JP6410430B2 - 光学素子及び液晶材料 - Google Patents

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Description

本発明は、二軸性を発現する 液晶材料、及び前記液晶材料を用いた光学素子に関する。
液晶ディスプレイや液晶メモリー素子等では、液晶材料の複屈折を利用している。現在主流の液晶材料はネマチック液晶材料であり、その初期配向を制御することによって、暗状態を得ている。例えば、VA(垂直配向型)方式の表示素子では、電場が印加されていない状態では液晶材料が一対の基板表面に対して略垂直に配向し、暗状態となる(例えば、特許文献1参照)。
一方、高速応答が可能な液晶表示モードとして、これまでに強誘電相(FLC)、ブルー相(BP)等が知られているが、例えば、メジャーダイレクターとマイナーダイレクターを有する、所謂二軸性のネマチック液晶材料において、マイナーダイレクターによる応答が可能となれば、高速応答が可能な新たな液晶表示モードを実現できる。ここで、例えば板状分子を例に挙げると、「メジャーダイレクター」とは、長軸方向のダイレクターのことであり、「マイナーダイレクター」とは、短軸方向のダイレクターのことである。
このような観点から、二軸性の液晶材料が探索されているが、これまでに素子への利用が報告されているのは、屈曲型(バナナ型)分子の液晶材料等、限られたものである。
特開2001−174851号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、一対の基板間に挟持された状態で二軸性が発現する液晶材料、及び前記液晶材料を用いた光学素子を提供することを課題とする。
本発明者らは、一対の基板間で挟持されたある種の棒状の液晶化合物が、基板表面に対して略垂直に配向した状態で二軸性を発現し、これをIPS電極により駆動できることを初めて見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一対の基板と、前記基板間に挟持され、前記基板の表面に対して略垂直に配向して配置された液晶材料を有し、前記基板の表面に対して略平行方向に電場を印加する光学素子であって、前記液晶材料が、1種以上の棒状液晶化合物を含有し、前記棒状液晶化合物が、下記一般式(LC−Ia)、下記一般式(LC−IIa)、下記一般式(LC−IIIa)、又は下記一般式(LC)
Figure 0006410430
(式中、R 11 及びR 12 は各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表すが、R 11 とR 12 が同時にフッ素原子となることはなく、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH −基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH −で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、又はCN基で置き換えられていてもよく、
11 〜X 22 は各々独立に水素原子、フッ素原子、CF 基、又はOCF 基を表し、
11 〜L 14 は各々独立に単結合、−N=N−、−O−、−S−、−CO−、−CH O−、−OCH −、−CF O−、−OCF −、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CH CH −、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、
Yは各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は各々独立にハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよく、
、b 、c 、d は各々独立に0又は1の整数を表すが、a +b +c +d は1、2又は3であり、a が0の場合はd は0であり、a が1の場合はc は0であり、c が1の場合はa は0であり、b =c =1の場合はa =d =0であり、
Cycloは各々独立に炭素原子数3〜10のシクロアルカンを表し、任意に二重結合を有していてもよい。)
Figure 0006410430
(一般式(LC)中、R LC は炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH 基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子に置換されていてもよく、
LC1 及びA LC2 は、それぞれ独立して、
(a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH 基又は隣接していない2個以上のCH 基は酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。)、
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)、及び
(c)1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−3,7−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はクロマン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる1つ又は2つ以上の水素原子はそれぞれ、フッ素原子、塩素原子、CF 又はOCF で置換されていてもよく、
LC は単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH CH −、−(CH −、−OCH −、−CH O−、−OCF −、−CF O−、−COO−又は−OCO−を表し、
LC は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、及び炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH 基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CF O−、−OCF −で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子で置換されていてもよく、
aは1〜4の整数を表すが、aが2、3又は4を表し、A LC1 が複数存在する場合、複数存在するA LC1 は、同一であっても異なっていてもよく、Z LC が複数存在する場合、複数存在するZ LC は、同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物であり、
前記液晶材料が、電場を印加していない状態で、前記基板の表面に対して平行な面内に光学異方性を有することを特徴とする光学素子を提供する。
また、本発明は、前記光学素子において、一対の基板間に挟持される前記液晶材料であって、前記基板の表面に対して略垂直に配向した状態で、二軸性が発現することを特徴とする液晶材料を提供する。
本発明によれば、一対の基板間に挟持された状態で二軸性が発現する液晶材料、及び前記液晶材料を用いた光学素子が提供される。
本発明の一実施形態に係る光学素子の要部である液晶セルを模式的に例示する斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る光学素子の要部である液晶セルを模式的に例示する図であり、(a)は正面図、(b)は一方の基板の平面図である。
<<液晶材料>>
本発明に係る液晶材料は、光学素子において、一対の基板間に挟持される液晶材料であって、前記基板の表面に対して略垂直に配向した状態で、二軸性が発現することを特徴とする。ここで「光学素子」とは、一対の基板を有し、前記基板の表面に対して略平行方向に電場(以下、「横電場」と略記することがある)を印加するものである。
そして、前記液晶材料は、一対の基板間で挟持し、前記基板の表面に対して略垂直方向の電場(以下、「縦電場」と略記することがある)を印加することにより複屈折を発現する従来の材料とは異なり、横電場を印加することにより複屈折を発現するものであり、1種以上の棒状液晶化合物を含有し、電場を印加していない状態で、前記基板の表面に対して平行な面内に光学異方性を有する。
前記液晶材料がこのような性質を有するのは、液晶材料がメジャーダイレクターとマイナーダイレクターを有する二軸性のものであり、横電場の印加によって、マイナーダイレクターによる応答が行われるためである。前記液晶材料がマイナーダイレクターを有するのは、液晶化合物が一分子単独でマイナーダイレクターを有する場合と、複数分子(二分子以上)の液晶化合物がその配向の形態によって全体としてマイナーダイレクターを有する場合とがあるが、後者の場合、液晶化合物が一分子単独でマイナーダイレクターを有していてもよいし、有していなくてもよく、液晶化合物が一分子単独でマイナーダイレクターを有している場合、すべての液晶化合物がマイナーダイレクターを有していてもよいし、一部の液晶化合物のみがマイナーダイレクターを有していてもよい。
前記液晶材料は、マイナーダイレクターによる応答によって、高速応答が可能な液晶表示モードの実現に好適なものである。
本発明において、「略垂直」とは、対象物に対して垂直であるか、又はほぼ垂直であるとみなし得る程度に垂直度が高いことを意味し、対象物表面に対する法線との為す角度が好ましくは45°以下、より好ましくは25°以下、さらに好ましくは15°以下であることを意味する。また、前記角度は、所定の空間内ですべての対象(例えば、液晶材料)において一定であってもよいし、一定でなくてもよく、一定でない場合には、前記法線方向において角度が変化してもよいし、前記法線に対して垂直な方向において角度が変化してもよい。
本発明において、「略平行」とは、対象物に対して平行であるか、又はほぼ平行であるとみなし得る程度に平行度が高いことを意味し、対象物表面との為す角度が好ましくは25°以下、より好ましくは20°以下、さらに好ましくは10°以下であることを意味する。また、前記角度は、所定の空間内ですべての対象において一定であってもよいし、一定でなくてもよく、一定でない場合には、前記対象物表面に対して平行な方向において角度が変化してもよいし、前記対象物表面に対して垂直な方向において角度が変化してもよい。
前記液晶材料が複屈折を発現するためには、電場の電気力線が占める主要な領域が上記のように略平行であればよく、一部の領域で電場が略平行でなくても構わない。
前記液晶材料が横電場の印加により複屈折を発現したことは、公知の方法で確認でき、例えば、基板の表面に対して略垂直方向から液晶材料を偏光顕微鏡(クロスニコル)で観察したときに、観察視野が暗状態から明状態に変化することで確認できる。
一方、前記液晶材料が二軸性のものであることも、公知の方法で確認でき、例えば、液晶材料のコノスコープ像を観察したときに、光軸を示すメラトープ(光軸方向に生じた暗点)が2個見られることで確認できる。
本発明に係る液晶材料は、1種以上の棒状液晶化合物を含有し、電場を印加していない状態で、前記基板の表面に対して平行な面内に光学異方性を有するものであり、この条件を満たせば、単一の化合物からなるものでもよいし、2種以上の化合物を含有してなる組成物であってもよい。液晶材料が前記組成物である場合、組成物中の化合物の組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
例えば、前記液晶材料は、単独で液晶性を示す液晶化合物を、棒状液晶化合物も含めて1種以上含有するものでもよいし、棒状液晶化合物以外に、単独では液晶性を示さず、他の化合物との併用により液晶性を示す化合物を1種以上含有するものでもよい。前記液晶材料が液晶化合物を2種以上含有する場合、これら液晶化合物は、すべて棒状液晶化合物であってもよいし、一部が棒状以外の液晶化合物であってもよい。
なお、本明細書において、「液晶化合物」とは、単独で液晶性を示す化合物だけでなく、潜在的な液晶性を示す化合物も含まれる。潜在的な液晶性を示す化合物としては、過冷却時に液晶性を示す化合物、他の液晶相を示す又は液晶相を示さない物質との混合等の方法により、融点が低下したときに液晶性を示す化合物、他の液晶相を示す物質との混合により、この液晶相の安定性を著しく低下させない化合物等が挙げられる。
前記棒状液晶化合物は、分子の全体形状が棒状のものであり、例えば、スメクチック相を発現する液晶化合物(以下、「スメクチック液晶化合物」と略記する)、又はネマチック相を発現する液晶化合物(以下、「ネマチック液晶化合物」と略記する)として使用可能なものが挙げられる。
一方で、分子の全体形状が円盤状の液晶化合物(ディスコティック液晶化合物)、分子の全体形状が屈曲形状の液晶化合物(バナナ型液晶化合物)、及び側方結合二量体分子の液晶化合物等は、棒状液晶化合物に含まれない。
なお、本明細書において「屈曲形状の液晶化合物」とは、分子構造の中心部分に存在する芳香環、シクロアルキル環等の結合基に、両端の置換基が折れ曲がった配置となるよう置換したものであり(例えば、フェニル環の場合には1位及び3位の炭素原子に置換基が結合したものであり)、その結果、分子形状が全体として屈曲しているものである。屈曲形状の液晶化合物として、具体的には、文献「Adv.Mater.1999,11,No.9,p707−724」にバナナ型液晶(バナナ−シェイプト液晶)として記載されているもの、文献「Japanese Journal of Applied Physics,Vol.45, No.2A, 2006, pp.597−625」に屈曲コア液晶(ベント−コア液晶)として記載されているもの等が挙げられる。
また、本明細書において「側方結合二量体分子」とは、分子構造の中心部分に存在する芳香環、シクロアルキル環等の結合基に、両端の置換基が並んで配列するように置換したものであり(例えば、フェニル環の場合には1位及び2位の炭素原子に置換基が結合したものであり)、その結果、分子形状が全体として側方で結合した二量体分子となるものである。側方結合二量体分子として、具体的には、文献「J.Mater.Chem.,2008,18,2877−2889」の図5(b)〜(e)に示す分子形状のものであり、当該文献に具体例として記載されているものが挙げられる。
なお、分子の形状が棒状であるか否かは、分子構造の一部の局所的な構造が棒状か否かで判断されるのではなく、分子の全体形状が棒状か否かで判断されるものであり、例えば、前記結合基として、部分的には屈曲形状等を誘起するものであっても、その結合基が複数存在する等により、分子の全体形状が棒状であるとみなせる場合には、当該分子は棒状分子とみなす。
また、棒状分子の中でも、分子の両方の末端又は片方の末端にフレキシブルな側鎖を有する分子は、液晶相を発現する温度範囲が拡大し、室温(例えば、15℃〜25℃程度)に近い温度にまで結晶化点が低下して、低温側の液晶相の安定性が向上するために好ましいものである。フレキシブルな側鎖の例としてはアルキル基が挙げられ、より具体的には、炭素原子数1〜24の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子は、フッ素原子又はCN基で置換されていてもよい。そして、該アルキル基は、炭素原子数が2〜18のものが特に好ましい。
本発明に係る液晶材料が含有する、棒状以外の液晶化合物は、特に限定されず、例えば上述の、分子の全体形状が円盤状又は屈曲形状の液晶化合物、及び側方結合二量体分子の液晶化合物等が挙げられる。
本発明に係る液晶材料は、前記棒状液晶化合物の含有量が50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。棒状液晶化合物の前記含有量の上限値は特に限定されず、100質量%であってもよい。棒状液晶化合物の前記含有量がこのような範囲であることで、液晶材料は、マイナーダイレクターによる応答により優れたものとなる。
本発明に係る液晶材料は、その融点を容易に降下させることが可能であることから、2種以上の液晶化合物を含有するものが好ましい。
本発明に係る液晶材料は、マイナーダイレクターによる応答に優れることから、誘電率異方性が負であるものが好ましく、誘電率異方性が負である、ネマチック相を発現するものがより好ましい。
そして、本発明に係る液晶材料は、分子構造中に大きな電子の偏りをもたらし、マイナーダイレクターを発生させ易くできることから、フッ素置換基を有する(置換基としてフッ素原子(−F)を有する)液晶化合物を1種以上含有するものが好ましい。
フッ素置換基を有する液晶化合物としては、分子の主骨格中にフッ素原子を有するものが好ましく、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された環構造を有するものがより好ましい。そして、前記環構造は芳香環であることが好ましく、フェニル基(−C)、フェニレン基(−C−)、ナフチル基(−C10)又はナフチレン基(−C10−)であることがより好ましく、フェニレン基又はナフチレン基であることが特に好ましい。
前記液晶材料が、フッ素置換基を有する液晶化合物を2種以上含有する場合、これら液晶化合物の組み合わせ及び比率は、特に限定されない。
そして、液晶化合物一分子中のフッ素置換基の数は、1個でもよいし、2個以上でもよい。
