JP6404130B2 - 超伝導磁気シールド装置、脳磁計装置、及び超伝導磁気シールド装置の製造方法 - Google Patents

超伝導磁気シールド装置、脳磁計装置、及び超伝導磁気シールド装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、超伝導磁気シールド装置、脳磁計装置、及び超伝導磁気シールド装置の製造方法に関する。
従来、筒状の基板の内周側に超伝導体を設置すると共に、超伝導体を冷却するための冷媒を流通させる冷却配管を基板の外周側に設けた超伝導磁気シールド装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された超伝導磁気シールド装置では、溶接により、冷却配管を基板の外周側に固定している。
特開平10−313135号公報
ところで、基板の内周側に超伝導体を設置した後に基板の外周側に冷却配管を溶接すると、溶接による熱が基板を介して超伝導体に伝達され、超伝導体が破壊される虞がある。このため従来は、先に基板に冷却配管を溶接し、その後に基板に超伝導体を設置していた。しかしながら、この場合、初めから基板を実機サイズで形成する必要があり、基板に超伝導体を設置する際の作業性を向上することが望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、基板に超伝導体を設置する際の作業性を向上できる超伝導磁気シールド装置を提供することを目的とする。
本発明に係る超伝導磁気シールド装置は、各々筒状をなし、中心軸線方向に沿って並んで配置された複数の基板と、複数の基板の各々の内周側に1又は複数ずつ設置された複数の超伝導体と、複数の基板の外周側に設置された複数の配管取付部と、複数の配管取付部に接触して取り付けられ、冷却ガスが流通する冷却ガス配管と、を備える。
この超伝導磁気シールド装置によれば、複数の筒状の基板の内周側に超伝導体が設置され、外周側に配管取付部が設置されている。そして、これらの複数の基板が中心軸線方向に沿って並んで配置されると共に、冷却ガス配管が配管取付部に接触して取り付けられている。このため、冷却ガス配管を取り付ける前に、実機サイズより小さく作業性の良い状態の複数の基板に対して超伝導体を設置し、その後に、当該複数の基板を組み合わせて実機サイズとすることができる。従って、基板に超伝導体を設置する際の作業性を向上できる。
ここで、配管取付部は、各々の複数の基板の外周側に、周方向に複数ずつ設置されていてもよい。この場合、配管取付部を介した冷却ガス配管による超伝導体の冷却が不均一になることを抑制できる。
また、冷却ガス配管は、一本の流路を形成し、各々の複数の配管取付部に接触して取り付けられていてもよい。この場合、冷却ガス配管を簡素化できるため、超伝導磁気シールド装置の製造コストを低減できる。
本発明に係る脳磁計装置は、上記超伝導磁気シールド装置を備えている。この脳磁計装置によれば、上記作用効果を好適に実現することができる。
本発明に係る超伝導磁気シールド装置の製造方法は、各々筒状をなす複数の基板を準備する基板準備工程と、複数の基板の各々の内周側に超伝導体を1又は複数ずつ設置する超伝導体取付工程と、超伝導体取付工程の前又は後において、複数の基板の外周側に配管取付部を1又は複数ずつ設置する配管取付部設置工程と、複数の基板を、各々の中心軸線方向に沿って並ぶように配置する基板配置工程と、配管取付部に接触するように、冷却ガスが流通する冷却ガス配管を取り付ける冷却ガス配管取付工程と、を備える。
この超伝導磁気シールド装置の製造方法によれば、複数の筒状の基板の内周側に超伝導体が設置され、外周側に配管取付部が設置される。また、これらの複数の基板が中心軸線方向に沿って並んで配置され、冷却ガス配管が配管取付部に接触して取り付けられる。このように、冷却ガス配管を取り付ける前に、実機サイズより小さく作業性の良い状態の複数の基板に対して超伝導体が設置されるため、基板に超伝導体を設置する際の作業性を向上できる。特に、この場合、予め配管取付部が基板に設置された状態で冷却ガス配管を取り付けることにより、配管取付部に多少の位置ずれがあっても冷却ガス配管を撓ませることで柔軟に対応できるため、施工の作業性を向上できる。
本発明に係る超伝導磁気シールド装置の製造方法は、各々筒状をなす複数の基板を準備する基板準備工程と、複数の基板の各々の内周側に超伝導体を1又は複数ずつ設置する超伝導体取付工程と、複数の基板を、各々の中心軸線方向に沿って並ぶように配置する基板配置工程と、複数の基板の外周側に、複数の配管取付部、及び、複数の配管取付部に接触し、冷却ガスが流通する冷却ガス配管を設置する冷却部取付工程と、を備える。
