以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る照明システム1を示すブロック図である。図1に示すように、照明システム1は、照明コントローラー100と、照明制御装置200と、照明器具300a、300bとを備える。
照明コントローラー100は、ユーザーの操作に応じて、交流電源400から供給される交流電圧の波形を制御する。具体的には、照明コントローラー100は、入力部と、少なくとも1つのスイッチ素子とを備える。入力部はユーザーインターフェイスであり、ユーザーの操作(指令)を受け付ける。照明コントローラー100は、ユーザーによる入力部の操作に応じてスイッチ素子を動作させて、交流電源400から供給される交流電圧の導通を制御する。この結果、交流電圧の波形が制御される。
入力部は、例えば、少なくとも1つのダイヤル又はつまみ(ボリューム)を含む。あるいは、入力部は、複数個の押しボタン、又はタッチパネルを含み得る。スイッチ素子は、例えば半導体スイッチ素子である。具体的には、スイッチ素子は、トライアックであり得る。あるいは、スイッチ素子は、MOSFET又はバイポーラトランジスタであり得る。
また、照明コントローラー100は、スイッチ素子の動作を制御するために、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro−Processing Unit)のようなプロセッサーを備え得る。プロセッサーを備える場合、照明コントローラー100は更に、半導体メモリーのような記憶装置を備える。あるいは、照明コントローラー100は、マイクロコンピューターを備えてもよい。
照明コントローラー100の制御方式は、正位相調光方式、逆位相調光方式、第1データ制御方式、又は第2データ制御方式である。正位相調光方式及び逆位相調光方式は、導通角制御方式である。導通角制御方式は、交流電圧の導通角を制御して、照明素子(例えば、LED又は有機EL素子)の光量を制御する制御方式である。なお、導通角制御方式は、2線式の照明コントローラー100に採用される。
正位相調光方式は、交流電圧の各半波の導通が開始する導通開始位相を制御する制御方式である。正位相調光方式では、ユーザーが照明コントローラー100を操作することによって、各半波の前側において、導通開始位相が制御される。半波の前側は、半波が開始するゼロクロス点から半波の絶対値が最大となるまでの部分である。したがって、正位相調光方式では、各半波は前側に切り欠きを含む。以下、半波の前側の切り欠きを「前欠け」と記載する場合がある。
逆位相調光方式は、交流電圧の各半波の導通が遮断される導通遮断位相を制御する制御方式である。逆位相調光方式では、ユーザーが照明コントローラー100を操作することによって、各半波の後側において、導通遮断位相が制御される。半波の後側は、半波の絶対値が最大となってから半波が終了するゼロクロス点までの部分である。したがって、逆位相調光方式では、各半波は後側に切り欠きを含む。以下、半波の後側の切り欠きを「後ろ欠け」と記載する場合がある。
第1データ制御方式は、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の一部を切り欠く制御方式である。つまり、制御信号設定区間内の少なくとも1つの半波は、前欠けを含む。但し、正位相調光方式と異なり、ユーザーは、前欠けを含む半波の導通開始位相を制御できない。制御信号設定区間は、半波の数によって予め規定される。したがって、制御信号設定区間には所定数の半波が含まれる。なお、第1データ制御方式は、特開2015−211014号公報(上記の特許文献2)に記載されている。
第2データ制御方式は、交流電圧の各半波の後側の一部を切り欠くとともに、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の一部を切り欠く制御方式である。したがって、制御信号設定区間において、少なくとも1つの半波は、前欠けと後ろ欠けとを含む。なお、第2データ制御方式では、逆位相調光方式と異なり、ユーザーは導通遮断位相を制御できない。また、第1データ制御方式と同様に、ユーザーは、前欠けを含む半波の導通開始位相を制御できない。
データ制御方式(第1データ制御方式及び第2データ制御方式)では、制御信号設定区間の交流電圧の波形が、ユーザーの指令に対応するデータ列(ビット列)を伝送する。詳しくは、ユーザーの操作(指令)に応じた前欠けのパターンが設定される。そして、制御信号設定区間の交流電圧の波形が、設定された前欠けのパターンを含む波形となる。具体的には、設定された前欠けのパターンに応じて、制御信号設定区間の少なくとも1つの半波が前欠けを含む半波となる。例えば、前欠けを含む半波は、値「1」のデータを示し、前欠けを含まない半波は値「0」のデータを示す。
データ制御方式によれば、互いに光色が異なる照明素子の光量を個別に制御して、調光調色を行うことができる。なお、第1データ制御方式は、3線式又は4線式の照明コントローラー100に採用される。第2データ制御方式は、2線式の照明コントローラー100に採用される。第2データ制御方式の照明コントローラー100(2線式の照明コントローラー100)は、交流電圧の各半波の後側を切り欠くことにより、照明コントローラー100の動作に必要な電力を生成する。
照明コントローラー100によって波形が制御された交流電圧(照明コントローラー100の出力)は、照明器具300aに入力される。照明器具300aが、照明コントローラー100の制御方式に対応する電源回路を備える場合、ユーザーは、照明コントローラー100を用いて、照明器具300aから出射される光を制御することができる。なお、2つの照明器具300aが照明コントローラー100に接続された構成を例示しているが、照明器具300aの数は1つでもよいし、3つ以上でもよい。
照明コントローラー100によって波形が制御された交流電圧は、照明制御装置200にも入力される。照明制御装置200は、照明コントローラー100から出力された交流電圧の波形から、照明コントローラー100の制御方式を判定する。また、照明制御装置200は、判定の結果に応じて選択した制御方式により、交流電源400から供給される交流電圧の波形を制御する。
例えば、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式と同じ制御方式によって交流電圧の波形を制御する。あるいは、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式が第2データ制御方式である場合、第1データ制御方式によって交流電圧の波形を制御してもよい。また、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式である場合、逆位相調光方式によって交流電圧の波形を制御してもよい。
照明制御装置200によって波形が制御された交流電圧(照明制御装置200の出力)は、照明器具300bに入力される。照明器具300bが、照明制御装置200において選択された制御方式に対応する電源回路を備える場合、ユーザーは、照明コントローラー100を用いて、照明器具300bから出射される光を制御することができる。なお、2つの照明器具300bが照明制御装置200に接続された構成を例示しているが、照明器具300bの数は1つでもよいし、3つ以上でもよい。
照明器具300a、300bは、電源回路と照明素子とを備える。電源回路は、例えば、整流回路と、平滑回路と、定電流回路と、パルス信号生成部と、制御部とを含む。整流回路は、照明コントローラー100又は照明制御装置200から出力された交流電圧を整流する。平滑回路は、整流回路の出力を平滑化する。定電流回路は、平滑回路の出力から定電流を生成する。定電流は照明素子に供給される。パルス信号生成部は、整流回路の出力からパルス信号を生成する。パルス信号は、制御部に入力される。
