JP6394339B2 - 金属切削屑の油分分離方法および油分分離装置 - Google Patents

金属切削屑の油分分離方法および油分分離装置 Download PDF

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Description

本発明は、油分を含んだ金属切削屑(ダライ粉、切り粉ともいう)を破砕し、破砕した金属切削屑に振動を与えながら、抽出剤を供給することにより、金属切削屑から油分を分離除去する油分分離方法および油分分離装置に関する。
金属類の切削などの加工時に発生する屑を金属切削屑といい、例えば、旋盤機などで丸棒を加工形成するとき、あるいは、ねじの溝を削るときなどに、金属切削屑が発生する。このような金属類の切削加工時には、切削油が使用されるため、金属切削屑には油分が0.5〜3質量%付着している。また、金属切削屑の多くは長細く、反っている状態、もしくは、カール状の状態のものが多い。そのため、金属切削屑の嵩比重は、0.1〜0.5g/cmと金属の真比重と比べて小さくなる。また、多くの場合、金属切削屑は屋外保管されており、雨水による水分が付着している。また、ヤードなどの保管場所では微細な土が金属切削屑に混じることもある。
このような金属切削屑は、同成分の金属スクラップと比較して安価に市中で取引されている場合が多く、金属原料として再利用されている。通常、金属切削屑はバケットなどのコンテナに入れ、電気炉、転炉などの高温の炉に一度に投入され、金属原料として再利用されている。しかしながら、金属切削屑には油分が付着しているために、金属切削屑に付着している油分量が多いと、炉に投入と同時に油分が燃え上がるため、上部にあるバケット部分を上回る大きな炎が発生し、作業安全上好ましくなく、炉への投入量を抑制せざるを得ない。さらに、金属切削屑に付着している油分濃度は変動するため、炎の大きさが予測できないため、炉への投入量は抑制傾向になる。また、電気炉、転炉などの高温の炉に投入する際に、まず、バケット内に金属切削屑を装入し、該バケットから一度に電気炉、転炉などの高温の炉に投入するが、金属切削屑の嵩比重が0.1〜0.5g/cmと小さいため、バケット内に装入できる重量が小さくなる。
以上のようなことから、金属切削屑に対して、種々の検討がなされてきた。
特許文献1においては、水分および油分が付着したアルミダライ粉を粉砕した後、乾燥炉に投入し、アルミダライ粉に付着している水分および油分を、蒸発および熱分解することが提案されている。しかしながら、この方法では、乾燥炉でアルミダライ粉を加熱するための燃料が必要となり、処理コストが高くなるという課題がある。
また、金属切削屑ではないが、金属加工品(中間製品)から油脂を分離するため、溶剤(抽出剤ともいう)を利用した油分の分離除去技術も検討されている。例えば、特許文献2においては、金属加工した金属部品などの金属加工品から、加工時に塗布した油分もしくは防錆のため塗布した油分を分離するため、炭化水素系洗浄剤を金属加工品に噴射して脱脂洗浄を行う。また、特許文献2では、脱脂洗浄廃液を再生する蒸留設備により洗浄剤を再生するために、洗浄装置と蒸留装置を併せ持った真空脱脂洗浄設備が提案されている。しかし、この金属加工品には、水分や土などの不純物は付着していないため、それに対応する設備について、特許文献2には何ら記載されていない。また、特許文献2には、対象とする金属加工品の嵩比重についての記載はないが、嵩比重が大きくなった場合、金属加工品の表面の大部分が重なりあうようになり、金属加工品表面からの油分分離は難しくなるという課題があった。
特開2009−144994号公報 特開平7−166385号公報
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、金属切削屑の嵩比重を大きくでき、かつ、金属切削屑から油分を安価かつ効果的に分離することで油分付着量を低位安定化することが可能な、新規且つ改良された油分分離方法および油分分離装置を提供することである。
油分付着量が低位安定し、かつ、嵩比重が大きい金属切削屑を得るために、本願発明者が鋭意検討した結果、破砕機により金属切削屑を破砕し、かつ、破砕した金属切削屑に抽出剤を加えて油分を分離除去するだけでは、嵩比重は大きくなるものの、金属切削屑から油分を好適に分離できず、油分付着量は低位安定化しないことが判明した。これに対して、破砕した金属切削屑に抽出剤を加えて油分を分離除去する時に、該金属切削屑に振動を与えることにより、油分付着量が低位安定し、かつ、嵩比重の大きい金属切削屑を得られることを見出した。
以下に、上記課題を解決するための手段を記載する。
上記課題を解決するため、本発明のある観点によれば、油分と水分が付着した金属切削屑から、前記油分を分離する油分分離方法において、
前記金属切削屑を破砕する工程と、
