JP6401041B2 - 硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性エポキシ樹脂組成物、該硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物、及び該硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置に関する。
近年、光半導体装置の高出力化が進んでおり、このような光半導体装置において光半導体素子を被覆する樹脂(封止材)には、高い耐熱性や耐光性が求められている。従来、耐熱性が高い封止材を形成するための封止剤として、例えば、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートとビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む組成物が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、上記組成物を高出力の青色・白色光半導体用の封止剤として用いた場合には、光半導体素子から発せられる光及び熱によって封止材の着色が進行し、本来出力されるべき光が吸収されてしまい、その結果、光半導体装置から出力される光の光度が経時で低下するという問題が生じていた。
高い耐熱性及び耐光性を有し、黄変しにくい硬化物(封止材)を形成する封止剤として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートとε−カプロラクトンの付加物、1,2,8,9−ジエポキシリモネン等の脂環骨格を有する液状の脂環式エポキシ樹脂が知られている。しかし、これらの脂環式エポキシ樹脂の硬化物は各種応力に弱く、冷熱サイクル(加熱と冷却を周期的に繰り返すこと)のような熱衝撃が加えられた場合に、クラック(ひび割れ)が発生する等の問題が生じていた。
また、光半導体装置(例えば、表面実装型の光半導体装置)は、はんだ付けにより光半導体装置の電極を配線基板に接合するためのリフロー工程を経るのが一般的である。近年、接合材としてのはんだとして、融点の高い無鉛はんだが使用されるようになってきており、リフロー工程での加熱処理がより高温(例えば、ピーク温度が240〜260℃)になってきている。このような状況下、従来の光半導体装置においては、リフロー工程での加熱処理により封止材が光半導体装置のリードフレームから剥離したり、封止材にクラックが生じたりする等の劣化の問題が生じていた。
このため、光半導体装置における封止材には、高い耐熱性、耐光性に加え、熱衝撃が加えられた場合にもクラックが生じにくい特性(「耐熱衝撃性」と称する場合がある)、及び、リフロー工程において加熱処理された際にもクラックや剥離が生じにくい特性が求められている。特に、近年、封止材のより高い信頼性確保の観点から、光半導体装置を高湿条件下で一定時間(例えば、30℃、60%RHの条件下で192時間;60℃、60%RHの条件下で52時間等)置いて吸湿させた後にリフロー工程で加熱処理した場合にもなお上述のクラックや剥離が生じにくいこと(このような特性を「耐吸湿リフロー性」と称する場合がある)も求められている。
特開2000−344867号公報
従って、本発明の目的は、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に、光半導体装置の耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を形成できる硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に、光半導体装置の耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高湿条件下で保管された後にリフロー工程で加熱処理した場合の光度低下等の劣化が抑制された、耐久性及び品質の高い光半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、エポキシ化合物と、酸無水物硬化剤と、チオール基を有するシランカップリング剤と、特定の硬化促進剤とを含み、上記エポキシ化合物として特定のエポキシ化合物を特定の範囲内の割合で含む硬化性エポキシ樹脂組成物が、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に、光半導体装置の耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、エポキシ化合物(A)と、酸無水物硬化剤(B)と、チオール基を有するシランカップリング剤(C)と、下記式(1)
Figure 0006401041
[式中、R1は、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。X-は、カルボン酸の共役塩基を示す。]
で表される化合物である硬化促進剤(D)とを含み、前記エポキシ化合物(A)として、脂環式エポキシ化合物(A1)及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)を含み、エポキシ化合物(A)100重量%に対する前記脂環式エポキシ化合物(A1)の割合が10〜40重量%、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)の割合が60〜90重量%であることを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
さらに、前記硬化促進剤(D)が、テトラメチルアンモニウムヘキサン酸塩、テトラメチルアンモニウムオクチル酸塩、テトラブチルアンモニウムヘキサン酸塩、テトラブチルアンモニウムオクチル酸塩、及びトリオクチルメチルアンモニウムオクチル酸塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物である前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物を提供する。
さらに、光半導体封止用樹脂組成物である前記の硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、光半導体素子と、該光半導体素子を封止する封止材とを含み、前記封止材が前記の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする光半導体装置を提供する。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は上記構成を有するため、該樹脂組成物を硬化させることにより、高い耐熱性、耐光性、及び耐熱衝撃性を有し、特に、光半導体装置の耐吸湿リフロー性を向上させることが可能な硬化物を形成することができる。このため、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を光半導体封止用樹脂組成物として使用した場合には、特に、高湿条件下で保管した後にリフロー工程で加熱処理した場合でも光度低下等の劣化が生じにくい、耐久性及び品質の高い光半導体装置を得ることができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置の一実施形態を示す概略図である。左側の図(a)は斜視図であり、右側の図(b)は断面図である。 実施例のはんだ耐熱性試験における光半導体装置の表面温度プロファイル(二度の加熱処理のうち一方の加熱処理における温度プロファイル)の一例である。
<硬化性エポキシ樹脂組成物>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)と、酸無水物硬化剤(B)(「硬化剤(B)」と称する場合がある)と、チオール基を有するシランカップリング剤(C)(「シランカップリング剤(C)」と称する場合がある)と、後述の式(1)で表される化合物(第4級アンモニウム有機カルボン酸塩)である硬化促進剤(D)(「硬化促進剤(D)」と称する場合がある)とを必須成分として含む組成物(硬化性組成物)である。
