実施の形態1.
コンテンツ再生装置の構成及び動作
図1は、実施の形態1に係るコンテンツ再生装置1の構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示される光ディスク150又は記録媒体160に記録されたコンテンツのディレクトリ・ファイル構造例を示す図である。
図3は、図2に示されるディレクトリ・ファイル構造例に対応するメディア管理情報180のデータ構成の一例を示す図である。
図4は、メディア管理情報180を管理するための世代管理情報181のデータ構成の一例を示す図である。
コンテンツ再生装置1は、リムーバブルメディアに記録されている映像音声コンテンツ(以下、「コンテンツ」とも称する。)を再生する。コンテンツ再生装置1に用いられるリムーバブルメディアは、CD、DVD、又はBD等の光ディスク150、及びUSBメモリ又はSDカード等の記録媒体160を含む。ただし、光ディスク150は、再生専用の光ディスクに限られず、例えば、書き込み可能な光ディスクであってもよい。コンテンツ再生装置1に用いられるリムーバブルメディアは、図2に示されるディレクトリ・ファイル構造を有する。
コンテンツ再生装置1は、第1不揮発性メモリ120と、第2不揮発性メモリ121と、読取部2と、管理部3とを有する。以下、第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121をまとめて、単に「不揮発性メモリ」と称する場合もある。
コンテンツ再生装置1は、さらに、データ復号部109と、グラフィック生成部110と、映像音声出力部111とを有する。
読取部2は、リムーバブルメディアが装着されるリムーバブルメディア読込部21を有する。リムーバブルメディア読込部21にリムーバブルメディアが装着されることにより、読取部2は、装着されたリムーバブルメディアを認識する。
具体的には、リムーバブルメディア読込部21は、光学メディア読込部101、及び外部メディア読込部102を有する。
光学メディア読込部101は、例えば、光ディスクドライブである。光学メディア読込部101には、光ディスク150が挿入される。
外部メディア読込部102は、例えば、USBポート、又はSDカードスロットである。外部メディア読込部102には、記録媒体160が挿入される。
読取部2は、リムーバブルメディア(例えば、光ディスク150又は記録媒体160)に記録されているコンテンツデータを読み出す。具体的には、読取部2は、データ読出部103を有し、データ読出部103は、光学メディア読込部101を介して光ディスク150からデータ(コンテンツデータ)を読み出す。また、データ読出部103は、外部メディア読込部102を介して記録媒体160からデータ(コンテンツデータ)を読み出す。
光学メディア読込部101は、光ディスク150が挿入されると、光ディスク150のディスク認識処理を実行する。光学メディア読込部101は、ディスク認識を完了すると、データ読出部103にディスク認識完了通知を送信する。
データ読出部103は、光学メディア読込部101からディスク認識完了通知を受信すると、光学メディア読込部101に挿入された光ディスク150のマウント処理を行う。マウント処理により、コンテンツ再生装置1が光ディスク150のディレクトリ及びファイルにアクセス可能な状態になり、光ディスク150に記録されたコンテンツデータの読み出しが可能になる。
同様に、外部メディア読込部102は、記録媒体160が挿入されると、記録媒体160の記録媒体認識処理を実行する。外部メディア読込部102は、記録媒体認識処理を完了すると、データ読出部103に記録媒体検知通知を送信する。
データ読出部103は、外部メディア読込部102から記録媒体検知通知を受信すると、外部メディア読込部102に挿入された記録媒体160のマウント処理を行う。マウント処理により、コンテンツ再生装置1が記録媒体160のディレクトリ及びファイルにアクセス可能な状態になり、記録媒体160に記録されたコンテンツデータの読み出しが可能になる。
データ読出部103は、リムーバブルメディア読込部21に装着されたリムーバブルメディア(光ディスク150又は記録媒体160)に記録されたデータの読み出しが可能な状態になると、管理部3からの指示に基づいて、リムーバブルメディアに記録されているコンテンツデータを読み出し、読み出されたコンテンツデータを管理部3へ送信する。また、データ読出部103は、リムーバブルメディア読込部21に装着されたリムーバブルメディアのファイル構造解析要求を、後述するファイル構造解析部104に送信する。
管理部3は、ファイル構造解析部104と、タグ情報解析部105と、リストデータベース管理部107と、メディア識別情報比較部108とを有する。
ファイル構造解析部104は、光ディスク150を対象とするファイル構造解析要求を受信した場合、光ディスク150のディレクトリ・ファイル構造を解析するために、データ読出部103及び光学メディア読込部101を経由して光ディスク150のコンテンツデータ(ファイルシステムデータ)を読み込み、ファイル構造を解析する(以下、「ファイル構造解析」と称する。)。
ファイル構造解析部104は、記録媒体160を対象とするファイル構造解析要求を受信した場合、記録媒体160のディレクトリ・ファイル構造を解析するために、データ読出部103及び外部メディア読込部102を経由して記録媒体160のコンテンツデータ(ファイルシステムデータ)を読み込み、ファイル構造解析を実行する。
ファイル構造解析部104は、光ディスク150又は記録媒体160に記録されたディレクトリ及びファイル(いずれも任意規定の上限数)の全てを解析するまでファイル構造解析を継続する。
ファイル構造解析部104は、ファイル構造解析を実行することにより、ファイル構造情報(ディレクトリ又はファイル)を取得すると、取得されたファイル構造情報をリストデータベース管理部107へ送信する。また、ファイル構造解析部104は、リストデータベース管理部107に、ディレクトリ又はファイルのエントリ登録要求を送信する。リストデータベース管理部107は、ファイル構造解析部104からエントリ登録要求を受信した場合、ファイル構造解析部104から受信したファイル構造情報等に基づいて、エントリ情報を生成し、生成されたエントリ情報をメディア管理データ130に登録し、コンテンツのリスト表示に用いられるデータとして管理する。
「エントリ情報」とは、メディア管理データ130及びメディア管理情報180に含まれる情報であり、図3に示されるディレクトリ・ファイル構成テーブル300に示される「エントリID」、「エントリ属性」、「ファイル属性」、「名称」、及び「上位エントリID」から構成される情報である。なお、エントリ情報は、ファイル構造解析部104によって取得されるファイル構造情報に含まれる情報である。
ファイル構造解析部104は、ファイル構造解析を終了した際、ファイル構造解析によって取得した情報に基づき、後述するメディア識別情報を生成し、リストデータベース管理部107に、ファイル構造解析完了通知を送信する。
リストデータベース管理部107は、ファイル構造解析部104からファイル構造解析完了通知を受信すると、ファイル構造解析部104から受信したファイル構造情報等に基づいて、世代エントリ情報を生成し、世代管理データ131に世代エントリ情報の登録を行う。世代管理データ131に世代エントリ情報が登録されることで一連のメディア認識処理が完了する。
