以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED(発光ダイオード:光源)等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチによって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置(発射装置)を駆動するための操作部15(発射操作部、発射ハンドル)とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
なお、球発射装置を動作させる操作部15又はその近傍において、発射停止スイッチ110(図5参照)と、タッチスイッチ120(図5参照)が設けられる。発射停止スイッチ110(発射制御操作部)は、遊技者が押すことにより発射停止スイッチ信号を出力し、球発射装置の遊技球の発射を停止する。タッチスイッチ120(タッチセンサ)は、遊技者が操作部15を操作していること(遊技者の手が操作部15に触れていること)を検出するもので、この検出がないときには、球発射装置からの遊技球の発射が停止される。タッチスイッチ120(タッチセンサ)は、操作部15への操作を検出可能な操作検出手段を構成する。例えば、タッチスイッチ120は、環状の金属部分を有し、遊技者がこの金属部分に接触することによる静電容量の変化を検出して、信号を出力する。代わりに、タッチスイッチ120は、人感センサとして温度などを検出してもよい。
球発射装置は、遊技者による操作部15の操作に対応して、第1の発射勢で遊技球を発射する第1発射態様と、第1の発射勢とは異なる第2の発射勢で遊技球を発射する第2発射態様と、で発射可能である。例えば、第1発射態様は、左打ちと右打ちのうちの一方であり、第2発射態様は、左打ちと右打ちのうちの他方である。左打ち、右打ちとは、それぞれ、遊技領域31(図2参照)の左側、右側において遊技球を流下させる態様である。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。また、選択ボタン29が演出ボタン17の横に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(表示装置、装飾表示装置、変動表示手段)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変遊技状態(高確率状態、確変状態)、変動時間の短縮機能が作動して特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短遊技状態(時短状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態ともいう。なお、潜伏確変状態以外の確変遊技状態や、時短遊技状態では、後述の普電サポートが実行される。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤構成〕
図2は、センターケース(前面構成部材)34を取り付けた状態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、プラスチック等からなる矩形状の遊技板32の表面に、金属製のガイドレール32aや導電性樹脂製の区画部材32bを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。遊技板32は、例えば、後方を視認可能な透明部材である。遊技板32と、遊技領域31を区画するガイドレール32a及び区画部材32bとによって、遊技盤本体部が構成される。
遊技領域31には、開口部(表示窓部)34aを有するセンターケース(前面構成部材)34が配設される。遊技板32にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成されており、センターケース34はその開口に前方から嵌装される。
遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)(図示省略)が配設され、この演出装置ユニットの裏側には、変動表示装置としての変動表示装置35と、変動表示装置35に表示される演出等を制御する演出制御装置700(図4)と、を備える。
変動表示装置35(装飾表示装置)は、複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)を表示可能な表示部35aを有する。センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部(表示窓部)34aを介して視認可能となっている。
変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示できる。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3個の可変表示領域又は上側、中央、下側の3個の可変表示領域)を設定して、変動表示ゲームにおいて各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
センターケース34の右側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。図2の遊技盤30では、遊技領域31の右側において遊技球を流下させる右打ち時に、遊技球は普図始動ゲート36を通過できる。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース34の左下方の遊技領域31には3個の一般入賞口40が配置されており、センターケース34の右下方の遊技領域31には1個の一般入賞口40が配置されている。
センターケース34の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられる。センターケース34の右下側且つ普図始動ゲート36の下方の遊技領域31には、第2始動入賞口(第2始動入賞領域、普通変動入賞装置)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。図2の遊技盤30では、左打ち時に遊技球は第1始動入賞口37に入賞し易くなり、右打ち時に、遊技球は第2始動入賞口38に入賞可能となる。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。可動部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。
可動部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド27(図3参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38が当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。なお、第1始動入賞口37と第2始動入賞口38は、障害釘で入球の調整ができる。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、確変遊技状態や時短遊技状態においては通常遊技状態と比較して入賞容易状態(開状態)の発生頻度を高めたり、入賞容易状態(開状態)の発生時間を長くしたりする普電サポートが実行される。普電サポートが実行される状態を普電サポート状態と呼ぶ。つまり、普電サポート状態となる確変遊技状態や時短遊技状態においては、遊技者は右打ちを行うことで第2始動入賞領域への入賞を容易に行うことができる。
第1始動入賞口37の下方の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28a(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として複数の下カウントスイッチ605a〜605m(図3参照)が配設されている。本実施形態では、下カウントスイッチの個数は2個であるものとして説明される。
また、センターケース34の右上部には、大入賞口ソレノイド28b(図3参照)によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上カウントスイッチ606(図3参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出ユニット642から上皿11aに排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口40(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
なお、第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側であって遊技板32の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、球発射ユニット140から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット642を介して上皿11aに排出される。
普図始動ゲート36は、当該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート36通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド27(図3参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38への入賞は、第1始動口スイッチ601(図3参照)と第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、変動表示ゲームの実行に関する遊技情報となり、遊技制御装置600(始動記憶保留手段)の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部54や特図2保留表示部55に表示されるとともに、変動表示装置35の表示部35aにも表示できる。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)が実行される。なお、特図1表示器51及び特図2表示器52を総称して特別図柄表示装置と呼ぶ場合がある。
変動表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左又は上(第一特別図柄)、右又は下(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35等では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、変動表示装置35等の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置41や第2特別変動入賞装置42に設けられた大入賞口ソレノイド28a及び大入賞口ソレノイド28b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するまでの間に後述するラウンド数決定遊技(補助遊技)が実行されてもよい。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
変動表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が遊技制御装置600(図3参照)のRAMに記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1個記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔遊技制御装置〕
次に、図3を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600は、遊技制御手段を構成する。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(指令情報又はコマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621(621a、621b)及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621aには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及び下カウントスイッチ605a〜605mが接続される。また、近接I/F621bには、上カウントスイッチ606が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621aと近接I/F621bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F621aの入力端子数が限られているためである。近接I/F621bは不足する入力端子数に応じて近接I/F621aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F621aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F621bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604などを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602からの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図変動表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置200に発射許可信号を出力する。発射制御装置200は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号、タッチスイッチ信号、発射停止スイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。タッチスイッチ信号は、操作部15に設けられるタッチスイッチ120の検出信号であり、遊技者が操作のために操作部15に触れた場合に出力されて操作を検出できる操作検出信号である。タッチスイッチ信号は、後述の発射制御装置200を介して払出制御装置640に入力される。
遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド(変動パターンコマンドを含む)、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド(遊技状態を示すコマンド)、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置42の回動部42a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材38aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、及び上カウントスイッチ606からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
〔演出制御装置〕
図4を参照して、遊技機1に備えられる演出制御装置700について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)、への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35等の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35等に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合と比較してコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタンSW(スイッチ)751の操作によって入力される信号(操作信号)や、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35などの表示装置を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、さらに、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
〔発射制御装置〕
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の発射制御装置200、発射モータ240、遊技制御装置600、払出制御装置640、電源装置800、発射停止スイッチ110と、タッチスイッチ120の接続形態を説明する図である。
発射制御装置200は、発射停止スイッチ110と、タッチスイッチ120と、発射モータ240と、払出制御装置640に電気的に接続されている。払出制御装置640は、発射制御装置200と、遊技制御装置600と、電源装置800に電気的に接続されている。これら装置間の接続線はケーブルとしてまとめて設けられてよい。ここで、接続線Vmotは、発射モータ240や、払出制御装置640に含まれるモータなどに電源装置800からの電力又は電圧を配電するための接続線である。接続線Vswは、タッチスイッチ120などの各種スイッチ(又はセンサ)に電源装置800からの電力又は電圧を配電するための接続線である。接続線GNDは、接地線である。
発射制御装置200は、球発射装置を構成する発射モータ240を制御するために、発射モータ240に励磁信号として駆動制御信号MCS1−MCS4を供給する。発射制御装置200は、発射制御手段を構成する。発射モータ240は、遊技球を発射する発射杵(図示省略)を回転駆動する電気モータであり、本実施形態では、ステッピングモータである。なお、操作部15、タッチスイッチ120、発射モータ240及び発射停止スイッチ110は、遊技者の操作により遊技球を発射する球発射ユニット140(発射操作手段)を構成する。
遊技者が発射停止スイッチ110を押して操作することにより、発射制御装置200には、発射停止スイッチ110からの発射停止スイッチ信号が入力される。遊技者が操作部15を操作する際に触れることにより、発射制御装置200には、タッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号(操作検出信号)が入力される。また、発射停止スイッチ信号及びタッチスイッチ信号は、発射制御装置200内で分岐して、払出制御装置640を介して、遊技制御装置600に入力される。発射制御装置200には、払出制御装置640から発射許可信号LPSが入力され、電源装置800から払出制御装置640を介して停電検出時の停電検出信号PODが入力される。
図6は、発射制御装置200の構成を示すブロック図である。発射制御装置200は、発射制御回路202とドライバ204を含む。ドライバ204は、発射制御回路202から出力される周期パルス信号OUT1−OUT4の各々に対応して、各駆動制御信号MCS1−MCS4を発射モータ240に供給する。
発射制御回路202は、ロジック回路(論理回路)を有する分相用回路であり、ステッピングモータ用の周期パルス信号OUT1−OUT4を出力する。周期パルス信号OUT1−OUT4の各々は、2相励磁、1−2相励磁などの励磁方式によって定められる各励磁相に対応するパルス信号である。例えば、発射制御回路202は、ステッピングモータ用の一般的な分相用ロジック回路(パルス分配回路)でよく、PLD(Programmable Logic Device)などのプログラム可能なロジックIC(Integrated Circuit)などから構成されてよいし、また、市販されているステッピングモータ用コントロールIC(例えば、型番W2RF001WP)なども使用できる。
発射制御回路202において、ロジック電源電圧端子VDDは、ロジック電源電圧が入力される。クロック入力端子XT1、XT2は、クロック信号発生用の水晶発振子206に接続される。水晶発振子206が発射制御回路202の内部の分周回路に接続されて、周期パルス信号の元となるクロック信号が生成される。リセット端子RSTに停電検出信号PODが入力されると、発射制御回路202はリセットされる。
発射制御回路202のロジック構成(論理構成)において、タッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号がイネーブル端子EN2に入力されてイネーブル端子EN2がHレベル(ハイレベル)になると、周期パルス信号OUT1−OUT4の生成が許可される。発射停止スイッチ110からの発射停止スイッチ信号がイネーブル端子EN4Xに入力されてイネーブル端子EN4XがHレベル(ハイレベル)になると、周期パルス信号OUT1−OUT4の生成が禁止される。払出制御装置640からの発射許可信号LPSがイネーブル端子EN3に入力されてイネーブル端子EN3がHレベル(ハイレベル)になると、周期パルス信号OUT1−OUT4の生成が許可される。このため、発射制御回路202がタッチスイッチ信号(操作検出信号)と発射許可信号LPSを受信し、発射停止スイッチ信号を受信しない場合に、発射モータ240が作動する。
図7は、ドライバ204の構成を示す回路図である。ドライバ204は、複数の端子1−16を有する。ドライバ204には、並列的に複数のドライバ回路208a−208gが設けられている。各ドライバ回路は、トランジスタによる増幅回路210(アンプ回路)と、ダイオード212を含む。ドライバ回路208a−208gは、それぞれ、端子1−7が入力端子に、端子16−10が出力端子になっており、入力端子からの入力信号を増幅回路210によって増幅して出力端子から出力できる。入力端子と出力端子の対(即ち端子対)(1,16)(2,15)(3,14)(4,13)(5,12)は、1個のドライバ回路の増幅回路210に接続している。
端子8は、アースに接続される接地端子であり、ドライバ回路208a−208gにアースを提供する。端子9には、定電圧ダイオード213を介して、発射モータ240への電源電圧を供給する接続線Vmotから電圧が入力される。共通線COMは、端子9(電源入力端子)からドライバ回路208a−208gのダイオード212に接続する。定電圧ダイオード213(ツェナーダイオード)は、発射モータ240の駆動電圧を所定電圧(例えば32V)に抑制する抑制回路を構成する。
図8は、各ドライバ回路208の回路図である。ドライバ回路208の増幅回路210は、ダーリントン接続された二つのトランジスタ(トランジスタアレイ)Tr1、Tr2等から構成されている。後段のトランジスタTr2のエミッタ(E)側は、端子8を介してアースに接続されて接地される。ドライバ回路208a、208b、208c、208dには、それぞれ、周期パルス信号OUT1、OUT2、OUT3、OUT4が入力され、増幅された信号として駆動制御信号MCS1、MCS2、MCS3、MCS4が出力する。このように、周期パルス信号OUT1−OUT4を増幅した形で駆動制御信号MCS1−MCS4が発射モータ240に供給される。
また、発射制御装置200内において、タッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号は、分岐点218で分岐して、発射制御回路202とともにドライバ204にも入力される(図7参照)。タッチスイッチ信号(操作検出信号)は、ドライバ回路208eに入力され、払出制御装置640に向けて出力される。そして、タッチスイッチ信号は、払出制御装置640を経由して、遊技制御装置600に出力される。ドライバ回路208eは、端子5が入力端子で端子12が出力端子であり、端子12は出力線220に接続されている。
ドライバ回路208eは、トランジスタを含む増幅回路210を有しており、タッチスイッチ120から遊技制御装置600へタッチスイッチ信号(操作検出信号)を出力する回路の途中に配置されて、信号の通過する方向を払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)への一方向に規制する規制手段となる。これにより、発射制御装置200と払出制御装置640間、又は、遊技制御装置600と払出制御装置640間のケーブル内のタッチスイッチ信号用の接続線などにノイズ(ノイズ信号)が発生しても発射制御回路202に侵入しなくなる。即ち、ドライバ回路208eは、払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)から発射制御装置200へのノイズ遮断手段として機能する。これにより、発射モータ240の誤動作を防止することができる。なお、タッチスイッチ信号(操作検出信号)の電圧は、定電圧ダイオード213の前記の所定電圧を超えないため、図7のような簡単なドライバ回路が使用できる。
具体的には、ドライバ回路208eの増幅回路210は、入力側(ベース(B)側)から出力側(コレクタ(C)側)への単方向に信号を出力するトランジスタ(単方向のトランジスタ)又はトランジスタアレイを有している。増幅回路210のトランジスタが入力側のタッチスイッチ信号(電流)によりオンすると、コレクタ(C)とエミッタ(E)間に電流が流れ、出力線220上の電圧が変化して出力側のタッチスイッチ信号となる。例えば、増幅回路210のトランジスタがオンすると、出力線220上の電圧は、接続線Vmotの電源電圧又は定電圧ダイオード213の所定電圧からアース電圧付近に変化する。増幅回路210は、コレクタ側の端子12から入ったノイズをベース側の端子5(入力端子)へ通さずにエミッタ(E)側のアースに流す回路構成(トランジスタ、抵抗、ダイオードの配置)を有する(図8参照)。このため、端子12(出力端子)からのノイズ侵入を防止できる。また、ドライバ回路208a−208eのダイオード212は、共通線COMを介してドライバ回路208eからドライバ回路208a、208b、208c、208dへノイズが侵入することを防止する。
なお、ドライバ204は、複数の端子1−7、10−16の内、発射モータ240の駆動制御信号MCS1−MCS4を送るために用いる端子1−4、13−16以外の端子5、12を使用して、ドライバ回路208eを介して、遊技制御装置600へタッチスイッチ信号(操作検出信号)を出力する。このため、ドライバ204の空き端子を活用でき、部品点数を増加させずに、払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)からのノイズに対する対策ができる。
前述の構成の代替として、ドライバ回路208eの増幅回路210として、入力側と出力側が電気的に分離されたアイソレーションアンプを用いて、払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)から発射制御装置200へのノイズを遮断してもよい。また、信号の通過する方向を払出制御装置640側(即ち遊技制御装置600側)の一方向に規制する規制手段を、端子12からの出力線220上など、分岐点218から遊技制御装置600までの出力回路上に設けてノイズを遮断してもよい。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、払出制御装置640が他の制御基板(例えば、遊技制御装置600)にタッチスイッチ信号を出力する手順について説明する。
〔タッチスイッチ信号送信処理〕
図9は、本発明の第1の実施の形態のタッチスイッチ信号送信処理の手順を示すフローチャートである。なお、払出制御装置640が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「C****」と表されている。
タッチスイッチ信号送信処理は、払出制御装置640のタイマ割込み処理(図示省略)において実行される。
払出制御装置640は、タッチスイッチ信号送信処理が実行されると、まず、タッチ状態の変化があるか否かを判定する(C1001)。具体的には、払出制御装置640が、タッチスイッチ(タッチセンサ)120からのタッチスイッチ信号の変化を検出したか否かによって判定する。タッチ状態の変化がない場合には(C1001の結果が「N」)、本処理を終了する。
タッチ状態の変化がある場合には(C1001の結果が「Y」)、払出制御装置640は、次に、当該状態の変化がタッチオフからタッチオンへと変化したものである否かを判定する(C1002)。
状態の変化がタッチオフからタッチオンへと変化したものである場合には(C1002の結果が「Y」)、払出制御装置640は、遊技制御装置600へ出力するタッチスイッチ信号のオンデータを設定し(C1003)、本処理を終了する。
状態の変化がタッチオフからタッチオンへと変化したものではない場合(C1002の結果が「N」)、つまり、状態の変化がタッチオンからタッチオフへと変化したものである場合には、払出制御装置640は、遊技制御装置600へ出力するタッチスイッチ信号のオフデータを設定し(C1004)、本処理を終了する。
本実施形態では、払出制御装置640は、タッチスイッチ信号を受信すると、直ちに遊技制御装置600へタッチオンデータ又はタッチオフデータを出力する。そして、遊技制御装置600は、タッチオンデータを受信した場合には、一定の期間(例えば、32ms。第1待機期間)の経過後にタッチオンデータに基づくタッチオンコマンド(操作開始コマンド)を演出制御装置700に出力する。また、遊技制御装置600は、タッチオフデータを受信した場合には、一定の期間(例えば、4000ms。第2待機期間)の経過後にタッチオフデータに基づくタッチオフコマンド(操作終了コマンド)を演出制御装置700に出力する。
タッチオン/タッチオフコマンドを受信した演出制御装置700は、受信したコマンドに基づいて、枠装飾装置21等の装飾装置、演出装置及び変動表示装置35に演出効果を伴う演出を実行させることができる。
なお、払出制御装置640と演出制御装置700とが直接接続され、遊技制御装置600を経由せずに払出制御装置640から演出制御装置700に直接タッチオフデータ及びタッチオンデータを出力してもよい。
