JP6410101B2 - 積層体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、接着層を介してガラスフィルムを樹脂フィルムに積層して一体化した積層体及びその製造方法に関する。
省スペース化の観点から、従来普及していたCRT型ディスプレイに替わり、近年は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等のフラットパネルディスプレイが普及している。これらのフラットパネルディスプレイにおいては、さらなる薄型化が要請される。特に有機ELディスプレイには、折りたたみや巻き取ることによって持ち運びを容易にすると共に、平面だけでなく曲面にも使用可能とすることが求められている。
また、有機ELディスプレイに使用される発光層や電子輸送層といった有機EL素子材料は、酸素や水蒸気等の気体が接触することにより劣化する。したがって、有機ELディスプレイに使用される基板には、これを防止するために高いガスバリア性が求められる。
上記の観点から、近年では、有機ELディスプレイに使用される基板として、超薄型のガラスフィルムが注目されている。ガラスフィルムは、ガスバリア性に優れるとともに、例えば厚みを300μm以下とすることにより、高い可撓性を具備するものとなる。
しかしながら、ガラスフィルムは物理衝撃や熱衝撃に対して破損しやすいという欠点を有する。そこで、この欠点を補うために、ガラスフィルムを接着層によって樹脂フィルムに接着して積層一体化してなる積層体が提案されている(例えば特許文献1参照)。樹脂フィルムは、ガラスフィルムよりも比重が小さく、物理的衝撃にも強いという特徴を有する。したがって、ガラスフィルムと樹脂フィルムとを積層することにより、積層体は、軽量で、ガスバリア性、可撓性及び耐衝撃性に優れたものになる。このような積層体を利用すれば、有機ELディスプレイの形状を多様化できるとともに、その信頼性及び寿命を大幅に向上させることができる。
ところで、積層体を量産する製造工程において、大面積の積層体から小面積(製品サイズ)の積層体に切り出す必要がある。また、有機ELディスプレイ等の機器に搭載する場合、その機器のデザインに応じて、積層体を直線や曲線を含む輪郭に加工することも必要である。すなわち、積層体を所望の形状に切断する技術が必要となる。
一般に、ガラス板を切断する方法としては、ガラス板の表面にダイヤモンドカッターなどでスクライブ線を形成した後、そのスクライブ線に曲げ応力を作用させて割断する方法(スクライブ割断)が広く用いられている。しかしながら、上記の切断方法では、切断面にクラックが形成され易く、そのクラックを起点としてガラス板が破損するおそれがあった。
そこで、上記の切断方法に代えて、積層体にレーザを照射し、その照射熱によって照射部位を溶融させて切断する、いわゆるレーザ溶断が採用されている(例えば特許文献2参照)。
特開2011−121320号公報 特開2013−103852号公報
しかしながら、レーザ溶断によって積層体を切断した場合であっても、溶断により形成される積層体の端部では、ガラスフィルムの端面が露出した状態となる。この状態において、ガラスフィルムの厚みが、例えば300μm以下まで薄板化されていると、その端面は、非常に脆くなり、有機ELディスプレイ等の機器に搭載する場合に、他部材に接触することで破損するおそれがあった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、接着層を介して樹脂フィルムにガラスフィルムを積層一体化させた積層体において、ガラスフィルムの端面の破損を防止することを技術的課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、接着層を介してガラスフィルムを樹脂フィルムの片面に積層して一体化した積層体であって、前記ガラスフィルムは、前記接着層を介して前記樹脂フィルムに接着される第1の面と、前記第1の面とは反対側に位置する第2の面と、前記第1の面と前記第2の面との間に位置する端面とを有し、前記樹脂フィルムの端部及び前記接着層の端部が溶融して一体に融合する融合部を備え、前記融合部は、前記ガラスフィルムの前記端面を被覆することに特徴づけられる。