前記破砕された金属切削屑に、沸点が水と前記油分の間にある抽出剤を加えることにより、該金属切削屑から前記油分を分離する工程と、
を含み、
前記油分を分離する工程において、前記金属切削屑を振動させることを特徴とする、金属切削屑の油分分離方法が提供される。
また、上記課題を解決するため、本発明の別の観点によれば、
油分と水分が付着し、かつ破砕された金属切削屑から、前記油分を分離する油分分離方法において、
前記金属切削屑に、沸点が水と前記油分の間にある抽出剤を加えることにより、前記金属切削屑から前記油分を分離する工程において、前記金属切削屑を振動させることを特徴とする、金属切削屑の油分分離方法が提供される。
また、前記抽出剤の常圧時の沸点が160〜250℃であるようにしてもよい。
前記金属切削屑を振動させる方法は、
(1)前記金属切削屑に対して前記抽出剤を間欠的に噴射することにより、前記金属切削屑を振動させる方法、
(2)前記金属切削屑の上方に設置された電磁石の磁化と非磁化を繰り返して、前記金属切削屑を上下動させることにより、前記金属切削屑を振動させる方法、
(3)前記金属切削屑を容器に収容するとともに、前記容器に隣接して設置された電磁石の磁化と非磁化を繰り返して、前記容器を揺動させることにより、前記容器内の前記金属切削屑を振動させる方法、
(4)前記金属切削屑に超音波を連続的又は間欠的に当てることにより、前記金属切削屑を振動させる方法、
(5)前記金属切削屑を容器に収容し、前記容器を打撃具で打撃することにより、前記容器内の前記金属切削屑を振動させる方法、
のうち、少なくともいずれか1つの方法、若しくは複数の方法の組合せであるようにしてもよい。
前記金属切削屑の長さが、40mm以下であるようにしてもよい。
また、上記課題を解決するため、本発明の別の観点によれば、
油分と水分が付着した金属切削屑から、前記油分を分離する油分分離装置において、
前記金属切削屑に、沸点が水と前記油分の間にある抽出剤を加えることにより、該金属切削屑から前記油分を分離する油分分離槽と、
前記油分分離槽に設けられ、前記金属切削屑から前記油分を分離するときに、前記油分分離槽内に配置された前記金属切削屑を振動させる加振装置と、
を備えることを特徴とする、金属切削屑の油分分離装置が提供される。
前記加振装置は、
(1)前記金属切削屑に対して前記抽出剤を間欠的に噴射する抽出剤噴射装置、
(2)前記金属切削屑の上方に設置され、磁化と非磁化を繰り返すことにより前記金属切削屑を上下動させる第1の電磁石、
(3)前記金属切削屑を収容する容器に隣接して設置され、磁化と非磁化を繰り返すことにより、前記容器を揺動させる第2の電磁石、
(4)前記金属切削屑に超音波を連続的又は間欠的に当てる超音波発生装置、
(5)前記金属切削屑を収容する前記容器を打撃する打撃具、
のうち、少なくともいずれか1つ、若しくは複数の組合せであるようにしてもよい。
本発明により、金属切削屑の嵩比重を大きくでき、かつ、金属切削屑から油分を安価かつ効果的に分離することで油分付着量を低位安定化することができる。
破砕前の金属切削屑に付着している油分と水分の存在形態を示す説明図である。 破砕した後の金属切削屑に付着している油分と水分の存在形態を示す説明図である。 金属切削屑の破砕長さ(篩の目開き)と嵩比重の関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る『ハンマーによる破砕金属切削屑の振動方法』を説明するための模式図である。 同実施形態に係る『抽出剤の間欠噴射による破砕金属切削屑の振動方法』を説明するための模式図である。 同実施形態に係る『電磁石による破砕金属切削屑の上下振動方法』を説明するための模式図である。 同実施形態に係る『電磁石による破砕金属切削屑の前後または左右振動方法』を説明するための模式図である。 同実施形態に係る『超音波の間欠照射による破砕金属切削屑の振動方法』を説明するための模式図である。 温度と蒸気圧との関係を示すグラフである。 同実施形態に係る『破砕金属切削屑に付着した油分を分離除去する油分分離方法』において使用する油分分離装置の1例を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態に係る金属切削屑の油分分離方法及び油分分離装置について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態の対象とする金属切削屑は、例えば、油分および水分が付着した嵩比重0.1〜0.5g/cmとなる金属切削屑である。金属切削屑の保管方法によっては、金属切削屑に対する付着物として、油分および水分以外にも、土砂などの不純物が含まれる場合もある。金属切削屑の材質は、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、特殊鋼などであるが、かかる例に限定されず、任意の金属であってよい。
