JP6400519B2 - 電磁界模擬装置 - Google Patents

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本発明は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置に関するものである。
近年、携帯型情報端末や家電機器に充電用の電力をワイヤレス電力伝送により供給する中電力(数百W)のワイヤレス電力伝送システム(以下、適宜に「WPTシステム」と呼称する)が普及しつつあり、また、電気自動車に充電用の電力を供給する大電力(数kW)のWPTシステムも、今後の実用化に向けて開発が進められており、このようなWPTシステムにより、利用者が充電を行う際の利便性を格段に向上させることができる。
近時、WPTシステムから漏えいする電磁界が電子機器に及ぼす影響を評価することが必要とされている。このとき、WPTシステムには様々な構成のものがあるため、WPTシステムの実機が設置された実環境で影響評価を行うことは、期間およびコストの面で現実的ではない。そこで、WPTシステムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置が求められる。
このような電磁界模擬装置に関連する技術として、従来、制御部によって高周波信号の周波数、振幅、位相、および波形を変化させることで、任意の電磁界分布を発生させ、任意の空間放射特性を実現する技術が知られている。この技術では、波長に比べて充分に微小なサイズの複数の電磁界放射部を配置し、制御部の動的な制御に応じて各電磁界放射部が放射する電磁界の重ね合わせの結果として、任意形状の電磁界分布を有する電磁界を発生させることができるとされている。
特開2014−22832号公報
さて、WPTシステムでは、給電ケーブルを介して商用電源の電力を送電装置に給電するようにしており、送電装置から漏えいする電磁界に加えて、給電ケーブルから漏えいする電磁界も問題となる。しかしながら、前記従来の技術では、WPTシステムの送電装置から漏えいする電磁界を相応の精度で再現することができるものの、給電ケーブルから漏えいする電磁界を再現することはできないため、WPTシステムから漏えいする電磁界を模擬する精度を十分に高めることができないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができるように構成された電磁界模擬装置を提供することにある。
本発明の電磁界模擬装置は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置であって、交流信号を発生する第1の発振器と、この第1の発振器の出力信号を増幅する第1の増幅器と、この第1の増幅器の出力信号を電磁波として空間に放射する電磁波放射部と、交流信号を発生する第2の発振器と、この第2の発振器の出力信号を増幅する第2の増幅器と、模擬対象となるワイヤレス電力伝送システムに給電する電源と略同一の定格を有する電源部と、この電源部に一端が接続された模擬電力線と、この模擬電力線の他端に接続された負荷と、前記第2の増幅器の出力信号を前記模擬電力線に重畳する重畳部と、を備えた構成とする。
本発明によれば、電磁波放射部から発生する電磁界により、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置から漏えいする電磁界を再現することができる。そして、模擬電力線から発生する電磁界により、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置に給電する給電ケーブルから漏えいする電磁界を再現することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができる。
本実施形態に係る電磁界模擬装置の概略構成図 本実施形態に係る電磁界模擬装置の概略構成図 住宅に設置された電気自動車用のWPTシステムの給電ケーブルの配線状況を示す説明図 図3に示したWPTシステムにおける磁界強度の測定結果を示すグラフ 模擬電力線7から発生する磁界HPLを求めるための計算モデルを示す説明図 模擬電力線7からの距離に応じた磁界の減衰特性を示すグラフ
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置であって、交流信号を発生する第1の発振器と、この第1の発振器の出力信号を増幅する第1の増幅器と、この第1の増幅器の出力信号を電磁波として空間に放射する電磁波放射部と、交流信号を発生する第2の発振器と、この第2の発振器の出力信号を増幅する第2の増幅器と、模擬対象となるワイヤレス電力伝送システムに給電する電源と略同一の定格を有する電源部と、この電源部に一端が接続された模擬電力線と、この模擬電力線の他端に接続された負荷と、前記第2の増幅器の出力信号を前記模擬電力線に重畳する重畳部と、を備えた構成とする。
