以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指し、前後とは、遊技者側の遊技盤の正面を前方とし遊技盤の裏側を後方とするものである。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図4参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED(発光ダイオード:光源)等によって構成された枠装飾装置21(図5参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図5参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図5参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図4参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチによって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図4参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図4参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15(ハンドル)とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
球発射装置は、遊技者による操作部15の操作に対応して、第1の発射勢で遊技球を発射する第1発射態様と、第1の発射勢とは異なる第2の発射勢で遊技球を発射する第2発射態様と、で発射可能である。例えば、第1発射態様は、左打ちと右打ちのうちの一方であり、第2発射態様は、左打ちと右打ちのうちの他方である。左打ち、右打ちとは、それぞれ、遊技領域31(図2参照)の左側、右側において遊技球を流下させる態様である。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。また、選択ボタン29が演出ボタン17の横に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(装飾表示装置、変動表示手段)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変遊技状態(高確率状態、確率変動状態)、変動時間の短縮機能が作動して特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短遊技状態(時短状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。確変遊技状態と時短遊技状態が重複して生じることもある。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態ともいう。なお、潜伏確変状態以外の確変遊技状態や、時短遊技状態では、後述の普電サポートが実行され得る。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤構成〕
図2、図3は、各々センターケース(前面構成部材)34を取り付けた状態の遊技盤30の正面図と斜視図である。
遊技盤30は、プラスチック等からなる矩形状の遊技板32(遊技盤本体)の表面に、金属製のガイドレール32aや導電性樹脂製の区画部材32bを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。遊技板32は、例えば、後方が透けて見える透明部材である。遊技板32と、遊技領域31を区画するガイドレール32a及び区画部材32bとによって、遊技盤本体部が構成される。
遊技領域31には、開口部(表示窓部)34aを有するセンターケース(前面構成部材)34が配設される。遊技板32にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成されており、センターケース34はその開口に前方から嵌装される。
遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)(図示省略)が配設され、この演出装置ユニットの裏側には、変動表示装置としての変動表示装置35と、変動表示装置35に表示される演出等を制御する演出制御装置700(図5)と、を備える。
変動表示装置35(表示装置)は、複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)を表示可能な表示部35a(表示領域)を有する。センターケース34の開口部34a(表示窓部)は、変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部34aを介して視認可能となっている。
変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(飾り特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示できる。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域)を設定して、変動表示ゲームにおいて各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
センターケース34の右側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。図2の遊技盤30では、遊技領域31の右側において遊技球を流下させる右打ち時に、遊技球は普通図柄始動ゲート36を通過できる。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース34の左下方の遊技領域31には3つの一般入賞口40が配置されており、センターケース34の右下方の遊技領域31には一つの一般入賞口40が配置されている。
センターケース34の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域、第1始動口)37が設けられる。センターケース34の右下側且つ普図始動ゲート36の下方の遊技領域31には、第2始動入賞口(第2始動入賞領域、第2始動口)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して、遊技球が流入し易い状態に変換するアタッカ形式の開閉部材38a(開閉扉)を備える。さらに、センターケース34の左上部には、もう一つの第2始動入賞口(第2始動入賞領域)39が設けられる。遊技球が第1始動入賞口37、又は、二つの第2始動入賞口38、39に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。図2の遊技盤30では、左打ち時に遊技球は第1始動入賞口37、第2始動入賞口39に入賞し易くなり、右打ち時に、遊技球は第2始動入賞口38に入賞可能となる。
第2始動入賞口38の開閉部材38aは、通常時は閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。開閉部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。なお、第2始動入賞口39は、第2始動入賞口38と異なり開閉部材38aがなく、常に入賞可能である。
開閉部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド27(図4参照)を介して開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38、39に遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38、39が当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。なお、第1始動入賞口37と第2始動入賞口38、39は、障害釘で入球の調整ができる。
なお、開閉部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、確変遊技状態や時短遊技状態においては、通常遊技状態に比べて第2始動入賞口38への入賞容易状態(開状態)の発生頻度を高めたり、入賞容易状態(開状態、入球容易状態)の発生時間を長くしたりする普電サポートを実行する。普電サポートが実行される状態を普電サポート状態と呼ぶ。
第1始動入賞口37の右上の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28a(図4参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口(入賞領域)を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、入賞領域としての第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として複数の右カウントスイッチ605a〜605m(図4参照)が配設されている。
また、センターケース34の左上の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28b(図4参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第2大入賞口(入賞領域)を開放するアタッカ形式の開閉扉42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、入賞領域としての第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として左カウントスイッチ606(図4参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、39、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出ユニット642から上皿11aに排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口40(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
なお、第1始動入賞口37の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
センターケース34には、ステージ部101が、開口部34aの下方に位置して設けられる。ステージ部101は、第1始動入賞口37の上側で、変動表示装置35より前方(遊技者側)に位置する。ステージ部101には、遊技領域31からの遊技球が所定の流路(ワープ流路)を通って流入する。センターケース34の左部には、所定の流路(ワープ流路)への入口103が設けられる。
ステージ部101は、第1始動入賞口37の上部へ遊技球が流下しやすいように、遊技球が転動できるように構成されている。ステージ部101は、遊技領域31から流入した遊技球が転動する転動面101aと、転動面101aから遊技球を第1始動入賞口37の直上に落下させる中央の凹部101bを有する。転動面101aは、全体として略凹状に窪んでいるが中央で若干盛り上がっており、盛り上がりの中央付近に中央の凹部101bが設けられる。遊技球は、左右に転動面101a上を転動しつつ、中央の凹部101bから落下するか、転動面101a上に設けた左右の凹部101c、101dから零れ落ちる。中央の凹部101bから落下した遊技球は、遊技領域31を通過して、ほとんどが第1始動入賞口37に入ることになる。
遊技球転動部材120は、ステージ部101の後方(遊技者側と反対側)且つ変動表示装置35の前方に設けられる部材である。第1特別変動入賞装置41から球流下路を通して排出された遊技球、及び、第2始動入賞口39又は第2特別変動入賞装置42から球流下路を通して排出された遊技球は、遊技球転動部材120に流入して、遊技球転動部材120内部に形成された転動通路(遊技球転動領域)122において転動する。転動通路122は遊技球転動部材120の上部に形成されている。転動通路122は、ステージ部101によって前方から隠れておらず(遮蔽されておらず)、且つ、遊技球転動部材120の上部(上側)と前部(前側)が透明なカバー部123になっていることから、転動通路122を転動する遊技球は前方から視認可能であり遊技の興趣が高まる。このように、転動通路122は、遊技球を遊技者に見せる球見せ部として機能する。
可動役物ユニット130は、第2特別変動入賞装置42からの球流下路より前方で且つ第2始動入賞口39より略後方に設けられるユニットである。可動役物ユニット130は、人形の形をした可動部材(可動役物)132と、可動部材132が移動するためのレール状の案内部材133を備える。第2始動入賞口39からの遊技球も球流下路に排出され、遊技球転動部材120の転動通路122に流入するが、この際に遊技球が可動部材132に結合する可動片131を押して、可動部材132は案内部材133に沿って移動する。センターケース34の開口部34a(表示窓部)は略長方形であるが、可動部材132は、初期位置において、開口部34aの短辺側(ここでは左側)の脇に配置されている。
遊技盤30の上部には、7セグメント型の大きな表示器300が設けられる。表示器300は、LEDランプ等の光源を有する。表示器300は、例えば、特図変動表示ゲームの確変大当りが所定回数のセットになっているセットタイプの場合(特図変動表示ゲームの大当り終了後の確変遊技状態への確変突入率が100%で、所定回数の確変遊技状態の発生後に確変突入率が0%になる場合)には、残りの確変大当りの回数を表示するものであるが、他の情報を表示するものでもよい。表示器300は、情報を表示する以外にも、発光の態様を種々に変化させて演出を行うこともできる。
また、遊技領域31の外側であって遊技板32の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、球発射ユニットから遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、39、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、39、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット642を介して上皿11aに排出される。
普図始動ゲート36は、当該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図4参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート36通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド27(図4参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38、39への入賞は、第1始動口スイッチ601(図4参照)と第2始動口スイッチ602a、602b(図4参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38、39に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、変動表示ゲームの実行に関する遊技情報となり、遊技制御装置600(始動記憶保留手段)の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部54や特図2保留表示部55に表示されるとともに、変動表示装置35の表示部35aにも表示できる。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38、39への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(飾り特別図柄:例えば、数字、記号、キャラクタ図柄(キャラクタ)など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)が実行される。なお、特図1表示器51及び特図2表示器52を総称して特別図柄表示装置と呼ぶ場合がある。
変動表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)で順次又は同時に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している3つの飾り特別図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35等では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38、39への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、変動表示装置35等の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置41や第2特別変動入賞装置42に設けられた大入賞口ソレノイド28a及び大入賞口ソレノイド28b(図4参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。なお、特別遊技状態において、大当りのラウンド数に応じて決定される第1特別変動入賞装置41と第2特別変動入賞装置42の一方のみが動作してもよいし、両方が交互に動作してもよい。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
変動表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38、39)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶、保留記憶)が遊技制御装置600(図4参照)のRAMに記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38、39)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔遊技制御装置〕
次に、図4を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図4に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600は、遊技制御手段を構成する。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(指令情報又はコマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621(621a、621b)及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621aには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602a、602b、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及び右カウントスイッチ605a〜605mが接続される。また、近接I/F621bには、左カウントスイッチ606が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602aは、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチであり、第2始動口スイッチ602bは、遊技球が第2始動入賞口39に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
右カウントスイッチ605a〜605m及び左カウントスイッチ606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。右カウントスイッチ605a〜605m及び左カウントスイッチ606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621aと近接I/F621bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F621aの入力端子数が限られているためである。近接I/F621bは不足する入力端子数に応じて近接I/F621aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F621aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F621bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604などを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602a、602bの検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602a、602bとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602a、602bからの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図変動表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28a、28b、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602a、602bからの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド(変動パターンコマンドを含む)、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド(遊技状態を示すコマンド)、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28a、28b及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置42の開閉扉42a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容されるように、開閉部材38aを回動させ開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602a、602b、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、右カウントスイッチ605a〜605m、及び左カウントスイッチ606からの信号や、大入賞口ソレノイド28a、28b及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830を備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
〔演出制御装置〕
図5を参照して、遊技機1に備えられる演出制御装置700について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図5に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)、への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35等の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35等に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35などの表示装置を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、さらに、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600が、遊技用マイコン611によって実行するメイン処理について説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図7は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。なお、遊技制御装置600(遊技用マイコン611)が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(A1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A1003)。さらに、入力ポート623の状態を読み込み(A1004)、割込み処理のモードを設定する(A1005)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(A1006)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置600が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置600)の起動を遅らせて従属制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(A1007〜A1011)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(A1007)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1008)。そして、A1007の処理で設定したチェック回数分だけA1008の判定を繰り返す(A1009)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(A1009の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊技制御装置600が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなしている。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1010)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(A1011)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(A1011の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、A1007の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(A1011の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A1012)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A1013)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(A1014)。本実施形態では、遊技制御装置600は、演出制御装置700との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A1015)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変遊技状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A1015の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A1016、A1017)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。A1016の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、A1017の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(A1016、A1017の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A1018)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(A1019)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(A1016又はA1017の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とA1018の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、図7のA1040からA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1020)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A1021)。高確率でないと判定された場合には(A1021の結果が「N」)、A1024以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A1021の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A1022)。続いて、一括表示装置50に設けられる第3遊技状態表示部59のLEDをオン(点灯)に設定する(A1023)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(A1024)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(A1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(A1041)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(A1042)。さらに、電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(A1043)、A1025以降の処理を実行する。
