JP6387172B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、車両の車線逸脱を防止する目標ヨーレートを求めるステアリング装置に関する。
従来、車両に搭載されているヨーレートセンサ等の計測装置から出力される計測値は、熱害等の影響を受けて誤差が生じやすく、そのため、出力される計測値を中立較正(ゼロ点較正)する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1(特許第5314649号公報)には、基準となる計測装置で計測した値と、この計測装置とは別の計測装置で計測した値とを比較し、移動平均により定常的にずれている成分をオフセット成分として中立較正する技術が開示されている。
又、例えば特許文献2(特開2011−169728号公報)には、ヨーレートセンサの中立較正を行うに際し、カメラで撮影した画像に基づいて認識した車線からヨーレートを推定し、この推定値に基づいてヨーレートを較正する技術が開示されている。
更に、特許文献3(特許第3637801号公報)や特許文献4(特許第4432885号公報)には、操舵角センサで検出した操舵角信号に基づいてヨーレートを推定し、この推定したヨーレートに基づいてヨーレートセンサの故障検出を行う技術が開示されている。
特許第5314649号 特開2011−169728号公報 特許第3637801号公報 特許第4432885号公報
ところで、路面横断勾配(カント)を有する走行路や横風を受けた状態での走行で直進走行しようとする場合、運転者はハンドルを切った状態で走行させる。このような状況で、特許文献1に開示されているように、操舵角に基づいてヨーレートセンサの中立較正を行った場合、上述した路面横断勾配や横風が横力外乱として作用するため誤差が大きくなり、ヨーレートセンサ等の計測装置の中立較正精度が低下してしまう不都合がある。
又、操舵角から推定されるヨーレートは実際の車両ヨーレートに対して位相特性が異なるため、位相特性の誤差分を除外するため定常状態に限定する方策や、位相合わせ処理を行う方策が必要となる。この場合、補正頻度が低下したり、位相合わせ自体の誤差により精度良い推定・補正が困難となる。
この点、特許文献2に開示されているように、カメラで撮影した画像に基づいて車線を検出し、検出した車線に基づいてヨーレートを推定する技術では、路面横断勾配や横風の影響を受け難く、引用文献1に開示されている技術に比し、中立較正を精度良く行うことができる。しかし、画像処理等の遅延により、特許文献1に記載の手段同様、両者の位相特性の差異による誤差分が含まれてしまうという不都合がある。
又、ヨーレートセンサ等のレートジャイロを用いた計測装置には、誤差要因としてオフセット誤差以外にスケールファクタ誤差がある。特許文献2に開示されている技術では、オフセット誤差にスケールファクタ誤差因子が含まれた状態で検出されているため、スケールファクタ誤差をオフセット誤差として見積もってしまったり、又、その逆が生じることによって誤差の推定及び較正精度を高めることができない不都合がある。
又、特許文献3,4に開示されているように、計測装置の故障診断として、操舵角センサを用いた場合、上述したように路面横断勾配や横風の影響を受け易く、故障診断を精度良く行うことができない不具合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、オフセット誤差とスケールファクタ誤差とを個別に検出することができ、なおかつ位相特性の影響を受け難く、更に、スケールファクタ誤差及びオフセット誤差の較正を高精度に行うことのできるステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、走行車線を規定する車線区画線を検出する車線区画線演算手段と、車両の車速を検出する車速センサと、前記車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、前記車両の車線逸脱を防止する目標ヨーレートを求める操舵制御部とを備えるステアリング装置において、前記操舵制御部は、前記車線区画線演算手段で検出した前記車線区画線に基づいて、該車線区画線の曲率及び前記車両と該車線区画線とのなす角度を求める対車線ヨー角演算手段と、前記対車線ヨー角演算手段で求めた前記曲率及び前記車両と前記車線区画線とのなす角から前記車両の推定ヨーレートを求める推定ヨーレート演算部と、前記ヨーレートセンサにて検出した前記ヨーレートと前記推定ヨーレート演算部で求めた前記推定ヨーレートとを座標軸として座標データを取得する座標データ取得手段と、取得した前記座標データに基づき最小二乗法により線形回帰パラメータを求めるパラメータ演算手段と、前記パラメータ演算手段で求めた前記線形回帰パラメータの傾きと切片とをスケールファクタ誤差とオフセット誤差として同定するパラメータ同定手段と、前記パラメータ同定手段で設定した前記スケールファクタ誤差と前記オフセット誤差とに基づいて前記ヨーレートセンサで検出した前記ヨーレートを較正して較正ヨーレートを求める較正ヨーレート演算部と、前記車線区画線から車両幅方向横位置までの距離と前記車速センサで検出した前記車速及び前記対車線ヨー角演算手段で求めた前記前記車両と該車線区画線とのなす角度とに基づき前記車両の前記走行車線から逸脱する車線逸脱予想時間を求め、該車両と該車線区画線とのなす角度と該車線逸脱予想時間とに基づき車線逸脱を防止する前記目標ヨーレートを求める目標ヨーレート演算部と、前記目標ヨーレート演算部で求めた前記目標ヨーレートに基づきフィードフォワード制御値を求めるフィードフォワード制御値演算部と、前記目標ヨーレート演算部で求めた前記目標ヨーレートと前記較正ヨーレート演算部で求めた前記較正ヨーレートとの差分からフィードバック制御値を求めるフィードバック制御値演算部と、前記フィードフォワード制御値演算部で求めたフィードフォワード制御値と前記フィードバック制御値演算部で求めた前記フィードバック制御値との差分から求めた目標ヨーモーメントに対応する操舵トルクを求める操舵トルク演算部とを備える。
本発明によれば、ヨーレートと、これを推定する推定ヨーレートとを異なる装置で求め、得られた各ヨーレートを座標軸として取得した座標データに基づき最小二乗法により線形回帰パラメータを求め、この線形回帰パラメータの傾きと切片とをスケールファクタ誤差とオフセット誤差として同定して、ヨーレートを較正するようにしたので、較正により得られた較正ヨーレートは、オフセット誤差とスケールファクタ誤差とで個別に較正されているため、位相特性の影響を受け難く、スケールファクタ誤差及びオフセット誤差の較正を高精度に行うことができる。
車両の操舵系の概略構成図 操舵制御部の機能ブロック図 ヨーレート補正値演算ルーチンを示すフローチャート(その1) ヨーレート補正値演算ルーチンを示すフローチャート(その2) カーブ路の曲線近似に基づいてヨーレートを推定する手順を示す説明図 路面横断勾配を有する走行路を直進する際の説明図 (a)は座標上に座標データをプロットした状態の説明図、(b)はヨーレートのヒストグラム、(c)はヒストグラムの分散を示す説明図 座標平面の縦軸にヨーレート、横軸に推定ヨーレートを取る座標の説明図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1の符号1は操舵角を運転者入力と独立して設定自在な電動パワーステアリング装置である。この電動パワーステアリング装置1は、ステアリング軸2が、図示しない車体フレームにステアリングコラム3を介して回動自在に支持されており、その一端が運転席側へ延出され、他端がエンジンルーム側へ延出されている。ステアリング軸2の運転席側端部には、ステアリングホイール4が固設され、又、エンジンルーム側へ延出する端部には、ピニオン軸5が連設されている。
エンジンルームには、車幅方向へ延出するステアリングギヤボックス6が配設されており、このステアリングギヤボックス6にラック軸7が往復移動自在に挿通支持されている。このラック軸7に形成されたラック(図示せず)に、ピニオン軸5に形成されたピニオンが噛合されて、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構が形成されている。
又、ラック軸7の左右両端はステアリングギヤボックス6の端部から各々突出されており、その端部に、タイロッド8を介してフロントナックル9が連設されている。このフロントナックル9は、操舵輪としての左右輪10L,10Rを回動自在に支持すると共に、車体フレームに転舵自在に支持されている。従って、ステアリングホイール4を操作し、ステアリング軸2、ピニオン軸5を回転させると、このピニオン軸5の回転によりラック軸7が左右方向へ移動し、その移動によりフロントナックル9がキングピン軸(図示せず)を中心に回動して、左右輪10L,10Rが左右方向へ転舵される。
