JP6392749B2 - 化合物と方法 - Google Patents

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Description

本発明は、以下で定義される式(I)の化合物、式(I)の化合物を製造する方法、及び式(I)の化合物を使用したプロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体を製造する方法に関した。
プロスタグランジンは、例えば平滑筋組織の収縮と弛緩、血管の拡張と収縮、血圧の調節、及び炎症の調節などの生命に不可欠な多くの生理活性を調整するホルモン様化学伝達物質である。実際は、プロスタグランジンは、アラキドン酸(AA)に由来し、プロスタグランジン合成酵素によって多くの構造的に関連する炭素環式分子に変換される。これらの感受性且つ不安定分子は、体内に蓄えられないが、刺激に反応して合成される。それらは1930年代前半にvon Eulerによって最初に発見され、そして、1960年代の半ばまでには、プロスタグランジンのファーストファミリーの構造がBergstromらによって明らかにされた。
それらの魅力的な分子構造に加えて生物学的活性の幅広さが、40年間にわたってプロスタグランジンを合成の主要なターゲットにしてきた。さらに、プロスタグランジン類似体は医薬品として広く使用され、そして、或るものは、例えば緑内障の治療に使用されるプロスタグランジンPGF2αの類似体であるラタノプロストなどの10億ドル規模の薬物になっている。
Figure 0006392749
しかしながら、プロスタグランジンの現在利用可能な製造方法は、まだ長期にわたる合成を必要としている。Corey et al., Journal of the American Chemical Society, 1969, 91, 5675に記載の1969年にEJ. Coreyによって開発された合成戦略は、シクロペンタジエンから9ステップを合成される重要な中間体であるコーリーラクトンの形成を伴う。プロスタグランジンのファミリーの他のメンバーはこのラクトンから構築され得る;例えばプロスタグランジンPGF2αは、コーリーラクトンから更に8ステップ、すなわち、シクロペンタジエンから17ステップで構築できる。
Figure 0006392749
ラタノプロストの製造では、20ステップを必要とし、且つ、コーリーラクトンの使用を含めた、EJ. Coreyによって開発された本来の1969年の合成法を利用した。
天然に存在するプロスタグランジンとラタノプロストなどのそれらの合成類似体の両方が多くのキラル中心を含んでいる。通常、鏡像異性的に純粋な薬物がそれらのラセミ対応物質より生物学的に活性であることは周知である。場合によっては、余分な鏡像異性体には、望ましくない副作用がありさえした。そのため、鏡像異性的に純粋な形態でプロスタグランジンを合成することは、非常に望ましい。
現代の合成化学者にとって、利用可能なエナンチオ選択的ツールにもかかわらず、プロスタグランジン製造のためのより効果的な合成が、分かりにくいままである。現在利用可能なプロスタグランジンの製造方法の全てとはいえないにしてもそのほとんどにおいて、あらゆるステップで時間と費用を費やし、浪費を生み出す長期にわたる合成を必要とし、そして、材料の無駄遣いによって達成されることは変わらない。既存の合成に比べてより効果的且つ費用のかからない新しいプロスタグランジン合成法の必要性は依然として高い。
PGF2αなどの天然に存在するプロスタグランジンとラタノプロストなどのそれらの合成類似体の両方を含めた、プロスタグランジン製造のための著しく短期間の合成を提供することが、本発明の目的である。
本発明の第一の態様によると、式(I)の化合物:
Figure 0006392749
{式中、
Yは、
Figure 0006392749
であり、
Zは、OR10、NR1111、SR11、S(O)R11、SO11であり;
10は、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、CO−R11、又は保護基であり、そして、
11は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、又はアルコキシルである}を提供した。
式(I)の化合物が2つ以上の基R11を含むとき、その基R11は互いに同じであっても、異なっていてもよい。
式(I)は、新しい重要な中間体であるラクトール(Ia){式中、ZはOR10であり、そして、R10はHである}、並びにその官能化形態及び/又は保護形態を包含した。この新しい重要な中間体は、PGF2αなどの天然に存在するさまざまなプロスタグランジン及びラタノプロストなどのそれらの合成類似体への著しく短い合成経路を可能にした。さらに、その新規の重要な中間体は、非常に高いエナンチオ選択性を有しながら、1回の反応だけでスクシンアルデヒドから合成される。この反応の功を奏する成果は、以下の本発明の第二の態様でさらに詳細に議論するように、(各分子上に2つの反応性アルデヒド基を有する)反応性が高いスクシンアルデヒドに利用可能な非常に多くの代替の反応経路を考慮すると、非常に驚くべきことであった。
この明細書を通じて、別段の明白な記述がない限り:
−「任意に置換された」基は、非置換であっても、1つ以上、例えば1つ又は2つの置換基で置換されていてもよい。例えば、これらの置換基は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基;カルボン酸及びカルボン酸イオン;カルボン酸エステル;カルバマート;アルコキシル基;ケトン及びアルデヒド基;アミン及びアミド基;−OH;−CN;−NO;並びにハロゲンから選択され得る。
−アルキル基は、直鎖アルキル基であっても、分岐鎖アルキル基であってもよい。アルキル基は、最大20個の炭素原子を含み得る。アルキル基は、C1〜C6アルキルであっても、C1〜C4アルキルであっても、C1〜C3アルキルであっても、C1〜C2アルキルであってもよい。
−シクロアルキル基は、最大8個の炭素原子を含み得る。
−アルケニル基は、直鎖アルケニル基であっても、分岐鎖アルケニル基であってもよい。アルケニル基は、最大20個の炭素原子を含み得る。アルケニル基は、C2〜C6アルケニルであっても、C2〜C4アルケニルであってもよい。
−アルキニル基は、直鎖アルキニル基であっても、分岐鎖アルキニル基であってもよい。アルキニル基は、最大20個の炭素原子を含み得る。アルキニル基は、C2〜C6アルキニルであっても、C2〜C4アルキニルであってもよい。
−アリール基は、単環式芳香族基であっても、二環式芳香族基であってもよい。アリール基は、5〜12個の炭素原子を含み得る。
−ヘテロアリール基は、単環式基であっても、二環式基であってもよい。ヘテロアリール基は、1〜12個の炭素原子と1若しくは複数のN、O又はS原子を含み得る。ヘテロアリール基は、1若しくは複数のN原子を含む5又は6員環であり得る。
−ヘテロシクリル基は、単環式基であっても、二環式基であってもよい。ヘテロシクリル基は、1〜12個の炭素原子と1若しくは複数のN、O又はS原子を含み得る。
−「保護基」という用語は、酸素原子を保護することができる基を意味し、そして、その保護基は、保護が利用される反応の後で、分子の残りの部分を妨げることなく取り外される。保護基は、周知であり、そして、Kocienski P. J., Protecting Groups, 3rd ed., Georg Thieme Verlag, New York, 2005;及びGreene T. W., Wuts P. G. M., Protective Groups In Organic Synthesis, 3rd ed., John Wiley & Sons, New York, 1998などの標準的な教科書に列挙されている。一実施形態において、保護基は化学部分を作り出し、そしてそれは、酸素原子と保護基から成り、有機金属試薬との反応に利用できない。
一実施形態において、Yは、
Figure 0006392749
である。一実施形態において、R10は、C1〜C6アルキルである。一実施形態において、R10は、メチル、エチル又はt−ブチルである。一実施形態において、R10は、メチル又はt−ブチルである。一実施形態において、R10はフェニル基で置換されたメチルである、すなわち、R10は、ベンジルである。一実施形態において、R10は、任意に置換されたベンジルである。
一実施形態において、R10は、シクロヘキシル又はシクロペンチルである。一実施形態において、R10は、シクロヘキシルであるか、又は例えば、1若しくは複数のC1−C6アルキル基などの1若しくは複数のアルキル基で置換されたシクロヘキシルである。一実施形態において、R10は、メンチル(2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)である。
一実施形態において、R10はフェニルである。一実施形態において、R10は、フェニルを含めた1若しくは複数の置換基で置換されたフェニルである。一実施形態において、R10は、フェニルで置換されたフェニルである。一実施形態において、R10は、5〜12個の炭素原子を含む単環式芳香族基又は二環式芳香族基である。
一実施形態において、R10はCO−R11であり、そして、R11はフェニルである、すなわち、R10はベンゾイルである。一実施形態において、R10は、任意に置換されたベンゾイルである。
一実施形態において、R10は、ベンジル、ベンゾイル、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、並びに例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、(ジメチル)テキシルシリル、及び2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)などのシリコン保護基から選択される保護基である。
一実施形態において、Yは、
Figure 0006392749
である。
一実施形態において、Yは、
Figure 0006392749
である。
一実施形態において、Yは、
Figure 0006392749
であり、そして、R10は任意に置換されたアルキルである。
一実施形態において、R10はメチルである。
本発明の第二の態様によると、先に定義したような式(I)の化合物を製造する方法を提供し、そしてそれは、少なくとも以下の主要なステップ:
スクシンアルデヒド(II)を、以下の反応スキーム:
Figure 0006392749
に従って、好適な溶剤系中で(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒で処理して、ラクトール(Ia)を形成すること、
を含み、
ここで、前記酸性共触媒は、キラル第二アミン触媒の後又はそれと同時に反応混合物に添加され;
前記キラル第二アミン触媒は、以下の構造:
Figure 0006392749
{式中、
及びRは、任意に置換されたアルキル基であるか、又はR及びRは連結されて、任意に置換された4、5若しくは6員複素環化合物の一部を形成し;
は、O、S又はNR(式中、Rはアルキル基であるか、又はRは、Rと連結されて、1若しくは複数の更なるN原子を含み得る5若しくは6員環の一部を形成する)であり;
は、O又はNRであり(式中、Rは、ハロアルキル(好ましくはCF)、1若しくは複数のハロゲン基若しくはハロアルキル基(好ましくはCF)で置換されたアリール、又はSOであるか、或いはRは、Rと連結されて、1若しくは複数の更なるN原子を含み得る5又は6員環の一部を形成し、そして、Rは、任意に置換されたアルキル基、任意に置換されたシクロアルキル基、任意に置換されたアルケニル基、任意に置換されたアルキニル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基、又は任意に置換されたヘテロシクリル基であり;
nは、1〜5の整数であり;
mは、1〜5の整数であり;そして
各Rは、電子求引性基(例えば、ハロゲン、ハロアルキル(好ましくはCF)、NO又はCNなど)及び任意に置換されたアルキルから独立に選択され、且つ、各フェニル環の少なくとも1つのRは、電子求引性基(例えば、ハロゲン、ハロアルキル(好ましくはCF)、NO又はCNなど)である}を有し;そして
前記酸性共触媒は、[BnNH][OCOCF]、[BnNH][BF]、[BnNH][OCOCHCl]、[BnNH][O−C−2,4−(NO]、[BnNH][Cl]、2,6−ピペリジンジオン、モルホリニウムトリフルオロアセタート、チオモルホリニウムトリフルオロアセタート、ピリジニウムトリフルオロアセタート、ベンジルアンモニウムトリフルオロアセタート、キニーネトリフルオロアセタート、2,2’−ビピリジニウムモノトリフルオロアセタート、2,2’:6’,2”−テルピリジニウムモノトリフルオロアセタート、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(PPTS)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸(CSA)(特に(±)−CSA、(+)−CSA又は(−)−CSA)、酒石酸(特に(+)−酒石酸、(−)−酒石酸又は(±)−酒石酸)、2,4−ジニトロフェノール、テトラフルオロホウ酸、ZnCl、Zn(OTf)、Sc(OTf)、Amberlite 120、Montmorillonite K10、1,3−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)チオ尿素、硫酸マグネシウム、及びその組み合わせから選択される。
とRが連結されて、5又は6員環の一部を形成するとき、R及び/又はRは、窒素原子であることが可能である。
本発明の方法は、PGF2αなどの天然に存在するさまざまなプロスタグランジン及びラタノプロストなどのそれらの合成類似体への著しく短い合成経路を可能にする新しい重要な中間体であるラクトール(Ia)を入手する方法をもたらす。さらに、その新規の重要な中間体は、非常に高いエナンチオ選択性を伴って、スクシンアルデヒドから1回の反応だけで合成される。「非常に高いエナンチオ選択性」という用語は、所望の鏡像異性体が少なくとも80:20のe.r.(60%のee)、少なくとも85:15のe.r.(70%のee)、少なくとも90:10のe.r.(80%のee)、少なくとも91:9のe.r.(82%のee)、少なくとも92:8のe.r.(84%のee)、少なくとも93:7のe.r.(86%のee)、少なくとも94:6のe.r.(88%のee)、少なくとも95:5のe.r.(90%のee)、少なくとも96:4のe.r.(92%のee)、少なくとも97:3のe.r.(94%のee)、少なくとも98:2のe.r.(96%のee)又は少なくとも99:1のe.r.(98%のee)で形成されることを意味している。
スクシンアルデヒドのラクトール(Ia)への2分子の単一フラスコ変換の功を奏する成果は、(重合を含めた)各分子上のその2つの反応性アルデヒド基を有する高い反応性のスクシンアルデヒドに利用可能な多数の代替反応経路を考慮すると、非常に驚くべきことであった。驚いたことに、本発明の方法は、他の可能性のある利用可能な反応経路を回避しながら、非常に高いエナンチオ選択性でスクシンアルデヒドからラクトール(Ia)を提供した。これらの可能性のある経路の一部が、中心に示されているスクシンアルデヒド(II)からラクトール(Ia)への所望の経路と共に、以下の総説に示されている:
Figure 0006392749
この総説に示されるように、二分子のスクシンアルデヒド(II)間の最初のエナンチオ選択的アルドール反応後に、アルドール生成物10は、ヘミアセタール12よりむしろそれほど好ましくないヘミアセタール11を形成しなければならない。ヘミアセタール11は、(Ia)に得るために分子内二次アルドール反応を受け、そして、除外する必要があるが、アルドール10自身は、13をえるために除外されてはいけない。このアルドールに加えて、10は、スクシンアルデヒド(II)又はそれ自体と更なるアルドール反応を受ける傾向がある反応性トリアルデヒドであり、そして、14及び15、並びに最終的にはオリゴマーに至る。
さまざまな溶媒中、且つ、さまざまな条件下でのプロリンを用いたスクシンアルデヒド(II)の処理でも、所望のラクトール(Ia)のいずれも提供しなかったが、代わりにオリゴマー物質をもたらした。しかしながら、本発明者らは、先に定義した2種類の触媒の組み合わせを使用する本発明の第二の態様による方法を使用することによって所望のラクトール(Ia)に到達するのが可能であることが驚いたことにわかった。
いかなる理論にも縛られることを望むものではないが、キラル第二アミン触媒がスクシンアルデヒド(II)のトリアルデヒド生成物10へのエナンチオ選択的変換を促進することが仮定される。生成物10は、少量のジアルデヒド11を形成するために平衡化してもよく、そして、酸性共触媒が任意のジアルデヒド11の所望のラクトール(Ia)への変換をも促進することが仮定される。
一実施形態において、酸性共触媒は、キラル第二アミン触媒が添加された後に反応混合物に添加される。収率における顕著な改善は、触媒の時間差添加を使用して観察された。
特に、酸性共触媒がZnCl、Zn(OTf)、Amberlite 120、又はMontmorillonite K10であるとき、酸性共触媒は、キラル第二アミン触媒が添加された後に好ましくは反応混合物に添加される。
キラル第二アミン触媒が反応混合物に加えられた後、酸性共触媒を加える最適な遅延時間は、用いられたキラル第二アミン触媒の量、温度、及び濃度に依存しているのがわかったので、日常的な実験によって容易に確立できる。
一実施形態において、酸性共触媒は、キラル第二アミン触媒が添加された少なくとも2時間後に反応混合物に添加される。
一実施形態において、酸性共触媒は、キラル第二アミン触媒が添加された少なくとも8時間後に反応混合物に添加される。
キラル第二アミン触媒は、先に示した構造(A)又は(B)を有した。
一実施形態において、RとRは連結されて、任意に置換された4、5、又は6員複素環化合物の一部を形成した。
任意に置換された4、5、又は6員複素環化合物の定義において、上記の任意に置換された基の定義で列挙された置換基に加えて、置換基はまた、4、5、又は6員複素環化合物に加えられて、縮合環を形成してもよい。
一実施形態において、任意に置換された4、5、又は6員複素環化合物は、N原子に加えて、N、S及び/又は0から選択される更なる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。
一実施形態において、RとRは連結されて、任意に置換された4又は5員複素環化合物の一部を形成した。一実施形態において、4又は5員複素環化合物は、ピロリジン、チアゾリジン、オキサゾリジン及びアゼチジンから選択される。
一実施形態において、RとRは連結されて、任意に置換された5員複素環化合物の一部を形成した。一実施形態において、5員複素環化合物は、ピロリジン、チアゾリジン及びオキサゾリジンから選択される。一実施形態において、5員複素環化合物はピロリジンである。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、構造(A):
Figure 0006392749
{式中、R、R、X及びXは、先に定義したとおりのものである}を有した。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、以下の化合物:
Figure 0006392749
{式中、R30は、F、Cl、Br、I又はCFである}のいずれか1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、化合物:
Figure 0006392749
を、先にキラル第二アミン触媒の選択肢として列挙した化合物のいずれかと任意に組み合わせて含む。
一実施形態において、Xは、O又はNR{式中、Rは先に定義したとおりのものである}である。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、以下の構造:
Figure 0006392749
{式中、
は、O又はNR(式中、Rはアルキル基であるか、又はRは、Rと連結されて、1若しくは複数の更なるN原子を含み得る5又は6員環の一部を形成する)であり;
は、O又はNR(式中、RはSOであるか、又はRは、Rと連結されて1若しくは複数の更なるN原子を含み得る5又は6員環の一部を形成し、そして、Rは、アルキル基又はアリール基である)であり;
nは、0〜7の整数であり;
各Rは、−OR、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、又は−CO−Rから独立に選択され;
は、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、CO−R、又は保護基であり;そして、
は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、又はアルコキシルである}を有した。
の定義において、2つの基Rはまた、一緒に加えられて、縮合環を形成してもよい。
一実施形態において、nは、0、1、2、3、4、5、6又は7である。一実施形態において、nは、0又は1である。
一実施形態において、XはOである。
一実施形態において、XはOである。
一実施形態において、XはOであり、且つ、XはOである。
一実施形態において、Rは、−OR{式中、Rは、H、アルキル基、−CO−R又は保護基であり、そして、Rはアルキル基である}である。
一実施形態において、Rは、メトキシメチル(MOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、(ジメチル)テキシルシリル、及び2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)から選択される保護基である。
一実施形態において、Rは、ヒドロキシル基、−O−t−ブチル又はアセチルである。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、以下の化合物:
Figure 0006392749
のいずれか1つ又は任意のそれらの組み合わせを含む。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、以下の化合物:
Figure 0006392749
のいずれか1つ又は任意のそれらの組み合わせを含む。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、以下の化合物:
Figure 0006392749
のいずれか1つ又はそれらの組み合わせを含む。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は(S)−プロリンを含み、そしてその(S)−プロリンは、以下の構造:
Figure 0006392749
を有した。
実施例から分かるように(実施例2、手順2を参照)、(S)−プロリンが、最も高いラクトール(Ia)収率をもたらし、それが試験したキラル第二アミン触媒のうちで最も効果的であることがわかった。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、構造(B):
Figure 0006392749
{式中、R、R、X、n、m及びRは、先に定義したとおりのものである}を有した。この場合、XはOであってもよい。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒は、以下の化合物:
Figure 0006392749
{式中、R31は、H、OH、OTBDMS又はOBnである}
Figure 0006392749
{式中、R32は、F、Cl、Br又はCFである}
Figure 0006392749
{式中、R33は、F又はClである}
Figure 0006392749
{式中、R34は、F又はClである}
Figure 0006392749
{式中、R35は、F又はClである}
Figure 0006392749
のいずれか1つ又は任意のそれらの組み合わせを含む。
一実施形態において、酸性共触媒は、構造[α][β]{式中、[α]は、[BnNH、[BnNH、[ピリジニウム]、[2,2’−ビピリジニウム]、[2,2’:6’,2”−テルピリジニウム]、[モルホリニウム]及び[チオモルホリニウム]から選択される陽イオンであり、そして、[β]は、[F]、[Cl]、[Br]、[I]、[OCOCF、[BF、[OCOCHCl、及び[O−C−2,4−(NOから選択される陰イオンである}を有した。
一実施形態において、酸性共触媒は、[(Bn)NH、[BnNH及び[ピリジニウム]から選択される陽イオンを含む。
一実施形態において、酸性共触媒は、式[(Bn)NHの陽イオンを含む。
一実施形態において、酸性共触媒は、式[BnNHの陽イオンを含む。
一実施形態において、酸性共触媒は、[ピリジニウム]である陽イオンを含む。
一実施形態において、酸性共触媒は、式[OCOCFの陰イオンを含む。
一実施形態において、酸性共触媒は、[BnNH][OCOCF]を含む。実施例から分かるように(実施例2、手順4、4a及び5を参照)、[BnNH][OCOCF]が、最も高いラクトール(Ia)収率をもたらし、それが試験した共触媒のうちで最も効果的であることがわかった。
一実施形態において、酸性共触媒は、ブレンステッド酸を含む。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒の触媒充填量は、スクシンアルデヒド(II)に対して1mol%〜20mol%である。一実施形態において、キラル第二アミン触媒の触媒充填量は、スクシンアルデヒド(II)に対して1mol%〜15mol%、1mol%〜10mol%、1mol%〜5mol%、2mol%〜20mol%、2mol%〜15mol%、2mol%〜10mol%、2mol%〜5mol%、又は約2mol%である。
一実施形態において、酸性共触媒の触媒充填量は、スクシンアルデヒド(II)に対して0.05mol%〜20mol%である。一実施形態において、酸性共触媒の触媒充填量は、スクシンアルデヒド(II)に対して0.05mol%〜15mol%、0.05mol%〜10mol%、0.05mol%〜5mol%、1mol%〜20mol%、1mol%〜15mol%、1mol%〜10mol%、1mol%〜5mol%、2mol%〜20mol%、2mol%〜15mol%、2mol%〜10mol%、2mol%〜5mol%、又は約2mol%である。
実施例から分かるように(実施例2、手順3及び9を参照)、スクシンアルデヒド(II)からラクトール(Ia)を形成する主要なステップは、両触媒の(非常に)低い充填量でも実施できた。