かかる構成によれば、積層体のガラスフィルムは、その端面が全て融合部によって被覆されていることから、積層体に他部材が接触する場合であっても、この端面よりも先に融合部に接触することになる。したがって、ガラスフィルムの端面に他部材が直接接触する事態を回避できる。これにより、ガラスフィルムの端面の破損を効果的に防止できる。
また、上記の積層体において、前記融合部は、前記ガラスフィルムの前記第2の面の一部を被覆することが望ましい。このように、融合部は、ガラスフィルムの端面のみならず、ガラスフィルムにおける第2の面の一部をも被覆することから、他部材が接触した場合であってもガラスフィルムの端面から剥離し難い構造となり、この端面を強固に保護することが可能になる。
また、上記の積層体を製造する方法としては、前記樹脂フィルムが上側に位置し、前記ガラスフィルムが下側に位置するように前記積層体を設置する設置工程と、前記設置工程後に、前記積層体にレーザを照射して溶断するレーザ溶断工程と、を備え、前記レーザ溶断工程において、前記レーザの照射熱によって前記樹脂フィルムと前記接着層とを溶融させて一体に融合した融合部を形成し、前記融合部は、溶断により形成される前記ガラスフィルムの端面を被覆することに特徴づけられる。
このように、レーザ溶断工程では、レーザを積層体に照射することにより、樹脂フィルムと接着層とを溶融させ、樹脂フィルムにおいて溶融した部分と接着層において溶融した部分とが融合して融合部となる。設置工程において、積層体は、樹脂フィルムが上側に位置し、ガラスフィルムが下側に位置するように配置されている。このため、融合部は、その自重により、下側に位置するガラスフィルムに向かって流動する。この流動により、融合部は、溶断によって形成されるガラスフィルムの端面を被覆する。この状態のまま融合部を冷却して固化させることにより、ガラスフィルムの端面は、その全面が融合部によって被覆されることになる。これによって、ガラスフィルムの端面に他部材が直接接触する事態を回避でき、ガラスフィルムの端面の破損を効果的に防止できる。
また、上記の製造方法において、前記融合部は、前記ガラスフィルムの前記第2の面の一部を被覆することが望ましい。このように、融合部がガラスフィルムの端面を越えて第2の面にまで到達し、この第2の面の一部を被覆することで、他部材が接触した場合であってもガラスフィルムの端面から剥離し難い構造となり、この端面を強固に保護することが可能になる。
前記レーザ溶断工程において、前記レーザは、前記樹脂フィルムの上方位置から前記樹脂フィルムに向かって照射されることが望ましい。これにより、設置工程によって上側に位置することとなる樹脂フィルムにレーザを直接照射して溶融させることができる。したがって、樹脂フィルムへのレーザの照射位置及び樹脂フィルムの溶融量を精度良く制御することが可能になる。
また、前記レーザ溶断工程において、前記積層体におけるレーザの照射部位にアシストガスを噴射することが望ましい。これにより、アシストガスを融合部に当て、その圧力により融合部の流動を促進させることができる。
この場合において、前記アシストガスの噴射圧力は、0.01MPa以上0.5MPa以下であることが望ましい。アシストガスの圧力が0.01MPa未満であると、融合部の流動を促進させるのに十分ではなく、また、0.5MPaを超えると、樹脂フィルムの溶融した部分が飛散してしまうため好ましくない。
以上説明した本発明によれば、積層体におけるガラスフィルムの端面の破損を効果的に防止できる。
図1は、第1実施形態に係るレーザ溶断装置の斜視図である。 図2は、第1実施形態に係るレーザ溶断装置の縦断面図である。 図3は、本発明に係る積層体の断面図である。 図4は、積層体の他の例を示す断面図である。 図5は、第2実施形態に係るレーザ溶断装置の縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図4は、本発明の第1実施形態を示す。図1及び図2は、レーザ溶断装置を示し、図3及び図4は、レーザ溶断装置によって切断された積層体を示す。
図1及び図2に示すように、レーザ溶断装置1は、積層体2をレーザ溶断するものであって、積層体2を支持する支持台3と、積層体2に向かってレーザLを照射するレーザ照射器4とを備える。支持台3は、所定の間隔をおいて離間された一対として構成されるとともに、図1に示すT方向に移動可能に構成されている。
