JP6406063B2 - 曲げ部材の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、曲げ部材の製造方法および製造装置に関し、例えば3次元熱間曲げ焼き入れ(3DQ:3 Dimensional Hot Bending and Quench)により、多関節ロボットのマニピュレータの軌道のずれが生じても素材である鋼管の軸方向への過大な荷重が発生することを抑制しながら良好な加工形状を有する曲げ部材を製造する方法および装置に関する。
曲がった形状を有する金属製の強度部材、補強部材または構造部材が、自動車や各種機械等に用いられる。高強度、軽量かつ小型であることがこれらの曲げ部材に要求される。従来より、この種の曲げ部材は、例えば、プレス加工品の溶接、厚板の打ち抜き、さらには鍛造等により製造されてきた。しかし、これらの製造方法により製造される曲げ部材をさらに軽量および小型化することは、難しい。
近年では、この種の曲げ部材を、いわゆるチューブハイドロフォーミングにより製造することが積極的に検討されている(例えば非特許文献1参照)。素材となる材料の開発や成形可能な形状の自由度の拡大等といった様々な課題がチューブハイドロフォーミング工法に存在するため、今後よりいっそうの開発が必要であることが、非特許文献1の28頁に開示される。
本出願人は、先に特許文献1により3次元熱間曲げ焼き入れ装置(3DQ装置ともいう)を開示し、特許文献2により3DQにおいて曲げモーメントを与える手段としてマニピュレータ(多関節ロボット)を使用することを開示した。
図4は、特許文献2により開示された三次元熱間曲げ焼入れ装置0の一例の概略を示す説明図である。
図4に示すように、三次元熱間曲げ焼入れ装置0は、支持手段1によりその軸方向へ移動自在に支持された素材である鋼管6を上流側から下流側へ向けて、例えばボールネジを用いた送り装置2により送りながら、(a)支持手段1の下流で加熱装置、例えば高周波誘導加熱コイル3により、鋼管6を焼入れが可能な温度域に急速に加熱し、(b)高周波誘導加熱コイル3の下流に配置される水冷装置4により鋼管6を急冷し、かつ(c)鋼管6の先端部をマニピュレータ5の効果器5aで把持し、マニピュレータ5の効果器5aの位置を例えば左右といった鋼管の送り方向を含む平面内(二次元)のみならず上下の空間内(三次元)で変更して鋼管6の加熱された部分(誘導加熱コイルと水冷装置の間の鋼管の高温部)に任意の向きと大きさの曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うことによって、鋼管内の曲げの位置と向きと大きさと範囲を自由に変化させた曲げ部材を製造することができる。ただし、曲部の強度を抑えた曲げ部材を製造する場合は、あえて焼き入れしないよう加熱温度をA変態点よりも低くすればよい。このように三次元熱間曲げ焼入れの技術は焼き入れを伴わない熱間加工や曲げ部材にも適用可能である。
3DQ装置による鋼管6の曲げ加工過程で、多関節型産業用ロボットのマニピュレータ5により鋼管6に与えられる曲げモーメントとは別に、鋼管6の軸方向への荷重が発生する場合がある。鋼管6に与えられる曲げの曲率半径が小さく、また、マニピュレータ5の効果器5aの移動速度が大きい時に、鋼管6の軸方向への荷重が顕著に発生する。
この荷重は、鋼管6の加工に必要な曲げ変形には寄与しないばかりか、加工時の鋼管6の断面の変形や座屈等の不具合を引き起こすおそれがある。このため、特に曲げの曲率半径が小さい曲げ部材を3DQにより量産する場合には、加工時の鋼管6の軸方向への荷重の発生を抑制する必要がある。
本出願人は、特許文献3により3DQにおいて鋼管に曲げモーメントまたはせん断力を与える手段として多関節型産業用ロボットのマニピュレータを使用することを開示し、特許文献4により曲げモーメントを与える手段として多関節型産業用ロボットのマニピュレータを使用し、マニピュレータの軌道の目標値からの偏差が閾値を超えた場合に目標軌道を修正して設定することを開示した。
国際公開第2006/093006号パンフレット 国際公開第2010/050460号パンフレット 特開2012−228713号公報 特開2012−228714号公報
自動車技術 Vol.57,No.6,2003 23〜28頁
特許文献2には、マニピュレータの軌道のずれやこのずれに起因して鋼管の軸方向へ過大な荷重が発生することは記載されていない。