一実施形態において、スクシンアルデヒド(II)からラクトール(Ia)を形成する主要なステップは、0.2M〜4Mの濃度で実施される。これらの濃度は、反応開始時に存在しているスクシンアルデヒドの量に基づいて計算される。
一実施形態において、キラル第二アミン触媒が添加された後に酸性共触媒が反応混合物に添加される場合、酸性共触媒が添加される前の段階では、反応は約2Mの濃度で実施され、そして、酸性共触媒が添加された後の段階では、反応は約1Mの濃度で実施される。すでに述べたように、これらの濃度は、反応開始時に存在しているスクシンアルデヒドの量に基づいて計算される。
本発明の第二の態様による方法における主要なステップは、好適な溶剤系中で実施される。
本出願との関連において、好適な溶剤系とは、少なくとも主要なステップがラクトール(Ia)を形成し続けることができる程度にスクシンアルデヒド(II)、キラルアミン触媒、及び酸性共触媒を溶解できる溶媒系である。好適な溶剤系は、日常的な実験によって容易に確立できる。
一実施形態において、溶媒系には、アルコール以外の有機溶媒が含まれる。
一実施形態において、溶媒系には、非プロトン性有機溶媒が含まれる。
一実施形態において、溶媒系には、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、例えば、tert−ブチルメチルエーテルやジメチルエーテル(DME)などのエーテル、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン(DCM)、ジメトキシエタン(DME)、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、スルホラン、例えば、酢酸メチルや、酢酸エチルや、酢酸プロピル(酢酸n−プロピル又は酢酸i−プロピル)や酢酸ブチル(酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸t−ブチル又は酢酸sec−ブチル)などのエステル、或いはそれらの組み合わせが含まれる。
一実施形態において、溶媒系には、テトラヒドロフラン(THF)若しくは2−メチルテトラヒドロフラン、又はそれらの組み合わせが含まれる。
一実施形態において、溶媒系には、テトラヒドロフラン(THF)が含まれる。
一実施形態において、溶媒系には、スクシンアルデヒド(II)に対して50mol%未満の水が含まれる。
一実施形態において、溶媒系には、スクシンアルデヒド(II)に対して25mol%未満の水が含まれる。実施例から分かるように(実施例2、手順7を参照)、スクシンアルデヒド(II)からラクトール(Ia)を形成する主要なステップは、収率の低下なしにこの量の水を許容することが分かった。そのため、この反応は無水条件を必要としない;試薬グレードのTHFの使用でも無水THFの使用と同じ収率をもたらす。
一実施形態において、溶媒系は、スクシンアルデヒド(II)に対して20mol%以上のトリエタノールアミンの存在下で水を含む。
一実施形態において、主要なステップはあ、−10℃〜40℃の温度で実施される。一実施形態において、主要なステップは、−10℃〜30℃、−10℃〜25℃、0℃〜40℃、0℃〜30℃、0℃〜25℃、10℃〜40℃、10℃〜30℃、10℃〜25℃、又は室温付近の温度で実施される。
「室温」とは、16〜22若しくは25℃、又は18〜22又は25℃、例えば、約20℃又は約25℃と定義される。
一実施形態において、特に酸性共触媒がキラル第二アミン触媒と同時に反応混合物に添加される場合、反応は、15分〜48時間の時間にわたり実施される。
一実施形態において、特にキラル第二アミン触媒が添加された後に酸性共触媒が反応混合物に添加される場合、酸性共触媒が添加される前の段階では、反応は15分〜48時間の時間にわたり実施され、そして、酸性共触媒が添加された後の段階では、反応は、15分〜48時間の時間にわたり実施される。
一実施形態において、酸性共触媒は、キラル第二アミン触媒が添加された後に反応混合物に添加され、キラル第二アミン触媒は(S)−プロリンであり、且つ、酸性共触媒は[BnNH][OCOCF]である。一実施形態において、溶媒系には、テトラヒドロフラン(THF)若しくは2−メチルテトラヒドロフラン、又はそれらの組み合わせが含まれる。一実施形態において、キラル第二アミン触媒の触媒充填量は、スクシンアルデヒド(II)に対して約2mol%であり、そして、酸性共触媒の触媒充填量は、スクシンアルデヒド(II)に対して約2mol%である。一実施形態において、酸性共触媒は、キラル第二アミン触媒が添加された約8時間後に反応混合物に添加される。実施例から分かるように(実施例2を参照)、これらの条件が、実施例に使用した規模程度で実施されるのであれば、ラクトール(Ia)の最も高い収率をもたらし、これらの条件が、試験した条件の中で最も効果的であることがわかった。
この出発点から、異なった反応規模に関して、最適な触媒充填量と酸性共触媒添加の最適な遅延時間は、日常的な実験によって容易に確立できる。
一実施形態において、主要なステップの前に、方法は、以下の反応スキーム:
Figure 0006392749
{式中、R40は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアリール、又は−COR41(式中、R41はアルキルである)である}による、水中で2,5−二置換テトラヒドロフラン(III)を加熱して、スクシンアルデヒド(II)を形成する前ステップを更に含む。
一実施形態において、R40はC−Cアルキルである。一実施形態において、R40はメチル又はエチルである。一実施形態において、R40はメチルである。
一実施形態において、前ステップは、酸の不存在下で実施される。2,5−ジメトキシテトラヒドロフランの加水分解は知られているが、一般に、酸が必要であって、そしてそれがその後のアルドール反応を妨げ、且つ、精製を難しくする可能性がある。既知の方法で得られた物質は、多くの場合、複数回の蒸留による精製を必要とし、先に記載の前ステップとは異なっている。
スクシンアルデヒド(II)を形成するのみならず、前ステップはアルコールR40−OHの形成をもたらす。一実施形態において、前ステップは、形成されたアルコールR40−OHを留去することを含む。
一実施形態において、前ステップは、水から先に記載した主要なステップに好適な新しい溶媒系への溶媒系の変更を含み、そしてそれが、新しい溶媒系中でのスクシンアルデヒド(II)の溶液の形成をもたらす。溶媒系の適当な変化により、前ステップはその場で実施されてもよく、そしてそれが、(実施例3D、3E、3F及び3Hにおいて2,5−ジメトキシテトラヒドロフランについて示されているように)2,5−二置換テトラヒドロフラン(III)のラクトール(Ia)へのワンポット変換をもたらす。
一実施形態において、溶媒系は、水から、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、酢酸メチル、及びその組み合わせから選択される有機溶媒を含む溶媒系に変更される。
一実施形態において、溶媒系の変更は、Dean−Stark装置を使用することによって達成される。
一実施形態において、主要なステップ後に、方法は、ラクトール(Ia)を官能基化して、式(Ib):
Figure 0006392749
{式中、
は、
Figure 0006392749
であり;
は、OR20、NR1111、SR11、S(O)R11、SO11であり;
20は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、CO−R11、又は保護基であり;そして
11は、本発明の第一の態様について先に定義したとおりのものである}の化合物を得る後続ステップを更に含む。
式(Ib)の化合物が2つ以上基R11を含むとき、基R11は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。
一実施形態において、R20は、C1〜C6アルキルである。一実施形態において、R20は、メチル、エチル又はt−ブチルである。一実施形態において、R20は、メチル又はt−ブチルである。一実施形態において、R20は、フェニル基で置換されたメチルである、すなわち、R20はベンジルである。
一実施形態において、R20は、シクロヘキシル又はシクロペンチルである。一実施形態において、R20は、シクロヘキシル又は、例えば、1若しくは複数のC1−C6アルキル基などの1若しくは複数のアルキル基で置換されたシクロヘキシルである。一実施形態において、R20は、メンチル(2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル)である。
一実施形態において、R20はフェニルである。一実施形態において、R20は、フェニルを含めた1若しくは複数の置換基で置換されたフェニルである。一実施形態において、R20は、フェニルで置換されたフェニルである。一実施形態において、R20は、5〜12個の炭素原子を含む単環式芳香族基又は二環式芳香族基である。
一実施形態において、R20は、CO−R11及びR11フェニルである、すなわち、R20はベンゾイルである。
一実施形態において、R20は、ベンジル、ベンゾイル、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、並びに例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、(ジメチル)テキシルシリル、及び2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)などのシリコン保護基から選択される保護基である。
一実施形態において、式(Ib)の化合物は、例えば、カラムクロマトグラフィーなどの当該技術分野で知られている精製技術を使用して精製できる。
一実施形態において、式(Ib)の化合物は、重亜硫酸ナトリウムを用いた精製によって有利に精製できる。重亜硫酸ナトリウムを用いたアルデヒドの精製は、溶液中のアルデヒドが亜硫酸水素塩付加物として沈殿することを可能にし、そしてそれは濾過によって単離できる。亜硫酸水素塩付加物は、必要に応じてアルデヒドに再変換した。重亜硫酸ナトリウムを用いた式(Ib)の化合物の精製は、式(Ib)の化合物がカラムクロマトグラフィーの不存在下であっても精製されることを可能にし、そしてそれは方法のスケールアップに役立ち得る。加えて、得られた亜硫酸水素塩付加物は、保存特性を改善し得る。
本発明の第三の態様によると、プロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体を製造する方法が提供されるが、それでは、反応物として先に定義される式(I)の化合物を使用した。
「プロスタグランジン類似体」という用語は、プロスタグランジン受容体に結合し、その結果、天然に存在するプロスタグランジンと多くの特徴を共有する分子を意味した。そのような分子としては、例えば、ラタノプロスト、ビマトプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、クロプロステノール、スルプロストン、エンプロスチル、ミソプロスチル、ノクロプロスト、アルバプロスチル、リオプロスチル、メキシプロスチラ、オルノプロスチル、ロサプロストール、リマプロスト、ゲメプロスト、ベラプロスト、エニソプロスト、チプロスタニド、レミプロストール、メテネプロスト、ビプロストール、ジモキサプロスト、トリモプロスチル、タプロステン、及びGR−63779Xが挙げられる。
一実施形態において、本発明の第三の態様による方法では、式(Ic):
Figure 0006392749
{式中、R20は、反応物として、本発明の第二の態様について定義されたとおりのものである}のアセタールを使用した。
一実施形態において、式(Ic)のアセタールは、以下の反応スキーム:
Figure 0006392749
により、保護ラクトール(Ia)によって形成される。
得られた式(Ic)のアセタールは、ラクトール(Ia)の保護された形態である。
一実施形態において、式(Ic)のアセタールは、例えば、カラムクロマトグラフィーなどの当該技術分野で知られている精製技術を使用することで精製できる。一実施形態において、式(Ic)のアセタールは、先に述べたように、重亜硫酸ナトリウムを用いた精製によって有利に精製できる。
一実施形態において、ラクトール(Ia)は、以下の反応スキーム:
Figure 0006392749
により、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒を用いて、本発明の第二の態様の方法中の主要なステップに従ってスクシンアルデヒド(II)を処理することによって形成される。
一実施形態において、本発明の第三の態様の方法は、以下のステップ:
(a)任意に、先に記載したように、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒でスクシンアルデヒド(II)を処理して、ラクトール(Ia)を形成し;
(b)任意に、先に記載したように、それを式(Ic):
Figure 0006392749
のアセタールに変換することによってラクトール(Ia)を保護し;
(c)式(Ic)のアセタールを軟求核試薬(soft nucleophile)と反応させて、p位に所望の側鎖を付与して、得られたエノールエーテルを保護し;
(d)ステップ(c)で形成された化合物を酸化的切断に供し、続いて還元し;
(e)ステップ(d)で形成された化合物を脱保護し;そして
(f)ステップ(e)で形成された化合物をオレフィン化試薬と反応させてp位に所望の側鎖を付与して、プロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体を形成すること、
を含む。
一実施形態において、この方法は、任意のステップ(b)を含んでいる。
一実施形態において、この方法は、任意のステップ(a)及び(b)を含んでいる。
一実施形態において、ステップ(f)におけるオレフィン化試薬は、ウィッティヒ試薬である。
一実施形態において、本発明の第三の態様の方法は、PGF2αを製造する方法であって、そしてそれは、以下のステップ:
(a)任意に、先に記載したように、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒でスクシンアルデヒド(II)を処理して、ラクトール(Ia)を形成し;
(b)任意に、先に記載したように、それを式(Ic)のアセタールに変換することによってラクトール(Ia)を保護し;
(c)式(Ic)のアセタールをマイケル付加によって反応するように準備された式(IV)の軟求核試薬と反応させて、そして、得られたエノールエーテルを保護して、式(V)の化合物を形成し;
(d)式(V)の化合物を酸化的切断に供し、続いて還元して、式(VI)の化合物を形成し;
(e)式(VI)の化合物を脱保護して、式(VII)の化合物を得;そして
(f)式(VII)の化合物をウィッティヒ反応によって式(VIII)のホスホニウムハロゲン化物と反応させて、PGF2αを形成すること、
を含んでいて、以下の反応スキーム:
Figure 0006392749
{式中、
PG1及びRPG2は、保護基であり;
Aは、マイケル付加によって軟求核試薬として式(IV)の化合物が反応できる基であり;そして
Halは、ヨウ化物、臭化物、塩化物、及びフッ化物から選択されるハロゲン化物基である。}による。
一実施形態において、この方法は、任意のステップ(b)を含んでいる。
一実施形態において、この方法は、任意のステップ(a)及び(b)を含んでいる。
ステップ(b)における保護は、式(Ic)のアセタールをもたらし、そしてそれが、ラクトール(Ia)の保護された形態である。
一実施形態において、RPG1は、例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、(ジメチル)テキシルシリル、及び2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)などのシリコン保護基から選択される。
一実施形態において、RPG2は、任意に置換されたベンジル、任意に置換されたベンゾイル(例えば、フェニルで置換されたもの)、テトラヒドロピラニル(THP)、アセタート、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、エトキシエチルエーテル(EE)、並びに、例えば、トリメチルシリル(TMS)や、トリエチルシリル(TES)や、トリイソプロピルシリル(TIPS)や、トリフェニルシリル(TPS)や、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)や、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)や、(ジメチル)テキシルシリルや、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)などのシリコン保護基から選択される。
一実施形態において、基Aは、1若しくは複数のリガンドを有する金属中心を含む。一実施形態において、基Aは、1若しくは複数のリガンドを有するCu中心を含む。
一実施形態において、式(IV)の軟求核試薬は、クプラート試薬である。一実施形態において、クプラート試薬は、高次混合クプラート試薬、ヘテロクプラート試薬、及び混合ホモクプラート試薬から選択される。
一実施形態において、基Aは:
Figure 0006392749
{式中、
は、チオフェン、ピロール、イミダゾール、任意に置換されたフェニル、置換されたアセチレン、(アルキルスルフィニル)アルキル及び(アルキルスルホニル)アルキルから選択されるリガンドであり;そして
は、CN、PhS、t−BuO、PhP、(C11N、t−BuP、チオフェン、ピロール、イミダゾール、任意に置換されたフェニル、置換されたアセチレン、(アルキルスルフィニル)アルキル及び(アルキルスルホニル)アルキルから選択されるリガンドである}である。
一実施形態において、式(IV)の軟求核試薬は、高次混合クプラート試薬であり、基Aは:
Figure 0006392749
{式中、Lは、チオフェン、ピロール、イミダゾール、任意に置換されたフェニル、置換されたアセチレン、(アルキルスルフィニル)アルキル及び(アルキルスルホニル)アルキルから選択されるリガンドである}である。
一実施形態において、基Aは、以下の構造:
Figure 0006392749
から選択される。
一実施形態において、基Aは、以下の構造:
Figure 0006392749
を有した。
一実施形態において、式(IV)の軟求核試薬は、ヘテロクプラート試薬であり、そして、基Aは:
Figure 0006392749
{式中、Lは、CN、PhS、t−BuO、PhP、(C11N、及びt−BuPから選択されるリガンドである}である。
一実施形態において、式(IV)の軟求核試薬は混合ホモクプラート試薬であり、そして、基Aは:
Figure 0006392749
{式中、Lは、チオフェン、ピロール、イミダゾール、任意に置換されたフェニル、置換されたアセチレン、(アルキルスルフィニル)アルキル及び(アルキルスルホニル)アルキルから選択されるリガンドである}である。
一実施形態において、基Aは:
Figure 0006392749
{式中、Lは、以下の構造:
Figure 0006392749
から選択される}である。
一実施形態において、ステップ(d)における酸化的切断は、オゾン分解である。
保護、脱保護、及び還元は、当業者に知られている普通の方法で実施できる;これらは化学合成における日常的なステップである。
一実施形態において、ステップ(f)では、式(VIII)のHalは、ヨウ化物、臭化物、及び塩化物から選択される。一実施形態において、ステップ(f)では、式(VIII)のホスホニウムハロゲン化物は、臭化ホスホニウムである、すなわち、式(VIII)のHalは臭化物である。
一実施形態において、本発明の第三の態様の方法は、ラタノプロストを製造する方法であって、そしてそれは、以下のステップ:
(a)任意に、先に記載したように、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒でスクシンアルデヒド(II)を処理して、ラクトール(Ia)を形成し;
(b)任意に、先に記載したように、それを式(Ic)のアセタールに変換することによってラクトール(Ia)を保護し;
(c)式(Ic)のアセタールをマイケル付加によって反応するように準備された式(IV’)の軟求核試薬と反応させて、そして、得られたエノールエーテルを保護して、式(V)の化合物を形成し;
(d)式(V)の化合物を酸化的切断に供し、続いて還元して、式(VI’)の化合物を形成し;
(e)式(VI’)の化合物を脱保護して、式(VII’)の化合物を得;
(f)式(VII’)の化合物をウィッティヒ反応によって式(VIII)のホスホニウムハロゲン化物と反応させて、式(IX)の化合物を形成し;そして
(g)式(IX)の化合物をアルキル化して、ラタノプロストを形成すること、
を含んでいて、以下の反応スキーム:
Figure 0006392749
{式中、
PG1及びRPG2は、先に定義したとおりのものであり;
Aは、マイケル付加によって軟求核試薬として式(IV’)の化合物が反応できる基であり;そして
Halは、先に定義したとおりのものである。}による。
一実施形態において、この方法は、任意のステップ(b)を含んでいる。一実施形態において、この方法は、任意のステップ(a)及び(b)を含んでいる。
ステップ(b)における保護は、式(Ic)のアセタールをもたらし、そしてそれが、ラクトール(Ia)の保護された形態である。
一実施形態において、式(IV’)の軟求核試薬はクプラート試薬である。一実施形態において、クプラート試薬は、高次混合クプラート試薬、ヘテロクプラート試薬、及び混合ホモクプラート試薬から選択される。
基Aは、先に定義したとおりのものである。
一実施形態において、ステップ(d)における酸化的切断は、オゾン分解である。
一実施形態において、ステップ(g)におけるアルキル化は、式(IX)の化合物をプロピルハロゲン化物と反応させることを含む。
保護、脱保護、及び還元は、当業者に知られている普通の方法で実施できる;これらは化学合成において日常的なステップである。
一実施形態において、本発明の第三の態様の方法は、ビマトプロストを製造する方法であって、そしてそれは、以下のステップ:
(a)任意に、先に記載したように、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒でスクシンアルデヒド(II)を処理して、ラクトール(Ia)を形成し;
(b)任意に、先に記載したように、それを式(Ic)のアセタールに変換することによってラクトール(Ia)を保護し;
(c)式(Ic)のアセタールをマイケル付加によって反応するように準備された式(IV”)の軟求核試薬と反応させて、そして、得られたエノールエーテルを保護して、式(V”)の化合物を形成し;
(d)式(V”)の化合物を酸化的切断に供し、続いて還元して、式(VI”)の化合物を形成し;
(e)式(VI”)の化合物を脱保護して、式(VII”)の化合物を得;そして
(f)式(VII”)の化合物をウィッティヒ反応によって式(VIII”)のホスホニウムハロゲン化物と反応させて、ビマトプロストを形成すること、
を含んでいて、以下の反応スキーム:
Figure 0006392749
{式中、
PG1及びRPG2は、先に定義したとおりのものであり;
Aは、マイケル付加によって軟求核試薬として式(IV”)の化合物が反応できる基であり;そして
Halは、先に定義したとおりのものである。}による。
一実施形態において、この方法は、任意のステップ(b)を含んでいる。一実施形態において、この方法は、任意のステップ(a)及び(b)を含んでいる。
ステップ(b)における保護は、式(Ic)のアセタールをもたらし、そしてそれが、ラクトール(Ia)の保護された形態である。
一実施形態において、式(IV”)の軟求核試薬はクプラート試薬である。一実施形態において、クプラート試薬は、高次混合クプラート試薬、ヘテロクプラート試薬、及び混合ホモクプラート試薬から選択される。
基Aは、先に定義したとおりのものである。
一実施形態において、ステップ(d)における酸化的切断は、オゾン分解である。
保護、脱保護、及び還元は、当業者に知られている普通の方法で実施できる;これらは化学合成において日常的なステップである。
本発明の第四の態様によると、プロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体を製造する際の反応物として、先に定義した式(I)の化合物の使用を提供した。
本発明の第五の態様によると、本発明の第二の態様による方法によって、先に定義した式(I)の化合物の調製の際の出発物質としてのスクシンアルデヒド(II)の使用を提供した。
本発明の第六の態様によると、本発明の第三の態様による方法によって、プロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体の調製の際の出発物質としてのスクシンアルデヒド(II)の使用を提供した。
この明細書の説明及び請求項を通じて、「含む(「comprise」や「contain」)」という語、及びその語の変形、例えば「comprising」や「comprises」は、「含むが、これだけに限定されるものではない」を意味し、そして、他の部分、追加要素、成分、整数又はステップを排除するものではない。そのうえ、単数形は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、複数形を包含する:特に、不定冠詞が使用されている場合、明細書では、文脈上他の意味に解する必要がある場合を除き、単数と同様に複数を企図すると理解されるべきである。
本発明のそれぞれの態様の好ましい特徴は、他の態様のいずれかに関連して記載されているものであってもよい。本発明の他の特徴は、以下の実施例から明らかになる。一般的に言えば、本発明は、(全ての添付の請求項及び図面を含めた)この明細書で開示された特徴の全ての新規なもの又は全ての新規な組み合わせにも及ぶ。そのため、本発明に関する特定の態様、実施形態又は実施例に関連して記載した特性、整数、特徴、化合物、化学部分又は基は、それらと矛盾しない限り本明細書中に記載したその他の態様、実施形態又は実施例にも適切であることが理解されるべきである。そのうえ、別段の記述がない限り、本明細書中に開示されたあらゆる特性が、同じ又は類似した目的を果たす代替の特性によって置き換えられ得る。
上限と下限が特性に関して示される場合、任意の上限と任意の下限の組み合わせで定義された値の範囲もまた含み得る。
