以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本実施形態において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平面に平行であり、Z軸は鉛直線に平行である。本発明の実施形態に係る照明器具における「上」及び「下」は、それぞれ、天井に取り付けられた照明器具の光軸が略鉛直であるときの「上」及び「下」に対応する。
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る照明器具1について説明する。図1は、照明器具1を示す斜視図である。図1に示すように、照明器具1は、例えば、ダウンライトであり、天井に埋め込んで取り付けられ、天井から下方を照らす。つまり、照明器具1は直接照明としての機能を有する。照明器具1は、灯具本体10と、支持部材20と、枠体50と、3個の取付バネ60とを備える。
まず、灯具本体10について説明する。図2は、灯具本体10を説明する部分断面図である。なお、図2では、支持部材20、枠体50、取付バネ60、光源ユニット11、及び天井としてのボードRBの断面が示される。図2に示すように、灯具本体10は、光源ユニット11とヒートシンク13とを有する。
光源ユニット11は、発光素子アレイ111、基板112、レンズ113、及びコップ状のハウジング114を含む。ハウジング114は平坦部100を有する。平坦部100は光源ユニット11の光軸L(つまり、照明器具1の光軸L)に直交する。発光素子アレイ111、基板112、及びレンズ113は、ハウジング114に収容される。発光素子アレイ111は、複数の発光素子を含み、光を出射する。本実施形態では、発光素子アレイ111は、LED(Light Emitting Diode)アレイであり、複数のLEDを含む。本実施形態では、発光素子アレイ111は、複数のLEDを蛍光体で封止することにより形成されるCOB(Chip on Board)タイプである。なお、発光素子アレイ111は、LEDと蛍光体とを1ユニット化してLEDチップを形成し、複数のLEDチップを基板112の実装面に載置して基板112の導電パターンに電気的に接続するSMD(Surface Mount Device)タイプであってもよい。
発光素子アレイ111は基板112の実装面に実装される。基板112はハウジング114の平坦部100の内面に固定される。レンズ113は、発光素子アレイ111の光出射面を覆うように配置される。従って、発光素子アレイ111の出射した光は、レンズ113を通って、光源ユニット11から出射される。
ヒートシンク13は、複数のフィンを有し、光源ユニット11の上部に形成される。ヒートシンク13は、複数のフィンによって放熱し、発光素子アレイ111の温度上昇を抑制する。ヒートシンク13は、伝熱性の高い材料で形成されており、例えば金属で形成されていることが好ましい。金属の中でも、成形加工の容易性や照明器具1の軽量化を考慮し、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されていることが好ましい。
ハウジング114の平坦部100はヒートシンク13の底部を構成する。基板112はハウジング114の平坦部100の内面に固定されるため、基板112の実装面の裏面はヒートシンク13の底部に接している。従って、発光素子アレイ111が発した熱は、基板112からヒートシンク13に伝達され、ヒートシンク13によって効果的に放散される。その結果、発光素子アレイ111の異常な温度上昇を抑制できる。
次に、灯具本体10の支持構造について説明する。図3は、照明器具1の内部構造を示す斜視図である。図1及び図3に示すように、支持部材20は、例えば、金属製であり、灯具本体10を支持する。支持部材20は、ベース21を有する。ベース21は、環状であり、板状である。本実施形態では、ベース21は、平面視において円環状である。ベース21は枠体50の上縁部53に配置される。ベース21は、矢印A1の示す方向又は矢印A2の示す方向に、上縁部53に沿って中心線Cの回りに回転する。中心線Cは、ベース21の中心線であり、本実施形態では、枠体50の中心線と一致する。灯具本体10は、灯具本体10の姿勢に応じて、ベース21に囲まれる。