又、ピニオン軸5にアシスト伝達機構11を介して、電動パワーステアリングモータ(電動モータ)12が連設されており、この電動モータ12にてステアリングホイール4に加える操舵トルクのアシスト、及び、設定されたヨーレート(目標ヨーレート)となるような目標ヨーモーメント(操舵トルク)の付加が行われる。電動モータ12はモータ駆動部21から出力される駆動力で駆動される。このモータ駆動部21には、後述する操舵制御部20から目標操舵トルクに対応する制御信号が入力される。
この操舵制御部20の入力側には、走行車線を規制する左右の白線を代表とする車線区画線を検出し、これら車線区画線の位置情報を取得する前方認識手段及び車線区画線演算手段としての前方認識装置31、車速Vを検出する車速センサ32、操舵角を検出する操舵角センサ33、第1物理量であるヨーレートγを検出する物理量計測手段としてのヨーレートセンサ34等が接続されており、これらのパラメータに基づき、運転者の操舵力を補助する電動パワーステアリング制御、車両を目標進行路に沿って走行させるレーンキープ制御、走行車線からの車線逸脱を防止する車線逸脱防止制御等を実行する。以下においては、この各制御のうち車線逸脱防止制御機能について説明する。
前方認識装置31は、例えば、車室内の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられ、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像するメインカメラとサブカメラとからなるステレオカメラと、この両カメラからの画像データを処理するステレオ画像処理部とで構成されている。
又、この前方認識装置31のステレオ画像処理装置における、各カメラからの画像データの処理は、例えば以下のように行われる。先ず、メインカメラで撮影した基準画像とサブカメラで撮影した比較画像との視差から距離情報を求め、距離画像を生成する。走行車線の左右を規制する車線区画線は道路面と比較して高輝度であるという知得に基づき、道路の幅方向の輝度変化を評価して、画像平面における左右の車線区画線の位置を画像平面上で特定する。
この車線区画線の仮装平面上の二軸座標(x,z)は、画像平面上の位置(i,j)とこの位置に関して算出された距離情報に基づいて、周知の座標変換式より算出される。自車両の位置を基準に設定された実空間の座標系は、本実施形態では、例えば、図5に示すように、ステレオカメラの中央真下の道路面を原点として、車幅方向をX軸(左方向を「+」)、車長方向(距離方向)をZ軸(前方向を「+」)とする。このとき、X−Z平面は、道路が平坦な場合、道路面と一致する。
道路モデルは、道路上の自車両の走行車線を距離方向に複数区間に分割し、各区間における左右の車線区画線を所定に近似して連結することによって表現される。尚、本実施形態では、走行車線の形状を1組のカメラからの画像を基に認識する例で説明したが、他に、単眼カメラ、カラーカメラからの画像情報を基に求めるものであっても良い。又、車線区画線までの距離が認識できるものであれば、前方認識装置31は、ミリ波レーダや赤外線レーザレーダであっても良い。
次に、操舵制御部20で実行される車線逸脱防止制御について説明する。図2に示すように、操舵制御部20には車線逸脱防止制御を実行する機能として、目標ヨーレート演算部41、フィードフォワード制御値演算部42、物理量推定手段としての推定ヨーレート演算部43、物理量較正手段としての較正ヨーレート演算部44、フィードバック制御値演算部45、レートリミッタ演算部46、操舵トルク演算部47を備えている。
目標ヨーレート演算部41は、目標ヨーレートγ*を以下のようにして求める。尚、本発明の対車線ヨー角演算手段は、この目標ヨーレート演算部41に含まれている。
すなわち、図5に示すように、基準画像データと比較画像データとに基づいて生成した仮想道路平面上に、距離データに基づいて算出した左右車線区画線の候補点PL,PRをプロットする。この仮想道路平面には自車両Mが配設されており、自車両Mに搭載されている前方認識装置(ステレオカメラ)31の中央の真下の道路面上の点を原点とし、自車両Mの車幅方向にx軸、前後方向にz軸を取る座標が設定される。尚、符号θyawは走行車線と自車両Mとのなす角(対車線ヨー角)である。
そして、この左右にプロットした候補点PL,PRの群から最小二乗法により、左右車線区画線の二次モデル式
Y_LINE_L=A_L・Z+B_L・Z+C_L…(1)
Y_LINE_R=A_R・Z+B_R・Z+C_R…(2)
