JP6391591B2 - 担持体リングと横断部材とを備える駆動ベルト - Google Patents

担持体リングと横断部材とを備える駆動ベルト Download PDF

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Description

本発明は、請求項1の上位概念に記載の、自動車用の無段変速機に用いられる駆動ベルトに関する。
そのような駆動ベルトは、広く知られており、例えば欧州特許出願公開第0329206号明細書や欧州特許出願公開第0626526号明細書に記載されている。公知の駆動ベルトは、複数の横断部材と少なくとも1つの無端の又はリング状の担持体とから構成されている。担持体は、横断部材の各々の開口部又は凹部を通して延在しているので、横断部材は、担持体により支持されている。横断部材は、相互的にも担持体リングにも固定されていないので、横断部材は、少なくとも担持体の周方向又は長さ方向で担持体に対して相対的に可動である。駆動ベルトでは、隣接する横断部材は、横断部材の各前側主面及び後側主面を介して互いに接しており、主面は、少なくとも大部分で前述の周方向に面している。典型的には、横断部材及び担持体リングは、鋼から製造されている。担持体リングは、典型的には、1つが別の1つの周りにぴったりに合わせられた複数の個々のバンドから構成されている。
横断部材の軸方向の両側で、公知の横断部材に、摩擦面が設けられている。これらの摩擦面により、横断部材は、変速機の駆動側プーリ及び被駆動側プーリに(摩擦)接触するので、駆動側プーリの回転を、同様に回転する駆動ベルトを介して被駆動側プーリに伝達することができる。横断部材の有効厚さは、前述の周方向でのこれらの摩擦面の寸法、つまり摩擦面の、直接にプーリとの接触に利用される部分として規定されている。例えば横断部材のこれらの摩擦面と主面との間の丸み付けされた又は傾斜付けされた移行縁が存在するために、この有効厚さは、典型的には、横断部材の全体の厚さよりも小さい。
更に、公知の横断部材は、その前側主面に、ほぼ円筒形の、場合により僅かに先細りに狭窄している突出部又は鋲が設けられていて、同様に後側主面に、ほぼ円筒形の窪み又は穴が設けられている。駆動ベルトにおいて、第1の横断部材の鋲は、第2の、隣接する横断部材の穴に挿入されている。その結果、駆動ベルトにおける連続的な横断部材は、互いに、横断部材の前述の主面と平行に、つまり前述の周方向に対して垂直に配向された平面上で整列し合う。
欧州特許出願公開第1676049号明細書に説明されているように、隣接する2つの横断部材の鋲と穴との間のそのような相互作用は、担持体リングに対して相対的な横断部材の回転、駆動ベルトの軸方向周り、つまり横断部材のピッチング及び駆動ベルトの半径方向周り、つまり横断部材のヨーイングの両方も制限する。
鋲及び穴に関する当該技術分野において幾つかの形状及び大きさが提案されているが、しかし、実際には、鋲及び穴の両方に対して優先的な円筒形状が利用されている。そのような優先的な円筒形状は、大抵、鋲の端部及び穴の底部に向けて幾分か狭窄されており、つまり穴への鋲の挿入を容易にするために僅かに円錐形である。鋲の外周と穴の内周との間に、つまり鋲に関して半径方向外側に、幾らかの隙間が必然的に設けられている。この半径方向鋲/穴隙間は、担持体リングに対して相対的な横断部材の前述のピッチング及びヨーイングの間にも、前述の主面の平面上の前述の連続的な横断部材の間の相対運動を可能にするが、同時に制限する。この半径方向鋲/穴隙間は、隙間が鋲の周に沿って変化するように設定してよいが、しかし実際には大抵全方向で同一値に設定されている。
欧州特許出願公開第1676049号明細書において、少なくとも駆動ベルトの軸方向で、つまり横断部材に関する幅の方向で、鋲/穴隙間に対して最大値が設定されている。そのような公知の最大鋲/穴隙間により、横断部材が過度のヨーイング運動により担持体リングを損傷し得ることが阻止されるべきである。更に、とりわけ欧州特許出願公開第1676049号明細書において、横断部材の全体の厚さ及び/又は有効厚さがより小さくなるにつれて、ますますより小さくなる(最大)鋲/穴隙間が要求されていること(及びその逆のこと)が教示され、この公知の思想は、以下のように表すことができる:
Figure 0006391591
このとき、
−Tallは、横断部材の全体の厚さであり、
−Teffは、横断部材の有効厚さであり、
−Wは、横断部材の幅であり、
−RCLは、算定された片側の隙間であり、これは本開示において半径方向の鋲/穴隙間を意味し、このとき、
−係数0.8は、理論と実際との間の不正確性を補償するものである。
公知の駆動ベルトは、潤滑された、つまり注油された環境で運転されており、これは、ベルト内部摩擦損失を低減し、かつ変速機のベルト及びプーリを冷却するためのものである。しかし、潤滑油は、少なくとも変速機プーリ上の駆動ベルトの軌道の曲がった部分で、横断部材の穴にも進入し、そこでは、隣接する横断部材は、互いに所定の角度を成して配向されており、そこでは、鋲が穴に完全には挿入されていない。横断部材が、そのような曲がった軌道部分から、変速機プーリの間の駆動ベルト軌道の真っ直ぐな部分に移行するので、そこでは隣接する横断部材は、互いに平行に配向されており、そこでは、鋲は、穴に完全に挿入されており、従って、潤滑油を、鋲を受容するために穴から追い出す又は排出する必要がある。穴から潤滑油を排出するために要求される機械的な力は、事実上失われている、つまり、そのような出力は、変速機の入力シャフトにより提供されるが、変速機の出力シャフトに伝達されない。
前述の記載で説明された力損失は、大抵無視することができ、無視できるものとして、当該技術分野において取り扱われることは決してない。しかし、半径方向鋲/穴隙間がより小さくなるので、つまり穴から潤滑油を排出するために利用されている、鋲と穴との間の開口部又は通路がより狭くなると、鋲を穴に挿入するためにますますより大きな機械的な力が要求される。現在では、十分に小さな半径方向鋲/穴隙間に対して、駆動ベルトの運転効率に係る不都合な影響は極めて重要であることが提唱されている。事実、半径方向鋲/穴隙間が所定の値より下回ると、穴内の潤滑油は、少なくとも前述の曲がった軌道部分から前述の真っ直ぐな軌道部分に各横断部材が移行しない間において鋲が完全には穴に挿入されない程度に、鋲による追い出しに抵抗し得る。駆動ベルトのこの構成は、しかし、駆動ベルト運転の信頼性に不都合な影響を与え得るので、回避すべきである。実際に、駆動ベルトの運転効率の顕著な低下は、25マイクロメートル以下の半径方向鋲/穴隙間で予想される。10マイクロメートルの半径方向鋲/穴隙間以下で、効率低下は、横断部材の鋲が上述の移行の間に横断部材の穴に完全には挿入されないために、特に顕著になり得る。
他方で、概して及び特に組み合わせにおいて、段階的に形成された、つまり、板材から最終形状まで複数の切断及び成形段階を経て製造された横断部材であって、その製造技術は、例えば欧州特許出願公開第1968760号明細書に記載されており、そこでは、製造上の幅又は公差の限界がより低い場合において、横断部材の間で平均25マイクロメートル以下の鋲/穴隙間を適用することが所望されている。例えば、24mmの公称幅と1.5mmの公称厚さとを有する、様々な程度の標準的で一般的に利用される横断部材を得るためにこの公知の製造技術が適用されている場合、横断部材の有効厚さは、典型的には、0.70mmより小さい。この場合、数式1は、標準的な24mm幅の横断部材の半径方向鋲/穴隙間に対して35マイクロメートルの最大値を定める。製造上許容される(統計的な)幅又は公差に応じて、半径方向鋲/穴隙間の実際の範囲が通常25マイクロメートル未満の値を含む。例えば、数式1に基づく実際の製造公差範囲は、25±10マイクロメートルであってよく、この範囲は、15マイクロメートルの最小値を含む。従って、既に、僅かに大きな製造公差が許容されている場合、そのような最小値は、10マイクロメートル以下に低下する。
本開示は、小さな半径方向鋲/穴隙間を適用する要求と、そのような小さな隙間が伝達効率に与える可能性がある不利な効果を最少化する要求とを両立させることを目的としている。従って、実際に、本開示は、穴に挿入される隣接する横断部材の鋲による横断部材の穴からの潤滑油の排出を容易にするあるいは高めることを目的としている。
