JP6405565B2 - フィーダー - Google Patents

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Description

本発明は、シート状の郵便物の束から郵便物を搬送するフィーダーに関する。
図6に示すように、従来技術のフィーダー110は、郵便物12aの束12から郵便物12aを搬送するフィードベルト116と、前記フィードベルト116に付勢するとともに、前記束12の搬送方向側(図6において右から左に向かう方向)の端部に当接し、前記フィードベルト116が搬送する動作により前記束12から郵便物12aを分離する分離部170とを、備えている。そして、分離部170は、前記フィードベルト116の幅方向を長手方向とする円筒形状を有しており、円筒の側面の最下部がフィードベルト116に付勢している(特許文献1参照)。
また、フィーダー110において、束12の搬送方向側の端部が分離部170に接触し、その反対側の端部が後ガイド124に支持されている。そして、フィードベルト116を動作させると、フィードベルト116と分離部170の間に入り込んだ郵便物12aが分離部170を押し上げ、フィードベルト116が分離部170を押し上げた郵便物12aを搬送することにより郵便物12aが束12から分離して搬送される。
このとき、束12の搬送方向側の端部は円筒形の分離部170の側面に当接するので、束12を構成する郵便物12aは分離部170の側面形状に倣ってフィードベルト116の搬送方向にずれていくことになる。
特許4394741号公報
しかし、上記構成では、束12において郵便物12aの上段に行くほど郵便物12aのずれの量が小さい状態でフィーダー操作が始まることになる。これにより、互いに接触する郵便物12a間のずれが小さい状態でフィードベルト116と分離部170の間に複数の郵便物12aが入り込み、郵便物12aの多重搬送を招くという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題点に着目し、シート状の郵便物等の被搬送物の束における被搬送物の分離を確実に行い、被搬送物を一枚ずつ確実に搬送可能なフィーダーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、フィーダーは、第1には、シート状の被搬送物からなる束から前記被搬送物を搬送するフィーダーであって、
前記被搬送物を搬送するフィードベルトと、
前記フィードベルトに付勢するとともに、前記束の搬送方向側の側面に当接し、前記フィードベルトが搬送する動作により前記束から前記被搬送物を分離する分離部とを、備え、
前記分離部は、
前記フィードベルトの搬送方向側に傾斜した傾斜面部と、
前記傾斜面部の前記搬送方向側の端部に設けられ、前記傾斜面部との間で連続面を形成する円弧形状を有しその外周側が前記フィードベルトに接触可能な円筒面部と、を有し、
前記フィードベルトは、前記フィードベルトの幅方向に一定の間隔をあけて一対で配置され、
前記分離部は、前記フィードベルトの幅方向の長さが前記間隔以下となっており、平面視で、前記間隔に重なる位置に配置されていることを特徴とする。
上記構成により、束を分離部に接触させた段階で、傾斜面部により互いに接触する被搬送物との間のフィードベルトの搬送方向のずれを十分に形成することができ、円筒面部において互い接触する被搬送物のずれをさらに大きくさせることができる。これにより、分離部とフィードベルトとの間から被搬送物を一枚ずつ確実に搬送することができ、被搬送物の多重搬送を回避することができる。また、傾斜面部と円筒面部は連続面となっているので、連続搬送の際の束における被搬送物の傾斜面部から円筒面部への移行も滑らかに進行するので、被搬送物の破損やフィーダーの振動を抑制することができる。
第2には、前記傾斜面部及び前記円筒面部には、ゴムまたは樹脂で形成された分離部材が張り付けられていることを特徴とする。
上記構成により、互いに接触する被搬送物間の分離を確実に行うことができる。
