JP6406662B2 - 波長変換積層複合体及び波長変換積層体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、波長変換積層複合体及び波長変換積層体の製造方法に関し、例えばLED(発光ダイオード)或いはLD(レーザダイオード)からの所定波長の光を該光の波長とは異なる波長の光に変換する波長変換積層複合体及び波長変換積層体の製造方法に関する。
従来、青色光を受けて黄色光を発光する蛍光体として、例えばCe(セリウム)を含有するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の蛍光体が知られている。このようなYAG系蛍光体に青色光を照射すると、照射された青色光と、YAG系蛍光体が発する蛍光色が混色されることにより、白色光を得ることができる。
特許文献1には、前記蛍光体を含む半導体チップについて提案されている。この特許文献1に開示される半導体チップは、例えばオプトエレクトロニクスデバイス上に搭載され使用される。具体的には、図3に示すように、オプトエレクトロニクスデバイス50は、ヒートシンクとしてのデバイスケーシング51上に半導体チップ52を配置しており、半導体チップ52からの熱をデバイスケーシング51から放出するようになっている。
前記半導体チップ52は、図3に示しように、半導体ボディ56のビーム出射面54上に配置されたセラミック変換素子55を備えている。このセラミック変換素子55は、例えばYAG:Ce系のガーネット蛍光体からなる活性層58と、その上方に配置された担体層57とによって構成されている。尚、図3中の矢印は、熱の排出方向を示している。
更に、前記活性層58及び前記担体層57について説明すると、前記活性層58は、賦活剤(例えばCe)がドープされた蛍光体材料(例えばYAG:Ce)からなり、所定の波長領域の光を他の波長領域の光に変換する機能を有する。また、前記担体層57は、賦活剤を含まない蛍光体材料(例えばYAG)から構成されている。
更に、特許文献1では、前記セラミック変換素子55として、図4に示すように、活性層58から担体層57内に賦活剤(Ce)が拡散するのを抑制するために、前記活性層58と担体槽57との間に配置された抑制層59を備えるものが提案されている。この抑制層59は、例えば酸化アルミニウムから構成されている。
上記したセラミック変換素子55の製造する場合には、活性層58と担体層57の各層となるグリーンシートをセラミック粉体、バインダー及び添加物により形成し、これらを積層した後、焼結することによって、相互に接続された前記セラミック変換素子を製造することができる。
また、抑制層59を備えるセラミック変換素子55の製造する場合にも同様に、活性層58と担体層57と抑制層59の各層となるグリーンシートをセラミック粉体、バインダー及び添加物により形成し、これらを積層した後、焼結することによって、相互に接続された前記セラミック変換素子を製造することができる。
特表2014−504807号公報
前記特許文献1において提案された、各層(活性層、抑制層、担体層)を積層し焼結することによって得られたセラミック変換素子を、種々評価、研究したところ、以下の技術的課題があることが判明した。
まず、第1に、前記特許文献1に記載された、各層(活性層、抑制層、担体層)を積層し焼結することによって得られたセラミック変換素子における抑制層は充分に機能せず、活性層から担体層への賦活剤が拡散し、拡散低減が充分ではないという技術的課題があった。
特に、担体層の中のCe濃度が、活性層の中のCe濃度の40wt%を超えた場合には、担体層も活性(蛍光)機能を有することとなり、担体層から出射する光において狙った色度を得ることが困難であった。
第2に、前記活性層がYAG:Ceで構成され、抑制層がAlから構成されている場合には、前記活性層と抑制層との間の屈折率の差が大きくなるため、活性層と抑制層との間の界面において、半導体ボディからの入射光の反射量が多くなり、戻り光の増加による発光効率が低下するという技術的課題があることが判明した。
