JP6399680B2 - シールド掘進用切削可能仮壁を有するケーソン - Google Patents
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Description
ケーソン周壁の一部にシールド掘進機で切削可能な仮壁を有し、
前記仮壁は、前記仮壁に対して、コンクリート中に主筋としてガラス繊維強化プラスチック製筋材が0.3体積%以上、10体積%以下にて埋め込まれている、
ことを特徴とするケーソンである。
本発明の一実施態様によれば前記仮壁は、前記仮壁に対して、コンクリート中に主筋としてガラス繊維強化プラスチック製筋材が0.3体積%以上、5体積%以下にて埋め込まれていることが好ましい。
図1は、ケーソン工法により、地中へと沈設されたケーソン1の概略断面図であり、本発明に係るシールド掘進機200で切削可能な仮壁100を有したケーソン1の一実施例を示す。図1に示す本実施例では、トンネル掘進用立坑として構築された1ロット目と2ロット目のケーソン1(1A、1B)が示されているが、説明を簡単にするために、1ロット目のケーソン1Aに、地中を掘削するシールド掘進機200の発進又は到達のための開口部、即ち、発進到達部を構成する、シールド掘進機200により切削可能な繊維補強仮壁100が形成されるものとして説明する。従って、以下の説明で、特に、1ロット目と2ロット目のケーソン1(1A、1B)を区別して説明する必要がある場合を除いては、1ロット目のケーソン1Aを単に「ケーソン1」と呼ぶこととする。
コンクリートの幅及び厚さ:1000mm
コンクリート強度:24N/mm2
ガラスロッドのヤング率:45000N/mm2
ガラスロッドの強度:960N/mm2
鉄筋(ガラスロッド)かぶり:50mm
上記説明では、仮壁100の主筋101は、図3(a)に示すように、円型断面を有した中実のロッド状のガラス繊維強化プラスチック、即ち、GFRPロッドにて構成されるものとして説明したが、これに限定されるものではない。図3(b)に示すように、中空管状のガラス繊維強化プラスチック、即ち、GFRP管にて構成することができる。内部にコンクリートが充填されないように、GFRP管の中空部には、切削性の良い樹脂103を充填しておくのが良い。樹脂としては、GFRPロッド101のマトリックス樹脂と同様に、常温硬化型或いは熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、或いは、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂であるか、又は、ナイロン或いはポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂とされる。
主筋101の形状は、図3(a)、(b)を参照して上述したように、ロッド状或いは管状とすることができるが、更に、図3(c)に図示するように、例えば、ロッド状の筋材101aの長手軸線方向に所定の間隔P(例えば、P=5〜30mm)で環状の突起104を有するように作製することができる。また、図3(d)に図示するように、ロッド状の筋材101aの長手軸線方向に所定のピッチP(例えば、P=5〜30mm)を有した螺旋状の突起104を有するように作製しても良い。勿論、図示してはいないが、管状の筋材に対しても環状或いは螺旋状の突起を形成しても良い。
実験条件
本発明者らは、コンクリートに対する主筋101としてのガラス繊維強化プラスチック製筋材(GFRPロッド)を含有した仮壁供試体1Sを作製して切削試験を行った。切削試験は、図4に示す切削試験設備を使用して、切削試験機にて面板を供試体に押し付けながら面板を回転させることにより仮壁供試体1Sを切削した。
(ガラス繊維強化プラスチック製筋材)
強化繊維:ガラス繊維(繊維径13μm)
樹脂: エポキシ樹脂
樹脂含浸量:50体積%
GFRPロッドの直径(dr):30mm
(コンクリート)
水セメント比:30重量%
砕石:普通砕石
28日強度(圧縮強度):50N/mm2
・ビット材質:E5
・ビット幅:25mm、先端R:1.5mm
の片刃フラットビットを、先行ビットを模して使用した。一定の摺動距離を切削後に、ビットの先端の減少量を測定した。
図5は、1本の上記ビットを用いて上記ガラス繊維強化プラスチック製筋材(GFRPロッド)を1本埋設したコンクリートブロック(仮壁供試体)1Sを切削した際のものである。
コンクリートに対する主筋としてのGFRPロッドの含有量を変化させて仮壁供試体1Sを作製して切削試験を行った。
図6(a)、(b)は、上記ビットを2本使用してGFRPロッドを1本埋設した仮壁供試体1Sを切削したものである。ビットは、上記のように25mm幅の平型であり、ビット間の削り残し幅は35mmである。GFRPロッド有り(図6(a))、GFRPロッド無し(図6(b))のケースとも60mmの深さまで削り込んでいる。
(1)切削効率が悪い。
(2)押し付け力が余分にかかる。
(3)余分なトルクが必要になる。
(4)先行ビット間のコンクリートをメインビットで削るため、振動がさらに大きくなる。
などのデメリットとなる。小型のシールド掘進機では装備トルク、ジャッキに余裕がないため、ビット間のコンクリートが残るとコンクリート壁を切削できない場合も生じる。