金属切削屑の嵩比重を大きくするためには、例えば、破砕機などによる金属切削屑の破砕、または、プレス機などによる金属切削屑の圧縮が考えられる。しかし、プレス機などによる圧縮では、油分を分離除去するために供給される抽出剤が、圧縮後の金属切削屑の間隙に侵入できない部分が発生し、油分の分離除去性能が低下するため、油分付着量の低位安定化は難しくなる。一方、破砕機などによる破砕では、金属切削屑は強固に絡まっていないため、1つ1つの金属切削屑は、振動を加えると、それぞれ振動しやすいという特徴を持つ。
通常、金属切削屑が発生する場所と、金属切削屑をリサイクルする場所は異なっていることがほとんどであり、ハンドリングの面から、金属切削屑を重機などで引きちぎったり、カットしている。よって、運搬作業を伴う金属切削屑は、なんらかの形で破砕されていることが多い。このような、予め破砕された金属切削屑に対しても、本実施形態に係る油分分離方法を適用することができる。
まず、破砕前の金属切削屑に付着している油分と水分の存在形態について図1を用いて説明する。図1に示すように、破砕前の金属切削屑は、反った状態またはカール状のものが多く、また、細長い。そのため、金属切削屑の間隙(即ち、金属切削屑の塊の内部の空隙)は非常に大きく、嵩比重は0.1〜0.5g/cmであり、金属の真比重(例えば、アルミニウム:2.7g/cm、銅:8.9g/cm、鉄:7.9g/cm)と比べて非常に小さい。
油分は、金属切削屑表面に付着しているが、表面全体に付着していることが多い。これは、切削油をかけながら金属を切削することが多いため、多くの場合、金属切削屑の表面全体に油分は付着する。なお、金属切削屑に付着している油分は、上記切削加工時に用いられる切削油が代表的であるが、その他にも、研削、研磨加工時に用いられる研削油、研磨油、熱処理油、錆止め油、圧延油などの各種の加工油、潤滑油、グリースなど、任意の油であってもよい。
また、金属切削屑に付着している水分は、主に雨水によるもので、金属切削屑の表面に存在する油膜層の上部に存在していることが多い。破砕前の金属切削屑は、間隙率が大きいため、油分を分離除去する抽出剤は、容易に金属切削屑表面に到達でき、容易に油分を分離除去できる。しかしながら、破砕前の金属切削屑の嵩比重は0.1〜0.5g/cmと非常に小さいため、当該嵩張る金属切削屑を収容するためには、後述する油分分離槽(図10中の符号25)を大きくする必要があるため、装置コストが上昇してしまう。また、金属切削屑の嵩比重が小さいため、前述のバケット内への金属切削屑の装入量(重量)を大きくすることができず、電気炉、転炉などの高温の炉への金属切削屑の投入量(重量)は小さくなってしまう。このように、油分を分離する際に、金属切削屑の嵩比重が小さいと、種々の問題が生じるため、金属切削屑の嵩比重を大きくした上で、油分を分離することが好ましい。
そこで、本実施形態では、金属切削屑から油分を分離する工程(以下、油分分離工程と称する)の前に、金属切削屑の嵩比重を大きくするために破砕するが、破砕した後の金属切削屑に付着している油分と水分の存在形態について図2を用いて説明する。破砕後の金属切削屑は、図2に示すように短いチップ状、もしくは、短棒状となる。破砕後の金属切削屑は、重なるように積み重なり、金属切削屑表面に付着している油分と水分は、積み重なった金属切削屑の間隙に入り込むようになる。金属切削屑の間隙に入り込んだ油分と水分は、該間隙に抽出剤を入り込みにくくし、特に、金属切削屑間に水分が存在していると、水分が抽出剤の侵入口を塞ぐため、その奥に存在する油分を、抽出剤を用いて分離除去できない、或いは、分離除去することが非常に困難になる。そのため、油分分離工程後であっても、金属切削屑に対する油分付着量は安定的に低下しなくなる。
なお、ロータリーハンマークラッシャー、短軸クラッシャー、2軸クラッシャーなどの破砕機を用い、金属切削屑を破砕した際の金属切削屑の長さ(以下、破砕長さという)と嵩比重の関係を図3に示す。これより、金属切削屑の破砕長さを小さくすることにより、金属切削屑の嵩比重は大きくなるといえる。なお、金属切削屑の破砕長さは、破砕後の金属切削屑を選別するために用いる篩の目開きで定義される。例えば、20mmの目開き長さをもつ篩でふるった際、篩下の金属切削屑を破砕長さ20mmの金属切削屑と称する。
市中の鉄スクラップの嵩比重は通常1.0g/cm以上であることから、金属切削屑の長さを40mm以下にすることで、金属切削屑の嵩比重を平均で1.0g/cm以上にすることができ、市中の鉄スクラップと同等の嵩比重となる。また、嵩比重を平均で1.0g/cm以上にすることで、後述する油分分離槽(図10中の符号25)の大きさを小さくできる。さらに、金属切削屑の長さを20mm以下にすることで、嵩比重を平均で1.5g/cmとすることができ、電気炉、転炉などの高温の炉への投入時に使用する前述のバケット内への金属切削屑の装入量(重量)を大きくすることができ、後述の油分分離槽(図10中の符号25)の大きさをさらに小さくできる。しかしながら、金属切削屑の長さが小さすぎると、金属切削屑が飛散しやすくなり、電気炉、転炉などの高温の炉に投入できなくなる。そこで、金属切削屑の長さは5mm以上が好ましい。
