JP2900917B2 - ベルトコンベア用ローラ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はベルトコンベア用ロ
ーラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ベルトコンベア用ローラ、即ち無
端状に掛け渡して回転進行させるコンベアベルトを折り
返し案内するベルトコンベア用ローラＡは図９に示すよ
うに中間部位を最大直径として両端に向かって先細り状
になっている。これはコンベア用ローラＡとの摩擦で案
内されるコンベアベルトＢ各部分がローラ面Ａ’に対し
て直角に案内されようとするその習性を利用してローラ
Ａの中間部位の頂部を境にしてコンベアベルトＢの両半
部に平衡力を与えてコンベアベルトＢがコンベア用ロー
ラＡの定位置で偏移することなく案内回転、駆動伝達さ
せようとするためである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、現実問題とし
て荷物等の荷重の負荷位置（乗せ位置）での張力変化、
コンベアベルトの癖等でコンベア用ローラとの摩擦の前
記平衡関係が崩れると一挙にコンベアベルトは摩擦力が
大きな方向（左側または右側）に全体が偏移してしま
い、機枠と擦れて耐久性を劣化させたり、円滑な案内回
転や駆動伝達が行えなくなる。

【０００４】本発明は、従来事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処はコンベアベルトを偏移させない
構造簡単なベルトコンベア用ローラを提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、請求項１は、支軸の軸芯を中心
とする同心円に交差する分割体必要枚をその同心円の周
方向に並設してローラ面を構成し、前記分割体各々を支
軸の軸線方向との平行線に対してシーソー状に傾動可能
となるように支軸部分に取付けたことを要旨とする。請
求項２は請求項１記載の各分割体はその短手方向の断面
形状を長手方向全長に亘って支軸の軸芯を中心とする同
心円の曲率を同じくする円弧状にしてあることを要旨と
する。請求項３は請求項１または２記載の分割体は中間
部裏面から突設する凸部を支軸部分に軸着して支軸の軸
線方向との平行線に対してシーソー状に傾動可能となる
ように取付け、且つ前記分割体を、コンベアベルトとの
案内を離れた時に平行線に沿うように復帰させる引っ張
り弾機で支軸方向に引っ張っていることを要旨とする。

【０００６】上記技術的手段によれば下記の作用を奏す
る。 （請求項１）本ベルトコンベア用ローラは荷物等の荷重
の負荷位置（乗せ位置）による張力変化、コンベアベル
トの癖等を原因としてコンベアベルトのある部分のコン
ベア用ローラとの摩擦力が大きくなるとその部分を有す
る各分割体の一半部は摩擦力を小さくする方向、即ち支
軸に接近する方向に傾斜し、逆に他半部は摩擦力を大き
くする方向、即ち支軸から離間する方向に各々傾斜して
摩擦力を大きくする。これによってコンベアベルトの各
部はローラ面に対してほぼ均等な摩擦力で接触するよう
になり、これによってコンベアベルトは直角に案内され
ようとするその習性通りに案内されて偏移することなく
案内回転、駆動伝達される。 （請求項２）本ベルトコンベア用ローラは各分割体を、
その短手方向の断面形状を長手方向全長に亘って支軸の
軸芯を中心とする同一径の同心円の曲率を同じくする円
弧状にした結果、請求項１記載の偏移修正機能を達成す
るばかりでなく、中間部位を最大直径として両端に向か
って先細り状になっている従来のベルトコンベア用ロー
ラのようにコンベアベルトが矯正によってローラ面に馴
染むものではなくローラ面に無矯正（水平状）のまま全
幅に亘って均等な摩擦力で接触させ、コンベアベルトの
案内回転、駆動伝達を高効率にする。 （請求項３）本ベルトコンベア用ローラはその各分割体
がコンベアベルトの案内を離れた時に引っ張り弾機の作
用で支軸に対して平行状に復帰し、コンベアベルトの次
の案内に対処する。そのため、次の摩擦力の変化に即応
するスピーディーさを兼ね備える。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１乃至図７はベルトコンベア用
ローラの実施の形態を示し、符号Ａはベルトコンベア用
ローラ、Ｂはコンベアベルトである。

