JP6399284B2 - 積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法 - Google Patents

積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法に関するものである。
アモルファス合金は、優れた磁気特性を有することから、電力配電用トランス用磁心や電子・電気回路用磁心として採用されている。
アモルファス合金を磁心に用いるアモルファストランスは、電磁鋼板を磁心に用いた変圧器と比較して無負荷時の電流の損失を約1/3に抑えられることから、近年の省エネルギー化に適合した製品となっている。
アモルファス合金は、一般に単ロール法により、回転する銅合金製の冷却ロール上に、合金溶湯をノズルから吐出させて、急冷させることにより、合金リボンが鋳造、製造されることが多い。
電力配電用のアモルファストランス磁心は、特許文献1に例示されるように、上記薄板のアモルファス合金リボンを、鋳造方向(長手方向)に所定の長さに切断した後、位置合わせをしながら積層し、所定の位置で折り曲げ、磁心形状が形成される。
また、特許文献2には、複数の単層のアモルファス合金リボン保持スプールから、巻き出して、積層した後、再度巻いた積層アモルファス合金リボン保持スプールが記載されている。アモルファストランス磁心の作製において、このような積層アモルファス合金リボン保持スプールを使用することにより、積層アモルファス合金リボンを一度に切断して、更に積層することで磁心を作製できるため、切断回数が少なくなり、積層の位置合わせの工数も少なくなり、効率的なトランスの生産が可能となる。
特開平4−223313号公報 特開平4−241408号公報
ところで、アモルファス合金リボンは、前述の単ロール法により、連続して鋳造されるのが一般的である。鋳造された合金リボンは、所定の直径のスプール(芯)の周りに、所定の直径または、所定の質量になるまで、連続して巻き取られ、単層アモルファス合金リボン保持スプールが得られる。その後、別のスプール(芯)が、順次、供給されて、同様に巻き取られ、単層アモルファス合金リボン保持スプールが順次製造されるのが一般的である。
前記単ロール法で製造されるアモルファス合金リボンは、同一の鋳造ロットでさえも、合金リボン特性としての磁気特性や占積率が変動する。この要因としては、鋳造期間中の合金溶湯の組成変動、あるいは冷却ロールの表面状態の変化に起因する冷却速度の変動やリボンの表面状態の変動が挙げられる。
前述したように、複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールから、巻き出して得られた積層アモルファス合金リボン保持スプールを使用することで、効率的なトランス生産が可能となる。そのため、トランス磁心製造では、一般的に積層アモルファス合金リボン保持スプールが使用される。
積層アモルファス合金リボン保持スプールから製造されるトランス磁心のコアロスCL等の特性は、当然ながら前記トランス磁心を構成する積層アモルファス合金リボン、更には、前述したように単層アモルファス合金リボンの特性に依存する。そのため、積層アモルファス合金リボンの形成には、単層アモルファス合金リボンに対して目標とする特性のものを選択しておき、これを積層することが行なわれている。具体的には、特性としては不良となる閾値のみが指定される場合が多く、例えばコアロスCLの低い磁心を得ようとする場合には、コアロスCLの低い単層アモルファス合金リボンのみを予め選別して、これを積層している。
しかし、このようにリボンを選別して、そのリボンのみを使用する方法では、閾値に到達しないものは、不良として処分されることになってしまう。こうなると製造コストは高価格となってしまい、市場合理性を失ってしまう懸念がある。
本発明は、合理的なコストで磁心の製造に有効な多層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールから、単層アモルファス合金リボンを巻き出して、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法であって、単層アモルファス合金リボン保持スプール毎に巻き終わり端側からサンプルを採取し、該サンプルからコアロスCL特性を測定するリボン評価工程と、目標とする特性範囲0.065W/kg以上0.075W/kg未満に対して、特性範囲0.080以上0.085W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲0.075W/kg以上0.080W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲0.065W/kg以上0.075W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲0.060W/kg以上0.065W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲0.055W/kg以上0.060W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、から選択使用して複数の単層アモルファス合金リボンの特性の平均が、前記目標とする特性範囲になるように組み合わせて、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る工程と、を備えることを特徴とする積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法である。
本発明は、複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールから、単層アモルファス合金リボンを巻き出して、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法であって、単層アモルファス合金リボン保持スプール毎に巻き終わり端側からサンプルを採取し、該サンプルから皮相電力VA特性を測定するリボン評価工程と、目標とする特性範囲0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満に対して、特性範囲0.130VA/kg以上0.140VA/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲0.120VA/kg以上0.130VA/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲0.090VA/kg以上0.100VA/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、から選択使用して複数の単層アモルファス合金リボンの特性の平均が、前記目標とする特性範囲になるように組み合わせて、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る工程と、を備えることを特徴とする積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法である。