本発明に係る液晶材料は、実用性に優れることから、常温で液晶相を発現するものが好ましく、より具体的には、20℃で液晶相を発現するものが好ましい。ここで、「20℃で液晶相を発現する」とは、「少なくとも20℃で液晶相を発現する」と同義である。
また、本発明に係る液晶材料は、実用性に優れることから、−10℃未満の温度で結晶化するものが好ましく、−20℃未満の温度で結晶化するものがより好ましく、−30℃未満の温度で結晶化するものがさらに好ましい。
また、本発明に係る液晶材料は、実用性に優れることから、透明点が60℃以上であるものが好ましく、透明点が80℃以上であるものがより好ましく、透明点が100℃以上であるものがさらに好ましい。
本発明に係る液晶材料は、マイナーダイレクターによる応答に優れることから、スメクチック相又はネマチック相を発現するものが好ましく、スメクチック相はスメクチックA相及びスメクチックC相のいずれでもよい。すなわち、本発明に係る液晶材料は、スメクチックA相、スメクチックC相又はネマチック相を発現するものが好ましく、スメクチックA相又はネマチック相を発現するものがより好ましく、ネマチック相を発現するものがさらに好ましい。
また、本発明に係る液晶材料は、ネマチック相からスメクチックC相に相転移するもの、より具体的には、ネマチック相からスメクチックA相に相転移することなく、スメクチックC相に相転移するものが好ましく、このような液晶材料は、例えば、等方相を示す温度から温度を低下させたときに、ネマチック相を発現し、ネマチック相の高温領域から低温領域を経てスメクチックC相に相転移する過程で、ネマチック相の低温領域において二軸性を発現する。
本発明において、スメクチックA相及びスメクチックC相は、いずれもキラルなスメクチック相及びアキラルなスメクチック相のいずれでもよい。
以下、本発明に係る液晶材料が含有する好ましい液晶化合物として、スメクチック液晶化合物、ネマチック液晶化合物について、より具体的に説明する。
<スメクチック液晶化合物>
スメクチック液晶化合物は、スメクチックA相を発現するものでもよいし、スメクチックC相を発現するものでもよく、キラルな液晶化合物でもよいし、アキラルな液晶化合物でもよい。
キラル又はアキラルなスメクチック液晶化合物としては、下記一般式
Figure 0006410430
(式中、Rは各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を表し、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−SO−、−SO−O−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はCN基で置き換えられていてもよく、
Zは各々独立に−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−O−SO−、−SO−O−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−、−N=N−又は単結合を表し、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、
Aは各々独立にフェニレン基、シクロヘキシレン基、ジオキソランジイル基、シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジンジイル基、ナフタレンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基から選択される環式基を表し、前記フェニレン基、ナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基は環内の1つ又は2つ以上の−CH=基が窒素原子で置き換えられてもよく、前記シクロヘキシレン基、ジオキソランジイル基、シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基は環内の1つ又は2つの隣接していない−CH−基が、−O−及び/又は−S−で置き換えられてもよく、前記環式基の1つ又はそれ以上の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、CN基、NO基、あるいは、1つ又は2つ以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子で置き換えられてもよい、炭素原子数1〜7の有するアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基又はアルコキシカルボニル基で置き換えられていてもよく、
nは1、2、3、4又は5である。)で表される液晶化合物が好ましい。
また、下記一般式
Figure 0006410430
(式中、Rは各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を表し、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−SO−、−SO−O−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はCN基で置き換えられていてもよく、
Zは各々独立に−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−O−SO−、−SO−O−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−、−N=N−又は単結合を表し、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、
Yは各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は各々独立にハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよく、
Xは各々独立にハロゲン原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基、−CF、又は−OCFを表し、
nは各々独立に0〜4の整数を表し、
、n、n及びnは、各々独立に0又は1を表すが、n+n+n+n=1〜4であり、
Cycloは各々独立に炭素原子数3〜10のシクロアルカンを表し、任意に二重結合を有していてもよい。)で表される液晶化合物(LC−I)〜(LC−III)が好ましい。
ここで、Cycloはシクロヘキサン(シクロへキシレン基)であることが好ましく、例えば下記一般式
Figure 0006410430
(式中、Rは各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を表し、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−SO−、−SO−O−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はCN基で置き換えられていてもよく、
Zは各々独立に−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−O−SO−、−SO−O−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−、−N=N−又は単結合を表し、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、
Yは各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は各々独立にハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよく、
Xは各々独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基、CF基、又はOCF基を表し、
nは各々独立に0〜4の整数を表し、
、n、n及びnは、各々独立に0又は1を表すが、n+n+n+n=1〜4である。)で表される液晶化合物(LC−I′)〜(LC−III′)が好ましい。
液晶性を発現するためには、環に対して1,4−置換であることが好ましい。すなわち該液晶化合物に含まれる環式2価基が1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2,5−ピリミジンジイル基などであることが好ましい。
例えば下記一般式
Figure 0006410430
(式中、R11及びR12は各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表すが、R11とR12が同時にフッ素原子となることはなく、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、又はCN基で置き換えられていてもよく、
11〜X22は各々独立に水素原子、フッ素原子、CF基、又はOCF基を表し、
11〜L14は各々独立に単結合、−N=N−、−O−、−S−、−CO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CHCH−、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、
Yは各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は各々独立にハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよく、
、b、c、dは各々独立に0又は1の整数を表すが、a+b+c+dは1、2又は3であり、aが0の場合はdは0であり、aが1の場合はcは0であり、cが1の場合はaは0であり、b=c=1の場合はa=d=0であり、
Cycloは各々独立に炭素原子数3〜10のシクロアルカンを表し、任意に二重結合を有していてもよい。)で表される液晶化合物(LC−Ia)〜(LC−IIIa)が好ましい。
また、下記一般式
Figure 0006410430
(式中、R11及びR12は各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表すが、R11とR12が同時にフッ素原子となることはなく、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、又はCN基で置き換えられていてもよく、
環Aは各々1〜4つの水素原子がフッ素原子、CF基、OCF基、又はCN基、あるいはこれらの複数の基で置き換えられてもよい1,4−フェニレン基、又は、1,4−シクロヘキシレン基を表し、
環Bは1〜4つの水素原子がフッ素原子、CF基、OCF基、又はCN基、あるいはこれらの複数の基で置き換えられてもよい1,4−フェニレン基を表し、
環Cは1〜4つの水素原子がフッ素原子、CF基、OCF基、又はCN基、あるいはこれらの複数の基で置き換えられてもよい1,4−シクロヘキシレン基を表し、
Lは各々独立に単結合、−N=N−、−O−、−S−、−CO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CHCH−、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、
Yは各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は各々独立にハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよく、
は0、1、又は2を表し、b、及びcは0、1、又は2の整数を表し、a、b及びcの合計は1、2または3を表す。)で表される液晶化合物(LC−IV)、
Figure 0006410430
(式中、R21及びR22は各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表すが、R21とR22が同時にフッ素原子となることはなく、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、又はCN基で置き換えられていてもよく、
21〜X27は各々独立に水素原子、フッ素原子、CF基、又はOCF基を表し、
21〜L24は各々独立に単結合、−N=N−、−O−、−S−、−CO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CHCH−、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、
Yは各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は各々独立にハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよく、
、b、c及びdは各々独立に0又は1の整数を表すが、a+b+c+dは1、2又は3であり、aが0の場合はdは0であり、aが1の場合はcは0であり、b=c=1の場合はa=d=0である。)で表される液晶化合物(LC−V)が好ましい。
フェニルピリミジン系化合物のうち、傾いたスメクチック相を得るため、あるいは、分子の傾き角を大きくするため、もしくは融点を低下させるためには分子の環の部分に置換基として、少なくとも1つ以上のフッ素原子、CF基、あるいはOCF基が導入されることが好ましい。置換基としては形状の小さなフッ素を導入することが、液晶相を安定に保ち、また、高速応答性も保持する面で好ましい。置換基の数は1〜3が好ましい。
粘度が低く高速応答するため、環をつなぐ連結基(−Z−Y−Z−、又は−Y−L−Y−)としては、単結合、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CH=CH−、又は、−C≡C−からなるより選択されることが好ましく、特に、単結合であることが好ましい。分子の局部的な分極を抑制しスイッチング挙動への悪影響を少なくする面でも単結合が好ましい。一方、層構造の安定性を保つための材料としては粘度が高い方が好ましく、その場合には、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−からなるより選択されることが好ましく用いられ、特に、−CO−O−、−O−CO−が好ましく用いられる。
一方、融点を低下させる効果を大きくするという点では、側鎖(R、R11、R12、R21、R22)の一方または両方に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、イソプロピル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルオキシカルボニルオキシ基を用いることが好ましい。
Δnを大きくするのに適していて、安定なスメクチック液晶相を示し、かつ、粘度が低く高速応答に適した化合物としては、下記一般式
Figure 0006410430
(式中、R21及びR22は各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、水素原子、又はフッ素原子を表し、
該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−SO−、−SO−O−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はCN基で置き換えられていてもよく、
21〜X24は各々独立に水素原子、ハロゲン、シアノ基、メチル基、メトキシ基、CF基、又はOCF基を表し、
環Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を示し、
Lは各々独立に単結合、−N=N−、−O−、−S−、−CO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CHCH−、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、
Yは各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は各々独立にハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよく、
は0、1、又は2を表し、b、及びcは0、1、又は2の整数を表し、a+b+cの合計は1又は2を表し、a=1のときc=0であり、c=1のときa=0である)で表される液晶化合物(LC−VI)が好ましい。
上記一般式(LC−I)〜(LC−VI)におけるYは、好ましくは、各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜7のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、
より好ましくは、各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、
より好ましくは、各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)である。
TFT駆動に適していて、安定なスメクチック液晶相を示し、かつ、粘度が低く高速応答に適した化合物としては、下記一般式
Figure 0006410430
(式中、eは0又は1を示し、
21〜X26は各々独立に水素原子、又はフッ素原子基を表すが、eが0のときX21〜X24の少なくとも1つはフッ素原子で、eが1のときX21〜X26の少なくとも1つはフッ素原子であり、
