JP6386172B2 - 構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法 - Google Patents

構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法に関する。
近年、高度経済成長期に建設された橋梁等の構造物の老朽化に伴う問題が顕在化してきている。万が一にも構造物に事故が生じた場合の損害は計り知れないため、従来から構造物の状態を監視するための技術が提案されている。例えば、内部亀裂の発生、又は、内部亀裂の進展に伴い発生する弾性波を、高感度センサにより検出するAE(Acoustic Emission:アコースティック・エミッション)方式により、構造物の損傷を検出する技術が提案されている。AEは、材料の疲労亀裂の進展に伴い発生する弾性波である。AE方式では、圧電素子を利用したAEセンサにより弾性波をAE信号(電圧信号)として検出する。
AE信号は、材料の破断が生じる前の兆候として検出される。したがって、AE信号の発生頻度および信号強度は、材料の健全性を表す指標として有用である。そのため、AE方式によって構造物の劣化の予兆を検出する技術の研究が行われている。
ところで、AE信号を利用した構造物の評価方法の一つとして、トモグラフィ法が知られている。トモグラフィとは、複数のセンサ間で検出された音響信号の到達時間差を利用して、計測領域における内部速度場構造を推定する逆解析手法の一つであり、速度場の変化として損傷部を検出する非破壊検査法として利用することができる。特に、その信号源として材料内部から発生するAE信号を用いる方式はAEトモグラフィとして知られている。しかしながら、従来の方法では、計測走時と理論走時との走時残差が許容誤差内に収束するまで同時反復法により要素パラメータを繰り返し計算する必要がある。そのため、構造物の評価に多大な計算時間を要してしまう場合があった。
特開2014−95555号公報
本発明が解決しようとする課題は、構造物の評価に要する時間を削減することができる構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法を提供することである。
実施形態の構造物評価システムは、複数のセンサと、信号処理部と、評価部とを持つ。センサは、構造物より発生した弾性波を検出する。信号処理部は、前記複数のセンサが検出した弾性波に対して信号処理を行うことによって得られる過去の統計データに対する最新データの意外性の度合を表す値である信頼度であって、前記構造物における評価対象領域を分割する複数の領域のうち前記弾性波の発生源から前記複数のセンサまでの前記弾性波の移動経路上で前記弾性波が通過する領域における前記弾性波の信頼度を取得する。評価部は、取得された前記信頼度に基づいて、前記構造物の健全性を評価する。
第1の実施形態における構造物評価システム100のシステム構成を示す図。 信号処理部20の機能を表す概略ブロック図。 評価部31の機能を表す概略ブロック図。 構造物評価システム100の処理の流れを示すシーケンス図。 信頼度マップ及び速度場マップの生成処理を説明するための図。 信頼度マップ及び速度場マップの生成処理を説明するための図。 信頼度マップ及び速度場マップの生成処理を説明するための図。 構造物評価装置30によるシミュレーション結果を示す図。 構造物評価装置30によるシミュレーション結果を示す図。 構造物評価装置30によるシミュレーション結果を示す図。 構造物評価装置30によるシミュレーション結果を示す図。 構造物評価装置30によるシミュレーション結果を示す図。 構造物評価装置30によるシミュレーション結果を示す図。 新たに生成された信頼度マップの具体例を示す図。 前回までの信頼度マップの具体例を示す図。 更新された信頼度マップの具体例を示す図。 更新された速度場マップの具体例を示す図。 第2の実施形態における構造物評価システム100aのシステム構成を示す図。 第3の実施形態における構造物評価システム100bのシステム構成を示す図。
以下、実施形態の構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における構造物評価システム100のシステム構成を示す図である。構造物評価システム100は、構造物の健全性の評価に用いられる。本実施形態において、評価とはある基準に基づいて、構造物の健全性の度合い、すなわち構造物の劣化状態を決定することを意味する。なお、本実施形態では、構造物の一例として橋梁を例に説明するが、構造物は橋梁に限定される必要はない。例えば、構造物は、亀裂の発生または進展、あるいは外的衝撃(例えば雨、人工雨など)に伴い弾性波が発生する構造物であればどのようなものであってもよい。なお、橋梁は、河川や渓谷などの上に架設される構造物に限らず、地面よりも上方に設けられる種々の構造物(例えば高速道路の高架橋)なども含む。
構造物評価システム100は、複数のAEセンサ10−1〜10−n(nは2以上の整数)、複数の増幅器11−1〜11−n、複数のA/D変換器12−1〜12−n、信号処理部20及び構造物評価装置30を備える。信号処理部20と構造物評価装置30とは、有線により通信可能に接続される。なお、以下の説明では、AEセンサ10−1〜10−nについて区別しない場合にはAEセンサ10と記載し、増幅器11−1〜11−nについて区別しない場合には増幅器11と記載し、A/D変換器12−1〜12−nについて区別しない場合にはA/D変換器12と記載する。
