JP6501587B2 - 電磁界模擬装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置に関するものである。
近年、携帯型情報端末や家電機器に充電用の電力をワイヤレス電力伝送により供給する中電力(数百W)のワイヤレス電力伝送システム(以下、適宜に「WPTシステム」と呼称する)が普及しつつあり、また、電気自動車に充電用の電力を供給する大電力(数kW)のWPTシステムも、今後の実用化に向けて開発が進められており、このようなWPTシステムにより、利用者が充電を行う際の利便性を格段に向上させることができる。
近時、WPTシステムから漏えいする電磁界が電子機器に及ぼす影響を評価することが必要とされている。このとき、WPTシステムには様々な構成のものがあるため、WPTシステムの実機が設置された実環境で影響評価を行うことは、期間およびコストの面で現実的ではない。そこで、WPTシステムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置が求められる。
このような電磁界模擬装置に関連する技術として、従来、制御部によって高周波信号の周波数、振幅、位相、および波形を変化させることで、任意の電磁界分布を発生させ、任意の空間放射特性を実現する技術が知られている。この技術では、波長に比べて充分に微小なサイズの複数の電磁界放射部を配置し、制御部の動的な制御に応じて各電磁界放射部が放射する電磁界の重ね合わせの結果として、任意形状の電磁界分布を有する電磁界を発生させることができるとされている。
特開2014−22832号公報
さて、WPTシステムでは、送電装置の電源ケーブルを商用電源のコンセントに接続して電力を送電装置に供給するようにしており、送電装置に設けられた送電コイルから漏えいする電磁界に加えて、電源ケーブルから漏えいする電磁界も問題となる。しかしながら、前記従来の技術では、WPTシステムの送電装置から漏えいする電磁界を相応の精度で再現することができるものの、電源ケーブルから漏えいする電磁界を再現することはできないため、WPTシステムから漏えいする電磁界を模擬する精度を十分に高めることができないという問題があった。
特に、WPTシステムから漏えいする電磁界が電子機器に及ぼす影響を評価するにあたっては、漏えいする電磁界の強度のみではなくその軸成分も問題となることから、電磁界の強度だけでなく各方向の軸成分も精度よく再現することが望まれる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができ、特に、電磁界の強度のみならず軸成分も高い精度で再現することができるように構成された電磁界模擬装置を提供することにある。
本発明の電磁界模擬装置は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置であって、交流信号を発生する信号発生器と、この信号発生器の出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力信号を電磁界として空間に放射する放射部と、この放射部および前記増幅器の間に設けられた整合部と、前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部が収容される筐体と、前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部の少なくともいずれかに一端が電気的に接続されて、他端側が前記筐体の外部の空間に延出された、1方向に長い導電体と、を備えた構成とする。
また、本発明の電磁界模擬装置は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置であって、交流信号を発生する信号発生器と、この信号発生器の出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力信号を電磁界として空間に放射する放射部と、この放射部および前記増幅器の間に設けられた整合部と、前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部が収容される第1の筐体と、前記信号発生器および前記増幅器の少なくとも一方を収容し、導電性を有する第2の筐体と、一端が前記第2の筐体と電気的に接続されて、他端側が前記第1の筐体の外部の空間に延出された、1方向に長い導電体と、を備えたことを構成とする。
本発明によれば、放射部から発生する電磁界に導電体から発生する電磁界が合成されることで、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置およびこの送電装置に給電する電源ケーブルからそれぞれ漏えいする電磁界が合成された合成電磁界を再現することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができ、特に、電磁界の強度だけでなく軸成分も高い精度で再現することができる。
第1実施形態に係る電磁界模擬装置の斜視図 図1に示した電磁界模擬装置の概略構成図 模擬対象となるWPTシステムの電源ケーブルの状況を示す説明図 本電磁界模擬装置からの距離に応じた磁界強度の変化状況を示すグラフ 第2実施形態に係る電磁界模擬装置の概略構成図
