本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面とともに詳細に後述されている実施形態に示すように、明らかになるであろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形で実現されるはずであり、単に、本実施形態は、本発明の開示が完全なようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。
本発明の実施形態を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであるから、本発明が図示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は、同一構成要素を表す。また、本発明を説明するにおいて、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。本明細書上で言及された「含む」、「有する」、「なされる」などが使用される場合、「〜のみ」が使用されない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
構成要素を解析するにおいて、別の明示的な記載がなくても、誤差範囲を含むものと解析する。
位置関係に対する説明の場合、例えば、「〜上に」、「〜上部に」、「〜下部に」、「〜側に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない限り、2つの部分間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
素子または層が他の素子または層「上(on)」として表されるものは、他の素子のすぐ上にまたは中間に他の層または他の素子を介在した場合を全て含む。
第1、第2などが様々な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語により制限されない。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下において言及される第1の構成要素は、本発明の技術的思想内で第2の構成要素でありうる。
明細書全体にわたって同一参照符号は、同一構成要素を表す。
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために図示されたものであり、本発明が、図示された構成の大きさ及び厚さに必ず限定されるものではない。
本発明の種々の実施形態の各々の特徴が部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、当業者が十分理解できるように、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施形態が互いに対して独立的に実施可能でありうるし、相関関係により、共に実施可能でありうる。
以下、添付された図面を参照して本発明の様々な実施形態を詳細に説明する。
図1aは、本発明の一実施形態に係る接触感応素子を説明するための概略的な平面図である。図1aに示すように、接触感応素子100は、電気活性層110、第1の電極120及び第2の電極160が配置されたセル(cell;CE)、第1の配線131、第2の配線132、及びFPCB(140)を備える。
電気活性層110は、電気的な刺激によって変形される高分子材料である電気活性高分子からなる板状のフィルムである。例えば、電気活性層110は、シリコン系、ウレタン系、アクリル系などの誘電性エラストマー(dielectric elastomer)、PVDF、P(VDF−TrFE)などの強誘電性高分子(ferroelectric polymer)、または圧電セラミックス(piezo ceramic)素子からなることができる。電気活性層110が誘電性エラストマーからなる場合、電気活性層110に電圧が印加されることにより発生する静電気的引力(Coulombic Force)により誘電性エラストマーが収縮及び膨脹されて接触感応素子100が振動し得る。また、電気活性層110が強誘電性高分子からなる場合、電気活性層110に電圧が印加されることにより、電気活性層110の内部の双極子(dipole)の整列方向が変更されて接触感応素子100が振動し得る。
電気活性層110は、アクティブ領域AAを有するように構成される。電気活性層110のアクティブ領域AAは、ユーザに触覚フィードバックを伝達するための領域であって、第1の電極120及び第2の電極160が配置された複数のセルCEを含む。ここで、セルCEは、ユーザに触覚フィードバックを伝達できる最小単位領域であって、それぞれのセルCEは、独立的に触覚フィードバックを伝達することができる。
電気活性層110のそれぞれのセルCEの面積は、一般的な人の指の大きさを考慮して決定されることができる。接触感応素子100は、ユーザのタッチ入力に対する触覚フィードバックを伝達するものであるから、ユーザに触覚フィードバックを伝達できる最小単位領域であるセルCEは、ユーザのタッチ入力が発生する面積を考慮して決定されることができる。この場合、ユーザのタッチ入力が発生する面積は、一般的な人の指の大きさによって決定されるので、電気活性層110のセルCEの面積も一般的な人の指の大きさに基づいて決定されることができる。
いくつかの実施形態において、電気活性層110のそれぞれのセルCEの面積は、電気活性層110とともに使用され得るタッチパネルの画素の面積を考慮して決定されることができる。タッチパネルでユーザのタッチ入力を感知することに応答して接触感応素子100がユーザに触覚フィードバックを伝達するようになる。したがって、例えば、ユーザのタッチ入力が感知されたタッチパネルの画素と同様に接触感応素子100のセルCEの面積が決定される場合、タッチパネルの画素と接触感応素子100のセルCEとが1対1に対応され得るので、接触感応素子100がより容易に駆動され得る。
以下では、それぞれのセルCE及びセルCEに配置された第1の電極120及び第2の電極160についてのより詳細な説明のために、図1b及び図1cを共に参照する。
図1bは、本発明の一実施形態に係る接触感応素子のセルを説明するための概略的な拡大平面図である。図1cは、図1bのIc−Ic’による接触感応素子の概略的な断面図である。図1bでは、接触感応素子100の複数のセルCEのうち、1つのセルCEのみを図示し、接触感応素子100の複数のセルCEの全ては、図1bに示されたセルCEと同様に構成されることができる。
第1の電極120及び第2の電極160は、電気活性層110に電圧を印加するための電極であって、導電性物質からなる。また、接触感応素子100の透過率を確保するために、第1の電極120及び第2の電極160は、透明導電性物質からなることができる。例えば、第1の電極120及び第2の電極160は、ITO(Indium Tin Oxide)、PEDOT:PSS、銀−ナノワイヤ(AgNW)などのような透明導電性物質からなることができる。また、第1の電極120及び第2の電極160は、メタルメッシュ(metal mesh)で構成されることもできる。すなわち、第1の電極120及び第2の電極160は、金属物質がメッシュ形態で配置されるメタルメッシュで構成されて、第1の電極120及び第2の電極160は、実質的に透明な電極として機能することもできる。ただし、第1の電極120及び第2の電極160の構成物質は、上述した例に制限されず、様々な透明導電性物質が第1の電極120及び第2の電極160の構成物質として使用され得る。第1の電極120及び第2の電極160は、同じ物質からなることができ、互いに相違した物質からなることもできる。
図1b及び図1cに示すように、第1の電極120及び第2の電極160は、1つのセルCE内で電気活性層110の一面にのみ配置される。すなわち、第1の電極120及び第2の電極160は、電気活性層110の同一の面に形成され、1つのセルCE内に第1の電極120及び第2の電極160が共に配置される。例えば、第1の電極120及び第2の電極160は、図1cに示されたように、電気活性層110の上面(例えば、ユーザに最も近い面)にのみ形成され、電気活性層110の下面には形成されないことがある。
第1の電極120及び第2の電極160が透明導電性物質からなるにもかかわらず、第1の電極120及び第2の電極160に入射する光の一部は、第1の電極120及び第2の電極160で反射されるか、吸収され得る。したがって、第1の電極120及び第2の電極160に入射する光のうち、第1の電極120及び第2の電極160を通過できない光が存在するので、第1の電極120及び第2の電極160により接触感応素子100の透過率が低下し得る。そこで、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、透明導電性物質からなる第1の電極120及び第2の電極160が電気活性層110の一面に配置される。したがって、接触感応素子100に入射する光が通過する電極の個数が減少されるので、第1の電極120と第2の電極160とが電気活性層110の互いに異なる面に配置される場合(例えば、光が第1の電極120と第2の電極160との両方を通過すべき場合)と比較して接触感応素子100の透過率が向上することができる。透過率と関連した本発明の一実施形態に係る接触感応素子100の効果についての説明は、図2を参照して詳しく後述する。
第1の電極120及び第2の電極160は、様々な方式で電気活性層110の一面に形成されることができる。例えば、第1の電極120及び第2の電極160は、スパッタリング(sputtering)、プリンティング(printing)、スリットコーティング(slit coating)などのような方式で電気活性層110の上面に形成されることができる。特に、第1の電極120及び第2の電極160が同じ物質で形成される場合、第1の電極120及び第2の電極160は、同時に形成されることができる。
