JP6402544B2 - 画像形成装置、画像形成方法、静電荷像現像用キャリアセット、静電荷像現像剤セット、及びプロセスカートリッジセット - Google Patents
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Description
特許文献2には、「トナー粒子とキャリア粒子を含有する2成分現像剤であって、前記トナー粒子は少なくとも結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及び外添剤を含有し、前記キャリア粒子は樹脂からなる被覆層を有し、前記被覆層は、ブラック用キャリア被覆層とカラー用キャリア被覆層から形成され、前記被覆層の膜厚は、カラーキャリア膜厚dcがブラックキャリア膜厚dbkより小さく、カラー用キャリアのキャリア抵抗値はブラック用キャリアと同じか又は10−2Ωcm以下である」ことが開示されている。
特許文献3には、「複数色のトナー像を順次転写して画像を形成する画像形成方法に用いる現像剤を構成するキャリアであって、最初にトナー像を転写する現像剤のキャリアにおけるキャリア抵抗R1を、それ以降に転写する各色の現像剤のキャリアにおけるキャリア抵抗R2〜Rn(nは画像を形成するトナーの全色数を示し、Rnはn番目に転写する現像剤のキャリアにおけるキャリア抵抗を示す。)よりも小さくした」ことが開示されている。
像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットであって、前記複数の画像形成ユニットのうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置され、第1のトナー及び第1のキャリアを含む第1の現像剤を収容し、前記第1の現像剤により、第1の像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第1の現像手段を有する第1の画像形成ユニットと、
前記複数の画像形成ユニットのうち、前記第1の画像形成ユニットよりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置され、第2のトナー及び第2のキャリアを含む第2の現像剤を収容し、前記第2の現像剤により、第2の像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第2の現像手段を有する一つ又は複数の第2の画像形成ユニットと、
前記第1の画像形成ユニットの前記第1の現像手段で前記第1の像保持体の表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する第1の転写手段と、
前記第2の画像形成ユニットの前記第2の現像手段で前記第2の像保持体の表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する第2の転写手段と、
を備え、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有する画像形成装置である。
前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項1に記載の画像形成装置である。
像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットにより、トナー画像を形成する画像形成工程のうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置される第1の画像形成ユニットにおいて、第1のトナー及び第1のキャリアを含む第1の現像剤により、第1の像保持体の表面にトナー画像を現像する第1の現像工程を有する第1の画像形成工程と、
前記トナー画像を形成する画像形成工程のうち、前記第1の画像形成工程よりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置された一つ又は複数の第2の画像形成ユニットにおいて、第2のトナー及び第2のキャリアを含む第2の現像剤により、第2の像保持体の表面にトナー画像を現像する第2の現像工程を有する第2の画像形成工程と、
前記第1の像保持体の表面に形成したトナー画像を被転写体に転写する第1の転写工程と、
前記第2の像保持体の表面に形成したトナー画像を被転写体に転写する第2の転写工程と、
を有し、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有する画像形成方法である。
前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項3に記載の画像形成方法である。
像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットであって、前記複数の画像形成ユニットのうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置される第1の画像形成ユニットの第1の現像手段に収容される第1の現像剤に含まれる第1のキャリアと、
前記複数の画像形成ユニットのうち、前記第1の画像形成ユニットよりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置される一つ又は複数の第2の画像形成ユニットの第2の現像手段に収容される第2の現像剤に含まれる第2のキャリアと、
を備え、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有する静電荷像現像用キャリアセットである。
前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項5に記載の静電荷像現像用キャリアセットである。
像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットであって、前記複数の画像形成ユニットのうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置される第1の画像形成ユニットの第1の現像手段に収容され、第1のキャリア及び第1のトナーを含む第1の現像剤と、
前記複数の画像形成ユニットのうち、前記第1の画像形成ユニットよりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置される第2の画像形成ユニットの第2の現像手段に収容され、第2のキャリア及び第2のトナーを含む第2の現像剤と、
を備え、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有する静電荷像現像剤セットである。
前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項7に記載の静電荷像現像剤セットである。