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置であって、交流信号を発生する信号発生器と、この信号発生器の出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力信号を電磁界として空間に放射する放射部と、この放射部および前記増幅器の間に設けられた整合部と、前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部が収容される筐体と、前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部の少なくともいずれかに一端が接続されて、他端側が前記筐体の外部の空間に延出された、1方向に長い導電体と、を備えた構成とする。
これによると、放射部から発生する電磁界に導電体から発生する電磁界が合成されることで、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置およびこの送電装置に給電する電源ケーブルからそれぞれ漏えいする電磁界が合成された合成電磁界を再現することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができ、特に、電磁界の強度だけでなく軸成分も高い精度で再現することができる。
また、第2の発明は、前記導電体を複数備えた構成とする。
これによると、複数の導電体の各々から発生する電磁界が合成されることで、多様な軸成分を有する電磁界を再現することができる。このため、導電体の向きが制限された状態でも、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度よく模擬することができる。
また、第3の発明は、前記導電体は、前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部の少なくともいずれかに、リアクタンス回路、位相回路およびフィルタ回路の少なくともいずれかを介して接続された構成とする。
これによると、導電体の電気長や、導電体に流れる電流の周波数特性および位相などを変化させることができることから、導電体から発生する電磁界の強度および軸成分を高い自由度をもって調整することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界をより一層精度よく模擬することができる。
また、第4の発明は、前記放射部は、コイルで構成され、前記導電体は、前記コイルの中心軸に概ね沿う方向に延出された構成とする。
これによると、コイルのみでは十分に再現することが難しい方向の軸成分を導電体から発生する磁界により再現することができる。このため、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界をより一層精度よく模擬することができる。
また、第5の発明は、前記導電体は、屈曲可能な可撓性を有する構成とする。
これによると、導電体の向きを自由に変化させることができるため、導電体から発生する電磁界の軸成分を高い自由度をもって調整することができる。このため、簡単な構成で低コストに様々なワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬することができる。この場合、コイルに対する位置関係が、模擬対象となるワイヤレス電力伝送システムにおける電源ケーブルの送電コイルに対する位置関係と略同一となるように導電体の向きを調整するようにするとよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電磁界模擬装置の斜視図である。図2は、図1に示した電磁界模擬装置の概略構成図である。なお、図1では、筐体4を透視して内部に収容された部品を示している。
この電磁界模擬装置は、送信部1と、整合部2と、コイル(放射部)3と、筐体4と、地線(導電体)5と、を備えている。
送信部1は、信号発生器6および増幅器7と、この信号発生器6および増幅器7を収容する筐体8とから構成されている。筐体8は、金属材で形成され、導電性を有している。
信号発生器6は、所定の周波数の高周波信号(交流信号)を発生するものであり、アナログ式またはディジタル式の発振回路を備えた発振器である。本実施形態では、模擬対象となるWPTシステムの駆動周波数と略同一の周波数の高周波信号を発生する。増幅器7は、信号発生器6の出力信号を増幅するものであり、例えば、入力した信号をトランジスタ等のスイッチング動作を用いて増幅するものである。なお、模擬対象となるWPTシステムで利用される周波数帯に応じて、送信部1を交換して使用するようにするとよい。
整合部2は、コイル3のインピーダンスを送信部1の出力に整合させるものである。この整合部2により送信部1とコイル3との間のインピーダンス整合を行うことで、送信部1の出力における反射による損失を小さくすることができ、送信部1の出力信号が効率よくコイル3に入力される。この整合部2は、コイル3の両端および送信部1に接続される回路構成を有し、インピーダンス整合を行うコンデンサが実装されている(図2参照)。なお、模擬対象となるWPTシステムで利用される周波数に応じて、整合部2をコンデンサ定数が異なるものに交換して使用するようにするとよい。
コイル(放射部)3は、整合部2を介して送信部1から入力される高周波信号を電磁界として空間に放射するものである。本実施形態では、コイル3に、導線を平面上に渦巻き状に巻回した渦巻き型のものが用いられる。コイル3の導線には、導電率の高い銅材などによる単線やリッツ線などの線材を用いればよい。コイル3の導線の両端は整合部2に接続されている(図2参照)。このコイル3は、周波数に応じて、線材、直径や巻き数が異なるものに交換することで、数kHzから数GHzの周波数に対応することができる。
