幾つかの応用分野では、多数のWLANデバイスの試運転が一般的である。試運転は、複数のステップを含む。第1ステップは、WLANデバイスの機械的な及び電気的な取り付けである。このステップは、通常、建設請負業者によって処理される。第2ステップは、新たに取り付けられた全てのWLANデバイスをWLAN基本サービスセット(BSS)に接続するようプログラムするものであり、これは、WLANプロビジョニングとも呼ばれ、WLAN技術の知識を必要とするタスクである。このようなWLANプロビジョニングは、新たに取り付けられたWLANデバイスに、所望のWLAN BSSへのアクセスを達成するためのWLANクレデンシャル情報を供給することを含む。多くのWLANアプリケーションデバイスは、ユーザがネットワーク接続を設定するためのWLANネットワーククレデンシャルを入力することを可能にするデバイス上のキーボード又はタッチパネルなどのユーザインターフェースを持たない電球又は照明器具などのヘッドレスWLANデバイスを形成する。
従って、WLANプロビジョニングは、任意のWLANデバイスのために重要なエントリーポイントを形成する。これは、多くの場合、建設請負業者による処理を妨げる。しかしながら、WLANアプリケーションデバイスの再販業者は、WLANプロビジョニングを実施するために熟練した通信エンジニアを送ることを嫌うだろう。なぜなら、多くのWLANデバイスを所望のWLAN BSSに接続するためには多くの熟練者の時間を必要とするからである。
それ故、WLANプロビジョニングプロセスを容易にするために、ユーザが、スマートフォン、タブレットコンピュータ又はラップトップコンピュータの形態をとり得るWLANコンフィギュレータデバイスを用いることが一般的なことになってきている。このようなWLANコンフィギュレータデバイスは、WLANクレデンシャルを新しいWLANデバイスに通信するものである。
US 2014/0187167 A1は、無線ネットワークとのレガシーアクセスポイントを介した接続のための無線デバイスのプロビジョニングのためのコンピューティングデバイスを記載している。無線デバイスは、ネットワークのネットワークプロファイルを取得するための無線保護セットアッププロトコル(wireless protected setup protocol)をサポートする。ユーザは、コンピューティングデバイスに、プロビジョニングのための無線デバイスを発見することを要求する。コンピューティングデバイスは、ユーザ入力に応じて、ソフトアクセスポイントとして構成され、アクセスポイントがWLAN保護セットアップなどの無線保護セットアッププロトコルをサポートすることを示すビーコン信号をブロードキャストする。次いで、コンピューティングデバイスによって無線デバイスからプロビジョニングのための要求が受信される。ネットワークプロファイルは、無線保護セットアッププロトコルに従ってコンピューティングデバイスから無線デバイスに送信される。無線デバイスは、ネットワークプロファイルを用いてレガシーアクセスポイントを介してネットワークに接続するためにプロファイルを用い得る。
本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載のメッシュ無線ローカルエリアネットワークコントローラが提供される。前記メッシュ無線ローカルエリアネットワークコントローラは、本明細書では、略してメッシュWLANコントローラと呼ばれる。前記メッシュWLANコントローラは、メッシュソフトアクセスポイントモード及びメッシュクライアントモードで動作するよう構成される。前記メッシュWLANコントローラは、更に、前記メッシュクライアントモードで動作するときに、
− 最初の電源投入時に、少なくとも1つのメッシュWLAN基本サービスセット(メッシュWLAN BSS)を検出するためにメッシュネットワークスキャンを実施し、
− 検出された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つにメッシュクライアントアクセス要求を送信し、メッシュクライアントアクセスが達成された場合には、アクセスした前記WLAN BSSに、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSS202、204、206を示すメッシュクライアントアクセス情報を供給し、
− 前記検出されたメッシュWLAN BSSのいずれとのやりとりにおいてもメッシュクライアントアクセスが達成されない場合には、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するよう切り替わるよう構成される。
本発明の第1の態様のメッシュWLANコントローラは、WLANデバイスの、メッシュソフトアクセスポイント又はメッシュクライアントのいずれかとしての機能的動作を供給する。前記メッシュWLANコントローラは、同じ意味を持つメッシュWLANモジュール又はメッシュWLANドライバとも呼ばれ得る。
前記メッシュWLANコントローラは、メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するときには、関連するメッシュWLAN BSSにおいてソフトアクセスポイント機能を供給するよう構成される。前記メッシュWLANコントローラは、メッシュクライアントモードで動作するときには、検出された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つへのメッシュクライアントアクセス要求の送信、及びメッシュクライアントアクセスが達成された場合の、アクセスした前記WLAN BSSへの、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSSを示すメッシュクライアントアクセス情報の供給を制御する。これは、単一のWLANデバイスが2つ以上のメッシュWLAN BSSにアクセスすることを可能にする。このように、所与のメッシュWLAN BSS内で、どのメッシュクライアントがその他のメッシュWLAN BSSにアクセスできるかが知られる。このコンステレーションにおいては、前記メッシュWLANコントローラは、前記メッシュWLANコントローラを有する異なるWLANデバイス間でシグナリングオーバーヘッドが少ない簡単且つ高速な通信を達成するためにWLANデバイスの様々な実施例及び多くのアプリケーションシナリオにおいて用いられ得る特別なメッシュWLANネットワーク化の概念を可能にする。従って、本発明の第1の態様メッシュWLANコントローラは、標準的なインフラストラクチャ又はアドホックWLANネットワーク化の概念とは異なる自己組織化メッシュWLANネットワーク化の概念を実施することを可能にする。前記概念は、概して、多くの異なる応用事例に適用可能であるが、ヘッドレスWLANデバイスを含むネットワーク化アプリケーションに特に適している。
メッシュWLAN基本サービスセット(BSS)は、メッシュWLAN拡張サービスセット(ESS)の構成要素を形成し、各々、インフラストラクチャ又はアドホックタイプの802.11 WLANの基本構成要素を形成するインフラストラクチャWLAN BSS及びWLAN独立BSS(IBSS)にある程度類似するが、技術的にはそれらと区別される。具体的には、所与のメッシュWLAN BSSは、1つのメッシュソフトアクセスポイント及び1つ以上のメッシュWLANクライアントを含む。メッシュWLANクライアントは、各々、1つ以上の他のメッシュWLAN BSSに並行してアクセスを要求及び達成すること、即ち、同時に、前記所与のメッシュWLAN BSS及び1つ以上の他のこのようなメッシュWLAN BSSのメッシュWLANクライアントとして動作することができる。
本発明のメッシュWLANコントローラは、メッシュWLAN BSS、及び複数の相互接続されたメッシュWLAN BSSを含むメッシュWLAN拡張サービスセット(ESS)の自己組織化形成を達成する。最初の電源投入時、即ち、前記メッシュWLANコントローラが、製造後、電源を切った後、又はリセットコマンドを受信した後、初めて動作させられるとき、前記メッシュWLANコントローラは、既存のメッシュWLAN BSSを検出し、1つ以上の検出された既存のメッシュWLAN BSSへのアクセスを要求するために、前記メッシュクライアントモードで動作するだろう。アクセス可能なメッシュWLAN BSSが全くないためにメッシュクライアントモードでの動作が不可能である場合には、前記メッシュWLANコントローラは、前記ソフトアクセスポイントモードに切り替わり、斯くして、他のWLANデバイスへのメッシュクライアントアクセスを可能にするための新しいメッシュWLAN BSSを作成するだろう。メッシュWLANクライアントとしての動作がデフォルト動作モードを形成することから、メッシュWLAN ESSにおけるシグナリングオーバーヘッドは小さく保たれる。
本明細書内のインフラストラクチャWLAN BSS及びアドホックWLAN独立BSSへの言及は、上述の及び本明細書の最初の出願日の前に公開されている規格シリーズの規格文書に従う標準的なWLAN BSS又はIBSSを指す。このような既存の規格と比較して、本明細書で開示されている前記メッシュWLAN BSS及びその特徴は、特に、前記メッシュWLANコントローラがメッシュソフトアクセスポイントモードで動作することに関連する付加的な機能を供給する点で、非標準的なものである。以下では、メッシュWLANコントローラの実施例を説明する。
前記メッシュWLANコントローラは、メッシュWLANデバイスのメッシュWLAN動作を制御するのに役立つ。前記メッシュWLANコントローラの様々な実施例は、例えば、特定用途向け回路若しくはシステムオンチップ、又はマイクロコントローラ、又は前記メッシュWLANコントローラの機能を実施する記憶されたプログラムコードを実行するためのプログラム可能な組み込みプロセッサの電子部品の形態をとる。
前記メッシュWLANコントローラの好ましい実施例は、更に、異なるメッシュWLAN BSS間でメッシュWLANメッセージを転送することを可能にするメッシュブリッジクライアント機能を供給する。本実施例に基づくメッシュWLANにおいては、メッシュWLAN ESS内の2つ以上のメッシュWLAN BSSに割り当てられたメッシュWLANデバイス間でのみマルチホップ通信が可能になる。この実施例においては、メッシュWLANコントローラは、好ましくは、更に、