導通角制御方式の照明器具300a、300bが備える制御部は、例えば、正位相調光方式又は逆位相調光方式に対応する定電流制御用IC(マイクロコンピューター)を含む。導通角制御方式では、パルス信号生成部から出力されるパルス信号の各パルスは、照明コントローラー100又は照明制御装置200から出力される交流電圧の各半波の導通角に対応するパルス幅を有する。
導通角制御方式の照明器具300a、300bが備える制御部は、パルス信号生成部から出力される各パルスのパルス幅(交流電圧の各半波の導通角)に応じてデューティー比が変化する制御信号を生成する。換言すると、交流電圧の導通開始位相又は導通遮断位相の変化に応じて、制御信号のデューティー比が変化する。制御信号のデューティー比に応じて、定電流回路から照明素子へ供給される電流の電流値が変化する。これにより、照明素子から出射される光の光量が変化する。
データ制御方式の照明器具300a、300bが備える制御部は、例えば、第1データ制御用のプログラム又は第2データ制御用のプログラムを記憶するマイクロコンピューターを備える。第1データ制御方式及び第2データ制御方式では、パルス信号生成部から出力されるパルス信号の各パルスは、前欠けの有無(前欠けを含む半波の有無)を示す。詳しくは、各パルスのパルス幅が、前欠けの有無を示す。
データ制御方式の照明器具300a、300bが備える制御部は、パルス信号生成部から出力される各パルスのパルス幅に対応するデータ列(ビット列)を生成する。データ列は、設定された前欠けのパターンに対応する。制御部は、生成したデータ列に応じて定電流回路を動作させて、照明素子に供給する電力を制御する。
図2(a)は、照明コントローラー100及び照明制御装置200へ交流電源400から供給される交流電圧401を示す図である。図2(a)に示すように、交流電圧401は正弦波状の波形を有する。即ち、交流電圧401は、正弦波状の半波402から構成される。また、交流電圧401は、ゼロクロス点403を含む。交流電源400が商用電源である場合、交流電圧401の周波数は50Hz又は60Hzである。
図2(b)は、第1データ制御方式の照明コントローラー100から出力される交流電圧401aを示す図である。詳しくは、図2(b)は、照明コントローラー100に電源が投入された直後の交流電圧401aの波形を示す。
図2(b)に示すように、照明コントローラー100は、電源が投入されると、まず、正弦波状の半波402を出力する。そして、所定の周期以後に、前欠け411を含む半波402を出力する。即ち、所定の周期後に、制御信号設定区間が開始される。第1データ制御方式では、前欠け411を含む半波402の導通開始位相411aは一定である。
図2(c)は、正位相調光方式の照明コントローラー100から出力される交流電圧401aを示す図である。詳しくは、図2(c)は、照明コントローラー100に電源が投入された直後の交流電圧401aの波形を示す。
図2(c)に示すように、照明コントローラー100は、電源が投入されると、前欠け411を含む半波402を出力する。また、照明コントローラー100は、電源が投入されると、所謂スロースタートを実行する。具体的には、照明コントローラー100に電源が投入された直後は、導通開始位相411aは、半波402が開始するゼロクロス点403から離れた特定の位相に設定される。その後、半波402ごとに、半波402が開始するゼロクロス点403に導通開始位相411aが徐々に近づく。そして、所定の周期後に、導通開始位相411aは一定に設定される。この結果、照明コントローラー100に電源が投入されると、照明器具300a、300bは、まず低輝度で点灯し、その後、照明器具300a、300bの輝度が徐々に高くなる。
図2(d)は、逆位相調光方式の照明コントローラー100から出力される交流電圧401aを示す図である。詳しくは、図2(d)は、照明コントローラー100に電源が投入された直後の交流電圧401aの波形を示す。
図2(d)に示すように、照明コントローラー100は、電源が投入されると、後ろ欠け412を含む半波402を出力する。また、照明コントローラー100は、電源が投入されると、所謂スロースタートを実行する。具体的には、照明コントローラー100に電源が投入された直後は、導通遮断位相412aは、半波402が終了するゼロクロス点403から離れた特定の位相に設定される。その後、半波402ごとに、半波402が終了するゼロクロス点403に導通遮断位相412aが徐々に近づく。そして、所定の周期後に、導通遮断位相412aは一定に設定される。この結果、照明コントローラー100に電源が投入されると、照明器具300a、300bは、まず低輝度で点灯し、その後、照明器具300a、300bの輝度が徐々に高くなる。
図2(e)は、第2データ制御方式の照明コントローラー100から出力される交流電圧401aを示す図である。詳しくは、図2(e)は、照明コントローラー100に電源が投入された直後の交流電圧401aの波形を示す。
図2(e)に示すように、照明コントローラー100は、電源が投入されると、後ろ欠け412を含む半波402を出力する。そして、所定の周期以後に、前欠け411及び後ろ欠け412を含む半波402を出力する。即ち、所定の周期後に、制御信号設定区間が開始される。照明コントローラー100(2線式の照明コントローラー100)は、交流電圧401の各半波402の後側を切り欠くことにより、照明コントローラー100の動作に必要な電力を生成する。なお、第2データ制御方式では、導通遮断位相412aは一定である。また、前欠け411を含む半波402の導通開始位相411aは一定である。第2データ制御方式では、例えば、前欠け411及び後ろ欠け412を含む半波402は、値「1」のデータを示し、後ろ欠け412のみを含む半波402は値「0」のデータを示す。
続いて図1〜3を参照して、照明コントローラー100の制御方式を判定する方法(判定処理)について説明する。図3は、実施形態1に係る判定処理のフローを示す図である。
図3に示すように、照明コントローラー100に電源が投入されると、照明コントローラー100から照明制御装置200へ交流電圧401aが出力される(ステップS1)。
照明制御装置200は、交流電圧401aが正弦波状の半波402を含むか否かを判定する(ステップS2)。図2(b)〜図2(e)を参照して説明したように、照明コントローラー100の制御方式が第1データ制御方式である場合にのみ、正弦波状の半波402が出力される。したがって、照明制御装置200は、交流電圧401aが正弦波状の半波402を含む場合(ステップS2のYes)、照明コントローラー100の制御方式は第1データ制御方式であると判定する(ステップS3)。
交流電圧401aが正弦波状の半波402を含まない場合(ステップS2のNo)、照明制御装置200は、半波402が前欠け411を含むか否かを判定する(ステップS4)。図2(b)〜図2(e)を参照して説明したように、照明コントローラー100の起動直後は、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式である場合にのみ、前欠け411を含む半波402が出力される。したがって、照明制御装置200は、半波402が前欠け411を含む場合(ステップS4のYes)、照明コントローラー100の制御方式は正位相調光方式であると判定する(ステップS5)。
半波402が前欠け411を含まない場合(ステップS4のNo)、照明制御装置200は、後ろ欠け412の幅の割合が、予め規定された参照値以上であるか否かを判定する(ステップS6)。換言すると、後ろ欠け412を含む半波402の導通角が所定値未満であるか否かを判定する。参照値は、第2データ制御方式の後ろ欠け412の幅(図2(e)参照)の割合よりも大きい値に設定する。
後ろ欠け412の幅の割合が参照値以上である場合(ステップS6のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は逆位相調光方式であると判定する(ステップS7)。後ろ欠け412の幅の割合が参照値以上ではない場合(ステップS6のNo)、照明制御装置200は、逆位相調光方式と第2データ制御方式とを判別する判別モード(状態)に遷移する(ステップS8)。
