JP6395029B2 - 投射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、映像をスクリーン等に投影する投射装置に関し、特に、反射型画像表示素子を用いた投射装置に関する。
図12は、従来の一般的な投射装置におけるプロジェクタ内部の光学エンジンの構成を模式的に示す構成図である。同図に示す従来の一般的な投射装置におけるプロジェクタ内部の光学エンジンは、ランプ121、リフレクタ122、ライトトンネル123、DMD照明用レンズ124、平面ミラー125、曲面ミラー126、DMD(Digital Micro-mirror Device :反射型画像表示素子)127および投射光学系128を具備している。
図12に示す一般的な投射装置におけるプロジェクタ内部の光学エンジンの機能は、要約すると、ランプ121から出た光で、ライトトンネル123、DMD照明用レンズ124、平面ミラー125、曲面126等からなる照明光学系を介して、反射型の画像表示素子であるDMD127を照明し、該画像表示素子の拡大像を複数の光学系からなる投射光学系128でスクリーンに投影するものである。より具体的には、ランプ121から出た光を、リフレクタ122でライトトンネル123(4つのミラーを組み合わせてトンネル状にしたライトパイプ)の入口に集光する。上記光は、ライトトンネル123内のミラー面で反射を繰り返し、ライトトンネル123の出口は、光量ムラが一様な状態となる。よって、この出口を光量ムラが一様な面光源と見なし、この面光源の光源像を照明用レンズ124、ミラー125、126を順に介してDMD127上に結ぶ。すると、DMD127は、一様な照度分布で照らされるので、その拡大像であるスクリーン画像も一様な照度分布となる。
DMD127は、多数のマイクロ(微小)ミラーをアレイ状に可動状態に配列してなるデバイスであり、現在ではこのマイクロミラーの角度αは、+12°〜−12°の範囲まで変えられるようになっている。例えば、今、上記マイクロミラーの角度が−12°であるときは、照明光のマイクロミラーでの反射光が投射レンズ内に入るように設定し、上記マイクロミラーの角度が+12°のときは照明光の反射光が投射レンズに入らないように設定し、さらに、上記設定の下で、照明光のDMD127に向かう角度を設定すれば、DMD127の各マイクロミラー傾斜角度を制御することで、スクリーン上にデジタル画像を形成することができる。
DMD開発元のTexas Instruments社は、これまで、このミラー角度を増やしてきたという経緯がある。例えば、このミラー角度は、特許文献1(特開2004−163876号公報)の出願日(2003年5月29日)の時点では、特許文献1の図10にあるように±10°であった。その後、このミラー角度は、特許文献2(WO2011/108077号公報)の出願日(2010年3月2日)の時点では、特許文献2の図9にあるように、±12°へと増加している。現在の投射装置では、この±12°が主流となっているが、今後、このミラー角度(振れ角)は、±14°、±16°となり、さらに大きくなることが予想される。しかしながら、現在でも、DMDを使用する投射装置は、コントラストが低く、満足な光量も得られないといった問題点が有り、今後は、ミラー角度(振れ角)を増大させることによるメリットを追求しながらも、同時に、上記の問題点を解決することが重要な課題として浮上している。
図13は、ミラー角度(振れ角)と、投射レンズの光取り込み範囲との関係を示す説明図である。以下、図13を参照して、ミラー角度(振れ角)を大きくすることのメリットについて説明する。投射レンズ〔特許文献1では投影レンズ(3)〕の光取り込み範囲は、特許文献1の図10や、図11に示されているように、マイクロミラーOFF時のOFF光(5)や、DMDカバーガラスからの反射光(4)が投射レンズに入って、迷光としてスクリーンに映りこまない条件で決まる。図13は、DMD127上に、特許文献1の図10や図11に示すようなマイクロミラーアレイが存在するものとして、このマイクロミラーアレイを、照明光学系131を介した光源121のランプ光で照明し、DMD127上の任意の一画素(マイクロミラー)で反射された光が、投射光学系128に取り込まれる様子を示したものである。
DMD127の上記マイクロミラー角度が±10°のときは、投射光学系128の光取り込み範囲(符号A)は、図の断面で20°である。これは、DMD127の表面を覆うカバーガラス(図示は省略)からの反射光(符号B)が迷光として投射光学系128に入り込まない条件で決まってしまうからである。このような理由から、上記マイクロミラーの振れ角が±12°になることで、投射光学系128の光取り込み範囲(符号A)は、最大で24°に拡げることが可能となる。
図14は、マイクロミラー角度を24°に拡げる場合のメリットを示す説明図である。この断面(DMD127の画像面への垂線を含む任意の断面で言えるが、ここでは以後の説明の都合上、DMD127の画像面の短辺と、投射光学系128の光軸を含む断面とする)で、ライトトンネル141の出口(ランプ121からの入射光を出射する口)の、図14の断面上での幅をL 、ライトトンネル141出口から出射される光線範囲を示す角度をθ、DMDの幅をL′、投射光学系128の光取り込み範囲を示す角度をθ′とすると、下記(5)式が成立する。
Lsin(θ/2)≒L′sin(θ′/2) (5)
上記(5)式において、θは、(特殊なライトトンネルを使わず、上述したような4枚の平板鏡を組み合わせたライトトンネル141であれば、)ランプ121で決まる定数であり、L′は、DMD127のサイズで決まる定数であるから、投射光学系128の光取り込み範囲θ′が、20°から24°へと大きくなると、ライトトンネル141の出口径(および入口径)Lを大きくすることができる。