レーザ照射器4は、支持台3の上方における定位置に設置されている。レーザ照射器4は、レーザLを伝搬させる内部空間を有し、この内部空間にはレーザLを集光するレンズ5が設けられている。レーザ照射器4の先端部には、レーザLの照射方向に沿って噴射されるアシストガスAGをレーザ照射器4の内部に導入するガス導入管6が連結されている。また、レーザ照射器4の先端部には、レーザL及びアシストガスAGを照射・噴射するための照噴射口7が形成されている。なお、レーザ照射器4の出力は、15〜60Wとされている。
レーザ照射器4から照射されるレーザLには、本実施形態ではCOレーザが使用されるが、これに限定されず、YAGレーザその他の各種レーザが使用され得る。このレーザLは、積層体2の上面における照射部位Cに照射されるとともに、レンズ5で集光されることにより、積層体2の上面に焦点FPを形成する。
照噴射口7から噴射されるアシストガスAGの噴射圧力は、0.01MPa以上0.5MPa以下であることが好ましい。このアシストガスAGは、例えば、酸素(又は空気)や、水蒸気・二酸化炭素・窒素・アルゴンなどの不活性ガスが用いられ、適所でこれらのガスを混合してもよい。また、アシストガスAGは、加熱することにより熱風として噴射させてもよい。
レーザ溶断装置1によって切断される積層体2は、樹脂フィルム8と、この樹脂フィルム8に接着されるガラスフィルム9と、このガラスフィルム9を樹脂フィルム8に接着する接着層10とを備える。積層体2を構成する樹脂フィルム8、ガラスフィルム9及び接着層10には、透明な材質のものが使用される。レーザ溶断装置1によって切断される積層体2は、樹脂フィルム8の片面8aのみにガラスフィルム9を接着した構成になっている。以下、ガラスフィルム9が接着される樹脂フィルム8の一方の面8aを「第1の面」といい、ガラスフィルム9が接着されていない他方の面8bを「第2の面」という。
樹脂フィルム8の厚みは、300μm以下とされ、好ましくは10μm以上200μm以下とされる。樹脂フィルム8の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)が好ましく、その他に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種樹脂材料を利用できる。
ガラスフィルム9の厚みは、300μm以下とされ、好ましくは10μm以上200μm以下とされる。ガラスフィルム9の材質としては、ケイ酸塩ガラス、シリカガラスが用いられ、好ましくはホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラスが用いられ、最も好ましくは無アルカリガラスが用いられる。
ガラスフィルム9として無アルカリガラスを使用することで、積層体2の透明性を向上させることができる。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が3000ppm以下のガラスのことである。本発明におけるアルカリ成分の重量比は、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは500ppm以下であり、最も好ましくは300ppm以下である。
ガラスフィルム9は、公知のフロート法、ロールアウト法、スロットダウンドロー法、リドロー法等を使用することができるが、オーバーフローダウンドロー法によって成形されていることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、断面が略くさび形の成形体の上部に設けられたオーバーフロー溝に溶融ガラスを流し込み、このオーバーフロー溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを成形体の両側の側壁部に沿って流下させながら、成形体の下端部で融合一体化し、1枚のガラスフィルム9を連続成形するというものである。