の各係数A_L,B_L,C_L,A_R,B_R,C_Rを求め、これにより左右の車線区画線モデルを求める。尚、ここで、A_L、A_Rは車線曲率に関するパラメータであり、左側車線区画線の曲率κは、κ=2・A_L、右側の車線区画線の曲率κは、κ=2・A_Rである。又、B_L,B_Rは自車両Mの中央を通る仮想線に対する自車両Mの傾き(ヨー角)に関する角度パラメータである。更に、C_L,C_Rは左右車線区画線からの横位置を示す係数である。
そして、自車両Mの対車線ヨー角θyawを、
θyaw=(B_L+B_R)/2…(3)
から求める。
又、走行車線の中央からの自車両位置である車線幅方向車両横位置Yを、
Y=(C_L+C_R)/2…(4)
から求める。
次いで、車線区画線_車両間距離Lを、
L=((C_L−C_R)−TR)/2−Y…(5)
から算出する。ここで、TRは車両のトレッドであり、本実施形態では、タイヤの外側端位置を車線逸脱判定の基準に用いるものとする。
そして、走行車線から逸脱する車線逸脱予想時間Tttlcを、例えば、
Tttlc=L/(V・sin(θyaw))…(6)
から求める。
そして、対車線ヨー角θyawと車線逸脱予想時間Tttlcとに基づき、車線逸脱を防止する目標ヨーレートγ*を、
γ*=−θyaw/Tttlc…(7)
から求める。
そして、フィードフォワード制御値演算部42は、目標ヨーレートγ*を所定ゲインで補正してフィードフォワード値Mzffを設定する。
一方、推定ヨーレート演算部43は、前方認識装置31で認識した画像に基づいて求めた車線区画線の車線曲率κと対車線ヨー角θyaw、及び車速センサ32で検出した車速Vに基づいて、第2物理量である推定ヨーレートγlaneを、
γlane=κ・V+dθyaw/dt…(8)
から求める。
この推定ヨーレートγlaneは、前方認識装置31で認識した画像に基づいて求めているため、路面横断勾配(カント)や横風の影響を受けることなく高い精度でヨーレートを推定することができる。すなわち、図6に示すように、自車両Mが路面横断勾配を有する直進路を走行する場合、車体に対して下り方向の横力Fyが作用するため、運転者はハンドルを上り方向に切った状態で直進走行する。従って、ヨーレートをハンドル角に基づいて推定した場合、この横力Fyが外乱として作用するため、ヨーレートを高い精度で推定することができない。
これに対し、本実施形態では、前方認識装置31で認識した画像から求めた左右の車線区画線の曲線近似式に基づいて、推定ヨーレートγlaneを求めているため、自車両Mに横力Fyが作用しても、これが車線区画線を求める際に外乱として作用することがないので、推定ヨーレートγlaneを高い精度で求めることができる。
そして、較正ヨーレート演算部44は、推定ヨーレートγlaneとヨーレートセンサ34で検出したヨーレートγとの関係から、ヨーレートγを較正した較正ヨーレートγcalを求める。この較正ヨーレート演算部44での処理は、具体的には、図3に示す較正ヨーレート演算ルーチンに従って実行される。
このルーチンでは、先ず、ステップS1で、推定ヨーレートγlaneを時間微分することで、推定ヨー角加速度dγlane/dtを求める。
次いで、ステップS2へ進み、推定ヨー角加速度dγlane/dtが予め設定したしきい値γsl以上か否かを調べる。この推定ヨー角加速度dγlane/dtは、後述する最小二乗を行うためのサンプルデータであり、しきい値γslは、推定ヨー角加速度dγlane/dtの変動が小さいものを排除し、サンプルデータとして好ましい値を抽出するために設定されている。
そして、dγlane/dt≧γslの場合、ステップS3へ進み、推定ヨーレートγlaneと、それに同期するヨーレートセンサ34で検出したヨーレートγ(以下、これを「センサヨーレートγsensor」と称する)とのサンプリングを開始する。一方、dγlane/dt<γslの場合はルーチンを抜ける。
ステップS3へ進むと、推定ヨーレートγlaneのサンプルデータ数nが、予め設定したしきい値nsl未満か否かを調べる。このしきい値nslは、後述する最小二乗を行う場合のデータとして十分なサンプルデータ数nに達しているか否かを判定する値であり、本実施形態は操舵制御部20のメモリ容量に基づいて設定されている。尚、メモリ容量に余裕がある場合は、このしきい値nslは予めシミュレーション等から求めて設定しても良い。