続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600が、遊技用マイコン611によって実行するメイン処理について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図11は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部の手順を示すフローチャートである。なお、遊技制御装置600(遊技用マイコン611)が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(A1101)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A1102)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A1103)。さらに、入力ポート623の状態を読み込み(A1104)、割込み処理のモードを設定する(A1105)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(A1106)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置600が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置600)の起動を遅らせて従属制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(A1107〜A1111)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(A1107)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1108)。そして、A1107の処理で設定したチェック回数分だけA1108の判定を繰り返す(A1109)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(A1109の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊技制御装置600が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなしている。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(A1109の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1110)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(A1111)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(A1111の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、A1107の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(A1111の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A1112)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A1113)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを演出制御装置700との間でシリアル通信を行うための設定を行う(A1114)。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A1115)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変遊技状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A1115の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A1116、A1117)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。A1116の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、A1117の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(A1116、A1117の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A1118)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(A1119)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A1109の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(A1116又はA1117の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とA1118の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(A1119の結果が「N」)、図9のA1140からA1143までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A1119の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1120)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A1121)。高確率でないと判定された場合には(A1121の結果が「N」)、A1124以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A1121の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A1122)。続いて、一括表示装置50に設けられる第3遊技状態表示部59のLEDをオン(点灯)に設定する(A1123)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(A1124)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(A1140)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(A1141)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(A1142)。さらに、電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(A1143)、A1125以降の処理を実行する。
なお、A1124で送信される停電復旧時のコマンド及びA1143で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、A1124又はA1143の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A1125)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(A1126)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行うようにしてもよい。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
さらに、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A1127)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(A1128)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1129)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(A1130)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1131)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A1131の結果が「N」)、A1129の初期値乱数更新処理を再び実行し、A1129からA1131までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(A1129)の前に割り込みを許可(A1128)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(A1129)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A1131の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がA1130の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(A1132)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(A1132の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1131)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(A1132の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(A1133〜A1139)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(A1133)、全出力ポートをオフに設定する(A1134)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(A1135)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(A1136)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1137)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A1138)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A1139)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A1601)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでA1601の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1602)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(A1603)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(A1604)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A1605)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A1606)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A1607)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1608)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図15にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1609)。
次に、遊技制御装置600は、タッチスイッチ(タッチセンサ)120のオン/オフを検出して演出制御装置700にコマンドを送信するタッチセンサ監視処理を実行する(A1610)。
その後、遊技制御装置600は、客待ちデモ復帰処理を実行する(A1611)。客待ちデモ復帰処理は、変動表示装置35が客待ち用の客待ちデモ画面(客待ち画面、デモ画面)を表示する客待ちデモ(客待ちデモ状態)から復帰する処理である。客待ちデモ画面とは、遊技が行われていない状態にて所定条件が成立すると、遊技客へのアピールや画面の焼き付き防止のために表示されるデモンストレーション画面又は画像である。具体的には、タッチスイッチ120の検出がない場合(タッチスイッチ信号の入力がない場合)に、遊技制御装置600は、客待ちデモ終了コマンドを準備する。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。客待ちデモ終了コマンドは、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720が遊技機1の客待ち時に変動表示装置35に表示させる客待ちデモ画面の表示を終了させるコマンドであり、演出制御装置700に送信される。なお、客待ちデモ復帰処理の詳細については、図14で後述される。
次に、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A1612)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(A1613)。さらに、電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(A1614)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A1615)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(A1616)。その後、A1601の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A1617)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A1618)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔タッチセンサ監視処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理におけるタッチセンサ監視処理(A1610)の詳細について説明する。図13Aは、本発明の第1の実施の形態のタッチセンサ監視処理の手順を示すフローチャートであり、図13Bは、図13Aに示すフローチャートに発射停止スイッチ信号の監視処理が付加された処理手順を示す。
上述のとおり、遊技制御装置600は、払出制御装置640からタッチスイッチ信号を受信すると、一定期間の経過後に、タッチスイッチ信号に基づくコマンドを演出制御装置700に出力する。特に、タッチオフデータを受信した場合には、タッチオンデータを受信した場合よりも長く待機させた後に、コマンドを演出制御装置700に出力する。本処理は、受信したタッチスイッチ信号に応じて待機期間を設定し、待機期間の経過後に演出制御装置700に出力するコマンドを設定する処理である。
遊技制御装置600は、まず、タッチスイッチ信号を受信したか否かを判定する(A1701)。遊技者が操作部15(発射ハンドル)を操作している間は、タッチスイッチ信号がON状態(ハイレベル)であるため、実際にA1701では、払出制御装置640からの信号状態に変化があったか否かを判定する。
当該ステップよりステップA1712まで、操作が開始された又は操作が停止された、というタッチスイッチ信号検出のオン/オフの変化があった場合の手順について説明する。
タッチスイッチ信号を受信した場合、つまり、信号状態に変化があった場合には(A1701の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、次に、受信したタッチスイッチ信号
がオンデータであるか否かを判定する(A1702)。
遊技制御装置600がタッチスイッチ信号のオンデータを受信する状況とは、遊技者が操作部15の操作を開始して信号がOFFからONに立ちあがる(図77に示す主基板のタッチスイッチの時間t1を参照)状況であり、遊技球の打ち出しが開始される状況である。
受信したタッチスイッチ信号がオンデータである場合には(A1702の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、タッチオフフラグがセーブ済であるか否かを判定する(A1703)。タッチオフフラグは、未送信のタッチオフコマンドの有無を判別するために設けられたフラグである。タッチオフフラグがセーブされている場合には、遊技制御装置600がタッチオフデータを受信しているが、待機期間が経過していないためタッチオフコマンドが未だ設定されていない(タッチオフコマンドが出力されていない)状態を表す。
タッチオフフラグがセーブされていない場合、つまり、未送信のタッチオフコマンドがない場合には(A1703の結果が「N」)、遊技制御装置600は、タッチオンフラグをセーブし(A1704)、コマンド送信タイマを32msにセットする(A1705)。その後、本処理を終了する。
タッチオンデータを受信した場合に演出制御装置700へのコマンド出力を32ms待機してから出力するのは、遊技制御装置600がノイズに基づいてコマンドを出力することを防止するためである。また、待機期間が長くなると、遊技者の操作と遊技機1の演出開始とに生じるタイムラグが大きくなり操作に対する演出の即応性が低下するため、例えば、32msに設定する。
一方、受信したタッチスイッチ信号がオンデータではない場合には(A1702の結果が「N」)、信号がロウレベルに立ち下がる、つまり、遊技球の発射操作が停止された状況であるため、遊技制御装置600は、タッチオンフラグがセーブ済であるか否かを判定する(A1706)。タッチオンフラグは、未送信のタッチオンコマンドの有無を判別するために設けられたフラグである。
タッチオンフラグがセーブされていない場合、つまり、未送信のタッチオンコマンドがない場合には(A1706の結果が「N」)、遊技制御装置600は、タッチオフフラグをセーブし(A1707)、タッチ演出フラグがセーブされているか否かを判定する(A1708)。
タッチ演出フラグは、例えば、特定の変動パターンにおいて、操作部15の操作と変動表示ゲームにおける画面演出とを連動させる場合にセーブされるフラグである。
タッチ演出フラグがセーブされている場合には(A1708の結果が「Y」)、操作部15の操作と画面演出とのリンク感を維持するために、遊技制御装置600は、コマンド送信タイマを32msにセットし(A1705)、本処理を終了する。なお、図80において、タッチ演出フラグがセーブされている場合でのタッチオンコマンド及びタッチオフコマンドの出力タイミングをタイムチャートに基づいて説明する。
タッチ演出フラグがセーブされていない場合には(A1708の結果が「N」)、頻繁なコマンド送信を抑制して本願の課題である演出制御装置700の処理負担を軽減するために、遊技制御装置600は、コマンド送信タイマを4000msにセットし(A1709)、本処理を終了する。
ステップA1703において、タッチオフフラグがセーブされている場合、つまり、遊技者が操作部15から手を離して4秒以内に操作に復帰した場合には(A1703の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、タッチオフフラグをクリアし(A1710)、コマンド送信タイマをリセットする(A1712)。4000msにセットされたコマンド送信タイマがリセットされることで、一瞬手を離したことに基づくタッチオフコマンドの送信予定がキャンセルされて、演出制御装置700の処理負担が軽減される。
また、ステップA1706において、タッチオンフラグがセーブされている場合、つまり、遊技制御装置600がノイズを検出して、タッチスイッチ信号が一瞬だけ立ち上がった場合には(A1706の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、タッチオンフラグをクリアし(A1711)、コマンド送信タイマをリセットする(A1712)。32msにセットされたコマンド送信タイマがリセットされることで、ノイズに基づく不要なコマンドの送信予定がキャンセルされて、演出制御装置700の処理負担が軽減される。
次に、操作が継続している又は操作が停止している状態が継続している場合での処理手順について説明する。ステップA1701において、タッチスイッチ信号を受信していない場合には(A1701の結果が「N」)、遊技制御装置600は、コマンド送信タイマがタイムアップしたか否かを判定する(A1714)。
コマンド送信タイマがタイムアップしていない場合には(A1714の結果が「N」)、コマンド送信までの待機期間中であるため、遊技制御装置600は、本処理を終了する。
コマンド送信タイマがタイムアップしている場合には(A1714の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、次に、タッチオンフラグがセーブ済であるか否かを判定する(A1715)。なお、ステップA1712において、コマンド送信タイマがリセットされてタイマが起動していない場合も、コマンド送信タイマがタイムアップしている場合として判定される。
タッチオンフラグがセーブされている場合、つまり、未送信のタッチオンコマンドがある場合には(A1715の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、タッチオンフラグをクリアし(A1716)、タッチオンコマンドをセーブする(A1717)。
次に、遊技制御装置600は、セーブしたタッチオンコマンドの設定処理を実行し(A1718)、本処理を終了する。
タッチオンフラグがセーブされていない場合には(A1715の結果が「N」)、遊技制御装置600は、タッチオフフラグがセーブ済であるか否かを判定する(A1719)。タッチオフフラグがセーブされていない場合には(A1719の結果が「N」)、未送信のコマンドがないため、その後、本処理を終了する。ステップA1719において結果が「N」となる場合とは、ステップ8012においてコマンド送信タイマがリセットされて、送信予定のコマンドがキャンセルされた場合である。
タッチオフフラグがセーブされている場合、つまり、未送信のタッチオフコマンドがある場合には(A1719の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、タッチオフフラグをクリアし(A1720)、タッチオフコマンドをセーブする(A1721)。
次に、遊技制御装置600は、セーブしたタッチオフコマンドの設定処理を実行し(A1718)、本処理を終了する。
このように、操作部15の操作がわずかな時間だけ停止された場合には、操作が停止されたことによるタッチオフコマンド及び操作に復帰したことによるタッチオンコマンドの送信がされないため、演出制御装置700の処理負担が軽減される。
また、ノイズを検出した場合も、ノイズに基づくタッチオンコマンド及びタッチオフコマンドの送信がされないため、演出制御装置700の処理負担が軽減される。
また、所定の条件が成立し、ハンドル操作と遊技機1の演出とを連動させる(タッチ演出を実行する)場合には、タッチオフコマンドも32msの待機期間の経過後に送信されるため、連続的な操作入力がされても、遊技者の操作と表示内容とのリンク感を維持した演出が可能となる。
なお、コマンド送信タイマのセットは、通常時に4000msをセットし、タッチ演出を実行する場合には、32msをセットするようにしてもよい。例えば、特定の変動パターンの場合にタッチ演出を実行させることとし、当該特定の変動パターンの実行中はタッチオフコマンドの待機期間を32msに設定する構成が考えられる。また、別の構成としては、リーチ中にタッチ演出を実行させ、リーチ中はタッチオフコマンドの待機期間を32msに設定する構成が考えられる。この場合、ノイズ等による不要なコマンド送信の頻度を低下させることができ、さらに演出制御装置700の処理負担を軽減させることができる。また、演出制御装置700における処理手順が簡略化されて演出制御装置700の処理負担を軽減させることができる。
また、タッチ演出においては、操作部15の操作入力に応じて枠装飾装置21や枠演出装置22を作動させて、例えば、枠に配置されるLED等の装飾装置の発光態様を変化させてもよい。さらに、操作部15の操作入力に応じて盤装飾装置760や盤演出装置770を作動させてもよい。
また、発射停止スイッチ110の操作入力も遊技機1の演出に反映可能とするべく、タッチセンサ監視処理において、発射停止スイッチ信号の監視も行ってもよい。図13Bは、発射停止スイッチ信号の監視処理が付加されたタッチセンサ監視処理の手順を示すフローチャートである。
ステップA1701において、タッチスイッチ信号を受信していない場合には(A1701の結果が「N」)、遊技制御装置600は、発射停止スイッチ信号を受信したか否かを判定する(A1713)。ステップA1713での判定も、A1701での判定と同様に、受信する発射停止スイッチ信号の状態に変化があったか否かを判定する。
発射停止スイッチ信号を受信した場合には(A1713の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、受信した発射停止スイッチ信号がオフからオンへと切り替わる信号であるか否かを判定する(A1722)。発射停止スイッチ信号がオフからオンへと切り替わる信号である場合には(A1722の結果が「Y」)、発射停止スイッチオンコマンドをセーブし(A1723)、コマンド設定処理を実行する(A1718)。
受信した発射停止スイッチ信号がオフからオンへと切り替わる信号ではない場合には(A1724の結果が「N」)、発射停止スイッチオフコマンドをセーブし(A1724)、コマンド設定処理を実行する(A1718)。
一方、ステップA1714において、発射停止スイッチ信号を受信していない場合には(A1713の結果が「N」)、遊技制御装置600は、コマンド送信タイマがタイムアップしたか否かを判定するステップA1714以降の処理を実行する。
このように、発射停止スイッチ信号に基づくコマンドを演出制御装置700へ送信することで、発射停止スイッチ110の操作と演出とを連動させることができる。なお、発射停止スイッチ信号もコマンドを送信するまで一定の待機期間を設けてもよい。待機期間を設けることで、発射停止スイッチ110の頻繁なオン/オフ操作及びノイズに基づく信号変化での不要なコマンドが送信されないため、演出制御装置700の処理負担が軽減される。
以上のように、遊技制御手段は、操作検出手段(タッチスイッチ)による操作状態の変化に対応して送信される操作検出信号(タッチスイッチ信号)に基づいて操作検出コマンド(タッチオンコマンド又はタッチオフコマンド)を送信するコマンド送信制御手段として機能する。
〔客待ちデモ復帰処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における客待ちデモ復帰処理(A1611)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の客待ちデモ復帰処理の手順を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置600は、客待ちデモフラグ領域(RWMの一部)をチェックして、客待ちデモ中フラグがオンに設定されているか否か判定する(A1901、A1902)。客待ちデモ中フラグは、後述の特図普段処理(図19)においてタッチスイッチ120の検出がない場合にオンに設定されてセーブされているフラグである。
客待ちデモ中フラグがオンしている場合に(A1902の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、タッチスイッチ120の検出があるか否か、即ちタッチスイッチ信号の入力があるか否かを判定する(A1903)。タッチスイッチ120の検出がある場合、即ち、タッチスイッチ120がオン状態の場合に(A1903の結果が「Y」)、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A1904)、遊技機1の客待ちデモ状態を終了させる客待ちデモ終了情報として、客待ちデモ終了コマンドを準備し(A1905)、コマンドを設定するためのコマンド設定処理を行う(A1906)。なお、このような客待ちデモ復帰処理を行う遊技用マイコン611と、コマンドを出力する出力部630は、客待ちデモ終了情報を送信する客待ちデモ情報送信手段を構成する。
これにより、変動表示装置35における客待ちデモ画面の表示中に、変動表示ゲームが開始しなくても、タッチスイッチ120によって操作部15の操作が検出されると、客待ちデモフラグがクリアされるとともに客待ちデモ画面の表示が終了する。なお、遊技制御装置600は、払出制御装置640を介してタッチスイッチ120からのタッチスイッチ信号(検出信号)が入力されている場合に、タッチスイッチ120の検出があると判定する。
このように、タッチスイッチ120の検出がないことが、客待ち状態(客待ちデモ状態)からの復帰条件(終了条件)であり、この復帰条件が成立すると、復帰処理(A1904−A1906)によって客待ちデモが終了する。
