(第1実施形態)
以下、本発明の地盤攪拌装置の管理システムの第1実施形態について図面を参照にしながら説明する。本実施形態では、地盤攪拌装置としてバックホウについて説明するが、これに限らず、地盤を攪拌する装置であればその他の装置であってもよい。図1は、本発明の第1実施形態における地盤攪拌装置の管理システムが用いられるバックホウの側面図である。
図1に示すように、バックホウ1は、上部旋回体2、ブーム3、アーム4、バケット5、および下部走行体6などから構成されている。
下部走行体6は、キャタピラ7を備え、キャタピラ7を駆動させることにより地上を走行することができる。
上部旋回体2は、下部走行体6の上部に旋回部8を介して設置され、油圧モー夕により360度旋回できるようになっている。上部旋回体2には、ブーム3が回動可能に支持されており、上部旋回体2とブーム3の中間部との間にはブームシリンダ(アクチュエータ)9が連結されている。ブーム3は、ブームシリンダ9内のピストンロッド9aの伸縮に基づいてブーム3と上部旋回体2との連結部2a(図示略)を中心に回動するようになっている。ブーム3の先端部にはアーム4が回動可能に支持されており、ブーム3の中間部とアーム4の末端部との間にはアームシリンダ(アクチュエータ)10が連結されている。
アーム4は、アームシリンダ10内のピストンロッド10aの伸縮に基づいてブーム3とアーム4との連結部3aを中心に回動するようになっている。アーム4の先端部には、バケット5が回動可能に連結(支持)されており、アーム4の中間部とバケット5の基端部との間にはバケットシリンダ(アクチュエータ)11が連結されている。
バケット5は、バケットシリンダ11内のピストンロッド11aの伸縮に基づいてアーム4とバケット5との連結部4aを中心に回動するようになっている。各シリンダ9〜11は、ピストンロッド9a〜11aの伸縮運動によってストローク(シリンダストローク)が調節され、ブーム3,アーム4,バケット5が夫々個々に駆動されるようになっている。
また、ブーム3にはブーム3の回動角を測定する角度センサ12が設置され、アーム4にはアーム4の回動角を測定する角度センサ13が設置され、上部旋回体2には上部旋回体2の上下の傾き角を測定する角度センサ13aが設置されている。これらの角度センサ12、13、13aとしては、ポテンショメータ等が用いられる。ここで、上部旋回体2,下部走行体6、および旋回部8により本体1が構成されている。
バケット5には、圧送ホース14a(図3参照)が取り付けられている。この圧送ホース14aを用いて、外部のスラリープラント(図示略)からバックホウ1の後部を介して、セメント系固化材と水を混合したセメントミルクがバケット5に送られ、バケット5に取り付けられた圧送管14bからセメントミルクが噴射される。圧送ホース14aから送られてくるセメントミルクの流量は、流量センサ15により検出される。
上部旋回体2の前側には、運転室16が設けられている。この運転室16内には、図2に示すようにシート17が備え付けられている。作業員は、このシート17に座ってバックホウ1の運転を行う。図2は、本発明の第1実施形態における地盤攪拌装置の管理システムが用いられるバックホウの運転室内の座席を示す図である。
図2に示すように、シート17の右側には第1操作レバー18が設けられ、シート17の左側には第2操作レバー19が設けられている。この第1操作レバー18を前方に操作することによりブーム3が下がり、後方に操作することによりブーム3が上がり、右方に操作することによりバケット5がダンプし、左方に操作することによりバケット5が堀削する。また、第2操作レバー19を前方に操作することによりアーム4が下がり、後方に操作することによりアーム4が上がり、右方に操作することにより上部旋回体2が右旋回し、左方に操作することにより上部旋回体2が左旋回する。
上述したように、バケット5には、圧送ホース14aが取り付けられている(図3および図4参照)。この圧送ホース14aを用いてスラリープラント(図示略)からバケット5にセメントミルクが送られ、その送られたセメントミルクが圧送管吐出口20から吐き出される。また、バケット5には、攪拌プレート21が設けられている。このバケット5が回動(連結部4aを軸に回動)することにより、セメントミルクなどが攪拌プレート21と攪拌プレート21の間を潜り抜け、地盤が攪拌される。ここで、図3は、本発明の第1実施形態におけるバケットの正面図であり、図4は、本発明の第1実施形態におけるバケットの側面図である。
アーム長A(アーム4の長さ)、ブーム長B(ブーム3の長さ)は、それぞれ回転ピン(回転軸)の芯間の寸法(図5、図12参照)である。また、上記角度センサ12を用いて測定されるブーム3の回動角(ブーム角)、角度センサ13を用いて測定されるアーム4の回動角(アーム角)、角度センサ13aを用いて測定される上部旋回体2の上下の傾き角(上部旋回体角)は水平線を基準(0度点)に測定される。ここで、図5は、本発明の第1実施形態における地盤攪拌装置の管理システムが用いられるバックホウのブーム長、アーム長と、ブーム角、アーム角の関係を示す図である。なお、ブーム角、アーム角、および上部旋回体角は、後述する角度計設定画面41(図10参照)を用いて、角度センサ12、13、13aで測定された角度のずれを初期設定として補正することができる。
シート17の右側には、移動可能なタブレット型PC(以下、「管理装置(操作パネル)」という。)100が設置されている。図6は、本発明の第1実施形態におけるバックホウの管理装置の操作パネルを示す図である。なお、この操作パネル22は、タッチパネル式になっている。
図6に示すように、管理装置100を操作することにより、管理装置100の表示画面に操作パネル22が表示される。ここで、操作パネル22は、深度、流量、攪拌回数などを設定および表示するものである。
操作パネル22には、開始スイッチ23と、中断スイッチ24と、完了スイッチ25と、メニュースイッチ26と、システム終了スイッチ39と、機械番号表示部27と、格子番号表示部28と、日付時間表示部29が設けられている。
開始スイッチ23(カウント開始手段)は、地盤の攪拌回数のカウント(計測)をスタート(開始)させるためのスイッチであり、作業者により、この開始スイッチ23が押されることにより、地盤の攪拌回数の計測が開始され、そして、攪拌回数の計測が実行されているときに、この完了スイッチ25が押されることにより、攪拌回数の計測が終了する。また、中断スイッチ24は、地盤の攪拌回数の計測を中断し、またその中断した攪拌回数の計測を再開させるスイッチであり、攪拌回数の計測が実行されているときに、作業者により、中断スイッチ24が押されることにより、攪拌回数の計測が中断し、そして、攪拌回数の計測が中断しているときに、この中断スイッチ24が押されることにより、再び攪拌回数の計測が実行される。また、メニュースイッチ26は、図12を用いて後述するように、バックホウ1のアーム4のアーム長A、ブーム3のブーム長Bなどを設定するための初期設定画面を表示させるためのスイッチであり、またシステム終了スイッチ39は、操作パネル22の使用を終了させるためのスイッチである。
機械番号表示部27は、機械が複数ある場合に設定した機械番号を表示するもので、この機械番号表示部27に触れることにより号機番号入力画面(図示略)が表示され、その画面に号機番号を入力しOKボタン(図示略)を押すことにより、号機番号を変更することができる。格子番号表示部28は、作業する格子(ブロック)番号を表示するもので、格子番号表示部28に触れることにより格子番号入力画面(図示略)が表示され、その画面に格子番号を入力しOKボタン(図示略)を押すことにより、格子番号を変更することができる。日付時間表示部29は、現在の日付・時間を表示するものである。
また、操作パネル22には、掘削深度表示部30と、設計深度表示部31と、積算流量表示部32と、瞬時流量表示部33と、および深度図300が設けられている。
掘削深度表示部30は、現在の掘削深度を表示するもので、この掘削深度は、後述する初期設定画面を用いて入力されたアーム長A、ブーム長B、基準位置ブーム垂直長C、基準位置ブーム水平長D、および角度センサ12、13、13aにより検出されたブーム角とアーム角と上部旋回体角を用いて算出される(図5、図12参照)。なお、この掘削深度は、開始スイッチ23を押すことにより、自動的にゼロリセットして計測が開始される。すなわち、作業者は、後述するように、地盤改良位置(掘削開始位置(ゼロ位置(深度)))にバケット5をセットし、開始スイッチ23を押すことにより、そのバケット5の位置が掘削深度ゼロの位置となる。設計深度表示部31は、設計深度を表示するもので、この設計深度表示部31に触れることにより、第1層、第2層、第3層のそれぞれの設計深度を設定することができる。具体的には、この設計深度表示部31に触れることにより、設計深度入力画面57(図7参照)が表示され、この設計深度入力画面57の1層設計深度入力部51、2層設計深度入力部52、3層設計深度入力部53のそれぞれに設計深度を入力するとともに、攪拌する地盤の幅長さを施工ブロック長さ入力部49に入力し、OKボタン58aを押すことにより設計深度を設定変更することができる。ここで、図7は、本発明の第1実施形態における操作パネルの設計深度入力画面を示す図である。積算流量表示部32は、開始スイッチ23が押されてから、スラリープラントから送り込まれたセメントミルクの積算流量値を表示するものであり、また、瞬時流量表示部33は、スラリープラントから送り込まれるセメントミルクの流量の瞬間値を表示するものである。この積算流量および瞬時流量は、流量センサ15を用いて検出される。深度図300は、掘削深度表示部30に表示される「現在の掘削深度301」および設計深度表示部31に表示される「設計深度302」を視覚的に表示するものである。この深度図300の掘削深度301および設計深度302は、後述するように、1層を掘削しているときは1層に対応した掘削深度および設計深度が表示され、2層を掘削しているときは2層に対応した掘削深度および設計深度が表示され、また3層を掘削しているときは3層に対応した掘削深度および設計深度が表示される。また、開始スイッチ23が押されることにより深度図300の下部の「開始中」が点灯し、また、攪拌回数の計測が実行されているときに、中断スイッチ24が押されることにより「開始中」が消灯して「中断中」が点灯する。そして、完了スイッチ25が押されることにより点灯している「開始中」または「中断中」が消灯する。
また、操作パネル22には、1層攪拌回数表示部34、2層攪拌回数表示部35、および3層攪拌回数表示部36と、それぞれの攪拌回数表示部34、35、36に対応した計測値表示部34a、35a、36aおよび設計値表示部34b、35b、36bと、軌跡表示部37(図6参照)がそれぞれ設けられている。