この明細書中、旋光のような化合物の特性に対する言及は、−別段の記述のない限り−周囲条件下、すなわち、大気圧、且つ、16〜22若しくは25℃、18〜22若しくは25℃、例えば、約20℃又は約25℃の温度で計測された特性に対するものである。
本発明はここで、以下の限定されない実施例、及び添付の説明図面を参照して更に説明される:
スクシンアルデヒド8に関するH NMRスペクトルである。 オリゴマー生成の兆候を示すスクシンアルデヒド8に関するH NMRスペクトルである。 THF中で>50gのスクシンアルデヒド8の調製に関するH NMRスペクトルである。 (S)−プロリン及び[BnNH][OCOCF]を用いたスクシンアルデヒド8の200mgスクリーニング反応に関するH NMRスペクトルである。 拡大した図4の領域を示し、内部標準(1,3,5−トリメトキシベンゼン)の芳香族Hと収率を決定するために使用したラクトール7のビニルHを示している。 1Mへの希釈後、8hの時点で添加された2mol%の(S)−プロリン及び2mol%の[BnNH][OCOCF]を用いた反応におけるスクシンアルデヒド8の消費とラクトール7の形成を示すグラフである。 実施例3Aの57.5gスケールの反応からの未精製反応混合物のH NMRである。 収率計算に使用したピークを示している拡大した図7の領域を示す。 ラセミ物質(±)−7、微量のジアステレオマーに相当するキラルGC痕跡が示された。 有機触媒反応からのナンチオに富んだ7、微量のジアステレオ異性体に対応するキラルGC痕跡が示された。 内部標準を伴った2−MeTHF中のスクシンアルデヒド8に関するH NMRスペクトルである。 実施例8B(e)の表11、エントリー2に相当する反応混合物に関する拡大したH NMRの領域であり、収率を決定するために使用した内部標準(1,4−ジメトキシベンゼン)の芳香族Hと(±)20のビニルHを示している。
実験法
すべての反応が、試薬グレードの溶媒を使用し、且つ、次の化合物:ヨウ化ビニルSI−9、シリルエノールエーテル26、PGF2α、アリルアルコール64と66、アルコール68、ヨウ化物69、シリルエノールエーテル70、酸75、ラタノプロスト77、アルコール81、アミド83、ケトン84、アルコール87、ヨウ化物89、シリルエノールエーテル92、及びビマトプロスト97、を調製する場合以外は空気を排除することなく実施された。これらの場合には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンが、活性アルミナでできた精製カラムから得られ(Pangborn et al., Organometallics 15, 1518−1520 (1996))、且つ、反応は、標準的なマニホールド技術を使用して窒素下で実施した(無水溶媒の使用はこれらの化合物についての実験において明確に記述されている)。すべての化学物質が、Acros、Aldrich、Alfa Aesar、Fluka、Lancaster又はMerckから購入され、特に明記しない限り、更なる精製なしで使用された。トリエチルアミンと塩化トリメチルシリルは、使用前に減圧下、CaH上で蒸留された。t−BuLiの溶液及びn−BuLiの溶液は、Chong et al., J. Organomet. Chem. 542, 281−283 (1997)に記載の手順を使用してN−ベンジルベンズアミドに対して滴定された。モレキュラーシーブは、使用前に150℃にて5分間の反応マイクロ波でのマイクロ波照射によって活性化された。フラッシュクロマトグラフィーが、シリカゲルにより実施された(Aldrich又はMerckのKieselgel 60 F254 230〜400メッシュ)。
すべての薄層クロマトグラフィーが、シリカゲルが前もって被覆されたアルミニウム裏打ちプレートにより実施された(Merck、Silica Gel 60 F254)。ガソリンとは40/60石油エーテルを指す。化合物は、UV光にさらす、及び/又はリンモリブデン酸又は過マンガン酸カリウムの溶液にプレートを浸し、その後加熱することによって可視化された。クロマトグラフィー条件の詳細は、各化合物の下で示されている。キラルGC分離は、Agilent 6890Nで実施された。H及び13C NMRスペクトルは、Varian 500MHz、Varian 400MHz、JEOL 400MHzスペクトロメーターで記録され、そして、シグナルは、非重水素置換溶媒の残留シグナルと比較して報告される。質量スペクトルは、電子衝突(EI)、電界スプレー(ESI)、又は化学(Cl)イオン化技術を使用して記録された。低分解能質量スペクトル(m/z)は、基準ピークのパーセンテージとして示される強度で報告されている主要なピークのみが記録された。IRデータは、報告されている選択ピークだけを用いてPerkinElmer Spectrum One FT IR−スペクトロメーターにより得られた。旋光は、Bellingham and Stanley Ltd.のADP 220旋光計により得られた。融点は、コフラー加熱ステージ装置を使用して測定し、そして、補正していない。
実施例1−スクシンアルデヒド8の合成
1A.以下の手順を、5〜20gの規模でスクシンアルデヒド8(先に記載した化合物(II)に相当する)を製造するために使用した:
Figure 0006392749
水(100ml)中、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23(40.8g、40.0ml、309mmol)の溶液を、75℃(オイルバスの温度)にて4時間撹拌した。次に、温度を120℃(オイルバスの温度)まで上げ、そして、100mlの蒸留物を(3.5〜4時間の期間にわたり)回収した。反応混合物を冷まし、その後、CHCl(20×25ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、黄色の液体としてスクシンアルデヒド8(18.3g、69%)を得た。注意事項:CHCl抽出物の濃度中、この実施例の目的のために、ロータリーエバポレターの水浴を加熱しないことが重要である。そうすることで、オリゴマー生成の促進につなげることができる(図2を参照)。物質は、減圧下での蒸留によって更に精製できて(0.3mbar、45℃)、透明な無色の油状物質を得た。しかしながら、蒸留が有利でないことがわかった;蒸留前のH NMRが非常に明確なので(図1を参照)、スクシンアルデヒドが蒸留されるか否かが、プロリン触媒反応の収率に重要でない。MeOHと水の蒸留後の反応混合物は、−20℃にて2週間超保存でき、必要であれば、スクシンアルデヒドの純度に悪影響を及ぼすことなく抽出できた。あるいは、CHCl抽出物は、スクシンアルデヒドの純度に悪影響を及ぼすことなく濃縮前に−20℃にて2又は3日間保存できる。解析データは文献と一致していた(House, H. O. et al., J. Org. Chem. 30, 1061−1070 (1965); Fakstorp, J. et al., J. Am. Chem. Soc. 72, 869−874 (1950); Hardy, P. M. et al., J. Chem. Soc, Perkin Trans. 2, 2270− 2278 (1972))。
Figure 0006392749
1B.以下の手順を、>50gの規模においてスクシンアルデヒド8を製造するために使用した:
Figure 0006392749
水(420ml)中の2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23(142.8g、140ml、1.08mol)の溶液を、75℃(オイルバスの温度)にて4時間撹拌した。次に、温度を120℃(オイルバスの温度)まで上げ、そして、400mlの蒸留物を回収した。反応混合物を冷まし、CHCl(70×25ml)で抽出した。合わせた有機相を、(オリゴマー生成を最小にするように)それぞれ250mlの7つの別々のバッチで乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮した。それぞれの別々のバッチにおいて、真空下でCHClを取り除き、そして、質量を記録した後に、適当量のTHFを添加して、スクシンアルデヒド8の2M溶液を製造した。これらの溶液を合わせて、その後のアルドール反応のための2M溶液を得た(57.5g、62%のスクシンアルデヒドを含む)、実施例3Aを参照。
図3のH NMRスペクトルは、先に実験用に記載したとおり準備したTHF中のスクシンアルデヒド8の2M溶液を示す。
実施例2−スクシンアルデヒド8のプロリン触媒アルドール反応の調査のための一般的な実験手順
溶媒、様々なキラル第二アミン触媒、様々な共触媒、触媒の化学量論、タイミング、水の効果、及び濃度効果を含めたこの反応について、多くのパラメーターを調査し、そして、以下にこれらを記載した。
溶媒の選別(手順1)
新たに抽出し、そして、濃縮したスクシンアルデヒド8(200mg、2.32mmol)を、以下の表1に記載の溶媒(1.16ml)中に溶解し、そして、(S)−プロリン(26.7mg、0.23mmol、10mol%w.r.t.8)を添加した。
反応混合物を、室温で4時間撹拌し、その後、溶媒で希釈し(10.5ml、0.2M w.r.t.のスクシンアルデヒド8に対して反応する)、そして[BnNH][OCOCF](145mg、0.46mmol、20mol%w.r.t.8)を添加した。反応物を14時間撹拌し、その後、1,3,5−トリメトキシベンゼン(19.5mg、0.116mmol)を添加した。反応物を更に15分間撹拌し、その後、アリコートを採取し、DMSO−d6を添加し、溶媒を高真空下で除去し、そして、サンプルをH NMRによって分析した(図4及び5を参照)。存在するラクトール7の量を、7のジアステレオ異性体のビニル陽子から生じるシグナルを内部標準である1,3,5−トリメトキシベンゼンのシグナルと比較することによって計算した。
Figure 0006392749
以下の表1に示されているように、スクシンアルデヒドの分子間アルドール反応と、それに続くその分子内アルドール反応、及び脱水がさまざまな溶媒中で実施されることができた。
Figure 0006392749
CHCl(エントリー1)などの低誘電性媒質からDMF(エントリー6)などの高極性溶媒までのさまざまな非プロトン性溶媒が、非常に類似した収率をもたらした。しかしながら、この特定の実験では、メタノールの使用は好適でなかった(エントリー7)。DMFに代わってTHFを使用したとき、我々のモデル系においてよりすばらしいジアステレオ選択性が観察されたので、我々はTHFでその後の調査を実施することを決めた。
プロリンとプロリン類似体(手順2)
手順1のとおりではあるが、(S)−プロリンを表2の適当な触媒で置き換えた。
Figure 0006392749
Figure 0006392749
Figure 0006392749
(S)−プロリンをさまざまな触媒の代わりに用いることは、変換の改善につながらなかった(表2)。(S)−プロリン(A)は、適当な程度まで変換を促進した。trans−4−ヒドロオキシ−L−プロリン(B)の使用(Sakthivel, K. et al., J. Am. Chem. Soc. 123, 5260−5267 (2001))は、収率の減少につながった。種々の有機溶媒中へのプロリンの難溶性のため、テトラゾール誘導体Cがこの問題を回避するために開発された(Hartikka, A. et al., Tetrahedron: Asymmetry 15, 1831−1834 (2004); Cobb, A. J. A. et al., Synlett 558−560 (2004); Torii, H. et al, Angew. Chem. Int. Ed. 43, 1983−1986 (2004))。しかしながら、我々の場合では、それでは少量のラクトール7しか得られなかった。(S)−プロリンのOH基と同様に機能するのに十分な酸性のNH機能性を有する、スルホンアミド誘導体D(Cobb, A. J. A. et al., Org. Biomol. Chem. 3, 84−96 (2005); Bellis, E. et al., Synthesis 2407−2413 (2005))やプロリンチオアミド(H及びI)(Gryko, D. et al., Adv. Synth. Cat. 347, 1948−1952 (2005))を含めた様々な触媒が開発された。我々の反応における触媒H及びIの使用は、生成物の痕跡しか検出されずにうまくいかなかった。Guillena及びNajera(Guillena, G. et al., Synlett 3031−3035 (2008); Bradshaw, B. et al., Adv. Synth. Cat. 351, 2482−2490 (2009))によって導入されたBinam−L−プロリンアミド誘導触媒E、そして、プロリノール触媒(F及びG)(Hayashi, Y. et al., Angew. Chem. Int. Ed. 47, 2082−2084 (2008); Urushima, T. et al., Org. Lett. 12, 2966−2969 (2010))の使用は、微量の生成物の形成にしかつながらなかったか、又は全く生成物を生み出さず、そして、一級アミノ酸のバリン3もまた、失敗であった。
我々の調査の間、我々は、[BnNH][OCOCF]の添加前に撹拌時間を4時間から2時間に変更できれば、変換に悪影響を及ぼすことなく(さらなる議論に関して表9を参照)、[BnNH][OCOCF]の添加時点で、0.2Mから1M(w.r.t.スクシンアルデヒド8)に濃度を高めることが可能であるとわかった。これらの新しい条件を使用して、我々は[BnNH][OCOCF]添加の効果を調査した。
[BnNH][OCOCF]の添加(手順3)
新たに抽出し、そして、濃縮したスクシンアルデヒド8(200mg、2.32mmol)を、THF(1.16ml)中に溶解し、そして、(S)−プロリン(26.7mg、0.23mmol)を添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、その後、THFで希釈し(1.16ml、1M w.r.t.スクシンアルデヒド8に対して反応する)、そして、[BnNH][OCOCF](mol%については表3を参照)を添加した。反応物を14時間撹拌し、その後、1,3,5−トリメトキシベンゼン(19.5mg、0.116mmol)を添加した。存在するラクトール7の量を、手順1に概説したように測定した。
Figure 0006392749
Figure 0006392749
スクシンアルデヒドを用いた我々の最初の実験では、Corey(Corey, E. J. et al., J. Am. C em. Soc. 100, 8031− 8034 (1978))が記載したように20mol%の[BnNH][OCOCF]の添加を使用した。変換を減少させることなく、この添加を1%(w.r.t.スクシンアルデヒド8)に低減することが可能であった。1%未満の添加では、より低い変換しか得られなかった。より大規模では、我々は、2%の[BnNH][OCOCF]が1%に比べてより多くの一貫した結果を得た。また、我々は、[BnNH][OCOCF]に代えて多くの代替の共触媒の使用を調査した。
[BnNH][OCOCF]に対する代替物(手順4)
新たに抽出し、そして、濃縮したスクシンアルデヒド8(200mg、2.32mmol)を、THF(1.16ml)中に溶解し、そして、(S)−プロリン(26.7mg、0.23mmol)を添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、その後、THFで希釈した(10.5ml、0.2M w.r.t.スクシンアルデヒド8に対して反応する)。適当な酸触媒(0.05mmol)を添加した。反応物を14時間撹拌し、その後、1,3,5−トリメトキシベンゼン(19.5mg、0.116mmol)を添加した。存在するラクトール7の量を、手順1に概説したように測定した。
Figure 0006392749
Figure 0006392749
ブレンステッド酸に関して、酸のpKと変換との間の相関関係が、TFAのような強酸の場合には全くないように思われ(表4、エントリー3)、そして、[BnNH][OCOCF](エントリー1)のような塩でも同様の結果が得られた。より強い酸であるメタンスルホン酸の使用では、より低い変換につながった(エントリー4)。酒石酸(エントリー7)もカンファースルホン酸(エントリー5)も、[BnNH][OCOCF]に比べて良くなかった。モルホリニウムトリフルオロアセタート(エントリー6)は、アルデヒドを用いたアセトンのアルドール縮合を触媒するためにListによって使用された(Zumbansen, K. et al., Adv. Synth. Cat. 351, 2482−2490 (2010))。我々の場合におけるその使用は、収率の改善につながらなかった。
Penhoatは、金属塩によるアルデヒド活性化を仮定して、不斉アルドール反応におけるルイス酸の効果に関する試験を報告した(Penhoat, M. et al., Tetrahedr. Lett. 52, 159− 162 (2011))。我々の条件で選別された様々なルイス酸の中では、塩化亜鉛(エントリー9)だけがかなりの量のラクトール7をもたらした。
他の者は、プロリン又はプロリン誘導体の有無にかかわらず、アルドール及びアルドール型の反応における固形の塩基触媒又は酸触媒の使用を報告した(Akagawa, K. et al., Tetrahedr. Lett. 48, 985−987 (2007); Naka, H. et al., J. Oleo. Sci. 50, 813−821 (2001); Loh, T.−P. et al., Tetrahedron. 55, 10789−10802 (1999))。Amberlite 120及びMontmorillonite K10(エントリー11及び12)の使用は、少量の検出される生成物をもたらした。
[BnNH][OCOCF]に対する更なる代替物(手順4a)
手順4は、表5に示したとおり、[BnNH][OCOCF]に代わって他の多くの共触媒を用いて繰り返した。
Figure 0006392749
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Figure 0006392749
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収率が低い反応は、スクシンアルデヒドによる更なるアルドール反応を受ける傾向がある、中間体であるトリアルデヒドのオリゴマー化との因果関係があったので、我々は、反応開始から(S)−プロリンと組み合わせて、(添加剤を伴った)種々の酸触媒の存在を調査した。
反応開始時点での組み合わせた状態での(S)−プロリンと(添加剤を伴った)酸触媒の使用(手順5)
新たに抽出し、そして、濃縮したスクシンアルデヒド8(200mg、2.32mmol)を、THF(1.16ml)中に溶解した。(S)−プロリン(26.7mg、0.23mmol)及び適当な酸触媒又は添加剤(0.05mmol、2mol%)を添加した。反応混合物を、室温で14時間撹拌した。1,3,5−トリメトキシベンゼン(19.5mg、0.116mmol)を添加し、そして、存在するラクトール7の量を、手順1に概説したように測定した。
Figure 0006392749
Figure 0006392749
酸性36を、以下の手順6に記載した。
あらゆる場合において、反応開始時点からの(S)−プロリンと組み合わせた(添加剤を伴った)酸触媒の使用は、収率の減少につながった。調査した様々な条件下(溶媒、プロリン添加、及び[BnNH][OCOCF]添加)、[BnNH][OCOCF]を反応開始時点から添加したとき、2時間後の添加と比較して、我々は収率の減少を常に観察した。
添加剤が、エナンチオ選択性を改善する、及び/又は不斉反応の速度を加速することが知られているので(VogI, E. M. et al., Angew. Chem. Int. Ed. 38, 1570−1577 (1999))、ここ数年にわたって、一連のアルドール反応に対する様々な添加剤の効果を試験した。我々は、様々な添加剤と組み合わせて[BnNH][OCOCF]を使用した(又はそれを置き換えた)多くの反応を実施した。
添加剤を伴った[BnNH][OCOCF](手順6)
手順4のとおりであるが、様々な添加剤と組み合わせて[BnNH][OCOCF]を使用した(又はそれを置き換えた)(表7)。
Figure 0006392749
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我々は、[BnNH][OCOCF]の存在が、〜15%の収率で生成物を得るのに必要であることを立証した(表7、エントリー1及び2)。最近、Demirらは、収率と選択率の両方を改善するためにプロリン触媒アルドール反応における添加剤としてのチオ尿素36(1,3−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)チオ尿素)の使用を導入した(Reis, O. et al., Chem. Commun. 1088−1090 (2009))。我々の場合では、2時間の時点での[BnNH][OCOCF]と共に、反応への36の添加は、変換の増大につながらなかった(エントリー3)。[BnNH][OCOCF]の代わりの36の使用は、収率の減少につながった(エントリー4)。
一連の反応の間、トリアルデヒド10からラクトール7への変換は、脱水を必要とした。このステップを促進する試みでは、我々は、[BnNH][OCOCF]と同時に、硫酸マグネシウム(エントリー5)と4Åのモレキュラーシーブ(エントリー6)を反応物に加えた。これらの添加剤のどちらも変換を改善することなく、モレキュラーシーブの使用は、実際には変換の著しい減少につながった。
アルドール反応における添加剤としてのキラルジオールの使用は、Shanと共同研究者ら(Zhou, Y. et al., J. Org. Chem. 71, 9510−9512 (2006))によって試験された。しかしながら、我々の反応への(S)−BINOLの添加は、収率の増大につながらなかった(エントリー7)。
最終的に我々は、界面活性剤としてのポリ(エチレングリコール)と共に様々な溶媒中で反応を実施することを試みた(Chandrasekhar, S. et al., Tetrahedron. 62, 338−345 (2006); Chandrasekhar, S. et al, Tetrahedr. Lett. 45, 4581−4582 (2004))。しかしながら、この添加剤の使用は、収率の減少につながった(エントリー8〜10)。
2004年に、Pihkoと共同研究者らは、分子間アルドール反応への水の添加を用いてより高い収率を報告した。水が形成されるオキサゾリジノンの量を減少させる可能性があり、そして、提案されている非生産的経路がプロリンの失活につながると仮定された(Nyberg, A. I. et al., Synlett. 1891−1896 (2004); Pihko, P. M. et al., Tetrahedron 62, 317−328 (2006))。プロリン触媒アルドール反応における水の役割は、Blackmond(Zotova, N. et al., J. Am. Chem. Soc. 129, 15100−15101 (2007))及びGschwind(Schmid, M. B. et al., Angew. Chem. Int. Ed. 49, 4997−5003 (2010))によって更に試験された複雑な問題である。我々は、スクシンアルデヒドのプロリン触媒縮合に対する水の効果を調査した。
水の効果(手順7)
新たに抽出し、そして、濃縮したスクシンアルデヒド8(200mg、2.32mmol)を、無水THF(1.16ml)中に溶解し、そして、適当量のHOをシリンジで加えた。(S)−プロリン(26.7mg、0.23mmol)を添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、その後、無水THFで希釈し(1.16ml、1M w.r.t.スクシンアルデヒド8に対して反応する)、そして、[BnNH][OCOCF](14.5mg、0.05mmol、2% w.r.t.スクシンアルデヒド8)を添加した。反応物を14時間撹拌し、その後、1,3,5−トリメトキシベンゼン(19.5mg、0.116mmol)を添加した。存在するラクトール7の量を、手順1に概説したように測定した。
Figure 0006392749
Figure 0006392749
反応は、最大25mol%の水(スクシンアルデヒド8に対するw.r.t.)まで許容し、〜15%の収率で生成物をもたらすことがわかった(エントリー5〜13)。水の増量は収率を低下させた(エントリー1〜4)。反応が無水条件を必要としないこと、及び試薬グレードのTHFの使用が無水THFの使用と同じ収率をもたらすことを証明した(エントリー14)。
より大規模な反応(最大50〜110gのスクシンアルデヒド)に適切な反応条件の開発の観点から、我々は、より高濃度における我々の変換の第二ステップの実施の可能性を調査した。
濃度の効果(手順8)
新たに抽出し、そして、濃縮したスクシンアルデヒド8(200mg、2.32mmol)を、THF(1.16ml)中に溶解し、そして、(S)−プロリン(26.7mg、0.23mmol、10mol% w.r.t.8)を添加した。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、その後、適当量のTHFで希釈し(濃度に関して表9を参照、濃度は反応開始時に存在したスクシンアルデヒド8の量に基づいて計算した)、そして、[BnNH][OCOCF](14.5mg、0.05mmol、2mol% w.r.t.スクシンアルデヒド8)を添加した。反応物を14時間撹拌し、その後、1,3,5−トリメトキシベンゼン(19.5mg、0.116mmol)を添加した。存在するラクトール7の量を、手順1に概説したように測定した。
Figure 0006392749
Figure 0006392749
[BnNH][OCOCF]添加後の反応物の濃度が収率に影響することがわかった。先に計算したとおり、これらの濃度は、反応開始時点で存在しているスクシンアルデヒド8の量に基づいた。濃度を2Mに維持したとき(すなわち、[BnNH][OCOCF]添加前にTHFを加えなかった)、12%の収率を得た(エントリー8)。[BnNH][OCOCF]添加前の0.2Mへの希釈は、収率の上昇につながった(エントリー1)。0.2Mへの希釈又は1.4Mへの希釈の間で、わずかな違いしかないように思えた(エントリー5)。1Mへの希釈は、小規模及び大規模の両方にて再現性の高い結果をもたらすことがわかった。我々は、使用する[BnNH][OCOCF]の量を削減でき、且つ、反応の第二の段階を実施する際の濃度を上げることもできるので、我々は、プロリン添加を変えることを調査した。