「世代エントリ情報」とは、世代管理データ131及び世代管理情報181に含まれる情報であり、図4に示される世代管理テーブル400に示される「世代情報」、「メディア属性」、「メディア管理情報Name」、「メディア識別情報」、「メディア管理情報書込状態」、及び「タグ解析状態」から構成される情報である。図4に示される例では、世代管理情報181に含まれる世代エントリ情報の数は10である。
リストデータベース管理部107は、例えば、コンテンツ再生装置1が持つプログラム(制御プログラム)によって、メディア管理データ130を構造データとして、保持及び管理が可能であり、また、データベースライブラリ(例えば、SQLite等)を用いてメディア管理データ130を管理することもできる。リストデータベース管理部107により管理されるメディア管理データ130は、リムーバブルメディア読込部21に装着されている光ディスク150又は記録媒体160のコンテンツ内容(例えば、アーティスト名及び曲名等)を表示装置170にリスト表示するためのデータを管理する。リストデータベース管理部107は、RAM(Random Access Memory)を有し、このRAMにメディア管理データ130を一時的に記録することができる。
タグ情報解析部105は、リムーバブルメディア(例えば、光ディスク150又は記録媒体160)のタグ情報を取得するタグ情報解析(タグ解析)を実行する。具体的には、リストデータベース管理部107が、図4に示される世代管理テーブル400の「タグ解析状態」を参照し、タグ情報解析が未完了であると判断した場合に、タグ情報解析部105に、タグ情報解析要求を送信する。タグ情報解析部105は、タグ情報解析要求を受信すると、タグ情報解析を開始し、リムーバブルメディア(例えば、光ディスク150又は記録媒体160)のタグ情報解析が完了していないコンテンツデータを、データ読出部103を経由して読み出し、コンテンツデータに含まれるタグ情報を取得し、取得されたタグ情報をリストデータベース管理部107に送信する。また、タグ情報解析部105は、取得されたタグ情報を含むタグエントリ情報及びタグリンクエントリ情報のタグエントリ登録要求をリストデータベース管理部107に送信する。
「タグエントリ情報」とは、メディア管理データ130及びメディア管理情報180に含まれる情報であり、図3に示されるタグ情報テーブル310の「タグID」、「タグ属性」、及び「名称」から構成される情報である。なお、タグエントリ情報には、タグ情報(例えば、アーティスト名、アルバム名、曲名、及びジャンル等の情報)が含まれる。
「タグリンクエントリ情報」とは、メディア管理データ130及びメディア管理情報180に含まれる情報であり、図3に示されるタグリンク情報テーブル320の「リンクID」、「エントリID」、「Artist ID」、「Album ID」、「Song ID」、及び「Genre ID」から構成される情報である。
リストデータベース管理部107は、タグ情報解析部105から、タグエントリ登録要求を受信すると、メディア管理データ130にタグエントリ情報及びタグリンクエントリ情報を登録し、リスト表示に用いられるデータとして管理する。メディア管理データ130は、リムーバブルメディア(例えば、光ディスク150又は記録媒体160)に対応するデータである。具体的には、メディア管理データ130は、読取部2によってリムーバブルメディアから読み出されたコンテンツデータに含まれるタグ情報と、そのリムーバブルメディアに記録されているコンテンツデータのファイル構造情報とを含むデータである。
タグ情報解析部105は、タグ情報解析を完了すると、リストデータベース管理部107に、タグ情報解析完了通知を送信する。リストデータベース管理部107は、タグ情報解析部105から、タグ情報解析完了通知を受信すると、タグ情報解析部105によってメディア管理データ130に登録されたタグエントリ情報及びタグリンクエントリ情報に対応する世代エントリ情報の「タグ解析状態」を“完了”に更新する。
コンテンツ再生装置に用いられる書換型記録媒体として、フラッシュメモリの利用が増えてきている。組込み機器向けのフラッシュメモリとしては、eMMC(embedded MultiMediaCard:組込み型マルチメディアカード)デバイスが用いられている。eMMCは、PC(パーソナルコンピュータ)で利用されるSSD(Solid State Drive)と比べて転送速度は遅いが、消費電力が低く、小型であるために、例えば、車載環境で使用される機器に適している。
不揮発性メモリへの最大可能書き換え回数とは、不揮発性メモリの任意の記録領域に対してデータ書き換えが可能な回数であり、不揮発性メモリの仕様によるデータ書き換え回数又は実際に書き換え可能なデータ書き換え回数を示す。例えば、eMMCには、SLC(Single Level Cell)及びMLC(Multi Level Cell)等のタイプがある。例えば、民生品としてのeMMCデバイスは、最大可能書き換え回数が5万回程度であり、ハードディスクドライブ等に比べて最大可能書き換え回数が小さい。さらに、車載環境対応のeMMCデバイスの最大可能書き換え回数は、民生品としてのeMMCデバイスの最大可能書き換え回数よりもさらに小さい。また、不揮発性メモリの中には、任意の記録領域に対して任意のデータサイズを書込む際、未記録領域の書込み回数を平滑化するウェアレベリングが行われるものも存在する。例えば、不揮発性メモリの書き換え回数が1万回の場合に空き容量が100MBであるとき、書込みデータのデータ量を10MBとすると、10万回を最大可能書き換え回数と考えても良い。
eMMCには、データ書き込み時に書き換え回数を意識することなく、データ書き込みがされていないメモリブロックにデータを次々書き込む方式、又は書き換え回数を把握しながらできるだけ書き換えの少ないメモリブロックにデータを書き込む方式等の、ハードウェア的に書き換え回数を平滑化するウェアレベリングが採用されている。ただし、これらの技術は、データ空き領域がある場合に効果があるが、車載環境対応のデバイスの総記憶容量は、同価格帯の民生品のデバイスの総記憶容量に比べて少ないため、ウェアレベリングの効果が少ない場合がある。
第1不揮発性メモリ120は、例えば、eMMC(eMMCデバイス)である。第1不揮発性メモリ120へのメディア管理データ130(メディア管理情報180)の最大可能書き換え回数N1(N1>0)(書換回数限界)は、第2不揮発性メモリ121への世代管理データ131(世代管理情報181)の最大可能書き換え回数N2(N2>0)よりも小さい。本実施の形態では、第1不揮発性メモリ120の記憶容量は、第2不揮発性メモリ121の記憶容量よりも大きい。ただし、N1<N2の関係であれば、第1不揮発性メモリ120の記憶容量が、第2不揮発性メモリ121の記憶容量よりも小さくてもよい。
第1不揮発性メモリ120は、リストデータベース管理部107で管理するメディア管理データ130を保存することができる。具体的には、第1不揮発性メモリ120は、メディア管理データ130に対応するメディア管理情報180を保存する領域を有する。第1不揮発性メモリ120には、メディア管理情報180以外のデータが保存されてもよい。例えば、コンテンツ再生装置1が市販のBDコンテンツディスクを再生する機能を有する場合、第1不揮発性メモリ120は、BD規格で規定されるローカルストレージ領域として利用することもできる。
第2不揮発性メモリ121は、例えば、FRAM(登録商標)(Ferroelectric Random Access Memory:強誘電体メモリ)である。第2不揮発性メモリ121への世代管理データ131(世代管理情報181)の最大可能書き換え回数N2は、第1不揮発性メモリ120へのメディア管理データ130(メディア管理情報180)の最大可能書き換え回数N1よりも大きい。本実施の形態では、第2不揮発性メモリ121の記憶容量は、第1不揮発性メモリ120の記憶容量よりも少ない。
