以下に非接触給電システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の非接触給電システムは、大電流給電が可能な電磁誘導給電方式を採用しており、例えば物流搬送システムにおける自走台車(移動体)に非接触で電力を供給する。
図1に本実施形態の非接触給電システムの概略的なブロック図を示す。本実施形態の非接触給電システムは、給電線200と、給電装置10とを備える。
給電線200には、高周波電源300から高周波電流が供給される。給電線200は、給電対象である移動体100の移動経路に沿って設置されている。移動体100は、例えば工場内を予め設定された移動経路に沿って移動する自走台車からなる。移動体100は、給電装置10から電力の供給を受けて動作する負荷101(例えば、電動モータなどを駆動するインバータ回路など)を備えている。なお移動体100は自走台車に限らず、搬送機などの移動機器でもよい。また移動体100が備える負荷101は1台でも複数台でもよい。
高周波電源300は、商用交流電源などの外部電源を周波数変換して、給電線200に高周波(例えば20kHz)の交流電流を供給する。
給電装置10は、移動体100が移動経路に沿って移動するのに伴い、移動体100と共に給電線200に沿って移動する。この給電装置10は、給電線200から非接触で電力の供給を受けて、移動体100が備える負荷101に電力を供給する。
給電装置10は2台の給電部11,12を備えている。なお、給電装置10が備える給電部の数は2台に限定されず、共通の負荷101に電力を供給する給電部を3台以上備えてもよい。
複数の給電部11,12は、共通の負荷101に対して電力を供給する。複数の給電部11,12は、それぞれ、ピックアップ部20と、定電圧電源回路30とを備える。
複数の給電部11,12は共通の構成を有しているので、図2を参照して給電部11の構成を説明し、給電部12の構成については説明を省略する。なお図2は給電部11のみを図示し、給電部12は図示を省略している。
ピックアップ部20は、受電コイル21と、受電コイル21に直列に接続されたコンデンサ22とを備える。受電コイル21は、例えば給電線200が中央の貫通孔に通されるC形のコア(図示せず)に電線を所定回数巻き付けて形成される。給電線200に高周波電源300から高周波電流が供給されると、給電線200の周りに磁束が発生し、受電コイル21には鎖交した磁束の大きさに応じた電圧が発生する。ここで、受電コイル21とコンデンサ22とで、共振周波数が高周波電源300の電源周波数付近に設定されたLC直列共振回路が構成されており、ピックアップ部20から定電圧電源回路30に例えば交流の150〜250Vの交流電圧が入力される。
定電圧電源回路30は、整流部31と、電圧変換部32とを備える。また定電圧電源回路30は、定電圧制御回路33と、定電流制御回路34と、切替部35と、PWM制御部36と、出力電圧測定部37と、出力電流測定部38とを備える。
整流部31は、例えばダイオードブリッジを用いた全波整流回路からなり、ピックアップ部20から出力される交流電流を全波整流して電圧変換部32に出力する。
電圧変換部32は、平滑コンデンサ321と、インダクタ322と、トランジスタ323と、抵抗324と、ダイオード325と、平滑コンデンサ326とを備える。
電圧変換部32は昇圧チョッパ回路の回路構成を有している。平滑コンデンサ321は、電解コンデンサからなり、整流部31の直流出力端子間に接続されている。平滑コンデンサ321のプラス側(高電位側)の端子にはインダクタ322の一方の端子が接続され、インダクタ322の他方の端子にはトランジスタ323のコレクタ端子が接続されている。トランジスタ323のエミッタ端子は、電流検出用の抵抗324を介して、平滑コンデンサ321のマイナス側(低電位側)の端子に接続されている。トランジスタ323のベース端子にはPWM制御部36からの制御信号が入力される。インダクタ322とトランジスタ323との接続点にはダイオード325のアノードが接続されている。ダイオード325のカソードには、電解コンデンサからなる平滑コンデンサ326のプラス側端子が接続されている。平滑コンデンサ326のマイナス側端子は平滑コンデンサ321のマイナス側端子に接続されている。そして、平滑コンデンサ326の両端間には移動体100の負荷101が接続されている。