− 前記メッシュクライアントモードで動作するときに、2つ以上のメッシュWLAN BSSに対するメッシュクライアントアクセスを達成し、メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう指示を受けると、
− メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちのいずれかからメッシュWLANメッセージを検出及び受信し、
− 受信した前記メッシュWLANメッセージを、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つの他の、好ましくは、その他のメッシュWLAN BSS内に転送するよう構成される。
明確にするために、この実施例においては、基本的なメッシュクライアントモードで動作している間、即ち、1つのメッシュWLAN BSSにしかアクセスできない間は、前記受信したメッシュWLANメッセージを転送する前記メッシュブリッジクライアントモードの上記の機能は供給されない。従って、前記メッシュWLANコントローラの前記メッシュブリッジクライアントモードは、2つ以上のメッシュWLAN BSSへのメッシュクライアントアクセスを達成したという前提条件の下でしか有効にされることができない。更に、前記ブリッジクライアントモードで動作するメッシュWLANコントローラしか、或るメッシュWLAN BSSから他のメッシュWLAN BSSへの受信したメッシュWLANメッセージの転送を供給することができない。換言すれば、前記ブリッジクライアントモードで動作しているメッシュWLANコントローラしか、それらがアクセスできる前記メッシュWLAN BSS間でのマルチホップ通信を供給することができない。本実施例のメッシュWLANコントローラに基づけば、ブリッジクライアントを形成する、即ち、前記ブリッジクライアントモードで動作するメッシュWLANデバイスしか、異なるメッシュのWLAN BSS間のメッシュWLANメッセージの転送に寄与しないことから、メッシュWLAN通信における特に低いシグナリング量が達成される。
これと比較して、IEEE 802.11sのWLAN技術は、いずれのノードもメッセージを中継するルータの役割を果たすことを必要とする。このような標準的なWLAN技術は、WLAN ESS内のWLANメッセージの通信のずっと大量のシグナリングをもたらす。幾つかの実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、最初の電源投入時に、前記メッシュWLANスキャンを実施する前に、ランダムな期間の間待つよう構成される。この実施例は、多くのWLANデバイスの設置を形成するWLAN構成における最初のメッシュWLANシグナリングの時間分布を供給する。同時に、動作の開始のこのランダムな時間分布は、メッシュWLAN BSS及びメッシュWLAN ESSの形成における自己組織化プロセスに役立つ。
応用事例においては、メッシュWLAN BSS及びメッシュWLAN ESSは、既存のインフラストラクチャWLAN BSS又はアドホックWLAN IBSSにおいて動作するインフラストラクチャ又はアドホックWLANデバイスも含む環境において共存し得る。しかしながら、このようなインフラストラクチャWLANデバイスを前記メッシュWLAN BSSに接続することは望ましくないかもしれない。この問題を解決する前記メッシュWLANコントローラの有利な実施例は、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するときに、前記WLANノードの、メッシュWLAN BSSのメッシュソフトアクセスポイントとしての識別を可能にするユニークなメッシュ基本サービスセット識別子、本明細書では、メッシュBSS識別子を供給するよう構成され、このことは、それは、同時には、インフラストラクチャWLAN BSS又はWLAN IBSSと関連づけられないことを意味する。
他の実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するときに、外部メッシュWLANデバイスからメッシュクライアントアクセス要求を受信すると、既に所定の最大数の外部メッシュWLANデバイスが前記メッシュWLAN BSSにアクセスしていない限り、前記外部メッシュWLANデバイスが前記メッシュWLAN BSSにアクセスすることを許可するよう構成される。この実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、更に、外部メッシュWLANデバイスが、対象メッシュWLAN BSSだけでなく、更に、多くの他の外部メッシュWLAN BSSにもメッシュクライアントアクセスできると決定すると、前記メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう前記外部メッシュWLANデバイスに指示するよう構成される。
或るこのような実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するときに、前記メッシュBSS識別子(BSSID)を、ユニークなネットワーク識別子及びメッシュタイプ識別子を含むコードとして決定し、供給するよう構成され、前記メッシュタイプ識別子は、前記BSSが、インフラストラクチャWLAN BSS及びアドホックWLAN IBSSと区別されるメッシュWLAN BSSであることを示す。或る例示的な実施例においては、前記メッシュWLAN BSSの前記メッシュBSSID又はネットワークIDに、他のメッシュWLANデバイスは、このWLAN BSSを、同様のタイプのメッシュWLANデバイスによって作成された特別なメッシュWLAN BSSとして認識することができる一方で、インフラストラクチャWLAN BSSにおいてだけ動作するWLANデバイスは、前記メッシュWLAN BSSを、互換インフラストラクチャWLAN BSSとして識別しないだろうようなフラグが立てられる。この実施例の或る変形例においては、前記メッシュBSSIDの或る特定のビット位置が、前記メッシュWLAN BSSタイプを示すように設定される。特定の例として、前記メッシュBSSIDの第1バイトの第2最小ビットが1に設定され得る。802.11規格によれば、このビットは、ローカルに管理されるMACアドレスのマークを形成し、それ故、それは、通常のインフラストラクチャWLANデバイスによって用いられない。前記メッシュBSSIDの他のビットは、メッシュWLANデバイスタイプを識別するために用いられ得る。しかしながら、前記BSSの識別子もこの目的のために用いられ得る。いずれにしても、これは、同様のタイプのメッシュWLANデバイスだけが、前記メッシュWLAN BSS及び対応するメッシュWLAN ESSを形成し、他のタイプのメッシュWLANデバイスは、それへのアクセスを要求しないことを選び得ることを達成する。
多くのWLANデバイスへのバッチWLANプロビジョニングに特に適しており、更に下ではWLANバッチプロビジョニング実施例と呼ばれる他の実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、インフラストラクチャWLANコントローラユニットと制御通信をやりとりするための有線制御インターフェースを有し、受信したメッシュWLANメッセージにおいて、インフラストラクチャWLAN BSSに関するインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を検出し、受信した前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、出力として、前記制御インターフェースを介して供給し、その後、非アクティブモードに切り替わるよう構成される。この機能に基づいて、形成されるメッシュWLAN ESSは、前記メッシュWLAN ESSを介して自動的に各ノードに前記インフラストラクチャWLANパラメータを渡すことにより、外部コンフィギュレータデバイスによってインフラストラクチャWLAN構成での動作のために迅速にプロビジョニングされ得る。インフラストラクチャWLAN動作のために構成されるべき前記メッシュWLANデバイスは全て既に前記メッシュWLAN ESS内にあり、前記コンフィギュレータは、ユーザの介入を必要とせずに前記デバイスを全てプロビジョニングすることができる。前記インフラストラクチャWLANプロビジョニングが終了した後、前記メッシュWLANコントローラはオフに切り替わり、従って、前記メッシュWLANネットワークは、同様にオフに切り替えられ、WLANコントローラ動作は目標インフラストラクチャWLANネットワークに切り替える。
前記メッシュWLANコントローラの本実施例は、好ましくは、それ自体は既知であるインフラストラクチャWLAN技術の幾つかの機能を供給する前記インフラストラクチャWLANコントローラと統合される。本明細書に記載されているメッシュWLANネットワーク化実施例と関連した動作に特に適している、このメッシュWLANコントローラの好ましい実施例は、統合インフラストラクチャWLANコントローラユニットを更に有し、前記統合インフラストラクチャWLANコントローラユニットは、
− 最初の電源投入時に、非アクティブモードに留まり、
− 前記制御インターフェースを介して前記メッシュWLANコントローラから前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信すると、前記インフラストラクチャWLAN BSSに対するインフラストラクチャWLANステーションとしての許可を要求するために、前記インフラストラクチャWLAN BSSとのインフラストラクチャWLAN通信を制御するインフラストラクチャステーションモードで動作するよう構成される。
このメッシュWLANコントローラは、例えば、既知のインフラストラクチャWLANコントローラにコードの薄いレイヤを付加することによって、前記インフラストラクチャWLANコントローラと統合された形態で実施されることができ、故に、前記メッシュWLANコントローラは、あらゆる現在知られているWLAN SoCプラットフォームに容易に付加され得る。それ故、前記メッシュWLANコントローラを付加的に実施するための従来のインフラストラクチャWLANコントローラに対する修正は、既存の規格によるWLANデバイスの通常の挙動に影響を及ぼさないだろう。