像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットであって、前記複数の画像形成ユニットのうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置される第1の画像形成ユニットにおける第1のトナー及び第1のキャリアを含む第1の現像剤を収容する第1の現像手段と、
前記複数の画像形成ユニットのうち、前記第1の画像形成ユニットよりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置される一つ又は複数の第2の画像形成ユニットにおける第2のトナー及び第2のキャリアを含む第2の現像剤を収容する第2の現像手段と、
を備え、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有し、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジセットである。
前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項9に記載のプロセスカートリッジセットである。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)を備えている。そして、これら複数の画像形成ユニットのうち、被転写体の走行方向に向かって最下流側に、第1のユニットを備えている。また、被転写体の走行方向に向かって最下流側よりも上流側に、一つ又は複数の第2のユニットを備えている。
この第1のユニットには、第1の像保持体と、第1の像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第1の現像手段を含んでいる。また、第2のユニットには、第2の像保持体と、第2の像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第2の現像手段を含んでいる。これらの第1の現像手段、及び第2の現像手段には、それぞれ、第1のトナー及び第1のキャリアを含む第1の現像剤、及び第2のトナー及び第2のキャリアを含む第2の現像剤が収容されている。
また、本実施形態に係る画像形成装置には、第1の現像手段によって、第1の像保持体の表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する第1の転写手段、及び、第2の現像手段によって、第2の像保持体の表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する第2の転写手段を備えている。
そして、上記の第1のキャリアの抵抗値と、上記の第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)は、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲を示す画像形成装置である。
さらに、上記の第1の像保持体の表面に形成したトナー画像を被転写体に転写する第1の転写工程、及び前記第2の像保持体の表面に形成したトナー画像を被転写体に転写する第2の転写工程を有している。
そして、第1のキャリアの抵抗値と第2のキャリアの抵抗値の比(第1のキャリアの抵抗値/第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲を示す上記の画像形成装置により画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
つまり、第2のユニットは、被転写体の走行方向に向かって配列された複数のユニットのうち、第1のユニットよりも上流側で、被転写体に転写するトナー画像を形成するユニットであり、一つ又は複数備えているものである。
例えば、第2のユニットが一つであれば、第1のユニットの上流側に第2のユニットは一つ配置されている。また、第2のユニットが三つであれば、第1のユニットの上流側に第2のユニットは三つ配置されている。さらに、この場合、第2のユニット中の第2の現像手段に収容された第2の現像剤中の第2のキャリアは、三つ備えている。
つまり、例えば、第2のキャリアを三つ有している場合、第1のキャリアの抵抗値/第2のキャリア(一つ目)の抵抗値;第1のキャリアの抵抗値/第2のキャリア(二つ目)の抵抗値;第1のキャリアの抵抗値/第2のキャリア(三つ目)の抵抗値;のいずれの抵抗値の比も、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲である。
また、「前記第1のキャリアの抵抗値と、前記第2のキャリアの抵抗値との比(第1のキャリアの抵抗値/前記上流用のキャリアの抵抗値)」は、未使用のキャリアの抵抗値を測定した場合である。さらに、画像を連続して出力(例えば、10,000枚の出力を10日間連続で出力等)した場合であっても、上記の特定の範囲を示すことが好ましい。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推察される。
したがって、抵抗値の比を上記の特定の範囲になるように、上記の最下流側に配置された第1のユニット中の現像手段に収容するブラック用の現像剤における第1のキャリアの抵抗値を、上記の上流側に配置された第2のユニット中の現像手段に収容する他の現像剤における第2のキャリアの抵抗値よりも低くすることで、ブラック用の現像剤における第1のキャリアと、他の現像剤における第2のキャリアとの間で、各キャリアの抵抗値の変化の差が抑制されると考えられる。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第2のユニットの最も上流側のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、ユニット10Yに続くユニット10M、10C、及び第1のユニット10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係る静電荷像現像用キャリアセット(以下、単に「キャリアセット」と称する場合がある)は、前記第1の画像形成ユニットに収容され、第1の現像剤に含まれる第1のキャリアと、第2の画像形成ユニットの第2の現像手段に収容され、第2の現像剤に含まれる第2のキャリアとのキャリアセットである。
そして、キャリアセットは、前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲である。
以下、本実施形態に係るキャリアセットに用いるキャリアの詳細について説明する。