FRAM(登録商標)は、ROM(Read Only Memory)及びRAMの両方の性質を持ち、高速書き換え及び書き換え耐性を持つデバイスである。FRAM(登録商標)には、総記憶容量がキロバイト単位であるデバイスを用いることができる。
第2不揮発性メモリ121は、リストデータベース管理部107で管理される世代管理データ131に対応する世代管理情報181を保存することができる。具体的には、第2不揮発性メモリ121は、世代管理データ131に対応する世代管理情報181を保存する領域を有する。第2不揮発性メモリ121には、世代管理情報181以外のデータが保存されてもよい。例えば、第2不揮発性メモリ121には、コンテンツ再生装置1の表示言語設定等のプレーヤー設定情報及びコンテンツ再生時のレジューム情報等を保存することもできる。
管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)は、リムーバブルメディアの取り外し指示を受信した場合及び装置主電源(コンテンツ再生装置1の主電源)オフの指示を受信した場合のいずれかの場合に、メディア管理データ130又は世代管理データ131を含む情報であるリストデータベース情報を不揮発性メモリ(例えば、第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121)に書き込む処理を実行する。ただし、第2不揮発性メモリ121にデータを書き込む際に、第1不揮発性メモリ120には書き込み処理が行われない場合がある。
具体的には、リストデータベース管理部107は、光ディスク150若しくは記録媒体160がコンテンツ再生装置1から抜去される場合、又はコンテンツ再生装置1の電源(具体的には、主電源)がオフになる場合に、リストデータベース情報を不揮発性メモリ(例えば、第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121)に保存するリストデータベース情報保存要求を実行する。例えば、ユーザによるリモコン又は操作パネル等の操作によって、リストデータベース管理部107が光ディスク150若しくは記録媒体160の取り外し指示を受信した場合又はコンテンツ再生装置1の電源(具体的には、主電源)オフの指示を受信した場合に、リストデータベース情報保存要求を実行する。リストデータベース情報保存要求は、例えば、コンテンツ再生装置1に備えられた、CPU(中央演算処理装置)を持つコンピュータがプログラムを実行することにより実現されてもよい。
リストデータベース管理部107が、リストデータベース情報保存要求を実行すると、世代情報(世代情報データ)を含む世代管理データ131を世代管理情報181として、第2不揮発性メモリ121に書き込む。第2不揮発性メモリ121がファイルシステムを持つ場合、世代管理情報181は、世代管理情報ファイルとして保存される。第2不揮発性メモリ121としてFRAM(登録商標)デバイスが用いられる場合、総記憶容量が数百キロバイト程度であるため、メディア管理情報180は、コンテンツ再生装置1に備えられたCPUからメモリマップドI/Oによってアドレッシングされたアドレス空間で管理される。
また、管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)は、リムーバブルメディアに記録されているコンテンツデータのファイル構造情報とコンテンツデータに含まれるタグ情報とを含むメディア管理データ130をメディア管理情報180として、第1不揮発性メモリ120に書き込む。ただし、リストデータベース管理部107が保持しているメディア管理データ130が既に第1不揮発性メモリ120に保存されている場合は、第1不揮発性メモリ120への書き込みを行わなくてもよい。第1不揮発性メモリ120がファイルシステムを持つ場合、メディア管理情報180は、メディア管理情報ファイルとして保存される。メディア管理情報180は、コンテンツが記録された光ディスク150及び記録媒体160毎に管理されるため、第1不揮発性メモリ120がファイルシステムを持つ場合、メディア管理情報ファイルのファイル名をメディア識別情報に関連付けられた名称に設定して管理しても良い。
グラフィック生成部110は、コンテンツ再生装置1のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)表示のためのGUIデータを生成するブロックである。ユーザが、光ディスク150又は記録媒体160に記録されたコンテンツのリストを、表示装置170に表示させる場合、リモコン又は操作パネル等によってリスト表示要求をコンテンツ再生装置1に入力する。コンテンツ再生装置1がリスト表示要求を受け取ることにより、グラフィック生成部110は、リストデータベース管理部107からメディア管理データ130を読み出し、GUIデータを生成し、後述の映像音声出力部111に、生成されたGUIデータをGUI信号として送信する。
データ復号部109は、光ディスク150又は記録媒体160に記録されたコンテンツデータを、光学メディア読込部101、外部メディア読込部102、及びデータ読出部103を経由して読み出し、映像及び音声が圧縮されたデータを分離(DEMUX:デマルチプレクサ)し、デコードするブロックである。データ復号部109によりデコードされたデコード信号は、後述の映像音声出力部111に送信される。
映像音声出力部111は、データ復号部109から送信されたデコード信号と、グラフィック生成部110から送信されたGUI信号とを重畳して、後述の表示装置170が受信可能な映像信号及び音声信号に変換して表示装置170に出力する。
表示装置170は、映像音声出力部111から送信された映像信号及び音声信号をモニタ又はスピーカーに出力する。
次に、リストデータベース管理部107において管理されるリストデータベース情報(メディア管理データ130又は世代管理データ131を含む情報)について具体的に説明する。
図3に示されるメディア管理情報180は、リストデータベース管理部107において一時的に記録されていたメディア管理データ130が第1不揮発性メモリ120に書き込まれた情報である。
メディア管理情報180は、ディレクトリ・ファイル構成テーブル(DFST)300、タグ情報テーブル(TIT)310、及びタグリンク情報テーブル(TLIT)320を有する。
ディレクトリ・ファイル構成テーブル300は、1つ以上のエントリ情報で構成され、ファイル構造解析部104からのエントリ登録要求により登録されるエントリ情報を管理する。各エントリ情報は、「エントリID」、「エントリ属性」、「ファイル属性」、「名称」、及び「上位エントリID」を含む。
「エントリID」は、各エントリ情報を識別する。「エントリ属性」は、ディレクトリとファイルとを識別する。「ファイル属性」は、コンテンツデータが音楽ファイル、静止画ファイル、動画及びファイルの内のいずれであるかを識別する。ディレクトリ・ファイル構成テーブル300の「名称」は、ディレクトリ名又はファイル名を示す。「上位エントリID」は、ディレクトリ及びファイルの各々が所属する上位ディレクトリの位置を示す。
タグ情報テーブル310は、タグエントリ情報で構成され、タグ情報解析部105からのタグエントリ登録要求により登録されるタグエントリ情報を管理する。各タグエントリ情報は、「タグID」、「タグ属性」、及び「名称」を含む。