本発明は、複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールから、単層アモルファス合金リボンを巻き出して、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法であって、単層アモルファス合金リボン保持スプール毎に巻き終わり端側からサンプルを採取し、該サンプルから占積率LF特性を測定するリボン評価工程と、目標とする特性範囲86.0%以上88.0%未満に対して、特性範囲88.0%以上90.0%未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲86.0%以上88.0%未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、特性範囲84.0%以上86.0%未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、から選択使用して複数の単層アモルファス合金リボンの特性の平均が、前記目標とする特性範囲になるように組み合わせて、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る工程と、を備えることを特徴とする積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法である。
本発明は、前記積層アモルファス合金リボン保持スプールの積層数が3層〜7層であることを特徴とする製造方法である。
本発明において、積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造工数、及び積層アモルファス合金リボン保持スプールを使用したアモルファストランス磁心の製造工数、を合わせた製造工数を考慮すると、積層数が5層であることで製造効率が高くなり好ましい。
本発明において、コアロスCL等の単層アモルファス合金リボンの特性の測定を、単層アモルファス合金リボン保持スプールの巻き終わり端側(最外層側)からサンプルを採取する。信頼性の高い測定値を得るためには、傷やピンホール等の欠陥が無く、表面性状が良好なリボン部位からサンプル採取するのが好ましい。
尚、本発明において、コアロスCL及び皮相電力VAは、ASTM A932M−01(2006)に従い、磁束密度1.3T、周波数50Hzの条件で測定することができる。また、占積率LFは、ASTM A900M−01(2006)に従って測定することができる。
本発明によれば、合理的な製造コストで製造できる積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法を得ることができる。
本発明における製造方法の工程フローの一例を示すブロック図である。 本発明における製造方法の工程フローの別の一例を示すブロック図である。
本発明者は、合理的な製造コストでトランス磁心を製造できる製造方法を検討した。
その結果、単に閾値管理するのではなく、目標とする特性範囲をまず定め、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンと、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンとを積層することで、積層アモルファス合金リボンとして特性範囲内にすることを見出したものである。
この方法によれば、閾値管理で、不良となる単層アモルファス合金リボンを救済できるという点と、製造される積層アモルファス合金リボン保持スプール毎の特性ばらつきを抑えることができるという点において有効である。
特に、積層アモルファス合金リボン保持スプール毎の特性ばらつきを抑えられることは、磁心としての特性ばらつきが抑えられることになるため、品質の安定化の達成にとって有効である。また、使用する複数の単層アモルファス合金リボンの特性の平均が、目標とする特性範囲であって、その中心値のプラスマイナス10%の範囲となるように組み合わせることが望ましい。より好ましくはプラスマイナス5%である。
以下、本発明について説明する。
アモルファス合金リボンは、Feを主成分とし、BやSiを所定量含む組成が一般的である。融点以上に加熱した合金溶湯を、高速に回転する銅合金製の冷却ロール上に、ノズルから吐出することで、合金リボンを連続的に鋳造、作製することができる。
配電トランス用途としては、合金リボン厚さは、23〜25μmで、合金リボン幅は、142mm、170mm、213mmの何れかが一般的である。
連続して鋳造される合金リボンは、鋳造速度に合わせて紙製のスプール(芯)の周りに巻取ることで、単層アモルファス合金リボン保持スプールが得られる。このスプールは所定の質量になると、代わりの新たなスプールが供給され合金リボンが巻き取られる。この動作を連続して行うことで、複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールを生産できる。
ここで、例えば、前記単層アモルファス合金リボン保持スプールの質量を、600〜800kgとすれば、運搬、保管などに好都合である。
各単層アモルファス合金リボン保持スプールの巻き終わり端側(最外層側)から、サンプルを採取し、コアロスCL、皮相電力VA、占積率LFから選択される1もしくは2以上の特性を測定する。例えば、合金リボンの鋳造方向に1,500A/mの磁場中で、360℃で30分の熱処理後、前記ASTM A932M−01(2006)に従い、磁束密度1.3T、周波数50Hzの条件で、コアロスCL、皮相電力VAを測定し、前記ASTM A900M−01(2006)に準拠して、占積率LFを測定する。
本発明において、複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールとは、例えば、ある合金リボン幅での、一定期間、複数台の鋳造機で生産された単層アモルファス合金リボン保持スプールの全ての保持スプールとしても良いし、各鋳造機毎での生産された単層アモルファス合金リボン保持スプールとしても良い。
また、前記一定期間とは、それぞれの合金リボン幅で、単層アモルファス合金リボン保持スプールを保管可能な最大容量によって決まる期間としても良いし、1週間から数か月の所定の期間としても良い。
