JP6386397B2 - 光伝送システム及び信号伝送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光伝送システム及び信号伝送方法に関する。
インターネットで伝送されるトラフィックは年々増加しており、各国の研究機関や企業が、光基幹網における更なる大容量化及び経済性の向上を達成するための革新的な技術の研究開発を盛んに行っている。
近年では、光強度だけでなく、光位相を変調に組み込んだ多値変調技術や互いに直交した2つの偏波に別々の情報を乗せて多重する偏波多重技術を用いた伝送方式が登場しており、1波長あたり100Gbpsの大容量伝送システムが実現されるまでに至っている。
しかし、同一帯域幅での更なる多値化には高いSNRが必要となる点、送受信に用いられる電子デバイスの動作速度が限界に近づいている点から、シングルキャリア伝送方式による更なる大容量伝送は技術的に困難であるとされている。
そこで、今後も増え続けるトラフィックに対応するための新たな技術として、複数の波長を用いて信号を伝送するマルチキャリア伝送方式が提案されている。
Siavash M. Alamouti, "A Simple Transmit Diversity Technique for Wireless Communications", IEEE JOURNAL ON SELECT AREAS IN COMMUNICATIONS, VOL.16, NO.8, OCTOBER 1998 Jean-Claude Belfiore, Ghaya Rekaya and Emanuele Viterbo, "The Golden Code: A 2×2 Full-Rate Space-Time Code With Nonvanishing Determinants", IEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION THEORY, VOL.51, NO.4, APRIL 2005 C.Hollanti, J.Lahtonen, K.Ranto, R.Vehkalahti and E.Viterbo, "On the Algebraic Structure of the Silver Code: a 2×2 Perfect Space-Time Block Code", Information Theory Workshop, 2008. ITW'08. IEEE, May 2008
光伝送路上で発生する光信号を劣化させる要因として、光学デバイスに起因した現象、すなわち偏波依存損失、レーザの発振周波数揺らぎによるキャリア間干渉、フィルタリングの際の中心周波数シフトなどが存在する。このような光学デバイスに起因した現象は、一般的に周波数依存性、時間依存性、偏波依存性があるという特筆すべき性質を有している。
一方、従来のマルチキャリア伝送方式では、各サブキャリアでそれぞれ独立した信号系列を伝送しているため、信号系列ごとに上述の光学デバイスに起因した現象の受け方が一般に異なる。特に、従来のマルチキャリア伝送方式では、特定のサブキャリアで伝送している信号系列が上述の光学デバイスに起因した現象による致命的なペナルティを受けた際に、システム全体の伝送品質が著しく低下してしまうという問題がある。
本発明は、光学デバイスに起因した現象による伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる光伝送システム及び信号伝送方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、光送信装置、光受信装置及び前記光送信装置と前記光受信装置とを通信可能に接続する光ファイバとを備える光伝送システムであって、前記光送信装置は、m個(mは2以上の整数)の信号系列を符号化してm個の送信信号系列を生成する符号化回路と、前記符号化回路が生成した前記m個の送信信号系列それぞれで、波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調してm個の光変調信号を出力する光変調回路と、前記光変調回路が出力する前記m個の光変調信号を多重して前記光ファイバに送出する合波回路と、を有し、前記光受信装置は、前記合波回路から送出された信号を受信し、受信した信号を前記m個の光変調信号に分波する分波回路と、前記分波回路が波長分波して得られた前記m個の光変調信号それぞれに対して光検波してm個の受信信号系列を出力する光検波回路と、前記光検波回路が出力する前記m個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化する復号化回路とを有し、前記符号化回路は、前記m個の信号系列の信号に対して異なる信号系列の信号又は異なるタイムスロットの信号を組み合わせてグルーピングし、グループに含まれる各信号の成分を含む信号を当該グループの信号に対応する系列及びタイムスロットに配置して前記m個の送信信号系列を生成することを特徴とする光伝送システムである。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムにおいて、前記符号化回路は、前記m個の信号系列において同じタイムスロットのm個の信号をグルーピングし、前記m個の送信信号系列における当該タイムスロットにグループ化した前記m個の信号系列のm個の信号の成分を含む信号を配置することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムにおいて、前記符号化回路は、前記m個の信号系列それぞれにおいて連続するm個のタイムスロットの信号をグルーピングし、前記送信信号系列における当該m個のタイムスロットそれぞれにグループ化したm個の信号の成分を含む信号を配置することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムにおいて、前記符号化回路は、前記m個の信号系列において連続するm個のタイムスロットに含まれるm×m個の信号を異なる信号系列及び異なるタイムスロットの信号を組み合わせてグルーピングし、前記m個の送信信号系列における当該m個のタイムスロットそれぞれにグループ化した信号の成分を含む信号を配置することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムにおいて、前記光送信装置は、前記m個の信号系列に対して一定の周期でパイロット信号を挿入してパイロット信号を含むm個の信号系列を出力するパイロット信号挿入回路を更に有し、前記符号化回路は、前記パイロット信号挿入回路が出力するm個の信号系列を符号化して前記m個の送信信号系列を生成し、前記光受信装置は、前記光検波回路が出力する前記m個の受信信号系列それぞれにおいて前記パイロット信号に対応する信号を検出すると、検出した信号が含まれるタイムスロットで前記m個の受信信号系列を同期させるとともに前記検出した信号を削除したm個の受信信号系列を出力する同期化回路を更に有し、前記復号化回路は、前記同期化回路が出力するm個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の光伝送システムにおいて、前記光送信装置は、前記m個の送信信号系列に対して一定の周期でパイロット信号を挿入してパイロット信号を含むm個の送信信号系列を出力するパイロット信号挿入回路を更に有し、前記光変調回路は、前記パイロット信号挿入回路が出力するm個の送信信号系列それぞれで、前記波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調して前記m個の光変調信号を出力し、前記光受信装置は、前記光検波回路が出力する前記m個の受信信号系列それぞれにおいて前記パイロット信号を検出すると、検出したパイロット信号が含まれるタイムスロットで前記m個の受信信号系列を同期させるとともに前記検出したパイロット信号を削除したm個の受信信号系列を出力する同期化回路を更に有し、前記復号化回路は、前記同期化回路が出力するm個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記符号化回路は、直交行列を用いた符号化により、前記m個の信号系列から前記m個の送信信号系列を生成し、前記復号化回路は、直交行列を用いた復号化により、前記m個の受信信号系列から前記m個の信号系列を復号することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記符号化回路及び前記復号化回路は、直交行列としてアダマール行列を用いることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記符号化回路は、符号化を行う複数の第1の加算器を備え、前記復号化回路は、復号化を行う複数の第2の加算器を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、前記符号化回路は、前記m個の信号系列と前記m個の送信信号系列との間における対応を記憶する第1のルックアップテーブルを備え、前記m個の信号系列の信号の組み合わせに対応するm個の信号を前記第