第3には、前記分離部は、前記分離部を前記フィードベルトに付勢する付勢手段を備えた支持部により支持され、前記支持部は、前記付勢手段を支持する本体と、前記本体を支持する保持部材と、を有し、前記保持部材は、前記本体の下部に対向する第1保持部材と、前記本体の上部に対向する第2保持部材と、を有し、前記本体の前記第1保持部材が対向する位置には、下方から前記第1保持部材を導入する開口部を備えた第1切欠き部が形成され、前記本体の前記第2保持部材が対向する位置には、前記本体の前記束側から前記第2保持部材を導入する開口部を備えた第2切欠き部が形成され、前記本体は、前記第1保持部材を前記第1切欠き部にはめ込んだ状態で前記第1保持部材を中心として回転可能となっていることを特徴とする。
上記構成により、分離部及び本体からなる一体物は、容易にフィーダーに取り付け、及び取り外しを行うことができる。
第4には、前記第2保持部材は、金属で形成され、前記第2切欠き部には前記第2保持部材を磁力により吸引する磁石が設けられていることを特徴とする。
上記構成により、分離部及び本体からなる一体物の取り付けを安定的に行うことができる。
第5には、前記本体には、前記付勢手段の付勢方向以外の方向の動作を規制するスライダが取り付けられていることを特徴とする。
上記構成により、分離部の付勢方向を安定化させ、被搬送物の搬送を安定的に行うことができる。
第6には、前記本体には、前記付勢手段の高さ位置を調整する高さ調整手段が設けられていることを特徴とする。
第7には、前記付勢手段には、前記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段が設けられていることを特徴とする。
分離部のフィードベルトに対する付勢力は、搬送する被搬送物の種類や厚みにより個別に最適化することが理想である。よって、上記構成において、前述の一体物を搬送する被搬送物の種類ごとに用意すれば、搬送対象の被搬送物の種類を切り替えた場合に、その一体物を交換するだけで切替後の被搬送物の搬送が可能となるので、作業効率を向上させることができる。
第8には、前記フィードベルトの前記円筒面部に対向する面と反対面であって前記円筒面部に対向する位置には、前記フィードベルトに転接するベルト保持部材が取り付けられていることを特徴とする。
上記構成により、分離部の付勢に伴うフィードベルトの撓みを防止して被搬送物を確実に搬送することができる。
第9には、前記束の前記分離部の反対側の端部を前記フィードベルトから浮き上がらせた状態で前記束を支持するガイドが設けられていることを特徴とする。
上記構成により、束において、下部に到達した被搬送物のみガイドからはずれてフィードベルト上に配置させることが可能となり、被搬送物の分離を確実に行うことができる。
第10には、前記フィードベルトは、前記フィードベルトの幅方向に一定の間隔をあけて一対で配置され、前記分離部は、前記フィードベルトの幅方向の長さが前記間隔以下となっており、平面視で、前記間隔に重なる位置に配置されていることを特徴とする。
上記構成により、搬送中の被搬送物に一定の剛性を与えることができ、搬送中における被搬送物の撓みを低減して、搬送中の被搬送物の回転や搬送方向のずれを低減することができる。
第11には、前記フィードベルトの前記被搬送物の搬送先となる位置には、前記被搬送物を前記フィードベルトの搬送速度よりも速い速度で、前記フィードベルトから搬送された前記被搬送物を搬送する間隔調整ローラーが配置されていることを特徴とする。
上記構成により、フィードベルトが搬送した被搬送物とその次にフィードベルトが搬送した被搬送物とが再び接触するような状態を回避することができる。
本発明にかかるフィーダーによれば、束を分離部に接触させた段階で、傾斜面部により互いに隣接する被搬送物との間のフィードベルトの搬送方向のずれを十分に形成することができ、円筒面部において互い隣接する被搬送物のずれをさらに大きくさせることができる。これにより、分離部とフィードベルトとの隙間から被搬送物を一枚ずつ確実に搬送することができ、被搬送物の多重搬送を回避することができる。また、傾斜面部と円筒面部は連続面となっているので、連続搬送の際の束における被搬送物の傾斜面部から円筒面部への移行も滑らかに進行するので、被搬送物の破損やフィーダーの振動を抑制することができる。