周知のように、ランプ光は、ライトトンネル入り口に入射するときに、図14に示すように一度集光しているが、この集光点の大きさは、通常は0(ゼロ)ではなく、ランプリフレクタの設計や加工誤差、あるいはランプ発光部の大きさによって、ライトトンネル入り口径よりも大きなサイズであり、従来は、ここでの光損失が、照明光学系の光利用効率を大きく損なっていた。
よって、投射光学系の光取り込み範囲θ′を24°にすることで、ライトトンネルサイズを拡大し、ランプ121からライトトンネル141への光取り込み量が増えることは、そのまま投射光学系から投射される光量の増加に繋がる大きなメリットとなる。
また、(5)式で説明できる光量増加の仕組みの他にも、投射光学系128の光取り込み範囲θ′を拡げることで、DMD127で発生する回折光(即ち、DMD127はマイクロミラーアレイであり、回折格子のような回折光を発生する)を、投射光学系128に取り込む能力が向上するので、この点でも、投射光学系128から投射する光量の増加に繋がるメリットが生じることになる。
このような背景に関連する技術としては、様々なものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
例えば、特許文献1(特開2004−163876号公報)には、DLPプロジェクタに関し、スクリーン画像の読み取りや調整のために専用の測定器や専門技術を必要としない、簡単、高品位、低コストな画像読み取りおよび投影画像の調整を容易にする技術を開示している。具体的には、DLPプロジェクタにおける反射型光スイッチパネルおよび投影レンズの構成および動作を利用し、反射型光スイッチパネルにおける光スイッチOFF時の入射光路の中心光軸上に配置した画像読取手段(イメージセンサ)でスクリーン画像を読み取る。
また、読み取った画像情報をもとに画像信号処理部で投射の調整処理(投影画像補正処理、設定更新等)を行ったり、モニタ出力やデータ利用を行う。また、投影画像を工夫して(テストパターン等)、画像投影と画像読み取りとを同時に処理する構成が開示されている。
また、例えば、特許文献2(国際公開WO2011/108077号公報)には、DMD(Digital Micro-mirror Device)などの反射型表示素子を用いる投写型表示装置に関し、コントラストの低下などの画質低下をもたらさないようにすることが開示されている(実際のDMD素子では、カバーガラスや平面部などで反射する光が存在し、この光のうちの投写レンズを透過できる光成分が不要光としてスクリーンに到達する結果、コントラストの低下などの画質低下をもたらしてしまう)。具体的には、映像信号に応じて回転し、入射された照明光を回転状態に応じて第1の方向または第2の方向に反射することにより該第1の方向に映像光を生成する複数の微小ミラーを備えた画像形成素子と、画像形成素子で形成された映像光を投写する投写光学系と、照明光を生成する照明光学系と、を備える。画像形成素子は、照明光の光束が微小ミラーの回転軸と交わる方向から入射するように配置されている。
そして、照明光学系は、複数の微小ミラーのすべてが該第1の方向に照明光を反射したときの光線角度分布に非対称性を持たせるものである。画像形成素子から該第1の方向に出射した光線について、該光線の微小ミラーの回転軸に沿った方向の角度分布が、該光線の微小ミラーの回転軸に直交する方向の角度分布よりも大きくなるような照明光を生成する構成が開示されている。
また、例えば、特許文献3(特開2013−97039号公報)には、投射された画像の周辺部の明るさを向上させる投射装置が開示されている。具体的には、反射型のライトバルブを、ランプ光源と照明光学系により照明し、ライトバルブに表示された画像を投射光学系により、防塵ガラスを介して投射結像する画像表示装置において、投射光学系が、複数のレンズからなる屈折光学系と、ライトバルブから屈折光学系に導光される光量を制限する開口絞りと、屈折光学系の像側に配置される凹面ミラーを有するミラー光学系を有し、ライトバルブと開口絞りとの間に、正の屈折力を有し、ライトバルブに対してアンダーな像面湾曲を有するレンズ群が配置された構成が開示されている。
さらに、例えば、特許文献4(特開2012−08420号公報)には、マイクロミラー素子の構成に基づいてより大きな光束を用いて投影画像を明るくすると共に、投影画像の明るさの左右のバランスを均等化することが開示されている。具体的には、マイクロミラーを配列面から+A°または−A°(A>0)に傾斜駆動させ、反射光で光像を形成するマイクロミラー素子に対し、配列面で各マイクロミラーが+A°傾斜した際に対向する方向から45°未満の回旋方向より、配列面の法線となる正規の反射方向に対して、入射角が(2A+α)°(α>0)、収束する頂角が(2A+2α)°となる照明系光束φLを入射させ、各マイクロミラーから頂角が(2A+2α)°となって拡散しながら出射する投影系光束φPを入射し、投影対象に向けて投射する投影光学系を備える構成が開示されている。
ところで、上述のとおり、今後、マイクロミラー角度(振れ角)は、±14°、±16°と、さらに大きくなることが予想される。しかしながら、現在でも、DMDを使用する投射装置は、コントラストが低いといった問題点が有り、今後は、ミラー角度(振れ角)を増大させることによるメリットを追求しながらも、同時に、このような問題点を解決することが要請されている。しかしながら、従来は、画像表示素子のマイクロミラーの傾斜角度の増加と、プロジェクターの照度ムラの改善とを結び付けた文献(公知例)は提供されておらず、よって、上記の問題点を課題として解決することを意図する本発明は、新規性及び進歩性が、共に確保されているものと考える。そこで、以下では、上記の問題点について改めて詳述する。