一方、客待ちデモ中フラグがオンしていない場合に(A1902の結果が「N」)、遊技制御装置600は、今回の客待ちデモ復帰処理を終了する。又は、タッチスイッチ120の検出がない場合、即ち、タッチスイッチ120がオフ状態の場合にも(A1903の結果が「N」)、遊技制御装置600は、今回の客待ちデモ復帰処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1608)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。特図ゲーム処理を実行する遊技制御装置600は、特図制御手段を構成する。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A3101)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図16にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A3102)。大入賞口スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置42内に設けられた上カウントスイッチ606及び第1特別変動入賞装置41内に設けられた下カウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(A3103)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A3104)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、A3104の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A3104の結果が「N」)、A3116以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A3104の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A3105)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A3106)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A3107)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A3108)。ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの進行状態を示し、0〜6の7段階で特図変動表示ゲームの進行状態を示す。あるゲーム処理番号に対応する処理が終了すると、ゲーム処理番号は次の番号などに変えられる。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A3108の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A3109)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図19にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A3108の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A3110)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A3108の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A3111)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A3108の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A3112)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A3108の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(A3113)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A3108の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A3114)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A3108の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A3115)。大当り終了処理は、A3109の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A3116)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(A3117)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A3118)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(A3119)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図15)における始動口スイッチ監視処理(A3101)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A3201)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A3202)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図17にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普電、普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A3203)。普通電動役物が作動中である場合には(A3203の結果が「Y」)、A3205以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(A3203の結果が「N」)、普電不正入賞が発生しているか否かを判定する(A3204)。
普電不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。A3204の処理では、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値、例えば5個)以上であるかを判定している。
遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生している場合には(A3204の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生していない場合には(A3204の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A3205)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A3206)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図16)における特図始動口スイッチ共通処理(A3202、A3206)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(A3301)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A3301の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A3301の結果が「Y」)、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否か、すなわち、乱数が抽出されているか否かを判定する(A3302)。乱数が抽出されていない場合には(A3302の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
遊技制御装置600は、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(A3302の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A3303)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A3304)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(A3305)。そして、ロードした値に1加算して更新し(A3306)、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(A3307)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A3307の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A3308)。
遊技制御装置600は、A3308の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A3307の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(A3309)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(A3309の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(A3310)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(A3311)。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。このとき、飾り特図保留数コマンドに新たに生成された始動記憶に対応する先読み結果を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、飾り特図保留数コマンドのACTION部に先読み結果を示す値を加算するようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(A3312)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A3313)。そして、A3304の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(A3314)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(A3315)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(A3316)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする(A3317)。具体的には、変動パターン乱数1〜3を抽出し、それぞれ対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、A3316の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(A3318)。特図保留情報判定処理の詳細については、図18にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A3309の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(A3319)、コマンド設定処理を実行する(A3320)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
なお、本処理において送信する飾り特図保留数コマンド、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を後述するシーン制御処理(図28)において演出制御装置700が受信すると、操作部15の操作と合わせた演出を実行する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図17)における特図保留情報判定処理(A3318)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かを判定する(A3401)。ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA3301に係る始動口スイッチの入力が第2始動口スイッチ602の入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理のステップA3301に係る始動口スイッチの入力が第1始動口スイッチ601の入力である場合は、可動部材38aの開放延長機能が作動中でない場合、即ち、時短遊技状態中でない場合であり、大当り(特別遊技状態)中でもない場合である。通常遊技状態の場合には、また、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(A3401の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
また、通常遊技状態(非電サポ状態)で普図変動表示ゲームの結果が当りとなった場合に、4/5の確率で可動部材38aが短時間開放する普電ショート開放、又は、1/5確率で可動部材38aが長時間(0.5+5秒)開放する普電ロング開放が選択される仕様では、普電ショート開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行わない一方、普電ロング開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行うようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(A3401の結果が「Y」)、新たに記憶された始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3402)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、A3402の大当り判定処理による判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3403)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A3403の結果が「N」)、停止図柄パターンとして、はずれ停止図柄パターンを設定する(A3406)。そして、A3407以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A3403の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(A3404)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り停止図柄パターンが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、A3404の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り停止図柄パターンを取得し、設定する(A3405)。
続いて、遊技制御装置600は、A3405の処理で設定した大当り停止図柄パターン又はA3406の処理で設定したはずれ停止図柄パターンを先読み停止図柄停止パターン領域にセーブする(A3407)。さらに、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(A3408)、コマンド設定処理を実行する(A3409)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A3410)。特図情報設定処理の詳細については、図43にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定するために、監視対象の始動口に対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(A3411)、変動パターン全体を設定するための変動パターン設定処理を実行する(A3412)。変動パターン設定処理の詳細については、図22にて後述する。なお、特図変動表示ゲームの結果ごとに変動パターン設定処理を定義し、対象の特図変動表示ゲームの結果に応じて対応する変動パターン設定処理を実行するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置600は、変動パターン設定処理で設定された前半変動番号及び後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(A3413)、コマンド設定処理を実行する(A3414)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、特図保留情報判定処理では、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームを実行する前に、特図変動表示ゲームの結果を取得し、演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図15)における特図普段処理(A3109)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3501)。さらに、特図2保留数が0の場合に(A3501の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(A3506)。このように、特図2保留数のチェック(A3501)を、特図1保留数のチェック(A3506)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合に(A3501の結果が「N」)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A3502)、コマンド設定処理を実行する(A3503)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理を実行する(A3504)。特図2変動開始処理の詳細については、図21にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(A3505)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合に(A3506の結果が「N」)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A3507)、コマンド設定処理を実行する(A3508)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図1変動開始処理を実行する(A3509)。特図1変動開始処理の詳細については、図37にて後述する。なお、飾り特図保留数コマンドは、保留数が変化した場合のみに演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(A3510)、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(A3506の結果が「Y」)、既に、変動表示装置35が客待ちデモ画面を表示する客待ちデモが開始されているか否かを判定する(A3511)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(A3511の結果が「N」)、タッチスイッチ120の検出があるか否か判定する(A3512)。タッチスイッチ120の検出がない場合に(A3512の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをオンに設定してセーブする(A3513)。続いて、遊技機1を客待ちデモ状態へ移行させる制御を開始可能とする客待ちデモ開始情報として、客待ちデモコマンドを準備し(A3514)、コマンド設定処理を実行して客待ちデモコマンドを送信する(A3515)。なお、このような特図普段処理を行う遊技用マイコン611と、コマンドを出力する出力部630は、客待ちデモ開始情報を送信可能な客待ちデモ情報送信手段を構成する。
このように、特図変動表示ゲームが実行中でなく、保留数が0であり、且つ、タッチスイッチ120の検出がないことが、客待ち状態(客待ちデモ状態)への移行条件であり、この移行条件(所定条件)が成立すると、移行処理(A3513−A3515)によって変動表示装置35における客待ちデモが開始される。なお、特図普段処理が行われている場合には、特図変動表示ゲームは実行中でない。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合に(A3506の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、A3516以降の処理を実行する。また、タッチスイッチ120の検出がある場合に(A3512の結果が「Y」)、A3516以降の処理を実行する。
最後に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(A3516)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に対応する処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図19)における特図1変動開始処理(A3509)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置600は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(A4001)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(A4002)を行う。
次に、遊技制御装置600は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(A4003)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A4004)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A4005)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A4006)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A4007)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図19)における特図2変動開始処理(A3504)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図20に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置600は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(A4801)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(A4802)を行う。
次に、遊技制御装置600は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(A4803)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A4804)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A4805)。その後、第2特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A4806、図22参照)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A4807)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図20)における変動パターン設定処理(A4006)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4401)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(A4402)。そして、演出モード番号が2未満(0又は1の何れか)であるかを判定する(A4403)。演出モード番号が2未満でない場合(A4403の結果が「N」)は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(A4404)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A4404の結果が「N」)は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A4407)。
一方、演出モード番号が2未満である場合(A4403の結果が「Y」)や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合(A4404の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、A4402で準備したテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(A4405)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(A4406)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A4407)。
演出モード番号が2未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合に、遊技制御装置600は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、2バイト振分処理(A4408)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A4409)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(A4410)。そして、振り分け処理(A4411)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4412)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置600は、前半変動グループテーブルを設定し(A4413)、変動振分情報1と2(決定された後半変動番号を含む)を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4414)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A4415)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(A4416)。その後、振り分け処理(A4417)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(A4418)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図22)における2バイト振り分け処理(A4408)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置600は、まず、変動パターン設定処理にて準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)に、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置600は、A4407にてロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からA4503にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、処理をA4503に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、A4503にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A4505にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A4504)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。
上記の処理をA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4505の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、A4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4505の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図22)における振り分け処理(A4411、A4417)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置600は、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(A4601)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4602の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4607)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4602の結果が「N」)に、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4603)。