計測値表示部34aは1層を攪拌している際に計測された攪拌回数を表示するもので、計測値表示部35aは2層を攪拌している際に計測された攪拌回数を表示するもので、また、計測値表示部36aは3層を攪拌している際に計測された攪拌回数を表示するものである。この1層、2層、3層のいずれの層を攪拌するかは、計測値表示部34a、35a、36aのいずれかが押されることにより層変更画面38(図8参照)が表示され、その層変更画面38の1層ボタン59、2層ボタン60、または3層ボタン61を押し、OKボタン58bを押すことにより攪拌される層を選択できる。ここで、 図8は、本発明の第1実施形態における操作パネルの層変更画面を示す図である。また、設計値表示部34b〜36bは、それぞれ1層〜3層までの攪拌回数の設計値(計画値)を表示するもので、この設計値表示部34b〜36bのいずれかを押すことにより、設計値を入力する設計値入力部(攪拌回数設定手段79(図示略))が表示される。軌跡表示部37(図6参照)は、開始スイッチ23が押されたタイミングのバケット5の位置(掘削深度)を基準位置(0点位置)として、その後のバケット5の位置(掘削深度)の軌跡を視覚的に表示するものである。作業者は、この軌跡表示37を確認しながら地盤を攪拌混合することにより、地盤が攪拌混合されていないところをなくし、地盤の攪拌を品質よく行うことができる。
次に、図9〜図12を用いて、初期設定について説明する。ここで、図9は本発明の第1実施形態における操作パネルの地盤攪拌回数カウント方法選択画面を示す図であり、図10は操作パネルの角度計設定画面を示す図であり、図11は操作パネルの流量計設定画面を示す図であり、図12は操作パネルの重機寸法設定画面を示す図である。
地盤攪拌回数カウント方法選択画面62は、メニュースイッチ26を押してメニュー画面48を表示させ、そして、そのメニュー画面48のモード変更ボタン66を押すことにより表示される(図9参照)。この地盤攪拌回数カウント方法選択画面62には、ぞれぞれ「パターン」、「距離」、「X OR Y」、「X AND Y」の4つのボタンが表示されているが、これは攪拌回数のカウント方法として、「パターン」、「距離」、「X OR Y」、「X AND Y」の4つの検出方法があることを示している。そして、これらのカウント方法はモード選択のいずれかのボタンを押すことにより選択することができ、その選択された地盤攪拌回数カウント方法で攪拌回数をカウントすることができる。なお、本実施形態では、「パターン」の地盤攪拌回数カウント方法で攪拌回数をカウントすることから、「距離」、「X OR Y」、「X AND Y」の地盤攪拌回数カウント方法についての説明は省略する。
図10〜図12に示す初期設定画面(角度計設定画面41、流量計設定画面42、重機寸法設定画面43)は、メニュースイッチ26を押してメニュー画面48(図9参照)を表示させ、そして、そのメニュー画面48の初期設定スイッチ40が押すことにより表示される。そして、この角度計設定画面41、流量計設定画面42、重機寸法設定画面43は、上部の角度計設定タブ41a、流量計設定タブ42a、または重機寸法設定タブ43aを押すことにより、切り替えることができる。
角度計設定画面41は、マシン(上部旋回体2)、ブーム3、アーム4の角度補正するための初期設定画面である。この「角度補正」の「ブーム補正角度入力部63」、「ブーム補正角度入力部64」、「マシン補正角度入力部65」には、補正前のブーム3、アーム4、マシン(上部旋回体2)の水平面からの角度がそれぞれ表示され、そのブーム補正角度入力部63、ブーム補正角度入力部64、マシン補正角度入力部65に、ブーム3、アーム4、マシンの補正後の角度を入力することにより、正確な現在の掘削深度を掘削深度表示部30および深度図300に表示させることができる。そして、すべての補正後の角度の入力が完了し、設定保存ボタン44aが押されることにより、角度計設定の初期設定が完了する。
流量計設定画面42は、スラリープラントから送り込まれるセメントミルクの瞬時流量(流量の瞬間値)の流量補正するための初期設定画面である。この「流量補正」の「現在の流量」には、補正前の流量センサ15を用いて検出された流量(+5.0L/秒)が表示され、「補正値」の真ん中の数値「現在の流量(+5.0L/秒)」をプラスマイナスして、流量が設定される。この「補正値」の真ん中の数値(+5.0L/秒)は、左右の「+10.0」、「+1.0」、「+0.1」、「-0.1」、「−1.0」、「−10.0」を押すことにより、それぞれの値分だけ増減させることができる。この流量計設定(瞬時流量の補正)を行うことにより、正確なセメントミルクの瞬時流量(流量の瞬間値)を積算流量表示部32および瞬時流量表示部33に表示させることができる(図9参照)。そして、補正値の入力が完了し、設定保存ボタン44bが押されることにより、流量計設定の初期設定が完了する。
重機寸法設定画面43は、アーム4とブーム3の連結部3aからアーム4とバケット5の連結部4aまでのアーム長A、ブーム3とアーム4の連結部3aからブーム3と上部旋回体2の連結部2aまでのブーム長B、上部旋回体2の先端下部のマシン傾斜基準位置2bからブーム3と上部旋回体2の連結部2aまでの鉛直方向の基準位置ブーム垂直長C、上部旋回体2の先端下部のマシン傾斜基準位置2bからブーム3と上部旋回体2の連結部2aまでの水平方向の基準位置ブーム水平長Dを入力し設定する画面である。そして、寸法設定の「A〜D」の入力が完了し、設定保存ボタン44cが押されることにより、重機寸法設定の初期設定が完了する。
角度計設定画面41、流量計設定画面42、重機寸法設定画面43のすべての設定が完了し、メニュー画面48の閉じるボタン45が押されることにより、初期設定が完了する。ここで、各設定画面41、42、43の閉じるボタン45a、45b、45cは、それぞれの角度計設定画面41、流量計設定画面42、重機寸法設定画面43を閉じるためのボタンである。なお、メニュー画面48には、詳細設定ボタン46、センサ値表示ボタン47なども有するが、本発明との関係はあまりないことから説明は省略する。
次に、図13を用いて、バックホウ1の構成の概略について説明する。図13は、本発明の第1実施形態における地盤攪拌装置の管理システムが用いられるバックホウの主たる構成を示す図である。
図13に示すように、角度センサ12、13、13aは、管理装置100に接続されている。そして、角度センサ12、13、13aにより検出されたブーム角とアーム角と上部旋回体角が管理装置100に入力されると、その入力されたブーム角とアーム角と上部旋回体角、およびあらかじめ入力されているアーム長Aとブーム長Bと基準位置ブーム垂直長C、および基準位置ブーム水平長Dを用いて掘削深度が算出される。具体的には、アーム長Aとアーム角、ブーム長Bとブーム角、基準位置ブーム垂直長Cおよび基準位置ブーム水平長Dと上部旋回体角を用いて、アーム4とバケット5との連結部4aの位置が求められ、その連結部4aの位置を用いて掘削深度が算出される。そして、その算出された掘削深度は、操作パネル22の掘削深度表示部30(図6参照)に表示される。また、流量センサ15と管理装置100も接続され、流量センサ15により検出されたスラリープラントから送り込まれたセメントミルクの流量が管理装置100に入力されると、その入力された流量が瞬時流量表示部33(図6参照)に表示される。また、開始スイッチ23が押されてからの積算流量が算出され、その算出された積算流量は操作パネル22の積算流量表示部32(図6参照)に表示される。なお、本実施形態では、アーム4とバケット5との連結部4aの位置を「バケット5の位置」として掘削深度を求めたが、これに限らず、アーム4とバケット5との連結部4aの位置からアーム4先端方向にバケット5の長さをプラスして求められたバケット5の先端部の位置を「バケット5の位置」として掘削深度を求めてもよく、また、アーム4とバケット5との連結部4aの位置とバケット5の先端部の位置の間の任意の位置をアーム4とバケット5との連結部4aの位置から求め、そのバケッド5の任意の位置を「バケット5の位置」として掘削深度を求めるようにしてもよい。
管理装置100には、USBメモリー差込口(装着手段77)が設けられ、そのUSBメモリー差込口にUSBメモリー54(記録媒体)を挿入し、記録手段78を用いて、管理装置100内のデータをUSBメモリー54に記憶させることができる。そして、データが記憶されたUSBメモリー54を管理装置100から取り出し、その取り出されたUSBメモリー54を他の場所のパソコン55に差し込んで、そのUSBメモリー54に記憶されているデータの集計、分析などを行い、その結果をプリンタ56を用いて出力することができる。また、管理装置100とプリンタ56を接続して出力することもできる。
次に、図14を用いて、地盤攪拌装置の管理システムの構成について説明する。ここで、図14は、本発明の第1実施形態における地盤攪拌装置の管理システムのブロック線図である。
地盤攪拌装置の管理システムは、バケット位置検出手段68と、バケット移動判定手段69と、攪拌回数カウント手段76を有している。
バケット位置検出手段68は、バケット5の位置(アーム4とバケット5との連結部4aの位置)を0.1秒毎検出(計測)するものである。バケット5の位置は、角度センサ12により検出されたブーム角、角度センサ13により検出されたアーム角、角度センサ13aにより検出された上部旋回体角と、あらかじめ入力されたアーム長A、ブーム長B、基準位置ブーム垂直長C、基準位置ブーム水平長Dを用いて検出される。ここで、バケット5の位置として、基準位置(0点位置)からのX方向、Y方向の深度が検出(計測)される(表1参照)。なお、本実施形態では、バケット5の位置として基準位置(0点位置)からのX方向、Y方向の深度を検出(計測)したが、これに限らず、基準位置(0点位置)からの深度を直接検出(計測)するようにしてもよい。また、本実施形態では、バケット5の位置を0.1秒毎検出するようにしたが、これに限らず、0.05秒毎など他の所定の時間毎検出されるようにしてもよい。このバケット位置検出手段68によるバケット5の位置の検出は、カウント開始手段67によりスタートする。本実施形態では、カウント開始手段67は開始スイッチ23であり、この開始スイッチ23が押されることにより、バケット5の位置が検出され、攪拌回数がカウントされる。
バケット移動判定手段69は、バケット位置検出手段68により0.1秒毎検出されたバケット5の位置情報からバケット5が停止状態から移動状態になったと判定するとともに、バケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定するものである。具体的には、バケット移動判定手段69は、バケット位置情報記憶手段70と、速度変化量分散値算出手段71と、速度変化量分散値記憶手段72と、速度変化量分散値最大値抽出手段73と、 速度変化量分散値最小値抽出手段74と、速度変化量分散値差分値算出手段75と、を有している。