AEセンサ10は、構造物に設置される。例えば、AEセンサ10は、橋梁のコンクリート床版に設置される。AEセンサ10は、構造物が発生する弾性波(AE波)を検出し、検出した弾性波を電圧信号に変換する。AEセンサ10には、例えば10kHz〜1MHzの範囲に感度を有する圧電素子が用いられる。AEセンサ10は、周波数範囲内に共振ピークをもつ共振型、共振を抑えた広帯域型等があるが、AEセンサ10の種類はいずれでもよい。また、AEセンサ10が弾性波を検出する方法は電圧出力型、抵抗変化型及び静電容量型等があるが、いずれの検出方法でもよい。AEセンサ10は、電圧信号を増幅器11に出力する。なお、AEセンサ10に代えて加速度センサが用いられてもよい。この場合、加速度センサは、AEセンサ10と同様の処理を行うことによって、信号処理後の信号を信号処理部11に出力する。コンクリート床版の厚さは、例えば15cm以上である。
増幅器11は、AEセンサ10から出力された電圧信号を増幅し、A/D変換器12に出力する。
A/D変換器12は、増幅された信号を受けとると、信号を量子化してデジタル信号に変換する。A/D変換器12は、信号をデジタルの時系列データとして信号処理部20に出力する。
信号処理部20は、A/D変換器12から出力された時系列のデジタル信号を入力とする。信号処理部20は、入力したデジタル信号に対して、信号処理を行うことによって弾性波の発生源からAEセンサ10までの弾性波の到達経路上における劣化評価の指標となる信頼度を弾性波毎に取得する。信号処理部20は、取得した弾性波毎の信頼度を含む送信データを構造物評価装置30に出力する。
構造物評価装置30は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、評価プログラムを実行する。評価プログラムの実行によって、構造物評価装置30は、評価部31、出力部32を備える装置として機能する。なお、構造物評価装置30の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、評価プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、評価プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
評価部31は、信号処理部20から出力された送信データを入力とする。評価部31は、入力した送信データに含まれる信頼度に基づいて、構造物の健全性を評価する。
出力部32は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。出力部32は、評価部31の制御に従って評価結果を表示する。
出力部32は、画像表示装置を構造物評価装置30に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、出力部32は、評価結果を表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。
図2は、信号処理部20の機能を表す概略ブロック図である。図2に示すように、信号処理部20は、波形整形フィルタ201、ゲート生成回路202、信頼度算出部203、到達時刻決定部204、特徴量抽出部205、送信データ生成部206、メモリ207及び出力部208を備える。
波形整形フィルタ201は、例えばデジタルバンドパスフィルタ(BPF)であり、入力された時系列データから所定の信号帯域外のノイズ成分を除去する。波形整形フィルタ201は、ノイズ成分除去後の信号(以下「ノイズ除去AE信号」という。)をゲート生成回路202、信頼度算出部203、到達時刻決定部204及び特徴量抽出部205に出力する。
ゲート生成回路202は、波形整形フィルタ201から出力されたノイズ除去AE信号を入力とする。ゲート生成回路202は入力したノイズ除去AE信号の波形が持続しているか否かを示すゲート信号を生成する。ゲート生成回路202は、例えばエンベロープ検出器及びコンパレータにより実現される。エンベロープ検出器は、ノイズ除去AE信号のエンベロープを検出する。コンパレータは、ノイズ除去AE信号のエンベロープが所定の閾値以上であるか否かを判定する。これにより、ゲート生成回路202は、ノイズ除去AE信号のエンベロープが所定の閾値以上となった場合、ノイズ除去AE信号の波形が持続していることを示すゲート信号(High)を信頼度算出部203、到達時刻決定部204及び特徴量抽出部205に出力し、ノイズ除去AE信号のエンベロープが所定の閾値未満になった場合、ノイズ除去AE信号の波形が持続していないことを示すゲート信号(Low)を信頼度算出部203、到達時刻決定部204及び特徴量抽出部205に出力する。
信頼度算出部203は、波形整形フィルタ201から出力されたノイズ除去AE信号と、ゲート生成回路202から出力されたゲート信号とを入力とする。信頼度算出部203は、入力したゲート信号に基づいて、ノイズ除去AE信号の波形が持続している間のノイズ除去AE信号の信頼度を算出する。
信頼度は、あるデータに対する最新データの意外性の度合を表す値である。例えば、あるデータとしては過去の統計データ、過去のある1回のデータ、ユーザが手書き等で作成したデータ等が挙げられる。本実施形態では、信頼度が、過去の統計データに対する最新データの意外性の度合を表す値である場合を例に説明する。過去の統計データを参照することで、定常的な状態における信号の大きさに関する確率分布を求めることができる。過去のデータから求めた確率分布に、最新のデータを当てはめると、最新のデータが生じる確率を求めることができる。過去のデータと似た傾向のデータが生じる確率は高く、過去のデータと性質を異にするデータが生じる確率は低い。すなわち、確率が高い(確率の逆数が小さい)ほど、信頼度の低いAE信号であり、確率が低い(確率の逆数が大きい)ほど、信頼度の高いAE信号であるとみなすことができる。
