JP6403593B2 - ジャーナル軸受及び回転機械 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、キャリアリング、軸受パッド、及び給油ノズルを備えたジャーナル軸受が開示されている。給油ノズルは、供給された潤滑油をロータ軸の外周面と軸受パッドの内周面との間に供給するものである。
円環状に形成されたキャリアリングと、
前記キャリアリングの下半領域の内周側に設けられ、ロータ軸を下方から支持するように構成された第1軸受パッドと、
前記第1軸受パッドの上流側直前に設置された第1給油ユニットと、
前記キャリアリングの軸方向一端部と他端部とに前記ロータ軸の外周に沿って設置された一対のサイドプレートと、
を備え、
各々の前記サイドプレートは、
第1領域と、
前記第1領域よりも上側に位置し、前記サイドプレートの内周面と前記ロータ軸の外周面との間の間隙が前記第1領域に比べて狭い第2領域と、
を含む。
前記キャリアリングの前記下半領域の内周側において前記第1軸受パッドよりも前記ロータ軸の回転方向下流側に設けられ、前記ロータ軸を下方から支持するように構成された第2軸受パッドをさらに備え、
前記サイドプレートの前記第1領域は、少なくとも、前記第1軸受パッドと前記第2軸受パッドとの間の位置範囲において周方向に延在している。
上記(2)の構成によれば、余剰な潤滑油が第1軸受パッドと第2軸受パッドとの間の位置範囲から排出される。これにより、第1軸受パッドと第2軸受パッドとの間に潤滑油が充満する事態が回避され、ロータ軸の撹拌損失の増大を抑制できる。
前記第1軸受パッドと前記第2軸受パッドとの間の周方向位置に設置された第2給油ユニットと、をさらに備える。
上記(3)の構成によれば、第2給油ユニットからロータ軸と第2軸受パッドとの間に潤滑油が供給され、第1軸受パッドで使用された潤滑油と第2給油ユニットから供給された潤滑油とが交換される。これにより、第2軸受パッドは第2給油ユニットから新たに供給された潤滑油でロータ軸を潤滑できる。
前記キャリアリングの上半領域の内周側に設けられ、前記ロータ軸の外周面のうち上側領域を覆うガイドメタルをさらに備え、
前記サイドプレートの前記第1領域は、前記第1軸受パッドと前記第2軸受パッドとの間の前記位置範囲に加えて、前記ガイドメタルと前記第1軸受パッドとの間の位置範囲、または、前記ガイドメタルと前記第2軸受パッドとの間の位置範囲の少なくとも一方において周方向に延在している。
上記(4)の構成によれば、余剰な潤滑油がガイドメタルと第1軸受パッドとの間の位置範囲、または、ガイドメタルと第2軸受パッドとの間の位置範囲から排出される。これにより、ガイドメタルと第1軸受パッドとの間、または、ガイドメタルと第2軸受パッドとの間に潤滑油が充満する事態が回避され、ロータ軸の撹拌損失の増大を抑制できる。
前記第2軸受パッドの下流側に配置された第3給油ユニットをさらに備える。
上記(5)の構成によれば、第3給油ユニットからロータ軸に潤滑油が供給されるので、第1軸受パッドにキャリーオーバ(供給)される潤滑油が増加する。
前記キャリアリングの上半領域の内周側に設けられ、前記ロータ軸の外周面のうち上側領域を覆うガイドメタルをさらに備え、
前記サイドプレートの前記第2領域は、少なくとも前記ガイドメタルの延在範囲に亘って周方向に延在している。
上記(6)の構成によれば、ガイドメタルの延在範囲から潤滑油が漏れにくくなり、ヘッド差があるにも拘わらず潤滑油のキャリーオーバを効果的に促すことができる。
前記一対のサイドプレートのうち少なくとも一方は、前記第1領域を含む下半部と、前記第2領域を含み前記下半部と接合される上半部と、を含む。
上記(7)の構成によれば、一対のサイドプレートのうち少なくとも一方は、分割構造となるので、ジャーナル軸受の組立性を向上できる。
前記下半部及び前記上半部は、前記ロータ軸を中心とする円弧状であり、
前記上半部の中心角は、前記下半部の中心角と同一又は大である。
