JP6403110B2 - 自動調芯プーリを備えたベルトコンベア - Google Patents
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Description
こうしたベルトの蛇行は、位置決め精度を悪化させるばかりでなく、特に、高温環境下で使用される場合、ベルト寿命を急速に悪化させ、頻繁なベルト交換を余儀なくされている。
特許文献2、3には、ベルトの蛇行を防止するため、駆動側プーリ、従動側プーリのそれぞれを、球面滑り軸受けを介してシャフトに連結し、自動調芯を行う自動調芯プーリが開示されている。
一方、デパンナーで採用されるヘッドプーリは、機構上、ベルト張力方向の揺動はきわめて限定されるものの、垂直方向の揺動は可能である。
そこで、駆動側プーリにおいて、ベルト張力方向の揺動分を補完できれば、従動側プーリに自動調芯機構を配備しなくても、ベルト蛇行を防止できるのではないかという着想に基づいて、本発明に到った。
ベルト1は、所定のテンションを付与されて、駆動側プーリ2、ガイドローラ3、フラップ4の先端に装着されたピンローラ5、ガイドローラ6にエンドレス状に掛け回されている。なお、ピンローラ5は、焼き上がったパンをすくい取るため、この実施例では、直径6mmのものを使用している。
なお、8は、パンの先端を持ち上げて、ベルト1への載せ換えを容易に行うための櫛状エアブローノズルである。
駆動側プーリ2は、シャフト9に対しプーリ胴11が揺動できるよう、特許文献1あるいは特許文献2に開示される自動調芯機構を採用する。
すなわち、シャフト9は、中実のステンレススチール等からなり、その中央部に球状部9aが設けられ、プーリ胴11側の球面軸受け10に揺動可能に支持される球状部9aを備えている。
これにより、プーリ胴11は、シャフト9に対し相対回転することなく、球面軸受け10が許容する範囲で、球状部9aの中心点で揺動できるようになっている。
各遊動プーリは、MCナイロン等からなる円筒部材の外周面に、トルク伝達プーリ13と同様、CR単泡スポンジ等からなる極軟材層でクッション層を形成し、その外表面を白色ネオプレンゴム等の耐摩耗性樹脂でコーティングすることで構成されている。ナイロン製円筒部材の内径は、プーリ胴11の外径より若干(例えば0.3mm)大きく設定されており、プーリ胴11の回転に対し滑りを許容するようにしている。
これらの間隙には、図示はしていないが、テフロン(登録商標)等の自己潤滑性の高い樹脂からなるワッシャが介在され、スムースに相対回転できるようになっている。ワッシャに代え、各対向面に自己潤滑性樹脂をコーティングしてもよい。
なお、分割型遊動プーリの内径とプーリ胴の外径、及び、遊動プーリ間、遊動プーリとトルク伝達プーリ間の間隙は、ベルトコンベアの長さ、幅、張力、運転速度、移送対象物の重量などによって最適値を定めることができる。
このとき、プーリ胴11の球面軸受け10とシャフト9の球状部9aにより、プーリ胴11が揺動したとき、極軟材層13aやクッション層14等の弾力層により、ベルト1の張力方向の変動が吸収されるとともに、ベルト1がトルク伝達プーリ13の左右いずれかに偏倚しようとしたとき、中央側に戻す方向に反作用が発生する。なお、クッション層14の材質(弾性係数)や厚さについても、ベルトコンベアの長さ、幅、張力、運転速度、移送対象物の重量などによって最適値を定めることができる。
一方、ベルト1は、駆動側プーリ2とピンローラ5の間に所定のテンションを付与されて掛け渡されているので、中央のトルク伝達プーリ13、そして、遊動プーリ15a〜15c、16a〜16cには、上端側と下端側のベルト接触部のそれぞれにベルト1から張力が作用することになる。
このとき、各遊動プーリの内径は、プーリ胴11の外径より若干大きく設定されているので、プーリ胴11の外周面との接触部で滑りが発生し、各遊動プーリの回転数は、中央のトルク伝達プーリ13の回転数と比較して低下することになる。
例えば、ナイロン製円筒部材の内径が、プーリ胴11の外径85mmより0.3mm大きい85.3mmとすると、プーリ胴11が1周するたびに、0.3π=0.942mmずつ遅れが発生し、これに伴い遊動プーリの回転数が低下することになる。
すなわち、遊動プーリ15aと16cの回転数が最も低下している。これは、ベルト1からの張力の大半は、中央のトルク伝達プーリ13に作用し、トルク伝達プーリ13から離れるほど、張力が低下するため、ベルト1との間でも滑りが発生しているものと推測される。
しかも、前述のようにトルク伝達プーリ13を構成する極軟材層13aやクッション層14等の弾力層による反作用がスムースにベルト1に作用し、蛇行を効果的に抑制する。
加えて、各遊動プーリの内径がプーリ胴11の外径より数ミリ程度大きく設定されているので、プーリ胴11の揺動と連携し、この間隙の範囲で、各遊動プーリがプーリ胴11の軸に対し上下に追随し、フランジ15a−1、16c−1による戻し力を効果的に作用させているものと推測することができる。
4;フラップ 5;ピンローラ 7;トレー
8;櫛状エアブローノズル 9;シャフト 10;球面軸受け
11;プーリ胴 12a、12b;固定リング 13;トルク伝達プーリ
14;クッション層 15a〜15c、16a〜16c;遊動プーリ
15a−1、16c−1;フランジ
Claims (7)
- 駆動側プーリと従動側プーリとの間にベルトがエンドレス状にかけ渡されたベルトコンベアにおいて、
前記駆動側プーリは、シャフトと、該シャフトに外嵌されるプーリ胴と、該プーリ胴の中央部に相対回転できないよう固着されたトルク伝達プーリと、該トルク伝達プーリの両側で前記プーリ胴に遊嵌される分割型プーリと、該分割型プーリの最外側に設けたフランジとからなり、
前記シャフトの中央部に形成された球状部を、前記プーリ胴の内周面に一体的に取り付けられた球面軸受けに相対回転できないように連結することで前記プーリ胴を前記シャフトに対し揺動可能に支持するとともに、前記トルク伝達プーリの外周に弾力層を形成したことを特徴とするベルトコンベア。 - 前記トルク伝達プーリは、前記プーリ胴の外周に、所定の弾性係数を有する弾性部材を焼き付けあるいは接着し、その外周に極軟材層を形成したものであることを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベア。
- 前記分割型プーリは、ナイロン製円筒部材の外周に極軟材層を形成したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のベルトコンベア。
- 前記トルク伝達プーリ及び前記分割型プーリの最外周に、耐摩耗性樹脂をコーティングしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
- デパンナのフラップ先端に設けたピンローラを前記従動側プーリとしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
- 前記トルク伝達プーリと前記分割型プーリの間、前記分割型プーリ間、及び分割型プーリと前記フランジの間に、自己潤滑性樹脂からなるワッシャを介在させたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
- 前記トルク伝達プーリ及び前記分割型プーリの内周面に、運転時の回転方向に沿って、螺旋溝を形成し、内部に発生した微粉を、前記フランジ側に排出するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のベルトコンベア。
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