JP6406172B2 - 希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法 - Google Patents

希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、安定的に高い保磁力を有し、優れた耐候性を示す、希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法に関する。
従来から、フェライト磁石、アルニコ磁石、希土類磁石等が、モータをはじめとする種々の用途に用いられている。しかしながら、これらの磁石は、主に焼結法により製造されるために、一般に脆く、薄肉のものや複雑な形状のものを得ることが難しいという欠点を有している。またそれに加え、焼結時における収縮が15%〜20%と大きいために、寸法精度の高いものが得られず、精度を上げるには研磨等の後加工が必要であるという欠点も有している。
ボンド磁石は、これら焼結法の欠点を解決するとともに、新しい用途を開拓するために近年になって開発されたものである。このボンド磁石は、通常、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂をバインダーとして、これに磁性粉末を充填することにより製造される。
しかしながら、こうしたボンド磁石の中でも、特に、希土類−鉄−窒素系磁性粉末のような、希土類元素を含む鉄系合金微粉末を用いたボンド磁石では、高温多湿雰囲気下での錆の発生や磁気特性の低下を起こし易い。そのため、例えば、成形体表面に熱硬化性樹脂等のコーティング膜を形成することで発錆を抑制したり、また成形体表面に燐酸塩含有塗料による被覆処理を施したりすることで発錆を抑制している(特許文献1参照)。ところが、成形体を構成する磁性粉末を被覆するわけではないため、発錆や、保磁力等の磁気特性の点で十分に満足できるものではない。
このような問題点に対して、希土類元素を含む鉄系合金粉末を粉砕する際に燐酸を添加することにより、粉砕と同時に燐酸による処理を受けるようにして、個々の磁石粉表面が燐酸との反応によって形成された皮膜によって保護し、耐候性を向上させた希土類−鉄−窒素系磁石粉の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、磁石粉の磁気特性、特に保磁力や、耐候性が製造ロット間でばらつくことがある。そのため、燐酸化合物による皮膜形成と乾燥処理を最適化して、耐候性に影響するリン、酸素、水素の組成を所定の範囲にコントロールすることで、ばらつきを低減する方法が提案されている(特許文献3参照)。
こうした状況下、近年では、二輪車や自動車用小型モータ等に用いられるボンド磁石において、機器の信頼性の要請から磁気特性が安定であるものが要求されている。しかしながら、従来の希土類元素を含む鉄系合金微粉末から得られるボンド磁石の磁気特性は、これらの用途に使用するには不十分であり、保磁力や耐候性のばらつきをさらに低減させることが望まれている。
特開2000−208321号公報 特開2002−124406号公報 特開2004−111515号公報
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、保磁力や耐候性のばらつきが低減され、安定して高い保磁力と優れた耐候性を示す、希土類元素を含む鉄系合金微粉末を製造する方法を提供する。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、希土類−鉄−窒素系合金微粉末において、その保磁力や耐候性のばらつきを生じさせている原因が、不可避不純物である水素にあることを見出した。そして、有機溶剤を含む溶媒中で原料とする合金粉末を粉砕するに際して、粉砕で生じた微粉末の新生破面が直ちに処理されるように燐酸を添加し、加熱処理する希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法において、表面に燐酸塩皮膜が形成された合金微粉末に対して、分子中に不飽和結合を有する炭化水素を含む雰囲気中で、所定の温度で加熱処理を施すことにより、得られる合金微粉末の水素含有量を効果的に低減させて、安定的に、高い保磁力と優れた耐候性を示すものになることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、有機溶剤を含む溶媒中で希土類元素を含む鉄系合金粉末を粉砕するとともに、該粉砕に際して燐酸化合物を添加し、表面が燐酸塩皮膜で被覆された微粉末を得る第1の工程と、得られた微粉末に対して所定の温度で加熱処理を施す第2の工程と、を有し、第2の工程では、得られる鉄系合金微粉末の水素含有量が0.2質量%以下となるように、分子中に不飽和結合を有する炭化水素を含む雰囲気中で、100℃以上300℃以下の温度条件で加熱処理する希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、0.5時間以上20時間以下の条件で加熱処理する希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第1の工程では、粉砕前又は粉砕中に、前記溶媒に前記燐酸化合物を添加する希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法である。
本発明によれば、保磁力や耐候性のばらつきが低減されて、安定して高い保磁力と優れた耐候性を示す、希土類元素を含む鉄系合金微粉末を効率的に製造することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書において、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.希土類元素を含む鉄系合金微粉末≫
本実施の形態に係る希土類元素を含む鉄系合金微粉末は、希土類−遷移金属−窒素系磁性粉末(以下、「合金粉末」ともいう)の粉砕物であって、その表面が燐酸塩皮膜で被覆されており、特定の元素組成を持つものである。
(1)合金粉末
燐酸塩皮膜で被覆される前の合金粉末は、ThZn17型、ThNi17型、又はTbCu型結晶構造を持つ。これらは、菱面体晶系、六方晶系の結晶構造を持つ金属間化合物であり、ThZn17型の合金粉末としては、例えば、SmFe17合金、NdFe17等が挙げられる。また、ThNi17型の合金粉末としては、例えば、GdFe17等が挙げられる。
希土類元素(R)としては、Sm、Nd、Pr、Y、La、Ce、Gd等が挙げられ、これらは単独でも、混合物でもよいが、その中でもSmが特に有効である。また、遷移金属元素(T)としては、鉄(Fe)が必須成分であり、この一部がCoで置換されたものであってもよい。具体的に、Feの20質量%以下の割合をCoで置換することにより、微粉末のキュリー温度や耐食性を向上させることができる。なお、以下では、Feが遷移金属として必須成分であることを踏まえ、「希土類−鉄−窒素系磁性粉末」と表記する。
合金粉末には、C、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、又はAuを含有することができる。これらの中には、遷移金属以外の元素も含まれているが、本実施の形態に係る鉄系合金微粉末では、それら全てを遷移金属元素(T)に準じて扱うものとする。合金粉末において、これら成分を3質量%以下、好ましくは0.05〜0.5質量%の割合で添加することにより、この合金粉末の粉砕物である微粉末を用いて作製したボンド磁石の耐候性や耐熱性をさらに高めることができる。
これらの合金粉末は、例えば、還元拡散法や液体急冷法、HDDR(Hydrogenation Decomposition Desorption Recombination)法によって得られた希土類−鉄系合金粉末を、窒化熱処理することによって製造することができる。
(2)希土類元素を含む鉄系合金微粉末
本実施の形態に係る希土類元素を含む鉄系合金微粉末(以下、単に「鉄系合金微粉末」又は「合金微粉末」ともいう)は、上述した希土類−鉄−窒素系磁性粉末を粉砕し、その表面に燐酸塩皮膜を形成したものであって、この燐酸塩皮膜を含んだ磁性粉末全体を構成する各成分が特定の組成を有している。
(平均粒径)
鉄系合金微粉末の平均粒径としては、例えば、1μm〜10μm程度である。
(鉄系合金微粉末の組成)
希土類元素を含む鉄系合金微粉末の構成成分としては、合金粉末の成分である希土類元素(R)と、鉄を含む遷移金属元素(T)と、窒素(N)と、燐酸塩皮膜の成分であるリン(P)と、酸素(O)とを含む。そして、この鉄系合金微粉末では、製造過程において不可避的に混入する不純物として水素(H)があり、上述した元素の他に水素を含む。なお、上述したように、合金粉末の成分としてCo等の添加元素、燐酸塩皮膜の成分としてZn、Cu、Mn等の遷移金属元素(T)がさらに含まれていてもよい。