成分がFe80Si11である合金溶湯から、単ロール法により、厚さ25μm、幅170mmのアモルファス合金リボンを連続鋳造により作製した。鋳造後、冷却ロールから剥離した合金リボンを、連続的に紙製のスプール(芯)に巻き、単層アモルファス合金リボン保持スプールを作製した。前記保持スプールの質量が700kgを超えると、次の芯に巻いていき、順次単層アモルファス合金リボン保持スプールを作製し、6ヶ月で約5000スプールを作製した。
前記単層アモルファス合金リボン保持スプール約5000スプールのコアロスCL、皮相電力VA、及び占積率LFを測定した。
<コアロスCL>
(実施例1)
目標とするコアロスCLの特性範囲を、0.065W/kg以上0.075W/kg未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.075W/kg以上0.080W/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、0.080以上0.085W/kgの単層アモルファス合金リボン保持スプール1巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.060W/kg以上0.065W/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻の、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取って積層アモルファス合金リボン保持スプールを作製した。図1に前記製造方法の工程フローのブロック図を示しており、「特性」を「コアロスCL」とすれば良い。
前記積層アモルファス合金リボン保持スプールから積層アモルファス合金リボンを巻き出してトランス磁心を作製し、コアロスCLを評価したところ、0.160W/kgであった。
前記磁心のコアロスCLが、合金リボンのコアロスCLに比べて大きく、2倍以上になる原因は、アモルファストランス磁心でのビルディングファクターによるものと言われている。
(実施例2)
実施例1と同様に、目標とするコアロスCLの特性範囲を、0.065W/kg以上0.075W/kg未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.080W/kg以上0.085W/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.055W/kg以上0.060W/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、特性範囲内の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.070W/kg以上0.075W/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール1巻の、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取って積層アモルファス合金リボン保持スプールを作製した。図2に前記製造方法の工程フローのブロック図を示しており、「特性」を「コアロスCL」とすれば良い。
前記積層アモルファス合金リボン保持スプールから積層アモルファス合金リボンを巻き出してトランス磁心を作製し、コアロスCLを評価したところ、0.155W/kgであった。
(実施例3)
実施例1と同様に、目標とするコアロスCLの特性範囲を、0.065W/kg以上0.075W/kg未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻または3巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻または3巻と、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボン保持スプールを10巻作製し、それぞれからトランス磁心を作製し、コアロスCLを評価したところ、0.150W/kg以上0.165W/kg未満の範囲であり、合金リボンの特性範囲の上下限の幅である0.010W/kgに比べて、0.015W/kgと1.5倍に広がっているのみである。
尚、従来コアロスCLが基準値超であることにより不良として、再生産(再溶解〜再鋳造)する用途しかなかった単層アモルファス合金リボンも、特に問題無くトランス磁心として使用できることが確認できた。
(実施例4)
実施例2と同様に、目標とするコアロスCLの特性範囲を、0.065W/kg以上0.075W/kg未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲内の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール1巻と、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボン保持スプールを10巻作製し、それぞれからトランス磁心を作製し、コアロスを評価したところ、0.151W/kg以上0.164W/kgの範囲であり、合金リボンの特性範囲の上下限の幅である0.010W/kgに比べて、0.013W/kgと1.3倍に広がっているが、実施例3に比べて広がりが小さい。
実施例3と同様に、従来コアロスCLが基準値超であることにより不良として、再生産(再溶解〜再鋳造)する用途しかなかった単層アモルファス合金リボンも、特に問題無くトランス磁心として使用できることが確認できた。
<皮相電力VA>
(実施例5)
目標とする皮相電力VAの特性範囲を、0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.120VA/kg以上0.130VA/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、0.130VA/kg以上0.140VA/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール1巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.090VA/kg以上0.100VA/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻の、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取って積層アモルファス合金リボン保持スプールを作製した。図1の「特性」を「皮相電力VA」とすれば良い。
前記積層アモルファス合金リボン保持スプールから積層アモルファス合金リボンを巻き出してトランス磁心を作製し、皮相電力VAを評価したところ、0.270VA/kgであった。