本実施形態のフィーダーの模式図である。 本実施形態のフィーダーを構成する支持部の本体及び分離部からなる一体物の模式図である。 本実施形態のフィーダーを構成する分離部及び本体からなる一体物の取り付け動作を示す模式図である。 本実施形態のフィーダーを構成する分離部及び本体からなる一体物において被搬送物を搬送する際に受ける力の方向を示す模式図である。 本実施形態のフィーダーの変形例を示す模式図(図1のA矢視図)である。 従来技術のフィーダーの模式図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1に、本実施形態のフィーダーの模式図を、図2に、本実施形態のフィーダーを構成する支持部の本体及び分離部からなる一体物の模式図を示す。本実施形態のフィーダー10は、筐体14において、フィードベルト16、支持部30(分離部70)、前ガイド20、横ガイド22、後ガイド24、間隔調整ローラー26等が取り付けられたものである。また、分離部70がフィードベルト16に付勢している。そして、フィーダー10は、被搬送物であるシート状の郵便物12aの束12を搭載し、束12から郵便物12aを分離して搬送方向(図1において右から左に向かう方向、水平方向)に搬送するものである。
筐体14において、フィードベルト16、間隔調整ローラー26は、搬送方向に並ぶように配置され、フィードベルト16は、間隔調整ローラー26よりも搬送方向の上流側に配置されている。またフィードベルト16及び間隔調整ローラー26の上端は、ほぼ同じ高さとなっている。
フィードベルト16は、搬送方向に沿った長手方向を有し、モータ(不図示)の回転により、一定の搬送速度で周回運動しつつ、郵便物12aを搬送方向に搬送するものである。またフィードベルト16の分離部70(後述の円筒面部76の下端)に対向する面の反対側にはフィードベルト16に転接するベルト保持部材18(ローラ)が配置されている。ベルト保持部材18は、分離部70がフィードベルト16に付勢する際に、フィードベルト16の分離部70に付勢される部分が撓むことを防止するものである。これにより郵便物12aの束12からの分離及び搬送を確実に行うことができる。
間隔調整ローラー26は、フィードベルト16から搬送された郵便物12aをさらに搬送方向側に搬送するものである。また、押えローラー28が筐体14に取り付けられている。押えローラー28は、間隔調整ローラー26の真上から一定の付勢力により間隔調整ローラー26の上端に付勢した状態で取り付けられている。郵便物12aは、間隔調整ローラー26と押えローラー28の間に挟まれると押えローラー28を郵便物12aの厚み程度に押し上げ、間隔調整ローラー26に対して滑ることなく、間隔調整ローラー26の回転力により搬送方向に搬送される。また間隔調整ローラー26の搬送速度(回転速度)は、フィードベルト16の搬送速度よりも速く設計されており、フィードベルト16が搬送した郵便物12aとその次にフィードベルト16が搬送した郵便物12aとが再び接触するような状態を回避することができる。
横ガイド22は、郵便物12aの幅方向の両側から郵便物12aを挟む態様で配置されている。なお、図1では、横ガイド22のうち図1の紙面において束12よりも奥にある横ガイド22のみを表し、束12よりも手前にある横ガイド22を省略している。前ガイド20は、横ガイド22と一体に形成され、束12の搬送方向側の端部が当接する。また前ガイド20の下部は、搬送方向側に湾曲しており、後述の傾斜面部74とほぼ連続した面を形成している。
郵便物12aの束12は、フィードベルト16上であって前ガイド20及び横ガイド22により囲まれた部分に搭載されている。そして、束12の搬送方向側の端部が分離部70(後述の傾斜面部74、円筒面部76)及び前ガイド20に当接し、その反対側の端部が後ガイド24に支持され、束12全体が搬送方向側に向けて傾斜した状態でフィーダー10に搭載されている。また束12のうち、最下段の郵便物12aの搬送方向側の端部がフィードベルト16に当接している。これにより、束12において、最下部に到達した郵便物12aのみ後ガイド24からはずれてフィードベルト上に配置させることが可能となり、郵便物12aの分離を確実に行うことができる。