上記(8)の構成によれば、下半部と同一又はそれよりも広い範囲で潤滑油が漏れにくくなり、ヘッド差があるにも拘わらず潤滑油のキャリーオーバを効果的に促すことができる。
前記上半部の中心角は、180度であり、
前記第2領域は前記上半部の周方向範囲の全域に亘って延在しており、
前記第1領域は前記下半部の周方向範囲の全域に亘って延在している。
上記(9)の構成によれば、間隙の狭い上半部と間隙の広い下半部とをそれぞれ製作しておき、水平接合面で接合することで、周方向位置で間隙の大きさが異なるサイドプレートを容易に製造できる。
前記上半部の中心角は、180度よりも大きく、
前記上半部は、2以上のセクションに分割可能に構成される。
上記(5)の構成によれば、上半部を2以上の分割構造にできる。
上記(1)1乃至(10)の何れか一つに記載のジャーナル軸受にロータ軸が支持される。
上記(11)の構成によれば、軸受パッドにおける油膜厚さを十分に確保でき、ロータ軸の撹拌抵抗の増大も抑制できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
尚、図1は、図2に示したハウジングHに支持されたジャーナル軸受1のI−I線に沿う断面図でもある。
第2軸受パッド32は、キャリアリング2の下半領域の内周側において第1軸受パッド31よりもロータ軸11の回転方向下流側に設けられ、第1軸受パッド31と同様に、ロータ軸11を下方から支持するように構成されている。第2軸受パッド32は、第1軸受パッド31と同様に、キャリアリング2の軸線方向に沿って見たときに扇形の形状を有し、湾曲した内周面32a及び外周面32bを有している。第2軸受パッド32の内周面32aは、第1軸受パッド31と同様に、軸受合金、例えば、ホワイトメタルによって形成され、ジャーナル12の外周面12aと対向して配置される。
ガイドメタル33は、キャリアリング2の上半領域の内周側に設けられ、図示せぬボルト等によってキャリアリング2に対して固定されている。ガイドメタル33は、キャリアリング2の軸線方向に沿って見たときに扇形の形状を有し、ロータ軸11の外周面のうち上側領域を覆っている。ガイドメタル33は、キャリアリング2の径方向において内側に軸受面33aを有する。軸受面33aは、ジャーナル12の外周面12aの上側領域に沿うように湾曲し、ジャーナル12の外周面12aの上側領域と軸受隙間を有して対向する。
これら複数の給油ユニット(4,5,6)は、周方向において相互に離間して配置され、それぞれ、ロータ軸11に向けて潤滑油を供給可能である。例えば、キャリアリング2にマニホールド24が形成され、マニホールド24を通じて複数の給油ユニット(4,5,6)に潤滑油が供給される。
図4に示すように、第1給油ユニット4のノズル41,42は、それぞれ、基部43と枝部44とを有している。基部43は、先端が塞がれた円筒形状を有し、キャリアリング2の径方向に沿って配置され、マニホールド24に連通するように、キャリアリング2に固定される。枝部44は、基部43よりも細い先端が塞がれた円筒形状を有し、キャリアリング2の軸方向に沿って配置され、基部43の内部空間に連通するように、基部43の両側に固定されている。また、枝部44には、複数の油吐出孔45がキャリアリング2の軸心を向くように設けられている。
図2に示すように、第2給油ユニット5は、第1給油ユニット4と同様、ロータ軸11の一部、すなわちジャーナル12に向けて潤滑油を供給するためのものであり、第1軸受パッド31と第2軸受パッド32との間の周方向位置に配置されている。第1給油ユニット4は、第1給油ユニット4と同様に、複数のノズル51,52、例えば、二つのノズル51,52を含む。第2給油ユニット5の複数のノズル51,52は、第1軸受パッド31と第2軸受パッド32との間の周方向位置に間隔を開けて配置されている。ノズル51,52は、第1給油ユニット4を構成するノズル41,42と同様の構成を有しているので、ここでは対応する基部53、枝部54及び油吐出孔55を図4に符号を付して説明を省略する。