上記の実施例は、或る変形例においては、統合アドホックWLANコントローラユニットと制御通信をやりとりするための有線制御インターフェースを有することによって、WLAN IBSSにおける動作可能性のために拡張されている。この実施例においては、受信したメッシュWLANメッセージにおけるWLAN IBSSに関するアドホックWLANクレデンシャル情報の検出は、受信した前記アドホックWLANクレデンシャル情報を、出力として、前記制御インターフェースを介して供給し、その後、非アクティブモードに切り替わることをもたらす。
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様又はその実施例のうちの1つによる、特に、前記メッシュWLANコントローラの前記バッチプロビジョニング実施例によるメッシュWLANコントローラと、インフラストラクチャWLANコントローラとを有するWLANデバイスが提供される。
前記インフラストラクチャWLANコントローラは、前記メッシュWLANコントローラと制御通信をやりとりするための制御インターフェースを有し、最初の電源投入時に非アクティブモードに留まり、前記制御インターフェースを介して前記メッシュWLANコントローラから前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信すると、前記インフラストラクチャWLAN BSSに対するインフラストラクチャWLANステーションとしての許可を要求するために、前記インフラストラクチャWLAN BSSと前記WLANデバイスのインフラストラクチャWLAN通信を制御するインフラストラクチャステーションモードで動作するよう構成される。
前記WLANデバイスは、任意の所望のアプリケーションを実施するアプリケーションデバイスを形成し、この目的のために、WLAN技術によって受信及び送信され得るアプリケーション制御通信を達成するためのアプリケーションユニットと接続される前記メッシュWLANコントローラを有する。本発明のこの態様のWLANデバイスは、標準的なWLAN機能を提供することに加えて、多くのWLANデバイス、例えば、数百又は数千のWLANデバイスに対するインフラストラクチャWLANのメッシュWLANをベースとしたプロビジョニングを達成することを可能にする。
好ましい実施例においては、前記WLANデバイスは、ヘッドレスWLANデバイスである。例えば、1つのビルのフロアにおいて数百の照明器具を一度に試運転することは、珍しくなく、前記照明器具を、本発明の第2の態様によるWLANデバイスとして実施することによって、達成され得る。前記WLANデバイスは、本明細書では、明確にする目的のためにメッシュWLANデバイスとも呼ばれ、又は簡潔にノードとも呼ばれ、又はWLAN BSSを形成するWLANデバイスの説明に関連してデバイスとも呼ばれる。
前記WLANデバイスの或る実施例は、標準的なWLAN IBSSにおける動作を制御するためのアドホックWLANコントローラを付加的に有する。それは、前記メッシュWLANコントローラと制御通信をやりとりするための制御インターフェースを有し、最初の電源投入時に非アクティブモードに留まり、前記制御インターフェースを介して前記メッシュWLANコントローラから前記アドホックWLANクレデンシャル情報を受信すると、前記WLAN IBSSに対するWLANステーションとしての許可を要求するために、前記WLAN IBSSのソフトアクセスポイントと前記ヘッドレスWLANデバイスのアドホックWLAN通信を制御するインフラストラクチャステーションモードで動作するよう構成される。
本発明の第3の態様によれば、メッシュWLAN BSSが提供される。前記メッシュWLAN BSSは、複数のWLANデバイス、特に、本発明の第2の態様又はその実施例のうちの1つによるヘッドレスWLANデバイスを有する。前記メッシュWLAN BSSは、本発明の第2の態様のWLANデバイスの利点及び実施例を共有する。或る実施例においては、前記メッシュWLAN BSSは、参加するために必要なセキュリティのないオープンネットワークとして実施され、それ故、WLANコンフィギュレータデバイスが、WLANプロビジョニングに関連して新しいメッシュWLAN BSSに特に容易に参加することを可能にする。
本発明の第4の態様によれば、メッシュWLAN拡張サービスセット、本明細書においてはメッシュWLAN ESSが提供される。それは、本発明の第3の態様又はその実施例のうちの1つによるメッシュWLAN BSSを複数有する。前記メッシュWLAN ESSは、本発明の第3の態様のメッシュWLAN BSSの利点を共有する。特に、本発明の第4の態様の自己組織化「軽量」メッシュWLAN ESSは、少しのインフラストラクチャWLAN構成パラメータを前記WLANデバイスに渡すために、ほんの一時的に用いられ得る。「軽量」という用語は、IEEE 802.11などの標準的なメッシュネットワークソリューションのいずれとの比較においても、前記WLAN ESSを動作させるために特に小さいシグナリング負荷しか必要とされないことを示すために用いられている。本態様の単純なメッシュWLAN ESSは、インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報のプロビジョニングのような1回限りの使用の事例には十分な機能及び信頼性を持つのに対して、既存の規格は、特に、WLANクレデンシャルのプロビジョニングを必要とするWLANデバイスが多数存在すると、シグナリング能力を酷使するだろう。
従って、パフォーマンス又は信頼性は、本発明の本態様のメッシュWLAN ESSの設計にとって主要な関心事ではない。それよりむしろ、既存の無線LANプラットフォームにおける実施の容易さが、望まれており、達成されている。
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1の態様又はその実施例のうちの1つによる、特に、本発明の第1の態様のメッシュWLANコントローラのバッチプロビジョニング実施例によるメッシュWLANコントローラを有するインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスが提供される。更に、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、外部エンティティからインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信し、受信した前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を前記メッシュWLANコントローラに供給するよう構成される構成インターフェースを有する。前記メッシュWLANコントローラは、更に、前記構成インターフェースから前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信し、受信した前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、少なくとも1つのメッシュWLANメッセージの形態で、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちの、少なくとも1つのメッシュWLAN BSS内に、或る実施例においては、任意のメッシュWLAN BSS内に転送するよう構成される。
第5の態様のインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、本発明の第2の態様又はその実施例のうちの1つによる多くのWLANデバイスに対してインフラストラクチャWLANをプロビジョニングするのに特に適している。それ故、それは、本発明の前述の第1乃至第4の態様の利点を共有する。
或る実施例においては、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、インフラストラクチャWLANコントローラを更に有する。前記メッシュWLANコントローラ及び前記インフラストラクチャWLANコントローラは、それらの各々の制御インターフェースを介して相互に制御通信をやりとりするよう構成される。この実施例においては、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を標準的なインフラストラクチャWLAN BSSから受信し、それをインフラストラクチャWLANプロビジョニングのために前記メッシュWLAN BSSに転送することができる。
或る実施例においては、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、更に、前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を成功裏に転送すると、前記メッシュWLANコントローラを非アクティブにするよう構成される。インフラストラクチャWLANコントローラの供給によって標準的なインフラストラクチャにおける動作が可能である場合には、前記インフラストラクチャWLANコントローラは、この時点においてアクティブにされ得る。
本発明の第6の態様によれば、インフラストラクチャWLANアクセスポイント、本発明の第4の態様又はその実施例のうちの1つによるメッシュWLAN ESS、及び本発明の第5の態様又はその実施例のうちの1つによるインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスを有するWLAN構成が提供される。
本発明の第7の態様によれば、メッシュ無線ローカルエリアネットワークコントローラ、本明細書においてはメッシュWLANコントローラを動作させるための方法は、
− 前記メッシュWLANコントローラを、メッシュソフトアクセスポイントモード又はメッシュクライアントモードのいずれかで動作させるステップを有し、前記メッシュクライアントモードで動作させるときに、
− 少なくとも1つのメッシュWLAN BSSを検出するために、最初の電源投入時にメッシュネットワークスキャンを実施するステップと、
− 検出された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つにメッシュクライアントアクセス要求を送信し、メッシュクライアントアクセスが達成された場合には、アクセスした前記WLAN BSSに、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSSを示すメッシュクライアントアクセス情報を供給するステップと、