1のルックアップテーブルから読み出し、読み出したm個の信号を前記m個の送信信号系列の信号とし、前記復号化回路は、前記m個の受信信号系列と前記m個の信号系列との間における対応を記憶する第2のルックアップテーブルを備え、前記m個の受信信号系列の信号の組み合わせに対応するm個の信号を前記第2のルックアップテーブルから読み出し、読み出したm個の信号を前記m個の信号系列の信号とすることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、光送信装置、光受信装置及び前記光送信装置と前記光受信装置とを通信可能に接続する光ファイバとを備える光伝送システムにおける信号伝送方法であって、m個(mは2以上の整数)の信号系列を符号化してm個の送信信号系列を生成する符号化ステップと、前記符号化ステップにおいて生成した前記m個の送信信号系列それぞれで、波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調してm個の光変調信号を生成する光変調ステップと、前記光変調ステップにおいて生成した前記m個の光変調信号を多重して前記光ファイバに送出する合波ステップと、前記合波ステップにおいて送出された信号を受信し、受信した信号を前記m個の光変調信号に分波する分波ステップと、前記光ファイバから波長多重された前記m個の光変調信号を受信してm個の異なる波長ごと波長分波する分波ステップと、前記分波ステップにおいて波長分波して得られた前記m個の光変調信号それぞれに対して光検波してm個の受信信号系列を生成する光検波ステップと、前記光検波ステップにおいて生成した前記m個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化する復号化ステップとを有し、前記符号化ステップでは、前記m個の信号系列の信号に対して異なる信号系列の信号又は異なるタイムスロットの信号を組み合わせてグルーピングし、グループに含まれる各信号の成分を含む信号を当該グループの信号に対応する系列及びタイムスロットに配置して前記m個の送信信号系列を生成することを特徴とする信号伝送方法である。
本発明によれば、送信対象のm個の信号系列それぞれの信号を、当該信号を含むグループの他の信号の系列又はタイムスロットにも当該信号の成分を配置して分散させる符号化を行うことにより、特定の送信信号系列又は特定のタイムスロットにおいて光学デバイスに起因した信号劣化が生じても伝送品質の劣化を抑えることができ、伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる。
第1の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。 符号化回路11による本来の信号系列と異なる信号系列に信号を分散する処理を示す第1のフローチャートである。 第1の符号化・復号化の一例を示す図である。 符号化回路11による本来の信号系列と異なる信号系列に信号を分散する処理を示す第2のフローチャートである。 第2の符号化・復号化の一例を示す図である。 符号化回路11による本来の信号系列と異なる信号系列に信号を分散する処理を示す第3のフローチャートである。 第3の符号化・復号化の一例を示す図である。 第2の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。 信号系列それぞれにパイロット信号を挿入する一例を示す図である。 第3の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。 送信信号系列それぞれにパイロット信号を挿入する一例を示す図である。 第4の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。 第5の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。 m=2の場合におけるアダマール変換回路の構成例を示すブロック図である。 m=2の場合におけるアダマール逆変換回路の構成例を示すブロック図である。 m=2の場合におけるアダマール変換に対応するルックアップテーブルの一例を示す図である。 m=2の場合におけるルックアップテーブルを用いたアダマール変換回路11Bの構成例を示すブロック図である。 光伝送システムにおいて、波長と偏波との組み合わせが異なる搬送光を用いる伝送の一例を示す図である。 本実施形態の伝送方式の評価結果を示す第1の図である。 本実施形態の伝送方式の評価結果を示す第2の図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における光伝送システム及び信号伝送方法を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムは、光送信装置10、光ファイバ20及び光受信装置30を備える。光送信装置10と光受信装置30とは、光伝送路としての光ファイバ20を介して通信可能に接続されている。光送信装置10は、m個の信号系列#1〜#mを符号化し、符号化で得られたm個の送信信号系列で波長又は偏波が互いに異なるm個の搬送光を光変調し、光変調で得られたm個の光変調信号を波長多重又は偏波多重して光ファイバ20へ送出する。光受信装置30は、m個の送信信号系列が多重された信号を光ファイバ20から受信し、受信した信号に対する波長分波又は偏波分波によりm個の光変調信号を得て、得られたm個の光変調信号それぞれを光検波し、光検波で得られたm個の受信信号系列からm個の信号系列#1〜#mを復号化する。伝送の対象となるm個の信号系列#1〜#mは、それぞれ独立したデータの系列である。
光送信装置10は、符号化回路11、m個の光変調回路12−1〜12−m及び合波回路13を備える。ここで、mは2以上の整数である。符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mを外部の装置から入力する。符号化回路11は、入力するm個の信号系列#1〜#mを符号化してm個の送信信号系列を生成する。m個の信号系列#1〜#mは、同期しており、所定の時間間隔で区切られたタイムスロットを単位にして配置された信号の列である。符号化回路11が行う符号化とは、各信号系列#1〜#mに含まれる各信号を本来の信号系列と異なる信号系列又は本来のタイムスロットと異なるタイムスロットにも信号を分散する操作である。本来の信号系列とは、符号化を行う前に各信号が属する信号系列のことである。また、本来のタイムスロットとは、符号化を行う前の信号が属するタイムスロットのことである。
例えば、符号化回路11は、各信号系列#1〜#mに含まれる信号それぞれの成分が、符号化後のm個の送信信号系列において、異なる信号系列又は異なるタイムスロットのm箇所に含まれるように分散させることにより、m個の信号系列#1〜#mと異なるm個の送信信号系列を生成する。符号化回路11は、生成したm個の送信信号系列それぞれを対応する光変調回路12−1〜12−mに出力する。
m個の光変調回路12−1〜12−mそれぞれは、符号化回路11が出力するm個の送信信号系列のうち、自身に対応する一つの送信信号系列を入力する。光変調回路12−1〜12−mそれぞれは、入力した送信信号系列に基づいて波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調し、変調により得られた光変調信号を合波回路13に出力する。合波回路13は、光変調回路12−1〜12−mそれぞれから出力されるm個の光変調信号を波長多重又は偏波多重して光ファイバ20に送出する。
光受信装置30は、分波回路31、m個の光検波回路32−1〜32−m及び復号化回路33を備える。分波回路31は、m個の光変調信号が多重された信号を光ファイバ20から受信し、受信した信号を波長ごと又は偏波ごとにm個の光変調信号に分波する。分波回路31は、分波して得られるm個の光変調信号それぞれを対応する光検波回路32−1〜32−mに出力する。
m個の光検波回路32−1〜32−mそれぞれは、分波回路31が出力するm個の光変調信号のうち、自身に対応する一つの光変調信号を入力する。光検波回路32−1〜32−mそれぞれは、入力した光変調信号に対して光検波を行い、光検波により得られる受信信号系列を復号化回路33に出力する。復号化回路33は、m個の光検波回路32−1〜32−mそれぞれが出力する受信信号系列を入力し、入力したm個の受信信号系列をm個の信号系列#1〜#mに復号化する。復号化回路33が行うm個の受信信号系列に対する復号化は、符号化回路11がm個の信号系列#1〜#mに対して行う符号化に対応する。
以下、光送信装置10に備えられる符号化回路11が行う符号化と、光受信装置30に備えられる復号化回路33が行う復号化とが行う具体的な処理について説明する。
(第1の符号化・復号化)
図2は、符号化回路11による本来の信号系列と異なる信号系列に信号を分散する処理を示す第1のフローチャートである。符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mに対する符号化を開始すると、m個の信号系列#1〜#mそれぞれの信号を同タイムスロットごとにグルーピングする(ステップS101)。