上述したように、上記マイクロミラーのチルト角が現在の12°から14°、16°と増加していった場合、該角度が10°から12°への変化に対応させた前述の方法と同様にして、投射光学系の光取り込み角θ′を拡げていくと、DMD画像の照明ムラ(照度ムラ)や、ひいては投影画像の照度ムラが発生することが分かった。以下、図15、図16を参照して、この問題点について、さらに詳細に説明する。
図15は、本発明の課題を示す説明図である。投射光学系128の光取り込み角θ′を拡げることは、即ち、照明光学系131がDMD127を照らす角度(θ′)の範囲も拡げることを意味する。このため、図15に示す照明光の端部光線がDMD127に入射する角度ζは小さくなる。この角度ζは、光取り込み角θ′の他に、図16に示すように、投射光学系の光軸とDMD127の画像中心とのずらし量(以下、「オフセット量」と呼称する)と、DMD127上の照明位置とによって決まる。
図16は、図15よりもオフセット量を増やした場合の本発明の課題を示す説明図である。図16では、DMD127から投射光学系128へ光を導くために照明光学系131からDMD127への照明光の角度(傾き)を図15に示す場合よりも全体的に大きくしている。これによって上記角度ζは、角度ζ1となり、角度ζよりも小さくなる(マイクロミラーの角度増加による角度ζの減少ではないが、角度ζを増減させるパラメータとして照明光の角度についても記載した)。また、図16から理解されるように、オフセット側の角度ζ1の方が、オフセット反対側の角度ζ2よりも小さくなる(即ち、ζ1<ζ2となる)。
また、図16から理解されるように、ライトトンネル141から出た光は、ライトトンネル141とDMD127との間の正屈折力の光学部品(ここでは凸レンズ)によって、収束光束になるため、ζ1<ζ2になるのである。一般に、DMD127には、画像表示面(マイクロミラーアレイ面)の上にカバーガラスが配置されている。よって、上述のように、マイクロミラーのチルト角を増やし、従来どおり投射レンズの振れ角θ′を大きくしていくと、図15、図16に示す角度ζ(さらには、角度ζ1、角度ζ2も)が小さくなり、カバーガラスを透過する透過率が全体的に低下する。
このカバーガラスの透過率低下の割合は、図16に示すオフセット側で最も大きくなり、オフセット反対側で最も小さくなる。これにより、DMD127の画像面の照度ムラが発生し、ひいてはスクリーン画像の照度ムラに発展するのである。上記角度ζ1が、45°程度までであれば無視しても構わないレベルであるが、上記角度ζ1が、30°よりも小さくなってくると、上記カバーガラスの両面に反射防止膜などコーティングを施したとしても無視できないレベルの照度差となってくる。
上記カバーガラスへの光線入射角度(ζ)の減少が引き起こす問題点は、光利用効率の低下と、照明ムラを発生させるだけではない。光利用効率が低くなるということは、カバーガラス面で光の反射または吸収が発生しているということを意味する。但し、ここでは、カバーガラス面は、光学面(鏡面)であるから上記の吸収は無いものとすると、透過率が落ちた分は全て反射されているということになる。上述したように、上記カバーガラス面で反射された光は、図13に示す符号Bのフラット光となり、投射光学系128には入らないように設定されているが、この符号Bで示すフラット光の光量が増えると、この光がDMD127や投射光学系128を囲っている部材に当たって生じる乱反射光が増えることになり、その乱反射光が投射レンズに入り、スクリーン上にゴースト光として映り込んだり、コントラストを下げる要因になり得る。
このように、上記マイクロミラーのチルト角が増えたときに、従来どおりに投射光学系128の光取り込み角θ′を拡げると、DMD127表面を覆うカバーガラスでの照度ムラの発生、光利用効率の低下、ゴースト光の発生などの問題点が生じる。このため、高コントラストを実現すると共にゴースト光を無くして明るい投影画像を得るには、上記問題点を課題として解決する対策が必要となる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、画像表示素子および投射画像の位置によって異なる照度ムラを極力少なくし、ゴースト光による異常画像の発生やコントラストの低下を改善し得る投射装置を提供することにある。
本発明に係る投射装置は、上述した目的を達成するために、
光源と、
複数のマイクロミラー各々の動作によって画像を形成する反射型の画像表示素子と、
前記光源から発せられた光源光を前記画像表示素子に導く照明光学系と、
前記画像表示素子によって表示される画像を拡大投影する投射光学系と、を備え、
前記複数のマイクロミラー各々の最大傾角は12度よりも大きく、
前記投射光学系は、光軸を共有する複数枚のレンズと、前記画像表示素子から入射する光量を制限する開口絞りとを備え、
記投射光学系内の前記複数枚のレンズが共有する光軸と、前記画像表示素子上の画像の中心に立てた垂線とは、前記画像の短辺方向に所定の距離引き離して配置され
前記投射光学系の前記光軸から見て前記画像表示素子の前記垂線が存在する側を「オフセット側」と定義し、該オフセット側とは逆方向の側を「オフセット反対側」と定義するとき、前記開口絞りは、開口部の外形状が回転対称であり、その回転中心記オフセット側の方向にシフトさせて配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、
光源と、
複数のマイクロミラー各々の動作によって画像を形成する反射型の画像表示素子と、
前記光源から発せられた光源光を前記画像表示素子に導く照明光学系と、