図1cに示すように、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gは、電気活性層110の厚さTより小さい。第1の電極120と第2の電極160とに電圧が印加される場合、第1の電極120と第2の電極160との間に形成される電場は、第1の電極120と第2の電極160との間の距離に反比例する(例えば、第1の電極120と第2の電極160との間の距離が近くなるほど、より強い電場が形成される)。すなわち、第1の電極120と第2の電極160との間の電位差、すなわち、駆動電圧が同じ場合、第1の電極120と第2の電極160との間の距離が増加されれば、第1の電極120と第2の電極160との間に形成される電場が減少され、第1の電極120と第2の電極160との間の距離が減少されれば、第1の電極120と第2の電極160との間に形成される電場が増加される。したがって、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gを電気活性層110の厚さTより小さくすることにより、同じ駆動電圧が印加される場合、電気活性層の上面に1つの電極が配置され、下面に1つの電極が配置される方式の接触感応素子に比べて電気活性層110に印加される電場の大きさが増加され得る。また、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gを電気活性層110の厚さTより小さくすることにより、電気活性層110の上面に1つの電極が配置され、下面に1つの電極が配置される方式の接触感応素子100に比べて同じ大きさの電場を取得するために要求される駆動電圧の大きさが減少され得る。駆動電圧と関連した本発明の一実施形態に係る接触感応素子100の効果についての説明は、図3を参照して詳細に後述する。
図1bに示すように、第1の電極120及び第2の電極160の各々は、第1のサブ電極121、161及び第1のサブ電極121、161から延びる複数の第2のサブ電極122、162で構成される。具体的に、第1の電極120は、セルCEの上部領域から横方向に延びる第1のサブ電極121及び第1のサブ電極121から縦方向に延びる複数の第2のサブ電極122を有する。また、第2の電極160は、セルCEの下部領域から横方向に延びる第1のサブ電極161及び第1のサブ電極161から縦方向に延びる複数の第2のサブ電極162を有する。ここで、第1の電極120の第1のサブ電極121及び第2の電極160の第1のサブ電極161は幹電極と称することができ、第1の電極120の第2のサブ電極122及び第2の電極160の第2のサブ電極162は、枝電極と称することができる。
図1bに示すように、セルCE内で第1の電極120の複数の第2のサブ電極122と第2の電極160の複数の第2のサブ電極162とは交互に配置される。言い替えれば、第1の電極120の第2のサブ電極122等の間に第2の電極160の第2のサブ電極162が配置され、第2の電極160の第2のサブ電極162等の間に第1の電極120の第2のサブ電極122が配置される。したがって、第1の電極120の第1のサブ電極121及び第2のサブ電極122が第2の電極160の第2のサブ電極162を覆うようになり、第2の電極160の第1のサブ電極161及び第2のサブ電極162が第1の電極120の第2のサブ電極122を覆うようになる。本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、第1の電極120の複数の第2のサブ電極122と第2の電極160の複数の第2のサブ電極162とが互いに交互に配置されることにより、第1の電極120と第2の電極160とが隣接する部分が増加され得るし、これにより、第1の電極120及び第2の電極160に電圧を印加するとき、電気活性層110に印加される電場の大きさが増加され得る。また、第1の電極120の幅W1及び第2の電極160の幅W2と、第1の電極120の第2のサブ電極122の長さL1及び第2の電極160の第2のサブ電極162の長さL2を調整して、第1の電極120と第2の電極160とが隣接する部分が最大化され得る。
さらに、図1aに示すように、複数のセルCE内の第1の電極120及び第2の電極160の各々と電気的に接続されるように、第1の配線131及び第2の配線132が電気活性層110上に形成される。具体的に、第1の配線131は、複数のセルCE内の第1の電極120と電気的に接続され、第2の配線132は、複数のセルCE内の第2の電極160と電気的に接続される。第1の配線131及び第2の配線132は、第1の電極120及び第2の電極160と同じ物質からなることができ、相違した物質からなることもできる。第1の配線131及び第2の配線132が第1の電極120及び第2の電極160と同じ物質からなる場合、第1の配線131及び第2の配線132は、第1の電極120及び第2の電極160と同時に形成されることもできる。
電気活性層110の一側にFPCB(flexible printed circuit board;140)が配置される。FPCB(140)は、第1の配線131及び第2の配線132と電気的に接続され、FPCB(140)には、第1の配線131及び第2の配線132を介して第1の電極120及び第2の電極160に電圧を印加するための駆動IC(Integrated Circuit)などのような回路部141が内蔵され得る。図1aでは、駆動ICのような回路部141がFPCB(140)に内蔵されることと図示されたが、これにより制限されず、回路部141は、COF(chip on flim)などの方式でも実現されることができる。
本発明の一実施形態に係る接触感応素子100は、次のように駆動されることができる。例えば、電気活性層110の1つのセルCEを介して触覚フィードバックを伝達しようとする場合、当該セルCEの第1の電極120には、第1の電極120と電気的に接続された第1の配線131を介して第1の電圧が印加され、当該セルCEの第2の電極160には、第2の電極160と電気的に接続された第2の配線132を介して第2の電圧が印加される。例えば、第1の電極120には正の電圧が印加され、第2の電極160は接地されて、第1の電極120と第2の電極160との間の電位差が発生され得る。このような電位差により、接触感応素子100のうち、当該セルCEに対応する領域の電気活性層110に電場が形成されて、電気活性層110が振動するようになり、ユーザは触覚フィードバックを感じることができる。上記では、第1の電極120に正の電圧が印加され、第2の電極160が接地されることと説明したが、逆に、第1の電極120が接地され、第2の電極160に正の電圧が印加されることもできる。
さらに、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100の第1の電極120及び第2の電極160に印加される第1の電圧及び第2の電圧は、所定の周波数を有する交流電圧でありうるし、第1の電圧及び第2の電圧の周波数によって接触感応素子100はユーザに様々な触覚フィードバックを伝達することができる。上述したような接触感応素子の駆動方法については、図7a〜図7c、及び図14〜図20を参照して後述する。
本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、第1の電極120及び第2の電極160が電気活性層110の一面にのみ形成される。これにより、第1の電極120及び第2の電極160が同じ物質で形成される場合、1回の電極形成工程だけで第1の電極120及び第2の電極160が形成され得る。したがって、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100を製造する過程では、第1の電極120及び第2の電極160のうちの1つは電気活性層110の上面に形成され、他の1つは電気活性層110の下面に形成される場合と比較して、第1の電極120と第2の電極160とを整列(align)させる工程が不要である。したがって、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100の製造工程がより単純化され得るし、製造効率が向上し得る。
また、第1の電極120及び第2の電極160が電気活性層110の一面にのみ形成されることにより、非常に低いヤング率(Young’s Modulus)を有する誘電性エラストマーが電気活性層110に適用され得る(例えば、よりフレキシブルな物質が使用され得る)。第1の電極120及び第2の電極160のうちの1つは電気活性層110の上面に形成され、他の1つは電気活性層110の下面に形成される場合、第1の電極120を形成するために、誘電性エラストマーを支持基板に付着した後、蒸着、スパッタリングなどの工程によって第1の電極120が形成され得る。その後、第2の電極160を形成するために、誘電性エラストマーを支持基板から解放(release)するようになるが、誘電性エラストマーはヤング率が低いため、誘電性エラストマーを支持基板から解放する工程で第1の電極120が損傷され得る。しかし、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、第1の電極120及び第2の電極160が電気活性層110の同じ面に形成されるので、誘電性エラストマーを支持基板から解放する工程が不要であり、これにより、第1の電極120及び第2の電極160を形成する工程で接触感応素子100が損傷されることを防止することができる。
また、上述したように、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、透過率が向上し、駆動電圧が減少され得る。このうち、接触感応素子の透過率が向上することについてのより詳細な説明のために、図2を参照する。
図2は、本発明の一実施形態に係る接触感応素子の透過率を説明するための概略的な断面図である。図2では、説明の便宜のために、様々な構成要素のうち、電気活性層10、110、第1の電極20、120、及び第2の電極60、160のみを概略的に図示した。
図2(a)は、比較例であって、電気活性層10の上面に第1の電極20が配置され、電気活性層10の下面に第2の電極60が配置される接触感応素子である。図2(b)は、実施例であって、図1a〜図1cを参照して説明した接触感応素子100である。比較例の電気活性層10と実施例の電気活性層110とは、同じ厚さを有し、同じ材質の誘電性エラストマーで形成されて、同じ透過率を有することと仮定する。具体的に、比較例の電気活性層10の透過率及び実施例の電気活性層110の透過率は85.4%であることと仮定する。また、比較例の第1の電極20及び第2の電極60と実施例の第1の電極120及び第2の電極160とは共にITOからなり、89%の透過率を有することと仮定する。また、実施例において、電気活性層110の上面のうち、第1の電極120及び第2の電極160が配置された領域の比率は40%であることと仮定する。