− 前記検出されたメッシュWLAN BSSのいずれとのやりとりにおいてもメッシュクライアントアクセスが達成されなかった場合には、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作させるよう切り替えるステップとを有する。
本発明の第7の態様の方法は、本発明の第1乃至第6の態様に関連して説明した利点を共有する。
或る実施例においては、前記方法は、前記メッシュクライアントモードで動作するときに、前記検出されたメッシュWLAN BSSのうちの2つ以上に対するメッシュクライアントアクセスが達成された場合に、メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう指示を受けると、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちのいずれかからメッシュWLANメッセージを検出し、受信した前記メッシュWLANメッセージを、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つの他の、或る変形においては、その他のメッシュWLAN BSS内に転送するステップを更に有する。
本発明の第8の態様によれば、コンピュータ若しくはプロセッサにおいて実行するときに、又はコンピュータ若しくはプロセッサにロードされるときに、前記コンピュータ又はプロセッサに本発明の第7の態様又はその実施例のうちの1つの方法を実施させる実行コードを有するコンピュータプログラムが提供される。
本発明の第9の態様によれば、WLANコンフィギュレータデバイスを動作させるための方法であって、
− 外部エンティティからインフラストラクチャ又はアドホックWLANクレデンシャル情報を受信するステップと、
− メッシュWLAN ESSの少なくとも1つのメッシュWLAN BSSを検出するためのメッシュネットワークスキャンを実施するステップと、
− 検出された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つにメッシュクライアントアクセス要求を送信するステップと、メッシュクライアントアクセスが達成された場合に、
− 受信した前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、少なくとも1つのメッシュWLANメッセージの形態で、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つのメッシュWLAN BSSのメッシュWLANデバイスに供給するステップとを有する。
第9の態様の方法は、本発明の第1乃至第8の態様のうちの1つ以上によって実施されるメッシュWLANの概念に基づく。それは、シグナリング負荷の小さいWLANクレデンシャルの特に簡単な自動化されたプロビジョニングを可能にする。前記プロビジョニングプロセスにおいて、ユーザ入力は必要とされない。
前記方法は、インフラストラクチャ又はアドホックWLANプロビジョニングに準用可能である。この場合には、前記クレデンシャル情報は、各々、インフラストラクチャWLAN BSS又は標準的なアドホックWLAN IBSSに関連する。
この方法の或る実施例によれば、前記受信したインフラストラクチャ又はアドホックWLANクレデンシャル情報を供給するステップは、
− 前記WLANコンフィギュレータデバイスが、前記メッシュWLAN ESSの全てのメッシュWLANデバイスのためのブロードキャストアドレスである宛先アドレスで、前記メッシュWLAN ESSにルート要求コマンドを送信するステップと、
− ルート応答メッセージを受信し、前記WLAN ESS内の全ての応答メッシュWLANデバイスのリストを維持するステップと、
− 前記インフラストラクチャ又はアドホックWLANクレデンシャル情報を供給するために前記WLAN ESS内の各ノードとユニキャスト通信を用いて直接通信するステップとを有する。
このようにして、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、前記メッシュWLAN ESS内の前記メッシュWLANデバイスの各々に、ユニキャスト通信で前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を直接供給することができる。他の実施例は、ユニキャスト通信の代わりにマルチキャスト通信を用いる。
本発明の第10の態様によれば、コンピュータ若しくはプロセッサにおいて実行するときに、又はコンピュータ若しくはプロセッサにロードされるときに、前記コンピュータ又はプロセッサに本発明の第9の態様又はその実施例のうちの1つの方法を実施させる実行コードを有するコンピュータプログラムが提供される。
請求項1においても規定されているような本発明の第1の態様のメッシュWLANコントローラ、本発明の第2の態様のWLANデバイス、本発明の第3の態様のメッシュWLAN BSS、本発明の第4の態様のメッシュWLAN拡張サービスセット、本発明の第5の態様のインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイス、本発明の第6の態様のWLAN構成、本発明の第7の態様の方法、本発明の第8の態様のコンピュータプログラム、本発明の第9の態様の方法、及び本発明の第10の態様のコンピュータプログラムは、特に、従属請求項において規定されているような、同様の及び/又は同一の好ましい実施例を有することは理解されるだろう。
本発明の好ましい実施例は、従属請求項又は上記の実施例と、各々の独立請求項の如何なる組み合わせでもあり得ることは理解されるだろう。
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載する実施形態を参照して明らかになるであろう。
図1は、メッシュWLANコントローラ100の実施例のブロック図である。メッシュWLANコントローラが概略的に示されている。図1のブロック図は、メッシュWLANコントローラの動作を理解するために必要な部分に的を絞っている。具体的には、ベースバンド動作に関連するユニットしか示されていない。本明細書の複雑さを軽減するために、メッシュWLANコントローラ100に組み込まれてもよいWLANデバイスの無線周波数(RF)動作の制御に関連するユニットは省略されている。
メッシュWLANコントローラ100は、ベースバンド制御及びペイロード情報を受ける及び供給するWLAN制御インターフェース102を有する。動作制御ユニット104は、メッシュWLANコントローラの動作モードをメッシュソフトアクセスポイント(ソフトAP)モード又はメッシュクライアントモードに切り替えるのに役立つ。メッシュソフトアクセスポイントモードで動作させるためには、動作制御ユニット104によってメッシュソフトAP制御ユニット106がアクティブにされる。メッシュクライアントモードで動作させるためには、動作制御ユニット104によってメッシュクライアント制御ユニット108がアクティブにされる。
メッシュネットワーク管理ユニット110は、メッシュクライアント制御ユニット108によってアクティブにされることができ、メッシュクライアントモードで動作するとき、少なくとも1つのメッシュWLAN BSSを検出するためのメッシュネットワークスキャンを開始及び制御するよう構成される。メッシュネットワークスキャンを実施するためには、WLAN規格に従う対応する信号方式が実施されなければならない。具体的には、動作制御ユニット104は、メッシュネットワークスキャンのパフォーマンスを制御するために、最初の電源投入時にメッシュクライアント制御ユニット108をアクティブにする。
メッシュネットワークスキャンは、メッシュWLANコントローラ100を埋め込んでいるWLANデバイスの環境において既存のメッシュWLAN BSSを検出するのに役立つ。如何なるメッシュWLAN BSSも、メッシュWLANコントローラによってメッシュソフトアクセスポイントモードで動作される各々のWLANデバイスによって表される。メッシュWLAN BSSを他のタイプのWLAN BSSと区別するために、メッシュWLAN BSSは、インフラストラクチャWLAN BSSのBSSIDと比較して変更されているメッシュBSS識別子(BSSID)によって識別される。具体的には、メッシュBSSIDは、ユニークなネットワーク識別子及びメッシュタイプ識別子を含むコードとして実施される。メッシュタイプ識別子は、インフラストラクチャWLAN BSSの一部ではなく、メッシュタイプ識別子は、BSSが、インフラストラクチャWLAN BSS又はアドホックWLAN独立BSS(IBSS)と区別される、具体的には、インフラストラクチャWLAN BSS又はアドホックWLAN独立BSS(IBSS)としては動作しないメッシュWLAN BSSであるという情報を供給する。
或る特定の形態においては、メッシュBSSIDは、それをインフラストラクチャWLAN BSSと区別するためにフラグが立てられる。例えば、BSSIDの第1バイトの第2最小ビットが1に設定される。この設定は、このタイプのBSSIDを受信するWLANデバイスに対して特別な種類のBSSIDであることを示すだろう。当然、この特定のビットに対するビット値の割り当ては、別の実施例においては逆のやり方で規定され得る。既存のWLAN規格によれば、この特定のビットは、ローカルに管理されるMACアドレスのマークであるので、インフラストラクチャWLAN BSSによって用いられていない。前記ビットが1に設定されているときには、MACアドレスは、ローカルに設定されるユニークなMACアドレスに変更されていると認識される。従って、それは、通常のインフラストラクチャWLAN BSSのためには用いられない。
6オクテットを有する本実施例による例示的なメッシュBSSIDが、下で表1においてバイナリネットワークオーダフォーマット(2行目)で示されている。換言すれば、オクテットの最下位ビットが左側に示されている。更に、表1の3行目においては、(通常の順序の)BSSIDの16進(Hex)表現が示されている。本例においては、メッシュBSSIDのオクテット0(0111 0101)である第1バイトの第2最小ビットが1に設定される。