第3に、活性層と担体層とがYAG材料のみで形成されるため低強度であり、しかも、活性層と担体層との間に介在する抑制層のAlの熱膨張係数差が異なるため、各界面での熱応力によって割れが発生しやすいという技術的課題があることが判明した。
第4に、前記活性層がYAG材料のみから構成されているため、熱伝導性が低く、半導体ボディから発せられる熱が活性層内で籠もりやすく、発光効率が低下するという技術的課題があることが判明した。
尚、特許文献1には、担体層中に散乱剤としてAl粒子を混入する例も提案されているが、上記のいずれの課題も効果的に解決し得るものではなかった。
本発明者らは、上記第1〜第4の技術的課題を解決するために、前記特許文献1において提案された、各層(活性層、抑制層、担体層)を積層し焼結することによって得られたセラミック変換素子について鋭意研究した。
その結果、Alからなる中間層(抑制層)のAlの直径を特定範囲になすと共に、第1層(活性層)と第2層(担体層)における、YAG系蛍光性材料とAlとの体積組成比を特定範囲になし、更に各層内及び各層界面においてAl粒子同士が連結される連結構造を形成することにより、上記第1〜第4の技術的課題を解決することができることを見出し、本発明を想到するに至った。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、賦活剤含有のYAG系蛍光性材料を含む第1の層と、YAG系材料を含む第2の層との間に中間層が配置されてなる波長変換積層複合体において、前記中間層により前記第1の層から第2の層への賦活剤の拡散を抑制し、高い放熱性を有し、所望の色相の光を高い発光効率で出射することができ、且つ、剛性の高い波長変換積層複合及び波長変換積層体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためになされた、本発明に係る波長変換積層複合体は、賦活剤含有のYAG系蛍光性材料とAlとからなる第1の層と、前記第1の層上に積層され、直径20μm以上300μm以下の粒子が全体粒子個数の90%以上を占めるAlからなる中間層と、前記中間層上に積層され、前記第1の層の賦活剤の含有量の10%以下の賦活剤を含有するYAG系材料とAlからなる第2の層とを有し、前記第1の層における賦活剤含有のYAG系蛍光性材料と、Alとの体積組成比が10:90以上60:40以下の範囲であり、前記第2の層におけるYAG系材料と、Al2O3との体積組成比が10:90以上40:60以下の範囲であり、かつ、前記各層内においてAl粒子同士は連結されると共に、各層界面においてもAl粒子同士が連結される連結構造を有していることに特徴を有する。
このように本発明に係る波長変換積層複合体にあっては、Alにより形成された中間層において、前記Alの直径20μm以上300μm以下の粒子個数が、前記Alの全体粒子個数の90%以上占めることにより、第1の層から第2の層への賦活剤の拡散を充分に低減することができる。
尚、前記中間層を形成するAlの直径は、5μm以上500μm以下であることが好ましい。前記中間層を形成するAlの直径が5μm以上500μm以下の範囲内である場合には、賦活剤の拡散をより効果的に抑制することができると共に、Al粒子が大きくなることに伴う、機械的強度の低下をより抑制することができる。
また、第2の層が、前記第1の層の賦活剤の含有量の10%以下のYAG系材料とAlからなり、前記第1の層と賦活剤の有無以外は同等の材質になされるため、熱膨張係数を略同等になすことができ、本発明に係る波長変換積層複合体をLED素子、LD素子として用いた場合にも、LED素子、LD素子の発熱に伴う波長変換積層複合体の反り、割れの発生を抑制することができる。
また、前記第1の層における賦活剤を含有するYAG系蛍光性材料と、Alとの体積組成比をaとした場合、前記体積組成比aが10:90以上60:40以下の範囲であり、前記第2の層におけるYAG系材料と、Alとの体積組成比をbとした場合、前記体積組成比bが10:90以上40:60以下の範囲である。