なお、A1024で送信される停電復旧時のコマンド及びA1043で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、A1024又はA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(A1026)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行うようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A1027)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(A1028)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(A1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A1031の結果が「N」)、A1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、A1029からA1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(A1029)の前に割り込みを許可(A1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(A1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(A1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(A1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(A1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(A1033〜A1039)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(A1033)、全出力ポートをオフに設定する(A1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(A1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(A1036)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A1501)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでA1501の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1502)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602a、602b、普図のゲートスイッチ603、右カウントスイッチ605a〜605m、左カウントスイッチ606などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(A1503)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28a、28b、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(A1504)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A1505)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A1506)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A1507)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602a、602b、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、右カウントスイッチ605a〜605m、左カウントスイッチ606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1508)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図9にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1509)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A1510)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(A1511)。さらに、電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(A1512)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A1513)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(A1514)。その後、A1501の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A1515)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A1516)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図8)における特図ゲーム処理(A1508)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602a、602bによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。特図ゲーム処理を実行する遊技制御装置600は、特図制御手段を構成する。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602a、602bの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A2001)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、39に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2002)。大入賞口スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置42内に設けられた左カウントスイッチ606及び第1特別変動入賞装置41内に設けられた右カウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(A2003)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A2004)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、A2004の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A2004の結果が「N」)、A2016以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A2004の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2005)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2006)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A2007)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A2008)。ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの進行状態を示し、0〜6の7段階で特図変動表示ゲームの進行状態を示す。あるゲーム処理番号に対応する処理が終了すると、ゲーム処理番号は次の番号などに変えられる。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A2008の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A2009)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A2008の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A2010)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A2008の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A2011)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A2008の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2012)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A2008の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(A2013)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A2008の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A2014)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A2008の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A2015)。大当り終了処理は、A2009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A2016)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(A2017)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A2018)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(A2019)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図9)における始動口スイッチ監視処理(A2001)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A2501)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38、39に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2502)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普電、普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2503)。普通電動役物が作動中である場合には(A2503の結果が「Y」)、A2505以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(A2503の結果が「N」)、普電不正入賞が発生しているか否かを判定する(A2504)。
普電不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が第2始動入賞口38に入賞した場合(閉状態で第2始動口スイッチ602aが遊技球を検出した場合)には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。A2504の処理では、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値、例えば5個)以上であるかを判定している。
遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生している場合には(A2504の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生していない場合には(A2504の結果が「N」)、第2始動入賞口38、39(始動口2)による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A2505)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2506)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図10)における特図始動口スイッチ共通処理(A2502、A2506)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38、39に遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602a、602bから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602a、602bのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(A3001)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A3001の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A3001の結果が「Y」)、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否か、すなわち、乱数が抽出されているか否かを判定する(A3002)。乱数が抽出されていない場合には(A3002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
遊技制御装置600は、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(A3002の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A3003)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A3004)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(A3005)。そして、ロードした値に1加算して更新し(A3006)、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(A3007)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A3007の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A3008)。
遊技制御装置600は、A3008の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A3007の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(A3009)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(A3009の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(A3010)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(A3011)。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。このとき、飾り特図保留数コマンドに新たに生成された始動記憶に対応する先読み結果を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、飾り特図保留数コマンドのACTION部に先読み結果を示す値を加算するようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(A3012)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A3013)。そして、A3004の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(A3014)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(A3015)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(A3016)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする(A3017)。具体的には、変動パターン乱数1〜3を抽出し、それぞれ対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、A3016の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(A3018)。特図保留情報判定処理の詳細については、図12にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A3009の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(A3019)、コマンド設定処理を実行する(A3020)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図11)における特図保留情報判定処理(A3018)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かを判定する(A3101)。先読み演出の実行条件は、例えば、遊技球が第1始動入賞口37に入賞した場合には、普電サポートなし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口38、39に入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。通常遊技状態の場合には、また、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(A3101の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(A3101の結果が「Y」)、新たに記憶された始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3102)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、A3102の大当り判定処理による判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3103)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A3103の結果が「N」)、停止図柄パターンとして、はずれ停止図柄パターンを設定する(A3106)。そして、A3107以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A3103の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(A3104)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り停止図柄パターンが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、A3104の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り停止図柄パターンを取得し、設定する(A3105)。
続いて、遊技制御装置600は、A3105の処理で設定した大当り停止図柄パターン又はA3106の処理で設定したはずれ停止図柄パターンを先読み停止図柄停止パターン領域にセーブする(A3107)。さらに、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(A3108)、コマンド設定処理を実行する(A3109)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A3110)。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定するために、監視対象の始動口に対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(A3111)、変動パターン全体を設定するための変動パターン設定処理を実行する(A3112)。なお、変動パターン設定処理は、後述の図16と同様に行われる。なお、特図変動表示ゲームの結果ごとに変動パターン設定処理を定義し、対象の特図変動表示ゲームの結果に応じて対応する変動パターン設定処理を実行するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置600は、変動パターン設定処理で設定された前半変動番号及び後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(A3113)、コマンド設定処理を実行する(A3114)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、特図保留情報判定処理では、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームを実行する前に、特図変動表示ゲームの結果を取得し、演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。なお、遊技制御装置600と演出制御装置700を合わせて、事前判定手段としてもよい。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図9)における特図普段処理(A2809)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3501)。さらに、特図2保留数が0の場合に(A3501の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(A3506)。このように、特図2保留数のチェック(A3501)を、特図1保留数のチェック(A3506)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合に(A3501の結果が「N」)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A3502)、コマンド設定処理を実行する(A3503)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理を実行する(A3504)。特図2変動開始処理の詳細については、図20にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(A3505)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図2)の詳細については、図49にて後述する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合に(A3506の結果が「N」)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A3507)、コマンド設定処理を実行する(A3508)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図1変動開始処理を実行する(A3509)。特図1変動開始処理の詳細については、図14にて後述する。なお、飾り特図保留数コマンドは、保留数が変化した場合のみに演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(A3510)、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(A3506の結果が「Y」)、既に、変動表示装置35が客待ちデモ画面を表示する客待ちデモが開始されているか否かを判定する(A3511)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(A3511の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをオンに設定してセーブする(A3512)。続いて、遊技機1を客待ちデモ状態へ移行させる制御を開始可能とする客待ちデモ開始情報として、客待ちデモコマンドを準備し(A3513)、コマンド設定処理を実行して客待ちデモコマンドを送信する(A3514)。