図1に示すように、枠体50は、鍔部51と、枠部52とを含む。鍔部51は、枠体50の下縁部55に形成される。枠部52は筒状である。枠体50は、光源ユニット11の出射した光が、天井裏に漏れることを抑制する。従って、照明器具1は効果的に照明できる。本実施形態では、枠部52は円筒状である。灯具本体10は、灯具本体10の姿勢に応じて、枠部52に囲まれる。枠部52は、外壁面57及び内壁面59を有する。内壁面59は、反射率の高い色彩を有し、又は反射率の高い素材により形成され、光源ユニット11の出射した光を反射する。従って、照明器具1はさらに効果的に照明できる。本実施形態では、内壁面59は白色である。
3個の取付バネ60は、枠体50の外壁面57に固定され、枠体50の外壁面57に沿って等間隔に配置される。3個の取付バネ60は、枠体50を取付位置に固定する。その結果、照明器具1は取付位置に取り付けられる。本実施形態では、取付位置は、天井としてのボードRBの任意の位置である。従って、3個の取付バネ60と鍔部51とでボードRBを挟むことによって、照明器具1は、ボードRBに取り付けられる。なお、取付バネ60の個数及び配置は図1に示す個数及び配置に限定されない。取付バネ60の個数は3個以外の複数個であってもよいし、複数個の取付バネ60は等間隔に配置されなくてもよい。
図3に示すように、照明器具1は、一定長さの第1アーム30と、第1軸35と、第2軸45とをさらに備える。また、支持部材20は、一定長さの第2アーム40をさらに有する。
第1アーム30は、例えば、金属製であり、灯具本体10と第2アーム40との間に配置される。第1アーム30の長さは、第2アーム40の長さと関係なく、任意の長さに設定できる。第1アーム30の一方端部には第1ジョイント30aが形成され、第1アーム30の他方端部には第2ジョイント30bが形成される。第1ジョイント30a及び第2ジョイント30bの各々の断面は、略U字状である。第1ジョイント30aに対応して、ヒートシンク13の下端部には、互いに対向する2つの平面を有する第1被連結部13aが形成される。
第2アーム40は、例えば、金属製であり、ベース21に固定される。第2アーム40の長さは、第1アーム30の長さと関係なく、任意の長さに設定できる。第2アーム40はベース21から延びている。具体的には、第2アーム40は、ベース21から枠体50の内壁面59に沿って下方に延びる。第2アーム40の先端部には、互いに対向する平面を有する第2被連結部40aが形成される。
第1軸35は、光源ユニット11の光軸Lに沿った方向に交差する。本実施形態では、第1軸35は、光軸Lに沿った方向に直交する。第1軸35は、第1アーム30の一方端部と灯具本体10とを連結する。本実施形態では、第1ジョイント30aが第1被連結部13aを挟む。第1ジョイント30a及び第1被連結部13aの各々には貫通孔が設けられる。そして、第1ジョイント30aの貫通孔及び第1被連結部13aの貫通孔に第1軸35が挿通されている。
第1軸35は、第1アーム30に対して灯具本体10が回転可能なように、第1ジョイント30aと第1被連結部13aとを連結する。その結果、灯具本体10は、第1軸35の回りに、矢印R11の示す方向又は矢印R12の示す方向に回転可能である。矢印R11の示す方向は、光源ユニット11が第2軸45に近づく方向であり、矢印R12の示す方向は、光源ユニット11が第2軸45から離れる方向である。
第1軸35は、灯具本体10が回転可能でかつ灯具本体10の姿勢を保持できる程度の締付力によって、第1ジョイント30a及び/又は第1被連結部13aによって締付けられている。従って、灯具本体10は、第1軸35の回りの回転の停止により、停止したときの姿勢で第1アーム30に対して静止する。本実施形態では、灯具本体10は、作業者によって、第1軸35の回りに回転させることができる。なお、本実施形態では、第1軸35は、第1アーム30及び灯具本体10に対して相対的に第1軸35に交差する方向に移動不能である。