このように、第1の層と第2の層とは、それぞれ所定の比率でAlを含むため充分な剛性を有し、各層間の熱膨張係数差に伴う使用時の熱応力による割れ発生を抑制することができる。また、第1の層での放熱性が向上するため、熱籠もりによる発光効率の低下も抑制することができる。また、LEDパッケージ等のヒートシンクへの放熱性も優れたものとすることができる。
更に、前記各層内においてAl粒子同士は連結されると共に、各層界面においてもAl粒子同士が連結される連結構造を有しているため、各層間の屈折率差に伴う光の界面反射量を低減することができ、戻り光の増加による発光効率の低下を抑制することができる。
また、Al粒子同士の連結構造を有しているため、前記第1の層での熱こもりによる発熱効率の低下も抑制することができる。またヒートシンクとしてのデバイスケーシングへの放熱性も向上させることができる。
ここで、前記第1の層に含まれるYAG系蛍光性材料及び前記第2の層に含まれるYAG系材料の平均粒子径が0.5μm以上5μm以下であり、前記第1の層と第2の層とに含まれるAlの平均粒子径が0.5μm以上10μm以下であることが望ましい。
前記のように粒子径を設定することにより、出射光の散乱性を良好なものとし、視野角での色ムラをより低減できると共に、特に第1の層でのYAG系蛍光性材料の不均質分布に伴う出射光の面内色ムラをより低減することができる。
また、本発明の波長変換積層複合体においては、全体を100とした前記第1の層中の賦活剤含有のYAG系蛍光材料の体積組成比をaとした場合、aが10〜30であり、全体を100とした前記第2の層中のYAG系材料の体積組成比をbとした場合、bが20〜40であり、かつ前記bが前記aよりも大きいことがより好ましい。
上記波長変換積層複合体を、前記第2の層を発光素子の上面に位置し、発光素子より青色光を照射する様に用いることにより、発光素子より放たれた青色光がYAG系材料の体積組成比が大きい第2の層でより拡散し、前記第1の層に照射される際、青色光はより均質に拡散した状態となり、局所的な照射ムラに伴う発熱を抑制でき、発光効率をより向上させることができる。
更に、前記第1の層に含まれる賦活剤含有のYAG系蛍光性材料が、( Gd 1−s (Al Ga 1−t 12 :Ce(0.1≦s≦1、0.1≦t≦1)であることが望ましい。このようなYAG系蛍光性材料によって、上記波長変換積層複合体をより確実に製造することができると共に、上述の本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
また、前記課題を解決するためになされた、本発明に係る波長変換積層複合体の製造方法は、賦活剤含有のYAG系蛍光性材料とAlとからなる第1の層と、前記第1の層上に積層され、直径20μm以上300μm以下の粒子が全体粒子個数の90%以上を占めるAlからなる中間層と、前記中間層上に積層され、前記第1の層の賦活剤の含有量の10%以下の賦活剤を含有するYAG系材料とAlからなる第2の層とを有する状態で焼結することを特徴としている。
これによれば、前記第1の層に含有される賦活剤の前記第2の層への拡散が抑制され、剛性の高い波長変換積層複合体を得ることができる。
本発明によれば、賦活剤含有のYAG系蛍光性材料を含む第1の層と、YAG系材料を含む第2の層との間に中間層が配置されてなる波長変換積層複合体において、前記中間層により前記第1の層から第2の層への賦活剤の拡散を抑制し、高い放熱性を有し所望の色相の光を高い発光効率で出射することができ、且つ、剛性の高い波長変換積層複合体を得ることができる。また、前記第1の層に含有される賦活剤の前記第2の層への拡散が抑制され、剛性の高い波長変換積層複合体の製造方法が得られる。
図1は、本発明に係る波長変換積層複合体の断面図である。 図2は、図1の波長変換積層複合体を発光素子上に配置した状態を示す断面図である。 図3は、入射された光の波長を変換する蛍光体を含む従来のオプトエレクトロニクスデバイスの断面図である。 図4は、図3のオプトエレクトロニクスデバイスが備える波長変換素子の断面図である。
以下、本発明に係る波長変換積層複合体の実施形態について図面に基づき説明する。図1は本発明に係る波長変換積層複合体1の断面図である。
