JP6394674B2 - 運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転支援装置に関し、特に運転者の心身状態を体性神経系活性度と自律神経系活性度によって運転者の心身状態を推定する運転者状態推定手段を有する運転支援装置に関する。
従来より、生態活動情報を介して運転者の心身活動状態を検出し、車両側から運転を支援する運転支援装置が知られている。
特許文献1の車両用警報装置は、瞼の動きが一定時間以上ないことにより運転状態を表す判定条件値Aを設定し、一定時間以上一定走行パターンが継続していることにより運転パターンを表す判定条件値Bを設定し、脈拍等により身体条件を表す判定条件値Cを設定すると共に、脇見頻度により運転状態を表す判定条件値Dを設定した後、各々の判定条件値A〜Dを積算した値が所定の閾値以上の場合、運転者の反応時間が判定閾値以上のとき、警報タイミングを早めている。
ところで、人間の抹消神経系は、解剖学的には、脳より発する12対の神経からなる脳神経系と、脊髄から出る31対の神経からなる脊髄神経系とに分類され、機能的には、動物的機能に関わる体性神経系と、植物的機能に関わる自律神経系とに分類されることが知られている。
体性神経は、大脳新皮質(意識)に制御された随意運動を行う神経であり、手足等を制御する遠心性の運動神経と、耳目等の感覚器官からの感覚情報を脳に伝達する求心性の感覚神経を統括している。自律神経は、古い脳(無意識)に制御された体内調整を行う神経であり、主に精神状態と関連するものであり、脳や心臓等の働きを活性化し内臓等の働きを抑制する交感神経と、脳や心臓等の働きを抑制し内臓等の働きを活性化する副交感神経を統括している。
特開2007−38911号公報
特許文献1の車両用警報装置では、瞼の動きに関する判定条件値Aと走行パターンに関する判定条件値Bと脈拍等に関する判定条件値Cと脇見頻度に関する判定条件値Dの積算値により、疲労度、覚醒度、及び集中度を総合的に判定し、緊急状態の回避における操作反応遅れの可能性を判定している。
しかし、自律神経系情報である判定条件値A,Cと体性神経系である判定条件値B,Dとを同次元のパラメータとして一律に積算しているため、運転者の心身状態を高い精度で判定することが困難である。
即ち、運転技量が高い運転者は、精神状態(判定条件値A,C)が若干低い場合であっても、運転技量(判定条件値B,D)が高いため、低い精神状態が加味されることなく総合判定値が高くなる虞があり、反対に、運転技量が低い運転者は、精神状態(判定条件値A,C)が若干高い場合であっても、運転技量(判定条件値B,D)が低いため、高い精神状態が加味されることなく総合判定値が低くなる虞もある。
運転者は、過去の経験に基づき特定の操縦イメージを持って車の運転を行い(期待感)、イメージ通りの操縦パフォーマンスを発揮できたとき(達成感)、自信を伴って次の挑戦に向かう内発的動機付けが生まれる(自己効力感)ものと考えられる。
図11に示すように、期待感、達成感、自己効力感の3要素から構成される活性化サークルが円滑(右回り)に循環している状態が、運転操作を通して心(精神)と身体が共に活性化している状態であり、結果的に、安全性向上に貢献することになる。
しかし、期待感、達成感、自己効力感の活性化サークルを円滑に循環させるに当り、運転者の心身の状態を数値を用いて可視化することは容易ではなく、更に、このサークルを円滑に循環させるためには、内発的動機付けを生み出すことが可能で且つ自己効力感を向上可能な実効性のある手法を確立する必要がある。
本発明者は、検討の結果、期待感が、身体の内部指標である精神活性度(自律神経系活性度)をパラメータとして視覚的に観察可能であること、また、達成感が、知覚、運動及び行動指標である身体活性度(体性神経系活性度)をパラメータとして視覚的に観察可能であることを知見するに至った。
しかし、精神活性度及び身体活性度と自己効力感との関連性は現時点において明らかではなく、運転者の心身状態を高い精度で判定するためには更なる検討が必要である。
本発明の目的は、期待感と達成感を可視化することにより心と身体が共に活性化している状態を判定することができる運転者状態推定手段を含む運転支援装置を提供することである。
請求項1の運転支援装置は、運転者の心身状態を判定する運転者状態判定装置において、車両の操縦に伴う運転者の身体的な体性神経系活性度を検出する体性神経系活性度検出手段と、車両の操縦に伴う運転者の精神的な自律神経系活性度を検出する自律神経系活性度検出手段と、前記各々の検出手段によって検出された前記体性神経系活性度と自律神経系活性度に基づいて運転者の心身状態を推定する運転者状態推定手段であって、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度によって規定されると共に前記体性神経系活性度と自律神経系活性度の比率が一定になるバランスラインの一部を含むバランスゾーンを予め設定したマップを有するとともに、前記体性神経系活性度及び自律神経系活性度が前記バランスゾーン内に存在するとき、体性神経系と自律神経系がバランスした活性状態であると判定する運転者状態推定手段と、前記体性神経系活性度及び自律神経系活性度が前記バランスゾーン内に存在しないとき、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