まず、図2(a)に示すように、比較例において、電気活性層10の下面に位置した第2の電極60側に光A1が入射する場合、電気活性層10の上面に位置した第1の電極20を介して出射される光A2の光A1に対する比率、すなわち、比較例での接触感応素子の透過率(A2/A1)は、次のように決定されることができる。
[数1]
A2/A1=第2の電極60の透過率×電気活性層10の透過率×第1の電極20の透過率
=0.89×0.854×0.89=0.676
[数1]を介して計算されたように、比較例での接触感応素子の透過率(A2/A1)は67.6%にすぎない。
次に、図2(b)に示すように、実施例において、電気活性層110の下面側に光A1が入射する場合、電気活性層110の上面に位置した第1の電極120及び第2の電極160を介して出射される光A3の光A1に対する比率、すなわち、実施例での接触感応素子の透過率(A3/A1)は、次のように決定されることができる。
[数2]
A3/A1=電気活性層110の透過率×(電気活性層110の上面のうち、第1の電極120及び第2の電極160が配置されていない領域の比率+(電気活性層110の上面のうち、第1の電極120及び第2の電極160が配置された領域の比率×第1の電極120及び第2の電極160の透過率))
=0.854×(0.6+(0.4×0.89))=0.816
[数2]を介して計算されたように、実施例での接触感応素子100の透過率(A3/A1)は81.6%であり、比較例での接触感応素子の透過率(A2/A1)の約1.2倍である。したがって、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、第1の電極120及び第2の電極160のうちの1つが電気活性層110の上面に配置され、他の1つが電気活性層110の下面に配置される場合と比較して、透過率が改善されたことを確認することができる。
以下では、接触感応素子の駆動電圧が改善されることについてのより詳細な説明のために、図3を参照する。
図3は、本発明の一実施形態に係る接触感応素子の駆動電圧を説明するための概略的な断面図である。図3では、説明の便宜のために、様々な構成要素のうち、電気活性層10、110、第1の電極20、120、及び第2の電極60、160のみを概略的に図示した。
図3(a)は、比較例であって、電気活性層10の上面に第1の電極20が配置され、電気活性層10の下面に第2の電極60が配置される接触感応素子であり、第1の電極20には正の電圧が印加され、第2の電極60は接地された場合である。図2(b)は実施例であって、図1a〜図1cを参照して説明した接触感応素子100であり、第1の電極120には正の電圧が印加され、第2の電極160は接地された場合である。比較例の電気活性層10と実施例の電気活性層110とは、同じ厚さTを有し、同じ材質の誘電性エラストマーで形成されることと仮定する。また、実施例において、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gは、電気活性層110の厚さTより小さいことと仮定する。また、比較例において第1の電極20に印加される正の電圧の大きさと実施例において第1の電極120に印加される正の電圧の大きさとは同じことと仮定する。
2個の電極間での電場の大きさは、次のような数式により計算される。
[数3]
E=V/d
[数3]においてEは電場の大きさであり、dは2個の電極間の離隔距離であり、Vは2個の電極間の電位差である。
[数3]を参照すれば、図3(a)に示された比較例及び図3(b)に示された実施例の両方で電気活性層10、110に印加される電場の大きさは、第1の電極20、120と第2の電極60、160との間の電位差に比例し、第1の電極20、120と第2の電極60、160との間の距離に反比例する。上述したように、比較例において第1の電極20に印加される正の電圧の大きさと実施例において第1の電極120に印加される正の電圧の大きさは、同一なので、比較例での第1の電極20と第2の電極60との間の距離が実施例での第1の電極120と第2の電極160との間の距離と同一であれば、比較例での第1の電極20と第2の電極60との間の電位差は、実施例での第1の電極120と第2の電極160との間の電位差と同一である。したがって、比較例において電気活性層10に印加される電場の大きさは、第1の電極20と第2の電極60との間の距離によって決定され、実施例において電気活性層110に印加される電場の大きさは、第1の電極120と第2の電極160との間の距離によって決定される。
これと関連して、比較例において第1の電極20と第2の電極60との間の距離は電気活性層10の厚さTと同一であり、実施例において第1の電極120と第2の電極160との間の距離は第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gと同一である。このとき、上述したように、比較例での電気活性層10の厚さTが実施例での第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gより大きいので、実施例において電気活性層110に印加される電場の大きさは、比較例において電気活性層10に印加される電場の大きさより大きい。また、第1の電極120と第2の電極160との間の距離がさらに短いので、同じ大きさの電場を形成するために要求される駆動電圧の大きさが比較例より実施形態でさらに低い。
一方、上述したような比較例において駆動電圧を下げるために、第1の電極20と第2の電極60との間の距離である電気活性層10の厚さTを減少させる方案も考慮することができる。しかし、電気活性層10の厚さTを低める場合、電気活性層10を介して振動させる対象体の重さを電気活性層10が堪えることができず、振動が発生し難いこともある。したがって、電気活性層10の厚さTを減少させる方式で駆動電圧を下げることには限界がある。
比較例のように、第1の電極20及び第2の電極60の各々が電気活性層10の上面及び下面に形成される場合と比較して、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、同じ振動強さを取得するために要求される駆動電圧の大きさが減少される。これにより、別の昇圧回路無しでも接触感応素子100を駆動するための十分強い駆動電圧が印加され得る。また、本発明の一実施形態に係る接触感応素子100では、第1の電極120と第2の電極160との位置のみを変更し、電気活性層110の厚さTを減少させないので、振動強度の減少無しで、または電気活性層110の剛性(stiffness)を犠牲することなく、駆動電圧の大きさが減少され得る。
図4〜図6は、本発明の種々の実施形態に係る接触感応素子を説明するための概略的な拡大平面図である。図4及び図5は、接触感応素子400、500の各1つのセルCEに配置された第1の電極420、520及び第2の電極460、560のみを図示し、図6は、接触感応素子600の電気活性層110のアクティブ領域AAに配置される第1の電極620及び第2の電極660を図示した。図4〜図6に示された接触感応素子400、500、600は、図1a〜図1cに示された接触感応素子100と比較して第1の電極420、520、620及び第2の電極460、560、660の形状のみが異なり、他の構成要素は実質的に同様であるから、重複説明を省略する。
まず、図4及び図5に示すように、第1の電極420、520及び第2の電極460、560は、第1の電極420、520と第2の電極460、560とが隣接する部分を最大化させるための構造を有することができる。例えば、図4に示されたように、第1の電極420及び第2の電極460は、螺旋形(spiral)構造を有するように形成されることができ、図5に示されたように、第1の電極520及び第2の電極560は、二重ループ構造を有するように形成されることができる。ただし、第1の電極420、520及び第2の電極460、560の形状が図4及び図5に示された例に制限されるものではない。
次に、図6に示すように、第1の電極620及び第2の電極660は、電気活性層110のアクティブ領域AAの全体にわたって形成されることもできる。例えば、図6に示されたように、複数の第1の電極620の各々は、電気活性層110のアクティブ領域AAから横方向に延び、複数の第2の電極660の各々は、電気活性層110のアクティブ領域AAから縦方向に延びることができる。このとき、第1の電極620と第2の電極660とが電気的に絶縁されるために、少なくとも第1の電極620と第2の電極660とが交差する地点には、第1の電極620と第2の電極660との間に別の絶縁層が配置され得る。図6では、説明の便宜のために、第1の電極620及び第2の電極660が菱形状で形成されることと図示されたが、これに制限されるものではない。
図7a〜図7cは、本発明の一実施形態に係る接触感応素子の駆動方法での電極間隔による共振周波数及び振動強度を説明するためのグラフ及び表である。図7a〜図7cは、図1a〜図1cに示された接触感応素子100において、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gが各々700μm、200μm、50μmになるように接触感応素子100を形成した後、接触感応素子100に0Hzから500Hzまでの周波数を有する電圧を順次印加しつつ測定された振動強度(振動加速度)を示すグラフである。具体的に、第1の電極120の幅W1及び第2の電極160の幅W2が2mmであり、第1の電極120の第2のサブ電極122の長さL1及び第2の電極160の第2のサブ電極162の長さL2が15mmであり、第1の電極120及び第2の電極160の厚さが250nmになるように、第1の電極120及び第2の電極160が製造された。このとき、電気活性層110としては、80μmの厚さを有するPVDFフィルムが使用された。また、第2の電極160は接地され、第1の電極120には750Vの矩形波(square wave)電圧である第1の電圧を印加し、第1の電圧の周波数を0Hzから500Hzまで変化させながら振動強度を測定した。