[エポキシ化合物(A)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ化合物(A)は、分子内に1個以上のエポキシ基(オキシラン環)を有する化合物であり、公知乃至慣用のエポキシ化合物から任意に選択して用いることができる。エポキシ化合物(A)としては、例えば、芳香族エポキシ化合物(芳香族エポキシ樹脂)、脂肪族エポキシ化合物(脂肪族エポキシ樹脂)、脂環式エポキシ化合物(脂環式エポキシ樹脂)(「脂環式エポキシ化合物(A1)」と称する場合がある)、複素環式エポキシ化合物(複素環式エポキシ樹脂)、分子内にエポキシ基を1個以上有するシロキサン誘導体等が挙げられる。
上記芳香族エポキシ化合物としては、例えば、芳香族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂[例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)」と称する場合がある)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)等、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンから得られるエポキシ樹脂等]等が挙げられる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)として、脂環式エポキシ化合物(A1)及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)を必須成分として含む。これにより、硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の耐熱性、密着性、及び耐熱衝撃性を共立させることができる。中でも、エポキシ化合物(A)として、脂環式エポキシ化合物(A1)及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)のみからなることが特に好ましい。
上記脂環式エポキシ化合物(A1)は、分子内に1個以上の脂環(脂肪族炭化水素環)と1個以上のエポキシ基とを有する化合物である(但し、上述の分子内にエポキシ基を1個以上有するシロキサン誘導体は除かれる)。脂環式エポキシ化合物(A1)としては、例えば、(i)分子内に脂環エポキシ基(脂環を構成する隣接する2個の炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基)を少なくとも1個(好ましくは2個以上)有する化合物;(ii)脂環に直接単結合で結合したエポキシ基を有する化合物;(iii)脂環とグリシジル基とを有する化合物等が挙げられる。
上述の(i)分子内に脂環エポキシ基を少なくとも1個有する化合物が有する脂環エポキシ基としては、特に限定されないが、中でも、硬化性の観点で、シクロヘキセンオキシド基(シクロヘキサン環を構成する隣接する2個の炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基)が好ましい。特に、(i)分子内に脂環エポキシ基を少なくとも1個有する化合物としては、硬化物の透明性、耐熱性の観点で、分子内に2個以上のシクロヘキセンオキシド基を有する化合物が好ましく、より好ましくは下記式(I)で表される化合物である。
Figure 0006401041
上記式(I)中、Zは単結合又は連結基(1以上の原子を有する二価の基)を示す。上記連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート基、アミド基、これらが複数個連結した基等が挙げられる。なお、式(I)におけるシクロヘキサン環(シクロヘキセンオキシド基)を構成する炭素原子の1以上には、アルキル基等の置換基が結合していてもよい。
上記式(I)中のZが単結合である化合物としては、3,4,3',4'−ジエポキシビシクロヘキサン等が挙げられる。
上記2価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。上記2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等が挙げられる。
上記炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基(「エポキシ化アルケニレン基」と称する場合がある)におけるアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基等の炭素数2〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルケニレン基(アルカポリエニレン基も含まれる)等が挙げられる。特に、上記エポキシ化アルケニレン基としては、炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化されたアルケニレン基が好ましく、より好ましくは炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化された炭素数2〜4のアルケニレン基である。
上記連結基Zとしては、特に、酸素原子を含有する連結基が好ましく、具体的には、−CO−、−O−CO−O−、−COO−、−O−、−CONH−、エポキシ化アルケニレン基;これらの基が複数個連結した基;これらの基の1又は2以上と2価の炭化水素基の1又は2以上とが連結した基等が挙げられる。2価の炭化水素基としては上記で例示したものが挙げられる。
上記式(I)で表される脂環式エポキシ化合物(A1)の代表的な例としては、下記式(I−1)〜(I−10)で表される化合物、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン、1,2−エポキシ−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)プロパン等が挙げられる。なお、下記式(I−5)、(I−7)中のl、mは、それぞれ1〜30の整数を表す。下記式(I−5)中のRは炭素数1〜8のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等の炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。下記式(I−9)、(I−10)中のn1〜n6は、それぞれ1〜30の整数を示す。
Figure 0006401041
Figure 0006401041
上述の(ii)脂環に直接単結合で結合したエポキシ基を有する化合物としては、例えば、下記式(II)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006401041
式(II)中、R'は、構造式上、p価のアルコールの構造式からp個の水酸基(−OH)を除いた基(p価の有機基)であり、p、nはそれぞれ自然数を表す。p価のアルコール[R'−(OH)p]としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール等の多価アルコール(炭素数1〜15のアルコール等)等が挙げられる。pは1〜6が好ましく、nは1〜30が好ましい。pが2以上の場合、それぞれの( )内(外側の括弧内)の基におけるnは同一でもよく異なっていてもよい。上記式(II)で表される化合物としては、具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物[例えば、商品名「EHPE3150」((株)ダイセル製)等]等が挙げられる。