第3給油ユニット6は、第1給油ユニット4及び第2給油ユニット5と同様、ロータ軸11、すなわちジャーナル12に向けて潤滑油を供給するためのものであり、第2軸受パッド32のロータ軸11の回転方向下流側、第2軸受パッド32の直後に配置されている。第3給油ユニット6は、複数のノズルを含んでいてもよいが、図2に示す例示的な実施形態では一つのノズル61で構成されている。ノズル61は、第1給油ユニット4を構成するノズル41と同様の構成を有しているので、ここでは対応する基部63、枝部64及び油吐出孔65を図4に符号を付して説明を省略する。
この構成によれば、第3給油ユニット6からロータ軸11に潤滑油が供給されるので、第1軸受パッド31にキャリーオーバ(供給)される潤滑油が増加する。
この点において、上述した直接潤滑方式のジャーナル軸受1は、軸受内部空間を潤滑油で満たすようにした油浴潤滑方式のジャーナル軸受と相違する。油浴潤滑方式のジャーナル軸受では、サイドプレートとジャーナル外周面との間にシール部材を設けて、軸受内部空間からの潤滑油の外部への漏えいを防止し、軸受内部空間を潤滑油で満たすようになっている。このため、油浴潤滑方式のジャーナル軸受の内部空間に存在する潤滑油は、大気圧よりも高い圧力になっている。
すなわち、直接潤滑方式のジャーナル軸受1では、ヘッド差により潤滑油がキャリーオーバされにくいことに加えて、各々のサイドプレート7,7の内周面とロータ軸11の外周面との間に一対のサイドプレート7,7によって囲まれた軸受内部空間と外部とを連通させるための間隙を有し、第1領域よりも上側に位置する第2領域で潤滑油が漏れやすい。このため、第1軸受パッドにキャリーオーバされる潤滑油が少なくなり、第1軸受パッド31に供給される潤滑油が不足する。特に、第1軸受パッド31及び第2軸受パッド32に対するロータ軸11の面圧が低かったり、ロータ軸11が低回転領域で回転したりする場合には、第1軸受パッド31にキャリーオーバされる潤滑油が少ないため、第1軸受パッド31における潤滑油不足が顕著である。第1軸受パッド31に供給される潤滑油が不足すると、第1軸受パッド31は入口から濡れないために油膜圧力の発生域が狭くなり、第1軸受パッド31の油膜が薄くなる。これにより、第1軸受パッド31に対するロータ軸11の面圧が低かったり、ロータ軸11が低回転領域で回転したりする場合には、ロータ軸11の軸心軌跡が鉛直線上から逸れてジャーナル軸受1の等方性が損なわれる虞がある。一方、第1軸受パッド31にキャリーオーバされる潤滑油の油量が余剰になると、ロータ軸11の撹拌抵抗が増大する虞がある。
この構成によれば、ガイドメタル33の延在範囲から潤滑油が漏れにくくなり、ヘッド差があるにも拘わらず潤滑油のキャリーオーバを効果的に促すことができる。
この構成によれば、一対のサイドプレート7,7のうち少なくとも一方は、分割構造となるので、ジャーナル軸受1の組立性を向上できる。
この構成によれば、下半部74と同一又はそれよりも広い範囲で潤滑油が漏れにくくなり、ヘッド差があるにも拘わらず潤滑油のキャリーオーバを効果的に促すことができる。
この構成によれば、間隙の狭い上半部75と間隙の広い下半部74とをそれぞれ製作しておき、水平接合面で接合することで、周方向位置で間隙の大きさが異なるサイドプレート7を容易に製造できる。
この構成によれば、上半部75を2以上の分割構造にできる。
この構成によれば、余剰な潤滑油が第1軸受パッド31と第2軸受パッド32との間の位置範囲のみから排出される。これにより、第1軸受パッド31と第2軸受パッド32との間に潤滑油が充満する事態が回避され、ロータ軸11の撹拌損失の増大を抑制できる。
11 ロータ軸
12 ジャーナル
12a 外周面
2 キャリアリング
24 マニホールド
31 第1軸受パッド
31a 内周面
31b 外周面
32 第2軸受パッド
32a 内周面
32b 外周面
33 ガイドメタル
33a 軸受面
4 第1給油ユニット
41,42 ノズル
43 基部
44 枝部
45 油吐出孔