21及びR22は各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基中の、1つの−CH−基が−O−で置き換えられてもよく、
25は単結合、−N=N−、−CHO−、又は−OCH−を表し、
環Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基を表す。)で表される液晶化合物(LC−VII)が特に好ましい。
スメクチック液晶化合物は、上記の(LC−0)、(LC−I)〜(LC−III)、(LC−IV)、(LC−V)、(LC−VI)、(LC−VII)等のいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせで用いてもよい。
(キラル化合物)
スメクチック液晶組成物に含まれるキラル化合物としては、不斉原子をもつ化合物、軸不斉をもつ化合物、面不斉をもつ化合物、アトロプ異性体のいずれでもよく、該キラル化合物は重合性基を有するものでも、重合性基を有しないものでもよい。
不斉原子をもつ化合物において、不斉原子は不斉炭素原子であると立体反転が起こりにくく好ましいが、ヘテロ原子が不斉原子となっていてもよい。不斉原子は鎖状構造の一部に導入されていても、環状構造の一部に導入されていてもよい。
スメクチック液晶組成物において、不斉原子をもつ化合物としては、一般式(IV)
Figure 0006410430
(式(IV)中、R及びRは各々独立に炭素原子数1〜30の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を表し、該アルキル基の1つ又は2つ以上の隣接していない−CH−基が−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−O−SO−、−SO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、さらにアルキル基の1つ又はそれ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子あるいはCN基で置き換えられていてもよく、重合性基をもっていてもよく、前記アルキル基が縮合又はスピロ環式系を含むものでもよく、前記アルキル基が1つ又は2つ以上のヘテロ原子を含むことができる1つ又は2つ以上の芳香族又は脂肪族の環を含むものでもよく、またこれらの環はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲンで任意に置換されていてもよく、
及びRのうちいずれか一方又は両方が不斉原子をもつ基であり、
Zは各々独立に−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−、−N=N−又は単結合を表し、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、
及びAは各々独立にフェニレン基、シクロヘキシレン基、ジオキソランジイル基、シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジンジイル基、ナフタレンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基から選択される環式基を表し、前記フェニレン基、ナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基は環内の1つ又は2つ以上の−CH=基が窒素原子で置き換えられてもよく、前記シクロヘキシレン基、ジオキソランジイル基、シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基は環内の1つ又は2つの隣接していない−CH−基が、−O−及び/又は−S−で置き換えられてもよく、前記環式基の1つ又はそれ以上の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、CN基、NO基、あるいは、1つ又は2つ以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子で置き換えられてもよい、炭素原子数1〜7の有するアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基又はアルコキシカルボニル基で置き換えられていてもよく、
mは1、2、3、4又は5である。)で表される光学活性化合物が好ましい。
上記一般式(IV)においてR及びRの両方がキラルな基である、ジキラル化合物の具体例として、下記一般式(IV−a1)から(IV−a11)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006410430
Figure 0006410430
Figure 0006410430
一般式(IV−a1)から(IV−a11)において、Rは、各々独立に炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表し、該アルキル基の1つ又は2つ以上の隣接していない−CH−基が−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−O−SO−、−SO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、さらにアルキル基の1つ又はそれ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子あるいはCN基で置き換えられていてもよく、重合性基をもっていてもよい。重合性基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
また、X及びXは、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、フェニル基(該フェニル基の1つ又は2つ以上の任意の水素原子はハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、メチル基、メトキシ基、−CF、−OCFで置換されていてもよい。)、メチル基、メトキシ基、−CF、又は−OCFであることが好ましい。ただし、一般式(IV−a3)及び(IV−a8)において、*を付した位置が不斉原子となるためには、XはXと異なる基が選択される。
また、Zの定義は式(IV)におけるのと同じである。
また、nは0〜20の整数である。
一般式(IV−a4)及び(IV−a9)におけるRは、水素原子又はメチル基が好ましい。
一般式(IV−a5)及び(IV−a10)におけるQは、メチレン基、イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基などの二価の炭化水素基が挙げられる。
一般式(IV−a11)におけるkは、0〜5の整数である。
より好ましい例示として、R=C,C13,C17などの炭素原子数4〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基が挙げられる。また、XとしてはCHが好ましい。
一般式(IV)及び(IV−a1)〜(IV−a11)における部分構造式、−A−(Z−A−は、より好ましくは、
Figure 0006410430
(式中、環A、B、Cは、各々独立にフェニレン基、シクロヘキシレン基又はナフタレンジイル基であり、これらの基においてベンゼン環の任意の1つ又は2つ以上の任意の水素原子はハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、メチル基、メトキシ基、−CF、−OCFで置換されていてもよく、ベンゼン環の任意の1つ又は2つ以上の炭素原子は、窒素原子に置換されていてもよい。Zの定義は式(IV)におけるのと同じである。)であり、さらに好ましくは、
Figure 0006410430
(ただし、これらの式においてベンゼン環の任意の1つ又は2つ以上の任意の水素原子はハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、メチル基、メトキシ基、−CF、−OCFで置換されていてもよく、ベンゼン環の任意の1つ又は2つ以上の炭素原子は、窒素原子に置換されていてもよい。Zの定義は式(IV)におけるのと同じである。)が挙げられる。信頼性の面では、ピリジン環、ピリミジン環等の複素環よりもベンゼン環やシクロヘキサン環の方が好ましい。誘電率異方性を大きくするという面では、ピリジン環、ピリミジン環等の複素環を有する化合物を使うことがよいが、その場合には化合物の持つ分極性が比較的大きく、ベンゼン環やシクロヘキサン環等の炭化水素環である場合には、化合物の持つ分極性が低い。このため、キラル化合物の分極性に応じて、適切な含有量を選択することが好ましい。
スメクチック液晶組成物において、不斉原子をもつ化合物としては、一般式(V)
Figure 0006410430
(式中、R51及びR52は、各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の水素原子はフッ素原子又はCN基で置き換えられていてもよく、A、B及びCは各々独立に、1,4−フェニレン基、ピラジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,3−ジチアン−2,5−ジイル基、1,3−チアゾール−2,4−ジイル、1,3−チアゾール−2,5−ジイル、チオフェン−2,4−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、ピペラジン−1,4−ジイル基、ピペラジン−2,5−ジイル基又はナフタレン−2,6−ジイル基を表し、ただし、該1,4−フェニレン基及びナフタレン−2,5−ジイル基中の水素原子はフッ素原子、CF基、OCF基、CN基、CH基、又はOCH基に置換されていてもよく、該トランス−1,4−シクロへキシレン基中の水素原子はCN基又はCH基で置換されていてもよく、a、b、及びcは各々独立に0又は1を表し、L51及びL52は、各々独立に単結合、−N=N−、−O−、−CO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CHCH−、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、L53は、一般式(V−1)、一般式(V−2)、又は一般式(V−3)
Figure 0006410430
(式中、d、e、及びfは、各々独立に0以上7以下の整数を表す。)のいずれかで表される構造を有し、Z51は、一般式(V−4)又は一般式(V−5)
Figure 0006410430
(ただし、Z52はフッ素原子、メチル基又はCF基を表し、R53及びR54は、各々独立に水素原子あるいは炭素原子数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、*は不斉炭素を表す。)のいずれかで表される構造を有する。)で表される化合物も好ましい。
一般式(V)で表される化合物の中でも特に、Z51が一般式(V−4)の構造を持ち、かつZ52がフッ素原子の化合物、又は、Z51が一般式(V−5)の構造を持ち、かつR53及びR54が水素原子である化合物がさらに好ましい。
一般式(V)で表される化合物の中で、Z51が一般式(V−4)の構造を持ち、かつZ52がフッ素原子の化合物としては、下記一般式(V−b)
Figure 0006410430
(式中、R57及びR58は、各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の水素原子はフッ素原子又はCN基で置き換えられていてもよく、L54は、一般式(V−b−1)、又は一般式(V−b−2)
Figure 0006410430
(式中、g、及びhは、各々独立に0以上7以下の整数を表す。)のいずれかで表される構造を有する。)で表される化合物、又は、下記一般式(V−c)
Figure 0006410430
(式中、R59及びR510は各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、ただし、該アルキル基中の少なくともどちらかひとつは分岐状のアルキル基であり、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子あるいはCN基で置き換えられていてもよく、X51及びX52は各々独立に水素原子あるいはフッ素原子を表し、dは0又は1の整数を表し、L55は、一般式(V−c−1)、一般式(V−c−2)、又は一般式(V−c−3)、
Figure 0006410430
(式中、j、k、及びmは、各々独立に0以上7以下の整数を表す。)のいずれかで表される構造を有する。)の構造を有することが好ましい。
これら化合物の中でも、一般式(V−b)で表される化合物の場合はR57及びR58は直鎖状又は分岐状のアルキル基がさらに好ましく、特に直鎖状アルキル基が好ましい。一方、一般式(V−c)で表される化合物の場合は、R59は直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基がさらに好ましく、R510は直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく、特に直鎖状アルキル基が好ましい。
一般式(V)で表される化合物の中で、不斉炭素の構造としてZ51が一般式(V−5)の構造を持ち、かつR53及びR54が水素原子である化合物の例を以下に挙げる。
Figure 0006410430
Figure 0006410430
(式中、R531は炭素数4〜14のアルキル基あるいはアルコキシ基、R532は炭素数1〜8のアルキル基、R533は炭素数4〜14のアルキル基、L531、及びL532は各々独立にカルボニル基又はメチレン基を表す。)
一般式(V)で表される化合物の中で、不斉炭素の構造としてZ51が一般式(V−4)の構造を持つ化合物の例を以下に挙げる。
Figure 0006410430
Figure 0006410430
Figure 0006410430
(式中、Raaは炭素数1〜18の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、Rbbは炭素数1〜18の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、Maaは炭素数1〜3のメチレン基、Mbbは炭素数1〜2のメチレン基を表す。)
また、スメクチック液晶組成物に用いられるキラル化合物としては、軸不斉を有する化合物又はアトロプ異性体を用いることもできる。
軸不斉とは、下記に示すアレン誘導体や、
Figure 0006410430
下記に示すビフェニル誘導体など、
Figure 0006410430
結合軸の回転が妨げられている化合物中、軸の一端側で置換基X及びYが互いに異なり、軸のもう一端側でも置換基X及びYが互いに異なることで発現する。なお、ビフェニル誘導体など、結合軸の回転が立体障害などの影響によって妨げられる場合をアトロプ異性という。
スメクチック液晶組成物に用いられる軸不斉をもつ化合物としては、例えば、
Figure 0006410430
式(IV−c1)及び(IV−c2)中、X61とY61、X62とY62は、それぞれ、いずれか少なくとも一方が存在し、X61、X62、Y61、Y62は、各々独立にCH、C=O、O、N、S、P、B、Siのいずれかを表す。また、N、P、B、Siである場合は、所要の原子価を満足するように、アルキル基、アルコキシ基、アシル基等の置換基と結合されていてもよい。
61及びE62は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、ベンジル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルケトン基、複素環基又はこれらの誘導体のいずれかを表す。
また、式(IV−c1)において、R61及びR62は、各々独立に、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を表し、
63、R64、R65、R66、R67及びR68は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、又はジアルキルアミノ基を示し、
63、R64及びR65のうちの2つが、置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい、モノ又はポリメチレンジオキシ基を形成していてもよく、
66、R67及びR68のうちの2つが、置換基を有していてもよいメチレン鎖又は置換基を有していてもよい、モノ又はポリメチレンジオキシ基を形成していてもよい。
ただし、R65とR66が共に水素原子の場合は除く。
また、スメクチック液晶組成物に用いられるキラル化合物としては、面不斉を有する化合物を用いることもできる。
面不斉を有する化合物としては、例えば下記に示すヘリセン(Helicene)誘導体
Figure 0006410430
(式中、X61とY61、X62とY62は、それぞれ、いずれか少なくとも一方が存在し、X61、X62、Y61、Y62は、各々独立にCH、C=O、O、N、S、P、B、Siのいずれかを表す。また、N、P、B、Siである場合は、所要の原子価を満足するように、アルキル基、アルコキシ基、アシル基等の置換基と結合されていてもよい。