一方で、クラックの発生・進展等に伴う突発事象である弾性波は、その発生源においては、定常状態とは大きく性質が異なる発生源から生じている(信頼度の高い状態)。その後、構造物内部を伝播することによって、その内部構造の影響を受け、減衰・拡散・反射を繰り返し、徐々にその特徴を失っていく(信頼度の低い状態)。発生源の状況に近いAE信号を信頼度の高い状態、ノイズに近い状態を信頼度の低い状態と考えると、センサで検出されるAE信号の信頼度は、伝播経路における内部構造を反映した結果であると考えることができる。本実施形態では、信頼度算出部203は、ノイズ除去AE信号をサンプリングした時系列データに関するシャノン情報量、シャノン情報量を平滑化した値、シャノン情報量を平滑化した値に対し再びシャノン情報量を計算して平滑化した値を信頼度の値として用いる。信頼度算出部203は、算出した信頼度の情報を送信データ生成部206に出力する。
到達時刻決定部204は、波形整形フィルタ201から出力されたノイズ除去AE信号と、ゲート生成回路202から出力されたゲート信号とを入力とする。到達時刻決定部204は、ノイズ除去AE信号が所定の閾値を超えた時刻やデータの信頼度が最大値を取る時刻、閾値や信頼度の情報を組合せた所定の基準を満たした時刻を到達時刻として決定する。到達時刻は、弾性波の受信時刻を表す。到達時刻決定部204は、決定した時刻情報を送信データ生成部206に出力する。
特徴量抽出部205は、ゲート信号に基づいて、ノイズ除去AE信号の波形が持続している場合のノイズ除去AE信号の特徴量を抽出する。特徴量は、ノイズ除去AE信号の特徴を示す情報である。特徴量は、例えばノイズ除去AE信号の波形の振幅[mV]、ゲート信号の立ち上がり時間[usec]、ゲート信号の持続時間[usec]、ノイズ除去AE信号のゼロクロスカウント数[times]、ノイズ除去AE信号の波形のエネルギー[arb.]及びノイズ除去AE信号の周波数[Hz]等である。特徴量抽出部205は、抽出した特徴量に関するパラメータを送信データ生成部206に出力する。特徴量抽出部205は、特徴量に関するパラメータを出力する際に、特徴量に関するパラメータにセンサIDを対応付ける。センサIDは、構造物の健全性の評価対象となる領域(以下「評価領域」という。)に設置されているAEセンサ10を識別するための識別情報を表す。
ここで、ノイズ除去AE信号の振幅は、例えばノイズ除去AE信号の中で最大振幅の値である。ゲート信号の立ち上がり時間は、例えばゲート信号がゼロ値から予め設定される所定値を超えて立ち上がるまでの時間T1である。ゲート信号の持続時間は、例えばゲート信号の立ち上がり開始から振幅が予め設定される値よりも小さくなるまでの時間である。ノイズ除去AE信号のゼロクロスカウント数は、例えばゼロ値を通る基準線をノイズ除去AE信号が横切る回数である。ノイズ除去AE信号の波形のエネルギーは、例えば各時点において振幅を二乗したものを時間積分した値である。なお、エネルギーの定義は、上記例に限定されず、例えば波形の包絡線を用いて近似されたものでもよい。ノイズ除去AE信号の周波数は、ノイズ除去AE信号の周波数である。
送信データ生成部206は、信頼度算出部203から出力された信頼度の情報と、到達時刻決定部204から出力された受信時刻を示す時刻情報と、特徴量抽出部205から出力された特徴量に関するパラメータとを入力とする。送信データ生成部206は、入力した情報を対応付けることによって送信データを生成する。
メモリ207は、例えばデュアルポートRAM(Random Access Memory)である。メモリ207は、送信データを記憶する。
出力部208は、メモリ207に記憶されている送信データを逐次構造物評価装置30に出力する。
図3は、評価部31の機能を表す概略ブロック図である。図3に示すように、評価部31は、取得部311、メモリ312、イベント抽出部313、位置速度算出部314及びマップ生成部315を備える。
取得部311は、信号処理部20から出力された送信データを取得する。取得部311は、取得した送信データをメモリ312に記憶する。
メモリ312は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。メモリ312は、取得部311によって取得された送信データを記憶する。
イベント抽出部313は、メモリ312に記憶されている送信データの中から1イベントにおける送信データを抽出する。イベントとは、構造物で起こったある弾性波発生事象を表す。構造物におけるクラックの発生などに伴い、1回のイベントが発生した場合、複数のAEセンサ10で略同時刻に弾性波が検出されることになる。すなわち、メモリ312には、略同時刻に検出された弾性波に関する送信データが記憶されている。そこで、イベント抽出部313は、所定の時間窓を設け、到達時刻がその時間窓の範囲内に存在する全ての送信データを1イベントにおける送信データとして抽出する。イベント抽出部313は、抽出した1イベントにおける送信データを位置速度算出部314及びマップ生成部315に出力する。