このように、特図変動表示ゲームが実行中でなく、保留数が0であることが、客待ち状態(客待ちデモ状態)への移行条件であり、この移行条件(所定条件)が成立すると、移行処理(A3512−A3514)によって変動表示装置35における客待ちデモが開始される。なお、特図普段処理が行われている場合には、特図変動表示ゲームは実行中でない。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合に(A3506の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、A3515以降の処理を実行する。
最後に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(A3515)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に対応する処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図13)における特図1変動開始処理(A3509)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置600は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(A3701)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(A3702)を行う。
次に、遊技制御装置600は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(A3703)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A3704)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3705)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A3706)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A3707)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14)における大当りフラグ1設定処理(A3702)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3801)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備する(A3802)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(A3803)を行う。
そして、遊技制御装置600は、大当り判定処理(A3803)の判定結果が大当りである場合(A3804の結果が「Y」)に、A3801にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3805)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3803)の判定結果が大当りでない場合(A3804の結果が「N」)に、大当りフラグ1にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14)における変動パターン設定処理(A3706)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4101)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(A4102)。そして、演出モード番号が2未満(0又は1の何れか)であるかを判定する(A4103)。演出モード番号が2未満でない場合(A4103の結果が「N」)は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(A4104)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A4104の結果が「N」)は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A4107)。
一方、演出モード番号が2未満である場合(A4103の結果が「Y」)や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合(A4104の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、A4102で準備したテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(A4105)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(A4106)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A4107)。
演出モード番号が2未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合に、遊技制御装置600は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、2バイト振分処理(A4108)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A4109)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(A4110)。そして、振り分け処理(A4111)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4112)。この処理により、後半変動番号に対応する後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置600は、前半変動グループテーブルを設定し(A4113)、変動振分情報1と2(決定された後半変動番号を含む)を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4114)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A4115)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(A4116)。その後、振り分け処理(A4117)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(A4118)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動番号に対応する前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図16)における2バイト振り分け処理(A4108)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置600は、まず、変動パターン設定処理にて準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(A4201)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4202の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4207)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4202の結果が「N」)に、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4203)。
続けて、遊技制御装置600は、A4107にてロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からA4203にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4204)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4205)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4205の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4206)、処理をA4203に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、A4203にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A4205にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A4204)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4205)。
上記の処理をA4205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4205の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、A4205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4205の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4207)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図16)における振り分け処理(A4111、A4117)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置600は、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(A4301)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4302の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4307)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4302の結果が「N」)に、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4303)。
続けて、遊技制御装置600は、A4110やA4116にてロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からA4303にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(A4304)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4305の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4306)、処理をA4303に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、遊技制御装置600は、A4303にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A4305にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A4304)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4305)。上記の処理をA4305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4305の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、A4305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4305の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4307)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14)における変動開始情報設定処理(A3707)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A4401)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4402)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4403)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4404)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4405)。
そして、遊技制御装置600は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4406)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4407)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4408)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(A4409)、コマンド設定処理を行う(A4410)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(A4411)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定して(A4412)、乱数格納領域をシフトし(A4413)、シフト後の空き領域を0クリアする(A4414)。
その後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の延長に関する処理として、まず、停止延長情報領域をクリアする(A4415)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであり(A4416の結果が「Y」)、演出モード番号が2であり(A4417の結果が「Y」)、当該演出モードでの残り回転数(ゲーム数)が1である場合(A4418の結果が「Y」)は、特図高確率(高確率状態)中であるかを判定する(A4419)。
特図高確率中でない場合(A4419の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、停止延長情報1を停止延長情報領域にセーブし(A4420)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(A4422)、コマンド設定処理(A4423)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間(通常停止時間)よりも延長された特図延長表示時間1(第1延長停止時間)に設定される。また、特図高確率中である場合(A4419の結果が「Y」)に、停止延長情報2を停止延長情報領域にセーブし(A4421)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(A4422)、コマンド設定処理(A4423)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間よりも延長された特図延長表示時間2(第2延長停止時間)に設定される。
一方、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A4416の結果が「N」)や、演出モード番号が2でない場合(A4417の結果が「N」)、演出モード2での残り回転数(ゲーム数)が1でない場合(A4418の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、変動開始情報設定処理を終了する。この場合は停止時間の延長が設定されず通常停止時間が設定される。このように特図変動表示ゲームの停止時間は、当該特図変動表示ゲームの結果や特定回転数であるか否か、演出モードの状態に基づき、当該特図変動表示ゲームの開始時に設定が行われるようになっている。これにより、例えば変動時間と停止時間とで連続する演出を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置600が、始動記憶手段(保留記憶手段、ここでは遊技制御装置600)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置600が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置700に送信され、演出制御装置700では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図13)における特図2変動開始処理(A3504)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図14に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置600は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(A4501)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(A4502)を行う。
次に、遊技制御装置600は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(A4503)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A4504)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A4505)。その後、第2特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A4506、図16参照)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A4507、図19参照)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、前述した特図2変動開始処理(図20)における大当りフラグ2設定処理(A4502)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図15に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A4601)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備する(A4602)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(A4603)を行う。
そして、大当り判定処理(A4603)の判定結果が大当りである場合(A4604の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、A4601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A4605)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A4603)の判定結果が大当りでない場合(A4604の結果が「N」)に、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。
〔変動パターンの内容〕
上述のように設定される変動パターンの内容について、図22(A)及び図22(B)を参照して説明する。図22(A)は、はずれ時の変動パターンの一例を示すはずれ変動パターンテーブルである。図22(B)は、大当り時の変動パターンの一例を示す大当り変動パターンテーブルである。なお、遊技機1は、図22(A)及び図22(B)の変動パターン以外にも、各種遊技状態(時短状態等)に対応する変動パターンを設定可能に構成されている。
特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には、変動パターンは、図22(A)のはずれ変動パターンテーブルに基づいて、リーチなし変動(変動パターン1)、ノーマル(N)リーチ変動(変動パターン2)、変動時間の異なるスペシャル(SP)1リーチ変動(変動パターン3〜5)、変動時間の異なるスペシャル(SP)2リーチ変動(変動パターン6〜8)、及び変動時間の異なるスペシャル(SP)3リーチ変動(変動パターン9〜11)の中から1つの変動パターンに設定される。はずれ変動パターンテーブルでは、リーチなし変動、ノーマルリーチ変動、SP1リーチ変動、SP2リーチ変動、SP3リーチ変動の順番で、選択率が低くなるとともに変動時間が長くなる傾向にある。従って、リーチなし、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチの順番で、リーチ系統の大当りの期待度が高くなる(はずれの期待度が低くなる)。
ここでリーチ状態(単にリーチとも呼ぶ)とは、飾り特図変動表示ゲームにおいて、複数の識別情報(特別図柄)のうち既に導出表示されている識別情報の表示結果が飾り特図変動表示ゲームの特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。本実施形態では、リーチ状態は、特に、複数の識別情報が特別結果態様を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動している状態である。また、リーチ系統情報は、リーチなし、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ(スーパーリーチ)、プレミアムリーチなどのリーチ系統を示す情報である。
なお、演出制御装置700は、設定された変動時間において疑似連続(予告)演出やステップアップ(予告)演出を行うために割り当てられている時間中に、疑似連続演出やステップアップ演出を実行するが、疑似連続演出の代わりに別の演出(ムービー予告等)を実行するようにしてもよい。
変動パターン6、9では、複数段階に設定された演出を下位の段階(ステップ)から所定の段階(ステップ)まで順次実行するステップアップ演出を実行する。なお、本実施形態では、遊技制御装置600がステップアップ演出(後述の先読みステップアップ演出を含んでよい)を実施可能であるか否かだけを指定して、演出制御装置700がステップアップ演出のステップ数(何段階まで実行するかを示す)を指定するが、遊技制御装置600がステップ数を指定してもよい。
変動パターン4、5、7、8、10、11では、1つの始動記憶を使用して実行される1回の特図変動表示ゲーム中において、変動表示装置35に変動表示される飾り図柄(識別図柄、識別情報)を特別結果態様以外の停止態様で疑似的に停止(仮停止)させて複数回の変動表示ゲームが連続して行われているかのような疑似連続演出を実行する。疑似連続演出では、飾り図柄の停止(仮停止)を伴う疑似変動表示ゲーム(疑似変動)が所定回数連続して行われる。変動パターン4、5、7、8、10、11における疑似連続回数は1回の特図変動表示ゲーム中における疑似変動表示ゲームの回数であり、変動パターン4、7、10では疑似連続回数が2回に設定され、変動パターン5、8、11では疑似連続回数が3回に設定される。
なお、疑似連続演出を実行しない変動パターンでは、飾り図柄は変動開始してから所定時間経過後に仮停止することなく停止(本停止)するが、仮停止した直後に本停止するようにしてもよい。
一方、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、変動パターンは、図22(B)の大当り変動パターンテーブルに基づいて、ノーマルリーチ変動(変動パターン2)、変動時間の異なるSP1リーチ変動(変動パターン3〜5)、変動時間の異なるSP2リーチ変動(変動パターン6〜8)、変動時間の異なるSP3リーチ変動(変動パターン9〜11)、及びプレミアムリーチ変動(変動パターン12)の中から1つの変動パターンに設定される。