バケット位置情報記憶手段70は、バケット位置検出手段68により検出されたバケット5の位置情報を記憶するものである。本実施形態では、バケット位置情報記憶手段70として記憶メモリー(図示略)を用いている。
速度変化量分散値算出手段71は、バケット位置情報記憶手段70により記憶された最新過去21回分のバケット5の位置情報を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値を算出するものである。具体的には、速度変化量分散値算出手段71は、バケット位置情報記憶手段70により記憶された最新過去20回分のバケット5のそれぞれの位置情報とそれぞれの位置情報の前回分のバケット5の位置情報との差分値を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値が算出される。なお、本実施形態では、最新過去21回分のバケットの位置情報を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値を算出するようにしたが、これに限らず、最新過去21回分以外の最新過去所定回数分のバケットの位置情報を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値を算出するようにしてもよい。また、本実施形態では、バケット位置情報記憶手段70により記憶された最新過去20回分のバケット5のそれぞれの位置情報とそれぞれの位置情報の前回分のバケット5の位置情報との差分値を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値が算出されるようにしたが、これに限らず、他の方法により算出された速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値を算出するようにしてよい。具体的には、図18を用いて後述する。
速度変化量分散値記憶手段72は、速度変化量分散値算出手段71により算出された速度変化量分散値の最新過去20回分を記憶するものである。なお、本実施形態では、速度変化量分散値算出手段71により算出された速度変化量分散値の最新過去20回分を記憶するようにしたが、これに限らず、速度変化量分散値算出手段71により算出された速度変化量分散値の最新過去20回分以外の最新過去所定回数分を記憶するようにしてもよい。本実施形態では、速度変化量分散値記憶手段72として記憶メモリー(図示略)を用いている。
速度変化量分散値最大値抽出手段73は、速度変化量分散値記憶手段72により記憶された最新過去20回分の速度変化量分散値の最大値を抽出するものである。なお、本実施形態では、速度変化量分散値記憶手段72により記憶された最新過去20回分の速度変化量分散値の最大値を抽出するようにしたが、これに限らず、速度変化量分散値記憶手段72により記憶された最新過去20回分以外の最新過去所定回数分の速度変化量分散値の最大値を抽出するようにしてもよい。具体的には、図18を用いて後述する。
速度変化量分散値最小値抽出手段74は、速度変化量分散値記憶手段72により記憶された最新過去20回分の速度変化量分散値のうち、最古に記憶された速度変化量分散値から速度変化量分散値最大値抽出手段73により抽出された最大値の速度変化量分散値に至るまでの間の速度変化量分散値の最小値MIN−1を抽出するとともに、速度変化量分散値最大値抽出手段73により抽出された最大値の速度変化量分散値から最新に記憶された速度変化量分散値に至るまでの間の速度変化量分散値の最小値MIN−2を抽出するものである。なお、本実施形態では、速度変化量分散値記憶手段72により記憶された最新過去20回分の速度変化量分散値のうちから「速度変化量分散値の最小値MIN−1」と「速度変化量分散値の最小値MIN−2」を抽出したが、これに限らず、速度変化量分散値記憶手段72により記憶された最新過去20回分の速度変化量分散値のうちから「速度変化量分散値の最小値MIN−1」と「速度変化量分散値の最小値MIN−2」のいずれかを抽出し、そして、その後の速度変化量分散値記憶手段72により記憶された最新過去20回分の速度変化量分散値のうちから「速度変化量分散値の最小値MIN−1」と「速度変化量分散値の最小値MIN−2」のいずれかを抽出するようにしてもよい。具体的には、図18を用いて後述する。
速度変化量分散値差分値算出手段75は、速度変化量分散値最大値抽出手段75により抽出された速度変化量分散値の最大値から速度変化量分散値の最小値MIN−1を差分した差分値H1を算出するとともに、速度変化量分散値最大値抽出手段75により抽出された速度変化量分散値の最大値から速度変化量分散値の最小値MIN−2を差分した差分値H2を算出するものである。具体的には、図18を用いて後述する。
以上のように、速度変化量分散値差分値算出手段75により算出された速度変化量分散値の差分値H1が設定値HS(0.01)以上の場合にバケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、速度変化量分散値差分値算出手段75により算出された速度変化量分散値の差分値H2が設定値HS(0.01)以上の場合にバケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定される。なお、本実施形態では、設定値HSを「0.01」としたが、これに限らず、0.01以外の他の大きさの設定値としてもよい。また、「速度変化量分散値の差分値H1と比較される設定値HS」と「速度変化量分散値の差分値H2と比較される設定値HS」を異なる大きさの設定値としてもよい。
攪拌回数カウント手段76は、バケット移動判定手段69によりバケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、その後バケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定された場合に、攪拌回数を1加算するものである。具体的には、速度変化量分散値差分値算出手段75により算出された速度変化量分散値の差分値H1が設定値HS(0.01)以上の場合にバケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、そして、速度変化量分散値差分値算出手段75により算出された速度変化量分散値の差分値H2が設定値HS(0.01)以上の場合にバケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定された場合に、攪拌回数が1加算される。そして、攪拌回数カウント手段76によりカウントされた攪拌回数を表示する表示手段80を設けることもできる。
攪拌回数設定手段79は、攪拌回数を設定するものである。本実施形態では、攪拌回数設定手段79として操作パネル22の設計値表示部34b〜36bのいずれかを押すことにより表示される設計値を入力部が用いられている。そして、該攪拌回数カウント手段76によりカウントされた攪拌回数が、攪拌回数設定手段79により設定された攪拌回数に達したことを報知する報知手段81を設けるようにしてもよい。本実施形態では、後述するように、報知手段81として音を異ならせるブザーや、色を異ならせるランプを用いている。
装着手段77は、取出可能な記録媒体を装着するためのものである。本実施形態では、装着手段77としてUSBメモリー54を装着するための管理装置100のUSBメモリー差込口が用いている。そして、記録手段78により、装着手段77に装着された取出可能な記録媒体(USBメモリー54)にデータが記録される。
次に、攪拌回数を計測する一例として、攪拌混合工法の1つである「ふるい落とし」について説明する。なお、本実施形態では、攪拌回数を計測する一例として「ふるい落とし」について説明するが、下記に説明する地盤攪拌回数の計測方法(カウント方法)は、「ふるい落とし」以外の「砕き」や「ほぐし」や「天地返し」などについても適用することができる。ここで、「ふるい落とし」とは、上述したように、土砂を入れたバケットを上下に小さく震動や揺動させて土砂をふるい落とすことにより、地盤を攪拌混合させる方法である。
「ふるい落とし」の攪拌工程について、図15を用いて簡単に説明する。図15は、本発明の第1実施形態における「ふるい落とし」の攪拌工程を説明する図ある。
作業者は、バケット5が攪拌混合作業位置になるように上部旋回体2を所定位置まで回動させ、バックホウ1を攪拌混合作業領域付近まで移動させて停止させる。なお、この作業は最初だけで、連続して「ふるい落とし」を行う場合は次の工程が連続して行われる。
作業者により運転室16の第1操作レバー18、第2操作レバー19が操作され、ブーム3とアーム4を回動させてバケット5が下方に移動されることにより、これから「ふるい落とし」の攪拌混合が行われる地盤内にバケット5の先端から突っ込まれる(図15(a)参照)。そして、バケット5の先端から突っ込まれた状態で、アーム4を回動させるとともにバケット5も回動させることにより地盤内の土砂がすくい上げられる(図15(b))。
バケット5内にすくい上げられた土砂が入れられた後は、バケット5を上下に小さく震動や揺動させることにより、バケット5内の土砂がバケット5の攪拌プレート21と攪拌プレート21の間を潜り抜けバケット5外に落下し、地盤が攪拌される(図15(c)参照)。「ふるい落とし」の攪拌工程では、このようにして地盤が攪拌される。本発明は、地盤を攪拌する際には、地盤改良の作業者は、「ふるい落とし」や「砕き」や「ほぐし」や「天地返し」などそれぞれの地盤改良作業毎にどのような地盤改良を実施しようかという意図を持って行っていることに着目し、地盤改良の作業者の意思の沿ったそれぞれの連続した地盤改良作業毎に攪拌回数をカウントすることにしている。詳細は、図16〜図19を用いて後述する。
次に、図16〜図19を用いて、地盤攪拌回数カウント方法について詳述する。図16は、本発明の第1実施形態における地盤攪拌回数カウント方法のフローチャートである。
まず、S11において、電源が「ON」であるか判断される。電源が「ON」か否かは、電源スイッチ(図示略)が押されたか否かにより判断される。そして、S11で「NO」場合は「地盤攪拌回数カウント方法」が行われず終了し、「YES」の場合はS12に進む。
次に、S12において、開始スイッチが「ON」であるか判断される。開始スイッチ23が「ON」か否かは、開始スイッチ23(カウント開始手段67)が押されたかにより判断される。この開始スイッチ23が「ON」されることにより、攪拌回数のカウントをスタートされる(カウント開始工程)。そして、S12で「NO」と判断された場合は、開始スイッチ23が「ON」にされるまで、S12の処理が繰り返し行われる。また、開始スイッチが「ON」であると判断された場合は、S13に進む。ここで、開始スイッチ23が「ON」のときは開始スイッチ23(図6参照)が点灯している。ここで、上述したように、開始スイッチ23が押されたタイミングのバケット5の位置(掘削深度)を基準位置(0点位置)として掘削深度が計測される。この「バケット5の位置」とはアーム4とバケット5との連結部4aの位置のことである。なお、上述したように、本実施形態では、アーム4とバケット5との連結部4aの位置を「バケット5の位置」として掘削深度を求めたが、これに限らず、アーム4とバケット5との連結部4aの位置からアーム4先端方向にバケット5の長さをプラスして求められたバケット5の先端部の位置を「バケット5の位置」として掘削深度を求めてもよく、また、アーム4とバケット5との連結部4aの位置とバケット5の先端部の位置の間の任意の位置をアーム4とバケット5との連結部4aの位置から求め、そのバケッド5の任意の位置を「バケット5の位置」として掘削深度を求めるようにしてもよい。