続けて、遊技制御装置600は、A4410やA4416にてロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からA4603にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(A4604)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4605)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4605の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4606)、処理をA4603に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、遊技制御装置600は、A4603にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A4605にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A4604)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4605)。上記の処理をA4605にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4605の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、A4605にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4605の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4607)、振り分け処理を終了する。
〔変動パターン〕
次に、本実施形態における変動表示ゲームの変動パターンについて説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の変動パターンを説明する図である。図26は、本発明の第1の実施の形態の変動パターンの選択率を示す図である。
図25を参照すると、前半変動パターン1が選択される場合は、リーチの発生しない通常変動が実行され、前半変動時間が5秒に設定される。このとき、後半変動は選択されない。また、前半変動パターン2が選択される場合は、ノーマルリーチが発生し、前半変動時間が10秒に設定される。このとき、前半変動パターン1が選択された場合と同様に、後半変動は選択されない。
前半変動パターン3〜5が選択される場合は、必ずリーチが発生し、それぞれ変動時間が15秒、20秒、25秒が設定される。そして、SPリーチに対応する後半変動パターンと組み合わせて実行される。そして、前半変動パターン3〜5の順で信頼度の高いSPリーチが選択されやすくなるように設定されている。
前半変動パターン6及び前半変動パターン7は、本実施形態における特殊演出が実行される。前半変動パターン6は前半変動時間が15秒、前半変動パターン7は前半変動時間が20秒に設定されており、それぞれ前半変動パターン3、前半変動パターン4と同じ変動時間になっている。
前半変動パターン6に対応する特殊演出1は、モード移行演出であり、具体的には、演出態様の異なる複数の演出モードのなかから、現在実行されている演出モードを、他のいずれかの演出モードに切り替える。前半変動パターン7に対応する特殊演出2は、ミッションモード突入演出であり、具体的には、特定の演出態様に対する期待度が高まる特殊モードの開始を報知し、現在実行されている演出モードを切り替える。
また、図26に示すように、遊技状態が通常状態の場合には、すべての前半変動パターン番号が選択可能となっているが、時短状態の場合には、変動時間の長い前半パターン5〜7は選択されないように設定されている。すなわち、時短状態では、迅速に変動表示ゲームを進行させるために、変動時間の長い変動パターンが選択されにくくなっている。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理(1stメイン処理)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。なお、演出制御装置700が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(B1002)、CPU初期化処理を実行する(B1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(B1004)、乱数初期化処理を実行する(B1005)。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(B1006)、割込みを許可する(B1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(B1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(B1009)。さらに、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(B1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(B1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(B1010)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(B1012)。シーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。シーン制御処理については、図28にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、変動表示ゲームが未実行の始動記憶に対応する保留表示の態様を変更する保留表示態様変更処理を実行する(B1013)。保留表示態様変更処理の詳細については、図39Aにて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(B1014)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンド(演出コマンド等)を編集する演出コマンド編集処理を実行する(B1015)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B1016)。サウンド制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、サウンドの出力をする制御を実行する。
また、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行する(B1017)。装飾制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(B1018)。モータ/SOL制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、ファンを起動して送風演出を実行したり、ソレノイドを駆動して役物動作演出を実行する。さらには、マイナスイオン発生装置や匂い発生装置、香り調合装置を駆動して遊技者の嗅覚等に働きかける演出を実行するようにしてもよい。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(B1019)、B1008の処理に戻る。以降、B1008からB1019までの処理を繰り返す。
〔シーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図27)におけるシーン制御処理(B1012)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態のシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(B1101)。テスト中モードの場合には(B1101の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、シーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(B1101の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(B1102)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(B1102の結果が「N」)、B1107以降の処理を実行する。シーン変更コマンドとは、後述のB1108からB1116の処理に対応するコマンドであり、例えば、「電源投入コマンド」「停電復旧コマンド」などである。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(B1103)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(B1104)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(B1104の結果が「N」)、B1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(B1104の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブする(B1105)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(B1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(B1111)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したシーン変更コマンドの識別子に応じた処理を実行する(B1107)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「電源投入コマンド」を示す場合には、電源投入処理を実行する(B1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「停電復旧コマンド」を示す場合には、停電復旧処理を実行する(B1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「客待ちデモコマンド」を示す場合には、客待ち処理を実行する(B1110)。客待ち処理では、客待ちデモコマンド(A3514)を受信してから所定時間T経過した場合に客待ち用画面を表示する制御を行う。なお、客待ちデモコマンドは、特図普段処理(図19)で準備、設定される(A3514)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「変動パターンコマンド」を示す場合には、変動中処理を実行する(B1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「図柄停止コマンド」を示す場合には、図柄停止処理を実行する(B1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「ファンファーレコマンド」を示す場合には、ファンファーレ処理を実行する(B1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「大入開放n回目コマンド」を示す場合には、ラウンド中処理を実行する(B1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「インターバルコマンド」を示す場合には、インターバル処理を実行する(B1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「エンディングコマンド」を示す場合には、エンディング処理を実行する(B1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(B1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、飾り特図保留数コマンドを受信する保留数コマンド受信処理を実行する(B1118)。飾り特図保留数コマンド(特図保留数コマンド)は、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド(事前判定コマンドとも呼ばれる)に基づいて、保留表示演出等の先読み演出を設定する先読みコマンド受信処理を実行する(B1119)。先読みコマンド受信処理の詳細は、図33にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(B1120)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
次に、主制御用マイコン710は、ハンドルタッチコマンド受信処理を実行する(B1121)。遊技制御装置600は、発射ハンドル(発射操作部)15に遊技者の身体の一部が触れたことをタッチスイッチ120が検出すると演出制御装置700にタッチオンコマンドを送信する。一方、操作部15から遊技者の身体の一部が離れたことをタッチスイッチ120が検出すると、演出制御装置700にタッチオフコマンドを送信する。また、操作部15に備えられた発射停止ボタンが遊技者によって操作されたことを発射停止スイッチ110が検出した場合には、演出制御装置700に発射停止スイッチコマンドを送信する。演出制御装置700は、タッチオン/タッチオフコマンド、発射停止スイッチコマンドを受信すると、ハンドルタッチコマンド受信処理において対応する処理を実行する。
〔コマンド受信割込み処理〕
次に、コマンド受信割込み処理について、図29を参照しながら説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態のコマンド受信割込み処理の手順を占め右フローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技制御装置600から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理を行う(B1201)。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定を行う(B1202)。ここで、MODEコマンドの待機中である場合(B1202の結果が「Y」)に、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定し(B1203)、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(B1203の結果が「Y」)に、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(B1204)する。
受信したコマンドがMODEコマンドである場合(B1204の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理を行い(B1205)、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理を行う(B1206)。続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(B1207)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理を行い(B1208)、コマンド受信割込み処理を終了する。
データストローブ信号SSTBがONの状態でないと判定した場合(B1203の結果が「N」)、又は、受信したコマンドがMODEコマンドでないと判定した場合(B1204の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、タイムアウト監視タイマを停止する処理を行い(B1217)、MODEコマンド待ち状態に設定する処理を行い(B1218)、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(B1202の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定する(B1209)。ここで、タイムアウトとなっていない場合(B1209の結果が「N」)に、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定し(B1210)、データストローブ信号SSTBがONの状態であると判定した場合(B1210の結果が「Y」)に、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(B1211)。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(B1211の結果が「N」)に、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理を行い(B1212)、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理を行う(B1213)。続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(B1214)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(B1217)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(B1218)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、タイムアウトとなった場合(B1209の結果が「Y」)、又は、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(B1210の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理を行い(B1215)、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理を行う(B1216)。それから、タイムアウト監視タイマを停止する処理を行い(B1217)、MODEコマンド待ち状態に設定する処理を行い(B1218)、コマンド受信割込み処理を終了する。また、受信したコマンドがMODEコマンドである(B1211の結果が「Y」)と判定した場合は、B1205へ移行し、それ以降の処理を行う。
〔2ndメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置700によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行されるメイン処理(2ndメイン処理)の手順を示すフローチャートである。2ndCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、まず、CPU初期化処理を実行する(B1301)。そして、作業領域であるRAM721を0クリアして(B1302)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM721に設定する(B1303)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(B1304)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(B1305)。
さらに、映像制御用マイコン720は、各種制御処理の初期化処理を実行する(B1306)。各種制御処理の初期化処理では、後述する各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、変動表示装置35に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、変動表示装置35の画面描画を許可する(B1307)。
次に、映像制御用マイコン720は、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(B1308)を行う。ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(B1309の結果が「N」)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、B1309の処理を繰り返し行う。一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(B1309の結果が「Y」)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(B1310)を行い、通常ゲーム処理(B1311)を行い、B1308へ戻る。
〔通常ゲーム処理〕
次に、前述した2ndメイン処理(図30)における通常ゲーム処理(B1311)の詳細について説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン720は、まず、遊技制御装置600から受信したコマンドをチェックする処理(B1401)を行う。受信コマンドチェック処理では、主制御用マイコン710から受信した演出コマンド(B1015)を特定し、以降実行される処理に応じて区分けする。
次に、映像制御用マイコン720は、変動表示装置35に、遊技状態、リーチシーンに応じた背景表示を行う背景処理を実行する(B1402)。続いて、変動表示装置35における変動表示に関する表示制御を行うリール制御/表示処理を実行する(B1403)。さらに、前述した先読みコマンド受信処理で始動記憶領域(先読み記憶領域)に記憶された演出情報(先読み演出情報)のうち保留表示演出の情報に基づいて、変動表示装置35に保留表示を行う保留表示処理を実行する(B1404)。
保留表示処理では、新たに発生した始動記憶に対応する保留表示を行うとともに、表示されている保留表示の態様を変更処理も実行される。例えば、1stメイン処理における保留表示態様設定処理(B1013)で設定された態様に基づいて保留表示を更新する。
次に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモコマンドを受けてから所定時間経過後に、変動表示装置35における客待ちデモ画面を設定する客待ちデモ処理を実行する(B1405)。続いて、映像制御用マイコン720は、変動表示装置35に表示する内容を設定及び制御するシーン制御/表示処理を実行する(B1406)。さらに、ステップB1015の処理で編集された演出コマンドに基づいて表示する内容を決定する。次に、画像ROM704に格納されたデータをRAMに転送し、変動表示装置35に実際に表示させる表示システム処理を実行し(B1407)、通常ゲーム処理を終了する。
〔変動中処理〕
まず、前述したシーン制御処理(図28)における変動中処理(B1111)の詳細について説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(B1601)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(B1601の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、演出ボタン関連情報をクリアする(B1602)。演出ボタン関連情報とは、演出ボタン17による入力情報である。次に、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(B1603)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明や電動役物の動作態様を設定する。
次に、主制御用マイコン710は、変動回数管理処理を実行する(B1604)。変動回数管理処理では、時短変動回数などを管理する。次に、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理を実行する(B1605)。変動パターン情報設定処理では、変動パターンコマンドに基づいて特図変動表示ゲームの停止図柄、変動時間、予告演出等を設定する。また、タッチ演出及びタッチ演出に続いて実行される予告演出の設定をする。さらに、図36にて後述する特定演出設定処理を実行し、本実施形態における特定演出を実行するための設定を行う。本実施形態の特定演出は、擬似連続変動の進行とともに保留表示態様を変化させる演出である。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(B1606)。乱数シード初期化処理は、演出内容を決定するためなどに使用する乱数のシードを初期化する処理である。
次に、主制御用マイコン710は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定し(B1607)、演出リクエストフラグをクリアする(B1608)。その後、本処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(B1601の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する(B1609)。具体的には、更新タイマがタイムアップしたか否かを判定する。更新タイマがタイムアップしていない場合には(B1609の結果が「N」)、本処理を終了する。
更新タイマがタイムアップした場合には(B1609の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(B1610)。その後、本処理を終了する。
〔先読みコマンド受信処理〕
次に、前述したシーン制御処理(図28)における変動パターン情報設定処理(B1119)で実行される特定演出設定処理の詳細について説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、先読みコマンド(事前判定コマンド)を受信したか否かを判定する(B1701)。先読みコマンドは、具体的には、先読み図柄コマンド(事前演出図柄コマンド)と先読み変動パターンコマンド(事前演出コマンド)である。主制御用マイコン710は、受信した先読みコマンドの内容を先読み情報として対応する始動記憶領域(RAM711の一部)にセーブする。
主制御用マイコン710は、先読みコマンドを受信していない場合には(B1701の結果が「N」)、先読みコマンド受信処理を終了する。一方、先読みコマンドを受信した場合には(B1701の結果が「Y」)、既に保留表示されている始動記憶に、大当りとなる始動記憶又は先読み演出を実行する始動記憶が含まれているか否かを判定する(B1702)。既に保留表示されている始動記憶に、大当りとなる始動記憶又は先読み演出を実行する始動記憶が含まれている場合には(B1702の結果が「Y」)、複数の先読み演出が実行されたり、先読み演出が実行された始動記憶と異なる始動記憶に大当りが発生してしまうことを防ぐために本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、既に保留表示されている始動記憶に、大当りとなる始動記憶又は先読み演出を実行する始動記憶が含まれていない場合には(B1702の結果が「N」)、先読み対象の始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(B1703)。
主制御用マイコン710は、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には(B1703の結果が「Y」)、大当り時先読み演出振分テーブル(図34(A))に基づいて先読み演出を実行するか否かを抽選し、先読み演出が選択されたか否かを判定する(B1704)。先読み演出を実行しない場合には(B1704の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、変動表示ゲームの結果が大当りでない、すなわち、はずれの場合には(B1703の結果が「N」)、はずれ時先読み演出振分テーブル(図34(B))に基づいて先読み演出を実行するか否かを抽選し、先読み演出が選択されたか否かを判定する(B1705)。主制御用マイコン710は、先読み演出を実行しない場合には(B1705の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、先読み演出を実行する場合には(B1704又はB1705の結果が「Y」)、既に保留表示されている始動記憶に特定の変動パターンが含まれているか否かを判定する(B1706)。特定の変動パターンとは、図25に示した前変動パターン番号6又は前変動パターン番号7の場合に対応する特定演出を実行可能な変動パターンである。
主制御用マイコン710は、特定の変動パターンが含まれている場合には(B1706の結果が「Y」)、先読み演出態様記憶領域に先読み演出態様を記憶する(B1707)。この場合、擬似連演出と類似した表示演出を実行しながら識別図柄の変動表示と保留表示とが関連した擬似連先読み演出を実行可能とし、擬似連先読み演出後、保留表示が先読み演出態様記憶領域に記憶した先読み演出態様となるように設定する。さらに、主制御用マイコン710は、擬似連先読み演出フラグをオンに設定し(B1708)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、特定の変動パターンが含まれていない場合には(B1706の結果が「N」)、通常の、すなわち、始動入賞時から保留表示を先読み演出態様とする先読み演出に設定し(B1709)、本処理を終了する。