度に応じて前記バランスゾーン内に目標体性神経系活性度と目標自律神経系活性度を設定するとともに、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度を前記目標体性神経系活性度と目標自律神経系活性度に移行させる制御を実行する制御手段とを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、車両の操縦に伴う運転者の身体的な体性神経系活性度を検出する体性神経系活性度検出手段と、車両の操縦に伴う運転者の精神的な自律神経系活性度を検出する自律神経系活性度検出手段とを有するため、知覚、運動及び行動指標を介して体性神経系活性度を数値によって可視化することができ、身体の内部指標を介して自律神経系活性度を数値によって可視化することができる。
各々の検出手段によって検出された達成感を表す体性神経系活性度と期待感を表す自律神経系活性度に基づいて運転者の心身状態を推定する運転者状態推定手段であって、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度の比率が一定になるように予め設定したバランスゾーンのマップを有し、体性神経系活性度及び自律神経系活性度がバランスゾーン内に存在するとき、体性神経系と自律神経系がバランスした活性状態であると判定する運転者状態推定手段を有するため、パラメータによって数値化された体性神経系活性度と自律神経系活性度を用いてバランスゾーンのマップに基づき運転者の心身状態を推定することができ、運転者の心と身体が共に活性化している状態である自己効力感を判定することができる。
そして、体性神経系活性度及び自律神経系活性度がバランスゾーン内に存在しないとき、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度をバランスゾーン内に移行させるように制御する制御手段を設けたので、運転者の心と身体が共に活性化している状態で且つ自己効力感が高い状態となるように運転者を支援することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記バランスゾーンは、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度が夫々所定値以上になる領域に設定されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、運転者の心と身体が共に活性化している状態に対応するバランスゾーンを設定することができる。
求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記体性神経系活性度検出手段が運転者の随意運動量を検出し、前記自律神経系活性度検出手段が自律神経系生体情報を検出することを特徴としている。
この構成によれば、体性神経系活性度と自律神経系活性度を数値によって精度良く検出することができる。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記随意運動量が、筋活動強度、運動時間、視線移動速度の少なくとも1つであり、前記自律神経系生体情報が、心拍数、血圧、発汗、瞳孔径の少なくとも1つであることを特徴としている。
この構成によれば、体性神経系活性度と自律神経系活性度を運転者から直接的に検出することができる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記制御手段は、知覚量制御装置と効果音発生装置との少なくとも一方を介して前記体性神経系活性度と自律神経系活性度を前記目標体性神経系活性度と目標自律神経系活性度に移行させる制御を実行することを特徴としている。この構成によれば、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度を前記目標体性神経系活性度と目標自律神経系活性度に移行させることができる。
本発明の運転支援装置によれば、パラメータを介して期待感と達成感を可視化することにより心と身体が共に活性化している状態に対応する体性神経系活性度と自律神経系活性度となるように制御して運転支援することができる。
実施例1に係る運転状態判定装置を備えた車両の運転支援装置の全体構成概略図である。 運転支援装置のブロック図である。 バランスゾーン外からバランスゾーン内への制御ルートを説明する座標系の図である。 バランスゾーン内の制御ルートを説明する座標系の図である。 知覚量制御装置のブロック図である。 効果音発生装置のブロック図である。 制御処理手順を示すフローチャートである。 活性度調整制御処理手順を示すフローチャートである。 第1の検証結果を示すグラフである。 第2の検証結果を示すグラフである。 本発明の着想を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両の運転支援装置1に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図10に基づいて説明する。
図1,図2に示すように、車両Vは、運転者の心身活性状態を制御可能な運転支援装置1と、操作機器に係る操作感を制御可能な知覚量制御装置2(体性神経系活性度制御手段)と、運転者の操作に対する車両Vの挙動に係る追随感を制御可能な効果音発生装置3(自律神経系活性度制御手段)を備えている。