特許文献3には、3DQでの鋼管の加工時に鋼管の軸方向へ過大な荷重が発生することは記載されていない。
さらに、特許文献4には、3DQでの加工荷重の目標値からの偏差が閾値を超えた場合に、マニピュレータの軌道を変更する方法が記載されているものの、平面内(二次元)または空間内(三次元)を移動するマニピュレータの軌道を適切に修正することは事実上困難である。なお、特許文献4により開示された発明は、素材である鋼管の寸法や鋼管の変形抵抗さらには温度のばらつきによって生じる曲げ加工力の変化を主に意図したものであり、3DQでの鋼管の加工時に鋼管の軸方向へ過大な荷重(過大な軸方向力)が発生することは記載されていない。
さらに、特許文献3,4により開示された発明は、いずれも、目標軌道を修正するため、加工後の曲げ部材の寸法精度に影響を及ぼす可能性がある。また、マニピュレータの軌道を直接測定ないしは発生した荷重からマニピュレータの軌道のずれを推定するため、精密な計測機器を用いる必要があり、装置コストが嵩むことや、種々の加工条件や複雑な軌道パターンにおいて精度よくマニピュレータの軌道のずれを予測することは事実上困難である。
このように、従来の技術では、3DQにより、マニピュレータの軌道のずれが生じた場合にも、素材である鋼管の軸方向への過大な荷重が発生することを抑制しながら、良好な加工形状を有する曲げ部材を製造することはできない。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記の知見A〜Iを得て、本発明を完成した。
(A)鋼管の先端部をマニピュレータで把持して3DQにより曲げ部材を製造する場合、マニピュレータの座標は3DQ装置における鋼管の加工履歴(曲げの位置、曲げの大きさ、鋼管の送り出し量等)から求め、マニピュレータの目標の軌道を設定していた。
3DQで鋼管の曲げ加工を行う際には、マニピュレータは、加熱装置、例えば高周波加熱装置の高周波誘導加熱コイルによる鋼管の加熱された部分を中心とする概略円弧に近い軌道を通る。しかし、マニピュレータは、その制御特性に関わる要因や慣性モーメント、さらには遠心力等の影響によって、目標の軌道に対して垂直な方向にずれた軌道を通過することがある。すなわち、サーボモータで制御されたマニピュレータの先端が円弧運動する際に、制御の応答特性、慣性モーメント、さらには遠心力等に起因して、目標の軌道に対して内回り(目標の軌道の半径よりも小さい半径の軌道を通る)が生じる場合がある。
(B)マニピュレータの軌道が目標の軌道と一致しないと、軌道のずれ分だけマニピュレータと加熱装置との間の距離に誤差が生じる。鋼管はマニピュレータと送り装置とで拘束されているため、マニピュレータの軌道のずれにより鋼管は軸方向へ圧縮荷重ないしは引張荷重を受け、鋼管の軸方向へ過大な荷重が発生する。
(C)3DQで鋼管を曲げ加工する際には、鋼管の軸方向への荷重は曲げ加工には不要な外力であるばかりか、鋼管の軸方向への荷重が大きい場合には、鋼管の断面や肉厚の変化、あるいは座屈等の加工不良の原因になる。
(D)マニピュレータの軌道のずれは、軌道の略円弧の半径が小さくなるほど、また、マニピュレータの先端部の移動速度が大きくなるほど増大し、曲率半径の小さい加工形状を加工する際に顕著となる。加工速度を低減することは上記の軌道のずれの抑制には確かに効果があるものの、生産能率の低下を招くため、根本的な解決策とはならない。
(E)さらに、3DQによる鋼管の加熱および冷却に伴う鋼管の膨張や収縮、焼入れに伴う相変態による膨張および収縮、さらには曲げ加工による中心線の伸びによっても鋼管の長さが変化し、鋼管の軸方向への荷重が発生する。
(F)曲げ加工時の鋼管の軸方向への荷重の発生原因となるマニピュレータの軌道のずれは、目標の軌道に対して加熱装置と冷却装置の間の鋼管の高温部を中心とした略同心円状に内側または外側にずれるものであり、曲げ加工に必要な軌道の円周方向の位置や角度は、殆ど変化しない。このため、曲げ加工に必要な加熱装置と冷却装置の間の鋼管の高温部とマニピュレータを結ぶ方向(以降、マニピュレータから高温部に向かう方向と高温部からマニピュレータに向かう方向を「中心方向」という)に対して垂直な方向(以降、「加工方向」という)の変位や角度の拘束を維持しつつ、曲げ加工には寄与しない中心方向の位置の変化を、マニピュレータの先端部ないしは送り装置と鋼管とを、軌道のずれ分だけ相対的に変位可能とすることによってマニピュレータの軌道のずれを機械的な方法によって逃がすことにより、鋼管の断面変形やしわ、座屈などの形状不良を防止し、曲げ部材の加工形状には影響を与えずに加工精度を維持しながら、中心方向への荷重の発生を抑制することができる。