図1に示すように、この波長変換積層複合体1は、波長変換を行う第1の層2と、第1の層2の上に積層された中間層4と、中間層4の上に積層され、LED(発光ダイオード)或いはLD(レーザ・ダイオード)の担体層となる第2の層3とからなる。前記第1の層2はLED(発光ダイオード)或いはLD(レーザ・ダイオード)のビーム出射面上に配置される。即ち、波長変換積層複合体1は、LEDやLDから入射された所定波長の光を、第1の層2において異なる波長に変換して出射するものである。
前記第1の層2は、LED(発光ダイオード)あるいはLD(レーザ・ダイオード)からの励起光(特定波長)の一部を、その波長より長い波長に変換し透過する波長変換機能を有する。
具体的には、賦活剤(例えばCe)を含有したYAG系蛍光性材料(例えばYAG:Ce)とAlとからなる層である。この第1の層2のような波長変換機能層は、蛍光性材料基材の組成、賦活剤の種類、含有量並びに当該層の厚さ等によって励起光を変換する波長等が調整(色度設計)される。
より詳しくは、前記賦活剤含有の前記YAG系蛍光性材料は、( Gd 1−s (Al Ga 1−t 12 :Ce(0.1≦s≦1、0.1≦t≦1)であることが望ましく、このようなYAG系蛍光性材料によって、上記波長変換積層複合体をより確実に製造することができると共に、後述する、本発明効果をより顕著なものとすることができる。
また、前記したように、第1の層2と第2の層3との間に、Alからなる中間層4が設けられている。この中間層4は、波長変換積層複合体1を作製するにあたり、各層2〜4となるグリーンシートを順次積層後、焼成一体化する際に、焼成工程において第1の層2中の賦活剤が第2の層3に拡散することを抑制するものである。
即ち、第1の層2に含まれる賦活剤が、第2の層3に拡散すると、第1の層2での賦活剤の含有量が意図した量より減少し、変換波長がずれるという問題が生じる。また、第2の層3に賦活剤がドープされることで、第2の層3でも励起光の一部変換が生じてしまい、結果、全体での出射光の色度が設計通りに達成できないという問題が生じる。これら問題を解決するため、前記中間層4は設けられている。
また、前記中間層4はAlにより形成され、前記Alの直径20μm以上300μm以下の粒子個数が、前記Alの全体粒子個数の90%以上占めるように構成されている。
このように前記グリーンシート積層体の焼成工程終了後の前記Alの直径20μm以上300μm以下の粒子個数が、前記Alの全体粒子個数の90%以上占めるように焼成することで、第1の層から第2の層への賦活剤の拡散を充分に低減することができる。また、焼成後の成膜、接着等の再加熱工程においても賦活剤の拡散を抑制することが可能となる。
また、中間層4を形成するAl粒子の直径は、5μm以上500μm以下であることが、より好ましい。このようなAl粒子の直径であれば、賦活剤の拡散をより効果的に抑制することができ、また、当該粒子が過大となることに伴う機械的強度の低下を抑制することができる。
また、中間層4を形成するAlは、気孔率が0.1%以上2.0%以下であり、直径0.3μm以上3μm以下の気孔が均一分布されていることがより好ましく、それにより、熱応力による割れをより確実に防止することができる。
また、第2の層3は、賦活剤の有無以外は第1の層2と同等の材質、具体的には、第1の層2の賦活剤の含有量の10%以下のYAG系材料とAlとからなる。
このように第2の層3を形成することによって、当該波長変換積層複合体1をLEDランプ或いはLDランプとして用いた場合、LED素子やLD素子の発熱に伴う複合体の反りの発生を抑制することができる。
また、前記第1の層における賦活剤含有のドープのYAG系蛍光性材料と、Alとの体積組成比が10:90以上60:40以下の範囲内にあり、前記第2の層におけるYAG系材料と、Alとの体積組成比が10:90以上40:60以下の範囲内にある。
また、前記第1の層2、第2の層3、中間層4の各層においてAl粒子同士は連結されると共に、各層2,3,4の界面においてもAl粒子同士が連結される連結構造を有している。
即ち、波長変換積層複合体1は、上記組成比からなる第1の層2と第2の層3とが、Alからなる中間層4を狭持する構造であり、また、前記3つの層がAl同士の連結構造を有し、各層界面においてもAl同士の連結構造を有している。
特に、第1の層2と第2の層3とは、それぞれ所定の組成比でAlを含むため充分な強度を有し、各層間の熱膨張係数差に伴う使用時の熱応力による割れ発生を抑制することができる。この割れ発生をより低くするためには、第1の層2及び第2の層3のAl体積組成比を±5vol%以内で均一化することが好ましい。また、第1の層での放熱性が向上するため、熱籠もりによる発光効率の低下も抑制することができる。また、LEDパッケージ等のヒートシンクへの放熱性も優れたものとすることができる。
また、各層2,3,4の界面においてAl粒子同士が連結する連結構造を有しているため、各層間の屈折率差に伴う光の界面反射量を低減することができ、その結果、発光効率の低下を抑制することができる。また、Al粒子同士の連結構造を有しているため、前記第1の層での熱こもりによる発熱効率の低下も抑制することができる。またヒートシンクとしてのデバイスケーシングへの放熱性も向上させることができる。
尚、「第1の層2に含まれるYAG系蛍光性材料の組成比(vol%)×厚さ(μm)」をA(vol%・μm)とし、「第2の層3に含まれるYAG系材料の組成比(vol%)×厚さ(μm)」をB(vol%・μm)とすると、A/Bは0.024以上5以下であることがより好ましい。他の条件を満たし、更にこの範囲に形成することで、使用時に発生する反りをより確実に低減することができる。この効果を更に高めるためには、前記A/Bが0.083〜0.360であることが、より好ましい。
また、前記第1の層2に含まれるYAG系蛍光性材料と、前記第2の層3に含まれるYAG系材料の平均粒子径は0.5μm以上5μm以下とされ、前記第1の層2と第2の層3に含まれるAlの平均粒子径は0.5μm以上10μm以下とされる。
前記のように粒子径を設定することにより、出射光の散乱性を良好なものとし、視野角での色ムラをより低減できると共に、特に第1の層でのYAG系蛍光性材料の不均質分布に伴う出射光の面内色ムラをより低減することができる。
また、前記第1の層2中の賦活剤含有のYAG系蛍光材料の体積組成比をaとした場合、aが10〜30であり、前記第2の層3中のYAG系材料の体積組成比をbとした場合、bが20〜40であり、かつ前記bが前記aよりも大きいことがより好ましい。
上記波長変換積層複合体を、図2に示すように、前記第2の層3を発光素子5の上面に位置し、発光素子より青色光を照射する様に用いることにより、発光素子より放たれた青色光がYAG系材料の体積組成比が大きい第2の層3でより拡散し、前記第1の層2に照射される際、青色光はより均質に拡散した状態となり、局所的な照射ムラに伴う発熱を抑制でき、発光効率をより向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
(第1の層のグリーンシートの作製)
平均粒子径0.3〜1.5μmの純度99.9%の酸化セリウム粉末、平均粒子径0.6〜5μmの純度99.9%の酸化イットリウム粉末、及び平均粒子径0.2〜0.9μmの純度99.9%の酸化アルミニウム粉末を表1に示すような後で記載する焼成条件等で焼成した後の組成となるように所定量配合し原料粉末を得た。
前記原料粉末に対してエタノール、PVB系バインダーおよびグリセリン系可塑剤を原料粉末に対して添加し、酸化アルミニウムボールを用いたボールミルによって10時間粉砕混合を行い、スラリーを作製した。
そして、得られたスラリーから、ドクターブレード法により、表1に示す所定厚みのグリーンシートを作製した。次に、作製したグリーンシートを口100mmに打ち抜き加工した。
(中間層のグリーンシートの作製)
平均粒子径0.3〜2.1μmの純度99.9%の酸化アルミニウム粉末を、原料粉末とした。後で記載する焼成条件等で焼成した後の酸化アルミニウム粒子の直径が、表1に示す最小値及び最小値の範囲内になるように選定した。