そして、n<nslの場合、ステップS5へ進み、n≧nslの場合、ステップS4へ分岐する。ステップS4では、サンプリングした推定ヨーレートγlaneとセンサヨーレートγsensorとに基づいて最小二乗用座標データを作成し取得する。尚、このステップでの処理が本発明の座標データ取得手段に対応している。
すなわち、図7(a)に示すように、横座標軸に推定ヨーレートγlaneの値を取り、縦座標軸にセンサヨーレートγsensorの値を取る座標平面上に座標データである関数f(γlane,γsensor)をプロットする。ところで、サンプルデータは、平均的に分散している方が線形回帰式(γsensor=a・γlane+b)を高い精度で求めることができる。
そのため、ステップS4では、同図(b)に示すように、推定ヨーレートγlane軸上に、センサヨーレートγsensorの頻度分布を示す所定階のヒストグラムを作成する。そして、同図(c)に示すように、あるしきい値SL以上の頻度を示す階のセンサヨーレートγsensorを、最大頻度を示す階から次の頻度を示す階へ移動させ、これを繰り返してほぼ平均化させる。その後、この最小二乗用データが作成された場合、ステップS7へジャンプする。
一方、ステップS3でサンプルデータ数nが所定しきい値nsl未満と判定されてステップS5へ進むと、センサヨーレートγsensorの値が0か否かを調べる。γsensor=0の場合、ヨーレートセンサ34の分解能を越えている値であるため、データサンプリングすることなく、ステップS7へジャンプする。一方、γsensor≠0の場合、ステップS6へ進む。
ステップS6では、今回読込んだサンプルデータを格納する処理を実行する。すなわち、サンプリングしたデータ(γlane,γsensor)の数nが、メモリ容量に応じて設定されたしきい値nslに達するまで、順次、格納される。
そして、ステップS4,ステップS5.或いはステップS6からステップS7へ進むと、ヨーレート検出範囲を算出する処理を実行する。このヨーレート検出範囲は、上述した最大値−最小値の間であり、これによりサンプリングしたデータ(γlane,γsensor)の分散を調べる。尚、ステップS6でメモリに格納したデータ(γlane,γsensor)のサンプル数がメモリしきい値に達していない場合でも、このステップS7において、ヨーレートの検出範囲(最大値−最小値)が算出される。
その後、ステップS8へ進むと、サンプリングした最小二乗用データ(γlane,γsensor)の数nがしきい値nsl以上か否かを調べ、n≧nslの場合、ステップS9へ進み、又、n<nslの場合、ルーチンを抜ける。
そして、ステップS9へ進むと、上述したステップS7で算出したヨーレートの検出範囲(最大値−最小値)が、予め設定した範囲を判定するしきい値以上か否かを調べる。このしきい値は最小二乗による線形回帰式を求める範囲として充分か否かを調べるもので、予めシミュレーション等から求めて設定されている。
そして、検出範囲≧しきい値の場合、ステップS10へ進み、又、検出範囲<しきい値の場合、線形回帰式を正確に求めることができないため、ルーチンを抜ける。
その後、ステップS10へ進むと、上述したステップS4で作成された最小二乗用データの座標上の各関数f(γlane,γsensor)に基づき、推定ヨーレートγlaneを基準として最小二乗法により線形回帰式(γsensor=a・γlane+b)を求める。
その後、ステップS11へ進み、線形回帰式(γsensor=a・γlane+b)の線形回帰パラメータである傾きaと切片bとを取得し、この傾きaと切片bとに基づきスケールファクタ誤差とオフセット誤差を算出する。スケールファクタ誤差は線形回帰式(γsensor=a・γlane+b)の傾きaに相当し、オフセット誤差が切片bに相当する。従って、オフセット誤差をbとして同定し、一方、スケールファクタ誤差をaとして同定する。尚、ステップS10,S11での処理が本発明の線形回帰パラメータ演算手段、及びパラメータ同定手段に対応している。
次いで、ステップS12へ進み、スケールファクタ誤差aとオフセット誤差bが、予め設定したしきい値asl,bsl以下か否かを調べる。このしきい値asl,bslは、センサヨーレートγsensorを較正することで正しい値を得ることのできる限界値であり、予めシミュレーション等から求めて設定されている。そして、a≦asl、且つb≦bslの場合、ステップS13へ進む。又、少なくとも一方が、a>asl,b>bslの場合、は誤差が大きく、較正しても良好なフィードバック特性を得ることが難しいため、ステップS14へジャンプする。