支持部30は、分離部70を支持するものであり、付勢手段48を介して分離部70を支持する本体34と、本体34を支持する第1保持部材36、第2保持部材38とを有する。第1保持部材36、第2保持部材38は、それぞれ筐体14に取り付けられ、第2保持部材38が第1保持部材36のほぼ真上となる位置に配置されている。第1保持部材36、第2保持部材38は、フィードベルト16の幅方向(水平方向)を長手方向とする円柱形の外径を有し金属(強磁性体)で形成されている。また、本体34は、第1保持部材36、第2保持部材38に着脱自在な状態で支持されている。
本体34は、第1保持部材36及び第2保持部材38への取り付け時において縦長な配置となるものであり、図2に示すように、本体前部34a、本体横部34b、本体上部34cからなる。本体前部34aは、取り付け時における本体34の搬送方向側の側壁であり、その表面には付勢手段48が取り付けられる。一方、本体前部34aの裏面には、スライドベアリング68(スライダ)が取り付けられている。スライドベアリング68は、後述のバネガイド60及び分離部保持部材72が取り付けられ、本体34取り付け時においてバネガイド60及び分離部保持部材72を鉛直方向にスライドさせるとともに鉛直方向以外の方向の移動を規制するものである。
本体横部34bは、取り付け時における本体34の幅方向の両側壁であり、第1切欠き部40、第2切欠き部42が設けられている。第1切欠き部40は取り付け時の本体34の下部(または中央部でもよい)に形成されている。そして、取り付け時において下方となる方向に開口部40aを有し、この開口部40aから第1保持部材36(図1)が導入され、これにより第1保持部材36が第1切欠き部40にはめ込まれる。
第2切欠き部42は、取り付け時の本体34の上部に形成されている。そして、取り付け時においての束12側(搬送方向の反対方向)を向く方向に開口部42aを有し、この開口部42aから第2保持部材38(図1)が導入され、これにより第2保持部材38が第2切欠き部42にはめ込まれる。よって、第1保持部材36と第2保持部材38との間隔と、第1切欠き部40と第2切欠き部42の間隔は等しくなるように設計されている。第1切欠き部40及び第2切欠き部42は、それぞれその最奥の部分が、第1保持部材36、第2保持部材38の外径に倣って半円形に形成されている。
図2に示すように、本体上部34cの下面に取り付けられた金具44にはマグネット46が取り付けられ、マグネット46は、第2切欠き部42にはめ込まれた第2保持部材38に接触する、あるいは対向する位置に取り付けられている。マグネット46は、第2保持部材38を磁力により吸着、あるいは磁力により第2切欠き部42に入り込む方向に吸引することができる。なお、図1、図2において、本体横部34bのうち、図の紙面上マグネット46よりも手前に配置される本体横部34bを省略している。
図2に示すように、付勢手段48は、分離部70を支持するとともに、本体34取り付け時において分離部70をフィードベルト16に一定の付勢力により付勢するものである(図1)。付勢手段48において、本体前部34aに取り付けた固定側雌ネジ部50及びネジガイド52に長尺ネジ54が連通するように螺合している。長尺ネジ54は、本体34取り付け時に鉛直方向を長手方向とする。長尺ネジ54にはバネ強さ調整ツマミ56(付勢力調整手段)が取り付けられている。
バネ強さ調整ツマミ56は、長尺ネジ54に螺合することなく長尺ネジ54を挿通する摺動部56aと、摺動部56aに対して長尺ネジ54と同軸で回転自在に取り付けられるとともに長尺ネジ54に螺合する回転部56bを有している。コイルバネ58は、長尺ネジ54を挿通するとともにその長手方向の一端(上端)が摺動部56aに取り付けられている。またコイルバネ58の長手方向の他端(下端)にはバネガイド60及び付勢力伝達部材62が取り付けられている。バネガイド60は、長尺ネジ54を螺合することなく挿通するとともにスライドベアリング68に取り付けられる金具である。また、長尺ネジ54には、長尺ネジ54の高さ位置を調整する高さ調整ツマミ64(高さ調整手段)と、高さを固定するために固定側雌ネジ部50に捻じ込まれる固定ツマミ66が設けられている。