プロリンの化学量論と最初の撹拌時間の効果(手順9)
新たに抽出し、そして、濃縮したスクシンアルデヒド8(200mg、2.32mmol)を、THF(1.16ml)中に溶解し、そして、適当量の(S)−プロリンを添加した(表10を参照)。反応混合物を、室温で適当な時間(表10を参照)撹拌し、その後、THFで希釈し(1.16ml、1M w.r.t.スクシンアルデヒド8に対して反応する)、そして[BnNH][OCOCF](14.5mg、0.05mmol)を添加した。反応物を14時間撹拌し、その後、1,3,5−トリメトキシベンゼン(19.5mg、0.116mmol)を添加した。存在するラクトール7の量を、手順1に概説したように測定した。
Figure 0006392749
Figure 0006392749
反応がプロリンのより少量の添加によって実施できることがわかった。プロリン添加を1%、2.5%又は5%に削減したとき、[BnNH][OCOCF]添加前の撹拌時間を延長しなかったなら、収率は低かった(エントリー4〜6)。反応はたった1%のプロリンでも実施できたが、希釈及び[BnNH][OCOCF]添加前に、より長い時間が必要であった(エントリー12)。
最適条件は、10時間の2MにてTHF中、2%のプロリンの使用、その後の1Mへの希釈、そして、2%の[BnNH][OCOCF]の添加を伴った(エントリー10)。これらの条件は、後に記載するより大規模な反応の基礎を形成している(実施例3を参照)。
NMRによる最適条件のモニタリング(手順10)
新たに抽出し、そして、濃縮したスクシンアルデヒド8(2.00g、23.232mmol)を、THF(11.6ml、2M w.r.t.8)中に溶解し、そして、(S)−プロリン(53.5mg、0.46mmol)及び1,3,5−トリメトキシベンゼン(195mg、1.16mmol)を添加した。反応物を室温で8時間撹拌し、その後、[BnNH][OCOCF](145mg、0.46mmol)を添加した。反応混合物を、室温で撹拌し、そして、アリコートを毎時間ごとに取り出した。存在するスクシンアルデヒド8及びラクトール7の量を、手順1に記載したように測定した。
図6は、1Mへの希釈後、8時間で添加した2mol%の(S)−プロリン及び2mol%の[BnNH][OCOCF]を用いた反応におけるスクシンアルデヒド8の消費とラクトール7の形成を示す、この反応のモニタリングから生じたグラフである。
図6は、プロリンを用いた初期相の間の一定のジアルデヒド8の消費にもかかわらず、8時間での[BnNH][OCOCF]の添加まで生成物の形成がないことを示している。[BnNH][OCOCF]の添加によって、生成物が徐々に形成される。
これらの結果は、プロリン単独では微量の生成物しか検出されなかった、そして、例えば、[BnNH][OCOCF]などの共触媒が分子内アルドール反応と脱水を触媒するのに必要であるという以前の観察を支持する。反応終了時に、生成物と未反応スクシンアルデヒドを、NMRによって明確に同定した(次の実施例を参照)。
実施例3−二環式ラクトール7と二環式メチルアセタール24の大規模調製のための実験手順
3A.(3aR,6aS)−2−ヒドロキシ−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、7
Figure 0006392749
実施例IBで入手したTHF(334ml)中のスクシンアルデヒド8(57.5g、668mmol)の溶液を、室温で撹拌した。(S)−プロリン(1.54g、13.4mmol、0.02eq.)を固形物として添加し、そして、反応物を室温で20時間撹拌した。THF(334ml)を添加し、続いて、[BnNH][OCOCF](4.16g、13.4mmol、0.02eq.)を添加した。反応物を、更に14時間撹拌した。反応混合物の体積を、減圧下で半減させた。tert−ブチルメチルエーテル(TBME)(334ml)を添加し、そして、混合物を20分間撹拌し、その後、得られた固形物を(焼結漏斗を通して)濾過した。固形物をTBME(3×50ml)で洗浄し、そして、濾液を減圧下で濃縮した(注意事項:この実施例の目的のために、濾液の濃縮中、ロータリーエバポレターの水浴を加熱しないことが重要である)。物質を、ガソリン/EtOAc(6:4から4:6へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜350gのシリカ)によって精製して、茶色の油状物質としてラクトール7(ジアステレオ異性体の約2:1の混合物として、16%)を得た。この物質は、次の変換に進むのに十分な純度のものである(実施例3Cを参照)。それはいくらかの未反応スクシンアルデヒドとオリゴマー副生物を含んでいるが、これらはその後の変換及び精製の妨げとならない。
ラクトール7は、本発明の第一の態様による化合物であり、先に記載した化合物(Ia)に相当する。
図7及び8のH NMRスペクトルは、仕上げ前に(S)−プロリン及び[BnNH][OCOCF]とのスクシンアルデヒドの57.5gスケールの反応からの反応混合物のサンプルを示す。サンプルを、反応混合物から取り出し、DMSO−d6中に溶解し、そして、THFを減圧下で留去した。存在するラクトール7の量を、内部標準である1,3,5−トリメトキシベンゼンのシグナルと、7のジアステレオ異性体のビニル陽子から生じるシグナルとの比較によって計算した。
油状物質を、より厳密なカラムクロマトグラフィーによって更に精製して、薄茶色の固形としてラクトール7を得た。ガソリン/EtOAcからの再結晶後に、淡い茶色の針状物質としてラクトールを得た。
Figure 0006392749
キラルGC痕跡を図9aに示したが、それは、少ない方のジアステレオ異性体であるラセミラクトール(±)−7に相当する;図9bでは、それは、少ない方のジアステレオ異性体である実施例3Aの有機触媒反応からのエナンチオに富んだラクトール7に相当する。
低い収率にもかかわらず、オリゴマー副生物が濾過によって大部分が取り除くことができ、比較的純粋な未精製物質を残すので、ラクトール7の仕上げ及び精製は簡単であった。シリカ製プラグによる部分的精製は、数グラム規模で〜16%の収率、且つ、99:1のe.r.で所望のラクトール7をもたらした。生成物の絶対的立体化学は、PGF2αの合成によって最終的に証明され(実施例5を参照)、このタイプの反応のList−Houkモデルから得られる(最初の分子間エナンチオ選択的アルドール反応で観察されるエナンチオ選択性を説明する以下の遷移状態の構造を参照)。
Figure 0006392749
トリアルデヒド10のジアステレオ異性体の混合物が形成されると予想されたが(〜3.6:1d.r.は、モデル化合物16を用いた結果に基づいて予測されるであろう、以下の実施例8を参照)、少ない方のジアステレオ異性体は代替のジアステレオマーラクトールをもたらすことができないので、それはオリゴマーの形成で消費されなければならない。
3B.改変沈殿及び濾過手順を用いたラクトール7の合成
Figure 0006392749
変法では、先の実施例1Bに記載の2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(140ml規模)の加水分解と、それに続く先の実施例3Aに記載のアルドール反応後に、Celite(30g)を反応物に添加し、そして、反応混合物の体積を減圧下で3/4まで低減した。tert−ブチルメチルエーテル(TBME)(取り除いたTHF/2−MeTHFの体積と同じ体積)を、混合物を激しく撹拌しながら(〜10分にわたり)ゆっくり添加した。混合物を20分間撹拌し、その後、(焼結漏斗を通して)得られた固形物を濾別した。その固形物をTBME(3×100ml)で洗浄する、そして、濾液を減圧下で濃縮した。この物質を、(先の実施例3Aに記載の)クロマトグラフィーで部分的に精製し、次に、得られた物質をアセタール生成に使用した。
2−MeTHF及び/又はTHF除去前の反応混合物へのCeliteの添加は、得られた固形物が非常に簡単に濾過されることを確実にしながら、この溶媒の1/2よりむしろ3/4を除去できるようにする(溶媒の3/4を取り除くための先の試みは、TBMEを加えるとき、「ベトベトした」物質につながった)。この変法は、「クラッシュアウト(crashed out)」/沈殿したより多くのオリゴマーにつながり、オリゴマーの更に簡単な濾過を可能にし、且つ、クロマトグラフィー後のより混じりけのない生成物につながるように見えた。
3C.(3aR,6aS)−2−メトキシ−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、24
Figure 0006392749
7を含めた実施例3Aからの残渣を、CHCl(120ml)中に溶解し、室温で撹拌した。MeOH(実施例3Aの内部標準によって検出した〜16%の7に基づいて、3.42g、4.33ml、107mmol、2.0eq.)をシリンジで添加した。Amberlyst15(765mg)及びMgSO(15.8g)を固形物として一度に添加し、そして、反応混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(2×30ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、ガソリン/EtOAc(10:1から4:1へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜150gのシリカ)によって精製して、黄色の油状物質として(ジアステレオ異性体の約2:1混合物として、スクシンアルデヒドから2ステップかけて7.85g、14%)メチルアセタール24を得た(これは冷凍庫内では固まるが、形成されたジアステレオ異性体の適確な比によって物理状態及び外観は異なり、一方が固形物であり、もう片方が油状物質である)。
メチルアセタール24は、本発明の第一の態様による化合物であり、先に記載した化合物(Ic)(及び化合物(Ib))に相当する。
Figure 0006392749
更なる特徴づけの目的でカラムクロマトグラフィーによってジアステレオ異性体を部分的に分離することも可能であった(あるいは、これはPGF2αの合成を必要としなかった)。
主要なジアステレオ異性体:
Figure 0006392749
少ない方のジアステレオ異性体:
Figure 0006392749
3D.ラクトール7の合成−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23からラクトール7へのワンポット変換(50mL規模)
Figure 0006392749
第一ステップ−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23からスクシンアルデヒド8
水(100ml)中の2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23(51.0g、50.0ml、386mmol)の溶液を、75℃(オイルバスの温度)にて4時間撹拌した。次に、温度を115℃(オイルバスの温度)まで上げ、そして、100mlの蒸留物を回収した(冷却管を備えた短行程蒸留装置を使用する)。温度を、95℃(オイルバスの温度)まで冷まし、Dean−Stark装置をフラスコに取付けた。175mlの2−メチルテトラヒドロフラン(さらにDean−Starkトラップの充填のために追加の200ml)を添加し、水がDean−Starkトラップに回収されなくなるまで95℃に加熱し続けた(〜6時間)。冷却後、1,4−ジメトキシベンゼン(2.67g、19.3mmol、0.05eq.)を内部標準として添加した。反応混合物のサンプル(数滴)を採取し、CDClで希釈した。H NMR分析は、溶液中に存在する70%のスクシンアルデヒド8(23.3g、270mmol)を示した。
第二ステップ−スクシンアルデヒド8からラクトール7
反応混合物を、溶液の濃度が2M(w.r.t.スクシンアルデヒド8、この実施例に関しては135ml)になるような適当な体積まで濃縮した。(S)−プロリン(0.02eq622mg、5.40mmol、w.r.t.スクシンアルデヒド)を添加し、そして、反応物を室温で20時間撹拌した。2−メチルテトラヒドロフラン(135ml)を反応物に添加し、続いて、[BnNH][OCOCF](1.68g、5.40mmol)添加し、そして、反応混合物を、室温で更に14時間撹拌した。この時間後に、反応物のサンプル(〜5滴)を採取し、N流で濃縮し、そして、d6−DMSO中に溶解した。H NMR分析は、反応混合物中に存在する〜18%のラクトール7を示した。これは、その後の変換のために部分的に精製される可能性がある。
3E.ラクトール7の合成−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23からラクトール7へのワンポット変換(140mL規模)
Figure 0006392749
第一ステップ−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23からスクシンアルデヒド8
水(280ml)中の2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23(142.8g、140ml、1.08mol)の溶液を、75℃(オイルバスの温度)にて4時間撹拌した。次に、温度を115℃(オイルバスの温度)まで上げ、そして、280mlの蒸留物を回収した(冷却管を備えた短行程蒸留装置を使用した)。注意事項:この規模では、この方法には4〜4.5時間かかるので、必要であれば、物質を冷まし、そして、Dean−Starkの前まで冷凍庫内で保存した。温度を、95℃(オイルバスの温度)まで冷まし、Dean−Stark装置をフラスコに取付けた。378mlの2−メチルテトラヒドロフラン(さらに、Dean−Starkトラップの充填のために追加の200ml)を添加し、水がDean−Starkトラップに回収されなくなるまで95℃にて加熱し続けた(〜8時間)。注意事項:この実施例の目的のためには、効果的な脱水を確実にするために、適切に大きく且つ広いDean−Starkトラップを使用することが重要である。冷却後に、1,3,5−トリメトキシベンゼン(4.54g、27.0mmol、0.025eq.w.r.t.s.m.)を内部標準として添加した。反応混合物のサンプル(数滴)を採取し、CDClで希釈した。H NMR分析は、溶液中に存在する66%のスクシンアルデヒド8(61.4g、713mmol)を示した(収率は典型的に、この反応に関しては60〜70%に及ぶ)。注意事項:図10には、収率の決定に使用したサンプルのH NMRスペクトルを示す。
第二ステップ−スクシンアルデヒド8からラクトール7
次に、溶液を必要な2M(w.r.t.スクシンアルデヒド8)の濃度に調整してもよく、(S)−プロリンを直接添加して、実施例3Dの手順に従ってアルドール反応を実施した。
3F.ラクトール7の合成−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23からラクトール7へのワンポット変換(280mL規模)
Figure 0006392749
第一ステップ−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23からスクシンアルデヒド8
水(560ml)中の2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23(285.6g、280ml、2.16mol)の溶液を、75℃(オイルバスの温度)にて4時間撹拌した。次に、温度を115℃(オイルバスの温度)まで上げ、そして、560mlの蒸留物を回収した(冷却管を備えた短行程蒸留装置を使用した)。温度を、95℃(オイルバスの温度)まで冷まし、Dean−Stark装置をフラスコに取付けた。650mlの2−メチルテトラヒドロフラン(さらに、Dean−Starkトラップの充填のために追加の200ml)を添加し、水がDean−Starkトラップに回収されなくなるまで95℃にて加熱し続けた(〜14時間)。注意事項:この実施例の目的のためには、効果的な脱水を確実にするために、適切に大きく且つ広いDean−Starkトラップを使用することが重要である。冷却後に、1,3,5−トリメトキシベンゼン(9.08g、27.0mmol、0.025eqw.r.t.s.m.)を内部標準として添加した。反応混合物のサンプル(数滴)を採取し、CDClで希釈した。H NMR分析は、溶液中に存在する58.8%のスクシンアルデヒド8(109.5g、1.272mol)を示した。次に、この溶液を、必要な2M(w.r.t.スクシンアルデヒド8)の濃度に調整してもよく、(S)−プロリンを直接添加して、実施例3Dの手順に従ってアルドール反応を実施した。
第二ステップ−スクシンアルデヒド8からラクトール7
第一ステップから入手した2−MeTHF中のスクシンアルデヒド8(109.5g、1.272mol)の溶液を、室温で撹拌した。(S)−プロリン(2.93g、25.4mmol、0.02eq.)を固形物として添加し、そして、反応物を室温で20時間撹拌した。THF(650ml)を添加し、続いて、[BnNH][OCOCF](8.43g、25.4mmol、0.02eq.)を添加した。反応物を、更に14時間撹拌した。Celite(60g)を反応物に添加し、そして、反応混合物の体積を、減圧下で3/4まで減少させた。tert−ブチルメチルエーテル(TBME)(取り除かれたTHF/2−MeTHFの体積と同じ体積)を、混合物を激しく撹拌しながら、(〜15分かけて)ゆっくり添加した。混合物を20分間撹拌し、その後、得られた固形物を(焼結漏斗を通して)濾過した。固形物をTBME(3×150ml)で洗浄し、そして、濾液を減圧下で濃縮した。物質を、ガソリン/EtOAc(6:4から5:5へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜600gのシリカ)によって精製して、茶色の油状物質としてラクトール7(ジアステレオ異性体の約2:1の混合物として)を得た。
3G.メチルアセタール24の合成
Figure 0006392749
7を含む実施例3Fからの残渣を、CHCl(190ml)中に溶解し、室温で撹拌した。MeOH(先の反応の内部標準によって検出した〜13.4%の7に基づいて、5.47g、6.90ml、170.6mmol、2.0eq.)をシリンジで添加した。Amberlyst15(1.22g)及びMgSO(25.2g)を固形物として一度に添加し、そして、反応混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(2×60ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、ガソリン/EtOAc(9:1から4:1へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜300gのシリカ)によって精製して、黄色の油状物質として(ジアステレオ異性体の約2:1混合物として、(スクシンアルデヒドから2ステップかけて)14.98g、14.0%)メチルアセタール24を得た(これは冷凍庫内では固まるが、形成されたジアステレオ異性体の適確な比によって物理状態及び外観は異なり、主要なジアステレオ異性体は固形物であり、少ない方は油状物質である)。
3H.ラクトール7の合成の変法−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23からラクトール7へのワンポット変換
Figure 0006392749
第一ステップ−2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23からスクシンアルデヒド8
水(200ml)中の2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23(102.3g、100ml、0.774mol)の溶液を、75℃(オイルバスの温度)にて4時間撹拌した。次に、温度を115℃(オイルバスの温度)まで上げ、そして、1時間かけて100mlの蒸留物を回収した(冷却管を備えた短行程蒸留装置を使用した)。温度を、70℃(オイルバスの温度)まで冷まし、次に、減圧下で蒸留した(120mbarで1時間、次に圧力を100mbarに下げて30分間、〜120mLの蒸留物を回収した)。注意事項:この実施例の目的のために、オリゴマーの形成を最小限にするように丸底フラスコの側面に反応混合物が跳ねるのを避けるように撹拌スピードを制御しながら、蒸留中の激しい撹拌を確実にすることが重要である。蒸留物の典型的な混合体積は、120〜130mlに及ぶ。この実施例の目的のために、この体積を超えないことが、オリゴマーの形成を避けるのに役立つ。Dean−Stark装置をフラスコに取付けた。2−メチルテトラヒドロフラン(232ml、さらに、Dean−Starkトラップの充填のために追加の60ml)を添加し、水がDean−Starkトラップに回収されなくなるまで95℃にて加熱し続けた(〜3時間)。注意事項:この実施例の目的のためには、効果的な脱水を確実にするために、適切に大きく且つ広いDean−Starkトラップを使用することが重要である。冷却後に、1,3,5−トリメトキシベンゼン(3.25g、19.4mmol、0.025eqw.r.t.s.m.)を内部標準として添加した。反応混合物のサンプル(数滴)を採取し、CDClで希釈した。H NMR分析は、溶液中に存在する76%のスクシンアルデヒド8(50.6g、0.588mol)を示した(この反応に関して、収率は典型的に61〜87%に及ぶ)。次に、この溶液を、必要な2M(w.r.t.スクシンアルデヒド8)の濃度に調整してもよく、(S)−プロリンを直接添加して、実施例3Dの手順に従ってアルドール反応を実施した。注意事項:図10は、収率を決定するのに使用したサンプルのH NMRスペクトルを示す。その後のアルドールカスケード変換の成功は、(最小限の量のオリゴマーの存在しか伴わない)高品質なジアルデヒドによって改善される;低品質のジアルデヒドの使用は典型的にラクトール7の低い収率をもたらす。
第一ステップ−の変法の利点:
実施例3E及び3Fの第一ステップの手順と比較して、この規模(102.3g)の変法は反応の総合的な方法時間を削減する(1.5時間の反応時間、蒸留方法のための2〜2.5時間及びDean−Stark方法のための1時間の削減;全方法時間の削減:4.5〜5時間)。更に、減圧下で低い加熱温度で(70℃にて)蒸留をおこなうとき、(オリゴマーの最小限の形成しか伴わない)高品質のジアルデヒドを得ることができた。
第二ステップ−スクシンアルデヒド8からラクトール7
第一ステップから入手した2−MeTHF中のスクシンアルデヒド8(50.6g、0.588mol)の溶液を、室温で撹拌した。(S)−プロリン(1.35g、11.8mmol、0.02eq.)を固形物として添加し(注意事項:反応物は、10分かかって無色の懸濁液からピンク懸濁液に変化する)、そして、反応物を室温で20時間撹拌した。THF(294ml)を添加し、続いて、[BnNH][OCOCF](3.67g、11.8mmol、0.02eq.)を添加した。反応物を、更に20時間撹拌した。注意事項:反応物は20時間かかって暗栗色の懸濁液に変わる。活性炭(100g)を反応物に添加し、そして、反応混合物の体積を、減圧下で1/2まで減少させた(〜300mL)。tert−ブチルメチルエーテル(TBME)(取り除かれたTHF/2−MeTHFの体積と同じ体積;300mL)を、混合物を激しく撹拌しながら、(〜15分かけて)ゆっくり添加した。注意事項:この実施例の目的のために、TBMEのゆっくりとした添加は、オリゴマー凝集体の形成を避ける助けとなる。混合物を60分間撹拌し、その後、得られた固形物を(焼結漏斗;直径:〜10cmを通して)濾過した。固形物を2−MeTHF(3×120ml又はTLC、1:1石油エーテル/EtOAcによって濾液中に生成物が観察されなくなるまで)で洗浄し、そして、濾液を減圧下で濃縮した。注意事項:この実施例の目的のために、カラム上でオリゴマーが固形化し、その結果精製方法中にカラムが目詰りするのを避ける助けとなるように、濾液は完全に乾燥するまで濃縮してはいけない。物質を、石油エーテル/EtOAc(8:2から5:5へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜400gのシリカ)によって精製して、茶色の油状物質としてラクトール7(ジアステレオ異性体の約2:1の混合物として)を得た。
第二ステップの仕上げ手順の改変の利点:
実施例3Fにおける第二ステップの手順と比較して、仕上げ手順のための活性炭の使用は、反応混合物、並びにオリゴマーから顕著な量の変色を取り除いた。更に、濾過洗浄のための最適な溶媒としての2−MeTHFの使用は、収率上昇をもたらす、所望の生成物の損失の削減につながった(スクシンアルデヒドから2ステップをかけて、14%ではなく、17%のアセタール24)。
3I.メチルアセタール24の合成
Figure 0006392749
部分的に純粋な7(12.7g、82.3mmol、1eq.)を含む実施例3Hからの残渣を、CHCl(187ml)中に溶解し、室温で撹拌した。MeOH(10.6g、2.2ml、333mmol、4.0eq.)をシリンジで添加した。Amberlyst15(2.02g)及びMgSO(41.0g)を固形物として一度に添加し、そして、反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(3×60ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、石油エーテル/EtOAc(10:1から4:1へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜400gのシリカ)によって精製して、茶色の油状物質として(ジアステレオ異性体の約2:1混合物として、(スクシンアルデヒドから2ステップかけて)8.22g、17%)メチルアセタール24を得た(これは冷凍庫内では固まるが、形成されたジアステレオ異性体の適確な比によって物理状態及び外観は異なり、主要なジアステレオ異性体は固形物であり、少ない方は油状物質である。収率は典型的に14〜17%に及ぶ)。
3J.メチルアセタール24の合成−ラクトール7の分離を伴わない蒸留スクシンアルデヒド8からメチルアセタール24への変換(35g規模)
Figure 0006392749
第一ステップ−スクシンアルデヒド8からラクトール7