照明制御装置200は、判別モードに遷移すると、照明コントローラー100の制御方式が逆位相調光方式であるか第2データ制御方式であるかを判定できるまで、ステップS9の処理とステップS10の処理とを繰り返す。
ステップS9において、照明制御装置200は、ステップS6と同様に、後ろ欠け412の幅の割合が参照値以上であるか否かを判定する。後ろ欠け412の幅の割合が参照値以上である場合(ステップS9のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は逆位相調光方式であると判定する(ステップS7)。一方、後ろ欠け412の幅の割合が参照値以上ではない場合(ステップS9のNo)、処理はステップS10に移る。
ステップS10において、照明制御装置200は、半波402が前欠け411を含むか否かを判定する。換言すると、半波402が後ろ欠け412に加えて前欠け411を含むか否かを判定する。図2(d)を参照して説明したように、逆位相調光方式の半波402は前欠け411を含まない。一方、図2(e)を参照して説明したように、第2データ制御方式では、照明コントローラー100が起動してから所定の周期以後に、前欠け411及び後ろ欠け412を含む半波402が出力される。したがって、半波402が前欠け411を含む場合(ステップS10のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は第2データ制御方式であると判定する(ステップS11)。一方、半波402が前欠け411を含まない場合(ステップS10のNo)、処理はステップS9に戻る。
続いて図4を参照して、照明制御装置200の構成について説明する。図4は、照明制御装置200の構成を示すブロック図である。図4に示すように、照明制御装置200は、整流回路210と、比較回路220と、制御部230と、スイッチ部240とを備える。制御部230は記憶部250を含む。記憶部250は、正位相調光プログラム251と、逆位相調光プログラム252と、第1データ制御プログラム253と、第2データ制御プログラム254とを記憶している。
整流回路210は、照明コントローラー100から入力された交流電圧401aを整流する。整流回路210は、好ましくは全波整流回路を含む。比較回路220は、整流回路210の出力と閾値とを比較する。比較回路220は、例えば、コンパレーターを含む。比較回路220による比較の結果は、制御部230に入力される。
制御部230は、図3を参照して説明した判定処理を行う。また、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式を判定すると、その判定の結果に応じて、正位相調光プログラム251、逆位相調光プログラム252、第1データ制御プログラム253、及び第2データ制御プログラム254のうちの1つを選択する。そして、選択したプログラムに従ってスイッチ部240を制御する。
例えば、制御部230は、CPU又はMPUのようなプロセッサーを備える。プロセッサーは、交流電源400から供給される交流電圧401を用いて、判定用パルス信号を生成する。例えば、判定用パルス信号は、交流電圧401のゼロクロス点の直前に立下り、そのゼロクロス点の直後に立ち上がる。
また、プロセッサーは、記憶部250に記憶されているプログラムを実行することにより、図3を参照して説明した判定処理を行う。プロセッサーは、照明コントローラー100の制御方式を判定すると、その判定の結果に応じて、正位相調光プログラム251、逆位相調光プログラム252、第1データ制御プログラム253、及び第2データ制御プログラム254のうちのいずれか1つを記憶部250から読み出して実行する。この結果、プロセッサーは、正位相調光プログラム251、逆位相調光プログラム252、第1データ制御プログラム253、又は第2データ制御プログラム254に従ってスイッチ部240を制御する。
記憶部250は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような半導体メモリーによって構成される。また、記憶部250は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)を含み得る。
なお、制御部230は、マイクロコンピューターを備えてもよい。
スイッチ部240は、交流電源400から供給される交流電圧401の導通を制御する。この結果、交流電圧401の波形が制御されて、照明器具300bに入力される。スイッチ部240は、例えば半導体スイッチ素子を含む。例えば、スイッチ部240は、MOSFET又はバイポーラトランジスタを含み得る。
例えば、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式であると判定した場合、正位相調光プログラム251に従ってスイッチ部240を制御する。詳しくは、制御部230は、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形が照明コントローラー100の出力波形(交流電圧401aの波形)と同様の波形となるように、正位相調光方式によってスイッチ部240を制御する。
同様に、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式が逆位相調光方式であると判定した場合、逆位相調光プログラム252に従って、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形が照明コントローラー100の出力波形と同様の波形となるようにスイッチ部240を制御する。
また、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式が第1データ制御方式であると判定した場合、第1データ制御プログラム253に従って、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形が照明コントローラー100の出力波形と同様の波形となるようにスイッチ部240を制御する。
また、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式が第2データ制御方式であると判定した場合、第2データ制御プログラム254に従って、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形が照明コントローラー100の出力波形と同様の波形となるようにスイッチ部240を制御する。
あるいは、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式が第2データ制御方式であると判定した場合、第1データ制御プログラム253を実行してもよい。この場合、スイッチ部240は、照明コントローラー100の出力波形(交流電圧401aの波形)に含まれる前欠け411に応じて交流電圧401の導通を制御する。詳しくは、照明制御装置200(スイッチ部240)は、照明コントローラー100から出力される前欠け411及び後ろ欠け412を含む半波402に対応して、前欠け411のみを含む半波402を出力する。一方、照明制御装置200(スイッチ部240)は、照明コントローラー100から出力される後ろ欠け412のみを含む半波402に対応して、正弦波状の半波402を出力する。
また、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式であると判定した場合、逆位相調光プログラム252を実行してもよい。この場合、スイッチ部240は、照明コントローラー100の出力波形における各導通開始位相411aに応じて交流電圧401の導通を遮断する。詳しくは、交流電圧401の各半波402の中央(半波402の絶対値が最大となる位相)を挟んで、交流電圧401aの導通開始位相411aと対称な位相で、交流電圧401の導通を遮断する。例えば、交流電圧401aの導通開始位相411aが45°の場合、交流電圧401の導通遮断位相412aは135°に設定される。
