JP2023136227A - 操舵感覚推定方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023136227000001
【課題】被験者が車両の操舵操作を行ったときに感じた操舵感覚を客観的に評価できる操舵感覚推定方法を提供する。
【解決手段】操舵感覚推定方法では、第1被験者が車両の操舵操作を行ったときの第1被験者の生理指標を測定し(S4、S6)、操舵操作を行ったときの操舵感覚を第1被験者が感性評価語を用いて評価した結果である感性評価結果を取得し(S5)、第1被験者の生理指標の測定結果と感性評価結果との間の相関分析に基づいて感性評価結果と相関のある生理指標である有相関生理指標を決定し(S7、S8)、第2被験者が車両の操舵操作を行ったときの第2被験者の有相関生理指標を測定し(S10、S11)、第2被験者の有相関生理指標に基づいて第2被験者の操舵感覚を推定する(S12、S13)。
【選択図】図4

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和 3年10月 8日 令和3年自動車技術会秋季大会学術講演会 講演予稿集、セッションNo.131、セッション名「ドライバ感性」、講演番号229 公益社団法人自動車技術会 (2)令和 3年10月15日 令和3年自動車技術会秋季大会学術講演会 オンライン
本発明は、操舵感覚推定方法に関する。
近年の自動車の開発では、安心や安全に加えて、運転の愉しさや快適さといった感性性能を重要視している。従来、自動車の感性性能の評価は、もっぱらテストドライバの官能評価によって行われていた。
また、下記特許文献1には、車両の外部環境により運転者の運転操作に要求される環境難易度と運転者の運転操作に基づく運転技量とから、外部環境に対する運転者状態として、運転者が楽しいという感情をもつ状態であるか否かを推定するドライバ感情推定装置が記載されている。
特許第6149842号明細書
テストドライバの官能評価による感性性能の評価は、主に車両の挙動を感得して(手順1)、感得した車両挙動を言語化する(手順2)、という手順によって行われる。しかしながら、これらの手順には個々のテストドライバに個人差があるため、評価結果にバラツキが生じうる。さらに上記手順2において、個人差を排除しながら言語化できるようになるためには相応の訓練を要することから、十分な人数の適正な被験者を揃えることは容易ではない。
また、上記の特許文献1に記載のドライバ感情推定装置は、環境難易度と運転技量から運転者の感情状態を推定するものであり、運転者の感情を直接的に評価するものではない。運転者の感情は運転シーンや、その時の気分や体調などによって変化するため、環境難易度と運転技量のみでは運転者の感情を正確に推定することは困難である。
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、被験者が車両の操舵操作を行ったときに感じた操舵感覚を客観的に評価できる操舵感覚推定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による操舵感覚推定方法では、第1被験者が車両の操舵操作を行ったときの第1被験者の生理指標を測定し、操舵操作を行ったときの操舵感覚を第1被験者が感性評価語を用いて評価した結果である感性評価結果を取得し、第1被験者の生理指標の測定結果と感性評価結果との間の相関分析に基づいて、感性評価結果と相関のある生理指標である有相関生理指標を決定し、第2被験者が車両の操舵操作を行ったときの第2被験者の有相関生理指標を測定し、第2被験者の有相関生理指標に基づいて第2被験者の操舵感覚を推定する。
本発明によれば、被験者が車両の操舵操作を行ったときに感じた操舵感覚を客観的に評価できる操舵感覚推定方法が提供される。
実施形態の操舵感覚推定装置の一例の概要を示す構成図である。 操舵感覚の感性評価に用いる感性評価語の一例を示す表である。 SD(Semantic Differential)法に基づく操舵感覚の感性評価に用いる感性評価シートの一例の模式図である。 感性評価結果と相関のある生理指標である有相関生理指標の決定処理の一例のフローチャートである。 有相関生理指標に基づく運転者の操舵感覚の推定処理の一例のフローチャートである。 オフセンタエリアにおける運転者の操舵操作の説明図である。 実施例において操舵操作の評価走行を行った走行コースの説明図である。 (a)~(c)は実施例においてドライビングシミュレータに付与した反力特性を示す特性を示す概念図である。 (a)及び(b)は実施例における感性評価の主成分分析結果の例を示す主成分負荷分散図である。 感性評価の主成分分析結果の例を示す固有値表である。 (a)及び(b)は感性評価の主成分分析結果の例を示す主成分得点散布図である。 基本感情と交感神経指標との間の相関分析結果の一例の表である。 (a)及び(b)は、異なる反力特性に対する生理指標の多重比較の検定結果を示すグラフである。