出力電圧測定部37は、例えば、電圧変換部32の出力電圧V1を所定の分圧比で分圧する分圧回路からなり、出力電圧V1を分圧して得た電圧信号を定電圧制御回路33に出力する。
定電圧制御回路33は、オペアンプを用いたアナログ演算回路であり、所望の応答が得られるように伝達関数が設定されている。定電圧制御回路33は、出力電圧測定部37から入力される電圧信号と、出力電圧V1の目標値(設定電圧VL1)に対応した基準電圧との差分に応じた電圧信号S1を切替部35に出力する。
出力電流測定部38は、例えばホール素子とホール素子の出力を増幅する増幅回路を備え、電圧変換部32の出力電流I1に比例した大きさの電圧信号を定電流制御回路34に出力する。
定電流制御回路34は、オペアンプを用いたアナログ演算回路であり、所望の応答が得られるように伝達関数が設定されている。定電流制御回路34は、出力電流測定部38から入力される電圧信号と、出力電流I1の目標値(閾値IL1)に対応した基準電圧との差分に応じた電圧信号S2を切替部35に出力する。
切替部35には、定電圧制御回路33からの電圧信号S1と、定電流制御回路34からの電圧信号S2とが入力される。切替部35は、電圧信号S1,S2のうち何れか小さい方をPWM制御部36に出力する。
ここで、出力電流I1が予め設定された閾値IL1以下の場合、電圧信号S1の方が電圧信号S2よりも小さくなるように、定電圧制御回路33及び定電流制御回路34の伝達関数は設定されている。また、出力電流I1が閾値IL1を超える場合、電圧信号S2の方が電圧信号S1よりも小さくなるように、定電圧制御回路33及び定電流制御回路34の伝達関数は設定されている。
したがって、出力電流I1が閾値IL1以下の場合、切替部35は、定電圧制御回路33からの電圧信号S1をPWM制御部36に出力し、PWM制御部36に定電圧制御を行わせる。また、出力電流I1が閾値IL1を超える場合、切替部35は、定電流制御回路34からの電圧信号S2をPWM制御部36に出力し、PWM制御部36に定電流制御を行わせる。
PWM制御部36は、切替部35から入力される電圧信号(電圧信号S1又は電圧信号S2)に応じてトランジスタ323のデューティ比を制御する。
PWM制御部36は所定の周期でトランジスタ323をオフ状態からオン状態に切り替える。トランジスタ323がオン状態に切り替わると、平滑コンデンサ321→インダクタ322→トランジスタ323→抵抗324→平滑コンデンサ321の経路で電流が流れ、インダクタ322にエネルギが蓄積される。
PWM制御部36は、切替部35から入力された電圧信号S1又は電圧信号S2が基準電圧を上回ると、トランジスタ323をオフ状態に切り替える。トランジスタ323がオフ状態になると、トランジスタ323のオン時にインダクタ322に蓄積されたエネルギーが放出され、平滑コンデンサ321→インダクタ322→ダイオード325→平滑コンデンサ326→平滑コンデンサ321の経路で電流が流れる。
このようなスイッチング動作を行うことによって、トランジスタ323のオン/オフのデューティ比が、切替部35から入力される電圧信号(電圧信号S1又は電圧信号S2)に応じたデューティ比に調整される。したがって、定電圧制御時は出力電圧V1が設定電圧VL1(例えば直流の約283V)に制御され、定電流制御時は出力電流I1が閾値IL1に制御される。
またPWM制御部36には、抵抗324の両端電圧が入力されており、抵抗324の両端電圧からトランジスタ323に流れるコレクタ電流をモニタする。PWM制御部36は、抵抗324の両端電圧が所定の閾値を上回ると、過電流保護動作を行う。
定電圧電源回路30の出力電圧V1は移動体100の負荷101に供給される。負荷101は、2台の給電部11,12がそれぞれ備える定電圧電源回路30から電力供給を受けて動作する。これにより、移動体100が移動経路にしたがって移動し、移動体100の移動に伴って給電装置10が給電線200に沿って移動した場合でも、給電装置10が、給電線200から非接触で供給された電力を移動体100の負荷101に供給することができる。