上記説明では、仮壁100の主筋101は全てガラス繊維強化プラスチック筋材(GFRP筋材)にて構成されるものとして説明したが、図7(a)、(b)に示すように、GFRP筋材101Gの他に炭素繊維を強化繊維とした繊維強化プラスチック、即ち、炭素繊維強化プラスチック筋材(CFRP筋材)101Cを混入しても良い。この場合、CFRP筋材101Cの仮壁100に対する含有量は、0.2体積%以上、2.5体積%未満とされる。
実験条件
本発明者らは、仮壁における主筋101としてコンクリート中にガラス繊維強化プラスチック筋材(GFRPロッド)101G及び炭素繊維強化プラスチック筋材(CFRPロッド)101Cを混入した仮壁供試体1Sを作製して切削試験を行った。切削試験は、図4に示す切削試験設備を使用して実施した。
(ガラス繊維強化プラスチック製筋材)
強化繊維:ガラス繊維(繊維径13μm)
樹脂: エポキシ樹脂
繊維含有量:50体積%
GFRPロッドの直径(dr):30mm
(炭素繊維強化プラスチック製筋材)
強化繊維:炭素繊維(繊維径7μm)
樹脂: エポキシ樹脂
繊維含有量:50体積%
CFRPロッドの直径(dr):30mm
(コンクリート)
水セメント比:30重量%
砕石:普通砕石
28日強度(圧縮強度):50N/mm2
・ビット材質:E5
・ビット幅:25mm、先端R:1.5mm
の片刃フラットビットを、先行ビットを模して使用した。一定の摺動距離を切削後に、ビットの先端の減少量を測定した。
(1)GFRPロッド及びCFRPロッドのような繊維強化プラスチック(FRP)ロッドの部分において、コンクリート部分に比べて振動/騒音が非常に低下し、この現象はGFRPロッドにおいて顕著である。
(2)FRPロッドの周辺をビットにて切削すると、FRPとコンクリートの付着が悪いためビット間のコンクリート及びロッド周辺のコンクリートが脱落する現象が生じる。このため、脱落した部分をビットで切削しないことが可能となる。
2 周壁
3 刃口
4 底板(底壁)
5 作業室
100 繊維補強仮壁
101(101G) ガラス繊維強化プラスチック筋材
101(101C) 炭素繊維強化プラスチック筋材
104 突起
200 シールド掘進機
Claims (9)
- ケーソン工法に適用されるコンクリート中に鉄筋を主筋として埋め込んだRC構造部材で作製されたケーソンであって、
ケーソン周壁の一部にシールド掘進機で切削可能な仮壁を有し、
前記仮壁は、前記仮壁に対して、コンクリート中に主筋としてガラス繊維強化プラスチック製筋材が0.3体積%以上、10体積%以下にて埋め込まれている、
ことを特徴とするケーソン。 - 前記仮壁は、前記仮壁に対して、コンクリート中に主筋としてガラス繊維強化プラスチック製筋材が0.3体積%以上、5体積%以下にて埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載のケーソン。
- 前記ガラス繊維強化プラスチック製筋材におけるガラス繊維の含有量は、30〜75体積%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーソン。
- 前記ガラス繊維強化プラスチック製筋材におけるマトリックス樹脂は、常温硬化型或いは熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、或いは、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂であるか、又は、ナイロン或いはポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のケーソン。
- 前記ガラス繊維強化プラスチック製筋材は、直径10〜65mmの中実のロッド状とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のケーソン。
- 前記ガラス繊維強化プラスチック製筋材は、外径20〜70mm、肉厚5〜25mmの中空の管状とされ、管内部には樹脂が充填されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のケーソン。
- 前記ガラス繊維強化プラスチック製筋材は、長手軸線方向に沿って環状の突起、或いは、螺旋状の突起を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のケーソン。
- 前記仮壁は、前記仮壁に対して、前記ガラス繊維強化プラスチック製筋材の他に炭素繊維強化プラスチック製筋材が0.2体積%以上、2.5体積%未満にて埋め込まれている、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載のケーソン。 - 前記ガラス繊維強化プラスチック製筋材は、前記仮壁の地山側コンクリート表面に近接してより多く配置することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載のケーソン。
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