筐体4は、送信部1(信号発生器6および増幅器7)、整合部2、コイル3を内部に保持収容するものであり、絶縁性で比誘電率が小さくかつ所要の強度を有する樹脂材などで構成されている。
地線(導電体)5は、導電性の線材で構成された屈曲可能な可撓性を有するケーブルであり、送信部1の金属製の筐体8に一端が接続され、他端側が筐体4の外部の空間に延出されている。この地線5の他端側は、筐体4の外部の空間に露出し、解放されている。また、地線5は、屈曲可能な可撓性を有するため、向きを自由に調整することができる。また、地線5は、他の物体とできるだけ接触しないように設けられることが望ましく、例えば、地線5を筐体4からぶら下げるなどして、地線5の他端側が宙に浮く状態とするとよい。
また、地線5は、長く設けるようにするとよい。本電磁界模擬装置を稼働すると、信号発生器6と同一の周波数の高周波電流が地線5に流れ、地線5から電磁界が発生する。地線5を長くすると、地線5から発生する電磁界の強度が高くなり、WPTシステムから漏えいする電磁界を模擬する精度を高めることができる。
この地線5の長さは、望ましくは、信号発生器6の高周波信号の1/20波長から1/4波長程度とするとよい。また、1/20波長以下でも相応の効果はある。例えば、信号発生器6の高周波信号の周波数が6.78MHzの場合、波長は44mとなることから、1/20波長で地線5の長さを設定すると約2.2mとなる。このように、地線5の長さは、信号発生器6の高周波信号の周波数に応じて設定され、模擬対象となるWPTシステムの駆動周波数が異なるものに変更されると、その駆動周波数に応じて地線5の長さを調整するとよい。
なお、地線5は、導線を被覆したものの他、被覆のない裸線であってもよい。また、地線5には、平衡2線や同軸線などのケーブルを用いるようにしてもよい。
このように構成された本電磁界模擬装置を稼働すると、送信部1から高周波信号がコイル3に入力されて、コイル3から磁界が発生し、同時に地線5に高周波電流が流れるため、コイル3から発生する磁界の他に、地線5からも磁界が発生する。図1に示す例では、地線5を筐体4から垂らすようにしており、地線5は、垂直方向に延びた状態となっており、本電磁界模擬装置を稼働して地線5に高周波電流が流れると、地線5の周囲に磁力線の向きが水平方向となる磁界が発生する。
なお、本実施形態では、XYZ直交座標系が設定されている。X軸およびY軸は、コイル3の径方向であり、互いに直交する。また、Z軸は、コイル3の中心軸の方向である。また、図1に示す例では、コイル3が水平状態に配置され、筐体4から垂らすように設けられた地線5はZ軸方向に延びた状態となる。
また、本実施形態では、地線5の一端を送信部1の金属製の筐体8に接続する、すなわち、送信部1内の信号発生器6および増幅器7に接続するようにしたが、この地線5の一端は、信号発生器6、増幅器7、整合部2およびコイル3の少なくともいずれかに接続されていればよい。また、信号発生器6、増幅器7、および整合部2をグラウンド(基準電位)に接続するとともに、地線5の一端もグラウンドに接続するようにしてもよい(図2参照)。
なお、信号発生器6を、任意の周波数の高周波信号を発生する周波数可変型のもので構成して、図示しない制御部により信号発生器6の周波数を制御するようにしてもよい。また、増幅器7を、利得を調整可能なもので構成して、制御部により増幅器7の利得を制御するようにしてもよい。
次に、模擬対象となるWPTシステムについて説明する。図3は、タブレット端末用のWPTシステムの電源ケーブルの状況を示す説明図である。
このWPTシステムは、ワイヤレス充電器(送電装置)21でワイヤレス電力伝送によりタブレット端末22を充電するものであり、ワイヤレス充電器(送電装置)21の内部には送電コイル23が設けられており、タブレット端末22の内部には受電コイル24が設けられている。タブレット端末22をワイヤレス充電器21に載置して、ワイヤレス充電器21を稼働させると、送電コイル23と受電コイル24との間でワイヤレス電力伝送が行われて、タブレット端末22が充電される。ワイヤレス充電器21には電源ケーブル25を商用電源のコンセント26に接続することで電力が供給される。
ここで、ワイヤレス充電器21を稼働すると、送電コイル23から電磁界が発生する。また、ワイヤレス充電器21からの伝導ノイズにより電源ケーブル25に高周波電流が流れ、これにより電源ケーブル25からも電磁界が発生する。このとき、電源ケーブル25が、ワイヤレス充電器21の駆動信号の1/4波長から1/20波長程度の長さであると、電源ケーブル25に高周波電流が流れやすい。例えば、周波数が6.78MHzのとき、波長はおよそ44mなので、電源線が長さ2.2mであれば、1/20波長に相当する。
このようにWPTシステムでは、稼働時に送電コイル23から電磁界が発生してこの電磁界が室内に漏えいし、同時に電源ケーブル25からも電磁界が発生してこの電磁界が室内に漏えいし、室内に漏えいする電磁界は、送電コイル23から漏えいする電磁界と、電源ケーブル25から漏えいする電磁界が合成されたものとなる。このため、このようなWPTシステムを模擬する電磁界模擬装置では、送電コイル23から漏えいする電磁界に加えて電源ケーブル25から漏えいする電磁界も模擬する必要がある。