まず、運転支援装置1について説明する。
運転支援装置1は、体性神経系活性度(身体活性度とも言う)t及び自律神経系活性度(精神活性度とも言う)gの2つの指標に基づいて運転者の心身状態を2つの基準軸(活性度)に基づいて判定し、判定された運転者の心身状態に基づき知覚量制御装置2と効果音発生装置3の少なくとも一方を作動させることにより運転者の心と身体が共に活性化している状態を実現可能に構成されている。それ故、この運転支援装置1は、その内部に運転者の心身状態を判定する運転者状態判定装置の機能を備えている。
体性神経とは、手足等を制御する遠心性の運動神経と、耳目等の感覚器官からの感覚情報を脳に伝達する求心性の感覚神経を統括する神経である。
それ故、体性神経系活性度は、運転者の随意運動量をパラメータとして検出することができ、運転者による操縦の達成感を反映するパラメータに相当している。
随意運動量は、筋活動強度(操作量、反力知覚量等)、運動時間(操作時間、走行時間、対応時間、反応速度等)、視線移動速度等によって計測可能である。
また、運転者の体性神経系活性度tは、運転者の随意運動、所謂操作の知覚量(運転者側パフォーマンス)の増加に伴って増加し、操作の知覚量の低下に伴って低下する特性を有している。
一方、自律神経とは、主に精神状態と関連するものであり、脳や心臓等の働きを活性化し内臓等の働きを抑制する交感神経と、脳や心臓等の働きを抑制し内臓等の働きを活性化する副交感神経を統括する神経である。
それ故、自律神経系活性度gは、運転者の自律神経系生体情報をパラメータとして検出することができ、運転者による操縦の期待感を反映するパラメータに相当している。
自律神経系生体情報は、心拍数、血圧、発汗、瞳孔径等によって計測可能である。
また、運転者の自律神経系活性度gは、運転者の運転意識の高揚、所謂操作に対する車両挙動の追随感(車両側パフォーマンス)の増加に伴って増加(交感神経の活性化及び副感神経の非活性化)し、追随感の低下に伴って低下(交感神経の非活性化及び副感神経の活性化)する特性を有している。
図2に示すように、運転支援装置1は、知覚量制御装置2と、効果音発生装置3と、運転者の随意運動量を検出可能な運動量センサ4と、運転者の自律神経系生体情報を運転者から直接的に検出可能な生体センサ5と、運転支援装置1による支援制御をオンオフ切替可能な制御開始スイッチ6と、ECU(Electronic Control Unit)7等を備えている。
ECU7は、CPU(Central Processing Unit)と、ROMと、RAMと、イン側インタフェースと、アウト側インタフェース等によって構成されている。
ROMには、運転者状態判定制御及び運転者状態改善制御するための種々のプログラムやデータが格納され、RAMには、CPUが一連の処理を行う際に使用される処理領域が設けられている。
図2に示すように、ECU7は、体性神経系活性度検出部11(体性神経系活性度検出手段)と、自律神経系活性度検出部12(自律神経系活性度検出手段)と、運転者状態推定部13(運転者状態推定手段)と、バランス制御部14等を備えている。
体性神経系活性度検出部11は、運動量センサ4の検出信号に基づき車両Vの操縦に伴う運転者の身体的な体性神経系活性度tを検出している。
具体的には、運動量センサ4として車輪速センサ(速度センサ)又は時間計測センサを用いる場合、予め計測された規定の走行コースの基準ラップタイムと比較対象である計測ラップタイムとの比率(ラップタイム比)を体性神経系活性度tとして検出している。
また、運動量センサ4として舵角センサを用いる場合、舵角センサの時系列データの微分値等を用いて算出したステアリング操作の滑らかさを体性神経系活性度tとして検出している。
尚、知覚量制御装置2によって検出された筋活動強度の検出信号に基づき体性神経系活性度tを検出しても良く、また、効果音発生装置3によって検出された舵角検出信号に基づき体性神経系活性度tを検出しても良い。知覚量制御装置2や効果音発生装置3から随意運動量の検出信号を入力する場合、運動量センサ4を省略することができる。
次に、自律神経系活性度検出部12について説明する。
自律神経系活性度検出部12は、生体センサ5の検出信号に基づき車両Vの操縦に伴う運転者の精神的な自律神経系活性度gを検出している。
具体的には、生体センサ5として心拍数センサを用いる場合、予め計測された安静時の心拍数と比較対象である計測された心拍数との比率(心拍数比)を自律神経系活性度gとして検出している。
尚、生体センサ5として、撮像した運転者の瞳孔径を測定する瞳孔径測定装置、皮膚電気量を測定可能な皮膚電気量測定装置、血圧測定装置、発汗量測定装置等の既存のセンサを用いても良く、交感神経又は副交感神経の活動量(活性度)を直接電気的に計測可能なセンサを利用することも可能である。
次に、運転者状態推定部13について説明する。
運転者状態推定部13は、各々の活性度検出部11,12によって検出された体性神経系活性度t及び自律神経系活性度gに基づいて運転者の心身状態を推定している。
図3,図4に示すように、この運転者状態推定部13は、横軸が体性神経系活性度t及び縦軸が自律神経系活性度gによって規定される2次元の座標系を有し、運転者の心身状態Pを体性神経系活性度t及び自律神経系活性度gを用いて座標P(t,g)により規定可能に構成されている。