(G)マニピュレータの軌道のずれを機械的な方法によって逃がすことにより、多関節型の産業用ロボットのマニミュレータや送り装置に対する過負荷を抑制でき、設備の劣化、損傷などの防止に対しても効果がある。
(H)マニピュレータの軌道のずれを機械的な方法によって逃がすことにより、中心方向への荷重の測定や、マニピュレータの軌道の測定の必要がなく、各種センサーを用いたり複雑な制御を行ったりする必要がないため、設備のコンパクト化や安価化を図ることもできる。
(I)知見Fに関して、簡便な方法として、マニピュレータの鋼管把持部が鋼管軸方向に変位可能としても中心方向成分の軌道のずれを緩和することができ、中心方向の荷重を緩和することができる。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)本発明は、鋼管を送り装置により加熱装置に送りながら、加熱装置により前記鋼管を(焼入れする場合は焼入れが可能な温度域に)急速に加熱するとともに前記加熱装置よりも前記鋼管の送り方向の下流で冷却装置により前記鋼管を急冷し、かつ前記鋼管の先端部を把持するマニピュレータに二次元又は三次元の所定の軌道を与えて前記鋼管の加熱された部分(前記加熱装置と前記冷却装置の間の前記鋼管の高温部)に曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うことによって、少なくとも曲部を有する曲げ部材を製造する際に、
前記マニピュレータの鋼管把持部は、前記加熱された部分と前記マニピュレータを結ぶ方向(中心方向)へ所定の値以上の荷重が発生した場合に前記中心方向へ相対的に変位することによって前記中心方向へ発生する荷重を抑制すること
を特徴とする曲げ部材の製造方法。
(2)本発明は、鋼管を送り装置により加熱装置に送りながら、加熱装置により前記鋼管を(焼入れする場合は焼入れが可能な温度域に)急速に加熱するとともに前記加熱装置よりも前記鋼管の送り方向の下流で冷却装置により前記鋼管を急冷し、かつ前記鋼管の先端部を把持するマニピュレータに二次元又は三次元の所定の軌道を与えて前記鋼管の加熱された部分に曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うことによって、少なくとも曲部を有する曲げ部材を製造する際に、
前記送り装置の鋼管把持部は、前記鋼管の軸方向へ所定の値以上の荷重が発生した場合に前記鋼管の軸方向へ相対的に変位することによって前記加熱された部分と前記マニピュレータを結ぶ方向(中心方向)へ発生する荷重を抑制すること
を特徴とする曲げ部材の製造方法。
(3)前記鋼管は支持手段により軸方向へ移動自在に支持されていて、前記荷重は、前記送り装置が前記鋼管を送り出すために必要な荷重(支持手段との摩擦や抗力)を超える値の荷重である2項に記載された曲げ部材の製造方法。
(4)鋼管を加熱装置へ送る送り装置と、前記鋼管を(焼入れする場合は焼入れが可能な温度域に)急速に加熱する前記加熱装置(例えば高周波誘導加熱装置)と、前記加熱装置よりも前記鋼管の送り方向の下流に配置されて前記鋼管を急冷する冷却装置と、前記鋼管の先端部を把持するとともに二次元又は三次元の所定の軌道を移動することによって前記鋼管の加熱された部分に曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うマニピュレータとを備え、少なくとも曲部を有する曲げ部材を製造する装置において、さらに、
前記マニピュレータの鋼管把持部は、前記加熱された部分と前記マニピュレータを結ぶ方向(中心方向)へ所定の値以上の荷重が発生した場合に該方向へ相対的に変位することによって該方向へ発生する荷重を抑制する機能を有すること
を特徴とする曲げ部材の製造装置。