上述の(iii)脂環とグリシジル基とを有する化合物としては、例えば、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]プロパン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を水素化したもの(水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)等;ビス[o,o−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[o,p−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[p,p−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を水素化したもの(水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂)等;水添ビフェノール型エポキシ樹脂;水添ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、水添フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAの水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);水添ナフタレン型エポキシ樹脂;トリスフェノールメタンから得られるエポキシ樹脂の水添エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記脂環式エポキシ化合物(A1)としては、その他、例えば、1,2,8,9−ジエポキシリモネン等が挙げられる。
上記脂環式エポキシ化合物(A1)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、上記脂環式エポキシ化合物(A1)としては、例えば、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド2081」(以上、(株)ダイセル製)等の市販品を使用することもできる。
上記脂環式エポキシ化合物(A1)としては、上記式(I−1)で表される化合物[3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート;例えば、商品名「セロキサイド2021P」((株)ダイセル製)等]が特に好ましい。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)は、分子内に1個以上のビスフェノールA骨格と1個以上のエポキシ基とを有する化合物である。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)のエポキシ当量は、特に限定されないが、2000(g/当量)以下が好ましく、より好ましくは1000以下である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)のエポキシ当量を2000以下とすることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎないようにし、取り扱い性が向上する傾向がある。上記エポキシ当量の下限は、特に限定されないが、例えば30以上、好ましくは50以上である。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、10000以下が好ましく、より好ましくは8000以下である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)の重量平均分子量を10000以下とすることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎないようにし、取り扱い性が向上する傾向がある。上記重量平均分子量の下限は、特に限定されないが、例えば60以上、好ましくは100以上である。なお、重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定できる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)としては、例えば、商品名「YD−128」(新日鐡住金化学(株)製製)等の市販品を使用することもできる。
上記複素環式エポキシ化合物としては、例えば、分子内にエポキシ基(オキシラン環)以外の複素環[例えば、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環、クロマン環、イソクロマン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロチオピラン環、アジリジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、インドリン環、2,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン環、1,3,5−トリアザシクロヘキサン環、1,3,5−トリアザシクロヘキサ−2,4,6−トリオン環(イソシアヌル環)等の非芳香族性複素環;チオフェン環、ピロール環、フラン環、ピリジン環等の芳香族性複素環等]と、エポキシ基とを有する化合物が挙げられる。
上述の分子内にエポキシ基を1個以上有するシロキサン誘導体(「エポキシ基含有シロキサン誘導体」と称する場合がある)としては、分子内にシロキサン結合(Si−O−Si)により構成されたシロキサン骨格を有し、エポキシ基を1個以上有する化合物である。上記シロキサン骨格としては、例えば、環状シロキサン骨格;直鎖又は分岐鎖状のシリコーン(直鎖又は分岐鎖状ポリシロキサン)や、かご型やラダー型のポリシルセスキオキサン等のポリシロキサン骨格等が挙げられる。上記エポキシ基含有シロキサン誘導体が分子内に有するエポキシ基の数は、特に限定されないが、2〜4個が好ましく、より好ましくは3個又は4個である。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物においてエポキシ化合物(A)は、公知乃至慣用の方法により製造することもできるし、市販品を使用することもできる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における脂環式エポキシ化合物(A1)の割合は、エポキシ化合物(A)の全量(100重量%)に対して、10〜40重量%であり、好ましくは15〜38重量%、より好ましくは20〜35重量%である。脂環式エポキシ化合物(A1)の割合を10重量%以上とすることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性が向上したり、硬化物の耐熱性が向上する。一方、脂環式エポキシ化合物(A1)の割合を40重量%以下とすることにより、硬化物の耐熱衝撃性が向上する。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物におけるビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)の割合は、エポキシ化合物(A)の全量(100重量%)に対して、60〜90重量%であり、好ましくは62〜85重量%、より好ましくは65〜80重量%である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)の割合を60重量%以上とすることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の密着性が向上したり、耐熱衝撃性が向上する。一方、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)の割合を90重量%以下とすることにより、硬化物の耐熱性が向上する。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における脂環式エポキシ化合物(A1)とビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)の合計の割合は、エポキシ化合物(A)の全量(100重量%)に対して、特に限定されないが、70重量%以上が好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。