これによると、電磁波放射部から発生する電磁界により、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置から漏えいする電磁界を再現することができる。そして、模擬電力線から発生する電磁界により、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置に給電する給電ケーブルから漏えいする電磁界を再現することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができる。
また、第2の発明は、前記模擬電力線は、指向性が異なる電磁波を放射するように折れ線状に設けられた構成とする。
これによると、模擬電力線を折れ線状に設けることで、ワイヤレス電力伝送システムの給電ケーブルから漏えいする電磁界の分布状況を高い精度で再現することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界をより一層精度良く模擬することができる。
また、第3の発明は、前記負荷は、複素インピーダンスの抵抗分及びリアクタンス分を任意に設定できる電子負荷を用いる構成とする。
これによると、電子負荷により実際のWPTシステムの複素インピーダンスを模擬することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界をより一層精度良く模擬することができる。
また、第4の発明は、さらに、前記第1の発振器および前記第2の発振器の周波数、ならびに前記第1の増幅器および前記第2の増幅器の利得を任意に制御可能な制御部を備えた構成とする。
これによると、制御部により、第1の発振器および第2の発振器の周波数を制御することで、模擬対象となるワイヤレス電力伝送システムと同様の周波数の電磁波を発生させることができる。また、制御部により、第1の増幅器および第2の増幅器の利得を制御することで、電磁波放射部による磁界と模擬電力線による磁界との割合を変化させることができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界をより一層精度良く模擬することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、本実施形態に係る電磁界模擬装置の概略構成図である。
この電磁界模擬装置は、WPTシステムから漏えいする電磁界を模擬して発生するものであり、第1の発振器1と、第1の増幅器2と、電磁波放射部3と、第2の発振器4と、第2の増幅器5と、電源部6と、模擬電力線7と、電子負荷8と、重畳部9と、制御部10と、を備えている。
第1の発振器1および第2の発振器4は、任意の周波数の高周波信号(交流信号)を発生するものであり、アナログ式またはディジタル式の発振回路を備えた周波数可変型の発振器である。本実施形態では、第1の発振器1および第2の発振器4はともに、模擬対象となるWPTシステムの駆動周波数と略同一の周波数の高周波信号を発生する。
第1の増幅器2および第2の増幅器5は、それぞれ第1の発振器1および第2の発振器4の出力信号を増幅するものであり、例えば、入力した信号をトランジスタ等を用いて増幅する増幅器や正負両極性についてリニアに増幅するバイポーラ電源等である。
電磁波放射部3は、WPTシステムの送電装置から漏えいする電磁界を再現するものであり、第1の増幅器2から出力される高周波信号を電磁波として空間に放射する。この電磁波放射部3は、入力した電気信号を電磁波として空間に放射する放射素子で構成され、所望の電磁波を空間へ放射することができるものであればよく、例えば、コイル、ループアンテナ、モノポールアンテナ、電界アンテナなどを使用することができる。
電源部6は、模擬対象となるWPTシステムにおける送電装置に給電する電源と略同一の定格(電圧および周波数など)を有する。この電源部6は、交流商用電源に接続され、この交流商用電源が、模擬対象となるWPTシステムの送電装置に給電する電源と略同一の定格を有するものであれば、その電力をそのまま出力し、異なる定格を有するものであれば、適宜に電力を変換して出力する。
模擬電力線7は、WPTシステムの送電装置に給電する給電ケーブルから漏えいする電磁界を再現するものであり、この模擬電力線7の一端は重畳部9を介して電源部6に接続されており、模擬電力線7の他端は電子負荷8に接続されている。本実施形態では、模擬電力線7は、単相2線、すなわち、2本の導線7a,7bを有している。
また、図1に示す例では、模擬電力線7は、直線状に延びた状態で配線されている。図2に示す例では、模擬電力線7は、折れ線状に配線されており、直線状に延びた第1の直線状配線部11と、この第1の直線状配線部11に対して略直交する方向に延びた第2の直線状配線部12とを有している。このように、模擬電力線7を、複数の直線状配線部で折れ線状に設けることで、指向性が異なる電磁波を放射することができる。