大当り変動パターンテーブルでは、ノーマルリーチ変動、SP1リーチ変動、SP2リーチ変動、SP3リーチ変動の順番で、選択率が高くなるように設定されている。従って、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチの順番で、リーチ系統の大当りの期待度が高くなる。なお、プレミアムリーチ変動は大当りとなる期待度が非常に高いものであるため、プレミアムリーチ変動の選択率は最も低くなるように設定される。また、変動時間は、ノーマルリーチ変動、SP1リーチ変動、SP2リーチ変動、SP3リーチ変動、プレミアムリーチ変動の順番で長くなる傾向にある。大当りの期待度は、その変動パターン(リーチ変動)が選択された場合に大当りになる確率に相当し、例えば、大当りの場合におけるその変動パターンの出現率を、大当りの場合とはずれの場合を含めた全体の出現率で割ったものに相当する。
変動パターン3、6、9では、ステップアップ演出が実行される。変動パターン4、5、7、8、10〜12では、疑似連続演出が実行される。変動パターン4、7、10では疑似連続回数が2回に設定され、変動パターン5、8、11では疑似連続回数が3回に設定される。プレミアムリーチ変動を伴う変動パターン12では、疑似連続回数が4回に設定される。このように、遊技機1は、疑似変動表示ゲームの実行回数が増加するほど、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度(特別遊技状態が発生する期待度)が高くなるように構成されている。
なお、遊技機1では、遊技制御装置600が変動パターンの種類に応じて変動時間や対応リーチ種類、疑似連続回数を指定するようにしてもよいし、遊技制御装置600が変動パターンの種類に応じて変動時間だけを指定して演出制御装置700が対応するリーチ種類、疑似連続回数を指定するようにしてもよい。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理(1stメイン処理)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。なお、演出制御装置700が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(B1002)、CPU初期化処理を実行する(B1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(B1004)、乱数初期化処理を実行する(B1005)。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(B1006)、割込みを許可する(B1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(B1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(B1009)。さらに、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(B1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(B1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(B1010)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(B1012)。1stシーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。1stシーン制御処理については、図24にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(B1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンド(演出コマンド等)を編集する演出コマンド編集処理を実行する(B1014)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B1015)。また、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(B1016)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(B1017)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(B1018)、B1008の処理に戻る。以降、B1008からB1018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図23)における1stシーン制御処理(B1012)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(B1101)。テスト中モードの場合には(B1101の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(B1101の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(B1102)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(B1102の結果が「N」)、B1107以降の処理を実行する。シーン変更コマンドとは、後述のB1108からB1116の処理に対応するコマンドであり、例えば、「電源投入コマンド」「停電復旧コマンド」などである。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(B1103)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(B1104)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(B1104の結果が「N」)、B1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(B1104の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブする(B1105)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(B1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(B1111)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したシーン変更コマンドの識別子に応じた処理を実行する(B1107)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「電源投入コマンド」を示す場合には、電源投入処理を実行する(B1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「停電復旧コマンド」を示す場合には、停電復旧処理を実行する(B1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「客待ちデモコマンド」を示す場合には、客待ち処理を実行する(B1110)。客待ち処理では、客待ちデモコマンド(A3514)を受信してから所定時間経過した場合に客待ち用画面を表示する制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「変動パターンコマンド」(変動コマンド)を示す場合には、変動中処理を実行する(B1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを変動表示装置35で表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図25にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「図柄停止コマンド」を示す場合には、図柄停止処理を実行する(B1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「ファンファーレコマンド」を示す場合には、ファンファーレ処理を実行する(B1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「大入開放n回目コマンド」を示す場合には、ラウンド中処理を実行する(B1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「インターバルコマンド」を示す場合には、インターバル処理を実行する(B1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「エンディングコマンド」を示す場合には、エンディング処理を実行する(B1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(B1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、飾り特図保留数コマンドを受信する保留数コマンド受信処理を実行する(B1118)。飾り特図保留数コマンド(特図保留数コマンド)は、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド受信処理を実行する(B1119)。先読みコマンド受信処理は、先読みコマンド(事前判定コマンドとも呼ばれる)に基づいて、保留先読み予告(保留表示演出)等の先読み演出を設定する処理である。先読みコマンド受信処理において、主制御用マイコン710は、先読みコマンド(事前判定コマンド)として、先読み図柄コマンド(事前演出図柄コマンド)と先読み変動パターンコマンド(事前演出コマンド)を受信し、受信した先読みコマンドの内容を先読み情報として対応する始動記憶領域(RAM711の一部)にセーブする。主制御用マイコン710は、先読み情報として、先読み図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得し、先読み変動パターンコマンドから変動パターンの情報(当該始動記憶の変動時間、リーチ系統情報、ステップアップ演出実行の不可、疑似連続回数M1等の情報)を取得する。主制御用マイコン710は、図柄情報から当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれであるか大当りであるかを判定し、さらに、先読み情報(はずれ/大当りの判定結果の情報とリーチ系統情報)に基づいて、先読み演出に関する演出情報を始動記憶領域に設定する。ここで、先読み演出は、先読み情報に基づく演出であり、先読み予告演出(保留先読み予告、連続予告演出を含む)やその他の演出を含む。先読み予告演出には、始動記憶に係る変動表示ゲームの実行中に行われる予告演出として、リーチ演出、ステップアップ演出(ステップアップ予告)、疑似連続演出(疑似連続予告)なども含めてもよい。なお、リーチ系統情報は、リーチなし、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ(、SP3リーチ、プレミアムリーチなどのリーチ系統を示す情報である。このように、演出制御装置700は、始動記憶手段(保留記憶手段)、事前判定手段、及び、事前報知手段として機能する。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(B1120)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔変動中処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図24)における変動中処理(B1111)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、B1106の演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(B1201)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(B1201の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、演出ボタン17(PB、プッシュボタン)の情報をクリアする(B1202)。演出ボタン情報は、演出ボタン17によって演出ボタンSW751を介して入力された入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(B1203)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明9や電動役物(可動役物)の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動回数を管理する変動回数管理処理を行う(B1204)。その後、主制御用マイコン710は、飾り特図変動表示ゲームの変動表示の変動パターンや、変動表示の実行中(変動中)の演出の詳細等について設定する変動パターン情報設定処理を実行する(B1205)。次に、主制御用マイコン710は、ステップアップ演出の設定処理を行う(B1206)。ステップアップ演出は、複数段階に設定された演出を下位の段階から所定の段階まで順次実行する一連の演出である。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(B1207)。続いて、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理で設定した情報に対応して、変動表示装置35で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間などを管理するシーンシーケンステーブルを設定する(B1208)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。乱数シード初期化処理は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する処理である。続いて、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグをクリアする(B1209)。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合(シーン変更コマンドを受信していないような場合)には(B1201の結果が「N」)、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(B1210)。
主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップした場合には(B1210の結果が「Y」)、現在、最終シーンであるか否かを判定する(B1211)。最終シーンである場合に、変動表示ゲームの終了を設定し(B1212)、最終シーンでない場合に、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(B1213)。主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップしていない場合には(B1210の結果が「N」)、今回の変動中処理を終了する。
〔2ndメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置700によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図26は、本発明の実施の形態の演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行されるメイン処理(2ndメイン処理)の手順を示すフローチャートである。2ndCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、まず、CPU初期化処理を実行する(B1301)。そして、作業領域であるRAM721を0クリアして(B1302)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM721に設定する(B1303)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(B1304)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(B1305)。
さらに、映像制御用マイコン720は、各種制御処理の初期化処理を実行する(B1306)。各種制御処理の初期化処理では、後述する各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、変動表示装置35に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、変動表示装置35の画面描画を許可する(B1307)。
次に、映像制御用マイコン720は、VDP730の描画を制御するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(B1308)を行う。ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(B1309の結果が「N」)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、B1309の処理を繰り返し行う。一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(B1309の結果が「Y」)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(B1310)を行い、通常ゲーム処理(B1311)を行い、B1308へ戻る。
〔通常ゲーム処理〕
次に、前述した2ndメイン処理(図26)における通常ゲーム処理(B1311)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン720は、まず、遊技制御装置600から受信したコマンドをチェックする処理(B1401)を行う。受信コマンドチェック処理では、主制御用マイコン710から受信した演出コマンド(B1014)を特定し、以降実行される処理に応じて区分けする。
次に、映像制御用マイコン720は、変動表示装置35に、遊技状態、リーチシーンに応じた背景表示を行う背景処理を実行する(B1402)。続いて、変動表示装置35における変動表示に関する表示制御を行うリール制御/表示処理を実行する(B1403)。さらに、前述した先読みコマンド受信処理で始動記憶領域(先読み記憶領域)に記憶された演出情報(先読み演出情報)のうち保留表示演出の情報に基づいて、変動表示装置35に保留表示を行う保留表示処理を実行する(B1404)。
次に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモコマンドを受けてから所定時間経過後に、変動表示装置35における客待ちデモ画面を設定する客待ちデモ処理を実行する(B1405)。続いて、映像制御用マイコン720は、変動表示装置35に表示する内容を決定する2ndシーン制御/表示処理を実行する(B1406)。映像制御用マイコン720は、演出コマンド(B1014)を解釈して、表示する内容を決定する。次に、画像ROM704に格納されたデータをRAMに転送し、変動表示装置35に実際に表示させる表示システム処理を実行し(B1407)、通常ゲーム処理を終了する。
図28から図34を参照して、第1の実施の形態について特徴部分を詳細に説明する。第1の実施の形態では、リーチ状態中に保留先読み予告(保留表示演出)が実行される。
〔先読みコマンド受信処理〕
前述した1stシーン制御処理(図24)における先読みコマンド受信処理(B1119)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。先読みコマンド受信処理は、入賞時の事前判定処理、及び、リーチ後の再判定処理(再事前判定処理)を含む。なお、リーチ後の再判定処理は、リーチ後であれば、変動中処理(図25)等の他の処理に含めて実行されてもよいし、1stシーン制御処理(図24)において独立したステップとして設けてもよい。
主制御用マイコン710は、まず、先読みコマンド(事前判定コマンド)受信待ちの始動記憶の存在を確認し(B2001)、該当する始動記憶が存在するか否かを判定する(B2002)。そして、該当する始動記憶が存在しない場合には(B2002の結果が「N」)、B2010の処理に進む。
一方、主制御用マイコン710は、該当する始動記憶は存在する場合には(B2002の結果が「Y」)、先読みコマンドを受信したか否かを判定する(B2003)。先読みコマンドを受信していない場合には(B2003の結果が「N」)、B2010の処理に進む。
主制御用マイコン710は、先読みコマンドを受信した場合には(B2003の結果が「Y」)、受信した先読みコマンドの内容を対応する始動記憶領域(RAM711の一部)に始動記憶(保留)としてセーブする(B2004)。
さらに、主制御用マイコン710は、既に受信している先読み図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報(停止図柄情報)を取得する(B2005)。そして、主制御用マイコン710は、既に受信している先読み変動パターンコマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する(B2006)。
主制御用マイコン710は、図柄情報(停止図柄情報)及びリーチ系統情報に基づいて、通常の予告演出態様として、保留先読み予告演出態様1を設定する(B2007)。保留先読み予告演出態様1では、図30のように、保留変化判定条件が成立する場合に保留表示の態様(例えば色)を変化させて保留先読み予告を行う一方、保留変化判定条件が成立しない場合には保留表示の態様を変化させず通常表示に維持する。例えば、保留変化判定条件は、スペシャル(SP)1リーチ以上の大当りの期待度を有するリーチ系統であることや大当りであること等である。
主制御用マイコン710は、図柄情報(停止図柄情報)及びリーチ系統情報に基づいて、当該始動記憶に対して、大当りの期待度が中以上であるか否か判定する(B2007)。例えば、スペシャル(SP)2リーチ以上の期待度であれば、大当りの期待度が中以上であると判定する。当該始動記憶に係る変動表示ゲームの大当りの期待度が中以上である場合に(B2007の結果が「Y」)、リーチ状態中に保留先読み予告(保留表示演出)が可能であることを示すリーチ中報知フラグを1(オン)に設定する。これにより、大当りの期待度が中以上であれば、リーチ状態中に保留先読み予告(保留表示演出)が実行できるようになり、逆に、リーチ状態中に保留先読み予告が実行されると遊技者は保留に係る変動表示ゲームで大当りになると期待できる。当該始動記憶が、期待度が中より少ない場合に(B2007の結果が「N」)、リーチ中報知フラグを1に設定せず(リーチ中報知フラグはクリアされた状態で)、B2010の処理に進む。
主制御用マイコン710は、B1213において設定されたシーンデータを参照するなどして、飾り特図変動表示ゲームの変動が現在リーチ状態であるか否か判定する(B2010)。現在リーチ状態である場合に(B2010の結果が「Y」)、リーチ後再判定処理を行う(B2011)。現在リーチ状態でない場合に(B2010の結果が「N」)、今回の処理を終了する。なお、代替として、B2010とB2011の処理は、変動中処理(図25)のB1210の「N」の分岐に含めて、実行することもできる。
〔リーチ後再判定処理〕
続いて、前述した先読みコマンド受信処理(図28)におけるリーチ後再判定処理(ステップB2011)の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態のリーチ後再判定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、リーチ中報知フラグが1(オン)に設定されているか否か判定する(B2101)。リーチ中報知フラグが1でない場合に(B2101の結果が「N」)、今回の処理を終了する。リーチ中報知フラグが1である場合に(B2101の結果が「Y」)、リーチ開始から所定時間(例えば20秒)が経過したか否か判定する(B2102)。リーチ開始から所定時間が経過していない場合に(B2102の結果が「N」)、今回の処理を終了する。リーチ開始から所定時間が経過している場合に(B2102の結果が「Y」)、B1118で通知された保留数(始動記憶数)が1以上であるか否か、即ち、保留が存在するか否か判定する(B2103)。保留数が0である場合、即ち、保留が存在しない場合に(B2103の結果が「N」)、リーチ中報知フラグをクリアして(B2014)、今回の処理を終了する。
保留数が1以上である場合に(B2103の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、各始動記憶(各保留)に対して、先読み図柄コマンドから図柄情報(停止図柄情報)を取得し(B2105)、先読み変動パターンコマンドからリーチ系統情報を取得し(B2106)、図柄情報及びリーチ系統情報に基づいて、保留先読み予告演出態様2を設定する(B2107)。保留先読み予告演出態様2では、図31のように、保留変化判定条件が成立する場合に保留表示の態様(例えば色)を変化させて先読み予告を行う一方、保留変化判定条件が成立しない場合には保留表示の態様を変化させず通常表示に維持する。なお、保留先読み予告演出態様1と保留先読み予告演出態様2は同じであってもよいが、ここでは保留先読み予告演出態様2は遊技者により期待を抱かせる演出態様となっている。
例えば、保留先読み予告演出態様2に関する保留変化判定条件は、スペシャル(SP)2リーチ以上の大当りの期待度を有するリーチ系統であることや、保留に係る変動表示ゲームの結果が大当りであること等である。他の保留変化判定条件として、保留に係る変動表示ゲームの変動時間が所定時間以上であることや、その変動表示ゲームで疑似連続演出やリーチ演出が行われることが挙げられる。
〔保留表示処理〕