しかしながら、金属切削屑の長さを短くすると、嵩比重を大きくできる一方で、図2で説明したように、抽出剤が金属切削屑の塊の内部(金属切削屑の間隙)に入り込みにくくなるため、油分付着量は低位安定化しにくくなる。これに対して、図2のように積み重なった金属切削屑の塊に、振動を与えることによって、金属切削屑の積み重なり方が変化し、間隙が変化することで、金属切削屑の間隙に存在している水分の位置が変化し、分離除去できなかった油分に、抽出剤が接触できるようになることに気付いた。
そこで、本実施形態では、油分分離装置に加振装置を設ける。そして、油分分離装置による油分分離工程において、積み重なった金属切削屑に対して抽出剤を供給して洗浄することにより金属切削屑から油分を分離しながら、加振装置により該金属切削屑の塊を振動させることを特徴とする。以下に、油分分離工程において、金属切削屑の塊に振動を与える方法について述べる。
図4〜図8に示すように、破砕された金属切削屑1は、油分分離工程において、例えば、側壁及び底板に直径1〜5mmの孔が多数あいた容器2に収容された上で、抽出剤供給装置から供給される抽出剤により洗浄される。金属切削屑1の表面に抽出剤を接触させることで、金属切削屑1の表面に付着した油分が抽出剤中に抽出され、金属切削屑1から油分が分離除去される。金属切削屑1から分離された油分を含む抽出剤は、容器2の孔から容器2外に排出される。
図5は、油分分離工程において、抽出剤噴射装置により金属切削屑1に対して抽出剤7を間欠的に噴射することにより、金属切削屑1を振動させる方法の一例を示す模式図である。図5に示すスプレーノズル4は、抽出剤噴射装置の一例である。図5に示すように、油分分離工程では、前記容器2内の破砕された金属切削屑1に、スプレーノズル4から抽出剤7を噴射するが、この際、抽出剤7を連続的に噴射するのではなく、間欠的に噴射を停止し、抽出剤7を間欠的に金属切削屑1に吹き付ける。これにより、容器2内の破砕された金属切削屑1を抽出剤7の噴射圧力により振動させることができる。ここで、容器2内での金属切削屑1の積み高さが高すぎると、下部に振動が伝わりにくくなるため、抽出剤7の噴射強度などにも影響されるが、該積み高さは300mm以下が好ましい。
図6は、油分分離工程において、金属切削屑1の上方に設置された電磁石5(第1の電磁石)の磁化と非磁化を繰り返して、金属切削屑1を上下動させることにより、金属切削屑1を振動させる方法の一例を示す模式図である。図6に示すように、前記容器2の上方に設置された電磁石5の磁化と非磁化を繰り返すことによって、前記容器2内の破砕された金属切削屑1を少なくとも上下方向に動かして、容器2内の金属切削屑1を振動させることができる。図6の右図に示すように、電磁石5を磁化した時(電磁石6)に、容器2内の金属切削屑1を全量、宙に吊り上げる必要はなく、振動を与える程度の動きでよいため、容器2の底面に金属切削屑1の一部が接していてもよい。そのため、金属切削屑1が1,000kg重とした場合、電磁石6による吊り上げ能力は50〜300kg重程度で十分である。
図7は、油分分離工程において、金属切削屑1を容器2に収容するとともに、容器2に隣接して設置された電磁石5、6(第2の電磁石)の磁化と非磁化を繰り返して、容器2を揺動させることにより、容器2内の金属切削屑1を振動させる方法の一例を示す模式図である。図7に示すように、金属切削屑1が収容する容器2を金属製の容器とし、該容器2の前後、もしくは、左右に一対の電磁石5、6を対向配置する。そして、該電磁石5、6の磁化と非磁化を交互に繰り返すことによって、容器2を前後、もしくは、左右に揺動させ、容器2内の破砕された金属切削屑1を振動させることができる。
図8は、油分分離工程において、超音波発生装置9により金属切削屑1に超音波を連続的又は間欠的に当てることにより、金属切削屑1を振動させる方法の一例を示す模式図である。図8に示すように、前記容器2の上方に、抽出剤供給装置(例えば、スプレーノズル8)と超音波発生装置9を設置する。そして、油分分離工程において、容器2内の金属切削屑1に対して、スプレーノズル8(抽出剤供給装置)から抽出剤を噴射しながら、超音波発生装置9によって超音波を連続的もしくは間欠的に発生させ、容器2内の金属切削屑1に超音波を当てることにより、容器2内の破砕された金属切削屑を振動させることができる。ここで、容器2内での金属切削屑1の積み高さが高すぎると、下部に振動が伝わりにくくなるため、超音波の照射強度などにも影響されるが、該積み高さは300mm以下が好ましい。