5 第2給油ユニット
51,52 ノズル
53 基部
54 枝部
55 油吐出孔
6 第3給油ユニット
61 ノズル
63 基部
64 枝部
65 油吐出孔
7 サイドプレート
7a 内周面
71 ボルト
74 下半部
75 上半部
A1 第1領域
A2 第2領域
C1,C2 間隙
θ1,θ2 中心角
H ハウジング
H1 台座部
H2 カバー
H3 ボルト
Claims (11)
- 円環状に形成されたキャリアリングと、
前記キャリアリングの下半領域の内周側に設けられ、ロータ軸を下方から支持するように構成された第1軸受パッドと、
前記第1軸受パッドの上流側直前に設置された第1給油ユニットと、
前記キャリアリングの軸方向一端部と他端部とに前記ロータ軸の外周に沿って設置された一対のサイドプレートと、
を備え、
各々の前記サイドプレートは、
第1領域と、
前記第1領域よりも上側に位置し、前記サイドプレートの内周面と前記ロータ軸の外周面との間の間隙が前記第1領域に比べて狭い第2領域と、
を含むことを特徴とするジャーナル軸受。 - 前記キャリアリングの前記下半領域の内周側において前記第1軸受パッドよりも前記ロータ軸の回転方向下流側に設けられ、前記ロータ軸を下方から支持するように構成された第2軸受パッドをさらに備え、
前記サイドプレートの前記第1領域は、少なくとも、前記第1軸受パッドと前記第2軸受パッドとの間の位置範囲において周方向に延在していることを特徴とする請求項1に記載のジャーナル軸受。 - 前記第1軸受パッドと前記第2軸受パッドとの間の周方向位置に設置された第2給油ユニットと、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のジャーナル軸受。
- 前記キャリアリングの上半領域の内周側に設けられ、前記ロータ軸の外周面のうち上側領域を覆うガイドメタルをさらに備え、
前記サイドプレートの前記第1領域は、前記第1軸受パッドと前記第2軸受パッドとの間の前記位置範囲に加えて、前記ガイドメタルと前記第1軸受パッドとの間の位置範囲、または、前記ガイドメタルと前記第2軸受パッドとの間の位置範囲の少なくとも一方において周方向に延在していることを特徴とする請求項2又は3に記載のジャーナル軸受。 - 前記第2軸受パッドの下流側に配置された第3給油ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載のジャーナル軸受。
- 前記キャリアリングの上半領域の内周側に設けられ、前記ロータ軸の外周面のうち上側領域を覆うガイドメタルをさらに備え、
前記サイドプレートの前記第2領域は、少なくとも前記ガイドメタルの延在範囲に亘って周方向に延在していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のジャーナル軸受。 - 前記一対のサイドプレートのうち少なくとも一方は、前記第1領域を含む下半部と、前記第2領域を含み前記下半部と接合される上半部と、を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のジャーナル軸受。
- 前記下半部及び前記上半部は、前記ロータ軸を中心とする円弧状であり、
前記上半部の中心角は、前記下半部の中心角と同一又は大であることを特徴とする請求項7に記載のジャーナル軸受。 - 前記上半部の中心角は、180度であり、
前記第2領域は前記上半部の周方向範囲の全域に亘って延在しており、
前記第1領域は前記下半部の周方向範囲の全域に亘って延在している
ことを特徴とする請求項8に記載のジャーナル軸受。 - 前記上半部の中心角は、180度よりも大きく、
前記上半部は、2以上のセクションに分割可能に構成されることを特徴とする請求項8に記載のジャーナル軸受。 - 前記請求項1乃至10の何れか一項に記載のジャーナル軸受にロータ軸が支持されることを特徴とする回転機械。
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