【０００８】ベルトコンベア用ローラＡは分割体ａ…必
要枚から構成されている。

【０００９】分割体ａは支軸１の軸芯を中心とする所望
直径の同心円に交差するようにその同心円の周方向に並
設して支軸１を囲繞するローラ面Ａ’を構成している。

【００１０】各分割体ａ…は長手方向の中央部を最高位
とする断面円弧状で且つ平面視略太鼓形状に形成されて
いる（図６、図７参照）。詳細には各分割体ａは従来の
ベルトコンベア用ローラを長手方向に分割し且つ平面視
形状を略太鼓形状にしたものであり、短手方向の各断面
の円弧の態様は支軸１の軸芯を中心とする各同心円Ｚ…
と一致するようにしてある（図７参照）。この各分割体
ａ…は図１、図２に示すように支軸１の軸線方向との平
行線Ｖに対してシーソー状に傾動可能となるように中間
部位を同支軸１部分に取り付けている。

【００１１】その取付けの詳細は各分割体ａ…の裏面中
間部位から凸部２を突設し、その凸部２と対応する支軸
１のボス11部分から取付板21、21を支軸１の軸線方向と
平行して一対並設し、その一対の取付板21、21間に位置
するその凸部２を貫挿通するガイド軸３の両端を取付板
21、21各々に軸着して各分割体ａ…を支軸１の軸線方向
との平行線Ｖに対してシーソー状に傾動可能となるよう
に取り付けている。

【００１２】また、各分割体ａ…は凸部２の支軸１の軸
芯寄りの部分である先端部分に一端を掛止した引っ張り
弾機（引っ張りバネ）４の他端をその一端と対応するボ
ス11部分に掛止して常時はその引っ張り弾機（引っ張り
バネ）４の引っ張り力で支軸１の軸線方向に対して平行
状を維持するようにしてある。前記引っ張り弾機４は本
実施の形態では前記取付板21、21間のボス部11部分に凹
設した凹部11ａに収容されている。また引っ張り弾機４
はコンベアベルトＢの案内を離れた時に支軸１の軸線方
向に対して平行状に復帰させるためのものであり、各分
割体ａ…のその長手方向において前記ガイド軸３を挟む
対称部位を２本の引っ張り弾機４で支軸１方向に引っ張
る等、引っ張り弾機４を使用してコンベアベルトＢの案
内を離れた時に支軸１の軸線方向に対して平行状に復帰
させる構造を種々採用可能である。

【００１３】各分割体ａ…の前記平面視形状（略太鼓形
状）はシーソー状に傾動した時に互いの干渉を避けるた
めである。

【００１４】斯様に構成されたベルトコンベア用ローラ
Ａでは荷物100 等の荷重の負荷位置（乗せ位置）による
張力変化、コンベアベルトＢの癖等を原因としてそのコ
ンベアベルトＢのある部分のコンベア用ローラＡとの摩
擦力が大きくなる（図４）。するとその部分を有する各
分割体ａ…の一半部は摩擦力を小さくする方向、即ち支
軸１に接近する方向に傾斜し、逆に他半部を摩擦力を大
きくする方向、即ち支軸１から離間する方向に各々傾斜
して摩擦力を大きくする（図５）。これによってコンベ
アベルトＢの各部位はローラ面Ａ’に対してほぼ均等な
摩擦力で接触することになり、これによってコンベアベ
ルトＢは直角に案内されようとするその習性通りに案内
されて偏移することなくベルトコンベア用ローラＡで案
内回転もしくは駆動伝達される。このように各分割体ａ
…は独立してシーソー状に傾動してコンベアベルトＢの
偏移を防止する。その際、分割体ａがコンベアベルトＢ
の案内を離れた時に引っ張り弾機４の引っ張り作用で支
軸１の軸線方向に対して平行状に復帰し、次に案内する
時の摩擦力の変化に即応する。

【００１５】また、図８は前記分割体ａ…の短手方向の
断面形状を長手方向全長に亘って、支軸の軸芯を中心と
する同一径の同心円の一部と一致する曲率にした場合の
実施の形態を示している。この分割体ａ…はその平面視
形状が略太鼓形状になっている点は前記する実施の形態
と同様である。