本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明では、車両の運転者が、ステアリングホイールを操舵する際に手で感じる操舵トルク特性と、視覚や三半規管などで感じる車両挙動や車両応答(ヨーレート、横加速度など)に対して抱く多様な感情を、感性評価との相関が確認された生体信号に基づく生理指標を用いて高精度に評価する。本明細書において、運転者が車両の操舵操作を行った際に操舵反力と車両応答を通じて感じる感情を「操舵感覚」と表記することがある。
車両の運転者は、操舵反力と車両挙動を認知し状況を判断して操舵を行っている。このとき、運転者が認知した情報は運転者の感情にも影響を与え、運転者の感情は運転者の判断および操作に影響していると考えられる。このため、運転者の感情を評価できれば、例えば運転者が安全な運転を行っているか否かを判断できる。また、運転者の感情を基に自動車を設計することで自動車の安全性を向上することができる。
(構成)
図1は、本発明の実施に用いる操舵感覚推定装置の一例の概要を示す構成図である。操舵感覚推定装置1は、生体信号センサ2と、生理指標算出部3と、操舵感覚推定部4と、感性評価データベース(感性評価DB)5と、測定結果出力部6とを備える。
生体信号センサ2は、運転者の生体信号を測定するセンサである。例えば生体信号センサ2は、生体信号として運転者の心拍を測定する心拍数モニタであってよい。また例えば生体信号センサ2は、生体信号として運転者の脳波を測定する脳波計であってよい。なお、運転者は特許請求の範囲に記載の「第2被験者」の一例である。
生理指標算出部3は、生体信号センサ2が測定した生体信号に基づいて運転者の生理指標を算出する。生理指標算出部3によって算出する生理指標は、操舵操作時に運転者に生じる操舵感覚と相関関係を有することが確認された生理指標である。以下の説明において、操舵感覚と相関関係を有することが確認された生理指標を「有相関生理指標」と表記する。有相関生理指標は、予め実際の車両又はドライビングシミュレータを用いて評価走行を実施し、評価走行の被験者が操舵操作を行ったときの生理指標の測定結果と、操舵操作を行ったときの操舵感覚を被験者に評価させる感性評価の結果である感性評価結果によって決定する。
操舵感覚の感性評価では、感情を表す用語として予め選択した様々な感性評価語を用いたアンケートを被験者に実施する。図2は、操舵感覚の感性評価に用いる感性評価語の一例を示す表である。例えば感性評価語は、被験者の基本的な感情を表す「心地よい」、「不快な」、「目の覚めるような」、「眠くなる」、「わくわくする」、「退屈な」、「落ち着いた」、「イライラする」等の評価語を含んでもよい。
また例えば感性評価語は、被験者の基本的な感情を説明するための抽象的な評価語を含んでもよい。基本的な感情を説明するための抽象的な評価語は、例えば「操作しやすい」、「軽快な」、「上品な」、「安っぽい」、「活動的な」、「伸びやかな」、「すっきりした」、「力強い」、「魅力的な」、「スポーティな」、「思いどおりの」、「単調な」、「整った」、「安定した」、「滑らかな」、「デリケートな」等の評価語を含んでもよい。
また例えば感性評価語は、車両の操舵感を説明する評価語を含んでもよい。車両の操舵感を説明する評価語は、例えば「車両との一体感がある」、「操舵トルクのリニア感がある」、「車両挙動が予測しやすい」、「ゴツゴツした」、「切り始めが重い」、「切り始めが軽い」、「保舵が重い」、「保舵が軽い」、「車両応答が良い」、「車両応答が早い」、「戻しやすい」、「戻りが早い」、「切り返しがスムーズな」、「保舵し易い」等の評価語を含んでもよい。
このように、被験者の基本的な感情を表す感性評価語に加えて、基本的な感情を説明するための抽象的な感性評価語や、車両の操舵感を説明する感性評価語を組み合わせて感性評価を行うことで、操舵トルクや車両挙動に対する運転者の多様な感情を評価できることができる。なお、図2に例示した抽象的な感性評価語と操舵感に関する感性評価語は、運転シーンなどに合わせて任意に追加、修正することができる。
感性評価語を用いた感性評価は、例えば既知のSD(Semantic Differential)法に基づいて行ってよい。SD法は、例えば図3に示すような感性評価シートを使ったアンケートを行い、対立する感性評価語(形容詞)の対の間の5段階または7段階の尺度で、被験者が抱いた感情を回答させる方法である。
例えば、被験者に実際の車両又はドライビングシミュレータを運転させる評価走行を実施し、操舵操作を行ったときの被験者の生理指標を測定し、評価走行の終了後に感性評価(アンケート)を実施して操舵操作を行ったときの操舵感覚を被験者に回答させる。このとき、様々な操舵感覚が個々の被験者に生じるように、実際の車両又はドライビングシミュレータの特性(例えば操舵反力特性や車両挙動特性)を変更して評価走行を複数回実行してよい。
こうして得られた感性評価結果と生理指標の測定結果との間の相関分析を行うことにより、操舵操作時に被験者に生じる操舵感覚と相関関係を有する有相関生理指標を特定できる。
感性評価結果と生理指標の測定結果との間の相関分析では、例えば、被験者が各々感性評価語に対して付けた得点と被験者の生理指標の値のとの間の相関を演算する。
感性評価結果に対して主成分分析を行ってもよい。主成分分析によって抽出した主成分に対する感性評価語の主成分負荷量に基づいて、操舵操作を行ったときに運転者が強く抱く操舵感覚を推定してもよい。
例えば、固有値が大きい順に所定個数の主成分を抽出し、抽出された主成分のうち、ある1つの主成分に対する主成分負荷量のみが他の感性評価語よりも大きく、残りの主成分に対する主成分負荷量が他の感性評価語よりも小さい感性評価語が表す操舵感覚が、操舵操作を行ったときに運転者が強く抱く操舵感覚であると推定してもよい。
例えば、生理指標算出部3は、有相関生理指標として、操舵操作を行ったときに運転者が強く抱く操舵感覚であると主成分分析で推定された操舵感覚と相関関係を有する生理指標を算出してよい。
図1を参照する。例えば、生理指標算出部3は、生体信号センサ2が測定した心拍に基づいて、心拍由来の生理指標を有相関生理指標として算出してもよい。運転者から計測した心拍のQRS波から次のQRS波までの間隔であるRR間隔(RRI)から、自律神経の状態を調べることができる。自律神経は身体の活動状態や精神状態を支配しており、交感神経と副交感神経の2種類に分類される。一般的に集中又はストレス状態では交感神経が優位になり、リラックス状態では副交感神経が優位になる。
心拍を用いた指標として、例えばRRIの時系列データを周波数分析して、周波数帯域別のパワースペクトル積分値を求めることで、低周波数帯域(0.04~0.15Hz)の指標であるLF値と、高周波数帯域(0.15~0.4Hz)の指標であるHF値を算出することができる。例えば、生理指標算出部3は、HF値、HF値に対するLF値の比である(LF/HF)値、HF値とLF値との和に対するLF値の比である(LF/(LF+HF))値を有相関生理指標として算出してもよい。
生理指標算出部3は、RRIをローレンツプロット解析することでCSI(Cardiac Sympathetic Index)値やCVI(Cardiac Vagal Index)値を有相関生理指標として算出してもよい。LF値、(LF/HF)値、(LF/(LF+HF))値、CSI値は、交感神経活動を表す指標であり、HF値、CVI値は、副交感神経活動を表す指標である。これらの指標を総称して「交感神経指標」と表記する。ローレンツプロット解析とは、自律神経活動を評価する一つの手法であり、「RRIが基本的に一定ではなくゆらいでいる」という特徴を利用して、RRIのデータからゆらぎの程度を調べる解析方法である。
また生理指標算出部3は、運転者から計測した脳波を、高速フーリエ解析により1Hzごとのパワースペクトル積分値を算出して求められる中枢神経系の指標を算出してもよい(以下、「中枢神経系指標」と表記する)。
中枢神経系指標として、例えば、脳波の全周波数領域に対するθ波領域(4Hz以上8Hz未満)、α波領域(8Hz以上13Hz未満)、β波領域(13Hz以上30Hz以下)のそれぞれのパワースペクトル積分値の比である%θ値、%α値、%β値を算出してよい。
また例えば、脳波の全周波数領域に対する低α波領域(8以上10Hz未満)、高α波領域(10以上13Hz未満)、低β波領域(13以上18Hz未満)、高β波領域(18以上30Hz)のそれぞれのパワースペクトル積分値の比である%αLow値、%αHigh値、%βLow値、%βHigh値を算出してもよい。脳がリラックス状態のときはα波が、活性状態ではβ波の割合が増加し、特に集中を要するときに%βLow値が増加する。
操舵感覚推定部4は、運転者が車両の操舵操作を行ったときに生理指標算出部3が算出した有相関生理指標に基づいて運転者が車両の操舵操作を行ったときに感じた操舵感覚を推定する。
例えば操舵感覚推定部4は、生理指標算出部3が算出した有相関生理指標と所定の基準値との比較結果に基づいて運転者操舵感覚を推定する。基準値は、予め実施した評価走行における生理指標の測定結果と感性評価結果に基づいて設定する。そして、運転者の操舵感覚の推定に用いる有相関生理指標の識別情報と共に、有相関生理指標と比較される基準値を感性評価データベース5に格納しておく。
例えば、運転者の「心地よい」及び「不快である」(すなわち「心地よくない」)という操舵感覚と相関関係を有する有相関生理指標として(LF/HF)値を用いるとともに、図3の感性評価シートのように感性評価において「心地よい」か「心地よくない」かを7段階の尺度で評価した場合を想定する。
例えば、「心地よい」に対して所定値(例えば「6」)以上の評価点を回答した被験者の(LF/HF)値の統計値(例えば、平均値、中間値、最大値、最小値)を第1基準値として設定して、感性評価データベース5に格納してよい。
操舵感覚推定部4は、生理指標算出部3が算出した有相関生理指標が第1基準値以上である場合に、運転者の操舵感覚が「心地よい」であると判定してよい。
反対に、「心地よくない」に対して所定値(例えば「2」)以下の評価点を回答した被験者の(LF/HF)値の統計値(例えば、平均値、中間値、最大値、最低値)を第2基準値として設定して、感性評価データベース5に格納してよい。
操舵感覚推定部4は、生理指標算出部3が算出した有相関生理指標が第2基準値未満である場合に運転者の操舵感覚が「不快である(心地よくない)」であると判定してよい。