「タグID」は、各タグエントリ情報を識別する。「タグ属性」は、コンテンツファイルのタグ情報に含まれる各タグ(例えば、アーティスト名、アルバム名、曲名、及びジャンル等の付加情報を示すID3タグ)の属性を識別する。タグ情報テーブル310の「名称」は、リスト表示されるテキスト形式のコンテンツ情報を示す。
タグリンク情報テーブル320は、タグリンクエントリ情報で構成され、ディレクトリ・ファイル構成テーブル300に登録されたエントリ情報とタグ情報テーブル310に登録されたタグエントリ情報との関連性を管理するテーブルである。タグリンクエントリ情報は、「リンクID」、「エントリID」、「ArtistID」、「AlbumID」、「SongID」、及び「GenreID」を含む。
タグリンク情報テーブル320の「リンクID」は、各タグリンクエントリ情報を識別する。タグリンク情報テーブル320の「エントリID」は、ディレクトリ・ファイル構成テーブル300に示される「エントリID」と関連付けられている。タグリンク情報テーブル320の「ArtistID」、「AlbumID」、「SongID」、及び「GenreID」は、タグ情報テーブル310に登録されたタグエントリ情報の内の「タグID」と関連付けられている。
図4に示される世代管理情報181は、リストデータベース管理部107において一時的に記録されていた世代管理データ131が第2不揮発性メモリ121に書き込まれた情報である。
世代管理情報181は、世代管理テーブル(GEMT)400を有する。世代管理テーブル400は、1つ以上の世代エントリ情報で構成される。
図4に示されるように、各世代エントリ情報は、「世代情報」、「メディア属性」、「メディア管理情報Name(ネーム)」、「メディア識別情報」、「メディア管理情報書込状態」、及び「タグ解析状態」を含む。
「世代情報」(世代情報データ)とは、管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)が読取部2からコンテンツデータを読み出した順序を特定するための情報である。図4に示される例では、世代情報には、通し番号が採用され、世代管理テーブル400に格納されている10個の世代エントリ情報の内で、リムーバブルメディアからコンテンツデータが読み出された順序が最も遅い世代エントリ情報(世代管理テーブル400の最上段の世代エントリ情報)の世代情報は“01”であり、リムーバブルメディアからコンテンツデータが読み出された順序が最も早い世代エントリ情報の世代情報は“10”である。
言い換えると、「世代情報」は、管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)が読取部2からコンテンツデータを読み出した時期の新旧(新旧世代)を特定する情報である。図4に示される例では、世代情報“01”は、管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)が読取部2からコンテンツデータを読み出した時期が、世代管理テーブル400に格納されている10個の世代エントリ情報の内で、最も新しい時期(最新世代)であることを示し、世代情報“10”は、管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)が読取部2からコンテンツデータを読み出した時期が、世代管理テーブル400に格納されている10個の世代エントリ情報の内で、最も古い時期であることを示す。
なお、第2不揮発性メモリ121に記録されている世代情報を、「記録済み世代情報」又は「記録済み世代情報データ」とも称する。
第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121には、記憶容量に限界があるので、世代情報を用いて、古い世代エントリ情報を管理することができる。例えば、記録済みの世代エントリ情報が増加した場合に、必要に応じて、最も古い世代エントリ情報から順に世代エントリ情報を削除することができる。第2不揮発性メモリ121から世代エントリ情報を削除する場合に、削除される世代エントリ情報に関連付けられたメディア管理情報180を第1不揮発性メモリ120から削除することもできる。
「世代情報」は、例えば、リストデータベース管理部107により、各世代エントリ情報に付与される。「世代情報」は、通し番号に限られず、世代管理情報181における各世代エントリ情報の相対的な新旧を特定することができれば、どのような情報を用いてもよい。
「メディア属性」は、“DISK”,“USB”,“SD”等の情報により、光ディスク150又は記録媒体160等の種別を示す。
「メディア管理情報Name」は、第2不揮発性メモリ121に記録される世代管理情報181の内の各世代エントリ情報と、第1不揮発性メモリ120に記録される各メディア管理情報180とを関連付けるための情報である。例えば、図3に示されるメディア管理情報180は、図4に示される「メディア管理情報Name」が“0004.db”である世代エントリ情報と関連付けられている。具体的には、第1不揮発性メモリ120に保存されるメディア管理情報180のファイル名と同一の情報を、「メディア管理情報Name」とすることにより、第2不揮発性メモリ121に記録される世代エントリ情報と、第1不揮発性メモリ120に記録されるメディア管理情報180とを関連付けることができる。
「メディア識別情報」は、リムーバブルメディア(例えば、光ディスク150又は記録媒体160)に記録されたコンテンツデータに基づいてファイル構造解析部104により生成される情報であり、リムーバブルメディアに記録された内容を示す情報である。管理部3(具体的には、メディア識別情報比較部108)は、リムーバブルメディア読込部21(例えば、光学メディア読込部101又は外部メディア読込部102)に装着されている光ディスク150又は記録媒体160に記録されたコンテンツデータに基づいて生成されたメディア識別情報を用いて、リムーバブルメディア読込部21に装着されている光ディスク150又は記録媒体160に対応するメディア管理情報180及び世代管理情報181が、既に第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121にそれぞれ記録されているか否かを確認することができる。
具体的には、メディア識別情報比較部108は、コンテンツデータに基づいて生成されたメディア識別情報が、第2不揮発性メモリ121に記録されている世代管理情報181の内の各メディア識別情報と比較する。比較の結果、コンテンツデータに基づいて生成されたメディア識別情報と一致するメディア識別情報が世代管理情報181に含まれている場合に、メディア識別情報比較部108は、リムーバブルメディア読込部21に装着されている光ディスク150又は記録媒体160に対応するメディア管理情報180が、第1不揮発性メモリ120に既に記録されていると判断することができる。
「メディア管理情報書込状態」は、メディア管理情報180の第1不揮発性メモリ120への書込状態(メディア管理データ130の第1不揮発性メモリ120への書き込み処理の進行状況)を示す。図4に示される例では、メディア管理情報180の第1不揮発性メモリ120への書き込みが完了している世代エントリ情報については、“2”と記録され、書き込みが完了していない世代エントリ情報については、「0」と記録されている。なお、書き込み処理が実行中である世代エントリ情報については、例えば、「1」と記録される。
「タグ解析状態」は、リムーバブルメディア読込部21(例えば、光学メディア読込部101又は外部メディア読込部102)に装着されている光ディスク150又は記録媒体160に記録されたコンテンツデータの全てのタグ情報がタグ情報解析部105により取得済みか否かを示す。図4に示される例では、取得済みである世代エントリ情報については、“完了”と記録され、取得済みでない世代エントリ情報については、“未完了”と記録されている。