新たに調製し、そして、蒸留した(4mbar、60℃)スクシンアルデヒド8(35.0g、407mmol)を、すぐに2−MeTHF(203mLと、2M)中に溶解し、そして、1,3,5−トリメトキシベンゼン(1.37g、8.14mmol、0.02eq.)並びに(S)−プロリン(937mg、8.14mmol、0.02eq.)を固形物として直接的添加して、室温で12.5時間アルドール反応を実施した。THF(203ml)を添加し、続いて、[BnNH][OCOCF](2.53g、8.14mmol、0.02eq.)を添加した。反応物を、室温で27時間撹拌した。活性炭(80g)を反応物に添加し、そして、反応混合物の体積を、減圧下で1/2まで減少させた(〜200mL)。tert−ブチルメチルエーテル(TBME)(取り除かれたTHF/2−MeTHFの体積と同じ体積;200mL)を、混合物を激しく撹拌しながら、(〜20分かけて)ゆっくり添加した。注意事項:この実施例の目的のために、TBMEのゆっくりとした添加は、オリゴマー凝集体の形成を避ける助けとなる。混合物を120分間撹拌し、その後、得られた固形物を(焼結漏斗;直径:〜10cmを通して)濾過した。固形物を2−MeTHF(4×150ml、又はTLC、1:1石油エーテル/EtOAcによって濾液中に生成物が観察されなくなるまで)で洗浄し、そして、濾液を減圧下で濃縮した。未精製ラクトール7(〜40.7mmol、ジアステレオ異性体の約2:1の混合物として)を、第二ステップでそのまま使用した。
第一ステップの仕上げ手順の改変の利点:
実施例3Fにおける第二ステップの手順と比較して、操作手順のための活性炭の使用は、反応混合物、並びにオリゴマーから顕著な量の変色を取り除いた。更に、濾過洗浄のための最適な溶媒としての2−MeTHFの使用は、この改変した仕上げ手順による所望の生成物の最小限の損失につながった。実施例3F及び3Hの第二ステップの手順と比較して、ヘミアセタール生成物の排除カラムクロマトグラフィーは、時間、溶媒、及びシリカゲルを節約した。
第二ステップ−ラクトール7からメチルアセタール24
7(〜40.7mmol、1.0eq.)を含む第一ステップからの残渣を、CHCl(92.5ml)中に溶解し、室温で撹拌した。MeOH(39.1g、49.0ml、12.2mol、30eq.)をシリンジで添加した。Amberlyst15(1.17g)及びMgSO(24.2g)を固形物として一度に添加し、そして、反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(3×60ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、ガソリン/EtOAc(10:1から4:1へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜400gのシリカ)によって精製して、黄色の油状物質として(ジアステレオ異性体の約2:1混合物として、(スクシンアルデヒドから2ステップかけて)6.29g、18.0%)メチルアセタール24を得た。
変法の利点:
実施例3F、3G、及び3Iにおけるメチルアセタール24の調製手順と比較して、ラクトール7の分離の省略は、メチルアセタール24のより高い全収率につながった。いかなる理論にも縛られることを望むものではないが、ラクトール7がシリカゲル上で分解し得るように見える。そのため、ラクトール7の精製が方法にとって重要でないことが示された。しかしながら、未精製混合物中にはより多量のオリゴマーが存在しているため、メチルアセタール24の精製はより困難である。
3K.メチルアセタール24の合成−蒸留スクシンアルデヒド8からメチルアセタール24への変換(30.8g規模)
Figure 0006392749
第一ステップ−スクシンアルデヒド8からラクトール7
新たに調製し、そして、蒸留した(4mbar、60℃)スクシンアルデヒド8(30.8g、358mmol)を、2−MeTHF(180mLと、2M)中にすぐに溶解し、そして、(S)−プロリン(825mg、7.16mmol、0.02eq.)を固形物として直接添加して、室温で20時間アルドール反応を実施した(注意事項:反応物は、〜3時間後に無色の懸濁液からピンク色の懸濁液に変化した)。THF(180ml)を添加し、続いて、[BnNH][OCOCF](2.23g、7.16mmol、0.02eq.)を添加した。反応物を、室温で24時間撹拌した。活性炭(70g)を反応物に添加し、そして、反応混合物の体積を、減圧下で1/2まで減少させた(〜180mL)。tert−ブチルメチルエーテル(TBME)(取り除かれたTHF/2−MeTHFの体積と同じ体積;180mL)を、混合物を激しく撹拌しながら、(〜15分かけて)ゆっくり添加した。注意事項:この実施例の目的のために、TBMEのゆっくりとした添加は、オリゴマー凝集体の形成を避ける助けとなる。混合物を60分間撹拌し、その後、得られた固形物を(焼結漏斗;直径:〜10cmを通して)濾過した。固形物を2−MeTHF(3×120ml又はTLC、1:1石油エーテル/EtOAcによって濾液中に生成物が観察されなくなるまで)で洗浄し、そして、濾液を減圧下で濃縮した。注意事項:この実施例の目的のために、カラム上でオリゴマーが固形化し、その結果精製方法中にカラムが目詰りするのを避ける助けとなるように、濾液は完全に乾燥するまで濃縮してはいけない。溶媒を取り除き、そして、残渣を、CHCl(50mL)中に溶解し、そして、石油エーテル/EtOAc(6:4から4:6へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜400gのシリカ)によって精製して、オレンジ色の油状物質としてラクトール7(ジアステレオ異性体の約2:1の混合物として)を得た。
第一ステップの仕上げ手順の改変の利点:
実施例3Fにおける第二ステップの手順と比較して、操作手順のための活性炭の使用は、反応混合物、並びにオリゴマーから顕著な量の変色を取り除いた。更に、濾過洗浄のための最適な溶媒としての2−MeTHFの使用は、この改変した仕上げ手順による所望の生成物の最小限の損失につながった。カラムクロマトグラフィーは、オリゴマーを取り除いて、以降の反応における試薬の消費を避け、且つ、アセタール生成物24の精製方法を簡素化した。
第二ステップ−ラクトール7からメチルアセタール24
7(4.65g、30.2mmol、1.0eq.)を含む第一ステップからの残渣を、CHCl(69.0ml)中に溶解し、室温で撹拌した。MeOH(1.94g、2.4ml、60.4mmol、2.0eq.)をシリンジで添加した。Amberlyst15(967mg)及びMgSO(17.9g)を固形物として一度に添加し、そして、反応混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(3×60ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、石油エーテル/EtOAc(10:1から4:1へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜400gのシリカ)によって精製して、黄色の油状物質として(ジアステレオ異性体の約2:1混合物として、(スクシンアルデヒドから2ステップかけて)4.86g、28.9mmol、16%)メチルアセタール24を得た(これは冷凍庫内では固まるが、形成されたジアステレオ異性体の適確な比によって物理状態及び外観は異なり、主要なジアステレオ異性体は固形物であり、少ない方は油状物質であり、この反応に関して、収率は典型的に16〜18%に及ぶ)。
変法の利点:実施例3Jと比較して、ラクトール7の単離は、より少ない乾燥剤とMeOHの使用につながる。ラクトール7の精製は、メチルアセタール生成後にカラムクロマトグラフィーを簡素化した。
実施例4−更なるアセタールの調製のための実験手順
4A.(3aR,6aS)−2−(シクロヘキシル)−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、50
Figure 0006392749
実施例3Eによる手順からのラクトール7を含む部分的に精製した残渣(NMRによって検出された6.24g、12.5%、40.5mmol、1eq.)を、CHCl(90ml)中に溶解し、室温で撹拌した。シクロヘキサノール(14.2g、14.9ml、3.5eq.)をシリンジで添加し、そして、Amberlyst15(825mg)及びMgSO(16.83g)を固形物として添加した。反応混合物を室温で36時間撹拌した。反応混合物を、焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(2×30ml)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、そして、余分なシクロヘキサノールを、高真空下で65℃にて蒸留によって取り除いた。残渣を、ガソリン/EtOAc(10:1)で溶出するカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、黄色の固形物としてシクロヘキシルアセタール50を得た(ジアステレオ異性体の約1.5:1の混合物として、6.10g、ラクトール7から64%)。
シクロヘキシルアセタール50は、本発明の第一の態様による化合物であり、先に記載した化合物(Ic)(及び化合物(Ib))に相当する。
Figure 0006392749
4B.結晶化による精製
実施例3Dによる手順からのラクトール7を含む部分的に精製した残渣(NMRによって検出された2.7g、11.3%、17.5mmol、1eq.)を、CHCl(39ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。シクロヘキサノール(6.13g、6.5ml、3.5eq.)をシリンジで添加し、そして、Amberlyst15(250mg)及びMgSO(5.14g)を固形物として添加した。反応混合物を室温で36時間撹拌した。反応混合物を、焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(2×30ml)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、そして、余分なシクロヘキサノールを、高真空下で65℃にて蒸留によって取り除いた。残渣を、熱ペンタン(20ml)中に溶解し、室温に冷まし、そして、Celiteにより濾過した。濾液を、減圧下で濃縮し、ヘキサン(2ml)及びジエチルエーテル(4ml)を添加し、続いて純粋なアセタール50の結晶を添加した。混合物を−20℃にて14時間保持し、その間に結晶化が起こる。固形物を、冷やした(−20℃)焼結ガラス漏斗によって濾過し、ヘキサン/EtO(3:1)の冷たい(−20℃)混合物で洗浄し、そして、減圧下で乾燥させた。シクロヘキシルアセタール50(1つのジアステレオ異性体、927.7mg、ラクトール7から22%)を、薄い茶色の結晶として得た。濾液を、減圧下で濃縮し、そして、ヘキサン/EtO混合物(5:1)中に溶解した。HBFOEt(0.1ml)をシリンジで添加し、そして、混合物を−20℃にて14時間保持した。固形物を、冷やした(−20℃)焼結ガラス漏斗によって濾過し、ヘキサン/EtO(3:1)の冷たい(−20℃)混合物で洗浄し、そして、減圧下で乾燥させて、黒色の固形物としてシクロヘキシルアセタール50を得た(ジアステレオ異性体の約1:2の混合物として、676.2mg、ラクトール7から16%)。
4C.(3aR,6aS)−2−((2,3−ジメチルブタン−2−イル)ジメチルシリルオキシ)−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、51
Figure 0006392749
実施例3Dによる手順からのラクトール7を含む部分的に精製した残渣(NMRによって検出された2.3g、9%、14.9mmol、1eq.)を、CHCl(50ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。イミダゾール(2.03g、29.8mmol、2eq.)及び4−ジメチルアミノピリジン(91mg、7.4mmol、0.05eq.)を固形物として添加し、そして、クロロ(ジメチル)テキシルシラン(5.85ml、5.33g、29.8mmol、2eq.)をシリンジで添加した。反応混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を、シリカのパッドによって濾過し、ガソリン/EtOAc(10:1)で洗浄し、そして、減圧下で濃縮した。過剰なクロロ(ジメチル)テキシルシランを、高真空下で50〜55℃にて蒸留によって取り除いた。残渣を、ガソリン/EtO(25:2)で溶出するカラムクロマトグラフィー(SiO)によって精製して、黄色がかった油状物質としてシリル保護アセタール51を得た(ジアステレオ異性体の約1.3:1の混合物として、3.68g、77%)。
シリル保護アセタール51は、本発明の第一の態様による化合物であり、そして、先に記載した化合物(Ic)(及び化合物(Ib))に相当する。
Figure 0006392749
4D.(3aR,6aS)−2−(tert−ブトキシ)−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、52
Figure 0006392749
ラクトール7を含む部分的に精製した残渣を、CHCl(40ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。t−BuOH(先の反応物における内部標準によって検出された〜14%の7に基づいて、2.58g、3.33ml、34.8mmol、2eq.)をシリンジで添加した。Amberlyst15(249mg)及びMgSO(5.15g)を、固形物として一度に添加し、そして、反応混合物を室温で14時間撹拌した。
反応物に、追加分のt−BuOH(2.58g、3.33ml、34.8mmol、2.0eq.)、Amberlyst15(249mg)及びMgSO(5.15g)を加え、更に24時間撹拌した。反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(2×15ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、ガソリン/EtOAc(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜50gのシリカ)によって精製して、黄色の油状物質としてt−ブチルアセタール52を得た(ジアステレオ異性体の約2:1混合物として(635mg、2%(スクシンアルデヒドから2ステップをかけて、ラクトール7から17%)))。
t−ブチルアセタール52は、本発明の第一の態様による化合物であり、先に記載した化合物(Ic)(及び化合物(Ib))に相当する。
主要なジアステレオ異性体:
Figure 0006392749
少ない方のジアステレオ異性体:
Figure 0006392749
4E.(3aR,6aS)−5−ホルミル−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−イル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシラート、53
Figure 0006392749
精製したラクトール7(500mg、3.24mmol)を、CHCl(10ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。ように、ビフェニル−4−カルボニルクロライド(1.41g、6.49mmol)を、固形物として添加し、トリエチルアミン(904μl、6.49mmol)をシリンジで添加した。反応物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を、水(2×10ml)で洗浄し、有機相を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、黄色の固形物として未精製の物質を得た。物質を、ガソリン/EtOAc(3:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色の固形物としてビフェニルアセタール53を得た(ジアステレオ異性体の約2:1の混合物として、236mg、54%)。
ビフェニルアセタール53は、本発明の第一の態様による化合物であり、先に記載した化合物(Ic)(及び化合物(Ib))に相当する。
ガソリン/EtOAc(3:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーを使用した、完全な特徴づけを目的としたジアステレオ異性体の部分的な分離が可能であった。
主要なジアステレオ異性体:
Figure 0006392749
少ない方のジアステレオ異性体:
Figure 0006392749
4F.(3aR,6aS)−2−オキソ−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、54
Figure 0006392749
精製したラクトール7(800mg、4.15mmol)を、CHCl(52ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。4−メチルモルホリンN−酸化物(729mg、6.23mmol)及び4Åのモレキュラーシーブ(2.8g)を固形物として添加し、そして、反応混合物を室温で10分間撹拌した。テトラプロピルアンモニウム過ルテニウム酸塩(146mg、0.415mmol)を固形物として添加し、そして、反応物を室温で14時間撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)によって濾過し、そして、固形物をCHCl(3×10ml)で洗浄した。有機相を濃縮して、黒色の油状物質として未精製の物質を得た。その物質を、CHCb/EtOAc(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固形物としてラクトン54(439mg、70%)を得た。
ラクトン54は、本発明の第一の態様による化合物であり、先に記載した化合物(Ib)に相当する。
Figure 0006392749
4G.(3aR,6aS)−5−ホルミル−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−イルベンゾアート、55
Figure 0006392749
精製したラクトール7(591.5mg、3.84mmol、1eq.)を、CHCl(7ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。ジメチルアミノピリジン(23.5mg、0.19mmol、5mol%)を、固形物として添加した。トリエチルアミン(647.5μl、4.61mmol、1.2eq.)及び塩化ベンゾイル(534.5μl、4.61mmol、1.2eq.)をシリンジで添加した。反応混合物を、室温で36時間撹拌し、塩基性アルミナによって濾過し、有機相を濃縮して、未精製の物質を得た。その物質を、ガソリン/EtOAc(3:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、淡黄色固形物としてベンゾイルアセタール55(ジアステレオ異性体の約1.3:1の混合物、706.7mg、71%)を得た。
Figure 0006392749
(3aR,6aS)−2−(ベンジルオキシ)−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、56
Figure 0006392749
精製したラクトール7(591.5mg、3.84mmol、1eq.)を、CHCl(7ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。ベンジルアルコール(794.1μL、7.68mmol、2eq.)をシリンジで添加し、そして、amberlyst15(56.5mg)及びMgSO(1.16g)を固形物として添加した。反応混合物を室温で36時間撹拌した。反応混合物を焼結漏斗を通して濾過し、そして、固形物をCHCl(2×10ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮して、未精製の物質を得、そしてそれは、ガソリン/EtOAc(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色の油状物質としてベンジルアセタール56(ジアステレオ異性体の約1.5:1の混合物として、657.8mg、70%)を得た。
Figure 0006392749
実施例5−PGFの合成のための実験手順
市販の物質からのPGF2αの完全合成を以下に示す。
Figure 0006392749
実施例1Bに記載のとおり、水中で2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン23を加熱し、続いて、留去し、そして、抽出して、未精製のジアルデヒド8を得た。これを、実施例3Aに記載のアルドール反応にそのまま供した。ラクトール7を、実施例3Cに記載のとおり、メトキシアセタール24の2:1のジアステレオ異性体の混合物に変換し、そしてそれを、その後の反応系列を実行した。57.5gのスクシンアルデヒドから、我々は2ステップをかけて、14%の収率で7.85gの純粋なメトキシアセタール24を得ることができた。
混合ビニルクプラート25の共役付加と、それに続くTMSCIによるとラッピングで、シリルエノールエーテル26を提供した。制御されたオゾン分解と、それに続くNaBHを用いた処理で、アルコール27を得た。計画したとおり、これらの2つのステップは、新たに作り出された立体中心における完全な立体選択によって起こった。最終的に、HCl水溶液を用いたアセタール及びシリルエーテルの同時脱保護と、それに続くホスホニウム塩29を用いたウィッティヒ反応で、標的分子PGF2αを得、そしてそのPGF2αは、あらゆる点で天然物に同一のであった(Sheddan, N. A. et al., Org. Lett. 8, 3101−3104 (2006))。
5A.(S)−tert−ブチルジメチル(oct−1−イン−3−イルオキシ)シラン、SI−7
Figure 0006392749
Noyoriの手順(Suzuki, M., et al., J. Med. C em. 41, 3084−3090 (1998))を使用した。イミダゾール(971mg、14.3mmol)及びt−ブチルクロロジメチルシラン(1.43g、9.51mmol)を、CHCl(18ml)中の(S)−1−オクチン−3−オールSI−8(1.00g、1.16ml、7.92mmol)の溶液に追加し、0℃に冷やした。次に、反応混合物を室温で24時間撹拌し、その後、1MのHCl(50ml)中に注ぎ入れた。混合物を、40/60石油エーテル(3×50ml)によって抽出した。合わせた有機相を、塩水(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、透明で無色の油状物質として表題化合物であるSI−7(1.89g、99%)を得た。解析データは、文献と一致していた(Nicolaou, K. C. et al., A. J. Am. Chem. Soc. 107, 7515−7518 (1985); Cmrecki, V. et al., Tetrahedron 66, 6550−6564 (2010))。
Figure 0006392749
5B.(S,E)−tert−ブチル(1−インドオクト−1−エン−3−イルオキシ)ジメチルシラン、SI−9
Figure 0006392749
Noyoriの変法(Suzuki, M. et al., J. Med. C em. 41, 3084−3090 (1998))を使用した。脱気し、そして、窒素でパージした、火力乾燥シュレンクフラスコに、アルキンSI−7(1.89g、7.86mmol)を加えた。無水CHCl(50ml)を添加し、そして、反応物を室温で撹拌した。Zr(Cp)HCl(4.05g、15.7mmol)を固形物として分割して添加した。黄色の懸濁液を室温で1時間撹拌した。得られた黄色の溶液を0℃に冷やし、そして、ヨウ素(2.19g、8.65mmol)を一度に固形物として添加した。冷却浴を外し、そして、反応混合物を室温で15分間撹拌した。反応混合物を、水(100ml)中に注ぎ込み、そして、40/60石油エーテルによって抽出した。この有機相を、飽和Na溶液(2×100ml)と塩水(100ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、黄色の油状物質として未精製の物質を得た。これを、ヘキサン又は40/60石油エーテルで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む画分を合わせ、飽和Na溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、透明で無色の油状物質として表題化合物のSI−9(2.67g、92%)を得た。解析データは文献と一致した(Luo, F. T. et al., J. Org. Chem. 50, 4762−4766 (1985))。
Figure 0006392749
5C.[(1S,2E)−3−((3aR,4R,6aS)−2−メトキシ−5−(Z)−1−[(1,1,1−トリメチルシリル)オキシ]メチリデンペルヒドロシクロペンタ[b]フラン−4−イル)−1−ペンチル−2−プロペニル]オキシ(tert−ブチル)ジメチルシラン、26
Figure 0006392749
ヨウ化ビニルSI−9(2.41g、6.54mmol、1.1eq.)を、火力乾燥シュレンクフラスコにシリンジで添加した(脱気し、窒素で何度かパージし、そして、冷ました)。無水EtO(26.5ml)をシリンジで添加し、そして、得られた溶液を−78℃に冷やした。1.7Mのt−BuLi(7.69ml、13.1mmol、2.2eq.)を滴下して添加し、反応混合物を−78℃にて2時間、そして、−40℃にて2時間撹拌し、その後、−78℃にまた冷やした。その間、チオフェン(550mg、524μl、6.54mmol、1.1eq.)を、火力乾燥のシュレンクフラスコ(脱気し、窒素で何度かパージし、そして、冷ました)にシリンジで添加した。無水THF(26.5ml)をシリンジで添加し、そして、得られた溶液を−30℃に冷やした。1.6Mのn−BuLi(4.09ml、6.54mmol、1.1eq.)を滴下して添加し、そして、溶液を−30℃にて30分間撹拌した。次に、溶液を−78℃に冷やし、そして、CuCN(586mg、6.54mmol、1.1eq.)を固形物として一度に添加した。冷却浴を取り外し、そして、懸濁液を室温まで温めた。得られたクプラートの黄褐色/茶色の溶液を、ビニルリチウムを含むシュレンクフラスコにシリンジで滴下して添加し、そして、無水THF(26.5ml)を添加した。混合物を−20℃にて1時間撹拌して、混合クプラート25を形成させた。クプラート25は、先に記載した化合物(IV)に相当する。