時間窓の範囲Twは、対象とする構造物の弾性波伝播速度vと、最大のセンサ間隔dmaxを用いて、Tw≧dmax/vの範囲になるように決定してもよい。誤検出を避けるためには、Twをできるだけ小さい値に設定することが望ましいため、実質的にはTw=dmax/vとすることができる。
位置速度算出部314は、イベント抽出部313によって抽出された複数の送信データに基づいて、弾性波の発生源の位置及び構造物の弾性波伝搬速度を標定する。弾性波の発生源の位置及び構造物の弾性波伝搬速度の標定には、カルマンフィルタ、最小二乗法などが用いられてもよい。位置速度算出部314は、標定した弾性波の発生源の位置及び構造物の弾性波伝搬速度の情報をマップ生成部315に出力する。
マップ生成部315は、信頼度マップ生成部316及び速度場マップ生成部317を備える。信頼度マップ生成部316は、イベント抽出部313から出力された1イベントにおける送信データに含まれる信頼度の情報と、弾性波の発生源の位置とに基づいて評価領域の健全性を表す信頼度マップを生成する。速度場マップ生成部317は、信頼度マップ生成部316によって生成された信頼度マップと、構造物の評価領域における速度と信頼度との関係を表す速度場マップとを生成する。
図4は、構造物評価システム100の処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図4の処理では、信号処理部20及び構造物評価装置30を用いて特徴的な処理についてのみ説明する。
信頼度算出部203は、入力したゲート信号に基づいて、ノイズ除去AE信号の波形が持続している間のノイズ除去AE信号の信頼度を算出する(ステップS101)。ここで、信頼度の算出方法について具体的に説明する。時刻tにおけるデータをxt、信号振幅の確率モデルPtとすると、シャノン情報量Score(xt)は、時刻t−1までの過去のデータに基づいた過去の確率モデルPt−1に対する現時刻tのデータxtの意外性を示す指標であり、以下の式1のように表される。
ここで,確率モデルPとして、例えば正規分布モデルを仮定すると、時刻tにおける確率密度関数は、以下の式2のように表される。
式2において、μt(μの上に^)は平均を表し、σ2t(σの上に^)は分散平均を表す。シャノン情報量を平滑化するには、正数Tを与えて、以下の式3に表されるウィンドウ幅TのT−平均スコア系列ytを求める。
また、平滑化した値を用いて再度シャノン情報量を算出する場合、信頼度算出部203は、以下の式4に表されるように、時系列データytについて再び正規分布モデルを用意し確率密度関数Qtを得て、過去のデータに基づいた過去のモデルQt−1に対するytのシャノン情報量を計算する。
そして、正数T´を与えて、以下の式5に表されるウィンドウ幅T´のT´−平均スコアを求める。
信頼度算出部203は、上記の式1に示すシャノン情報量を算出し、算出したシャノン情報を信頼度としてもよいし、上記の式3に示すようにシャノン情報量を平滑化した値を算出し、算出した値を信頼度としてもよいし、上記の式4及び式5に示すように再度シャノン情報量を算出し、算出したシャノン情報量を平滑化した値を算出し、算出した値を信頼度としてもよい。信頼度の値は、構造物に劣化が生じている場合には、構造物に劣化が生じていない場合に比べて低い値となる。
次に、到達時刻決定部204は、ノイズ除去AE信号に基づいて到達時刻を決定する(ステップS102)。特徴量抽出部205は、ゲート信号に基づいて、ノイズ除去AE信号の波形が持続している場合のノイズ除去AE信号の特徴量を抽出する(ステップS103)。送信データ生成部206は、ステップS101からステップS103までの処理で取得された情報を対応付けることによって送信データを生成する(ステップS104)。
出力部208は、生成された送信データを構造物評価装置30に出力する(ステップS105)。なお、ステップS101からステップS105までの処理は、AEセンサ10において弾性波が検出される度に実行される。すなわち、各AEセンサ10で検出された弾性波毎に信頼度、到達時刻及び特徴量が取得される。
取得部311は、信号処理部20から出力された送信データを取得し、取得した送信データをメモリ312に記憶する(ステップS106)。イベント抽出部313は、メモリ312に記憶されている送信データの中から1イベントにおける送信データを抽出する(ステップS107)。なお、1イベントにおける送信データの数が、位置及び速度標定するために必要となる数(例えば、2つ)より少ない場合には、イベント抽出部313は位置及び速度標定するために必要となる数より多い1イベントにおける送信データを抽出する。
位置速度算出部314は、抽出された1イベントにおける送信データに基づいて、1イベントで発生した弾性波の発生源の位置及び速度を標定する(ステップS108)。以下、弾性波の発生源の位置及び速度の導出方法について具体的に説明する。複数のAEセンサ10のうち、1つを原点とする3次元座標系を考える。AEセンサ10の数をn個とした場合、原点のAEセンサS0と、他のAEセンサSi(i=1、2、・・・、n−1)との間の到達時間差Δtiは、弾性波の発生源の座標(xs,ys,zs)、AEセンサSiの座標(ai,bi,ci)、弾性波伝播速度vとすると以下の式6のように表される。
観測される値はΔtiであり、n個のセンサに対してn−1個の(xs,ys,zs,v)を未知数とする非線形連立方程式が得られる。種々の近似的解法を用いることにより未知数(xs,ys,zs,v)を求めることが可能になる。また、位置速度算出部314は、弾性波伝播速度vの平均速度も算出する。信頼度マップ生成部316は、標定された弾性波の発生源の位置及び送信データに含まれる信頼度の値に基づいて信頼度マップを生成する(ステップS109)。また、速度場マップ生成部317は、生成された信頼度マップ、標定された弾性波の発生源の位置、弾性波伝播速度v及び平均速度に基づいて速度場マップを生成する(ステップS110)。