まず、図7aに示すように、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gが700μmである場合、85Hzの周波数を有する第1の電圧を印加するとき、最大振動強度である0.66Gが測定された。これにより、電極間隔Gが700μmである場合の共振周波数は85Hzに測定された。次に、図7bに示すように、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gが200μmである場合、220Hzの周波数を有する第1の電圧を印加するとき、最大振動強度である0.67Gが測定された。これにより、電極間隔Gが200μmである場合の共振周波数は220Hzに測定された。最後に、図7cに示すように、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gが50μmである場合、480Hzの周波数を有する第1の電圧を印加するとき、最大振動強度である0.65Gが測定された。これにより、電極間隔Gが50μmである場合の共振周波数は480Hzに測定された。上述したような電極間隔Gによる共振周波数及び振動強度の関係をまとめると、下記のとおりである。
[表1]を参照すれば、第1の電極120に印加される第1の電圧の振幅を同一に維持したまま、第1の電圧の周波数のみを変更させる場合、第1の電極120と第2の電極160との間隔Gによって共振周波数値が相違する。すなわち、電極間隔Gが大きいほど、共振周波数値が小さく、電極間隔Gが小さいほど、共振周波数値が大きい。したがって、電極間隔Gが狭いほど、高周波で振動強度が強く、電極間隔Gが広いほど、低周波で振動強度が強い。
したがって、本発明の一実施形態に係る接触感応素子の駆動方法では、第1の電極120に印加される第1の電圧と第2の電極160に印加される第2の電圧とが第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gによる共振周波数に対応する周波数を有することができる。例えば、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔Gが700μmである場合、共振周波数である85Hzの周波数を有する第1の電圧が第1の電極120に印加され、グラウンドGND電圧である第2の電圧が第2の電極160に印加されて第2の電極160が接地され得る。すなわち、本発明の一実施形態に係る接触感応素子の駆動方法では、接触感応素子100の駆動の際、当該電極間隔Gで最も大きい振動強度を発生させることができる共振周波数に対応する周波数を有する電圧を接触感応素子に印加して、接触感応素子の振動強度が改善され得る。また、本発明の一実施形態に係る接触感応素子の駆動方法では、電極間隔Gに依存する共振周波数に対応する周波数を有する電圧を接触感応素子100に印加するので、電極間隔Gを考慮せずに、任意の周波数を接触感応素子に印加する場合と比較して同じ振動強度を取得するために、より低い駆動電圧が必要である。これにより、本発明の一実施形態に係る接触感応素子の駆動方法では、振動強度を犠牲することなく、駆動電圧が減少され、消費電力も減少され得る。
上述した電極間隔による共振周波数及び振動強度によって様々な構造の接触感応素子の設計が可能であり、様々な構造を有する接触感応素子の様々な駆動方法の実現が可能である。以下では、上述した電極間隔による共振周波数及び振動強度に基づいた様々な構造の接触感応素子及びその駆動方法について説明する。
図8a及び図8bは、本発明の他の実施形態に係る接触感応素子を説明するための概略的な拡大平面図である。図8a及び図8bの各々は、接触感応素子800に適用され得る第1のセルCE1及び第2のセルCE2のみを示した。また、図8a及び図8bに示された接触感応素子800は、図1a〜図1cに示された接触感応素子100と比較して第1の電極820A、820Bと第2の電極860A、860Bとの間の間隔G1、G2のみが相違し、他の構成要素は実質的に同様であるから、重複説明を省略する。以下では、間隔G1が間隔G2より小さいことと仮定する。
接触感応素子800に印加される駆動電圧の周波数によってユーザに相違した感じの触覚フィードバックが伝達され得る。例えば、接触感応素子800に低周波数の駆動電圧が印加される場合、ユーザが砂利、玉を触るような粗い感じの触覚フィードバックが伝達され得るし、接触感応素子800に高周波数の駆動電圧が印加される場合、ユーザがシルク(silk)を触るような軟らかい感じの触覚フィードバックが伝達され得る。そこで、接触感応素子800の各々のセルに配置される第1の電極820A、820Bと第2の電極860A、860Bとの間の間隔G1、G2を調整して、より低い駆動電圧で様々な感じの触覚フィードバックがユーザに伝達され得る。
例えば、接触感応素子800がユーザに軟らかい感じの触覚フィードバックを伝達するように構成される場合、接触感応素子800は図8aに示されたように、第1の電極820Aと第2の電極860Aとの間の間隔G1が小さい第1のセルCE1を含むように構成されることができる。上記の図7a〜図7cで説明したように、電極間隔G1が狭いほど、高周波で振動強度が強く、電極間隔G1が広いほど、低周波で振動強度が強い。すなわち、ユーザに軟らかい感じの触覚フィードバックを伝達するためには、高周波数を有する駆動電圧を接触感応素子800に印加しなければならないが、図8bに示されたように、電極間隔G2が広い場合に比べて図8aに示されたように、電極間隔G1が狭い場合に高周波数帯域でさらに強い振動強度が取得され得る。したがって、ユーザに軟らかい感じの触覚フィードバックを伝達するための接触感応素子800では、第1の電極820Aと第2の電極860Aとの間の間隔G1が狭いことが好ましく、接触感応素子800を駆動する過程で第1の電極820Aと第2の電極860Aとの間の間隔G1による共振周波数に対応する周波数を有する駆動電圧が印加され得る。例えば、電極間隔G1が50μmである場合、共振周波数である480Hzの第1の電圧が第1の電極820Aに印加され、第2の電極860Aは接地されることができる。
また、接触感応素子800がユーザに粗い感じの触覚フィードバックを伝達するように構成される場合(例えば、接触感応素子800が粗いテクスチャ(rough texture)をタッチする感じを実現する場合)、接触感応素子800は図8bに示されたように、第1の電極820Bと第2の電極860Bとの間の間隔G2が小さい第2のセルCE2を含むように構成されることができる。上記の図7a〜図7cで説明したように、電極間隔G2が狭いほど、高周波で振動強度が強く、電極間隔G2が広いほど、低周波で振動強度が強い。例えば、ユーザに粗い感じの触覚フィードバックを提供するためには、低周波数を有する駆動電圧を接触感応素子800に印加しなければならないが、図8aに示されたように、電極間隔G1が狭い場合に比べて図8bに示されたように、電極間隔G2が広い場合に低周波数帯域でさらに強い振動強度が取得され得る。したがって、ユーザに粗い感じの触覚フィードバックを伝達するための接触感応素子800では、第1の電極820Bと第2の電極860Bとの間の間隔G2が広いことが好ましく、接触感応素子800を駆動する過程で第1の電極820Bと第2の電極860Bとの間の間隔G2による共振周波数に対応する周波数を有する駆動電圧が印加され得る。例えば、電極間隔G2が700μmである場合、共振周波数である85Hzの第1の電圧が第1の電極820Bに印加され、第2の電極860Bは接地されることができる。
いくつかの実施形態において、接触感応素子800は、様々な感じの触覚フィードバックを伝達するように構成されることができる。この場合、接触感応素子800は、図8aに示された第1のセルCE1及び図8bに示された第2のセルCE2を共に含むように構成されることができる。すなわち、接触感応素子800の複数のセルのうち、一部は第1のセルCE1であり、他の一部は第2のセルCE2でありうる。したがって、ユーザに軟らかい感じの触覚フィードバックを伝達しようとする場合、接触感応素子800の第1のセルCE1に高周波数の駆動電圧を印加する方式で効率的に軟らかい感じの触覚フィードバックが伝達され得る。また、ユーザに粗い感じの触覚フィードバックを伝達しようとする場合、接触感応素子800の第2のセルCE2に低周波数の駆動電圧を印加する方式で効率的に粗い感じの触覚フィードバックが伝達され得る。
また、接触感応素子800が図8aに示された第1のセルCE1及び図8bに示された第2のセルCE2を共に含むように構成された場合、うなり現象を利用して接触感応素子800が最も強い振動強度の触覚フィードバックをユーザに伝達することができる。例えば、第1のセルCE1の第1の電極820Aに第1の周波数f
1の振動波形sin(2πf
1t)を有する電圧を印加するとともに、第2のセルCE2の第1の電極820Bに第2の周波数f
2の振動波形sin(2πf
2t)を有する電圧を印加し、第1のセルCE1の第2の電極860A及び第2のセルCE2の第2の電極860Bを接地させる場合、接触感応素子800で発生されるうなり波は、下記の式1のとおりである。
理論的に、同じ振幅を有する2個の振動波形が合うとき、うなり波の振幅は2倍になることができ、実質的に、うなり波の包絡線は|f1−f2|の周波数を有するようになる(例えば、補強干渉)。したがって、第1の周波数f1を電極間隔G1に対応する値に設定し、第2の周波数f2を電極間隔G2に対応する値に設定し、第1のセルCE1と第2のセルCE2に同時に駆動電圧を印加する場合、うなり現象を利用してさらに強い振動強度の触覚フィードバックをユーザに伝達することもできる。
図8a及び図8bに示すように、接触感応素子800の複数のセルの各々に配置された第1の電極820A、820Bと第2の電極860A、860Bとの間の間隔G1、G2はセル毎に相違する。例えば、複数のセルのうち、図8aに示されたような第1のセルCE1での第1の電極820Aと第2の電極860Aとの間の間隔G1と、図8bに示されたような第2のセルCE2での第1の電極820Bと第2の電極860Bとの間の間隔G2とは相違することができる。以下では、間隔G1が間隔G2より小さいこととして接触感応素子800について説明する。