前記画像表示素子によって表示される画像を拡大投影する投射光学系と、を備え、
前記複数のマイクロミラー各々の最大傾角は12度よりも大きく、
前記投射光学系は、光軸を共有する複数枚のレンズと、前記画像表示素子から入射する光量を制限する開口絞りとを備え、
記投射光学系内の前記複数枚のレンズが共有する光軸と、前記画像表示素子上の画像の中心に立てた垂線とは、前記画像の短辺方向に所定の距離引き離して配置され
前記投射光学系の前記光軸から見て前記画像表示素子の前記垂線が存在する側を「オフセット側」と定義し、該オフセット側とは逆方向の側を「オフセット反対側」と定義するとき、前記開口絞りは、開口部の外形状が回転対称であり、その回転中心記オフセット側の方向にシフトさせて配置されているので、
反射型の画像表示素子および投射画像の位置によって異なる照度ムラを低減し、ゴースト光を無くし、高コントラストを実現し得る投射装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る投射装置の全体構成を示す構成図である。 図2は、DMDと投射光学系のオフセットの位置関係を、開口絞りを除いて光軸に対し垂直な断面で見た構成図である。 従来の投射装置の開口絞りの一例を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る投射装置の要部の構成図である。 本発明の第3の実施の形態に係る投射装置の要部の構成図である。 本発明の第4の実施の形態に係る投射装置の要部の構成図である。 本発明の数値実施例1に係る投射装置の要部の構成図である。 本発明の数値実施例2に係る投射装置の機能を説明するための説明図である。 数値実施例2に係る投射装置について、角度η1と角度ζ1を算出するための補助となる説明図である。 数値実施例3に係る投射装置について、照明光学系からマイクロプリズムに入射する主光線の入射角η2、下光線の入射角ζ2およびマイクロミラーの傾角αの関係を示す説明図である。 請求項において用いられる符号と実施の形態との関係を示す説明図である。 従来の一般的な投射装置におけるプロジェクタ内部の光学エンジンの構成を示す構成図である。 マイクロミラーの傾斜(振れ角)と、投射レンズの光取り込み範囲との関係を示す説明図である。 マイクロミラー傾斜角を24°に拡げる場合のメリットを説明する説明図である。 本発明の課題を説明するための説明図である。 図15よりもオフセット量を増やした場合の本発明の課題を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態に係る投射装置について添付図面を参照しつつ説明する。以下の各実施の形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る投射装置の全体構成を示す構成図である。本発明に係る全体構成では、投影画像の照度ムラ軽減と、ゴースト光による異常画像の発生やコントラストの改善とを実現できるようにしている。
図1は、図16に示した構成(即ち、従来の投射装置の全体構成)から、開口絞り形状を変更し、且つ、照明光学系および投射光学系の配置構成を変更したものである。ランプ11と、照明光学系12と、DMD(画像表示素子)13と、投射光学系14と、を具備し、投射光学系14の開口部には開口絞り141を設置している。
なお、以下の説明において、投射光学系14の光軸142から見てDMD(画像表示素子)13の中心に立てた垂線が存在する側を「オフセット側」と定義し、該オフセット側とは逆方向の側を「オフセット反対側」と定義する。また、光軸142に垂直な投射光学系14の断面において光が遮光されずに通過可能な領域の面積を「開口面積」と定義することにする。
図1に示すように、開口絞り141のうち、オフセット反対側の開口面積が狭くなるように設定すると、DMD13を覆うカバーガラスに入射する角度ζが小さい光線を投射光学系14に取り入れないようにすることができる。即ち、図1では、照明光学系12から投射される光線のうち、点線で示す2条の光線各々のDMD13表面への入射角をそれぞれ角度ζ1と角度ζ2とで示している。開口絞り141を、上述のようにオフセット反射側の一部領域を制限した(遮った)ことで、角度ζ1と角度ζ2との角度の違いによる照度ムラの影響を、スクリーン画像は受けなくなる。よって、DMD13の表面上では照度ムラが発生していても、スクリーン画像上では照度ムラの発生を小さく抑制することが可能となる。
従来の投射装置では、図13に示す構成で説明したとおり、図13の符号Bで示す領域の光が増え、乱反射等が生ずることによるゴースト光の増大が生じていた(以下、この点について、さらに詳細に分析する)。この符号Bの領域の光の光量が増大するということは、当然ながら、オフセット反対側に向かう光エネルギーの増大を意味する。特に、符号Aの領域の光線と符号Bの領域の光線との境界を通る光線は、投射光学系14の部品加工誤差や組付け誤差等の影響を受けて、本来は、投射光学系14に取り込まれない光線、即ち、(B)に含まれる光線が符号Aの光線に含まれてしまう。その結果、上記境界の光線は、ゴーストとして異常画像がスクリーンに映りこんだり、単純にスクリーン画像のコントラスト低減を引き起こす。
このような図13における符号Aの光線と符号Bの光線との境界の光線をカットしたり、あるいは単純にオフセット反対側の光量が増えることによるフレア光をカットするには、開口絞り141の形状を工夫することが必要である。より具体的には、オフセット反対側における光線通過範囲を狭く設定することが有効な対策となる。このため、第1の実施の形態では、図1に示すように、開口絞り141を、オフセット反対側が狭くなるように設定しているのである。
尚、第1の実施の形態に係る放射装置は、