この超伝導磁気シールド装置の製造方法によれば、複数の筒状の基板の内周側に超伝導体が設置され、これらの複数の基板が中心軸線方向に沿って並んで配置される。また、これらの複数の基板の外周側に、配管取付部及び冷却ガス配管を有する冷却部が設置される。このように、冷却ガス配管を取り付ける前に、実機サイズより小さく作業性の良い状態の複数の基板に対して超伝導体が設置されるため、基板に超伝導体を設置する際の作業性を向上できる。特に、この場合、予め配管取付部と冷却ガス配管とが結合された状態で基板に取り付けられることにより、基板に対する配管取付部の設置が容易であるため、施工の作業性を向上できる。
本発明によれば、基板に超伝導体を設置する際の作業性を向上できる。
実施形態に係る脳磁計装置を示す概略図である。 実施形態に係る超伝導磁気シールド装置を示す側断面図である。 実施形態に係る超伝導磁気シールド装置を示す平断面図である。 比較例に係る超伝導磁気シールド装置を示す側断面図である。 比較例に係る超伝導磁気シールド装置を示す平断面図である。
以下、本発明に係る超伝導磁気シールド装置、脳磁計装置、及び超伝導磁気シールド装置の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、特に明示する場合を除き、上下方向は説明図面中の方向を示す。
[第1実施形態]
まず、脳磁計装置1の構成について説明する。
図1に示す脳磁計装置1は、計測ユニット1A内の計測位置Hに頭が位置するように被験者Pを着座させ、当該被験者Pの脳の神経活動に伴って発生する微弱な磁場を非接触で計測、解析する装置である。この計測ユニット1Aは、計測位置Hの周囲に配置され、脳で発生する磁場を検出するSQUIDセンサ3を備えている。この脳磁計装置1では、被験者Pの脳の様々な位置から発生する磁場を検出するため、数十個〜数百個(64個,128個,256個など)といった多数の上記SQUIDセンサ3が、被験者Pの頭の表面に沿うように配置され、センサホルダ4に固定されている。
計測ユニット1Aは、SQUIDセンサ3を冷却するため、このSQUIDセンサ3と液体ヘリウム5とを収納するためのデュワー(容器)7を備えている。デュワー7は、図1に示すように、円筒状で有底の断熱容器である。また、デュワー7の底部7bは、被験者Pの頭部を外から収容できるように内に凹んでいる。SQUIDセンサ3は、デュワー7内に貯留されている液体ヘリウム5によって冷却される。
なお、この脳磁計装置1では、SQUIDセンサ3の耐震性を向上させて、生体磁場の計測に対する振動の影響を低減させるべく、SQUIDセンサ3が装着されているセンサホルダ4が、デュワー7の内側面7aに固定されている。
さらに、計測ユニット1Aは、デュワー7を包囲するように配置されると共に、被験者Pを覆う二重構造の筒型体15と、この二重構造の筒型体15の外筒部15aと内筒部15bとの間の間隙に内蔵された超伝導磁気シールド装置11と、を備えている。なお、筒型体15とデュワー7との間には断熱材19が充填されている。
この脳磁計装置1では、被験者Pの脳で発生する極めて微弱な磁場を検出する必要があるので、計測位置Hの近傍から外部磁場の影響を除去する必要がある。このため、脳磁計装置1は、中心軸線Cが計測位置Hを通るように配置された筒状の超伝導磁気シールド装置11を備えている。超伝導磁気シールド装置11は、デュワー7を包囲して筒型体15の外筒部15aに支持されると共に、筒型体15の上下寸法とほぼ同じ寸法で延在している。また、計測位置Hは、中心軸線C上に位置すると共に、上下方向においても超伝導磁気シールド装置11の全高のほぼ中央に位置している。
また、脳磁計装置1は、超伝導磁気シールド装置11を冷却するための極低温の冷却ガスを超伝導磁気シールド装置11へ送出すると共に、超伝導磁気シールド装置11を冷却した後の冷却ガスが流入する冷凍機1Bを有している。なお、冷凍機1Bとしては特に限定されないが、ここでは特に好ましいとしてGM冷凍機、スターリング冷凍機、パルスチューブ冷凍機等を用いることができる。また、冷却ガスとしては、例えばヘリウムガスを用いることもできる。
続いて、超伝導磁気シールド装置11の構成について説明する。
図2及び図3に示す超伝導磁気シールド装置11は、計測位置Hの近傍から、例えば地磁気、外部磁場の変動等の影響を除去するためのものである。超伝導磁気シールド装置11は、複数の基板20と、複数の超伝導体21と、複数の配管取付部22と、冷却ガス配管23と、を備えている。