本実施形態の給電装置10では、共通の負荷101に対して2台の給電部11,12が並列に接続され、2台の給電部11,12が負荷101に電力を供給する。2台の給電部11,12は独立して動作しているので、給電部11,12の出力電圧が異なると、出力電圧の高い方から負荷101に電力が供給され、2台の給電部11,12の何れかに電力供給が偏ってしまう。2台の給電部11,12の何れかに電力供給が偏ると、この給電部の供給電力が増加し、定格電力を上回る可能性がある。
そこで、給電部11,12の各々が備える定電圧電源回路30は、出力電流I1が閾値IL1以下の場合は出力電圧V1を設定電圧VL1に制御する定電圧制御を行い、出力電流I1が閾値IL1を超える場合は出力電圧V1を低下させるように構成されている。ここで、閾値IL1は、出力電力が定格電力よりやや小さい場合の電流値に設定されている。
例えば、2台の給電部11,12が共通の負荷101に対して均等に電力を供給している場合、各給電部11,12の定電圧電源回路30の出力電流I1は閾値IL1以下となり、定電圧電源回路30は出力電圧V1を設定電圧VL1に制御する定電圧制御を行う。
一方、2台の給電部11,12の出力電圧にばらつきがある場合、出力電圧が高い方の給電部(例えば給電部11)から負荷101に電力が供給されるため、給電部11に電力供給が偏ってしまう。この場合、給電部11が備える定電圧電源回路30の出力電流I1が増加し、この出力電流I1が閾値IL1を超えると、定電圧電源回路30は定電流制御回路34からの電圧信号S2にしたがって定電流制御を行う。定電圧電源回路30が定電圧制御から定電流制御に切り替わると、定電圧電源回路30の出力電圧V1が設定電圧VL1から低下し、給電部11から負荷101への電力供給が抑制されるから、2台の給電部11,12から負荷101に均等に電力が供給される。すなわち、2台の給電部11,12のうち、電力供給が集中した給電部からの電力供給が抑制されるから、この給電部が備える定電圧電源回路30の出力電力が定格電力を超えにくくなり、定電圧電源回路30を構成する回路部品に加わるストレスを低減できる。
図3に本実施形態の定電圧電源回路30の出力特性を示す。定電圧変換回路30の出力電流I1が閾値IL1以下となる場合、定電圧電源回路30の出力電圧V1は設定電圧VL1に制御される。定電圧変換回路30の出力電流I1が閾値IL1を超える場合、定電圧電源回路30の出力電圧V1は、定電圧制御時の設定電圧VL1よりも低下するように制御される。
以上説明したように、本実施形態の非接触給電システムは、給電線200と、給電装置10とを備える。給電線200は、電力で動作する負荷101を備えた移動体100の移動経路に沿って配置されて、電源(高周波電源300)から高周波電流が供給される。給電装置10は、移動体100と共に移動して、負荷101に電力を供給する。給電装置10は、共通の負荷101に電力を供給する複数の給電部11,12を備える。複数の給電部11,12の各々は、ピックアップ部20と、定電圧電源回路30とを備える。ピックアップ部20は、給電線200の周りに発生する磁束が鎖交することによって電磁誘導により電圧が発生する受電コイル21を含む。定電圧電源回路30は、ピックアップ部20の出力の電圧値を変換して負荷101に供給する。定電圧電源回路30は、出力電流I1が予め設定された閾値IL1以下の場合は、出力電圧V1を設定電圧VL1に制御する定電圧制御を行い、且つ、出力電流I1が閾値IL1を超えた場合、出力電圧V1を設定電圧VL1よりも低下させるように構成される。
これにより、複数ある給電部11,12のうちの1台から負荷101への供給電力が増大し、出力電流I1が閾値IL1を超えた場合、定電圧電源回路30は、出力電圧V1を定電圧制御時の設定電圧VL1から低下させるので、負荷への供給電力が抑制される。したがって、共通の負荷101に対して複数の給電部11,12から均等に電力が供給されるようになり、複数ある給電部11,12の一部に負荷101への電力供給が偏りにくくなる。よって、給電部11,12の出力電力が定格電力を超えにくくなり、給電部11,12の寿命を延ばすことができる。