前記磁心の皮相電力VAが、合金リボンの皮相電力VAに比べて大きく、2倍以上になる原因は、コアロスCLと同様に、アモルファストランス磁心でのビルディングファクターによるものと言われている。
(実施例6)
実施例5と同様に、目標とする皮相電力VAの特性範囲を、0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.120VA/kg以上0.130VA/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.090VA/kg以上0.100VA/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、特性範囲内の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール1巻の、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取って積層アモルファス合金リボン保持スプールを作製した。図2の「特性」を「皮相電力VA」とすれば良い。
前記積層アモルファス合金リボン保持スプールから積層アモルファス合金リボンを巻き出してトランス磁心を作製し、皮相電力VAを評価したところ、0.275VA/kgであった。
(実施例7)
実施例5と同様に、目標とする皮相電力VAの特性範囲を、0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻または3巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻または3巻と、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボン保持スプールを10巻作製し、それぞれからトランス磁心を作製し、皮相電力VAを評価したところ、0.255VA/kg以上0.285VA/kg未満の範囲であり、合金リボンの特性範囲の上下限の幅である0.020VA/kgに比べて、0.030VA/kgと1.5倍に広がっているのみである。
尚、従来皮相電力VAが基準値超であることにより不良として、再生産(再溶解〜再鋳造)する用途しかなかった単層アモルファス合金リボンも、特に問題無くトランス磁心として使用できることが確認できた。
(実施例8)
実施例6と同様に、目標とする皮相電力VAの特性範囲を、0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲内の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール1巻と、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボン保持スプールを10巻作製し、それぞれからトランス磁心を作製し、皮相電力VAを評価したところ、0.258VA/kg以上0.285VA/kg未満の範囲であり、合金リボンの特性範囲の上下限の幅である0.020VA/kgに比べて、0.027VA/kgと1.35倍に広がっているのみであり、実施例7に比べて広がりが小さい。
実施例7と同様に、従来皮相電力VAが基準値超であることにより不良として、再生産(再溶解〜再鋳造)する用途しかなかった単層アモルファス合金リボンも、特に問題無くトランス磁心として使用できることが確認できた。
<占積率LF>
(実施例9)
目標とする占積率LFの特性範囲を、86.0%以上88.0%未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、88.0%以上90.0%未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール3巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、84.0%以上86.0%未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻の、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層に積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取って積層アモルファス合金リボン保持スプールを作製した。図1の「特性」を「占積率LF」とすれば良い。
前記積層アモルファス合金リボン保持スプールから積層アモルファス合金リボンを巻き出してトランス磁心を作製し、占積率LFを評価したところ、87.5%であった。
前記トランス磁心の占積率LFは、合金リボンの占積率LFに比べて大きくなる傾向が一般的である。前記原因として、磁心の形成時に、合金リボンにテンションをかけながら積層、巻回されるためといわれている。
(実施例10)
実施例9と同様に、目標とする占積率LFの特性範囲を、86.0%以上88.0%未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、88.0%以上90.0%未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、84.0%以上86.0%未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、特性範囲内の特性を有する単層アモルファス合金リボンとして、86.0%以上88.0%未満の単層アモルファス合金リボン保持スプール1巻の、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層に積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取って積層アモルファス合金リボン保持スプールを作製した。図2の「特性」を「占積率LF」とすれば良い。
前記積層アモルファス合金リボン保持スプールから積層アモルファス合金リボンを巻き出してトランス磁心を作製し、占積率を評価したところ、87.8%であった。
(実施例11)
実施例9と同様に、目標とする占積率LFの特性範囲を、86.0%以上88.0%未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻または3巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻または3巻と、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボン保持スプールを10巻作製し、それぞれからトランス磁心を作製し、占積率を評価したところ、86.6%以上88.6%未満の範囲であり、合金リボンの特性範囲の上下限の幅である2.0%と同等であった。