図4は、油分分離工程において、金属切削屑1を容器2に収容し、該容器2を打撃具(例えば、ハンマー3)で間欠的に打撃することにより、容器2内の金属切削屑1を振動させる方法の一例を示す模式図である。図4に示すように、例えば、前記容器2の側壁の外側の表面に接するようにハンマー3を設置する。そして、ハンマー3により、容器2を適宜の時間間隔で打撃することで、容器2を振動させることにより、該容器2内の破砕された金属切削屑1を振動させることができる。なお、ハンマー3の駆動方式としては、例えば、電磁式があるが、かかる例に限定されない。
次に、本実施形態で使用する抽出剤について説明する。金属切削時に使用される切削油はさまざまであり、該切削油の常圧での沸点は高く、例えば、約300℃〜500℃である。一方、金属切削屑に付着している水分の常圧出の沸点は100℃である。また、破砕長さ40mm以下に破砕された金属切削屑は、前記容器内に収容された後、油分分離槽により油分が分離される。この際、油分分離槽の蓋が開閉され、前記金属切削屑が収容された容器が油分分離槽に出し入れされる。使用する抽出剤の沸点が低すぎると、例えば、ノルマルヘキサンのように沸点が69℃の有機溶剤を抽出剤として使用すると、油分分離槽の蓋を開閉する際に抽出剤の揮発量が多く、ランニグコストは上昇し、かつ、作業環境上も好ましくない。また、使用する抽出剤の沸点が切削油の沸点より高いと、金属切削屑表面に沸点のより高い抽出剤が付着するため、好ましくない。そこで、本実施形態では、沸点が水分と切削油の間にある抽出剤を用い、具体的には、図9に示すように、常圧における沸点が160〜250℃である抽出剤を使用する。例えば、炭化水素系の抽出剤としては、炭素数10から14のアルカン物質、灯油、シクロデカン、デセンなどがあげられる。また、抽出剤の商品としては、NSクリーン100、NSクリーン110、NSクリーン200(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)、ダフニークリーナーSD3(出光興産株式会社製)などがあげられる。
また、金属切削屑に対する抽出剤の適切な添加量は、金属切削屑の形状等により異なるため、実験をして決定することが好ましいが、おおよそ、金属切削屑1kgに対して0.1〜0.7kgの抽出剤を添加することが好ましい。また、金属切削屑と抽出剤との適切な接触時間は、金属切削屑に振動を加える方法や対象となる金属切削屑の形状等にもより異なるため、実験をして決定することが好ましいが、接触時間はおよそ1〜20分が妥当である。
次に、図9を用い、油分分離槽内における破砕された金属切削屑から油分を分離除去する方法を説明する。容器に入れた金属切削屑は、常圧で約30〜50℃である(図9中のA点)油分分離槽内に投入される。前記の振動を金属切削屑に間欠的に与えながら、抽出剤を金属切削屑に噴射し、金属切削屑表面に付着している油分を、抽出剤へと抽出することで、金属切削屑から油分を分離除去する。油分を含有した抽出剤は、後述の循環槽29に排出され、繰り返し金属切削屑に噴射される。油分分離除去終了後、油分分離槽につながる配管のバルブを閉め、油分分離槽内を減圧装置で減圧し、かつ、加温する(図9中のB点)ことで、容器および容器内の破砕された金属切削屑表面に付着して残っている抽出剤を揮発させ、金属切削屑の表面に残留する抽出剤を殆ど分離することができる。
その後、油分分離槽内の圧力および温度を、常圧で約30〜50℃(図9中のA点)に戻した後、油分分離槽の蓋をあけ、油分分離槽内部にある油分及び抽出剤が除去された金属切削屑を取り出す。常圧で30〜50℃では、本実施形態で使用される抽出剤の蒸気圧は小さいため、油分分離槽から金属切削屑を取り出す際に、該金属切削屑表面に抽出剤が僅かに残留していても、ほとんど大気中には揮発しなくなる。
次に、図10を参照して、電磁石の磁化・非磁化の繰り返しにより、破砕された金属切削屑に振動を与えながら、抽出剤を噴射することで、破砕された金属切削屑に付着した油分を分離除去する方法について、説明する。
図10に示すように、油分分離装置20は、主に、油分分離槽25と、循環槽29と、分離槽26と、蒸留装置50とを備える。油分分離槽25は、破砕された金属切削屑55に抽出剤56を噴射し、付着した油分を分離除去する。この油分分離槽25には、容器23の上方に、加振装置として電磁石21(第1の電磁石)が設置されている。循環槽29は、油分分離槽25による油分除去後の抽出剤を回収して循環させる。分離槽26は、循環槽29からのオーバー液を静置して水分を分離する。蒸留装置50は、分離槽26から、水分を分離した後の油分を含んだ抽出剤が供給され、該抽出剤から油分を分離除去して、抽出剤を再生する。油分分離装置20(図10参照)では、油分分離槽25に、破砕した金属切削屑55を入れた容器23を出し入れするため、バッチ処理が妥当である。また、油分分離装置20による油分分離工程での処理時間(抽出剤による油分分離時間)は、例えば、1〜20分が妥当である。