分離部70は、一枚の板材を折り曲げる態様で、分離部保持部材72、傾斜面部74、円筒面部76を一体成型したものである。分離部保持部材72は、スライドベアリング68に取り付けられている。傾斜面部74は、本体34取り付け時にフィードベルト16の搬送方向側に一定の角度で傾斜するように形成されたものである。円筒面部76は、傾斜面部74の端部において、円筒面を形成するように湾曲させた態様で形成されたものであり、フィードベルト16の幅方向から見て円弧形状を有している。また円筒面部76は、傾斜面部74と傾斜角度の変化が連続となる連続面を形成している(両者の境界において角張った稜線が現れない)。また円筒面部76の下端の内周側(上面)には付勢手段48の付勢力伝達部材62が当接し、円筒面部76の下端の外周(下面)がフィードベルト16に付勢する。
傾斜面部74及び円筒面部76のフィードベルト16側の面には分離部材78が張り付けられている。分離部材78は、板ゴムや樹脂等により形成され、郵便物12aとの間の摩擦係数が、互いに接触する郵便物12a間の摩擦係数よりも大きく、かつ郵便物12aとフィードベルト16との間の摩擦係数よりも小さい材質のものが好適である。
図2に示すように、本体34を直立させた状態では、コイルバネ58は、バネガイド60、付勢力伝達部材62、分離部70(及び分離部材78)の重量に伴って伸長し、分離部70は、コイルバネ58のつり合いの位置で静止している。そして固定ツマミ66の捻じ込みを解除し、高さ調整ツマミ64を回転させることにより分離部70の本体34に対する相対的な高さ位置を調整することができる。
図3に、本実施形態のフィーダーを構成する分離部及び本体からなる一体物の取り付け動作を示す模式図を示す。図3に示すように、本実施形態のフィーダー10において、分離部70と本体34とからなる一体物32は容易に取り付け・取り外しを行うことができる。まず、一体物32を第1保持部材36及び第2保持部材38よりも搬送方向側となる位置に持っていき(図3左)、一体物32(本体34)の上部を搬送方向側に傾けた状態で、第1保持部材36に第1切欠き部40をはめ込む(図3中央)。
そして、一体物32の上部が搬送方向の反対方向に移動するように第1保持部材36を中心として回転させ、第2保持部材38に第2切欠き部42をはめ込めばよい(図3右)。このとき、第2保持部材38は、マグネット46に吸着、若しくはマグネット46の磁力により第2切欠き部42にはめ込まれる方向に吸引されるので、一体物32の固定を確実に行うことができる。なお、一体物32を取り外すときは、一体物32を、第1保持部材36を中心として逆回転させればよい。
このように、一体物32を第1保持部材36及び第2保持部材38に取り付けることにより、円筒面部76は、フィードベルト16に対向する(図1)。そして、高さ調整ツマミ64を回すことにより、円筒面部76をフィードベルト16に接触させることができる。さらにバネ強さ調整ツマミ56(回転部56b)を回してコイルバネ58に圧縮力を印加することにより、コイルバネ58の伸長力が付勢力伝達部材62を介して円筒面部76に伝達し、円筒面部76がフィードベルト16に付勢する。その際、フィードベルト16は、ベルト保持部材18に支持されることになるので、フィードベルト16が撓むことはなく、フィードベルト16に確実に付勢力が印加される。
上記構成によるフィーダー10の動作について説明する。図1に示すように郵便物12aの束12を前ガイド20、横ガイド22により囲まれた部分において、後ガイド24により搬送方向側に全体を傾斜させた状態で搭載する。すると、郵便物12aの束12の搬送方向側の端部が、前ガイド20、傾斜面部74(分離部材78)、円筒面部76(分離部材78)に当接する。傾斜面部74においては、互いに接触する郵便物12a間で傾斜面部74の傾斜角度に倣って搬送方向にずれることになる。すなわち、フィードベルト16が搬送の動作をする前に郵便物12aを予め搬送方向に一定の長さでずらすことができる。
この状態で、フィードベルト16を動作させると、郵便物12aの束12のうち最も下にある郵便物12aは、フィードベルト16と円筒面部76(分離部材78)との間に挟まり、円筒面部76(分離部材78)を郵便物12aの厚み程度に持ち上げる。そして、分離部材78とフィードベルト16の間に挟まれた郵便物12aは、次に分離される郵便物12aに対して滑る態様で束12から分離するとともに、束12から分離された郵便物12aは分離部材78に対して滑る態様で搬送することができ、郵便物12aの束12からの分離と分離後の郵便物12aの搬送を確実に行うことができる。そして、間隔調整ローラー26に到達した郵便物12aは、間隔調整ローラー26と押えローラー28の間に挟まれ、間隔調整ローラー26の搬送速度に従って搬送方向にさらに搬送されることになる。