図5A〜図5Cは、信頼度マップ及び速度場マップの生成処理を説明するための図である。なお、図5A〜図5Cの説明では、構造物の健全性の評価領域40の四つ角それぞれに1台のAEセンサ10(AEセンサ10−1〜10−4)が設置されているものとする。また、マップ生成部315は、評価領域40に設置されているAEセンサ10のセンサID及びAEセンサ10の設置位置を予め記憶しているものとする。また、マップ生成部315は、イベント抽出部313からの出力により各AEセンサ10における信頼度を保持し、位置速度算出部314からの出力により弾性波の発生源の位置、弾性波伝播速度v及び平均速度を保持している。
まず、信頼度マップの生成処理について説明する。信頼度マップ生成部316は、評価領域40を複数の領域に分割する。これにより、評価領域40が図5Aに示すように複数の領域(例えば、25の領域)に分割される。以下、分割後の各領域を分割領域と記載する。なお、評価領域をどの間隔で分割するのかについては予め設定されていてもよい。ここで、説明の簡単化のために、AEセンサ10−1が設置されている位置を基準として、図5Aに示す分割領域をx座標、y座標の組み合わせで区別することとする。そうすると、分割領域40−1は(x,y)=(1,1)で表され、分割領域40−2は(x,y)=(5,1)で表され、分割領域40−3は(x,y)=(1,5)で表され、分割領域40−4は(x,y)=(5,5)で表される。
次に、信頼度マップ生成部316は、AEセンサ10の設置位置の情報と、弾性波の発生源50の位置と、評価領域における各分割領域の範囲(例えば、座標)の情報とに基づいて、弾性波の発生源50から各AEセンサ10までの弾性波の移動経路上で弾性波が通過した分割領域を推定する。例えば、信頼度マップ生成部316は、図5Aに示すように、弾性波の発生源50から各AEセンサ10までの弾性波の移動経路を直線と仮定し、弾性波が通過した分割領域を推定する。
具体的には、信頼度マップ生成部316は、弾性波の発生源50からAEセンサ10−1までの弾性波の移動経路上で弾性波42が通過した分割領域が、座標(1,1)、(2,2)、(2,3)、(3,3)で表される4つの分割領域であると推定する。また、信頼度マップ生成部316は、弾性波の発生源50からAEセンサ10−2までの弾性波の移動経路上で弾性波43が通過した分割領域が、座標(5,1)、(5,2)、(4,2)、(4,3)、(3,3)で表される5つの分割領域であると推定する。また、信頼度マップ生成部316は、弾性波の発生源50からAEセンサ10−3までの弾性波の移動経路上で弾性波44が通過した分割領域が、座標(1,5)、(2,4)、(2,5)、(3,4)で表される4つの分割領域であると推定する。また、信頼度マップ生成部316は、弾性波の発生源50からAEセンサ10−4までの弾性波の移動経路上で弾性波45が通過した分割領域が、座標(3,4)、(4,4)、(4,5)、(5,5)で表される4つの分割領域であると推定する。
信頼度マップ生成部316は、推定した分割領域に対して信頼度に応じた値を割り当てることによって信頼度マップを生成する。具体的には、信頼度マップ生成部316は、弾性波の発生源50からAEセンサ10−1までの弾性波の移動経路上で弾性波42が通過した4つの分割領域に対して、AEセンサ10−1が検出した弾性波から得られた信頼度に応じた値を割り当てる。例えば、信頼度マップ生成部316は、信頼度の値をその分割領域の値として割り当ててもよいし、信頼度の値に何らかの処理を行うことによって得られた値を分割領域の値として割り当ててもよい。信頼度マップ生成部316は、同様の処理を、弾性波が通過した他の分割領域に対しても行う。
ここで、図5Aの分割領域41(座標(x,y)=(4,4))において劣化が生じている場合、AEセンサ10−4が検出した弾性波から得られる信頼度は、他のAEセンサ10が検出した弾性波から得られる信頼度よりも低い値となる。これは、劣化が生じている領域を弾性波が通過すると、速度が低下したり、S/Nが低下してしまうためである。このような場合も同様に、マップ生成部315は、弾性波45が通過した4つの分割領域に対して、AEセンサ10−4が検出した弾性波から得られた信頼度に応じた値を割り当てる。
また、図5Aの座標(3,4)で表される分割領域のように複数の弾性波が通過している場合、マップ生成部315は以下に示すいずれかの方法で、複数の弾性波が通過している1つの分割領域に対して割り当てる値を決定する。1つ目の方法として、マップ生成部315は、複数の弾性波が通過している1つの分割領域(図5Aでは、座標(3,4)で表される分割領域)を通過している弾性波を検出した各AEセンサ10(図5Aでは、AEセンサ10−3及び10−4)が検出した弾性波から得られた複数の信頼度の平均値を算出して、算出した値を複数の弾性波が通過している1つの分割領域に割り当てる値として決定する。2つ目の方法として、マップ生成部315は、複数の弾性波が通過している1つの分割領域内において、各弾性波が通過した距離の長さに応じて得られる値を複数の弾性波が通過している1つの分割領域に割り当てる値として決定する。例えば、2つの弾性波が1つの分割領域を通過している場合、マップ生成部315は、分割領域を通過した距離が長い弾性波から得られる信頼度に対する重み付けを、分割領域を通過した距離が短い弾性波から得られる信頼度に対する重み付けよりも高く設定して、得られた各値を合算した値を複数の弾性波が通過している1つの分割領域に割り当てる値として決定する。上記のようにして生成された信頼度マップを図5Bに示す。図5Bに示すように、AEセンサ10−4が設置されている付近では信頼度が低いこと、すなわち、劣化が生じていることが分かる。