符号化回路11は、グルーピングしたm個の信号それぞれを当該タイムスロットにおけるm個の送信信号系列それぞれの信号に分散する符号化を行い、m個の送信信号系列それぞれの信号を生成する。符号化回路11は、生成したm個の送信信号系列それぞれの信号を光変調回路12−1〜12−mに出力する(ステップS102)。
符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mが終わるまで、ステップS101及びステップS102を繰り返し行う。符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mが終わると、処理を終了する。
図3は、第1の符号化・復号化の一例を示す図である。同図に示す例は、m=2の場合である。信号系列#1{a,a,a,a,…}と信号系列#2{b,b,b,b,…}との2個の信号系列が伝送の対象である。なお、同図においては、光変調回路12−1〜12−m、合波回路13、分波回路31及び光検波回路32−1〜32−mの記載を省略している。
符号化回路11は、同じタイムスロットにおける2個の信号系列#1及び#2それぞれの信号(例えば信号a及びb)をグルーピングする。符号化回路11は、グルーピングした2個の信号を2個の送信信号系列#1及び#2のそれぞれに分散させ、タイムスロットにおける送信信号系列#1及び#2の信号を生成する。
例えば、タイムスロットtにおける、信号系列#1及び#2それぞれの信号a及びbをグルーピングして符号化し、送信信号系列#1の信号a’には信号系列#1の信号aと信号系列#2の信号bとを線形合成した信号を、送信信号系列#2の信号b’には信号系列#1の信号aと信号系列#2の信号bとを線形合成した信号を生成する。
符号化回路11が送信信号系列#1及び#2における信号を生成する符号化方法としては、例えばアダマール行列を用いた符号化がある。次式(1)は、アダマール行列を用いた2個の信号に対する符号化を表している。信号a及びbを符号化して、送信信号系列における信号a’及びb’を生成する。
Figure 0006386397
上記の符号化を行うことにより、符号化前の信号a及びbそれぞれを2個の送信信号系列に分散した新たな信号a’及びb’が生成される。なお、アダマール行列を用いた符号化方法は、m=2個の信号系列を符号化する場合に適用できる。ここで、nは正の整数である。
タイムスロットt、t、t、…の信号系列#1及び#2それぞれの信号に対しても同様に符号化を行うことにより、各タイムスロットの送信信号系列#1及び#2の信号を生成する。この符号化により、各タイムスロットの信号系列#1及び#2の信号は、送信信号系列#1及び#2のそれぞれに分散される。
復号化回路33は、同じタイムスロットにおける、2個の送信信号系列#1及び#2それぞれの信号(例えば、信号a’及びb’)をグルーピングする。復号化回路33は、グルーピングした2個の信号から、それぞれの信号に分散して含まれている信号系列#1の信号と信号系列#2の信号とを復号する。なお、図3においては光変調回路12−1〜12−m、合波回路13、分波回路31及び光検波回路32−1〜32−mの記載を省き、送信信号系列#1及び#2を復号化回路33の処理の対象として記載したが、送信信号系列#1及び#2に対応する受信信号系列#1及び#2が復号化回路33の処理の対象である。
例えば、タイムスロットt1における、送信信号系列#1及び#2それぞれの信号a’及びb’を線形合成して、信号系列#1の信号aと信号系列#2の信号bとを復号化する。復号化回路33における信号系列#1及び#2の信号の復号化方法としては、例えば符号化回路11と同様に、アダマール行列を用いた復号化がある。次式(2)に示すように、送信信号系列#1及び#2の信号a’及びb’から信号系列#1及び#2の信号a及びbを得ることができる。
Figure 0006386397
上記の復号化を行うことにより、符号化前の信号a及びbそれぞれを2個の送信信号系列に分散した信号a’及びb’から、符号化前の信号a及びbを復号化することができる。また、タイムスロットt、t、t、…の送信信号系列#1及び#2それぞれの信号に対しても同様に復号化を行うことにより、符号化前の信号系列#1及び#2を得ることができる。なお、復号化回路33における復号化(又は線形合成)は、符号化回路11が行う符号化と対応するものであり、復号化における処理又は演算は符号化に応じて予め定められている。
上記の第1の符号化・復号化を行うことにより、光送信装置10、光ファイバ20及び光受信装置30において生じる光学デバイスに起因した波長(周波数)ごと又は偏波ごとに異なる信号劣化が2個の信号系列#1及び#2に均等分散されるため、伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる。ここでは、m=2の場合について示したが、一般化すると、m個の信号系列#1〜#mの各信号を同じタムスロットのm個の送信信号系列それぞれに分散させることができる。m個の信号系列#1〜#mの信号を分散させることで、波長(周波数)ごと又は偏波ごとに信号劣化が異なる際の伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる。
例えば、m=4の場合、すなわち4個の信号系列#1〜#4それぞれを4つの異なる波長の搬送光を用いて伝送する際に、1つの搬送光において中心周波数シフトの影響を受けるとき、従来の伝送方式では9GHzの中心周波数シフトのQペナルティは約1.7dBとなる。一方、アダマール行列を用いた上記の符号化を行い、4個の信号系列#1〜#4の各信号を4個の送信信号系列#1〜#4それぞれに分散して伝送すると、Qペナルティを約0.7dBに抑えることが可能となる。
(第2の符号化・復号化)
図4は、符号化回路11による本来の信号系列と異なる信号系列に信号を分散する処理を示す第2のフローチャートである。符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mに対する符号化を開始すると、m個の信号系列#1〜#mそれぞれにおいて連続するmタイムスロット分の信号をグルーピングする(ステップS201)。
符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mそれぞれのグルーピングしたm個の信号ごとに、m個の信号をmタイムスロット分の信号それぞれに分散する符号化を行い、送信信号系列のmタイムスロット分の信号を生成する。符号化回路11は、生成したm個の送信信号系列それぞれのmタイムスロット分の信号を光変調回路12−1〜12−mに出力する(ステップS202)。
符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mが終わるまで、ステップS201及びステップS202を繰り返し行う。符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mが終わると、処理を終了する。
図5は、第2の符号化・復号化の一例を示す図である。同図に示す例は、m=2の場合である。信号系列#1{a,a,a,a,…}と信号系列#2{b,b,b,b,…}との2個の信号系列が伝送の対象である。なお、同図においては、図3と同様に、光変調回路12−1〜12−m、合波回路13、分波回路31及び光検波回路32−1〜32−mの記載を省略している。
符号化回路11は、信号系列#1において2タイムスロット分の信号(例えば、信号a及びa)をグルーピングする。また、符号化回路11は、信号系列#2において2タイムスロット分の信号(例えば、信号b及びb)をグルーピングする。符号化回路11は、信号系列ごとに、グルーピングした2個の信号を送信信号系列における2タイムスロット分の信号それぞれに分散させ、送信信号系列の信号を生成する。
例えば、信号系列#1における、タイムスロットt及びtそれぞれの信号a及びaをグルーピングして符号化し、送信信号系列#1のタイムスロットtの信号a’には信号aと信号aとを線形合成した信号を、送信信号系列#1のタイムスロットtの信号a’には信号aと信号aとを線形合成した信号と生成する。
また、信号系列#2における、タイムスロットt及びtそれぞれの信号b及びbをグルーピングして符号化し、送信信号系列#2のタイムスロットtの信号b’には信号bと信号bとを線形合成した信号を、送信信号系列#2のタイムスロットtの信号b’には信号bと信号bとを線形合成した信号と生成する。
符号化回路11が送信信号系列#1及び#2における信号を生成する符号化方法としては、第1の符号化・復号化と同様に、アダマール行列を用いた符号化がある。
上記の符号化を行うことにより、符号化前の信号系列#1の信号a及びaそれぞれを送信信号系列#1のタイムスロットt及びtに分散した新たな信号a’及びa’が生成される。符号化前の信号系列#2に対しても同様に符号化を行うことにより、送信信号系列#2の各タイムスロットの信号を生成する。この符号化により、信号系列#1及び#2の信号は、mタイムスロット分の信号ごとに、送信信号系列#1及び#2のmスロット分の信号それぞれに分散される。