第1のキャリアと、第2のキャリアとは、抵抗値の比が上記の特定の範囲を満足するように調製されたものであれば、特に限定されず、従来公知のものが使用できる。例えば、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層とを有するキャリアが挙げられる。
第1のキャリア、及び第2のキャリアの抵抗値は、かぶりや白ぬけ等の画質劣化を抑制する観点から、通常の現像コントラスト電位の上下限に相当する1000Vである場合において、第1のキャリアと、第2のキャリアのいずれのキャリアの抵抗値も、1×106Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、かぶりや白ぬけ等の画質劣化を抑制された高画質が達成されやすい。さらに、1×107Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下の範囲がより好ましい。
現像装置中の現像剤をエアーブローによって、トナーとキャリアとを分離してキャリアを取り出す。次に、20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、取り出したキャリアを1mm以上3mm以下の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記20cm2の電極板を載せて層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に配置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取る。測定環境は、印加電圧;1000V、温度;20℃、湿度;50%RHとする。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。係数20は、電極板の面積(cm2)を表す。
第1のキャリアと第2のキャリアの各々の抵抗値は、第1のキャリアの抵抗値と第2のキャリアの抵抗値との比が、上記の特定の範囲を満足するように、それぞれのキャリアの抵抗値を制御する。キャリアの抵抗値は、例えば、後述する樹脂被覆層中の樹脂被覆量、樹脂被覆層に用いることができる樹脂被覆層中の導電性粒子の含有量、及びこれらの組み合わせ等により、キャリアを調製することで制御することができる。
溶剤可溶の樹脂被覆層の場合は、精量したキャリアを可溶溶剤(例えば、トルエン)に溶解させ、芯材粒子を磁石で保持し、樹脂被覆層が溶解した溶液を洗い流す。これを数度繰り返す事により、樹脂被覆層が取り除かれた芯材粒子が残る。乾燥させ、芯材粒子の質量を測定し、差分をキャリア量で割る事により被覆量が算出される。
具体的には、キャリア20.0gを計り取り、ビーカーに入れ、トルエン100gを加え攪拌翼で10分攪拌する。ビーカーの底に磁石をあて、芯材粒子が流れ出さないようにトルエンを流す。これを4回繰り返し、洗い流した後のビーカーを乾燥させる。乾燥後磁性粉量を測定し、式[(キャリア量−洗浄後の芯材粒子量)/キャリア量]で被覆量を算出する。
一方、溶剤不溶の被覆層の場合は、Rigaku社製Thermo plus EVOII 差動型示差熱天秤 TG8120を用い、窒素雰囲気下で、室温(25℃)以上1000℃以下の範囲で加熱し、その質量減少から樹脂被覆量を算出する。
−芯材粒子−
芯材粒子としては、例えば、磁性金属粒子(例えば鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の粒子)、磁性酸化物粒子(例えばフェライト、マグネタイト等の粒子)、これら粒子を樹脂に分散した分散型樹脂粒子等が挙げられる。また、芯材粒子としては、多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた粒子も挙げられる。
・式:(MO)X(Fe2O3)Y
式において、Yは2.1以上2.4以下を表し、Xは3−Yを表す。Mは金属元素を表し、該金属元素として少なくともMnを含むことがよい。
Mとしては、Mnを主体とするが、Li、Ca、Sr、Sn、Cu、Zn、Ba、Mg、及びTiからなる群(好ましくは環境面から、Li、Ca、Sr、Mg、及びTiからなる群)より選択される少なくとも一種を組み合わせてもよい。
樹脂被覆層の被覆樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を有するストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
樹脂粒子としては、特に限定されるものではないが、帯電制御付与性のあるものが好ましく、例えば、メラミン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、アクリル樹脂粒子などが挙げられる。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、各種金属粉、金属酸化物(例えば酸化チタン、酸化すず、マグネタイト、フェライト等)が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製造安定性、コスト、導電性等の良好な点で、カーボンブラック粒子が好ましい。カーボンブラックの種類としては、特に制限はないが、DBP吸油量が50ml/100g以上250ml/100g以下程度であるカーボンブラックが製造安定性に優れて好ましい。
キャリアの体積平均粒径は、例えば、10μm以上500μm以下であり、好ましくは15μm以上80μm以下、より好ましくは20μm以上60μm以下である。
ここで、キャリアの体積平均粒径の測定は、以下の通りである。なお、芯材粒子の体積平均粒径の測定も同様である。
レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer(ベックマン−コールター社製)測定装置を用いて、粒度分布を測定する。電解液としては、ISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。測定する粒子数は50,000である。
そして、測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径(「D50v」と表現する場合もある)を「体積平均粒径」と定義する。
ここで、キャリアの飽和磁化の測定は、振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いて行う。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大3000エルステッドまで掃引する。次いで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化を求める。