上記合計の割合を70重量%以上とすることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性、硬化物の耐熱性、耐熱衝撃性、密着性が向上する。なお、上記合計の割合の上限は100重量%であってもよい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ化合物(A)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、10〜95重量%が好ましく、より好ましくは15〜90重量%、さらに好ましくは20〜85重量%である。エポキシ化合物(A)の含有量を上記範囲に制御することにより、硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性がより向上したり、硬化物の耐熱性や機械強度がより向上する傾向がある。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における、エポキシ化合物(A)、硬化剤(B)、シランカップリング剤(C)、及び、硬化促進剤(D)の全量(100重量%)に対するエポキシ化合物(A)の割合は、特に限定されないが、20〜66.7重量%が好ましく、より好ましくは30〜60重量%、さらに好ましくは40〜55重量%である。エポキシ化合物(A)の割合を20重量%以上とすることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性がより向上したり、硬化物の耐熱性がより向上する傾向がある。一方、エポキシ化合物(A)の割合を66.7重量%以下とすることにより、硬化物の耐熱衝撃性がより向上する傾向がある。
[硬化剤(B)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の必須成分のひとつである硬化剤(B)は、酸無水物硬化剤であり、エポキシ化合物と反応することにより硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させる働きを有する化合物である。さらに、硬化剤として酸無水物硬化剤(B)を用いることにより、着色が抑制され、色相に優れた硬化物が得られる傾向がある。
硬化剤(B)としては、特に限定されず、エポキシ樹脂用硬化剤として周知慣用の酸無水物類を使用することができ、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸等)、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等)、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸(1−メチル無水ナジック酸、5−メチル無水ナジック酸等)、水素化メチルナジック酸無水物、4−(4−メチル−3−ペンテニル)テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、無水セバシン酸、無水ドデカン二酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物(1−メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物等)、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。中でも、取り扱い性の観点で、25℃で液状の酸無水物[例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等]が好ましい。一方、25℃で固体状の酸無水物については、例えば、25℃で液状の酸無水物に溶解させて液状の混合物とすることで、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における硬化剤(B)としての取り扱い性が向上する傾向がある。また、硬化剤(B)としては、硬化物の耐熱性、透明性の観点で、飽和単環炭化水素ジカルボン酸の無水物(環にアルキル基等の置換基が結合したものも含む)が好ましい。
なお、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において硬化剤(B)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、硬化剤(B)としては、市販品を使用することもでき、例えば、商品名「リカシッド MH−700」、「リカシッド MH−700F」(以上、新日本理化(株)製);商品名「HN−5500」(日立化成工業(株)製)等が挙げられる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における硬化剤(B)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量100重量部に対して、50〜200重量部が好ましく、より好ましくは80〜150重量部である。より具体的には、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ基を有する化合物におけるエポキシ基1当量あたり、0.5〜1.5当量となる割合で使用することが好ましい。硬化剤(B)の含有量を50重量部以上とすることにより、硬化を十分に進行させることができ、硬化物の強靭性がより向上する傾向がある。一方、硬化剤(B)の含有量を200重量部以下とすることにより、着色が抑制され、色相に優れた硬化物が得られる傾向がある。
なお、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、硬化剤(B)とともに、硬化剤(B)以外の硬化剤(他の硬化剤)を用いてもよい。上記他の硬化剤としては、例えば、アミン類(アミン系硬化剤)、ポリアミド樹脂、イミダゾール類(イミダゾール系硬化剤)、ポリメルカプタン類(ポリメルカプタン系硬化剤)、フェノール類(フェノール系硬化剤)、ポリカルボン酸類、ジシアンジアミド類、有機酸ヒドラジド等が挙げられる。
[シランカップリング剤(C)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の必須成分のひとつであるシランカップリング剤(C)は、分子内にチオール基を有するシランカップリング剤であり、主に、硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の基板等の被接着体に対する接着性を向上させる働きを有する。
シランカップリング剤(C)としては、特に限定されないが、下記式:
(ORB3-k(RCkSiRASH
で表される化合物が好ましい。上記式中、RAは炭素数1〜12の2価の有機基(好ましくは炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基)を示し、RBは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基(好ましくは炭素数1〜3の炭化水素基、より好ましくはメチル基、エチル基)を示し、RCは水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基(好ましくは炭素数1〜3の炭化水素基、より好ましくはメチル基、エチル基)を示し、kは0〜3の整数(好ましくは0)を示す。RB及びRCにおける置換基としては、例えば、1価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基等);1価の芳香族炭化水素基(例えば、アリール基等);1価の複素環式基;脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基の2以上が結合して形成された1価の有機基等が挙げられる。なお、1価の有機基は置換基(例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子等の置換基)を有していてもよい。なお、RC又はORBが複数存在する場合、それぞれのRC又はORBは、それぞれ、同一であってもよいし異なっていてもよい。