復号化回路33は、送信信号系列ごとに、2タイムスロット分の信号(例えば、信号a’及びa’)をグルーピングする。復号化回路33は、グルーピングした2個の信号から、それぞれの信号に分散して含まれている2タイムスロット分の信号系列の信号を復号する。
例えば、送信信号系列#1のタイムスロットt及びtの信号a’及びa’を線形合成して、信号系列#1のタイムスロットtの信号aと信号系列#1のタイムスロットtの信号aとを復号する。復号化回路33における信号系列#1及び#2それぞれの信号の復号化方法としては、例えば符号化回路11と同様にアダマール行列を用いた復号化がある。
上記の復号化を行うことにより、符号化前の信号a及びaそれぞれを送信信号系列#1の2タイムスロット分の信号に分散した信号a’及びa’から、符号化前の信号a及びaを復号することができる。また、タイムスロットt及びt以降の送信信号系列#1の信号に対しても同様の復号化を行うことにより、符号化前の信号系列#1を得ることができる。また、送信信号系列#2の信号に対して同様の復号化を行うことにより、符号化前の信号系列#2を得ることができる。
上記の第2の符号化・復号化を行うことにより、光送信装置10、光ファイバ20及び光受信装置30において生じる光学デバイスに起因した時間ごとに異なる信号劣化が2つのタイムスロットに均等分散されるため、伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる。ここでは、m=2の場合について示したが、一般化すると、m個の信号系列#1〜#mそれぞれにおいてmタイムスロット分の信号をmタイムスロットに亘り分散させることができる。m個の信号系列#1〜#mそれぞれの信号を分散させることで、時間ごとに信号劣化が異なる際の伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる。
(第3の符号化・復号化)
図6は、符号化回路11による本来の信号系列と異なる信号系列に信号を分散する処理を示す第3のフローチャートである。符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mに対する符号化を開始すると、m個の信号系列#1〜#mにおける連続するmタイムスロット分の信号のうちm個の信号を組み合わせてグルーピングする(ステップS301)。例えば、符号化回路11は、mタイムスロット分の各信号系列の信号において、異なるタイムスロットの異なる信号系列の信号を組み合わせてグルーピングする。
符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mにおけるmタイムスロット分の信号を組み合わせてグルーピングしたm個の信号ごとに、m個の信号をmタイムスロット分の信号それぞれに分散する符号化を行い、m個の送信信号系列それぞれにおけるmタイムスロット分の信号を生成する。符号化回路11は、生成したm個の送信信号系列それぞれのmタイムスロット分の信号を光変調回路12−1〜12−mに出力する(ステップS302)。
符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mが終わるまで、ステップS301及びステップS302を繰り返して行う。符号化回路11は、m個の信号系列#1〜#mが終わると、処理を終了する。
図7は、第3の符号化・復号化の一例を示す図である。同図に示す例は、m=2の場合である。信号系列#1{a,a,a,a,…}と信号系列#2{b,b,b,b,…}との2個の信号系列が伝送の対象である。なお、同図においては、図3及び図5と同様に、光変調回路12−1〜12−m、合波回路13、分波回路31及び光検波回路32−1〜32−mの記載を省略している。
符号化回路11は、信号系列#1及び#2における2タイムスロット分の信号(例えば、信号a、a、b及びb)のうち2個の信号を組み合わせてグルーピングする。図7に示す例では、信号aと信号bとをグルーピングし、信号bと信号aとをグルーピングしている。符号化回路11は、グループごとに、グループの信号が含まれる信号系列の番号に対応する送信信号系列におけるタイムスロットにグループの信号を分散させ、送信信号系列の信号を生成する。
例えば、信号系列#1のタイムスロットtの信号aと信号系列#2のタイムスロットtの信号bとを含むグループに対する符号化では、信号aと信号bとに対する異なる線形合成により、送信信号系列#1のタイムスロットtの信号a’と送信信号系列#2のタイムスロットtの信号b’とが生成される。また、信号系列#1のタイムスロットtの信号aと信号系列#2のタイムスロットtの信号bとを含むグループに対する符号化では、信号aと信号bに対する異なる線形合成により、送信信号系列#2のタイムスロットtの信号a’と送信信号系列#2のタイムスロットtの信号b’とが生成される。
符号化回路11が送信信号系列#1及び#2における信号を生成する符号化方法としては、第1の符号化・復号化と同様に、アダマール行列を用いた符号化がある。
上記の符号化を行うことにより、符号化前の信号系列#1の信号aと信号系列#2の信号bとを、送信信号系列#1のタイムスロットtと送信信号系列#2のタイムスロットtとに分散した新たな信号a’及びb’が生成される。また、符号化前の信号系列#1の信号aと信号系列#2の信号bとを、送信信号系列#1のタイムスロットtと送信信号系列#2のタイムスロットtとに分散した新たな信号a’及びa’が生成される。この符号化により信号系列#1及び#2の信号は、mタイムスロット分の信号ごとに、異なる送信信号系列の異なるタイムスロットの信号に分散される。
復号化回路33は、送信信号系列#1及び#2における2タイムスロット分の信号(例えば、a’、a’、b’及びb’)のうち2個の信号を組み合わせてグルーピングする。図7に示す例では、復号化回路33は、信号a’と信号b’とをグルーピングし、信号b’と信号a’とをグルーピングする。復号化回路33は、グルーピングした2個の信号から、それぞれの信号に分散して含まれている符号化前の2個の信号を復号する。
例えば、送信信号系列#1のタイムスロットtの信号a’と送信信号系列#2のタイムスロットtの信号b’とを線形合成して、信号系列#1のタイムスロットtの信号aと信号系列#2のタイムスロットtの信号bとを復号する。復号化回路33における信号の復号化方法としては、例えば符号化回路11と同様にアダマール行列を用いた復号化がある。
上記の復号化を行うことにより、符号化前の信号a及びbそれぞれを送信信号系列#1及び#2の信号a’及びb’から、符号化前の信号a及びbそれぞれを送信信号系列#1及び#2の信号a’及びb’から復号することができる。また、タイムスロットt及びt以降の送信信号系列#1及び#2に対しても同様の復号化を行うことにより、符号化前の信号系列#1及び#2を得ることができる。
上記の第3の符号化・復号化を行うことにより、光送信装置10、光ファイバ20及び光受信装置30において生じる光学デバイスに起因した波長(周波数)ごと、偏波ごと又は時間ごとに異なる信号劣化が均等分散されるため、伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる。ここでは、m=2の場合について示したが、一般化すると、m個の信号系列#1〜#mにおけるmタイムスロット分のm×m個の信号に対して異なる信号系列及び異なるタイムスロットの信号を組み合わせてグルーピングし、m個のグループごとに各信号を異なる送信信号系列及び異なるタイムスロットの信号に分散させることができる。m個の信号系列#1〜#mの信号を分散させることで、波長ごと、偏波ごと又は時間ごと或いはそれらのうちの複数で信号劣化が異なる際の伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる。
なお、第3の符号化・復号化において、符号化回路11がm個の信号系列#1〜#mにおけるmタイムスロット分のm×m個の信号を組み合わせてm個のグループに分ける構成を説明した。しかし、符号化回路11がm×m個の信号をm個のグループに分けずにm×m個の信号系列の信号を、m個の送信信号系列におけるmタイムスロット分の信号に分散させてもよい。このとき、符号化回路11は、例えばm行m列のアダマール行列を用いてm×m個の信号を分散させる。具体的には図7に示した例において、信号系列#1の信号a及びaと信号系列#2の信号b及びbとを2つのグループに分けずに、4行4列(4次)のアダマール行列を用いて信号a、a、b及びbを、送信信号系列#1及び#2における信号a’、a’、b’及びb’に分散させる。これにより、送信する信号系列#1及び#2の信号を広く分散させることができ、伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることができる。