61及びE62は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、ベンジル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルエーテル基、アルキルエステル基、アルキルケトン基、複素環基又はこれらの誘導体のいずれかを表す。)
が挙げられる。このようなヘリセン誘導体においては、前後に重なり合う環の前後関係が自由に変換することができないため、環が右向きの螺旋構造をとる場合と左向きの螺旋構造をとる場合とが区別され、キラリティーを発現する。
スメクチック液晶組成物に含まれるキラル化合物としては、螺旋構造のピッチが小さくなるように、ねじり力(Helical Twisting Power)が大きい化合物が好ましい。特に400nm以下となる螺旋ピッチの短いDHFLCを調整する際は、ねじり力が大きい化合物を使用することが好ましい。ねじり力が大きい化合物は所望のピッチを得るために必要な添加量が少なくできるので、原料コストの高いキラル化合物を最小限に抑えることができ、コスト削減の観点から好ましい。この観点から、好ましいキラル化合物として、不斉原子を有する化合物である、
Figure 0006410430
や、軸不斉を有する化合物である、
Figure 0006410430
が挙げられる。式(IV−d1)〜(IV−d5)中、R71及びR72は各々独立に、水素、ハロゲン、シアノ(CN)基、イソシアネート(NCO)基、イソチオシナネート(NCS)基又は炭素数1〜20のアルキル基を表すが、このアルキル基中の任意の1つ又は2つ以上の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−で置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、
71及びA72は各々独立に、芳香族性あるいは非芳香族性の3ないし8員環、又は、炭素原子数9以上の縮合環を表すが、これらの環の任意の水素がハロゲン、炭素原子数1〜3のアルキル基又はハロアルキル基で置き換えられてもよく、環の1つ又は2つ以上の−CH−は−O−、−S−、又は−NH−で置き換えられてもよく、環の1つ又は2つ以上の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、
71及びZ72は各々独立に、単結合、−N=N−又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表すが、任意の−CH−は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CSO−、−OCS−、−N=N−、−CH=N−、−N=CH−、−N(O)=N−、−N=N(O)−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
71及びX72は各々独立に単結合、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、又は−CHCH−を表し、
71及びm72は各々独立に1〜4の整数を表す。ただし、式(IV−d5)におけるm71及びm72のいずれか一方は0でもよい。
式(IV−d2)中、Ar71及びAr72は各々独立にフェニル基又はナフチル基を表し、これらの基においてベンゼン環の任意の1つ又は2つ以上の任意の水素原子はハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、メチル基、メトキシ基、−CF、−OCFで置換されていてもよい。
スメクチック液晶組成物においては、メソゲンを有するキラル化合物を用いることもできる。このようなキラル化合物として、例えば
Figure 0006410430
が挙げられる。式(IV−e1)〜(IV−e3)中、
81、R82、R83及びY81は、各々独立に炭素原子数1〜30の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を表し、該アルキル基の1つ又は2つ以上の隣接していない−CH−基が−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−O−SO−、−SO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、さらにアルキル基の1つ又はそれ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子あるいはCN基で置き換えられていてもよく、重合性基をもっていてもよく、前記アルキル基が縮合又はスピロ環式系を含むものでもよく、前記アルキル基が1つ又は2つ以上のヘテロ原子を含むことができる1つ又は2つ以上の芳香族又は脂肪族の環を含むものでもよく、またこれらの環はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲンで任意に置換されていてもよく、
81、Z82、Z83、Z84及びZ85は各々独立に炭素原子数が1〜40個であるアルキレン基を表し、該アルキル基の1つ又は2つ以上のCH基が−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−CF−又は−C≡C−により置き換えられていてもよく、Z81、Z82及びZ83は、−N=N−を表してもよく
81、X82及びX83は、各々独立に−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CHCH−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CF=CF−、−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表し、
81、A82及びA83は各々独立にフェニレン基、シクロヘキシレン基、ジオキソランジイル基、シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジンジイル基、ナフタレンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基から選択される環式基を表し、前記フェニレン基、ナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基は環内の1つ又は2つ以上の−CH=基が窒素原子で置き換えられてもよく、前記シクロヘキシレン基、ジオキソランジイル基、シクロヘキセニレン基、ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、テトラヒドロナフタレンジイル基、又はインダンジイル基は環内の1つ又は2つの隣接していない−CH−基が、−O−及び/又は−S−で置き換えられてもよく、前記環式基の1つ又はそれ以上の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、CN基、NO基、あるいは、1つ又は2つ以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子で置き換えられてもよい、炭素原子数1〜7の有するアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基又はアルコキシカルボニル基で置き換えられていてもよく、
81、m82、m83はそれぞれ0又は1であり、m81+m82+m83は1、2又は3である。
CH*81及びCH*82は各々独立にキラルな2価の基を表し、
CH*83はキラルな3価の基を表す。
ここで、CH*81及びCH*82に用いられるキラルな2価の基としては、不斉原子を有する次の2価基
Figure 0006410430
Figure 0006410430
や、軸不斉を有する次の2価基
Figure 0006410430
が好ましい。ただし、CH*81及びCH*82に用いられるこれらの2価基において、ベンゼン環の任意の1つ又は2つ以上の任意の水素原子はハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、メチル基、メトキシ基、−CF、−OCFで置換されていてもよく、ベンゼン環の任意の1つ又は2つ以上の炭素原子は、窒素原子に置換されていてもよい。
CH*83に用いられるキラルな3価の基としては、CH*81及びCH*82に用いられるキラルな2価基の任意の位置に、−X83(Z8383)m8383が結合できることにより3価の基となればよい。
さらに好ましくは、キラルな2価基としてイソソルビド骨格を有する、次の化合物が挙げられる。
Figure 0006410430
式中、R91及びR92は各々独立に炭素原子数1〜30の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を表し、該アルキル基の1つ又は2つ以上の隣接していない−CH−基が−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−O−SO−、−SO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、さらにアルキル基の1つ又はそれ以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はCN基で置き換えられていてもよく、重合性基をもっていてもよく、前記アルキル基が縮合又はスピロ環式系を含むものでもよく、前記アルキル基が1つ又は2つ以上のヘテロ原子を含むことができる1つ又は2つ以上の芳香族又は脂肪族の環を含むものでもよく、またこれらの環はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲンで任意に置換されていてもよく、
91及びZ92は各々独立に−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−又は単結合を表し、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。
前記液晶材料において、キラル化合物の含有量は、0〜50質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましい。
(重合性化合物)
スメクチック液晶組成物は、重合性化合物を添加して、高分子安定化液晶組成物とすることもできる。
(重合性化合物(I))
スメクチック液晶組成物に用いられる重合性化合物(I)は、一般式(I−a)
Figure 0006410430
(式(I−a)中、
は水素原子又はメチル基を表し、
は単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。)を表し、
及びAはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1から18のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素原子数1から17のアルキル基で置換されていてもよい。)を表し、
及びAはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素原子数1から9のアルキル基で置換されていてもよい。)を表し、
kは1から40を表し、
、B及びBは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1から10の直鎖もしくは分岐のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個もしくは2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい)、又は一般式(I−b)
Figure 0006410430
(式(I−b)中、Aは水素原子又はメチル基を表し、
は単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。)で表される基を表す。ただし、2k+1個あるB、B及びBのうち前記一般式(I−b)で表される基となるものの個数は0〜3個である。)で表される重合性化合物が好ましい。また、該重合性化合物の重合物のガラス転移温度が−100℃から25℃であることが好ましい。
なお、本願発明において、「アルキレン基」とは、特に断りのない場合、脂肪族直鎖炭化水素の両端の炭素原子から水素原子各1個を除いた二価の基「−(CH−」(ただしnは1以上の整数)を意味するものとし、その水素原子からハロゲン原子もしくはアルキル基への置換、又はメチレン基から酸素原子、−CO−、−COO−もしくは−OCO−への置換がある場合は、その旨を特に断るものとする。また、「アルキレン鎖長」とは、「アルキレン基」の一般式「−(CH−」におけるnをいうものとする。
非液晶性モノマー(I)は、一般式(I−a)で表されるものの中で複数、主鎖長やアルキル側鎖長の異なるものを含有させてもよい。
一般式(I−a)で表される重合性化合物(I)の好ましい構造として、下記一般式(I−c)
Figure 0006410430
(式(I−c)中、A11及びA19はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、
12及びA18はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。)を表し、
13及びA16はそれぞれ独立して炭素原子数2から20の直鎖アルキル基(該直鎖アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)を表し、
14及びA17はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素原子数1から9のアルキル基で置換されていてもよい。)を表し、
15は炭素原子数9から16のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する少なくとも1個以上5個以下のメチレン基において、該メチレン基中の水素原子の一つはそれぞれ独立に炭素原子数1から10の直鎖又は分岐のアルキル基で置換されている。該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)を表す。)で表される化合物、一般式(I−d)
Figure 0006410430
(式(I−d)中、A21及びA22はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、aは、6〜22の整数を表す。)で表される化合物、一般式(I−e)
Figure 0006410430
(式(I−e)中、A31及びA32はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、b及びcはそれぞれ独立して1〜10の整数を表し、dは1〜10の整数を表し、eは0〜6の整数を表す。)で表される化合物、及び一般式(I−f)
Figure 0006410430
(式(I−f)中、A41及びA42はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、m,n,p及びqはそれぞれ独立して1〜10の整数を表す。)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、式(I−c)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(I−c)で表される重合性化合物の好ましい構造として、A11及びA19はいずれも水素原子であることが好ましい。これらの置換基A11,A19がメチル基である化合物においても本願発明の効果は発現するが、水素原子である化合物は重合速度がより速くなる点で有利である。
12及びA18はそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基であることが好ましい。二つの重合性官能基間距離は、A12及びA18とA15とで独立的にそれぞれ炭素数の長さを変えて調整することができる。一般式(I−c)で表される化合物の特徴は、重合性官能基間の距離(架橋点間の距離)が長いことであるが、この距離があまりに長いと重合速度が極端に遅くなって相分離に悪い影響が出てくるため、重合性官能基間距離には上限がある。一方、A13及びA16の二つの側鎖間距離も主鎖の運動性に影響がある。すなわちA13及びA16の間の距離が短いと側鎖A13及びA16がお互いに干渉するようになり、運動性の低下をきたす。従って、一般式(I−c)で表される化合物において重合性官能基間距離はA12、A18、及びA15の和で決まるが、このうちA12とA18を長くするよりはA15を長くした方が好ましい。
一方、側鎖であるA13,A14,A16,A17においては、これらの側鎖の長さが次のような態様を有することが好ましい。
一般式(I−c)において、A13とA14は主鎖の同じ炭素原子に結合しているが、これらの長さが異なるとき、長いほうの側鎖をA13と呼ぶものとする(A13の長さとA14の長さが等しい場合は、いずれが一方をA13とする)。同様に、A16の長さとA17の長さが異なるとき、長いほうの側鎖をA16と呼ぶものとする(A16の長さとA17の長さが等しい場合は、いずれが一方をA16とする)。
このようなA13及びA16は、本願においてはそれぞれ独立して炭素原子数2から20の直鎖アルキル基(該直鎖アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)とされているが、