そのような排出を改善するための明確な手段は、例えば従来慣用の円形の横断面形状に対して鋲の下側及び上側を平坦化することにより、又は、高さ方向に長軸を有しかつ幅方向に短軸を有する、多かれ少なかれ楕円に穴を形成することにより、横断部材の幅方向にだけ前述の小さな半径方向鋲/穴隙間が適用し、かつ他の方向、特に横断部材の幅及び厚さ方向に対して垂直の横断部材の高さ方向においてより大きな隙間を適用することである。しかし、好適な製造方法は、穴の(プレス)成形により使用される材料から鋲を形成することであるので、鋲及び穴には、好適には、ほぼ同一形状が提供される。
そのような排出を改善する更に好適な手段は、本開示、特に後述の請求項1の特徴により提供される。請求項1によれば、鋲及び/又は穴の周面は、鋲及び/又は穴の周に沿って互いに交互に位置する隆起部及び溝部が設けられるように波付けされている。そのような波形部は、予想を超えて、鋲及び/又は穴の多くのその他の考え得る形状と比べて、穴からの潤滑油の排出の改善に有効であると見出された。
更に、そのような波形部により、半径方向鋲/穴隙間は、全方向で、つまり鋲及び穴の全周に沿ってほぼ同一であってよく、好適には同一であってよい。
表面波形部の好適な潤滑油排出特徴は、その2つの効果によるものである。第1に、波形部の溝は、特に波形部が横断部材の鋲に提供されていると、潤滑油を収容し、かつ潤滑油の排出を容易にする通路を形成する。第2に、恐らく最も重要であるが、波形部により、鋲が穴に進入する場合に鋲により潤滑油に加えられる圧力が、少なくとも局所的に、波形部の突出している隆起部で上昇させられ、この圧力は、潤滑油を低圧の領域に向けて、つまり波形部の溝部及び最終的に穴の外側に移動させるために用いられる。後者の効果は、潤滑油の所要量の排出に伴う機械作業を低減しないが、そのための所要時間を低減し、従って、駆動ベルトの前述の運転効率の利点を得るために機械作業により消費される機械出力も低減する。後者の効果は、隆起部及び溝部が穴の周面だけに設けられている場合にも生じ、これは横断部材の製造において極めて好適である。
波形部の圧力上昇効果を最適化するために、波形部は、好適には、鋲及び/又は穴の全周に沿って、好適には微細スケールで設けられている。後者の点で、少なくとも前述の一般的に利用される横断部材に対して、波形部の隆起部の頂面は、それぞれ10〜100マイクロメートル幅であってよく、互いに25〜250マイクロメートル離れていてよい。
次に、図面につき、実施の態様を用いて本発明を詳説する。
2つのプーリと1つの駆動ベルトとを備える、公知の無段変速機を概略的に示す図である。 図1による駆動ベルトの横断部材の側面図及び正面図である。 プーリにおけるベルトの横断部材の回転の特徴(エレメントヨーイング)を概略的に示す図である。 横断部材の新規な態様を、鋲と穴とを含む横断部材の頂部を斜めからみて示す横断面図である。 図4による横断部材の新規な態様を異なる方向でみて示す図である。
図面において、同一の符号は、同一の又は少なくとも比較可能な技術的特徴に関係している。
図1には、通常、エンジンとエンジンの駆動ホイールとの間で乗用車の動力伝達路に使用される公知の無段変速機の中心部分が示されている。この変速機は、それぞれ2つのプーリ滑車4,5が設けられた2つのプーリ1,2と、1つの駆動ベルト3とを備える。駆動ベルト3は、プーリ1,2の各プーリ滑車4,5の間で締め付けられるように配置されて、前述のプーリ1,2周りに巻き掛けられている。プーリ滑車4,5は、ほぼ円錐形に形成されており、少なくとも一方のプーリ滑車4は、そのプーリ滑車4が配置されている各プーリシャフト6,7に沿って軸方向可動に変速機に組み付けられている。変速機は、更に作動手段を備え、作動手段は、少なくとも1つの前述の一方の滑車4に、それぞれ他方のプーリ滑車5に向けて方向付けされた、軸方向に配向された力Faxをもたらし、これにより、ベルト3は、プーリ滑車4,5の間で締め付けられており、回転運動及びこれに伴うトルクを、可変伝達比でプーリの間に伝達することができる。