なお、制御部230は、図2を参照して説明した判別モードに遷移すると(ステップS8)、照明コントローラー100の制御方式が逆位相調光方式であるか第2データ制御方式であるかを判定している間、逆位相調光プログラム252に従ってスイッチ部240を制御する。したがって、照明コントローラー100の制御方式が第2データ制御方式である場合、照明コントローラー100の制御方式を判定している間、スイッチ部240は、交流電圧401の各半波402が後ろ欠け412のみを含むように交流電圧401の導通を制御する。詳しくは、照明コントローラー100の出力波形に含まれる後ろ欠け412に対応して交流電圧401の各半波402が後ろ欠け412を含むように、交流電圧401の導通が制御される。
続いて図4、図5(a)及び図5(b)を参照して、照明コントローラー100の制御方式を判定する処理について説明する。図5(a)は整流回路210の出力の一例を示す図であり、図5(b)は比較回路220の出力の一例を示す図である。詳しくは、図5(a)は、照明コントローラー100の制御方式が第1データ制御方式である場合に整流回路210から出力される電圧421の波形の一例を示す。図5(b)は、図5(a)に示す電圧421を閾値と比較することによって比較回路220から出力されるパルス信号431を示す。
図5(a)及び図5(b)に示すように、整流回路210によって交流電圧401aが整流されると、電圧421が生成される。電圧421の波形は、交流電圧401aの半波402に対応する半波402aからなる。具体的には、電圧421の波形は、正弦波状の半波402aと、前欠け411を含む半波402aとからなる。
比較回路220によって電圧421が閾値と比較されると、パルス信号431が生成されて制御部230に入力される。本実施形態では、パルス信号431は、電圧421が閾値以上である際にHレベルとなり、電圧421が閾値未満である際にLレベルとなる。
具体的には、正弦波状の半波402aに応じて、パルス幅T0を有するパルス432が生成される。また、前欠け411を含む半波402aに応じて、パルス幅T1を有するパルス432が生成される。制御部230は、パルス幅T0を有するパルス432が入力されると、照明コントローラー100の制御方式は第1データ制御方式であると判定する。パルス信号431のパルス幅は、例えばシステムクロックを参照して判定(取得)し得る。
なお、制御部230は、パルス信号431(パルス幅T0を有するパルス432とパルス幅T1を有するパルス432)に基づいてスイッチ部240を動作させて、交流電圧401の導通を制御する。この結果、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形が照明コントローラー100の出力波形(交流電圧401aの波形)と同様の波形となる。
続いて図4、図6(a)、図6(b)、及び図7(a)〜図7(c)を参照して、照明コントローラー100の制御方式を判定する処理について説明する。図6(a)は整流回路210の出力の一例を示す図であり、図6(b)は比較回路220の出力の一例を示す図である。詳しくは、図6(a)は、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式である場合に整流回路210から出力される電圧421の波形の一例を示す。図6(b)は、図6(a)に示す電圧421を閾値と比較することによって比較回路220から出力されるパルス信号431を示す。図7(a)は、図6(a)の一部を拡大して示す図である。図7(b)は、図6(b)の一部を拡大して示す図である。図7(c)は、判定用パルス信号501を示す図である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、電圧421の波形は、前欠け411を含む半波402aからなる。比較回路220によって電圧421が閾値と比較されると、パルス幅T2を有するパルス432が生成される。図7(a)〜図7(c)に示すように、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式である場合、パルス432の立ち上がりエッジは、判定用パルス信号501の立ち上がりエッジに対して遅延する。制御部230は、パルス432の立ち上がりエッジと判定用パルス信号501の立ち上がりエッジとを比較する。パルス432の立ち上がりエッジが判定用パルス信号501の立ち上がりエッジに対して遅延している場合、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式は正位相調光方式であると判定する。
なお、制御部230は、パルス信号431(パルス幅T2)に基づいてスイッチ部240を動作させて、交流電圧401の導通角を制御する。詳しくは、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形の導通開始位相を制御する。この結果、照明制御装置200の出力波形が照明コントローラー100の出力波形(交流電圧401aの波形)と同様の波形となる。あるいは、制御部230は、パルス信号(パルス幅T2)に基づいて、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形の導通遮断位相を制御してもよい。これにより、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式である場合に、照明器具300bから出射される光を逆位相調光方式によって制御することができる。
続いて図4、図8(a)及び図8(b)を参照して、照明コントローラー100の制御方式を判定する処理について説明する。図8(a)は整流回路210の出力の一例を示す図であり、図8(b)は比較回路220の出力の一例を示す図である。詳しくは、図8(a)は、照明コントローラー100の制御方式が逆位相調光方式である場合に整流回路210から出力される電圧421の波形の一例を示す。図8(b)は、図8(a)に示す電圧421を閾値と比較することによって比較回路220から出力されるパルス信号431を示す。
図8(a)及び図8(b)に示すように、電圧421の波形は、後ろ欠け412を含む半波402aからなる。比較回路220によって電圧421が閾値と比較されると、パルス幅T3を有するパルス432が生成される。制御部230は、パルス信号431のLレベル区間の幅T4を取得する。Lレベル区間の幅T4は、パルス信号431の周期Tと、パルス432のパルス幅T3との差から取得し得る。パルス信号431の周期Tは、システムクロックを参照して取得し得る。制御部230は、パルス信号431の周期Tに対するLレベル区間の幅T4の割合(T4/T)が、予め規定された参照値以上であるか否かを判定する。割合(T4/T)が参照値以上である場合、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式は逆位相調光方式であると判定する。
なお、制御部230は、パルス信号431(パルス幅T3、Lレベル区間の幅T4、又は、Lレベル区間の幅T4の割合)に基づいてスイッチ部240を動作させて、交流電圧401の導通角を制御する。詳しくは、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形の導通遮断位相を制御する。この結果、照明制御装置200の出力波形が照明コントローラー100の出力波形(交流電圧401aの波形)と同様の波形となる。