これら各成分は、例えば、鉄系合金微粉末中に、Rが20質量%〜25質量%、Nが2.1質量%〜5.7質量%、Pが0.1質量%〜2.0質量%、Oが0.3質量%〜6.0質量%、残部がTという元素組成を有している。そして、本実施の形態に係る希土類元素を含む鉄系合金微粉末においては、上述したように不可避的不純物として水素の含有量が0.2質量%以下に低減されていることを特徴としている。
具体的に、Rの含有量に関して、20質量%未満であると微粉末の残留磁化と保磁力が低下する可能性があり、25質量%を超えると残留磁化と耐候性が低下する可能性がある。また、Nの含有量に関して、2.1質量%未満であるか5.7質量%を超えると、微粉末の残留磁化と保磁力が低下する可能性がある。また、燐酸塩皮膜の成分であるPの含有量に関しては、微粉末の形状や粒度分布(すなわち比表面積)に依存するものではあるが、0.1質量%未満であると微粉末の耐候性や耐熱性が劣る可能性があり、2.0質量%を超えるとその残留磁化が低下する可能性がある。
また、Oの含有量に関しても、微粉末の比表面積に依存するものではあるが、0.3質量%未満では微粉末表面の燐酸塩皮膜が十分に形成されていないため、耐候性や耐熱性が劣るのに加えて、表面活性が高いため大気中で取り扱ったとき発火のおそれがある。一方で、6.0質量%を超えると残留磁化が低下する可能性がある。
なお、残部が微粉末の主成分である遷移金属元素(T)である。燐酸塩皮膜の成分としては、Zn、Cu、Mn等がさらに含まれてもよく、このようなことから、遷移金属元素(T)としては、Feの他に、Co、Zn、Cu、及びMnから選択される1種以上が含まれるものが好適といえる。
そして、本実施の形態に係る希土類元素を含む鉄系合金微粉末においては、不可避的に混入する水素(H)の含有量が0.2質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下である。本発明者は、希土類元素を含む鉄系合金微粉末において、その保磁力や耐候性のばらつきを生じさせる原因が、不可避不純物である水素にあることを見出した。つまり、微粉末における水素の含有量が0.2質量%を超えると、耐候性が低下するとともに保磁力も低下する。また、その耐候性や保磁力にばらつきを生じさせる。本実施の形態に係る鉄系合金微粉末では、その不可避不純物である水素の含有量が0.2質量%以下であることにより、保磁力や耐候性のばらつきがなく、安定的に高い保磁力と優れた耐候性を示す。
(燐酸塩皮膜)
合金微粉末の表面に被覆された燐酸塩皮膜の成分としては、例えば、燐酸鉄、燐酸サマリウム等の希土類燐酸塩、又はこれらの複合金属塩等により構成される。その中でも、主要な成分としては燐酸鉄であり、鉄/希土類元素比は8以上であることが好ましく、9以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましい。ここで、鉄/希土類元素比は、磁性粉末試料をArスパッタしながら、XPS(X線光電子分光法)にて得たFe、Smスペクトルの面積強度に、測定装置(VG Scientific社製,ESCALAB220i−XL)の感度係数を乗じて、Fe/Sm元素比を求めたものである。鉄/希土類元素比が好ましくは8以上であれば、水をある程度遮断するとともに樹脂バインダーとの結合力を高め、ボンド磁石の成形性を高めることができる。なお、鉄/希土類元素比が8未満であると、これらの効果が十分に得られない可能性がある。
また、燐酸塩皮膜の厚さとして、特に限定されないが、平均2nm〜50nm程度であることが好ましく、このような燐酸塩皮膜が微粉末の表面に均一に被覆されている。燐酸塩皮膜の厚みが2nm未満であると、微粉末の表面に被覆不良の箇所が発生しやすく、耐候性が不十分となる可能性がある。一方で、燐酸塩皮膜の厚みが50nmを超えると、磁気特性が悪化するおそれがある。なお、「微粉末の表面が均一に被覆されている」とは、微粉末表面において、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上の割合で燐酸塩皮膜が覆われていることをいう。
(比表面積)
本実施の形態に係る希土類元素を含む鉄系合金微粉末は、特に限定されないが、体積基準の比表面積が7m/cm以下であることが好ましい。比表面積が7m/cmを超えると、耐候性が低下する可能性がある。
≪2.希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法≫