図8a及び図8bでは、接触感応素子800が互いに相違した電極間隔G1、G2を有する2個のセルCE1、CE2で構成されることと説明したが、接触感応素子800は、3個以上の相違した電極間隔を有する複数のセルで構成されることができる。この場合、それぞれの電極間隔による共振周波数を有する電圧をそれぞれのセルに印加して、ユーザに様々な感じの触覚フィードバックをさらに強い振動強度で伝達することができ、同じ振動強度の触覚フィードバックを伝達するための接触感応素子800の駆動電圧が減少され得る。
図9及び図10は、本発明の種々の実施形態に係る接触感応素子を説明するための概略的な拡大平面図である。図9及び図10に示された接触感応素子900、1000は、図1a〜図1cに示された接触感応素子100と比較して第1の電極920、1020A、1020Bと第2の電極960、1060A、1060Bとの間の間隔G1、G2及び第1の電極920、1020A、1020Bと第2の電極960、1060A、1060Bとの形状のみが相違し、他の構成要素は実質的に同様であるから、重複説明を省略する。以下では、間隔G1が間隔G2より小さいことと仮定する。
まず、図9に示すように、第1の電極920は、同じセルCEに配置された第2の電極960と第1の間隔G1で離隔された部分及び第2の間隔G2で離隔された部分を有する。具体的に、第1の電極920の第2のサブ電極922Aは、第2の電極960の第1のサブ電極961及び第2のサブ電極962Aと第1の間隔G1で離隔される。また、第1の電極920の第2のサブ電極922Bは、第2の電極960の第1のサブ電極961及び第2のサブ電極962Bと第2の間隔G2で離隔される。上述したような電極構造を有するために、第1の電極920の第2のサブ電極922Aの長さL1aは、第1の電極920の第2のサブ電極922Bの長さL1bより長く、第2の電極960の第2のサブ電極962Aの長さL2aは、第2の電極960の第2のサブ電極962Bの長さL2bより長い。第1の電極920が同じセルCEに配置された第2の電極960と第1の間隔G1で離隔された部分及び第2の間隔G2で離隔された部分を有することにより、接触感応素子900は、1つのセルCEで様々な感じの触覚フィードバックをユーザに伝達することができる。
次に、図10に示すように、第1の電極1020は、同じセルCEに配置された第2の電極1060と第1の間隔G1で離隔された部分及び第2の間隔G2で離隔された部分を有する。具体的に、第1の電極1020Aは、第2の電極1060Aと第1の間隔G1で離隔され、第1の電極1020Bは、第2の電極1060Bと第2の間隔G2で離隔される。したがって、接触感応素子1000は、1つのセルCEで様々な感じの触覚フィードバックをユーザに伝達することができる。
図9及び図10に示された接触感応素子900、1000で様々な感じの触覚フィードバックをユーザに伝達するための接触感応素子の駆動方法について詳細に説明するために、図11a及び図11bを共に参照する。
図11は、本発明の他の実施形態に係る接触感応素子の駆動方法での共振周波数及び振動強度を説明するためのグラフである。図11は、図9に示された接触感応素子900で電極間隔G1が200μmであり、電極間隔G2が700μmになるように接触感応素子900を形成した後、接触感応素子900に0Hzから500Hzまでの周波数を有する電圧を順次印加しつつ測定された振動強度(振動加速度)を示すグラフである。具体的に、第1の電極920の幅W1及び第2の電極960の幅W2が2mmであり、第1の電極920の第2のサブ電極922Aの長さL1a及び第2の電極960の第2のサブ電極962Aの長さL2aが15mmであり、第1の電極920の第2のサブ電極922Bの長さL1b及び第2の電極960の第2のサブ電極962Bの長さL2bが14.3mmであり、第1の電極920及び第2の電極960の厚さが250nmになるように、第1の電極920及び第2の電極960が製造された。このとき、電気活性層110としては、80μmの厚さを有するPVDFフィルムが使用された。また、第2の電極960は接地され、第1の電極920には、750Vの矩形波電圧である第1の電圧を印加し、第1の電圧の周波数を0Hzから500Hzまで変化させながら、接触感応素子900の振動強度を測定した。
上記の図7aを参照して説明したように、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔G2が共に700μmである場合、85Hzの周波数を有する第1の電圧を印加するとき、最大振動強度である0.66Gが測定された。また、図7bを参照して説明したように、第1の電極120と第2の電極160との間の間隔G1が共に200μmである場合、220Hzの周波数を有する第1の電圧を印加するとき、最大振動強度である0.67Gが測定された。
図9に示された接触感応素子900の第1の電極920は、同じセルCEに配置された第2の電極960と200μmの第1の間隔G1で離隔された部分及び700μmの第2の間隔G2で離隔された部分を有する。したがって、第1の電極920に印加される第1の電圧の周波数を0Hzから500Hzまで変化させる場合、第1の間隔G1に対応する共振周波数である220Hzと類似した212Hz及び第2の間隔G2に対応する共振周波数である85Hzと類似した88Hzで振動強度のピーク(peak)が測定された。すなわち、第1の電極920に88Hzの第1の電圧が印加される場合、第1の間隔G1の分だけ離隔された第1の電極920及び第2の電極960が配置された電気活性層110の部分が最大振動強度で振動する。また、第1の電極920に212Hzの第1の電圧が印加される場合、第2の間隔G2の分だけ離隔された第1の電極920及び第2の電極960が配置された電気活性層110の部分が最大振動強度で振動する。上述したような電極共振周波数及び振動強度の関係をまとめると、下記のとおりである。
したがって、本発明の他の実施形態に係る接触感応素子の駆動方法では、ユーザに軟らかい感じの触覚フィードバックを伝達するために、第2の電極960を接地させるとともに、第1の電極920に、第1の間隔G1に対応する共振周波数を有する第1の電圧を印加することができ、ユーザに粗い感じの触覚フィードバックを伝達するために、第2の電極960を接地させるとともに、第1の電極920に、第2の間隔G2に対応する共振周波数を有する第1の電圧を印加することができる。したがって、本発明の他の実施形態に係る接触感応素子の駆動方法では、1つのセルCEで第1の電極920と第2の電極960とが複数の間隔G1、G2で離隔された接触感応素子900を使用して、1つのセルCEで印加される駆動電圧の周波数のみを調整して、相違した感じの触覚フィードバックをユーザに提供することができる。また、このときに印加される駆動電圧の周波数は、当該電極間隔G1、G2に対応する共振周波数であるから、特定振動強度を伝達するために要求される駆動電圧の大きさが減少され得る。
一方、図11の共振周波数での振動強度が図7a及び図7bの共振周波数での振動強度の1/2程度に減少されたが、これは、第1の電極920が同じセルCEに配置された第2の電極960と第1の間隔G1で離隔された部分及び第2の間隔G2で離隔された部分を共に有しながら、第1の間隔G1に対応する共振周波数が印加された場合、そして、第2の間隔G2に対応する共振周波数が印加された場合に振動する電気活性層110の面積も減少されたためである。したがって、1つのセルCEで電極間隔G1、G2に対応する面積の大きさを調整して、1つのセルCEで発生される振動強度が増加され得る。また、接触感応素子900が図9に示されたようなセルCEを複数個含む場合、接触感応素子900の振動強度が増加され得る。したがって、1つのセルCEに複数の電極間隔G1、G2を実現しても接触感応素子900が十分な大きさの振動強度で触覚フィードバックを伝達することができる。
上記においては、図9を参照して説明したが、図10に示された接触感応素子1000も第1の電極1020Aが第2の電極1060Aと第1の間隔G1で離隔され、第1の電極1020Bが第2の電極1060Bと第2の間隔G2で離隔されるので、上述したような接触感応素子の駆動方法がそのまま適用され得る。
いくつかの実施形態において、前述された接触感応素子100、400、500、600、800、900にバーチカル(vertical)構造の電極構造が適用されることもできる。すなわち、電気活性層110の上面だけでなく、電気活性層110の下面にも電極が形成され得る。この場合、電気活性層110の上面及び下面に形成された電極に様々な方式で電圧を印加して、電気活性層に水平電場だけでなく、垂直電場も印加することができ、これにより、電気活性層110がさらに強く振動して、ユーザにさらに強い触覚フィードバックを伝達することができる。
図12は、本発明の一実施形態に係る表示装置を説明するための概略的な断面図である。図12に示すように、表示装置1200は、表示パネル1210、電気活性高分子で構成された接触感応素子100、タッチパネル1220、及びカバー1230を備える。
図12に示すように、表示装置1200の下部に表示パネル1210が配置される。表示パネル1210は、表示装置1200で映像を表示するための表示素子が配置されたパネルを意味する。表示パネル1210として、例えば、有機発光表示パネル、液晶表示パネル、電気泳動表示パネルなどのような様々な表示パネルが使用され得る。
表示パネル1210上には、電気活性高分子で構成される接触感応素子100が配置される。図12では、接触感応素子100が図1a〜図1cに示された接触感応素子100であることと図示されたが、図4〜図6、図8a、図8b、図9、図10を参照して説明された接触感応素子400、500、600、800、900、1000のうち、いずれか1つも表示装置1200に適用されることができる。以下では、図12に示された接触感応素子が図1a〜図1cに示された接触感応素子100であることと説明する。具体的に、第1の電極120及び第2の電極160は、電気活性層110の一面に形成される。図12に示すように、第1の電極120及び第2の電極160が表示パネル1210と向かい合うように接触感応素子100が配置される。すなわち、第1の電極120及び第2の電極160が配置された電気活性層110の一面は、表示パネル1210の上面と対向する。
接触感応素子100上にはタッチパネル1220が配置される。タッチパネル1220は、表示装置1200に対するユーザのタッチ入力を感知するパネルを意味する。タッチパネル1220として、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式などが使用され得るが、好ましくは、静電容量方式のタッチパネル1220がタッチパネル1220として使用され得る。