次に、上記油分分離装置20を用いて金属切削屑から油分分離する方法について、より詳細に説明する。
破砕された金属切削屑55は、孔のあいた容器23に収容される。容器23の上部は、金属切削屑55を出し入れするためオープンであるが、容器23の側面および底面は、多数の孔が開けられている。孔の径は1〜5mm程度が好ましく、容器23の側面及び底面における孔の開孔率は10%以上が好ましい。孔の径が1mm以下であると、孔は微細な金属切削屑や土砂により閉塞しやすくなり、孔の径が5mmを超えると、該微細な金属切削屑の一部が孔を通り抜けやすくなる。また、上記開孔率が10%以下であれば、容器23の上部より噴射される抽出剤56が容器23から排出されるのに時間がかかる。また、容器23は、金属切削屑55を保持しつつ、抽出剤を排出可能な構造であれば、上記側面等に孔を設ける構造に限定されず、例えば、網目状の容器であっても構わない。その場合、各網目の対角線の長さが、1〜5mm程度が好ましい。
油分分離工程では、破砕された金属切削屑55を入れた容器23を油分分離槽25に入れ、蓋24を閉めた後、抽出剤供給装置の一例であるスプレーノズル22から抽出剤を、容器23内の金属切削屑55に向けて噴射する。この際、例えば、ポンプ54を稼働させ、後述する抽出剤の再生液51を油分分離槽25内にスプレーノズル22で連続的に噴射してもよい。
容器23の上部には、加振装置である電磁石21が設置されており、間欠的に、電磁石21の磁化と非磁化を繰り返し、容器23内の金属切削屑55に間欠的に磁力を印加する。例えば、図6に示したように、電磁石5により金属切削屑55の一部を吊り上げたり、落としたりすることで、金属切削屑55に振動を与える。金属切削屑55に振動を与えることで、金属切削屑55の表面に付着している油分に抽出剤56が接触できるようになり、金属切削屑55の油分付着量を安定的に低下させることができる。容器23内の金属切削屑55を吊り上げる場合、その全量を吊り上げる必要はない。金属切削屑55の一部のみを吊り上げ、それを落下させることで、金属切削屑55全体に振動を与えることができ、金属切削屑55表面に付着している油分に抽出剤56が接触できるようになるためである。つまり、金属切削屑55の一部を吊り上げた際、吊り上げられなかった金属切削屑は、容器2に接している状態となり、図6の右図に示すような金属切削屑1の形状になる。
上記油分分離工程の結果、油分と水分を含んだ抽出剤56は、油分分離槽25から循環槽29へ供給される。循環槽29における抽出剤56の滞留時間は、約5〜20秒と短い。また、該抽出剤56には、容器23の側面または底面の孔から抜け出した金属切削屑55の微粉または土砂が含まれているが、該微粉または土砂を含む抽出剤56は、ポンプ32により、循環槽29から油分分離槽25内の容器23内に送液され、金属切削屑55の微粉は容器23内にある破砕された金属切削粉55で捕捉される。なお、油分分離槽25から循環槽29への抽出剤56の送液量や、循環槽29から油分分離槽25への抽出剤56の送液量は、バルブ28、30により制御される。
循環槽29からオーバーフローした抽出剤56は、越流堰27を越えて、滞留時間1〜5分である分離槽26に移る。この分離槽26は、水分が混入している抽出剤56を、比重差を利用して水分と抽出剤とに分離する。分離された水分38は、バルブ37によって、分離槽26下部の排水管より間欠的に排出される。分離槽26の上澄み液である油分を含んだ抽出剤56は、ポンプ57によって、蒸留装置50に送られる。
蒸留装置50に送られた油分を含む抽出剤56は、スチーム43などの加温装置で加温され、抽出剤56のみが蒸留される。この際、必要に応じて、減圧ポンプ48で蒸留装置50の内圧を下げ、抽出剤56の沸点を下げながら、蒸留することもできる。また、蒸留装置50の上部には、気化した抽出剤56を冷却するために、冷却水47、45が流通する冷却部46が設けられている。上記蒸留工程により抽出剤56から分離された油分および水41は、蒸留装置50の下部から、ポンプ39およびバルブ40により排出される。また、蒸留された抽出剤56は、抽出剤再生液51として貯留タンク52に貯留され、ポンプ54およびバルブ53によって、再度、油分分離槽25に投入され、上記金属切削屑からの油分の分離除去に使用される。
次に、本発明の実施例とその比較例について説明する。なお、以下の実施例は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した条件例にすぎず、本発明が以下の実施例の条件に限定されるものではない。
以下に示す実施例および比較例では、運搬するために、予め300mmアンダーにカットされた金属切削屑を用い種々のテストを行った。
(実施例1〜8)