また本実施形態の非接触給電システムにおいて、定電圧電源回路30は、定電圧制御回路33(第1制御部)と、定電流制御回路34(第2制御部)と、切替部35(制御切替部)とを備えてもよい。定電圧制御回路33は、出力電圧V1を設定電圧VL1に制御する定電圧制御を行い、定電流制御回路34は、出力電流I1を閾値IL1に制御する定電流制御を行う。切替部35は、出力電流I1が閾値IL1以下である場合は、定電圧制御回路33による定電圧制御に切り替え、且つ、出力電流I1が閾値IL1を超える場合は、定電流制御回路34による定電流制御に切り替えるように構成される。
複数ある給電部11,12のうちの1台から負荷101への供給電力が増大して、出力電流I1が閾値IL1を超えた場合、切替部35は、定電圧制御から定電流制御に切り替えているので、負荷101への供給電力を抑制できる。また、出力電流I1が閾値IL1以下であれば、切替部35は、定電圧制御に切り替えているので、負荷101への供給電力の大きさに応じて定電圧制御と定電流制御を自動的に切り替えることができる。
(実施形態2)
本実施形態の非接触給電システムを図面に基づいて説明する。
図4に本実施形態の非接触給電システムのブロック図を示す。本実施形態の非接触給電システムでは、給電部11,12の各々が備える定電圧電源回路30の定電圧制御回路33は、制御の応答性を決定する第1パラメータを調整可能なように構成されている。給電部11,12の各々が備える定電圧電源回路30の定電流制御回路34は、制御の応答性を決定する第2パラメータを調整可能なように構成されている。なお、定電圧制御回路33および定電流制御回路34が、制御の応答性を決定するパラメータ(第1パラメータ、第2パラメータ)を調整可能な点を除いては実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また図4では給電部11のみを図示し、給電部12には図示を省略する。
本実施形態の非接触給電システムでは、図4に示すように、給電部11,12の各々が備える定電圧電源回路30に制御モード判定部39が設けられている。
制御モード判定部39は、電圧変換部32が定電圧制御を行っているか、あるいは、定電流制御を行っているかを判定し、その判定結果を定電圧制御回路33および定電流制御回路34に出力する。
また、給電部11が備える定電圧制御回路33は、第1定電圧制御回路331と、第2定電圧制御回路332と、切替部333とを備える。
第1定電圧制御回路331は、オペアンプを用いたアナログ演算回路であり、所望の応答が得られるように伝達関数が設定されている。第1定電圧制御回路331は、出力電圧測定部37から切替部333を介して入力される電圧信号と、設定電圧VL1に対応した基準電圧との差分に応じた電圧信号を切替部35に出力する。
第2定電圧制御回路332は、オペアンプを用いたアナログ演算回路であり、所望の応答が得られるように伝達関数が設定されている。第2定電圧制御回路332は、出力電圧測定部37から切替部333を介して入力される電圧信号と、設定電圧VL1に対応した基準電圧との差分に応じた電圧信号を切替部35に出力する。
ここで、第1定電圧制御回路331及び第2定電圧制御回路332は、制御の応答性を決定する第1パラメータが互いに異なり、第2定電圧制御回路332の方が、第1定電圧制御回路331よりも制御の応答性が速くなるように第1パラメータが決定されている。
切替部333は、出力電圧測定部37から入力される電圧信号を、制御モード判定部39から入力される判定結果に基づいて、第1定電圧制御回路331及び第2定電圧制御回路332の何れかに入力させる。制御モード判定部39から定電圧制御で制御中との判定結果が入力された場合、切替部333は、応答性が遅い方の第1定電圧制御回路331に、出力電圧測定部37からの出力電圧を入力させる。制御モード判定部39から定電流制御で制御中との判定結果が入力された場合、切替部333は、応答性が速い方の第2定電圧制御回路332に、出力電圧測定部37からの出力電圧を入力させる。ここにおいて、第1定電圧制御回路331と第2定電圧制御回路332と切替部333とで、定電圧制御回路33(第1制御部)について制御の応答性を決定する第1パラメータを調整するための第1調整部が実現される。
また、給電部11が備える定電流制御回路34は、第1定電流制御回路341と、第2定電流制御回路342と、切替部343とを備える。
