして、設定された時刻になると、選択された系統の各照明器具3aが完全点灯する。この間、光量の変化に合わせて、光色も変化する。この光量及び光色の変化は、選択された系統の各照明器具3aへ、時間の経過に合わせて、所定の切り欠き53のパターンを有する交流電圧の波形を送ることで実現できる。
電源入り切りボタン216(主電源ボタン)は、コントローラー2bの起動及び停止を指示するためのボタンである。即ち、各照明器具3aが消灯している状態で電源入り切りボタン216が押下されると、コントローラー2bが起動する。ユーザーは、コントローラー2bが起動した後、記憶ボタン217〜記憶ボタン219のいずれかを押下する。第1制御部25は、押下された記憶ボタンに対応づけて記憶部25a(図2参照)に記憶されている光量及び光色の情報を用いて切り欠き53のパターンを設定する。一方、各照明器具3aが点灯している状態で電源入り切りボタン216が押下されると、第1制御部25は、各駆動部22a〜22cに、双方向サイリスタ6をオフ状態にする駆動信号61を発生させて、交流電圧51が各スイッチ部21a〜21cを導通しないようにする。
なお、各系統300a、300b、300cの照明器具群に含まれる照明器具3aの数は複数に限定されるものではなく、各系統300a、300b、300cの照明器具群はそれぞれ、1つ以上の照明器具3aを含むことができる。
以下、図29を参照して、本実施形態の照明器具3bにコントローラー2の機能を設けた照明器具3bを説明する。照明器具3bにコントローラー2の機能を設けた点が、他の照明器具3bと異なる。
図29は、本実施形態の照明器具3bの要部を示すブロック図である。図29に示すように、照明器具3bは、2つの機能を実現させるために、スイッチ部21と、駆動部22と、入力部23と、ゼロクロス検出部26とを備える。
照明器具3bにおいて、制御部75は、図1に示した照明器具3bと同様に、波形変換回路70と共に、信号生成部32を構成する。更に、制御部75は、コントローラー2の制御部25(図2参照)の機能を含む。また、入力部23は、赤外線受光部である。
また、照明器具3bは、出力端子35a、35bを備える。出力端子35a、35bは、配線42a、42bを介して、入力端子34a、34bと電気的に接続している。従って、図20で示した照明システム1で説明したように、照明器具3bを介して、電力線4a、4bに他の照明器具3aを少なくとも1つ電気的に接続することができる。これにより、制御用の信号線を敷設することなく、照明器具3bが有するコントローラー機能によって、1系統の照明器具群(照明器具3bを含む)を一括でコントロールすることが可能となる。
本実施形態によれば、他の照明システムと同様に、ユーザーによる入力部23を介した変更の指示に応じて、点灯負荷340の光量及び光色の少なくとも一方を変更することができる。
以下、図30を参照して、灯具本体301の傾き角度を自動的に調整可能である照明器具3cを説明する。照明器具3cの灯具本体301の傾き角度を調整可能である点で、他の照明器具と異なる。図30は、本実施形態の照明器具3cの外観図である。
照明器具3cは、例えば、舞台照明である。照明器具3cは、灯具本体301と、灯具本体301を回動可能に支持する支持体303とを備える。支持体303には、駆動モーター37が内蔵されており、駆動モーター37が作動することで、灯具本体301が回動する。従って、駆動モーター37が作動すると、光の出射面302(光の照射方向)の向きが変化する。
更に、照明器具3cは、モーター電力供給部36を備える。モーター電力供給部36は、スイッチ部21を介して伝送された交流電圧51に基づいて、駆動モーター37に電力を供給する。
また、駆動モーター37にはアドレス(宛先)が設定されている。アドレスは、例えばディップスイッチによって設定することができる。信号生成部32は、切り欠き53のパターンが駆動モーター37のアドレスと同一のアドレスを示すパターンを含む場合に、該切り欠き53のパターンに基づいて、モーター電力供給部36による駆動モーター37への電力供給動作を制御する制御信号を生成する。
例えば、駆動モーター37がステッピングモーターである場合、切り欠き53のパターンは、ステッピングモーターの回転角度を示す。また、モーター電力供給部36は複数のスイッチ素子を含む。信号生成部32は、切り欠き53のパターンに基づいて、モーター電力供給部36の複数のスイッチ素子の各々を駆動する制御信号をそれぞれ生成する。モーター電力供給部36は、複数のスイッチング素子の動作により、切り欠き53のパターンで示された回転角度だけステッピングモーターを回転させる電力パルスをステッピングモーターへ供給する。これにより、光の出射面302の向き(光の照射方向)を変化させることができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に種々の改変を施すことができる。
例えば、上記各実施形態では、コントローラー2、2a〜2cは4線式のコントローラーであったが、コントローラー2、2a〜2cは2線式であってもよい。
また上記各実施形態では、商用電源5から電力が供給されたが、電力線4a、4bに電力を供給する外部電源は商用電源5に限定されるものではなく、自家発電機等であってもよい。また、外部電源はAC電源に限定されるものではなく、直流電源であってもよい。この場合、スイッチ部21、21a〜21cは、直流電圧の波形が、設定された切り欠きのパターンを有するように、直流電圧の導通を制御する。ここで、切り欠きのパターンは、互いに幅が異なる2種類の切り欠きを含む。直流電源として、商用電源5のサインカーブの頂点の電圧よりも低い電圧を供給する電源を使用することで、ノイズの発生を抑制することができる。
また上記各実施形態では、点灯負荷340が、照明素子として、互いに光色の異なる光を出射する2色のLED341を有したが、点灯負荷340は1色のLED341のみを有してもよい。この場合、調光制御のみが実施される。
また上記各実施形態では、照明素子がLED341であったが、照明素子はLED341に限定されるものではなく、例えば有機EL素子、白熱電球であってもよい。