上述したように、電気活性層110のそれぞれのセルCEの面積は、電気活性層110と共に使用されるタッチパネル1220の画素の面積を考慮して決定されることができる。例えば、ユーザのタッチ入力が感知されたタッチパネル1220の画素と同様に、接触感応素子100のセルCEの面積が決定される場合、タッチパネル1220の画素と接触感応素子100のセルCEとが1対1に対応され得るので、接触感応素子100がより容易に駆動され得る。
タッチパネル1220上にはカバー1230が配置される。カバー1230は、表示装置1200の外部からの衝撃から表示装置1200を保護するための構成である。カバー1230は、透明な絶縁性物質からなることができる。
図12に示されてはいないが、表示パネル1210、接触感応素子100、タッチパネル1220、及びカバー1230を互いに接着させるための接着層が使用され得る。接着層は、例えば、OCA(optical clear adhesive)またはOCR(optical clear resin)が使用され得るが、これに制限されるものではない。
第1の電極120及び第2の電極160のうちの1つが電気活性層110の上面に形成され、他の1つが電気活性層110の下面に形成される場合、電気活性層110とタッチパネル1220との間には必ず第1の電極120または第2の電極160が配置される。このように、第1の電極120または第2の電極160がタッチパネル1220に隣接して配置されることにより、第1の電極120または第2の電極160により実際ユーザのタッチ入力が発生しなかった位置にタッチ入力が発生したこととタッチパネル1220が認識するゴースト現象が発生され得る。特に、電気活性接触感応素子100を駆動するための駆動電圧として数kVの高電圧が印加され得るので、第1の電極120または第2の電極160に印加される高電圧によりタッチパネル1220のゴースト現象が深化され得る。したがって、接触感応素子100からのノイズ信号がタッチパネル1220側に伝達されることを防止するために、遮蔽層として、接地された透明導電性フィルムをタッチパネル1220と接触感応素子100との間に配置する方法が使用され得る。
しかし、本発明の一実施形態に係る表示装置1200に含まれる接触感応素子100では、電気活性層110に電場を印加するための第1の電極120及び第2の電極160が電気活性層110の一面にのみ形成される。また、接触感応素子100が表示パネル1210とタッチパネル1220との間に配置され、第1の電極120及び第2の電極160が表示パネル1210に対向する。これにより、タッチパネル1220と隣接する電気活性層110の上面には第1の電極120及び第2の電極160が形成されないようになる。また、第1の電極120及び第2の電極160とタッチパネル1220との間に電気活性層110が配置され、電気活性層110が遮蔽層と同じ機能を果たすことができる。したがって、本発明の一実施形態に係る表示装置1200では、第1の電極120及び第2の電極160が電気活性層110の同じ面に形成され、第1の電極120及び第2の電極160が表示パネル1210と対向することにより、別の遮蔽層が要求されず、第1の電極120または第2の電極160に印加される電圧により発生されることができるタッチパネル1220のゴースト現象が抑制され得る。
図13は、本発明の他の実施形態に係る表示装置を説明するための概略的な断面図である。図13に示された表示装置1300は、図12に示された表示装置1200と比較して表示パネル1310の機能及び位置のみ変更され、他の構成要素は、実質的に同様であるから、重複説明を省略する。
図13に示すように、表示パネル1310がカバー1230と接触感応素子100との間に配置される。表示パネル1310は、表示装置1300で映像を表示するための表示素子が配置されたパネルであるとともに、タッチパネルとして機能する。すなわち、表示パネル1310は、タッチパネルが内蔵されたタッチパネル一体型表示パネル1310であり、例えば、表示パネル1310には、イン−セル(in−cell)方式のタッチパネルが実現され得る。表示パネル1310として、例えば、有機発光表示パネル、液晶表示パネルなどのような様々な表示パネルが使用され得る。
表示パネル1310の下には、電気活性高分子で構成される接触感応素子100が配置される。このとき、図13に示されたように、第1の電極120及び第2の電極160が電気活性層110の下面に配置されることができ、図13に示されてはいないが、第1の電極120及び第2の電極160は、電気活性層110の上面に配置されることができる。ただし、図13に示されたように、第1の電極120及び第2の電極160が電気活性層110の下面に配置される場合、タッチパネルが内蔵された表示パネル1310と第1の電極120及び第2の電極160との間の間隔を最大化できるので、第1の電極120または第2の電極160に印加される電圧により発生され得るゴースト現象を抑制するのにより有利でありうる(例えば、表示パネル1310と接触感応素子100との間のノイズ干渉がより減少され得る)。
上述したように、表示パネル1310が、タッチパネルが内蔵されたタッチパネル一体型表示パネル1310である場合、図13に示されてはいないが、タッチパネルが内蔵された表示パネル1310と接触感応素子100との間に遮蔽層が配置され得る。すなわち、接触感応素子100からのノイズ信号がタッチパネルが内蔵された表示パネル1310側に伝達されることを最小化するために、接地された透明導電性フィルムのような遮蔽層が、タッチパネルが内蔵された表示パネル1310と接触感応素子100との間に配置されることもできる。
いくつかの実施形態において、タッチパネルが内蔵された表示パネル1310とカバー1230との間に接触感応素子100が配置されることもできる。この場合、第1の電極120及び第2の電極160は、電気活性層110の上面または下面に配置されることができる。また、接触感応素子100からのノイズ信号が、タッチパネルが内蔵された表示パネル1310側に伝達されることを最小化するために、遮蔽層が、接触感応素子100とタッチパネルが内蔵された表示パネル1310との間に配置されることもできる。
一方、電気活性層を用いる構造は、振動による触感を容易に伝達することに対し、表示装置に表示される物体の質感を伝達し難い。表示装置に表示される物体の質感を伝達するための構造には、静電気的引力を用いる構造がある。具体的に、静電気的引力を用いる構造では、絶縁層の一面に電極が配置される。電極に電圧が加えられ、指が触ると、指と絶縁層との間で静電気的な引力であるクーロン力が発生する。その状態で指が絶縁層上で移動されれば、水平摩擦によって電気的質感が伝達される。しかし、静電気的引力を用いる構造では、指が停止する場合、触感が伝達されないという問題がある。しかし、本発明のさらに他の実施形態に係る接触感応素子を含む表示装置は、振動による触感のみならず、静電気的引力による材質感を実現するように実現されることができる。以下では、振動による触感と静電気的引力を切り換え可能に提供できる表示装置についてより具体的に説明する。
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置のブロック図である。図15は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図14及び図15に示すように、表示装置1400は、接触感応素子1410、接触感応素子駆動部1420、タッチパネル1430、タッチ回路部1440、表示パネル1450、タイミング制御部1460、プロセッサ1470、上部カバー1480、及び下部カバー1490を備える。図15では、接触感応素子駆動部1420、タッチ回路部1440、タイミング制御部1460、及びプロセッサ1470を省略して図示した。
接触感応素子1410は、電気活性高分子からなる電気活性層1412の下部に配置された複数の電極1414に電圧を印加することにより、発生される電気活性層1412の振動及びユーザの指と電極との間に発生する静電気的引力と指の動きによる摩擦力を介してユーザに材質感を提供する。接触感応素子1410は、透明な材料からなる。接触感応素子1410は、複数の電極1414を介して局部的な領域で触感を提供することができる。図15に示すように、接触感応素子1410は、電気活性層1412及び複数の電極1414を含む。複数の電極1414は、電気活性層1412の同じ一面にのみ配置される。本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置は、図1a〜図10を参照して説明された本発明の様々な実施形態に係る接触感応素子100、400、500、600、800、900、1000のうち、いずれか1つを用いて実現されることができる。
接触感応素子駆動部1420は、受信される振動駆動信号に対応して接触感応素子1410を駆動させるための電圧を制御する。接触感応素子駆動部1420は、様々な大きさと様々な周波数の電圧を提供するように構成される。また、接触感応素子1410は、事物に対する材質感と振動感を共に提供するために、様々な電場を形成することができる。このために、接触感応素子駆動部1420は、複数の電極1414の各々に互いに相違した電圧を印加するように構成されることができる。接触感応素子駆動部1420は、プロセッサ1470またはタッチパネル1430の入力に対応して電圧の印加方式を変更するように構成される。例えば、接触感応素子駆動部1420は、接触感応素子1410の複数の電極1414の各々に対する印加電圧を決定し、印加電圧を複数の電極1414の各々に伝達することができる。接触感応素子1410の構造及び接触感応素子駆動部1420の動作についての具体的な説明は、図16〜図19を参照して後述する。
接触感応素子1410上には上部カバー1480が配置される。上部カバー1480は、表示装置1400の外部からの衝撃から表示装置1400を保護するための構成である。上部カバー1480は、プラスチックまたはガラスのような透明な絶縁性物質からなることができる。