尚、従来占積率LFが基準値未満であることにより不良として、再生産(再溶解〜再鋳造)する用途しかなかった単層アモルファス合金リボンも、特に問題無くトランス磁心として使用できることが確認できた。
(実施例12)
実施例10と同様に、目標とする占積率LFの特性範囲を、86.0%以上88.0%未満として、前記特性範囲超の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲未満の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール2巻と、前記特性範囲内の特性を有する単層アモルファス合金リボンから構成される単層アモルファス合金リボン保持スプール1巻と、合計5巻から単層アモルファス合金リボンを巻き出して、5層積層して積層アモルファス合金リボン保持スプールを10巻作製し、それぞれからトランス磁心を作製し、皮相電力VAを評価したところ、86.8%以上88.9%未満の範囲であり、合金リボンの特性範囲の上下限の幅である2.1%とほぼ同等であった。
実施例11と同様に、従来占積率LFが基準値未満であることにより不良として、再生産(再溶解〜再鋳造)する用途しかなかった単層アモルファス合金リボンも、特に問題無くトランス磁心として使用できることが確認できた。

Claims (4)

  1. 複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールから、単層アモルファス合金リボンを巻き出して、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法であって、
    単層アモルファス合金リボン保持スプール毎に巻き終わり端側からサンプルを採取し、該サンプルからコアロスCL特性を測定するリボン評価工程と、
    目標とする特性範囲0.065W/kg以上0.075W/kg未満に対して、
    特性範囲0.080以上0.085W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲0.075W/kg以上0.080W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲0.065W/kg以上0.075W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲0.060W/kg以上0.065W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲0.055W/kg以上0.060W/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    から選択使用して複数の単層アモルファス合金リボンの特性の平均が、前記目標とする特性範囲になるように組み合わせて、
    積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る工程と、
    を備えることを特徴とする積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法。
  2. 複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールから、単層アモルファス合金リボンを巻き出して、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法であって、
    単層アモルファス合金リボン保持スプール毎に巻き終わり端側からサンプルを採取し、該サンプルから皮相電力VA特性を測定するリボン評価工程と、
    目標とする特性範囲0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満に対して、
    特性範囲0.130VA/kg以上0.140VA/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲0.120VA/kg以上0.130VA/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲0.100VA/kg以上0.120VA/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲0.090VA/kg以上0.100VA/kg未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    から選択使用して複数の単層アモルファス合金リボンの特性の平均が、前記目標とする特性範囲になるように組み合わせて、
    積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る工程と、
    を備えることを特徴とする積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法。
  3. 複数の単層アモルファス合金リボン保持スプールから、単層アモルファス合金リボンを巻き出して、積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法であって、
    単層アモルファス合金リボン保持スプール毎に巻き終わり端側からサンプルを採取し、該サンプルから占積率LF特性を測定するリボン評価工程と、
    目標とする特性範囲86.0%以上88.0%未満に対して、
    特性範囲88.0%以上90.0%未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲86.0%以上88.0%未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    特性範囲84.0%以上86.0%未満の特性を有する単層アモルファス合金リボン、
    から選択使用して複数の単層アモルファス合金リボンの特性の平均が、前記目標とする特性範囲になるように組み合わせて、
    積層して積層アモルファス合金リボンを形成し、該積層アモルファス合金リボンをスプールに巻き取る工程と、
    を備えることを特徴とする積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法。
  4. 請求項1〜3に記載の積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法であって、
    積層数が3層〜7層であることを特徴とする積層アモルファス合金リボン保持スプールの製造方法。
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