続いて図4、図9(a)、図9(b)、及び図10(a)〜図10(c)を参照して、照明コントローラー100の制御方式を判定する処理について説明する。図9(a)は整流回路210の出力の一例を示す図であり、図9(b)は比較回路220の出力の一例を示す図である。詳しくは、図9(a)は、照明コントローラー100の制御方式が第2データ制御方式である場合に整流回路210から出力される電圧421の波形の一例を示す。図9(b)は、図9(a)に示す電圧421を閾値と比較することによって比較回路220から出力されるパルス信号431を示す。図10(a)は、図9(a)の一部を拡大して示す図である。図10(b)は、図9(b)の一部を拡大して示す図である。図10(c)は、判定用パルス信号501を示す図である。
図9(a)及び図9(b)に示すように、電圧421の波形は、後ろ欠け412のみを含む半波402aと、前欠け411及び後ろ欠け412を含む半波402aとからなる。比較回路220によって電圧421が閾値と比較されると、後ろ欠け412のみを含む半波402aに応じて、パルス幅T5を有するパルス432が生成される。また、前欠け411及び後ろ欠け412を含む半波402aに応じて、パルス幅T6を有するパルス432が生成される。
図10(a)〜図10(c)に示すように、前欠け411及び後ろ欠け412を含む半波402aが生成されると、パルス432の立ち上がりエッジが、判定用パルス信号501の立ち上がりエッジに対して遅延する。制御部230は、パルス432の立ち上がりエッジと判定用パルス信号501の立ち上がりエッジとを比較する。パルス432の立ち上がりエッジが判定用パルス信号501の立ち上がりエッジに対して遅延した場合、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式は第2データ制御方式であると判定する。
なお、制御部230は、パルス信号431(パルス幅T5を有するパルス432とパルス幅T6を有するパルス432)に基づいてスイッチ部240を動作させて、交流電圧401の導通を制御する。この結果、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形が照明コントローラー100の出力波形(交流電圧401aの波形)と同様の波形となる。あるいは、制御部230は、パルス幅T6を有するパルス432に基づいてスイッチ部240を動作させてもよい。詳しくは、照明制御装置200(スイッチ部240)が、パルス幅T5を有するパルス432に対応して正弦波状の半波402を出力し、パルス幅T6を有するパルス432に対応して前欠け411のみを含む半波402を出力するように、交流電圧401の導通を制御してもよい。これにより、照明コントローラー100の制御方式が第2データ制御方式である場合に、照明器具300bから出射される光を第1データ制御方式によって制御することができる。
続いて図11を参照して、スイッチ部240の構成について説明する。図11は、スイッチ部240の構成を示す図である。図11に示すように、スイッチ部240は、スイッチ素子として、第1NchMOSFET241、及び第2NchMOSFET242を備える。スイッチ部240は更に、第1ダイオード243及び第2ダイオード244を備える。
第1NchMOSFET241のドレインは、交流電源400に電気的に接続する。第1NchMOSFET241と第2NchMOSFET242とは、相補的に接続される。詳しくは、第1NchMOSFET241のソースが、第2NchMOSFET242のソースに電気的に接続する。第1NchMOSFET241のソース、及び第2NchMOSFET242のソースは、接地される。第2NchMOSFET242のドレインは、照明器具300bと電気的に接続する。
第1ダイオード243は、第1NchMOSFET241のソース及びドレイン間に電気的に接続される。詳しくは、第1ダイオード243のアノードが第1NchMOSFET241のソースに接続され、第1ダイオード243のカソードが第1NchMOSFET241のドレインに接続される。
第2ダイオード244は、第2NchMOSFET242のソース及びドレイン間に電気的に接続される。詳しくは、第2ダイオード244のアノードが第2NchMOSFET242のソースに接続され、第2ダイオード244のカソードが第2NchMOSFET242のドレインに接続される。
制御部230は、第1NchMOSFET241のゲートに対して、第1NchMOSFET241をターンオン及びターンオフさせるパルス状の駆動信号を出力する。また、制御部230は、第2NchMOSFET242のゲートに対して、第2NchMOSFET242をターンオン及びターンオフさせるパルス状の駆動信号を出力する。
詳しくは、交流電圧401が正の電圧を示す期間において、制御部230が第1NchMOSFET241をターンオンすると、交流電圧401は第1NchMOSFET241を通過する。第1NchMOSFET241を通過した交流電圧401は、第2ダイオード244を経由して、照明器具300bに出力される。したがって、交流電圧401が正の電圧を示す期間に、第1NchMOSFET241のターンオン及びターンオフを制御することにより、照明器具300bに伝送される交流電圧401の波形を切り欠くことができる。
一方、交流電圧401が負の電圧を示す期間では、交流電圧401は、第1ダイオード243を経由して、第2NchMOSFET242のソースに印加される。交流電圧401が負の電圧を示す期間において、制御部230が第2NchMOSFET242をターンオンすると、交流電圧401は第2NchMOSFET242を通過する。第2NchMOSFET242を通過した交流電圧401は、照明器具300bに出力される。したがって、交流電圧401が負の電圧を示す期間に、第2NchMOSFET242のターンオン及びターンオフを制御することにより、照明器具300bに伝送される交流電圧401の波形を切り欠くことができる。
以上、実施形態1について説明した。本実施形態によれば、正位相調光方式と、逆位相調光方式と、第1データ制御方式と、第2データ制御方式とを判別することができる。したがって、照明制御装置200に、制御方式を切り替えるためのスイッチなどを搭載する必要がない。また、本実施形態によれば、照明制御装置200を用いて、調光と調色とを行うことができる。
更に、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式が第2データ制御方式である場合に、第1データ制御方式によって照明器具300bを制御することができる。第1データ制御方式によって制御される交流電圧の波形は、第2制御方式と比べて切り欠きの数が少ないため、スイッチングノイズを低減することができる。
また、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式である場合に、逆位相調光方式によって照明器具300bを制御することができる。逆位相調光方式によって交流電圧の波形を制御すると、スイッチ素子のターンオン時の電流上昇が正位相調光方式と比べて緩やかになるため、スイッチングノイズを低減することができる。
(実施形態2)
続いて図1、図2、図4〜図10、及び図12を参照して、実施形態2を説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と重複する事項についての説明は割愛する。実施形態2は、照明コントローラー100の制御方式を判定する方法(判定処理)が実施形態1と異なる。図12は、実施形態2に係る判定処理のフローを示す図である。照明制御装置200(制御部230)は、図12に示す判定処理を行う。
図12に示すように、照明コントローラー100に電源が投入されると、照明コントローラー100から照明制御装置200へ交流電圧401aが出力される(ステップS11)。
照明制御装置200は、実施形態1と同様に、交流電圧401aが正弦波状の半波402を含むか否かを判定する(ステップS12)。交流電圧401aが正弦波状の半波402を含む場合(ステップS12のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は第1データ制御方式であると判定する(ステップS13)。