接触感応素子1410の下にはタッチパネル1430が配置される。タッチ回路部1440は、タッチパネル1430からのタッチ入力信号を受信し、タッチと関連した様々なタッチ出力信号を出力するように構成される。タッチ回路部1440は、接触感応素子駆動部1420及びプロセッサ1470にタッチ出力信号を出力することができる。ただし、タッチパネル1430が静電容量方式のタッチパネルである場合、タッチパネル1430は、静電容量の変化をより容易に感知するために、接触感応素子1410上に配置されることもできる(例えば、タッチパネルは、ユーザと接触感応素子1410との間に位置することができる)。
タッチパネル1430下には表示パネル1450が配置される。表示パネル1450として、前述したように、有機発光表示パネル、液晶表示パネル、電気泳動表示パネルなどのような様々な表示パネルが使用され得る。表示パネル1450は、フレキシブル(flexible)基板を含み、柔軟性を有する表示パネルでありうる。柔軟性を有する表示パネルは、外部から加えられる力により様々な方向及び角度で変形されることができる。タイミング制御部1460は、入力された映像に基づき、スキャン制御信号、データ制御信号などを用いて表示パネル1450を駆動するように構成される。
下部カバー1490は、接触感応素子1410、タッチパネル1430、及び表示パネル1450の下部を覆うように表示パネル1450の下に配置される。下部カバー1490は、表示装置1400の内部の構成を外部の衝撃及び異質物や水分の浸透から保護する。例えば、下部カバー1490は、硬度が良いガラスや熱成形が可能であり、加工性が良いプラスチックのような物質からなることができるが、これに制限されない。また、下部カバー1490は、接触感応素子1410の柔軟性と形状の変化によって共に変形され得る物質からなることができる。例えば、下部カバー1490は、柔軟性を有するプラスチックのような物質からなることができるが、これに制限されない。図15に示されてはいないが、接触感応素子1410、タッチパネル1430、表示パネル1450、上部カバー1480、及び下部カバー1490を互いに接着させるための接着層が使用され得る。
プロセッサ1470は、様々な演算を行うための手段であって、MAP(Multimedia Application Processor)、MCU(Microcontroller)、ISP(Image Signal Processor)などのような演算装置でありうる。プロセッサ1470は、映像を処理し、タッチ回路部1440からのタッチ出力信号に対応して接触感応素子1410に振動駆動信号を出力することができる。
図16は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の接触感応素子を説明するための斜視図である。図16に示すように、接触感応素子1410は、電気活性層1412、複数の電極1414、及び配線1416を備える。
電気活性層1412及び複数の電極1414は、図1a〜図10において説明された電気活性層、第1の電極及び第2の電極の各々と実質的に同様な構成であるところ、重複する説明を省略する。図16に示すように、複数の電極1414は、第1の電極1414a及び第2の電極1414bを含む。第1の電極1414aと第2の電極1414bとは、電気活性層1412の下面で互いに隣接して配置される。第1の電極1414aと第2の電極1414bの各々は、接触感応素子1410の一端部に延びた配線1416と接続される。配線1416は、例えば、接触感応素子1410の一端部に配置されたパッド部を介して柔軟性印刷回路基板に接続され、柔軟性回路基板は、接触感応素子1410の駆動部と電気的に接続されることができる。
図17aは、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の駆動とユーザが感じる触覚を説明するための概略的な断面図である。図17bは、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略図である。図17cは、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の駆動例を説明するための概略図である。図17aでは、説明の便宜のために、表示装置1400からタッチパネル1430及び表示パネル1450を省略する。図17aに示された表示装置1400の接触感応素子1410は、図16に示された接触感応素子1410と実質的に同様であるから、その構造に対する重複説明を省略する。以下の図面において、+記号は、電極に駆動電圧が印加されるということを表し、−記号は、電極に0Vが印加されるか、電極が接地されたことを表す。
図17aに示すように、第1の電極1414aは、例えば、駆動電圧である第1の電圧が印加され、第1の電極1414aに隣接した第2の電極1414bは、例えば、0V電圧である第2の電圧が印加されるか、接地される。これにより、第1の電極1414aと第2の電極1414bとの間の電気活性層1412に電場が形成される。電気活性層1412が誘電性エラストマーからなる場合、誘電性エラストマーが収縮膨脹されて接触感応素子1410が振動する。または、電気活性層1412が強誘電性高分子からなる場合、電気活性層1412の内部の双極子の整列方向が変更されて接触感応素子1410が振動する。接触感応素子1410での振動は上部カバー1480に伝達され、ユーザは、上部カバー1480に接する指の機械的刺激収容体を介して振動を認知する。言い替えれば、ユーザの指のすぐ下の接触感応素子1410の一部分のみが選択的に振動し得る。また、様々な振動感を提供するために、相違した周波数の電圧が印加され得る。様々な振動感を提供するために、複数の電極に印加される電圧の周波数は、例えば、1〜500Hzの範囲内でありうる。
第1の電極1414aと第2の電極1414bとを含む複数の電極1414の各々には、第1の電圧と第2の電圧または互いに相違した電位の電圧が印加され得るし、隣接する複数の電極1414での電位差により振動が生成される。図17bを参照すれば、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置1400の接触感応素子1410において複数の電極1414に印加される電圧が示される。図17bのように、接触感応素子1410の複数の電極1414に第1の電圧と第2の電圧とが互いに交差して印加されることにより、ユーザに振動感が提供され得る(例えば、接触感応素子1410の全体が振動し得る)。また、複数の電極1414のうち、隣接する電極の一部にのみ電圧が印加されて、局部的な振動感が提供されることもできる(例えば、接触感応素子1410の小さい部分のみが選択的に振動し得る)。
図17cを参照すれば、本発明の一実施形態に係る表示装置1400の表示パネル1450及び表示パネル1450が表示する画面が示される。画面では、複数のカードが広げられ、ユーザが指で複数のカードのうちの1つを選択すれば、局部的な振動感が指を介して伝達される。複数のカードのうちの1つを選択することは、指の平面上の動きを伴わないので、表示装置1400は、図17a及び図4bでの接触感応素子1410の駆動による振動感で触覚フィードバックを伝達する。
一方、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置1400では、振動感の他に、表示される物体の材質感も同じ接触感応素子1410を介して提供することができる。物体の材質感は、接触感応素子1410を図17a及び図17bとは相違するように駆動させることにより実現されることができる。以下では、同じ接触感応素子1410で物体の材質感を実現するための駆動方式を説明する。
図18aは、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の駆動とユーザが感じる触覚を説明するための概略的な断面図である。図18bは、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の駆動を説明するための概略図である。図18cは、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の駆動例を説明するための概略図である。図18aでは、説明の便宜のために、表示装置1400からタッチパネル1430及び表示パネル1450を省略する。図18aに示された表示装置1400の接触感応素子1410は、図16に示された接触感応素子1410と実質的に同様であるから、その構造に対する重複説明を省略する。
図18aに示すように、第1の電極1414a及び第2の電極1414bの両方には第1の電圧が印加される。これにより、複数の電極1414と指との間に電場が形成され、指の平面上の動きにより水平摩擦が発生し、第1の電極1414aと第2の電極1414bとの間でユーザは摩擦による材質感を認知することができる。
前述したように、第1の電極1414aと第2の電極1414bとを含む複数の電極1414の全てには、第1の電圧または第2の電圧が印加され得る。図18bを参照すれば、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置1400の接触感応素子1410において複数の電極1414に印加される電圧が示される。図18bのように、接触感応素子1410の複数の電極1414の全てに同じ第1の電圧が印加されることにより、ユーザの指が平面上で動く場合、材質感が提供され得る。図18cを参照すれば、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置1400の表示パネル1450及び表示パネル1450が表示する画面が示される。画面には、オンラインショッピングモールでの商品が表示される。商品が表示される領域SPに対応する複数の電極1414には、同じ第1の電圧が印加される。これにより、指が、商品が表示される領域SP上で動くようになると、商品の材質感が指を介して伝達される(例えば、ユーザの指は、ただ商品を表示する領域にある)。また、商品が表示される領域SPの各々には、互いに相違した周波数の電圧が印加されて、滑らかさから粗さなどのような様々な材質感が提供され得る。材質感を提供するために、複数の電極1414に印加される電圧の周波数は、例えば、1〜1000Hzの範囲内でありうる。
商品の材質感は、指の平面上の動きを伴い、入力に対する振動感を要求しないので、表示装置は、図18a及び18bでの接触感応素子1410の駆動と指の水平摩擦による材質感で触覚フィードバックを伝達することができる。