2軸クラッシャーで20mm以下に破砕された金属切削屑(実施例1〜5)、もしくは、40mm以下に破砕された金属切削屑(実施例6)、もしくは、80mm以下に破砕された金属切削屑(実施例7)、もしくは、予め300mmアンダーにカットされている金属切削屑(実施例8)、それぞれ200gを、側面および底面に開孔率20%で直径3mmφの孔が形成された容器0.5リットルに入れ、抽出剤(NSクリーン200、沸点189〜211℃、(JX日鉱日石エネルギー株式会社製))で、金属切削屑中の油分を分離除去した。抽出剤の噴射量は0.5リットル/分で、噴射を10分間継続した。抽出剤の噴射中である10分の間に金属切削屑に対して振動を与えた。振動の与え方については、次のとおりである。
実施例1:20mm以下に破砕された金属切削屑を使用し、図5に示すように、抽出剤7の噴射および噴射停止のサイクルを10秒ごとに繰り返し、金属切削屑1に対して抽出剤を間欠的に吹き付けることにより、金属切削屑1を振動させた。
実施例2:20mm以下に破砕された金属切削屑を使用し、図6に示すように、抽出剤の投入を連続的に行いながら、電磁石5の磁化と非磁化を1分毎に繰り返すことにより、金属切削屑1を振動させた。
実施例3:20mm以下に破砕された金属切削屑を使用し、図7に示すように、破砕された金属切削屑1を入れた容器2の前方および後方に、電磁石5、6を設置し、交互に磁化と非磁化を1分毎に繰り返すことにより、容器2を前後に急激に搖動させ、容器2内部の金属切削屑1に振動を加えた。
実施例4:20mm以下に破砕された金属切削屑を使用し、図8に示すように、破砕された金属切削屑1を入れた容器2の上部に設置した超音波発生装置9より、50秒毎に10秒間間欠的に、超音波を金属切削屑1に照射することにより、金属切削屑1を振動させた。
実施例5〜8:20mm以下に破砕された金属切削屑(実施例5)、もしくは、40mm以下に破砕された金属切削屑(実施例6)、もしくは、80mm以下に破砕された金属切削屑(実施例7)、もしくは、予め300mmアンダーにカットされている金属切削屑(実施例8)を使用し、図4に示すように、金属切削屑1を入れた容器2に対して、ハンマー3により1分間毎に打撃を加え、金属切削屑1に振動を与えた。実施例1〜8では、上記のように金属切削屑に対して振動を与えながら、10分の油分分離除去を行った後、サンプルを全量取り出し、常圧、220℃で抽出剤を揮発させた。
その後、金属切削屑の表面に残留した油分量を求めるため、金属切削屑をノルマルヘキサン中に浸漬させ、金属切削屑に付着している油分をノルマルヘキサンで抽出した後、ノルマルヘキサンを80℃で揮発させ、残った量を付着油分量とした。また、油分濃度の低位安定化を評価するため、10サンプルの金属切削屑を用いて試験を実施した。実施例1〜8の結果を、表1に示す。
実施例1〜8では、金属切削屑の初期油分付着量(平均:1.4質量%)に対して、平均値で、付着油分の約63〜94%を分離できている。また、油分付着量の最大値は小さくなり、該最大値が0.12〜0.7質量%に抑制されている。また、金属切削屑を破砕することにより、嵩比重は増加している。具体的には、破砕前の300mmアンダーの金属切削屑の初期嵩比重が0.2〜0.4g/cmに対して、20mmアンダーに破砕することにより、破砕後の金属切削屑の嵩比重は0.9〜2.0g/cmに改善されている。
以上のように、実施例1〜8では、金属切削屑に付着している油分が効果的に分離除去されているので、該油分分離除去後の金属切削屑を、金属原料として前記の電気炉、転炉などの高温の炉に投入しても、比較例ほどは大きな炎を発生しないと考えられ、操業上、多量に投入できると判断される。また、金属切削屑を破砕することで嵩比重は大きくなり、電気炉、転炉などの高温の炉に投入する際に使用するバケット内への金属切削屑の装入量(重量)を増加できることも確認された。
また、実施例1〜6と実施例7及び8との比較結果から分かるように、金属切削屑の長さが40mm以下となるまで金属切削屑を破砕することで、金属切削屑の嵩比重を1.0g/cm以上にすることができ、市中の鉄スクラップと同等の嵩比重を達成できることが確認された。
(比較例1〜3)
20mm以下に破砕された金属切削屑(比較例1)、もしくは、80mm以下に破砕された金属切削屑(比較例2)、予め300mmアンダーにカットされている金属切削屑(比較例3)それぞれ200gを使用し、側面および底面に開孔率20%で直径3mmφの孔が形成された容器0.5リットルに入れ、抽出剤(NSクリーン200、沸点189〜211℃)で、金属切削屑中の油分を分離除去した。抽出剤の噴射量は0.5リットル/分で、噴射を10分間継続した。比較例1〜3では、油分分離工程において、金属切削屑に振動を加えていない。すなわち、振動を加えていない以外は、上記実施例と同条件で、比較例の試験を実施した。10分の油分分離を行った後、実施例と同様にして、金属切削屑に付着している油分量を測定した。また、油分濃度の低位安定化を評価するため、10サンプルの金属切削屑を用いて試験を実施した。比較例1〜3の結果を、表1に示す。