次に、上述した希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法について説明する。本実施の形態に係る希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法は、先ず、原料とする合金粉末を燐酸化合物の存在下にて粉砕し、粉砕により生じた合金微粉末の表面に燐酸塩による皮膜を形成する第1の工程、粉砕して得られた合金微粉末を乾燥、加熱して表面の燐酸塩による皮膜を定着させる第2の工程と、を有する。
ボンド磁石に用いられる、希土類−鉄−窒素系合金微粉末(希土類元素を含む鉄系合金微粉末)としては、保磁力や耐候性にばらつきがなく、安定的に高い保磁力を有し、安定的に優れた耐候性を示すものが求められる。本発明者の研究により、合金微粉末において、その保磁力や耐候性のばらつきを生じさせている原因が、不可避不純物である水素であることが見出された。
鉄系合金微粉末の製造方法においては、第1の工程として、原料とする合金粉末を粉砕するにあたって燐酸を添加し、粉砕後の合金微粉末の表面に燐酸塩皮膜を形成させる処理を行う。これにより、粉砕後の合金微粉末の酸化を防止することができる。ところが、この粉砕時に添加する燐酸が合金微粉末と反応することで発生した水素が、得られる合金微粉末の表面から合金中に侵入することが分かった。
水素は原子半径が小さいため、合金微粉末の表面近傍に容易に拡散していき、合金微粉末の主相であるRFe17相あるいはRFe相(Rは希土類元素)の格子定数を増大させる。格子定数の変化は、結晶磁気異方性の大きさに影響し、多くの場合、格子定数の増大は磁気異方性を低下させ、その部分が逆磁区の芽となって保磁力を低下させるものと推察される。
したがって、このことから、合金微粉末の表面や結晶粒界近傍に拡散した水素が保磁力や耐候性のばらつきを生じさせる原因となり、その水素を除去することが、安定的な保磁力や耐候性を実現するために必要となる。なお、例えば特許文献3に開示されている、不活性ガス中又は真空中における100℃〜300℃の温度条件での加熱処理では、合金微粉末に残留する水素量がばらついてしまい、安定的に工業生産するのが難しかった。
そこで、本実施の形態に係る製造方法においては、上述した第1の工程にて表面に燐酸塩皮膜を形成させて得られた合金微粉末に対して、第2の工程として、その合金微粉末の水素含有量が0.2質量%以下となるように、微粉末を含むスラリーの乾燥時又は乾燥後に、分子中に不飽和結合を有する炭化水素を含む雰囲気中で、100℃以上300℃以下の温度条件で加熱処理することを特徴としている。
このように、分子中に不飽和結合を有する炭化水素を含む雰囲気中で加熱処理を施すことによって、合金微粉末に含まれる水素を効果的に除去することができ、水素含有量が0.2質量%以下の鉄系合金微粉末を得ることができる。このような鉄系合金微粉末では、保磁力や耐候性のばらつきが少なく、安定的に高い保磁力を有し、安定的に優れた耐候性を示す。以下、各工程について具体的に説明する。
(1)第1の工程
第1の工程では、原料である合金粉末を、燐酸化合物を添加した有機溶媒中で粉砕するとともに、粉砕により生じた微粉末の表面に燐酸塩皮膜を被覆する。
従来より、合金粉末の表面に燐酸塩の皮膜を被覆する処理が行われているが、合金粉末に対する粉砕終了後に燐酸塩等の処理剤を添加しているために、粉砕後の合金粉末がその磁力によって互いに凝集してしまい、合金粉末の接触面に燐酸塩皮膜で被覆されていない部分が少なくとも一部に発生する。
そこで、本実施の形態においては、燐酸化合物を、磁性粉末の粉砕前又は粉砕中に添加し、粉砕により生じた微粉末の新生破面が直ちに燐酸化合物により処理されて燐酸塩皮膜が形成されるようにしている。
(燐酸化合物の添加方法)
燐酸化合物の添加方法としては、特に限定されないが、例えば、媒体攪拌ミル等の粉砕機で合金粉末を粉砕するに際し、合金粉末を投入する溶媒として用いる有機溶剤中に燐酸化合物を添加する方法を挙げることができる。このとき、燐酸化合物の添加量としては、最終的に所望の燐酸濃度になればよく、粉砕開始前に一度に全量を添加してもよいが、溶媒中の燐酸濃度が一定となるように徐々に添加することがより好ましい。
(燐酸化合物)
燐酸化合物としては、合金微粉末の表面に燐酸塩皮膜を形成できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、オルト燐酸をはじめ、亜燐酸、次亜燐酸、ピロ燐酸、直鎖状のポリ燐酸、環状のメタ燐酸等の燐酸系化合物が挙げられる。