第2軸45は、第1軸35に沿って配置される。本実施形態では、第1軸35の軸線と第2軸45の軸線とが略平行である。第2軸45は、第1アーム30の他方端部と第2アーム40の先端部とを連結する。本実施形態では、第2ジョイント30bが第2被連結部40aを挟む。第2ジョイント30b及び第2被連結部40aの各々には貫通孔が設けられる。そして、第2ジョイント30bの貫通孔及び第2被連結部40aの貫通孔に第2軸45が挿通されている。
第2軸45は、第2アーム40に対して第1アーム30が回転可能なように、第2ジョイント30bと第2被連結部40aとを連結する。その結果、第1アーム30は、第2軸45の回りに、矢印R21の示す方向又は矢印R22の示す方向に回転可能である。第2軸45は、第1アーム30が回転可能でかつ灯具本体10の姿勢を保持できる程度の締付力によって、第2ジョイント30b及び/又は第2被連結部40aによって締付けられている。
灯具本体10は、第1アーム30に連結されているため、第1アーム30と共に、第2軸45の回りに、矢印R21の示す方向又は矢印R22の示す方向に回転可能である。矢印R21の示す方向は、灯具本体10が枠体50の内部から外部に向かう方向であり、矢印R22の示す方向は、灯具本体10が枠体50の外部から内部に向かう方向である。灯具本体10は、第2軸45の回りの回転の停止により、停止したときの姿勢で第2アーム40に対して静止する。本実施形態では、灯具本体10は、手によって、第2軸45の回りに回転させることができる。
図2を参照して、第1軸35と第2軸45と発光素子アレイ111との位置関係について説明する。第1軸35は、発光素子アレイ111よりも、灯具本体10の径方向外側に配置される。第1軸35が第1アーム30の回転に伴って移動し上限に位置するとき、灯具本体10の下縁部に対する第1軸35の高さは、灯具本体10の下縁部に対する発光素子アレイ111の高さよりも高い。なお、図2では、第1軸35は上限近傍に位置している。第1軸35と発光素子アレイ111との間の距離は、灯具本体10の姿勢に依存することなく一定である。
第2軸45は、発光素子アレイ111よりも、灯具本体10の径方向外側に配置される。第2軸45は、第1軸35よりも、灯具本体10の径方向外側に配置される。第2軸45と発光素子アレイ111との間の距離は、灯具本体10の姿勢に依存して変動する。
以上、図1〜図3を参照して説明したように、本実施形態によれば、作業者は、灯具本体10を第1軸35及び第2軸45の回りに回転させて、灯具本体10の姿勢を調整して、光軸Lの向きを変更し、光照射方向を設定できる。灯具本体10は、第1軸35及び第2軸45のそれぞれの回りに回転可能である。つまり、第1軸35の回りの回転は第2軸45の回りの回転に拘束されないし、第2軸45の回りの回転は第1軸35の回りの回転に拘束されない。従って、灯具本体10の姿勢の調整の自由度を向上できる。その結果、灯具本体10の光照射方向の設定の自由度を向上できる。
また、本実施形態によれば、ベース21は上縁部53に沿って矢印A1又は矢印A2に示す方向に回転可能である。そして、ベース21には、第2アーム40が固定され、第2アーム40には第1アーム30が連結され、第1アーム30には灯具本体10が連結される。従って、ベース21の回転に伴って、灯具本体10も矢印A1又は矢印A2に示す方向に回転する。その結果、灯具本体10の光照射方向の設定の自由度がさらに向上する。
さらに、本実施形態によれば、第2アーム40の姿勢及び長さは、特に限定されず、第2アーム40を所望の姿勢又は長さに設定することによって、第2軸45を所望の位置に配置できる。従って、灯具本体10の取り得る姿勢がベース21及び枠体50によって制約を受ける環境においても、灯具本体10の姿勢の調整の自由度がさらに向上するように、第2軸45を配置できる。その結果、灯具本体10の光照射方向の設定の自由度がさらに向上する。
次に、図4及び図5を参照して第1軸35及び第2軸45の詳細について説明する。図4及び図5は、それぞれ、第1軸35が上限に位置するときの照明器具1を示す斜視図及び部分断面図である。なお、図5では、支持部材20、枠体50、取付バネ60、及び天井としてのボードRBの断面が示される。