そこで、本実施形態では、前記のように、地線5を設けて、コイル3から電磁界を発生させると同時に地線5からも電磁界を発生させるようにした。そして、地線5に、屈曲可能な可撓性を有するケーブルを用いて、コイル3に対する位置関係が、模擬対象となるWPTシステムにおける電源ケーブル25の送電コイル23に対する位置関係と略同一となるように地線5の向きを調整するようにする。特に、地線5を、模擬対象となるWPTシステムの電源ケーブル25と略同一の方向に延びた状態となるようにする。
これにより、コイル3から発生する電磁界により、WPTシステムの送電コイル23から漏えいする電磁界を再現することができ、さらに、地線5から発生する電磁界により、WPTシステムの電源ケーブル25から漏えいする電磁界を再現することができ、特に、電磁界の強度だけでなく各方向の軸成分も高い精度で再現することができる。
次に、地線5の作用について説明する。図4は、本電磁界模擬装置からの距離に応じた磁界強度の変化状況を示すグラフであり、図4(A)に、地線5を有しない構成(比較例)の場合を示し、図4(B)に、地線5を有する本実施形態の構成の場合を示す。なお、図4では、距離の軸を対数目盛で示している。
本実施形態では、前記のように、地線5が設けられており、この地線5を筐体4から垂らすことで、地線5は、垂直方向(Z軸方向)に延びた状態となる。そして、本電磁界模擬装置を稼働すると、地線5に高周波電流が流れ、地線5の周囲に、磁力線の向きが水平方向(X軸方向およびY軸方向)となる磁界が発生する。
ここで、地線5を有しない構成、および地線5を有する本実施形態の構成の各々で、電磁界模擬装置から発生する磁界の強度を測定し、その測定結果を図4に示す。本実施形態では、図1に示したように、XYZ直交座標系が設定されており、X軸方向に観測点を移動させて磁界強度を測定した。なお、X軸およびY軸は、コイル3の径方向であり、互いに直交する。また、Z軸は、コイル3の中心軸の方向である。
図4に示すグラフから明らかなように、地線5を設けると、発生する磁界の特性が大きく変化する。具体的には、図4(B)に示すように、地線を有する本実施形態の場合には、図4(A)に示すように、地線を有しない比較例の場合と比較して、Y軸成分の磁界強度が高くなる。また、磁界強度の減衰特性も全体的に変化し、図4(B)に示す本実施形態の場合には、図4(A)に示す比較例の場合と比較して、減衰曲線の傾きが小さくなる。
このように、地線5を設けると、発生する磁界の特性を大きく変化させることができ、この磁界の特性は、図3に示したように、WPTシステムの送電コイル23および電源ケーブル25からそれぞれ漏えいする電磁界が合成された合成電磁界と近似したものとなり、特に、磁界の強度だけでなくXYZ直交座標系の各軸成分も高い精度で再現することができる。
以上のように、本実施形態では、交流信号を発生する信号発生器6と、この信号発生器6の出力信号を増幅する増幅器7と、この増幅器7の出力信号を電磁界として空間に放射するコイル(放射部)3と、このコイル3および増幅器7の間に設けられた整合部2と、信号発生器6、増幅器7、コイル3および整合部2が収容される筐体4と、信号発生器6、増幅器7、コイル3および整合部2の少なくともいずれかに一端が接続されて、他端側が筐体4の外部の空間に延出された地線(1方向に長い導電体)5と、を備えたものとした。
これによると、コイル3から発生する電磁界に地線5から発生する電磁界が合成されることで、WPTシステムの送電装置およびこの送電装置に給電する電源ケーブルからそれぞれ漏えいする電磁界が合成された合成電磁界を再現することができる。このため、WPTシステムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができ、特に、電磁界の強度だけでなく各方向の軸成分も高い精度で再現することができる。
また、本実施形態では、地線(導電体)5が、コイル3の中心軸に概ね沿う方向に延出されたものとした。これにより、コイル3のみでは十分に再現することが難しい方向の軸成分を地線5から発生する磁界により再現することができる。このため、WPTシステムから漏えいする電磁界をより一層精度よく模擬することができる。
また、本実施形態では、地線(導電体)5が、屈曲可能な可撓性を有するものとした。これにより、地線5の向きを自由に変化させることができるため、地線5から発生する電磁界の軸成分を高い自由度をもって調整することができる。このため、簡単な構成で低コストに様々なWPTシステムから漏えいする電磁界を模擬することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る電磁界模擬装置について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図5は、第2実施形態に係る電磁界模擬装置の概略構成図である。
この第2実施形態に係る電磁界模擬装置は、第1および第2の2本の地線31,32を備えている。さらに、この電磁界模擬装置は、第1および第2のリアクタンス回路33,34および第1および第2の位相回路35,36を備えている。第1の地線31は、第1のリアクタンス回路33および第1の位相回路35を介してグラウンドに接続されている。第2の地線32は、第2のリアクタンス回路34および第2の位相回路36を介してグラウンドに接続されている。
なお、図5に示した例では、2本の地線31,32を設けたが、地線を3本以上設けることも可能である。また、図5に示した例では、地線とグラウンドとの間に、リアクタンス回路および位相回路を配置したが、これに加えてフィルタ回路を配置するようにしてもよい。また、図5に示した例では、リアクタンス回路および移相回路の両方を地線とグラウンドとの間に配置したが、リアクタンス回路および移相回路の一方を地線とグラウンドとの間に配置してもよい。