なお、後述するように、(LF/HF)値は「心地よい」という操舵感覚に対して正の相関を有し、「不快である」という操舵感覚に対して負の相関を有することが確認されているため、第2基準値は第1基準値以下となる。
なお、感性評価データベース5には、有相関生理指標の識別情報及び基準値に加えて、感性評価から得られた他の分析結果を格納してもよい。例えば、感性評価結果に対する主成分分析により得られた各感性評価語の主成分負荷量を格納してもよい。
測定結果出力部6は、操舵感覚推定部4の推定結果を出力する。例えば、測定結果出力部6は、表示装置や印刷装置、音声出力装置、ネットワークインタフェース装置であってよい。
(動作)
図4は、感性評価結果と相関のある生理指標である有相関生理指標の決定処理の一例のフローチャートである。
ステップS1では、実際の車両又はドライビングシミュレータを用いて評価走行を実施する。
ステップS2では、評価走行にて被験者が操舵操作を行ったときに生じる操舵感覚の感性評価を実施する。
ステップS3では、ステップS2で得られた感性評価結果に対する主成分分析を行う。
ステップS4では、実際の車両又はドライビングシミュレータを用いて評価走行を実施する。その際に、評価走行の被験者が操舵操作を行ったときの生体信号を測定する。
ステップS5では、ステップS4の評価走行にて被験者が操舵操作を行ったときに生じる操舵感覚の感性評価を実施する。
なお、ステップS2の評価走行とステップS4の評価走行とを同時に行い、ステップS2の感性評価とステップS5の感性評価を同時に行ってもよい。すなわちステップS1の評価走行において被験者の生体信号を測定し、ステップS4の評価走行とステップS5の感性評価を省略してもよい。
ステップS6では、ステップS4の評価走行にて得られた生体信号に基づいて被験者の生理指標を算出する。
ステップS7では、ステップS6で算出した生理指標とステップS5で得られた感性評価結果との間の相関分析に基づいて、操舵操作時に被験者に生じる操舵感覚と相関関係を有する有相関生理指標を決定する。設定した有相関生理指標の識別情報を感性評価データベース5に記憶する。
ステップS8では、運転者の操舵感覚の推定において有相関生理指標と比較する基準値を設定する。そして、設定した基準値を感性評価データベース5に記憶する。その後に処理は終了する。
図5は、有相関生理指標に基づく運転者の操舵感覚の推定処理の一例のフローチャートである。
ステップS10において生体信号センサ2は、運転者が車両の操舵操作を行ったときの運転者の生体信号を測定する。
ステップS11において生理指標算出部は、ステップS10で測定した生体信号に基づいて運転者の有相関生理指標を算出する。
ステップS12において操舵感覚推定部4は、ステップS11で測定した有相関生理指標と、図4のステップS8で設定した基準値とを比較する。
ステップS13において操舵感覚推定部4は、ステップS12の比較結果に基づいて運転者の操舵感覚を推定する。その後に処理は終了する。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。実施例では、運転者による操舵操作を、直進状態を維持する受動的な操舵操作(オンセンタ領域における操舵操作)と、カーブ走行時の能動的な操舵操作(オフセンタ領域における操舵操作)とに分け、そのうちオフセンタ領域における操舵感覚について評価した。オフセンタ領域では、図6に示すように(1)目標操舵角への切り込み操舵、(2)保舵、(3)修正舵、(4)戻し操舵などの複合的かつ能動的な操舵を行うことから多様な感情を誘起できる。
(実験環境)
評価走行には、Elsaco社製の動揺装置とMige社製の反力装置(90ST-AM04025)とを、シミュレーションソフトで独自に組み合わせたドライビングシミュレータを用いた。ドライビングシミュレータにはステアリングシステムモデルを搭載することにより、反力特性を任意に変更できるようにした。車両挙動は、CarSim(登録商標)を用いて計算し、車両モデルはDセグメントのセダンタイプを使用した。
実験中はDS-nanoを介して3台の液晶モニタとモーション装置から実験参加者に走行映像と動揺を提示した。動揺中に周辺環境が視界に入ると実験参加者がシミュレータ酔いを起こす可能性があるため、実験室の照明は消灯した。また、運転に対する没入感を向上させるために、実験中はドライビングシミュレータに付属したセダン車の走行音を再生した。
図7は、実施例において操舵操作の評価走行を行った走行コースの説明図である。被験者がオフセンタ領域の能動的な操舵を行えるように直線と5個のS字カーブを繰り返す周回コースを作成した。コース全長は7kmであり車線幅は7mである。実験参加者にステアリング操作に集中してもらうために車速は60km/hで固定し、道路中央の黄色の実線に沿って走行するよう教示した。各カーブの曲率半径Rは、ステアリングホイールにおける最大操舵角が60度となるようにR=60mとした。また、直線とカーブの接続部分で急激なステアリング操作をさせないように緩和区間を設けた。
図8(a)~図8(c)は、実施例においてドライビングシミュレータに付与した反力特性を示す特性図である。