図4及び図5に示すように、第1アーム30が、第2軸45の回りに、矢印R22の示す方向に最大限回転したときに、第1軸35は上限に位置する。第1軸35が第1アーム30の回転に伴って移動し上限に位置するとき、第1軸35は、第2軸45よりも枠体50の上縁部53に近い位置に配置される。本実施形態では、上限に位置するときの第1軸35は上縁部53の近傍に配置される。つまり、第1軸35が第1アーム30の回転に伴って移動し上限に位置するとき、第1軸35の下縁部55に対する高さは、上縁部53の下縁部55に対する高さと略同一である。
また、第1軸35は、光軸Lに対して、光軸Lに直交する方向にずれた位置に配置される。本実施形態では、光軸Lに直交する方向は、灯具本体10の径方向である。第1軸35から光軸Lまでの最短距離D1は、灯具本体10及び/又は第1軸35が変位したとしても一定であり、第1軸35の位置に依存しないし、灯具本体10の第1軸35の回りの回転及び第2軸45の回りの回転に依存しない。一方、第2軸45から光軸Lまでの最短距離D2は、灯具本体10の第2軸45の回りの回転には依存しないが、灯具本体10の第1軸35の回りの回転に依存して変動する。ただし、第1軸35から光軸Lまでの最短距離D1は、第1軸35の位置並びに灯具本体10の第1軸35の回りの回転及び第2軸45の回りの回転に関係なく、第2軸45から光軸Lまでの最短距離D2よりも短い。
また、第2軸45は、第1軸35よりも枠体50の下縁部55に近い位置に配置される。本実施形態では、第2軸45は、枠体50の内部において、下縁部55の近傍に配置される。
以上、図4及び図5を参照して説明したように、本実施形態によれば、上限に位置するときの第1軸35が上縁部53に近い位置に配置されるため、矢印R12の示す方向への灯具本体10の回転は、ベース21及び枠体50によって規制され難い。その結果、灯具本体10の姿勢の調整の自由度がさらに向上し、ひいては、灯具本体10の光照射方向の設定の自由度をさらに向上できる。
また、本実施形態によれば、第1軸35は光軸Lに対して灯具本体10の径方向にずれた位置に配置され、第1軸35から光軸Lまでの最短距離D1は、第2軸45から光軸Lまでの最短距離D2よりも短い。従って、第1軸35は光軸Lよりも灯具本体10の径方向外側に配置され、第2軸45は光軸Lに対して灯具本体10及び第1軸35よりも灯具本体10の径方向外側に配置される。その結果、矢印R21の示す方向への灯具本体10の回転が、枠体50によって規制され難く、灯具本体10の光照射方向の設定の自由度をさらに向上できる。
さらに、本実施形態によれば、第2軸45は下縁部55に近い位置に配置される。従って、灯具本体10を矢印R21の示す方向に回転させることによって、灯具本体10を枠体50の外部に配置することができる(後述する図6及び図7)。そして、枠体50の外部に配置された灯具本体10を矢印A1若しくは矢印A2、及び矢印R11に示す方向に回転させることによって、建造物の壁に向けて光を照射できる。従って、照明器具1は、直接照明だけでなく、発光素子アレイ111から照射された光を壁に反射させて光を任意の方向に照射する間接照明としての機能を有する。
次に、図4及び図5を参照して、灯具本体10の回転角度αについて説明する。回転角度αは、灯具本体10が第1軸35の回りに回転するときの灯具本体10の回転角度であり、鉛直線Bに対する光軸Lの傾斜角度によって表される。回転角度αは、第1軸35の位置に依存しない。灯具本体10が矢印R12の示す方向に最大限回転したときに、回転角度αは最大値になり、灯具本体10が矢印R11の示す方向に最大限回転したときに、回転角度αは最小値(約0度)になる。図5に示す回転角度αは、本実施形態の照明器具1における最大値である。本実施形態では、回転角度αの最大値は、約20度である。ただし、回転角度αの最大値は、20度に限定されず、20度未満であってもよいし、20度より大きくてもよい。