電源オン時及びディスク挿入時における処理
図5は、コンテンツ再生装置1の電源オン時及びディスク挿入時における処理のフローを示すフローチャートである。
コンテンツ再生装置1の電源(具体的には、主電源)オン時に、リストデータベース管理部107は、第2不揮発性メモリ121に保存されている世代管理情報181を読み込む(ステップS501)。
リムーバブルメディア読込部21は、リムーバルメディア(光ディスク150又は記録媒体160)が装着されたか否かを判断する(ステップS502)。
例えば、光学メディア読込部101が、光ディスク150が挿入されたことを検知すると、データ読出部103にディスク認識完了通知を送信する(ステップS502のYes)。また、外部メディア読込部102は、記録媒体160が挿入されたことを検知すると、データ読出部103に記録媒体検知通知を送信する(ステップS502のYes)。
データ読出部103は、光学メディア読込部101又は外部メディア読込部102から、ディスク認識完了通知及び記録媒体検知通知の内のいずれかの通知を受信すると、コンテンツ再生装置1に装着された新たなリムーバブルメディアのコンテンツデータのフォーマット認識処理を行う(S503)。
例えば、光ディスク150は、UDF(Universal Disk Format)又はISO9660等のファイルシステムにより記録され、SDカード及び記録媒体は、FAT(File Allocation Tables)ファイルシステム等で記録されている。データ読出部103は、リムーバブルメディアによって異なるファイルシステムを解釈してファイルアクセスができるように、リムーバブルメディア読込部21に装着されたリムーバブルメディアに対するマウント処理を行う。マウント処理の後、データ読出部103は、市販BDコンテンツディスクであるBDMV(Blu-ray(登録商標) Disk Movie)フォーマットディスク、市販DVDコンテンツディスクであるDVD−VIDEOフォーマットディスク、家庭用BDレコーダで記録されたBDAV(Blu−ray(登録商標) Disk Audio Visual)フォーマットディスク、及びDVD−VR(Video Recording)フォーマットディスク等の識別を行う(ステップS503)。
データ読出部103は、ステップS503のフォーマット認識処理による識別結果に基づいて、リムーバブルメディア読込部21(具体的には、光学メディア読込部101又は外部メディア読込部102)に装着されたリムーバブルメディアが、リムーバブルメディア読込部21によって読み込み可能なメディア(以下、「データメディア」とも称する。)であるか否かを判別するデータメディア判別を行う(ステップS504)。データメディア判別(ステップS504)の結果、リムーバブルメディア読込部21に装着されたメディアが、読み込み可能なデータメディアではない場合(ステップS504のNo)、後続の処理は行われずに終了する。
データメディア判別の結果、リムーバブルメディア読込部21に装着された新たなリムーバブルメディアが、リムーバブルメディア読込部21によって読み込み可能なデータメディアであると判別された場合、データ読出部103は、リムーバブルメディアのコンテンツデータを読み出し、ファイル構造解析部104に、ファイル構造解析要求を送信する(ステップS504のYes)。
ファイル構造解析要求を受信したファイル構造解析部104は、ファイル構造解析要求の対象であるデータメディアのファイル構造解析を行う(ステップS505)。ファイル構造解析部104は、ファイル構造解析を実行し、データメディアからディレクトリ又はファイルを取得する度に、リストデータベース管理部107にエントリ登録要求を送信する(ステップS505)。
エントリ登録要求を受信したリストデータベース管理部107は、受信したエントリ登録要求に基づいて、エントリ情報を生成してメディア管理データ130にエントリ登録を行う(ステップS506)。
ファイル構造解析部104は、ファイル構造解析(ステップS505)を終了した後、ファイル構造解析によって取得した情報に基づいてメディア識別情報を生成し、ファイル構造解析完了通知をリストデータベース管理部107に送信する(ステップS507)。
ファイル構造解析部104は、ステップS507において生成されたメディア識別情報に対応するメディア管理データ130が既に第1不揮発性メモリ120に保存されているか否かを確認するため、メディア識別情報比較部108に、メディア識別情報比較要求を送信する。メディア識別情報比較要求を受信したメディア識別情報比較部108は、リストデータベース管理部107で管理されている世代管理データ131(具体的には、ステップS501でリストデータベース管理部107によって第2不揮発性メモリ121から読み出された世代管理情報181に対応する世代管理データ131)を、リストデータベース管理部107から読み出す。メディア識別情報比較部108は、リストデータベース管理部107から読み出した世代管理データ131の内のメディア識別情報と、ステップS507で生成されたメディア識別情報とを比較し、ステップS507で生成されたメディア識別情報と同じメディア識別情報を持つ世代エントリ情報が世代管理データ131に含まれているか否かを確認する(ステップS508)。
メディア識別情報比較(ステップS508)の結果、ステップS507で生成されたメディア識別情報と一致するメディア識別情報を持つ世代エントリ情報が世代管理データ131に含まれている場合、その世代エントリ情報に対応するメディア管理情報180が、第1不揮発性メモリ120に存在するので、メディア識別情報比較部108は、リストデータベース管理部107にメディア管理情報読込要求を送信する(ステップS508のYes)。
リストデータベース管理部107は、メディア識別情報比較部108からメディア管理情報読込要求を受信すると、ステップS507で生成されたメディア識別情報と一致するメディア識別情報を持つ世代エントリ情報に対応するメディア管理情報180(具体的には、ステップS507で生成されたメディア識別情報と一致するメディア識別情報を持つ世代エントリ情報に含まれるメディア管理情報Nameによって関連付けられたメディア管理情報180)を、第1不揮発性メモリ120から読み出し、リストデータベース管理部107が管理しているメディア管理データ130を、第1不揮発性メモリ120から読み出したデータに更新する(ステップS510)。
リストデータベース管理部107は、世代管理データ131の各世代エントリ情報の世代情報を更新する必要があるか否かを判断する(ステップS511)。
世代情報を更新する必要がある場合(ステップS511のYes)、世代管理データ131の各世代エントリ情報の世代情報を更新し(ステップS512)、処理を終了する。具体的には、ステップS507で生成されたメディア識別情報と一致するメディア識別情報を持つ世代エントリ情報の世代情報が、最新世代ではない場合、リストデータベース管理部107は、世代管理データ131の各世代エントリ情報の世代情報を更新する必要があると判断する(ステップS511のYes)。
世代情報を更新する必要がある場合(ステップS511のYes)、ステップS507で生成されたメディア識別情報と一致するメディア識別情報を持つ世代エントリ情報の世代情報を、最新世代(例えば、相対的に最も小さい番号)に設定し、他の世代エントリ情報の世代情報を+1加算することにより、世代管理データ131における各世代エントリ情報の世代情報が更新される(ステップS512)。