S13において、処理中フラグSSが「0」に設定される。この処理中フラグSSは、攪拌回数計測処理が実行されているときに「1」になるフラグである。そして、S14により、計測値34a、35a、36a、37がリセットされる(図6参照)。これにより、計測値34a、35a、36aが、すべて「0回」となる。ここで、後述する「バケット位置検出工程」により、角度センサ12により検出されたブーム角、角度センサ13により検出されたアーム角、角度センサ13aにより検出された上部旋回体角と、あらかじめ入力されたアーム長A、ブーム長B、基準位置ブーム垂直長C、基準位置ブーム水平長Dを用いてバケット5の位置が検出される。また、積算流量および瞬時流量もリセットされる。
S15において、計測フラグ処理が実行される。この計測フラグ処理により、1層〜3層のいずれの攪拌回数を計測するかが決定される。なお、計測フラグ処理については図17を用いて後述する。そして、S16に進む。
S16において、攪拌回数計測処理が実行される。この攪拌回数計測処理により、攪拌回数が計測される。なお、攪拌回数計測処理については図18を用いて後述する。そして、S17に進む。
S17において、完了スイッチ25が「ON」であるか判断される。この完了スイッチ25が「ON」か否かは、完了スイッチ25が押されたか否かにより判断される。ここで、完了スイッチ25が「ON」のときは完了スイッチ25(図6参照)が点灯する。そして、完了スイッチ25が「ON」である場合、すなわち、完了スイッチ25が押された場合は、S17により「YES」と判断され「地盤攪拌回数カウント方法」が終了する。また、S17により「NO」と判断された場合はS18に進む。
S18において、中断スイッチ24が「ON」であるか判断される。この中断スイッチ24が「ON」か否かは、中断スイッチ24が押されたか否かにより判断される。ここで、中断スイッチ24が「ON」のときは中断スイッチ24(図6参照)が点灯する。そして、S18により「YES」と判断されたときは、S17により「YES」と判断されるかまたはS18により「NO」と判断されるまでS17→S18→S17の処理が繰り返し実行される。ここで、中断スイッチ24が「ON」の状態で、中断スイッチ24が再度押されることにより、中断スイッチ24が「OFF」になる。また、S18により「NO」と判断されたときには、S17により「YES」またはS18により「YES」と判断されるまで、S15→S16→S17→S18→S15の処理が繰り返し実行される。なお、S17で「YES」と判断された場合は、地盤攪拌回数カウント方法が終了する。
次に、図17を用いて、地盤攪拌回数カウント方法のサブルーチンである計測フラグ処理について説明する。図17は、地盤攪拌回数カウント方法のサブルーチンである計測フラグ処理を示す図である。この計測フラグ処理は、1層〜3層のいずれの攪拌回数を計測するかを決定するためのものである。
まず、S21において、3層攪拌回数表示部が「ON」であるか判断される。この3層攪拌回数表示部が「ON」か否かは、層変更画面38の3層ボタン61(図8参照)が押されたか否かにより判断される。そして、S21により「YES」と判断された場合にはS22に進み、S22により3層計測フラグが「ON」となる。この3層計測フラグが「ON」になると、攪拌回数が3層攪拌回数の計測値として計測される(図6参照)。また、S21により「NO」と判断されたときはS23に進む。
S23において、2層攪拌回数表示部が「ON」であるか判断される。この2層攪拌回数表示部が「ON」か否かは、層変更画面38の2層ボタン60(図8参照)が押されたか否かにより判断される。そして、S23により「YES」と判断された場合にはS24に進み、S24により2層計測フラグが「ON」となる。この2層計測フラグが「ON」になると、攪拌回数が2層攪拌回数の計測値として計測される(図6参照)。また、S23により「NO」と判断されたときはS25に進む。
S25において、1層攪拌回数表示部が「ON」であるか判断される。この1層攪拌回数表示部が「ON」か否かは、層変更画面38の1層ボタン59(図8参照)が押されたか否かにより判断される。そして、S25により「YES」と判断された場合にはS26に進み、S26により1層計測フラグが「ON」となる。この1層計測フラグが「ON」になると、攪拌回数が1層攪拌回数の計測値として計測される(図6参照)。また、S25により「NO」と判断された場合は、S27により報知手段(ブザー、ランプなど(図示略))を「ON」にし、再びS21に進み、1層ボタン59〜3層ボタン61のいずれかが押されるまで、S21→S23→S25→S27→S21の処理が実行される。そして、S21、S23、またはS25のいずれかにより「YES」と判断された場合は、S22、S24、またはS26の処理が実行され、S28により報知手段が「OFF」となり計測フラグ処理が終了する。
次に、地盤攪拌回数カウント方法のサブルーチンである攪拌回数計測処理について説明する。図18は、地盤攪拌回数カウント方法のサブルーチンである攪拌回数計測処理を示す図である。この攪拌回数計測処理により、攪拌回数が計測される。
まず、S31において、処理フラグSSが「1」であるかが判断される。この処理フラグSSは、S13(図16参照)において「0」にされているので、S31により「NO」と判断されS32に進む。なお、この処理フラグSSは、上述したように、攪拌回数計測処理が実行されているときに「1」となるフラグである。
S32において、攪拌回数Nが「0」であるかが判断され、S32により「YES」と判断された場合はS33に進み、「NO」と判断された場合はS36に進む。そして、S33において、初期設定が行われているかが判断される。この初期設定が行われているか否かは、初期設定スイッチ40が押されて、角度計設定画面41を用いた角度計設定、流量計設定画面42を用いた流量計設定、重機寸法設定画面43を用いた重機寸法設定がされているかにより判断される。具体的には、「ブーム角」と「アーム角」と「上部旋回体角」の角度補正値の設定、スラリープラントから送り込まれるセメントミルクの瞬時流量(流量の瞬間値)の流量補正値の設定、連結部3aから連結部4aまでのアーム長A、連結部3aから連結部2aまでのブーム長B、マシン傾斜基準位置2bから連結部2aまでの鉛直方向の基準位置ブーム垂直長C、マシン傾斜基準位置2bから連結部2aまでの水平方向の基準位置ブーム水平長Dの設定がすべてされているかにより判断される。そして、S33により「NO」と判断された場合にはS34に進み、S34により初期設定条件が入力されていないことが報知(報知手段(ブザーや音声)「ON」)され、初期設定条件が入力されるまで、S33→S34→S33の処理が繰り返し実行される。そして、S33により、初期設定条件が入力されている場合はS35に進み、報知手段が「ON」になっている場合はその報知手段を「OFF」にし、S35により位置フラグF1が「1」に設定され、処理中フラグSSが「1」に設定される。この位置フラグ(FI)は、バケット5が停止状態から移動状態になったかを判定するのか、またはバケット5が移動状態から移動終結状態になったかを判定するのかを切り換えるためのフラグである。ここで、バケット5の停止状態とは、バケット5が移動状態と判定されるまでの状態をいい、バケット5が完全に停止している状態のみをいうのではない。すなわち、バケット5の移動終結状態になったと判定され、攪拌回数が1加算された後から次のバケット5が移動状態になるまでのバケット5の移動がゆっくりしている状態なども、バケット5の停止状態に含まれる。つまり、バケット5の停止状態は、バケット5の移動検知前状態と同一の意味である。
次に、S36において、位置フラグFIが「1」かが判断される。位置フラグFIは、S35により「1」に設定されているので、S36において「YES」と判断されS37aに進む。
S37aにおいて、バケット位置検出工程が実施される。このバケット位置検出工程では、バケット位置検出手段68を用いて、バケット5の位置(アーム4とバケット5との連結部4aの位置)が0.1秒毎検出(計測)される。バケット5の位置は、上述したように、角度センサ12により検出されたブーム角、角度センサ13により検出されたアーム角、角度センサ13aにより検出された上部旋回体角と、あらかじめ入力されたアーム長A、ブーム長B、基準位置ブーム垂直長C、基準位置ブーム水平長Dを用いて検出される。ここで、バケット5の位置として、基準位置(0点位置)からのX方向、Y方向の深度が検出(計測)される(表1参照)。そして、S37bに進む。
S37bにおいて、バケット位置情報記憶工程が実施される。このバケット位置情報記憶工程では、バケット位置情報記憶手段70を用いて、バケット位置検出工程(S37a)により検出されたバケット5の位置情報(位置データ)が記憶メモリー(バケット位置情報記憶手段(図示略))に記憶される。S38に進む。
S38において、S37aにより検出されたバケット5の位置情報(バケット位置記憶情報)が21個以上検出され、S37bにより記憶メモリーにバケット5の位置情報が21個以上記憶されているか判断される。S38により「NO」と判断された場合は、バケット5の位置情報(バケット位置記憶情報)が21個以上検出され記憶されるまで、S38→S37a→S37b→S38の処理が繰り返し実行される。ここで、S38により「NO」と判断される場合は、開始スイッチ23が「ON」され、攪拌回数のカウントをスタートさせた直後(バケット5の位置情報が21個未満)に判断される。S37aにより検出されたバケット5の位置情報(バケット位置記憶情報)を「表1」に示す。このように、バケット位置情報記憶工程では、バケット位置検出工程により検出されたバケット5の位置情報(位置データ)が記憶メモリー(バケット位置情報記憶手段(図示略))に記憶される。そして、S38により「YES」と判断された場合は、S39aに進む。