この座標系において、体性神経系活性度tは身体の運動により感覚が知覚する量であるため、体性神経系活性度tが大きく且つ自律神経系活性度gが小さい座標P(t,g)のとき、心の高鳴りに比べて操作手応えが大きな領域、例えば、運転者にとって感覚的に操作負担が大きい、或いは退屈を感じる領域に相当する。
体性神経系活性度tが小さく且つ自律神経系活性度gが大きい座標P(t,g)のとき、心の高鳴りに比べて操作手応えが小さい領域、例えば、運転者にとって感覚的に期待外れ感が大きい、或いは不安を感じる領域に相当する。
この座標系には、体性神経系活性度tに対する自律神経系活性度gの比率が一定にされたバランスラインLと、このバランスラインL上に中心を有する楕円状のバランスゾーンAがマップとして予め設定されている。
予め実験や経験値等によって運転者の心と身体が共に活性化している状態、所謂自己効力感が高い状態における体性神経系活性度tと自律神経系活性度gを基準サンプルとして検出し、この体性神経系活性度tと自律神経系活性度gの座標(t,g)と原点を結ぶラインをバランスラインLとして設定している。
バランスゾーンAは、長軸がバランスラインL上に重畳し、短軸がバランスラインLに直交するように形成されている。このバランスゾーンAは、バランスラインLの上端近傍領域及び下端近傍領域を除く中間領域に設定されていることから、運転者の心と身体が共に活性化している状態であり、自己効力感が高い状態である。
バランスゾーンAは、自律神経系活性度gを心拍数で検出した場合、例えば、80〜140(拍/min)に相当する領域に設定されている。
運転者状態推定部13は、体性神経系活性度t及び自律神経系活性度gに基づく座標(t,g)を運転者の心身状態Pを表す座標P(t,g)として座標上に規定し、座標P(t,g)とバランスゾーンAとの位置関係によって運転者の心身状態を推定している。
運転者の心身状態Pを表す座標P(t,g)が、バランスゾーンA内に存在するとき、体性神経系と自律神経系がバランスした活性状態(図11に示す期待感、達成感、自己効力感の3要素から構成される活性化サークルが円滑に循環して内発的動機付けが生まれる状態)であると判定し、バランスゾーンA内で且つバランスラインL上に存在するとき、最も良好な活性状態であると判定している。
反対に、運転者の心身状態Pを表す座標P(t,g)が、バランスゾーンA外に存在するとき、体性神経系と自律神経系がバランスを崩した状態であると判定し、バランスゾーンAからの離隔距離が大きい程、心身状態が悪化していると判定している。
尚、以下、特に説明がない限り、基本的に、運転者の心身状態Pを状態P、運転者の心身状態Pを表す座標P(t,g)を座標P(t,g)として表す。
次に、バランス制御部14について説明する。
バランス制御部14は、体性神経系活性度制御手段である知覚量制御装置2と自律神経系活性度制御手段である効果音発生装置3との少なくとも一方を介して現在の状態Pを現在の状態Pよりも良好な状態Pに移行させるように形成されている。
図2に示すように、バランス制御部14は、最短ルート制御部15と、変更ルート制御部16と、活性度調整制御部17とを備えている。
状態PがバランスゾーンA外のとき、最短ルート制御部15、或いは最短ルート制御部15と変更ルート制御部16が作動し、状態PがバランスゾーンA内のとき、活性度調整制御部17が作動している。
最短ルート制御部15は、現在の状態PがバランスゾーンA外のとき、状態PとバランスゾーンAとの離隔距離が最短になる目標座標を設定し、この設定された最短ルートに基づいて状態Pが目標座標に向かって移行するように知覚量制御装置2と効果音発生装置3の少なくとも一方を制御している。最短ルート制御部15の実行中にはフラグF2に1が入り、実行終了でフラグF2に0が入る。
図3に示すように、例えば、現在の座標P1(t1,g1)がバランスゾーンA外のとき、バランスゾーンAとの離隔距離が最短距離になる目標座標P1a(t1a,g1a)を演算している。最短ルート制御部15は、座標P1(t1,g1)と目標座標P1a(t1a,g1a)から、体性神経系活性度tの変化量に相当する差分Δt1(t1a−t1)と自律神経系活性度gの変化量に相当する差分Δg1(g1a−g1)を求め、差分Δt1に応じて知覚量制御装置2を制御し、差分Δg1に応じて効果音発生装置3を制御している。
これにより、運転者の心身状態PをバランスゾーンA内に向けて最短時間で移行させている。
具体的には、体性神経系活性度tを増加するとき、知覚量制御装置2を介して随意運動量を増加(例えばステアリングのギヤ比を低下、アクセルペダルの反力知覚量を増加等)して操作の知覚量を向上し、体性神経系活性度tを低下するとき、知覚量制御装置2を介して随意運動量を低下(例えばステアリングのギヤ比を増加、アクセルペダルの反力知覚量の低下等)して操作の知覚量を減少させている。
自律神経系活性度gを増加するとき、効果音発生装置3を介して運転意識を高揚(例えば効果音発生、効果音のゲイン増加等)して追随感を向上し、自律神経系活性度gを低下するとき、知覚量制御装置2を介して運転意識を低下(例えば効果音停止、効果音のゲイン低下等)して追随感を減少させている。