基板20は、超伝導体21を支持すると共に、冷却ガスが流通する冷却ガス配管23により配管取付部22を介して冷却されることで、超伝導体21を冷却するためのものである。複数の基板20は、実機サイズの基板を中心軸線方向(超伝導磁気シールド装置11の中心軸線Cに沿った方向)に分割した形状となっている。すなわち、複数の基板20は各々中空の筒状をなしており、各々の基板20は径方向の寸法が互いにほぼ同じとなるように形成されている。また、複数の基板20は、その中心軸線方向に沿って並んで配置されており、複数の基板20全体の上下寸法は、筒型体15の上下寸法とほぼ同じ寸法となっている。なお、ここでは脳磁計装置1へ好適に適用される超伝導磁気シールド装置11の基板20の一例として、外径寸法が約650mm、複数の基板20全体での上下寸法が約1600mm程度のものを例示している(図1参照)。
また、基板20には、後述する配管取付部22のボルト穴22aに対応する位置にボルト穴20aが設けられており、ボルト24によって基板20に配管取付部22が締結される。なお、基板20は、ニッケルを含む金属によって構成されているが、SUS304、真鍮、銅等の材料によって構成されていてもよい。
超伝導体21は、基板20に設置され、超伝導転移温度以下まで冷却されて超伝導状態となることで完全反磁性を示し、基板20の内周側での磁場変動を除去する。この超伝導体21の完全反磁性によって、超伝導体21が設置された基板20に包囲された計測位置Hが外部磁場から遮蔽されるため、SQUIDセンサ3においては外部磁場によるノイズをほとんど排除した微弱な磁場計測が可能になる。
超伝導体21は、複数の基板20の各々の内周側に1又は複数ずつ設置されている。ここでは、図2に示すように、超伝導体21は一つの基板20当たり4つずつ設置され、それぞれが基板20の内周に沿って一周する環状に形成されている。また、これらの環状の超伝導体21は、基板20の中心軸線方向に沿って略等間隔に並んで配置されることで、基板20の内周側の磁場変動を除去する効果が不均一になることが抑制される。なお、一つの基板20当たりに設置される超伝導体21の数は特に限定されず、また、必ずしも基板20の内周に沿って一周する環状でなくてもよい。例えば、一つの基板20当たり、より多数の環状の超伝導体21を配置してもよく、或いは、一つの基板20当たり一つの超伝導体を螺旋状に設置してもよい。
また、超伝導体21は、ビスマス系酸化物超伝導体からなり、磁束侵入長よりも十分に大きい膜厚を有している。ここで、超伝導体21に用いられるビスマス系酸化物超伝導体としては、例えば、組成式Bi2Sr2Ca2Cu3Oxで表されるBi2223、或いは、組成式Bi2Sr2CaCu2Oxで表されるBi2212が好適に採用される。なお、超伝導体21の材料としては、上記材料に限定されず、例えばRE123系超伝導材料(Y1Ba2Cu3Ox、Gd1Ba2Cu3Ox)等を用いてもよい。
配管取付部22は、冷却ガス配管23が接触して取り付けられることで、当該冷却ガス配管23を保持すると共に冷却ガス配管23と基板20との間を熱的に接続するためのものである。図3に示すように、配管取付部22は基板20に対してボルト24によって締結される。これにより、配管取付部22と基板20とが密着して伝熱抵抗の増大が抑制されることで、冷却ガス配管23を流通する冷却ガスによって基板20が効率よく冷却される。このような配管取付部22の材料としては、例えば銅、銅合金、ニッケル、真鍮等を好適に用いることができる。また、上記作用効果をより好適に実現するため、ここでは、配管取付部22と基板20との間に伝熱グリースを塗布することで配管取付部22と基板20とをより密着させている。なお、伝熱グリースの代わりにインジウム、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂と高熱伝導材料との混合物等を用いてもよく、また、これらを複数組み合わせて用いてもよい。なお、上記の伝熱グリース等としては、基板20又は配管取付部22よりも伝熱抵抗の小さい材料を使用すると特に好適である。