光源としてのランプ11と、
複数のマイクロミラー各々の動作によって画像を形成する反射型の画像表示素子としてのDMD13、
ランプ11からの光源光をDMD13に導く照明光学系12と、
DMD13によって表示される画像を拡大投影する投射光学系14と、を備え、
複数のマイクロミラー各々の最大傾角は12度よりも大きく、
投射光学系14は、光軸142を共有する複数枚のレンズと、DMD13から入射する光量を制限する開口絞り141とを備え、
開口絞り141は、回転非対称な形状として形成されていることを特徴としている。
また、第1の実施の形態に示すように、投射光学系14と前記画像表示素子としてのDMD13との相対的な配置は、投射光学系14内の前記複数枚のレンズが共有する光軸142と、DMD13上の画像の中心に立てた垂線との間の距離を、画像表示素子の短辺方向に所定の長さMだけ引き離す配置とする。
そして、第2および第3の実施の形態に示すように、前記定義におけるオフセット反対側の開口面積を、前記定義におけるオフセット側の開口面積よりも狭く形成している。
また、第4の実施の形態を、図1および図6を参照して説明すると、
複数のマイクロミラー各々の最大傾角は12度よりも大きく、
投射光学系14は、光軸を共有する複数枚のレンズと、DMD13から入射する光量を制限する開口絞り61とを備える(図6参照)。
射光学系内の前記複数枚のレンズが共有する光軸142と、DMD13上の画像の中心に立てた垂線と、DMD13の短辺方向に所定の距離Mだけ引き離して配置される。
前記投射光学系14の前記光軸から見てDMD13の前記垂線が存在する側を「オフセット側」と定義し、該オフセット側とは逆方向の側を「オフセット反対側」と定義するとき、投射光学系14の開口絞り61は、図6に示すように、回転対称な開口形状として形成すると共にその回転中心前記定義におけるオフセット側の方向にシフトさせて配置されている(請求項に対応する)。
また、前記照明光学系14の光源光がDMD13を照明するときの該光源光の入射角度を「照明角度」と定義するとき、該照明角度は、DMD13の中心に位置する一画素91からの反射光に対して、前記開口絞り61を含み、かつ光軸に垂直な断面内での光強度分布が、回転対称となる角度であることが望ましい(請求項に対応する)。
前述の第1、第2および第3の実施の形態では、開口絞り141の形状を回転非対称に設定しているが、本発明の他の実施形態として、図1に示す投射装置の構成において、図6に示す第4の実施の形態に示すように、開口絞り61の開口形状を回転対称な開口形状に設定すると共に、上記回転対称の中心軸を投射光学系14の光軸に対し、DMD13の短辺方向に引き離す、即ち、オフセット側にずらすことでも、角度ζ1や角度ζ2でDMD13の表面に入射する光線(図1に破線で示す光線)をカットすることが可能となる。また、ゴースト・フレア光のカットも可能となる効果が得られる(請求項および請求項に対応している)。
本発明の第2の実施の形態として、図11に示す投射装置の構成において、照明光学系12からDMD13に向かう光源光の入射角度(照明角度ともいう)θ′を小さく設定することで、DMD13を覆う透明のカバーガラス(図示せず)への光線入射角度(ζ)を大きくし、光線透過率を高めることができる。即ち、図1に示す角度ζ1と角度ζ2との差(即ち、光線透過率差)が小さくなる構成とする。
より具体的には、図1および図11において、照明光学系12がDMD13を照明する光照明尺度をFillとし、DMD13のマイクロミラーの最大傾角をα(図9、図10参照)とし、照明光学系12のランプ11からDMD13に到る照明光学系12の光路においてDMD13に最も近い光学素子12bと投射光学系14の光軸142を含む任意の断面におけるDMD13に最も近い光学素子12bの幅をLとし、光学素子12bの上記幅Lの中心からDMD13の画像中心までの距離をMとしたときに、下記条件式(1)および条件式(2)を満たす構成とすることが望ましい(請求項に対応する)。
Fill>1/(2×tanα)・・・(1)
ただし、Fillは、
Fill=M/L・・・・・・・・(2)
このような構成とすることにより、投影画像の照度ムラの軽減と、コントラストの改善およびゴースト光の抑制をすることができる。
本発明の他の実施の形態として、図示は省略したが、照明光学系12として、DMD13を斜めから照らすノンテレセントリック照明光学系を採用することが望ましい(請求項に対応する)。
即ち、テレセントリック照明光学系は、プリズムを必要とする。マイクロミラー角度が、12度以上になると、このプリズム内部での光損失が大きくなり、光量の低下や、ゴースト光の発生(即ちコントラスト低下)を招くので、ノンテレセントリック照明光学系を使用することが望ましい。
次に、投射光学系と画像表示素子との相対的な配置関係につき、図1および図11を参照して説明する。
即ち、DMD13から投射光学系14への光取り込み尺度をFimgとし、DMD13の画像面に引いた垂線方向において、DMD13の画像表示面を含む平面から、投射光学系14の内、DMD13に最も近い光学面14aとの距離の最小値をBfとし、DMD13に最も近い光学面14aの光取り込み幅をφとするとき(但し、上記光取り込み幅φとは、光軸142を含む任意の断面において、上記光学面14aの内部でDMD13から遠ざかる方向に配置されている次の光学素子に光を伝播できる幅と定義する)、下記条件式(3)を満たす構成とすることが望ましい(請求項に対応する)。
Fimg=1/{2×tan(6+α/2)}・・・(3)
ただし、Fimgは、
Fimg=Bf/φ
である。