メッシュBSSIDにおける他のビットは、電球、温度調節デバイスなどのようなWLANデバイスタイプを認識するために用いられることもできる。このようにして、同様のアプリケーションタイプのWLANデバイスのみが所与のメッシュWLAN BSSに選択的に参加することができる一方で、他のアプリケーションタイプのデバイスは、それに参加しないよう指示され得る。
メッシュクライアント制御ユニット108は、更に、少なくとも1つの、好ましくは、複数の検出されたメッシュWLAN BSSにメッシュクライアントアクセス要求を送信する際に、メッシュネットワークアクセス管理ユニット110の動作を制御するよう構成される。有利には、メッシュクライアントアクセス要求は、検出された全てのメッシュWLAN BSSに送信される。いずれかのメッシュWLAN BSSに対してメッシュクライアントアクセスが達成された場合には、メッシュネットワークアクセス管理ユニット110は、アクセスしたWLAN BSSに、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSSを示すメッシュクライアントアクセス情報を供給する。或る変形例においては、メッシュネットワークアクセス管理ユニット110は、いずれかの更なるメッシュWLAN BSSにアクセスを要求する前に、最初にアクセスされたメッシュWLAN BSSからの対応する命令を待つだろう。
好ましい実施例は、更に、動作のブリッジクライアントモードを供給する。メッシュブリッジクライアントモードで動作させるためのWLAN BSSからの受信指示は、メッシュクライアント制御ユニット108によって検出され、メッシュクライアント制御ユニット108をトリガして、更に、メッシュブリッジクライアント制御ユニット112をアクティブにさせる。メッシュブリッジクライアント制御ユニット112は、メッシュクライアントアクセスが達成されたメッシュWLAN BSSのいずれかからのメッシュWLANメッセージの受信を検出し、メッシュクライアントアクセスが達成されたメッシュWLAN BSSのその他のものの中でのこのような受信メッシュWLANメッセージの転送をトリガする。従って、異なるメッシュWLAN BSS間のメッセージ転送は、メッシュブリッジクライアントモードで動作するときにしか実施されない。それは、メッシュクライアントモードではイネーブルにされず、メッシュソフトアクセスポイントモードではイネーブルにされない。
或る随意の変形例においては、破線で示されているように、ランダム遅延コントローラ114が、付加的に設けられ、メッシュネットワークアクセス管理ユニット110に接続される。ランダム遅延コントローラ114は、最初の電源投入時のメッシュネットワークアクセス管理ユニット110によるメッシュWLAN BSSへのメッシュクライアントアクセス要求の送信又はメッシュWLANネットワークスキャンのトリガをランダムな遅延期間だけ遅延させる役割を果たす。メッシュWLAN BSSのメッシュクライアント又はソフトAPを形成する多くのWLANデバイスを備えるメッシュWLAN設備においては、これは、WLANデバイスの全てが同時に電源を投入される場合であっても、異なる非プロビジョニングWLANデバイスは、異なる時点にメッシュソフトアクセスポイントモードをアクティブにするだろうことを達成する。より少ないWLAN装置によるメッシュネットワーク化に適する他の変形例においては、ランダム遅延コントローラ114は、存在しない、又は非アクティブにされる。
他方、検出されたメッシュWLAN BSSのいずれとのやり取りにおいてもメッシュクライアントアクセスが達成されない場合には、メッシュクライアント制御ユニット108は、この情報を動作制御ユニット104に供給する。動作制御ユニット104は、この情報の受信に応じて、メッシュソフトアクセスポイントモードでの動作に切り替わる、即ち、メッシュクライアント制御ユニット108を非アクティブにし、メッシュソフトAP制御ユニット106をアクティブにするよう構成される。
更に、メッシュソフトアクセスポイントモードで動作する場合、メッシュソフトAP制御ユニット106は、上記のように、メッシュWLANコントローラを保持するWLANデバイスをメッシュWLAN BSSのメッシュソフトアクセスポイントとして識別することを可能にするユニークなBSS識別子を決定し、供給するよう、ネットワークアクセス管理ユニット110に指示する。
ソフトアクセスポイントモードで動作する際に外部メッシュWLANデバイスからのメッシュクライアントアクセス要求を受信すると、ネットワークアクセス管理ユニット110は、既に所定の最大数の外部メッシュWLANデバイスがメッシュWLAN BSSにアクセスしていない限り、外部メッシュWLANデバイスがメッシュWLAN BSSにアクセスすることを許可するだろう。
更に、ネットワークアクセス管理ユニット110は、外部メッシュWLAN装置が、対象メッシュWLAN BSSだけでなく、多くの他の外部メッシュWLAN BSSにもメッシュクライアントアクセスできることを決定することを可能にする情報をWLANメッセージを介して受信すると、メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう外部メッシュWLANデバイスに指示する。メッシュブリッジクライアントモードで動作するWLANデバイスは、異なるメッシュWLAN BSS間でパケットを転送することができる。
或る変形例においては、ネットワークアクセス管理ユニットは、選択された外部メッシュWLANデバイスにしか、メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう指示しない。このようにして、ソフトAPは、他のメッシュWLAN BSSと相互接続するのに最適な構成を選択することができ、従って、信号量を減らすことができる。例えば、1つのメッシュWLAN BSSがとることができる最大形成時間である期間Tsettle後、ソフトアクセスポイントモードで動作するWLANデバイスは、その関連するクライアントWLANの各々からスキャンされたメッシュWLAN BSSIDを読み戻すだろう。ソフトAPデバイスは、メッシュブリッジクライアントモードで(即ち、メッシュブリッジWLANデバイスとして)動作させるためにこれらのクライアントWLANデバイスの幾つかを選択して、これらのメッシュブリッジWLANデバイスが、近くのメッシュWLAN BSSに接続することができるようにするだろう。或る例においては、メッシュブリッジクライアントモードでの動作に適切である検出される他のWLAN BSSの所定の最小数が存在する。
別の変形例においては、ソフトアクセスポイントモードで動作するメッシュWLANコントローラ(従って、メッシュWLAN BSSのソフトAP)のネットワークアクセス管理ユニットは、選択されたものだけでなく、他のメッシュWLAN BSSを見ることができる全てのメッシュクライアントに、メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう指示する。
別の変形例においては、メッシュWLANコントローラは、メッシュブリッジクライアントモードで動作する際、例えば周期的なスリープ/ウェイクアップスキームに従う、省電力モードに切り替わるよう構成される。これは、関連するWLAN BSSに知らされ、関連するソフトAPデバイスは、ブリッジデバイスに指定された全てのメッセージをバッファするだろう。
メッシュWLANコントローラは、既知のWLANコントローラを用いて、特に、上記の特別なメッシュBSSIDに関して、及びBSS間通信を含むメッシュブリッジクライアントモードでの動作に関して機能を変更して、実施され得る。
従って、より多くのWLANデバイスを有するWLAN構成におけるメッシュWLANコントローラ100の動作に基づいて、全てのWLANデバイスの電源投入後或る特定の期間内に多くのメッシュWLAN BSSが作成されるだろう。これは、以下で図2を更に参照して更に説明及び解説される。
図2は、3つのメッシュWLAN BSS202、204、206を含むメッシュWLAN ESS200の実施例の概略図である。メッシュWLAN BSSの各々の空間的範囲は、各々の閉じた点線の形で示されており、メッシュWLAN BSS202乃至206の各々は、円として示されている複数のWLANデバイスを有する。これらのWLANデバイスの各々は、図1の実施例によるメッシュWLANコントローラ100(図示せず)を有する。どのメッシュWLAN BSSにも、メッシュソフトアクセスポイントを形成する、即ち、ソフトアクセスポイントモードで動作するメッシュWLANコントローラを有する、各々、202.1、204.1、206.1と表記されているWLANデバイスがまさに存在する。メッシュソフトアクセスポイント202.1、204.1、206.1は、図2においては、左下から右上に向かうハッチングパターンによって示されている。メッシュWLAN BSSの重複部分を作成するWLANデバイスは、例えばWLANデバイス208のようなメッシュブリッジクライアントモードで動作するWLANデバイスである。メッシュブリッジクライアントモードで動作するこのようなWLANデバイスは、左上から右下に向かう太いハッチングパターンによって示されている。1つの関連するメッシュWLAN BSSにしか関連づけられない他のWLANデバイスは、メッシュクライアントモードで動作しており、図2においては、ハッチングのない円によって示されている。このタイプの例示的なWLAN装置が、参照符号210によって示されている。
ESS200を形成するメッシュWLAN BSS202乃至206の全てが、同じサービスセット識別子(SSID)を有するが、BSSIDは異なり、BSSIDは、全て、図1との関連において説明したように、メッシュWLAN BSSタイプとしての識別のための印がついている。メッシュWLAN BSSの各々が、異なるWLANチャネルを用いてもよい。1つのメッシュWLAN BSS内には所与の数のWLANデバイスによって、異なるWLANチャネルが用いられることで、既存のWLAN帯域幅が効率的に用いられる。前記所与の数は、所定の最大数によって与えられる範囲内でなければならない。これと比較して、全てのデバイスが、同じチャネルを用いている又は1つのネットワークにしか参加していない場合には、通常の通信のために使用可能な伝送容量がすぐにいっぱいになるだろう。