配管取付部22は、扁平な形状をなし、かつ、基板20の周方向に沿って緩やかに湾曲している。また、配管取付部22は、基板20の中心軸線方向視における中央付近に、当該中心軸線方向に沿った円柱状の貫通孔22bが設けられている。この貫通孔22bの内径は、冷却ガス配管23の外径より若干大きく形成されている。また、配管取付部22は、基板20の径方向視における中央付近(貫通孔22bが形成されている位置)を挟んだ両側に、それぞれ貫通したボルト穴22aが設けられている。配管取付部22が基板20に設置されたときに配管取付部22のボルト穴22aと基板20のボルト穴20aとの位置が対応するように構成されている。
また、配管取付部22は、各々の複数の基板20の外周側に、一つの基板20当たり1又は複数ずつ設置されている。ここでは、一例として、一つの基板20当たり4つずつ、周方向に互いに等間隔に離間して配置されたものを例示しており、このような構成とすることで、冷却ガスが流通する冷却ガス配管23によって基板20を冷却する効果が不均一になることを抑制している。また、中心軸線方向に沿って並んで配置された複数の基板20全体に対して、配管取付部22は、当該中心軸線方向と平行に配列されている。
冷却ガス配管23は、冷凍機1Bから送出された冷却ガスを流通させると共に、冷却ガスによって冷却されて配管取付部22を冷却するためのものである。なお、冷却ガス配管23によって冷却された配管取付部22は、当該配管取付部22が設置されている基板20を冷却する。また、このようにして冷却された基板20は、当該基板20に設置されている超伝導体21を超伝導転移温度以下まで冷却する。冷却ガス配管23の材料としては、例えば銅、銅合金、ニッケル等を好適に用いることができる。
冷却ガス配管23は、中心軸線方向に沿って並んで配置された複数の基板20全体の外周側を、基板20に沿って上下に往復するように取り付けられている。また、冷却ガス配管23は、基板20の外周側に設置された複数の配管取付部22の貫通孔22bの内壁面に接触して取り付けられている。冷却ガス配管23の外径は、配管取付部22に形成された貫通孔22bの内径より若干小さく形成されており、冷却ガス配管は、この貫通孔22bに挿通される。このとき、冷却ガス配管23と貫通孔22bとは溶接等の冶金的な方法によって接触して結合される。これにより、冷却ガス配管23と貫通孔22bとが互いに固定されて、冷却ガス配管23が配管取付部22に強固に保持されると共に、冷却ガス配管23と貫通孔22bとの間に隙間が生じることが抑制されて、冷却ガス配管23と配管取付部22との間の伝熱抵抗の増大が抑制される。
冷却ガス配管23は、1本又は複数本の管で形成されると共に、1本の流路を形成している。すなわち、冷却ガス配管23は、複数本の管で形成されている場合であっても、管同士を公知の手段で連結することで一本の流路が形成されている。また、冷却ガス配管23は、途中で分岐も合流もしていない。なお、冷却ガス配管23としては、1本の流路に限らず、複数本の流路を形成している構成としてもよく、途中で分岐又は合流をしている構成としてもよい。
続いて、超伝導磁気シールド装置11の製造方法について説明する。
第1実施形態に係る超伝導磁気シールド装置11の製造方法は、基板20を準備する基板準備工程、基板20に超伝導体21を設置する超伝導体取付工程、基板20に配管取付部22を設置する配管取付部設置工程、複数の基板20を配置する基板配置工程、及び配管取付部に冷却ガス配管23を取り付ける冷却ガス配管取付工程を含んで構成されている。
基板準備工程では、複数の基板20を準備する。複数の基板20は、各々筒状をなしており、実機サイズの基板を中心軸線方向における複数箇所で分割した上下寸法となっている。
超伝導体取付工程では、この基板20の内周側に超伝導体21を設置する。より具体的には、超伝導体21を、一つの基板20当たり1又は複数ずつ基板20の内周に沿って一周する環状となるように、例えば溶射等の方法によって設置する。ここでは、超伝導体21を一つの基板20当たり4つずつ、基板20の中心軸線方向に沿って略等間隔に並ぶように設置する。
この超伝導体取付工程の前又は後に行われる配管取付部設置工程では、この基板20の外周側に配管取付部22を設置する。より具体的には、配管取付部22のボルト穴22aと、対応する基板20のボルト穴20aとにボルト24を通し、配管取付部22を基板20に対して締結する。配管取付部22は、一つの基板20当たり1又は複数ずつ設置される。ここでは一つの基板20当たり4つずつ、周方向に互いに等間隔に離間して配置している。なお、配管取付部22と基板20との間に伝熱グリースを塗布することで、配管取付部22と基板20とがより密着される。
少なくとも超伝導体取付工程の後に行われる基板配置工程では、複数の基板20を各々の中心軸線方向に沿って並ぶように配置する。これにより、実機サイズの基板を複数箇所で分割した上下寸法の基板20が複数組み合わされて、実機サイズの基板と略同等の上下寸法となる。