好ましくは、それぞれ独立して炭素原子数2から18の直鎖アルキル基(該直鎖アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、
より好ましくは、それぞれ独立して炭素原子数3から15の直鎖アルキル基(該直鎖アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)である。
側鎖は主鎖に比べて運動性が高いので、これが存在することは低温での高分子鎖の運動性向上に寄与するが、前述したように二つの側鎖間で空間的な干渉が起こる状況では逆に運動性が低下する。このような側鎖間での空間的な干渉を防ぐためには側鎖間距離を長くすること、及び、側鎖長を必要な範囲内で短くすることが有効である。
さらにA14及びA17については、本願においてはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1から10のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にハロゲン原子又は炭素原子数1から9のアルキル基で置換されていてもよい。)とされているが、
好ましくは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1から7のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、
より好ましくは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1から5のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であり、
さらに好ましくは、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1から3のアルキル基(該アルキル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)である。
このA14及びA17についても、その長さが長すぎることは側鎖間の空間的な干渉を誘起するため好ましくない。この一方でA14及びA17が短い長さを持ったアルキル鎖である場合、高い運動性を持った側鎖になり得ること、及び隣接する主鎖同士の接近を阻害する働きを有することが考えられ、高分子主鎖間の干渉を防ぐ作用があり主鎖の運動性を高めているものと考えられ、アンカリングエネルギーが低温で増加して行くことを抑制することができ、高分子安定化液晶光学素子の低温域における特性を改善する上で有効である。
二つの側鎖間に位置するA15は、側鎖間距離を変える意味からも、架橋点間距離を広げてガラス転移温度を下げる意味からも、長い方が好ましい。しかしながらA15が長すぎる場合は一般式(I−c)で表される化合物の分子量が大きくなりすぎ液晶組成物との相溶性が低下してくること、及び重合速度が遅くなりすぎて相分離に悪影響が出ること等の理由から自ずとその長さには上限が設定される。
よって、本願発明においてA15は、炭素原子数9から16のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する少なくとも1個以上5個以下のメチレン基において、該メチレン基中の水素原子の一つはそれぞれ独立に炭素原子数1から10の直鎖又は分岐のアルキル基で置換されている。該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよい。)であることが好ましい。
すなわち、本願発明においてA15のアルキレン鎖長は炭素原子数9から16であることが好ましい。A15は構造上の特徴として、アルキレン基中の水素原子が炭素原子数1から10のアルキル基で置換された構造を有する。アルキル基の置換数は1個以上5個以下であるが、1個から3個が好ましく、2個又は3個置換されていることがより好ましい。置換するアルキル基の炭素原子数は、1個から5個が好ましく、1個から3個がより好ましい。
一般式(I−a)で表される化合物は、Tetrahedron Letters,Vol.30,pp4985、Tetrahedron Letters,Vol.23,No6,pp681−684、及び、Journal of Polymer Science:PartA:Polymer Chemistry,Vol.34,pp217−225等の公知の方法で合成することができる。
例えば、一般式(I−c)において、A14及びA17が水素である化合物は、エポキシ基を複数有する化合物と、エポキシ基と反応し得る活性水素を有するアクリル酸やメタクリル酸等の重合性化合物とを反応させ、水酸基を有する重合性化合物を合成し、次に、飽和脂肪酸と反応させることにより得ることができる。
更に、複数のエポキシ基を有する化合物と飽和脂肪酸とを反応させ、水酸基を有する化合物を合成し、次に水酸基と反応し得る基を有するアクリル酸塩化物等の重合性化合物とを反応させることにより得ることができる。
またラジカル重合性化合物が、例えば、一般式(I−c)のA14及びA17がアルキル基であり、A12及びA18が炭素原子数1であるメチレン基である場合は、オキセタン基を複数有する化合物と、オキセタン基と反応し得る脂肪酸塩化物や脂肪酸とを反応させ、更に、アクリル酸などの活性水素を有する重合性化合物とを反応させる方法や、オキセタン基を一つ有する化合物と、オキセタン基と反応し得る多価の脂肪酸塩化物や脂肪酸とを反応させ、更に、アクリル酸などの活性水素を有する重合性化合物とを反応させる方法等により得ることができる。
また、一般式(I−c)のA12及びA18が炭素原子数3であるアルキレン基(プロピレン基;−CHCHCH−)の場合は、オキセタン基の代わりにフラン基を複数有する化合物を用いることにより得ることができる。更に、一般式(I−c)のA12及びA18が炭素原子数4であるアルキレン基(ブチレン基;−CHCHCHCH−)の場合は、オキセタン基の代わりにピラン基を複数有する化合物を用いることにより得ることができる。
(重合性液晶化合物(II))
高分子安定化液晶組成物に用いられる重合性液晶化合物(II)は、下記一般式(II−a)
Figure 0006410430
(式(II−a)中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、
及びCはそれぞれ独立して1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、シクロヘキセン−1,4−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基又はインダン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基及びインダン−2,5−ジイル基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
及びZはそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。)を表し、
は、単結合、−N=N−、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CHCHO−、−OCHCH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CHCHOCO−、−COOCHCH−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−を表し、
は、0、1又は2を表す。ただし、nが2を表す場合、複数あるC及びZは同じであっても異なっていてもよい。)、
一般式(II−b)
Figure 0006410430
(式(II−b)中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、
は1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、シクロヘキセン−1,4−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基又はインダン−2,5−ジイル基(これらの基のうち1,4−フェニレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、2,6−ナフチレン基及びインダン−2,5−ジイル基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)を表し、
はベンゼン−1,2,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,5−トリイル基、シクロヘキサン−1,2,4−トリイル基、シクロヘキサン−1,3,4−トリイル基又はシクロヘキサン−1,3,5−トリイル基を表し、
及びZはそれぞれ独立して単結合又は炭素原子数1から15のアルキレン基(該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。)を表し、
は、単結合、−N=N−、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CHCHO−、−OCHCH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CHCHOCO−、−COOCHCH−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−を表し、
は、0、1又は2を表す。ただし、nが2を表す場合、複数あるC及びZは同じであっても異なっていてもよい。)、
及び一般式(II−c)
Figure 0006410430
(式(II−c)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、6員環T、T及びTはそれぞれ独立的に、
Figure 0006410430
のいずれか(ただしmは1から4の整数を表す。)を表し、
は0又は1の整数を表し、
、Y及びYはそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CH=CHCHCH−又は−CHCHCH=CH−を表し、Y及びYは、−N=N−を表してもよく、
は単結合、−O−、−COO−、又は−OCO−を表し、
は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1から20のアルキル基、炭素原子数1から20のアルケニル基、炭素原子数1から20のアルコキシ基、又は炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性化合物(II)である。
より具体的には、一般式(II−d)及び(II−e)
Figure 0006410430
(式(II−d)及び(II−e)中、mは、0又は1を表し、
11及びY12はそれぞれ独立して単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、
13及びY14はそれぞれ独立して−COO−又は−OCO−を表し、Y13は、−N=N−を表してもよく、
15及びY16はそれぞれ独立して−COO−又は−OCO−を表し、
r及びsはそれぞれ独立して2〜14の整数を表す。式中に存在する1,4−フェニレン基は、非置換であるか又は置換基としてフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基若しくはトリフルオロメトキシ基を1個若しくは2個以上有することができる。)のいずれかで表される化合物を用いると、機械的強度や耐熱性に優れた光学異方体が得られるので好ましい。
一般式(II−a)で表される化合物の具体例を以下の(II−1)から(II−10)に挙げることができる。
Figure 0006410430
(式中、j及びkはそれぞれ独立的に2〜14の整数を表す。)
また、一般式(II−d)及び(II−e)のいずれかで表される化合物の具体例を以下の(II−11)から(II−20)に挙げることができる。
Figure 0006410430
(式中、j及びkはそれぞれ独立的に2〜14の整数を表す。)
(キラル性を示す光重合性モノマー)
重合性化合物(光重合性モノマー)としては、上述のようなアキラルな物質に限らず、キラルな物質を用いてもよい。キラル性を示す光重合性モノマーとしては、例えば、下記の一般式(II−x)、又は(II−y)で表される重合性化合物を用いることができる。
Figure 0006410430
上記式(II−x)、及び式(II−y)において、Xは水素原子又はメチル基を表す。また、nは0又は1の整数を表し、nは、0、1又は2の整数を表す。ただし、nが2を表す場合、複数あるT及びYは同じであっても異なっていてもよい。
また、6員環T,T,T,Tは、1,4−フェニレン基、trans−1,4−シクロヘキシレン基等の6員環構造を有する置換基を表す。ただし、6員環T,T,Tは、これらの置換基にのみ限定されるものではなく、下記構造
Figure 0006410430
を有する置換基のうち、何れか一種の置換基を有していればよく、互いに同じであっても異なっていても構わない。なお、上記置換基において、mは1〜4の整数を示す。
また、式(II−y)におけるTは、ベンゼン−1,2,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,4−トリイル基、ベンゼン−1,3,5−トリイル基、シクロヘキサン−1,2,4−トリイル基、シクロヘキサン−1,3,4−トリイル基又はシクロヘキサン−1,3,5−トリイル基などの環式3価基を表す。
また、式(II−x)及び式(II−y)におけるY、Y、及びYは、それぞれ独立的に、炭素原子数が1〜10である直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、又は−N=N−であり、この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個のCH基は、−O−、−S−、−CO−O−又は−O−CO−により置き換えられていてもよく、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CH=CHCHCH−、又は−CHCHCH=CH−を含んでいてもよい。また、不斉炭素原子を含んでいてもよく、含まなくてもよい。すなわち、Y及びYは、上記したいずれかの構造を有していれば、同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
また、Y及びYは、単結合、−O−、−OCO−、−COO−を表す。
は、不斉炭素原子を持ちかつ分枝鎖構造を含む炭素原子数3〜20のアルキレン基を表す。
は、炭素原子数1〜20のアルキレン基を表し、不斉炭素原子を含んでいてもよく、含まなくてもよい。
スメクチック液晶組成物に用いられる重合性化合物は、上記の(I)、(II)、(II−x)、(II−y)のいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせで用いてもよい。
スメクチック液晶組成物が重合性化合物を含有する場合の重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等を用いることが可能であるが、ラジカル重合により重合することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤を用いることができるが、光重合開始剤が好ましい。具体的には以下の化合物が好ましい。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;
ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が好ましい。この中でも、ベンジルジメチルケタールが最も好ましい。
前記液晶材料において、重合性化合物の含有量は、0〜30質量%であることが好ましく、0〜10質量%であることがより好ましい。
本発明においては、重合性液晶化合物(II)のほかに多官能液晶性モノマーを添加することもできる。この多官能液晶性モノマーとしては、重合性官能基として、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、エポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、エチニル基、メルカプト基、マレイミド基、ClCH=CHCONH−、CH=CCl−、CHCl=CH−、RCH=CHCOO−(ここでRは塩素、フッ素、又は炭素原子数1〜18の炭化水素基を表す)が挙げられるが、これらの中でもアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基、ビニルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基が特に好ましく、アクリロイルオキシ基が最も好ましい。
多官能液晶性モノマーの分子構造としては、2つ以上の環構造を有することを特徴とする液晶骨格、重合性官能基、さらに液晶骨格と重合性官能基を連結する柔軟性基を少なくとも2つ有するものが好ましく、3つの柔軟性基を有するものがさらに好ましい。柔軟性基としては、−(CH−(ここでnは整数を表す)で表されるようなアルキレンスペーサー基や−(Si(CH−O)−(ここでnは整数を表す)で表されるようなシロキサンスペーサー基を挙げることができ、この中ではアルキレンスペーサー基が好ましい。これらの柔軟性基と液晶骨格、もしくは重合性官能基との結合部分には、−O−、−COO−、−CO−のような結合が介在していてもよい。