なお、第1、第2及び第3の符号化・復号化において、符号化回路11及び復号化回路33がアダマール行列を用いる符号化及び復号化を説明した。しかし、上述の符号化及び復号化には、アダマール行列を用いる符号化及び復号化の他に、非特許文献1に記載のアラマウチ符号(Alamouti code)、非特許文献2に記載のゴールデン符号(Golden Code)、非特許文献3に記載のシルバー符号(Silver Code)などを用いることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、波長又は偏波が互いに異なる搬送光で伝送される複数の信号系列間の同期を光受信装置でとるための構成を説明する。図8は、第2の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムは、光送信装置40、光ファイバ20及び光受信装置50を備える。光送信装置40と光受信装置50とは、光ファイバ20を介して通信可能に接続されている。第2の実施形態の光伝送システムは、第1の実施形態の光伝送システムと同様に、m個の信号系列#1〜#mを伝送する。なお、第2の実施形態の光伝送システムにおいて、第1の実施形態の光伝送システムの構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その構成要素に対する説明を省略する。
光送信装置40は、パイロット信号挿入回路44、符号化回路11、光変調回路12−1〜12−m及び合波回路13を備える。パイロット信号挿入回路44は、m個の信号系列#1〜#mを外部の装置から入力する。パイロット信号挿入回路44は、入力するm個の信号系列#1〜#mそれぞれに対して予め定められた周期で所定の信号を挿入する。パイロット信号挿入回路44は、所定の信号が周期的に同時に現れるm個の信号系列#1〜#mを符号化回路11に出力する。符号化回路11は、パイロット信号挿入回路44から出力されるm個の信号系列#1〜#mに対して符号化を行う。ここで、信号系列#1〜#mそれぞれに挿入する所定の信号は、符号化回路11で符号化を施されることによってパイロット信号となる信号又は既知信号である。符号化回路11で生成されるm個の送信信号系列にパイロット信号が一定間隔で含まれることになる。
光受信装置50は、分波回路31、光検波回路32−1〜32−m、同期化回路54及び復号化回路33を備える。同期化回路54は、m個の光検波回路32−1〜32−mそれぞれが出力する受信信号系列を入力し、入力したm個の受信信号系列それぞれをモニタリングする。同期化回路54は、m個の受信信号系列それぞれにおいてパイロット信号を検出すると、パイロット信号が含まれるタイムスロットでm個の受信信号系列を同期させるとともに、パイロット信号を削除したm個の受信信号受信系列を復号化回路33に出力する。復号化回路33は、同期化回路54から出力されるm個の受信信号系列を入力し、入力したm個の受信信号系列をm個の信号系列#1〜#mに復号化する。
図9は、信号系列それぞれにパイロット信号を挿入する一例を示す図である。同図に示す例は、m=2の場合である。信号系列#1{a,a,a,a,…}と信号系列#2{b,b,b,b,…}との2個の信号系列が伝送の対象である。ここでは、符号化回路11は、第1の符号化・復号化における符号化を行っている。パイロット信号挿入回路44は、2個の信号系列#1及び#2それぞれに、2タイムスロット分の信号ごとに所定の信号(符号化前のパイロット信号)を挿入する。
例えば、パイロット信号挿入回路44は、信号系列#1及び#2それぞれにおいてタイムスロットtの信号とタイムスロットtの信号との間に、所定の信号を挿入している。パイロット信号挿入回路44は、同図には示されていないが、信号系列#1及び#2それぞれにおけるタイムスロットtの信号の後にも所定の信号を挿入する。
パイロット信号挿入回路44において挿入される所定の信号は、符号化回路11において符号化される。所定の信号を符号化して得られた信号はパイロット信号とみなすことができる信号であり、2個の送信信号系列#1及び#2には一定の時間間隔でパイロット信号が含まれることになる。このパイロット信号を光受信装置50の同期化回路54が検出することにより、復号化回路33に入力されるm個の受信信号系列間の同期をとることができる。
上記のようにパイロット信号を用いることにより、複数の信号系列の間に光伝送などによる同期のずれが生じたとしても、光受信装置50において信号系列の間の同期をとることができる。
なお、パイロット信号挿入回路44は、復号化回路33に入力されるm個の受信信号系列において1タイムスロット以上のずれが発生しない間隔で所定の信号(符号化前のパイロット信号)を挿入するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、波長又は偏波が互いに異なる搬送光で伝送される複数の信号系列間の同期を光受信装置でとるための構成を説明する。図10は、第3の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムは、光送信装置60、光ファイバ20及び光受信装置70を備える。光送信装置60と光受信装置70とは、光ファイバ20を介して通信可能に接続されている。第3の実施形態の光伝送システムは、第1の実施形態の光伝送システムと同様に、m個の信号系列#1〜#mを伝送する。なお、第3の実施形態の光伝送システムにおいて、第1の実施形態の光伝送システムの構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、その構成要素に対する説明を省略する。
光送信装置60は、符号化回路11、パイロット信号挿入回路64、光変調回路12−1〜12−m及び合波回路13を備える。パイロット信号挿入回路64は、m個の送信信号系列を符号化回路11から入力する。パイロット信号挿入回路64は、入力するm個の送信信号系列それぞれに対して予め定められた周期でパイロット信号を挿入する。パイロット信号挿入回路64は、パイロット信号が周期的に同時に現れるm個の送信信号系列それぞれを対応する光変調回路12−1〜12−mに出力する。光変調回路12−1〜12−mそれぞれは、パイロット信号挿入回路64が出力するm個の送信信号系列のうち、自身に対応する一つの送信信号系列を入力する。
光受信装置70は、分波回路31、光検波回路32−1〜32−m、同期化回路74及び復号化回路33を備える。同期化回路74は、m個の光検波回路32−1〜32−mそれぞれが出力する受信信号系列を入力し、入力したm個の受信信号系列それぞれをモニタリングする。同期化回路74は、m個の受信信号系列それぞれにおいてパイロット信号を検出すると、パイロット信号が含まれるタイムスロットでm個の受信信号系列を同期させるとともに、パイロット信号を削除したm個の受信信号受信系列を復号化回路33に出力する。復号化回路33は、同期化回路74から出力されるm個の受信信号系列を入力し、入力したm個の受信信号系列をm個の信号系列#1〜#mに復号化する。
図11は、送信信号系列それぞれにパイロット信号を挿入する一例を示す図である。同図に示す例は、m=2の場合である。信号系列#1{a,a,a,a,…}と信号系列#2{b,b,b,b,…}との2個の信号系列が伝送の対象である。ここでは、符号化回路11は、第1の符号化・復号化における符号化を行っている。パイロット信号挿入回路64は、2個の送信信号系列#1及び#2それぞれに、2タイムスロット分の信号ごとにパイロット信号を挿入する。
例えば、パイロット信号挿入回路64は、送信信号系列#1及び#2それぞれにおいてタイムスロットtの信号とタイムスロットtの信号との間に、パイロット信号を挿入している。パイロット信号挿入回路64は、同図には示されていないが、送信信号系列#1及び#2それぞれにおけるタイムスロットtの信号の後にもパイロット信号を挿入する。
パイロット信号挿入回路64が挿入したパイロット信号を光受信装置70の同期化回路74が検出することにより、復号化回路33に入力されるm個の受信信号系列間の同期をとることができる。
上記のようにパイロット信号を用いることにより、複数の信号系列の間に光伝送などによる同期のずれが生じたとしても、光受信装置50において信号系列の間の同期をとることができる。第3の実施形態における光伝送システムでは、第2の実施形態における光伝送システムよりも容易にパイロット信号の挿入を行うことができる。
なお、パイロット信号挿入回路64は、復号化回路33に入力されるm個の受信信号系列において1タイムスロット以上のずれが発生しない間隔でパイロット信号を挿入するようにしてもよい。
なお、第2及び第3の実施形態におけるパイロット信号を挿入する図9及び図11の例では、符号化回路11が第1の符号化・復号化の符号化を行う処理を説明した。しかし、符号化回路11が第2又は第3の符号化・復号化の符号化を行うことも可能である。符号化回路11が第2又は第3の符号化・復号化の符号化を行う場合、パイロット信号挿入回路44は、挿入する所定の信号(符号化前のパイロット信号)をmタイムスロットに亘り挿入してもよい。これにより、符号化回路11は、送信するm個の信号系列#1〜#mの信号と、挿入された所定の信号とを区別することなく符号化することができる。
(第4の実施形態)