本実施形態のフィーダー10によれば、束12を分離部70に接触させた段階で、傾斜面部74により互いに接触する郵便物12aとの間のフィードベルト16の搬送方向のずれを十分に形成することができ、円筒面部76において互い接触する郵便物12aのずれをさらに大きくさせることができる。これにより、分離部70とフィードベルト16との間から郵便物12aを一枚ずつ確実に搬送することができ、郵便物12aの多重搬送を回避することができる。また、傾斜面部74と円筒面部76は連続面となっているので、連続搬送の際の束12における郵便物12aの傾斜面部74から円筒面部76への移行も滑らかに進行するので、郵便物12aの破損やフィーダー10の振動を抑制することができる。
また、分離部70のフィードベルト16に対する付勢力は、搬送する郵便物12aの種類や厚みにより個別に最適化することが理想である。よって、一体物32を搬送する郵便物12aの種類ごとに用意すれば、搬送対象の郵便物12aの種類を切り替えた場合に、その一体物32を交換するだけで切替後の郵便物12aの搬送が可能となるので、作業効率を向上させることができる。
図4に、本実施形態のフィーダーを構成する分離部及び本体からなる一体物において被搬送物を搬送する際に受ける力の方向を示す模式図である。図4に示すように、郵便物12a(図4では不図示)の搬送中は、円筒面部76は搬送方向に力(F1)を受けることになるので、一体物32は、第1保持部材36を中心として回転する力を受け、第2保持部材38に対して力(F2)を印加することになる。しかし、力F2は第2保持部材38を第2切欠き部42にはめ込む方向の力であるので、郵便物12aの搬送中においても一体物32は回転することなく、安定的に束12から郵便物12aを安定的に分離することができる。
図5に、本実施形態のフィーダーの変形例を示す模式図(平面図)を示す。変形例のフィーダー10Aでは、フィードベルト16が、フィードベルト16の幅方向に一定の間隔をあけて一対で配置されている。そして、一体物32(傾斜面部74、円筒面部76)は、フィードベルト16の幅方向の長さが前記間隔以下となっており、平面視で、前記間隔に重なる位置に配置されている。この場合、円筒面部76(分離部材78)は、その下端とフィードベルト16の上面との高さの差が郵便物12aの厚みよりもやや小さくなる位置に配置される。変形例では、一対のフィードベルト16により一つの郵便物12aを搬送する。このとき、束12(図5では不図示)から分離した郵便物12aは、円筒面部76により下に凸となるようにわずかに湾曲する。これにより、搬送中の郵便物12aに一定の剛性を与えることができ、搬送中における郵便物12aの撓みを低減して、搬送中の郵便物12aの回転や搬送方向のずれを低減することができる。
シート状の郵便物等の被搬送物の束における被搬送物の分離を確実に行い、被搬送物を一枚ずつ確実に搬送可能なフィーダーとして利用できる。
10………フィーダー、12………束、12a………郵便物、14………筐体、16………フィードベルト、18………ベルト保持部材、20………前ガイド、22………横ガイド、24………後ガイド、26………間隔調整ローラー、28………押えローラー、30………支持部、32………一体物、34………本体、34a………本体前部、34b………本体横部、34c………本体上部、36………第1保持部材、38………第2保持部材、40………第1切欠き部、40a………開口部、42………第2切欠き部、42a………開口部、44………金具、46………マグネット、48………付勢手段、50………固定側雌ネジ部、52………ネジガイド、54………長尺ネジ、56………バネ強さ調整ツマミ、56a………摺動部、56b………回転部、58………コイルバネ、60………バネガイド、62………付勢力伝達部材、64………高さ調整ツマミ、66………固定ツマミ、68………スライドベアリング、70………分離部、72………分離部保持部材、74………傾斜面部、76………円筒面部、78………分離部材。