〔先読み演出振分テーブル〕
図34は、本発明の第1の実施の形態の先読み演出振分テーブルの一例を示す図であり、(A)は大当り時先読み演出振分テーブル、(B)ははずれ時先読み演出振分テーブルを示す。
(A)に示すように、先読み対象の変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、50%の割合で識別図柄の変動表示と保留表示とが連動する先読み演出が実行される。連動する先読み演出には、キャラクタAとキャラクタBのいずれかが登場し、さらに、キャラクタにかかわるアイテムの有無が設定される。本実施形態では、キャラクタAよりもキャラクタBが登場したほうが大当りの信頼度が高く、また、アイテムがあるほうが信頼度が高くなっている。なお、キャラクタAとキャラクタBの両方が登場する特別な先読み演出(例えば、大当り確定)を実行するようにしてもよい。
一方、先読み対象の変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、(B)に示すように、連動する先読み演出が実行される割合は5%に限られる。したがって、連動する先読み演出が実行された時点で当該変動表示ゲームの期待度は非常に高くなるように設定されている。
さらに、具体的な保留表示態様について説明する。図34に示したように、連動する先読み演出では、キャラクタとアイテムの有無によって4パターン設定される。本実施形態では、キャラクタを「犬」、アイテムを「骨」としている。図35は、本発明の第1の実施の形態の保留表示態様の一例を示す図である。
通常の表示態様では、保留表示態様は丸型となっているが、連動する先読み演出では、キャラクタである「犬」の形状で保留表示がなされる。さらに、アイテムありの場合には、犬が骨をくわえた状態となっている。
また、本実施形態では、2種類のキャラクタが定義されており、色違いとなっている。このとき、色の異なる2種類の犬ではなく、一方を別の種類の動物としてもよい。また、キャラクタAよりもキャラクタBのほうが期待度が高くなるように設定されているため、遊技の進行によって、キャラクタAからキャラクタBに変化するようにしてもよい。
〔特定演出設定処理〕
次に、前述した変動中処理(図32)における変動パターン情報設定処理(B1605)内において実行される特定演出設定処理の詳細について説明する。図36は、本発明の第1の実施の形態の特定演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
本願での「特定演出」とは、対象となる変動で擬似連演出として出現し、当該変動における識別図柄の変動表示と、前述したキャラクタによる保留表示態様とが連動した演出である。変動中の始動記憶に基づく予告演出(擬似連予告)として実行される場合と、始動記憶保留手段に記憶されている始動記憶に基づく先読み演出(擬似連先読み演出)として実行される場合とがある。
主制御用マイコン710は、まず、先読み演出を実行中であるか否かを判定する(B1801)。先読み演出が既に実行されている場合には(B1801の結果が「Y」)、実行中の先読み演出を優先し、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、先読み演出が既に実行されていない場合には(B1801の結果が「N」)、前半変動パターン番号が3から5のいずれかであるか否かを判定する(B1802)。前半変動パターン番号が3から5のいずれかである場合には、前半変動で対応する前半演出が実行された後、後半変動においてリーチが発生するように構成され、擬似連を含む複数種類の予告演出の中から予告演出が選択される。
主制御用マイコン710は、前半変動パターン番号が3から5のいずれかである場合には(B1802の結果が「Y」)、当該変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(B1803)。
主制御用マイコン710は、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には(B1803の結果が「Y」)、大当り時予告演出振分テーブルから擬似連演出が選択されたか否かを判定する(B1804)。なお、大当り時予告演出振分テーブルの詳細については、図37(A)にて後述する。
主制御用マイコン710は、大当り時予告演出振分テーブルから擬似連演出が選択された場合には(B1804の結果が「Y」)、擬似連予告が実行されることを示す擬似連予告実行フラグをオンに設定する(B1806)。大当り時予告演出振分テーブルから擬似連演出が選択されなかった場合には(B1804の結果が「N」)、本処理を終了する。
また、主制御用マイコン710は、変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(B1803の結果が「N」)、はずれ時予告演出振分テーブルから擬似連演出が選択されたか否かを判定する(B1805)。なお、はずれ時予告演出振分テーブルの詳細については、図37(B)にて後述する。
主制御用マイコン710は、はずれ時予告演出振分テーブルから擬似連演出が選択された場合には(B1805の結果が「Y」)、擬似連予告実行フラグをオンに設定する(B1806)。はずれ時予告演出振分テーブルから擬似連演出が選択されなかった場合には(B1805の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、前半変動パターン番号が3から5のいずれかでない場合には(B1802の結果が「N」)、さらに、前半変動パターン番号が6又は7か否かを判定する(B1807)。前半変動パターン番号が6又は7でない場合には(B1807の結果が「N」)、擬似連演出(特定演出)が実行されないので、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、前半変動パターン番号が6又は7の場合には(B1807の結果が「Y」)、さらに、擬似連先読み演出フラグがオンに設定されているか否かを判定する(B1808)。擬似連先読み演出フラグは、識別図柄の変動表示と先読み予告とが連動する演出(本実施形態における特定演出)が始動記憶保留手段に記憶されている始動記憶に基づき実行される場合に設定されるフラグであり、先読みコマンド受信処理(図33)のB1708の処理で設定される。主制御用マイコン710は、擬似連先読み演出フラグがオンに設定されていない場合には(B1808の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、擬似連先読み演出フラグがオンに設定されている場合には(B1808の結果が「Y」)、記憶されている先読み演出態様にアイテムありが設定されているか否かを判定する(B1809)。先読み演出態様にアイテムありが設定されている場合には(B1809の結果が「Y」)、擬似連実行中の所定のタイミングで保留表示を変更するために、保留表示態様変更フラグをオンに設定する(B1810)。さらに、先読み演出態様記憶領域をクリアする(B1811)。
続いて、主制御用マイコン710は、擬似連予告実行フラグがオンに設定された後(B1805)、又は、先読み演出態様記憶領域をクリアすると(B1811)、前半変動パターン番号に基づいて、擬似連回数を決定する(B1812)。つまり、前半変動パターン番号ごとの時間値に対応して実行可能な擬似連回数が予め設定されており、時間値内に実行可能な回数だけ擬似連が実行されることとなる。最後に、擬似連回数に対応する値を擬似連カウンタに設定し(B1813)、本処理を終了する。
〔予告演出の種類及び振り分け〕
図37は、本発明の第1の実施の形態の予告演出振分テーブルの一例を示す図であり、(A)は変動表示ゲームの結果が大当りの場合、(B)は変動表示ゲームの結果がはずれの場合を示している。
本実施形態における予告演出には、段階的に期待度が高くなる演出を行うステップアップ予告、期待度に関連するセリフが出力されるセリフ予告、期待度に応じたキャラクタが登場するキャラ予告、擬似連予告の4種類が含まれている。また、擬似連予告は、図35に示したように、保留表示が変化するキャラクタごと(キャラクタA及びキャラクタB)に定義され、さらに、キャラクタに変化する保留の位置によっても振分が設定されている。また、新しい始動記憶の位置で保留表示が変化するほど、実行中の変動表示ゲームの期待度が高くなるように設定されている(保留1の位置が最も期待度が低く、保留4の位置が最も期待度が高い)。すなわち、保留表示が変化した位置によって当該変動の期待度を報知することができる。なお、擬似連実行時にキャラクタが変化しない態様が含まれていてもよい。なお、擬似連予告の詳細については、図38にて後述する。
変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、(A)を参照すると、ステップアップ予告が25%、セリフ予告が25%、キャラ予告が20%、擬似連予告が30%に設定される。さらに、擬似連予告において、キャラクタAが8%、期待度のより高いキャラクタBが22%の割合で選択される。また、変動表示ゲームの結果が大当りなので、保留4の位置が選択される確率が最も高くなり、保留1の位置が選択される確率が低くなるように設定されている。
一方、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、(B)を参照すると、当りの場合と同じく、ステップアップ予告が25%、セリフ予告が25%、キャラ予告が20%、擬似連予告が30%に設定されている。さらに、擬似連予告においては、期待度の低いキャラクタAが20%、期待度のより高いキャラクタBが10%の割合で選択される。また、変動表示ゲームの結果がはずれなので、保留1の位置が選択される確率が最も高くなり、保留4の位置が選択される確率が低くなるように設定されている。
図38は、本発明の第1の実施の形態の擬似連予告の内容を説明する図である。擬似連予告の内容は、前半変動パターン番号ごとに設定される。
本実施形態の擬似連予告は、擬似連回数が2回から4回に設定されている。また、擬似連回数には、前半変動時間が対応付けられており、15秒から25秒に設定されている。
また、前半変動パターン番号3から5では、当該変動の抽選結果に基づき、擬似連回数が2回から4回の通常の擬似連予告を実行可能とする。一方、前半変動パターン番号6の場合には、始動記憶の先読み結果に基づき、擬似連回数が2回で先読み予告と連動する擬似連先読み予告を実行可能とする。また、前半変動パターン番号7の場合には、始動記憶の先読み結果に基づき、擬似連回数が3回で先読み予告と連動する擬似連先読み予告を実行可能とする。なお、前半変動パターン番号6及び前半変動パターン番号7は始動記憶内に先読み保留がある場合に限り実行される。
前半変動パターン番号3及び前半変動パターン番号6の前半変動は、擬似連回数及び前半変動時間が同じであり、遊技者は通常の擬似連予告が発生するか、擬似連先読み予告が発生するかを変動開始時には把握できないため、遊技者に期待感を与え、興趣を高めることができる。前半変動パターン番号4及び前半変動パターン番号7の前半変動についても同様である。また、擬似連予告と擬似連先読み予告とで使用する画像データは共通して使用可能であるため、演出の幅を広げながらデータ量の増加を抑制することができる。
〔保留表示態様変更処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図27)における保留表示態様変更処理の詳細について説明する。図39Aは、本発明の第1の実施の形態の保留表示態様変更処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、擬似連先読み演出フラグ又は擬似連予告実行フラグがオンに設定されているか否か、すなわち、特定演出である擬似連を実行するか否かを判定する(B2001)。擬似連先読み演出フラグ及び擬似連予告実行フラグがオンに設定されていない、すなわち、擬似連を実行しない場合には(B2001の結果が「N」)、本処理を終了する。なお、前述のように、擬似連先読み演出フラグは前半変動パターン番号6又は7の始動記憶が入賞時に存在している場合にオンに設定され、擬似連予告実行フラグは通常の擬似連予告が実行される場合にオンに設定される。
主制御用マイコン710は、擬似連先読み演出フラグ及び擬似連予告実行フラグがオンに設定されている、すなわち、擬似連を実行する場合には(B2001の結果が「Y」)、識別図柄の仮停止タイミング1であるか否かを判定する(B2002)。仮停止タイミング1は、擬似連予告の開始から識別図柄が最初に仮停止するタイミングであり、本実施形態では、変動開始から5秒後となっている。
主制御用マイコン710は、識別図柄の仮停止タイミング1である場合には(B2002の結果が「Y」)、再変動を示唆する継続図柄を仮停止させ(B2003)、擬似連カウンタを−1更新する(B2004)。さらに、始動記憶数が0であるか否かを判定し(B2005)、0でない場合には(B2005の結果が「N」)、保留表示態様変更処理1を実行する(B2006)。
保留表示態様変更処理1は、対象の保留記憶を選択された表示態様(キャラクタ)に変更させる処理である。「アイテムあり」が選択されている場合であっても、一旦、「アイテムなし」の状態で表示し、その後、保留表示態様変更処理2において「アイテムあり」の状態に変更する。なお、「アイテムあり」が選択されている場合には、図36の特定演出設定処理にて保留表示態様変更フラグはオンに設定された状態となっている。また、図37に示した予告演出選択テーブルで選択された始動記憶数が実際の始動記憶数よりも多い場合には、最新の保留の表示態様を変化させる。
また、変更される保留表示は、擬似連先読み演出を実行する場合には先読み対象の保留であり、擬似連予告の場合には期待度に応じた位置とする(図37)。
一方、主制御用マイコン710は、識別図柄の仮停止タイミング1でない場合には(B2002の結果が「N」)、仮停止タイミング2又は仮停止タイミング3であるか否かを判定する(B2007)。仮停止タイミング2は2回目の仮停止のタイミングで変動開始から10秒後、仮停止タイミング3は3回目の仮停止のタイミングで変動開始から15秒後となっている。
主制御用マイコン710は、仮停止タイミング2又は仮停止タイミング3の場合には(B2007の結果が「Y」)、特定演出実行中処理1を実行する(B2008)。特定演出実行中処理1の詳細については、図39Bにて後述する。
また、主制御用マイコン710は、仮停止タイミング2又は仮停止タイミング3でない場合には(B2007の結果が「N」)、仮停止タイミング4であるか否かを判定する(B2009)。仮停止タイミング4は4回目の仮停止のタイミングで変動開始から20秒後となっている。
主制御用マイコン710は、仮停止タイミング4の場合には(B2009の結果が「Y」)、特定演出実行中処理2を実行する(B2010)。特定演出実行中処理2の詳細については、図39Cにて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、仮停止タイミング4でない場合には(B2009の結果が「N」)、仮停止タイミング5であるか否かを判定する(B2011)。仮停止タイミング5は、前半変動パターン5の場合に最後の再変動が終了し、後半変動(SPリーチ)に移行するタイミングで変動開始から25秒後となっている。
主制御用マイコン710は、仮停止タイミング5の場合には(B2011の結果が「Y」)、保留表示態様変更処理3を実行する(B2012)。保留表示態様変更処理3は、先読み表示態様に変更されていた保留表示を通常表示に戻す処理である。
さらに、主制御用マイコン710は、擬似連予告実行フラグをオフに設定し(B2013)、擬似連カウンタをクリアする(B2014)。その後、本処理を終了する。
〔特定演出実行中処理〕
続いて、前述した保留表示態様変更処理(図39A)における特定演出実行中処理1(B2008)及び特定演出実行中処理2(B2010)の詳細について説明する。特定演出実行中処理は、擬似連を終了させたり、仮停止図柄を設定したりするなど、擬似連の進行制御を行う。
図39Bは、本発明の第1の実施の形態の特定演出実行中処理1の手順を示すフローチャートである。特定演出実行中処理1は、仮停止タイミング2又は仮停止タイミング3、具体的には、擬似連を行う変動表示ゲームの変動開始後2回目又は3回目に仮停止する場合に実行される。
主制御用マイコン710は、まず、擬似連カウンタが0であるか否かを判定する(B2101)。擬似連カウンタが0の場合には(B2101の結果が「Y」)、擬似連(前半変動)を終了するため、保留表示態様を通常の態様に戻す保留表示態様変更処理3を実行する(B2102)。さらに、擬似連予告実行フラグをオフに設定し(B2103)、擬似連カウンタをクリアする(B2104)。その後、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、擬似連カウンタが0でない場合には(B2101の結果が「N」)、仮停止する図柄にチャンス図柄が選択されたか否かを判定する(B2105)。仮停止する図柄にチャンス図柄が選択されなかった場合には(B2105の結果が「N」)、継続図柄で仮停止する(B2111)。
また、主制御用マイコン710は、仮停止する図柄にチャンス図柄が選択された場合には(B2105の結果が「Y」)、チャンス図柄で仮停止する(B2106)。そして、保留表示態様変更フラグがオンに設定されているか否か、すなわち、擬似連先読み演出において「アイテム有り」の保留表示が選択されているか否かを判定する(B2107)。
主制御用マイコン710は、保留表示態様変更フラグがオンに設定されている場合には(B2107の結果が「Y」)、保留表示を「アイテムなし」の状態から「アイテム有り」の状態に変更する保留表示態様変更処理2を実行する(B2108)。保留表示の変更を完了すると、擬似連予告が終了するまで保留表示を変更する必要がないため、保留表示態様変更フラグをオフに設定する(B2109)。
主制御用マイコン710は、保留表示態様変更フラグがオンに設定されていない場合(B2107の結果が「N」)、又は、ステップB2109の処理が完了すると、擬似連先読み演出フラグがオンに設定されているか否かを判定する(B2110)。
主制御用マイコン710は、擬似連先読み演出フラグがオンに設定されている場合には(B2110の結果が「Y」)、擬似連カウンタが1であるか否かを判定する(B2112)。擬似連カウンタが1の場合には(B2112の結果が「Y」)、次の変動の後に擬似連が終了するので、擬似連先読み演出フラグをオフに設定し(B2113)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、擬似連先読み演出フラグがオンに設定されていない場合(B2110の結果が「N」)、又は、擬似連カウンタが1でない場合には(B2112の結果が「N」)、擬似連の継続を示す継続図柄を表示し、擬似連を継続する(B2114)。さらに、擬似連カウンタを−1更新し(B2115)、本処理を終了する。
続いて、特定演出実行中処理2の手順について説明する。図39Cは、本発明の第1の実施の形態の特定演出実行中処理2の手順を示すフローチャートである。特定演出実行中処理2は、仮停止タイミング4、具体的には、3回以上仮停止する場合に実行される。
主制御用マイコン710は、まず、擬似連カウンタが0であるか否かを判定する(B2201)。擬似連カウンタが0の場合には(B2201の結果が「Y」)、保留表示態様を通常の態様に戻す保留表示態様変更処理3を実行する(B2202)。さらに、擬似連続演出などの実行を示す特殊演出実行フラグをオフに設定し(B2203)、擬似連カウンタをクリアする(B2204)。その後、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、擬似連カウンタが0でない場合には(B2201の結果が「N」)、仮停止する図柄にチャンス図柄が選択されたか否かを判定する(B2205)。仮停止する図柄にチャンス図柄が選択されなかった場合には(B2205の結果が「N」)、継続図柄で仮停止する(B2211)。
また、主制御用マイコン710は、仮停止する図柄にチャンス図柄が選択された場合には(B2205の結果が「Y」)、チャンス図柄で仮停止する(B2206)。そして、保留表示態様変更フラグがオンに設定されているか否か、すなわち、擬似連先読み演出において「アイテム有り」の保留表示が選択されているか否かを判定する(B2207)。
主制御用マイコン710は、保留表示態様変更フラグがオンに設定されている場合には(B2207の結果が「Y」)、保留表示を「アイテムなし」の状態から「アイテム有り」の状態に変更する保留表示態様変更処理2を実行する(B2208)。保留表示の変更を完了すると、擬似連予告が終了するまで保留表示を変更する必要がないため、保留表示態様変更フラグをオフに設定する(B2209)。
主制御用マイコン710は、保留表示態様変更フラグがオンに設定されていない場合(B2207の結果が「N」)、又は、ステップB2209の処理が完了すると、擬似連の継続を示す継続図柄を表示し、擬似連を継続する(B2210)。さらに、擬似連カウンタを−1更新し(B2212)、本処理を終了する。
〔タイムチャート〕
続いて、本実施形態における擬似連を含む演出の流れについて説明する。図40A及び図40Bは、本発明の第1の実施の形態の識別図柄の変動及び仮停止並びに保留アイコンの変化のタイミングを示すタイムチャートである。図40Aはチャンス図柄が最後の仮停止で登場する場合、図40Bはチャンス図柄が擬似連係属中の仮停止図柄としても登場する場合を示している。
<タイムチャート1>
まず、図40Aを参照しながら説明する。時刻0秒で変動が開始されると、5秒後(仮停止タイミング1)に識別図柄が仮停止する。このとき、仮停止する図柄は擬似連の継続を示す継続図柄となる。その後、再変動を開始する。この再変動を開始するタイミングで保留アイコンがキャラクタ(アイテムなし)に変化する。
前半変動パターン番号2の場合(擬似連1回)、最初の再変動の後、変動開始から10秒後(仮停止タイミング2)に変動を停止する。このとき、保留アイコンがキャラクタから通常に戻る。
前半変動パターン番号3の場合(擬似連2回)、仮停止タイミング2で再び識別図柄が継続図柄で仮停止し、再変動を開始する。その後、変動開始から15秒後(仮停止タイミング3)に変動を停止する、又は、SPリーチに発展する。仮停止タイミング3で、保留アイコンがキャラクタから通常に戻る。
前半変動パターン番号4の場合(擬似連3回)、仮停止タイミング3で再び識別図柄が継続図柄で仮停止し、再変動を開始する。その後、変動開始から20秒後(仮停止タイミング4)になると、保留アイコンがキャラクタから通常に戻り、SPリーチに発展する。
前半変動パターン番号5の場合(擬似連4回)、仮停止タイミング4で再び識別図柄が継続図柄で仮停止し、再変動を開始する。その後、変動開始から25秒後(仮停止タイミング5)になると、保留アイコンがキャラクタから通常に戻り、SPリーチに発展する。
前半変動パターン番号6の場合(先読み擬似連2回)、仮停止タイミング2で、チャンス図柄で識別図柄が仮停止し、保留アイコンが再変化する保留アイコン発展演出が実行され、その後、変動を停止する。
前半変動パターン番号7の場合(先読み擬似連3回)、仮停止タイミング3で、チャンス図柄で識別図柄が仮停止し、保留アイコンが再変化する保留アイコン発展演出が実行され、その後、変動を停止する。
以上のように、擬似連予告を実行することによって、仮停止タイミング1から仮停止タイミング2までの間、擬似連予告であるか、先読み擬似連予告であるかを遊技者が把握することができず、期待感を高めることができる。
<タイムチャート2>
次に、仮停止タイミング2〜4でチャンス図柄が停止可能な場合について説明する。図40Aのタイミングチャート1と比較すると、各前半変動パターンで識別図柄が仮停止するタイミングや識別図柄が再変動するタイミングは図40Bに示すタイムチャート2についてもタイミングチャート1と同じである。
また、タイムチャート2では、仮停止タイミング2〜4において継続図柄が仮停止する場合に、継続図柄の代わりにチャンス図柄で仮停止可能に構成されている。チャンス図柄で仮停止する場合には、チャンス図柄で仮停止後、期待度アップ演出を実行し、その後、継続図柄に変化させて再変動し、擬似連を継続する。なお、期待度アップ演出を実行せずに、仮停止後、チャンス図柄から継続図柄に変化させて再変動するようにしてもよい。
以上のように構成することによって、先読み演出で実行される演出内容が擬似連予告でも実行可能となり、共通の演出データを利用しながら演出のバリエーションを増やすことが可能となる。また、例えば、期待度の高い場合にチャンス図柄で仮停止させることによって、遊技者の期待感を高めることができる。
〔装飾変動図柄〕
以上、本実施形態における擬似連予告演出の仮停止及び保留表示態様の変化のタイミングについて説明した。続いて、本実施形態における擬似連予告の画面表示例を参照しながら演出態様について説明する。
図41は、本発明の第1の実施の形態の変動表示ゲームで変動表示される識別図柄(装飾図柄)の一例を示す図であり、(A)は通常時、(B)は特定演出(擬似連)実行時を示す。
図41(A)に示すように、通常時には、識別図柄として、1〜9の数字が割り当てられている。一方、図41(B)に示すように、擬似連演出を実行する特定演出時には、通常時の識別図柄に追加して、チャンス図柄4101及び継続図柄4102が追加されている。なお、チャンス図柄4101及び継続図柄4102は、図示した位置以外に配置されてもよく、また、複数配置されてもよい。また、チャンス図柄及び継続図柄は、新たに追加しなくてもよく、既存の識別図柄を変化させるようにしてもよい。
〔画面遷移〕
続いて、本実施形態における特定演出の画面遷移について説明する。図42は、本発明の第1の実施の形態の特定演出の画面遷移の一例を説明する図である。図42では、保留表示が先読み用アイコン(キャラクタ)に変化し、擬似連予告を実行するが、先読み予告でないために、所定のタイミングで通常表示に戻る。
画面(A)では、左図柄と右図柄の変動が仮停止して中図柄が変動中の状態となっている。その後、画面(B)で継続図柄が仮停止し、特定演出(擬似連)が開始される。
特定演出が開始されると(画面(C))、中図柄の装飾変動図柄が特定演出実行時の図柄配列(チャンス図柄4101及び継続図柄4102が追加された識別図柄の組み合わせ)に変化して全装飾変動図柄が再変動し、4番目の保留表示が通常表示から先読み用アイコン(キャラクタ)に変化する。その後、さらに、中図柄に継続図柄が停止し(画面(D))、全装飾変動図柄を再変動させる(画面(E))。
2回目の再変動の後、継続図柄・先読み図柄以外の装飾変動図柄で仮停止し(画面(F))、SPリーチに発展する(画面(G))。このとき、実行されていた特定演出が先読み演出でなかったため、保留表示が通常状態に戻る。なお、保留表示を通常状態に戻すタイミングは、実行中の変動表示ゲームが終了するタイミングであってもよい。
次に、継続図柄で仮停止せずに変動表示が終了する場合について説明する。図43は、本発明の第1の実施の形態の特定演出の画面遷移の一例を説明する図である。図43では、保留表示が先読み用アイコン(キャラクタ)に変化し、擬似連予告を実行するが、先読み予告でないために、所定のタイミングで通常表示に戻る。
画面(A)では、左図柄と右図柄の変動が仮停止して中図柄が変動中の状態となっている。その後、画面(B)で継続図柄が仮停止し、特定演出(擬似連)が開始される。
特定演出が開始されると(画面(C))、全装飾変動図柄が再変動し、4番目の保留表示が通常表示から先読み用アイコン(キャラクタ)に変化する。その後、継続図柄・先読み図柄以外の装飾変動図柄で停止し(画面(D))、変動表示を終了する。このとき、保留表示を通常状態に戻し、次の変動表示ゲームを開始する
次に、擬似連先読み予告を実行する場合について説明する。図44Aは、本発明の第1の実施の形態の擬似連先読み予告を実行する特定演出の画面遷移の一例を説明する図である。図44Aでは、保留表示が先読み用アイコン(キャラクタ)に変化した後、キャラクタの表示を継続する。
画面(A)では、左図柄と右図柄の変動が仮停止して中図柄が変動中の状態となっている。その後、画面(B)で継続図柄が仮停止し、特定演出(擬似連)が開始される。
特定演出が開始されると(画面(C))、全装飾変動図柄が再変動し、4番目の保留表示が通常表示から先読み用アイコン(キャラクタ)に変化する。その後、さらに、中図柄に先読み図柄が停止し(画面(D))、キャラクタに変化した保留表示と装飾変動図柄とが連動した演出が実行される(画面(E))。このとき、アイテムなしのキャラクタからアイテム有りのキャラクタに変化する。
その後、実行されていた変動表示ゲームが終了し(画面(F))、次の変動表示ゲームが開始される(画面(G))。このとき、実行されていた特定演出が先読み擬似連予告であるため、保留表示はアイテムありのキャラクタのまま(先読み予告を実行した状態で)、次の変動表示ゲームが開始される。
次に、先読み図柄で仮停止しながら擬似連先読み予告を実行しない場合について説明する。図44Bは、本発明の第1の実施の形態の擬似連先読み予告を実行しない特定演出の画面遷移の一例を説明する図である。
画面(A)では、左図柄と右図柄の変動が仮停止して中図柄が変動中の状態となっている。その後、画面(B)で継続図柄が仮停止し、特定演出(擬似連)が開始される。
特定演出が開始されると(画面(C))、全装飾変動図柄が再変動し、4番目の保留表示が通常表示から先読み用アイコン(キャラクタ)に変化する。
その後、さらに、中図柄に先読み図柄が停止し(画面(D))、キャラクタが先読み図柄と関連する演出が実行される(画面(E))。このとき、アイテムなしのキャラクタからアイテム有りのキャラクタに変化せず、そのまま、実行されていた変動表示ゲームが終了する(画面(F))。その後、次の変動表示ゲームを開始し(画面(G))、保留表示を通常状態に戻す。
次に、先読み図柄で仮停止し、擬似連先読み予告を実行した後、変動表示ゲームが継続する場合について説明する。図44Cは、本発明の第1の実施の形態の擬似連先読み予告を実行後、変動を継続する特定演出の画面遷移の一例を説明する図である。