オーバーフローダウンドロー法により、厚み300μm以下のガラスフィルム9を大量かつ安価に作製することができる。これにより作製されたガラスフィルム9は、研磨や研削、ケミカルエッチング等によってその厚みを調整する必要がない。また、オーバーフローダウンドロー法は、成形時にガラス板の両面が、成形部材と接触しない成形法であり、得られたガラスフィルム9の両面(透光面)は火造り面となり、研磨しなくても高い表面品位を得ることができる。これにより、ガラスフィルム9に対する接着層10の密着力を向上させることができ、より正確かつ精密にガラスフィルム9と樹脂フィルム8とを積層させることが可能となる。
図2に示すように、ガラスフィルム9は、樹脂フィルム8に接着される面(以下「第1の面」という)9aと、この第1の面9aとは反対側に位置する面(以下「第2の面」という)9bと、第1の面9aと第2の面9bとの間に位置する端面9cとを有する。ガラスフィルム9の第1の面9aは、接着層10によって樹脂フィルム8の第1の面8aに接着される。ガラスフィルム9の第2の面9bは、積層体2の一方の外面を構成するものである。
接着層10の厚みは、1μm以上200μm以下とされ、好ましくは10μm以上100μm以下とされる。接着層10の材質としては、例えば、アクリル系粘着剤、UV硬化樹脂、及びエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)が好適に使用され得るが、その他に、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、紫外線硬化性アクリル系接着剤、紫外線硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性メラミン系接着剤、熱硬化性フェノール系接着剤等が使用され得る。
以下、上記構成の積層体2を製造する方法について説明する。
まず、樹脂フィルム8と、樹脂フィルム8と略同じ大きさ(面積)のガラスフィルム9とを用意する。次に、樹脂フィルム8の第1の面8aとガラスフィルム9の第1の面9aとの間に、アクリル系粘着剤からなる接着剤を介在させ、ローラー等によってこれらを押圧して接合する。これにより、樹脂フィルム8、ガラスフィルム9および接着層10を含む3層構造からなる積層体2が形成される。または、樹脂フィルム8の第1の面8aとガラスフィルム9の第1の面9aとの間に接着層10としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂を介在させ、熱圧着した後に冷却してこれを硬化させることで、同様に積層体2を得ることができる。さらに、紫外線硬化性の樹脂(UV硬化樹脂)を用いて積層体2を製造する場合には、樹脂フィルム8とガラスフィルム9との間にこの樹脂を介在させた後、紫外線を照射することによりこれを硬化させる。
次に、この積層体2をレーザ溶断装置1の支持台3に載置する。この場合において、積層体2は、樹脂フィルム8が上側に位置し、ガラスフィルム9が下側に位置するように、支持台3に設置される(設置工程)。
積層体2が支持台3に載置されると、支持台3によって積層体2を移動させつつ、レーザ照射器4によるレーザLがこの積層体2に照射され、アシストガスAGが積層体2に向けて噴射される。積層体2は、樹脂フィルム8が上側に位置していることから、その上方に位置するレーザ照射器4から照射されるレーザLは、この積層体2の上面、すなわち、樹脂フィルム8における第2の面8bに照射される。この第2の面8b上の照射部位CにレーザLの焦点FPが合わせられると、その照射熱により樹脂フィルム8が溶融し、次いで接着層10が溶融する。この溶融がさらに進行すると、ガラスフィルム9も溶融するに至り、これによって積層体2は溶断される(レーザ溶断工程)。
このレーザ溶断工程において、樹脂フィルム8の溶融した部分と、接着層10の溶融した部分とは、互いに融合して、図3に示す融合部11を構成する。この融合11は、その自重及びアシストガスAGの圧力によって下方に流動することになる。この場合、融合部11は、下方に流動することにより、溶断により新たに形成されたガラスフィルム9の端面9cを越えて、このガラスフィルム9の第2の面9bに回り込む。
支持台3が積層体2を移動させていることから、この融合部11は、ガラスフィルム9の第2の面9bに到達すると、その位置に留まった状態にて、積層体2の移動に応じてレーザ照射器4から徐々に遠ざかる。レーザ照射器4から遠ざかるにつれて、融合部11は、徐々に冷却されて固化することになる。そうすると、固化した融合部11は、ガラスフィルム9の端面9cを全体的に被覆するとともに、ガラスフィルム9の第2の面9bの一部を被覆した状態になる。