図12は、第4の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムは、光送信装置10A、光ファイバ20及び光受信装置30Aを備える。光送信装置10Aと光受信装置30Aとは、光ファイバ20を介して通信可能に接続されている。第4の実施形態の光伝送システムは、第1の実施形態における光伝送システムにおける符号化回路11及び復号化回路33において直交行列を用いた符号化及び復号化を行うものである。第4の実施形態の光伝送システムにおいて、第1の実施形態の光伝送システムにおける構成要素と同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その構成要素に対する説明を省略する。
符号化回路としての直交変換回路11Aは、m個の信号系列#1〜#mを外部の装置などから入力する。直交変換回路11Aは、入力するm個の信号系列#1〜#mに対して直交符号化を行い、m個の送信信号系列を生成する。直交変換回路11Aは、生成したm個の送信信号系列それぞれを、対応する光変調回路12−1〜12−mに出力する。直交変換回路11Aは、直交変換により、本来の信号系列と異なる信号系列又は本来のタイムスロットと異なるタイムスロットにも各信号系列#1〜#mに含まれる各信号を分散させる。
例えば、直交変換回路11Aによる直交変換に回転行列を用いることができる。m=2の場合における回転行列を用いた直交変換は、次式(3)で表される。信号系列#1に含まれる信号aと信号系列#2に含まれるbとに対して、回転行列を用いた直交変換を行うことにより、2つの送信信号系列それぞれにおける信号a’及びb’が得られる。
Figure 0006386397
回転行列を用いた直交変換を行うことにより、信号a及びbそれぞれを2個の送信信号系列に分散した新たな信号a’及びb’を得ることができる。なお、式(3)におけるθの値は0≦θ<2πを満たす任意の値をとることができる。特にθ=π/4のときは、回転行列はアダマール行列となる。また、θの値を変化させることにより、符号化前の各信号系列の信号を符号化後の各送信信号系列へ分散させる際の割合を可変することができる。また、直交変換に回転行列を用いた符号化は、m=2(nは正の整数)の場合、すなわちm=2個の信号系列を符号化する場合に適用できる。
復号化回路としての直交逆変換回路33Aは、m個の光検波回路32−1〜32−mそれぞれが出力する受信信号系列を入力する。直交逆変換回路33Aは、入力したm個の受信信号系列に対して直交逆変換を行い、m個の信号系列を復号する。直交逆変換回路33Aは、復号により得られたm個の信号系列を出力する。直交逆変換回路33Aが行う直交逆変換は、直交変換回路11Aが行う直交変換に対する逆変換である。
例えば、直交変換回路11Aにおける直交変換が回転行列を用いた変換である場合、直交逆変換回路33Aにおける直交逆変換に回転行列を用いることができる。式(3)において示した変換が直交変換回路11Aにおいて行われた場合、直交逆変換回路33Aにおける逆変換は、次式(4)で表される。
Figure 0006386397
光検波回路32−1及び32−2それぞれから出力される受信信号系列の信号a’及びb’に対して、回転行列を用いた直交逆変換を行うことにより、2つの信号系列#1及び#2の信号a及びbを復号することができる。
回転行列を用いた符号化及び復号化は、第1の実施形態において示した第1、第2及び第3の符号化・復号化のいずれにおいても適用することができる。また、第2及び第3の実施形態における符号化回路11及び復号化回路33に代えて、第4の実施形態における直交変換回路11A及び直交逆変換回路33Aを用いるようにしてもよい。
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態における光伝送システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムは、光送信装置10B、光ファイバ20及び光受信装置30Bを備える。光送信装置10Bと光受信装置30Bとは、光ファイバ20を介して通信可能に接続されている。第5の実施形態の光伝送システムは、第1の実施形態における光伝送システムにおける符号化回路11及び復号化回路33においてアダマール行列を用いた符号化及び復号化を行うものである。第5の実施形態の光伝送システムにおいて、第1の実施形態の光伝送システムにおける構成要素と同じ構成要素に対しては、同じ符号を付してその構成要素に対する説明を省略する。
符号化回路としてのアダマール変換回路11Bは、m個の信号系列#1〜#mを外部の装置などから入力する。アダマール変換回路11Bは、入力するm個の信号系列#1〜#mに対して、アダマール変換による符号化を行い、m個の送信信号系列を生成する。アダマール変換回路11Bは、生成したm個の送信信号系列それぞれを、対応する光変調回路12−1〜12−mに出力する。アダマール変換回路11Bは、アダマール行列を用いた変換により、本来の信号系列と異なる信号系列又は本来のタイムスロットと異なるタイムススロットにも各信号系列#1〜#mに含まれる各信号を分散させる。本実施形態におけるmは、2以上の整数であり、m=2(nは正の整数)を満たす値である。
復号化回路としてのアダマール逆変換回路33Bは、m個の光検波回路32−1〜32−mそれぞれが出力する受信信号系列を入力する。アダマール逆変換回路33Bは、入力したm個の受信信号系列に対してアダマール変換を行い、m個の信号系列を復号する。アダマール逆変換回路33Bは、復号により得られたm個の信号系列を出力する。
図14は、m=2の場合におけるアダマール変換回路11Bの構成例を示すブロック図である。アダマール変換回路11Bは、加算器111及び加算器112を備える。加算器111は、信号系列#1及び信号系列#2を入力し、入力した信号系列#1及び信号系列#2を加算する。加算器111は、加算結果を送信信号系列として光変調回路12−1へ出力する。加算器112は、信号系列#1及び信号系列#2を入力し、入力した信号系列#1と正負の符号を反転した信号系列#2とを加算する。加算器112は、加算結果を送信信号系列として光変調回路12−2へ出力する。
図15は、m=2の場合におけるアダマール逆変換回路33Bの構成例を示すブロック図である。アダマール逆変換回路33Bは、加算器331及び加算器332を備える。加算器331は、光検波回路32−1及び光検波回路32−2それぞれから出力される受信信号系列を入力し、入力した信号系列を加算する。加算器331は、復号された信号系列#1として加算結果を出力する。加算器332は、光検波回路32−1及び光検波回路32−2それぞれから出力される受信信号系列を入力する。加算器332は、光検波回路32−1からの受信信号系列と、光検波回路32−2からの受信信号系列の正負の符号を反転した受信信号系列とを加算する。加算器331は、復号された信号系列#2として加算結果を出力する。
図14及び図15に示したように、アダマール変換回路11B及びアダマール逆変換回路33Bは、加算器を用いて実現することができる。伝送対象の信号系列数が2(m=2)の場合、アダマール変換回路11B及びアダマール逆変換回路33Bは、それぞれ2個の加算器を用いて実現することができる。なお、伝送対象の信号系列数がmの場合、2つの値を入力してその加算結果を出力する2入力1出力の加算器を(m×(m−1))個用いることでアダマール変換回路11B及びアダマール逆変換回路33Bをそれぞれ実現することができる。また、加算器の入力数は、伝送対象の信号系列数に応じて変えてもよい。
なお、アダマール変換回路11B及びアダマール逆変換回路33Bは、加算器に代えてルックアップテーブルを用いることで実現することができる。図16は、m=2の場合におけるアダマール変換に対応するルックアップテーブルの一例を示す図である。図16には、送信信号系列をQPSK方式で変調されたシンボル列としたときのルックアップテーブルが示されている。同図に示すように、QPSK方式の2つのシンボルを加算した際には、9通りのシンボルを取り得る。予めこれらのシンボルを算出し、算出したシンボルをルックアップテーブル(配列)に記憶させておく。アダマール変換回路11Bは、信号系列#1と信号系列#2とのビット列の組み合わせに応じてアドレスを算出し、算出したアドレスに対応する送信信号をルックアップテーブルから読み出すことにより、信号系列に対するアダマール変換を行う。
図17は、m=2の場合におけるルックアップテーブルを用いたアダマール変換回路11Bの構成例を示すブロック図である。同図に示すように、アダマール変換回路11Bは、アドレス算出器115、116とルックアップテーブル117とを備えてもよい。アドレス算出器115は、信号系列#1と信号系列#2とのビット列の組み合わせからアドレスを算出する。アドレス算出器115は、算出したアドレスに対応する信号又はシンボルをルックアップテーブル117から読み出す。アドレス算出器115は、読み出した信号又はシンボルを送信信号列の信号として光変調回路12−1へ出力する。アドレス算出器116は、アドレス算出器115と同様に、信号系列#1と信号系列#2とのビット列の組み合わせからアドレスを算出し、算出したアドレスに対応する信号又はシンボルをルックアップテーブル117から読み出して光変調回路12−2へ出力する。なお、アドレス算出器115とアドレス算出器116とは、同じビット列の組み合わせが入力された際に、直交する信号又はシンボルを選択するアドレスを算出するように予め定められる。また、図17に示したアダマール変換回路11Bと同様の構成により、ルックアップテーブルを用いてアダマール逆変換回路33Bを構成してもよい。