上記式で表されるシランカップリング剤(C)としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤(C)を硬化性エポキシ樹脂組成物に添加する際は、シランカップリング剤(C)単独で添加してもよく、あらかじめエポキシ化合物(A)と混合させたものを添加してもよい。また、シランカップリング剤(C)をあらかじめ加水分解させてエポキシ化合物(A)と混合させたものを添加してもよい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物におけるシランカップリング剤(C)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.01〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜2重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。シランカップリング剤(C)の含有量を0.01重量%以上とすることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の基板等の被接着体に対する接着性がより向上し、硬化物の耐吸湿リフロー性がより向上する傾向がある。一方、シランカップリング剤(C)の含有量を3重量%以下とすることにより、着色が抑制され、色相に優れた硬化物が得られる傾向がある。
なお、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、シランカップリング剤(C)とともに、シランカップリング剤(C)以外のシランカップリング剤(例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)を用いてもよい。
[硬化促進剤(D)]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の必須成分のひとつである硬化促進剤(D)は、下記式(1)で表される化合物(第4級アンモニウム有機カルボン酸塩)であり、エポキシ化合物(A)等のエポキシ基を有する化合物が硬化剤(B)により硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物である。さらに、硬化促進剤として下記式(1)で表される化合物を使用することにより、硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物の耐熱衝撃性及び耐吸湿リフロー性を向上させることができる。
Figure 0006401041
上記式(1)中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基を示す。上記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数1〜10の脂環式アルキル基等が挙げられる。上記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基等の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基;シクロヘキシル基等の脂環式アルキル基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基、ブチル基、オクチル基である。なお、複数のR1は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(1)中、R2は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。上記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基等の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。中でも、メチル基、ブチル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。
上記式(1)中、X-は、カルボン酸の共役塩基を示す。上記カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息香酸、イソブチル安息香酸、tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、アニス酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、イソプロポキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、ニトロ安息香酸、フルオロ安息香酸、レゾルシン酸、ナフタレンカルボン酸、ビフェニルカルボン酸等の炭素数7〜14の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の炭素数7〜14の芳香族多価カルボン酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、オクチル酸、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、フェニル酢酸、クロロ酢酸、グリコール酸、乳酸等の炭素数1〜18の脂肪族モノカルボン酸;シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンニ酸、ドデカンニ酸、ヘキサデカンニ酸、ヘプタデカンニ酸、オクタデカンニ酸、メチルマロン酸、エチルチリマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルエチルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、メチルエチルコハク酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の炭素数1〜18の脂肪族多価カルボン酸;シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等の炭素数6〜18脂環式多価カルボン酸;フェノール、p−フロロフェノール、β−ナフトール、ニトロフェノール、カテコール、レゾルシン、ジクロロフェノ−ル、ビフェノール、ビスフェノールA等のフェノール類が挙げられる。中でも、炭素数1〜12の脂肪族モノ又は多価カルボン酸、炭素数6〜12の脂環式モノ又は多価カルボン酸が好ましく、より好ましくは炭素数1〜12の脂肪族モノカルボン酸、さらに好ましくは炭素数4〜10の脂肪族モノカルボン酸である。
上記式(1)で表される化合物、即ち硬化促進剤(D)としては、具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムヘキサン酸塩、テトラブチルアンモニウムオクチル酸塩、テトラブチルアンモニウムヘキサン酸塩、テトラブチルアンモニウムオクチル酸塩、トリオクチルメチルアンモニウムオクチル酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩等が挙げられる。中でも、テトラメチルアンモニウムヘキサン酸塩、テトラメチルアンモニウムオクチル酸塩、テトラブチルアンモニウムヘキサン酸塩、テトラブチルアンモニウムオクチル酸塩、及びトリオクチルメチルアンモニウムオクチル酸塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物が好ましい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における硬化促進剤(D)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量100重量部に対して、0.05〜7重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜6重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部、特に好ましくは0.5〜3重量部である。硬化促進剤(D)の含有量を0.05重量部以上とすることにより、いっそう効率的な硬化促進効果が得られ、硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物は、耐熱衝撃性及び耐吸湿リフロー性をより向上させることができる傾向がある。一方、硬化促進剤(D)の含有量を7重量部以下とすることにより、着色が抑制され、色相に優れた硬化物が得られる傾向がある。