変更ルート制御部16は、最短ルート制御部15が演算した差分Δt1,Δg1の低下側変化量(マイナス側変化量)が所定値以上のとき、低下側変化量を減少させた変更ルートを設定し、この設定された制御ルートに基づいて状態Pが移行するように知覚量制御装置2と効果音発生装置3の少なくとも一方を制御している。変更ルート制御部16の実行中にはフラグF3に1が入り、実行終了でフラグF3に0が入る。
図3に示すように、例えば、現在の座標P1(t1,g1)、最短ルートの目標座標P1a(t1a,g1a)の場合、差分Δg1は増加側変位であるため、運転者の期待感が増加するものの、差分Δt1は低下側変位であるため、低下側変化量が所定値以上の場合、運転者の達成感が大幅に減少し、運転者が違和感を覚える虞がある。
そこで、運転者の達成感の減少を抑制するため、低下側変化量である差分Δt1を運転者が違和感を覚えないレベルで減少したバランスゾーンA内の目標座標P1b(t1b,g1b)を設定している。
変更ルート制御部16は、座標P1(t1,g1)と目標座標P1b(t1b,g1b)から、差分Δt1より小さく且つ体性神経系活性度tの変化量に相当する差分Δt2(t1b−t1)と自律神経系活性度gの変化量に相当する差分Δg2(g1b−g1)を求め、差分Δt2に応じて知覚量制御装置2を制御し、差分Δg2に応じて効果音発生装置3を制御している。
これにより、運転者が違和感を覚えることなく状態PをバランスゾーンA内に向けて短時間で移行させている。
活性度調整制御部17は、現在の状態PがバランスゾーンA内のとき、状態PがバランスラインLに対して平行な移動軌跡になるように、換言すれば、体性神経系活性度tと自律神経系活性度gが同一方向に移行するように知覚量制御装置2と効果音発生装置3を制御している。バランスラインLは体性神経系活性度tに対する自律神経系活性度gの比率が一定のラインであるため、バランスラインLに対して平行な移動軌跡は体性神経系活性度tに対する自律神経系活性度gの比率が一定である。
図3,図4に示すように、バランスゾーンAの内部には、上端近傍領域に上端ゾーンZ1が設定され、下端近傍領域に下端ゾーンZ2が設定されている。
上端ゾーンZ1では、体性神経系と自律神経系がバランスした活性状態であるものの、運転負荷が高く且つ緊張度が高いため、必ずしも長時間の運転に適した状態とは言い難い。
そこで、活性度調整制御部17は、状態Pが上端ゾーンZ1内に一定時間変化なく存在する場合(P2(t2,g2))、バランスラインLに対して平行な移動軌跡で体性神経系活性度t及び自律神経系活性度gを同一方向に減少させる活性度低下制御を行っている。
これにより、運転者を長時間の高負荷状態から解放し、快適性を確保している。
活性度調整制御部17は、活性度低下制御の実行中、状態Pが下端ゾーンZ2に到達した場合(P2a(t2a,g2a))、バランスラインLに対して平行な移動軌跡で体性神経系活性度t及び自律神経系活性度gを同一方向に増加させる活性度増加制御を行っている。活性度増加制御の実行中にはフラグF1に1が入り、実行終了でフラグF1に0が入る。
これにより、自己効力感を増加している。
尚、活性度増加制御の実行中、状態Pが上端ゾーンZ1に到達したとき、活性度増加制御は終了される。
次に、知覚量制御装置2について説明する。
知覚量制御装置2は、運転者が知覚する車両Vの挙動に応じた応答知覚量を操作手段による反力知覚量に対して線形性を有するように制御している。
図5に示すように、知覚量制御装置2は、運転者が操作可能なステアリング21、アクセル22、ブレーキ23と、これら操作手段21〜23の操作量に応じて運転者に反力知覚量を夫々付与する反力モータ24〜26と、操作手段21〜23の操作量に応じて車両Vの応答知覚量を夫々発生するステアリングモータ27、スロットル駆動モータ28、ブレーキ用ポンプ駆動モータ29と、反力モータ24〜26とモータ27〜29を制御可能なECU30等を備えている。操作手段21〜23の操作量は、操作量センサ31〜33の検出信号としてECU30に夫々出力され、操作手段21〜23の操作力は、操作力センサ34〜36の検出信号としてECU30に夫々出力されている。
この構成により、ECU30は、ステアリング21のギヤ比やアクセル22の反力知覚量を任意に制御可能である。
本実施例では、制御開始スイッチ6がオン操作され且つ体性神経系活性度tを増加するとき、ステアリング21と前輪とのギヤ比が通常のギヤ比(例えば14.5)に比べて小さいギヤ比(例えば11.0)に切り替え、制御開始スイッチ6がオン操作され且つ体性神経系活性度tを減少するとき、ステアリング21と前輪とのギヤ比が通常のギヤ比に比べて大きいギヤ比(例えば15.5)に切り替えるように構成されている。
尚、知覚量制御装置2に係る具体的な構成は、本出願人が既に出願しているため、詳細な説明を省略する(特願2016−099456号参照)。
次に、効果音発生装置3について説明する。
効果音発生装置3は、エンジンのランブル音によって車両Vの旋回挙動を聴覚的に演出し、旋回操作感を高くするように制御している。