比較例1〜3では、金属切削屑の初期油分付着量(平均:1.4質量%)に対して、平均値で、付着油分の約38〜70%を分離できている。しかしながら、油分分離工程後の油分付着量のばらつきは大きく、該油分付着量の最大値が1.1〜1.3質量%あることから、金属切削屑を、金属原料として前記の高温の炉に投入すると、大きな炎が発生すると考えられ、操業上、多量に投入できないと判断される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:破砕された金属切削屑
2、23:容器
3:ハンマー
4、8、22:スプレーノズル
5:電磁石(非磁化)
6:電磁石(磁化)
7、56:抽出剤
9:超音波発生装置
20:油分分離装置
21:電磁石
24:蓋
25:油分分離槽
26:分離槽
27:越流堰
28、30、31、34、36、37、40、49、53:バルブ
29:循環槽
32、39、54、57:ポンプ
33、48:減圧ポンプ
35:抽出剤トラップ槽
38:水分
41:油と水
42:ドレン
43:スチーム
44:連通管
45、47:冷却水
46:冷却部
50:蒸留装置
51:抽出剤再生液
52:貯留タンク
55:破砕された金属切削屑

Claims (7)

  1. 油分と水分が付着した金属切削屑から、前記油分を分離する油分分離方法において、
    前記金属切削屑を破砕する工程と、
    前記破砕された金属切削屑に、沸点が水と前記油分の間にある抽出剤を加えることにより、該金属切削屑から前記油分を分離する工程と、
    を含み、
    前記油分を分離する工程において、前記金属切削屑を振動させることを特徴とする、金属切削屑の油分分離方法。
  2. 油分と水分が付着し、かつ破砕された金属切削屑から、前記油分を分離する油分分離方法において、
    前記金属切削屑に、沸点が水と前記油分の間にある抽出剤を加えることにより、前記金属切削屑から前記油分を分離する工程において、前記金属切削屑を振動させることを特徴とする、金属切削屑の油分分離方法。
  3. 前記抽出剤の常圧時の沸点が160〜250℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属切削屑の油分分離方法。
  4. 前記金属切削屑を振動させる方法は、
    (1)前記金属切削屑に対して前記抽出剤を間欠的に噴射することにより、前記金属切削屑を振動させる方法、
    (2)前記金属切削屑の上方に設置された電磁石の磁化と非磁化を繰り返して、前記金属切削屑を上下動させることにより、前記金属切削屑を振動させる方法、
    (3)前記金属切削屑を容器に収容するとともに、前記容器に隣接して設置された電磁石の磁化と非磁化を繰り返して、前記容器を揺動させることにより、前記容器内の前記金属切削屑を振動させる方法、
    (4)前記金属切削屑に超音波を連続的又は間欠的に当てることにより、前記金属切削屑を振動させる方法、
    (5)前記金属切削屑を容器に収容し、前記容器を打撃具で打撃することにより、前記容器内の前記金属切削屑を振動させる方法、
    のうち、少なくともいずれか1つの方法、若しくは複数の方法の組合せであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属切削屑の油分分離方法。
  5. 前記金属切削屑の長さが、40mm以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の金属切削屑の油分分離方法。
  6. 油分と水分が付着した金属切削屑から、前記油分を分離する油分分離装置において、
    前記金属切削屑に、沸点が水と前記油分の間にある抽出剤を加えることにより、該金属切削屑から前記油分を分離する油分分離槽と、
    前記油分分離槽に設けられ、前記金属切削屑から前記油分を分離するときに、前記油分分離槽内に配置された前記金属切削屑を振動させる加振装置と、
    を備えることを特徴とする、金属切削屑の油分分離装置。
  7. 前記加振装置は、
    (1)前記金属切削屑に対して前記抽出剤を間欠的に噴射する抽出剤噴射装置、
    (2)前記金属切削屑の上方に設置され、磁化と非磁化を繰り返すことにより前記金属切削屑を上下動させる第1の電磁石、
    (3)前記金属切削屑を収容する容器に隣接して設置され、磁化と非磁化を繰り返すことにより、前記容器を揺動させる第2の電磁石、
    (4)前記金属切削屑に超音波を連続的又は間欠的に当てる超音波発生装置、
    (5)前記金属切削屑を収容する前記容器を打撃する打撃具、
    のうち、少なくともいずれか1つ、若しくは複数の組合せであることを特徴とする、請求項に記載の金属切削屑の油分分離装置。
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