第1定電流制御回路341は、オペアンプを用いたアナログ演算回路であり、所望の応答が得られるように伝達関数が設定されている。第1定電流制御回路341は、出力電流測定部38から切替部343を介して入力される電圧信号と、閾値IL1に対応した基準電圧との差分に応じた電圧信号を切替部35に出力する。
第2定電流制御回路342は、オペアンプを用いたアナログ演算回路であり、所望の応答が得られるように伝達関数が設定されている。第2定電流制御回路342は、出力電流測定部38から切替部343を介して入力される電圧信号と、閾値IL1に対応した基準電圧との差分に応じた電圧信号を切替部35に出力する。
ここで、第1定電流制御回路341及び第2定電流制御回路342は、制御の応答性を決定する第2パラメータが互いに異なり、第2定電流制御回路342の方が、第1定電流制御回路341よりも制御の応答性が速くなるように第2パラメータが決定されている。
切替部343は、出力電流測定部38から入力される電圧信号を、制御モード判定部39から入力される判定結果に基づいて、第1定電流制御回路341及び第2定電流制御回路342の何れかに入力させる。制御モード判定部39から定電流制御で制御中との判定結果が入力された場合、切替部343は、応答性が遅い方の第1定電流制御回路341に、出力電流測定部38からの出力電圧を入力させる。また制御モード判定部39から定電圧制御で制御中との判定結果が入力された場合、切替部343は、応答性が速い方の第2定電流制御回路342に、出力電流測定部38からの出力電圧を入力させる。ここにおいて、第1定電流制御回路341と第2定電流制御回路342と切替部343とで、定電流制御回路34(第2制御部)について制御の応答性を決定する第2パラメータを調整するための第2調整部が実現される。
本実施形態の給電部11,12では、電圧変換部32が定電圧制御方式で動作中は、切替部333は、応答性が遅い方の第1定電圧制御回路331を使用しているので、電圧変換部32による定電圧制御を安定して行わせることができる。また、電圧変換部32が定電圧制御方式で動作中は、切替部343は、応答性が速い方の第2定電流制御回路342を使用しているので、定電圧制御から定電流制御に切り替わった直後は、応答性が速い方の第2定電流制御回路342の出力で定電流制御が行われる。したがって、定電圧制御から定電流制御への切り替わりが速くなり、負荷101が急変した場合に制御の応答性が速くなる。
また、電圧変換部32が定電流制御方式で動作中は、切替部343は、応答性が遅い方の第1定電流制御回路341を使用しているので、電圧変換部32による定電流制御を安定して行わせることができる。また、電圧変換部32が定電流制御方式で動作中は、切替部333は、応答性が速い方の第2定電圧制御回路332を使用しているので、定電流制御から定電圧制御に切り替わった直後は、応答性が速い方の第2定電圧制御回路332の出力で定電圧制御が行われる。したがって、定電流制御から定電圧制御への切り替わりが速くなり、負荷101が急変した場合に制御の応答性が速くなる。
ところで、本実施形態の給電部11,12において、定電圧制御回路33および定電流制御回路34は、それぞれ、起動開始から一定時間が経過するまでの間、起動開始から一定時間が経過した後に比べて応答性を速めるように、上記のパラメータを調整してもよい。
この場合、図5に示すように、給電部11の定電圧電源回路30は、制御モード判定部39の代わりに、時間計測部40を備えていればよい。なお、給電部12は給電部11と同様の構成を有しているので、図5では給電部11のみを図示し、給電部12については図示を省略している。
時間計測部40は、給電装置10の起動開始時からの経過時間を計測し、起動開始からの経過時間が一定時間を超えると、計時完了信号を切替部333および切替部343に出力する。
切替部333は、起動開始時から計時完了信号が入力されるまでの間は、出力電圧測定部37から入力される電圧信号を、第1定電圧制御回路331に比べて応答性が速い第2定電圧制御回路332に出力する。切替部333は、計時完了信号が入力された後は、出力電圧測定部37から入力される電圧信号を、第1定電圧制御回路331に出力する。