本実施形態の静電荷像現像剤セット(以下、現像剤セットと称する)は、第1の画像形成ユニットの第1の現像手段に収容され、前記第1のキャリア及び第1のトナーを含む第1の現像剤と、第2の画像形成ユニットの第2の現像手段に収容され、第2のキャリア及び第2のトナーとを含む第2の現像剤との現像剤セットである。
そして、第1のキャリアの抵抗値と第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲である。
但し、転写工程における他の現像剤に起因する影響(例えば、汚染等)の観点から、ブラック用の現像剤を用いることが好ましい。
トナーは、トナー粒子を有する。トナーは、必要に応じて、外添剤を含んでもよい。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
本実施形態に係るプロセスカートリッジセットについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジセットは、第1の画像形成ユニットにおける第1の現像手段と、第2の画像形成ユニットにおける第2の現像手段とを備えているプロセスカートリッジセットであり、画像形成装置に着脱される。
そして、前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
(キャリア1の作製)
・Mn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径35μm): 100部
・シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体: 3部
(共重合モル比95:5)
・カーボンブラック(VXC72 キャボット社製) 0.3部
・トルエン: 14部
上記キャリア組成に示す成分のうち、Mn−Mgフェライト粒子を除く各成分、及びガラスビーズ(φ1mm、トルエンと同量)を、関西ペイント社製サンドミルを用いて1200ppm/30分攪拌し、樹脂被覆層形成用溶液1とした。さらに、この樹脂被覆層形成用溶液1とMn−Mgフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、トルエンを留去することにより、樹脂が被覆されたキャリアを形成した。引き続き、エルボジェットにて微粉/粗粉を取り除くことでキャリア1を得た。
Mn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径35μm)をMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径25μm)に変えたこと以外は、キャリア1の作製と同様にして、キャリア2を得た。
Mn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径35μm)をMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径25μm)に変え、さらに、カーボンブラックを用いないこと以外は、キャリア1の作製と同様にして、キャリア3を得た。
Mn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径35μm)をMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径25μm)、及びカーボンブラック0.3部を10部に変えたこと以外は、キャリア1の作製と同様にして、キャリア4を得た。
Mn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径35μm)をMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径25μm)、及びシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体3部を5部に変え、さらに、カーボンブラックを用いないこと以外は、キャリア1の作製と同様にして、キャリア5を得た。
Mn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径35μm)をMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径25μm)、シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体3部を1部に変え、及びカーボンブラック0.3部を10部に変えたこと以外は、キャリア1の作製と同様にして、キャリア6を得た。
Mn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径35μm)をMn−Mgフェライト粒子(体積平均粒径25μm)、カーボンブラック0.3部を0.05部に変えたこと以外は、キャリア1の作製と同様にして、キャリア7を得た。
作製したキャリアの構成を表1に示す。
(着色剤粒子分散液)
・カーボンブラック:50部
・アニオン界面活性剤:5部
・イオン交換水: 200部
上記各成分を混合し、IKA社製ウルトラタラックスにより5分間、更に超音波バスにより10分間分散し、固形分21%のブラック用の着色剤粒子分散液Kを得た。
・パラフィンワックス:HNP−9(日本精鑞社製): 19部
・アニオン界面活性剤:ネオゲンSC(第一工業製薬社製):1部
・イオン交換水: 80部
上記各成分を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分、攪拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力条件のもと、3パス相当の循環運転を行った。その後、圧力を35MPaに昇圧し、更に3パス相当の循環運転を行った。こうして出来た乳化液を前記耐熱溶液中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤粒子分散液1を得た。
−油層−
・スチレン(和光純薬工業社製):30部
・アクリル酸n−ブチル(和光純薬工業社製): 10部
・β−カルボキシエチルアクリレート(ソルベイ日華社製): 1.3部
・ドデカンチオール(和光純薬工業社製): 0.4部
・イオン交換水:17部
・アニオン界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル社製): 0.4部
・イオン交換水: 40部
・アニオン界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル社製):0.05部
・ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬工業社製): 0.4部