図19は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の駆動切換を説明するための概略図である。図19に示すように、表示パネル1450に複数のカードが広げられ、このとき、接触感応素子1410には、図17bのように、複数の電極1414の第1の電極1414aに第1の電圧が、第2の電極1414bに第2の電圧が互いに交差して印加される。ユーザが複数のカードのうちの1つを選択すれば、局部的な振動感が指を介して伝達される。
次に、表示パネル1450の画面が切り換えられてオンラインショッピングモールでの商品が表示される。この場合、接触感応素子1410には、図18bのように、複数の電極1414である第1の電極1414a及び第2の電極1414bの両方に第1の電圧が印加される。これにより、ユーザの指が、商品が表示される領域SP上で動くようになると、商品の材質感が指を介して伝達される。
すなわち、第2の電極1414bに印加される電圧を第2の電圧で第1の電極1414aに印加される同一の第1の電圧に変えることにより、第1の電極1414aと第2の電極1414bとの間の電位差で発生される電場が消滅され、ユーザの指と第1の電極1414a及び第2の電極1414bとの間の電場が形成される。これにより、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置1400では、1つの接触感応素子1410で振動感と物体の材質感が駆動によって切り換えられて提供されることができる。また、1つの接触感応素子1410で互いに相違した2つのハプティック感を実現できるので、製造工程が簡素化され得るし、これによる工程費用も減少され得る。
本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の接触感応素子を製造して、その動作可否を確認した。電気活性層には、厚さ190μmと透過度89%のポリジメチルシロキサン(polydimethyl siloxane)電気活性高分子フィルムを使用した。複数の電極には、電気活性層の下部にITOをスパッタリング方式で表面抵抗182Ω/□に厚さ900Åで形成した。次に、500〜1000V、100Hzの周波数である正弦波を駆動電圧として使用した。振動感は、振動加速度で測定した。図17a及び図17bのように、隣接する複数の電極の各々に0Vと駆動電圧を印加したとき、0.15Gの振動加速度が測定された。図18a及び図18bのように、隣接する複数の電極の全てに駆動電圧を印加したとき、指を移動すれば、摩擦力による材質感が認識された。
図20は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するための例示的なフローチャートである。まず、第1の電極及び第1の電極と隣接して配置された第2の電極が電気活性層の一面に提供される(S10)。
次に、振動感が要求されるかを判断する(S20)。例えば、表示される画面が、振動感が要求される電子式キーボードであるか、電話がかけられるか、文字が伝送される画面、入力フィードバックが要求される画面であれば、振動感が要求され得る。振動感が要求される場合、表示装置のアクチュエータは、振動感を提供するように駆動されることができる。
電気活性層を介して振動感を提供するために、接触感応素子が振動するように第1の電極には第1の電圧が印加され、第2の電極には第2の電圧が印加される(S30)。例えば、第1の電極には駆動電圧が印加され、第2の電極は接地されるか、0Vの電圧が印加され得る。これにより、電気活性層が収縮、膨脹されて振動感が提供される。振動感が提供された後は、再度ステップS20が繰り返される。
振動感が要求されないと判断された場合、物体に対する材質感が要求されるか判断される(S40)。例えば、表示される画面が材質感を要求する事物を含むか、ページをスクロールするか、電子筆記をすれば、材質感が要求され得る。材質感が要求される場合、表示装置のアクチュエータは、材質感を提供するように駆動される。
材質感を提供するために、接触感応素子上で水平摩擦を発生させるように第1の電極及び第2の電極の両方には第1の電圧が印加される(S50)。これにより、指が表示装置に接触して移動する場合、発生される電気的な水平摩擦により指に触覚が伝達される。材質感が提供された後は、再度ステップS20が繰り返される。材質感が要求されない場合にも、再度ステップS20が繰り返される。しかし、図11に示される表示装置を駆動するための方法は例示的であり、表示装置が振動感と材質感を切り換え可能に提供できるならば、これに制限されず、様々な方式のアルゴリズムでいかなる状況に振動感と材質感が要求されるかを判断することができ、判断の先後関係や判断方式も相違することができる。また、電圧の印加は、接触感応素子の一部領域でのみ行われることにより、ユーザに局部的な接触感応を提供することができる。
図21は、本発明の種々の実施形態に係る表示装置が有利に活用され得る実例を示す図である。
図21(a)は、本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300がモバイルデバイス2400で使用される場合を示す。本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300が図21(a)においてモバイルデバイス2400に含まれるように示され、ここで、モバイルデバイス2400は、スマートフォン、携帯電話、タブレットPC、PDAなどのような小型化装置を意味する。表示装置がモバイルデバイス2400に設置される場合、外部電源が供給されずに自体バッテリを使用するようになるので、限定されたバッテリ容量に適するように表示装置1200、1300の構成要素が設計されなければならない。これにより、本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300のように、第1の電極及び第2の電極が電気活性層の同一平面上に形成されることにより、表示装置1200、1300の接触感応素子の駆動電圧が減少され、限定されたバッテリ容量でも表示装置1200、1300が正常に駆動され得る。また、ユーザは、モバイルデバイス2400で動画視聴、ゲーム、ボタン入力などを行うときにタッチとともに振動を感じることができるので、より感覚的な情報を伝達されることができる。
図21(b)は、本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300が車両用ナビゲーション2500で使用される場合を示す。車両用ナビゲーション2500は、表示装置1200、1300及び複数の操作要素を含むことができ、車両の内部に設置されたプロセッサにより制御され得る。表示装置1200、1300が車両用ナビゲーション2500に適用される場合、道路の高低、道路の状態、車両の進行状況などを触覚的に提供できるようになる。
図21(c)は、本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300がモニタ、TVなどのようなディスプレイ手段2600として使用される場合を示す。本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300がディスプレイ手段2600として利用される場合、ユーザは、特定物件の質感、話者の状態などを実際に経験するように触覚的に感じることができるので、よりリアルな映像を楽しむようになる。
図21(d)は、本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300が屋外広告看板2700で使用される場合を示す。屋外広告看板2700は、表示装置1200、1300及び地面と表示装置1200、1300を連結させる支持台を含むことができる。本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300を屋外広告看板2700に適用する場合、販売しようとする広告物品に対する触覚的な情報映像及び/又は音声とともにユーザに直接伝達できるので、広告効果が極大化され得るようになる。
図21(e)は、本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300がゲーム機2800で使用される場合を示す。ゲーム機2800は、表示装置1200、1300、及び様々なプロセッサが内蔵されるハウジングを含むことができる。本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300をゲーム機2800に適用する場合、ユーザのゲーム操作による様々な触覚的フィードバックをリアルに提供できるようになるので、ユーザのゲームに対する没入度が倍加され得るようになる。
図21(f)は、本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300が電子黒板2900で使用される場合を示す。電子黒板2900は、表示装置1200、1300、スピーカ、及びこれらを外部の衝撃から保護するための構造物を備えることができる。本発明の種々の実施形態に係る表示装置1200、1300を電子黒板2900に適用する場合、教育者は、スタイラスペンまたは指で表示装置1200、1300に講義内容を入力するときに直接黒板に板書するような感じを提供されることができるようになる。また、被教育者が電子黒板2900に表示されたイメージに対するタッチ入力を印加する場合、当該イメージに適した触覚的フィードバックが被教育者に提供され得るので、教育の効果が極大化され得る。
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずこのような実施形態に局限されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で様々に変形実施されることができる。したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものでなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解析されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解析されなければならないであろう。