(5)鋼管を加熱装置へ送る送り装置と、前記鋼管を(焼入れする場合は焼入れが可能な温度域に)急速に加熱する前記加熱装置(例えば高周波誘導加熱装置)と、前記加熱装置よりも前記鋼管の送り方向の下流に配置されて前記鋼管を急冷する冷却装置と、前記鋼管の先端部を把持するとともに二次元又は三次元の所定の軌道を移動することによって前記鋼管の加熱された部分に曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うマニピュレータとを備え、少なくとも曲部を有する曲げ部材を製造する装置において、さらに、
前記送り装置の鋼管把持部は、前記鋼管の軸方向へ所定の値以上の荷重が発生した場合に前記鋼管の軸方向へ相対的に変位することによって前記加工中における前記加熱された部分と前記マニピュレータを結ぶ方向(中心方向)へ発生する荷重を抑制する機能を有すること
を特徴とする曲げ部材の製造装置。
(6)鋼管を加熱装置へ送る送り装置と、前記鋼管を(焼入れする場合は焼入れが可能な温度域に)急速に加熱する前記加熱装置(例えば高周波誘導加熱装置)と、前記加熱装置よりも前記鋼管の送り方向の下流に配置されて前記鋼管を急冷する冷却装置と、前記鋼管の先端部を把持するとともに二次元又は三次元の所定の軌道を移動することによって前記鋼管の加熱された部分に曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うマニピュレータとを備え、少なくとも曲部を有する曲げ部材を製造する装置において、さらに、
前記マニピュレータの鋼管把持部は、前記鋼管の把持部の軸方向へ所定の値以上の荷重が発生した場合に前記鋼管の把持部の軸方向へ相対的に変位することによって前記加工中における前記加熱された部分と前記マニピュレータを結ぶ方向(中心方向)へ発生する荷重を抑制する機能を有すること
を特徴とする曲げ部材の製造装置。
本発明によれば、3DQ装置において、鋼管の先端部をマニピュレータで把持し、鋼管の後端側から送り装置で鋼管を加熱装置に送り、マニピュレータと送り装置を同期させて熱間曲げ加工を行う際に、マニピュレータの目標軌道と実際の軌道とのずれや、熱的要因や相変態による膨張や収縮、曲げによる伸び等といった鋼管自体の長さの変化によって発生する前記中心方向への荷重を、目標値(加工精度に悪影響を及ぼさない所定の範囲)に保つことができる。これにより、加工中における鋼管の断面変形やしわ、座屈などの形状不良といった、管軸方向の過大な荷重による有害な変形を防止し、成形品の加工精度を改善して所望の加工形状を得ることができる。
また、本発明によれば、マニピュレータ(多関節ロボット)や送り装置に対する過負荷を抑制し、設備の劣化や損傷などを未然に防止できる。
図1は、本発明に係る製造装置の構成を概念的に示す説明図である。 図2は、本発明に係る製造装置の構成を概念的に示す説明図である。 図3(a)および図3(b)は、本発明に係る製造装置におけるマニピュレータの鋼管把持部を示す二面図である。 図4は、三次元熱間曲げ焼入れ装置の一例の概略を示す説明図である。
本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、以降の説明における鋼管が、長方形の横断面形状を有する角管である場合を例にとるが、本発明は角管に限定されるものではなく、閉じた横断面形状を有する中空の鋼管であれば、等しく適用される。また、以降の説明では3DQによる加工が曲げ加工である場合を例にとるが、本発明は曲げ加工に限定されるものでなく、せん断加工にも同様に適用される。
1.本発明に係る製造装置10−1,10−2
図1,2は、いずれも、本発明に係る製造装置10−1,10−2の構成を概念的に示す説明図である。製造装置10−1,10−2の相違点は、加工中の鋼管16の軸方向へ発生する荷重を抑制する機能が、マニピュレータ15の鋼管把持部15aあるいは送り装置12の鋼管把持部12aに与えられている点である。そこで、製造装置10−1,10−2をまとめて説明する。
製造装置10−1,10−2は、支持手段11、送り装置12と、高周波誘導加熱装置13と、冷却装置14と、マニピュレータ15とを備える。
支持手段11は、素材である鋼管16を、鋼管16の軸方向へ移動自在に支持する。このような支持手段11として製造装置10では対向して配置された2組のロール対が例示される。