ここで、上述の、「マイクロミラー最大傾角が大きくなった分、投射光学系14の光取り込み角(図11の入射角度θ′に相当)を拡げる」ということを、上記条件式(1)と上記条件式(3)に関連付けて表すと、(4)式の関係が得られる。
Fill≒Fimg≒1/(2×tanα)・・・・・・・・(4)
これに対し、条件式(1)では、図11に示す照明光学系14の角度θ‘に相当する角度を、角度θ′よりも小さく設定するものである。また、条件式(3)では、DMD13のマイクロミラーの最大傾角が従前どおり12°であるならば、タンジェントを算出する角度が12°であり、この最大傾角が14°、16°に増加した場合、従前では、そのまま14°、16°で入るところを、最大傾角が14°であれば(6+14/2)°=13°となり、最大傾角が16°であれば(6+16/2)°=14°となる。このように、従前のθ’を拡げる手段に比べて、図11に示す照明光学系の角度θ′に相当する角度を、一定量小さく設定することで、照度ムラの影響を小さくしたり、ゴースト・フレア光の進入を抑える構成としている。
以下、本発明の実施の形態について順次説明する。図2は、一般的な投射装置の要部の構成図である。この投射装置は、図16に示す従来の投射装置の構成から開口絞り161を取り除いた構成を備える。図2は、光軸142に直交する上方から眺めた図であり、照明光21がDMD13へ入射する角度や、DMD13と投射光学系14との位置関係(オフセット量など)を示し、光軸142に対してオフセット側とオフセット反対側とを示している。
図3は、一般的な従来の投射装置の開口絞りの一例を示す構成図である。この投射装置は、図2に示す従来例の投射装置に、従前どおりの開口絞り141を設けた構成の投射装置である。従来例である図16を参照すると、図16に示す投射装置の場合、開口絞り161は回転対称な円形状であり、よって、光線が鏡胴などのメカ部品で遮られずに通過できる範囲(即ち開口面積)は、図16に示す投射装置を、図3のように上方から眺めた場合の開口絞り141を含む断面において、光軸を中心として、オフセット側もオフセット反対側も等しくなっている。従来の開口絞り141も、光線が鏡胴などのメカ部品で遮られずに通過できる範囲(即ち開口面積)は、オフセット側とオフセット反対側とで等しくなっている。
図4および図5は、本発明の第2および第3の実施の形態に係る投射装置の要部の構成図(平面図)である。図4に示す投射装置は、開口絞り41の形状を回転非対称とするものである。より具体的には、オフセット反対側の開口面積を、円の一部を遮り、一部欠円状となし、オフセット側よりも狭めたものである(狭めるための具体的な形状として、図4においては、オフセット反対側の円形の一部を遮って、D型状に形成したものである)。図5に示す投射装置も、開口絞り51の形状を回転非対象とするものであるが、より具体的には、オフセット反対側の円形の一部を遮った形に形成し開口面積を、オフセット側よりも狭めると共に、円形の上半部の一部を遮って、上半部の必要部分の開口面積も狭めたものである(ただし、開口面積を部分的に狭めるための具体的な形状は、任意である)。
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る投射装置の要部の構成図である。図6に示す投射装置では、開口絞り61の開口部の外形状を回転対称形状(即ち円)とし、この円の内形の円中心を光軸からオフセット側に所定量シフトさせたものである。このような構成を採用した場合、DMD13の中心に存在する1画素からの反射光に対して、投射光学系に取り込まれる光束による、開口絞り61内部での光量分布(光強度分布)が回転対称になるように照明光21のDMD13への入射角度を調整して設置すると、照明光線角度ζを大きく設定することができるので、照明光21に対するカバーガラスでの透過率の向上を達成できると共に、照度ムラを発生させる光線や、余剰光・ゴースト光をカットすることができる。
図7は、本発明の第1の実施の形態であり、且つ実施例1に係る投射装置の要部の構成図である。以下、図7に示す投射装置について、課題と効果を説明する。なお。ここでは、理解を容易にするために、DMD13上のマイクロミラーが、同図の断面上で±12°若しくは±16°の角度で傾くモデルとした。また、このモデルは、投射光学系14の開口絞り14aは、レンズよりもDMD13側に配置することで、計算を簡素化できるデルとした。この開口絞り14aの設置位置は、DMD13の画像表示面を含む平面から、50〔mm〕の位置とした(請求項に記載のφは、開口絞りのサイズ、Bfは開口絞りからDMDの画像表示面までの距離(即ち、開口絞り14aも光学面であるという取り扱い)としている)。また、DMD13のオフセット量は、6.5〔mm〕に設定した。
以下、上記の光学モデルに対して、(表2)に記載の2つの条件(条件1、条件2)の下に、図1に記載の投射光学系14の光軸から遠い側(オフセット側)と近い側(オフセット反対側の各端部光線)角度ζ1とζ2を計算し、開口絞り14aの形状を非対称にするメリットを具体的に説明する。
Figure 0006395029
図7に示す投射装置において、ライトトンネル12aから出射される光線(破線で示す主光線73)は、ライトトンネル12aの出射口に垂直方向に進む光線であり、DMD13上の最もオフセット側に位置するマイクロミラーを照明する光束の中心の光線である(ここでは、この光線がDMD13の表面に入射する角度をη1、η2としている)。