交流電圧401aが正弦波状の半波402を含まない場合(ステップS12のNo)、照明制御装置200は、半波402が後ろ欠け412を含むか否かを判定する(ステップS14)。
図2(c)〜図2(e)を参照して説明したように、後ろ欠け412を含まない半波402を出力する制御方式は、正位相調光方式、逆位相調光方式、及び第2データ制御方式のうちでは正位相調光方式のみである。したがって、半波402が後ろ欠け412を含まない場合(ステップS14のNo)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は正位相調光方式であると判定する(ステップS15)。なお、半波402が後ろ欠け412を含むか否かは、図5〜図10を参照して説明したパルス432が、判定用パルス信号501よりも早く立ち下がるか否かによって判定することができる。
半波402が後ろ欠け412を含む場合(ステップS14のYes)、照明制御装置200は、半波402が前欠け411を含むか否かを判定する(ステップS16)。半波402が前欠け411を含む場合(ステップS16のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は第2データ制御方式であると判定する(ステップS17)。一方、半波402が前欠け411を含まない場合(ステップS16のNo)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は逆位相調光方式であると判定する(ステップS18)。
以上、実施形態2について説明した。実施形態2によれば、実施形態1と同様に、正位相調光方式と、逆位相調光方式と、第1データ制御方式と、第2データ制御方式とを判別することができる。
(実施形態3)
続いて図1、図2、図4〜図10、及び図13を参照して、実施形態3を説明する。但し、実施形態1及び実施形態2と異なる事項を説明し、実施形態1及び実施形態2と重複する事項についての説明は割愛する。実施形態3は、照明コントローラー100の制御方式を判定する方法(判定処理)が実施形態1及び実施形態2と異なる。図13は、実施形態3に係る判定処理のフローを示す図である。照明制御装置200(制御部230)は、図13に示す判定処理を行う。
図13に示すように、照明コントローラー100に電源が投入されると、照明コントローラー100から照明制御装置200へ交流電圧401aが出力される(ステップS21)。
照明制御装置200は、照明コントローラー100の起動直後に照明コントローラー100から出力される半波402の導通がゼロクロス点403から開始するか否かを判定する(ステップS22)。
図2(b)〜図2(e)に示すように、照明コントローラー100の制御方式がデータ制御方式である場合に、半波402の導通がゼロクロス点403から開始する(図2(b)及び図2(e)参照)。また、照明コントローラー100の制御方式が逆位相調光方式である場合に、半波402の導通がゼロクロス点403から開始する(図2(d)参照)。一方、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式である場合、半波402の導通はゼロクロス点403から遅れて開始する(図2(c)参照)。
半波402の導通がゼロクロス点403から開始する場合(ステップS22のYes)、照明制御装置200は、スロースタートが実行されているか否かを判定する(ステップS23)。図2(c)及び図2(d)を参照して説明したように、照明コントローラー100の制御方式が導通角制御方式である場合に、スロースタートが実行される。
半波402の導通がゼロクロス点403から開始しない場合(ステップS22のNo)、又は、半波402の導通がゼロクロス点403から開始し(ステップS22のYes)、かつスロースタートが実行されている場合(ステップS23のYes)、処理はステップS24に進む。即ち、照明制御装置200は、半波402が前欠け411を含むか否かを判定する(ステップS24)。半波402が前欠け411を含む場合(ステップS24のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は正位相調光方式であると判定する(ステップS25)。一方、半波402が前欠け411を含まない場合(ステップS24のNo)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は逆位相調光方式であると判定する(ステップS26)。
スロースタートが実行されていない場合(ステップS23のNo)、照明制御装置200は、半波402が後ろ欠け412を含むか否かを判定する(ステップS27)。半波402が後ろ欠け412を含む場合(ステップS27のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は第2データ制御方式であると判定する(ステップS28)。一方、半波402が後ろ欠け412を含まない場合(ステップS27のNo)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は第1データ制御方式であると判定する(ステップS29)。
以上、実施形態3について説明した。実施形態3によれば、実施形態1及び実施形態2と同様に、正位相調光方式と、逆位相調光方式と、第1データ制御方式と、第2データ制御方式とを判別することができる。
なお、照明コントローラー100の制御方式が正位相調光方式である場合に、逆位相調光方式によって照明器具300bを制御する場合、図13に示すステップS24の処理は省略し得る。この場合、半波402の導通がゼロクロス点403から開始しない場合(ステップS22のNo)、又は、半波402の導通がゼロクロス点403から開始し(ステップS22のYes)、かつスロースタートが実行されている場合(ステップS23のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は導通角制御方式であると判定し、逆位相調光プログラム252を実行する。
(実施形態4)
続いて図1、及び図14〜図18を参照して、実施形態4を説明する。但し、実施形態1〜実施形態3と異なる事項を説明し、実施形態1〜実施形態3と重複する事項についての説明は割愛する。実施形態4は、正位相調光方式、逆位相調光方式、第1データ制御方式、及び第2データ制御方式に加えて、第3データ制御方式を判別できる点が実施形態1〜実施形態3と異なる。
第3データ制御方式では、交流電圧の波形が、正弦波状の半波と、全体的に切り欠いた波形の半波とを含む波形に制御される。具体的には、ユーザーの操作(指令)に応じた切り欠きのパターンが設定され、設定された切り欠きのパターンに応じて、制御信号設定区間の少なくとも1つの半波の波形が、全体的に切り欠いた波形となる。例えば、正弦波状の半波は値「0」のデータを示し、全体的に切り欠いた半波は値「1」のデータを示す。
図14(a)は、照明コントローラー100及び照明制御装置200へ交流電源400から供給される交流電圧401を示す図である。図14(b)は、第3データ制御方式の照明コントローラー100から出力される交流電圧401aを示す図である。詳しくは、図14(b)は、照明コントローラー100に電源が投入された直後の交流電圧401aの波形を示す。
図14(b)に示すように、第3データ制御方式の照明コントローラー100は、電源が投入されると、まず、正弦波状の半波402を出力する。そして、所定の周期以後に、少なくとも1つの半波402を全体的に切り欠く。
図15は、実施形態4に係る判定処理のフローを示す図である。図15に示す判定処理は、ステップS12及びステップS13の処理を含む点で、図3に示す判定処理と異なる。