アダマール変換を用いた符号化及び復号化は、第1の実施形態において示した第1、第2及び第3の符号化・復号化のいずれにおいても適用することができる。また、第2及び第3の実施形態における符号化回路11及び復号化回路33に代えて、第5の実施形態におけるアダマール変換回路11B及びアダマール逆変換回路33Bを用いるようにしてもよい。
(第1〜第5の実施形態に関する変形例)
第1〜第5の実施形態における光伝送システムでは、波長又は偏波が異なる搬送光で送信信号系列を伝送する構成について説明した。しかし、第1〜第5の実施形態における光伝送システムは、波長と偏波との組み合わせが異なる搬送光で送信信号系列を伝送する構成を備えてもよい。図18は、光伝送システムにおいて、波長と偏波との組み合わせが異なる搬送光を用いる伝送の一例を示す図である。図18には、m=4の場合においてアダマール変換を用いる符号化及び復号化が示されている。
同図に示す例では、光送信装置は、4つの信号系列#1〜#4を信号系列#1及び#2と信号系列#3及び#4との2つに分け、それぞれにアダマール変換を行うことで得られる4つの送信信号系列#1〜#4を波長と偏波との組み合わせが互いに異なる4つの搬送光を用いて伝送する。具体的には、信号系列#1{a,a,a,a,…}及び信号系列#2{b,b,b,b,…}に対する次式(5)のアダマール変換による符号化で、送信信号系列#1{a’,a’,a’,a’,…}及び送信信号系列#2{b’,b’,b’,b’,…}を得る。
Figure 0006386397
同様に、信号系列#3{c,c,c,c,…}及び信号系列#4{d,d,d,d,…}に対する次式(6)のアダマール変換による符号化で、送信信号系列#1{c’,c’,c’,c’,…}及び送信信号系列#2{d’,d’,d’,d’,…}を得る。
Figure 0006386397
光送信装置において、得られた送信信号系列#1〜#4により波長と偏波との組み合わせが互いに異なる4つの搬送光を変調して4つの光変調信号が得られる。具体的には、送信信号系列#1で波長がλでありX偏波の搬送光を変調し、送信信号系列#2で波長がλでありY偏波の搬送光を変調し、送信信号系列#3で波長がλでありX偏波の搬送光を変調し、送信信号系列#4で波長がλでありY偏波の搬送光を変調する。これらの変調で得られた光変調信号は、合波回路で波長多重及び偏波多重され送出される。
光受信装置において、光送信装置から送出された信号を、波長と偏波との組み合わせが互いに異なる4つの光変調信号に分波し、それぞれの光変調信号から受信信号系列#1〜#4を得る。得られた受信信号系列#1〜#4は、送信信号系列#1及び#2に対応する受信信号系列#1及び#2と、送信信号系列#3及び#4に対応する受信信号系列#3及び#4とに分けられ、それぞれに対すアダマール変換により信号系列#1〜#4が復号される。
以上のように、波長と偏波との組み合わせが異なる搬送光で伝送される送信信号系列に信号を分散させることにより、伝送中に偏波回転が発生しても常に偏波間で送信信号のパワーが均等になるため、復号時に偏波依存損失の影響が平均化され伝送における信号品質劣化を低減させることができる。また、波長間にも各信号系列の信号を分散させているため、フィルタリングによる波長依存性をもつ信号品質劣化を低減させることができる。図18には、m=4の場合の例を示したが、m=2(nは正の整数である)個の信号系列を伝送する場合に適用できる。
なお、図18には、符号化及び復号化にアダマール変換を用いる例を示したが、符号化及び復号化に回転行列を用いた変換を適用してもよいし、他の直交変換を適用してもよい。
図19及び図20は、本実施形態の伝送方式の評価結果を示す図である。図19及び図20には、各キャリアそれぞれの信号品質と、本実施形態の伝送方式を適用しない場合のチャネル全体の信号品質と、本実施形態の伝送方式を適用した場合のチャネル全体の信号品質とが示されている。
図19には、変調方式に16QAMを用いた信号系列を2個の搬送光(キャリア)A、Bで伝送する解析モデルにおいて、キャリアBに3[dB]の劣化が生じている場合の計算機シミュレーション結果が示されている。本実施形態の伝送方式を適用した場合のチャネル全体の信号品質は、本実施形態の伝送方式を適用しない場合のチャネル全体の信号品質に比べ、劣化が低減されていることが分かる。例えば、OSNR=26[dB]付近において、Q値が1[dB]程改善されていることが分かる。
図20には、変調方式にQPSKを用いた信号系列を4個の搬送光(キャリア)A、B、C、Dで伝送する解析モデルにおいて、キャリアDに3[dB]の劣化が生じている場合の計算機シミュレーション結果が示されている。本実施形態の伝送方式を適用した場合のチャネル全体の信号品質は、本実施形態の伝送方式を適用しない場合のチャネル全体の信号品質に比べ、劣化が低減されていることが分かる。例えば、OSNR=18[dB]付近において、Q値が1[dB]以上改善されていることが分かる。
以上の各実施形態において説明した光伝送システムは、光学デバイスに起因した光伝送路上での光信号劣化を軽減するマルチキャリア光伝送システムであり、本来の信号系列と異なる信号系列又は本来のタイムスロットと異なるタイムスロットに信号を分散した送信信号系列それぞれを波長又は偏波が異なる搬送光で伝送して復号化する。光伝送システムは、送信対象のm個の信号系列#1〜#mの信号間で符号化及び復号化を行うことにより、波長(周波数)、偏波又は時間によって異なる特性をもつ劣化、すなわち偏波依存損失やフィルタの中心周波数シフトやレーザの発振周波数揺らぎによるキャリア間干渉に対して耐力を向上させることができる。
なお、第1、第2、第3、第4及び第5の実施形態における光送信装置がm個の光変調回路12−1〜12−mを備える構成を説明した。しかし、光送信装置は、m個の光変調回路12−1〜12−mに代えて、m個の送信信号系列それぞれに基づいて、波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調したm個の光変調信号を出力する一つの光変調回路を備えてもよい。また、第1、第2及び第3の実施形態における光受信装置がm個の光検波回路32−1〜32−mを備える構成を説明した。光受信装置は、m個の光検波回路32−1〜32−mに代えて、波長又は波長が異なるm個の光変調信号それぞれに対して光検波を行ってm個の受信信号系列を出力する一つの光検波回路を備えてもよい。
上述した実施形態における光送信装置及び光受信装置それぞれの一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、光送信装置及び光受信装置が有する構成要素それぞれを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した構成要素の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した構成要素をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
光伝送を行う際に光学デバイスに起因して生じる伝送品質の劣化に対する耐力を向上させることが不可欠な用途にも適用できる。
10、10A、10B、40、60…光送信装置
11…符号化回路
11A…直交変換回路
11B…アダマール変換回路
12−1、12−2、12−m…光変調回路
13…合波回路
20…光ファイバ
30、30A、30B、50、70…光受信装置
31…分波回路
32−1、32−2、32−m…光検波回路
33…復号化回路
33A…直交逆変換回路
33B…アダマール逆変換回路
44、64…パイロット信号挿入回路
54、74…同期化回路
111、112、331、332…加算器
115、116…アドレス算出器
117…ルックアップテーブル

Claims (10)

  1. 光送信装置、光受信装置及び前記光送信装置と前記光受信装置とを通信可能に接続する光ファイバとを備える光伝送システムであって、
    前記光送信装置は、
    m個(mは2以上の整数)の信号系列を符号化してm個の送信信号系列を生成する符号化回路と、
    前記符号化回路が生成した前記m個の送信信号系列それぞれで、波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調してm個の光変調信号を出力する光変調回路と、
    前記光変調回路が出力する前記m個の光変調信号を多重して前記光ファイバに送出する合波回路と、
    を有し、
    前記光受信装置は、
    前記合波回路から送出された信号を受信し、受信した信号を前記m個の光変調信号に分波する分波回路と、
    前記分波回路が分波して得られた前記m個の光変調信号それぞれに対して光検波してm個の受信信号系列を出力する光検波回路と、
    前記光検波回路が出力する前記m個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化する復号化回路と
    を有し、