画面(A)では、左図柄と右図柄の変動が仮停止して中図柄が変動中の状態となっている。その後、画面(B)で継続図柄が仮停止し、特定演出(擬似連)が開始される。
特定演出が開始されると(画面(C))、全装飾変動図柄が再変動し、4番目の保留表示が通常表示から先読み用アイコン(キャラクタ)に変化する。その後、さらに、中図柄に先読み図柄が停止し(画面(D))、キャラクタに変化した保留表示と装飾変動図柄とが連動した演出が実行される(画面(E))。このとき、アイテムなしのキャラクタからアイテム有りのキャラクタに変化する。
その後、変動していた中図柄が継続図柄で仮停止し(画面(F))、再変動が開始される(画面(G))。このとき、継続図柄の代わりに先読み図柄であってもよいし、2回目の先読み図柄で仮停止した場合に、アイテム有りのキャラクタに変化するようにしてもよい。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように構成することによって、実行中の変動表示ゲームと先読み予告との関連性を高めた演出を実行することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
さらに、第1の実施の形態によれば、擬似連が始動記憶の先読み演出として発生し、先読み演出を実行する始動記憶が発生した場合に、先の変動表示ゲームの変動図柄を用いて先読み演出を行うことができる。そのため、先読み保留よりも前に実行される変動表示ゲームの変動内容に対しても遊技者が関心を持って演出を楽しむことができるようになり、保留記憶の実行前から興趣を高めることができる。例えば、保留表示が変化する先読み演出が実行されると、先読み予告がなされた始動記憶までに実行される変動表示ゲームに対する興味が薄れてしまうおそれがあるが、本実施形態によれば、このような興趣の低下を防ぐことができる。
なお、本実施形態では、前述のように、始動記憶内に、先読み用の擬似連演出を実行可能な時間値の変動パターン(前変動パターン番号6及び7)を有する記憶がある場合にのみ実行可能となっている。そして、モード移行や所定の予告演出を実行する特定の変動パターンをあらかじめ設定し、時間値が擬似連先読みを行う場合と同じ長さとなるようにする(前変動パターン番号3及び4)。また、先読み用の擬似連演出を実行する(モード移行)始動記憶よりも後に先読みを行う始動記憶が発生した場合には、モード移行を実行せずに、当該変動の演出表示は始動記憶の先読み演出に用いるようにする。
また、本実施形態によれば、擬似連が当該変動の予告演出としても実行され、実行中の変動表示ゲームに対する期待度を変動図柄と保留アイコンとを用いて報知するようにしている。擬似連が発生すると、大当りへの期待を込めて遊技球の発射を止めてしまう可能性があるが、本実施形態のように、擬似連発生時に始動記憶が無ければ先読みアイコンによる期待度報知を行うことができないため、遊技者は保留記憶を発生させようとして止め打ちを行わなくなるように仕向けることができる。
その他の態様として、例えば、先読み演出の期待度に合わせて、保留1から保留4のいずれかの保留アイコンを先読みアイコンに変更させる。このように構成することによって、遊技者は保留4まで発生させようとするので、止め打ちを防止できる。
また、保留1から保留3のいずれかの保留アイコンを先読みアイコンに変更させるように構成することで、擬似連先読み演出の場合に保留4でキャラアイコンが発生しないことによる擬似連発生時における先バレを防止することができる。
また、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には保留1から保留3からいずれかの保留でのキャラ保留変更を選択可能とし、大当りの場合には保留4からも選択可能とし、擬似連発生時に保留4でキャラアイコンが出現した時点で大当たり確定演出を実行する。保留4で先読み演出が実行されれば、大当り確定なので、遊技者は始動記憶数が4になるまで遊技球の発射を継続するため、止め打ちを防止することができる。
さらに、保留1〜4で保留アイコンを異なるキャラに変更させ、チャンス図柄が停止した場合にどの保留のキャラの表示態様が変更されるかによって期待度が異なるようにしてもよい。また、特定(たとえば保留4)のアイコンのみ、擬似連演出が発生したら先読み保留アイコンに変更可能と限定するようにしてもよい。さらに、擬似連演出が発生しても、先読みアイコンに変化させない場合があってもよい。このように構成することによって、当該変動に対する演出なのか始動記憶内の先読み演出なのか、遊技者が把握しにくくなるので、演出に対する関心を高めることができる。
(変形例)
ここまで説明した特定演出は、擬似連演出の再変動を契機に保留表示を変化させる演出であったが、擬似連続変動を実行しない変動パターンにおいて、保留表示を(複数回)変化させる変形例について説明する。具体的には、第1の実施の形態では、保留表示から変化したキャラクタの動作によって保留表示が変化したが、本変形例では、新たに他のキャラクタが登場して保留表示を変化させるようになっている。
図45A及び図45Bは、本発明の第1の実施の形態の変形例の特定演出(事前報知演出)の一例を示す図である。
図45A(A)は変動表示ゲーム中の画面を示しており、保留記憶が4個有り、画面左下方に「○」で保留表示をしている。変動開始から所定時間が経過すると、図45A(B)に示すように、先読み対象の始動記憶である4個目の保留表示が「○」から犬の顔キャラクタ451に変化して(第1の事前報知演出)、左図柄が停止する。
その後、同一変動中に、図45A(C)に示すように、骨(アイテム)を咥えた犬のキャラクタ452が画面右から登場し、犬の顔キャラクタ451は犬のキャラクタ452に気づくアニメーションを行う。この犬のキャラクタ452は、図45A(D)に示すように、保留表示の犬の顔キャラクタ451に近づいて、骨を渡すそぶりをし、犬の顔キャラクタ451は喜ぶアニメーションを行い、右図柄が停止する。そして、骨を渡した場合には、図45A(E1)に示すように、4個目の保留表示の犬の顔キャラクタ451が骨を咥えた犬の顔キャラクタ453に変化して(第2の事前報知演出)、中図柄が停止する。骨を渡した後の犬のキャラクタ452は戻るように画面外に移動するようにしてもよいし、そのまま継続して演出を実行するようにしてもよい。一方、骨を渡さない場合には、図45A(E2)に示すように、犬のキャラクタ452は戻るように移動し、4個目の保留表示の犬の顔キャラクタ451は悲しい表情に変化して(第2の事前報知演出)、中図柄が停止する。このとき、登場した犬のキャラクタ452が骨を渡さずに(何もせずに)戻ってもよいし、保留表示の前を通過してもよい。なお、骨が渡された場合には保留表示に対応する始動記憶に基づく変動表示ゲームの期待度が高く、渡されなかった場合には期待度が低いことを報知している。
さらに、骨が渡されなかった場合であっても、次の変動で再び骨を咥えた犬のキャラクタを登場させるようにしてもよい。具体的には、図45A(E2)に続いて、図45B(F)に示すように次の変動が開始されると、先読み報知している犬の顔キャラクタ451は3個目の保留表示位置に移動する。その後、図45B(G)に示すように、骨を咥えた図45Aとは異なる犬のキャラクタ454が登場して、保留表示「○」から変化した犬の顔キャラクタ451は犬のキャラクタ454に気づくアニメーションを行い、犬のキャラクタ454は犬の顔キャラクタ451に骨を渡す演出を行って、左図柄が停止する。このように構成することによって、一旦信頼度の低い報知がなされたとしても、後で信頼度の高い報知がなされることを遊技者に期待させることができる。また、再登場するキャラクタは、最初に登場したキャラクタと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図45B(H1)は、図45A(E1)と同様に、骨が渡された場合で3個目の保留表示の犬の顔キャラクタ451が骨を咥えた犬の顔キャラクタ453に変化して(第2の事前報知演出)いる。一方、図45B(H2)は、登場した犬のキャラクタ454が保留表示「○」から変化した犬の顔キャラクタ451の代わりに保留表示(キャラクタ455)に変化し(第2の事前報知演出)、保留表示されていた犬の顔キャラクタ451が犬のキャクタ456となって悲しそうに去っていく演出である。本変形例では、第1の実施の形態と同様に、期待度がキャラクタに対応しており(図35)、図45B(H2)に示した例では、保留表示が変化したことで期待度がより高くなったことを報知している。このように、キャラクタが複数回登場する場合に、キャラクタが登場するたびに保留表示をステップアップ又はステップダウンさせ、報知する期待度を変化させるようにしてもよい。なお、骨(アイテム)を咥えた犬のキャラクタを第1の事前報知演出、骨を渡した後の犬のキャラクタを第2の事前報知演出としてもよいし、骨(アイテム)を咥えた犬のキャラクタを第1の事前報知演出、犬の顔キャラクタが変化した犬のキャクタを第2の事前報知演出としてもよい。
なお、図45Bでは、保留変化後に1体目のキャラクタ452が登場した次の変動表示ゲームで2体目のキャラクタ454が登場しているが、一変動の間(実行中の変動表示ゲーム中)に2体目のキャラクタ454が登場するようにしてもよい。また、次の変動表示ゲームでは登場させずに次の次の変動表示ゲームで2体目のキャラクタ454を登場させてもよい。また、第1の実施の形態と同様に擬似連続変動が実行される場合には、再変動時に2体目のキャラクタ454が登場するようにしてもよいし、再変動時に1体目のキャラクタ452が2回目以降の再変動時に2体目のキャラクタ454が登場するようにしてもよい。したがって、事前報知演出が擬似変動表示の開始又は終了に基づいて実行されることとなる。
さらに、図45A及び図45Bでは2体目のキャラクタ454は左図柄の停止後に登場したが、2体目のキャラクタ454が登場するタイミングは、保留表示がキャラクタ451に変化した直後であってもよいし、右図柄の停止後であってもよいし、リーチ発生時であってもよいし、後半変動の開始時点、例えば、SPリーチ開始時としてもよいし、リーチ発生後の後半変動中であってもよい。さらに、変動パターンに応じて、各キャラクタが登場するタイミングを設定するようにしてもよい。例えば、選択された変動パターンがSPリーチに対応する場合には、リーチ発生時に1体目のキャラクタ452が登場し、その後のSPリーチ開始時に2体目のキャラクタ454が登場するようにしてもよい。
特定演出の実行タイミングは、始動記憶の発生直後に限らず、一又は複数の始動記憶が消化されてから特定演出が開始されるようにしてもよい。また、キャラクタ以外に色や形状が変化する先読み報知が実行される場合に、先読み報知が実行済みの保留表示に対してさらに特定演出を実行するようにしてもよい。
キャラクタに変化した保留表示が存在している状態で、特定演出の実行対象となる始動記憶が発生した場合には、発生した始動記憶に対応する保留表示をキャラクタに変化させてもよい。このとき、複数の保留表示がキャラクタに変化している状態としてもよいし、先に変化していた保留表示を通常表示に戻してもよい。また、期待度の高い始動記憶を優先して保留表示を変化させるようにしてもよい。また、複数の保留表示がキャラクタに変化している状態で2回目の変化を行う演出を行い、所定の保留表示を2回目の変化を行い、2回目の変化をされなかった保留表示を通常表示に戻してもよい。
始動記憶に対応した先読み報知ではなく、実行中の変動表示ゲームの期待度を報知するようにしてもよい。この場合には、始動記憶数の変化に伴ってキャラクタを移動させなくてもよいし、複数のキャラクタを同時に表示させるようにしてもよい。
また、変動表示ゲームの実行前に保留表示が移動する消化領域を設け、保留表示を消化領域に移動後、当該保留表示に対して期待度を報知する特定演出を実行するようにしてもよい。
キャラクタが登場してから保留表示をキャラクタに変化させるなど、保留表示を変更する前にキャラクタを登場させるようにしてもよい。例えば、骨を咥えた犬のキャラクタが登場して保留表示前で立ち止まり、立ち止まった位置に対応する保留表示が犬の顔キャラクタに変化して骨を渡すようにしてもよい。このとき、期待度が低ければ、保留表示が犬の顔キャラクタに変化せずに登場した犬のキャラクタが画面外に移動するようにしてもよい。
第1の実施の形態と同様に識別図柄に骨を模した特殊図柄を追加し、骨を咥えていない状態で登場した犬のキャラクタが、仮停止した識別図柄(骨を模した特殊図柄)から骨を取得するようにしてもよい。このように構成することによって、保留表示の犬の顔キャラクタへの変化、犬のキャラクタの登場、識別図柄からの骨の取得、保留表示されている犬の顔キャラクタへの骨の受け渡しといった多段階に構成され、変動表示と保留表示との関連性を高くした演出を実行することができる。
以上のように、第1の実施の形態の変形例によれば、一変動で複数回保留変化させる演出を設けることで、大きな驚きやインパクトを与えることが可能となる。また、遊技者に一度がっかりさせてから期待度の高い演出を実行することによって、遊技の興趣をより高めることができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、変動表示ゲームと保留表示による先読み予告とを連動させた演出について説明したが、第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる態様で変動表示ゲームと保留表示とを関連付けた演出を実行する。なお、第1の実施の形態と共通する構成については、説明を省略する。
〔画面構成〕
まず、本実施形態における保留表示について説明する。図46は、本発明の第2の実施の形態における保留表示を説明する図であり、(A)は始動記憶が発生していない状態、(B)は特図1始動記憶のみ発生した状態、(C)は特図1始動記憶及び特図2始動記憶が発生した状態を示す。
(A)に示すように、本実施形態では、画面上部に特図2保留表示部、画面下部に特図1保留表示部が配置されている。そして、始動記憶が発生すると、対応する保留表示部からバーが縦方向に延伸するように表示される。
特図2保留は、画面左から順に特図2保留表示部1(4601)、特図2保留表示部2(4602)、特図2保留表示部3(4603)、特図2保留表示部4(4604)となっている。また、特図1保留は、画面右から順に特図1保留表示部1(4611)、特図1保留表示部2(4612)、特図1保留表示部3(4613)、特図1保留表示部4(4614)となっている。
(B)は、特図1保留数が3の状態を示しており、画面下部に配置されている特図1保留表示部1(4611)〜特図1保留表示部3(4613)から画面上方向に延伸している。また、各始動記憶に対応する保留表示部の数字部分は点灯するようになっている。
(C)は、特図1保留数が4、特図2保留数が2の状態を示しており、画面下部に配置されている特図1保留表示部1(4611)〜特図1保留表示部4(4614)から画面上方向に延伸し、特図2保留表示部1(4601)及び特図1保留表示部2(4612)から画面下方向に延伸している。このとき、延伸するバーの形状・色彩等を特図1又は特図2のいずれの始動記憶が発生しているかを遊技者が認識しやすいように異ならせてもよい。
〔画面演出例〕
続いて、バーが延伸した状態で変動表示ゲームと関連した演出を実行する一例について説明する。図47及び図48は、本発明の第2の実施の形態の保留表示と変動表示ゲームとを関連させた演出の一例を示す図である。
図47を参照すると、画面(A)は変動表示ゲームが終了し、特図1保留数が4個の状態を示している。その後、画面(B)に示すように、始動記憶が消化されると、特図1保留表示部1(4611)から延伸したバーが消去され、特図1保留表示部2(4612)〜特図1保留表示部4(4614)から延伸したバーをスライドさせるバー移動演出を実行する。このとき、各バーが識別図柄の前方を通過する際に、所定の確率で識別図柄が予告表示態様に変化する。
画面(C)を参照すると、各識別図柄が予告表示態様である「チャンス」に変化しており、次に実行される変動表示ゲームの期待度が高いことが報知される。その後、変動表示ゲームが開始され(画面(D))、リーチが発生し(画面(E))、さらに、SPリーチに発展する(画面(F))。SPリーチに発展すると、リーチ演出を阻害しないように、各バーを一時的に消去する。このとき、保留表示部の数字部分は点灯したままの状態とすることで、遊技者は始動記憶数を把握することは可能となっている。
そして、識別図柄の変動表示(SPリーチ)が終了すると(画面(G))、バーを再表示する(画面(H))。その後、バー移動演出を実行し(画面(I))、変動表示ゲームを開始する。
また、図48を参照すると、画面(A)は、特図1保留数が3個で変動表示ゲームが終了した状態を示している。その後、画面(B)に示すように、2本のバーがスライドするバー移動演出が実行される。このとき、2本のバーが識別図柄の前を通過するため、中図柄と右図柄が予告表示態様に変化する(画面(C))。その後、次の変動表示ゲームが実行される(画面(D))。
このとき、移動するバーが2本であるため、左図柄は予告表示態様に変化せずに、信頼度が完全に報知されないようになっている。移動するバーが3本であれば、すべての識別情報が予告表示態様に変化し、例えば、期待度の高ければ画面(E)に示すように「あたり」、期待度が低ければ画面(F)に示すように「へたり」と表示される。このように、移動するバーが2本では期待度を遊技者が判断できない場合がある。このように構成することによって、遊技者は保留をできるだけ多くして予告を完成させるようにするため、止め打ちを防止することが可能となり、遊技機の稼働率を向上させることができる。
次に、図49から図51を参照しながら、保留表示の別の例について説明する。図49は、本発明の第2の実施の形態の保留表示と変動表示ゲームとを関連させた演出の第1の変形例を示す図である。図49に示す態様では、保留表示部がすべて画面右側に配置されており、画面左側に保留消化部4901が配置されている。
〔第1の変形例〕
図49を参照すると、画面(A)は変動表示ゲームが終了し、特図1保留数が4個の状態を示している。その後、画面(B)に示すように、始動記憶が消化する際に、特図1保留表示部1(4611)から延伸したバーが保留消化部4901に向かってスライド移動する。このとき、スライド移動するバーが各識別図柄の前方を通過し、識別図柄が予告表示態様に変化する(画面(B)(C))。画面(C)では、次回変動でリーチが発生することを報知している。また、保留消化部4901に表示されているバーの長さによって実行される変動表示ゲームの期待度を報知するようにしてもよい。このように構成することによって、始動記憶数が少ない場合であっても変動表示ゲームの期待度を報知することが可能となり、先読み演出を見逃すことなく遊技を継続することができる。
〔第2の変形例〕
さらに、別の態様について説明する。図50Aは、本発明の第2の実施の形態の保留表示と変動表示ゲームとを関連させた演出の第2の変形例を示す図である。図50Aに示す態様では、第1の変形例と同様に、保留表示部がすべて画面右側に配置され、画面左側に保留消化部4901が配置されているが、特図1保留表示部の配置が第1の変形例とは逆順になっている。
図50Aを参照すると、画面(A)に示すように、特図1保留表示部が右から順に始動記憶が消化されるようになっている。そのため、画面(B)に示すように、バー移動演出が実行されると、次回以降消化される始動記憶に対応するバーと交差する。このとき、未実行の始動記憶に対応するバーは右方向に移動する。また、本変形例では、画面(B)に示すように、バーが交差するタイミングで、未実行の始動記憶に対応するバーの表示態様を所定の確率で先読み態様に変更する。すなわち、本実施形態では、始動記憶が発生した直後ではなく、次に実行される変動表示ゲームの開始時に先読み演出が行われる。ただし、始動記憶数が0の場合には、始動入賞時に先読み予告を行うようにしてもよい。
バー移動演出が実行されると、図49及び図50Aに示した例と同様に、識別図柄が予告表示態様に変化する(画面(C))。画面(C)では、次に実行される変動表示ゲームでリーチが発生することを示唆している。その後、移動したバーが保留消化部4901で停止し、実行される変動表示ゲームの期待度に応じてバーの高さが変化する(画面(D))。
〔第3の変形例〕
さらに、別の態様について説明する。図50Bは、本発明の第2の実施の形態の保留表示と変動表示ゲームとを関連させた演出の第3の変形例を示す図である。図50Bに示す態様では、保留表示部がすべて画面左側に配置され、最初に消化される始動記憶が最も左側に配置される。さらに、画面右側には保留消化部4901が配置される。
図50Bを参照すると、画面(A)に示すように、特図1保留表示部及び特図2保留表示部のいずれも左から順に始動記憶が消化されるようになっている。そのため、画面(B)に示すように、バー移動演出が実行されると、次回以降消化される始動記憶に対応するバーと交差する。このとき、未実行の始動記憶に対応するバーは左方向に移動する。また、画面(B)に示すように、第2の変形例と同様に、バーの表示態様を先読み態様にする。
バー移動演出が実行されると、図49に示した例と同様に、識別図柄が予告表示態様に変化する(画面(C))。画面(C)では、擬似連予告が継続することを示唆している。その後、移動したバーが保留消化部4901で停止し、実行される変動表示ゲームの期待度に応じてバーの高さが変化する(画面(D))。
〔第4の変形例〕
ここまで説明した態様では、バーが垂直方向に延伸するように表示されていたが、第4の変形例では、バーが水平方向に延伸し、垂直方向にスライドする態様について説明する。図51は、本発明の第2の実施の形態の保留表示と変動表示ゲームとを関連させた演出の第4の変形例を示す図である。図51に示す態様では、保留表示部がすべて画面上側に配置され、最初に消化される始動記憶に対応するバーが最も上側に配置される。
図51を参照すると、画面(A)は変動表示ゲームが終了し、特図1保留数が4個の状態を示している。その後、画面(B)に示すように、始動記憶が消化する際に、特図1保留表示部1(4611)から延伸したバーが下方にスライド移動する。そのため、画面(B)に示すように、次回以降消化される始動記憶に対応するバーと交差する。このとき、未実行の始動記憶に対応するバーは上方向に移動する。また、本変形例では、画面(B)に示すように、他の変形例と同様に、バーが交差するタイミングで、未実行の始動記憶に対応するバーの表示態様を所定の確率で先読み態様に変更する。
バー移動演出が実行されると、識別図柄が予告表示態様に変化する(画面(C))。画面(C)では、次回実行される変動表示ゲームの期待度が高いことを示唆している。その後、移動したバーはそのまま下方に移動し、表示領域から消えるようになっている。
〔先読みコマンド受信処理〕
以上、本実施形態における保留表示と変動表示ゲームとを関連させた演出の例について説明した。続いて、演出を実行するための処理について説明する。まず、図52を参照しながら先読みコマンド受信処理について説明する。
図52は、本発明の第2の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。ステップB1701からステップB1705までの処理は、図33に示した第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
主制御用マイコン710は、先読み演出を実行する場合には(B1704又はB1705の結果が「Y」)、先読み演出態様記憶領域に先読み演出態様を記憶する(B1707)。そして、受信した先読みコマンドの対象となっている始動記憶が保留1(始動記憶数が1)であるか否かを判定する(B1711)。始動記憶が保留1の場合には(B1711の結果が「Y」)、前述したバーの交差を契機にバーを先読み態様に変化させる演出を行うことはできないので、そのまま先読み演出態様を設定する(B1712)。一方、始動記憶が保留1でない場合には(B1711の結果が「N」)、バーの交差を契機にバーを先読み態様に変化させるために、先読み演出フラグをオンに設定する(B1713)。その後、本処理を終了する。
〔保留表示態様変更処理〕
次に、バーの表示態様(保留表示)を先読み態様に変更するための保留表示態様変更処理の詳細について説明する。図53は、本発明の第2の実施の形態の保留表示態様変更処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、先読みコマンド受信処理のステップB1713の処理で設定される先読み演出フラグがオンに設定されているか否かを判定する(B2051)。先読み演出フラグがオンに設定されていない、すなわち、バー移動演出に伴う先読み演出を実行しない場合には(B2051の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、先読み演出フラグがオンに設定されている場合には(B2051の結果が「Y」)、変動開始コマンドを遊技制御装置600から受信したか否かを判定する(B2052)。変動開始コマンドを受信していない場合には(B2052の結果が「N」)、先読み対象の始動記憶の位置に合わせて表示変更タイマをセットし(B2053)、本処理を終了する。表示変更タイマは、次回の変動表示ゲームの開始時に、消化される始動記憶に対応する保留表示が移動し、先読み対象の保留表示(バー)上を移動(通過)するタイミングで0になるように設定される。
一方、主制御用マイコン710は、変動開始コマンドを受信していない場合には(B2052の結果が「Y」)、表示変更タイマが0であるか否かを判定する(B2054)。表示変更タイマが0でない場合には(B2054の結果が「N」)、保留表示を先読み態様に変更するタイミングでないので、本処理を終了する。
また、主制御用マイコン710は、表示変更タイマが0の場合には(B2054の結果が「Y」)、保留表示を先読み態様に変更するタイミングとなったため、保留表示を選択された表示態様に変更する(B2055)。さらに、表示変更タイマをクリアし(B2056)、本処理を終了する。
次に、ここまで説明した第2の実施の形態の演出態様は、保留表示に態様するバーが画面の高さ(又は幅)に対応していたが、実行される変動表示ゲームの期待度などに基づいて異なるバーの長さが設定される変形例について説明する。
〔先読み演出振り分けテーブル〕
図54は、本発明の第2の実施の形態の変形例における先読み演出振り分けテーブルの一例を示す図であり、(A)は大当り時、(B)ははずれ時である。
本変形例の保留表示であるバーの長さは、先読み予告の対象となる変動表示ゲームの期待度に応じて異なるように設定されており、バーの長さが長いほど期待度が高くなるようになっている。具体的には、「表示1」「表示2」「表示3」の順で長くなるように設定されており、図55にて後述するように、それぞれ画面の高さの1/3、1/2、1/1(画面の高さと同じ)となっている。
(A)を参照すると、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、前半変動パターンにかかわらず、「表示1」「表示2」「表示3」がそれぞれ15%、35%、50%の確率で振り分けられ、期待度の高い態様が振り分けられやすくなっている。
一方、(B)を参照すると、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、前半変動パターン番号に応じて、表示態様の選択確率が異なるように設定されている。例えば、期待度の高い変動パターンが選択されているほど、「表示2」「表示3」が選択されやすくなっている。
具体的には、通常変動(前半変動パターン番号1)の場合には、期待度の低い「表示1」が95%の割合で振り分けられるようになっている。これに対し、ノーマルリーチが発生する前半変動パターン番号2、3では「表示2」「表示3」の割合がやや高くなり、SPリーチや特殊演出が発生する前半変動パターン番号4〜7では、さらに、「表示2」「表示3」の割合が高くなっている。
〔表示例〕
続いて、バーの長さによって先読み予告を行う変形例の画面表示例について説明する。図55は、本発明の第2の実施の形態の変形例における画面表示例を示す図であり、(A)は先読み態様、(B)はバー移動演出の態様を示している。
画面(A)は変動表示ゲームが終了した直後の状態を示しており、前述のように、バーの高さが異なる態様で保留表示がなされている。保留4は、期待度の低い「表示1」であり、バーの長さが画面の高さの1/3程度となっている。保留3は、期待度が中程度の「表示2」であり、バーの長さが画面の高さの半分(1/2)程度となっている。保留2及び保留1は、期待度の高い「表示3」であり、バーの長さが画面の高さと同じになっている。なお、期待度の低い先読み態様では、始動記憶の有無を遊技者が認識しにくくならない程度にバーの長さを設定する。
また、画面(B)を参照すると、保留1に対応する始動記憶が消化され、変動表示ゲームが実行される直前の状態で、バー移動演出が実行されている状態を示している。本変形例のバー移動演出では、バーの移動する領域と重なった部分の予告表示のみが出力される。
したがって、直後に実行される変動表示ゲームの期待度にかかわらず、以降実行される変動表示ゲームの始動記憶に対応する先読み態様によって、予告表示の態様が決定される。画面(B)を参照すると、報知内容が「あたり」であっても、左図柄の位置に表示される内容を遊技者は把握することができなくなっている。
なお、未実行の変動表示ゲームの先読み態様(期待度)によって、実行直前の変動表示ゲームの期待度を十分に確認できないこともあるが、遊技者は、従前の先読み予告の内容などを加味して期待感を高めることも可能となっている。
また、大当りの場合には、未実行の変動表示ゲームの先読み態様(期待度)にかかわらず、実行直前の変動表示ゲームの期待度を確認できるようにしてもよい。図56は、本発明の第2の実施の形態の変形例における別の画面表示例を示す図である。画面(A)は図55の画面(A)と同じである。
図56に示す例では、始動記憶が消化される直前に、画面(B)に示すように、各保留の先読み態様を「表示3」に変更する。その後、画面(C)に示すように、バー移動演出を実行することによって、これから実行される変動表示ゲームの期待度を報知することができる。なお、バーの移動が終了したタイミング又は変動表示ゲームが開始されるタイミングで先読み態様を元に戻してもよいし、変動表示ゲームが終了したタイミングで先読み態様を元に戻してもよい。