切替部343は、起動開始時から計時完了信号が入力されるまでの間は、出力電流測定部38から入力される電圧信号を、第1定電流制御回路341に比べて応答性が速い第2定電流制御回路342に出力する。切替部343は、計時完了信号が入力された後は、出力電圧測定部37から入力される電圧信号を、第1定電圧制御回路331に出力する。
上述のように本実施形態の非接触給電システムにおいて、定電圧制御回路33(第1制御部)は制御の応答性を決定する第1パラメータを調整する第1調整部を備えてもよい。定電流制御回路34(第2制御部)は制御の応答性を決定する第2パラメータを調整する第2調整部を備えてもよい。第1調整部は、切替部35によって定電流制御回路34の定電流制御に切り替えられた場合は定電圧制御回路33の定電圧制御に切り替えられた場合に比べて、応答性を速めるように第1パラメータを調整する。第2調整部は、切替部35によって定電圧制御回路33の定電圧制御に切り替えられた場合は定電流制御回路34の定電流制御に切り替えられた場合に比べて、応答性を速めるように第2パラメータを調整する。
これにより、定電圧制御に切り替えられた場合、第2調整部は定電流制御回路34の応答性を速めるように第2パラメータを調整しているので、定電圧制御から定電流制御への切り替えが早くなり、負荷101の変動に対する応答性が向上する。定電流制御に切り替えられた場合、第1調整部は定電圧制御回路33の応答性を速めるように第1パラメータを調整しているので、定電流制御から定電圧制御への切り替えが早くなり、負荷101の変動に対する応答性が向上する。また、定電圧制御に切り替えられている場合、定電流制御に切り替えられている場合に比べて、定電圧制御回路33の応答性が遅くなるように第1パラメータが調整されるから、他の給電部の出力変動の影響を受けにくくなり、制御の安定性が向上する。同様に、定電流制御に切り替えられている場合、定電圧制御に切り替えられている場合に比べて、定電流制御回路34の応答性が遅くなるように第2パラメータが調整されるから、他の給電部の出力変動の影響を受けにくくなり、制御の安定性が向上する。
本実施形態において、定電圧制御回路33(第1制御部)は、起動開始から一定時間が経過するまでの間、起動開始から一定時間が経過した後に比べて応答性を速めるように、制御の応答性を決定するパラメータ(第1パラメータ)を調整してもよい。また定電流制御回路34(第2制御部)は、起動開始から一定時間が経過するまでの間、起動開始から一定時間が経過した後に比べて応答性を速めるように、制御の応答性を決定するパラメータ(第2パラメータ)を調整してもよい。
これにより、起動開始時から一定時間が経過するまでの間は、一定時間の経過後に比べて定電圧制御回路33および定電流制御回路34の応答性を速めるようにパラメータが調整されるから、起動開始時に電圧変換部32の出力の立ち上がりを速めることができる。また、起動開始時から一定時間が経過した後は、定電圧制御回路33および定電流制御回路34の応答性を遅くするようにパラメータが調整されるから、電圧変換部32の出力の安定性が向上する。
なお、本実施形態の特徴部分を、他の実施形態で説明した非接触給電システムに適用してもよく、本実施形態と同様の効果が得られる。
(実施形態3)
本実施形態の非接触給電システムを図面に基づいて説明する。
実施形態1で説明したように、給電線200は、受電コイル21のC形コアの孔に通されているが、給電線200に対するC形コアの位置が規定の位置から外れると、ピックアップ部20の出力電圧、つまり定電圧電源回路30の入力電圧のピーク値が変動する。入力電圧のピーク値が変動すると、定電圧変換回路30は出力電圧を一定に保つようにPWM制御を行うため、トランジスタ43のデューティ比が変動する。それによって、定電圧制御時の電圧信号S1の電圧レベルが変動し、定電圧制御から定電流制御に切り替わる電圧信号S2の電圧レベルが変動するから、定電流制御の閾値IL1が変動する。
そこで、本実施形態の非接触給電システムでは、定電流制御回路34が、定電圧電源回路30の入力電圧の変動による閾値IL1の変動を補正するように構成されている。