基板配置工程に後続する冷却ガス配管取付工程では、配管取付部22に接触するように、冷却ガスが流通する冷却ガス配管23を取り付ける。このとき、既に基板20に設置されている配管取付部22に多少の位置ずれがある場合は、冷却ガス配管23を撓ませながら、冷却ガス配管23を配管取付部22の貫通孔22bに挿通させる。配管取付部22は冷却ガス配管23に対して溶接等の冶金的な方法により結合されて密着した状態となる。
続いて、比較例に係る超伝導磁気シールド装置100について説明する。
図4及び図5に示すように、超伝導磁気シールド装置100では、基板101が実機サイズに形成されており、複数に分割することはできない。この基板101の外周側には、冷却ガス配管102が溶接等の冶金的な方法によって直接設置されている。また、基板101の内周側には複数の超伝導体103が設置されている。超伝導体103は、各々基板101の内周に沿って一周する環状をなすと共に、基板101の中心軸線方向に沿って略等間隔に並ぶように設置されている。
このような超伝導磁気シールド装置100では、基板101が実機サイズに形成されているため、基板101の内周側に超伝導体103を設置する作業性が十分ではない。
一方、基板101に超伝導体103を設置する際の作業性を向上するために基板101を分割することは困難である。すなわち、基板101を分割した状態で超伝導体103を設置した場合、超伝導体103が設置された複数の基板の外周側に溶接等の冶金的な方法によって冷却ガス配管102を設置することになる。この場合、溶接等による熱が基板101を介して超伝導体103に伝達され、超伝導体103が破壊される虞がある。
以上説明したように、超伝導磁気シールド装置11によれば、複数の筒状の基板20の内周側に超伝導体21が設置され、外周側に配管取付部22が設置されている。そして、これらの複数の基板20が中心軸線方向に沿って並んで配置されると共に、冷却ガス配管23が配管取付部22に溶接等の冶金的な方法により接触して取り付けられている。このため、冷却ガス配管23を取り付ける前に、実機サイズより小さく作業性の良い状態の複数の基板20に対して超伝導体21を設置し、その後に、当該複数の基板20を組み合わせて実機サイズとすることができる。従って、基板20に超伝導体21を設置する際の作業性を向上できる。
また、配管取付部22は、各々の複数の基板20の外周側に、周方向に4つずつ設置されているため、配管取付部22を介した冷却ガス配管23による超伝導体21の冷却が不均一になることを抑制できる。
また、冷却ガス配管23は、一本の流路を形成し、各々の複数の配管取付部22に溶接等の冶金的な方法により接触して取り付けられているため、冷却ガス配管23を簡素化できるため、超伝導磁気シールド装置11の製造コストを低減できる。
また、脳磁計装置1は、超伝導磁気シールド装置11を備えているため、上記作用効果を好適に実現することができる。
また、超伝導磁気シールド装置11の製造方法によれば、複数の筒状の基板20の内周側に超伝導体21が設置され、外周側に配管取付部22が設置される。また、これらの複数の基板20が中心軸線方向に沿って並んで配置され、冷却ガス配管23が配管取付部22に溶接等の冶金的な方法により接触して取り付けられる。このように、冷却ガス配管23を取り付ける前に、実機サイズより小さく作業性の良い状態の複数の基板20に対して超伝導体21が設置されるため、基板20に超伝導体21を設置する際の作業性を向上できる。特に、この場合、予め配管取付部22が基板20に設置された状態で冷却ガス配管23を取り付けることにより、配管取付部22に多少の位置ずれがあっても冷却ガス配管23を撓ませることで柔軟に対応できるため、施工の作業性を向上できる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る超伝導磁気シールド装置11の製造方法は、配管取付部設置工程及び冷却ガス配管取付工程を含まず、代わりに、基板配置工程に後続して冷却部取付工程を含んでいる点で第1実施形態に係る超伝導磁気シールド装置11の製造方法と相違する。
冷却部取付工程では、複数の配管取付部22と冷却ガス配管23とを溶接等の冶金的な方法によって接触して結合した状態(すなわち、冷却部)とする。そして、内周側に超伝導体21が設置された複数の基板20が、各々の中心軸線方向に沿って並ぶように配置された状態の基板の外周側に、この冷却部を設置する。