オフセンタ領域の操舵において、切り込み操舵では操舵角度(θsw)に対する操舵トルク(Tsw)の変化勾配(ΔTsw/Δθsw)が大きいほど手応えが重くなる。また、保舵と修正舵では操舵トルクのヒステリシス(Thys)が適度にあると運転負担が低減する。実施例では、操舵角度に対する操舵トルク変化の勾配とヒステリシスが異なる3種類の反力特性を設定した。
図8(a)の反力特性は、他の反力特性に比べて操舵トルク変化勾配(ΔTsw/Δθsw)を大きくすることで、ドライバが操舵トルク変化から車両挙動を予測しやすい特性とした(以降、図8(a)の操舵トルク特性を「重めの特性」と呼び、図面において「Heavy ST」と表記する)。
図8(b)の反力特性は、重めの特性よりも切り込み時の操舵トルク変化勾配(ΔTsw/Δθsw)を小さくすることで、ドライバがより少ない運転負担で車両をコントロールできる特性とした(以降、図8(b)の操舵トルク特性を「軽めの特性」と呼び、図面において「Light ST」と表記する)。
軽めの特性は重めの特性よりヒステリシスThysを大きくして、保舵と修正舵の運転負担も低減した。なお、重めの特性と軽めの特性には、運転に対する没入感を向上するために、路面振動を模擬したステアリングホイール振動を付与した。
図8(c)の反力特性は、軽めの特性を基に、悪路走行を模擬したステアリングホイール振動を付与することで、ゴツゴツとした引っ掛かりのある、意図的に操舵し難くした特性である(以降、図8(c)を「ゴツゴツした特性」と呼び、図面において「LumpyST」と表記する)。
実験では、3種類の反力特性に対して、感性評価主体の走行と生理特性計測主体の走行を実施した。感性評価主体の走行は、図4のステップS1の評価走行の一例であり、生理特性計測主体の走行は、ステップS4の評価走行の一例である。
感性評価主体の走行では、実験参加者に操舵感の差に集中してもらうため生理特性は計測せず、走行時間を無制限とした。3種類の反力特性の走行順はランダムとし、学習効果による影響を除外するため本番走行(時間無制限)前に練習走行(3分間)を実施し、本番走行後に感性評価(15分、休憩含む)を実施した。
一方で、生理特性評価主体の走行では、本番走行前に生理特性を安定させてデータ解析の基準とするために、感性評価主体の走行に対して、走行練習と本番走行の間に閉眼安静(5分間)を追加し、本番走行時間は10分間とした。
心拍R-R間隔の計測には、ユニオンツール株式会社製の心拍センサmyBeat(登録商標) WHS-1とディスポーザブルタイプの銀塩化銀電極であるAmbu社製SP-00-Sを用い、測定箇所は左胸部とした。
脳波の計測には、TAOS研究所製の脳波・脈波同時測定装置Dual Mind VBPG-01を用いた。装置を前頭部に装着し、脳波計測部位の国際基準である国際10-20法で定められたFp1およびFp2における脳波を計測した。
(感性評価の主成分分析結果)
被験者を重めの特性を好むドライバ群と軽めの特性を好むドライバ群とに分けて感性評価の主成分分析を行った、重めの特性を好むドライバ群と軽めの特性を好むドライバ群の主成分負荷分散図をそれぞれ図9(a)及び図9(b)に示す。これらの、主成分負荷散布図から、第1主成分(PC1)と第2主成分(PC2)に相当する感性評価語を確認した結果、どちらのドライバ群においてもPC1は「快・不快」であり、PC2は「力強い(≒重い)・軽い」であった。
なお、図9(a)及び図9(b)で、PC1とPC2はそれぞれ、第1主成分と第2主成分を示し、PC1は「快・不快」を表し、PC2は「重い・軽い」を表す。図9(a)の主成分負荷散布図において、基本感情の感性評価語「心地よい」の近くに感性評価語「落ち着いた」、「操作しやすい」、「車両挙動が予測しやすい」があることから、これらの操舵感覚が、運転者が「心地よい」と判断した主な理由であることが分かる。このように、感性評価によって運転者の多様な感情を評価できる。
図10は、感性評価の主成分分析結果の例を示す固有値表である。重めの特性を好むドライバ群において、第1主成分(PC1)の寄与率は74.4%であり、第2主成分(PC2)の寄与率は17.0%であり、第1主成分の寄与率と、第2主成分の寄与率を加算した累積寄与率は、91.4%となる。軽めの特性を好むドライバ群において、第1主成分(PC1)の寄与率は76.7%であり、第2主成分(PC2)の寄与率は16.3%であり、第1主成分の寄与率と、第2主成分の寄与率を加算した累積寄与率は、93.0%となる。すなわち、オフセンタ領域の操舵感は「快・不快(PC1)」と「重い・軽い(PC2)」で90%以上評価できることを確認した。
図11(a)及び図11(b)は、それぞれ重めの特性を好むドライバ群と軽めの特性を好むドライバ群の主成分得点散布図である。なお、図11(a)及び図11(b)で、PC1とPC2はそれぞれ、第1主成分と第2主成分を示し、PC1は「快・不快」を表し、PC2は「重い・軽い」を表す。