そして、ステップS13へ進むと、センサヨーレートγsensorを較正した較正ヨーレートγcalを、
γcal←(1/a)・γsensor−b…(9)
から求めて、ステップS14へ進む。尚、この場合、スケールファクタ誤差を(1/a)と定義し、オフセット誤差を(−b)と定義し、
a‘=(1/a)
b‘=(−b)
とすれば、(9)式は、
γcal←a‘・γsensor+b’…(9‘)
となる。
図8に示すように、推定ヨーレートγlaneとセンサヨーレートγsensorとが同じ値を示す場合、線形回帰式(γsensor=a・γlane+b)は、a=1,b=0の原点を通る直線となる(理想値)。一方、誤差が生じた場合、例えば、同図に計測値として示すように、線形回帰式(γsensor=a・γlane+b)は、a=0.5,b=−1のずれた値となる。従って、この場合は、センサヨーレートγsensorを(9)式、或いは(9‘)式で、原点を通る較正ヨーレートcalに中立較正することで、良好なフィードバック特性を得ることができる。
その後、ステップS12,或いはステップS13からステップS14へ進むと、メモリに格納されている最小二乗用データ(γlane,γsensor)を全てクリアして、ルーチンを抜ける。
そして、前述した目標ヨーレート演算部41で求めた目標ヨーレートγ*と較正ヨーレート演算部44で求めた較正ヨーレートγcalとの差分Δγ(Δγ=γ*−γcal)が、フィードバック制御値演算部45に読込まれる。
フィードバック制御値演算部45は、上述した差分Δγに基づきPID制御等によりフィードバック制御値Mzfbを求める。
そして、フィードフォワード制御値演算部42で求めたフィードフォワード値Mzffとフィードバック制御値演算部45で求めたフィードバック制御値Mzfbとの差分から目標ヨーモーメントMz*を求める。この目標ヨーモーメントMz*がレートリミッタ演算部46に読込まれる。
レートリミッタ演算部46では、前回のルーチン実行時に求めた目標ヨーモーメントMz*(n-1)と、今回求めた目標ヨーモーメントMz*(n)との差分を求め、この差分が予め設定したしきい値を超えているか否かを調べる。このしきい値は、目標ヨーモーメントMz*(n-1),目標ヨーモーメントMz*(n)の段差が大きいか否かを調べるものであり、段差が大きい場合、円滑な制御が行えないため、今回求めた目標ヨーモーメントMz*(n)の上限値を制限する。
そして、この目標ヨーモーメントMz*(n)が操舵トルク演算部47に読込まれる。操舵トルク演算部47では、目標ヨーモーメントMz*に対応する操舵トルクTpを求め、モータ駆動部21へ出力し、電動モータ12を所定に駆動させる。
このように、本実施形態では、前方認識装置31で認識した画像から求めた車線区画線モデルに基づいて推定ヨーレートγlaneを求め、この推定ヨーレートγlaneとセンサヨーレートγsensorとを座標軸とする座標面上に関数f(γlane,γsensor)をプロットし、この関数f(γlane,γsensor)に基づいて最小二乗により線形回帰式(γsensor=a・γlane+b)を求める。
そして、この線形回帰式の傾きaをスケールファクタ誤差とし、切片bをオフセット誤差として同定するようにしたので、スケールファクタ誤差aとオフセット誤差bとを個別に検出することができて、中立較正を高精度に行うことができる。更に、この両誤差a,bにてセンサヨーレートγsensorを較正して較正ヨーレートcalを求めるようにしたので、精度の高いフィードバック特性を得ることができる。
又、推定ヨーレートγlaneを前方認識装置31で撮影した画像に基づいて求めているので、平地直進走行のみならず、路面横断勾配の走行や走行中に横風を受けても、その影響を受けることなく、センサヨーレートγsensorを高精度に中立較正させることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば、故障診断装置において、スケールファクタ誤差aとオフセット誤差bの何れか一方が、上述したしきい値asl,bslを越えている場合、ヨーレートセンサ34の故障と判定する故障診断手段を備えるようにしても良い。
31…前方認識装置、
32…車速センサ、
33…操舵角センサ、
34…ヨーレートセンサ、
41…目標ヨーレート演算部、
43…推定ヨーレート演算部、
44…較正ヨーレート演算部、
a…スケールファクタ誤差、