Claims (10)

  1. シート状の被搬送物からなる束から前記被搬送物を搬送するフィーダーであって、
    前記被搬送物を搬送するフィードベルトと、
    前記フィードベルトに付勢するとともに、前記束の搬送方向側の側面に当接し、前記フィードベルトが搬送する動作により前記束から前記被搬送物を分離する分離部とを、備え、
    前記分離部は、
    前記フィードベルトの搬送方向側に傾斜した傾斜面部と、
    前記傾斜面部の前記搬送方向側の端部に設けられ、前記傾斜面部との間で連続面を形成する円弧形状を有しその外周側が前記フィードベルトに接触可能な円筒面部と、を有し、
    前記フィードベルトは、前記フィードベルトの幅方向に一定の間隔をあけて一対で配置され、
    前記分離部は、前記フィードベルトの幅方向の長さが前記間隔以下となっており、平面視で、前記間隔に重なる位置に配置されていることを特徴とするフィーダー。
  2. 前記傾斜面部及び前記円筒面部には、ゴムまたは樹脂で形成された分離部材が張り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィーダー。
  3. 前記分離部は、
    前記分離部を前記フィードベルトに付勢する付勢手段を備えた支持部により支持され、
    前記支持部は、
    前記付勢手段を支持する本体と、
    前記本体を支持する保持部材と、を有し、
    前記保持部材は、
    前記本体の下部に対向する第1保持部材と、
    前記本体の上部に対向する第2保持部材と、を有し、
    前記本体の前記第1保持部材が対向する位置には、下方から前記第1保持部材を導入する開口部を備えた第1切欠き部が形成され、
    前記本体の前記第2保持部材が対向する位置には、前記本体の前記束側から前記第2保持部材を導入する開口部を備えた第2切欠き部が形成され、
    前記本体は、前記第1保持部材を前記第1切欠き部にはめ込んだ状態で前記第1保持部材を中心として回転可能となっていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィーダー。
  4. 前記第2保持部材は、金属で形成され、前記第2切欠き部には前記第2保持部材を磁力により吸引する磁石が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のフィーダー。
  5. 前記本体には、前記付勢手段の付勢方向以外の方向の動作を規制するスライダが取り付けられていることを特徴とする請求項3または4に記載のフィーダー。
  6. 前記本体には、前記付勢手段の高さ位置を調整する高さ調整手段が設けられていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のフィーダー。
  7. 前記付勢手段には、前記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段が設けられていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載のフィーダー。
  8. 前記フィードベルトの前記円筒面部に対向する面と反対面であって前記円筒面部に対向する位置には、前記フィードベルトに転接するベルト保持部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィーダー。
  9. 前記束の前記分離部の反対側の端部を前記フィードベルトから浮き上がらせた状態で前記束を支持するガイドが設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフィーダー。
  10. 前記フィードベルトの前記被搬送物の搬送先となる位置には、前記被搬送物を前記フィードベルトの搬送速度よりも速い速度で、前記フィードベルトから搬送された前記被搬送物を搬送する間隔調整ローラーが配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のフィーダー。
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