反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で十分に置換し、攪拌をしながらオイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。
さらに反応容器内に上記の単量体乳化分散液を3時間かけて徐々に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後更に75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させた。
示差走査熱量計(DSC−50島津製作所社製)を用いて昇温速度10℃/分で樹脂のガラス転移点を測定したところ52℃であった。
分子量測定器(HLC−8020東ソー社製)を用い、THF(テトラヒドロフラン)を溶媒として数平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ13,000であった。
これにより体積平均粒径250nm、固形分42%、ガラス転移点52℃、数平均分子量Mnが13,000の樹脂粒子分散液1を得た。
・樹脂粒子分散液1: 150部
・着色剤粒子分散液K: 30部
・離型剤粒子分散液1: 40部
・ポリ塩化アルミニウム:0.4部
この洗浄操作をさらに5回繰り返し、濾液のpHが6.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過により、ろ紙(No.5A)を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子Kを得た。
ルーゼックス社製のルーゼックス画像解析装置で形状観察を行ったところ、粒子の形状係数SF1は135であることが観察された。
またトナー粒子Kのガラス転移点は52℃であった。
更に、このトナー粒子Kに、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO2)粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物粒子とを、トナー粒子Kの表面に対する被覆率が40%となるように添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、ブラック用のトナーKを作製した。
上記で作製したキャリア1を100部と、ブラック用のトナーKを10部とをV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、125μmの網目を有するシーブで篩うことによりブラック用の現像剤K1を得た。
また、キャリア1をそれぞれ、キャリア2〜7に変更した以外は、ブラック用の現像剤K1と同様にして、ブラック用の現像剤K2〜K7を得た。
作製した現像剤の構成を表2に示す。
DocuCenterColor400(富士ゼロックス社製)の改造機を用いて、下記の条件で画像の出力を行った。この改造機は、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の画像形成装置である。そして、中間転写体の走行方向に向かって最下流側に、第1のユニットを備え、第1のユニットよりも上流側に、三つの第2のユニットを備えている。
この改造機の第1のユニットの現像装置に充填する第1の現像剤、及び第2のユニットの現像装置に充填する第2の現像剤として、表3、及び表4に示す現像剤を充填した。この改造機を用いて、30℃80%の環境下で、A4サイズの普通紙(C2紙、富士ゼロックス社製)を使用して、次の手順で画像を出力した。まず、第1日目に、画像濃度1%の長方形パッチを描いた画像10000枚を連続出力した。次に、第2日目の最初の運転で、日本画像学会テストチャート番号5により、画像を出力した後、さらに、画像濃度1%の長方形パッチを描いた画像10000枚を連続出力した。第2日目の画像出力の手順を連日繰り返し、第10日目に、画像濃度1%の長方形パッチを描いた画像の出力は100000枚に達した。そして、その翌日の最初の運転で、日本画像学会テストチャート番号5による画像を出力し、この画像の評価とキャリア飛散・白ぬけの評価を行った。なお、評価はC(△)までを許容範囲とした。
その後、10℃10%の環境下でA4サイズの普通紙(C2紙、富士ゼロックス社製)を使用して、次の手順で画像を出力した。まず、第11日目に、画像濃度15%の長方形パッチを描いた画像10000枚を連続出力した。次に、第12日目の最初の運転で、日本画像学会テストチャート番号5により、画像を出力した後、さらに、画像濃度15%の長方形パッチを描いた画像10000枚を連続出力した。第2日目の画像出力の手順を連日繰り返し、第10日目に、画像濃度15%の長方形パッチを描いた画像の出力は100000枚に達した。その後2×2cmの画像濃度100%の正方形パッチと正方形の周囲に+1cm分の正方形パッチを画像濃度15%で描いた画像を印刷し濃度低下や画像ぬけの評価を行った。なお、評価はC(△)までを許容範囲とした。
さらに、試験前の各現像剤中の各キャリア、及び試験後の各現像剤中の各キャリアについて、既述した方法により、抵抗値を測定した。
結果を表3、及び表4に示す。
A(◎):画像上にかぶりは観察されず、画質に問題はない。
B(○):機内にトナー飛散が発生しているが、画質には問題ない。
C(△):画像上にわずかなかぶりが観察される。
D(×):画像上にはっきりとしたかぶりが観察される。
A(◎):感光体上にキャリア飛散が発生しておらず、画質に問題はない。
画像上に白ぬけは観察されず、画質に問題はない。
B(○):感光体上にわずかにキャリア飛散が発生しているが、
画質には問題ない。
C(△):感光体上にキャリア飛散が発生しているが、
画像上にわずかに白ぬけが観察される。
D(×):感光体上にキャリア飛散が発生している。
画像上にはっきりとした白ぬけ観察される。
A(◎):画像上に濃度低下や画像抜けは見られない。
B(○):画像上にわずかな濃度低下が見られるが、画像抜けは見られない。
C(△):画像上にわずかな濃度低下が見られるが、画像抜けがわずかに観察される。
D(×):画像上にはっきりとした濃度低下が見られ、画像抜けもはっきりと観察される。
これらの結果により、各キャリアの抵抗値の変化の差が抑制されていることがわかる。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(被転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (10)
- 像保持体と、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットであって、前記複数の画像形成ユニットのうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置され、第1のトナー及び第1のキャリアを含む第1の現像剤を収容し、前記第1の現像剤により、第1の像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第1の現像手段を有する第1の画像形成ユニットと、