液晶組成物の応答速度の向上、配向安定性の向上、閾値電圧の低下、低温での応答速度低下の改善、レイヤー構造の安定化等の目的として、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子等のナノ粒子を添加することもできる。有機粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシアクリレート、ジビニルベンゼン等のポリマー粒子が挙げられる。無機粒子としては、チタン酸バリウム(BaTiO)、SiO、TiO、Al等の酸化物や、Au、Ag、Cu、Pd等の金属が挙げられる。有機粒子や無機粒子は、表面を他の材料でコーティングしたハイブリッド粒子であってもよく、無機粒子の表面を有機材料でコーティングした有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。無機粒子の表面に付与する有機物が液晶性を示すと、周囲の液晶分子が配向しやすくなり、好ましい。
その他、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、非反応性のオリゴマーや無機充填剤、有機充填剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、シランカップリング剤等を適宜添加してもよい。また、イオン及び極性化合物のトラップ材料等を含有するものとすることもできる。
スメクチック液晶組成物は不純物等を除去したり、又は比抵抗値を更に高くしたりする目的で、シリカ、アルミナ等による精製処理を施してもよい。液晶組成物の比抵抗値としては、THTで駆動するためには、1011Ω・cm以上が好ましく、1012Ω・cm以上がより好ましく、1013Ω・cm以上がより好ましい。また、液晶組成物中に不純物として存在するカチオンの影響を防止する方法として、クラウンエーテル、ポダンド、コロナンド、又はクリプタンド等のカチオン包接化合物を添加することもできる。
<ネマチック液晶化合物>
ネマチック液晶化合物は、キラルな液晶化合物でもよいし、アキラルな液晶化合物でもよい。
ネマチック液晶化合物は、下記一般式(LC)
Figure 0006410430
(一般式(LC)中、RLCは炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子に置換されていてもよく、
LC1及びALC2は、それぞれ独立して、
(a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。)、
(b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)、及び
(c)1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−3,7−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はクロマン−2,6−ジイル基
からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる1つ又は2つ以上の水素原子はそれぞれ、フッ素原子、塩素原子、CF又はOCFで置換されていてもよく、
LCは単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表し、
LCは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、及び炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子で置換されていてもよく、
aは1〜4の整数を表すが、aが2、3又は4を表し、ALC1が複数存在する場合、複数存在するALC1は、同一であっても異なっていてもよく、ZLCが複数存在する場合、複数存在するZLCは、同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物であることが好ましい。
前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC1)及び一般式(LC2)
Figure 0006410430
(式中、RLC11及びRLC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子によって置換されていてもよく、ALC11、及びALC21はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
Figure 0006410430
(該構造中、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、CF又はOCFで置換されていてもよい。)を表し、
LC11、XLC12、XLC21〜XLC23はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子、フッ素原子、CF又はOCFを表し、
LC11及びYLC21はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子、フッ素原子、シアノ基、CF、OCHF、OCHF又はOCFを表し、
LC11及びZLC21はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表し、
LC11及びmLC21はそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、ALC11、ALC21、ZLC11及びZLC21が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC11及びRLC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜7のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることがより好ましく、直鎖状であることが更に好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すものが最も好ましい。
Figure 0006410430
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC11及びALC21はそれぞれ独立して下記の構造が好ましい。
Figure 0006410430
LC11及びYLC21はそれぞれ独立してフッ素原子、シアノ基、CF又はOCFであることが好ましく、フッ素原子又はOCFであることが好ましく、フッ素原子であることが特に好ましい。
LC11及びZLC21はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−であることが好ましく、単結合、−CHCH−、−OCH−、−OCF−又は−CFO−であることがより好ましく、単結合、−OCH−又は−CFO−であることが特に好ましい。
LC11及びmLC21はそれぞれ独立して1、2又は3であることが好ましく、低温での保存安定性、応答速度を重視する場合には1又は2であることが好ましく、ネマチック相上限温度の上限値を改善するためには2又は3であることが好ましい。
一般式(LC1)で表される化合物は、下記一般式(LC1−a)〜一般式(LC1−c)
Figure 0006410430
(式中、RLC11、YLC11、XLC11及びXLC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるRLC11、YLC11、XLC11及びXLC12と同じ意味を表し、
LC1a1、ALC1a2及びALC1b1は、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、
LC1b1、XLC1b2、XLC1c1〜XLC1c4はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子、フッ素原子、CF又はOCFを表す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC11はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜7のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることがより好ましい。
LC11〜XLC1c4は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子であることが好ましい。
LC11はそれぞれ独立してフッ素原子、CF又はOCFであることが好ましい。
一般式(LC1)で表される化合物は、下記一般式(LC1−d)〜一般式(LC1−m)
Figure 0006410430
(式中、RLC11、YLC11、XLC11及びXLC12はそれぞれ独立して前記一般式(LC1)におけるRLC11、YLC11、XLC11及びXLC12と同じ意味を表し、
LC1d1、ALC1f1、ALC1g1、ALC1j1、ALC1k1、ALC1k2、ALC1m1〜ALC1m3は、それぞれ独立して1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、
LC1d1、XLC1d2、XLC1f1、XLC1f2、XLC1g1、XLC1g2、XLC1h1、XLC1h2、XLC1i1、XLC1i2、XLC1j1〜XLC1j4、XLC1k1、XLC1k2、XLC1m1及びXLC1m2は、それぞれ独立して水素原子、塩素原子、フッ素原子、CF又はOCFを表し、
LC1d1、ZLC1e1、ZLC1j1、ZLC1k1、及びZLC1m1は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC11は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜7のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることがより好ましい。
LC11〜XLC1m2は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子であることが好ましい。
LC11はフッ素原子、CF又はOCFであることが好ましい。
LC1d1〜ZLC1m1は、それぞれ独立して−CFO−、又は−OCH−であることが好ましい。
一般式(LC2)で表される化合物は、下記一般式(LC2−a)〜一般式(LC2−g)
Figure 0006410430
(式中、RLC21、YLC21及びXLC21〜XLC23は、それぞれ独立して前記一般式(LC2)におけるRLC21、YLC21及びXLC21〜XLC23と同じ意味を表し、
LC2d1〜XLC2d4、XLC2e1〜XLC2e4、XLC2f1〜XLC2f4及びXLC2g1〜XLC2g4は、それぞれ独立して水素原子、塩素原子、フッ素原子、CF又はOCFを表し、
LC2a1、ZLC2b1、ZLC2c1、ZLC2d1、ZLC2e1、ZLC2f1及びZLC2g1は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC21はそれぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜7のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜5のアルケニル基であることがより好ましい。
LC21〜XLC2g4は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子であることが好ましい。
LC21はフッ素原子、CF又はOCFであることが好ましい。
LC2a1〜ZLC2g4は、それぞれ独立して−CFO−、又は−OCH−であることが好ましい。
前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC3)、一般式(LC4)、一般式(LC4’)及び一般式(LC5)
Figure 0006410430
(式中、RLC31、RLC32、RLC41、RLC42、RLC51及びRLC52はそれぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子で置換されていてもよく、
LC31、ALC32、ALC41、ALC42、ALC51及びALC52はそれぞれ独立して下記の何れかの構造
Figure 0006410430
(該構造中、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は酸素原子で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよく、また、該構造中の1つ又は2つ以上の水素原子は塩素原子、CF又はOCFで置換されていてもよい。)のいずれかを表し、
LC31、ZLC32、ZLC41、ZLC42、ZLC51及びZLC52はそれぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCHCH−、−CHCHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、
はCH基又は酸素原子を表し、
LC41は水素原子又はフッ素原子を表し、
LC31、mLC32、mLC41、mLC42、mLC51及びmLC52はそれぞれ独立して0〜3を表し、ただし、mLC31+mLC32、mLC41+mLC42及びmLC51+mLC52は1、2又は3であり、ALC31〜ALC52、及びZLC31〜ZLC52が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC31〜RLC52は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜7のアルケニル基であることが好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すものが最も好ましく、
Figure 0006410430
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC31〜ALC52は、それぞれ独立して下記の構造が好ましく、
Figure 0006410430
LC31〜ZLC51は、それぞれ独立して単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CFO−、−OCF−又は−OCH−であることが好ましい。
一般式(LC3)で表される化合物は、下記一般式(LC3−a)及び一般式(LC3−b)
Figure 0006410430
(式中、RLC31、RLC32、ALC31及びZLC31は、それぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31、RLC32、ALC31及びZLC31と同じ意味を表し、
LC3b1〜XLC3b6はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表すが、XLC3b1及びXLC3b2又はXLC3b3及びXLC3b4のうちの少なくとも一方の組み合わせは共にフッ素原子を表し、
LC3a1は1、2又は3を表し、mLC3b1は0又は1を表し、ALC31及びZLC31が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC31及びRLC32は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
LC31は、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基であることが好ましく、1,4−フェニレン基、又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基であることがより好ましい。
LC31は単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、又は−CHCH−であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
一般式(LC3−a)としては、下記一般式(LC3−a1)〜一般式(LC3−a4)を表すことが好ましい。
Figure 0006410430
(式中、RLC31及びRLC32は、それぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31及びRLC32と同じ意味を表す。)
LC31及びRLC32は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜7のアルケニル基であることが好ましく、RLC31が炭素原子数1〜7のアルキル基であり、RLC32が炭素原子数1〜7のアルコキシ基であることがより好ましい。