また、燐酸化合物として、燐酸アンモニウム、燐酸アンモニウムマグネシウム等、さらには、微粉末の表面で、ホパイト、フォスフォフェライト等の皮膜を形成する燐酸亜鉛系、ショルツァイト、フォスフォフィライト、ホパイト等の皮膜を形成する燐酸亜鉛カルシウム系、マンガンヒューリオライト、鉄ヒューリオライト等の皮膜を形成する燐酸マンガン系、ストレンナイト、ヘマタイト等の皮膜を形成する燐酸鉄系等の、金属燐酸系化合物を使用することができる。
これらの燐酸化合物のなかでも、特に、オルト燐酸を用いることが好ましい。その理由としては、オルト燐酸は、希土類系金属や鉄との反応性が大きく、合金微粉末の表面に燐酸塩皮膜を形成しやすいためである。
これらの燐酸化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、上述した、燐酸系化合物と金属燐酸系化合物とを組み合わせて用いてもよく、その場合には、燐酸系化合物を金属燐酸系化合物の1倍〜3倍の濃度として使用することが好ましい。なお、通常、これらの燐酸化合物は、キレート剤、中和剤等と混合して処理剤として使用される。
(燐酸化合物の添加量)
燐酸化合物の添加量は、粉砕後の合金微粉末の粒径や比表面積等に関係するため一概には言えないが、例えば、粉砕する合金粉末に対して、0.05mol/kg以上2.0mol/kg未満が好ましく、0.1mol/kg〜1.5mol/kgがより好ましく、0.15mol/kg〜0.6mol/kgがさらに好ましい。
燐酸化合物の添加量が0.05mol/kg未満であると、合金微粉末に対する表面処理が十分に行なわれないために、耐候性が十分に改善されない可能性がある。また、大気中で取り扱うと、酸化・発熱して磁気特性が極端に低下する可能性がある。一方で、燐酸化合物の添加量が2.0mol/kg以上であると、合金微粉末との反応が激しく起こって溶解してしまう可能性がある。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類、ケトン類、低級炭化水素類、芳香族類、又はこれらの混合物が用いられる。その中でも、特に、アルコール類を使用することが好ましい。
(粉砕処理と皮膜形成処理)
本実施の形態においては、有機溶媒中で合金粉末に対する粉砕にあたって、その粉砕前に又は粉砕中に、その有機溶媒中に燐酸化合物を添加して行う。すなわち、原料の合金粉末に対して粉砕処理を施す際に燐酸化合物を添加する。これにより、合金粉末の粉砕によって生じた合金微粉末の凝集粒子に新生面が生じても、瞬時に、その新生面と溶媒中の燐酸化合物とが反応し、粒子表面に燐酸塩皮膜が形成されるようになる。また、その後に、粉砕により得られた合金微粉末がその磁力や媒体によるせん断で凝集した場合でも、接触面には既に燐酸塩皮膜が形成されているため、解砕により腐食が生じることはない。
このような粉砕処理により、平均粒径が例えば10μm以上であった合金粉末も、粉砕が進むにつれて、その表面に薄い燐酸塩被膜が短時間で形成されるようになる。
なお、有機溶媒中での合金粉末に対する粉砕処理にあたって、湿式粉砕が可能なビーズミル等の媒体攪拌ミルを使用することが好ましい。
ここで、ThZn17型結晶構造を持つ希土類元素−鉄−窒素系合金粉末では、粉砕により生じた合金微粉末の表面に、使用した燐酸化合物の種類に基づく構成元素の燐酸塩が生じ得るが、希土類元素は鉄に比べて著しく卑であるため、燐酸化合物の添加量や粉砕条件によっては希土類元素が優先的に溶出し、希土類元素と燐酸塩を形成する場合がある。
この場合でも、得られる合金微粉末の耐熱性には問題は生じないものの、耐候性の観点からすると、燐酸塩皮膜中における燐酸鉄の含有量が多い方が好ましくなる。燐酸鉄は、希土類元素の燐酸塩に比べて耐候性に優れており、また、希土類元素が優先的に溶出するような条件では、合金微粉末の表面のFe濃度が高くなり、磁気的性質が変化する可能性があるからである。
このため、燐酸塩皮膜に含まれるFeと希土類元素との元素比(Fe/希土類元素)が、燐酸化合物の添加量や混合時間等に基づいて、8以上となるように調整することが好ましい。また、合金微粉末の表面を保護する燐酸塩皮膜の厚さとしては、平均で2nm〜50nmなるように調整することが好ましい。
なお、予め、原料とする希土類元素−鉄−窒素系合金粉末の表面に、亜鉛を化学的に被覆反応させる亜鉛処理を施すことによって、合金微粉末の表面の軟磁性相や欠陥等を低減させておくことができる。これにより、合金微粉末の表面に対して燐酸塩皮膜を容易に形成することができ、耐候性のみならず耐熱性にも優れるものとなり、特に好適である。