ステップS511のYesからステップS512までのフローを、図4及び図6を用いて説明する。
図6は、図4に示される世代管理情報181の世代情報が、ステップS512において更新された場合の世代管理情報181のデータ構成の一例を示す図である。
ステップS507で生成されたメディア識別情報が“JKDEGG1MN”である場合、メディア識別情報が“JKDEGG1MN”と一致するメディア識別情報を持つ世代エントリ情報は、図4に示される世代管理テーブル400に含まれている。図4に示される世代管理テーブル400のメディア識別情報が“JKDEGG1MN”である世代エントリ情報の世代情報は“10”であるので、この世代エントリ情報は、最新世代の世代エントリ情報ではない。したがって、リストデータベース管理部107は、世代管理データ131の各世代エントリ情報の世代情報を更新する必要があると判断する(ステップS511のYes)。世代情報を更新する必要がある場合、メディア識別情報が“JKDEGG1MN”である世代エントリ情報の世代情報を、最新世代を示す“01”に更新し、他の世代エントリ情報の世代情報を+1加算することにより、世代管理データ131における各世代エントリ情報の世代情報が更新される(ステップS512)。なお、図6に示される例では、更新された世代情報の番号順になるように世代エントリ情報が再配列されているが、世代エントリ情報の配列は、図6に示される例に限られない。
一方、世代情報の更新要否の判断の結果、更新が不要である場合(ステップS511のNo)、世代情報の更新(ステップS512)を行わず、処理を終了する。例えば、ステップS507で生成されたメディア識別情報が“AHQDE03JDE”である場合、メディア識別情報が“AHQDE03JDE”と一致するメディア識別情報を持つ世代エントリ情報は、図4に示される世代管理テーブル400における最新世代の世代エントリ情報であるので、世代管理データ131(世代管理情報181)の世代情報の更新が不要であると判断され(ステップS511のNo)、世代情報の更新(ステップS512)を行わず、処理を終了する。
ステップS508において、ステップS507で生成されたメディア識別情報と一致するメディア識別情報を持つ世代エントリ情報が世代管理データ131に含まれていない場合、メディア識別情報比較部108は、リストデータベース管理部107に世代エントリ登録要求を送信する(ステップS508のNo)。
リストデータベース管理部107は、メディア識別情報比較部108から世代エントリ登録要求を受信すると、世代管理データ131に世代エントリ情報を追加登録する(ステップS509)。
リストデータベース管理部107は、世代管理データ131にエントリ追加(ステップS509)を行った後、新たに追加された世代エントリ情報の世代情報が最新世代となるように、世代管理データ131で管理されている世代情報を更新し(ステップS512)、処理を終了する。言い換えると、リストデータベース管理部107は、読取部2に装着されている新たなリムーバブルメディアに記録されているメディア管理データ130に対応する世代情報を、第2不揮発性メモリ121に記録されている記録済み世代情報(具体的には、世代管理データ131に含まれる世代情報)の内で、管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)が読取部2からコンテンツデータを読み出した時期が最も新しい時期であることを示すように設定し、他の世代エントリ情報の世代情報を+1加算することにより、世代管理データ131における各世代エントリ情報の世代情報を更新し(ステップS512)、処理を終了する。
タグ情報取得処理
図7は、タグ情報取得処理のフローを示すフローチャートである。
リムーバブルメディア読込部21に装着されたリムーバブルメディアが記録媒体160である場合、図7に示されるタグ情報取得処理は、少なくとも図5に示されるファイル構造解析(ステップS505)を完了した後、又はコンテンツ再生装置1のコンテンツ再生動作の停止時等に行うことができる。
リムーバブルメディア読込部21に装着されたリムーバブルメディアが光ディスク150である場合、図7に示されるタグ情報取得処理は、コンテンツ再生装置1のコンテンツ再生動作の停止時等に行うことができる。なお、タグ情報取得処理の実行中にコンテンツ再生装置1の再生動作が開始された場合には、タグ情報取得処理を中断し、コンテンツ再生装置1の再生停止後に再開することが望ましい。
タグ情報取得処理が開始されると、リストデータベース管理部107は、世代管理データ131のタグ解析が既に完了しているか否かを確認する(ステップS601)。
リムーバブルメディアに記録されているコンテンツデータのタグ解析が既に完了している場合、すなわち、図4に示される世代管理テーブル400のタグ解析状態が「完了」である場合(ステップS601のYes)、後述するステップS607(タグ解析状態更新)を実行する。
一方、タグ解析が完了していない場合、すなわち、図4に示されるタグ解析状態が「未完了」である場合、リストデータベース管理部107は、タグ情報解析要求をタグ情報解析部105に送信する(ステップS601のNo)。
リストデータベース管理部107は、メディア管理データ130のディレクトリ・ファイル構成テーブル300の「ファイル属性」が「音楽」である全てのエントリIDを取得する(ステップS602)。
リストデータベース管理部107は、ステップS602で取得したエントリIDと、タグリンク情報テーブル320の各タグリンクエントリ情報の「エントリID」とを比較することにより、ディレクトリ・ファイル構成テーブル300の「ファイル属性」が「音楽」であるエントリIDと一致するエントリIDが、タグリンク情報テーブル320に存在するか否かを確認する(ステップS603)。
ディレクトリ・ファイル構成テーブル300の「ファイル属性」が「音楽」である全てのエントリIDが、タグリンク情報テーブル320に含まれていない場合(ステップS603のNo)、タグ情報取得が完了していないため、タグ情報解析部105は、ステップS603においてタグリンク情報テーブル320に存在しないエントリIDに対応するコンテンツデータのタグ情報解析を行う(ステップS604)。具体的には、タグ情報解析部105は、データ読出部103を介してリムーバブルメディアに記録されているコンテンツデータを読み出す。タグ情報解析部105は、読み出されたコンテンツデータに含まれるタグ情報を取得して、タグエントリ登録要求をリストデータベース管理部107に送信する(ステップS604)。
リストデータベース管理部107は、タグ情報解析部105から受信したタグエントリ登録要求に基づいて、タグエントリ情報を、メディア管理データ130のタグ情報テーブル310に登録する(ステップS605)。
リストデータベース管理部107は、タグ情報解析部105から受信したタグエントリ登録要求に基づいて、タグリンクエントリ情報を、メディア管理データ130のタグリンク情報テーブル320に登録する(ステップS606)。
ステップS603において、ディレクトリ・ファイル構成テーブル300の「ファイル属性」が「音楽」である全てのエントリIDと一致するエントリIDが、タグリンク情報テーブル320に含まれている場合(ステップS603のYes)、リストデータベース管理部107は、タグ情報解析が既に完了していると判断し、メディア管理データ130に対応する世代エントリ情報のタグ解析状態を「未完了」から「完了」に更新し(ステップS607)、処理を終了する。