続いて、前述した通常ゲーム処理(図27)における保留表示処理(B1404)の詳細について説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の保留表示処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン720は、まず、リーチ中報知フラグが1に設定されているか否か判定する(B2201)。リーチ中報知フラグが1でない場合に(B2201の結果が「N」)、映像制御用マイコン720は、保留先読み予告演出態様1(通常の予告演出態様)で保留表示を行う(B2202)。保留表示(始動記憶表示)は、変動表示装置35の表示部35aの下部に位置する下部表示領域(保留表示領域)35a−1において行われる。リーチ中報知フラグが1である場合に(B2201の結果が「Y」)、映像制御用マイコン720は、B1213において設定されたシーンデータを参照するなどして、飾り特図変動表示ゲームの変動が現在リーチ状態であるか否か判定する(B2203)。リーチ状態でない場合に(B2203の結果が「N」)、全ての保留に対して通常表示(図30、図31)で保留表示を行う(B2208)。
リーチ状態である場合に(B2203の結果が「Y」)、映像制御用マイコン720は、リーチ開始から所定時間(例えば20秒)が経過したか否か判定する(B2204)。リーチ開始から所定時間が経過していない場合に(B2204の結果が「N」)、保留表示(下部表示)に対応する保留対応表示(上部表示)を行う(B2207)。保留表示が、下部表示領域(保留表示領域)35a−1で行われるのに対して、保留対応表示(上部表示)は、変動表示装置35の表示部35aの中央から上部に位置する上部表示領域35a−2において行われる。上部表示領域35a−2は、下部表示領域35a−1以外の表示領域である。その後、全ての保留に対して通常表示(図30、図31)で保留表示を行う(B2208)。
リーチ開始から所定時間が経過した場合に(B2204の結果が「Y」)、映像制御用マイコン720は、遊技者が保留対応表示を選択することによって、選択された保留対応表示に対応する保留を選択する。映像制御用マイコン720は、遊技者が選択ボタン29を操作して選択した保留対応表示に対応する保留を選択するが、遊技者が選択ボタン29を操作しない場合には、デフォルトとして最初に生じた保留を選択する(B2205)。次に、映像制御用マイコン720は、演出ボタン17の演出ボタン入力があったか否か、演出ボタンSW751の信号によって判定する(B2206)。演出ボタン入力がない場合には(B2206の結果が「N」)、保留表示(下部表示)に対応する保留対応表示(上部表示)を維持し(B2207)、全ての保留に対して通常表示(図30、図31)で保留表示を行う(B2208)。
演出ボタン入力があった場合には(B2206の結果が「Y」)、映像制御用マイコン720は、図32のように、B2205で選択された保留に対応する保留対応表示を変化する(B2209)。なお、保留対応表示は、変化前に全て、例えば「箱」を模した表示となっている。選択された保留に対応する保留対応表示は、現在実行中の変動表示ゲーム(当該変動)が大当りであれば◎に、当該変動が大当りでないが選択された保留が保留先読み予告演出態様2で保留変化が可能であれば★に、それ以外(ハズレ)であれば×に変化する(図32)。次に、映像制御用マイコン720は、選択された保留に対して、保留先読み予告演出態様2で保留表示を行う(B2210)。なお、選択されていない保留に対して、通常表示(図30、図31)を維持して保留表示を行う。
〔演出例1〕
図34(A)−(J)は、第1の実施の形態において、演出制御装置700が変動表示装置35を用いて実行する演出例(演出例1)を示す。
図34(A)において、飾り特図変動表示ゲーム(変動表示)の開始後、全ての保留に対して通常表示で保留表示が行われる(B2208)。図34(B)において、リーチ状態が開始する。その後、図34(C)において、下部表示領域35a−1の保留表示に対応して、上部表示領域35a−2において保留数分だけ保留対応表示(ここでは4つの箱)が行われる(B2207)。図34(C)において、変動表示は左隅に移動して小さく表示されるとともに、保留の追加を促す文字表示(「記憶の数だけチャンスをやろう」)が行われる。図34(D)において、保留が2つ増加して、保留表示(下部)と保留対応表示(上部)も2つ追加されている。また、増えた保留の数が文字表示される。
図34(E)において、リーチ開始から所定時間(例えば20秒)が経過すると選択ボタン29を操作して保留対応表示を選択すること遊技者に促す文字表示(「好きな箱を選べ・・・」)がされるとともに、演出ボタン17を押すことを促す表示Pが行われる。この場合に、選択ボタン29の操作に応じて選択されるべき保留対応表示(箱)を光らせたり色を変えてもよい。演出ボタン入力があった場合(B2206)に実行中の変動表示ゲーム(当該変動)が大当りであれば、図34(F)のように、選択された保留対応表示(箱)が◎に変化して、箱から◎の表示が出現するように見える。なお、遊技者に期待度が高いと思わせるように、保留対応表示(箱)を光らせてから◎に変化させてもよい。また、ここで、大当りとなる始動記憶がある場合には、特別な演出として、演出ボタン17を操作不能として(演出ボタンSW751からの入力を禁止し)、後述のフリーズ演出等を行ってもよい。その後、図34(G)(H)において、変動表示ゲームが終了して、変動表示ゲームの結果として大当りの停止図柄が表示される。
一方、演出ボタン入力があった場合(B2206)に実行中の変動表示ゲームが大当りでないが、保留先読み予告演出態様2で保留変化が可能な保留があれば、図34(I)のように、選択された保留対応表示(箱)が★に変化して、箱から★の表示が出現するように見える。なお、遊技者に期待度が高いと思わせるように、保留対応表示(箱)を光らせてから★に変化させてもよい。さらに、選択された保留対応表示(箱)に対応する保留表示が保留先読み予告演出態様2に従って変化する(B2210)。なお、ここで、保留対応表示(箱)からキャラクタが飛び出して、保留表示に接触するなど作用して、キャラクタを介して保留表示を変化させるよう演出を行っても良い。その後、図34(J)において、変動表示ゲームが終了して、変動表示ゲームの結果としてはずれの停止図柄が表示される。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によると、保留記憶手段(始動記憶手段となる遊技制御装置600又は演出制御装置700)は、始動条件の成立に基づき変動表示ゲームの実行権利を保留記憶(始動記憶)として記憶する。事前判定手段(先読みに関する処理を行う遊技制御装置600又は演出制御装置700)は、保留記憶手段に記憶された保留記憶に基づく変動表示ゲームの実行結果を当該変動表示ゲームの実行開始前に判定する。特定演出制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームにおいて特定演出としてリーチ演出を実行可能である。報知手段(演出制御装置700)は、特定演出制御手段による特定演出としてのリーチ演出の実行中に、変動表示ゲームが実行されていない保留記憶に関して事前判定手段の判定結果に基づく予告報知を実行可能である(図29のリーチ後再判定処理と図33の保留表示処理)。従って、実行中の変動表示ゲームが特別結果(例えば大当り)となるかを示唆するリーチ演出中に、保留に対する事前判定手段の判定結果(先読み情報)に基づく予告報知(先読み予告)をできる。このため、変動表示ゲームにおける変動表示態様又は演出態様にバリエーションが加わり、遊技者の期待が実行中の変動表示ゲームのみだけでなく、次回以降の変動表示ゲームに対しても向けられるので、遊技の興趣が大きく向上する。
第1の実施の形態によると、報知手段(演出制御装置700)は、リーチ演出の実行中に新たに記憶された保留記憶に対して、事前判定手段の判定結果(先読み情報)に基づく予告報知(先読み予告)をリーチ演出の実行中に実行する。従って、リーチ演出の実行中に新たに記憶された始動記憶に対しても事前判定(先読み判定)を行うことで、リーチ演出実行中に追加された保留に対して事前判定が行われないことに対する興趣の低下を妨げることが可能になる。
第1の実施の形態によると、報知手段は、保留記憶手段にて記憶されている保留記憶を示す表示を、変動表示装置35において保留表示として表示する保留表示制御手段(保留表示処理を行う演出制御装置700)を備える。保留表示制御手段は、キャラクタを保留表示に介在して保留表示を変化させることによって判定結果に基づく予告報知を実行する。従って、判定結果の報知についての興趣が向上する。
(第1の実施の形態の変形例)
図35から図39を参照して、第1の実施の形態の変形例について説明する。図35は、第1の実施の形態の変形例に係る先読みコマンド受信処理を示す。図35では、図28の先読みコマンド受信処理からB2301−B2303の処理が追加されているが、他は図28の先読みコマンド受信処理と同じである。
B2003の処理の後、B2301において、主制御用マイコン710は、入賞により生じた当該始動記憶が第2始動記憶(特図2始動記憶)であるか否か判定する。第2始動記憶でない場合に(B2301の結果が「N」)、B2004の処理を行う。第2始動記憶である場合に(B2301の結果が「Y」)、リーチ後再判定処理の保留変化判定条件に関して、保留変化判定のタイプ(閾値、判定基準)を抽選して選択する(B2302)。例えば、図37のテーブルのように、保留変化判定のタイプ(閾値、判定基準)と選択率(振り分け率)は定められる。続いて、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン720に指令して、選択した保留変化判定のタイプ(閾値)に応じて下部表示領域(保留表示領域)35a−1の背景を図38のように変化させる(B2303)。なお、同時に保留表示の態様(例えば形)を別なものに変化させてもよい(保留先読み予告としてではなく)。その後、B2004の処理に進む。
図36は、第1の実施の形態の変形例に係るリーチ後再判定処理を示す。図36では、図29のリーチ後再判定処理のB2107の処理に変えて、B2401とB2402の処理が追加されているが、他は図29のリーチ後再判定処理と同じである。
B2106の後、B2401において、図柄情報やリーチ系統情報と、閾値(判定基準)との比較によって、各始動記憶(保留)に対して保留変化判定条件が成立するか判定される。次に、B2402において、各始動記憶(保留)に対して、B2401の判定結果に応じて、図39のように保留先読み予告演出態様2を設定する。
図37と図39のように、Aタイプでは、保留変化判定の閾値はリーチであり、ノーマルリーチ以上の期待度のリーチ系統や大当りであれば、下部表示領域35a−1において、通常表示から保留表示の変化が生じる。Bタイプでは、保留変化判定の閾値はスペシャル(SP)リーチであり、SPリーチ以上の期待度のリーチ系統や大当りであれば、下部表示領域35a−1において、通常表示から保留表示の変化が生じる。Cタイプでは、保留変化判定の閾値は大当りであり、大当り(確変大当り、通常大当り)であれば、下部表示領域35a−1において、通常表示から保留表示の変化が生じる。なお、図39のように、前回の大当りからの総回転数が増加するのに応じて、保留変化し難くなるように閾値(基準)を変えてもよい。総回転数は、図25のB1204の変動回数管理処理において計測できる。
(第1の実施の形態の変形例の効果)
第1の実施の形態の変形例によると、事前判定手段は、複数の判定基準(閾値)から選択した判定基準によって変動表示ゲームの実行結果が特別結果(例えば大当り)となる可能性を判定し(図36のB2401)、報知手段(演出制御装置700)は、選択された判定基準に応じた表示態様にて判定結果(先読み情報)に基づく予告報知(先読み予告)を実行する(図35のB2302、B2303)。従って、判定基準が複数設けられて、判定基準に合わせて判定結果の表示態様を変えることで、事前判定の判定結果の表示にバリエーションを設けることが容易になる。さらに、遊技者においても表示態様によって期待感が変化するため遊技の興趣が高まる。
(第2の実施の形態)
図40から図49を参照して、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、通常ステップアップ演出と先読みステップアップ演出が実行される。なお、下記で特別に説明しない構成は、第1の実施の形態と同様でよい。
〔先読みコマンド受信処理〕
前述した1stシーン制御処理(図24)における先読みコマンド受信処理(B1119)について説明する。図40は、本発明の第2の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。第2の実施の形態の先読みコマンド受信処理は、第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理からB2008−B2011の処理が省略されている。
〔変動中処理〕
前述した1stシーン制御処理(図24)における変動中処理(B1111)について説明する。図41は、本発明の第2の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。第2の実施の形態の変動中処理に対して、B1206の通常のステップアップ演出設定処理とB1207の乱数シード初期化処理の間にB3001の先読みステップアップ演出設定処理が追加されている。
〔通常ステップアップ演出設定処理〕
前述した変動中処理(図41)における通常ステップアップ演出設定処理(B1206)の詳細について説明する。図42は、本発明の第2の実施の形態の通常ステップアップ演出設定処理の手順を示すフローチャートである。ここで、通常ステップアップ(予告)演出は、現在実行中の変動表示ゲーム(当該変動)の結果に対して予告を行う演出である。
主制御用マイコン710は、まず、開始する変動表示ゲーム(当該変動)において通常ステップアップ(予告)演出が実行可能か否かを確認して判定する(B3101、B3102)。主制御用マイコン710は、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動に関して、図22(A)のはずれ時の変動パターン6、9、又は、図22(B)の大当り時の変動パターン3、6、9が設定されていれば、通常ステップアップ(予告)演出が実行可能であると判定する。通常ステップアップ演出が実行可能でない場合に(B3102の結果が「N」)、今回の処理を終了する。通常ステップアップ演出が実行可能である場合に(B3102の結果が「Y」)、各種の変動情報を確認する(B3103)。
次に、主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲームが大当りか否か(当該変動が大当り変動か否か)判定する(B3104)。大当り変動である場合に(B3104の結果が「Y」)、大当り時のステップ数選択テーブルを設定し(B3105)、大当り変動でない場合に(B3104の結果が「N」)、はずれ時のステップ数選択テーブルを設定する(B3106)。次に、選択されたテーブルに基づいてステップ数N1を抽選によって選択し(B3107)、選択されたステップ数N1で通常ステップアップ演出を設定する(B3108)。B3108では、通常ステップアップ演出の変動中における実行タイミングや、演出内容を設定してよい。通常ステップアップ演出の演出内容としては、後述のウィンドウステップアップ演出やキャラクタステップアップ演出がある。
図43は、第2の実施の形態のステップアップ予告の態様を選択するテーブルの一例を示す図であり、(A)は変動表示ゲームの結果がはずれの場合、(B)は変動表示ゲームの結果が大当りの場合である。
図43(A)に示すように、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、ステップ数N1が大きいほど選択率が小さくなる。例えば、ステップ数N1=0は40%、ステップ数N1=1は30%、ステップ数N1=2は20%、ステップ数N1=3は10%の選択率で選択される。一方、図43(B)に示すように、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、ステップ数N1が大きいほど選択率が大きくなる。例えば、ステップ数N1=0は10%、ステップ数N1=1は20%、ステップ数N1=2は30%、ステップ数N1=3は40%の選択率で選択される。即ち、変動表示ゲームの結果が大当りになる期待度(信頼度)は、ステップ数N1が多いほど高くなる。
〔先読みステップアップ演出設定処理〕
前述した変動中処理(図41)における先読みステップアップ演出設定処理(B3001)の詳細について説明する。図44は、本発明の第2の実施の形態の先読みステップアップ演出設定処理の手順を示すフローチャートである。ここで、先読みステップアップ(予告)演出は、現在実行中の変動表示ゲーム(当該変動)ではなく、始動記憶(保留)に係る実行予定の変動表示ゲームの結果に対して予告を行う演出であり、通常のステップアップ演出(通常ステップアップ演出)とは異なる。
主制御用マイコン710は、まず、開始する変動表示ゲーム(当該変動)において通常ステップアップ(予告)演出が実行可能か否かを確認して判定する(B3201、B3202)。主制御用マイコン710は、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動に関して、図22(A)のはずれ時の変動パターン6、9、又は、図22(B)の大当り時の変動パターン3、6、9が設定されていれば、通常ステップアップ(予告)演出が実行可能であると判定する。通常ステップアップ演出が実行可能でない場合に(B3202の結果が「N」)、今回の処理を終了し、先読みステップ数が設定されないため、先読みステップアップ演出が行なわれない。
通常ステップアップ演出が実行可能である場合に(B3202の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、通常ステップアップ演出のステップ数N1(段階数)を確認し(B3203)、ステップ数N1が遊技機1における最大のステップ数(ここでは3)であるか否か判定する(B3204)。ステップ数N1が最大のステップ数である場合に(B3204の結果が「Y」)、ステップアップが成功したことになり当該変動で大当りの期待が十分できるため、今回の処理を終了し先読みステップアップ演出を実行しない。ステップ数N1が最大のステップ数でない場合に(B3204の結果が「N」)、ステップ数N1が0であるか否か判定する(B3205)。ステップ数N1が0でない場合に(B3205の結果が「N」)、最後のステップまで到達せずステップアップが失敗したことを示すステップアップ失敗演出を設定し(B3206)、B3207の処理に進む。ステップ数N1が0である場合に(B3205の結果が「Y」)、先読みステップアップ演出のステップ数である先読みステップ数N2を設定する(B3207、図45)。ステップ数N1が0である場合、即ち通常ステップアップ演出を実行しない場合でも、先読みステップアップ演出を行い得る。即ち、通常ステップアップ演出の実行に関係なく先読みステップアップ演出を実行できる。
次に、主制御用マイコン710は、先読みステップ数N2(段階数)がステップ数N1より大きいか否か判定する(B3208)。先読みステップ数N2がステップ数N1以下の場合に(B3208の結果が「N」)、先読みステップ数N2を変更してステップ数(N1+1)に設定し(B3209)、B3210の処理に進む。先読みステップ数N2がステップ数N1より大きい場合に(B3208の結果が「Y」)、設定された先読みステップ数N2で先読みステップアップ演出を実行するように設定する(B3210)。B3210では、通常ステップアップ演出の終了後にステップアップ失敗演出に続いて先読みステップアップ演出(先読みステップ数N2)を実行するように、ステップアップ失敗演出と先読みステップアップ演出の変動中における実行タイミングや、演出内容を設定する。先読みステップアップ演出の演出内容としては、後述のウィンドウステップアップ演出やキャラクタステップアップ演出がある。このようにして、ステップアップ失敗演出で遊技者が落胆した後に、先読みステップアップ演出に発展することによって、遊技者は興趣を取り戻すことができる。
B3208とB3209の処理によって、先読みステップ数N2がステップ数(N1+1)以上になっているため、B3210において、先読みステップアップ演出を(N1+1)番目のステップから開始するよう設定してもよい。このようにすれば、先読みステップアップ演出と通常ステップアップ演出を関連付けて、通常ステップアップ演出におけるステップアップに失敗しても(ステップアップが完遂しなくても)、先読みステップアップ演出に継続的に発展したようになり違和感が少なくなる。なお、先読みステップアップ演出を(N1+1)番目のステップから開始しない場合には、B3208とB3209の処理を省略してもよい。
次に、主制御用マイコン710は、各保留に対して、保留変化のステップ数であるステップ数Ns(≦N2)に基づいて、保留先読み予告演出態様3を設定する(B3211)。保留先読み予告演出態様3は、後述の図47のように、先読みステップアップ演出のステップ(段階)が進むにつれて、保留表示の態様(例えば色、形)も変化させる演出態様である。
〔先読みステップ数設定処理〕
前述した先読みステップアップ演出設定処理(図44)における先読みステップ数設定処理(B3207)の詳細について説明する。図45は、本発明の第2の実施の形態の先読みステップ数設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、セーブされた始動記憶(保留)が存在するか否か判定する(B3301)。始動記憶(保留)が存在しない場合に(B3301の結果が「N」)、今回の処理を終了する。始動記憶(保留)が存在する場合に(B3301の結果が「Y」)、各始動記憶に対して、先読み図柄コマンドから図柄情報(停止図柄情報)を取得する(B3302)。次に、各始動記憶に対して、各始動記憶によって行われる特図変動表示ゲームがはずれか否か判定する。特図変動表示ゲームがはずれである場合に(B3302の結果が「Y」)、その始動記憶に対して先読みステップ数振分テーブル1(はずれ用)(図46(A))を設定する(B3304)。特図変動表示ゲームが大当りである場合に(B3302の結果が「N」)、その始動記憶に対して先読みステップ数振分テーブル2(大当り用)(図46(B))を設定する(B3305)。
B3304とB3305の処理の後、主制御用マイコン710は、各始動記憶に対して、先読み変動パターンコマンドからリーチ系統情報を取得する(B3306)。次に、各始動記憶に対して、B3304又はB3305で設定したテーブル及びリーチ系統情報から、保留変化のステップ数Nsを設定する(B3307)。次に、各始動記憶に対して設定されたステップ数Nsのうち、最大のステップ数を先読みステップ数N2に設定する(B3308)。これにより、先読みステップ数N2の先読みステップアップ演出が実行されている間に、ステップ数Nsで各保留表示は、先読みステップアップ演出のステップ(段階)に合せて段階的にその態様(例えば色、形)を変化させることができる。
図46(A)(B)のように、リーチなし、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチの順に、大当りの期待度(信頼度)が高いリーチ系統であるほど、保留変化のステップ数Nsが大きくなるとともに、先読みステップ数N2も増加する。従って、先読みステップ数N2が多いほど、始動記憶(保留)に係る実行予定の変動表示ゲーム大当りの期待度(信頼度)が高くなる。
図47は、保留先読み予告演出態様3を設定するテーブルである。ステップ数Ns=0の場合は、保留は変化せずに通常表示で維持される。ステップ数Ns=1の第1先読み予告は、保留(期待度低)が1ステップ(1段階)で変化する。ステップ数Ns=2の第2先読み予告は、保留(期待度中)が2ステップ(2段階)で変化する。ステップ数Ns=3の第3先読み予告は、保留(期待度高)が3ステップ(3段階)で変化する。なお、先読みステップアップ演出を(N1+1)番目のステップから開始する場合には、各保留表示の変化も(N1+1)番目のステップから開始するようにする。
〔保留表示処理〕
続いて、前述した通常ゲーム処理(図27)における保留表示処理(B1404)の詳細について説明する。図48は、本発明の第2の実施の形態の保留表示処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、現在実行中の変動表示ゲームで先読みステップアップ演出が実行されているか否か判定する(B3401)。例えば、N2≧1であれば、先読みステップアップ演出が実行されていると判定できる。先読みステップアップ演出が実行されていない場合に(B3401の結果が「N」)、保留先読み予告演出態様1で保留表示(始動記憶表示)を行う。
先読みステップアップ演出が実行されている場合に(B3401の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、現在先読みステップ1(先読みステップアップ演出の第1段階(第1ステップ))が実行中であるか否か判定する(B3403)。先読みステップ1が実行中である場合に(B3403の結果が「Y」)、保留先読み予告演出態様3に従って各保留の表示を1段階だけ通常表示から(図47の右隣りの保留表示に)変化させる(B3406)。先読みステップ1が実行中でない場合に(B3403の結果が「N」)、現在先読みステップ2(先読みステップアップ演出の第2段階(第2ステップ))が実行中であるか否か判定する(B3404)。先読みステップ2が実行中である場合に(B3404の結果が「Y」)、保留先読み予告演出態様3に従って各保留の表示を1段階だけ(図47の右隣りの保留表示に)変化させる(B3406)。なお、第1先読み予告(Ns=1)の場合には、前段階で保留変化は終了しているため、ここでは保留変化しない。
同様のことを繰り返して、主制御用マイコン710は、先読みステップアップ演出の最終段階である先読みステップN2(先読みステップアップ演出の第N2段階(第N2ステップ))が現在実行中であるか否か判定し(B3405)、先読みステップN2が実行中である場合に(B3405の結果が「Y」)、保留先読み予告演出態様3に従って各保留の表示を1段階だけ(図47の右隣りの保留表示に)変化させる(B3406)。先読みステップN2が実行中でない場合に(B3405の結果が「N」)、今回の処理を終了する。このように、先読みステップアップ演出の段階が変化した時に保留表示が変化する。なお、先読みステップアップ演出の段階が変化した時に、音(保留変化音)のみ発生させて、保留表示の変化を音の発生に遅れて実行してもよい。
このようにして、先読みステップアップ演出のステップ(段階)に対応させた形で、段階的に各保留表示の態様(例えば色、形)を変化させることができ、遊技の興趣が高まる。なお、遊技者は、先読みステップN2(ステップ数Nsの最大値)まで進んだ保留表示の変動表示ゲームに最も期待することができる。
〔演出例2〕
図49(A)−(F)は、第2の実施の形態において、演出制御装置700が変動表示装置35を用いて実行する通常/先読みステップアップ演出の一例(ウィンドウステップアップ演出)(演出例2)を示す。