本実施形態によれば、回転角度αの最大値は特に制限されず任意の値に設定できる。従って、回転角度αの最大値を所望の値に設定することによって、矢印R12の示す方向への灯具本体10の回転を規制できる。その結果、光源ユニット11の出射した光が天井裏に漏れることを抑制できる。なお、例えば、回転角度αの最大値が設定されず、灯具本体10の照射エリアが枠体50の上縁部53よりも上側(天井裏側)に拡がる位置まで灯具本体10を回転させると、光源ユニット11の出射した光が天井裏に漏れる場合がある。
次に、図6及び図7を参照して、灯具本体10の回転角度βについて説明する。図6及び図7は、それぞれ、第1軸35が下限に位置するときの照明器具1を示す斜視図及び部分断面図である。なお、図7では、支持部材20、枠体50、取付バネ60、及びボードRBの断面が示される。
第1アーム30が、第2軸45の回りに、矢印R21の示す方向に最大限回転したときに、第1軸35は下限に位置する。下限に位置するときの第1軸35は、第2軸45よりも下方に配置される。本実施形態では、下限に位置するときの第1軸35は下縁部55よりも下方に配置される。
回転角度βは、灯具本体10が第2軸45の回りに回転するときの灯具本体10の回転角度であり、鉛直線Bに対する光軸Lの傾斜角度によって表される。灯具本体10が矢印R21の示す方向に最大限回転したときに、回転角度βは最大値になり、灯具本体10が矢印R22の示す方向に最大限回転したときに、回転角度βは最小値(約0度)になる。本実施形態では、回転角度βの最大値は、約85度である。ただし、回転角度βの最大値は、85度に限定されず、85度未満であってもよいし、85度より大きくてもよい。
本実施形態によれば、回転角度βの最大値は特に制限されず任意の値に設定できる。従って、回転角度βの最大値を所望の値に設定することによって、矢印R21の示す方向への灯具本体10の回転を規制できる。その結果、灯具本体10を枠体50の外部に配置する際に、天井としてのボードRBから離れすぎない位置に灯具本体10を配置でき、美観を向上できる。
次に、図5及び図7を参照して、照明器具1のボードRBへの取付けについて説明する。3個の取付バネ60が枠体50を天井としてのボードRBに固定することによって、照明器具1は、ボードRBに取り付けられる。具体的には、ボードRBには、枠部52の形状に対応して円状の開口RHが形成される。開口RHの直径は、枠部52の直径よりも大きく、鍔部51の直径よりも小さい。照明器具1は、鍔部51がボードRBに当接するまで開口RHに挿入される。そして、ボードRBは、各取付バネ60の弾性力によって、3個の取付バネ60と鍔部51とで強く挟まれる。従って、枠体50がボードRBに固定される。その結果、照明器具1がボードRBに取り付けられる。
次に、図8を参照してベース21の詳細について説明する。図8は、照明器具1を上方から見たときの平面図である。ベース21は、幅狭部21a及び幅広部21bを有する。本実施形態では、ベース21は2つの幅広部21bを有する。幅狭部21aの内縁E1から外縁E2までの幅W1は、幅広部21bの内縁E3から外縁E4までの幅W2より狭い。幅狭部21aは、上限に位置するときの第1軸35に対向し、湾曲した帯状である。一方の幅広部21bは、上限に位置するときの第1軸35の近傍から幅狭部21aの一方端に向かって延び、湾曲した帯状である。他方の幅広部21bは、上限に位置するときの第1軸35の近傍から幅狭部21aの他方端に向かって延び、湾曲した帯状である。
本実施形態によれば、ベース21が幅狭部21aを有する。従って、矢印R21又は矢印R22に示す方向への灯具本体10の回転が、ベース21に規制され難い。その結果、灯具本体10の光照射方向の設定の自由度がさらに向上する。また、ベース21が幅広部21bを有する。従って、光源ユニット11が出射し上方へ進行する光は、幅広部21bによって下方へ反射される。その結果、光源ユニット11の出射した光が天井裏へ漏れることを抑制できる。