S39aにおいて、速度変化量分散値算出工程が実施される。この速度変化量分散値算出工程では、速度変化量分散値算出手段71を用いて、バケット位置情報記憶工程(S37b)により記憶された最新過去21回分のバケットの位置情報(表1)を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))が算出される。この速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))は、下記の手順で求められる。ここで、分散法により速度変化量分散値を求めることにより、バケット5の速度変化量(位置変化量)の散らばり度合いが判断できる。なお、本実施形態では、最新過去21回分のバケットの位置情報を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値を算出するようにしたが、これに限らず、最新過去21回分以外の最新過去所定回数分のバケットの位置情報を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値を算出するようにしてもよい。
速度変化量分散値算出工程では、バケット位置情報記憶工程(S37b)により記憶された最新過去20回分のバケット5のそれぞれの位置情報と、そのそれぞれの位置情報の前回分のバケット5の位置情報との差分値(X
j−X
j−1 (位置情報差分値X
DIFFj)、Y
j−Y
j−1 (位置情報差分値Y
DIFFj))から速度変化量が求められる。このことから、まず、最新過去20回分のバケット5のそれぞれの位置情報から、そのそれぞれのバケット5の位置情報の前回分のバケット5の位置情報を差分した差分値(X
j−X
j−1 (位置情報差分値X
DIFFj)、Y
j−Y
j−1 (位置情報差分値Y
DIFFj))が速度変化量として求められる(表2参照)。ここで、表2では、説明の便宜上、最新過去20回分のバケット5のそれぞれの位置情報から、そのそれぞれのバケット5の位置情報の前回分のバケット5の位置情報を差分した差分値のみならず、最新過去20回分以外の差分値(X
j−X
j−1 (位置情報差分値X
DIFFj)、Y
j−Y
j−1 (位置情報差分値Y
DIFFj))も表示している。
次に、最新過去20回分のバケット5のそれぞれの位置情報と、そのそれぞれの位置情報の前回分のバケット5の位置情報との位置情報差分値(X
DIFFj、Y
DIFFj)の平均値(位置情報差分平均値(X
AWj、Y
AWj))求められる(数式1、表3参照)。このように、位置情報差分平均値(X
AWj、Y
AWj)を求めることにより、速度変化量である位置情報差分値(X
DIFFj、Y
DIFFj)を平準化させることができる。この位置情報差分平均値(X
AWj、Y
AWj)は、最新過去20回分の「位置情報差分値(X
DIFFj、Y
DIFFj)」の平均値であり、例えば、「21」で求められるX方向の位置情報差分平均値(X
AW21)は、位置情報差分平均値(X
AW21)=(0.05(「2」)+0.00(「3」)+・・・+0.00(「20」)−0.02(「21」))/20により求められる。ここで、「数式1」では位置情報差分平均値(X
AWj)のみを表示させているが、位置情報差分平均値(Y
AWj)についても位置情報差分平均値(X
AWj)と同様に求めることができる。
次に、最新過去20回分のそれぞれの位置情報差分値(XDIFFj、YDIFFj)から上記で求められた位置情報差分平均値(XAWj、YAWj)との差(XDIFFj−XAWj、YDIFFj−YAWj)である位置情報平均差分値(XAWDj、YAWDj)が求められる。この位置情報平均差分値(XAWDj、YAWDj)は、最新過去20回分のそれぞれの位置情報差分値(XDIFFj、YDIFFj)と位置情報差分平均値(XAWj、YAWj)との差であり、例えば、「61」〜「80」のX方向の位置情報平均差分値(XAWDj)については、「XAWD61=−0.0690(−0.06−0.0090)、XAWD62=−0.0090(0.00−0.0090)、XAWD63=−0.0290(−0.02−0.0090)・・・・XAWD79=−0.0490(−0.04−0.0090)、XAWD80=−0.0090(0.00−0.0090)」となる。
次に、数式2を用いて、最新過去20回分の位置情報平均差分値(X
AWDj、Y
AWDj)から分散値(X
Sj、Y
Sj)が求められる(表4)。この分散値(X
Sj、Y
Sj)は、最新過去20回分のそれぞれの「位置情報平均差分値(X
AWDj、Y
AWDj)」を2乗した「位置情報平均差分2乗値」の平均値として求められる。ここで、「数式2」では分散値(X
Sj)のみを表示させているが、分散値(Y
Sj)についても分散値(X
Sj)と同様に求めることができる。
次に、上記で求められた分散値(X
Sj、Y
Sj)のX方向の分散値(X
Sj)とY方向の分散値(Y
Sj)から、X方向の分散値(X
Sj)とY方向の分散値(Y
Sj)の和(X
Sj+Y
Sj)であるXY分散値(XY
ADSj)が求められる(表5参照)。このように、X方向の分散値(X
Sj)とY方向の分散値(Y
Sj)の和(X
Sj+Y
Sj)であるXY分散値(XY
ADSj)を求めることにより、「X方向のバケット5の速度変化量(位置変化量)の散らばり度合い」と「Y方向のバケット5の速度変化量(位置変化量)の散らばり度合い」を総合的に判断することができる。なお、本実施形態では、X方向の分散値(X
Sj)とY方向の分散値(Y
Sj)の和(X
Sj+Y
Sj)であるXY分散値(XY
ADSj)を求めたが、これに限らず、XY分散値(XY
ADSj)を求めないで、X方向の分散値(X
Sj)および/またはY方向の分散値(Y
Sj)を以下で用いるようにしてもよい。
次に、上記で求められたXY分散値(XY
ADSj)の最新過去20回分の平均値であるXY平均分散値(XY
ADWSj(速度変化量分散値))が求められる(表6参照)。このXY平均分散値(XY
ADWSj(速度変化量分散値))を求めることにより、XY分散値(XY
ADSj)を平準化させることができる。このXY平均分散値(XY
ADWSj)は、最新過去20回分の「XY分散値(XY
ADSj)」の平均値であり、例えば、「40」で求められるXY平均分散値(XY
ADWS40)は、「XY平均分散値(XY
ADWS40)=0.00534150(XY
ADS21)+0.00259675(XY
ADS22)+0.00303675(XY
ADS23)+・・・+0.00905500(XY
ADS38)+0.00927000(XY
ADS39)+0.00930375(XY
ADS40)」により求められる。このように、最新過去20回分のバケット5の位置情報を用いて求められた速度変化量(位置情報差分値(X
DIFFj(X
j−X
j−1)、Y
DIFFj(Y
j−Y
j−1 ))(表2参照)から分散法を用いて速度変化量分散値(XY平均分散値(XY
ADWSj))が求められる。そして、このXY平均分散値(XY
ADWSj)を求めることにより、バケット5の位置の「X方向の変化量の散らばり度合い」と「Y方向の変化量の散らばり度合い」の総合的な判断指標とすることができる。ここで、XY平均分散値(XY
ADWSj(速度変化量分散値))は、XY分散値(XY
ADSj)の最新過去20回分の平均値であるので、20回分のXY分散値(XY
ADSj)が算出された後に求められる。つまり、S39aにおいて、20回分のXY分散値(XY
ADSj)が算出されていない場合は、S20回分のXY分散値(XY
ADSj)が算出されるまで、S39a→37a→S37b→S38→S39aの処理が実施される。この算出済のXY分散値(XY
ADSj)は記憶メモリーに記憶されている。そして、S39bに進む。
S39bにおいて、速度変化量分散値記憶工程が実施される。この速度変化量分散値記憶工程では、速度変化量分散値記憶手段72を用いて、速度変化量分散値算出工程(S39a)により算出されたXY平均分散値(XYADWSj(速度変化量分散値))が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に記憶される。このようにして、速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))が求められ、記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に記憶される。そして、S40に進む。
S40において、S39bによりXY平均分散値(XYADWSj(速度変化量分散値))が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に最新過去20個分が記憶されているか判断される。S40により「NO」と判断された場合は、速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に20個分が記憶されるまで、S40→S37a→S37b→S38→S39a→S39b→S40の処理が繰り返し実行される。ここで、S40により「NO」と判断される場合は、開始スイッチ23が「ON」され、攪拌回数のカウントをスタートさせた直後(速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWS))が20個未満)である。これにより、速度変化量分散値記憶工程において、速度変化量分散値算出工程(S39a)により算出された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWS))の最新過去20回分が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に記憶される。ここで、図18のS40では、最新過去20回以前の速度変化量分散値については、消去させてもよく、また他の記憶手段に移行して記憶させるようにしてもよい。なお、本実施形態では、速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWS))が最新過去20個分記憶されているか判断したが、これに限らず、15個などの20個以外の他の最新過去所定回数分が記憶されているか判断してもよい。そして、S41に進む。
S41において、速度変化量分散値最大値抽出工程が実施される。この速度変化量分散値最大値抽出工程では、速度変化量分散値最大値抽出手段73を用いて、速度変化量分散値記憶工程(S39b)により記憶メモリーに記憶された最新過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最大値(XYADWSmax)が抽出される。例えば、「59」においては、最新過去20回分である「40」〜「59」内のぞれぞれのXY平均分散値(XYADWSj)の最大値(XYADWSmax)は「0.0038508488(「59」)」となる。なお、本実施形態では、上述したように、最新過去20回分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最大値(XYADWSmax)を求めたが、これに限らず、最新過去20回分以外の最新過去所定回数分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最大値(XYADWSmax)を求めるようにしてもよい。そして、S42に進む。