【００１６】この分割体ａ…ではコンベアベルトＢが前
記実施の形態のように長手方向の中央部を最高位とする
円弧面に沿うように矯正されることなく自然体でもって
その全幅がベルトコンベア用ローラＡに接触するように
なるから前記実施の形態よりもコンベアベルトＢの案内
回転や駆動伝達がより高効率になる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したから下記
の利点がある。 （請求項１）支軸の軸芯を中心とする同心円に交差する
分割体必要枚をその同心円の周方向に並設してローラ面
を構成し、前記分割体各々を同軸線方向に沿って傾動可
能となるように中間部分を同支軸に取り付けたものであ
るから、荷物等の荷重の負荷位置（乗せ位置）による張
力変化、コンベアベルトの癖等を原因としてベルトコン
ベアのある部分のコンベア用ローラとの摩擦力が大きく
なるとその部分を有する各分割体の一半部は支軸に接近
する方向に傾斜し、逆に他半部は支軸から離間する方向
に傾斜して、コンベアベルトの各部をローラ面に対して
ほぼ均等な摩擦力で接触させるようになるから、コンベ
アベルトは直角に案内されようとするするその習性通り
に案内されて偏移することなく案内回転または駆動伝達
する。従って、機枠と擦れて耐久性を劣化させたり、円
滑な案内回転、駆動伝達が行えなくなる不具合を構造簡
単なベルトコンベア用ローラで防止できる。 （請求項２）しかも各分割体を、その短手方向の断面形
状を長手方向全長に亘って支軸の軸芯を中心とする同一
径の同心円の曲率を同じくする円弧状にした結果、、請
求項１記載の偏移修正機能を達成するばかりでなく、従
来のようにコンベアベルト全幅が矯正（馴染むように変
形）されることなく自然体で全幅が均等な摩擦力でベル
トコンベア用ローラに接触することになるから案内回転
は勿論のこと駆動伝達が効率的である。 （請求項３）その上、各分割体がコンベアベルトの摩擦
による案内を離れた時に引っ張り弾機の作用で支軸の軸
線方向との平行線に対して平行状に復帰してコンベアベ
ルトの次の案内に対処するようになるから、摩擦力の変
化に対応する時の各分割体の無駄な動きを無くして即応
するスピーディーさを更に兼ね備え、偏移修正が迅速に
行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】使用状態を示す斜視図。

【図２】図１の（Ｘ）−（Ｘ）線断面図。

【図３】図１の（Ｙ）−（Ｙ）線断面図。

【図４】荷物等の荷重の負荷位置（乗せ位置）でコンベ
アベルトの張力に変化が生じた時の使用状態を示す平面
図で一部切欠して示す。

【図５】図４の時にコンベアベルトの偏移を修正する状
態を示す平面図で一部切欠して示す。

【図６】分割体の斜視図。

【図７】分割体の断面図で、短手方向の各断面の円弧の
態様を支軸１の軸芯を中心とする各同心円Ｚ…と一致し
ている状態を示す。

【図８】他の実施の形態の使用状態を示す斜視図。

【図９】従来のベルトコンベア用ローラの使用状態を示
す平面図。

【符号の説明】

Ａ ：ベルトコンベア用ローラ ａ ：分割
体 Ａ’：ローラ面 ２ ：凸部 ４ ：引っ張り弾機 Ｖ ：平行
線 Ｂ ：コンベアベルト Ｚ ：同心
円 １ ：支軸

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支軸の軸芯を中心とする同心円に交差す
   る分割体必要枚をその同心円の周方向に並設してローラ
   面を構成し、前記分割体各々を支軸の軸線方向の平行線
   に対してシーソー状に傾動可能となるように中間部を支
   軸部分に取り付けたことを特徴とするベルトコンベア用
   ローラ。
2. 【請求項２】 前記各分割体はその短手方向の断面形状
   を長手方向全長に亘って支軸の軸芯を中心とする同一径
   の同心円の曲率を同じくする円弧状にしてあることを特
   徴とする請求項１記載のベルトコンベア用ローラ。
3. 【請求項３】 前記分割体は中間部裏面から突設する凸
   部を支軸部分に軸着して支軸の軸線方向との平行線に対
   してシーソー状に傾動可能となるように取付け、且つ前
   記分割体を、コンベアベルトとの案内を離れた時に平行
   線に沿うように復帰させる引っ張り弾機で支軸方向に引
   っ張っていることを特徴とする請求項１または２記載の
   ベルトコンベア用ローラ。