図6に示すように、効果音発生装置3は、各センサ41〜47と各装置48〜50からなる走行状態検出手段と、左右1対のスピーカ51,52と、ECU53とを備え、ECU53が、ヨーレートセンサ42と横Gセンサ44により検出された走行状態に基づいて車両Vの車幅方向の移動と旋回方向の移動の少なくとも1つに関連する物理量をパラメータとする横入力量を設定する横入力量設定部53aと、横入力量に基づき半次周波数成分からなる複数の半次調整波音を選択する調整波音選択部53bと、基本波音と選択された複数の半次調整波音を合成する効果音生成部53cを有している。
この運転支援装置50は、車間距離報知機能と運転者の感情改善機能とを備えている。
この構成により、ECU53の調整波音選択部53bは、複数の半次調整波音のゲインを任意に制御可能である。
本実施例では、制御開始スイッチ6がオン操作され且つ自律神経系活性度gを増加するとき、アクセル22の踏込量に比例して各調整波音のゲインの補正係数を増加補正するように制御し、制御開始スイッチ6がオン操作され且つ自律神経系活性度gを減少するとき、アクセル22の踏込量に比例して各調整波音のゲインの補正係数を減少補正するように制御している。
尚、効果音発生装置3に係る具体的な構成は、本出願人が既に出願しているため、詳細な説明を省略する(特願2016−071382号参照)。
次に、図7,図8のフローチャートに基づいて、制御処理手順について説明する。尚、Si(i=1,2…)は、各処理のためのステップを示す。
図7のフローチャートに示すように、制御処理では、まず、S1にて、各センサ4,5の検出値や制御開始スイッチ6の信号を含む各種情報を読み込み、S2へ移行する。
S2では、制御開始スイッチ6がオン操作されているか否か判定する。
S2の判定の結果、制御開始スイッチ6がオン操作されている場合、S3に移行する。
S2の判定の結果、制御開始スイッチ6がオフ操作されている場合、リターンする。
S3では、状態PがバランスゾーンA内に存在するか否か判定する。
S3の判定の結果、状態PがバランスゾーンA内に存在する場合、S4に移行する。
S4では、フラグF2が1か否か判定する。
S4の判定の結果、フラグF2が1の場合、状態PがバランスゾーンA内に存在するにも拘らず最短ルート制御が実行中であるため、最短ルート制御を終了し(S5)、フラグF2を0にする(S6)。
S4の判定の結果、フラグF2が0の場合、S7に移行する。
S7では、フラグF3が1か否か判定する。
S7の判定の結果、フラグF3が1の場合、状態PがバランスゾーンA内に存在するにも拘らず変更ルート制御が実行中であるため、変更ルート制御を終了し(S8)、フラグF3を0にする(S9)。
S7の判定の結果、フラグF2が0の場合、S10に移行する。
S10では、活性度調整制御を実行し、リターンする。
S3の判定の結果、状態PがバランスゾーンA外に存在する場合、S11に移行する。
S11では、フラグF1が1か否か判定する。
S11の判定の結果、フラグF1が1の場合、状態PがバランスゾーンA外に存在するにも拘らず活性度増加制御が実行中であるため、活性度増加制御を終了し(S12)、フラグF1を0にした後(S13)、リターンする。
S11の判定の結果、フラグF1が0の場合、S14に移行し、フラグF2が1か否か判定する。
S14の判定の結果、フラグF2が1の場合、既に最短ルート制御が実行中であるため、最短ルート制御を継続し(S15)、フラグF2を1にした後(S16)、リターンする。
S14の判定の結果、フラグF2が0の場合、S17に移行し、フラグF3が1か否か判定する。
S17の判定の結果、フラグF3が1の場合、既に変更ルート制御が実行中であるため、変更ルート制御を継続し(S18)、フラグF3を1にした後(S19)、リターンする。
S17の判定の結果、フラグF3が0の場合、状態PがバランスゾーンA外に存在するにも拘らず未だ最短ルート制御と変更ルート制御の何れも実行されていないため、S20に移行する。
S20では、状態PからバランスゾーンAまでの最短ルート(目標座標)を演算し、S21に移行する。
S21では、状態Pと最短ルートの目標座標との差分Δt,Δgについて、低下側変化量が所定値以上か否か判定する。
S21の判定の結果、低下側変化量が所定値以上の場合、S18に移行して変更ルート制御を実行する。
S21の判定の結果、低下側変化量が所定値未満の場合、S15に移行して最短ルート制御を実行する。
次に、S10の活性度調整制御について説明する。
図8のフローチャートに示すように、活性度調整制御処理では、まず、S31にて、状態Pが上端ゾーンZ1内に存在するか否か判定する。
S31の判定の結果、状態Pが上端ゾーンZ1内に存在する場合、S32に移行し、フラグF1が1か否か判定する。
S31の判定の結果、状態Pが上端ゾーンZ1内に存在しない場合、状態Pが自己効力感が高い状態で且つ運転に適した状態に存在するため、終了する。
S32の判定の結果、フラグF1が1の場合、活性度低下制御が完了した後の活性度増加制御が実行中であるため、S33に移行し、活性度増加制御を終了し(S33)、フラグF1を0にした後(S34)、終了する。
S32の判定の結果、フラグF1が0の場合、状態Pが初めて上端ゾーンZ1内に侵入したため、S35に移行し、タイマTに1を加算する。
次に、S36では、タイマTが判定値Kを超えるか否か判定する。
S36の判定の結果、タイマTが判定値Kを超える場合、状態Pが上端ゾーンZ1内に一定時間変化なく存在するため、活性化低下制御を実行し(S37)、タイマTをリセットする(S38)。
S39では、状態Pが下端ゾーンZ2内に存在するか否か判定する。