なお、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤(D)とともに、硬化促進剤(D)以外の硬化促進剤(他の硬化促進剤)を用いてもよい。上記他の硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩等);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩等);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール;リン酸エステル、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレート等のホスホニウム化合物;オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛等の有機金属塩;金属キレート等が挙げられる。
[添加剤]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で各種添加剤を含有していてもよい。上記添加剤として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の水酸基を有する化合物を含有させると、反応を緩やかに進行させることができる。その他にも、粘度や透明性を損なわない範囲内で、シリコーン系やフッ素系消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、シリカ、アルミナ等の無機充填剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、蛍光体(例えば、YAG系の蛍光体微粒子、シリケート系蛍光体微粒子等の無機蛍光体微粒子等)、離型剤、ゴム粒子(例えば、コアシェル構造を有するゴム粒子等)等の慣用の添加剤を使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、特に限定されないが、上記の各成分を、必要に応じて加熱した状態で撹拌・混合することにより調製することができる。なお、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、各成分があらかじめ混合されたものをそのまま使用する1液系の組成物として使用することもできるし、例えば、別々に保管しておいた2以上の成分を使用前に所定の割合で混合して使用する多液系(例えば、2液系)の組成物として使用することもできる。上記撹拌・混合の方法は、特に限定されず、例えば、ディゾルバー、ホモジナイザー等の各種ミキサー、ニーダー、ロール、ビーズミル、自公転式撹拌装置等の公知乃至慣用の撹拌・混合手段を使用できる。また、撹拌・混合後、真空下にて脱泡してもよい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、25℃において液体(液状)であることが好ましい。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、特に限定されないが、100〜10000mPa・sが好ましく、より好ましくは200〜9000mPa・s、さらに好ましくは300〜8000mPa・sである。25℃における粘度を100mPa・s以上とすることにより、注型時の作業性が向上したり、硬化物の耐熱性がより向上する傾向がある。一方、25℃における粘度を10000mPa・s以下とすることにより、注型時の作業性が向上したり、硬化物に注型不良に由来する不具合が生じにくくなる傾向がある。なお、硬化性エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、デジタル粘度計(型番「DVU−EII型」、(株)トキメック製)を用いて、ローター:標準1°34′×R24、温度:25℃、回転数:0.5〜10rpmの条件で測定することができる。
<硬化物>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させることにより、高い透明性、耐熱性、及び耐光性を有し、耐熱衝撃性に優れた硬化物(本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物を「本発明の硬化物」と称する場合がある)を得ることができる。硬化の手段としては、加熱処理や光照射処理等の公知乃至慣用の手段を利用できる。加熱により硬化させる際の温度(硬化温度)は、特に限定されないが、45〜200℃が好ましく、より好ましくは50〜190℃、さらに好ましくは55〜180℃である。また、硬化の際に加熱する時間(硬化時間)は、特に限定されないが、30〜600分が好ましく、より好ましくは45〜540分、さらに好ましくは60〜480分である。硬化温度と硬化時間が上記範囲の下限値より低い場合は硬化が不十分となり、逆に上記範囲の上限値より高い場合は樹脂成分の分解が起きる場合があるので、いずれも好ましくない。硬化条件は種々の条件に依存するが、例えば、硬化温度を高くした場合は硬化時間を短く、硬化温度を低くした場合は硬化時間を長くする等により、適宜調整することができる。また、硬化は、一段階で行うこともできるし、二段階以上の多段階で行うこともできる。
本発明の硬化物の波長450nmの光の光線透過率[厚み3mm換算]は、特に限定されないが、80%以上(例えば、80%以上、100%未満)が好ましく、より好ましくは82%以上である。光線透過率が80%未満であると、硬化性エポキシ樹脂組成物を光半導体装置における光半導体素子の封止剤やダイアタッチペースト剤などとして使用した場合に、光半導体装置から発せられる光度が低くなる場合がある。なお、上記光線透過率は、例えば、分光光度計(例えば、商品名「UV−2400」、(株)島津製作所製)を使用して測定することができる。
<光半導体封止用樹脂組成物>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、光半導体装置における光半導体素子を封止するための樹脂組成物、即ち、光半導体封止用樹脂組成物(光半導体装置における光半導体素子の封止剤)として好ましく使用できる。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を光半導体封止用樹脂組成物として用いることにより、高い透明性、耐熱性、耐光性を有し、耐熱衝撃性に優れた硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置が得られる。上記光半導体装置は、熱衝撃や高温の熱が加えられた場合でも光度低下が生じにくく、耐久性が高い。
<光半導体装置>