図49(A)において、通常ステップアップ演出の第1段階(演出ステップ1)が実行中である。図49(B)において、通常ステップアップ演出の第2段階(演出ステップ2)に移行し、通常ステップアップ演出に係るウィンドウが拡大する。図49(C)において、通常ステップアップ演出の最大の段階である第3段階(演出ステップ3)に移行し、通常ステップアップ演出に係るウィンドウが拡大する。
一方、通常ステップアップ演出が最大の段階(第3段階)まで進まなかった場合に、通常ステップアップ演出の終了後に、図49(D)のようにステップアップ失敗演出が実行される。ステップアップ失敗演出では、ウィンドウが縮小する。その後、保留の期待度に応じて(保留の期待度が保留変化する程度であれば)、図49(E)のように先読みステップアップ演出に発展する。例えば、先読みステップ数N2(保留変化のステップ数Nsの最大値)が1以上であれば、先読みステップアップ演出に発展する。その後、図49(F)において、先読みステップアップ演出の次段階が実行される。なお、先読みステップアップ演出のウィンドウの形状(縦長の長方形)や枠の色は、通常ステップアップ演出のウィンドウの形状(横長の長方形)や枠の色から変化して、通常ステップアップ演出のステップと先読みステップアップ演出のステップが混同しないようになっている。
なお、通常ステップアップ演出が第1段階(演出ステップ1)(N1=1)で終了した場合には、先読みステップアップ演出は第2段階(先読みステップ2)(N1+1=2)から開始してよい。また、通常ステップアップ演出が第2段階(演出ステップ2)(N1=2)で終了した場合には、先読みステップアップ演出は第3段階(先読みステップ3)(N1+1=3)から開始してよい。
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態によると、特定演出制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームにおいて変動表示ゲームを演出する特定演出を実行可能に制御する。特定演出には、複数段階に設定された演出を下位の段階から所定の段階まで順次実行する一連の演出によって、前記変動表示ゲームが前記特別結果となるかを示唆するステップアップ演出(通常ステップアップ演出と先読みステップアップ演出)が含まれる。報知手段(演出制御装置700)は、ステップアップ演出に関連付けて(ステップアップ演出の段階の進行に絡めて)、変動表示ゲームが実行されていない保留記憶に関して事前判定手段の判定結果に基づく予告を実行可能である。例えば、報知手段は、図44の先読みステップアップ演出設定処理による先読みステップアップ演出や、図48の保留表示処理による保留先読み予告によって判定結果を報知する。従って、変動表示ゲームが特別結果(例えば大当り)となるかを示唆するステップアップ演出に関連付けて保留に対する事前判定手段の判定結果を予告として報知できる。このため、変動表示ゲームにおける変動表示態様又は演出態様にバリエーションが加わり、遊技者の期待が実行中の変動表示ゲームのみだけでなく、次回以降の変動表示ゲームに対しても向けられるので、遊技の興趣が大きく向上する。
第2の実施の形態によると、報知手段は、保留記憶手段(始動記憶手段となる遊技制御装置600又は演出制御装置700)にて記憶されている保留記憶を示す表示を、保留記憶表示として表示する保留表示制御手段(保留表示処理を行う演出制御装置700)を備える。保留表示制御手段は、事前判定手段の判定結果に基づく予告を、保留記憶表示の表示態様を変更することで実行する(図47)。従って、どの保留記憶の期待度が大きいものであるか、保留記憶表示を変化させることでよりわりやすく報知でき、遊技の興趣が向上する。
第2の実施の形態によると、報知手段は、通常ステップアップ演出が複数段階の最後の段階まで進行しなかった場合に、変動表示ゲームが実行されていない保留記憶に関して事前判定手段による判定結果に基づく予告を実行する。従って、一度通常ステップアップが失敗した場合に、事前判定(先読み判定)の判定結果(先読み情報)に基づく予告(先読み予告)を報知することで、遊技者の期待が低下したまま次の変動表示ゲームに移行することはない。このため、遊技者は、期待を持って、実行中の変動表示ゲームの後の変動を楽しむことが可能になり興趣が上がる。
(第2の実施の形態の変形例)
図50から図52を参照して、第2の実施の形態の変形例について説明する。図50は、第2の実施の形態の変形例に係る保留先読み予告演出態様3を設定するテーブルである。図51は、第2の実施の形態の変形例に係る保留表示処理(B1404)を示すフローチャートである。
第2の実施の形態の変形例では、先読みステップアップ演出のステップ(段階)に対応させて段階的に各保留表示の態様(例えば色、形)を変化させるのではなく、先読みステップアップ演出のステップ(段階)が最大の段階に到達した時、即ち先読みステップアップが成功した時に、図50の保留先読み予告演出態様3で保留を変化させて表示する。なお、図50の保留先読み予告演出態様3では、Nsの値に対応して図47の保留変化の最終段階の保留表示が設定されている。
〔保留表示処理〕
図51において、主制御用マイコン710は、まず、現在実行中の変動表示ゲームで先読みステップアップ演出が実行されているか否か判定する(B3501)。例えば、N2≧1であれば、先読みステップアップ演出が実行されていると判定できる。先読みステップアップ演出が実行されていない場合に(B3501の結果が「N」)、保留先読み予告演出態様1で保留表示(始動記憶表示)を行う。
先読みステップアップ演出が実行されている場合に(B3501の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、先読みステップが最大の段階(ここでは3段階)まで到達したか、即ち、先読みステップアップが成功したか否か判定する(B3503)。先読みステップが最大の段階(ここでは3段階)まで到達した場合に、図50の保留先読み予告演出態様3に従って各保留の表示を変化させる(B3504)。先読みステップが最大の段階(ここでは3段階)に到達していない場合に、今回の処理を終了する。
〔演出例3〕
図52(A)−(K)は、第2の実施の形態の変形例において、演出制御装置700が変動表示装置35を用いて実行する通常/先読みステップアップ演出の一例(キャラクタステップアップ演出)(演出例3)を示す。
図52(A)(B)において、キャラクタ(魚)を表示して通常ステップアップ演出の第1段階(演出ステップ1)が実行中である。図52(C)において、キャラクタが移動し通常ステップアップ演出の第2段階(演出ステップ2)に移行する。図52(D)において、キャラクタ(魚)が2個表示されて、通常ステップアップ演出の最大の段階である第3段階(演出ステップ3)に移行する。
一方、通常ステップアップ演出が最大の段階(第3段階)まで進まなかった場合に、通常ステップアップ演出の終了後に、図52(E)(F)(G)のようにステップアップ失敗演出が実行される。ステップアップ失敗演出では、キャラクタが進行方向を変えて移動し表示部35aから消える。その後、保留の期待度に応じて(保留の期待度が保留変化する程度であれば)、図52(H)のように再度キャラクタ(魚)が表示部35aに現れて、先読みステップアップ演出に発展する。例えば、先読みステップ数N2(Nsの最大値)が1以上であれば、先読みステップアップ演出に発展する。その後、図52(I)において、先読みステップアップ演出が最大の段階(ここでは3段階)まで到達しない場合に(ステップアップ失敗の場合に)、先読みステップアップの失敗演出が実行される。
その後、先読みステップアップ演出が最大の段階(ここでは3段階)まで到達する場合(ステップアップ成功の場合)には、図52(J)のように第2段階以降で所定の演出(ここでは魚が釣り上げられる)が行われる。その後、図52(K)において、先読みステップが最大の段階(ここでは3段階)まで到達した場合に、下部表示領域(保留表示領域)35a−1において、図50の保留先読み予告演出態様3に従って各保留の表示を変化させる(B3504)。さらに、上部表示領域35a−2において保留変化(即ち期待度)に対応した表示(ここでは釣り上げた魚のサイズ)を行う。なお、図52(J)の所定の演出中に演出ボタン17の操作(押下げ又は連打)を促す表示を行って、演出ボタンSW751からの入力があった場合にのみ、B3504の処理を行って各保留の表示を変化させるようにしてもよい。
(第2の実施の形態の変形例の効果)
第2の実施の形態の変形例は、前述の第2の実施の形態の効果を同様に奏するが、先読みステップアップ演出が最大の段階で保留表示を変化させるため、変動表示ゲームにおける演出態様がより興趣の向上したものになる。
(第3の実施の形態)
図53から図55を参照して、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、演出内容を紹介するための演出紹介系の演出(演出紹介系演出)が実行される。演出紹介系演出とは、疑似連続演出、通常/先読みステップアップ演出等と異なり、変動表示ゲームの大当りの期待度を示唆(報知)しない演出である。変動表示ゲームの期待度を示唆(報知)しない演出紹介系演出と、期待度を示唆(報知)するステップアップ演出が関連付けられて連続的に行われる。
〔通常ステップアップ演出設定処理〕
前述した変動中処理(図41)における通常ステップアップ演出設定処理(B1206)の詳細について説明する。図53は、本発明の第3の実施の形態の通常ステップアップ演出設定処理の手順を示すフローチャートであり、第2の実施の形態の通常ステップアップ演出設定処理(図42)からB3109の処理が追加されている。図54は、本発明の第3の実施の形態の先読みステップアップ演出設定処理の手順を示すフローチャートであり、第2の実施の形態の先読みステップアップ演出設定処理(図44)からB3212の処理が追加されている。他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
B3109において、主制御用マイコン710は、通常ステップアップ演出の前又は後に行う演出紹介系演出の内容と実行タイミングを設定する。B3212において、主制御用マイコン710は、先読みステップアップ演出の前又は後に行う演出紹介系演出の内容と実行タイミングを設定する。B3212で設定される演出紹介系演出の内容として、保留に係る変動表示ゲームで行われる演出を紹介してもよい。なお、B3205からB3206までのステップアップ失敗演出の設定処理は、省略してよい。
〔演出例4〕
図55(A)−(D)に、演出紹介系演出の例を示す。演出紹介系演出は、現在実行中の変動表示ゲームの大当りの期待度又は始動記憶(保留)によって実行される変動表示ゲームの期待度を報知又は示唆しないものであり、単に、どのような演出(演出としての変動表示や停止図柄を含む)が行なわれ得るかやその演出があった場合にどのような遊技状態やリーチ状態(リーチ系統)が発生し得るかなど演出の内容などを大当りの期待度と関係なく紹介するものである。
図55(E)−(G)において、図49(A)(B)と同様に通常ステップアップ演出の演出ステップ1と2(図55(E)(F))が行われた後に、演出紹介系演出が実行されている(図55(G))。通常ステップアップ演出としてのウィンドウステップアップ演出と連続性を持たせるために、演出紹介系演出もウィンドウ内に演出内容の紹介が文字表示され、演出ステップ2からウィンドウが拡大している。ここでは、文字表示として、「1・5・7(停止図柄)が揃うとバトルリーチ発生(リーチ状態)だよ」と表示されている。
図55(H)−(J)では、通常ステップアップ演出、演出紹介系演出、先読みステップアップ演出が一連の演出として、一つの変動表示ゲーム内で行われている。図49(A)と同様に通常ステップアップ演出の演出ステップ1(図55(H))が行われた後に、演出紹介系演出が実行され、次に、先読みステップアップ演出の先読みステップ2が行われている。この場合に、保留に係る変動表示ゲームで実行されるリーチ演出(ここではバトルリーチ)を演出紹介系演出において紹介表示しておいてよい。即ち、先読みステップアップ演出の予告の対象である保留に係る変動表示ゲームにおいて、演出紹介された演出が発生するようになる。
なお、実行されている演出が、通常ステップアップ演出、演出紹介系演出、先読みステップアップ演出のうちどの演出に属するのかなど演出の種類又は属性を区別し易くするために、演出の種類又は属性ごとに演出で使う文字色や表示枠を異ならせてよい。即ち、実行中の変動表示ゲーム(当該変動)の期待度を報知するなど当該変動の結果について予告する演出(通常ステップアップ演出等)、保留に係る変動表示ゲームの期待度を予告する演出(先読みステップアップ演出等)、変動表示ゲームの大当りの期待度を示唆しない演出(演出紹介系演出等)など演出の種類又は属性ごとに演出で使う文字色や表示枠(ウィンドウの枠)を異ならせてよい。そして、演出の種類又は属性が変更された場合は、変更後の種類又は属性の演出において、演出紹介系演出によって紹介された演出を必ず実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出紹介で紹介された演出がどのような演出かわかりやすくなるとともに、演出紹介演出が出現した後に別種類(別属性)の演出への変化を遊技者が望むようになり、遊技の興趣が高まる。
(第3の実施の形態の効果)
第3の実施の形態によると、特定演出制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームにおいて前記変動表示ゲームを演出する特定演出を実行可能に制御する。特定演出には、複数段階に設定された演出を下位の段階から所定の段階まで順次実行する一連の演出によって、変動表示ゲームが特別結果となるかを示唆するステップアップ演出(通常ステップアップ演出と先読みステップアップ演出)が含まれる。特定演出紹介手段(演出制御装置700)は、特定演出制御手段による特定演出を紹介する特定演出紹介表示(演出紹介系演出)を実行可能に制御する(図53の通常ステップアップ演出設定処理又は図54の先読みステップアップ演出設定処理)。特定演出紹介手段は、ステップアップ演出の前又は後において、特定演出紹介表示を実行する。従って、ステップアップ演出と特定演出紹介表示(演出紹介系演出)を合わせて行うことにより、変動表示ゲームにおける変動表示態様又は演出態様にバリエーションが加わり、遊技の興趣が大きく向上する。
第3の実施の形態によると、報知手段(演出制御装置700)は、ステップアップ演出に関連付けて、変動表示ゲームが実行されていない保留記憶に関して事前判定手段の判定結果に基づく予告報知を事前予告表示(例えば、図55(J)の先読みステップ)によって実行可能である。従って、遊技者の期待が、実行中の変動表示ゲームのみだけでなく、次回以降の変動表示ゲームに対しても向けられるので、遊技の興趣が大きく向上する。
第3の実施の形態によると、特定演出紹介表示と、ステップアップ演出と、事前予告表示とを、それぞれ区別して認識可能なように表示態様を異ならせて表示装置35に表示するとともに、特定演出紹介表示と、ステップアップ演出、事前予告表示(例えば、図55(J)の先読みステップ)の各々の表示または演出においては、共通の表示態様にて表示を行う。従って、遊技者は、特定演出紹介表示と、ステップアップ演出と、事前予告表示とを混同せず認識でき、これらの表示や演出を混同して混乱することがなくなる。
(第4の実施の形態)
図56から図61を参照して、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、疑似連続演出が行なわれる場合の変動表示や演出に関する。疑似連続演出とは、1回の特図変動表示ゲームにおいて、複数の識別情報(飾り特別図柄)の変動表示開始から停止表示までの間に、変動表示されている複数の識別情報を疑似的に停止表示(疑似停止表示)させる疑似変動表示ゲーム(疑似変動、副変動)を所定回数(ここでは疑似連続回数M1)だけ行う演出である。なお、先読みコマンド受信処理に関しては、第2の実施の形態(図40)と同じである。保留表示処理に関しては、保留先読み予告演出態様1で保留表示(始動記憶表示)を行うものでよい。下記で特別に説明しない構成は、第1の実施の形態と同様でよい。
〔変動パターン情報設定処理〕
続いて、前述した変動中処理(図25)における変動パターン情報設定処理(B1205)の詳細について説明する。図56は、本発明の第4の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄の情報を取得し(B4001)、保留に関する情報である保留情報をメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(B4002)。また、遊技状態を取得して(B4003)、停止図柄を決定する(B4004)。遊技状態は、例えば、遊技制御コマンド(B1010)や確率情報コマンド(B1120)等からわかる。そして、今回の変動に対応する始動記憶(今回の特図変動表示ゲームの実行時に消化される保留)の始動記憶領域(RAM711の一部)に記憶されている演出情報を取得する(B4005)。なお、演出情報は、先読み情報に基づく先読み演出に関する情報であり、保留先読み予告(保留表示演出)、リーチ演出、疑似連続演出、連続予告演出、ステップアップ演出の情報を含む。
次に、主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲーム(当該変動)で、疑似連続演出が実行されるか確認、判定する(B4006、B4007)。疑似連続演出を実行しない場合に(B4007の結果が「N」)、B4003の遊技状態とB4005の演出情報をもとに、疑似連続演出を実行しない場合の変動パターン(演出パターン)を決定して(B4008)、今回の処理を終了する。一方、疑似連続演出を実行する場合に(B4007の結果が「Y」)、疑似連続回数M1を確認し(B4009)、B4003の遊技状態とB4005の演出情報をもとに、疑似連続演出を実行する場合の変動パターン(演出パターン)を決定して(B4010)、今回の処理を終了する。なお、主制御用マイコン710は、変動中処理(図25)において、変動パターン情報設定処理(B1205)において設定した変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(B1208)。
〔シーンデータの構成〕
図57と図58は、シーンシーケンステーブルに基づくシーンデータの概略構成を示す図である。図57は、疑似連続演出がない場合のシーンデータである。図58(A)は疑似連続演出がある場合のシーンデータであり、図58(B)は図58(A)のうちX回目(X≠2)の疑似変動シーンデータである。図58(C)は図58(A)のうちX回目(X=2)の疑似変動シーンデータである。
図57のように、疑似連続演出がない場合のシーンデータは、時系列順に、変動開始シーンデータ、全図柄(等速)変動シーンデータ、左図柄変動停止シーンデータ、右図柄変動停止シーンデータ、リーチ変動シーンデータ(リーチある場合のみ)から構成される。変動開始シーンデータは、変動開始時のシーンデータである。全図柄(等速)変動シーンデータは、全ての飾り特別図柄(識別情報)が等速で変動するシーンのデータである。左図柄変動停止シーンデータは、左の図柄(第一特別図柄)が停止し、右の図柄(第二特別図柄)と中の図柄(第三特別図柄)が変動するシーンのデータである。右図柄変動停止シーンデータは、左右の図柄(第一と第二特別図柄)が停止し、中の図柄(第三特別図柄)が変動するシーンのデータである。リーチ変動シーンデータは、リーチ状態でのシーンデータであり、左右の図柄(第一と第二特別図柄)が停止し、中の図柄(第三特別図柄)が低速で変動するシーンのデータである。
図58(A)のように、疑似連続演出がある場合のシーンデータは、時系列順に、再変動図柄出現前変動シーンデータ、再変動図柄停止シーンデータ、1回目疑似変動シーンデータ、1回目停止(仮停止)シーンデータ、2回目疑似変動シーンデータ、2回目停止(仮停止)シーンデータ(ここでは再変動図柄停止シーンデータ)、・・・、M1回目疑似変動シーンデータ(リーチ変動シーンデータを含んでよい)から構成される。ここで、再変動図柄出現前変動シーンデータは、再変動図柄が出現する前の変動シーンのデータである。再変動図柄停止シーンデータは、再変動図柄(即ち疑似連図柄)が表示された状態で変動が停止するシーンのデータである。X回目疑似変動シーンデータ(X=1〜M1)は、X回目の疑似変動のシーンデータである。1回目停止(仮停止)シーンデータは、複数の飾り特別図柄(識別情報)の1回目の停止(仮停止)シーンのデータである。なお、仮停止は、飾り特別図柄が揺れながら略停止することである。
図58(B)のように、X回目疑似変動シーンデータ(X≠2)のシーンデータは、時系列順に、全図柄(等速)変動シーンデータ、左図柄変動停止シーンデータ、右図柄変動停止シーンデータ、リーチ変動シーンデータから構成される。リーチ変動シーンデータは、X=M1回目においてリーチがある場合のみ設定される。
図58(C)のように、X回目疑似変動シーンデータ(X=2:2回目疑似変動シーンデータ)のシーンデータは、時系列順に、疑似変動開始シーンデータ、全図柄(等速)変動シーンデータ、全図柄停止シーンデータ(フリーズ演出シーンデータ)、視認不可状態シーンデータ、全図柄(等速)変動シーンデータ、左図柄変動停止シーンデータ、右図柄変動停止シーンデータから構成される。ここで、全図柄停止シーンデータは、全ての飾り特別図柄(識別情報)が停止しているシーンのデータである。この全図柄停止シーンの演出は、上スピーカ10a及び下スピーカ10bからの音の発生も停止されるため、フリーズ演出と呼ばれる。視認不可状態シーンデータは、下部表示領域(保留表示領域)35a−1以外の上部表示領域35a−2の全体に砂嵐状の表示を行って、飾り特別図柄を視認できない状態にするシーンのデータである。視認不可状態シーンデータは、上部表示領域35a−2全体をブラックアウト(黒塗り状態)又はホワイトアウト(白塗り状態)にして飾り特別図柄を視認できない状態にしてもよい。
このように本実施の形態では、図58(C)のように2回目疑似変動シーンデータ(X=2)をその以外の疑似変動シーンデータ(X≠2)(図58(B))とは異ならせて、2回目の疑似変動を特殊な疑似変動とするが、他のX回目疑似変動シーンデータ(例えば3回目疑似変動シーンデータ)をその以外の疑似変動シーンデータとは異ならせて、他のX回目の疑似変動を特殊な疑似変動としてもよい。その場合には、(X−1)回目の停止(仮停止)シーンデータを再変動図柄停止シーンデータとせずに、図58(A)の1回目停止(仮停止)シーンデータと同じものにする。即ち、(X−1)回目の停止(仮停止)シーンにおいて、再変動図柄を停止表示しない。
なお、1回目停止(仮停止)シーンデータの時間Tb(停止時間)は、はずれ時でリーチ演出がない場合(図22(A)の変動パターン1が選択された場合で疑似連続演出もない)に特図変動表示ゲームの結果(停止図柄)を表示する停止時間Tc(前述の通常特図表示時間、通常停止時間など)に等しく設定される。これによって、ある一つの変動表示ゲームにおける2回目の疑似変動の開始と、次の変動表示ゲームの変動表示の開始の見分けが付き難くなる。即ち、はずれの変動表示ゲームであったと見せかけて、次の変動表示ゲームを装いながら、2回目の疑似変動が開始される。なお、停止時間Tcが、リーチ演出の有無に関係なく一定であれば、時間Tb(停止時間)は、単にはずれ時の場合に特図変動表示ゲームの結果(停止図柄)を表示する停止時間となる。
さらに、疑似変動開始シーンデータの時間Tdは、はずれ時リーチなしの場合(図22(A)の変動パターン1が選択された場合で疑似連続演出もない)の変動開始シーンデータの時間Ta(図57)に等しく設定される。これによって、ある一つの変動表示ゲームにおける2回目の疑似変動の開始と、次の変動表示ゲームの変動表示の開始の見分けが付き難くなる。即ち、はずれの変動表示ゲームであったと見せかけて、次の変動表示ゲームを装いながら、2回目の疑似変動が開始される。なお、時間Taが、リーチ演出の有無に関係なく一定であれば、時間Tdは、単にはずれ時の場合の変動開始シーンデータの時間となる。
また、2回目疑似変動シーンデータにおいて、疑似連回数の表示は、視認不可状態シーンが終了するまで行われないよう設定されているため(図58(C))、さらに、ある一つの変動表示ゲームにおける2回目の疑似変動の開始と、次の変動表示ゲームの変動表示の開始の見分けが付き難くなる。特定の疑似変動において、擬似連回数の表示を消すことではずれの変動表示ゲームと遊技者に思わせることができ、後に行う再度の疑似変動で驚きと期待を遊技者に提供することが可能になり興趣が高まる。なお、2回目以外の疑似変動シーンデータ(X≠2)において、疑似連回数表示は行われるよう設定されているため、擬似連回数が何回目であるか分りやすくすることで、擬似連回数が多いほど遊技者は期待して興趣が高まる。
〔演出例5〕
図59(A)−(I)は、第4の実施の形態において、演出制御装置700が変動表示装置35を用いて実行する疑似連続演出の一例(演出例5)を示す。
図59(A)において、従来の疑似連続演出(図60)と同様に再変動図柄(疑似連図柄)が表示されて変動が停止した状態(図60(E)参照)から1回目の疑似変動が開始している。疑似連回数の表示として、「1st疑似連」と文字表示が行われている。図59(B)において、1回目の疑似変動が行われている。図59(C)において、1回目の疑似変動後に複数の飾り特別図柄(識別情報)が、停止時間Tbの間、停止又は仮停止する(1回目停止(仮停止)シーン)。仮停止では、飾り特別図柄が揺れながら略停止し、停止するか否か煽って遊技の興趣を高める。ここでは、再変動図柄(疑似連図柄)が停止せず、変動表示ゲーム自体が終了したと遊技者に認識させている。
図59(D)において、2回目の疑似変動が開始し全ての飾り特別図柄が変動を開始するが、変動表示ゲーム自体は終了していない。ここでは、まだ、2回目の疑似変動について、疑似連回数の文字表示は行われていないため、遊技者は新たな変動表示ゲームが開始したと認識してしまう。ここで、保留表示に関しては、保留は減らさないように表示しても、保留は一つ減るように表示してもよい。仮に、保留が減るように表示されても、表示上のことであり、保留数コマンド受信処理(B1118)で受信されて記憶された保留数(始動記憶数)が変化するわけでない。疑似連続演出は、一つの保留に係る変動表示ゲーム内で行われるためである。保留が減るように表示される場合には、図59(I)のように、保留表示のサイズを小さくするなど変更して、保留表示する。
図59(E)において、2回目の疑似変動開始から所定時間の経過後に全ての飾り特別図柄が停止してフリーズ演出が行われる(全図柄停止シーン(フリーズ演出シーン))。ここで、上スピーカ10a及び下スピーカ10bからの音の発生も停止される。次に、図59(F)において、上部表示領域35a−2全体に砂嵐状の表示を行って、飾り特別図柄を消して視認の不可とする(視認不可状態シーン)。砂嵐状の表示の他、図59(J)のように、上部表示領域35a−2全体をブラックアウト又はホワイトアウトしてもよい。図59(G)において、全ての飾り特別図柄が等速で変動する(全図柄変動シーン)。ここで、2回目の疑似変動について疑似連回数の文字表示「2nd疑似連」が開始する。また、ここで、図59(I)のように保留が減るように表示される場合には、もとの保留数と保留表示に戻す。図59(H)において、左の図柄(第一特別図柄)が停止する(左図柄変動停止シーン)。以降は、従来の疑似連続演出(図60)と同様である。