既存の標準的なWLANデータパケットフォーマットに修正を加えてESS200においてメッセージをブロードキャストするためにフラッディング・アルゴリズムが用いられる。所与のメッシュWLAN BSS内の全てのWLANデバイスが、受信したパケットを一度再ブロードキャストするだろう。どのメッシュブリッジクライアントデバイスも、このようなブロードキャストされたパケットが受信される場合には、パケットを他の全ての関連するメッシュWLAN BSSに再ブロードキャストするだろう。メッシュブリッジクライアントによって異なるメッシュWLAN BSSへの再ブロードキャストが実施される場合、メッシュブリッジクライアントは、同じBSS内のその他のWLANデバイスからの更なるブロードキャストがあるかどうか確かめるために或る期間の間リッスンするだろう。全くない場合には、メッシュブリッジクライアントは、必ず干渉の抑制に努めるよう数回再ブロードキャストしようとするだろう。
具体的には、ESS200においてブロードキャストされる全てのこのようなWLANメッセージに、BSSID内の特別なビットで印がつけられる。BSSIDは、標準的なインフラストラクチャWLANデータパケット内のフィールドである。アクセスポイントに送信される標準的なWLANフレームのフォーマットの例を、下で表2において示す。
従って、上の表1及び表2、並びに下の表3を参照すると、フレームの第3フィールド内のBSSIDの第1オクテットの第1最小ビットが、BSS間で転送されことを目的とするデータパケットをWLANデバイスに示すものである。ブロードキャストパケットは、第1メッシュBSSIDバイトの第1最小ビットを1に設定することにより、標準的なWLANデータパケット内のメッシュBSSIDに印をつけることによって、構成される。表2は、ESS内のブロードキャスト送信用にパックされたデータのペイロードフィールドを示している。
従って、表3のフィールドは、表2において示されているフレームフォーマットのフィールド7「ペイロード」において見つけられる。
従って、この特別なペイロード定義は、ブロードキャストアルゴリズムを容易にするために、標準的なWLANデータパケットにおいて用いられる。このようにして、このパケットを受信したどのデバイスも、異なる扱いを受けるだろう。特に、パケットをメッシュWLAN BSSに送信するためには標準的なWLANブロードキャストプロセスが用いられるが、所与のWLAN BSS内のWLANデバイスによって受信される各パケットは、フラッディングによって再ブロードキャストされるだろう。
i. このパケットは追跡されるだろう。前記パケットが新しいパケットである場合には、前記パケットは、半径が1だけ減算された後にゼロではない場合に、再ブロードキャストされるだろう。
ii. メッシュBSSIDフィールドは、現在参加されているメッシュWLAN BSSからのものである所与のWLANデバイスによって置き換えられるだろう。従って、異なるBSSIDがこのフィールドに現れ得る。ブリッジノードがブロードキャストパケットを転送するとき、新しいBSSIDがこのフィールドに現れ得る。標準的なWLANパケット処理は、このフィールドを無視するだろう。
フラッディングをベースにしたルート発見アルゴリズムは、任意のソースノードからの軽量ネットワークにおいて任意の宛先ノードを見つけるために使用いられる。下の表4において規定されているように、ルート発見アルゴリズムを手助けするために特別なペイロードが用いられる。表4は、ルート発見パケットのペイロードフィールドを示している。
各WLANデバイスは、元の送信デバイスのアドレス、及びパケットを転送したアドレスを記憶し、ルーティングテーブルエントリが作成され、送信デバイスは、ターゲットを形成し、転送デバイスは、次のホップを形成する。ブロードキャストが終了した後、宛先デバイス又は各デバイスは、応答パケットが配信ルートを通るように、元の送信デバイスに応答を送信し、各デバイスは、応答デバイス及び転送デバイスをルーティングテーブルに記録し、故に、逆ルートが作成される。
これに関連して、メッシュWLAN ESSにおいて配信ルートを作成することによって、ユニキャストメッセージ配信が達成され得る。この目的のために上記のルート発見アルゴリズムが用いられてもよく、これは、メッシュWLAN ESS内の各ノードにルート要求コマンドを送信するために、上記のブロードキャストアルゴリズムを用いる。ルート要求パケットは、表4において示されているように構成され、ルート要求パケットのターゲットデバイスアドレスフィールドは、ルート要求がどの宛先WLANデバイスを発見するために用いられるかを指定するために用いられる。ルート要求パケットは、メッシュWLAN ESS内の(本明細書ではノードとも呼ばれる)全てのWLANデバイスが同じペイロードコンテンツを受信するように、ブロードキャストパケットと同様に送信される。ルート要求パケットを受信した各ノードは、ターゲットデバイスが、ユニキャストメッセージを配信するよう要求されたら、ネクストホップアドレスが、転送のために用いられるように、送信元WLANデバイスをターゲットとして備え、このパケットを転送したWLANデバイスをネクストホップアドレスとして備える1つのエントリをルーティングテーブルに記録するだろう。従って、メッシュWLAN ESS内の或るWLANデバイスから別のWLANデバイスへの配信ルートが作成されると、ユニキャストメッセージは、全ての転送ノードによって経路に沿って送られ得る。
ユニキャストメッセージ又はコマンドは、宛先WLANデバイスからの応答を要求することができる。或る実施例においては、送信元WLANデバイスによって所定のタイムアウト期間で応答が受信されない場合には、ユニキャストメッセージ又はコマンドは失われたとみなされる。この場合には、配信経路は、損傷を受けていると推定され、送信元WLANデバイスは、宛先WLANデバイスを見つけ、宛先WLANから応答を受信するために新しいルート要求を発行する。
前記プロセスの過程で所与のWLAN装置によって複数のルート要求パケットが受信される場合には、より良い配信ルートを作成され得るように、最も高い受信信号強度を持つルート要求パケットが、ルーティングテーブルに更新されるだろう。
ルート要求ブロードキャストが終了した後、WLANデバイスアドレスは、ターゲットアドレスフィールド内の宛先WLANデバイスアドレスと一致し、このWLANデバイスは、応答として送信元WLANデバイスにユニキャストメッセージを配信するだろう。また、配信中、配信経路中の全てのノードによって逆ルートが記録され、即ち、経路中の各ノードは、宛先アドレスをターゲットとして備え、このパケットを転送したデバイスをネクストホップとして備える1つのエントリをルーティングテーブルに記録するだろう。
このプロセスに基づいて、ターゲットアドレスフィールド内の宛先WLANデバイスアドレスとしてマルチキャストアドレスを用いることによって、マルチキャスト送信も達成され得る。その場合、全ての逆方向配信経路が確立され得るように、マルチキャストアドレスと一致するメッシュWLAN ESS内の全てのノードが、送信元WLANデバイスに応答を送信するだろう。マルチキャストアドレスは、特別なタイプのWLANデバイス、例えば、全てのメッシュソフトアクセスポイントデバイス、全てのメッシュWLANクライアントデバイス、又は全てのメッシュブリッジクライアントデバイスを指定するために用いられ得る。
軽量メッシュネットワークが、ブロードキャスト及びユニキャストメッセージを受け付けることができるようになると、メッシュWLAN ESS内のどのWLANデバイスも、メッシュWLAN ESS内のその他のWLANデバイスと通信することができる。上記のブロードキャストアルゴリズム及びルート発見アルゴリズムを用いると、メッシュWLAN ESS内の任意のWLANデバイスに、メッセージをメッシュWLAN ESS内の全てのWLANデバイスに送信するすることを、又は送信元WLANデバイスとして、メッセージをメッシュWLAN ESS内のその他のWLANデバイスに送信するすることを、指示することができ、メッシュWLAN ESS内の所与の宛先WLANデバイスは、送信元WLANデバイスにメッセージを送信することによって応答することができる。
セルとも呼ばれ得る各メッシュWLAN BSSは、ソフトアクセスポイントモードで動作し、従って、メッシュソフトAPデバイスを形成する1つのWLANデバイスと、メッシュクライアントモードで動作する複数のメッシュクライアントWLANデバイスとで、スター型ネットワークを形成する。メッシュブリッジクライアントモードは、一緒にメッシュWLAN ESSを構成する異なるメッシュWLAN BSS間の通信を確保するために用いられる。従って、WLAN BSSセルは、メッシュWLAN ESSを形成するよう相互接続されているとみなされ得る。
このようにして、全ての最初はプロビジョニングされていないWLANデバイスによって、「巨大な」メッシュWLAN ESSが自動的に形成され得る。これは、このメッシュWLAN ESSに数百の又は数千ものWLANデバイスが参加することを可能にする。このような大きな数の例は、例えば1つのビルのフロアにおいて数百の照明器具を一度に試運転することが達成されるプロ用照明アプリケーションによって形成される。メッシュWLAN ESSは、使用可能な帯域幅を大幅には減らさず、通信のために十分な帯域幅を維持する。
メッシュWLAN ESSは、例えば、インフラストラクチャWLANネットワーク構成パラメータをネットワークに渡すための、一時的な使用に特に適している。従って、パフォーマンス又は信頼性は主な関心事ではない。その代わりに、既存のWLANプラットフォームでの容易な実施、及び既存のWLAN機能の再利用が達成される。例えば、メッシュWLAN ESSにおける通信のために用いられるプロトコルは、既存のWLANの標準的なプロトコルをわずかに変更することによって、又は変更が、既存のWLANコントローラ機能の安定性を大幅には変えず、既存のWLANコントローラを変更する複雑さも大幅には増加させないように、ピギーバックすることによって、実施され得る。それ故、標準的なWLANネットワークは、メッシュWLANパケットの機能を処理せず、他のWLAN機能は、このようなメッシュのWLANパケットによって影響を及ぼされない。他方で、メッシュWLAN ESSは、メッシュWLANネットワークパケットの機能と一般的なWLAN機能との両方を処理することができる。
図3は、メッシュWLANコントローラの他の実施例のブロック図を示している。メッシュWLANコントローラ300は、多くの特徴において、図1のメッシュWLANコントローラ100に似ている。その限りにおいて、図3においては図1と同じ参照符号が用いられており、上述した図1の説明に対する参照がなされる。