また、上述した燐酸塩皮膜を表面に被覆形成させるとともに、必要に応じて、さらにシラン系、アルミネート系、チタネート系等の各種のカップリング剤やアビエチン酸系化合物等から選択された1種以上からなる皮膜を被覆させるようにしてもよい。
(2)第2の工程
第2の工程では、第1の工程にて得られた、表面に燐酸塩皮膜が形成された合金微粉末を含むスラリーに対して、所定の温度条件で加熱処理する。この第2の工程での加熱処理により、表面に被覆された燐酸塩皮膜が安定化して、ボンド磁石等に用いられる、希土類元素を含む鉄系合金微粉末が得られる。
このとき、本実施の形態においては、分子中に不飽和結合を有する炭化水素(以下、「不飽和炭化水素」ともいう)を含む雰囲気中で、100℃以上300℃以下の温度範囲の条件で加熱処理することを特徴としている。また、その加熱処理の処理時間としては、好ましくは、0.5時間以上20時間以下の条件とする。
この加熱処理では、加熱処理雰囲気として分子中に不飽和結合を有する炭化水素を含む雰囲気にて行っているため、その不飽和炭化水素が、合金微粉末に含まれる水素によって水添されて飽和炭化水素となる反応が生じる。つまり、このような不飽和炭化水素を含む雰囲気下における加熱処理によって、合金微粉末に含まれる水素を効果的に除去することができる。
このような加熱処理は、合金微粉末を含むスラリーの液分を乾燥するとき、又は、液分を蒸発させた後(乾燥後)のいずれの段階でも可能であるが、液分を蒸発させた後の方が、合金微粉末の表面と不飽和炭化水素を含む雰囲気との接触確率が大きくなり、より効率的に且つより効果的に、合金微粉末中の水素を除去することができ、好ましい。
(不飽和結合を有する炭化水素)
分子中に不飽和結合を有する炭化水素としては、ガス状のものであっても、液状のものであってもよく、例えば、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン(プロピレン)、ブテン、ブタジエン、ベンゼン、白灯油(ケロシン)、軽油等が挙げられる。
不飽和結合を有する炭化水素は、可燃性であり、熱処理雰囲気ガスとして導入する場合には、安全性及び処理の均一性確保のために、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスに流量を制御しながら添加することが好ましい。また、減圧下で制御しながら不飽和炭化水素を導入してもよい。また、不飽和炭化水素として液状のものを用いる場合には、その不飽和炭化水素をアルコールやヘキサン等の有機溶媒で希釈し、その希釈液により合金微粉末を均一に濡らすように添加し、その後に加熱処理を施すことが好ましい。なお、この場合でも、不飽和炭化水素を含む雰囲気にて加熱処理を行う態様であるとする。
(加熱温度)
不飽和炭化水素を含む雰囲気中における加熱処理の温度(加熱温度)は、100℃以上300℃以下の範囲とする。また、好ましくは100℃以上200℃以下の範囲とする。
100℃未満の温度条件で加熱処理を施すと、雰囲気中の不飽和結合を有する炭化水素と水素との反応が十分進まず、得られる合金微粉末の水素含有量が低減されず、保磁力が向上しないとともにばらつきが大きいものとなる。一方で、300℃を超える温度条件で加熱処理を施すと、合金微粉末に対して強い熱的なダメージを与えてしまうためか、得られる合金微粉末の保磁力が低くなるという問題がある。
(加熱処理時間)
加熱処理に要する時間としては、処理装置や処理量、雰囲気中への不飽和結合を有する炭化水素の供給量、加熱雰囲気や加熱温度等によって変わるため、特に限定されないが、0.5時間以上であればよく、1時間〜20時間、特に2時間〜10時間となるよう調整するのが好ましい。
当然のことながら、不飽和結合を有する炭化水素の供給総量は、合金微粉末から除去しようとする水素との反応に必要な量に対して1当量以上でなければならない。1当量を下回ると、合金微粉末内に水素が残留する。供給した不飽和炭化水素は、一般にその100%が反応に寄与するものではないため、その不飽和炭化水素の濃度や供給流量、処理装置内での合金微粉末の撹拌状態等に応じて、数当量から数10当量の供給量で供給する必要もある。ただし、不飽和炭化水素の供給当量が多い場合であっても、処理時間が0.5時間未満であると、水素との反応が十分に進まずに、水素含有量を低減させることができない。一方で、不飽和結合を有する炭化水素の単位時間当たりの供給量を小さくし長時間かけて処理することも可能であるが、20時間を超える処理時間では、経済性の面で好ましくない。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(1)成分