この模擬電力線7の配線の形態、すなわち、直線状配線部の数、長さおよび角度などは、模擬対象となるWPTシステムに給電する給電ケーブルの実際の配線状況に応じて設定すればよい。したがって、図2に示す例のように、直線状配線部を2つ有する構成に限定されるものではなく、直線状配線部を3つ以上有する構成としてもよい。また、図2に示す例のように、直線状配線部を互いに略直交する方向に設けた構成に限定されるものではなく、直線状配線部は種々の角度に配置することができる。
電子負荷8は、模擬電力線7の2本の導線7a,7bを流れる電流の振幅と位相を変化させるものである。この電子負荷8は、模擬電力線7の負荷として接続されるが、模擬対象となるWPTシステムの固有の複素インピーダンスに相当するように、その抵抗分およびリアクタンス分を設定することができ、これにより、模擬対象となるWPTシステムと同等の電流の振幅と位相を模擬電力線7で再現することができる。
重畳部9は、第2の増幅器5から出力される信号を模擬電力線7に重畳するものである。ここで、第2の発振器4の周波数f2は、模擬対象となるWPTシステムの駆動周波数と略同一であり、例えば85kHzや1MHzなどとなるが、電源部6から模擬電力線7に供給される電力の周波数は、模擬対象となるWPTシステムに供給される電力と略同一の周波数であり、例えば60Hzとなり、第2の発振器4の周波数f2は電源部6の周波数より十分に大きいため、第2の増幅器5から出力される信号を模擬電力線7に重畳することで、WPTシステムで用いられる周波数の信号がノイズとして模擬電力線7に載った状態となる。
制御部10は、第1の発振器1および第2の発振器4の周波数、ならびに第1の増幅器2および第2の増幅器5の利得を任意に制御するものである。この制御部10により、第1の発振器1および第2の発振器4が、模擬対象となるWPTシステムの駆動周波数と略同一の周波数に制御される。また、制御部10により、第1の増幅器2および第2の増幅器5の利得を調整することで、電磁波放射部3による磁界と、模擬電力線7による磁界との割合を変化させることができ、これにより、WPTシステムから漏えいする電磁界をより一層精度良く模擬することができる。
また、制御部10は、電源部6を制御して、電源部6から所要の電力を出力させ、また、電子負荷8の抵抗分およびリアクタンス分を制御して、模擬電力線7に流れる電流の振幅と位相を調整する。
次に、模擬対象となるWPTシステムについて説明する。図3は、住宅に設置された電気自動車用のWPTシステムの給電ケーブルの配線状況を示す説明図である。図4は、図3に示したWPTシステムにおける磁界強度の測定結果を示すグラフである。
図3に示すように、WPTシステムの送電装置が住宅に隣接する駐車スペースに設置され、この送電装置から電気自動車に搭載された受電装置にワイヤレス電力伝送により電力が伝送され、電気自動車に搭載された蓄電池が充電される。
住宅には、商用電源の電力(例えばAC200V)を送電装置に供給するための給電ケーブルが配線されている。この給電ケーブルは、駐車スペース側の第1の壁パネル(壁1)に沿って垂直方向に延びた部分と、1階と2階とを隔てる床パネルに沿って水平方向に延びた部分と、メータ側の第3の壁パネル(壁3)に沿って垂直方向に延びた部分とによりコ字形状に配線されている。
このようなWPTシステムでは、動作時に発生する送電装置からの伝導ノイズによって給電ケーブルから磁界が発生し、住宅内には、送電装置から漏えいする磁界と、給電ケーブルの3つの直線状配線部から漏えいする磁界とが合成された合成磁界が発生する。
ここで、送電装置の中心からの水平方向に観測位置をずらしながら磁界強度を測定したところ、図4に示すようなグラフが得られる。図4においてx[m]は送電装置の中心からの水平方向の距離を表す。このグラフから明らかなように、送電装置の中心からの水平方向の距離が大きくなるに応じて磁界強度が概ね減衰する傾向となり、特に、住宅外側では、3次減衰、すなわち、概ね距離の3乗に比例して磁界強度が減衰する。ところが、住宅内側では、第3の壁パネル(壁3)の近傍で磁界強度が高くなり、また、磁界強度の減衰の傾きが小さくなる場合がある。このような磁界強度の複雑な変化は、図3に示したように給電ケーブルが折れ線状に配線されていることによるものと考えられる。
このような場合、図2に示したように、模擬電力線7を折れ線状に配線することで、模擬対象となるWPTシステムにおける給電ケーブルの実際の配線状況に近似することができ、WPTシステムの給電ケーブルから漏えいする磁界の分布状況を精度よく再現することができる。
なお、図4は、駐車スペースの地面を基準にした測定高lmで電磁界プローブにより測定したものである。また、送電装置は、スパイラル型コイルを備え、周波数85kHzで駆動される。