この超伝導磁気シールド装置11の製造方法によれば、複数の筒状の基板20の内周側に超伝導体21が設置され、これらの複数の基板20が中心軸線方向に沿って並んで配置される。また、これらの複数の基板20の外周側に、配管取付部22及び冷却ガス配管23を有する冷却部が設置される。このように、冷却ガス配管23を取り付ける前に、実機サイズより小さく作業性の良い状態の複数の基板20に対して超伝導体21が設置されるため、基板20に超伝導体21を設置する際の作業性を向上できる。特に、この場合、予め配管取付部22と冷却ガス配管23とが結合された状態で基板20に取り付けられることにより、基板20に対する配管取付部22の設置が容易であるため、施工の作業性を向上できる。
なお、本発明に係る超伝導磁気シールド装置11は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1及び第2実施形態では、配管取付部22は中心軸線方向に沿って並んで配置された複数の基板20全体に対して、中心軸線方向と平行に配列されていたが、中心軸線方向に対して傾斜した方向に、螺旋状に配列されていてもよい。
また、第1及び第2実施形態では、配管取付部22は基板20に対してボルト24を用いて固定されていたが、ボルト24を用いずに溶接等の冶金的な方法によって固定してもよく、或いは、伝熱性の接着剤を用いて固定してもよい。なお、伝熱性の接着剤としては、基板20又は配管取付部22よりも伝熱抵抗の小さい材料を使用すると特に好適である。
また、第1及び第2実施形態では、配管取付部22は冷却ガス配管23に対して溶接等の冶金的な方法により結合されて密着していたが、密着させる方法は特に限定されず、例えば配管取付部22をかしめることにより配管取付部22と冷却ガス配管23とを密着させてもよい。
1…脳磁計装置、11…超伝導磁気シールド装置、20…基板、21…超伝導体、22…配管取付部、23…冷却ガス配管。

Claims (6)

  1. 各々筒状をなし、中心軸線方向に沿って並んで配置された複数の基板と、
    前記複数の基板の各々の内周側に1又は複数ずつ設置された複数の超伝導体と、
    前記複数の基板の外周側に設置され、貫通孔が形成された複数の配管取付部と、
    前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔に溶接されて前記複数の配管取付部に接触して取り付けられ、冷却ガスが流通する冷却ガス配管と、
    を備える超伝導磁気シールド装置。
  2. 前記配管取付部は、各々の前記複数の基板の外周側に、周方向に複数ずつ設置されている請求項1に記載の超伝導磁気シールド装置。
  3. 前記冷却ガス配管は、一本の流路を形成し、各々の前記複数の配管取付部に接触して取り付けられている請求項1又は2に記載の超伝導磁気シールド装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の超伝導磁気シールド装置を備える脳磁計装置。
  5. 各々筒状をなす複数の基板を準備する基板準備工程と、
    前記複数の基板の各々の内周側に超伝導体を1又は複数ずつ設置する超伝導体取付工程と、
    前記超伝導体取付工程の前又は後において、前記複数の基板の外周側に、貫通孔が形成された配管取付部を1又は複数ずつ設置する配管取付部設置工程と、
    前記複数の基板を、各々の中心軸線方向に沿って並ぶように配置する基板配置工程と、
    前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔に溶接されることで前記配管取付部に接触するように、冷却ガスが流通する冷却ガス配管を取り付ける冷却ガス配管取付工程と、
    を備える超伝導磁気シールド装置の製造方法。
  6. 各々筒状をなす複数の基板を準備する基板準備工程と、
    前記複数の基板の各々の内周側に超伝導体を1又は複数ずつ設置する超伝導体取付工程と、
    前記複数の基板を、各々の中心軸線方向に沿って並ぶように配置する基板配置工程と、
    前記複数の基板の外周側に、貫通孔が形成された複数の配管取付部、及び、前記貫通孔に挿通され、前記貫通孔に溶接されることで前記複数の配管取付部に接触し、冷却ガスが流通する冷却ガス配管を設置する冷却部取付工程と、
    を備える超伝導磁気シールド装置の製造方法。
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