JP6391468B2 - 弁アクチュエータ - Google Patents

Description

本発明は、弁アクチュエータに関する。

翼の構成部材を制御するために航空機などにおいて使用される慣用の弁アクチュエータは、歯車減速アセンブリを介して９０°弁を駆動するブラシ付きＤＣモータから成る。弁の位置は、単に、指令信号と、カムによって作動される調節可能なプレートにおける機械的に作動させられるマイクロスイッチとの組合せによって制御される。弁が開閉するレートは、制御されず、供給される負荷および電圧に応じて変化する。これは、時に、レートが、予測されたレートの１０倍を超えて変化する恐れがあることを意味する。

このような慣用のアクチュエータの別の利点は、弁を、２つの状態、すなわち開放状態と閉鎖状態との間でしか移動させることができず、中間状態を提供する手段がないということである。幾つかの現在のアクチュエータの制御装置は、個別の位置センサを使用して、弁の位置を決定する。このようなアクチュエータは、最初の使用の前に手作業による較正を必要とし、慣用の設計は非モジュール型である。マイクロスイッチは、組立て時に手作業による調節を必要とし、正確にかつ一貫して設定するのが困難である。このようなアクチュエータは、ヒステリシス、およびバックラッシュ／ウォーターハンマ効果による問題をも受けやすい。このバックラッシュ／ウォーターハンマ効果は、運動している流体が急に停止させられた時または方向転換させられた時（運動量変化）に生じる圧力サージもしくは圧力波が存在する時に生じる恐れがある。さらに、既存のアクチュエータ技術は、誤った指示および摩耗、例えばブラシ摩耗およびカーボンダストによって生ぜしめられる精度の低下に関しても問題を有する恐れがある。

本発明の実施の形態は、上述の問題のうちの少なくとも幾つかに対処しようとするものである。幾つかの実施の形態では、マイクロスイッチの代わりに、非接触型の、例えばホール効果位置センサが用いられ、ブラシ付きＤＣモータの代わりに、正弦波インバータによって駆動されるＡＣ誘導モータが用いられる。これは、ＡＣモータ速度を制御するためにインバータの電圧および周波数出力を調節することによってアクチュエータの弁調節速度を制御する能力を提供することができる。この能力は、さらに、弁の絶対位置を提供する非接触センサによって高められることがあり、これにより、速度が弁開放および弁閉鎖角度に関して制御され、これは、制御された形式で弁を開閉させることによってウォーターハンマ効果およびサージを排除する能力を提供することができる。

したがって、１つの態様において、本発明は、使用時に弁を開放位置と閉鎖位置との間で調節するための駆動軸と、
駆動軸を駆動するためのＡＣ誘導モータと、
使用時に駆動軸または弁の（絶対的な）角度位置を表す信号を出力するように構成された非接触位置センサと、
位置センサによって出力された信号に従ってＡＣモータを制御するように構成された制御装置と、を有するまたは含む弁アクチュエータを提供する。

制御装置は、駆動軸の位置に応じてＡＣモータが駆動軸を駆動するレートを設定してよい。制御装置は、少なくとも１つの駆動軸角度位置を表すデータを記憶してよい。データは、例えば、“弁完全閉鎖”位置、“弁完全開放”位置および／または中間位置を表してよい。制御装置は、ＡＣモータが駆動軸を前記記憶された駆動軸角度位置の間で駆動するレートを変化させるように構成されていてよい。制御装置は、圧力に基づく信号などの外部信号／測定に従ってＡＣモータが駆動軸を駆動するレートを変化させるように構成されていてよい。

制御装置は、複数の異なる弁アクチュエータアプリケーションを作動するように構成されていてよい。それぞれの前記弁アクチュエータアプリケーションのために、制御装置は、前記弁または前記駆動軸のための特定の角度位置の間で駆動軸調節レートを変化させるためのデータを記憶してよい。

制御装置は、読取りの間に位置センサに提供されるパワーをサイクルすることによって位置センサによって出力される位置を確認してよい。

アクチュエータは、さらに、使用時に弁の開放位置／閉鎖位置を表すロジック信号を提供するために少なくとも１つの（単極磁気）ラッチ継電器を有してよい。

位置センサは、駆動軸のためのドライブトレーン／ギヤボックスにおけるギヤに固定されてよい磁石などの可動な構成部材を含んでよい。非接触位置センサはホール効果センサを含んでよい。

アクチュエータは、アクチュエータ位置選択インターフェースによって作動するように構成されていてよい。アクチュエータは、アクチュエータ位置選択インターフェースにおけるソリッドステートサーキットブレーカにおける高い漏れ電流の効果を排除することを瞬間的に助けるために、航空機ディレクションインターフェースを周期的にオンにするように構成された制御回路を含んでよい。