本発明の光半導体装置は、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物(光半導体封止用樹脂組成物)の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置である。光半導体素子の封止は、例えば、上述の方法で調製した硬化性エポキシ樹脂組成物を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化して行うことができる。これにより、硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置が得られる。硬化温度と硬化時間は、硬化物の調製時と同様の範囲で適宜設定することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、上述の光半導体素子の封止用途に限定されず、例えば、接着剤、電気絶縁材、積層板、コーティング、インク、塗料、シーラント、レジスト、複合材料、透明基材、透明シート、透明フィルム、光学素子、光学レンズ、光学部材、光造形、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基板、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリ等の各種用途に使用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表1に示す各成分の配合割合の単位は重量部である。
製造例1
硬化剤(商品名「リカシッドMH−700」、新日本理化(株)製)100重量部、硬化促進剤としてテトラメチルアンモニウムヘキサン酸塩0.5重量部、及びエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)1重量部を、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎 AR−250」、(株)シンキー製、以下同じ)を用いて混合し、エポキシ硬化剤(K剤)を製造した。
製造例2
硬化剤(商品名「リカシッドMH−700」、新日本理化(株)製)100重量部、硬化促進剤としてテトラメチルアンモニウムオクチル酸塩0.5重量部、及びエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)1重量部を、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎 AR−250」、(株)シンキー製、以下同じ)を用いて混合し、エポキシ硬化剤(K剤)を製造した。
製造例3
硬化剤(商品名「リカシッドMH−700」、新日本理化(株)製)100重量部、硬化促進剤としてテトラブチルアンモニウムヘキサン酸塩0.5重量部、及びエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)1重量部を、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎 AR−250」、(株)シンキー製、以下同じ)を用いて混合し、エポキシ硬化剤(K剤)を製造した。
製造例4
硬化剤(商品名「リカシッドMH−700」、新日本理化(株)製)100重量部、硬化促進剤としてテトラブチルアンモニウムオクチル酸塩0.5重量部、及びエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)1重量部を、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎 AR−250」、(株)シンキー製、以下同じ)を用いて混合し、エポキシ硬化剤(K剤)を製造した。
製造例5
硬化剤(商品名「リカシッドMH−700」、新日本理化(株)製)100重量部、硬化促進剤としてトリオクチルメチルアンモニウムオクチル酸塩0.5重量部、及びエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)1重量部を、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎 AR−250」、(株)シンキー製、以下同じ)を用いて混合し、エポキシ硬化剤(K剤)を製造した。
製造例6
硬化剤(商品名「リカシッドMH−700」、新日本理化(株)製)100重量部、硬化促進剤として商品名「U−CAT 18X」(サンアプロ(株)製)、0.5重量部、及びエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)1重量部を、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎 AR−250」、(株)シンキー製、以下同じ)を用いて混合し、エポキシ硬化剤(K剤)を製造した。
実施例1〜3
まず、表1に示す配合割合(単位:重量部)で、商品名「セロキサイド2021P」((株)ダイセル製)、及び商品名「YD−128」(新日鐡住金化学(株)製)、シランカップリング剤(商品名「Z−6062」、東レ・ダウコーニング(株)製)を、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、(株)シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡して、エポキシ樹脂を作製した。
次に、表1に示す配合割合(単位:重量部)となるように、上記で得たエポキシ樹脂と、製造例1で得たエポキシ硬化剤を自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、(株)シンキー製)を使用して均一に混合し、脱泡して、硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
さらに、上記で得た硬化性エポキシ樹脂組成物を図1に示す光半導体のリードフレーム(InGaN素子、3.5mm×2.8mm)に注型した後、120℃のオーブン(樹脂硬化オーブン)で5時間加熱することで、上記硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物により光半導体素子が封止された光半導体装置を得た。なお、図1において、100はリフレクター(光反射用樹脂組成物)、101は金属配線、102は光半導体素子、103はボンディングワイヤ、104は硬化物(封止材)を示す。
実施例4
製造例1で得たエポキシ硬化剤を製造例2で得たエポキシ硬化剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。また、実施例1と同様にして光半導体装置を作製した。
実施例5
製造例1で得たエポキシ硬化剤を製造例3で得たエポキシ硬化剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。また、実施例1と同様にして光半導体装置を作製した。
実施例6
製造例1で得たエポキシ硬化剤を製造例4で得たエポキシ硬化剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。また、実施例1と同様にして光半導体装置を作製した。
実施例7
製造例1で得たエポキシ硬化剤を製造例5で得たエポキシ硬化剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。また、実施例1と同様にして光半導体装置を作製した。
比較例1〜3
エポキシ樹脂の組成を表1に示す組成に変更したこと、及び、製造例1で得たエポキシ硬化剤を製造例6で得たエポキシ硬化剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。また、実施例1と同様にして光半導体装置を作製した。
比較例4
シランカップリング剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。また、実施例1と同様にして光半導体装置を作製した。
比較例5
シランカップリング剤を用いなかったこと以外は比較例3と同様にして、硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。また、実施例1と同様にして光半導体装置を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた光半導体装置について、下記の評価試験を実施した。
[光線透過率]