次に、速度場分布の生成の生成処理について説明する。速度場マップ生成部317は、位置速度算出部314において標定された各弾性波の弾性波伝播速度vを信頼度に応じて重み付けした値を、信頼度マップ生成部316の処理と同様に弾性波が通過した分割領域に割り当てることによって速度場マップを生成する。ここで、弾性波伝播速度v及び信頼度は、弾性波が構造物の損傷している領域を通過すると速度が遅く・信頼度が低くなる。そこで、速度場マップ生成部317は、信頼度に応じた重み付けをする際、例えば信頼度が高いほど速度が速く、信頼度が低いほど速度が遅くなるような重み付けを行う。弾性波伝播速度vの速く、遅くの基準としては、平均速度を基準とする。すなわち、速度場マップ生成部317は、信頼度が高いほど平均速度よりも速い速度を分割領域に割り当て、信頼度が低いほど平均速度よりも遅い速度を分割領域に割り当てる。
上記のようにして生成された速度場マップを図5Cに示す。図5Cに示すように、図5Bと同様に、AEセンサ10−4が設置されている付近では弾性波伝播速度vが低いこと、すなわち、劣化が生じていることが分かる。その後、信頼度マップ生成部316及び速度場マップ生成部317は、評価結果を出力部32に出力する。出力部32は、評価結果を出力する(ステップS111)。例えば、出力部32は、信頼度マップを信頼度の高低に応じたコンター図として表示する。また、出力部32は、速度場マップを速度場の高低に応じたコンター図として表示する。
図6A〜図6Fは、構造物評価装置30によるシミュレーション結果を示す図である。図6A〜図6Fの各図において、縦軸及び横軸は評価領域の大きさを表す。図6A及び図6Dはシミュレーション用に用意した二つの構造物モデルを表す。図6Aの破線で示される領域1及び図6Dの破線で示される領域2は、損傷が生じていると仮定した領域(損傷領域)を表す。これに対して、構造物モデルの密度の濃い領域は健全な領域を表す。図6Bは図6Aの構造物モデルを用いて、シミュレーションを行った結果の信頼度マップを表し、図6Cは図6Aの構造物モデルを用いて、シミュレーションを行った結果の速度場マップを表す。また、図6Eは図6Dの構造物モデルを用いて、シミュレーションを行った結果の信頼度マップを表し、図6Fは図6Dの構造物モデルを用いて、シミュレーションを行った結果の速度場マップを表す。
図6B、図6C、図6E及び図6Fに示すシミュレーション結果は、二つの構造物モデルにおいて、AEセンサ10を一辺400mmの正方形の四隅にそれぞれ配置し、AEセンサ10に囲まれた400mm×400mmの領域に対してランダムに100回の弾性波を発生させて本提案手法に基づく解析を行った結果である。健全な領域と損傷領域の弾性波速度はそれぞれ4000m/s、2000m/sである。図6B、図6C、図6E及び図6Fに示すシミュレーション結果より、それぞれの構造物モデル図6A、図6Bで示した損傷領域に対応する領域が、信頼度マップ及び速度場マップにおいて反映した結果になっていることが分かる。
以上のように構成された構造物評価システム100によれば、構造物の評価に要する時間を削減することが可能になる。具体的には、構造物評価システム100では、弾性波から得られる信頼度を取得し、取得した信頼度を用いて信頼度マップを生成する。これにより、従来のような同時反復法により繰り返し計算する過程を省くことができるため、計算時間を大幅に削減される。そのため、構造物の評価に要する時間を削減することが可能になる。
さらに、構造物の速度場マップのみならず信頼度マップも生成することによって、速度場だけでは検出できない構造物の情報を検出することができる。
以下、構造物評価システム100の変形例について説明する。
AEセンサ10は、増幅器11を内蔵していてもよい。このように構成される場合、構造物評価システム100は増幅器11を備えなくてよい。
本実施形態では、評価部31が、信頼度マップと速度場マップを生成することによって構造物の評価を行う構成を示したが、評価部31は信頼度マップのみを生成することによって構造物の評価を行うように構成されてもよい。
評価部31は、信頼度マップを新たに生成した場合、前回までに生成された同じ評価領域の信頼度マップと、新たに生成した信頼度マップとを用いて信頼度マップを更新するように構成されてもよい。ここで、前回までに生成された同じ評価領域の信頼度マップとは、新たに生成された信頼度マップより以前に生成された同じ評価領域の信頼度マップを表す。このように構成される場合、評価部31は、例えば、新たに生成した信頼度マップを含めたこれまでの信頼度マップの分割領域における信頼度の平均値を分割領域毎に算出し、算出した値を更新値として各分割領域に割り当てることによって信頼度マップを更新する。また、評価部31は、速度場マップにおいても信頼度マップと同様に、新たに生成した信頼度マップから得られた速度場マップと、前回までの速度場マップとを用いて速度場マップを更新する。このように構成される場合、評価部31は、例えば、新たに生成した速度場マップを含めたこれまでの速度場マップの分割領域における弾性波伝播速度vの平均値を分割領域毎に算出し、算出した値を更新値として各分割領域に割り当てることによって速度場マップを更新する。ここで、前回までの速度場マップとは、新たに生成された速度場マップより以前に生成された同じ評価領域の速度場マップを表す。