別の態様において、本発明は、使用時に駆動軸または弁の角度位置を表す信号を出力するように構成された非接触位置センサからの信号を受け取るように構成された装置と、使用時に、位置センサによって出力された信号に従って駆動軸を駆動するＡＣ誘導モータを制御するように構成された装置とを含む、弁アクチュエータ制御装置を提供する。

さらに別の態様において、本発明は、使用時に弁を開放位置と閉鎖位置との間で調節するために駆動軸を操作する方法を提供し、この方法は、
使用時に、駆動軸または弁の（絶対的な）角度位置を表す信号を出力するように構成された非接触位置センサから信号を受け取り、
使用時に位置センサによって出力された信号に従って駆動軸を駆動するＡＣ誘導モータを制御することを含む。

発明は上に説明されたが、発明は、単独でまたは他のものと共同で、開示された特徴のいずれかのあらゆる本発明による組合せまたは部分的組合せまで拡張する。例としてのみ、発明の２つの特定の実施の形態をここで添付の図面を参照して説明する。

弁アクチュエータの一例を示す概略図である。 弁アクチュエータのアーキテクチャを示すブロック図である。

図１を参照すると、アクチュエータ１００の一例の概略図が示されている。アクチュエータは、閉鎖位置と開放位置との間で弁１０４を移動させるために回転させることができる主駆動軸１０２を有する。主駆動軸は、制御装置１０８に接続されたＡＣ誘導モータ１０６によって移動させられ、制御装置は、典型的には、マイクロセミ・コーポレーションによって製造されたAGL125 V2-QN132lなどのフィールド・プログラマブル・ゲートアレイを含む。制御装置には非接触位置センサ１１０も接続されている。構成の例においては、位置センサは、ホール効果に基づき、主駆動軸を移動させるドライブトレーンにおけるギヤ１１２に接続された磁気構成部材１１１を有するが、これは変化することができ、例えば、位置検出構成部材は主軸、弁、または複数の異なるギヤを含むドライブトレーンにおける１つ以上のギヤに接続されている。その他のタイプの非接触位置検出装置、例えば永久磁石リニア非接触変位（ＰＬＣＤ）センサ技術を用いることができることも理解されるであろう。位置センサ１１０をより詳細に考察すると、これは、典型的には、可動磁気検出構成部材に加えて集積回路（例えば６ｍｍ×６ｍｍ×１ｍｍの寸法を有する）を含む。適切なホール効果センサの一例は、RMM44A2C00磁気構成部材と組み合わされたRLS/RenishawによるAM256Qである（例えば、６０５ガウスの磁石を備えた例えば４ｍｍの直径および４ｍｍの高さの寸法を有する円筒体であるが、これは変更し得ることが認められるであろう）。回路はアクチュエータハウジング（図示せず）に固定されているのに対し、磁気構成部材はドライブトレーンにおけるギヤ１１２に固定されている。軸が回転すると、回路に提供された磁界も回転する。回路は、ホール効果タイルの配列を含み、各タイルは、提供された磁界に依存した電圧を発生する。タイルからの差動電圧は、回路に関する磁気構成部材の絶対的な位置を規定する。

ホール効果位置センサの使用は、マイクロスイッチの場合に必要条件である手作業による較正／調節の必要性の排除、およびバックラッシュ効果の減少の観点から有利である。これは、標準としての複数の位置を示すことができる信号も提供し、これは、以下で説明するように、駆動軸の速度が、角度位置に依存しているように、変化させられることを許容することができる。さらに、位置センサは非接触型であり、汚染に対して耐性であり、磁界に対する感度が低い。このようなセンサは電力要求も低い（連続モードにおいて例えば２３ｍＷ、サンプルモードにおいて＜１ｍＷ）。センサ１１０によって制御装置１０８に出力される信号は、読取りの間に制御装置によってセンサに提供されるパワーをサイクルすることによって確認されてよい。

したがって、ホール効果センサは絶対的位置装置であり、アクチュエータへの電力供給の中断の際には、通常、電力の再開時にアクチュエータの位置を再確認する。しかしながら、システムの要求が、アクチュエータが、（航空機システムに関する場合であることができるような）高い／低いロジックレベル信号を提供する独立した閉鎖／開放信号ラインを有するようなものであるならば、これは、小さくかつ信頼できる密閉単極磁気ラッチ継電器を加えることによって達成することができ、継電器への電力が停止されたとしても、継電器を閉鎖されたまま維持することができる。ＡＣ誘導モータ１０６をより詳細に見ると、ＡＣ誘導モータ１０６は、典型的には、ダイケースアルミニウムロータおよび封入された３相ステータを含む。ＡＣ誘導モータ１０６は、可変周波数／電圧、調節可能なアクチュエータ速度能力、およびダイナミックブレーキングを有する電子正弦波ドライブによって駆動することができる。速度は、供給電圧に依存することができる。発明者らは、誘導モータは、低コスト、単純性およびより高い信頼性により、慣用のブラシレスＰＭモータよりも有利であることを認識した。