駆動ベルト3は、少なくとも1つの無端の又はリング状に形成された担持体31と、複数の横断部材33とを備え、担持体リング31は、横断部材33の開口部37を通して延在しているので、横断部材33は、担持体リング31の周方向に沿って可動である。
駆動ベルト3の横断面で、図2の左側においてより詳細に示されているように、担持体リング31は、2つの部分31から成り、その各々の部分31は、複数の個々のベルト32から構成されており、個々のベルト32は、互いの周りにぴったりに合わせられている。横断部材33は、通常、金属板であり、金属板は、担持体リング31の周方向に面していて、プーリ滑車4,5に摩擦係合するために、金属板の軸方向両側に摩擦表面35が設けられている。図2の右側で、接し合う一対の横断部材33において図示されているように、駆動ベルト3において、隣接する横断部材33は、横断部材33の各前側主面38及び後側主面41を介して互いに接している。
駆動ベルト3が容易に曲がることを可能にするために、横断部材33の底側は先細りに狭窄されている。前側主面38における、そのような先細りに狭窄された底側と、ほぼ一定の厚さの頂部の横断部材33との間の、軸方向に延在する縁部42は、接し合っている横断部材33の各対の間の回転軸として機能し、かつ回転軸を設定している。
更に、公知の横断部材33は、前側主面38から突出している鋲39と、後側主面41に設けられた穴40とを備える。駆動ベルト3において、接し合っている一対の横断部材33の第1の横断部材33の鋲39は、その対の第2の横断部材33の穴に少なくとも部分的に挿入されており、これにより、これらの横断部材33は、それぞれ前述の周方向に対して垂直に互いに整列されている。鋲39が完全に穴40に挿入されている場合、鋲39と穴40との間の鋲の半径方向の隙間又は遊びRCLは、主面38,41の平面上で、接し合っている横断部材33の間の最大の相互の可能な変位を制限する、つまり決定する。追加的に、横断部材33がプーリ1,2の滑車4,5の間に軸方向に締め付けられている場合、そのような鋲/穴隙間RCLは、図3に関して明らかにされるように、駆動ベルト3の半径方向周りの横断部材33の回転も制限する。
図3には、両方がプーリ1,2の滑車4,5の間に締め付けられている、接し合っている一対の横断部材33を概略的にみた図が示されている。この図3から、半径方向周りの横断部材33の回転が、横断部材33の、鋲39を備える前側主面38と穴40を備える後側主面41との間のスライド運動を伴うことが明らかであり、ゆえに、このスライド運動は、前述の半径方向鋲/穴隙間RCLに制限されている。この態様によれば、横断部材33のこの種の回転が制限されていることが好適であるので、プーリ滑車4,5により横断部材33の摩擦面35に作用させられる力FnL,FnRは、その回転を阻止するように働く。横断部材33の横断面形状がほぼ矩形に近似するとして、後者の基準は、以下のように定めることができる:
Figure 0006391591
このとき、
−Tallは、そのような理論上の横断部材33の厚さであり、
−Wは、その幅である。
しかし、実際に、多かれ少なかれ丸み付けされた又は傾斜付けされた移行面25は、大抵、横断部材33の特別な設計に含まれるので、又は、ブランキング及び(ストーン)タンブリングのような、横断部材33の製造に関係するプロセスの結果として、横断部材33の主面38,41と摩擦面35との間に設けられている。図3に示されているように、プーリ滑車4,5に接触するために用いられる、後者の横断部材33の有効幅Teff、つまりその横断部材33の摩擦面35の広さは、その横断部材33の最大厚さ又は全体の厚さTallよりも著しく小さい。この場合、代わりに数式1が適用される。
実際に利用されている横断部材33の1種において、摩擦面35と前側主面38との間の移行面25(の横断面形状)は、0.3mmの半径を有する弧に近似していてよく、これに対して、摩擦面35と後側主面41との間の移行面25は、横断部材33の厚さ方向で0.5mmの寸法を有する傾斜付けされた平面に近似していてよい。従って、そのような横断部材33の有効厚さTeffは、その全体の厚さTallよりも0.8mm小さく、この全体の厚さは、本態様では、24mmの横断部材33の幅と関連して、1.5mmである。この公知の横断部材33に関して、数式1は、35マイクロメートルの、最大半径方向鋲/穴隙間RCLを規定する。この最大値は、例えば25±10マイクロメートルの公差範囲によって製造でコントロールすることができる。