S42において、速度変化量分散値最小値抽出工程が実施される。この速度変化量分散値最小値抽出工程では、速度変化量分散値最小値抽出手段74を用いて、速度変化量分散値記憶工程(S39b)により記憶された最新過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))のうち、最古に記憶された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADSj−19))から速度変化量分散値最大値抽出工程(S41)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)に至るまでの間の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最小値MIN−1を抽出するとともに、速度変化量分散値最大値抽出工程(S39b)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から最新に記憶された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))に至るまでの間の速度変化量分散値の最小値MIN−2が抽出される。例えば、「59」においては、最新過去20回分である「40」〜「59」内で、最小値MIN−1は「0.006132400(「40」)」となり、最小値MIN−2は「0.0038508488(「59」)」となる(表6参照)。そして、S43に進む。
S43において、速度変化量分散値差分値算出工程が実施される。この速度変化量分散値差分値算出工程では、速度変化量分散値差分値算出手段75を用いて、速度変化量分散値最大値抽出工程(S41)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から速度変化量分散値の最小値MIN−1を差分した「差分値H1」が算出されるとともに、速度変化量分散値最大値抽出工程(S41)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から速度変化量分散値の最小値MIN−2を差分した「差分値H2」が算出される。ここで、上記で計算された「59」においては、最小値MIN−1が「0.006132400(「40」)」、そして最小値MIN−2が「0.0038508488(「59」)」であるので、「差分値H1」が0.0022815512 (0.0038508488(「59」)−0.006132400(「40」))となり、また「差分値H2」は 0.0(0.0038508488(「59」)−0.0038508488(「59」))となる。なお、S43において「差分値H1」および「差分値H2」を求めるように説明したが、S37a〜S45はバケット5が停止状態から移動状態になったことを判定するフローであるので、実際使用されるのは「差分値H1」のみである。
S44において、S43により算出された速度変化量分散値の「差分値H1」が設定値HS(0.01)以上であるか判断される。そして、S44により「YES」と判断された場合には、S45により位置フラグFIが「2」に設定されS51に進み、S44により「NO」と判断された場合には、そのまま攪拌回数計測処理が終了する。ここで、上記で計算された「59」においては、「差分値H1」が0.0022815512であるので、設定値HS(0.01)≦「差分値H1(0.0022815512)」となり、S44により「YES」と判断される。この位置フラグFI「2」は、バケット5が停止状態から移動状態になったと判定されたことを示すフラグである。そして、S44により「NO」と判断された場合は、速度変化量分散値の「差分値H1」が設定値HS(0.01)以上になるまで、S17→S18→S15→S31→S36→S37a→S37b→S38→S39a→S39b→S40→S41→S42→S43→S44の処理が繰り返し実行される(図16および図18参照)。そして、上述したように、S44により「YES」と判断された場合には、S45により位置フラグFIが「2」に設定されS51に進み、S51により「NO」と判断された場合は攪拌回数計測処理が終了し、S17→S18→S15→S31→S36の処理が実行される。このS51以降の処理は、「差分値H2」を用いて、バケット5が移動状態から移動終結状態になったか判定するための処理である。なお、本実施形態では、上述したように、設定値HSを「0.01」としたが、これに限らず、他の大きさの設定値としてもよい。そして、S51に進む。
S51において、S43により算出された速度変化量分散値の「差分値H2」が設定値HS(0.01)以上であるか判断される。ここで、上記で計算された「59」においては、「差分値H2」が0.00であるので、設定値HS(0.01)≦「差分値H2(0.0)」が成立せず、S51により「NO」と判断され、攪拌回数計測処理が終了し、S17→S18→S15→S31→S36の処理が実行される。なお、本実施形態では、S44と同様、設定値HSを「0.01」としたが、これに限らず、他の大きさの設定値としてもよい。そして、S36に進む。
S36において、位置フラグFIが「1」かが判断される。位置フラグFIは、S45により「2」に設定されているので、S36において「NO」と判断されS46aに進む。
S46aにおいて、バケット位置検出工程が実施される。このバケット位置検出工程では、S37aと同様、バケット5の位置(アーム4とバケット5との連結部4aの位置)が0.1秒毎検出(計測)される。バケット位置検出工程(S46a)については、S37aと同様であるので、説明は省略する(表1参照)。そして、S46bに進む。
S46bにおいて、バケット位置情報記憶工程が実施される。このバケット位置情報記憶工程では、S37bと同様、バケット位置情報記憶70を用いて、バケット位置検出工程(S46a)により検出されたバケット5の位置情報(位置データ)が記憶メモリー(バケット位置情報記憶手段(図示略))に記憶される。そして、S47aに進む。
S47aにおいて、速度変化量分散値算出工程が実施される。この速度変化量分散値算出工程では、S39aと同様、速度変化量分散値算出手段71を用いて、バケット位置情報記憶工程(S46b)により記憶された最新過去21回分のバケットの位置情報(表1)を用いて求められた速度変化量から分散法を用いて速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))が算出される。その他については、S39aと同様であるので、詳細な説明は省略する。そして、S47bに進む。
S47bにおいて、速度変化量分散値記憶工程が実施される。この速度変化量分散値記憶工程では、S39bと同様、速度変化量分散値記憶手段72を用いて、速度変化量分散値算出工程(S47a)により算出された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に記憶される。そして、S48に進む。
S48において、速度変化量分散値最大値抽出工程が実施される。この速度変化量分散値最大値抽出工程では、S41と同様、速度変化量分散値最大値抽出手段73を用いて、速度変化量分散値記憶工程(S47b)により記憶メモリーに記憶された最新過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最大値(XYADWSmax)が抽出される。例えば、「79」においては、最新過去20回分である「60」〜「79」内のぞれぞれのXY平均分散値(XYADWSj)の最大値(XYADWSmax)は「0.0060636038(「68」)」となる。その他については、S41と同様であるので、説明は省略する。そして、S49に進む。
S49において、速度変化量分散値最小値抽出工程が実施される。この速度変化量分散値最小値抽出工程では、S42と同様、速度変化量分散値最小値抽出手段74を用いて、速度変化量分散値記憶工程(S47b)により記憶された最新過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))のうち、最古に記憶された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj−19))から速度変化量分散値最大値抽出工程(S48)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)に至るまでの間の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最小値MIN−1が抽出されるとともに、速度変化量分散値最大値抽出工程(S48)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から最新に記憶された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))に至るまでの間の速度変化量分散値の最小値MIN−2が抽出される。例えば、「79」においては、最新過去20回分である「60」〜「79」内で、最小値MIN−1は「0.0041636988(「60」)」となり、最小値MIN−2は「0.0041367425(「79」)」となる(表6参照)。そして、S50に進む。
S50において、速度変化量分散値差分値算出工程が実施される。この速度変化量分散値差分値算出工程では、S43と同様、速度変化量分散値差分値算出手段75を用いて、速度変化量分散値最大値抽出工程(S48)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から速度変化量分散値の最小値MIN−1を差分した「差分値H1」が算出されるとともに、速度変化量分散値最大値抽出工程(S48)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から速度変化量分散値の最小値MIN−2を差分した「差分値H2」が算出される。ここで、上記で計算された「79」においては、上述したように、最小値MIN−1が「0.0041636988(「60」)」、そして最小値MIN−2が「0.0041367425(「79」)」であるので、「差分値H1」が0.001899905(0.0060636038(「68」)−0.0041636988(「60」))となり、また「差分値H2」は0.0022236375(0.0060636038(「68」)−0.0041367425(「79」))となる。なお、S50において「差分値H1」および「差分値H2」を求めるように説明したが、S46a〜S53はバケット5が移動状態から移動終結状態になったことを判定するフローであるので、実際使用されるのは「差分値H2」のみである。そして、S51に進む。