実施例及び比較例で得られた硬化性エポキシ樹脂組成物を型に充填し、120℃のオーブン(樹脂硬化オーブン)で5時間加熱することで、厚みが3mmの硬化物を得た。得られた硬化物の波長450nmの光の光線透過率(厚み方向)を、分光光度計(商品名「UV−2400」、(株)島津製作所製)を用いて測定した(「光線透過率」とする)。結果を表1の「光線透過率」の欄に示す。
[熱衝撃試験]
実施例及び比較例で得られた光半導体装置(各硬化性エポキシ樹脂組成物につき2個ずつ用いた)に対し、−40℃の雰囲気下に30分曝露し、続いて、100℃の雰囲気下に30分曝露することを1サイクルとした熱衝撃を、熱衝撃試験機を用いて200サイクル分与えた。その後、光半導体装置における硬化物に生じたクラックの長さを、デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−900」、(株)キーエンス製)を使用して観察し、光半導体装置2個のうち、硬化物に長さが90μm以上のクラックが発生した光半導体装置の個数を計測した。結果を表1の「熱衝撃試験[クラック数]」の欄に示す。
[はんだ耐熱性試験]
実施例及び比較例で得られた光半導体装置(各硬化性エポキシ樹脂組成物につき2個ずつ用いた)を、30℃、60%RHの条件下で192時間静置して吸湿処理した。次いで、上記光半導体装置をリフロー炉に入れ、下記加熱条件にて加熱処理した。その後、上記光半導体装置を室温環境下に取り出して放冷した後、再度リフロー炉に入れて同条件で加熱処理した。即ち、当該はんだ耐熱性試験においては、光半導体装置に対して下記加熱条件による熱履歴を二度与えた。
〔加熱条件(光半導体装置の表面温度基準)〕
(1)予備加熱:150〜190℃で60〜120秒
(2)予備加熱後の本加熱:217℃以上で60〜150秒、最高温度260℃
但し、予備加熱から本加熱に移行する際の昇温速度は最大で3℃/秒に制御した。
図2には、リフロー炉による加熱の際の光半導体装置の表面温度プロファイル(二度の加熱処理のうち一方の加熱処理における温度プロファイル)の一例を示す。
その後、デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−900」、(株)キーエンス製)を使用して光半導体装置を観察し、電極剥離(電極表面からの硬化物の剥離)が発生したか否かを評価した。光半導体装置2個のうち、電極剥離が発生した光半導体装置の個数を表1の「はんだ耐熱性試験[電極剥離数]」の欄に示した。
[ダイシェア試験]
実施例及び比較例で得られた硬化性エポキシ樹脂組成物を使用したダイシェア試験を、以下の手順で実施した。
AgメッキしたCu基板上に、接着面積が1.25mm×1.25mmとなるように硬化性エポキシ樹脂組成物を塗布しSiチップを載せた。次に、これを150℃で2時間加熱し、硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて、テストサンプルを作製した。このテストサンプルについて、ダイシェアテスター(商品名「DAGE 4000」、(株)アークテック製)を用いて、300μm/秒の速度で、25℃でのダイシェア強度を評価した。結果を表1の「ダイシェア試験[N]」の欄に示す。
[総合判定]
各試験の結果、下記(1)〜(3)をいずれも満たすものを○(良好)と判定した。一方、下記(1)〜(3)のいずれかを満たさない場合には×(不良)と判定した。
(1)熱衝撃試験:硬化物に長さが90μm以上のクラックが発生した光半導体装置の個数が0個
(2)はんだ耐熱性試験:電極剥離が発生した光半導体装置の個数が0個
(3)ダイシェア試験:ダイシェア強度が40Nを超える値
結果を表1の「総合判定」の欄に示す。
Figure 0006401041
なお、実施例、比較例で使用した成分は、以下の通りである。
YD−128:商品名「YD−128」[ビスフェノールA型エポキシ樹脂]、新日鐵化学(株)製
セロキサイド2021P:商品名「セロキサイド2021P」[3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート]、(株)ダイセル製
Z−6062:商品名「Z−6062」[3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン]、東レ・ダウコーニング(株)製
MH−700:商品名「リカシッド MH−700」[4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30]、新日本理化(株)製
エチレングリコール:和光純薬工業(株)製
U−CAT 18X:商品名「U−CAT 18X」[アミン系硬化促進剤]、サンアプロ(株)製
試験機器
・樹脂硬化オーブン
エスペック(株)製 GPHH−201
・熱衝撃試験機
エスペック(株)製 小型冷熱衝撃装置 TSE−11−A
・リフロー炉
日本アントム(株)製、UNI−5016F
100:リフレクター(光反射用樹脂組成物)
101:金属配線(電極)
102:光半導体素子
103:ボンディングワイヤ
104:硬化物(封止材)

Claims (8)

  1. エポキシ化合物(A)と、酸無水物硬化剤(B)と、チオール基を有するシランカップリング剤(C)と、下記式(1)
    Figure 0006401041
    [式中、R1は、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基を示す。R2は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。X-は、カルボン酸の共役塩基を示す。]
    で表される化合物である硬化促進剤(D)とを含み、
    前記エポキシ化合物(A)として、脂環式エポキシ化合物(A1)及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)を含み、前記脂環式エポキシ化合物(A1)は分子内に脂環エポキシ基を少なくとも1個有する化合物を含み、エポキシ化合物(A)100重量%に対する前記脂環式エポキシ化合物(A1)の割合が10〜40重量%、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A2)の割合が60〜90重量%であることを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記硬化促進剤(D)が、テトラメチルアンモニウムヘキサン酸塩、テトラメチルアンモニウムオクチル酸塩、テトラブチルアンモニウムヘキサン酸塩、テトラブチルアンモニウムオクチル酸塩、及びトリオクチルメチルアンモニウムオクチル酸塩からなる群より選ばれた1種以上の化合物である請求項1に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ化合物(A)の含有量が20〜95重量%である請求項1又は2に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記硬化剤(B)の含有量が前記硬化性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ基を有する化合物の全量100重量部に対して80〜200重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記シランカップリング剤(C)の含有量が0.1〜3重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物硬化物。
  7. 光半導体封止用樹脂組成物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
  8. 光半導体素子と、該光半導体素子を封止する封止材とを含み、前記封止材が請求項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする光半導体装置。
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