なお、実施の形態1に係るコンテンツ再生装置1では、図3に示されるように、ディレクトリ・ファイル構成テーブル300のファイル属性が「音楽」であるエントリ情報をタグ情報として、タグ情報テーブル310及びタグリンク情報テーブル320において管理しているが、ファイル属性が「静止画」及び「動画」であるエントリ情報についても音楽ファイルと同様にタグ情報テーブル310及びタグリンク情報テーブル320において管理するようにしてもよい。
リストデータベース情報の保存処理
図8は、第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121への書き込み処理のフローを示すフローチャートである。
リストデータベース情報(メディア管理データ130又は世代管理データ131を含む情報)の保存処理(第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121への書き込み処理)について説明する。リストデータベース情報の保存処理は、管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)が、リムーバブルメディアの取り外し指示を受信した場合及び装置主電源(コンテンツ再生装置1の主電源)オフの指示を受信した場合のいずれかの場合に実行されることが望ましい。このようなタイミングで書き込み処理を実行することにより、最大可能書き換え回数が小さい第1不揮発性メモリ120への書き込み回数を抑えることができる。
リストデータベース情報の保存処理が開始されると、リストデータベース管理部107は、世代管理データ131を世代管理情報181として第2不揮発性メモリ121に書き込む(ステップS701)。例えば、過去にコンテンツデータが読み出されたリムーバブルメディアと同じリムーバブルメディアが再びリムーバブルメディア読込部21に装着された場合、メディア管理データ130及び世代管理データ131の内、世代管理データ131の世代情報のみが変更されている場合(図5に示されるステップS511のYes)があるため、リストデータベース情報の保存処理の開始直後に世代管理データ131を世代管理情報181として第2不揮発性メモリ121に書き込むことにより、変更された世代管理データ131を確実に第2不揮発性メモリ121に保存することができる。
管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)は、世代管理データ131の「メディア管理情報書込状態」(すなわち、ステップS701において第2不揮発性メモリ121に書き込まれた世代管理情報181の「メディア管理情報書込状態」)を確認することにより、メディア管理データ130が第1不揮発性メモリ120に書き込み済みであるか否かの判断を行う(ステップS702)。具体的には、リストデータベース管理部107は、メディア管理データ130に対応する世代エントリ情報の「メディア管理情報書込状態」が“2”であるか否かを確認し、“2”であれば、書き込み済みであると判断する。
ステップS702の判断において、「メディア管理情報書込状態」が“2”である場合(ステップS702のYes)、リストデータベース管理部107は、メディア管理データ130がメディア管理情報180として第1不揮発性メモリ120に保存されていると判断し、ステップS706の処理を実行する。
ステップS702の判断の結果、「メディア管理情報書込状態」が“0”である場合(ステップS702のNo)、すなわち、メディア管理データ130が第1不揮発性メモリ120に書き込み済みでない場合、管理部3(具体的には、リストデータベース管理部107)は、「メディア管理情報書込状態」を、“0”から、書き込み中であることを示す“1”に更新する(ステップS703)。すなわち、リストデータベース管理部107は、メディア管理データ130を第1不揮発性メモリ120に書き込む場合、メディア管理データ130の第1不揮発性メモリ120への書き込み処理の進行状況を、世代管理データ131に記録する。世代管理データ131の「メディア管理情報書込状態」を更新した場合、一旦、更新された世代管理データ131を第2不揮発性メモリ121に書き込んでおくことが望ましい。
リストデータベース管理部107は、「メディア管理情報書込状態」が「0」から「1」に更新された世代エントリ情報に対応するメディア管理データ130を、メディア管理情報180として第1不揮発性メモリ120に書き込む(ステップS704)。
リストデータベース管理部107は、メディア管理データ130をメディア管理情報180として第1不揮発性メモリ120に書き込む処理を完了すると、書き込まれたメディア管理データ130に対応する世代エントリ情報の「メディア管理情報書込状態」を、「1」から「2」に更新する(ステップS705)。
リストデータベース管理部107は、ステップS701において第2不揮発性メモリ121に書き込まれた世代管理情報181を第2不揮発性メモリ121から読み出し、読み出された世代管理情報181を、新たな世代管理データ131として更新し(ステップS706)、リストデータベース情報の保存処理を終了する。
eMMC等が用いられる第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121は、書き込みがされる度に、書き換え可能回数が減少するが、実施の形態1によれば、リストデータベース情報の内の更新頻度の少ないデータであるメディア管理データ130(メディア管理情報180)を、最大可能書き換え回数の小さい第1不揮発性メモリ120に保存し、メディア管理データ130よりも更新頻度の高いデータである世代管理データ131(世代管理情報181)を、第1不揮発性メモリ120の最大可能書き換え回数よりも大きい最大可能書き換え回数を持つ第2不揮発性メモリ121に保存するので、コンテンツ再生装置1に備えられた不揮発性メモリ(第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121)の全体としての性能劣化が低減され、長期間にわたってリストデータベース情報の書き換え処理が可能となる。
メディア管理データ130を第1不揮発性メモリ120に書き込む場合、メディア管理データ130の第1不揮発性メモリ120への書き込み状況(メディア管理情報書込状態)を管理することにより、メディア管理データ130の第1不揮発性メモリ120への書き込みを確実に実行させることができる。
「メディア管理情報書込状態」を「0」から「1」に更新した場合(図8に示されるステップS703)、一旦、世代管理データ131を第2不揮発性メモリ121に記録することにより、例えば、第1不揮発性メモリ120への書き込み中に瞬間停電が発生して、メディア管理データ130の第1不揮発性メモリ120への書き込みが不完全な状態で終了した場合でも、リストデータベース情報を復旧させることができる。具体的には、第1不揮発性メモリ120への書き込みが不完全な状態で終了した場合でも、コンテンツ再生装置1の主電源をオンにして再び第2不揮発性メモリ121に記録された世代管理情報181を読み出した際に(図5に示されるステップS501)、「メディア管理情報書込状態」が“1”である世代エントリ情報を削除することにより、再度、不完全な状態で終了したメディア管理データ130の第1不揮発性メモリ120への書き込みを実行させることができる。
管理部3は、リムーバブルメディアの取り外し指示を受信した場合及びコンテンツ再生装置1の主電源オフの指示を受信した場合のいずれかの場合に、不揮発性メモリへの書き込み処理を実行するので、不揮発性メモリの書き換え可能回数の減少を抑えることができる。