S39の判定の結果、状態Pが下端ゾーンZ2内に存在する場合、運転者の負担が解消されたため、活性化低下制御を終了する(S40)。
S39の判定の結果、状態Pが下端ゾーンZ2内に存在しない場合、S37に移行する。
次に、S41にて、状態Pを自己効力感が高い状態に移行するために活性化増加制御を実行し、フラグF1を1にした後(S42)、終了する。
次に、本実施例の運転支援装置1における作用、効果について説明する。
作用、効果の説明に当り、標準的な2名の被験者X,Y(運転者)に対して2種類の検証実験を行った。
第1の検証実験は、被験者X,Yが、テストコース(周回路)を走行したときのラップタイムを計測し、基準ラップタイムとのラップタイム比と心拍数比とを夫々計測した。
第2の検証実験は、被験者X,Yが、テストコースを走行したときのステアリング操作の滑らかさと心拍数比とを夫々計測した。
被験者X,Yは、ステアリングギヤ比がノーマルレシオ(例えば14.5)に設定された車両(X1,Y1)、知覚量制御装置2を備えステアリングギヤ比がクイックレシオ(例えば11.0)に設定された車両(X2,Y2)、ステアリングギヤ比がクイックレシオで且つ効果音発生装置3を備えた車両(X3,Y3)について、第1,第2の検証実験を行った。
図9,10に基づいて、第1,第2の検証結果について説明する。
図9に示すように、被験者Xのラップタイム比は、ノーマルレシオの状態X1aに比べてクイックレシオの状態X2aの方が高く、また、心拍数比は、効果音不作動の状態X2aに比べて効果音作動の状態X3aの方が高い結果であった。
同様に、被験者Yのラップタイム比は、ノーマルレシオの状態Y1aに比べてクイックレシオの状態Y2aの方が高く、また、心拍数比は、効果音不作動の状態Y2aに比べて効果音作動の状態Y3aの方が高い結果であった。
これにより、ギヤ比を小さくする、つまり、操作の知覚量の増加によって体性神経系活性度tが増加することが知見された。また、効果音作動、つまり、エンジンサウンドのフィードバックにより運転者の操作に連動した車両挙動が明確に把握されるため、追随感が増加し、これに伴って自律神経系活性度gが増加することが知見された。
更に、ギヤ比を小さくした場合、車両Vがクイックに動くため車両Vが意のままに動くと感じると共に操作を間違わないように運転意識も向上するため、自律神経系活性度gの増加に寄与することが判明した。また、効果音を作動させた場合、運転者が車両Vの動きが滑らかと感じると共に車両挙動を明確に把握して車両Vの操作も滑らかになるため、体性神経系活性度tの増加に寄与することが判明した。
図10に示すように、被験者Xのステアリング操作の滑らかさは、ノーマルレシオの状態X1bに比べてクイックレシオの状態X2bの方が高く、また、心拍数比は、効果音不作動の状態X2bに比べて効果音作動の状態X3bの方が高い結果であった。
同様に、被験者Yのステアリング操作の滑らかさは、ノーマルレシオの状態Y1bに比べてクイックレシオの状態Y2bの方が高く、また、心拍数比は、効果音不作動の状態Y2bに比べて効果音作動の状態Y3bの方が高い結果であった。
第1の検証結果と同様に、操作の知覚量の増加によって体性神経系活性度tが増加し、追随感の増加によって自律神経系活性度gが増加することが知見された。
更に、効果音作動による追随感の増加は、運転状況により操作の知覚量を減少側に作用する場合もあることが判明した。
この運転支援装置1では、車両Vの操縦に伴う運転者の身体的な体性神経系活性度tを運動量センサ4を介して検出する体性神経系活性度検出部11と、車両Vの操縦に伴う運転者の精神的な自律神経系活性度gを生体センサ5を介して検出する自律神経系活性度検出部12とを有するため、知覚、運動及び行動指標を介して体性神経系活性度tを数値によって可視化することができ、身体の内部指標を介して自律神経系活性度gを数値によって可視化することができる。
各々の検出部11,12によって検出された達成感を表す体性神経系活性度tと期待感を表す自律神経系活性度gに基づいて運転者の心身状態を推定する運転者状態推定部13を有するため、パラメータによって数値化された体性神経系活性度tと自律神経系活性度gを用いて2つの基準軸に基づき運転者の心身状態を推定することができ、運転者の心と身体が共に活性化している状態である自己効力感を判定することができる。
運転者状態推定部13が、体性神経系活性度tと自律神経系活性度gによって規定されると共に体性神経系活性度tと自律神経系活性度gの比率が一定になるバランスラインLの一部を含むバランスゾーンAが形成された座標系を有し、体性神経系活性度tと自律神経系活性度gに基づく運転者の心身状態がバランスゾーンA内に存在するとき、体性神経系と自律神経系がバランスした活性状態であると判定している。
これにより、体性神経系と自律神経系がバランスした状態であるバランスラインLの一部を含むバランスゾーンAを有する座標系を形成することができ、この座標系上で運転者の心身状態を観察することができる。また、運転者の心と身体が共に活性化している状態を座標系のバランスゾーンAを用いて判定することができる。
座標系は、体性神経系活性度tと自律神経系活性度gが少なくとも共に所定値以下になる領域を除いた領域、具体的には、バランスラインLの上端近傍領域及び下端近傍領域を除く中間領域に設定されたバランスゾーンAを有するため、運転者の心と身体が共に活性化している状態で且つ自己効力感が高い状態のバランスゾーンAを設定することができる。