混合物を−78℃に冷やし、そして、無水THF(26.5ml)中のエナール24(1.00g、5.95mmol、1.0eq.)の溶液を滴下して添加した。混合物を−78℃にて1時間撹拌し、次に、−20℃までゆっくり温めた。TMSCI(3.23g、3.77ml、29.7mmol、5.0eq.)をシリンジで添加し、続いて、NEt(3.61g、4.97ml、35.7mmol、6eq.)を添加した。反応物を、飽和NHCl溶液(100ml)の添加でクエンチし、EtO(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NHCl溶液(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、黄色の油状物質として未精製の物質を得た。これを、次のステップでそのまま使用した。
形成された化合物26は、先に記載した化合物(V)に相当する。
5D.(3aR,4R,5R,6aS)−4−((E,3S)−3−[1−(tert−ブチル)−1,1−ジメチルシリル]オキシ−1−オクテニル)−2−メトキシペルヒドロシクロペンタ[b]フラン−5−オール、27
Figure 0006392749
26を含む、共役付加/トラッピング実験からの未精製の物質を、CHCl/MeOH(3:1)(60ml)中に溶解し、そして、−78℃に冷やした。オゾン流を撹拌溶液に通した。反応物を、オゾン分解(シリルエノールエーテルの消費で判断される)の完了を判断するために定期的にTLCによって観察した。反応混合物にN流を15分間フラッシュし、全ての残留Oを取り除いた。この時点で、NaBH(406mg、10.7mmol)を一度に添加した。反応混合物を−78℃にて2時間撹拌し、その後、冷却浴を取り除き、そして、反応物を室温まで温めた。反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、飽和NaCl溶液(25ml)中に注ぎ込み、そして、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、淡黄色の油状物質として未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtOAc(6:1)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として(ジアステレオ異性体の約2:1の混合物として)アルコール27を得た(1.40g、60%(エナール24から2ステップ))。
アルコール27は、先に記載した化合物(VI)に相当する。
Figure 0006392749
5E.(3aR,4R,5R,6aS)−4−[(E,3S)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]ペルヒドロシクロペンタ[b]フラン−2,5−ジオール、28
Figure 0006392749
アルコール27(300mg、0.75mmol)を、1.5%のHCl水溶液/THF(3:2)(15ml)と共に室温にて16時間撹拌した。混合物を、CHCl(5×25ml)で抽出し、そして、合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、透明で、無色の油状物質としてトリオール28とシラノール副産物を得た(〜300mg)。この物質を、精製なしにその後の変換に進めた。
トリオール28は、先に記載した(化合物VII)に相当する。
5F.(Z)−7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−[(E,3S)−3−ヒドロキシ−1−オクテニル]シクロペンチル−5−ヘプテン酸、PGF2α(1)
Figure 0006392749
(4−カルボキシブチル)(トリフェニル)臭化ホスホニウム29(de los Angeles Rey, M. et al., J. Org. Chem. 64, 3196−3206 (1999) 注意事項:物質はこの引用文献に記載のとおり調製したが、生成物の洗浄中にベンゼンに代わってトルエン、そして、ヘキサンに代わってペンタンを使用した)(2.00g、4.52mmol)(先に記載した化合物(VIII)に相当する)を、N下、火力乾燥シュレンクフラスコに入れ、そして、無水THF(16.0ml)を添加した。得られた懸濁液を0℃に冷やした。KOt−Bu(1.01g、9.03mmol)を一度に添加し、得られたオレンジ色の混合物を0℃にて40分間撹拌した。無水THF(4.0ml)中の未精製トリオール28(203mg、0.75mmol)の溶液を、シリンジで滴下して添加した。添加完了後に、混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を、HO(25ml)でクエンチし、そして、EtO(2×25ml)で洗浄して、トリフェニルホスフィンオキシドを取り除いた。水相を、1MのHCl(〜10ml)で酸性にし、そして、CHCl(5×25ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、未精製の物質を得た。これを、EtOAc/ヘプタンと共に粉砕し、固形物を濾別し、そして、EtOAc(4×5ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、EtOAc/ガソリン/AcOH(60:35:5)で溶出するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、PGF2αを得た。これを、CHCl中に溶解し、そして、HO(5ml)で洗浄した。次に、有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、透明で、無色の油状物質としてPGF2α(2ステップかけて152mg、57%)を得た。
H NMRデータは、Mulzer(Sheddan, N. A. et al., Org. Lett. 8, 3101−3104 (2006))によって報告されたものと一致していた。13C NMRデータは、Parve(Parve, O. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 9, 1853−1858 (1999))によって報告されたものと素晴らしく一致していた。IR及び旋光データは、Mulzer(Sheddan, N. A. et al., Org. Lett. 8, 3101−3104 (2006))及びCorey(Corey, E. et al., J. Am. Chem. Soc. 92, 397−398 (1970))によって報告されたものと一致している。
Figure 0006392749
要約すると、我々は、安価な2,5−ジメトキシフラン23からのプロスタグランジンPGF2αの短期間の(7ステップ)合成を開発した。主要なステップは、非常に高いエナンチオ選択性を有し、且つ、所望の側鎖を直接導入するために好適な官能性で完全に用意された二環式ラクトール7を作り出すスクシンアルデヒド8の有機触媒アルドール二量体化反応である。アルドールカスケードは、プロリンを使用して最初のアルドール反応を引き起こし、そして、第二の触媒([BnNH][OCOCF])を使用して分子内アルドール反応及び排除を引き起こす。エナンチオ選択性は非常に高く、単離及び精製は簡単であり、そして、反応は数グラム規模で実施できた。最も複雑なプロスタグランジンであるPGF2αの短期間合成におけるその適用を実証した。実際には、二環式ラクトール7は、プロスタグランジンの全ファミリーの費用対効果に優れた合成のためだけではなく、他の生物学的に活性な分子が確かにそこにある、どこにでもある5員炭素環式環状モチーフの周りの化学的環境を探索するのにも理想的なビルディングブロックである。
実施例6−ラタノプロストの合成のための実験手順
ラタノプロストの合成を以下に示し、そして、説明した。
Figure 0006392749
6A.2−フェネチルオキシラン、61
Figure 0006392749
Woodwardの変法を使用した(Bernier, D. et al., The Journal of Organic Chemistry 2008, 73, 4229)。CHCl(20ml)中の4−フェニル−1−ブテン62(500mg、568μl、3.78mmol)の撹拌溶液を0℃に冷やした。m−CPBA(816mg、4.73mmol)を固形物として添加し、そして、反応混合物を0℃にて1.5時間撹拌し、次に室温にて24時間撹拌した。反応混合物を、飽和KCO溶液(50ml)に注ぎ込み、CHCl(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和KCO溶液(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、透明な無色の液体を得た。この物質を、ガソリン/EtOAc(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明な無色の液体としてエポキシド61(10.2g、91%)を得た。H、13C、及びIRデータは、文献(Mitchell, J. M. et al., Journal of the American Chemical Society 2001, 123, 862; Elings, J. A. et al., European Journal of Organic Chemistry 1999, 1999, 837)と一致している。
Figure 0006392749
6B.(2S)−2−フェネチルオキシラン、63
Figure 0006392749
Jacobsenの変法を使用した(Schaus, S. E. et al., Journal of the American Chemical Society 2002, 224, 1307)。ラセミエポキシド61(10.0g、67.5mmol)をTHF(10ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。(S,S)−(+)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)(204mg、0.34mmol)を添加し、そして、得られた焦茶色の溶液を0℃まで冷やした。酢酸(77μl、1.35mmol)及び水(669μl、37.1mmol)を添加した。反応物を0℃にて1時間、その後、室温にて23時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、そして、ガソリン/EtOAc(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィー(〜200gのシリカ)によって精製して、暗赤色の液体としてエポキシド3を得た。これを、ガソリン/EtOAc(9.5:0.5から9:1へ)で溶出するカラムクロマトグラフィーで再精製して、オレンジ色の液体としてエポキシドを3得た(4.62g、46%)。解析データは、先に記載したラセミ物質のものに一致していた。転換のエナンチオ選択性は、アリルアルコール66への変換後に測定した。旋光は、文献(Martynow, J. G. et al., European Journal of Organic Chemistry 2007, 2007, 689)で報告されたものとよく一致していた。
Figure 0006392749
6C.5−フェニル−1−ペンテン−3−オール、64
Figure 0006392749
Molanderの変法を使用した(Molander, G. A. et al., The Journal of Organic Chemistry 2009, 74, 1297)。THF(25ml)中のヒドロシンナムアルデヒド65(2.50g、2.45ml、18.6mmol)の撹拌溶液を−78℃に冷やした。ビニル臭化マグネシウム溶液(THF中に1M)(22.4ml、22.4mmol)を〜5分間かけて滴下して添加した。反応混合物を、−78℃にて1.5時間、次に0℃にて3時間撹拌した。反応混合物を、飽和NHCl溶液(50ml)中に注ぎ込み、そして、EtO(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl溶液(50ml)によって洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、淡黄色の液体を得た。この物質を、ガソリン/EtOAc(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明な無色の液体としてビニルアルコール64(1.89g、63%)を得た。H、13C、及びIRデータは、文献(Molander, G. A. et al., The Journal of Organic Chemistry 2009, 74, 1297; Kim, J. W. et al., Chemistry − A European Journal 2008, 24, 4104)と一致していた。
Figure 0006392749
6D.(3S)−5−フェニル−1−ペンテン−3−オール、66
Figure 0006392749
Falckの変法を使用した(Alcaraz, L. et al., Tetrahedron Letters 1994, 35, 5449)。無水THF(220ml)中のヨウ化トリメチルスルホニウム(18.2g、89.1mmol)の懸濁液を撹拌し、そして、−20℃に冷やした。1.6Mのn−BuLi(55.7ml、89.1mmol)をゆっくり添加した、そして、反応物を−20℃にて1時間撹拌した。無水THF(50.0ml)中のエポキシド63(4.40g、29.7mmol)の溶液をゆっくり添加した。反応物を、−20℃にて1時間撹拌し、次に、室温までゆっくり温めた。反応混合物を、水(200ml)中に注ぎ込み、そして、EtO(1×200ml、1×100ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl溶液(100ml)によって洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、未精製の物質を得た。これを、ガソリン/EtOAc(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィー(130gのシリカ)で精製して、部分的に精製した物質を得た。これを、ガソリン/EtOAc(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィー(50gのシリカ)で再精製して、淡黄色の液体としてアリルアルコール66(3.19g、66%)を得た。解析データは、先にラセミ物質について記載したものと一致していた。
Figure 0006392749
6E.tert−ブチル(ジメチル)[(1S)−1−フェネチル−2−プロペニル]オキシシラン、67
Figure 0006392749
CHCl(53ml)中のアリルアルコール66(3.00g、18.5mmol)の撹拌溶液を0℃に冷やした。イミダゾール(2.27g、33.3mmol)を一度に添加し、続いて、t−ブチルクロロジメチルシラン(3.34g、22.2mmol)を添加した。冷却浴を取り外し、そして、反応混合物を、室温で16時間撹拌し、その後、10%のHCl水溶液(100ml)中に注ぎ入れた。混合物を40/60石油エーテル(2×100ml)によって抽出した。合わせた有機物を、飽和NaCl溶液(100ml)によって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、未精製の物質を得た。これを、40/60石油エーテルで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の液体として保護アルコール67(4.68g、92%)を得た。H NMRデータ及び旋光は、文献(Uenishi, J. i. et al., Organic Letters 2011, 13, 2350)で報告されたものと一致していた。
Figure 0006392749
6F.(3S)−3−[1−(tert−ブチル)−1,1−ジメチルシリル]オキシ−5−フェニルペンタン−1−オール、68
Figure 0006392749
Denmarkの変法を使用した(Denmark, S. E. et al., Organic Letters 2005, 7, 5617)。化合物67(2.00g、7.23mmol)を、N下で火力乾燥シュレンクフラスコに入れた。9−BBN(THF中に0.5M)(15.9ml、7.96mmol)をシリンジで添加し、そして、得られた溶液を室温で1時間撹拌した。更に1.1eq(15.9ml、7.96mmol)の9−BBNを添加し、そして、反応物を室温で2時間撹拌した。水(16.0ml)及びNaBO・4HO(5.56g、36.2mmol)を添加し、そして、反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を、飽和NHCl溶液(60ml)中に注ぎ込み、そして、EtO(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、未精製の物質を得た。これを、(ガソリン/EtOAc(6:1)で2回、ガソリン/EtOAcEtO(9:0.5:0.5)で1回溶出する)カラムクロマトグラフィーによって3回精製して、透明で無色の油状物質としてアルコール68(672mg、32%)を得た。
Figure 0006392749
6G.tert−ブチル[(1S)−3−ヨード−1−フェネチルプロピル]オキシジメチルシラン、69
Figure 0006392749
Rychnovskyの変法を使用した(Dalgard, J. E. et al., Organic Letters 2004, 6, 2713)。アルコール68(600mg、2.04mmol)をN下で火力乾燥シュレンクフラスコに入れた。CHCl(10ml)をシリンジで添加し、そして、得られた溶液を室温で撹拌した。トリフェニルホスフィン(695mg、2.65mmol)及びイミダゾール(222mg、3.26mmol)を、固形物として一度に添加した。ヨウ素(672mg、2.65mmol)を得られた溶液に添加した。わずかな発熱量が認められ、溶液は沈殿の形成と共に、薄黄色から褐色に変更した。反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、シリカ(2g)上に乾燥充填し、ガソリンからガソリン/EtOAc(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィー(14gのシリカ)によって精製した。これで、透明で、無色の油状物質としてヨウ化物69(725mg、88%)を得た。
Figure 0006392749
6H.[(1R)−3−((3aR,4R,6aS)−2−メトキシ−5−(E)−1−[(1,1,1−トリメチルシリル)オキシ]メチリデンペルヒドロシクロペンタ[b]フラン−4−イル)−1−フェネチルプロピル]オキシ(tert−ブチル)ジメチルシラン、70
Figure 0006392749
ヨウ化物69(1.32g、3.27mmol、1.1eq.)を、シリンジで火力乾燥シュレンクフラスコ(脱気し、窒素で何度かパージし、そして、冷ました)に入れた。無水EtO(13.3ml)をシリンジで添加し、そして、得られた溶液を−78℃に冷やした。1.63Mのt−BuLi(4.01ml、6.54mmol、2.2eq.)を滴下して添加し、そして、反応混合物を−78℃にて2時間、そして、−40℃にて2時間撹拌し、その後、−78℃まで再び冷やした。その間、チオフェン(275mg、262μl、3.27mmol、1.1eq.)を、シリンジで火力乾燥シュレンクフラスコ(脱気し、窒素で何度かパージし、そして、冷ました)に入れた。無水THF(13.3ml)をシリンジで添加し、そして、得られた溶液を−30℃冷やした。1.63Mのn−BuLi(2.01ml、3.27mmol、1.1eq.)を滴下して添加し、そして、溶液を−30℃にて30分間撹拌した。CuCN(293mg、3.27mmol、1.1eq.)を固形物として一度に添加した。冷却浴を取り外し、そして、懸濁液を室温まで温めた。得られたクプラートの黄褐色/茶色の溶液を、アルキルリチウムを含むシュレンクフラスコにシリンジで滴下して添加し、そして、無水THF(13.3ml)を添加した。混合物を−20℃にて1時間撹拌して、混合クプラート71を形成させた。これを、−78℃に冷やし、そして、無水THF(13.3ml)中のエナール24(500mg、2.97mmol、1.0eq.)の溶液を滴下して添加した。混合物を−78℃にて1時間撹拌し、次に、−20℃までゆっくり温めた。TMSCI(1.61g、1.89ml、14.9mmol、5.0eq.)をシリンジで添加し、続いて、NEt(1.80g、2.49ml、17.8mmol、6eq.)を添加した。反応物を、飽和NHCl溶液(50ml)の添加でクエンチし、EtO(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NHCl溶液(50ml)及び飽和NaCl溶液(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、黄色の油状物質として未精製の物質を得た。これを、次のステップでそのまま使用した。
6I.(3aR,4R,5R,6aS)−4−((3R)−3−[1−(tert−ブチル)−1,1−ジメチルシリル]オキシ−5−フェニルペンチル)−2−メトキシペルヒドロシクロペンタ[b]フラン−5−オール、73
Figure 0006392749
70を含む、共役付加/トラッピング実験からの未精製の物質を、CHCl/MeOH(3:1)(30ml)中に溶解し、そして、−78℃に冷やした。オゾン流を撹拌溶液に通した。反応物を、オゾン分解(シリルエノールエーテルの消費で判断される)の完了を判断するために定期的にTLCによって観察した。反応混合物にN流を15分間フラッシュし、全ての余分なOを取り除いた。NaBH(202mg、5.35mmol)を一度に添加した。反応混合物を−78℃にて2時間撹拌し、その後、冷却浴を取り除き、そして、反応物を室温まで温めた。反応物を室温で1時間撹拌した。NaBH(67.4mg、1.78mmol)を添加し、そして、反応物を室温で更に15分間撹拌した。反応混合物を、飽和NaCl溶液(25ml)中に注ぎ込み、そして、EtOAc(3×25ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、淡黄色の油状物質として未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtOAc(4:1)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として(ジアステレオ異性体の約2:1の混合物として)アルコール73を得た(800mg、62%(エナール24から2ステップ))。
Figure 0006392749
6J.(3aR,4R,5R,6aS)−4−[(3R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル]ペルヒドロシクロペンタ[b]フラン−2,5−ジオール、74
Figure 0006392749
アルコール73(400mg、0.920mmol)を、1.5%のHCl水溶液/THF(3:2)(18ml)と共に室温にて16時間撹拌した。混合物を、1MのNaOHを用いて中和し、そして、CHCl(5×30ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、透明で、無色の油状物質としてトリオール74とシラノール副産物を得た(〜400mg)。この物質を、精製なしにその後の変換に進めた。
6K.(Z)−7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル]シクロペンチル−5−ヘプテン酸、75
Figure 0006392749
(4−カルボキシブチル)(トリフェニル)臭化ホスホニウム29(2.45g、5.52mmol)を、N下、火力乾燥シュレンクフラスコに入れ、そして、無水THF(20.0ml)を添加した。得られた懸濁液を0℃に冷やした。KOt−Bu(1.24g、11.0mmol)を一度に添加し、得られたオレンジ色の混合物を0℃にて40分間撹拌した。無水THF(5.0ml)中の未精製トリオール74(282mg、0.920mmol)の溶液を、シリンジで滴下して添加した。添加完了後に、冷却浴を取り外し、そして、混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応物を、HO(30ml)でクエンチし、そして、EtO(2×30ml)で洗浄して、トリフェニルホスフィンオキシドを取り除いた。水相を、1MのHCl(〜10ml)で酸性にし、そして、CHCl(5×25ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、固形物として未精製の物質を得た。これらを、焼結漏斗に乗せ、そして、ガソリン/EtOAc(1:1)(4×20ml)で洗浄し、次に、EtOAc(2×40ml)で洗浄した。濾液を、減圧下で濃縮し、そして、CHCl/MeOH(9.5:0.5から9:1へ)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として酸75(163mg、アルコール73から2ステップをかけて45%)を得た。Hデータ及び旋光は、文献(Martynow, J. G. et al., European Journal of Organic Chemistry 2007, 2007, 689)と一致していた。
Figure 0006392749
6L.イソプロピル(Z)−7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンチル]シクロペンチル−5−ヘプテノアート、ラタノプロスト、77
Figure 0006392749