S51において、S50により算出された速度変化量分散値の「差分値H2」が設定値HS(0.01)以上であるか判断される。そして、S51により「YES」と判断された場合にはS52に進み、後述する攪拌回数カウント工程(図19参照)が実行され、S53により位置フラグFIが「1」に設定され攪拌回数計測処理が終了する。また、S51により「NO」と判断された場合には、そのまま攪拌回数計測処理が終了する。この位置フラグFI「2」は、バケット5が移動状態から移動終結状態になったと判断されたことを示すフラグである。ここで、S51により「NO」と判断された場合は、速度変化量分散値の差分値H2が設定値HS(0.01)以上になるまで、S17→S18→S15→S31→S36→S46a→S46b→S47a→S47b→S48→S49→S50→S51の処理が繰り返し実行される(図16および図18参照)。ここで、再度実行される攪拌回数計測処理では、S31により「YES」と判断(S35により処理フラグSSは「1」に設定)され、S36に進む。例えば、上記で計算された「79」においては、「差分値H2」が0.0022236375であるので、設定値HS(0.01)≦「差分値H2(0.0022236375)」となり、S51により「YES」と判断される。そして、上述したように、S51により「YES」と判断された場合にはS52に進み、後述する攪拌回数カウント工程(図19参照)が実行される。この攪拌回数カウント工程(S52)は、後述するように、バケット移動判定手段69を用いて、バケット移動判定工程((S37b〜S44)および(S46b〜S51))によりバケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、バケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定された場合に、攪拌回数カウント手段76を用いて、攪拌回数を1加算するための処理である。すなわち、S44によりバケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、S51によりバケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定されることにより、攪拌回数が1加算される(攪拌回数カウント工程)。そして、S53により位置フラグFIが「1」に設定され、S54により速度変化量分散値(最小値以前)消去工程が実施される。この速度変化量分散値(最小値以前)消去工程では、上記(S49)で抽出された「速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最小値MIN−2」以前の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))を消去させる。これにより、作業者の意図を持った一つの地盤改良作業の攪拌回数の重複カウントを回避することができる。なお、本実施形態では、上述したように、設定値HSを「0.01」としたが、これに限らず、他の大きさの設定値としてもよい。
次に、攪拌回数計測処理のサブルーチンである攪拌回数カウント工程について説明する。図19は、攪拌回数計測処理のサブルーチンである攪拌回数カウント工程を示す図である。この攪拌回数カウント工程により攪拌回数がカウントされ、攪拌回数カウント工程によりカウントされた1層〜3層までの攪拌回数は、表示工程により計測値表示部34a〜36a(図6参照(表示手段80))に表示される。
まず、S61において、攪拌回数(N)に「1」加算される。ここで、この攪拌回数(N)は、攪拌回数(N1〜N3)の総和の攪拌回数である。
次に、S62において、3層計測フラグが「ON」かが判断される。この3層計測フラグは、層変更画面38の3層ボタン61(図8参照)が押された場合に「ON」となる(S21(図17))。そして、S62により「YES」と判断された場合にはS63に進み、S63により攪拌回数(N3)が「1」加算され、攪拌回数カウント工程が終了する。また、S62により「NO」と判断されたときはS64に進む。
次に、S64において、2層計測フラグが「ON」かが判断される。この2層計測フラグは、層変更画面38の2層ボタン60(図8参照)が押された場合に「ON」となる(S23(図17))。そして、S64により「YES」と判断された場合にはS65に進み、S65により攪拌回数(N2)が「1」加算され、攪拌回数カウント工程が終了する。また、S64により「NO」と判断されたときはS66に進む。
次に、S66において、1層計測フラグが「ON」かが判断される。この1層計測フラグは、層変更画面38の1層ボタン59(図8参照)が押された場合に「ON」となる(S25(図17))。そして、S66により「YES」と判断された場合にはS67に進み、S67により攪拌回数(N1)が「1」加算され、攪拌回数カウント工程が終了する。また、S66により「NO」と判断されたときは再びS62に進む。そして、S62、S64、またはS66のいずれかが「ON」になるまで、S66→S62→S64→S66の処理が行われ、「ON」になれば1層〜3層のいずれかの攪拌回数を「1」加算して攪拌回数カウント工程が終了する。
設計値表示部34b〜36b(図6参照)には1層〜3層までの攪拌回数の設計値(計画値)が表示されているが、この撹拌回数の設計値(34b、35b、36b(図6参照))は攪拌回数設定工程で設定することができる。そして、攪拌回数カウント手段76を用いて、攪拌回数カウント工程により攪拌回数(N1、N2、N3)が加算(カウント)され、その加算(カウント)された攪拌回数が、攪拌回数設定手段79を用いて、攪拌回数設定工程により設定された攪拌回数(設計値(34b、35b、36b))に達したときに、設計値に達したことを知らせるためにブザー、ランプなどの報知手段81を用いて報知工程により報知される。このようにすれば、作業者は、攪拌回数(N1、N2、N3)が設計値(34b、35b、36b)に達したことを知ることができ、作業者があらかじめ攪拌したい回数だけ正確かつ確実に攪拌することができる。またこの場合、攪拌回数(N1、N2、N3)によって、ブザー(報知手段)の音を異なるようにしたり、ランプ(報知手段)の色を異ならすようにしてもよい。
また、管理装置100のUSBメモリー差込口(装着手段77)に取出可能なUSBメモリー54(記録媒体)が装着工程により装着(挿入)され、記録手段78を用いて、その装着工程に装着された取出可能なUSBメモリー54(記録媒体)に記録工程によりデータが記録される。そして、データが記憶されたUSBメモリー54を管理装置100から取り出し、その取り出されたUSBメモリー54を他の場所のパソコン55に差し込んで、そのUSBメモリー54に記憶されているデータの集計、分析などを行い、その結果をプリンタ56を用いて出力することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、バケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、その後バケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定される毎、すなわち、地盤改良の作業者が意図した1つ1つの地盤改良作業毎に攪拌回数がカウントされるので、地盤改良の種類を問わず、地盤改良に貢献するすべての地盤改良作業を含めて、攪拌回数をカウントすることができる。これにより、より正確な攪拌混合具合を判断することができ、地盤の攪拌混合をより品質よく行うことができる。このように、第1実施形態では、バケット5が停止状態から移動状態になった後、そのバケット5が移動状態から移動終結状態になった場合に、攪拌回数をカウントするようにしている。
(第2実施形態)
次に、本発明の地盤攪拌装置の管理システムの第2実施形態について説明する。ここで、本発明の第2実施形態と第1実施形態の異なる主なところは、「第1実施形態」では、ある速度変化量分散値(過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))を用いて求められた「差分値H1」が設定値HS(0.01)以上になった場合にバケット5が停止状態から移動状態になった」と判定され、そして、その以降の速度変化量分散値(過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))を用いて求められた「差分値H2」が設定値HS(0.01)以上になった場合に「バケット5が移動状態から移動終結状態になったこと」と判定したのに対し、「第2実施形態」では、ある速度変化量分散値(過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWS)))を用いて求められた「差分値H1」および「差分値H2」がともに設定値HS(0.01)以上になった場合に、「バケット5が停止状態から移動状態になった」と判定され、そして「バケット5が移動状態から移動終結状態になったこと」が判定されるようにしたところが異なる。すなわち、地盤を攪拌する際には、地盤改良の作業者は、それぞれの地盤改良作業毎にどのような地盤改良を実施しようかという意図を持って行っているが、そのそれぞれの地盤改良作業については、バケット5の速度変化量が大きく増加し続けた後、ある時点で速度変化量が小さく減少に向かって、一つの地盤改良作業が終結するのが通常である。第2実施形態では、バケット5の速度変化量が大きくなり、その後小さくなるその分岐点付近では、「速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から速度変化量分散値の最小値MIN−1を差分した「差分値H1」」および「速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から速度変化量分散値の最小値MIN−2を差分した「差分値H2」」がそれぞれ大きな値になることに着目して、その分岐点付近で、「バケット5が停止状態から移動状態になったこと」および「バケット5が移動状態から移動終結状態になったこと」を判定するようにしている。なお、第2実施形態においては、第1実施形態と異なるところを中心に説明する。また、第2実施形態では、第1実施形態と同一構成(近似構成も含む)については、同一符号を用い、同一作用効果を奏するものとし説明は省略する。
第2実施形態では、地盤を攪拌する際には、上述したように、地盤改良の作業者は、「ふるい落とし」や「砕き」や「ほぐし」や「天地返し」などそれぞれの地盤改良作業毎にどのような地盤改良を実施しようかという意図を持って行っている。そして、地盤改良の作業者の意図を持った1つ1つの地盤改良作業は、地盤改良を行う際のバケット5の速度変化量が小さい状態(ゆっくりした状態)から速度変化量が上昇し(速くなり)、そして速度変化量が下降して小さい状態(ゆっくりした状態)なり、作業者の意図を持った一つの地盤改良作業が終了することになる。第2実施形態では、このバケット5の速度変化量に着目して、「バケット5が停止状態から移動状態になったこと」の判定と、「バケット5が移動状態から移動終結状態になった」の判定を行うようにしている。