一般式(LC3−b)としては、下記一般式(LC3−b1)〜一般式(LC3−b12)を表すことが好ましく、一般式(LC3−b1)、一般式(LC3−b6)、一般式(LC3−b8)、又は一般式(LC3−b11)を表すことがより好ましく、一般式(LC3−b1)又は一般式(LC3−b6)を表すことがさらに好ましく、一般式(LC3−b1)を表すことが最も好ましい。
Figure 0006410430
(式中、RLC31及びRLC32は、それぞれ独立して前記一般式(LC3)におけるRLC31及びRLC32と同じ意味を表す。)
LC31及びRLC32は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜7のアルケニル基であることが好ましく、RLC31が炭素原子数2又は3のアルキル基であり、RLC32が炭素原子数2のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(LC4)及び一般式(LC4’)で表される化合物は、下記一般式(LC4−a)〜一般式(LC4−c)及び一般式(LC4’−d)、一般式(LC5)で表される化合物は下記一般式(LC5−a)〜一般式(LC5−c)
Figure 0006410430
(式中、RLC41、RLC42及びXLC41は、それぞれ独立して前記一般式(LC4)及び一般式(LC4’)におけるRLC41、RLC42及びXLC41と同じ意味を表し、
LC51及びRLC52は、それぞれ独立して前記一般式(LC5)におけるRLC51及びRLC52と同じ意味を表し、
LC4a1、ZLC4b1、ZLC4c1、ZLC4d1、ZLC5a1、ZLC5b1及びZLC5c1は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCHCH−、−CHCHO−、−OCF−又は−CFO−を表す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であることがより好ましい。
LC41、RLC42、RLC51及びRLC52は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基であることが好ましい。
LC4a1〜ZLC5c1は、それぞれ独立して単結合、−CHO−、−COO−、−OCO−、又は−CHCH−であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
前記一般式(LC)で表される化合物は、下記一般式(LC6)
Figure 0006410430
(式中、RLC61及びRLC62は、それぞれ独立して炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子で置換されていてもよく、
LC61〜ALC63はそれぞれ独立して下記のいずれかの構造
Figure 0006410430
(該構造中、シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上のCHCH基は、−CH=CH−、−CFO−、又は−OCF−で置換されていてもよく、1,4−フェニレン基中の1つ又は2つ以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)
を表し、
LC61及びZLC62は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−を表し、
mLC61は0〜3を表す。ただし、前記一般式(LC1)〜一般式(LC5)で表される化合物を除く。)
で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
LC61及びRLC62は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、又は炭素原子数2〜7のアルケニル基であることが好ましく、アルケニル基としては下記構造を表すものが最も好ましい。
Figure 0006410430
(式中、環構造へは右端で結合するものとする。)
LC61〜ALC63はそれぞれ独立して下記の構造が好ましく、
Figure 0006410430
LC61及びZLC62はそれぞれ独立して単結合、−CHCH−、−COO−、−OCH−、−CHO−、−OCF−又は−CFO−が好ましい。
一般式(LC6)で表される化合物は、下記一般式(LC6−a)〜一般式(LC6−m)
Figure 0006410430
(式中、RLC61及びRLC62は、それぞれ独立して炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物であるのがより好ましい。
上記のように、本発明においては、前記液晶化合物として種々のものを用いることができるが、これらの中でも、フッ素原子を有する液晶化合物が好ましく、前記液晶材料は、フッ素原子を有する液晶化合物を少なくとも1種含有することが好ましい。このような特定の液晶化合物を用いることで、前記液晶材料は、マイナーダイレクターによる応答に、より優れたものとなる。
前記液晶材料がフッ素原子を有する液晶化合物を含有する場合、液晶化合物の総含有量に対する、フッ素原子を有する液晶化合物の含有量の比率は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。また、前記比率の上限値は特に限定されず、100質量%であってもよいが、80質量%であることが好ましく、70質量%であることがより好ましい。
前記一般式(LC)で表される液晶化合物のうち、フッ素原子を有する液晶化合物としては、下記一般式(1F)
Figure 0006410430
(式中、R1F及びR2Fはそれぞれ独立して炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシアノ基を表し、ただし、R1F及びR2Fの少なくとも一方は前記アルキル基又はアルケニル基を表し、前記アルキル基又はアルケニル基中の1つ以上の−CH−は、酸素原子と硫黄原子が直接隣接しないように−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−SO−、−SO−O−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−CO−N(R)−又は−N(R)−CO−で置換されていてもよく、前記アルキル基又はアルケニル基中の1つ以上の水素原子は、シアノ基又は水酸基で置換されていてもよく、前記−CO−N(R)−及び−N(R)−CO−におけるRは水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、前記炭素原子数1〜4のアルキル基中の1つ以上の−CH−は、−CH=CH−又は−C≡C−で置換されていてもよく、前記炭素原子数1〜4のアルキル基中の1つ以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
1F、A2F、A3F及びA4Fは、それぞれ独立して下記式
Figure 0006410430
(式中、シクロヘキサン環の1つ以上の−CH−は、酸素原子で置換されていてもよく、ベンゼン環の1つ以上の−CH=は、窒素原子で置換されていてもよく、前記式中の1つ以上の水素原子は、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていてもよい。)のいずれかの基を表し、
1F、X2F及びX3Fは、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−N=N−、−CH=N−N=CH−、−CHCH−、−CFCF−、−(CH−、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、−OCHCH−、−CHCHO−、−OCF−、−CFO−、−CO−N(R)−、−N(R)−CO−、−CH=CH−CO−O−又は−O−CO−CH=CH−を表し、前記−CO−N(R)−及び−N(R)−CO−におけるRは、水素原子又は炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、
及びmはそれぞれ独立して0又は1を表し、
ただし、R1F、R2F、A1F、A2F、A3F、A4F、X1F、X2F及びXのいずれか1つ以上は、フッ素原子を有する基を表す。)
で表される化合物が例示できる。
一般式(1F)で表される化合物は、本発明で用いる液晶化合物として、特に好ましいものである。
<<光学素子>>
本発明に係る光学素子は、一対の基板と、前記基板間に挟持され、前記基板の表面に対して略垂直に配向して配置された液晶材料を有し、前記基板の表面に対して略平行方向に電場を印加する光学素子であって、前記液晶材料が、1種以上の棒状液晶化合物を含有し、前記液晶材料が、電場を印加していない状態で、前記基板の表面に対して平行な面内に光学異方性を有することを特徴とする。かかる光学素子における液晶材料としては、上記の本発明に係る液晶材料を用いることができる。
本発明に係る光学素子としては、基板の表面に対して略平行方向に電場を印加する光学素子として、インプレーンスイッチング(In Plane Switching:IPS)モードの光学素子や、IPSモードの素子の一種である、フリンジフィールドスイッチング(Fringe Field Switching:FFS)モードの光学素子が好適である。FFSモードは、開口率及び透過率を高める際に有用なモードである。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学素子の要部である液晶セルを模式的に例示する斜視図である。
ここに示す液晶セル1は、本発明に係る光学素子において、最も単純な構成のものであり、一対の基板として第一基板11及び第二基板12が対向配置され、これら基板間に液晶材料15が挟持されてなり、これら基板間の同一平面内に、一対のインプレーンスイッチング用電極である第一電極13及び第二電極14を互いに離間した状態で備える。第一電極13及び第二電極14はいずれも細長い板状の形状であり、これらの長手方向が一致するように配置されている。
第一基板11及び第二基板12としては、例えば、ガラス又はプラスチックからなるものの表面が、この表面に対して略垂直に液晶材料15が配向するように、垂直配向処理されたものが挙げられる。
前記プラスチックとしては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、環状オレフィン樹脂等の樹脂が挙げられる。
前記垂直配向処理は、配向剤を用いて行うことができる。
第一基板11及び第二基板12は、液晶材料15のマイナーダイレクターの方向を均一に揃える高い効果が得られる点から、液晶材料15との対向面がラビング処理を施されたものや、液晶材料15との対向面に光配向膜が形成され、光照射によって配向能を発現する処理が施されたものなど、液晶材料15を配向させる処理を施されたものが好ましく、面内の特異的な一方向へ液晶材料15を配向させる処理を施されたものがより好ましい。
光配向膜としては、光に応答してその化学構造が変化する光応答性高分子を含むものが好ましい。一般的に光配向膜には種々の形式のものがあり、例えば、アゾ基を有する化合物(例えば、アゾベンゼン化合物)、シッフ塩基、炭素原子間の二重結合等の不飽和結合を有する化合物等の、光異性化を利用するもの;桂皮酸誘導体等の光二量化を利用するもの;クマリン、カルコン又はポリマー(例えば、光分解性ポリイミド等)自体のσ結合の光開裂(光分解)を利用するもの等が挙げられる。
前記光応答性高分子としては、光応答性異性化型高分子、光応答性二量化型高分子、光応答性分解型高分子が挙げられ、光応答性高分子は1種のみでもよいし、2種以上でもよい。これらの中でも、光応答性高分子としては、光応答性分解型高分子が特に好ましい。
前記光応答性分解型高分子としては、ポリマー自体のσ結合の光開裂(光分解)を利用するもの等が好ましい。このような高分子としては、主鎖としてポリシロキサン、ポリイミド、又はポリアミック酸誘導体の構造を有するものが好ましく、ポリイミド、又はポリアミック酸誘導体の構造を有するものがより好ましい。ポリアミック酸誘導体としては、炭素原子数1〜5のアルキルエステルや、炭素原子数1〜18のアルキルアンモニウム塩が好ましい。
前記光応答性分解型高分子は、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを反応させて得られるポリアミック酸、及びポリイミドからなる群より選択される少なくとも一種の重合体を含有するものが好ましい。
光配向膜に対する光照射のための光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等を使用できる。このとき照射する光は、偏光であることが好ましい。
電場を印加していない状態での液晶材料15の配向方向と、第一電極13及び第二電極14の長手方向(印加される電場の方向に直交する方向)との為す角度は、30〜60°であることが好ましく、40〜50°であることがより好ましく、44〜46°であることがさらに好ましく、45°であることが最も好ましい、
第一電極13及び第二電極14としては、例えば、金属、合金、酸化物又は酸化物半導体からなるものが挙げられる。
これらのうち、光透過性(透明性を有する)電極としては、酸化インジウムスズ(ITO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)、インジウムガリウム添加酸化亜鉛(IGZO)、グラフェン又はカーボンナノチューブ等の材料からなるものが例示できる。
また、光不透過性電極としては、モリブデン、アルミニウム;アルミニウム−ネオジム、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム等の合金;銅、クロム、タングステン、チタン又はこれらの合金等の不透明な導電性物質等の材料からなる単層又は二層以上のものが例示できる。
第一基板11及び第二基板12は、厚さが0.01〜1.0mmであることが好ましく、0.05〜0.7mmであることがより好ましい。また、第一基板11及び第二基板12の表面間距離(すなわちセルギャップ、セル厚)L11は、1〜60μmであることが好ましく、1.5〜30μmであることがより好ましく、2〜15μmであることがさらに好ましい。
第一電極13の幅W11、及び第二電極14の幅W12は、それぞれ、開口率を上げるために小さい方が好ましい。また、第一電極13及び第二電極14の表面間距離L12は、実効的な駆動電界を大きくするために小さい方がが好ましい。
液晶材料15は、液晶セル1に横電場(第一基板11及び第二基板12の表面に対して略平行方向の電場)を印加していない状態で、前記基板の表面に対して平行な面内(第一基板11及び第二基板12の表面に対して平行な面内)に光学異方性を有するものであり、前記基板の表面に対して平行な面内の光学異方性が少なくとも一方向の配向性を有するものが好ましい。
また、液晶材料15は、液晶セル1に横電場(第一基板11及び第二基板12の表面に対して略平行方向の電場)を印加する前は、第一基板11及び第二基板12間の全領域において等方相を示すが、横電場を印加することにより、第一基板11及び第二基板12間の領域に複屈折が発現する。
液晶セル1を備えた、本発明に係る光学素子は、例えば、以下の方法で製造できる。
まず、一対の基板(第一基板11及び第二基板12)を対向配置し、これらの間に液晶材料15を挟持する。これら一対の基板は、垂直配向処理を行った表面が互いに向き合うように配置する。
より具体的には、第一基板11及び第二基板12のいずれか一方における、これらの対向面に対して、セルギャップを確保するためのスペーサ、例えば、プラスチックビーズ等を散布する、又は、ギャップを確保するためのカラムスペーサを立てると共に、例えば、エポキシ接着剤等を用いてスクリーン印刷法により、シール部を印刷(形成)する。
そして、第一基板11及び第二基板12を対向配置する。このとき、第一電極13及び第二電極14は、第一基板11及び第二基板12のいずれか一方の前記対向面に配置されるように調節する。第一電極13及び第二電極14は、例えば、スパッタリング法等、公知の方法でパターニングして形成できる。
上記のように配置した第一基板11及び第二基板12を、前記スペーサ及びシール部を介して貼り合わせた後、形成されたスペース(セルギャップ)に液晶材料15又は液晶材料15とするための原料(以下、これらをまとめて「液晶材料15等」と略記する)を注入する。液晶材料15等は、粘度が小さい等方相の状態において、容易に注入できる。または、ODF法によって液晶材料15等を液晶セル内に含有させることもできる。なお、ここで前記原料とは、例えば、高分子化合物を含有する液晶材料15を調製するための、前記重合性化合物を含有する組成物である。そして、前記原料を注入した場合には、液晶材料15とするための処理を行う。例えば、液晶材料15として、前記高分子化合物を含有するものを用いる場合には、封入後の前記原料(前記重合性化合物を含有する組成物)に光を照射して、前記重合性化合物を光重合させればよい。
次いで、得られた液晶セル1について、第一基板11及び第二基板12の液晶材料15との対向面とは反対側の面うち、一方には第一偏光板を、他方には第二偏光板を、これらの吸収軸が直交する(90°の角度を為す)ように設けることで、光学素子とすることができる。