メッシュWLANコントローラ300のベースバンド制御及びペイロード情報を受ける及び供給するためのWLAN制御インターフェース302は、図1と関連して記載したWLAN制御インターフェース102の機能に加えて、メッシュWLAN制御機能間、特に、動作制御ユニット104と統合インフラストラクチャWLANコントローラユニット304との間で制御通信をやりとりするための有線制御インターフェースを形成する。具体的には、メッシュWLANコントローラ300の動作制御ユニット104は、更に、受信したメッシュWLANメッセージにおいて、インフラストラクチャWLAN BSSに関するインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を検出し、受信したインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、インフラストラクチャWLANコントローラユニット304への出力として、WLAN制御インターフェース302を介して供給するよう構成される。有利には、メッシュWLAN機能は、その後、非アクティブモードに切り替えられる。
メッシュネットワーク管理ユニット310は、図1と関連して記載したメッシュネットワーク管理ユニット110の機能に加えて、インフラストラクチャWLANコントローラユニット304による制御下で動作するときに、OSI標準モデルのレイヤ2及び3において標準的なインフラストラクチャWLANネットワーク化機能を実施するよう構成される。
統合インフラストラクチャWLANコントローラユニット304は、或る変形例においては、最初の電源投入時に非アクティブモードに留まるよう構成される。更に、インフラストラクチャWLANコントローラユニット304は、制御インターフェースを介してメッシュWLANコントローラからインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信すると、インフラストラクチャWLAN BSSに対するインフラストラクチャWLANステーションとしての許可を得るためのWLANデバイスのインフラストラクチャWLAN BSSとのインフラストラクチャWLAN通信を制御するインフラストラクチャステーションモードで動作するよう構成される。
WLANコントローラ300は、単一の集積電子部品として有利に実施され得る。特に、メッシュWLANコントローラ機能は、既存の標準的なWLANコントローラアーキテクチャに対するアドオンとして、例えば、標準的なWLANコントローラアーキテクチャを実施する既存のソフトウェアコードにおける付加的なソフトウェアコードレイヤとして実施され得る。
図4は、ヘッドレスWLANデバイスの実施例としてWLAN照明デバイス400を示している。WLAN照明デバイス400は、図3のメッシュWLANコントローラ300又は図1のメッシュWLANコントローラ100のようなメッシュWLANコントローラと、アンテナ404を含むWLAN動作のために必要とされる付加的なRFコンポーネントとを備える統合WLANコンポーネント402を組み込むことによって形成され得る多くのあり得るWLANアプリケーションデバイスのうちの1つのみを示す非限定的な例を形成している。
図5は、インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイス502と、インフラストラクチャWLANアクセスポイント510と、複数のWLAN照明デバイス400によって形成されるメッシュWLAN ESS512とを有するWLAN構成500の実施例を示している。
インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイス502は、図3のメッシュWLANコントローラ300のようなメッシュWLANコントローラ(図示せず)を備える統合WLANコンポーネント504と、インフラストラクチャWLANアクセスポイント510を含むインフラストラクチャWLAN BSSのインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、本例においては手動ユーザ入力によって、受け取る構成インターフェースの例を形成するグラフィカルユーザインターフェース508とを有する。手動ユーザ入力の代わりに、無線通信インターフェースなどの別の構成インターフェースが、インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受け取るために用いられ得る。構成インターフェースは、受け取ったインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報をメッシュWLANコントローラに供給する。メッシュWLANコントローラは、構成インターフェースからインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信し、受信したインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、少なくとも1つのメッシュWLANメッセージの形態で、WLANコンフィギュレータデバイス500によってメッシュクライアントアクセスが達成されているメッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つのメッシュWLAN BSS内に転送する。受信したインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報の更なる配信は、本明細書に記載されているブロードキャスト又はユニキャストWLANメッセージによって達成されることができ、WLANコンフィギュレータデバイス500からメッシュWLAN ESS内のWLANデバイスに送信され得る。
次に、図6を参照する。図6は、メッシュWLANコントローラを動作させるための方法600のフローチャートである。前記方法は、メッシュWLANコントローラをメッシュソフトアクセスポイントモード又はメッシュクライアントモードのいずれかで動作させること(ステップ602)を含む。メッシュクライアントモードで動作させるときには、前記方法は、少なくとも1つのメッシュWLAN BSSを検出するために、最初の電源投入時にメッシュネットワークスキャンを実施すること(ステップ604)が続く。前記方法は、ステップ606において、検出されたメッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つにメッシュクライアントアクセス要求を送信し、メッシュクライアントアクセスが達成されたと決定される(ステップ608)場合には、アクセスしたWLAN BSSに、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSSを示すメッシュクライアントアクセス情報を供給すること(ステップ610)が続く。
検出されたメッシュWLAN BSSのいずれとのやりとりにおいてもメッシュクライアントアクセスが達成されない場合には、前記方法は、ステップ608から、メッシュソフトアクセスポイントモードで動作させるよう切り替え(ステップ612)、メッシュブリッジクライアントモードで動作させるよう指示を受信すると(ステップ614)、メッシュブリッジクライアントモードに切り替え(ステップ616)、メッシュクライアントアクセスが達成されたメッシュWLAN BSSのいずれかからのメッシュWLANメッセージを検出する(ステップ618)よう分岐する。更に、前記方法は、受信したメッシュWLANメッセージを、メッシュクライアントアクセスが達成されたメッシュWLAN BSSのうちのその他のメッシュWLAN BSS内に転送すること(ステップ620)を含む。
オプションとして、メッシュクライアントWLANモードで動作している間にメッシュWLAN BSSとの接続が失われたことを検出するときには、メッシュWLANコントローラによって更に自己回復方法を実施され得る。このような接続の喪失は、メッシュWLAN BSSを形成するためのメッシュソフトアクセスポイントで動作しているWLANデバイスが、例えばデバイスの故障又はエネルギ損失のために、オフに切り替えられる場合に、発生し得る。このインシデントは、メッシュソフトアクセスポイントからのビーコンの喪失によって検出可能である。この場合には、クライアントデバイスが実施するだろうメッシュWLANコントローラが、ステップ604から、別のメッシュWLAN BSSに参加すること、又は新しいWLAN BSSを作成することのいずれかを開始する。
メッシュブリッジデバイスがオフに切り替えられる場合には、自己回復方法に従って、ソフトアクセスポイントモードで動作しているWLANデバイスが、応答に長すぎる時間を検出し、メッシュブリッジクライアントデバイスが失われたと推定する。
次いで、メッシュソフトアクセスポイントの役割を果たすWLANデバイスが、所与のWLAN BSS内で新しいメッシュブリッジクライアントを選択する。
メッシュソフトアクセスポイント又はメッシュブリッジクライアントデバイスにおけるこのような変更は、ブロードキャストメッセージによってメッシュWLAN ESSに通知される。メッシュWLAN ESS内のいずれかのWLANデバイスが、変更に関連するアドレスが一致するルーティングテーブルエントリを有する場合には、ルーティングテーブルエントリはルーティングテーブルから取り除かれるだろう。
図7は、特にWLANプロビジョニングに関連して、図5のWLAN構成のようなWLAN構成を動作させるための方法700の実施例のフローチャートである。従って、同時に図5及び7に対する参照がなされる。