図11(a)および図11(b)において、LumpySTは、明確に不快な反力特性で感性評価を行った場合の主成分得点を指す。図11(a)および図11(b)に示される通り、明確に不快な反力特性で操舵した場合には、ドライバの好みに関わらず、PC1の値が「不快(PC1負方向)」寄りに位置している。すなわち、ドライバの好みに関わらず、不快な反力特性を判定することができていると言える。
図11(a)および図11(b)において、HeaveySTは、重い反力特性で感性評価を行った場合の主成分得点を指す。図11(a)および図11(b)に示される通り、重い反力特性で操舵した場合には、ドライバの好みに関わらず、PC2の値が「重(PC2負方向)」寄りに位置している。すなわち、ドライバの好みに関わらず、重い反力特性を判定することができていると言える。
図11(a)および図11(b)において、LightSTは、軽い反力特性で感性評価を行った場合の主成分得点を指す。図11(a)に示される通り、軽い反力特性で操舵した場合には、ドライバの好みに関わらず、PC2の値が「軽(PC2正方向)」寄りに位置している。すなわち、ドライバの好みに関わらず、軽い反力特性を判定することができていると言える。
上述の通り、全ての被験者が3種類の反力特性を明確に区別できていることを確認した。
(感性評価と生理指標の相関分析結果)
図12は、基本感情と交感神経指標との間の相関分析結果の一例の表である。図12に示すように、交感神経活動を表す(LF/HF)値、(LF/(LF+HF))値、CSI値と感情状態の「心地よい」、「落ち着いた」との間には正の相関関係(|R|>0.6)があることが分かった。また、交感神経活動を表す(LF/HF)値、(LF/(LF+HF))値と、感情状態の「不快な」との間には負の相関(|R|>0.6)があることが分かった。
したがって、交感神経活動を表す(LF/HF)値、(LF/(LF+HF))値、CSI値が第1基準値以上であることを検出することで、運転者の操舵感覚が「心地よい」、「落ち着いた」状態であると判断できる。また、交感神経活動を表す(LF/HF)値、(LF/(LF+HF))値が第2基準値未満であることを検出することで、運転者の操舵感覚が「不快な」状態であると判断できる。
なお、図9(a)の主成分負荷散布図において、基本的な感情を表す感性評価語「心地よい」の近くに感性評価語「操作しやすい」と「車両挙動が予測しやすい」がある。すなわち、感性評価語「操作しやすい」と「車両挙動が予測しやすい」の主成分負荷量は、感性評価語「心地よい」の主成分負荷量と類似している。
このため、(LF/HF)値、(LF/(LF+HF))値、CSI値が第1基準値以上であることを検出したり、%βLow値が第1基準値以上であることを検出することで、運転者の操舵感覚が「心地よい」であると判断するとともに、この評価語「心地よい」と類似の主成分負荷量を有する評価語「操作しやすい」や「車両挙動が予測しやすい」が表す操舵感覚を、運転者が抱いていると判断してもよい。
評価語「操作しやすい」は基本的な感情を説明するための抽象的な評価語であり、評価語「車両挙動が予測しやすい」は車両の操舵感を説明する評価語である。このように、生理指標の測定結果と前記感性評価結果との間の相関分析と感性評価結果の主成分分析(例えば主成分負荷量)とに基づいて、運転者の操舵感覚を推定してもよい。これにより、運転者の操舵感覚を様々な感性評価語で表現できる。
(反力特性の違いが生理特性に与える影響)
被験者の反力特性に対する好みが被験者の生理特性に与える影響を確認するために「快・不快」と強い相関を確認した交感神経指標を用いて、3種類の反力特性に対して分散分析を行った。
図13(a)は、重めの特性を好むドライバ群の被験者に、3種類の反力特性で操舵した場合の、(LF/(LF+HF))値の分布図である。重めの特性を好むドライバ群に対しては(LF/(LF+HF))値を用いWelch法による分散分析を行った。その結果、自由度(2,9.84)で、F値が33.209、p<.001となり有意差を確認した。また、Games-Howell法による多重比較を行った結果、有意差(p<.001)を確認した。なお、図13(a)中の符号「***」は、重い反力特性HeavySTで操舵した場合に対する、軽い反力特性LightST、不快な反力特性LumpySTで操舵した場合の生理特性との間に、有意差(p<.001)があることを表している。また、図13(a)中の符号「S.D.」は、標準偏差(standard deviation)を指す。
図13(b)は、軽めの特性を好むドライバ群の被験者に、3種類の反力特性で操舵した場合の、CSI値の分布図である。軽めの特性を好む群にはCSIを用いて等分散性の検定を行った結果、p≧.05となり、等分散を仮定できたため一元配置分散分析を行った。その結果、自由度F(2,24)で、F値が6.045、p=.007となり有意差を確認した。そこで、Tukey法による多重比較を行った結果、有意差(p=.012)を確認した。なお、図13(b)中の符号「*」は、軽い反力特性LightSTで操舵した場合に対する、重い反力特性HeavyST、不快な反力特性LumpySTで操舵した場合の生理特性との間に、有意差(p<.05)があることを表している。また、図13(b)中の符号「S.D.」は、標準偏差(standard deviation)を指す。