図15に示すように、照明コントローラー100から出力される交流電圧401aが正弦波状の半波402を含む場合(ステップS2のYes)、照明制御装置200は、交流電圧401aが、所定の期間、閾値以下の電圧値を示すか否かを判定する(ステップS12)。所定の期間は、交流電圧401の1/4周期以上の長さの期間に設定する。閾値は、全体的に切り欠いた半波402の電圧値以上に設定する(図14(b)参照)。
交流電圧401aが、所定の期間、閾値以下の電圧値を示す場合(ステップS12のYes)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は第3データ制御方式であると判定する(ステップS13)。一方、交流電圧401aが、所定の期間、閾値以下の電圧値を示さない場合(ステップS12のNo)、照明制御装置200は、照明コントローラー100の制御方式は第1データ制御方式であると判定する(ステップS3)。
図16は、実施形態4に係る照明制御装置200の構成を示すブロック図である。図16に示すように、実施形態4では、照明制御装置200の記憶部250が第3データ制御プログラム255を更に記憶している。
制御部230は、図15を参照して説明した判定処理を行う。また、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式を判定すると、その判定の結果に応じて、正位相調光プログラム251、逆位相調光プログラム252、第1データ制御プログラム253、第2データ制御プログラム254、及び第3データ制御プログラム255のうちの1つを選択する。そして、選択したプログラムに従ってスイッチ部240を制御する。
即ち、実施形態4において、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式が第3データ制御方式であると判定した場合、第3データ制御プログラム255に従ってスイッチ部240を制御する。詳しくは、制御部230は、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形が照明コントローラー100の出力波形(交流電圧401aの波形)と同様の波形となるように、第3データ制御方式によってスイッチ部240を制御する。
続いて図16、図17(a)及び図17(b)を参照して、照明コントローラー100の制御方式を判定する処理について説明する。図17(a)は整流回路210の出力の一例を示す図であり、図17(b)は比較回路220の出力の一例を示す図である。詳しくは、図17(a)は、照明コントローラー100の制御方式が第3データ制御方式である場合に整流回路210から出力される電圧421の波形の一例を示す。図17(b)は、図17(a)に示す電圧421を閾値と比較することによって比較回路220から出力されるパルス信号431を示す。
図17(a)に示すように、電圧421の波形は、半波402aを全体的に切り欠いた区間を有する。図17(b)に示すように、正弦波状の半波402aに応じて、パルス幅T0を有するパルス432が生成される。また、半波402aを全体的に切り欠いた区間では、パルス信号431はLレベルとなる。
制御部230は、システムクロックを参照して、半波402aを全体的に切り欠いた区間(パルス信号431のLレベル区間)の幅T7を取得する。半波402aを全体的に切り欠いた区間の幅T7は、交流電圧401の1/4周期以上の長さとなる。制御部230は、幅T7が交流電圧401の1/4周期以上の長さとなるか否かを判定する。幅T7が交流電圧401の1/4周期以上の長さとなる場合、制御部230は、照明コントローラー100の制御方式は第3データ制御方式であると判定する。
なお、制御部230は、パルス信号431に基づいてスイッチ部240を動作させて、交流電圧401の導通を制御する。この結果、照明制御装置200(スイッチ部240)の出力波形が照明コントローラー100の出力波形(交流電圧401aの波形)と同様の波形となる。
第3データ制御方式の照明器具300a、300bは、電源回路と照明素子とを備える。電源回路は、例えば、整流回路と、平滑回路と、定電流回路と、パルス信号生成部と、制御部とを含む。整流回路は、照明コントローラー100又は照明制御装置200の出力(交流電圧)を整流する。平滑回路は、整流回路の出力を平滑化する。定電流回路は、平滑回路の出力から定電流を生成する。定電流は照明素子に供給される。パルス信号生成部は、整流回路の出力からパルス信号を生成する。パルス信号は、制御部に入力される。
第3データ制御方式の照明器具300a、300bが備える制御部は、例えば、第3データ制御用のプログラムを記憶するマイクロコンピューターを備える。第3データ制御方式では、パルス信号生成部から出力されるパルス信号の各パルスは、全体的に切り欠いた半波の有無を示す。詳しくは、各パルスのパルス幅が、全体的に切り欠いた半波の有無を示す。
第3データ制御方式の照明器具300a、300bが備える制御部は、パルス信号生成部から出力される各パルスのパルス幅に対応するデータ列(ビット列)を生成する。データ列は、設定された切り欠きのパターンに対応する。制御部は、生成したデータ列に応じて定電流回路を動作させて、照明素子に供給する電力を制御する。
続いて図18(a)〜図18(d)を参照して、第3データ制御方式の照明器具300aによるデータ列の生成処理について説明する。なお、第3データ制御方式の照明器具300bも同様にデータ列を生成するため、その説明は省略する。
図18(a)は、照明コントローラー100から照明器具300aへ出力される交流電圧401aの一例を示す図である。図18(b)は、照明器具300aが備える整流回路の出力の一例を示す図である。詳しくは、図18(b)は、図18(a)に示す交流電圧401aを整流して得られる電圧441を示す。図18(c)は、照明器具300aが備えるパルス信号生成部の出力の一例を示す図である。詳しくは、図18(c)は、図18(b)に示す電圧441に基づいて生成されるパルス信号451を示す。図18(d)は、システムクロック461を示す図である。
図18(a)に示すように、第3データ制御方式では、交流電圧401aは、半波402を全体的に切り欠いた区間Lを有する。区間Lは、連続して切り欠く半波402の数が多いほど、長くなる。
図18(b)に示すように、電圧441の波形は、正弦波状の半波402bを含む。また、電圧441は、半波402bを全体的に切り欠いた区間Lを有する。電圧441が閾値と比較されることにより、図18(c)に示すパルス信号451が生成される。本実施形態では、パルス信号451は、電圧441が閾値未満である際にHレベルとなり、電圧441が閾値以上である際にLレベルとなる。なお、閾値は、MOSFETのゲート閾値であり得る。
詳しくは、正弦波状の半波402bに応じて、パルス幅T8を有するパルス452が生成される。また、半波402bを全体的に切り欠いた区間Lに対応して、パルス幅T9を有するパルス452が生成される。照明器具300aは、パルス幅T8を有するパルス452が生成されると、値「0」を記憶する。一方、パルス幅T9を有するパルス452が生成されると、値「1」を記憶する。これにより、データ列(ビット列)が記憶される。パルス452のパルス幅は、図18(d)に示すシステムクロック461を参照して取得する。
図18(c)に示すように、例えば、連続する2つの半波402bを全体的に切り欠いた区間Lに対応するパルス452が生成されると、照明器具300aは、値「1」を連続して2つ記憶する。連続して切り欠いた半波402b(半波402a)の数の判定には、タイマーを用いる。具体的には、タイマーは、システムクロック461のパルスをカウントする。照明器具300aは、タイマーのカウント値から、連続して切り欠いた半波402b(半波402a)の数を判定する。
なお、照明器具300aは、電圧441が閾値未満である際にHレベルとなり、電圧441が閾値以上である際にLレベルとなるパルス信号を生成してもよい。