この原料粉末に対してエタノール、PVB系バインダーおよびグリセリン系可塑剤を原料粉末に対して添加し、酸化アルミニウムボールを用いたボールミルによって10時間粉砕混合を行い、スラリーを作製した。
そして、得られたスラリーから、ドクターブレード法により、表2に示す所定の厚みのグリーンシートを作製した。次に、作製したグリーンシートを口100mmに打ち抜き加工した。
(第2の層のグリーンシートの作製)
純度99.9%、平均粒子径0.6〜5μmの酸化イットリウム粉末、純度99.9%、平均粒子径0.2〜0.9μmの酸化アルミニウム粉末を、表1に示すような、後で記載する焼成条件等で焼成した後の組成となるように所定量配合し、原料粉末を得た。
前記原料粉末に対してエタノール、PVB系バインダーおよびグリセリン系可塑剤を原料粉末に対して添加し、酸化アルミニウムボールを用いたボールミルによって10時間粉砕混合を行い、スラリーを作製した。
そして、得られたスラリーから、ドクターブレード法により、表3に示す所定厚みのグリーンシートを作製した。次に、作製したグリーンシートを口100mmに打ち抜き加工した。
(波長変換積層複合体の作成)
前記第1の層、中間層、第2の層の打ち抜き加工後、第1の層用グリーンシートと、第2の層用グリーンシートとの間に、中間層用のグリーンシートを挟み込み、グリーンシートの積層体した。
次いで、60℃、100MPaの雰囲気下で温間等方圧加圧法(WIP)を行い、積層構造を有する成形体を作製した。
そして、作製した成形体を大気中で脱脂仮焼後、真空雰囲気下、1550〜1750℃で焼結し、波長変換積層複合体を得た(実施例1〜実施例17、比較例1〜5)。
Figure 0006406662
Figure 0006406662
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[各実施例、各比較例の測定、評価]
(Al粒子同士の連結の有無)
各実施例、各比較例について、各層及び各層界面におけるAl粒子同士の連結の有無につて検証した。
各層及び各層界面におけるAl粒子同士の連結の有無は、波長変換積層複合体の厚さ方向の任意の垂直断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、各層及び各層界面においてAl粒子同士が連結(結合)しているか否か、確認した。その結果を表4に示す。
(Al粒子個数及び各粒子径の測定)
波長変換積層複合体の厚さ方向の任意の垂直断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、中間層部分を延べ1mm2の視野角で撮像した際にAl粒子個数及び各粒子径を測定した。
(焼成後の第1層と第2層におけるCe濃度(atom%)の測定)
焼成後の第1層と第2層におけるCe濃度(atom%)の測定は、各層をそれぞれ、研削加工により削り出した後、ICP発光分析により測定した。
(色ムラの測定)
色ムラは、1mm四方に加工後、背面から直径0.3mmに集光した青色LED光を照射し、前方から分光器(オーシャンオプティクス社製「USB4000 ファイバメルチチャンネル分光器」)を用いて受光した。
得られたスペクトルデータよりCIExを算出した。表5に示す値は、5mm四方エリアを0.1mmピッチで51×51(2601ポイント)測定した際の標準偏差を示す。
(色度、発光効率の測定)
色度および発光効率は、1mm四方に加工後、青色LED素子(発光領域1mm四方、発光波長460nm)上にシリコーン樹脂で固定した。発光を積分球にて集光後、分光器(オーシャンオプティクス社製「USB4000 ファイバメルチチャンネル分光器」)を用いて、発光スペクトルを測定した。
得られたスペクトルから蛍光ピーク波長の計測および吸収量で規格化した発光強度を算出した。蛍光ピーク波長は第2層にCeが拡散するほど、短波長よりとなる。青色光と組み合わせ所望の白色光(8000K以下)を得るためには発光ピーク波長は540nm以上である必要がある。
発光強度(発光効率)は市販のYAG:Ce蛍光体(化成オプトニクス社製「P46−Y3」)の測定結果を100とした。
(反り・割れの発生状況)