Zanoni及びVidariの変法を使用した(Zanoni, G. et al., Tetrahedron 2010, 66, 7472)。カルボン酸75(100mg、0.256mmol)をDMF(2.0ml)中に溶解し、そして、室温で撹拌した。CsCO(125mg、0.384mmol)を一度に添加し、続いて、2−ヨウ化プロパン(51μl、0.512mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を、3%のクエン酸溶液(10ml)中に注ぎ込み、そして、TBME(4×10ml)で抽出した。合わせた有機相を、10%のNaHCO溶液(10ml)及び飽和NaCl(2×10ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、透明で、無色の油状物質として未精製の生成物を得た(95mg)。これを、ガソリン/EtOAc(2:1から1:2へ)で溶出するカラムクロマトグラフィー(3gのシリカ)で精製して、透明で無色の油状物質としてラタノプロスト77(71mg、64%)を得た。IR、13C、及び旋光データは、文献(Zanoni, G. et al., Tetrahedron 2010, 66, 7472)と一致していた。
Figure 0006392749
実施例7−ビマトプロストの合成のための実験手順
ビマトプロストの合成を以下に示し、そして、説明した。
Figure 0006392749
7A.(±)−5−フェニル−1−(トリメチルシリル)ペンタ−1−イン−3−オール、81
Figure 0006392749
Matsuda(Matsuda, F. Et al., Chem. Eur. J. 5, 3252−3259 (1999))の変法に従って;n−ブチルリチウム(ヘキサン中に1.6M、8.8ml、14.1mmol、1.0eq.)を、−78℃にてTHF(6ml)中のエチニルトリメチルシラン(2.0ml、14.1mmol、1.0eq.)の溶液に滴下して添加した。添加後に、混合物を、0℃までゆっくり温め、1時間撹拌した。混合物を、−78℃まで冷やし、そして、THF(3ml)中のヒドロシンナムアルデヒド(2.2ml、17.0mmol、1.2eq.)の溶液を滴下して添加した。次に、混合物を、−10℃までゆっくり温め、そして、1時間撹拌し、その後、飽和NHCl溶液(10ml)と、それに続く、EtOAc(10ml)の添加によってクエンチした。水層をEtOAc(3×10ml)で抽出し、合わせた有機相を、塩水(15ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtOAc(100:5)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として表題生成物81を得た(3.1g、94%)。解析データは、文献と一致した(Matsuda, F. Et al., Chem. Eur. J. 5, 3252−3259 (1999))。
Figure 0006392749
7B.メチル3−フェニルプロパノアート、82
Figure 0006392749
ヒドロケイ皮酸(10.0g、66.6mmol、1eq.)をメタノール(90ml)中に溶解した。撹拌しながら濃HSO(1mL)を滴下して添加し、そして、反応混合物を還流温度下で5時間撹拌した。反応混合物を、室温に冷やし、そして、減圧下で濃縮した。残渣を、水(100ml)中に溶解し、そして、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を、10%のNaHCO水溶液(2×50ml)、塩水(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、透明で、無色の油状物質として表題化合物82(10.8g、99%)を得た。解析データは、文献と一致した(Black, P. J. et al., Eur. J. Org. Chem. 4367−4378 (2006))。
Figure 0006392749
7C.N−メトキシ−N−メチル−3−フェニルプロパンアミド、83
Figure 0006392749
Trost(Trost, B. M. et al., J. Am. Chem. Soc. 128, 6745−6754 (2006))の手順に従って;−10℃にて、トルエン(50ml)中のN,Ο−ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド(4.91g、50.4mmol、2.1eq.)のスラリーに、AlMe(ヘキサン中に2M、25.2ml、50.4mmol、2.1eq.)を滴下して添加した。
添加後に、混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を−5℃に冷やし、そして、トルエン(40ml)中のメチル3−フェニルプロパノアート82(3.94g、24.0mmol、1eq.)の溶液を滴下して添加した。次に、反応混合物を、室温までゆっくり温め、3時間撹拌した。溶液を、0℃に冷やし、HClの滴下による添加によって慎重にクエンチし、そして、反応混合物をEtOAc(4×70ml)で抽出した。合わせた有機相を、塩水(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtOAc(75:25から80:20へ)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質としてワインレブアミド83を得た(4.45g、97%)。解析データは、文献(Trost, B. M. et al., J. Am. Chem. Soc. 128, 6745−6754 (2006); Murphy, J. A. et al., Org. Lett. 7, 1427−1429 (2005))と一致した。
Figure 0006392749
7D.5−フェニル−1−(トリイソプロピルシリル)ペンタ−1−イン−3−オン、84
Figure 0006392749
Trost(Trost, B. M. et al., J. Am. Chem. Soc. 128, 6745−6754 (2006))の手順に従って;n−ブチルリチウム(ヘキサン中に2.5M、10.4ml、26mmol、1.7eq.)を、−78℃にてTHF(53ml)中のトリイソプロピルシリルアセチレン(5.8ml、26mmol、1.7eq.)の溶液に滴下して添加した。添加後に、混合物を、0℃までゆっくり温め、1時間撹拌した。混合物を−78℃に冷やし、そして、THF(20ml)中の83(3.0g、15.3mmol、1eq.)の溶液を滴下して添加した。次に、混合物を、−10℃までゆっくり温め、1時間撹拌し、その後、飽和NHCl水溶液(50ml)の添加によってクエンチした。混合物をEtOAc(3×30ml)で抽出し、合わせた有機相を、塩水(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtO(100:0から98:2へ)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として表題生成物84を得た(4.61g、96%)。
Figure 0006392749
7E.(S)−5−フェニル−1−(トリイソプロピルシリル)ペンタ−1−イン−3−オール、85
Figure 0006392749
Trost(Trost, B. M. et al., J. Am. C em. Soc. 128, 6745− 6754 (2006))の変法に従って;水酸化カリウム(8.5mg、0.15mmol、1.2mol%)及びRuCl(p−シメン)[(S,S)−Ts−DPEN](80.7mg、0.127mmol、1mol%)を、iPrOH(110ml)に添加し、そして、得られた混合物を室温で2分間撹拌した。5−フェニル−1−(トリイソプロピルシリル)ペンタ−1−イン−3−オン84(4.0g、12.7mmol、1eq.)をシリンジで添加し、そして、混合物を室温で45分間撹拌した。混合物を真空内に濃縮して、未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtO(20:1から10:1へ)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として表題生成物85を得た(4.0g、99%)。鏡像体の過剰率は、その誘導体である87のHPLC分析により99%であると決定された。解析データは、文献(Trost, B. M. et al., J. Am. Chem. Soc. 128, 6745−6754 (2006))と一致した。
Figure 0006392749
7F.(S)−5−フェニルペンタ−1−イン−3−オール、86
Figure 0006392749
Trost(Trost, B. M. et al., J. Am. C em. Soc. 128, 6745− 6754 (2006))の変法に従って;フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中に1.0M、25ml、25mmol、2.5eq.)を、THF(95ml)中の(S)−5−フェニル−1−(トリイソプロピルシリル)ペンタ−1−イン−3−オール85(3.165g、10mmol、1eq.)の溶液に添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌し、次に、飽和NHCl水溶液(50ml)の添加によってクエンチした。混合物をEtO(3×40ml)で抽出し、合わせた有機相を、塩水(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtO(10:1から9:1へ)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として表題生成物86を得た(1.6g、99%)。
Figure 0006392749
7G.(S)−5−フェニル−1−(トリメチルシリル)ペンタ−1−イン−3−オール、87
Figure 0006392749
Trost(Trost, B. M. et al., J. Am. C em. Soc. 128, 6745−6754 (2006))の手順に従って;n−ブチルリチウム(ヘキサン中に2.5M、474μL、1.18mmol、3eq.)を、−78℃にてTHF(1ml)中の(S)−5−フェニルペンタ−1−イン−3−オール86(63.3mg、0.39mmol、1eq.)の溶液に滴下して添加した。混合物を、0℃まで温め、30分間撹拌し、その後、−78℃に冷やした。TMSCI(148.2μL、1.18mmol、3eq.)を滴下して添加し、そして、混合物を、室温まで温め、2時間撹拌した。メタノール(0.7ml)中のクエン酸(65mg)を添加し、そして、混合物を1時間撹拌した。混合物を、塩水(3ml)とEtO(5ml)の混合物中に注ぎ込んだ。水層をEtO(3×10ml)で抽出し、そして、合わせた有機相を、塩水(10ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)濾過し、濃縮して、未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtO(9:1)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質(として表題生成物87を得た18.5mg、15.5%)。解析データは、文献(Trost, B. M. et al., J. Am. Chem. Soc. 128, 6745−6754 (2006))と一致した。
Figure 0006392749
7H.(S)−tert−ブチルジメチル(5−フェニルペンタ−1−イン−3−イルオキシ)シラン、88
Figure 0006392749
Noyori(Suzuki, M. et al., J. Med. Chem. 41, 3084−3090 (1998))の手順に従って;イミダゾール(919.1mg、13.5mmol、1.8eq.)及びt−ブチルクロロジメチルシラン(1.35g、9.0mmol)を、CHCl(18ml)中の(S)−5−フェニルペンタ−1−イン−3−オール86(1.2g、7.5mmol、1eq.)の溶液に添加し、0℃に冷やした。次に、反応混合物を室温で14時間撹拌し、その後、1MのHCl(50ml)中に注ぎ入れた。混合物を、40/60石油エーテル(3×50ml)によって抽出した。合わせた有機相を、塩水(50ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtO(99:1)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として表題生成物88を得た(1.77g、86%)。解析データは、文献(Kiyotsuka, Y. et al., Org. Lett. 10, 1719−1722 (2008).; Sato, F. et al., EP 1211241 Al, Taisho Pharmaceutical co., LTD (2002))と一致した。
Figure 0006392749
7I.(S,E)−tert−ブチル(1−ヨード−5−フェニルペンタ−1−エン−3−イルオキシ)ジメチルシラン、89
Figure 0006392749
脱気し、そして、窒素でパージした火力乾燥シュレンクフラスコに、アルキン88(1.50g、5.46mmol、1eq.)を詰めた。無水CHCl(35ml)を添加し、そして、反応物を室温で撹拌した。Zr(Cp)HCl(2.82g、10.9mmol、2eq.)を固形物として分割して添加した。黄色の懸濁液を、室温で1時間撹拌した。得られた黄色の溶液を、0℃に冷やし、ヨウ素(1.52g、6.01mmol、1.1eq.)を固形物として一度に添加した。冷却浴を取り外し、そして、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、水(100ml)中に注ぎ込み、そして、40/60石油エーテル(4×50ml)によって抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)、飽和Na溶液(2×100ml)そして塩水(100ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過して、濃縮して、未精製の物質を得た。これを、40/60石油エーテルで溶出する、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含む分画を合わせ、飽和Na溶液(20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過して、濃縮して、透明で、無色の油状物質として表題化合物89(1.98g、90%)を得た。 解析データは、文献と一致した(Sato, F. et al., EP 1211241 Al, Taisho Pharmaceutical co., LTD (2002))。
Figure 0006392749
7J.tert−ブチル((S,1E)−1−((3aR,4R,6aS)−2−メトキシ−5−((トリメチルシリルオキシ)メチレン)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−4−イル)−5−フェニルペント−1−エン−3−イルオキシ)ジメチルシラン、92
Figure 0006392749
ヨウ化ビニル89(1.45g、3.6mmol、1.2eq.)を、火力乾燥シュレンクフラスコにシリンジで添加した(脱気し、窒素で何度かパージし、そして、冷ました)。無水EtO(14.5ml)をシリンジで添加し、そして、得られた溶液を−78℃に冷やした。1.7Mのt−BuLi(1.6M、4.5ml、7.2mmol、2.4eq.)を滴下して添加し、反応混合物を−78℃にて2時間、そして、−40℃にて2時間撹拌し、その後、−78℃にまた冷やした。その間、チオフェン(303mg、288μl、3.6mmol、1.2eq.)を、火力乾燥のシュレンクフラスコ(脱気し、窒素で何度かパージし、そして、冷ました)にシリンジで添加した。無水THF(14.5ml)をシリンジで添加し、そして、得られた溶液を−30℃に冷やした。1.6Mのn−BuLi(1.6M、2.25ml、3.6mmol、1.2eq.)を滴下して添加し、そして、溶液を−30℃にて30分間撹拌した。次に、溶液を−78℃に冷やし、そして、CuCN(322.4mg、3.6mmol、1.2eq.)を固形物として一度に添加した。冷却浴を取り外し、そして、懸濁液を室温まで温めた。得られたクプラートの黄褐色/茶色の溶液を、ビニルリチウムを含むシュレンクフラスコにシリンジで滴下して添加し、そして、無水THF(14.5ml)を添加した。混合物を−20℃にて1時間撹拌して、混合クプラート90を形成させた。
これを−78℃に冷やし、そして、無水THF(14.5ml)中のエナール24(504.6mg、3.0mmol、1.0eq.)の溶液を滴下して添加した。混合物を−78℃にて1時間撹拌し、次に、−20℃までゆっくり温めた。TMSCI(2.2ml)をシリンジで添加し、続いて、NEt(2.8ml)を添加した。反応物を、飽和NHCl溶液(80ml)の添加でクエンチし、EtO(3×80ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NHCl溶液(40ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、黄色の油状物質として未精製の物質を得た。これを、次のステップでそのまま使用した。
7K.(3aR,4R,5R,6aS)−4−((S,E)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−フェニルペンタ−1−エニル)−2−メトキシヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−オール、93
Figure 0006392749
92を含む、共役付加/トラッピング実験からの未精製の物質を、CHCl/MeOH(3:1)(32ml)中に溶解し、そして、−78℃に冷やした。オゾン流を撹拌溶液に通した。反応物を、オゾン分解(シリルエノールエーテルの消費で判断される)の完了を判断するために定期的にTLCによって観察した。この時点で、フラスコを、窒素流によって10分間パージし、そして、NaBH(204mg、5.4mmol)を一度に添加した。反応混合物を−78℃にて2時間撹拌し、その後、冷却浴を取り除き、そして、反応物を室温まで温めた。反応物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、飽和NaCl溶液(20ml)中に注ぎ込み、そして、EtOAc(3×40ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして、濃縮して、淡黄色の油状物質として未精製の生成物を得た。これを、ガソリン/EtOAc(9:1から8:2へ)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として(ジアステレオ異性体の混合物として)アルコール93を得た(731.0mg、56.0%(エナール24から2ステップ))。
Figure 0006392749
7L.(3aR,4R,5R,6aS)−4−((S,E)−3−ヒドロキシ−−5−フェニルペンタ−1−エニル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2,5−ジオール、94
Figure 0006392749
アルコール93(210mg、0.485mmol)を、1.5%のHCl水溶液/THF(3:2)(10ml)と共に室温にて16時間撹拌した。混合物を、CHCl(5×25ml)で抽出し、そして、合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、透明で、無色の油状物質としてトリオール94とシラノール副産物を得た。この物質を、精製なしにその後の変換に進めた。
7M.5−Bromo−N−エチルペンタンアミド、95
Figure 0006392749
ジメチルホルムアミド(116μl,1.5mmol、0.1eq.)及び塩化チオニル(1.63ml、22.5mmol、1.5eq.)を、トルエン(20ml)中の5−ブロモ吉草酸(2.71g、15mmol、1eq.)の溶液に添加し、反応混合物を50℃にて4時間撹拌した。揮発物を高真空下で取り除き、そして、THF(130ml)を添加し、そして、混合物を0℃に冷やした。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.2ml、24mmol、1.6eq.)及びエチルアミン(THF中の2M溶液、9.0ml、18mmol、1.2eq.)を滴下して添加した。反応混合物を0℃にて1時間撹拌し、その後、飽和NHCl水溶液(100ml)の添加によってクエンチした。反応混合物をEtO(4×75ml)で抽出し、合わせた有機相を、塩水(100ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、未精製の物質を得た。これを、ガソリン/EtOAc(4:6)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、透明で、無色の油状物質として表題生成物95を得た(2.75g、88%)。解析データは、文献(Halazy, S. et al., WO 9612713, Pierre Fabre Medicament (1996))と一致した。
Figure 0006392749
7N.(5−(エチルアミノ)−5−オキソペンチル)トリフェニルホスホニウム臭素、96
Figure 0006392749
トリフェニルホスフィン(2.88g、11mmol、1.1eq.)を、MeCN(5ml)中の5−ブロモ−N−エチルペンタンアミド95(2.08g、10mmol、1eq.)の溶液に添加し、そして、混合物を80℃にて14時間撹拌した。混合物を、室温まで冷まし、そして、減圧下で濃縮した。残渣を、滴下してEtO(100ml)に添加し、そして、10分間激しく撹拌した。得られた固形物を、濾過し、EtO(2×10ml)で洗浄し、CHCl(15ml)中に溶解した。次に、この溶液を、EtO(200ml)中に滴下して添加し、そして、10分間撹拌した。固形物を、濾過し、EtO(2×10ml)で洗浄し、高真空下で乾燥させて、白色の粉末として表題生成物96を得た(3.87g、82%)。
Figure 0006392749
7O.(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((S、E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタ−1−エニル)シクロペンチル)−N−エチルヘプタ−5−エンアミド、ビマトプロスト、97
Figure 0006392749
(5−(エチルアミノ)−5−オキソペンチル)トリフェニルホスホニウム臭素96(1.37g、2.91mmol、6eq.)を、N下で火力乾燥シュレンクフラスコに入れ、そして、無水THF(10ml)を添加した。得られた懸濁液を、0℃に冷やした。KOt−Bu(653.0mg、5.82mmol、12eq.)を一度に添加し、そして、得られたオレンジ色の混合物を0℃にて40分間撹拌した。無水THF(2.5ml)中の未精製トリオール94(0.485mmol、1eq.)の溶液を、シリンジで滴下して添加した。添加完了後に、混合物を室温で1時間撹拌した。反応物を、飽和NHCl水溶液(10ml)でクエンチし、そして、EtOAc(5×10ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過して、濃縮して、固形物として未精製の物質を得た。これらを、EtOAc(10ml)と共に粉砕し、固形物を濾別し、EtOAc(4×10ml)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、EtOAc/MeOH(97.5:2.5から95:5へ)で溶出する、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色がかった油状物質として97(99.2mg)を得た。そしてそれを、調製用TLC(EtOAc/MeOH5%)によって更に精製して、透明で、無色の油状物質として97(82.6mg、2ステップかけて41%)を得た。解析データは、文献(Zanoni, G. et al., Tetrahedron 66, 7472−7478 (2010); Gutman, A. et al., US 20090163596 (2009))と一致した。
Figure 0006392749
実施例8.モデル試験
Figure 0006392749
先に議論したように、驚いたことに、本発明の方法は、利用可能な他の起こり得る反応経路をほとんど回避すると同時に、非常に高いエナンチオ選択性を伴ってスクシンアルデヒド(II)からラクトール(Ia)を提供した。これらの起こり得る経路のいくつかを、中心に示したスクシンアルデヒド(II)からラクトール(Ia)への所望の経路と共に、先の総説に示している。
反応カスケードを最初の分子間エナンチオ選択的アルドール反応、その後の分子内アルドール反応、及び脱水に分けたモデル試験を実施した。
4位にエステルを担持したアルデヒドの分子間エナンチオ選択的アルドール反応を調査するために、モデルアルデヒド16をプロリンによって処理した。
アルドール生成物17を、中程度の収率の3.6:1のジアステレオ異性体の混合物として入手した。これは、4位にカルボニル基を担持したアルデヒドのアルドール反応がプロリン触媒アルドール反応の好適な基質であることを裏付けた。
Figure 0006392749
その後の分子内アルドール反応と脱水を試験するために、モデルジアルデヒド(±)−18を、既知のラクトン(±)−19のオゾン分解によって調製した。プロリンによるこのジアルデヒドの処理は、予想したエナール(±)−20へのわずかな変換しか提供しなかった。[BnNH][OCOCF]が、((±)−19からの)51%の単離収率でエナール(±)−20をもたらす、はるかに効果的な触媒であることがわかった。
Figure 0006392749
8A.分子間エナンチオ選択的アルドール反応についてのモデル試験のための実験手順
8A(a) メチル4−ペンテノアート、SI−1
Figure 0006392749