図8は、本発明の数値実施例2に係る投射装置の機能を説明するための説明図である。次に、図8を参照して、角度ζについて説明する(ここでは、図が煩雑にならないように角度ζ2の説明は省略し、角度ζ1の説明だけを行うものとする)。ライトトンネル72の出口から出射された光束は、開口のどの位置においても、主光線を中心にして、該主光線にまとわり付くような多数の光線からなっている(以下、この多数の光線の束を「光束」と呼称し、該光束の内、最も端を通る光線を「下光線」83と呼称する)。下光線83がDMD13に入射する角度がζ1であり、この角度ζ1が最も小さいため、DMD13の表面を覆うカバーガラスでの透過率が下がることと、角度ζ1と角度ζ2とで上記透過率が異なることにより、照度ムラが発生することおよびゴースト光が発生するといった問題点を、本発明の数値実施例2において、解決すべき課題としている。
図9は、数値実施例2の説明に必要な角度η1と角度ζ1を算出するための補助となる説明図である。以下では、図9を参照して、角度η1と角度ζ1を、下表2に記載の2つの条件(条件1、条件2)の下に幾何学的に算出する。
Figure 0006395029
この結果から理解されることは、DMD13の一画素としてのマイクロミラー91の傾き角αが大きくなったことに対処するために、素直に照明光のθ′を大きく設定すると、主光線73と下光線83が、カバーガラスへ入射する際のそれぞれの入射角度(照明角度)の差(η1−ζ1)が大きくなり、また、角度ζ1が小さくなってしまって、カバーガラスでの光線の透過率が下がることになる。
図10は、数値実施例3において、角度η2と角度ζ2を算出するための補助となる他の説明図である。以下では、図10を参照して、光軸に最も近い1つのマイクロミラー91に入射する光線の角度η2と角度ζ2とを、下表3に記載の2つの条件(条件1、条件2)の下に計算した。
Figure 0006395029
この結果からは、数値実施例2の角度η1と角度ζ1と、この数値実施例3の角度ζ2と角度ζ2との間には、いずれの場合にも10°の差があることが理解される。この10°の差による影響は、特に条件2のようにマイクロミラー91の角度αが12°よりも大きくなった場合に、角度ζ1が小さくなることが顕著になってくる。この対策として、角度ζ1や角度ζ2をなす光線をカットするような開口絞り71の形状(例えば、上述した図4〜6)を提供することや、そもそも図3に示す開口絞り141の開口サイズ自体を、αによって決まるθ′よりも少し小さ目に設定することなどが効果的である。
請求項に記載の条件式(6)の値を図8を参照して算出する。この数値実施例4では、H=9(mm)、O=6.5(mm)、Bf=50(mm)、よって、条件式(6):
Bf/(H/2+O)≧4.5・・・・・・・・(6)
であるところ、本数値実施例4の計算値は、
Bf/(H/2+O)=4.5
となる。条件式(6)の値は、境界値であることが理解される。
Bf/(H/2+O)が4.5よりも小さいということ(即ち、当該投射装置が請求項の対象から外れるということ)は、例えば図8に示す投射装置において、オフセット量の6.5〔mm〕を増やすということであるから、即ち、角度ζ1が小さくなるということである。上記表3に示すように、条件式(6)の値が境界値の4.5であるということは、角度ζ1が30°であるということを意味し、角度ζ1が30°よりも小さい場合には、カバーガラスに反射防止膜を施したとしても、該カバーガラスの透過率が著しく低下するため、好ましくないことになる。
このように、条件式(6)の値の4.5という数値の導出は、図8に示す断面で行ったものである。しかしながら、実際には、角度ζ1を最小とする要因は、図2において、光軸から最も遠く、照明光に最も近い画素によって決められることである。よって、条件式(6)の制約値は、4.5よりも大きい値となる構成とすることが望ましい。この意味でも、条件式(6)の値の境界値の4.5は、正に下限値を示すものと考えるべきであり、よって、オフセット量を小さく設定したり、画像表示素子を小さいサイズにしたり、あるいは角度θ′を小さくするなどの諸々の工夫を実施して、条件式(6)の値が境界値の4.5を上回る構成とすることが望ましい。
図11は、本発明に係る投射装置において、上記の説明で使用した記号の図対応の具体的な説明と、請求項との関係を示す説明図である。
上述した本願発明の課題とその課題を達成するための対策(構成)との関係を以下に要約する。
課題(1)は、照度ムラ
課題(2)は、光利用効率の低下
課題(3)は、ゴースト光による異常画像の発生や、コントラストの低下
上記課題(1)〜(3)の対策(各請求項の概要)とその効果について、並記して纏めたものを表4として示す。
Figure 0006395029
、請求項について、簡単に補足的に以下説明する。
求項では回転対称形状であるものの、図6のように回転対称の中心をオフセット側にずらすことで、ζ1やζ2の光線カット、あるいはゴースト・フレア光のカットを行っている。
請求項も本質的には同じで、投射光学系のFimgを暗く(図15のθ′を小さく)設定することで、ζ1やζ2の光線をカットしたり、ゴースト・フレア光をカットする効果を有する。
また、請求項は、図15の照明光学系からDMDに向かうθ′を小さくすることで、ζそのものを大きくすることにより、DMDカバーガラスへの光線入射角度(ζ)を大きくし、光線透過率を高めるため、ζ1とζ2の差、すなわち光線透過率差を小さくしようとするものである。
ここで、請求項と請求項に記載の条件式(1)と条件式(3)について説明する。上述の「従来どおりマイクロミラー角度が大きくなった分、投射光学系の光取り込み角θ′を拡げる」ことを、条件式(1)、条件式(3)で表すと、条件式(4)のようになる。
Fill≒Fimg≒1/(2×tanα)・・・・・・・(4)
これに対し、条件式(1)では照明系のθ′をこれよりも小さく設定する、というものであり、条件式(3)では,マイクロミラーの最大傾角が従来の12°であればタンジェントの中が12°であり、これが14°、16°になるとそのまま14°、16°が入るところを、14°であれば(6+14/2)°=13°であり、16°であれば(6+16/2)°=14°とし、θ′を拡げるよりも、一定量小さく設定し、照度ムラの影響を小さくしたり、ゴースト・フレア光の進入を抑えるという内容である。