反り・割れの状況確認は、□30mmに切出した波長変換積層複合体を200℃に加熱後、0℃の水中に落下させ、反り・割れの発生有無を確認した。上記測定結果を表5に示す。
尚、比較例3のA/Bは0.178、比較例5のA/Bは0.171であるが、他の条件を満たさないため、反り・割れが発生したものである。
Figure 0006406662
Figure 0006406662
以上の実施例の結果、実施例1〜17のように、Alにより形成された中間層において直径20μm以上300μm以下の粒子が全体粒子個数の90%以上を占めることにより、焼成後の第2の層におけるCe(賦活剤)濃度を充分に低いものとすることができ、第2の層へのCe(賦活剤)の拡散を抑制することができることが確認された。
また、第1の層における賦活剤含有のYAG系蛍光性材料と、Alとの体積組成比が10:90以上60:40以下の範囲であり、第2の層におけるYAG系材料と、Alとの体積組成比が10:90以上40:60以下の範囲である場合に、高い発光効率が得られることが確認された。
また、第1の層に含まれるYAG系蛍光性材料と、第2の層に含まれるYAG系材料の平均粒子径が0.5μm以上5μm以下であり、第1の層と第2の層とに含まれるAlの平均粒子径が0.5μm以上10μm以下の範囲において、出射光の散乱性が良好となり、視野角での色ムラが低減され、特に第1の層でのYAG系蛍光性材料の不均質分布に伴う出射光の面内色ムラがより低減されることが確認された。
1 波長変換積層複合体
2 第1の層
3 第2の層
4 中間層
5 LED素子

Claims (5)

  1. 賦活剤含有のYAG系蛍光性材料とAlとからなる第1の層と、
    前記第1の層上に積層され、直径20μm以上300μm以下の粒子が全体粒子個数の90%以上を占めるAlからなる中間層と、
    前記中間層上に積層され、前記第1の層の賦活剤の含有量の10%以下の賦活剤を含有するYAG系材料とAlからなる第2の層とを有し、
    前記第1の層における賦活剤含有のYAG系蛍光性材料と、Alとの体積組成比が10:90以上60:40以下の範囲であり、
    前記第2の層におけるYAG系材料と、Al2O3との体積組成比が10:90以上40:60以下の範囲であり、
    かつ、前記各層内においてAl粒子同士は連結されると共に、各層界面においてもAl粒子同士が連結される連結構造を有していることを特徴とする波長変換積層複合体。
  2. 前記第1の層に含まれるYAG系蛍光性材料及び前記第2の層に含まれるYAG系材料の平均粒子径が0.5μm以上5μm以下であり、
    前記第1の層と第2の層とに含まれるAlの平均粒子径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載された波長変換積層複合体。
  3. 全体を100とした前記第1の層中の賦活剤含有のYAG系蛍光材料の体積組成比をaとした場合、aが10〜30であり、全体を100とした前記第2の層中のYAG系材料の体積組成比をbとした場合、bが20〜40であり、かつ前記bが前記aよりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された波長変換積層複合体。
  4. 前記第1の層に含まれる賦活剤含有のYAG系蛍光性材料が、(YsGd1−s(AlGa1−t12:Ce(0.1≦s≦1、0.1≦t≦1)であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された波長変換積層複合体。
  5. 賦活剤含有のYAG系蛍光性材料とAlとからなる第1の層と、
    前記第1の層上に積層され、直径20μm以上300μm以下の粒子が全体粒子個数の90%以上を占めるAlからなる中間層と、
    前記中間層上に積層され、前記第1の層の賦活剤の含有量の10%以下の賦活剤を含有するYAG系材料とAlからなる第2の層とを有する状態で焼結することを特徴とする波長変換積層複合体の製造方法。
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