〔第2の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、保留表示が識別情報に作用する新しい演出を実行可能とし、遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明の第2の実施の形態によれば、始動記憶数が多い方が特殊予告演出の実行範囲が広くなるので、遊技者は始動記憶数を増やそうとするため、止め打ちを防止することができる。
さらに、本発明の第2の実施の形態によれば、変動表示ゲームの実行が保留されている始動記憶内の期待度が高い方が、当該変動の特殊予告演出の実行範囲も広くなるので、当該変動及び保留記憶の両方で遊技者の期待感を高めることができる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、始動記憶数などに応じて変動表示ゲームと保留表示による先読み予告とを連動させた演出を実行していたが、第3の実施の形態では、さらに、発射態様に応じて演出を実行する。なお、演出内容については第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
〔保留表示態様変更処理〕
本実施形態では、前述のように、発射態様に応じて変動表示ゲームと保留表示による先読み予告とを連動させた演出が実行される。具体的には、遊技球が発射装置によって遊技領域に発射されている場合に、当該演出が実行される。そこで、本実施形態における保留表示態様変更処理では、最初に発射態様を検出し、遊技球が発射されている場合には、図53に示した第2の実施の形態の保留表示態様変更処理と同じ処理を実行する。図57は、本発明の第3の実施の形態の保留表示態様変更処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、発射ハンドル(発射操作部)に備えられたタッチスイッチがオンであるか否かを判定する(B2081)。タッチスイッチがオンである場合には(B2081の結果が「Y」)、発射停止スイッチがオンになっているか否かを判定する(B2082)。
主制御用マイコン710は、タッチスイッチがオンでない場合(B2081の結果が「N」)、又は、発射停止スイッチがオンの場合には(B2082の結果が「Y」)、遊技球が発射されている状態ではないので、バーを非表示にするために、保留バー非表示フラグをオンに設定し(B2083)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、発射停止スイッチがオンでない場合には(B2082の結果が「N」)、さらに、保留バー非表示フラグがオンに設定されているか否かを判定する(B2084)。保留バー非表示フラグがオンに設定されている場合には(B2084の結果が「Y」)、遊技球が発射されている状態となるので、保留バー非表示フラグがオフに設定する(B2805)。その後、図53に示した第2の実施の形態の保留表示処理を実行する。
このように、遊技球が発射されていない状態では、保留バーが表示されないので、先読み演出やバー移動演出が実行されないように構成されている。したがって、遊技者は先読み演出やバー移動演出を実行するために、止め打ちせずに遊技球の発射を継続するようになる。
なお、遊技球の発射勢によって、保留バーの長さを異ならせるようにしてもよい。例えば、右打ち又は左打ちが指示されている場合には、遊技状態に適合した発射勢である場合には保留バーが長くなるようにし、適合していない場合には保留バーが短くなるようにしてもよい。このように構成することによって、遊技者が適切な発射勢で遊技を継続していない場合には保留バーが短くなり、先読み演出やバー移動演出が見難くなってしまうため、遊技者が適切な発射勢で遊技を行うように促すことができる。
〔タイムチャート(一定の期間操作)〕
図58は、本発明の第3の実施の形態のタッチスイッチ信号を受信した遊技制御装置600がタッチオン/タッチオフコマンドを出力するタイミングの一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技者が操作部15の操作を一定の期間操作した場合のコマンド送信タイミングを示す。
時間t0において、払出制御装置640がONとなるタッチスイッチ信号(ハイレベル信号)を発信し、当該信号を遊技制御装置600が受信する。遊技制御装置600は、一定期間待機後に演出制御装置700にコマンドを出力するため、時間t0ではタッチオンコマンドが出力されない。
時間t0から一定期間(32ms)が経過した時間t1において、遊技制御装置600は、演出制御装置700にタッチオンコマンドを送信する。ノイズの検出によってコマンドが送信されることを防止するために遊技制御装置600は一定期間待機するが、遊技者による操作と遊技機1の演出とのリンク感を維持するため、上記の一定期間は、例えば32msという短い期間が設定される。
その後、遊技者が操作部15の操作を停止した時間t2において、払出制御装置640がOFFとなるタッチスイッチ信号(ロウレベル信号)を発信し、当該信号を遊技制御装置600が受信する。遊技制御装置600は、一定期間待機後に演出制御装置700にコマンドを出力するため、時間t2ではタッチオフコマンドが出力されない。
時間t2から一定期間(4000ms)が経過した時間t3において、遊技制御装置600は、演出制御装置700にタッチオフコマンドを送信する。遊技制御装置600が短期間に連続的なON/OFF信号を検出した場合に、演出制御装置700にコマンドが頻繁に送信されてしまうことがないように、上記の一定期間は、例えば4000msという長い期間が設定される。
このように、操作部15の操作が開始されても、遊技制御装置600が一定期間待機してから演出制御装置700にコマンドを送信するため、一定期間内にノイズを検出しても不要なコマンドが送信されることを防止できる。
また、操作部15の操作が停止されてから演出制御装置700にタッチオフコマンドが送信されるまで一定の待機期間が設けられるため、操作部15の操作開始と操作停止が繰り返されてもその都度コマンドが送信されてしまうことがない。そのため、演出制御装置700の処理負担が軽減される。
〔タイムチャート〕
図59は、本発明の第3の実施の形態の連続的にタッチスイッチ信号を受信した遊技制御装置600がタッチオン/タッチオフコマンドを出力するタイミングの一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技者が繰り返し操作部15の操作開始と操作停止をした場合のコマンド送信タイミングを示す。
コマンド送信までの待機期間内に信号状態が変化(ONからOFF又はOFFからON)すると、コマンド送信準備がキャンセルされるため、遊技制御装置600は演出制御装置700にコマンドを送信しない。
遊技者が操作部15の操作を開始してタッチオンコマンドが送信されている。その後、時間t0において、遊技者が操作部15の操作を一旦停止したため、払出制御装置640がOFFとなるタッチスイッチ信号(ロウレベル信号)を発信し、当該信号を遊技制御装置600が受信する。
ここで、4000msの待機期間が終了する時間t1まで、信号変化が生じなければ遊技制御装置600がタッチオフコマンドを送信する(時間t1に点線で示すコマンドON)が、待機期間内に再び操作部15の操作が開始されて信号状態が変化したため、コマンドは送信されない。このため、待機期間内に信号状態が変化しても、演出制御装置700は操作状態が継続しているものとして認識する。
その後、遊技者が操作部15の操作を停止した時間t2において、払出制御装置640がOFFとなるタッチスイッチ信号(ロウレベル信号)を発信し、当該信号を遊技制御装置600が受信する。その後、4000ms経過した時間t3において、当該信号に基づくタッチオフコマンドが送信される。
このように、コマンド送信までの待機期間内に信号状態が変化しても、信号変化に基づくコマンドが送信されない。遊技者が短時間だけ操作部15の操作を停止して再び操作に復帰しても、操作停止に伴うオフコマンド及び操作復帰に伴うオンコマンドの両方のコマンド送信が抑制されるため、演出制御装置700の処理負担が軽減される。
〔タイムチャート(ノイズ対応)〕
図60は、本発明の第3の実施の形態のハイレベルのタッチスイッチ信号を受信した直後にロウレベルのタッチスイッチ信号を受信した遊技制御装置600がタッチオンコマンドを出力しないことを示すタイムチャートである。32msに満たない期間にタッチスイッチ信号がONからOFFへと変化する原因としてノイズが侵入することによる信号の乱れがある。
時間t0において、払出制御装置640がONとなるタッチスイッチ信号(ハイレベル信号)を発信し、当該信号を遊技制御装置600が受信する。
ここで、32msの待機期間が終了する時間t1まで、信号変化が生じなければ遊技制御装置600がタッチオンコマンドを送信する(時間t1に点線で示すコマンドON)が、待機期間内に信号状態が変化したため、コマンドは送信されない。このため、信号線にノイズが侵入しても待機期間内の信号変化としてコマンド送信が抑制され、演出制御装置700は操作部15が継続してOFF状態であると認識する。
〔第3の実施の形態の効果〕
以上のように、第3の実施の形態によると、遊技制御装置600は、払出制御装置640からハイレベルのタッチスイッチ信号を受信すると、演出制御装置700にタッチオンコマンドを送信する。また、遊技制御装置600は、払出制御装置640からロウレベルのタッチスイッチ信号を受信すると、演出制御装置700にタッチオフコマンドを送信する。このため、コマンドを受信した演出制御装置700は、操作部15の操作状況を認識することができ、操作部15の操作状況に応じた演出をすることができる。
また、第3の実施の形態によると、遊技制御装置600は、タッチスイッチ信号をすると、一定の待機期間の間に信号状態が変化しない場合のみ、遊技制御装置600にコマンドを送信する。そのため、高速で操作部15のオン/オフが切り替わる操作がされた場合でも、演出制御装置700に頻繁にコマンドが送信されることを抑制し、演出制御装置700の処理負担を軽減することができる。
また、第3の実施の形態によると、ハイレベルのタッチオン信号を受信した場合の待機期間は、ロウレベルのタッチオン信号を受信した場合の待機期間よりも短い期間が設定される。特に、ハイレベルのタッチオン信号を受信した場合の待機期間は3/100秒程度の短い期間に設定されるため、ノイズの侵入に基づくコマンドの送信を抑制しつつ、操作入力と演出とのリンク感を維持することができる。
また、第3の実施の形態によると、信号を受信してからコマンドを送信するまでの待機期間の管理は、遊技制御装置600が行う。このため、遊技状態に応じてタッチオフコマンドの送信までの待機期間を短い期間に設定することができ、操作部15の素早い操作入力を演出に反映されることができる。
なお、待機期間の管理は、払出制御装置640が行ってもよい。払出制御装置640が待機期間後に信号を発信することで、遊技制御装置600は、受信した信号に基づくコマンドを演出制御装置700に送信するだけでよく、遊技制御装置600の処理負担も軽減することができる。また、遊技制御装置600を介さずに、払出制御装置640から演出制御装置700に直接信号を発信するようにした場合、より簡易な構成としつつ遊技制御装置600の処理負担を軽減することができる。
さらに、第3の実施の形態によると、操作部15の操作と演出ボタン17の操作とを連動させて演出を実行することで、これまでにない斬新な演出を提供することができる。
また、第3の実施の形態によると、操作部15に遊技者の身体の一部が接触していなければ、先読み演出を実行しないように構成されているので、特殊予告演出中の止め打ちを防止することができる。
(第3の実施の形態の変形例1)
続いて、操作部15の操作入力によって演出内容を進行させるタッチ演出について説明する。
〔タイムチャート(タッチ演出)〕
図61は、本発明の第3の実施の形態の変形例1のタッチ演出フラグがON/OFFである場合に、遊技制御装置600がタッチオン/タッチオフコマンドを出力するタイミングの一例を示すタイムチャートである。タッチ演出フラグは、特定の変動パターンが実行される場合にONに設定され、本例は、OFFに設定されていたタッチ演出フラグが時間t2においてONに設定される場合のコマンド送信のタイミングを示す。
時間t0−時間t1は、タッチ演出フラグがOFFに設定されているため、4000msの待機期間後にタッチオフコマンドが送信されている。
その後、時間t2において、タッチ演出フラグがONに設定される。タッチ演出フラグがONに設定されると、操作部15の操作入力が素早く演出に反映されるべく、例えば、タッチオフコマンドの待機期間が4000msから32msに短縮されて設定される。
時間t3において、払出制御装置640がONとなるタッチスイッチ信号(ハイレベル信号)を発信し、当該信号を遊技制御装置600が受信すると、32ms経過後となる時間t4において、遊技制御装置600がタッチオンコマンドを送信する。タッチオンコマンドの待機期間は、タッチ演出フラグの設定によらず一定に設定される。
その後、時間t5において、払出制御装置640がOFFとなるタッチスイッチ信号(ロウレベル信号)を発信し、当該信号を遊技制御装置600が受信すると、遊技制御装置600が32ms経過後となる時間t6においてタッチオンコマンドを送信する。
このように、遊技機1の演出にタッチスイッチ信号を用いる場合には、タッチオフ信号も32msという短い期間に設定されるため、連続的な操作入力に対してリンク感を維持することができる。
〔変形例1の効果〕
以上のように、第3の実施の形態の変形例1によると、操作部15の操作に応じて成功演出又は失敗演出が実行されるので、これまでにない斬新な演出を提供でき、遊技の興趣を高めることができる。特に、演出ボタン17とは別に操作部15の操作入力において演出の制御を実行するので、今までにない斬新な演出方法となる。
また、第3の実施の形態の変形例1によると、操作部15によって操作入力を行うため、遊技者の操作負担が軽減する。上皿ユニット11に配設された演出ボタン17(プッシュボタン)を操作することは、手をわざわざ演出ボタン17の位置まで動かさなくてはならず、頻繁にボタン演出が実行されると、例えば、右手で操作部15を操作し、左手で演出ボタンを操作する必要が生じ、操作が煩雑となる。これに対して、第2の実施の形態では、操作部15のみを操作することで遊技球の発射操作に加えてタッチ演出の操作入力ができるため、遊技者の操作負担が軽減する。特に、発射停止スイッチ110のON/OFF操作による操作入力であれば、操作部15から手を離す必要がなくなるため、より操作入力が行い易くなる。
また、第3の実施の形態の変形例1によると、演出専用の操作手段である演出ボタン17を設けなくてもよいため、遊技機枠の部品点数を減らすことができ、デザインの自由度が向上する。
また、第3の実施の形態の変形例1によると、タッチ演出期間中は、タッチオフコマンドの待機期間を短い期間に設定するので、所定時間内において操作部15を連続操作さえる演出を実行することができる。
(第3の実施の形態の変形例2)
第3の実施の形態の変形例2では、遊技制御装置600がタッチスイッチ信号を受信してから演出制御装置700にコマンドを送信するまで待機期間を計時していたが、遊技制御装置600の処理負担の軽減を目的として、当該計時処理を払出制御装置640にて行う。
〔タッチスイッチ信号送信処理〕
図62は、本発明の第3の実施の形態の変形例2のタッチスイッチ信号送信処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、図9において説明した第1の実施の形態のタッチスイッチ信号送信処理に、タッチスイッチ信号に応じた待機期間後にタッチスイッチ信号を送信する処理(図13Aのタッチセンサ監視処理に相当)を付加したものである。
本処理は、実質的に図13Aにおいて説明したタッチセンサ監視処理と同一であり、実行主体が遊技制御装置600から払出制御装置640に変更されたものであるため、詳細な説明を省略する。なお、本変形例では、所定の待機期間後にタッチスイッチ信号のオンデータ/オフデータが設定(C1003、C1004)されることで、コマンドの送信制御が行われるため、本処理を実行する払出制御装置がコマンド送信制御手段に相当する。
図63は、本発明の第3の実施の形態の変形例2のタッチセンサ監視処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、図13Aにおいて説明した第1のタッチセンサ監視処理から、待機期間の制御処理を削除したものである。
遊技制御装置600は、まず、タッチスイッチ信号を受信したか否かを判定する(A1701)。ここで遊技制御装置600が受信するタッチスイッチ信号は、払出制御装置640によって所定期間の待機期間後に出力された信号である。そのため、遊技制御装置600は、例えば、ノイズに基づくタッチオン信号を受信することがない。
タッチスイッチ信号を受信した場合には(A1701の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、次に、受信したタッチスイッチ信号がオンデータであるか否かを判定する(A1702)。
受信したタッチスイッチ信号がオンデータである場合には(A1702の結果が「Y」」)、遊技制御装置600は、タッチオンコマンドをセーブする(A1717)。受信したタッチスイッチ信号がオフデータである場合には(A1702の結果が「N」)、タッチオフコマンドをセーブする(A1721)。その後、コマンド送信処理を実行し(A1718)、本処理を終了する。一方、タッチスイッチ信号を受信していない場合には(A1701の結果が「N」)、本処理を終了する。
なお、第1の実施の形態と同様に、払出制御装置640から演出制御装置700に直接、タッチオン/タッチオフデータを送信してもよい。
このように、払出制御装置640から遊技制御装置600に信号を送信する段階において、払出制御装置640が信号を送信するまでの待機期間の制御を行うことで、遊技制御装置600の処理負担が軽減される。また、遊技制御装置600のROM及びRAMの使用容量を低減させることができる。
また、短期間(4000ms)にタッチオン/タッチオフ操作がされた場合は、遊技制御装置600は当該タッチオン信号及びタッチオフ信号を受信しない。また、ノイズに基づくタッチオン信号も遊技制御装置600は受信しない。そのため、遊技制御装置600は、タッチオン/タッチオフ信号の受信頻度が低下し、演出制御装置700と併せて処理負担が軽減される。
〔タイムチャート〕
図64は、本発明の第3の実施の形態の変形例2のタッチスイッチ信号を受信した遊技制御装置600がタッチオン/タッチオフコマンドを出力するタイミングの一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技者が操作部15の操作を一定の期間操作した場合のコマンド送信タイミングを示す。
時間t0において、払出制御装置640がONとなるタッチスイッチ信号(ハイレベル信号)を受信すると、時間t0から一定期間(32ms)が経過した時間t1において、払出制御装置640が遊技制御装置600にハイレベルのタッチスイッチ信号を送信する。また、時間t1において、ハイレベルのタッチスイッチ信号を受信した遊技制御装置600は、演出制御装置700にタッチオンコマンドを送信する。
その後、時間t2において、払出制御装置640がOFFとなるタッチスイッチ信号(ロウレベル信号)を受信すると、時間t2から一定期間(4000ms)が経過した時間t3において、払出制御装置640が遊技制御装置600にロウレベルのタッチスイッチ信号を送信する。また、時間t3において、ロウレベルのタッチスイッチ信号を受信した遊技制御装置600は、演出制御装置700にタッチオフコマンドを送信する。
このように、待機期間の制御処理を払出制御装置640が実行し、遊技制御装置600は、受信した信号をコマンド化して演出制御装置700に送信するだけであるので、遊技制御装置600の処理負担も軽減される。
図65は、本発明の第3の実施の形態の変形例2のタッチスイッチ信号を受信した遊技制御装置600がタッチオン/タッチオフコマンドを出力するタイミングの一例を示すタイムチャートである。本例は、遊技者が繰り返し操作部15の操作開始と操作停止をした場合のコマンド送信タイミングを示す。
払出制御装置640がハイレベルのタッチスイッチ信号を検出して32ms後に遊技制御装置600にタッチスイッチ信号を送信すると、遊技制御装置600から演出制御装置700にタッチオンコマンドが送信されている。その後、時間t0において、払出制御装置640がロウレベルのタッチスイッチ信号を受信するが、待機期間(4000ms)内に再びハイレベルのタッチスイッチ信号を受信したため、払出制御装置640は信号の送信準備をキャンセルされる。
ここで、4000msの待機期間が終了する時間t1まで、信号変化が生じなければ払出制御装置640が遊技制御装置600にロウレベルのタッチスイッチ信号を送信し、遊技制御装置600がタッチオフコマンドを送信する(時間t1に点線で示すコマンドON)。しかし、待機期間内に再び操作部15の操作が開始されて信号状態が変化したため、ロウレベルのタッチスイッチ信号が遊技制御装置600に送信されない。このため、待機期間内に信号状態が変化しても、遊技制御装置600及び演出制御装置700は操作状態が継続しているものとして認識する。
その後、時間t2において、払出制御装置640がロウレベルのタッチスイッチ信号を受信し、待機期間(4000ms)経過後の時間t3において、ロウレベルのタッチスイッチ信号が遊技制御装置600に送信される。また、時間t3において、遊技制御装置600から演出制御装置700にタッチオフコマンドが送信される。
このように、待機期間内に信号状態が変化しても、払出制御装置640は受信した信号送信準備がキャンセルされるため、遊技制御装置600に信号を送信しない。
図66は、本発明の第3の実施の形態の変形例2のハイレベルのタッチスイッチ信号を受信した直後にロウレベルのタッチスイッチ信号を受信した払出制御装置640が当該信号を出力しないことを示すタイムチャートである。
時間t0において、払出制御装置640がハイレベルのタッチスイッチ信号を受信するが、32msに満たない信号であるため、遊技制御装置600への信号送信準備がキャンセルされる。そのため、瞬間的なハイレベルのタッチスイッチ信号を払出制御装置640が検出しても、遊技制御装置600(主基板)及び演出制御装置700は当該信号を受信しないため、処理負担が軽減される。
図67は、本発明の第3の実施の形態の変形例2のタッチ演出フラグがON/OFFである場合に、払出制御装置640がタッチスイッチ信号を出力するタイミングの一例を示すタイムチャートである。上述のとおり、タッチ演出フラグは、特定の変動パターンが実行される場合にONに設定される。
時間t0−時間t1は、タッチ演出フラグがOFFに設定されているため(図131におけるC1010の結果が「N」)、4000msの待機期間後にロウレベルのタッチスイッチ信号が出力され、遊技制御装置600が当該信号を受信している。
その後、時間t2において、タッチ演出フラグがONに設定される。タッチ演出フラグがONに設定されると、操作部15の操作入力が素早く演出に反映されるべく、例えば、タッチオフコマンドの待機期間が4000msから32msに短縮されて設定される。
時間t3において、払出制御装置640がハイレベルのタッチスイッチ信号を受信すると、32ms経過後となる時間t4においてタッチオン信号を発信し、当該信号を払出制御装置から受信した遊技制御装置600がタッチオンコマンドを送信する。
その後、時間t5において、払出制御装置640がロウレベルのタッチスイッチ信号を受信すると、タッチ演出フラグがONであるため、32ms経過後となる時間t6においてタッチオフ信号を発信し、当該信号を払出制御装置から受信した遊技制御装置600がタッチオフコマンドを送信する。
このように、操作部15の連続的な操作が要求される場合には、タッチオフ信号も32msという短い期間に送信され、連続的な操作入力に対してリンク感を維持することができる。また、操作部15が連続的に操作される場合は、特に関連する基板の処理負担が大きくなるが、遊技制御装置600は、払出制御装置640から受信した信号に基づくコマンドを演出制御装置700に送信するだけなので、処理負担の増加を抑制することができる。
〔変形例2の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態の変形例2によると、払出制御装置640から遊技制御装置600に信号を送信する段階において、払出制御装置640が信号を送信するまでの待機期間の制御を行うことで、遊技制御装置600の処理負担が軽減される。また、遊技制御装置600のROM及びRAMの使用容量を低減させることができる。
また、本発明の第3の実施の形態の変形例2によると、短期間(4000ms)にタッチオン/タッチオフ操作がされた場合は、遊技制御装置600は当該タッチオン信号及びタッチオフ信号を受信しない。また、ノイズに基づくタッチオン信号も遊技制御装置600は受信しない。そのため、遊技制御装置600は、タッチオン/タッチオフ信号の受信頻度が低下し、処理負担が軽減される。
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態から第3の実施の形態では、始動記憶数などに応じて変動表示ゲームと保留表示による先読み予告とを連動させた演出を実行していたが、第4の実施の形態では、保留数に応じて視認可能な表示領域(例えば、背景)を制限し、制限された表示領域が再び視認可能になった際に、実行中の変動表示ゲームの期待度を報知する又は実行前の変動表示ゲームの期待度を報知する(先読み予告、事前報知演出)などの演出を実行する。
具体的には、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合には左側から中央向かって、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合には右側から中央に向かって保留数に応じて表示領域(背景)が隠されるように構成されている。特図1始動数及び特図2始動数が最大数(始動記憶の上限)に到達することによって扉が完全に閉鎖され、表示領域の背景画像を視認できなくなる。また、表示領域が左右均等に隠されるように、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に交互に遊技球が入賞するように構成されている(図68及び69参照)。以下、本実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付与し、説明を省略する。
〔遊技盤〕
まず、図68を参照しながら本実施形態の遊技盤30について説明する。図68は、本発明の第4の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、第1の実施の形態と同様に、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技板32の表面に、区画部材としてのガイドレールを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。また、遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。
遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口部が形成され、センターケース34はその開口部に遊技盤30の前方から嵌装される。センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部34aに裏面から臨むように配設される。
センターケース34の右下の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36(普図始動口、普図始動領域)が配設される。遊技領域31の右側において遊技球を流下させる右打ち時に、遊技球は普図始動ゲート36を通過可能となる。
センターケース34の下方の遊技領域31には、始動入賞口ユニット101が設けられる。始動入賞口ユニット101は、共通入口103から入った遊技球を後述の入賞切替機構105(図69参照)によって交互に左右に振分けることで、第1始動入賞口37(特図1始動口、第1の始動入賞領域、第1の始動領域)と第2始動入賞口38(特図2始動口、第2の始動入賞領域、第2の始動領域)に交互に入賞させ得るように構成されている。入賞切替機構105は、入賞領域を変更する領域変更手段を構成する。始動入賞口ユニット101の共通入口103には、遊技領域31の左側において遊技球を流下させる左打ち時には右打ち時より遊技球が入球し易くなるように、または右打ち時は共通入口103に入球しないように、遊技釘等を配設して遊技盤面を構成する。
始動入賞口ユニット101の下部には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム、変動表示ゲーム)の始動条件を付与可能な始動入賞口(始動領域)39が配設される。始動入賞口39は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第1始動入賞口37と、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第2始動入賞口38とを備える。
始動入賞口ユニット101は、第2始動入賞口38を第1始動入賞口37の右方に配設しており、その右方に可動部材38aを備えている。可動部材38aは、通常状態においては、閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しており、第2始動入賞口38には、共通入口103から入って入賞切替機構105で振り分けられた遊技球のみが入賞(入球)する。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイド27によって、先端が開くように可動部材38aが回動され、共通入口103からだけでなく始動入賞口ユニット101の右下の開口部108からも第2始動入賞口38に遊技球が流入する開状態(入賞容易状態、遊技者にとって有利な状態)となる。なお、右打ちした場合に、可動部材38aが開くと、始動入賞口ユニット101の右下に開口部108が形成され第2始動入賞口38に遊技球が流入し易くなる(図69(C)参照)。