従って、そのような小さな半径方向鋲/穴隙間RCLが駆動ベルト3の不都合な荷重を回避するのに役立つが、これは、鋲39が穴40に挿入されている場合、潤滑油が穴40からその間の小さな隙間だけを通して排出され得るという欠点を伴う。そのような隙間が狭くなるほど、つまり半径方向鋲/穴隙間RCLが小さくなるほど、鋲39を(更に)穴40に挿入するためにより大きな労力が掛かる。この欠点を抑えるために、つまり駆動ベルト3の運転中に穴40に鋲39を挿入することを容易にするために、本発明では、鋲39の周面及び/又は穴40の周面43に波形部を設けることが提案されている。
図4には、鋲39及び穴40と共にその頂部だけを示している、そのような新規な横断部材33の横断面図が示されている。図4において、穴40の周面43は波付けされており、つまり、互いに交互に位置する隆起部44及び溝部45のパターンが提供されている。
図5には、図4に示されたそのような新規な横断部材33、特に波付けされた周面43を有する穴40が、別の方向からみた図で示されている。図5には、横断部材33の穴40の中に向かってみた、そのような新規な横断部材33の後側主面41の図が示されている。
図4及び図5に示された横断部材33の例示的な態様では、全部で45個の隆起部44及び溝部45が、穴40の周に沿って設けられており、各溝45の広さは、隆起部44(の頂面)の幅の約4倍になっている。穴40の周面43のそのような波形部により、つまり前述の隆起部44及び溝部45を設けることにより、穴40にあってよい潤滑油は、鋲39が(更に)穴40に挿入されるときに、特に、平坦でかつ/又は平滑な周面を有する公知の鋲39及び穴40と比べて、より容易に穴40から排出される。第1に、穴40の周面43と鋲39の周面との間の、潤滑油がその間でより自由に流れることを可能にする波形部を形成している通路の溝45によって、そのような排出が容易になることが認められる。第2に、鋲39が(更に)穴40に挿入されるときに、公知の平滑な周面と比べて、潤滑油により高い圧力を加える波形部の隆起部44によってそのような排出が促進されることが認められる。その(より高い)圧力は、潤滑油を、先ず第1に穴40の外側に向けて移動させる。
隆起部44の頂部は、鋲39の周面の輪郭に丁度合うように僅かに凹状にカーブしていてよい。しかし、これらの隆起部頂部は、鋲39が(更に)穴40に挿入されるときに、隆起部44により潤滑油に加えられる圧力を更に高めるために、好適にはほぼ平坦であるか僅かに凸状の面として形成されている。
横断部材33の上述の寸法の場合、鋲39及び穴40は、典型的には、約2.0mmの直径が提供されている。横断部材33のこの寸法において、図4及び図5に示された波形部は、±28マイクロメートルの広さを有する隆起部頂部を伴って微細スケールに基づいて算定することができ、隣接する隆起部頂部の各対は、±112マイクロメートルだけ分離されており、従って、この後者の値は、溝部45の前述の広がりを表している。
要約すると、本開示は、1つの担持体リング31と複数の横断部材33とを備える駆動ベルト3用の横断部材33に関し、横断部材33は、スライド可能に担持体リング31上に配置されており、これらの横断部材33の各々は、2つの主面38,41を備え、2つの主面38,41の間で、横断部材33は、厚さ方向に延在していて、横断部材33の両側に設けられた2つの摩擦面35を備え、2つの摩擦面35の間で、横断部材33は、幅方向に延在しており、横断部材33の前側主面38に、ほぼ円筒形に形成された突出部39が設けられており、横断部材33の後側主面41に、ほぼ円筒形に形成された窪み40が設けられており、窪み40の直径は、突出部39の直径よりも幾分か大きく、これにより、少なくとも僅かな半径方向隙間RCLが、駆動ベルト3における2つの連続する横断部材33の突出部39と窪み40との間に存在し、この場合、突出部39の周面又は窪み40の周面43は、うねっている、つまり波付けされている。