液晶材料15は、電場を印加していない状態で、第一基板11及び第二基板12の表面に対して平行な面内に光学異方性を有するので、第一偏光板及び第二偏光板のいずれか一方の偏光方向を、第一電極13及び第二電極14の長手方向(印加される電場の方向に直交する方向)に揃えた場合、液晶セル1を備えた光学素子は、電場を印加していない状態では明状態で、電場を印加した状態では暗状態となる。一方、第一偏光板及び第二偏光板のいずれか一方の偏光方向を、電場を印加していない状態での液晶材料15の配向方向に揃えた場合、光学素子は、電場を印加していない状態では暗状態で、電場を印加した状態では明状態となる。
図2は、本発明の他の実施形態に係る光学素子の要部である液晶セルを模式的に例示する図であり、(a)は正面図、(b)は一方の基板の平面図である。なお、図2に示す構成要素のうち図1に示すものと同じものには、図1におけるものと同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す液晶セル2は、一対の基板として第一基板21及び第二基板22が対向配置され、これら基板間に液晶材料15が挟持されてなるものであり、第一基板21の、第二基板22側の表面には、一対のインプレーンスイッチング用電極である第一電極23及び第二電極24を互いに離間した状態で備える。第一電極23及び第二電極24はいずれも櫛形構造を有し、櫛歯に相当する突出部23a及び24aが、これらの長手方向が一致し、交互に整列するようにして、互いに離間して組み合わされて配置されている。前記突出部23a及び24aの表面(第二基板22側の表面)は、同一平面内にあることが好ましい。
液晶セル2は、第一電極及び第二電極が上述の櫛形構造を有するものである点以外は、上述の液晶セル1と同様のものである。
第一基板21及び第二基板22としては、図1に示す第一基板11及び第二基板12と同様の材質、厚さのものが例示できる。
また、第一基板21及び第二基板22の表面間距離(すなわちセルギャップ、セル厚)L21も、図1に示す第一基板11及び第二基板12の表面間距離L11と同様であることが好ましい。
第一電極23及び第二電極24としては、形状が異なる点以外は、図1に示す第一電極13及び第二電極14と同様のものが例示できる。
第一電極23の突出部23aの幅W21、及び第二電極24の突出部24aの幅W22は、それぞれ、開口率を上げるために小さい方が好ましい。また、前記突出部23a及び24aの表面間距離L22は、実効的な駆動電界を大きくするために小さい方が好ましい。
液晶材料15は、液晶セル2に横電場(第一基板21及び第二基板22の表面に対して略平行方向の電場)を印加する前は、第一基板21及び第二基板22間の全領域において等方相を示すが、横電場を印加することにより、第一基板21及び第二基板22間の領域に複屈折が発現する。このとき、第一電極23上(図2では第一電極23の突出部23a上)及び第二電極24上(図2では第二電極24の突出部24a上)の領域では、実効的な電場が液晶材料に印加されないため、液晶の配向は大きく変化しない。
液晶材料15は、電場を印加していない状態で、第一基板21及び第二基板22の表面に対して平行な面内に光学異方性を有するので、液晶セル2が液晶セル1の場合と同様の第一偏光板及び第二偏光板を備えた光学素子は、これら偏光板のいずれか一方の偏光方向を、第一電極23の突出部23a及び第二電極24の突出部24aの長手方向(印加される電場の方向に直交する方向)に揃えた場合、電場を印加していない状態では明状態で、電場を印加した状態では暗状態となる。一方、第一偏光板及び第二偏光板のいずれか一方の偏光方向を、電場を印加していない状態での液晶材料15の配向方向に揃えた場合、光学素子は、電場を印加していない状態では暗状態で、電場を印加した状態では明状態となる。
液晶セル2を備えた、本発明に係る光学素子は、第一電極及び第二電極として上述の櫛形構造を有するものを用いる点以外は、液晶セル1を備えた上述の光学素子の場合と同様の方法で製造できる。
以下、実施例により、本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す構成の液晶セル1に下記式(1)で表される液晶化合物(以下、「液晶化合物(1)」という)を封入して、光学素子を得た。
液晶セルとしては、第一基板11及び第二基板12がガラス基板であり、第一電極13及び第二電極14がいずれもアルミニウムからなり、W11及びW12が120μmであり、第一電極13及び第二電極14の厚さ、すなわちL11が12μmであり、L12が140μmであるものを用いた。配向剤としては、垂直配向ポリイミド(日産化学社製「RN−1211」)を用い、電場を印加していない状態での液晶化合物(1)の配向方向と、第一電極13及び第二電極14の長手方向との為す角度が45°となるように、ラビング方向を一方向(第一基板11でのラビング処理の方向と、第二基板12でのラビング処理の方向との為す角度を0°)としてパラレルラビング処理を行った。
Figure 0006410430
偏光顕微鏡(クロスニコル)下に、ラビング方向が偏光顕微鏡の偏光子と45°の角度を為すように、得られた光学素子を設置し、液晶化合物(1)が等方相示す温度から温度を下げながら光学素子を観察した。その結果、ネマチック相の高温領域である87℃では、観察視野全面が暗状態であったが、温度がネマチック相の低温領域に到達すると、観察視野が徐々に明るくなり、複屈折の発現が確認された。
また、得られた光学素子に対して、ネマチック相を示す90℃、86℃、76℃において、コノスコープ像を観察したところ、ネマチック相の高温領域である90℃では一軸性を示したが、ネマチック相の低温領域である86℃、76℃では、光軸を示すメラトープが2個確認され、光学二軸性を示した。
また、偏光顕微鏡(クロスニコル)下に、ラビング方向が偏光顕微鏡の偏光子のいずれか一つと0°の角度を為すように、得られた光学素子を76℃で設置したところ、暗状態となり、暗表示を行えることが確認された。この状態で、第一電極及び第二電極間に+50V又は−50Vので横電場を印加したところ、明状態となって光が透過し、スイッチングが観察された。
以上により、本実施例の光学素子は、目的とする機能を有することが確認された。
[実施例2]
下記化合物を混合して液晶組成物(2)を得た。
Figure 0006410430
液晶組成物(2)の相転移温度を偏光顕微鏡観察により測定したところ、81℃で等方相からネマチック相への転移が確認できた。また、−30℃まで冷却したがネマチック相を保っていた。
次いで、図2に示す構成の液晶セル2に液晶組成物(2)を封入して、光学素子を得た。液晶セルとしては、第一基板21及び第二基板22がいずれも厚さ0.6mmのガラス基板で、その表面を配向剤によって垂直配向処理を行った後、ラビング処理を行い、これら処理を行った表面同士が向かい合うように配置し、L21が5μmであり、第一電極23及び第二電極24がいずれもITO(酸化インジウムスズ)からなり、W21及びW22が10μmであり、L22が10μmであるものを用いた。配向剤としては、垂直配向ポリイミド(日産化学社製「RN−1211」)を用い、電場を印加していない状態での液晶組成物(2)の配向方向と、第一電極23の突出部23a及び第二電極24の突出部24aの長手方向との為す角度が45°となるように、ラビング方向を一方向(第一基板21でのラビング処理の方向と、第二基板22でのラビング処理の方向との為す角度を0°)としてパラレルラビング処理を行った。
得られた光学素子に対して、25℃でコノスコープ像を観察したところ、光軸を示すメラトープが2個確認され、光学二軸性を示した。
また、偏光顕微鏡(クロスニコル)下に、ラビング方向が偏光顕微鏡の偏光子のいずれか一つと0°の角度を為すように、得られた光学素子を25℃で設置したところ、暗状態となり、暗表示を行えることが確認された。この状態で、第一電極23及び第二電極24間に+50V又は−50Vので横電場を印加したところ、明状態となって光が透過し、スイッチングが観察された。
以上により、本実施例の光学素子は、目的とする機能を有することが確認された。
[実施例3]
下記化合物を混合して液晶組成物(3)を得た。
Figure 0006410430
液晶組成物(3)の相転移温度を偏光顕微鏡観察により測定したところ、110℃で等方相からネマチック相への転移、15℃でネマチック相からスメクチックC相への転移が確認できた。
次いで、液晶組成物(2)に代えてこの液晶組成物(3)を用いた点以外は、実施例2と同様に光学素子を得た。
得られた光学素子に対して、25℃でコノスコープ像を観察したところ、光軸を示すメラトープが2個確認され、光学二軸性を示した。
また、偏光顕微鏡(クロスニコル)下に、ラビング方向が偏光顕微鏡の偏光子のいずれか一つと0°の角度を為すように、得られた光学素子を25℃で設置したところ、暗状態となり、暗表示を行えることが確認された。この状態で、第一電極23及び第二電極24間に+50V又は−50Vので横電場を印加したところ、明状態となって光が透過し、スイッチングが観察された。
以上により、本実施例の光学素子は、目的とする機能を有することが確認された。
1,2・・・液晶セル、11,21・・・第一基板、12,22・・・第二基板、13,23・・・第一電極、23a・・・第一電極の突出部、14,24・・・第二電極、24a・・・第二電極の突出部、15・・・液晶材料、L11,L21・・・第一基板及び第二基板の表面間距離、L12・・・第一電極及び第二電極の表面間距離、L22・・・第一電極の突出部及び第二電極の突出部の表面間距離、W11・・・第一電極の幅、W21・・・第一電極の突出部の幅、W12・・・第二電極の幅、W22・・・第二電極の突出部の幅

Claims (12)

  1. 一対の基板と、前記基板間に挟持され、前記基板の表面に対して略垂直に配向して配置された液晶材料を有し、前記基板の表面に対して略平行方向に電場を印加する光学素子であって、
    前記液晶材料が、1種以上の棒状液晶化合物を含有し、
    前記棒状液晶化合物が、下記一般式(LC−Ia)、下記一般式(LC−IIa)、下記一般式(LC−IIIa)、又は下記一般式(LC)
    Figure 0006410430
    (式中、R11及びR12は各々独立に炭素原子数1〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表すが、R11とR12が同時にフッ素原子となることはなく、該アルキル基中の、1つ又は2つの隣接していない−CH−基は−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、シクロプロピレン基又は−Si(CH−で置き換えられてもよく、該アルキル基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子、又はCN基で置き換えられていてもよく、
    11〜X22は各々独立に水素原子、フッ素原子、CF基、又はOCF基を表し、
    11〜L14は各々独立に単結合、−N=N−、−O−、−S−、−CO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CHCH−、−CH=CH−、又は−C≡C−を表し、
    Yは各々独立に、単結合又は炭素原子数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上のメチレン基は酸素原子が相互に直接結合しないものとして各々独立に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中に存在する1つ又は2つ以上の水素原子は各々独立にハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよく、
    、b、c、dは各々独立に0又は1の整数を表すが、a+b+c+dは1、2又は3であり、aが0の場合はdは0であり、aが1の場合はcは0であり、cが1の場合はaは0であり、b=c=1の場合はa=d=0であり、
    Cycloは各々独立に炭素原子数3〜10のシクロアルカンを表し、任意に二重結合を有していてもよい。)
    Figure 0006410430
    (一般式(LC)中、RLCは炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−又は−C≡C−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子に置換されていてもよく、
    LC1及びALC2は、それぞれ独立して、
    (a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。)、
    (b)1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個のCH基又は隣接していない2個以上のCH基は窒素原子で置換されていてもよい。)、及び
    (c)1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−3,7−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、又はクロマン−2,6−ジイル基
    からなる群より選ばれる基を表すが、上記の基(a)、基(b)又は基(c)に含まれる1つ又は2つ以上の水素原子はそれぞれ、フッ素原子、塩素原子、CF又はOCFで置換されていてもよく、
    LCは単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−COO−又は−OCO−を表し、
    LCは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、及び炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、−C≡C−、−CFO−、−OCF−で置換されてよく、該アルキル基中の1つ又は2つ以上の水素原子は任意にハロゲン原子で置換されていてもよく、
    aは1〜4の整数を表すが、aが2、3又は4を表し、ALC1が複数存在する場合、複数存在するALC1は、同一であっても異なっていてもよく、ZLCが複数存在する場合、複数存在するZLCは、同一であっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物であり、
    前記液晶材料が、電場を印加していない状態で、前記基板の表面に対して平行な面内に光学異方性を有することを特徴とする光学素子。
  2. 前記基板の表面に対して平行な面内の光学異方性が少なくとも一方向の配向性を有する請求項1に記載の光学素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光学素子において、一対の基板間に挟持される前記液晶材料であって、
    前記基板の表面に対して略垂直に配向した状態で、二軸性が発現することを特徴とする液晶材料。
  4. スメクチックA相、スメクチックC相又はネマチック相を発現する請求項3に記載の液晶材料。
  5. 2種以上の液晶化合物を含有する請求項3又は4に記載の液晶材料。
  6. フッ素置換基を有する液晶化合物を1種以上含有する請求項3〜5のいずれか一項に記載の液晶材料。
  7. ネマチック相からスメクチックC相に相転移する請求項3〜6のいずれか一項に記載の液晶材料。
  8. 下記一般式(1F)
    Figure 0006410430
    (式中、R1F及びR2Fはそれぞれ独立して炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシアノ基を表し、ただし、R1F及びR2Fの少なくとも一方は前記アルキル基又はアルケニル基を表し、前記アルキル基又はアルケニル基中の1つ以上の−CH−は、酸素原子直接隣接しないように−O−、CO−、−CO−O−、−O−CO−、O−CO−O−又は−CH=CH−置換されていてもよく、ただし、R 1F はフッ素原子、塩素原子又はシアノ基となることはなく、
    1F、A2F、A3F及びA4Fは、それぞれ独立して下記式
    Figure 0006410430
    (式中、シクロヘキサン環の1つ以上の−CH−は、酸素原子で置換されていてもよく、ベンゼン環の1つ以上の−CH=は、窒素原子で置換されていてもよく、前記式中の1つ以上の水素原子は、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていてもよい。)のいずれかの基を表し、
    1F、X2F及びX3Fは、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、CHCH−、(CH−、−COO−、−OCO−、−OCH−、−CHO−、OCF又は−CFO−表し、
    及びmはそれぞれ独立して0又は1を表し、
    ただし、R1F、R2F、A1F、A2F、A3F、A4F、X1F、X2F及びX3Fのいずれか1つ以上は、フッ素原子を有する基を表す。)で表される液晶化合物を1種以上含有する請求項3〜7のいずれか一項に記載の液晶材料。
  9. 20℃で液晶相を発現する請求項3〜8のいずれか一項に記載の液晶材料。
  10. −10℃未満の温度で結晶化する請求項3〜9のいずれか一項に記載の液晶材料。
  11. 透明点が60℃以上である請求項3〜10のいずれか一項に記載の液晶材料。
  12. 誘電率異方性が負である請求項3〜11のいずれか一項に記載の液晶材料。
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