融合部11がガラスフィルム9の端面9cと第2の面9bの一部とを被覆した状態で固化することで、このガラスフィルム9の端面9cは、この融合部11によって保護されることになる。すなわち、融合部11は、固化することによりガラスフィルム9の端部を被覆して保護する保護部となるのである(以下、融合部と保護部とに共通符号11を用いる)。
レーザ溶断装置1によって溶断されて形成された積層体2は、その端部が保護部11によって保護されている。図3に示すように、保護部11は、ガラスフィルム9の端面9cを被覆する第1被覆部11aと、ガラスフィルム9の第2の面9bの一部を被覆する第2被覆部11bとを含む。
第1被覆部11aは、図3に示すように、樹脂フィルム8の非溶融部分から湾曲する形状を有する。第1被覆部11aの厚みT1、すなわち、ガラスフィルム9の端面9cから最外端部までの長さは、1μm以上200μm以下とされることが望ましい。
第2被覆部11bは、図3に示すように、第1被覆部11aと一体に構成される。第2被覆部11bがガラスフィルム9の第2の面9bを被覆する長さWは、0.1mm以上1.0mm以下とされることが望ましい。また、第2被覆部11bの厚みT2は、1μm以上200μm以下とされることが望ましい。
なお、樹脂フィルム8と接着層10とが融合してなる融合部11は、樹脂フィルム8及び接着層10の非溶融部分と一体に構成されることになる。図3に示すように、樹脂フィルム8及び接着層10の非溶融部分と融合部11との境界線BLから、融合部11の外端部までの距離D1は、0.1mm以上1.5mm以下とされることが望ましい。また、この境界線BLからガラスフィルム9の端面9cまでの距離D2は、0.1mm以上0.5mm以下とされることが望ましい。
以上説明した本実施形態に係る積層体2及びその製造方法によれば、レーザ溶断工程において、レーザLを積層体2における樹脂フィルム8の第2の面8bに照射することにより、この樹脂フィルム8及び接着層10を溶融させて融合部11とし、この融合部11を、ガラスフィルム9の端面9cの全面を被覆する保護部11とすることができる。保護部11は、第1被覆部11aがガラスフィルム9の端面9c全体を被覆し、第2被覆部11bがガラスフィルム9の端面9cを越えて第2の面9bの一部を被覆した状態となる。このように、保護部11は、第1被覆部11aによってガラスフィルム9の端面9cを保護することにより、他部材がこの端面9cに直接接触するといった事態を回避でき、しかも、第2被覆部11bがガラスフィルム9の第2の面9bの一部をも被覆していることから、他部材が接触した場合であっても、保護部11がガラスフィルム9の端面9cから剥離し難い構造となる。これによって、積層体2は、ガラスフィルム9の端面9cの破損を効果的に防止し得る構造となる。
また、この保護部11は、積層体2をレーザ溶断することにより形成されることから、ガラスフィルム9の端面9cに二次加工を施したり、この端面9cに別体の保護部材を取り付けたりする必要がない。また、このような事後的な処理を行う場合と比較して、本方法は、積層体2を溶断するだけでよいので、製造工数が増加することがない。したがって、積層体2を低コストで製造することが可能である。
図4は、本実施形態に係るレーザ溶断装置1によって製造される積層体2の他の例を示す。図3の例では、積層体2は、融合部11がガラスフィルム9の端面9cを越えて、このガラスフィルム9の第2の面9bの一部を被覆するものであったが、この例では、融合部11は、ガラスフィルム9の第2の面9bを被覆しておらず、その端面9cのみを被覆している。このように、融合部11がガラスフィルム9の端面9cのみを被覆する場合であっても、この端面9cを確実に保護し、他部材がこの端面9cに直接接触することを回避し、この端面9cの破損を効果的に防止できる。