遊技制御装置600は、第2始動入賞口38に対する入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態中の時間を長くしたりする普電サポートを実行する普電サポート状態(確変状態、時短状態)を発生させる。例えば、通常状態では、普図変動表示ゲームの当選確率を0/250としているのに対し、普電サポート状態では、普図変動表示ゲームの当選確率を240/250、可動部材38a(普通電動役物)の開放時間を1352ミリ秒(ms)、開放回数を3回としている。なお、通常状態で、普図変動表示ゲームが当選する仕様としても良い。
〔入賞切替機構〕
ここで、図69を参照して、始動入賞口ユニット101の入賞切替機構105について説明する。図69は、本発明の第4の実施の形態の始動入賞口ユニット101の入賞切替機構105の構成及び動作を説明する図である。
領域変更手段としての入賞切替機構105は、始動入賞口ユニット101の共通入口103から入った遊技球を左側(第1始動入賞口37側)か右側(第2始動入賞口38側)に振分けて、始動入賞口ユニット101内を流下させる。入賞切替機構105は、始動入賞口ユニット101本体に対して回転軸107を中心として回動する回転部材109と、回転部材109の回転を止めるストッパ部材111を有する。回転部材109は、回転軸107から三方に延びる延在部を有する。三つの延在部は、左底部109a、右底部109b、及び、左底部109aと右底部109bに対して起立する起立部109cからなる。
(A−1)は、回転部材109が時計回り(右回り)に回動(回転)して右底部109bが、ストッパ部材111の右側上部で接して止まっている第一状態を示す。入賞切替機構105が第一状態のときに、共通入口103から入った遊技球は、左底部109aと起立部109cで画定されるL字状の収容部113に流下し、回転部材109は、遊技球の荷重によって反時計回り(左回り)に回動する。その結果、(A−2)に示すように、入賞切替機構105は、反時計回りに回動した回転部材109の左底部109aが、ストッパ部材111の左側上部で接して止まっている第二状態となる。このとき、収容部113の遊技球は、左側(第1始動入賞口37側)に流下するように振分けられる。
一方、(B−1)に示すように、入賞切替機構105が第二状態のときに、共通入口103から入った遊技球は、右底部109bと起立部109cで画定されるL字状の収容部115に流下し、回転部材109は、遊技球の荷重によって時計回りに回動する。その結果、(B−2)に示すように、入賞切替機構105は、再び時計回りに回動した回転部材109の右底部109bがストッパ部材111の右側上部で接して止まっている第一状態となる。このとき、収容部115の遊技球は、右側(第2始動入賞口38側)に流下するように振分けられる。
以上のように入賞切替機構105が動作することによって、始動入賞口ユニット101の共通入口103に入球した遊技球は、第1始動入賞口37と第2始動入賞口38に交互に入賞(入球)することになるため、普電サポート状態(時短状態又は確変状態)でない場合には、第1始動入賞口37への入賞による特図始動入賞記憶(第1始動記憶、特図1保留)と第2始動入賞口38への入賞による特図始動入賞記憶(第2始動記憶、特図2保留)が交互に発生することになる。
〔特図普段処理〕
続いて、本実施形態における特図普段処理について説明する。第1の実施の形態(図19)では、特図2保留(第2始動記憶)を優先して消化していたが、本実施形態では、入賞順に始動記憶を消化する。なお、本実施形態では、前述のように、共通入口103に入球した遊技球は入賞切替機構105によって第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に交互に入賞するように構成されている。
図70は、本発明の第4の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態と同じ処理については、同じステップ番号を付与し、説明を省略する。
遊技制御装置600は、まず、特図1保留数(第1始動記憶数)及び特図2保留数(第2始動記憶数)をチェックし(A7001)、保留数がともに0であるか否かを判定する(A7002)。さらに、特図1保留数及び特図2保留数が0の場合には(A7001の結果が「Y」)、変動表示ゲームを実行しないので、ステップA3511以降の処理(客待ちデモ)を実行する。ステップA3511以降の処理については、図19に示した通りである。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数又は特図2保留数が0でない場合には(A7002の結果が「N」)、変動順序フラグセーブ領域から次に実行される特図変動表示ゲームを特定する変動順序フラグをロードする(A7003)。そして、変動順序フラグが特図1変動表示ゲームの変動開始を示すフラグか否かをチェックし(A7004)、特図1変動表示ゲームを開始するか否かを判定する(A7005)。
遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームを実行する場合には(A7005の結果が「Y」)、特図1変動開始処理1を実行し(A3509)、特図1変動表示ゲームを実行するための特図変動中処理移行設定処理を実行する(A3510)。一方、特図1変動表示ゲームを実行しない場合(A7005の結果が「N」)、すなわち、特図2変動表示ゲームを実行する場合には、特図2変動開始処理1を実行し(A3504)、特図2変動表示ゲームを実行するための特図変動中処理移行設定処理を実行する(A3505)。特図変動中処理移行設定処理の実行後、特図普段処理を終了する。
〔画面構成〕
続いて、本実施形態の演出について説明する。図71は、本発明の第4の実施の形態の画面構成を説明する図である。
(A)に示すように、本実施形態では、第1の実施の形態と同様に、表示画面中央に3種類の識別図柄(識別情報、左図柄、中図柄、右図柄(第1〜第3図柄))が変動表示される(表示領域)。また、識別情報の背面に背景(山、図72(C)の波)やキャラクタ(太陽、図72(C)の魚)などが表示される。また、表示画面左上には、第4図柄7104が表示される。第4図柄7104は、特図変動表示ゲームが実行されている間、変動表示される。第4図柄7104の停止結果が、特図変動表示ゲームの結果(当たり又は外れ)に対応していてもよいし、特図変動表示ゲームの結果に対応せずに変動中であることを示すだけであってもよい。なお、第4図柄7104を画面上に表示せずに、センターケース等に配設されたLEDで代用するようにしてもよい。
表示画面下部には、始動記憶(保留記憶、保留表示)が表示される領域(保留表示領域)が割り当てられている。始動記憶が表示される領域には、左側に特図1保留表示領域7101、右側に特図2保留表示領域7102が配置される。特図1保留表示領域7101は、特図1保留表示部1、特図1保留表示部2、特図1保留表示部3及び特図1保留表示部4によって構成される。また、特図2保留表示領域7102は、特図2保留表示部1、特図2保留表示部2、特図2保留表示部3及び特図2保留表示部4によって構成される。それぞれの保留表示部1〜保留表示部4は「1」〜「4」の保留数を示す数字が描かれている。なお、数字は保留有りと保留無しで異ならせており、点灯の有無(保留無し(消灯)は白色で発光)での数字を読みやすくしている(消灯で線を細く、点灯で線を太くする)。
また、識別情報は表示画面の中央にだけでなく、表示画面の端部に亘って表示するようにしても良い。また、保留表示領域に識別情報やキャラクタなどを表示しても良い。また、保留表示領域は表示画面内の区切られた領域として表示されなくとも良い。すなわち、始動記憶がないときは背景を表示し、始動記憶があるときに背景の上に保留表示をするようにしても良い。
また、本実施形態では、始動入賞口に遊技球が入賞すると、特図1保留表示領域7101には左から順に(端部から中央に向かって順に)、特図2保留表示領域7102には右から順に(端部から中央に向かって順に)、対応する保留表示部が点灯する。また、変動表示ゲームを実行することで始動記憶が消化されると、対応する保留表示部が消灯する。
そして、(B)に示すように、点灯した保留表示部に対応して、表示領域の背景を覆う(隠す)ことが可能な扉(遮蔽材)7111および扉7112が表示される(保留特別演出)。さらに、扉(7111、7112)は、特図保留数の増減に伴って移動するアニメーションを行いつつ表示領域を覆う面積(分割表示領域)を増減し、視認可能な領域(背景)を縮小又は拡大させる。
すなわち、特図保留数が増えると扉(7111、7112)が増えた数に応じて閉鎖するように移動(増加)し、特図保留数が消化されると扉(7111、7112)が消化された数に応じて開放されるように移動(減少)する。したがって、始動記憶が発生すると、扉(7111、7112)が閉鎖されることによって表示画面の背景が隠され、始動記憶が消化されると、扉(7111、7112)が開放されることによって隠された背景を視認できるようになる。
なお、扉(遮蔽材)7111及び扉7112は、背景の前面側に画像で表示するようにしてもよいし、導光板などで構成され背面を視認不能とした可動役物を表示装置の前面側に配置(移動)するようにしてもよい。役物で表示画面を隠す場合には、表示装置の他にサブ表示装置を設けて、サブ表示装置に識別情報を表示するようにすれば役物で表示画面を隠しても、遊技者が識別情報を視認することが可能となる。
また、特図保留数が最大数に到達すると、背景を視認することができなくなる。本実施形態では、背景が視認できなくなっている間に、背景画像を変更するなどの演出(扉開閉演出)を実行する。図72は、本発明の第4の実施の形態の特図保留数が最大数になった場合を説明する図である。
(A)〜(B)に示すように、特図1保留数及び特図2保留数が最大数(4)に到達すると、背景が完全に隠されるように扉(7111、7112)が閉鎖される。なお、識別図柄は扉(7111、7112)の前に表示されているが、第4図柄のみを扉(7111、7112)の前に表示し、第1〜第3図柄については非表示にしてもよい。また、扉(7111、7112)が完全に閉鎖されている場合にのみ、第1〜第3図柄を非表示にするようにしてもよい。また、表示装置の他にサブ表示装置を設けて、サブ表示装置に識別情報を表示するようにしてもよい。
さらに、(C)に示すように、扉(7111、7112)が閉鎖されて視認できなかった領域(分割表示領域、背景)が特図1保留数及び特図2保留数が消化されることで再度視認できるようになった場合に、背景を変化させている。また、キャラクタを表示させたりするなどの演出を実行してもよい。そして、背景の変化や表示されるキャラクタなどで、実行中の変動表示ゲームの期待度を示唆したり、あるいは先読み結果に応じて実行前の変動表示ゲームの期待度を報知する(先読み予告、事前報知演出)。
図72では、背景が完全に隠された場合(すなわち、特図1保留数及び特図2保留数が最大数になった場合)に背景を変化させるようにしたが、背景が完全に隠された場合以外でも保留記憶が発生して背景が隠されるたびに、非表示となった背景を所定の確率で変化させるようにしてもよい。また、背景がすべて隠された場合に、先読み結果に応じて扉の色を変化させるようにしてもよい(事前報知演出)。
続いて、背景の変化による先読み予告演出(事前報知演出)の例について説明する。図73は、本発明の第4の実施の形態の先読み報知演出の一例を説明する図である。図73に示す例では、始動記憶が発生して扉(7111、7112)が移動して背景を視認できなくなると、先読み予告の対象となる保留表示の位置(扉が移動して視認できなくなった背景部分(分割表示領域)に対応する扉にキャラクタのシルエット7301が表示される。このシルエットは、扉の裏面側にキャラクタが配置されているかように表示される(特殊演出)。始動記憶が消化されて扉が開放されると、シルエット7301に代わりキャラクタ7311が背景に表示されるようになっている(特殊報知演出)。
(A)は、特図2の変動表示ゲーム中の状態である。(B)は(A)の状態中に遊技球が第1始動入賞口37への入賞し、扉7111が特図1保留表示部2の位置(分割表示領域)に移動し、特殊演出として、先読み予告の対象となっている特図1保留表示部2の位置に、キャラクタ7311のシルエット7301が表示された状態である。
その後、(C)に示すように、変動表示ゲームが終了し、特図1保留1が消化されて変動表示ゲームが開始されると、(D)に示すように、先読み対象の保留表示、扉7111及びシルエット7301が特図1保留表示部1の位置(分割表示領域)まで移動する。さらに(E)に示すように、扉7111は表示領域外まで移動して開放し、シルエット7301に代わってキャラクタ7311が表示される。
また、(F)〜(G)に示すように実行中の変動表示ゲームが終了し、他方(ここでは、特図2)の変動表示ゲームが開始されると扉7112が移動し、キャラクタ7311は先読み対象の始動記憶で実行される変動表示ゲームの信頼度に応じて表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、(G)に示すようにキャラクタ7311の王冠の色を変化させてもよいし、キャラクタ7311の服装を変更したり、ポーズを変更したりしてもよい。
続いて、先読み演出の別の例について説明する。図74は、本発明の第4の実施の形態の先読み報知演出の別の例を説明する図である。図74に示す例では、信頼度に応じて複数のキャラクタ(特殊報知演出)が登場する。なお、図73に示した例とは異なり、先読み対象の保留表示や扉が保留記憶の消化により移動してもシルエット(特殊演出)は移動しない。
(A)は、特図1保留数と特図2保留数がともに3個で変動表示ゲーム中の状態である。(B)は(A)の状態中に遊技球が第1始動入賞口37への入賞して、特図1保留数が4、特図2保留数が3の状態になり、扉7111が特図1保留表示部4の位置(分割表示領域)に移動し、先読み予告の対象となっている特図1保留表示部4の位置にキャラクタ7311のシルエット7301が表示された状態を示している。ここでは、少なくともいずれか一方の保留数が最大数(本実施形態では、それぞれ“4”)に到達すると、先読み予告が実行可能となる。(B)では、4個目の特図1保留が発生し、扉7111にキャラクタ7311のシルエット7301が表示されている。
その後、(C)に示すように変動表示ゲームが終了した後、特図1の保留記憶が消化されて変動表示ゲームが開始されると、扉7111が移動して(D)のようになり、特図1保留表示部4の位置のシルエット7301に代わってキャラクタ7311が表示される。このとき、特図1保留表示部3の位置(分割表示領域)にキャラクタのシルエット7302が新たに表示され、変動表示ゲームが終了する。
さらに、(E)に示すように、(D)から特図2保留、特図1保留の順に保留記憶が1個ずつ消化されて変動表示ゲームが開始されると、扉が移動して特図1保留表示部3の位置のシルエット7302に代わってキャラクタ7312が表示され、さらに、特図1保留表示部2の位置にキャラクタ7313のシルエット7303が新たに表示され、変動表示ゲームが終了する。
同様に、(F)に示すように、(E)から特図2保留、特図1保留の順に保留記憶が1個ずつ消化されて変動表示ゲームが開始されると、扉7111が移動して特図1保留表示部2の位置のシルエット7303に代わってキャラクタ7313が表示され、さらに、特図1保留表示部1の位置にキャラクタのシルエット7304が新たに表示され、変動表示ゲームが終了する。
なお、シルエットが表示されていても、扉が移動したときにシルエットに代わってキャラクタが登場するか否かを先読み予告の結果に応じて決定してもよい。例えば、(G)に示すように、(F)の状態から特図2保留、特図1保留の順に保留記憶が消化されて変動表示ゲームが開始され、扉7111が移動して背景を視認できるようになってもキャラクタを表示しないようにしてもよい。
また、特図保留数が最大数に到達しなくても先読み予告を実行してもよい。このとき、保留数が多いほど先読み予告の信頼度が高まるようにしてもよい。このように構成することによって、遊技者はできるだけ始動記憶を溜めるように遊技を行うため、止め打ちを防止することが可能となり、遊技機の稼働率を向上させることができる。
続いて、先読み演出実行中に始動記憶が追加された場合について説明する。図75は、本発明の第4の実施の形態の先読み報知演出の実行中に始動入賞口に遊技球が入賞した場合の一例を説明する図である。
本実施形態では、先読み予告を実行し、キャラクタが表示された後に始動入賞口に遊技球が入賞した場合に扉を中央部の方向に移動(閉鎖)させ、表示されていたキャラクタが扉に再び隠されてしまうことを防止する。図75(A)は特図1と特図2にそれぞれ保留記憶が2個あり、変動表示ゲームを行っている状態である。特図1保留2を対象にキャラクタ7311が表示されて先読み予告を実行している。(B)は、(A)の状態中に第1始動入賞口37に入賞した状態である。特図1の始動記憶が3個になり、特図1保留表示部3が点灯しているが、扉7111は特図1保留表示部3の位置(分割表示領域)に移動せず、特図1保留表示部2の位置(分割表示領域)のままであるため、表示されているキャラクタ7311を隠さない。また、扉7111が特図1保留表示部2の位置にあるので、特図1保留表示部2の始動記憶を対象に先読み予告を実行しているのが分かる。すなわち、キャラクタ(シルエット)が表示された後は始動記憶が追加されても扉を中央部の方向に移動させずに、先読み対象の特図の始動記憶が消化されるたびに、図73や図74と同様に扉が開放されるように移動制御する。このようにすれば先読み予告を実行した後に始動入賞口に遊技球が入賞しても、扉の位置で先読み対象となった保留記憶が明瞭になり、また先読み予告の報知が隠れてしまうこともない。
さらに、上述した場合以外にも、扉の移動が特図保留数と連動しないときがあってもよい。例えば、特図保留数にかかわらず、所定の条件を満たすと、一旦扉を完全に閉鎖した後に扉を開放し、閉鎖前と異なる背景を表示するようにしてもよい(保留特殊演出)。図76は、本発明の第4の実施の形態の扉を開閉する演出の一例を説明する図である。
(A)は、特図1保留数が2、特図2保留数が2で、扉(7111、7112)はそれぞれ保留表示部2まで閉まっていて、山の背景を表示し、変動表示ゲームが終了した状態を示している。そして、特図1保留表示部1の始動記憶による変動表示ゲームが実行されるまでに、(B)に示すように、扉(7111、7112)を完全に閉鎖する演出を実行する。その後、(C)に示すように、特図保留数に対応する分だけ扉(7111、7112)が開放され、海の背景を表示して、変動表示ゲームを開始する。このとき、扉(7111、7112)をすべて開放するようにしてもよいし、扉(7111、7112)をすべて開放してから特図保留数に対応する分だけ閉鎖するようにしてもよい。このように所定の条件を契機に、特図保留数とは無関係に一旦扉(遮蔽材)を閉鎖し、再び扉を開放した際には閉鎖前と異なる背景を表示することで、予告を報知しても良い。
〔タイムチャート〕
以上が本実施形態における扉開閉演出の画面構成である。続いて、扉開閉演出実行時の制御について説明する。図77及び図78は、本発明の第4の実施の形態の扉開閉演出の実行制御を示すタイムチャートである。
図77(A)は、変動表示ゲームが終了した後(時刻t11)、次の変動表示ゲームが開始されるまで(時刻t12)の間に扉を閉鎖する場合(図76)のタイムチャートである。扉の閉鎖を開始するタイミングは、特図保留数が所定数に到達した時に実行されていた変動表示ゲームが終了したタイミングであってもよいし、図75の場合における特図保留数が最大数に到達した時に実行されていた変動表示ゲームが終了したタイミングであってもよいし、特図保留数に関係なく実行中の変動表示ゲームが終了したタイミングであってもよい。扉の開放は特図保留数に連動した位置としているが、特図保留数にかかわらず全開させるようにしてもよい。
さらに、扉を閉鎖するタイミングを、先読み(事前判定)結果に基づいて決定してもよい。例えば、先読み結果に基づいて大当りの可能性が高いと判定された場合には、識別図柄が完全に停止する前から(例えば揺れ変動中から)扉の閉鎖を開始するようにしてもよい(t10)し、停止してから若干の時間が経過してから閉鎖を開始しても良い。
また、閉鎖された扉を開放するタイミングについても、先読み結果に応じて決定してもよい。例えば、大当りの可能性(期待度、信頼度)が高いほど、扉が閉鎖されている時間が長くなるようにする(時刻t12〜t15)。具体的には、期待度が最も高い場合には時刻t15のタイミングで扉を開放し、期待度が最も低い場合には次の変動表示ゲームの開始時(時刻t12)に扉を開放する。
また、扉の閉鎖は変動表示ゲームが終了した後から次の変動表示ゲームが開始されるまでの間以外のときに行ってもよい。図77(B)は、変動表示ゲームの開始タイミング(時刻t21)に扉を閉鎖する場合のタイムチャートである。この場合、扉が閉鎖された後、変動表示ゲームの実行中に所定のタイミング(例えば、t22)で再び開放されるようになっている。
なお、扉を閉鎖するタイミングは、変動表示ゲームの開始タイミングでなくてもよく、直前に実行された変動表示ゲームが完了した後、次の変動表示ゲームが開始されるまでの間(例えば、時刻t20)であってもよい。また、図77(A)の場合と同様に、閉鎖された扉を開放するタイミングについても、大当りの可能性が高いほど扉の閉鎖時間が長くなるようにしてもよい(時刻t22〜t25)。
また、扉を閉鎖するタイミングは、変動表示ゲーム中でも良い。例えば、リーチやSPリーチに移行する際に扉を閉鎖しても良い。
図78(A)は、実行中の変動表示ゲームが終了した後(時刻t31)、次の変動表示ゲームが開始されるまで(時刻t32)の間に扉の閉鎖と開放を繰り返す場合のタイムチャートである。なお、扉の閉鎖時間と開放時間は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、先読み(事前判定)結果に基づいて、変動表示ゲームの終了前又は開始後又は両方のタイミングで扉を閉鎖及び開放するようにしてもよい(図78(A)の点線部)。また、大当りの可能性に応じて扉の開閉回数(閉鎖時間、開放時間)を変更してもよい。
また、図78(B)は、実行中の変動表示ゲームが終了した後(時刻t41)、次の変動表示ゲームが開始されるまで(時刻t42)の間に扉の閉鎖と全開放を繰り返す場合のタイムチャートである。図78(A)との相違は、開放時に、保留数に対応させずに全開放させる点である。なお、演出による扉の開閉が終了すると、保留数に対応した状態に戻している。
以上のように、本発明の第4の実施の形態では、保留記憶数の増加に応じて背景を隠す遮蔽材を増加させて視認可能な表示領域を閉鎖し、その後、遮蔽材を減少させて背景を変化させる。このとき、先読み結果に応じて背景を変化させることで遊技者に期待感を抱かせて遊技の興趣を高めることができる。また、保留数が多くなるほど先読み報知が実行されやすくなるようになっているため、遊技機の稼働率を向上させることができる。
(変形例)
ここまで説明した本実施形態の演出では、特図1及び特図2の始動記憶の増加に伴って左右の扉が背景を覆うように構成されていたが、ここで異なる態様の変形例について説明する。
前述のように、第4の実施の形態では、通常遊技状態では左打ちを行うことで第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に交互に遊技球が入賞するように構成されているが、普電サポート状態では可動部材38aが開放されるため、右打ちを行うことで第2始動入賞口38のみに遊技球が入賞可能となるように構成されている。
そこで、通常遊技状態で左打ち遊技を行っている場合には左側の扉7111のみが開閉されるように制御し、普電サポート状態で右打ち遊技を行っている場合には右側の扉7112のみが開閉されるように制御する。すなわち、遊技状態に応じて一方からのみ扉が開閉されるように構成される。図79は、本発明の第4の実施の形態の変形例1における演出態様を説明する図である。
(A)は、通常遊技状態で左打ち遊技中の画面構成である。前述のように、通常遊技状態では特図1始動記憶及び特図2始動記憶が交互に発生するため、本変形例では、左から入賞順に保留表示を行う特図保留表示部7911が配置されている。この場合、表示位置で特図1の保留表示であるか特図2の保留表示であるかが分からないので表示態様を異ならせることで特図1の保留表示であるか特図2の保留表示であるかを明示する。本実施形態では特図1の保留表示は赤で、特図2の保留表示は青で表示している。このようにすれば、入賞切替機構105の不具合や通常時に可動部材38aが開放する仕様にした場合など、どちらか一方の始動入賞口に連続して入賞した場合でも、特図保留表示部に間が開く不都合なく保留を表示することが可能になる。扉は「1」の方(左側)から現れ、特図1保留数と特図2保留数がともに4個になると扉が「8」の位置(右端)まで移動するため扉が閉鎖となり、背景が見えなくなる。
(A−1)は、変動表示ゲームが終了した状態であり、「1」の位置に特図1保留1が、「3」の位置に特図1保留2が、「5」の位置に特図1保留3が赤で点灯して表示されている。「2」の位置に特図2保留1が、「4」の位置に特図2保留2が青で点灯して表示されている。また、保留数を表す数字の書体も特図2保留を斜体にして特図1保留と書体を異ならせている。なお、数字は保留有りと保留無しでも異ならせており、点灯の有無(保留無し(消灯)は白色で発光)での数字を読みやすくしている(白色で線を細く、有色で線を太くする)。扉は「5」の位置まで閉鎖されている。
(A−2)は「1」の位置の特図1保留1が消化されて、変動表示ゲームが開始し、「2」、「4」の位置の特図2の保留記憶はそれぞれ「1」、「3」に移動して青で点灯し、「3」、「5」の位置の特図1の保留記憶はそれぞれ「2」、「4」に移動して赤で点灯する。それに合わせて数字の書体も変更する。扉は「5」の位置から「4」の位置に開放するように移動して、背景の表示される領域を拡大する。
このように構成することで、始動入賞口に遊技球が入賞するたびに左から順に保留表示部が点灯し、始動記憶数の増減に対応して扉が開閉し、背景の表示領域が増減する。
(B)は、普電サポート状態で右打ち遊技中の画面構成である。普電サポート状態では、通常、第2始動入賞口38にのみ入賞するため、保留表示領域における特図1保留表示部と表示領域における扉7111を表示せず、特図2保留表示部7932は右から順に特図2保留表示部1、特図2保留表示部2、特図2保留表示部3、特図2保留表示部4が配置される。そして、第2始動入賞口38に遊技球が入賞するたびに右から順に特図2保留表示部7932が点灯し、始動記憶数の増減に対応して扉7112が開閉する。このように、普電サポート状態では特図2保留表示部7932と扉7112を大きく全画面に亘って表示する。
なお、普電サポート状態であっても第1始動入賞口37に遊技球が入賞する可能性があるため、画面左側の表示領域に特図1保留表示部7931が配置されている。なお、普電サポート状態は第1始動入賞口37に入賞することは希であるため、保留記憶がない場合の特図1保留表示部7931は表示せず、変動表示ゲームや背景の表示を阻害しないようにしている。図では4個の保留表示部が示されているが、保留記憶がないときには表示されず、保留記憶が2個のときは2個のみ表示される。
続いて、別の変形例について説明する。図80は、本発明の第4の実施の形態の変形例2における演出態様を説明する図である。前述した実施形態の演出態様では、遊技球が始動入賞口に入賞するたびに扉が閉鎖される(端部から中央に向かって移動する)ようになっていたが、本変形例では、(B)に示すように、遊技球が始動入賞口に入賞するたびに扉が開放される(中央から端部に向かって移動する)ように制御される。すなわち、(A)に示すように、特図保留数が0の場合には扉が背景をすべて隠すように閉鎖された状態となっており、(C)に示すように、特図保留数が最大数(上限数)になると背景がすべて表示される。
図80を参照すると、図71と同様に、左側に特図1保留表示領域8001、右側に特図2保留表示領域8002が配置される。一方、特図1保留表示部8001及び特図2保留表示部8002の配置が中央側から端部に向かって順に「1」「2」「3」「4」で、図71とは逆順となっている点で図71の構成とは異なっている。
このように構成し、背景全体を視認することで特別な画像を参照できるようにすることによって、遊技者が特図保留を最大まで溜めるように促すことができる。例えば、特図保留数が最大値に到達した場合に限り、具体的には、画面の左右両端に、実行中の保留の期待度や先読み演出、潜伏状態における確率報知などを行うと効果的である。このように、特図保留数が多くなるほど視認可能な背景の領域を増やし、有用な遊技情報を表示することによって、遊技者が止め打ちすることを防止することが可能となり、遊技機の稼働率を向上させ、また遊技の興趣を高めることができる。また、本実施形態で示した発明は、可能な限り組み合わせて実施してもよい。例えば図73と図74を組み合わせることは可能であるし、図73や図74と図80を組み合わせることも可能である。
なお、上記実施形態では特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時に、大当り乱数値などの乱数値を抽出し始動記憶保留手段に記憶したが、抽出した乱数値に基づいた値(例えば当たりか外れかを示す値)や始動入賞球の検出に基づいたデータ(例えば第1始動入賞口37への入賞によるものなのか第2始動入賞口38への入賞によるものなのかを示すフラグ)などの情報も記憶し、それらの情報に基づいて遊技や演出などにかかる判定や進行などを行ってもよい。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。