次に、図1および図2に示した制御部10の作用について説明する。本電磁界模擬装置では、電磁波放射部3から発生する磁界HWPTと、模擬電力線7から発生する磁界HPLnを加算した合成磁界Hが発生し、制御部10により、第1の増幅器2の利得gおよび第2の増幅器5の利得gを調整することで、電磁波放射部3による磁界HWPTと、模擬電力線7による磁界HPLnとの割合を変化させることができる。
ここで、図1に示したように、模擬電力線7が直線状に延びた状態で配線されている場合、すなわち、直線状配線部が1つである場合には、合成磁界Hは、次式のように表される。
Figure 0006400519
また、図2に示したように、模擬電力線7が複数の直線状配線部を有する場合には、合成磁界Hは、次式のように表される。
Figure 0006400519
ここで、nは模擬電力線7の直線状配線部の数である。
次に、図1および図2に示した模擬電力線7から発生する磁界HPLについて説明する。図5は、模擬電力線7から発生する磁界HPLを求めるための計算モデルを示す説明図である。図6は、模擬電力線7からの距離に応じた磁界の減衰特性を示すグラフである。なお、図6では、距離xの軸を対数目盛で示している。
本実施形態では、模擬電力線7の負荷として、模擬対象となるWPTシステムの固有の複素インピーダンスに相当する抵抗分とリアクタンス分を設定できる電子負荷8が模擬電力線7に接続されている。この電子負荷8により、実際のWPTシステムの複素インピーダンスを模擬することができ、模擬電力線7に流れる電流の振幅と位相を変化させることで、模擬電力線7から発生する磁界の特性、特に模擬電力線7からの距離に応じた磁界の減衰特性を変化させることができる。
ここで、WPTシステムでは交流の駆動信号が利用されているが、この駆動信号では、周波数が100kHz程度まででは波長が数kmとなる。例えば85kHzの場合には波長は約3.5kmとなる。一方、WPTシステムの給電ケーブルの配線長は長くても十数m程度であり、WPTシステムの駆動信号の波長は給電ケーブルの配線長に比較して充分長くなる。このため、駆動信号の周波数が100kHz程度まででは、給電ケーブルの線電流は殆ど変化せず、定常電流とみなすことができる。したがって、本電磁界模擬装置における模擬電力線7の2本の導線7a,7bに流れる線電流I,Iは、次式のように定常電流とすることができる。
Figure 0006400519
ここで、Iは定常電流であり、係数ρは、線電流I,Iの比率、すなわち、線電流I,Iのバランスの崩れ度合いを表す数値であり、模擬電力線7の2本の導線7a,7bに互いに逆方向に流れる線電流I,Iの見かけ上の振幅差を表す。
このように、模擬電力線7の線電流I,Iを定常電流Iとみなすと、模擬電力線7から発生する磁界HPLnは次式で表わされる。
Figure 0006400519
ここで、図5に示すように、模擬電力線7の1つの直線状配線部から発生する磁界HPLは、平行な2本の導線7a,7bに逆方向の電流が流れたときに、導線7a,7bから発生する磁界HPLa,HPLbをベクトル加算したものである。また、xは、2本の導線7a,7bの中心から観測点Pまでの距離であり、lは、模擬電力線7の長さであり、dは、2本の導線7a,7bの間隔である。なお、具体例として、定常電流I、模擬電力線7の線分の長さl、および導線間隔dはそれぞれ、I=107.1dBμA、l=6m、d=7.2mmとなる。
この式4をグラフで表すと、図6に示すようになる。この図6に示すように、係数ρが1から離れると、磁界減衰曲線の傾きが小さくなる、すなわち、模擬電力線7から離れてもあまり減衰しない特性となる。例えば、ρ=1.02(振幅差が2%)では、磁界減衰曲線がほぼ1次減衰となり、−20dB/Dec、すなわち、距離が10倍になるごとに20dBずつ下がる場合の減衰特性に近似する。
また、電子負荷8を設定するにあたっては、模擬対象となるWPTシステムの複素インピーダンスを観測し、その抵抗分及びリアクタンス分と合致するように電子負荷8の抵抗分及びリアクタンス分を設定すればよいが、模擬電力線7にノイズとして重畳される信号の周波数f2が高くなるのに応じて、磁界減衰曲線の傾きが徐々に緩やかになる傾向があるため、模擬対象となるWPTシステムの有する複素インピーダンスに合致するように電子負荷8を設定しても、適切な磁界減衰特性が得られない場合があり、この場合、本電磁界模擬装置において所要の磁界減衰特性が得られるように、模擬対象となるWPTシステムの複素インピーダンスとは異なるように設定値を調整することもできる。
また、本電磁界模擬装置において漏えい電磁界の影響評価を行う際に、磁界の減衰特性を適宜に調整することで、WPTシステムからの実際の距離より短い距離で漏えい電磁界の影響評価を行うことができる。このため、スペースが限られた実験室内で多様な条件による漏えい電磁界の影響評価を簡単に行うことができる。