請求項は、図5のζが小さくなると、カバーガラスでの透過率低下のみならず、プリズム内部での反射角度が大きくなることにより、反射率低下による光量低下があるため、プリズムを用いない方式が望ましいとするものである。
尚、上述し、且つ図示したところには、詳しく説明されていない点として、例えば、照明光学系や投射光学系については、本件出願人の出願に係る特許文献3の画像表示装置に用いられているように、公知の技術に属するため、その詳細な説明は、省略している。
また、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)についても、特許文献1〜4に説明されているので、詳しい説明は、省略している。
また、DMDの受光面側表面には、DMDを保護する透明なカバーガラスが付設されているが、その表面には、反射防止膜、ハードコート膜など、マルチコート処理が施されていることが望ましい。
11、121 ランプ
12 照明光学系
12b 光学素子
13 DMD(Digital Micro-mirror Device)
14 投射光学系
21 照明光
14a、41、51、61、71、141 開口絞り
12a、72、141 ライトトンネル
73 主光線
83 下光線
91 マイクロミラー
142 光軸
特開2004−163876号公報 再表2011−108077号公報 特開2013−097039号公報 特開2012−008420号公報

Claims (7)

  1. 光源と、
    複数のマイクロミラー各々の動作によって画像を形成する反射型の画像表示素子と、
    前記光源から発せられた光源光を前記画像表示素子に導く照明光学系と、
    前記画像表示素子によって表示される画像を拡大投影する投射光学系と、を備え、
    前記複数のマイクロミラー各々の最大傾角は12度よりも大きく、
    前記投射光学系は、光軸を共有する複数枚のレンズと、前記画像表示素子から入射する光量を制限する開口絞りとを備え、
    記投射光学系内の前記複数枚のレンズが共有する光軸と、前記画像表示素子上の画像の中心に立てた垂線とは、前記画像の短辺方向に所定の距離引き離して配置され
    前記投射光学系の前記光軸から見て前記画像表示素子の前記垂線が存在する側を「オフセット側」と定義し、該オフセット側とは逆方向の側を「オフセット反対側」と定義するとき、前記開口絞りは、開口部の外形状が回転対称であり、その回転中心記オフセット側の方向にシフトさせて配置されていることを特徴とする投射装置。
  2. 前記照明光学系の光源光が前記画像表示素子を照明するときの該光源光の入射角度を「照明角度」と定義するとき、該照明角度は、前記画像表示素子の中心に位置する一画素からの反射光に対して、前記開口絞りを含み、かつ光軸に垂直な断面内での光強度分布が、回転対称となる角度であることを特徴とする請求項に記載の投射装置。
  3. 前記照明光学系が前記画像表示素子を照明する光照明尺度をFillとし、前記画像表示素子のマイクロミラーの最大傾角をαとし、前記照明光学系のランプから前記画像表示素子に到る前記照明光学系の光路において、前記画像表示素子に最も近い光学素子と前記投射光学系の光軸とを含む任意の断面における前記画像表示素子に最も近い光学素子の幅をL とし、前記光学素子の前記幅の中心から前記画像表示素子の画像中心までの距離をM としたときに、下記条件式(1)および下記条件式(2):
    Fill>1/(2×tanα)・・・(1)
    Fill=M/L・・・・・・・・(2)
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の投射装置。
  4. 前記照明光学系は、前記画像表示素子を斜めから照らすノンテレセントリック照明光学系であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の投射装置。
  5. 前記画像表示素子から前記投射光学系への光取り込み尺度をFimgとし、前記画像表示素子の画像面に引いた垂線方向において、該画像表示素子の画像表示面を含む平面から前記投射光学系の内、前記画像表示素子に最も近い光学面との距離の最小値をBfとし、前記画像表示素子に最も近い光学面の光取り込み幅をφとし、該前記光取り込み幅φを、「前記光軸を含む任意の断面において、前記光学面の内部で前記画像表示素子から遠ざかる方向に配置されている次の光学素子に光を伝播できる幅」と定義するとき、
    下記条件式(3):
    Fimg=Bf/φ>1/{2×tan(6+α/2)・・・(3)
    を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の投射装置。
  6. 前記画像表示素子の短辺方向の長さをHとし、前記投射光学系の前記光軸から前記画像表示素子の前記垂線までの距離として定義するオフセット量をOとしたとき、下記条件式(6):
    Bf/(H/2+O)≧4.5・・・(6)
    を満足することを特徴とする請求項1または5のいずれか1項に記載の投射装置。
  7. 前記画像表示素子の表面には、前記画像表示素子を保護する反射防止膜を施された透明なカバーガラスが付設されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の投射装置。
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