以下、本発明の第2実施形態における地盤攪拌装置の管理システムについて、図20を用いて説明する。ここで、図20は、本発明の第2実施形態における地盤攪拌回数カウント方法のサブルーチンである攪拌回数計測処理を示す図である。なお、本発明の第2実施形態では、「バケット5が移動状態から移動終結状態になったこと」の判定と「バケット5が停止状態から移動状態になったこと」の判定が同じ速度変化量分散値(過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWS))で行われる。これにより、本発明の第1実施形態の図18の「S35の位置フラグFI=1の設定処理」、「S36の位置フラグFI=1の判断処理」、「S45の位置フラグFI=2の設定処理」、「S53の位置フラグFI=1の設定処理」は必要がないので、図20では図示していない。ここで、図20において、図18(第1実施形態)のS39aまでの説明については第1実施形態から理解できるので、S39bから説明する。
S39bにおいて、速度変化量分散値記憶工程が実施される。この速度変化量分散値記憶工程では、上述したように、速度変化量分散値記憶手段72を用いて、速度変化量分散値算出工程(S39a)により算出されたXY平均分散値(XYADWS(速度変化量分散値))が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に記憶される。そして、S40に進む。
S40において、S39bによりXY平均分散値(XYADWSj(速度変化量分散値))が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に最新過去20個分が記憶されているか判断される。S40により「NO」と判断された場合は、第1実施形態と同様に、速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に20個分が記憶されるまで、S40→S37a→S37b→S38→S39a→S39b→S40の処理が繰り返し実行される。これにより、速度変化量分散値記憶工程において、速度変化量分散値算出工程(S39a)により算出された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWS))の最新過去20回分が記憶メモリー(速度変化量分散値記憶手段)に記憶される。ここで、最新過去20回以前の速度変化量分散値については、第1実施形態と同様、消去させてもよく、また他の記憶手段に移行して記憶させるようにしてもよい。なお、本実施形態では、速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWS))が最新過去20個分記憶されているか判断したが、第1実施形態と同様、これに限らず、15個などの20個以外の他の最新過去所定回数分が記憶されているか判断してもよい。そして、S241に進む。
S41において、速度変化量分散値最大値抽出工程が実施される。この速度変化量分散値最大値抽出工程では、第1実施形態と同様、速度変化量分散値最大値抽出手段73を用いて、速度変化量分散値記憶工程(S39b)により記憶メモリーに記憶された最新過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最大値(XYADWSmax)が抽出される。例えば、「77」においては、最新過去20回分である「58」〜「77」内のぞれぞれのXY平均分散値(XYADWSj)の最大値(XYADWSmax)は「0.00606360638(「68」)」となる。なお、本実施形態では、最新過去20回分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最大値(XYADWSmax)を求めたが、これに限らず、最新過去20回分以外の最新過去所定回数分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最大値(XYADWSmax)を求めるようにしてもよい。そして、S42に進む。
S42において、速度変化量分散値最小値抽出工程が実施される。この速度変化量分散値最小値抽出工程では、第1実施形態同様、速度変化量分散値最小値抽出手段74を用いて、速度変化量分散値記憶工程(S39b)により記憶された最新過去20個分の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))のうち、最古に記憶された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj−19))から速度変化量分散値最大値抽出工程(S48)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)に至るまでの間の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最小値MIN−1が抽出されるとともに、速度変化量分散値最大値抽出工程(S48)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から最新に記憶された速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))に至るまでの間の速度変化量分散値の最小値MIN−2が抽出される。例えば、「77」においては、最新過去20回分である「58」〜「77」内で、最小値MIN−1は「0.0035346238(「58」)」となり、最小値MIN−2は「0.0048044125(「77」)」となる(表6参照)。そして、S43に進む。
S43において、速度変化量分散値差分値算出工程が実施される。この速度変化量分散値差分値算出工程では、第1実施形態と同様、速度変化量分散値差分値算出手段75を用いて、速度変化量分散値最大値抽出工程(S41)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から速度変化量分散値の最小値MIN−1を差分した「差分値H1」が算出されるとともに、速度変化量分散値最大値抽出工程(S41)により抽出された速度変化量分散値の最大値(XYADWSmax)から速度変化量分散値の最小値MIN−2を差分した「差分値H2」が算出される。ここで、上記で計算された「77」においては、上述したように、最小値MIN−1が「0.0035346238(「58」)」、そして最小値MIN−2が「0.0048044125(「77」)」であるので、「差分値H1」が0.00252898(0.0060636038(「68」)−0.0035346238(「58」))となり、また「差分値H2」は 0.0012591913(0.0060636038(「68」)−0.0048044125(「77」))となる。そして、S44に進む。
S44において、第1実施形態同様、S43により算出された速度変化量分散値の「差分値H1」が設定値HS(0.01)以上であるか判断される。ここで、上記で計算された「77」においては、「差分値H1」が0.00252898であるので、設定値HS(0.01)≦「差分値H1(0.00252898)」となり、S44により「YES」と判断される。そして、S44により「YES」と判断された場合にはS51に進み、S44により「NO」と判断された場合には、そのまま攪拌回数計測処理が終了する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様、設定値HSを「0.01」としたが、これに限らず、他の大きさの設定値であってもよい。そして、S51に進む。
S51において、第1実施形態と同様、S43により算出された速度変化量分散値の差分値H2が設定値HS(0.01)以上であるか判断される。ここで、上記で計算された「77」においては、「差分値H2」が0.0012591913であるので、設定値HS(0.01)≦「差分値H2(0.0012591913)」となり、S51により「YES」と判断される。そして、S51により「YES」と判断された場合にはS52に進み、攪拌回数カウント工程(図19参照)が実行される。また、S51により「NO」と判断された場合には、そのまま攪拌回数計測処理が終了する。この攪拌回数カウント工程(S52)は、上述したように、バケット移動判定手段69を用いて、バケット移動判定工程(S37b〜S44、S51)によりバケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、バケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定された場合に、攪拌回数カウント手段76を用いて、攪拌回数を1加算するための処理である。すなわち、S44によりバケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、S51によりバケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定されることにより、攪拌回数が1加算される(攪拌回数カウント工程)。そして、S53に進む。なお、攪拌回数カウント工程については、図19と同一であるので説明は省略する。
S53において、速度変化量分散値(最小値以前)消去工程が実施される。速度変化量分散値(最小値以前)消去工程では、上記(S42)で抽出された「速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))の最小値MIN−2」以前の速度変化量分散値(XY平均分散値(XYADWSj))を消去させる。これにより、作業者の意図を持った一つの地盤改良作業の攪拌回数の重複カウントを回避することができる。
以上説明したように、第2実施形態おいても、第1実施形態と同様、バケット5が停止状態から移動状態になったと判定され、バケット5が移動状態から移動終結状態になったと判定される毎、すなわち、地盤改良の作業者が意図した1つ1つの地盤改良作業毎に攪拌回数がカウントされるので、地盤改良の種類を問わず、地盤改良に貢献するすべての地盤改良作業を含めて、攪拌回数をカウントすることができる。これにより、より正確な攪拌混合具合を判断することができ、地盤の攪拌混合をより品質よく行うことができる。このように、第2実施形態では、バケット5が停止状態から移動状態になった後、そのバケット5が移動状態から移動終結状態になった場合に、攪拌回数をカウントするようにしている。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。