原料として用いる希土類元素を含む鉄系合金粉末として、Sm−Fe−N系合金粉末(住友金属鉱山株式会社製)を用いた。このSm−Fe−N系合金粉末の平均粒径は20μmであり、組成は、Smが23.2〜24.5質量%、Nが3.1〜3.5質量%で、残部はFeであるが、不純物としてCaが0.006質量%〜0.015質量%、水素が0.002質量%〜0.008質量%含まれている。
また、燐酸化合物には、85%オルト燐酸水溶液(商品名:「りん酸」、関東化学株式会社製)を用いた。
(2)試験・評価方法
得られた希土類元素を含む鉄系合金微粉末の試料のリンについてはICP発光分析法により、酸素、水素については抵抗加熱・伝導率法により組成を分析した。
また、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)で測定した50%粒子径を試料の平均粒径とした。
希土類元素を含む鉄系合金微粉末の試料の残留磁束密度Brと保磁力μHcついては、日本ボンド磁石工業協会ボンド磁石試験方法ガイドブックBMG−2002に従って、振動試料型磁力計により常温で測定した。ここで、「μ」は真空の透磁率であり、合金微粉末の密度を7.67g/cmとして換算した。
[実施例1〜3、従来例1、比較例1〜4]
ビーズミルを用い、希土類元素を含む鉄系合金粉末0.5kgを1kgのイソプロピルアルコール中で平均粒径が2.1μmになるまで粉砕し、希土類元素を含む鉄系合金微粉末を作製した。なお、粉砕前に、イソプロピルアルコールに対して85%オルト燐酸水溶液11.5gを添加した。
粉砕終了後、スラリーをヌッチェで濾過し、濾布上に残ったケーキを真空ポンプで減圧しながら昇温し、130℃で2時間乾燥して冷却した。このようにして得られた鉄系合金微粉末を、従来例1の鉄系合金微粉末とした。
従来例1の鉄系合金微粉末の残留磁束密度Brは1.34T、保磁力μHcは1.02Tであった。また、組成分析を行った結果、リンは0.48質量%、酸素は1.5質量%、水素は0.062質量%であった。
次に、この合金微粉末を再びミキサー内に入れ、0.5体積%のエチレンガスを含むArガスを2.4L/minでフローしながら、下記表1に示す条件で加熱処理を施し、実施例1〜3及び比較例1〜4の希土類元素を含む鉄系合金微粉末を得た。なお、比較例4では、Arガスのみを2.4L/minでフローして加熱した。
下記表2に、冷却後に回収された希土類元素を含む鉄系合金微粉末の、残留磁束密度Brと保磁力μHc、リン(P)、酸素(O)、水素(H)の組成分析値を示す。
[実施例4〜6、比較例5]
従来例1の微粉末をミキサー内に入れ、不飽和炭化水素であるベンゼン1.7gと、希釈溶媒であるエタノール100gとをよく混合し、その希釈液をミキサー内の合金微粉末に加えて、合金微粉末の表面が十分に濡れるように撹拌した。次に、ミキサー内を1.0L/minでNガスをフローしながら、下記表1に示す条件で加熱処理を施し、実施例4〜6及び比較例5〜8の希土類元素を含む鉄系合金微粉末を得た。
下記表2に、冷却後に回収された希土類元素を含む鉄系合金微粉末の、残留磁束密度Brと保磁力μHc、リン(P)、酸素(O)、水素(H)の組成分析値を示す。
[実施例7]
実施例4において、ベンゼンとエタノールの代わりに、不飽和炭化水素としてケロシン2gと、その希釈溶媒であるヘキサン100gとをよく混合したものを使用し、加熱処理を施した。それ以外の条件は、下記表1に示す通り実施例4と同じである。
表2に、冷却後に回収された希土類元素を含む鉄系合金微粉末の、残留磁束密度Brと保磁力μHc、リン(P)、酸素(O)、水素(H)の組成分析値を示す。
[従来例2]
ビーズミルを用い、希土類元素を含む鉄系合金粉末0.5kgに、エタノール1kg、85%オルト燐酸水溶液34.6gを加え、平均粒径が2.1μmになるまで粉砕し、濾過して、濾布上に残ったケーキを真空ポンプで減圧しながら昇温し、150℃で2時間乾燥して冷却した。このようにして得られた鉄系合金微粉末を、従来例1の鉄系合金微粉末とした。
従来例2の鉄系合金微粉末の残留磁束密度Brは1.23T、保磁力μHcは0.81Tであった。また、組成分析を行った結果、リンは1.6質量%、酸素は3.3質量%、水素は0.25質量%であった。