以上より、好みの反力特性においてドライバの交感神経指標が有意に大きいことを確認した。
このように、被験者が好む操舵特性の操舵操作を行ったときの被験者の生理指標である第1生理指標と、被験者が好まない操舵特性の操舵操作を行ったときの被験者の生理指標である第2生理指標とを測定し、第1生理指標と第2生理指標とに基づいて、感性評価結果と有相関生理指標との間の有意性を判定できる。例えば、第1生理指標と第2生理指標の分散分析又は多重比較の検定結果に基づいて感性評価結果と有相関生理指標との間の有意性を判定できる。
(実施形態の効果)
(1)実施形態の操舵感覚推定方法では、第1被験者が車両の操舵操作を行ったときの第1被験者の生理指標を測定し、操舵操作を行ったときの操舵感覚を第1被験者が感性評価語を用いて評価した結果である感性評価結果を取得し、第1被験者の生理指標の測定結果と感性評価結果との間の相関分析に基づいて、感性評価結果と相関のある生理指標である有相関生理指標を決定し、第2被験者が車両の操舵操作を行ったときの第2被験者の有相関生理指標を測定し、第2被験者の有相関生理指標に基づいて、第2被験者の操舵感覚を推定する。これにより、被験者の生理指標に基づいて客観的に感性評価を行うことができるため、感性性能の評価が容易になる。なお、特許請求の範囲に記載の「第1被験者」は、第2被験者に先行して運転を行い、車両の操舵操作を行う際の生理指標を測定される運転者をいう。
(2)有相関生理指標と所定の基準値との比較結果に基づいて第2被験者の操舵感覚を推定してもよい。これにより、生理指標に基づく操舵感覚の推定が可能になる。
(3)有相関生理指標として、心拍の間隔に基づいて算出されるHF値、HF値に対するLF値の比である(LF/HF)値、HF値とLF値との和に対するLF値の比である(LF/(LF+HF))値、CSI値若しくはCVI値の少なくとも1つを含む交感神経指標を測定してよい。例えば、第2被験者の(LF/HF)値、(LF/(LF+HF))値、又はCSI値のいずれかの交感神経指標が第1基準値以上である場合に第2被験者の操舵感覚が「心地よい」であると推定し、第1基準値以下の第2基準値未満である場合に第2被験者の操舵感覚が「不快」であると推定してよい。これにより、交感神経指標に基づいて被験者の操舵感覚を推定できる。
(4)有相関生理指標として、脳波の全周波数に対するθ波領域、α波領域、β波領域、低α波領域、高α波領域、低β波領域、若しくは高β波領域の各々のパワースペクトル積分値の比、又はα波領域に対するβ波領域のパワースペクトル積分値の比の少なくとも1つを含む中枢神経系指標を測定してよい。例えば、第2被験者の脳波の全周波数に対するθ低β波領域のパワースペクトル積分値の比が第1基準値以上である場合に第2被験者の操舵感覚が「心地よい」であると推定し、第1基準値以下の第2基準値未満である場合に第2被験者の操舵感覚が「不快」であると推定してよい。これにより、中枢神経系指標に基づいて被験者の操舵感覚を推定できる。
(5)第1被験者が好む操舵特性の操舵操作を行ったときの第1被験者の生理指標である第1生理指標と、第1被験者が好まない操舵特性の操舵操作を行ったときの第1被験者の生理指標である第2生理指標とを測定し、第1生理指標と第2生理指標とに基づいて、感性評価結果と有相関生理指標との間の相関関係の有意性を判定してよい。例えば、第1生理指標と第2生理指標の分散分析又は多重比較の検定結果に基づいて感性評価結果と有相関生理指標との間の相関関係の有意性を判定してよい。これにより、感性評価結果と有相関生理指標との間の相関関係の有意性を確認できる。
(6)複数の感性評価語を用いて感性評価結果を取得し、感性評価結果に対する主成分分析に基づいて主成分を抽出し、主成分に対する感性評価語の主成分負荷量に基づいて第1被験者に生じた操舵感覚を推定してもよい。これにより、操舵操作に対して被験者がどのような操舵感覚を強く抱くのかを推定できる。
(7)感性評価語は、基本的な感情を説明するための抽象的な感性評価語を含んでよい。例えば抽象的な感性評価語は、「操作しやすい」、「軽快な」、「上品な」、「安っぽい」、「活動的な」、「伸びやかな」、「すっきりした」、「力強い」、「魅力的な」、「スポーティな」、「思いどおりの」、「単調な」、「整った」、「安定した」、「滑らかな」、又は「デリケートな」を含んでよい。これにより、操舵トルクや車両挙動に対する運転者の多様な感情を評価できることができる。
(8)感性評価語は、車両の操舵感を説明する感性評価語を含んでよい。例えば操舵感を説明する感性評価語は、「車両との一体感がある」、「操舵トルクのリニア感がある」、「車両挙動が予測しやすい」、「ゴツゴツした」、「切り始めが重い」、「切り始めが軽い」、「保舵が重い」、「保舵が軽い」、「車両応答が良い」、「車両応答が早い」、「戻しやすい」、「戻りが早い」、「切り返しがスムーズな」、又は「保舵し易い」を含んでもよい。これにより、操舵トルクや車両挙動に対する運転者の多様な感情を評価できることができる。
1…操舵感覚推定装置、2…生体信号センサ、3…生理指標算出部、4…操舵感覚推定部、5…感性評価データベース、6…測定結果出力部