送り装置12は、鋼管16の軸方向の後端部16aを把持(固定して支持)する鋼管把持部12aを有する。送り装置12は、鋼管16を加熱装置13に送る。このような送り装置12として製造装置10では、一軸方向のみのアクチュエータ(図示しない)により駆動されるボールねじ17が例示される。これに限らず、送り装置として、WO2011/007810に開示されたような多関節型ロボットを用いることもできる。
加熱装置、例えば高周波誘導加熱装置13は、支持手段11よりも鋼管16の送り方向の下流に配置される。高周波誘導加熱装置13は、鋼管16を(焼入れする場合は焼入れが可能な温度域に)急速に加熱する。このような高周波誘導加熱装置13として製造装置10では、鋼管16の周囲に鋼管から離間して配置される環状の高周波誘導加熱コイルが例示される。
冷却装置14は、高周波誘導加熱装置13よりも鋼管16の送り方向の下流に配置される。冷却装置14は、鋼管16を急冷する。このような冷却装置14として、加熱された鋼管16の外周面全面へ向けて冷却水を噴射するヘッダーを有する水冷装置が例示される。
なお、図1では図面を簡略化するために高周波誘導加熱装置13と冷却装置14とを一体に示しているが、もちろん別体として配置してもよい。
マニピュレータ15は、例えば多関節型の産業用ロボットのマニピュレータであり、先端に設けられた効果器である鋼管把持部15aを介して鋼管16の先端部16bを把持する。マニピュレータ15は、二次元又は三次元の所定の軌道を移動する。これにより、マニピュレータ15は、鋼管16の加熱された部分(加熱装置と冷却装置の間の鋼管の高温部)16cに曲げモーメントを付与して曲げ加工を行う。
製造装置10は、このようにして、少なくとも曲部を有する曲げ部材18を製造する。
加工中の鋼管16の軸方向に発生する荷重を抑制する機能が、図1に示す製造装置10−1ではマニピュレータ15の鋼管把持部15aに与えられている。製造装置10−1では加工中の鋼管16の軸方向に発生する荷重を抑制するために鋼管把持部15aが軸方向に変位した際、中心方向成分にも鋼管把持部15aが変位するため、中心方向に発生する荷重を緩和することができる。また図2に示す製造装置10−2では送り装置12の鋼管把持部12aに与えられている。
図3(a)および図3(b)は、製造装置10−1におけるマニピュレータ15の鋼管把持部15aを示す二面図である。なお、製造装置10−2における送り装置12の鋼管把持部12aも、マニピュレータ15の鋼管把持部15aと同様に構成されるので、以降の説明は、図3(a)および図3(b)を参照しながらマニピュレータ15の鋼管把持部15aについて行い、送り装置12の鋼管把持部12aの説明は省略する。
マニピュレータ15の鋼管把持部15aは、外側チャック20と内側チャック21とを有する。外側チャック20は、マニピュレータ15の先端部に固定配置される。また、内側チャック21は、鋼管16の外面を把持して固定配置される。外側チャック20には油圧機構等の適当な加圧機構により把持力(変位)が付与されている。
内側チャック21は、外側チャック20に対して鋼管16の軸方向に摺動可能に、外側チャック20に取り付けられる。
また、内側チャック21と外側チャック20は、鋼管16の軸方向へ加圧力を発生するばね22により連結される。これにより、鋼管把持部15aは、鋼管16を把持していない時の内側チャック21を定位置に保つ。
なお、送り装置12の鋼管把持部12aも、マニピュレータ15の鋼管把持部15aと略同様の構造を有するが、送り装置12が鋼管16を送り出す際に、支持手段11から与えられる抵抗があるため、鋼管把持部12aのばねは支持手段11の摺動抵抗よりも強いものである。
このように、マニピュレータ15の鋼管把持部15aは、ばね22により鋼管16の軸方向へ相対的に変位可能に構成されるが、例えばローラや滑り軸受を用いて鋼管16の軸方向への変位をより円滑にしてもよい。
以上のように、製造装置10−1におけるマニピュレータ15の鋼管把持部15a,製造装置10−2における送り装置12の鋼管把持部12aは、いずれも、鋼管16の軸方向へ所定の値以上の荷重が発生した場合に鋼管16の軸方向へ相対的に変位し、これにより、加工中の鋼管16の加熱された部分とマニピュレータ15を結ぶ方向(中心方向)に発生する荷重を抑制する機能を有する。
以上の説明とは異なり、一つの製造装置が、鋼管16の軸方向へ所定の値以上の荷重が発生した場合に鋼管16の軸方向に相対的に変位する鋼管把持部15aおよび鋼管把持部12aを共に有していてもよいことは言うまでもない。