[実施例8〜10]
従来例2の鉄系合金微粉末を再びミキサーに入れ、1.0体積%のエチレンガスを含むArガスを3L/minでフローしながら加熱処理し、実施例8〜10の希土類元素を含む鉄系合金微粉末を得た。
下記表2に、冷却後に回収された希土類元素を含む鉄系合金微粉末の、残留磁束密度Brと保磁力μHc、リン(P)、酸素(O)、水素(H)の組成分析値を示す。
Figure 0006406172
Figure 0006406172
実施例1〜3は、不飽和炭化水素としてエチレンガスを用いた例であり、減圧加熱のみの従来例1や、エチレンを混合せずにArガスのみの比較例4で得られた合金微粉末の保磁力μHcが1.02Tであるのに対して、1.05T〜1.13Tに向上している。また、これに伴って、得られた合金微粉末の水素分析値が0.041質量%〜0.032質量%に低減しており、脱水素できていることが分かる。
一方で、比較例1、3の結果に示されるように、加熱温度が100℃を下回る場合や保持時間が0.5時間より短い場合には、保磁力の改善が見られないことが分かった。また、比較例2の結果に示されるように、加熱温度が300℃を超えると、合金微粉末が酸化して保磁力が大きく劣化することが分かった。
実施例4〜6は、不飽和炭化水素として液体のベンゼンを用いた例であり、ベンゼンを加えずにNガスのみで加熱した比較例8で得られた合金微粉の保磁力μHcが1.01Tであるのに対して、1.06T〜1.10Tに向上し、水素分析値も0.040質量%〜0.035質量%に低減していた。
一方で、比較例5、7の結果に示されるように、ベンゼンを用いた場合であっても、加熱温度が100℃を下回る場合や保持時間が0.5時間より短い場合には、保磁力の改善が見られないことが分かった。また、比較例6の結果に示されるように、加熱温度が300℃を超えると、合金微粉末が酸化して保磁力が大きく劣化することが分かった。
実施例7は、不飽和炭化水素として液体のケロシンを用いた例であり、従来例1の合金微粉末の保磁力μHc1.02Tに対して、1.06Tに向上し、水素分析値も0.058質量%に低減していた。
ここで、従来例1及び実施例3の条件で、それぞれ10回ずつ、希土類元素を含む鉄系合金微粉末の作製を行った。下記表3に、得られた合金微粉末の作製直後の保磁力μHc(0)の平均値と標準偏差σを示す。またこれら微粉末を大気中において80℃、90%RHの環境下に300時間放置した後の保磁力μHc(300)を評価し、耐候性の指標として、μHc(300)とμHc(0)との比「Hc(300)/Hc(0)」を求めた。下記表3に、その比の平均値と標準偏差σも示す。
Figure 0006406172
表3に示すように、従来例1の条件で作成した合金微粉末では、作製直後の保磁力μHc(0)と耐候性指標Hc(300)/Hc(0)とのばらつきσが、それぞれ0.037T、0.012(1.2%)であったのに対して、実施例3の条件で作製した合金微粉末では、それぞれのばらつきσが、0.015T、0.006(0.6%)と小さくなっているのが分かる。また、それぞれの平均値も、実施例3の条件で製造した合金微粉末の方が優れていることが分かる。

Claims (3)

  1. 有機溶剤を含む溶媒中で希土類元素を含む鉄系合金粉末を粉砕するとともに、該粉砕に際して燐酸化合物を添加し、表面が燐酸塩皮膜で被覆された微粉末を得る第1の工程と、
    得られた微粉末に対して所定の温度で加熱処理を施す第2の工程と、を有し、
    第2の工程では、
    得られる鉄系合金微粉末の水素含有量が0.2質量%以下となるように、分子中に不飽和結合を有する炭化水素を含む雰囲気中で、100℃以上300℃以下の温度、0.5時間以上の条件で加熱処理する
    希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法。
  2. 0.5時間以上20時間以下の条件で加熱処理する
    請求項1に記載の希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法。
  3. 前記第1の工程では、
    粉砕前又は粉砕中に、前記溶媒に前記燐酸化合物を添加する
    請求項1又は2に記載の希土類元素を含む鉄系合金微粉末の製造方法。
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