以上のように、本実施形態では、交流信号を発生する第1の発振器1と、この第1の発振器1の出力信号を増幅する第1の増幅器2と、この第1の増幅器2の出力信号を電磁波として空間に放射する電磁波放射部3と、交流信号を発生する第2の発振器4と、この第2の発振器4の出力信号を増幅する第2の増幅器5と、模擬対象となるWPTシステムに給電する電源と略同一の定格を有する電源部6と、この電源部6に一端が接続された模擬電力線7と、この模擬電力線7の他端に接続された負荷としての電子負荷8と、第2の増幅器5の出力信号を模擬電力線7に重畳する重畳部9と、を備えたものとした。
このような構成により、電磁波放射部3から3次減衰曲線で表される電磁界分布を発生させることができ、これにより、WPTシステムの送電装置から漏えいする電磁界を再現することができる。また、模擬電力線7から2次〜1次減衰曲線で表される電磁界分布を発生させることができ、これにより、WPTシステムに給電する給電ケーブルから漏えいする電磁界を再現することができる。このため、WPTシステムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができる。
また、本実施形態では、模擬電力線7が、指向性が異なる電磁波を放射するように折れ線状に設けられた構成としており、これにより、WPTシステムの給電ケーブルから漏えいする電磁界の分布状況を高い精度で再現することができる。このため、WPTシステムから漏えいする電磁界をより一層精度良く模擬することができる。
また、本実施形態では、模擬電力線7に接続される負荷として、複素インピーダンスの抵抗分及びリアクタンス分を任意に設定できる電子負荷8を用いる構成としており、この電子負荷8により実際のWPTシステムの複素インピーダンスを模擬することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界をより一層精度良く模擬することができる。
また、本実施形態では、制御部10において、第1の発振器1および第2の発振器4の周波数を任意に制御する構成としており、これにより、模擬対象となるWPTシステムと同様の周波数の電磁波を発生させることができる。また、制御部10において、第1の増幅器2および第2の増幅器5の利得を任意に制御する構成としており、これにより、電磁波放射部3による磁界と模擬電力線7による磁界との割合を変化させることができる。このため、WPTシステムから漏えいする電磁界をより一層精度良く模擬することができる。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る電磁界模擬装置の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
本発明に係る電磁界模擬装置は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができる効果を有し、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置などとして有用である。
1 発振器
2 増幅器
3 電磁波放射部
4 発振器
5 増幅器
6 電源部
7 模擬電力線、7a,7b 導線
8 電子負荷
9 重畳部
10 制御部
11,12 直線状配線部

Claims (4)

  1. ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置であって、
    交流信号を発生する第1の発振器と、
    この第1の発振器の出力信号を増幅する第1の増幅器と、
    この第1の増幅器の出力信号を電磁波として空間に放射する電磁波放射部と、
    交流信号を発生する第2の発振器と、
    この第2の発振器の出力信号を増幅する第2の増幅器と、
    模擬対象となるワイヤレス電力伝送システムに給電する電源と略同一の定格を有する電源部と、
    この電源部に一端が接続された模擬電力線と、
    この模擬電力線の他端に接続された負荷と、
    前記第2の増幅器の出力信号を前記模擬電力線に重畳する重畳部と、
    を備えたことを特徴とする電磁界模擬装置。
  2. 前記模擬電力線は、指向性が異なる電磁波を放射するように折れ線状に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の電磁界模擬装置。
  3. 前記負荷は、複素インピーダンスの抵抗分及びリアクタンス分を任意に設定できる電子負荷を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁界模擬装置。
  4. さらに、前記第1の発振器および前記第2の発振器の周波数、ならびに前記第1の増幅器および前記第2の増幅器の利得を任意に制御可能な制御部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁界模擬装置。
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