以上のように、本実施形態では、地線(導電体)31,32を複数本備えている。これにより、複数の地線31,32の各々から発生する電磁界が合成されることで、多様な軸成分を有する電磁界を再現することができる。このため、地線31,32の向きが制限された状態でも、WPTシステムの電源ケーブルから漏えいする電磁界を精度よく模擬することができる。例えば、2本の地線31,32の向きが、WPTシステムの電源ケーブルの向きと大きく異なる状態でも、2本の地線31,32の各々から発生する電磁界が合成されることで、WPTシステムの電源ケーブルから漏えいする電磁界を精度よく再現することができる。
また、本実施形態では、地線(導電体)31,32が、信号発生器6、増幅器7、コイル3および整合部2の少なくともいずれかに、リアクタンス回路33,34、位相回路35,36およびフィルタ回路の少なくともいずれかを介して接続された構成とした。これにより、地線の電気長や、地線31,32に流れる電流の周波数特性および位相などを変化させることができることから、地線31,32から発生する電磁界の強度および軸成分を高い自由度をもって調整することができる。このため、WPTシステムから漏えいする電磁界をより一層精度よく模擬することができる。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態に示した本発明に係る電磁界模擬装置の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
例えば、前記の各実施形態では、導電体としての地線に、屈曲可能な可撓性を有するケーブルを用いるようにしたが、本発明における導電体は、このような可撓性を有するものに限定されない。本発明における導電体は、可撓性がなくても1方向に長いものであればよく、例えば、略直線上に延びた部分を有する棒状または線状の形態をなすものであればよい。
また、前記の第2実施形態では、地線を複数本設けて、各地線とグラウンドとの間にリアクタンス回路および位相回路を配置したが、前記の第1実施形態と同様に、地線を1本設けた構成でリアクタンス回路および位相回路を設けるようにしてもよい。
本発明に係る電磁界模擬装置は、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を精度良く模擬することができる効果を有し、ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置などとして有用である。
1 送信部
2 整合部
3 コイル
4 筐体
5 地線
6 信号発生器
7 増幅器
8 筐体
31,32 地線
33,34 リアクタンス回路
35,36 位相回路

Claims (6)

  1. ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置であって、
    交流信号を発生する信号発生器と、
    この信号発生器の出力信号を増幅する増幅器と、
    この増幅器の出力信号を電磁界として空間に放射する放射部と、
    この放射部および前記増幅器の間に設けられた整合部と、
    前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部が収容される筐体と、
    前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部の少なくともいずれかに一端が電気的に接続されて、他端側が前記筐体の外部の空間に延出された、1方向に長い導電体と、
    を備えたことを特徴とする電磁界模擬装置。
  2. 前記導電体を複数備えたことを特徴とする請求項1に記載の電磁界模擬装置。
  3. 前記導電体は、前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部の少なくともいずれかに、リアクタンス回路、位相回路およびフィルタ回路の少なくともいずれかを介して接続されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁界模擬装置。
  4. 前記放射部は、コイルで構成され、
    前記導電体は、前記コイルの中心軸に概ね沿う方向に延出されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁界模擬装置。
  5. 前記導電体は、屈曲可能な可撓性を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の電磁界模擬装置。
  6. ワイヤレス電力伝送システムから漏えいする電磁界を模擬して発生する電磁界模擬装置であって、
    交流信号を発生する信号発生器と、
    この信号発生器の出力信号を増幅する増幅器と、
    この増幅器の出力信号を電磁界として空間に放射する放射部と、
    この放射部および前記増幅器の間に設けられた整合部と、
    前記信号発生器、前記増幅器、前記放射部および前記整合部が収容される第1の筐体と、
    前記信号発生器および前記増幅器を収容し、導電性を有する第2の筐体と、
    一端が前記第2の筐体と物理的に接続されて、他端側が前記第1の筐体の外部の空間に延出された、1方向に長い導電体と、
    を備えたことを特徴とする電磁界模擬装置。
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