具体的な内容を図7A〜図7Dに示す。
図7Aは新たに生成された信頼度マップであり、図7Bは前回までの信頼度マップである。図7Bでは、一例として、前回までに一度しか信頼度マップが生成されていないものとして図5Bに示した信頼度マップを前回までの信頼度マップとして用いている。図7Aでは、図5Aで示した領域と異なる領域に弾性波の発生源51が存在している。なお、図7Aでは、図5Aと同様の評価領域の信頼度マップを生成しているため、分割領域41において劣化が生じている。
信頼度マップ生成部316は、図7Aに示す信頼度マップと、図7Bに示す信頼度マップとを用いて、分割領域毎に分割領域に割り当てられた値の平均値を算出する。そして、信頼度マップ生成部316は、算出した値を更新値として各分割領域に割り当てることによって信頼度マップを更新する。更新された信頼度マップを図7Cに示す。また、更新された速度場マップを図7Dに示す。
上記のように構成されることによって、信頼度マップ及び速度場マップを更新する度に劣化が生じている領域の信頼度や弾性波伝播速度vが他の領域に比べて低い値になる。そのため、信頼度マップ及び速度場マップを更新することによって、劣化が生じている領域を精度よく検出することが可能になる。
本実施形態では、マップ生成部315が、信頼度マップ及び速度場マップを更新する際、過去に生成された信頼度マップ及び速度場マップ全てを用いる構成を示したが、これに限定される必要はない。例えば、マップ生成部315は、信頼度マップ及び速度場マップを更新する際に、過去数回(例えば、過去1回、過去2回など)前までに生成された信頼度マップ及び速度場マップを用いるように構成されてもよい。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態における構造物評価システム100aのシステム構成を示す図である。構造物評価システム100aは、複数のAEセンサ10−1〜10−n、複数の増幅器11−1〜11−n、複数のA/D変換器12−1〜12−n、信号処理部20、無線送信部21及び構造物評価装置30aを備える。構造物評価装置30aは、評価部31、出力部32及び無線受信部33を備える。第2の実施形態では、信号処理部20と、構造物評価装置30aとの間を無線通信によって接続する。この場合、無線送信部21は、信号処理部20から出力された送信データを構造物評価装置30aに送信する。無線受信部33は、無線送信部21から送信された送信データを受信し、受信した送信データを評価部31に出力する。無線送信部21と無線受信部33との間の無線の周波数帯は、例えば2.4GHz、920MHz帯(日本国内においては915MHz〜928MHz)等のいわゆるISMバンド(Industry Science Medical Band)を用いることができる。
このように構成されることによって、AEセンサ10、増幅器11、A/D変換器12、信号処理部20及び無線送信部21をセンサノードとして、評価対象となる橋梁等の構造物に設置し、構造物評価装置30aを監視室に設置することが可能になり、遠隔地から構造物の劣化状態をモニタリングすることも可能になる。
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に変形されてもよい。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態における構造物評価システム100bのシステム構成を示す図である。構造物評価システム100bは、複数のAEセンサ10−1〜10−n、複数の増幅器11−1〜11−n、複数のA/D変換器12−1〜12−n、信号処理部20、無線送信部21、選択部22及び構造物評価装置30bを備える。構造物評価装置30bは、評価部31、出力部32及び無線受信部33を備える。選択部22は、信号の信頼度及び特徴量の情報に応じて、評価に利用する送信データを選択する。例えば、選択部22は、信号の特徴量における振幅が所定の閾値以上の送信データのみ無線送信部21に出力する。また、選択部22は、信号の信頼度が所定の閾値以上の送信データのみ無線送信部21に出力する。
このように構成されることによって、無用なノイズ情報を送信データとして送信することが抑制され、送信側の消費電力を削減することが可能になる。また、無用なノイズ情報を送信データとして送信することによる構造物の評価の劣化を抑制することも可能になる。
構造物評価システム100bでは、無線送信部21及び無線受信部33を備えなくてもよい。このように構成される場合、選択部22は、上記のように選択した送信データを構造物評価装置30bに出力する。
第3の実施形態は、第1の実施形態と同様に変形されてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、構造物より発生した弾性波を検出する複数のAEセンサ10と、弾性波に対して信号処理を行うことによって信頼度を取得する信号処理部20と、取得された信頼度に基づいて、構造物の健全性を評価する評価部31とを持つことにより、構造物の評価に要する時間を削減することができる。