図２は、上述の原理を利用する弁アクチュエータのアーキテクチャの一例を示している。位置センサ１１０は、電力供給ユニット２０２から電力を受け取る制御装置１０８と通信する。制御装置は、過渡保護のためにコネクタ２０６にリンクされたパイロットのインジケータインターフェース２０４にも接続されている。幾つかの場合、過渡保護は、コネクタの代わりにプリント回路基板におけるものであってよい。コネクタは、ダイオードＯＲ ＡＮＤ逆極性保護ユニット２０８およびディレクションインターフェース２１０にもリンクされている。制御装置は、ディレクションインターフェースからデータを受け取り、信号を極性保護ユニットへ送信することができる。制御装置は、電流制限および電圧制限ユニット２１２、および制限ユニット２１２とも通信するトランジスタブリッジおよびゲートドライブ２１４にも信号を送信することができる。トランジスタブリッジ／ゲートドライブはＡＣ誘導モータ１０６を制御することができ、その位置が位置センサ１１０によって監視される少なくとも１つのギヤを有するギヤボックス２１６に接続されている。幾つかの実施の形態において、アクチュエータは、必要なアクチュエータ位置信号を受け取り、シリアルデータバスを使用してアクチュエータ位置を送信してよい。

アクチュエータの幾つかの実施の形態は、位置選択インターフェースとともに利用可能であってよい。所要のアクチュエータ位置を選択するために航空機がソリッドステートサーキットブレーカを使用するならば、ソリッドステートサーキットブレーカは、一般的に、オフ状態において高い漏れ電流を有する。この高い漏れ電流は、アクチュエータを誤作動させ、オフ状態をオンと認識させる恐れがある。制御回路は、電力消費を最小限に維持しながらも、これを補償することができる。制御回路は、周期的にディレクションインターフェースを瞬間的にオンにすることによってこれを行うことができる。インターフェース回路は、高い漏れ電流の効果を排除する低インピーダンス回路であることができる。

ここで説明した実施の形態は少なくとも部分的に、明細書への導入部において論じた問題を排除することができる。アクチュエータの設計はフレキシブルであり、１つのアクチュエータが複数のアプリケーションにおいて使用されることを許容することができる。これは、特定のアプリケーション／様々な弁に適合するようにアクチュエータの開放／閉鎖速度をプログラムすることによって達成することができる。例えば、制御装置は、駆動軸の位置に応じてＡＣモータが駆動軸を駆動するレートを設定するように構成されてよい。制御装置は、少なくとも１つの駆動軸角度位置を表すデータを記憶してよい。データは、例えば、“弁完全閉鎖”位置、“弁完全開放”位置および／または中間位置を表していてよい。制御装置は、ＡＣモータが駆動軸を前記記憶された駆動軸角度位置の間で駆動するレートを変化させるように構成されていてよい。制御装置は、弁の位置および複数のアプリケーションのための適切な作動速度／レートを記憶する参照用テーブルまたは同様のものを有してよい。別の変化態様が可能であり、例えば、圧力計読取りなどの外部信号／測定に従って作動レートを変化させることができることも認められるであろう。さらに、異なる数の位置を備えたアクチュエータ、例えば４位置アクチュエータを制御するためにアクチュエータ検出装置を使用することができる。

Claims (10)