b…オフセット誤差、
γcal…較正ヨーレート、
dγlane/dt…推定ヨー角加速度、
M…自車両、
n…サンプルデータ数、
V…車速、
γ…ヨーレート、
γ*…目標ヨーレート、
Mz*…目標ヨーモーメント、
γcal…較正ヨーレート、
γlane…車線推定ヨーレート、
γsensor…センサヨーレート、
θyaw…対車線ヨー角

Claims (5)

  1. 走行車線を規定する車線区画線を検出する車線区画線演算手段と、
    車両の車速を検出する車速センサと、
    前記車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、
    前記車両の車線逸脱を防止する目標ヨーレートを求める操舵制御部と
    を備えるステアリング装置において、
    前記操舵制御部は、
    前記車線区画線演算手段で検出した前記車線区画線に基づいて、該車線区画線の曲率及び前記車両と該車線区画線とのなす角度を求める対車線ヨー角演算手段と、
    前記対車線ヨー角演算手段で求めた前記曲率及び前記車両と前記車線区画線とのなす角から前記車両の推定ヨーレートを求める推定ヨーレート演算部と、
    前記ヨーレートセンサにて検出した前記ヨーレートと前記推定ヨーレート演算部で求めた前記推定ヨーレートとを座標軸として座標データを取得する座標データ取得手段と、
    取得した前記座標データに基づき最小二乗法により線形回帰パラメータを求めるパラメータ演算手段と、
    前記パラメータ演算手段で求めた前記線形回帰パラメータの傾きと切片とをスケールファクタ誤差とオフセット誤差として同定するパラメータ同定手段と、
    前記パラメータ同定手段で設定した前記スケールファクタ誤差と前記オフセット誤差とに基づいて前記ヨーレートセンサで検出した前記ヨーレートを較正して較正ヨーレートを求める較正ヨーレート演算部と、
    前記車線区画線から車両幅方向横位置までの距離と前記車速センサで検出した前記車速及び前記対車線ヨー角演算手段で求めた前記前記車両と該車線区画線とのなす角度とに基づき前記車両の前記走行車線から逸脱する車線逸脱予想時間を求め、該車両と該車線区画線とのなす角度と該車線逸脱予想時間とに基づき車線逸脱を防止する前記目標ヨーレートを求める目標ヨーレート演算部と、
    前記目標ヨーレート演算部で求めた前記目標ヨーレートに基づきフィードフォワード制御値を求めるフィードフォワード制御値演算部と、
    前記目標ヨーレート演算部で求めた前記目標ヨーレートと前記較正ヨーレート演算部で求めた前記較正ヨーレートとの差分からフィードバック制御値を求めるフィードバック制御値演算部と、
    前記フィードフォワード制御値演算部で求めたフィードフォワード制御値と前記フィードバック制御値演算部で求めた前記フィードバック制御値との差分から求めた目標ヨーモーメントに対応する操舵トルクを求める操舵トルク演算部と
    を備えることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記較正ヨーレート演算部は、前記ヨーレートを前記スケールファクタ誤差で除算した値に前記オフセット誤差を減算することで前記較正ヨーレートを求める
    ことを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記較正ヨーレート演算部は、前記ヨーレートを前記スケールファクタ誤差で乗算した値に前記オフセット誤差を加算することで前記較正ヨーレートを求める
    ことを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  4. 前記スケールファクタ誤差と前記オフセット誤差を、前記ヨーレートセンサで検出した前記ヨーレートを較正する前記線形回帰パラメータとする
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のステアリング装置。
  5. 前記スケールファクタ誤差及び前記オフセット誤差を予め設定した故障判定用しきい値と比較し、少なくとも一方の誤差が該故障判定用しきい値を越えている場合、前記ヨーレートセンサの故障と判定する故障診断手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のステアリング装置。
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