本開示は、更に、波付けされた周面43に、互いに交互に位置する複数の隆起部44及び溝部45が設けられている、上述の横断部材33に関する。
本開示は、更に、隆起部44及び溝部45が周面43の軸方向で周面43にわたって延在する、上述の横断部材33のいずれか1つに関する。
本開示は、更に、隆起部44及び溝部45が周面43の軸方向で周面43にわたって延在する、上述の横断部材33のいずれか1つに関する。
本開示は、更に、周面43の周方向での隆起部44の寸法が10〜100マイクロメートルであり、その方向での溝部45の寸法が25〜250マイクロメートルである、上述の横断部材33のいずれか1つに関する。
本開示は、更に、窪み40の直径が突出部39の直径よりも最大で35マイクロメートル、好適には最大で25マイクロメートル、更に好適には最大で10マイクロメートル大きい、上述の横断部材33のいずれか1つに関する。
本開示は、更に、1つの担持体リング31と、担持体リング31上にスライド可能に配置された上述の横断部材33のいずれか1つを複数備える駆動ベルト3に関する。
本開示は、更に、駆動ベルト3における隣接する横断部材33の全対の間の平均で、前述の半径方向隙間RCLが最大で25マイクロメートルである、上述の駆動ベルト3に関する。
前述の明細書及び添付図面の全詳細の全体に加え、本発明は、付随する特許請求の範囲の全特徴に関し、かつこれを含んでいる。特許請求の範囲においてカッコ書きされた参照符号は、特許請求の範囲を限定するものではなく、単に、各々の特徴において拘束力のない例として設けられているに過ぎない。特許請求の範囲に記載された特徴は、所定の製品又は所定の工程に別々に適用され得るが、場合によっては、特許請求の範囲における上述の特徴の2つ又は3つ以上のいずれかを組み合わせて適用することも可能である。
本開示によって記載された発明は、ここで明確に記載された実施の態様及び/又は事例に限定されることはなく、本開示の修正、変更及び実際の適用、特に関連技術において当業者が想到する範囲内にあるものを包含する。

Claims (2)

  1. 1つの担持体リング(31)と複数の横断部材(33)とを備える駆動ベルト(3)用の横断部材(33)であって、該横断部材(33)は、スライド可能に前記担持体リング(31)上に配置されており、前記横断部材(33)に2つの主面(38,41)が設けられており、該2つの主面(38,41)の間で、前記横断部材(33)は、厚さ方向に延在しており、前記横断部材(33)の軸方向両側に摩擦面(35)が設けられており、該摩擦面(35)の間で、前記横断部材(33)は、幅方向に延在しており、前記主面(38,41)のうちの前側主面(38)に、ほぼ円筒形の鋲(39)が設けられており、前記主面(38,41)のうちの後側主面(41)に、前記鋲(39)の直径よりも幾分か大きな直径を有するほぼ円筒形の穴(40)が設けられており、これにより、前記駆動ベルト(3)の2つの連続する前記横断部材(33)の前記鋲(39)と前記穴(40)との間に、少なくとも僅かな半径方向隙間(RCL)が設けられており、前記鋲(39)の周面は、互いに交互に位置する複数の隆起部及溝が設けられることにより波付けされており、前記隆起部及び前記溝は、前記周面の軸方向に沿って延在する、横断部材において、
    記周面の周方向での前記隆起部の大きさは、つまり前記隆起部の幅は、10〜100マイクロメートルであり、該方向での前記溝の大きさは、25〜250マイクロメートルであり、
    ほぼ円筒形の前記穴(40)の直径は、ほぼ円筒形の前記鋲(39)の直径よりも最大で35マイクロメートル大きいことを特徴とする、横断部材。
  2. 1つの担持体リング(31)と、該担持体リング(31)上にスライド可能に配置されている、請求項1記載の複数の横断部材(33)とを備える、駆動ベルト(3)であって、
    当該駆動ベルト(3)の連続する前記横断部材(33)の全対の前記鋲(39)と前記穴(40)との間の半径方向隙間(RCL)の平均値は、最大で25マイクロメートルであることを特徴とする、駆動ベルト。
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