前記複数の画像形成ユニットのうち、前記第1の画像形成ユニットよりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置され、第2のトナー及び第2のキャリアを含む第2の現像剤を収容し、前記第2の現像剤により、第2の像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第2の現像手段を有する一つ又は複数の第2の画像形成ユニットと、
前記第1の画像形成ユニットの前記第1の現像手段で前記第1の像保持体の表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する第1の転写手段と、
前記第2の画像形成ユニットの前記第2の現像手段で前記第2の像保持体の表面に形成されたトナー画像を被転写体に転写する第2の転写手段と、
を備え、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有する画像形成装置。 - 前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項1に記載の画像形成装置。
- 像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットにより、トナー画像を形成する画像形成工程のうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置される第1の画像形成ユニットにおいて、第1のトナー及び第1のキャリアを含む第1の現像剤により、第1の像保持体の表面にトナー画像を現像する第1の現像工程を有する第1の画像形成工程と、
前記トナー画像を形成する画像形成工程のうち、前記第1の画像形成工程よりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置された一つ又は複数の第2の画像形成ユニットにおいて、第2のトナー及び第2のキャリアを含む第2の現像剤により、第2の像保持体の表面にトナー画像を現像する第2の現像工程を有する第2の画像形成工程と、
前記第1の像保持体の表面に形成したトナー画像を被転写体に転写する第1の転写工程と、
前記第2の像保持体の表面に形成したトナー画像を被転写体に転写する第2の転写工程と、
を有し、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有する画像形成方法。 - 前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項3に記載の画像形成方法。
- 像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットであって、前記複数の画像形成ユニットのうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置される第1の画像形成ユニットの第1の現像手段に収容される第1の現像剤に含まれる第1のキャリアと、
前記複数の画像形成ユニットのうち、前記第1の画像形成ユニットよりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置される一つ又は複数の第2の画像形成ユニットの第2の現像手段に収容される第2の現像剤に含まれる第2のキャリアと、
を備え、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有する静電荷像現像用キャリアセット。 - 前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項5に記載の静電荷像現像用キャリアセット。
- 像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットであって、前記複数の画像形成ユニットのうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置される第1の画像形成ユニットの第1の現像手段に収容され、第1のキャリア及び第1のトナーを含む第1の現像剤と、
前記複数の画像形成ユニットのうち、前記第1の画像形成ユニットよりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置される第2の画像形成ユニットの第2の現像手段に収容され、第2のキャリア及び第2のトナーを含む第2の現像剤と、
を備え、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有する静電荷像現像剤セット。 - 前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項7に記載の静電荷像現像剤セット。
- 像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を含み、被転写体の走行方向に向かって配列した複数の画像形成ユニットであって、前記複数の画像形成ユニットのうち、前記被転写体の走行方向に向かって最下流側に配置される第1の画像形成ユニットにおける第1のトナー及び第1のキャリアを含む第1の現像剤を収容する第1の現像手段と、
前記複数の画像形成ユニットのうち、前記第1の画像形成ユニットよりも前記被転写体の走行方向に向かって上流側に配置される一つ又は複数の第2の画像形成ユニットにおける第2のトナー及び第2のキャリアを含む第2の現像剤を収容する第2の現像手段と、
を備え、
前記第1のキャリアの抵抗値と前記第2のキャリアの抵抗値の比(前記第1のキャリアの抵抗値/前記第2のキャリアの抵抗値)が、4.0×10−5以上9.7×10−1以下の範囲であり、
前記第1のキャリアの抵抗値及び前記第2のキャリアの抵抗値が、いずれも1×10 7 Ω・cm以上1×10 13 Ω・cm以下の範囲であり、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアが、芯材粒子と、芯材粒子を被覆する樹脂被覆層であって、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む樹脂被覆層とを有し、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジセット。 - 前記第1の現像剤が、ブラック用の現像剤である請求項9に記載のプロセスカートリッジセット。
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