1. 使用時に弁（１０４）を開放位置と閉鎖位置との間で調節するための駆動軸（１０２）と、
   前記駆動軸を駆動するためのブラシレスモータ（１０６）と、
   使用時に前記駆動軸または前記弁の角度位置を表す信号を出力するように構成された非接触の位置センサ（１１０）と、
   位置センサによって出力された信号に従って前記ブラシレスモータを制御するように構成された制御装置（１０８）と、
   を備え、
   前記制御装置（１０８）は、前記駆動軸の前記角度位置に応じて前記ブラシレスモータ（１０６）が前記駆動軸（１０２）を駆動するレートを設定し、
   前記制御装置（１０８）は、複数の駆動軸角度位置を表すデータを記憶し、
   前記制御装置（１０８）は、前記ブラシレスモータ（１０６）が前記駆動軸（１０２）を前記記憶された複数の駆動軸角度位置の間で駆動するレートを変化させるように構成されており、
   前記位置センサ（１１０）は、集積回路および可動な磁気検出構成部材を含み、
   前記集積回路は、アクチュエータハウジングに固定され、
   前記磁気検出構成部材は、前記駆動軸（１０２）のためのドライブトレーン／ギヤボックスにおけるギヤ（１１２）に固定されている、
   弁アクチュエータ（１００）。
2. 前記データは、“弁完全閉鎖”位置、“弁完全開放”位置および／または中間位置を表す、
   請求項１記載の弁アクチュエータ。
3. 前記制御装置（１０８）は、少なくとも１つの外部信号／測定に従って前記ブラシレスモータ（１０６）が前記駆動軸（１０２）を駆動するレートを変化させるように構成されている、
   請求項１または２記載の弁アクチュエータ。
4. 前記外部信号／測定は、圧力読取りを表す、
   請求項３記載の弁アクチュエータ。
5. 前記制御装置（１０８）は、複数の様々な弁アクチュエータアプリケーションを操作するように構成され、
   それぞれの前記弁アクチュエータアプリケーションのために、前記制御装置（１０８）は、前記弁（１０４）または前記駆動軸（１０２）のための特定の角度位置の間で駆動軸調節レートを変化させるためのデータを記憶している、
   請求項１から４までのいずれか１項記載の弁アクチュエータ。
6. 前記制御装置（１０８）は、読取りの間の位置センサに提供されるパワーをサイクルすることによって前記位置センサ（１１０）によって出力される位置を確認する、
   請求項１から５までのいずれか１項記載の弁アクチュエータ。
7. 使用時に前記弁（１０４）の開放位置／閉鎖位置を表すロジック信号を提供するために少なくとも１つのラッチ継電器をさらに備える、
   請求項１から６までのいずれか１項記載の弁アクチュエータ。
8. 前記ブラシレスモータは、ＡＣ誘導モータまたはブラシレスＰＭモータである、
   請求項１から７までのいずれか１項記載の弁アクチュエータ。
9. 弁アクチュエータ用の制御装置（１０８）において、
   使用時に駆動軸（１０２）または弁（１０４）の角度位置を表す信号を出力するように構成された非接触の位置センサ（１１０）からの信号を受け取るように構成された装置（１０８）と、
   使用時に、位置センサによって出力された信号に従って前記駆動軸を駆動するブラシレスモータ（１０６）を制御するように構成された装置（１１０）と、
   を含み、
   前記制御装置（１０８）は、前記駆動軸の前記角度位置に応じて前記ブラシレスモータ（１０６）が前記駆動軸（１０２）を駆動するレートを設定し、
   前記制御装置（１０８）は、複数の駆動軸角度位置を表すデータを記憶し、
   前記制御装置（１０８）は、前記ブラシレスモータ（１０６）が前記駆動軸（１０２）を前記記憶された複数の駆動軸角度位置の間で駆動するレートを変化させるように構成されており、
   前記装置（１１０）は、集積回路および可動な磁気検出構成部材を含み、
   前記集積回路は、アクチュエータハウジングに固定され、
   前記磁気検出構成部材は、前記駆動軸（１０２）のためのドライブトレーン／ギヤボックスにおけるギヤ（１１２）に固定されている、
   弁アクチュエータ用の制御装置（１０８）。
10. 使用時に弁（１０４）を開放位置と閉鎖位置との間で調節するために弁アクチュエータ（１００）の駆動軸（１０２）を操作する方法において、前記方法は、
    使用時に、前記駆動軸または前記弁の角度位置を表す信号を出力するように構成された非接触の位置センサ（１１０）から信号を受け取り、
    使用時に、位置センサによって出力された信号に従って前記駆動軸を駆動するブラシレスモータ（１０６）を制御することを含み、前記方法は、
    前記駆動軸の前記角度位置に応じて前記ブラシレスモータ（１０６）が前記駆動軸（１０２）を駆動するレートを設定し、
    複数の駆動軸角度位置を表すデータを記憶し、
    前記ブラシレスモータ（１０６）が前記駆動軸（１０２）を前記記憶された複数の駆動軸角度位置の間で駆動するレートを変化させることを含み、
    前記位置センサ（１１０）は、集積回路および可動な磁気検出構成部材を含み、
    前記集積回路は、アクチュエータハウジングに固定され、
    前記磁気検出構成部材は、前記駆動軸（１０２）のためのドライブトレーン／ギヤボックスにおけるギヤ（１１２）に固定されている、
    方法。

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