図6に本実施形態の非接触給電システムのブロック図を示す。なお実施形態1で説明した非接触給電システムと共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また図6では給電部11のみを図示し、給電部12には図示を省略する。
本実施形態の給電部11は入力電圧測定部41をさらに備えている。入力電圧測定部41は、定電圧電源回路30の入力電圧、すなわち電圧変換部32の入力電圧を測定し、入力電圧に比例した大きさの電圧信号を定電流制御回路34に出力する。
定電流制御回路34は、入力電圧測定部41から入力される電圧信号をもとに、定電圧電源回路30の入力電圧を求める。定電圧電源回路30の入力電圧が定格値よりも低下すると、それに応じて閾値IL1の値も低下する。また定電圧電源回路30の入力電圧が定格値よりも増加すると、それに応じて閾値IL1の値も増加する。
そこで、本実施形態の定電流制御回路34は、入力電圧が定格値よりも低下すると、入力電圧の低下によって発生する閾値IL1の減少分を抑制するように、閾値IL1の設定値を補正する。また定電流制御回路34は、入力電圧が定格値よりも増加すると、入力電圧の増加によって発生する閾値IL1の増加分を抑制するように、閾値IL1の設定値を補正する。
このように、本実施形態の非接触給電システムにおいて、定電圧電源回路30は、定電圧電源回路30の入力電圧の変動による、閾値IL1の変動分を補正するように構成されてもよい。
これにより、定電圧電源回路30への入力電圧が変動した場合でも、閾値IL1の値が変動しにくくなるから、一部の給電部に電力供給が集中しにくくなる。
なお、本実施形態の特徴部分を、他の実施形態で説明した非接触給電システムに適用してもよく、本実施形態と同様の効果が得られる。
(実施形態4)
本実施形態の非接触給電システムを図面に基づいて説明する。
実施形態1〜3の非接触給電システムでは、定電圧制御回路33による定電圧制御の目標値(設定電圧VL1)が固定値であるから、回路部品の部品定数のばらつきなどによって、設定電圧VL1がばらつく可能性がある。複数の給電部11,12で定電圧制御の設定電圧VL1がばらつくと、設定電圧VL1が相対的に高い給電部から負荷101に電力が供給されるため、一部の給電部に電力供給が偏ってしまう。
そこで、本実施形態の非接触給電システムでは、図7に示すように、定電圧電源回路30が、設定電圧VL1の電圧値を調整する調整部42(電圧調整部)をさらに備えている。なお、調整部42が追加された点と、入力電圧測定部41を無くした点以外は実施形態3の非接触給電システムと同様であるので、共通の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また図7では給電部11のみを図示し、給電部12は図示を省略している。
本実施形態では、調整部42を用いて、定電圧制御回路33による定電圧制御の目標電圧(すなわち設定電圧VL1)の値を調整することができる。例えば出荷前の検査時や施工時に、複数の給電部11,12で出力電圧V1のばらつきが少なくなるように、調整部42を用いて設定電圧VL1の値を調整できるから、一部の給電部に電力供給が集中しにくくなる。
本実施形態の非接触給電システムにおいて、給電部11,12の各々は、各々の給電部11,12から負荷101に供給された電力の全供給電力に占める割合である電力供給率を求め、この電力供給率をもとに調整部42が設定電圧VL1の値を調整してもよい。
図8に示すように、給電部11,12の各々は、各々の給電部11,12から負荷101に供給された電力の全供給電力に占める割合である電力供給率を測定する電力供給率検出部43をさらに備えている。なお、給電部11,12は同一の構成を有しており、図8では図示を簡単にするために、給電部11については整流部31および電圧変換部32以外の制御系の回路部分の図示を省略している。
電力供給率検出部43(測定部)は、例えば出力電圧測定部37が測定した出力電圧V1と、出力電流測定部38が測定した出力電流I1とを用いて、対応する電圧変換部32から負荷101に供給された出力電力の平均値P1を測定する。また、電力供給率検出部43は、他の給電部から負荷101に供給された供給電力の情報を取得して、給電部11,12の各々から負荷101に供給された平均電力の総和P2を求める。そして、電力供給率検出部43は、全供給電力の総和P2に対する出力電力P1の比率から、電力供給率を求める。