Millerの変法を使用した(Lotz, B. T. et al., J. Org. C em. 58, 618−625 (1993))。塩化オキサリル(6.97g、4.65ml、54.9mmol)を、0℃まで冷やした4−ペンテン酸SI−2(5.00g、5.10ml、49.9mmol)に10分間かけて滴下して添加した。反応混合物を0℃にて20分撹拌し、その後、室温まで温めた(活発なガス放出を確認した)。撹拌を20時間続けた。反応混合物を0℃まで再び冷やし、そして、無水MeOH(8.09ml、200mmol)を10分間かけて滴下して添加した。次に、溶液を0℃にて1.5時間撹拌し、その後、氷浴を取り除き、そして、撹拌を室温で24時間続けた。反応混合物を水(25ml)中に注ぎ込み、そして、最上層を慎重に単離した。そしてそれが、淡黄色の油状物質としてメチルエステルSI−1(4.70g、83%)をもたらした。IR、H、及び13C NMRデータは、文献と一致していた。
Figure 0006392749
8A(b) メチル4−オキソブタノアート、16
Figure 0006392749
Dussaultの変法を使用した(Schwartz, C. et al., Org. Lett. 8, 3199−3201 (2006))。CHCl(50ml)中のメチルペンタ−4−エノアートSI−1(1.00g、8.76mmol)及びN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMO)(3.08g、26.3mmol)の撹拌溶液を0℃に冷やした。オゾン流を、反応混合物に50分間通した。反応混合物を、連続して1MのHCl(30ml)、水(30ml)、飽和NaCO溶液(30ml)、そして、塩水(30ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、透明で、無色の油状物質としてアルデヒド16(854mg、83%)を得た。H及び13Cのスペクトルは、Ley(Sedelmeier, J. et al., Org. Lett. 12, 3618−3621 (2010))によって報告されたデータと一致し、及びIRデータはMiller(Lotz, B. T. et al., J. Org. Chem. 58, 618−625 (1993))及びGannett(Gannett, P. M. et al., J. Org. Chem. 53, 1064−1071 (1988))の両者によって報告されたものと一致していた。
Figure 0006392749
8A(c) ジメチル3−ホルミル−4−ヒドロキシヘプタンジオアート、17+SI−3(分子間エナンチオ選択的アルドール反応についてのモデル試験)
Figure 0006392749
(S)−プロリン(14.9mg、0.13mmol)を、THF(650μl)中の16(150mg、1.29mmol)の撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を、ガソリン/EtOAc(2:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーによって直接精製して、透明で、無色の油状物質としてアルデヒド17及びSI−3(anti:synジアステレオ異性体の3.6:1の混合物として、91mg、61%)を得た。反応はまた、2:1の比のanti;synジアステレオ異性体(100mg、41%)をもたらすDMFにおいて244mg規模のアルデヒド16により実施した。
Figure 0006392749
8B.分子内アルドール反応及び脱水についてのモデル試験のための実験手順
8B(a) (±)−8,8−ジクロロビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−7−オン、(±)−SI−4
Figure 0006392749
Coreyの変法を使用した(Corey, E. J. et al., Tetra edr. Lett. 12, 4753−4755 (1971))。ヘキサン(100ml)中のジクロロアセチルクロリド(19.3g、12.6ml、131mmol)及びヘキサン(100ml)中のトリエチルアミン(12.6g、17.4ml、125mmol)を別々の滴下漏斗から同時に、ヘキサン(50ml)中の1,3−シクロヘキサジエンSI−5(5.00g、5.95ml、62.4mmol)の撹拌溶液に4時間かけて添加した。添加完了後に、反応混合物を、室温で2時間撹拌した。得られた固形物を、濾過で取り出し、そして、ヘキサンによって洗浄した。有機相(濾液)を、NaCO溶液(200mlの1:1の飽和NaCO:水の混合物)、0.5MのHCl(200ml)、そして、塩水(200ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で溶媒を取り除いて、未精製の物質を得た。これを、減圧下で蒸留して(0.3mbar、75℃)、淡黄色の液体として表題化合物(±)−SI−4(8.46g、71%)を得た。IR、H、及び13C NMRデータは、文献(Robertson, J. et al., Org. Biomol. Chem. 4, 4307−4318 (2006))で報告されたものと一致していた。
Figure 0006392749
8B(b) (±)−ビシクロ[4.2.0]オクタ−2−エン−7−オン、(±)−SI−6
Figure 0006392749
Corey(Corey, E. J. et al., Tetrahedr. Lett. 12, 4753−4755 (1971))の変法に従って、亜鉛粉末(2.74g、41.9mmol)を、酢酸(15ml)中の(±)SI−4(2.00g、10.5mmol)の撹拌溶液に60℃にて未満の温度を維持しながら、30分間かけて分割して添加した。添加完了後に、反応混合物を50℃にて2時間撹拌した。冷ました後に、反応混合物をCeliteに通して濾過し、濾過ケーキを酢酸で洗浄した。濾液を、水で希釈し、そして、CHCl(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を、NaCO溶液(60mlの1:1の飽和NaCO:水の混合物)、そして、水(100ml)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で溶媒を取り除いて、淡黄色の油状物質として表題化合物(±)−SI−6(933mg、73%)を得た。この物質のH NMRは、それがその後の反応に十分な純度のものであることを示した。少量を、9:1のガソリン:EtOAcで溶出するフラッシュクロマトグラフィーに供して分析サンプルを提供した。そのIR、H、及び13C NMRデータは、文献で報告されていたものと一致していた(Corey, E. J. et al., Tetrahedr. Lett. 12, 4753− 4755 (1971); Kertesz, D. J. et al., J. Org. Chem. 53, 4962−4968 (1988); Powers, D. C. et al., J. Org. Chem. 72, 187−194. (2006))。
Figure 0006392749
8B(c) (±)−3,3a,7,7a−テトラヒドロベンゾフラン−2(6H)−オン、(±)−19
Figure 0006392749
Robertsの変法(Cotterill, I. C. et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 3387−3389 (1988))に従って、氷冷したH(水中に30%)と酢酸(合計21.6ml)の1:1の混合物を、0℃に冷やした酢酸(21.6ml)中の(±)SI−6(1.37g、11.2はmmolされる)の撹拌溶液に滴下して添加した。添加完了後に、TLCで判断されるように反応が完了するまで、反応混合物を0℃にて2時間撹拌した。CHCl(45ml)及び水(45ml)を反応混合物に添加した。有機物を、水(3×45ml)で単離し、洗浄した。合わせた水相をCHCl(45ml)で抽出した。合わせた有機相を、乾燥させ(MgSO)、濾過して、濃縮して、薄いオレンジ色の油状物質として表題化合物(±)−19(1.41g、91%)を得た。この物質のH NMRは、それがその後の反応に十分な純度のものであることを示した。少量を、1:1のガソリン:EtOAcで溶出するフラッシュクロマトグラフィーに供して分析サンプルを提供した。そのH及び13C NMRデータは、文献で報告されていたものと一致していた(Selander, N. et ai, Adv. Syn. Cat. 350, 2045−2051 (2008); Bhandal, H. et al., J. C em. Soc, Perkin Trans. 1, 2691−2701 (1990))。
Figure 0006392749
8B(d) 2−オキソ−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、(±)−20(分子内アルドール反応及び脱水についてのモデル試験)
Figure 0006392749
MeOH(5ml)中の(±)−19(100mg、0.724mmol)の溶液を、−78℃まで冷やし、そして、青色が持続するまでオゾン流を通した。次に、青色が色あせるまでNを溶液を通し、そして、余分なオゾンを取り除いた。MeS(450mg、532μl、7.24mmol)を添加し、−78℃にて10分間撹拌し続け、その後、冷却浴を取り除き、そして、反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮して、未精製のジアルデヒド(±)−18を得た(注意事項:この運転中、ブラストシールドをロータリーエバポレターの周りに設置した)。残渣を、THF(0.8ml)中に溶解し、適当な触媒(0.145mmol、0.2eq.)を添加し、そして、反応物を室温で14時間撹拌した。1,4−ジメトキシベンゼン(10.0mg、0.072mmol)を添加し、そして、反応物を15分間撹拌した。反応混合物のアリコートを取り出し、N流によって濃縮し、そして、H NMR(DMSO−d6)によって分析した。存在する5,5−二環ラクトン(±)−20の量を、(±)−20のビニル陽子から生じるシグナルと、内部標準である1、4−ジメトキシベンゼンのシグナルとの比較によって計算した(図11を参照)。
Figure 0006392749
結果は、この分子内アルドール反応/脱水に関して、(S)−プロリンは、20mol%の添加であっても不十分な触媒であることを示している。対照的に、[BnNH][OCOCF]は、はるかに優れていた。
8B(e) 2−オキソ−3,3a,6,6a−テトラヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−5−カルバルデヒド、(±)−20(調製規模)
Figure 0006392749
MeOH(2ml)中の(±)−19(250mg、1.81mmol)の溶液を、−78℃まで冷やし、そして、青色が持続するまでオゾン流を通した。次に、青色が色あせるまでNを溶液を通し、そして、余分なオゾンを取り除いた。MeS(1.12g、1.33ml、18.1mmol)を添加し、−78℃にて10分間撹拌し続け、その後、冷却浴を取り除き、そして、反応混合物を50分間撹拌した。次に、N流を反応混合物を濃縮するのに使用した。残渣をTHF(2ml)中に溶解し、そして、ジベンジルアンモニウムトリフルオロアセタート(113mg、0.36mmol)を添加し、そして、得られた溶液を室温で22時間撹拌した。次に、N流を、反応混合物を濃縮するのに使用し、そして、残渣を、2:1のEtOAc:ガソリンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、オレンジ色の油状物質としてアルデヒド(±)−20(141mg、51%)を得た。この物質のH NMRは、それが更なる反応のために十分な純度のものであることを示した。サンプルを再びカラムにかけて、白色の固形物として分析サンプルを得た。
Figure 0006392749

Claims (20)

  1. 式(I):
    Figure 0006392749
    {式中、
    Yは、
    Figure 0006392749
    であり、
    Zは、OR10、NR1111、SR11、S(O)R11、SO11であり;
    10は、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、CO−R11、又は保護基であり、そして、
    11は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、又はアルコキシルである}の化合物。
  2. 式中、Yが、
    Figure 0006392749
    である、請求項1に記載の化合物。
  3. 式中、Yが、
    Figure 0006392749
    である、請求項2に記載の化合物。
  4. 式中、Yが、
    Figure 0006392749
    であり、そして、R10が任意に置換されたアルキルである、請求項2に記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、少なくとも以下の主要なステップ:
    スクシンアルデヒド(II)を、以下の反応スキーム:
    Figure 0006392749
    に従って、好適な溶剤系中で(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒で処理して、ラクトール(Ia)を形成すること、
    を含み、
    ここで、前記酸性共触媒は、キラル第二アミン触媒の後又はそれと同時に反応混合物に添加され;
    前記キラル第二アミン触媒は、以下の構造:
    Figure 0006392749
    {式中、
    及びRは、任意に置換されたアルキル基であるか、又はR及びRは連結されて、任意に置換された4、5若しくは6員複素環化合物の一部を形成し;
    は、O、S又はNR(式中、Rはアルキル基であるか、又はRは、Rと連結されて、1若しくは複数の更なるN原子を含み得る5若しくは6員環の一部を形成する)であり;
    は、O又はNRであり(式中、Rは、ハロアルキル、1若しくは複数のハロゲン基若しくはハロアルキル基で置換されたアリール、又はSOであるか、或いはRは、Rと連結されて、1若しくは複数の更なるN原子を含み得る5又は6員環の一部を形成し、そして、Rは、任意に置換されたアルキル基、任意に置換されたシクロアルキル基、任意に置換されたアルケニル基、任意に置換されたアルキニル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基、又は任意に置換されたヘテロシクリル基であり;
    nは、1〜5の整数であり;
    mは、1〜5の整数であり;そして
    各Rは、ハロゲン、ハロアルキル、NO 、CN及び任意に置換されたアルキルから独立に選択され、且つ、各フェニル環の少なくとも1つのRは、ハロゲン、ハロアルキル、NO 又はCNである}を有し;そして
    前記酸性共触媒は、[BnNH][OCOCF]、[BnNH][BF]、[BnNH][OCOCHCl]、[BnNH][O−C−2,4−(NO]、[BnNH][Cl]、2,6−ピペリジンジオン、モルホリニウムトリフルオロアセタート、チオモルホリニウムトリフルオロアセタート、ピリジニウムトリフルオロアセタート、ベンジルアンモニウムトリフルオロアセタート、キニーネトリフルオロアセタート、2,2’−ビピリジニウムモノトリフルオロアセタート、2,2’:6’,2”−テルピリジニウムモノトリフルオロアセタート、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(PPTS)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸(CSA)、酒石酸、2,4−ジニトロフェノール、テトラフルオロホウ酸、ZnCl、Zn(OTf)、Sc(OTf)Montmorillonite K10、1,3−ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)チオ尿素、硫酸マグネシウム、及びその組み合わせから選択される、前記製造方法。
  6. 前記酸性共触媒が、キラル第二アミン触媒を添加した後に反応混合物に添加される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記RとRが連結されて、任意に置換された5員複素環化合物の一部を形成する、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記キラル第二アミン触媒が、以下の構造:
    Figure 0006392749
    {式中、
    は、O又はNR(式中、Rはアルキル基であるか、又はRは、Rと連結されて、1若しくは複数の更なるN原子を含み得る5又は6員環の一部を形成する)であり;
    は、O又はNR(式中、RはSOであるか、又はRは、Rと連結されて1若しくは複数の更なるN原子を含み得る5又は6員環の一部を形成し、そして、Rは、アルキル基又はアリール基である)であり;
    nは、0〜7の整数であり;
    各Rは、−OR、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、又は−CO−Rから独立に選択され;
    は、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、CO−R、又は保護基であり;そして、
    は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、又はアルコキシルである}を有する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記キラル第二アミン触媒が、以下の化合物:
    Figure 0006392749
    のいずれか1つ又は任意のそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記キラル第二アミン触媒が(S)−プロリンを含み、そしてその(S)−プロリンが、以下の構造:
    Figure 0006392749
    を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記酸性共触媒が、[BnNH][OCOCF]を含んでいる、請求項5〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記主要なステップの前に、以下の反応スキーム:
    Figure 0006392749
    {式中、R40は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアリール、又は−COR41(式中、R41はアルキルである)である}による、水中で2,5−二置換テトラヒドロフラン(III)を加熱して、スクシンアルデヒド(II)を形成する前ステップを更に含む、請求項5〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記前ステップが、水から先に記載した主要なステップに好適な新しい溶媒系への溶媒系の変更を含み、そしてそれが、新しい溶媒系中でのスクシンアルデヒド(II)の溶液の形成をもたらす、請求項12に記載の方法。
  14. 前記主要なステップの後に、ラクトール(Ia)を官能基化して、式(Ib):
    Figure 0006392749
    {式中、
    は、
    Figure 0006392749
    であり;
    は、OR20、NR1111、SR11、S(O)R11、SO11であり;
    20は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、CO−R11、又は保護基であり;そして
    11は、請求項1に定義したとおりのものである}の化合物を得る後続ステップを更に含む、請求項5〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. プロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体の製造方法であって、式(Ic):
    Figure 0006392749
    {式中、R20は、反応物として、請求項14に定義されたとおりのものである}のアセタールを使用し、当該式(Ic)のアセタールが、以下の反応スキーム:
    Figure 0006392749
    に従って、ラクトール(Ia)を保護することによって形成される、方法。
  16. 前記ラクトール(Ia)が、以下の反応スキーム:
    Figure 0006392749
    に従って、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒を用いて、請求項5〜11のいずれか1項に記載の方法における主要なステップに従ってスクシンアルデヒド(II)を処理することによって形成される、請求項15に記載の方法。
  17. 以下のステップ:
    (a)任意に、請求項16に従って、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒でスクシンアルデヒド(II)を処理して、ラクトール(Ia)を形成し;
    (b)任意に、請求項15に従って、ラクトール(Ia)を式(Ic):
    Figure 0006392749
    のアセタールに変換することによってラクトール(Ia)を保護し;
    (c)式(Ic)のアセタールをクプラート試薬と反応させて、p位に所望の側鎖を付与して、得られたエノールエーテルを保護し;
    (d)ステップ(c)で形成された化合物を酸化的切断に供し、続いて還元し;
    (e)ステップ(d)で形成された化合物を脱保護し;そして
    (f)ステップ(e)で形成された化合物をオレフィン化試薬と反応させてp位に所望の側鎖を付与して、プロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体を形成すること、
    を含む、請求項15又は16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 以下のステップ:
    (a)任意に、請求項16に従って、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒でスクシンアルデヒド(II)を処理して、ラクトール(Ia)を形成し;
    (b)任意に、請求項15に従って、ラクトール(Ia)を式(Ic)のアセタールに変換することによってラクトール(Ia)を保護し;
    (c)式(Ic)のアセタールをマイケル付加によって反応するように準備された式(IV)のクプラート試薬と反応させて、そして、得られたエノールエーテルを保護して、式(V)の化合物を形成し;
    (d)式(V)の化合物を酸化的切断に供し、続いて還元して、式(VI)の化合物を形成し;
    (e)式(VI)の化合物を脱保護して、式(VII)の化合物を得;そして
    (f)式(VII)の化合物をウィッティヒ反応によって式(VIII)のホスホニウムハロゲン化物と反応させて、PGF2αを形成すること、
    を含んでいて、以下の反応スキーム:
    Figure 0006392749
    {式中、
    PG1及びRPG2は、保護基であり;
    Aは、マイケル付加を経て式(IV)のクプラート試薬が反応することを可能とする基であり;そして
    Halは、ヨウ化物、臭化物、塩化物、及びフッ化物から選択されるハロゲン化物基である。}による、PGF2αの製造方法である請求項17に記載の方法。
  19. 以下のステップ:
    (a)任意に、請求項16に従って、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒でスクシンアルデヒド(II)を処理して、ラクトール(Ia)を形成し;
    (b)任意に、請求項15に従って、ラクトール(Ia)を式(Ic)のアセタールに変換することによってラクトール(Ia)を保護し;
    (c)式(Ic)のアセタールをマイケル付加によって反応するように準備された式(IV’)のクプラート試薬と反応させて、そして、得られたエノールエーテルを保護して、式(V)の化合物を形成し;
    (d)式(V’)の化合物を酸化的切断に供し、続いて還元して、式(VI’)の化合物を形成し;
    (e)式(VI’)の化合物を脱保護して、式(VII’)の化合物を得;
    (f)式(VII’)の化合物をウィッティヒ反応によって式(VIII)のホスホニウムハロゲン化物と反応させて、式(IX)の化合物を形成し;そして
    (g)式(IX)の化合物をアルキル化して、ラタノプロストを形成すること、
    を含んでいて、以下の反応スキーム:
    Figure 0006392749
    {式中、
    PG1及びRPG2は、請求項18に定義したとおりのものであり;
    Aは、マイケル付加を経て式(IV’)のクプラート試薬が反応することを可能とする基であり;そして
    Halは、請求項18に定義したとおりのものである。}による、ラタノプロストの製造方法である、請求項17に記載の方法。
  20. 以下のステップ:
    (a)任意に、請求項16に従って、(i)キラル第二アミン触媒及び(ii)酸性共触媒でスクシンアルデヒド(II)を処理して、ラクトール(Ia)を形成し;
    (b)任意に、請求項15に従って、ラクトール(Ia)を式(Ic)のアセタールに変換することによってラクトール(Ia)を保護し;
    (c)式(Ic)のアセタールをマイケル付加によって反応するように準備された式(IV”)のクプラート試薬と反応させて、そして、得られたエノールエーテルを保護して、式(V”)の化合物を形成し;
    (d)式(V”)の化合物を酸化的切断に供し、続いて還元して、式(VI”)の化合物を形成し;
    (e)式(VI”)の化合物を脱保護して、式(VII”)の化合物を得;そして
    (f)式(VII”)の化合物をウィッティヒ反応によって式(VIII”)のホスホニウムハロゲン化物と反応させて、ビマトプロストを形成すること、
    を含んでいて、以下の反応スキーム:
    Figure 0006392749
    {式中、
    PG1及びRPG2は、請求項18に定義したとおりのものであり;
    Aは、マイケル付加を経て式(IV”)のクプラート試薬が反応することを可能とする基であり;そして
    Halは、請求項18に定義したとおりのものである。}による、ビマトプロストの製造方法である、請求項17に記載の方法。
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