体性神経系活性度検出部11が運転者の随意運動量を検出し、自律神経系活性度検出部12が自律神経系生体情報を検出するため、体性神経系活性度tと自律神経系活性度gを数値によって精度良く検出することができる。
随意運動量が、ラップタイム比又はステアリング操作の滑らかさであり、自律神経系生体情報が、心拍数比であるため、体性神経系活性度tと自律神経系活性度gを運転者から直接的に検出することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、体性神経系活性度のパラメータに相当する随意運動量としてラップタイム比やステアリング操作の滑らかさの例を説明したが、これに限るものではない。随意運動量は、ラップタイム比以外の運動時間、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル、シフトレバー等の操作手段に係る筋活動強度、視線移動速度等の何れであっても良く、複合化した値を用いても良い。
体性神経系活性度を運動タスクへの集中度に関連した脳活動として計測しても良く、例えば、体性神経活動電流により発生した体性感覚誘発磁界(SEF)を脳磁図(MEG)を用いて計測可能である。また、皮質細胞に発生する1〜100Hzの正弦波要素である数100μVの電気現象を高密度脳電図(EEG)を用いて計測可能である。
更に、手足の筋電位(EMG)や運動誘発電位(MEP)を直接計測しても良い。
2〕前記実施形態においては、自律神経系生体情報として心拍数比の例を説明したが、これに限るものではない。
自律神経系生体情報は、心拍数の検出値であっても良く、血圧、発汗、瞳孔径等の何れであっても良い。
3〕前記実施形態においては、バランスゾーンを楕円に設定した例を説明したが、仕様に応じて任意に形状や領域を設定することが可能であり、バランスライン上に中心(重心)を有する向かい合う辺がバランスラインに平行な長方形であっても良く、繭形状であっても良い。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
V 車両
t 体性神経系活性度
g 自律神経系活性度
A バランスゾーン
L バランスライン
1 運転支援装置
11 体性神経系活性度検出部
12 自律神経系活性度検出部
13 運転者状態推定部

Claims (5)

  1. 運転者の心身状態を判定する運転者状態判定装置を備えた運転支援装置において、
    車両の操縦に伴う運転者の身体的な体性神経系活性度を検出する体性神経系活性度検出手段と、
    車両の操縦に伴う運転者の精神的な自律神経系活性度を検出する自律神経系活性度検出手段と、
    前記各々の検出手段によって検出された前記体性神経系活性度と自律神経系活性度に基づいて運転者の心身状態を推定する運転者状態推定手段であって、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度によって規定されると共に前記体性神経系活性度と自律神経系活性度の比率が一定になるバランスラインの一部を含むバランスゾーンを予め設定したマップを有するとともに、前記体性神経系活性度及び自律神経系活性度が前記バランスゾーン内に存在するとき、体性神経系と自律神経系がバランスした活性状態であると判定する運転者状態推定手段と、
    前記体性神経系活性度及び自律神経系活性度が前記バランスゾーン内に存在しないとき、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度に応じて前記バランスゾーン内に目標体性神経系活性度と目標自律神経系活性度を設定するとともに、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度を前記目標体性神経系活性度と目標自律神経系活性度に移行させる制御を実行する制御手段とを有することを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記バランスゾーンは、前記体性神経系活性度と自律神経系活性度が夫々所定値以上になる領域に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記体性神経系活性度検出手段が運転者の随意運動量を検出し、前記自律神経系活性度検出手段が自律神経系生体情報を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援装置。
  4. 前記随意運動量が、筋活動強度、運動時間、視線移動速度の少なくとも1つであり、前記自律神経系生体情報が、心拍数、血圧、発汗、瞳孔径の少なくとも1つであることを特徴とする請求項に記載の運転支援装置。
  5. 前記制御手段は、知覚量制御装置と効果音発生装置との少なくとも一方を介して前記体性神経系活性度と自律神経系活性度を前記目標体性神経系活性度と目標自律神経系活性度に移行させる制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
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