図60(A)−(M)は、従来の疑似連続演出を示す。疑似変動中において、リーチ演出の開始まで疑似連回数の文字表示は継続して表示されている。
〔タイミングチャート1〕
図61(A)は、第4の実施の形態の疑似連続演出を説明するタイミングチャートである。タイミングチャートは、各飾り特別図柄(左図柄、右図柄、中図柄)の動き状態(変動と停止)を示す。1回目の疑似変動は、図61(B)に示すようなはずれ時でリーチ演出がない場合(図22(A)の変動パターン1が選択された場合で疑似連続演出もない)の変動と同じタイミングで実行されている。1回目の疑似変動後の停止時間Tbは、図61(B)の変動後の停止時間(通常特図表示時間、通常停止時間)Tcに等しい。さらに、2回目の疑似変動の疑似変動開始シーンの時間Tdは、図61(B)の変動開始シーンの時間Taに等しい。これによって、2回目の疑似変動が開始するのか、次の変動表示ゲームの開始するのか見分けが付き難くなり、次の変動表示ゲームを装いながら2回目の疑似変動を開始できる。
2回目の疑似変動において、全ての飾り特別図柄が同時に変動を開始し、変動の開始から所定時間の経過後に停止(フリーズ)する。2回目の疑似変動において、フリーズ発生まで疑似連回数の表示は行われない。フリーズ後、上部表示領域35a−2の視認不可状態の終了後に飾り特別図柄が再度変動する。後は、従来の疑似連続演出(図61(C))と同じである。
(第4の実施の形態の効果)
第4の実施の形態によると、特定演出制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームにおいて変動表示ゲームを演出する特定演出を実行可能に制御する。特定演出には、1つの前記始動条件の成立による前記変動表示ゲームにおいて、識別情報を変動及び停止(仮停止含む)させる疑似変動を所定回数行う疑似連続演出が含まれる。特定演出制御手段(演出制御装置700)は、疑似変動の停止(仮停止含む)における識別情報の停止時間Tbを、変動表示ゲームが特別結果とならない場合における変動表示ゲーム終了後の識別情報の停止時間Tcと同じに設定する。従って、変動表示ゲームが特定結果でなく(はずれで)終了したと見せかけ、再度疑似変動を行うことで、遊技者に驚きと期待を提供することが可能になり興趣が高まる。また、変動表示ゲームにおける変動表示態様又は演出態様にバリエーションが加わり、遊技の興趣が大きく向上する。
第4の実施の形態によると、特定演出制御手段は、疑似連続演出中において、疑似変動の実行回数を表示装置35に表示する。従って、擬似連回数が多いほど遊技者は期待するため、擬似連回数が何回目であるか分りやすくすることで興趣が高まる。
第4の実施の形態によると、特定演出制御手段は、前記疑似連続演出の少なくとも一つの疑似変動において、前記疑似変動の実行回数を前記表示装置に表示しない期間を設ける。従って、疑似変動の実行回数を表示しないことで、さらに変動表示ゲームが特定結果でなく(はずれで)終了したと見せかけ、再度疑似変動を行うことで、遊技者に驚きと期待を提供することが可能になる。
(第5の実施の形態)
図62から図71を参照して、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態は、複数の識別情報(飾り特別図柄)の変動態様及び停止態様に係る連続予告演出に関するものである。連続予告演出は、予告対象の保留(始動記憶)の変動表示ゲームの実行前から、複数の変動表示ゲームに跨って実行される連続的な演出(連続演出)である。なお、先読みコマンド受信処理に関しては、第2の実施の形態(図40)と同じである。保留表示処理に関しては、保留先読み予告演出態様1で保留表示(始動記憶表示)を行うものでよい。下記で特別に説明しない構成は、第1の実施の形態と同様でよい。
〔先読みコマンド受信処理〕
図62は、第5の実施の形態の先読みコマンド受信処理(B1119)の手順を示すフローチャートである。第5の実施の形態の先読みコマンド受信処理は、第2の実施の形態の先読みコマンド受信処理(図40)にB5001−B5003の処理を追加したものである。
主制御用マイコン710は、B2007の処理の後、確率情報コマンド(B1120)等からわかる遊技状態に基づいて、現在普電サポート状態であるか否か判定する(B5001)。普電サポート状態でない場合に(B5001の結果が「N」)、本実施の形態の連続予告演出を実行しないため、今回の処理を終了する。普電サポート状態である場合に(B5001の結果が「Y」)、保留数が2以上であるか否か判定する(B5002)。保留数が2未満の場合(B5002の結果が「N」)に、連続予告演出が実行不可能なため、今回の処理を終了する。保留数が2以上である場合(B5002の結果が「Y」)に、連続予告演出が実行可能なため、図柄情報及びリーチ系統情報等に基づいて、連続予告演出の予告対象の保留(B2004でセーブした始動記憶)を含めて複数の保留に対して連続予告演出の情報を設定する(B5003)。例えば、取得した図柄情報及びリーチ系統情報等に基づいて当該始動記憶の大当りの期待度が大きいと判定できる場合には、複数の保留に対して連続予告演出の情報を設定する。連続予告演出の情報として、例えば、その保留で連続予告演出を行うか否かの情報がある。
〔変動パターン情報設定処理〕
図63は、第5の実施の形態の変動パターン情報設定処理(B1205)の手順を示すフローチャートである。第5の実施の形態の変動パターン情報設定処理において、連続予告演出における停止図柄と変動パターン(演出パターン)が設定される。
主制御用マイコン710は、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄の情報を取得し(B5101)、保留に関する情報である保留情報をメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(B5102)。また、遊技制御コマンド(B1010)や確率情報コマンド(B1120)等からわかる遊技状態を取得する(B5103)。そして、今回の変動に対応する始動記憶(今回の特図変動表示ゲームの実行時に消化される保留)の始動記憶領域(RAM711の一部)に記憶されている演出情報を取得する(B5104)。なお、演出情報は、先読み情報に基づく先読み演出に関する情報であり、保留先読み予告(保留表示演出)、リーチ演出、疑似連続演出、連続予告演出、ステップアップ演出の情報を含む。
次に、主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲーム(当該変動)の始動記憶(保留)に、連続予告演出の情報が設定されているか否か確認、判定する(B5105、B5106)。連続予告演出の情報が設定されている場合に(B5106の結果が「Y」)、連続予告演出用の停止図柄と変動パターン(演出パターン)などを設定するために連続演出停止図柄・変動パターン設定処理を行う(B5107)。連続予告演出の情報が設定されていない場合に(B5106の結果が「N」)、取得した特図変動表示ゲームの停止図柄の情報に基づいて停止図柄を決定する(B5108)。次に、遊技状態と演出情報に基づき、連続予告演出がない場合の変動パターン(演出パターン)を設定する(B5109)。
〔連続演出停止図柄・変動パターン設定処理〕
続いて、前述した変動パターン情報設定処理(図63)における連続演出停止図柄・変動パターン設定処理(B5107)の詳細について説明する。図64は、第5の実施の形態の連続演出停止図柄・変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。第5の実施の形態の連続演出停止図柄・変動パターン設定処理において、連続予告演出用の停止図柄と変動パターン(演出パターン)が設定される。
主制御用マイコン710は、まず、連続予告演出が実行されるか否か判定する(B5201)。例えば、連続予告演出の予告対象の保留が大当りであるにも拘らず、前回の変動表示ゲームの停止図柄中に予告対象保留の飾り特別図柄が一つも含まれない場合に、連続予告演出が実行されない。また、例えば、抽選によって、連続予告演出が実行されないようにしてよい。連続予告演出が実行されない場合に(B5201の結果が「N」)、後述のB5211の処理に進む。
一方、連続予告演出が実行される場合に(B5201の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲーム(当該変動)の保留(始動記憶)に設定された連続予告演出の情報に基づいて、開始する変動表示ゲームで連続予告演出の1回目(第1段階)が実行されるか否か判定する(B5202)。連続予告演出の1回目が実行されない場合に(B5202の結果が「N」)、B5206の処理に進む。連続予告演出の1回目が実行される場合に(B5202の結果が「Y」)、B5103の遊技状態とB5104の演出情報に基づき、連続予告演出1回目の変動パターン(演出パターン)を設定する。この変動パターンでは、前回の変動表示ゲームの停止図柄のうち1つの飾り特別図柄(識別情報)は、揺れて略停止して通常変動(単一の向きへ変動)するか否か不明の状態(煽り状態又はホールド状態)に設定される。なお、煽り状態(ホールド状態)において、飾り特別図柄が小さな振幅で揺れて略停止することを短変動ともいう。
次に、主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲーム(当該変動)が大当りであるか否か判定する(B5204)。大当りでない場合に(B5204の結果が「N」)、停止図柄として、はずれ図柄を設定する(B5205)。なお、このはずれ図柄では、3つの飾り特別図柄(識別情報)のうち2つの飾り特別図柄が同じものになっている。この2つの飾り特別図柄は、煽り状態(ホールド状態)にされる1つの飾り特別図柄と同じものでもよいし異なるものでもよい。大当りである場合に(B5204の結果が「Y」)、停止図柄として大当り図柄を設定する(B5210)。
次に、主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲームで連続予告演出の2回目以上(2回目、3回目・・・、即ち第2段階以降)が実行されるか否か判定する(B5206)。開始する変動表示ゲームで連続予告演出の2回目以上が実行されない場合に(B5206の結果が「N」)、今回の処理を終了する。開始する変動表示ゲームで連続予告演出の2回目以上が実行される場合に(B5206の結果が「Y」)、B5103の遊技状態とB5104の演出情報に基づき、連続予告演出2回目以上の変動パターン(演出パターン)を設定する(B5207)。ここで、B5205の2つの同じ飾り特別図柄は通常変動をさせず、ホールド状態(煽り状態)又はリーチ状態に設定される。
次に、主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲーム(当該変動)が大当りであるか否か判定する(B5208)。大当りでない場合に(B5208の結果が「N」)、停止図柄として、はずれ図柄を設定する(B5209)。なお、このはずれ図柄では、3つの飾り特別図柄(識別情報)のうち2つの飾り特別図柄が同じものになっている。この2つの飾り特別図柄は、B5207で変動しないホールド状態(煽り状態)に設定した2つの飾り特別図柄と同じものである。大当りである場合に(B5208の結果が「Y」)、停止図柄として大当り図柄を設定する(B5210)。
連続予告演出が実行されない場合のB5211の処理において、主制御用マイコン710は、B5103の遊技状態とB5104の演出情報に基づき、変動パターン(演出パターン)を設定する。この変動パターンでは、前回の変動表示ゲームの停止図柄のうち1つの飾り特別図柄(識別情報)は、揺れて略停止(短変動)して煽り状態になった後、他の飾り特別図柄に遅れて変動するように設定される。続いて、開始する変動表示ゲーム(当該変動)が大当りであるか否か判定する(B5212)。大当りである場合に(B5212の結果が「Y」)、停止図柄として大当り図柄を設定する(B5210)。大当りでない場合に(B5212の結果が「N」)、停止図柄として、はずれ図柄を設定する(B5213)。
〔演出例6〕
図65(A)−(K)は、第5の実施の形態において、演出制御装置700が変動表示装置35を用いて実行する連続予告演出の一例(演出例6)を示す。
図65(A)(B)において、連続予告演出の開始する前の変動表示ゲームが行われ、停止図柄(はずれ図柄)が表示される。図65(C)の煽り演出において、1回目の連続予告演出の情報が設定された保留に係る変動表示ゲームが開始するが、停止図柄のうち1つの飾り特別図柄(中図柄)は、揺れて略停止(短変動)して通常変動するか否か不明な煽り状態になり、他の飾り特別図柄は通常変動を開始する。ここで、保留数に合せて保留表示の数が一つ減少する。なお、図65では、保留表示は、順に、斜め上又は斜め下に移動する。連続予告演出が実行されない場合に、図65(D)のように、1つの飾り特別図柄は煽り状態になった後、他の飾り特別図柄に遅れて変動し(煽り失敗)(B5211で設定)、停止図柄(はずれ図柄)などが表示される(図65(H))。その後、連続予告演出の予告対象保留で大当りとなれば、遊技者に驚きを与えて興趣を高めることができる。
連続予告演出が実行される場合に、当該変動が大当りでなければ、図65(E)のように、1つの飾り特別図柄は煽り状態(ホールド状態)に維持された後(煽り成功)、短時間の通常変動を行った他の飾り特別図柄とともに揺れて仮停止する(B5205で設定)。この場合に、3つの飾り特別図柄のうち2つの飾り特別図柄が同じものになって仮停止する(例えば図示された「3,7,7」の他、「3,7,3」)。一方、当該変動が大当りであれば、図65(G)のように、大当り図柄が表示され、連続予告演出は中断する。なお、連続予告演出が実行される場合に、図65(D)の状態からフリーズ演出を行って、図65(E)の状態に移行してもよい。
図65(F)において、3つの飾り特別図柄の仮停止状態(図65(E))の後、リーチ演出がない場合には、停止図柄(例えば図示された「3,7,7」)がそのまま確定する。リーチ演出がある場合には、図65(I)のように、リーチ演出が仮停止状態から開始する。リーチ演出として、各種リーチ演出が行なわれてよいし、後述の連続リーチ予告演出(図66参照)が行なわれてもよい。図65(I)のリーチ演出で大当りとなる場合には、当該変動の後に保留表示の変化を行ってよい。
図65(J)の煽り演出において、2回目の連続予告演出の情報が設定された保留(ここでは連続予告演出の予告対象保留)に係る変動表示ゲームが開始するが、停止図柄のうち2つの同じ飾り特別図柄は、揺れて略停止した煽り状態(ホールド状態)で通常変動せずに維持され、他の1つの飾り特別図柄は、短時間の通常変動を開始する。ここで、同時に保留数に合せて保留表示の数が一つ減少すると興趣が高まる。その後、図65(K)において、連続予告演出の予告対象保留で大当りとなれば、大当り図柄が表示される。
図66(A)−(H)は、図65(I)の後に行われる連続リーチ予告演出を示す。連続リーチ予告演出は、短い時間間隔で連続して繰り返しリーチ状態となる演出である。図66(A)と図66(B)は、各々、図65(E)と図65(I)に実質的に同じであるが、説明のために保留数が変更されている。図66(C)(D)において、リーチ状態で低速変動した左図柄が停止して、停止図柄としてはずれ図柄が確定する。図66(E)において、保留数に合せて保留表示の数が一つ減少するとともに、2つの同じ飾り特別図柄(ここでは「7,7」)は、揺れて略停止して煽り状態(ホールド状態)となる。その後、図66(F)において、2つの同じ飾り特別図柄は仮停止した状態に維持され、他の一つの飾り特別図柄の低速変動が開始して、リーチ状態となる。これによって、リーチが一度はずれた後に次の変動表示ゲームにおいて変動開始時から再度リーチ状態とする。これにより、短い時間間隔で連続して繰り返しリーチ状態となる。図66(G)において、左図柄がリーチ状態で低速変動している。
その後、保留数に合せて保留表示の数が減少しながら図66(D)から図66(G)までの演出が繰り返され、連続的にリーチ演出が実行される。図66(D)から図66(G)までの演出を保留数の変化に合わせて行うと、遊技の興趣を高めるのに効果的である。また、1つの図柄(ここでは左図柄)のみがリーチ状態で変動するため、短い期間で連続してリーチが行われ遊技者の興趣が高まる。そして、最終的に、図66(H)において、変動表示ゲームが大当りとなり、大当り図柄が表示される。
なお、連続リーチ予告演出において、1つの図柄を変動させてリーチを形成しないで、2つの図柄を変動させて(例えば左右を同時に)同じ図柄で停止させることで、1つの図柄に限らず2つの図柄を変動させて同様の演出を行うことが可能である。その際に、2つの図柄が変動するときにリーチであることがわかる表示や報知(例えばリーチの音声)があると好ましい。さらに、音声でリーチを報知する際に、リーチ状態での変動開始からずれたタイミングで音声を出すこと(音遅れ)や、スピーカからの各種メロディ(BGM)のテンポを変化させリーチであることを遊技者に示唆してもよい。
図67(A)−(C)と図68(A)−(D)は、煽り演出の代替例を示す。図67(A)−(C)では、図65(C)の代わりに、1つの飾り特別図柄(中図柄)が、図67(B)の縮小と図67(C)の拡大を繰り返す煽り状態になる。図68(A)−(D)では、1つの飾り特別図柄(中図柄)が、変動開始時に他の変動よりスロー変動(図68(A))して同じ図柄が停止するか否かで煽るようにしてもよい。また、その間は通常通りステップアップ予告演出などの予告演出を行ってもよい。煽り成功の場合には、1つの飾り特別図柄(中図柄)は停止し(図68(C))、煽り失敗の場合には、1つの飾り特別図柄(中図柄)はスロー変動を続ける(図68(D))。
図69(A)(B)は、飾り特別図柄の変動の代替例を示す。変動は、単一の向きへ変動ではなく、飾り特別図柄をめくるような感じで裏返すことによって変動させてもよい。これによって、短時間での高速変動が可能になる。
〔タイミングチャート2〕
図70(A)−(C)は、第5の実施の形態の連続予告演出を説明するタイミングチャート(タイミングチャート2)である。タイミングチャートは、各飾り特別図柄(左図柄、右図柄、中図柄)の動き状態(変動と停止)を示す。なお、タイミングチャート、及び、図65(A)−(K)と図66(A)−(H)の各図では、対応するタイミングには同じ番号(○で囲った番号)が割り振られている。
図70(A)は、図65の(A)(B)(C)(E)(F)(J)(K)の演出が順次に行われる場合のタイミングチャートであり、煽り演出が2回実行される。即ち、一部の飾り特別図柄を煽り状態(ホールド状態)にして、他の一部の飾り特別図柄を変動させることを2回の連続する変動表示ゲームにおいて行う。図70(B)は、図65の(A)(B)(C)(E)(I)の演出が順次に行われる場合のタイミングチャートであり、煽り演出が1回実行される。ここでは、煽り演出を1回実行した後に、図65(E)のように全ての飾り特別図柄が揺れて仮停止し、続いて、リーチ演出が実行される。図70(C)は、図65の(A)(B)(C)(D)(H)の演出が順次に行われる場合のタイミングチャートであり、煽り演出が失敗する場合である。ここでは、中図柄は煽り状態になった後、他の飾り特別図柄に遅れて通常変動(単一の向きへ変動)を開始する。
図71は、連続リーチ予告演出が行われる場合のタイミングチャートであり、図65の(A)(B)(C)の演出の後、図66の(A)−(H)の演出が順次に行われる。2つの同じ飾り特別図柄(右図柄と中図柄)は、揺れて略停止して煽り状態(ホールド状態)となる。その後、2つの同じ飾り特別図柄は仮停止した状態に維持され、他の一つの飾り特別図柄は低速変動するリーチ状態となる。変動表示ゲームがはずれ結果であると、再度、煽り状態(ホールド状態)を経由してリーチ状態が繰り返される。なお、飾り特別図柄の低速変動をリーチ状態中に行っているが、低速変動をなしにしてもよい。この場合に、リーチを連続して繰り返すことが容易になり、遊技者の期待感が上がる。
(第5の実施の形態の効果)
第5の実施の形態によると、始動領域(第2始動入賞口38)は、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が始動領域への入球によって始動条件を成立させ得る。予告制御手段(演出制御装置700)は、事前判定手段の判定結果に基づいて、複数の変動表示ゲームに跨って実行される連続予告演出を実行可能である(図62の先読みコマンド受信処理と図63の変動パターン情報設定処理)。始動条件の成立が通常よりも容易な特定遊技状態(普電サポート状態)において、予告制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームの実行開始時に、一つの識別情報(飾り特別図柄)を変動させずに残りの識別情報を変動させることで、連続予告演出を実行する(図64の連続演出停止図柄・変動パターン設定処理のB5203)。従って、連続予告演出中の変動表示ゲームにおいて、すべての識別情報を変動せずに変動する識別情報を減らすことで、変動表示自体を時間的に効率よく早く行うことが可能となる。特に、変動に対する時間的な効率が要求される普電サポート状態にであれば、効果的である。また、変動表示ゲームにおける変動表示態様又は演出態様にバリエーションが加わり、遊技の興趣が大きく向上する。
第5の実施の形態によると、予告制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームにおいて変動後に停止させる少なくとも一つの識別情報を前記変動させない識別情報と同じに設定して、少なくとも二つの同じ識別情報を停止表示する(図64の連続演出停止図柄・変動パターン設定処理のB5207)。従って、リーチを形成する時間を短縮することが可能になり、遊技者にとっての変動表示に対する時間の効率がさらに向上する。
第5の実施の形態によると、予告制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームが特別結果とならない場合に、次の変動表示ゲームにおいて、停止表示させた二つの同じ識別情報を変動させずに、残りの識別情報を変動させる。従って、次の変動表示ゲームで、リーチを形成する過程を省略してリーチ状態を発生することが可能になるので、大当りが発生するまでの時間を早くすることが可能になる。
(第6の実施の形態)
図72から図76を参照して、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態は、変動表示ゲームの途中で、飾り特別図柄(識別情報)を構成するキャラクタを変更する図柄変更演出と、それに関連する関連演出に関する。なお、先読みコマンド受信処理に関しては、第2の実施の形態(図40)と同じである。保留表示処理に関しては、保留先読み予告演出態様1で保留表示(始動記憶表示)を行うものでよい。下記で特別に説明しない構成は、第1の実施の形態と同様でよい。
〔変動パターン情報設定処理〕
前述した変動中処理(図25)における変動パターン情報設定処理(B1205)の詳細について説明する。図72は、本発明の第6の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、図56の第4の実施の形態の変動パターン情報設定処理のB4001−B4005と同じく、B6001−B6005の処理を行う。次に、B6003の遊技状態とB6005の演出情報に基づき、仮変動パターン(仮演出パターン)を設定する(B6006)。続いて、仮変動パターンに含まれる演出が、変更後のキャラクタに関連する関連演出であるか否か判定する(B6007)。仮変動パターンに含まれる演出が、所定の関連演出テーブル(図73)に挙げられている場合に、関連演出であると判定できる。
関連演出である場合に(B6007の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、関連演出の出現タイミングと関連演出の数L1を、関連演出テーブルを参照して特定する(B6008)。関連演出の数L1は、関連演出の実行予定回数となる。例えば、仮変動パターン(仮演出パターン)においてSP1リーチとカットイン演出が含まれる場合には、SP1リーチとカットイン演出が関連演出テーブルに存在しているため、関連演出の数L1は2となる(L1=2)。仮変動パターンに関連演出がない場合に(B6007の結果が「N」)、飾り特別図柄(識別情報)を構成するキャラクタ(キャラクタ情報)を変更しないため、今回の処理を終了する。
次に、主制御用マイコン710は、最初の関連演出の出現タイミング前に飾り特別図柄(識別情報)を構成するキャラクタ(キャラクタ情報)を変更する演出を加えるように仮変動パターンを修正する(B6009)。そして、関連演出の数L1に関する情報を報知する演出紹介系予告(演出)を加えるように仮変動パターンを修正する(B6010)。さらに、関連演出の出現タイミング後に関連演出の出現回数(実行済み回数)を報知する演出を加えるように仮変動パターンを修正する(B6011)。最後に、変更後のキャラクタに関連する関連演出が実行されるように、最終的な変動パターン(演出パターン)を修正後の仮変動パターン(仮演出パターン)に設定する(B6012)。
なお、上述の制御に限られず、主制御用マイコン710は、変更後のキャラクタや関連演出の数L1と種類を抽選で選択しておき、遊技状態、演出情報、変更後のキャラクタ、関連演出の数L1と種類に基づき、変動パターン(演出パターン)を設定してもよい。
〔関連演出テーブル〕
図73は、第6の実施の形態の関連演出テーブルを示す。関連演出テーブルは、変更後のキャラクタの種類に対応して複数設けられる。例えば、変更後のキャラクタが「あ」である場合の関連演出テーブル1、変更後のキャラクタが「い」である場合の関連演出テーブル2などがメモリに複数記憶される。仮変動パターンに含まれる演出が、関連演出テーブル1に挙げられている場合に、飾り特別図柄を構成するキャラクタを「い」に変更するように仮変動パターンを修正する。
関連演出テーブルには、キャラクタ変更に関連する関連演出と、変動表示ゲームにおける出現タイミングと大当りの期待度が対応付けられている。なお、変動表示ゲームにおける出現タイミングは早い順にT1、T2、T3、T4、T5、T6であり、大当りの期待度が大きい関連演出が遅いタイミングで出現する。遊技者は、どのタイミングで演出が出ることと期待度が分っていた場合に、変動表示ゲームの初めの方よりも後のほうで関連演出が出ること望むこととなり、演出の展開(関連演出の出現)に注目することとなるので興趣が大きく向上する。
〔飾り特別図柄(識別情報)の構成〕