Claims (13)

  1. 第1被験者が車両の操舵操作を行ったときの前記第1被験者の生理指標を測定し、
    前記操舵操作を行ったときの操舵感覚を前記第1被験者が感性評価語を用いて評価した結果である感性評価結果を取得し、
    前記第1被験者の生理指標の測定結果と前記感性評価結果との間の相関分析に基づいて、前記感性評価結果と相関のある生理指標である有相関生理指標を決定し、
    第2被験者が車両の操舵操作を行ったときの前記第2被験者の前記有相関生理指標を測定し、前記第2被験者の前記有相関生理指標に基づいて、前記第2被験者の操舵感覚を推定する、
    ことを特徴とする操舵感覚推定方法。
  2. 前記有相関生理指標と所定の基準値との比較結果に基づいて前記第2被験者の操舵感覚を推定することを特徴とする請求項1に記載の操舵感覚推定方法。
  3. 前記有相関生理指標として、心拍の間隔に基づいて算出されるHF値、HF値に対するLF値の比である(LF/HF)値、HF値とLF値との和に対するLF値の比である(LF/(LF+HF))値、CSI値若しくはCVI値の少なくとも1つを含む交感神経指標を測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵感覚推定方法。
  4. 前記第2被験者の(LF/HF)値、(LF/(LF+HF))値、又はCSI値のいずれかの交感神経指標が第1基準値以上である場合に前記第2被験者の操舵感覚が「心地よい」であると推定し、前記第1基準値以下の第2基準値未満である場合に前記第2被験者の操舵感覚が「不快」であると推定することを特徴とする請求項3に記載の操舵感覚推定方法。
  5. 前記有相関生理指標として、脳波の全周波数に対するθ波領域、α波領域、β波領域、低α波領域、高α波領域、低β波領域、若しくは高β波領域の各々のパワースペクトル積分値の比、又はα波領域に対するβ波領域のパワースペクトル積分値の比の少なくとも1つを含む中枢神経系指標を測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵感覚推定方法。
  6. 前記第2被験者の脳波の全周波数に対する低β波領域のパワースペクトル積分値の比が第1基準値以上である場合に前記第2被験者の操舵感覚が「心地よい」であると推定し、前記第1基準値以下の第2基準値未満である場合に前記第2被験者の操舵感覚が「不快」であると推定することを特徴とする請求項5に記載の操舵感覚推定方法。
  7. 前記第1被験者が好む操舵特性の操舵操作を行ったときの前記第1被験者の生理指標である第1生理指標と、前記第1被験者が好まない操舵特性の操舵操作を行ったときの前記第1被験者の生理指標である第2生理指標とを測定し、
    前記第1生理指標と前記第2生理指標とに基づいて、前記感性評価結果と前記有相関生理指標との間の相関関係の有意性を判定することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の操舵感覚推定方法。
  8. 前記第1生理指標と前記第2生理指標の分散分析又は多重比較の検定結果に基づいて前記感性評価結果と前記有相関生理指標との間の相関関係の有意性を判定することを特徴とする請求項7に記載の操舵感覚推定方法。
  9. 複数の前記感性評価語を用いて前記感性評価結果を取得し、
    前記感性評価結果に対する主成分分析に基づいて主成分を抽出し、
    前記主成分に対する前記感性評価語の主成分負荷量に基づいて前記第1被験者に生じた操舵感覚を推定する、
    することを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の操舵感覚推定方法。
  10. 前記感性評価語は、基本的な感情を説明するための抽象的な感性評価語を含むことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の操舵感覚推定方法。
  11. 前記抽象的な感性評価語は、「操作しやすい」、「軽快な」、「上品な」、「安っぽい」、「活動的な」、「伸びやかな」、「すっきりした」、「力強い」、「魅力的な」、「スポーティな」、「思いどおりの」、「単調な」、「整った」、「安定した」、「滑らかな」、又は「デリケートな」を含むことを特徴とする請求項10に記載の操舵感覚推定方法。
  12. 前記感性評価語は、車両の操舵感を説明する感性評価語を含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の操舵感覚推定方法。
  13. 前記操舵感を説明する感性評価語は、「車両との一体感がある」、「操舵トルクのリニア感がある」、「車両挙動が予測しやすい」、「ゴツゴツした」、「切り始めが重い」、「切り始めが軽い」、「保舵が重い」、「保舵が軽い」、「車両応答が良い」、「車両応答が早い」、「戻しやすい」、「戻りが早い」、「切り返しがスムーズな」、又は「保舵し易い」を含むことを特徴とする請求項12に記載の操舵感覚推定方法。
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