製造装置10−1,10−2は以上のように構成される。次に、本発明に係る製造方法を説明する。
2.本発明に係る製造方法
製造装置10−1,10−2は、支持手段11により軸方向へ移動自在に支持された鋼管16の軸方向の後端部16aを把持する送り装置12により、鋼管16を加熱装置に向けて送る。
鋼管16を上記方向へ向けて送りながら、加熱装置、例えば高周波誘導加熱装置13により鋼管16を(焼入れする場合は焼入れが可能な温度域に)急速に加熱するとともに冷却装置14により鋼管16を急冷する。
さらに、鋼管16の先端部16bを把持するマニピュレータ15に二次元又は三次元の所定の軌道を与えて鋼管16の加熱された部分に曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うことによって、少なくとも曲部を有する曲げ部材18を製造する。
製造装置10−1におけるマニピュレータ15の鋼管把持部15a,製造装置10−2における送り装置12の鋼管把持部12aは、マニピュレータ15の軌道のずれによるマニピュレータ15の先端部と送り装置12の相対的な位置の変化や、熱的要因や相変態による膨張や収縮、曲げによる伸び等といった鋼管12自体の長さの変化によって鋼管12の軸方向へ所定の値以上の荷重が発生した場合に、鋼管16の軸方向へ相対的に変位することによって、加工中の鋼管16の中心方向へ発生する過剰な荷重を抑制する。
本発明では、このように鋼管16に3DQによる曲げ加工を行っている際に、曲げ加工中の中心方向へ発生する荷重を制御して、3DQ加工中の鋼管16の中心方向に過大な荷重が発生することを防止することができ、加工中における鋼管16の断面変形やしわ、座屈などの形状不良といった、管軸方向の過大な荷重による有害な変形を防止し、曲げ部材18の加工形状を所望の状態とすることができる。
さらに、本発明によれば、マニピュレータ15や送り装置12に対する過負荷を抑制でき、設備の劣化や損傷などを未然に防止できる。
10 本発明に係る製造装置
11 支持手段
12 送り装置
12a 鋼管把持部
13 高周波誘導加熱装置
14 冷却装置
15 マニピュレータ
15a 鋼管把持部
16 鋼管
16a 後端部
16b 先端部
17 ボールねじ
18 曲げ部材
20 外側チャック
21 内側チャック
22 ばね

Claims (3)

  1. 鋼管を送り装置により加熱装置に送りながら、加熱装置により前記鋼管を急速に加熱するとともに前記加熱装置よりも前記鋼管の送り方向の下流で冷却装置により前記鋼管を急冷し、かつ前記鋼管の先端部を把持するマニピュレータに二次元又は三次元の所定の軌道を与えて前記鋼管の加熱された部分に曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うことによって、少なくとも曲部を有する曲げ部材を製造する際に、
    前記送り装置の鋼管把持部は、前記鋼管の軸方向へ所定の値以上の荷重が前記鋼管に発生した場合に前記鋼管の軸方向へ相対的に変位することによって前記加熱された部分と前記マニピュレータを結ぶ方向へ発生する前記荷重を抑制すること
    を特徴とする曲げ部材の製造方法。
  2. 前記鋼管は支持手段により軸方向へ移動自在に支持されていて、前記鋼管の軸方向への前記荷重は、前記送り装置が前記鋼管を送り出すために必要な荷重を超える値の荷重である請求項に記載された曲げ部材の製造方法。
  3. 鋼管を加熱装置へ送る送り装置と、前記鋼管を急速に加熱する加熱装置と、前記加熱装置よりも前記鋼管の送り方向の下流に配置されて前記鋼管を急冷する冷却装置と、前記鋼管の先端部を把持するとともに二次元又は三次元の所定の軌道を移動することによって前記鋼管の加熱された部分に曲げモーメントまたはせん断力を付与して加工を行うマニピュレータとを備え、少なくとも曲部を有する曲げ部材を製造する装置において、さらに、
    前記送り装置の鋼管把持部は、前記鋼管の軸方向へ所定の値以上の荷重が前記鋼管に発生した場合に前記鋼管の軸方向へ相対的に変位することによって前記加工中における前記加熱された部分と前記マニピュレータを結ぶ方向へ発生する前記荷重を抑制する機能を有すること
    を特徴とする曲げ部材の製造装置。
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