図74(A)は、飾り特別図柄(識別情報)の構成を示す。飾り特別図柄(識別情報)は、キャラクタ(キャラクタ情報)と数字(番号)を合成したものである。図74(B)のように、キャラクタの変更によって、飾り特別図柄(識別情報)は変化する。図75に、通常のキャラクタの種類と、変更後のキャラクタの種類を例示する。なお、図74、75においてキャラクタとして文字が示されているが、これに限られず、キャラクタは図形であってもよい。
〔演出例7〕
図76(A)−(H)は、第6の実施の形態において、演出制御装置700が変動表示装置35を用いて実行する図柄変更演出と、それに関連する関連演出の一例(演出例7)を示す。
図76(A)において、飾り特別図柄(識別情報)として、前回の変動表示ゲームの停止図柄が表示されている。今回の変動表示ゲームの開始時又は開始直後など最初の関連演出の出現タイミング前に、図76(B)のように演出紹介系予告が表示される(B6010で設定)。演出紹介系予告では、関連演出の数L1(実行予定回数)に関する情報を報知する。図76(B)の代わりに図76(H)のように、演出紹介系予告で関連演出の数L1(ここでは2)を実行予定回数表示としてそのまま報知してもよい。図76(C)(D)のように、飾り特別図柄(識別情報)としての中図柄の変動開始時に、中図柄のキャラクタ「A」を変更後のキャラクタ「あ」が押し出して、中図柄を構成するキャラクタ(キャラクタ情報)を変更する演出を行う(B6009で設定)。
その後、図76(E)の変動状態を経て、図76(F)(G)のように変更後のキャラクタ「あ」に関連する関連演出が必ず1回実行される。例えば、図76(F)では、関連演出として、変更後のキャラクタ「あ」を含む飾り特別図柄(識別情報)を停止させてSP1リーチ演出が行なわれている。例えば、図76(G)では、関連演出として、例えば、キャラクタ「あ」を表示として使用したカットイン演出が行なわれる。関連演出の出現タイミング後に関連演出の出現回数を報知する演出が行なわれる。図76(E)では、関連演出(SP1リーチ演出)がまだ出現していないため、関連演出の出現回数即ち実行済み回数(ここでは0)を関連演出の数L1(ここでは2)にあわせて、0/2のように表示する。図76(F)では、関連演出(SP1リーチ演出)が初めて出現したため、関連演出の出現回数即ち実行済み回数(ここでは1)を関連演出の数L1(ここでは2)にあわせて、1/2のように表示する。図76(G)では、関連演出(カットイン演出)が出現したため、関連演出の出現回数(ここでは2)を関連演出の数L1(ここでは2)にあわせて、2/2のように表示する。
(第6の実施の形態の効果)
第6の実施の形態によると、特定演出制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームにおいて前記変動表示ゲームを演出する特定演出を実行可能に制御する。識別情報は少なくともキャラクタ情報を含み、キャラクタ情報はキャラクタ情報変更手段(演出制御装置700)によって変更可能に制御される(図72のB6009)。特定演出制御手段は、特定演出をキャラクタ情報と対応して設定しており(図73)、変動表示ゲームにおいてキャラクタ変更手段によってキャラクタ情報が変更された場合は、変更後のキャラクタ情報に対応して設定されている特定演出の少なくとも一つを変動表示ゲーム中に実行する(図72の変動パターン情報設定処理)。従って、キャラクタ情報の変更(即ち識別情報の変更)に応じて特定演出(即ち関連演出)が発生する。このため、遊技者は、特定演出の発生のみならず識別情報自体が変更されることを期待するようになるため、遊技の興趣が高まる。また、変動表示ゲームにおける変動表示態様又は演出態様にバリエーションが加わり、遊技の興趣が大きく向上する。
第6の実施の形態によると、報知手段(演出制御装置700)は、キャラクタ情報の変更に応じて、キャラクタ情報と対応して設定されている特定演出の実行予定回数L1を表示装置35において表示する(図76(E)(F)(G))。従って、特定演出の実行予定回数L1が報知されることで、遊技者は、特定演出(関連演出)が発生する回数を認識可能になり、特定演出の出現を期待して待つようになる。このため、遊技の興趣が向上する。
第6の実施の形態によると、報知手段は、キャラクタ情報が変更された後に、キャラクタ情報と対応して設定されている特定演出が実行された回数を実行済み回数として表示装置35において表示する。従って、特定演出の実行された回数を遊技者が認識可能になり興趣が高まる。
第6の実施の形態によると、報知手段は、実行予定回数L1と特定演出の実行済み回数をあわせて表示装置において表示する。従って、遊技者は、あと何回特定演出が出現するか認識しやすくなり興趣が高まる。
(第7の実施の形態)
図77から図82を参照して、第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態では、連続予告演出の予告対象保留の飾り特図変動表示ゲームにおいて、3つの飾り特別図柄を順次停止する順次停止表示を実行することなく、リーチ演出が実行される。ここで、順次停止とは、各飾り特別図柄を時間をずらせて順番に一つずつ停止させることをいう。なお、保留表示処理に関しては、保留先読み予告演出態様1で保留表示(始動記憶表示)を行うものでよい。下記で特別に説明しない構成は、第1の実施の形態と同様でよい。
〔先読みコマンド受信処理〕
図77は、第7の実施の形態の先読みコマンド受信処理(B1119)の手順を示すフローチャートである。第7の実施の形態の先読みコマンド受信処理は、第2の実施の形態の先読みコマンド受信処理(図40)にB7001−B7003の処理を追加したものである。
主制御用マイコン710は、B2007の処理の後、保留数が2以上であるか否か判定する(B7001)。保留数が2未満の場合(B7001の結果が「N」)に、連続予告演出が実行不可能なため、今回の処理を終了する。保留数が2以上である場合(B7001の結果が「Y」)に、連続予告演出が実行可能なため、図柄情報及びリーチ系統情報等に基づいて、連続予告演出の予告対象保留(B2004でセーブした始動記憶)を含めて複数の保留に対して連続予告演出の情報を設定する(B7002)。連続予告演出の情報として、例えば、その保留で連続予告演出を行うか否かの情報がある。次に、連続予告演出が設定されたことを示す連続予告演出フラグをオンに設定する(B7003)。連続予告演出フラグは、連続予告演出の予告対象保留が消化されるとクリアされる。
B7002の処理では、主制御用マイコン710は、当該始動記憶の先読み変動パターンコマンドが示す変動パターンが、変動パターン1、2(リーチなし、ノーマルリーチ)より大きい期待度を有する場合のみ、複数の保留に対して連続予告演出の情報を設定する。例えば、当該始動記憶が変動パターン6〜11(SP2リーチ、SP3リーチ、プレミアムリーチ)に対応する場合にのみ、連続予告演出の情報を設定する。これによって、連続予告演出の予告対象保留の変動表示ゲームでは、リーチになるがノーマルリーチは実行されないため、ノーマルリーチ以外の所定のリーチ演出が行われるようになる。
〔変動パターン情報設定処理〕
図78は、第7の実施の形態の変動パターン情報設定処理(B1205)の手順を示すフローチャートである。第7の実施の形態の変動パターン情報設定処理において、連続予告演出における変動パターン(演出パターン)が設定される。
主制御用マイコン710は、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄の情報を取得し(B7101)、保留に関する情報である保留情報をメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(B7102)。また、遊技状態を取得して(B7103)、停止図柄を決定する(B7104)。そして、今回の変動に対応する始動記憶(今回の特図変動表示ゲームの実行時に消化される保留)の始動記憶領域(RAM711の一部)に記憶されている演出情報を取得する(B7105)。なお、演出情報は、先読み情報に基づく先読み演出に関する情報であり、保留先読み予告(保留表示演出)、リーチ演出、疑似連続演出、連続予告演出、ステップアップ演出の情報を含む。
次に、主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲーム(当該変動)の始動記憶(保留)に、連続予告演出の情報が設定されているか否か確認、判定する(B7106、B7107)。連続予告演出の情報が設定されていない場合に(B7107の結果が「N」)、遊技状態と演出情報に基づき、連続予告演出がない場合の変動パターン(演出パターン)を設定する(B7108)。
一方、当該変動の始動記憶に連続予告演出の情報が設定されている場合(当該変動が連続予告演出の予告対象保留の変動である場合も含む)に(B7107の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、遊技状態と演出情報に基づき、連続予告演出がある場合の変動パターン(演出パターン)などを設定する(B7109)。B7109では、特に、当該変動の変動パターンが、変動パターン1、2以外の場合(ノーマルリーチ以外のリーチの場合)には、変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの前半変動パターン(飾り特別図柄を順次停止させるもの)は実行せずに、変動開始とともにリーチとなりリーチ演出(バトルリーチなど)が実行される。即ち、3つの飾り特別図柄を順次停止する順次停止表示を実行することなく、リーチ演出が実行される。なお、前半変動パターンがないため、リーチ演出の時間をその分だけ延長するように設定してよい。また、B7109において、当該変動の変動パターンが、変動パターン1、2の場合(リーチなし又はノーマルリーチの場合)には、変動表示を隅に小さく表示して上部表示領域35a−2の全体(背景)を所定の態様(ここでは砂嵐状)で表示しつつ、文字表示を行うように設定する。文字表示は、図柄停止中に行うものも含めて連続的に意味がつながるようにする。
〔図柄停止処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図24)における図柄停止処理(B1112)の詳細について説明する。図79は、本発明の第7の実施の形態の図柄停止処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、B1106の演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(B7201)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(B7201の結果が「Y」)、図柄停止を設定し(B7202)、停止時間中の演出を設定する停止時間中演出設定処理を行い(B7203)、移行する遊技状態を設定し(B7204)、演出リクエストフラグをクリアする(B7205)。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合(シーン変更コマンドを受信していないような場合)には(B7201の結果が「N」)、更新タイマによって図柄停止を終了するか否かを判定する(B7206)。具体的には、まず、停止時間に対応する更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(B7206)。更新タイマがタイムアップした場合には(B7206の結果が「Y」)、図柄停止を終了するよう設定し(B7207)、遊技状態を移行する(B7208)。更新タイマがタイムアップしていない場合には(B7206の結果が「N」)、今回の処理を終了する。
〔停止時間中演出設定処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図79)における停止時間中演出設定処理(B7203)の詳細について説明する。図80は、本発明の第7の実施の形態の停止時間中演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、連続予告演出フラグがオンに設定されているか判定する(B7301)。連続予告演出フラグがオンに設定されている場合に(B7301の結果が「Y」)、連続予告演出の回数(段階)に応じた演出を設定する(B7302)。具体的には、連続予告演出の1回目において、停止図柄を上部表示領域35a−2に大きく表示した後、停止図柄を隅に小さく表示して上部表示領域35a−2の全体(背景)を所定の態様(ここでは砂嵐状)にして、その後、必要あれば文字表示を行う。連続予告演出の2回目以降において、停止図柄を隅に小さく表示して上部表示領域35a−2の全体(背景)を所定の態様(ここでは砂嵐状)にするように表示し、その後、文字表示を行う。文字表示は、変動中に行うものも含めて連続的に意味がつながるようにする。一方、連続予告演出フラグがオフの場合に(B7301の結果が「N」)、通常のごとく停止図柄を上部表示領域35a−2に大きく表示する(B7303)。
次に、主制御用マイコン710は、次に消化される始動記憶の先読み情報に基づいて、次の変動表示ゲーム(次変動)の変動パターンが、変動パターン1、2以外(ノーマルリーチ以外のリーチ)であるか否か判定する(B7304)。次変動の変動パターンが変動パターン1、2以外(ノーマルリーチ以外のリーチ)である場合に(B7304の結果が「Y」)、連続予告演出の1回目と同様に、停止図柄を上部表示領域35a−2に大きく表示した後、停止図柄を隅に小さく表示して上部表示領域35a−2の全体(背景)に所定の態様(ここでは砂嵐状)の表示をするように設定する(B7305)。次変動の変動パターンが変動パターン1、2(リーチなし又はノーマルリーチである場合に(B7304の結果が「N」)、今回の処理を終了する。
〔演出例8〕
図81(A)−(H)は、第7の実施の形態において、演出制御装置700が変動表示装置35を用いて実行する連続予告演出の一例(演出例8)を示す。なお、図81では、保留表示は、保留の消化に伴って順に、斜め上又は斜め下に移動する。
図81(A)において、連続予告演出の予告対象保留が発生して、複数の保留(3つ)に対して連続予告演出の情報が設定されている(B7002の設定)。停止図柄は上部表示領域35a−2に大きく表示される。図81(B)において、連続予告演出の1回目において、停止図柄は隅に小さく表示されて、上部表示領域35a−2の全体(背景)は、所定の態様(ここでは砂嵐状)になる(B7302の設定)。図81(C)において、連続予告演出として所定の文字表示が行われる。図81(D)において、リーチがないため、変動表示は隅に小さく表示されて次の変動表示ゲームが行われるとともに、上部表示領域35a−2の全体(背景)は所定の態様に維持され、連続予告演出の2回目として所定の文字表示が行われる(B7109の設定)。
図81(E)において、停止図柄は隅に小さく表示されて、上部表示領域35a−2の全体(背景)は、所定の態様に維持されるとともに、所定の文字表示が行われる(B7302の設定)。図81(F)において、リーチがないため、変動表示は隅に小さく表示されて次の変動表示ゲームが行われるとともに、上部表示領域35a−2の全体(背景)は所定の態様に維持され、連続予告演出の3回目として所定の文字表示が行われる(B7109の設定)。図81(G)において、停止図柄は隅に小さく表示されて、上部表示領域35a−2の全体(背景)は、所定の態様に維持されるとともに、連続予告演出の3回目として所定の文字表示が行われる(B7302の設定)。図81(H)において、連続予告演出の予告対象保留に係る変動表示ゲームが行われる。この変動表示ゲームの変動パターンは、ノーマルリーチ以外の所定のリーチであるため、リーチ状態となるまでの前半変動パターンは実行せずに、変動開始時にリーチが形成されリーチ演出がいきなり実行される(B7109の設定)。なお、図81(H)において、保留表示は行われない。さらに、連続予告演出中の図81(B)−(G)においても、保留表示を行わなくてもよい。
一方、次の変動表示ゲームの変動パターンが、ノーマルリーチ以外の特定のリーチである場合に、図81(B)において、停止図柄は隅に小さく表示されて上部表示領域35a−2の全体(背景)は所定の態様(ここでは砂嵐状)になる(B7305の設定)。その後、図81(H)のように、次の変動表示ゲームにおいて、リーチ状態となるまでの前半変動パターンは実行せずに、変動開始時にリーチ演出がいきなり実行される(B7109の設定)。
このように、次の変動表示ゲームにおいて特定のリーチ演出(ノーマルリーチ以外のリーチ)が実行される場合、及び、複数の変動表示ゲームを跨いだ連続予告演出の後に予告対象保留で所定のリーチ演出(ノーマルリーチ以外のリーチ)が実行される場合の両方で、図81(B)の演出(表示)は実行される。このため、遊技者は、図81(B)の演出(表示)に大きく着目することになり、遊技の興趣が高まる。特に、連続予告演出の予告対象保留の期待度が高い場合に、遊技者は、図81(B)の演出(表示)に大きく着目することになる。
〔タイミングチャート3〕
図82(A)(B)は、第7の実施の形態の連続予告演出を説明するタイミングチャート(タイミングチャート3)である。タイミングチャートは、各飾り特別図柄(左図柄、右図柄、中図柄)の動き状態(変動と停止)を示す。なお、タイミングチャート、及び、図81(A)−(H)の各図では、対応するタイミングには同じ番号(○で囲った番号)が割り振られている。
図82(A)は、図81の(A)−(H)の演出が順次に行われる場合のタイミングチャートである。なお、連続予告演出中の変動表示ゲームにおいて、リーチ演出がない場合に、同時に3つの飾り特別図柄の変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している3つの飾り特別図柄を順次停止ではなく同時に停止させている。また、変動表示ゲームにおいてリーチ演出がある場合に、同時に3つの飾り特別図柄の変動表示を開始して、順次停止することなく所定時間後に変動している複数(2つ)の飾り特別図柄を同時に停止させ、変動表示ゲームの開始からリーチ(リーチ状態)を形成して所定のリーチ演出が実行される。即ち、変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの前半変動パターン(飾り特別図柄を順次停止させるもの)は実行されない。
図82(B)は、図81の(A)(B)(H)の演出が順次に行われる場合のタイミングチャートである。次の変動表示ゲームの変動パターンがノーマルリーチ以外のリーチである場合に、停止時間中に表示部35aに図81(B)の所定の態様の表示をした後、次の変動表示ゲームにおいて、変動表示ゲームの開始からリーチ(リーチ状態)を形成して特定のリーチ演出が実行される。
(第7の実施の形態の効果)
第7の実施の形態によると、変動表示制御手段(演出制御装置700)は、変動表示ゲームにおいて、少なくとも複数の識別情報を順次停止する順次停止表示パターンを含む変動表示パターンを実行可能とする。予告制御手段(演出制御装置700)は、事前判定手段の判定結果に基づいて、複数の変動表示ゲームに跨って実行される連続予告演出を実行可能である(図77の先読みコマンド受信処理と図78の変動パターン情報設定処理)。変動表示制御手段(演出制御装置700)は、連続予告演出の予告対象の保留に係る変動表示ゲームの実行時において、変動開始後に順次停止表示を実行することなくリーチ状態を形成可能である(図82(A))。従って、連続予告演出の予告対象の保留に係る変動表示ゲームにおいて、無駄な演出を実行せずにいち早く遊技者にリーチ演出を楽しませることが可能になり興趣が高まる。また、変動表示ゲームにおける変動表示態様又は演出態様にバリエーションが加わり、遊技の興趣が大きく向上する。
第7の実施の形態によると、予告制御手段(演出制御装置700)は、連続予告演出が実行される複数の変動表示ゲームの変動表示の開始前において、表示装置35に所定の態様の表示を行う(図80のB7302、図81(B))。予告制御手段(演出制御装置700)は、次の変動表示ゲームにおいて特定のリーチ演出が実行される場合に、当該次の変動表示ゲームの変動表示の開始前においても、表示装置35に前記所定の態様の表示を行う(図80のB7305、図81(B))。従って、遊技者は、表示装置35における所定の態様の表示(演出)に大きく着目することになり、その後の展開を期待させることが可能になり、遊技の興趣が高まる。
第7の実施の形態によると、予告制御手段(演出制御装置700)は、識別情報が停止表示されている間(特に図柄確定タイミング)に、前記所定の態様の表示を行う(図80)。従って、所定の態様の表示がされた後の変動表示中の演出を構成し易くなる。
(第8の実施の形態)
図83から図85を参照して、第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態では、演出制御装置700が、所定条件の成立を契機に、変動パターン(演出パターン)を設定するための変動パターンテーブル(演出パターンテーブル)を変更する。これにより、期待度の高い演出を変更し、期待度が高い演出が何であるか報知をする。
〔変動パターン情報設定処理〕
図83は、第8の実施の形態の変動パターン情報設定処理(B1205)の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄の情報を取得し(B8001)、保留に関する情報である保留情報をメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(B8002)。また、遊技状態を取得して(B8003)、停止図柄を決定する(B8004)。そして、今回の変動に対応する始動記憶(今回の特図変動表示ゲームの実行時に消化される保留)の始動記憶領域(RAM711の一部)に記憶されている演出情報を取得する(B8005)。なお、演出情報は、先読み情報に基づく先読み演出に関する情報であり、保留先読み予告(保留表示演出)、リーチ演出、疑似連続演出、連続予告演出、ステップアップ演出の情報を含む。
次に、主制御用マイコン710は、所定条件が成立しているか否か判定する(B8006)。所定条件として、潜伏確変遊技状態になったこと、小当たりになったこと、図22(A)においてはずれ時に変動時間の長い変動パターン(リーチ演出)が選択されたこと、所定回転数の変動表示ゲームが実行されたこと、リアルタイムクロック(RTC)が所定の時間になったことなどが挙げられる。所定条件が成立しない場合に(B8006の結果が「N」)、通常の変動パターンテーブル(演出パターンテーブル)を設定し(B8007)、B8010の処理に進む。所定条件が成立した場合に(B8006の結果が「Y」)、変動パターンテーブルを通常の変動パターンテーブルから変更して設定し(B8008)、期待度の高い演出又は予告を報知するよう設定する(B8009)。
次に、主制御用マイコン710は、遊技状態と演出情報に基づき、変動パターンテーブル(演出パターンテーブル)を参照して、変動パターン(演出パターン)を設定する(B8010)。変動パターン(演出パターン)における各演出や予告は、変動パターンテーブル(演出パターンテーブル)を参照して、振り分け(抽選)によって、設定する。
変動パターンテーブルは、抽選による振り分け用のテーブルであり、大当り時又ははずれ時に応じて、予告や演出が所定の選択率(振り分け率)で設定されいる。図84のように、変動パターンテーブルには、大当りの期待度が高い又は低い予告や演出がある。例えば、通常の変動パターンテーブルは、テーブルAであり、変更後の変動パターンテーブルは、抽選等によって、又は、変動時間等に応じて、テーブルB〜Fから選ばれる。なお、図84において、ある演出(又は予告)の大当りの期待度は、その演出(又は予告)が選択された場合に大当りになる確率に相当し、例えば、大当りの場合の出現率(出現頻度)を、大当りの場合とはずれの場合を含めた全体の出現率(出現頻度)で割ったものに相当する。図84において、出現頻度は、大当りの場合とはずれの場合を含めた全体の出現頻度である。
〔演出例9〕
図85(A)−(F)は、第8の実施の形態において、演出制御装置700が変動表示装置35を用いて実行する期待度の高い演出(又は予告)の報知演出(演出例8)を例示する。
図85(A)において、通常の変動パターンテーブルであるテーブルAが選択されており、期待度の高い演出又は予告は報知されない。図85(B)において、所定条件の成立によって、テーブルBが選択されており、期待度の高い予告が群予告であることが表示部35aに報知(表示)されている。図85(C)において、所定条件の成立によって、テーブルCが選択されており、期待度の高い予告が次回予告であることが報知されている。図85(D)において、所定条件の成立によって、テーブルDが選択されており、期待度の高い予告が桜柄予告であることが報知されている。図85(E)において、所定条件の成立によって、テーブルEが選択されており、期待度の高い予告が役物予告(役物による予告)であることが報知されている。図85(F)において、所定条件の成立によって、テーブルFが選択されており、期待度の高い予告がバトルリーチ演出であることが報知されている。
なお、先読み情報によって始動記憶内の変動時間を取得し、例えば、特定の長い変動時間の始動記憶があった場合(バトルリーチが発生する可能性が高い場合)に、テーブルFに変更するようにしてもよい。また、群予告以外が期待できるテーブルA滞在中に別のテーブルであるかのように装って報知の内容を変更してもよい。このようにすることで遊技者はどの演出の発生に期待していればよいか明確になり遊技に集中しやすくなる。
(第8の実施の形態の効果)
上記のように、選択された変動パターンテーブル(演出パターンテーブル)に基づいて、遊技者にどの演出が発生すれば期待度が高いのか一目瞭然に報知(表示)できるため、遊技者を飽きさせることなく、遊技の興趣が向上する。
(その他の実施の形態)
変動ライン(左、中、右)毎に飾り特別図柄の種類(数)を変えてもよい。例えば、通常10種類ある飾り特別図柄が1種類になって変動してもよい。停止した左図柄に対して右図柄を同一図柄として変動させてリーチ発生を煽ったりすることができる。また、左中右すべて異なる図柄(例えば3・5・7など)で、チャンス目の停止図柄など特定の組合せの停止図柄が必ず発生するようにしてもよい。
上記のように図柄の種類が変更された場合は、その変動中は変更された種類で変動を行ってよい。例えば、10種類の飾り特別図柄から2種類の図柄がなくなるようにしてよい。また、変動ラインから特定の図柄をなくしてよい。例えば、奇数の図柄だけしか変動しないようにしてもよい。表示部35aにおいて、表示的にキャラクタが図柄を攻撃してなくすうよう演出してもよい。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、上述の実施形態の内の複数の実施形態の組み合わせであって可能なものも本発明の技術的範囲に含まれる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。