管理部3は、世代情報を用いてリストデータベース情報を管理するので、不揮発性メモリに保存されたリストデータベース情報の利用状況(新旧世代)を管理することができる。
管理部3は、読取部2によって新たなリムーバブルメディアのコンテンツデータが読み出された場合に、新たなリムーバブルメディアに記録されているメディア管理データ130に対応する世代情報が、第2不揮発性メモリ121に記録されている記録済み世代情報データの内で、読取部2からコンテンツデータを読み出した時期が最も新しい時期であることを示すように、世代管理データ131内の世代情報を更新するので、不揮発性メモリに記録されているリストデータベース情報の内で、長期間利用されていないリストデータベース情報を管理することができる。不揮発性メモリに記録されているリストデータベース情報の内で、最も長い期間利用されていないリストデータベース情報から、必要に応じて順次削除することにより、不揮発性メモリの空き領域を確保することができる。
実施の形態1では、世代管理情報181と世代管理データ131とを分けて説明したが、第2不揮発性メモリ121の最大可能書き換え回数を実質的に考慮する必要がないFRAM(登録商標)デバイスを用いる場合、世代管理情報181のみを管理し、必要な世代エントリ情報を随時第2不揮発性メモリ121から直接読み書きするように構成しても良い。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2における記録媒体デバイス管理情報800のデータ構成の一例を示す図である。
図10は、実施の形態2における世代管理情報900のデータ構成の一例を示す図である。
実施の形態2において、実施の形態1で説明したコンテンツ再生装置1と同一又は対応する構成要素には、実施の形態1で説明したコンテンツ再生装置1と同じ符号を用いて説明する。
また、図9に示されるように、記録媒体デバイス管理情報800は、複数のメディア管理情報180を管理する記録媒体デバイス管理情報テーブル801を含む。記録媒体デバイス管理情報800は、実施の形態1で説明した図4に示される世代管理情報181(世代管理テーブル400)の内の「メディア管理情報書込状態」を含んでおらず、「世代情報」に替えて「記録媒体デバイスID」を含む。
世代管理情報900は、実施の形態1で説明した図4に示される世代管理情報181に対応し、実施の形態1における世代管理情報181の内の世代情報のみを持つ。
世代管理情報900は、記録媒体デバイス管理情報800の内の記録媒体デバイスID毎に関連付けられた世代情報を持つ。例えば、世代情報901は、記録媒体デバイス管理情報800の内の記録媒体デバイスID“01”に対応する。世代情報902は、記録媒体デバイス管理情報800の内の記録媒体デバイスID“02”に対応する。世代情報903は、記録媒体デバイス管理情報800の記録媒体デバイスID“03”に対応する。世代情報904は、記録媒体デバイス管理情報800の記録媒体デバイスID“04”に対応する。
実施の形態2に係るコンテンツ再生装置1のリストデータベース管理部107は、例えば、ユーザによるリモコン又は操作パネル等の操作によって、リストデータベース管理部107が光ディスク150若しくは記録媒体160の取り外し指示を受信した場合又はコンテンツ再生装置1の電源(具体的には、主電源)オフの指示を受信した場合に、リストデータベース情報保存要求を実行する。リストデータベース情報保存要求が実行されると、世代管理データ131が世代管理情報900として第2不揮発性メモリ121に書き込まれる。
なお、メディア管理データ130及び記録媒体デバイス管理情報800は、メディア管理情報180として第1不揮発性メモリ120に書き込まれる。
すなわち、実施の形態2おけるコンテンツ再生装置1において、実施の形態1で説明した世代エントリ情報の内、「メディア属性」、「メディア管理情報Name」、「メディア識別情報」、及び「タグ解析状態」は、第1不揮発性メモリ120に書き込まれ、「世代情報」は、第2不揮発性メモリ121に書き込まれる。
実施の形態2によれば、リストデータベース情報の内の更新頻度の少ないデータであるメディア管理データ130及び記録媒体デバイス管理情報800(メディア管理情報180)を最大可能書き換え回数の小さい第1不揮発性メモリ120に保存し、メディア管理データ130よりも更新頻度の高いデータである世代管理データ131(世代管理情報900)を、第1不揮発性メモリ120の最大可能書き換え回数よりも大きい最大可能書き換え回数を持つ第2不揮発性メモリ121に保存するので、コンテンツ再生装置1に備えられた不揮発性メモリ(第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121)の全体としての性能劣化が低減され、長期間にわたってリストデータベース情報の書き換え処理が可能となる。
実施の形態2において、第2不揮発性メモリ121の総記憶容量は、第1不揮発性メモリ120の総記憶容量よりも少なくてもよい。第2不揮発性メモリ121の総記憶容量が、第1不揮発性メモリ120の総記憶容量よりも少ない場合であっても、第2不揮発性メモリ121には、世代情報のみを書き込むことができるので、実施の形態1に係るコンテンツ再生装置1と比較して、第2不揮発性メモリ121に書き込むデータ量の削減が可能になる。
実施の形態1及び2で説明したコンテンツ再生装置1は、例えば、音楽コンテンツ、映像コンテンツ、又は静止画像コンテンツ等を含む種々のコンテンツを再生するコンテンツ再生装置として、車載用のカーオーディオ、家庭用のオーディオ装置、及び携帯型のポータブルオーディオ装置等に適用可能である。
実施の形態1及び2において、コンテンツ再生装置1の各構成要素が実行する機能は、電子回路などのハードウェア資源のみにより実現されてもよく、ハードウェア資源とソフトウェア資源との協働により実現されてもよい。例えば、コンテンツ再生装置1の各構成要素が実行する機能は、コンテンツ再生装置1に備えられた、CPU(中央演算処理装置)を持つコンピュータがプログラム(制御プログラム)を実行することにより実現されてもよい。
変形例.
図11は、実施の形態1及び2で説明したコンテンツ再生装置1の変形例としてのコンテンツ再生装置に備えられる管理部3aの構成を示すブロック図である。図11に示される管理部3aは、実施の形態1及び2における管理部3に適用可能である。すなわち、実施の形態1及び2で説明したコンテンツ再生装置1の制御は、管理部3aによって実現可能である。
管理部3aは、CPU等のプロセッサ31、ROM32、及びRAM33を有する。
例えば、管理部3aの機能が、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される場合、コンピュータプログラム(コンテンツ再生装置1の制御プログラム)がコンピュータにより実行されることによって実現される。具体的には、管理部3aの機能は、ROM32等の記録媒体に記録されたコンピュータプログラムが、RAM33に読み出され、プロセッサ31により実行されることによって実現される。コンピュータプログラムは、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてコンテンツ再生装置1に提供されてもよく、インターネット等の通信回線を通じてコンテンツ再生装置1に提供されてもよい。
管理部3aにおいて、第1不揮発性メモリ120及び第2不揮発性メモリ121から読み出したデータは、RAM33において管理してもよく、RAM33とは異なる他のRAMを管理部3aに備えて、RAM33とは異なる他のRAMにおいて管理するようにしてもよい。