図5は、本発明の第2実施形態を示す。本実施形態では、レーザ照射器4の位置が第1実施形態と異なる。図5に示すように、レーザ照射器4は、積層体2の下方位置に配置されている。レーザ照射器4は、上方に位置する積層体2のガラスフィルム9に向けてレーザLを照射する。レーザLは、ガラスフィルム9の第2の面9b上に焦点FPを形成する。この場合、積層体2は、レーザLの照射により、ガラスフィルム9、接着層10、樹脂フィルム8の順に溶融する。なお、これに限らず、レーザLの焦点FPを樹脂フィルム8の第2の面8b上又は樹脂フィルム8の内部位置に形成することも可能であり、この場合、積層体2は、樹脂フィルム8、接着層9、ガラスフィルム10の順に溶融することになる。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、図3及び図4に示すような端部が保護部11によって保護される積層体2が得られる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、積層体2として、樹脂フィルム8、ガラスフィルム9及び接着層10からなる3層構造のものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、接着層10を介して複数の樹脂フィルム8を積層するとともに、その一の樹脂フィルム8にガラスフィルム9を接着し、5層以上の積層体2とするようにしてもよい。
上記の実施形態では、レーザLを鉛直方向に沿うように照射して積層体2を溶断する例を示したが、これに限定されず、上下方向(鉛直方向)に対して傾斜する方向に沿って、レーザLを積層体2に照射するようにしてもよい。
上記の実施形態では、レーザ照射器4を定位置に固定するとともに、支持台3によって積層体2を移動させながら溶断を行う例を示したが、これに限定されず、支持台3を定位置に固定するとともに、レーザ照射器4を移動させることによって積層体2を溶断することも可能である。
上記の実施形態によれば、アシストガスAGを噴射して融合部11の流動を促進させるようにした例を示したが、これに限らず、アシストガスAGの噴射を省略してもよい。
8 樹脂フィルム
9 ガラスフィルム
9a ガラスフィルムの第1の面
9b ガラスフィルムの第2の面
10 接着層
11 融合部

Claims (7)

  1. 接着層を介してガラスフィルムを樹脂フィルムの片面に積層して一体化した積層体であって、
    前記ガラスフィルムは、前記接着層を介して前記樹脂フィルムに接着される第1の面と、前記第1の面とは反対側に位置する第2の面と、前記第1の面と前記第2の面との間に位置する端面とを有し、
    前記樹脂フィルムの端部及び前記接着層の端部が溶融して一体に融合する融合部を備え、前記融合部は、前記ガラスフィルムの前記端面を被覆することを特徴とする積層体。
  2. 前記融合部は、前記ガラスフィルムの前記第2の面の一部を被覆する請求項1に記載の積層体。
  3. 請求項1に記載の積層体を製造する方法であって、
    前記樹脂フィルムが上側に位置し、前記ガラスフィルムが下側に位置するように前記積層体を設置する設置工程と、
    前記設置工程後に、前記積層体に対してレーザを照射して溶断するレーザ溶断工程と、を備え、
    前記レーザ溶断工程において、前記レーザの照射熱によって前記樹脂フィルムと前記接着層とを溶融させて一体に融合した融合部を形成し、前記融合部は、溶断により形成される前記ガラスフィルムの端面を被覆することを特徴とする積層体の製造方法。
  4. 前記融合部は、前記ガラスフィルムの前記第2の面の一部を被覆する請求項3に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記レーザ溶断工程において、前記レーザは、前記樹脂フィルムの上方位置から前記樹脂フィルムに向かって照射されることを特徴とする請求項3又は4に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記レーザ溶断工程において、前記積層体における前記レーザの照射部位にアシストガスを噴射することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  7. 前記アシストガスの噴射圧力は、0.01MPa以上0.5MPa以下であることを特徴とする請求項6に記載の積層体の製造方法。
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