上記各実施形態において、信号処理部20は、構造物評価装置30に備えられていてもよい。このように構成される場合、第2の実施形態では、信号処理部20及び無線送信部21が構造物評価装置30aに備えられる。また、第3の実施形態では、信号処理部20、無線送信部21及び選択部22が構造物評価装置30bに備えられる。
本実施形態で示した構造物評価システム100に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
構造物より発生した弾性波を検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサが検出した弾性波に対して信号処理を行うことによって得た前記弾性波の発生源から前記複数のセンサまでの前記弾性波の信頼度を取得する信号処理部と、
前記弾性波の到達時刻に基づいて前記弾性波の速度を標定し、前記速度と、取得された前記信頼度とに基づいて、前記構造物の健全性を評価する評価部と、
を備える構造物評価システム。
(付記2)
前記評価部は、前記速度と、取得された前記信頼度とに基づいて、前記構造物の評価領域における速度と前記信頼度との関係を表す速度場マップを生成する、付記1に記載の構造物評価システム。
(付記3)
前記評価部は、前記速度場マップ上で信頼度が高い領域ほど速度が高く、信頼度が低い領域ほど速度が低くなるように前記速度場マップを生成する、付記2に記載の構造物評価システム。
(付記4)
前記評価部は、速度場マップを新たに生成した場合、前回までに生成された同じ評価領域の速度場マップと、新たに生成した前記速度場マップとを用いて速度場マップを更新する、付記1から3のいずれか一項に記載の構造物評価システム。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10(10−1〜10−n)…AEセンサ,11(11−1〜11−n)…増幅器,12(12−1〜12−n)…A/D変換器,20…信号処理部,30…構造物評価装置,31…評価部,32…出力部,201…波形整形フィルタ,202…ゲート生成回路,203…信頼度算出部,204…到達時刻決定部,205…特徴量抽出部,206…送信データ生成部,207…メモリ,208…出力部,311…取得部,312…メモリ,313…イベント抽出部,314…位置速度算出部,315…マップ生成部,316…信頼度マップ生成部,317…速度場マップ生成部

Claims (8)

  1. 構造物より発生した弾性波を検出する複数のセンサと、
    前記複数のセンサが検出した弾性波に対して信号処理を行うことによって得られる過去の統計データに対する最新データの意外性の度合を表す値である信頼度であって、前記構造物における評価対象領域を分割する複数の領域のうち前記弾性波の発生源から前記複数のセンサまでの前記弾性波の移動経路上で前記弾性波が通過する領域における前記弾性波の信頼度を取得する信号処理部と、
    取得された前記信頼度に基づいて、前記構造物の健全性を評価する評価部と、
    を備える構造物評価システム。
  2. 前記評価部は、前記構造物の健全性の評価領域を複数の領域に分割し、分割後の領域に対して前記信頼度に応じた値を割り当てることによって、前記評価領域の健全性を表す信頼度マップを生成する、請求項1に記載の構造物評価システム。
  3. 前記評価部は、第1の信頼度マップを新たに生成した場合、前記第1の信頼度マップよりも以前に生成された同じ評価領域の第2の信頼度マップと、前記第1の信頼度マップとを用いて信頼度マップを更新する、請求項2に記載の構造物評価システム。
  4. 前記評価部は、前記弾性波の到達時刻に基づいて前記弾性波の速度を標定し、前記速度と、信頼度マップとを用いて、前記構造物の評価領域における速度と前記信頼度との関係を表す速度場マップを生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の構造物評価システム。
  5. 前記評価部は、前記信頼度マップ上で信頼度が高い領域ほど前記速度場マップ上で速度が高く、信頼度が低い領域ほど前記速度場マップ上で速度が低くなるように前記速度場マップを生成する、請求項4に記載の構造物評価システム。
  6. 前記信頼度に応じて前記評価に利用する弾性波のデータを選択する選択部をさらに備え、
    前記評価部は、選択された前記データに応じた信頼度を用いて前記構造物の健全性を評価する、請求項1からのいずれか一項に記載の構造物評価システム。
  7. 構造物より発生した弾性波に対して信号処理を行うことによって得られる過去の統計データに対する最新データの意外性の度合を表す値である信頼度であって、前記構造物における評価対象領域を分割する複数の領域のうち前記弾性波の発生源から、前記弾性波を検出する複数のセンサまでの前記弾性波の移動経路上で前記弾性波が通過する領域における前記弾性波の信頼度に基づいて、前記構造物の健全性を評価する評価部、
    を備える構造物評価装置。
  8. 構造物より発生した弾性波に対して信号処理を行うことによって得られる過去の統計データに対する最新データの意外性の度合を表す値である信頼度であって、前記構造物における評価対象領域を分割する複数の領域のうち前記弾性波の発生源から、前記弾性波を検出する複数のセンサまでの前記弾性波の移動経路上で前記弾性波が通過する領域における前記弾性波の信頼度を取得する信号処理ステップと、
    取得された前記信頼度に基づいて、前記構造物の健全性を評価する評価ステップと、
    を有する構造物評価方法。
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