WLAN照明デバイス400に対するWLANプロビジョニングのためのWLAN構成の動作においては、最初の電源投入のために電源(図示せず)によってWLAN照明デバイスに電力が供給される(ステップ702)。その後、WLAN照明デバイスは、上述のようにメッシュWLAN ESSを形成するよう動作する(ステップ704)。WLANコンフィギュレータデバイス502は、ユーザ入力によってインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受け取り(ステップ706)、メッシュWLAN ESS512内の少なくとも1つのメッシュWLAN BSSを検出する(ステップ710)ためにメッシュネットワークスキャンを実施する(ステップ708)。次いで、WLANコンフィギュレータデバイスは、検出されたメッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つにメッシュクライアントアクセス要求を送信し(ステップ712)、メッシュクライアントアクセスが達成されたときには(ステップ714)、受け取ったインフラストラクチャWLANクレデンシャルを、少なくとも1つのメッシュWLANメッセージの形態で、メッシュクライアントアクセスが達成されたメッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つのメッシュWLANデバイスに供給する(ステップ716)。
より具体的には、ステップ716は、メッシュWLAN ESS512内の全てのWLANデバイスにインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を供給するために、WLANコンフィギュレータデバイスが、メッシュWLAN ESS512の全てのノードのためのブロードキャストアドレスとして埋められる宛先アドレスで、メッシュWLAN ESS512にルート要求コマンドを送信することを含む。図2に関連して前述したように、WLAN ESS512の全てのノードが見つけられ、WLANコンフィギュレータデバイスとWLAN ESS512の全てのWLANデバイスとの間の双方向通信のためのルーティングパスが確立されるだろう。WLANコンフィギュレータデバイスは、次いで、ルート応答からWLAN ESS512内の全てのノードのリストを知り、インフラストラクチャWLANプロビジョニングのためのインフラストラクチャWLANクレデンシャルを渡すためにネットワーク内の各ノードと直接通信する。従って、コンフィギュレータデバイスは、ユーザの介入なしに、自動的に、メッシュWLAN ESS512の見つかったWLANデバイスの各々に、インフラストラクチャWLANクレデンシャルを渡すことができる。
その後、メッシュWLAN ESS512のWLAN照明デバイス400は、インフラストラクチャWLANモードで動作し(ステップ718)、インフラストラクチャWLANアクセスポイント510のインフラストラクチャWLAN BSSへのアクセスを取得する(ステップ720)よう切り替わるだろう。全てのメッシュWLANデバイスがプロビジョニングされた後には、メッシュWLAN ESS512は閉じられ、全てのメッシュWLANデバイスが、ターゲットインフラストラクチャ又はアドホックWLANネットワークに参加し、標準的なインフラストラクチャ又はアドホックWLAN要件に従って正常に機能するだろう。
インフラストラクチャWLANモードでは、単一のWLANアクセスポイント510が、照明デバイス400によって形成される全ての関連ステーション(STA)と共に、インフラストラクチャWLAN BSSを形成する。従って、WLANアクセスポイント510は、そのBSS内のWLANデバイス400を制御するマスタを形成する。BSSは、802.11のWLANの基本的構成単位を形成する。アクセスポイントは、そのBSS内のWLANデバイスを制御するマスタを形成する。
要約すると、WLANプロビジョニング方法は、メッシュベースWLANプロビジョニング方法を形成することによって可能になる。メッシュWLAN ESSは、複数のチャネルを占有し得るが、全てが同じSSIDを用いている複数のWLAN BSSが相互接続された標準的なWLAN ESSネットワークのように機能する。それ故、標準的なWLANクライアントデバイスには、この軽量メッシュネットワークは、標準的なWLANネットワークのように見える。全てのメッシュ機能が、軽量メッシュネットワークによって透過的に処理される。WLANコンフィギュレータデバイスは、新しく作成された軽量メッシュWLAN ESSに接続し、メッシュWLAN ESS内の全てのWLANデバイスと通信することができるようになるだろう。それは、未知のWLANデバイスをフィルタにかけて除外することができる。ソフトAPプロビジョニングプロシージャは、メッシュWLAN ESS内のWLANデバイスの各々に適用され得る。前記プロセスは、1つ1つのWLANデバイスにとって自動的なものであり得る、又はバッチWLANプロビジョニング方法として実施され得る。メッシュWLAN ESS内通信のため、既存のWLANデータパケットフォーマットに修正を加えてESSにおいてメッセージをブロードキャストするためにフラッディングベースアルゴリズムが用いられる。具体的には、前記メッセージには、BSSID内の特別なビットで印がつけられ、ここで、BSSIDの第1バイトの第1最小ビットは、データパケットがメッシュWLAN BSS間で転送されることを目的としていることを示す。ブロードキャストアルゴリズムを容易にするために、標準的なWLANデータパケットにおいて特別なペイロードが用いられる。或るメッシュWLAN BSS内の全てのデバイスが、受信したパケットを一度再ブロードキャストするだろう。ブリッジデバイスは、このようなブロードキャストされた或るパケットが受信される場合に、前記パケットを他の全てのメッシュWLAN BSSに再ブロードキャストするだろう。
フラッディングベースルート発見アルゴリズムは、任意のソースノードから軽量ネットワーク内の任意の宛先ノードを見つけるために用いられる。上記のブロードキャストパケットフォーマットは、メッシュWLAN ESS内の全てのWLANデバイスにデータパケットをブロードキャストするために用いられ、ルート発見アルゴリズムを手助けするために特別なペイロードが用いられる。各WLANデバイスは、最初に送信した(即ち、送信元)WLANデバイスのアドレス、及び前記パケットを転送したWLANデバイスのアドレスを記憶するだろう。前記送信したWLANデバイスがターゲットであり、前記転送したWLANデバイスがネクストホップであるルーティングテーブルエントリが作成される。ブロードキャストが終了した後、宛先WLANデバイス又は各WLANデバイスは、応答パケットが配信ルートを通るように、応答を送信元WLANデバイスに送信し、各WLANデバイスは、応答WLANデバイス及び転送WLANデバイスをルーティングテーブルに記録し、故に、逆ルートが作成される。
ブロードキャストアルゴリズム及びルート発見アルゴリズムでは、ネットワーク内の任意のノードに、メッセージを、送信元ノードとして、宛先ノードとしてのメッシュWLAN ESS内の全てのノードに送信する(ブロードキャストする)ことを、又はメッセージを、宛先ノードとしてのメッシュWLAN ESS内の特定のノードに送信する(ユニキャストする)ことを、又はメッセージを、宛先ノードとしてのメッシュWLAN ESS内の選択された数のノードに送信する(マルチキャストする)ことを指示することができ、ネットワーク内の宛先ノードのいずれかは送信元ノードにメッセージを返すことができる。
次いで、上記のようなインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、メッシュWLAN ESS内のWLAN BSSのうちの1つに接続することができ、次いで、インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、そのWLAN BSSを介して、ネットワーク内のデバイスのいずれかと双方向に通信することができる。メッシュWLANネットワーク化の概念は、本明細書において開示されている幾つかの実施例においては、標準的なWLANネットワークスタック又はアプリケーション、特に、ソフトアクセスポイントモードをアクティブにする時間オフセット、後に、特別メッシュWLAN BSSへの参加、ブロードキャストパケットの構築及び転送、ルート発見の構築、転送及び記録、並びにユニキャストパケットの送信が続くメッシュWLANネットワークスキャンに対する修正を含む。
従って、メッシュWLANコントローラは、メッシュソフトアクセスポイントモード及びメッシュクライアントモードで動作する。前記メッシュWLANコントローラは、メッシュクライアントモードで動作するときには、少なくとも1つのメッシュWLAN BSSを検出するために、メッシュネットワークスキャンを実施し、検出されたメッシュWLAN BSSにメッシュクライアントアクセス要求を送信し、メッシュクライアントアクセスが達成された場合には、アクセスしたWLAN BSSに、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSSを示すメッシュクライアントアクセス情報を供給し、検出されたメッシュWLAN BSSのいずれともメッシュクライアントアクセスが達成されない場合には、メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するよう切り替わる。メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう指示を受けると、コントローラは、メッシュクライアントアクセスしてメッシュWLAN BSSのいずれかからメッセージを検出し、受信したメッシュWLANメッセージを、メッシュクライアントアクセスが達成されたメッシュWLAN BSSのうちのその他の中の或る実施形例においては少なくとも1つのメッシュWLAN BSS内に転送する。
図面及び上記の説明において、本発明を詳細に図示及び説明しているが、このような図及び説明は、説明的なもの又は例示的なものとみなされるべきであって、限定するものとみなされるべきではない。本発明は、開示されている実施例に限定されない。請求項に記載の発明を実施する当業者は、図面、明細及び添付の請求項の研究から、開示されている実施例に対する他の変形を、理解し、達成し得る。
特に、本発明は、照明の用途に限定されない。
請求項において、「有する」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数の存在を除外しない。
単一のステップ又は他のユニットが、請求項において列挙されている幾つかのアイテムの機能を果たしてもよい。単に、特定の手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように用いられることができないことを示すものではない。
請求項における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。