また、照明器具300aは、パルス幅T8を有するパルス452が生成されると、値「1」を記憶し、パルス幅T9を有するパルス452が生成されると、値「0」を記憶してもよい。
以上、実施形態4について説明した。実施形態4によれば、正位相調光方式、逆位相調光方式、第1データ制御方式、及び第2データ制御方式に加えて、第3データ制御方式を判別することができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、上記各実施形態に種々の改変を施すことができる。
例えば、本発明による実施形態では、交流電源400として商用電源を例示したが、交流電源400は商用電源に限定されるものではなく、自家発電機等であってもよい。
また、本発明による実施形態では、スイッチ部240が2つのNchMOSFETを備える構成について説明したが、スイッチ部240はこの構成に限定されない。例えば、スイッチ部240は、スイッチ素子として、2つのバイポーラ型トランジスタ、又は2つの絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ(IGBT)を備え得る。
また、本発明による実施形態では、比較回路220は、整流回路210の出力(電圧421)が閾値以上である際にHレベルとなるパルス信号431を生成したが、整流回路210の出力が閾値未満である際にHレベルとなるパルス信号が生成されてもよい。
また、本発明による実施形態では、照明制御装置200が整流回路210を備える構成について説明したが、照明制御装置200は整流回路210を備えなくてもよい。この場合、照明コントローラー100の出力(交流電圧401a)が比較回路220に入力される。
本願は、更に以下の付記を開示する。なお、以下の付記は、本発明を限定するものではない。
(付記1)
照明コントローラーと照明制御装置とを備える照明システムであって、
前記照明コントローラーは、第1制御方式に含まれるいずれかの制御方式によって第1交流電圧の波形を制御し、
前記照明制御装置は、
第2交流電圧の波形を制御するスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御する制御部と
を含み、
前記制御部は、前記第1交流電圧の波形から前記照明コントローラーの制御方式を判定し、第2制御方式のうちからその判定結果に応じて選択した制御方式によって前記スイッチ部の動作を制御し、
前記第1制御方式は、少なくとも1種類の導通角制御方式と、少なくとも1種類のデータ制御方式とを含み、
前記導通角制御方式は、交流電圧の導通角を制御する制御方式であり、
前記データ制御方式は、交流電圧の少なくとも1つの半波の少なくとも一部を切り欠く制御方式である、照明システム。
(付記2)
前記第1制御方式は、
前記導通角制御方式として、
交流電圧の半波の前側の導通開始位相を制御する正位相調光方式と、
交流電圧の半波の後側の導通遮断位相を制御する逆位相調光方式と
のうちの少なくとも一方を含み、
前記データ制御方式として、
制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の少なくとも一部を切り欠く第1データ制御方式と、
交流電圧の半波の後側の一部を切り欠くとともに、制御信号設定区間において、少なくとも1つの前記半波の前側の少なくとも一部を切り欠く第2データ制御方式と
のうちの少なくとも一方を含む、付記1に記載の照明システム。
(付記3)
前記第1制御方式は、前記データ制御方式として、前記第1データ制御方式と前記第2データ制御方式と第3データ制御方式とのうちの少なくとも1つを含み、
前記第3データ制御方式は、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波を全体的に切り欠く制御方式である、付記2に記載の照明システム。
(付記4)
前記制御部は、前記第2制御方式のうちから、前記照明コントローラーの制御方式と同じ制御方式を選択する、付記1から付記3のうちのいずれか1項に記載の照明システム。
(付記5)
前記制御部は、前記第1制御方式が前記第2データ制御方式であると判定すると、前記第2制御方式のうちから前記第1データ制御方式を選択する、付記2又は付記3に記載の照明システム。
(付記6)
前記制御部は、前記第1制御方式が前記正位相調光方式であると判定すると、前記第2制御方式のうちから前記逆位相調光方式を選択する、付記2又は付記3に記載の照明システム。
(付記7)
前記制御部は、前記第1交流電圧の波形が正弦波を含む場合、前記第1制御方式が前記第1データ制御方式であると判定する、付記2又は付記3に記載の照明システム。
(付記8)
前記制御部は、前記第1交流電圧の半波が前側に切り欠きを含む場合、前記第1制御方式が前記正位相調光方式であると判定する、付記7に記載の照明システム。
(付記9)
前記制御部は、前記第1交流電圧の半波が後側に切り欠きを含み、かつ、その半波の導通角が所定値よりも小さい場合、前記第1制御方式が前記逆位相調光方式であると判定する、付記2又は付記3に記載の照明システム。
(付記10)
前記制御部は、前記第1交流電圧の少なくとも1つの半波が前側及び後側に切り欠きを含む場合、前記第1制御方式が前記第2データ制御方式であると判定する、付記2又は付記3に記載の照明システム。
(付記11)
前記制御部は、前記第1交流電圧が、所定の期間、閾値以下の電圧値を示す場合、前記第1制御方式が前記第3データ制御方式であると判定する、付記3に記載の照明システム。
(付記12)
第1制御方式に含まれるいずれかの制御方式によって第1交流電圧の波形を制御する照明コントローラーに接続される照明制御装置であって、
第2交流電圧の波形を制御するスイッチ部と、
前記スイッチ部の動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記第1交流電圧の波形から前記照明コントローラーの制御方式を判定し、第2制御方式のうちからその判定結果に応じて選択した制御方式によって前記スイッチ部の動作を制御し、
前記第1制御方式は、少なくとも1種類の導通角制御方式と、少なくとも1種類のデータ制御方式とを含み、
前記導通角制御方式は、交流電圧の導通角を制御する制御方式であり、
前記データ制御方式は、交流電圧の少なくとも1つの半波の少なくとも一部を切り欠く制御方式である、照明制御装置。
(付記13)
照明コントローラーによって制御された後の交流電圧の波形が正弦波を含むか否かを判定するステップと、
前記交流電圧の波形が正弦波を含む場合、前記照明コントローラーの制御方式が第1データ制御方式であると判定するステップと、
前記交流電圧の半波が前側に切り欠きを含むか否かを判定するステップと、
前記交流電圧の半波が前側に切り欠きを含む場合、前記照明コントローラーの制御方式が、前記交流電圧の半波の前側の導通開始位相を制御する正位相調光方式であると判定するステップと、
前記交流電圧の半波が後側に切り欠きを含み、かつ、その半波の導通角が所定値よりも小さいか否かを判定するステップと、
前記交流電圧の半波が後側に切り欠きを含み、かつ、その半波の導通角が所定値よりも小さい場合、前記照明コントローラーの制御方式が、前記交流電圧の半波の後側の導通遮断位相を制御する逆位相調光方式であると判定するステップと、
前記交流電圧の少なくとも1つの半波が前側及び後側に切り欠きを含むか否かを判定するステップと、
前記交流電圧の少なくとも1つの半波が前側及び後側に切り欠きを含む場合、前記照明コントローラーの制御方式が第2データ制御方式であると判定するステップと
を包含し、
前記第1データ制御方式は、制御信号設定区間において、交流電圧の少なくとも1つの半波の前側の少なくとも一部を切り欠く制御方式であり、
前記第2データ制御方式は、交流電圧の半波の後側の一部を切り欠くとともに、制御信号設定区間において、少なくとも1つの前記半波の前側の少なくとも一部を切り欠く制御方式である、判定方法。