次に、図9を参照して取付バネ60の詳細について説明する。図9(a)は、取付バネ60を示す斜視図である。図9(b)は、取付バネ60を示す側面図である。取付バネ60は挟持部65を有する。挟持部65は枠体50の上縁部53に配置される。取付バネ60は、挟持部65から外壁面57に沿って下方に延び、鍔部51の近傍で斜め上方に向かって略V字状に屈曲し、さらに上方に凸状に湾曲する。
挟持部65は、ベース21の上面と下面とを挟む。つまり、取付バネ60の挟持部65は、ベース21が矢印A1又は矢印A2の示す方向に回転可能なようにベース21を支持する。
挟持部65は、第1対向部66と、2個の第2対向部67と、第1突出部68と、第2突出部69とを有する。第1対向部66は、ベース21の上面に対向する。各第2対向部67は、ベース21の下面に対向する。第1突出部68は、第1対向部66からベース21の上面に向かって突出する。第1突出部68は、ドーム状であり、第1突出部68の頂点がベース21の上面に当接する。第2突出部69は、第2対向部67からベース21の下面に向かって突出する。第2突出部69は、ドーム状であり、第2突出部69の頂点がベース21の下面に当接する。なお、第1突出部68の頂点とベース21の上面との間に隙間を設けてもよく、第2突出部69の頂点とベース21の下面との間に隙間を設けてもよい。
本実施形態によれば、3つの挟持部65は回転可能にベース21を支持する。従って、ベース21を回転可能に支持するための専用部材を追加することなく、取付バネ60の構造を変更するだけで、ベース21を回転可能に支持できる。その結果、部品点数及びコストを削減できる。
また、本実施形態によれば、第1突出部68がベース21の上面に当接し、第2突出部69がベース21の下面に当接することによって、ベース21が挟持部65によって回転可能に支持される。従って、挟持部65とベース21との接触面積は小さくなる。その結果、ベース21が回転する際のベース21への負荷が抑制され、ベース21を円滑に回転させることができる。
以上、図1〜図9を参照して説明したように、本実施形態によれば、灯具本体10は第1軸35及び第2軸45の回りに回転可能である。従って、灯具本体10の光照射方向の設定の自由度を向上できる。例えば、灯具本体10を枠体50の内部に配置して、灯具本体10を第1軸35の回りに回転させることによって、天井としてのボードRBから灯具本体10を突出させることなく、照明方向を変更できる。例えば、灯具本体10を第2軸45の回りに回転させることによって、灯具本体10を枠体50の内部に配置することもできるし、灯具本体10を枠体50の外部に配置することもできる。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(5))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)本発明は、図1に示すような埋込型の照明器具1に限定されず、例えば、吊下げ型の照明器具に適用することもできる。
(2)図1を参照して説明したように、照明器具1のベース21と枠体50とは別部材であったが、一体に形成されてもよい。ベース21は、固定されて回転不能でもよい。ベース21を設けずに、枠体50に第2アーム40を形成してもよい。この場合、枠体50が支持部材20として機能する。例えば、枠体50の上縁部53から下方に延びるように、第2アーム40を形成する。ベース21は、平面視において多角環状でもよい。枠体50は多角筒状でもよい。光源ユニット11のハウジング114は多角筒状でもよい。
(3)図3を参照して説明したように、第2アーム40を設けたが、第2アーム40を設けなくてもよい。この場合、第2軸45は、ベース21と第1アーム30とを連結する。第1アーム30及び第2アーム40の形状、長さ、及び配置は、図3に示される形状、長さ、及び配置に限定されず、任意に設定され得る。
(4)図9(a)を参照して説明したように、取付バネ60は、2個の第2対向部67を有した。ただし、第2対向部67の数は、2個に限定されず、1個又は3個以上でもよい。
(5)図9(a)及び図9(b)に示す取付バネ60は、本発明のバリエーションの1つである。取付バネ60が取付位置に照明器具1を取り付けることができる限り、取付バネ60の形状は、図9に示す形状に限定されない。