    前記符号化回路は、前記m個の信号系列それぞれにおいて連続するm個のタイムスロットの信号をグルーピングし、前記送信信号系列における当該m個のタイムスロットそれぞれにグループ化したm個の信号の成分を含む信号を当該グループの信号に対応する系列及びタイムスロットに配置して前記m個の送信信号系列を生成する
    ことを特徴とする光伝送システム。
  2. 光送信装置、光受信装置及び前記光送信装置と前記光受信装置とを通信可能に接続する光ファイバとを備える光伝送システムであって、
    前記光送信装置は、
    m個(mは2以上の整数)の信号系列を符号化してm個の送信信号系列を生成する符号化回路と、
    前記符号化回路が生成した前記m個の送信信号系列それぞれで、波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調してm個の光変調信号を出力する光変調回路と、
    前記光変調回路が出力する前記m個の光変調信号を多重して前記光ファイバに送出する合波回路と、
    を有し、
    前記光受信装置は、
    前記合波回路から送出された信号を受信し、受信した信号を前記m個の光変調信号に分波する分波回路と、
    前記分波回路が分波して得られた前記m個の光変調信号それぞれに対して光検波してm個の受信信号系列を出力する光検波回路と、
    前記光検波回路が出力する前記m個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化する復号化回路と
    を有し、
    前記符号化回路は、前記m個の信号系列において連続するm個のタイムスロットに含まれるm×m個の信号を異なる信号系列及び異なるタイムスロットの信号を組み合わせてグルーピングし、前記m個の送信信号系列における当該m個のタイムスロットそれぞれにグループ化した信号の成分を含む信号を当該グループの信号に対応する系列及びタイムスロットに配置して前記m個の送信信号系列を生成する
    ことを特徴とする光伝送システム。
  3. 請求項1または請求項に記載の光伝送システムにおいて、
    前記光送信装置は、
    前記m個の信号系列に対して一定の周期でパイロット信号を挿入してパイロット信号を含むm個の信号系列を出力するパイロット信号挿入回路を更に有し、
    前記符号化回路は、
    前記パイロット信号挿入回路が出力するm個の信号系列を符号化して前記m個の送信信号系列を生成し、
    前記光受信装置は、
    前記光検波回路が出力する前記m個の受信信号系列それぞれにおいて前記パイロット信号に対応する信号を検出すると、検出した信号が含まれるタイムスロットで前記m個の受信信号系列を同期させるとともに前記検出した信号を削除したm個の受信信号系列を出力する同期化回路を更に有し、
    前記復号化回路は、
    前記同期化回路が出力するm個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化する
    ことを特徴とする光伝送システム。
  4. 請求項1または請求項に記載の光伝送システムにおいて、
    前記光送信装置は、
    前記m個の送信信号系列に対して一定の周期でパイロット信号を挿入してパイロット信号を含むm個の送信信号系列を出力するパイロット信号挿入回路を更に有し、
    前記光変調回路は、
    前記パイロット信号挿入回路が出力するm個の送信信号系列それぞれで、前記波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調して前記m個の光変調信号を出力し、
    前記光受信装置は、
    前記光検波回路が出力する前記m個の受信信号系列それぞれにおいて前記パイロット信号を検出すると、検出したパイロット信号が含まれるタイムスロットで前記m個の受信信号系列を同期させるとともに前記検出したパイロット信号を削除したm個の受信信号系列を出力する同期化回路を更に有し、
    前記復号化回路は、
    前記同期化回路が出力するm個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化する
    ことを特徴とする光伝送システム。
  5. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光伝送システムにおいて、
    前記符号化回路は、直交行列を用いた符号化により、前記m個の信号系列から前記m個の送信信号系列を生成し、
    前記復号化回路は、直交行列を用いた復号化により、前記m個の受信信号系列から前記m個の信号系列を復号する
    ことを特徴とする光伝送システム。
  6. 請求項に記載の光伝送システムにおいて、
    前記符号化回路及び前記復号化回路は、直交行列としてアダマール行列を用いる
    ことを特徴とする光伝送システム。
  7. 請求項に記載の光伝送システムにおいて、
    前記符号化回路は、符号化を行う複数の第1の加算器を備え、
    前記復号化回路は、復号化を行う複数の第2の加算器を備える
    ことを特徴とする光伝送システム。
  8. 請求項に記載の光伝送システムにおいて、
    前記符号化回路は、前記m個の信号系列と前記m個の送信信号系列との間における対応を記憶する第1のルックアップテーブルを備え、前記m個の信号系列の信号の組み合わせに対応するm個の信号を前記第1のルックアップテーブルから読み出し、読み出したm個の信号を前記m個の送信信号系列の信号とし、
    前記復号化回路は、前記m個の受信信号系列と前記m個の信号系列との間における対応を記憶する第2のルックアップテーブルを備え、前記m個の受信信号系列の信号の組み合わせに対応するm個の信号を前記第2のルックアップテーブルから読み出し、読み出したm個の信号を前記m個の信号系列の信号とする
    ことを特徴とする光伝送システム。
  9. 光送信装置、光受信装置及び前記光送信装置と前記光受信装置とを通信可能に接続する光ファイバとを備える光伝送システムにおける信号伝送方法であって、
    m個(mは2以上の整数)の信号系列を符号化してm個の送信信号系列を生成する符号化ステップと、
    前記符号化ステップにおいて生成した前記m個の送信信号系列それぞれで、波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調してm個の光変調信号を生成する光変調ステップと、
    前記光変調ステップにおいて生成した前記m個の光変調信号を多重して前記光ファイバに送出する合波ステップと、
    前記合波ステップにおいて送出された信号を受信し、受信した信号を前記m個の光変調信号に分波する分波ステップと
    記分波ステップにおいて分波して得られた前記m個の光変調信号それぞれに対して光検波してm個の受信信号系列を生成する光検波ステップと、
    前記光検波ステップにおいて生成した前記m個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化する復号化ステップと
    を有し、
    前記符号化ステップでは、前記m個の信号系列それぞれにおいて連続するm個のタイムスロットの信号をグルーピングし、前記送信信号系列における当該m個のタイムスロットそれぞれにグループ化したm個の信号の成分を含む信号を当該グループの信号に対応する系列及びタイムスロットに配置して前記m個の送信信号系列を生成する
    ことを特徴とする信号伝送方法。
  10. 光送信装置、光受信装置及び前記光送信装置と前記光受信装置とを通信可能に接続する光ファイバとを備える光伝送システムにおける信号伝送方法であって、
    m個(mは2以上の整数)の信号系列を符号化してm個の送信信号系列を生成する符号化ステップと、
    前記符号化ステップにおいて生成した前記m個の送信信号系列それぞれで、波長又は偏波が互いに異なる搬送光を変調してm個の光変調信号を生成する光変調ステップと、
    前記光変調ステップにおいて生成した前記m個の光変調信号を多重して前記光ファイバに送出する合波ステップと、
    前記合波ステップにおいて送出された信号を受信し、受信した信号を前記m個の光変調信号に分波する分波ステップと
    記分波ステップにおいて分波して得られた前記m個の光変調信号それぞれに対して光検波してm個の受信信号系列を生成する光検波ステップと、
    前記光検波ステップにおいて生成した前記m個の受信信号系列を前記m個の信号系列に復号化する復号化ステップと
    を有し、
    前記符号化ステップでは、前記m個の信号系列において連続するm個のタイムスロットに含まれるm×m個の信号を異なる信号系列及び異なるタイムスロットの信号を組み合わせてグルーピングし、前記m個の送信信号系列における当該m個のタイムスロットそれぞれにグループ化した信号の成分を含む信号を当該グループの信号に対応する系列及びタイムスロットに配置して前記m個の送信信号系列を生成する
    ことを特徴とする信号伝送方法。
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