調整部42は、電力供給率検出部43によって測定された電力供給率に応じて設定電圧VL1を調整する。電力供給率が他の給電部よりも少なくなる場合、例えば給電部が2台であれば電力供給率が50%よりも低くなる場合、調整部42は、設定電圧VL1の電圧値をより高い電圧値に設定することで、供給電力を増やして電力供給率を上昇させる。これにより、共通の負荷101に対して複数の給電部11,12から均等に電力が供給されるようになり、一部の給電部に電力供給が偏りにくくなる。
ところで、電力供給率検出部43が電力供給率を測定する方法は上記の方法に限定されず、以下に説明するような方法で電力供給率を測定してもよい。
例えば、各給電部11,12から負荷101に供給された全供給電力の平均値P2を負荷101側で測定し、全供給電力の平均値P2を用いて電力供給率を測定してもよい。この場合、図9に示すように、給電部11,12の各々が、全ての給電部11,12から負荷101に供給された供給電力の平均値を負荷101側で測定する負荷電力検出部44をさらに備えればよい。なお、負荷電力検出部44を備えた点を除いては、図8に示す非接触給電システムと同様であるから、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、給電部11,12は同一の構成を有しており、図9では図示を簡単にするために、給電部11については整流部31および電圧変換部32以外の制御系の回路部分の図示を省略している。
負荷電力検出部44は、例えば複数の給電部11,12から負荷101に流れる負荷電流の合計値と、負荷101に印加される電圧とを測定し、その測定結果をもとに、複数の給電部11,12から負荷101に供給された全供給電力の平均値P2を測定する。負荷電力検出部44は、全供給電力の平均値P2を測定した結果を電力供給率検出部43に出力する。
電力供給率検出部43は、出力電圧V1および出力電流I1の測定結果をもとに、対応する電圧変換部32から負荷101に供給された平均電力P1を求める。
電力供給率検出部43は、負荷電力検出部44から入力される全供給電力の平均値P2に対する平均電力P1の比率を演算することで電力供給率を求め、電力供給率の測定結果を調整部42に出力する。調整部42は、上述したように電力供給率の測定結果に応じて、定電圧制御での設定電圧VL1を調整する。
このように、負荷電力検出部44は、複数の給電部11,12から負荷101に供給された全供給電力の平均値P2を負荷101側で測定し、この平均値P2をもとに電力供給率電力検出部43が電力供給率を求めている。したがって、電力供給率を求めるために、他の給電部から供給電力の情報を取得するための通信手段が不要になる。
ところで、本実施形態において、電力供給率検出部43は、システム起動時に電力供給率を求めるように構成されてもよい。この場合、図10に示すように、給電部11,12の各々は、システム起動時からの経過時間を計時し、経過時間を電力供給率検出部43に出力する時間計測部47をさらに備えていればよい。なお、時間計測部47以外は図8に示す非接触給電システムと同様であるから、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、給電部11,12は同一の構成を有しており、図10では図示を簡単にするために、給電部11については整流部31および電圧変換部32以外の制御系の回路部分の図示を省略している。
本実施形態の非接触給電システムでは、給電線200は移動体100の移動経路に沿って設置されているが、移動経路を複数に分岐させる箇所などでは、移動経路を切り替える切り替え機構を設けるために給電線200が部分的に途切れている場合がある。そのため、給電装置10が給電線200の切れ目にさしかかると、複数ある給電部11,12のうちの何れかでピックアップ部20と給電線200との磁気結合が弱まり、出力電圧が低下する場合がある。このような状態で、電力供給率検出部43が電力供給率を測定すると、実際の電力供給率を正しく測定できない可能性がある。
本システムの稼働中は給電装置10がどこに移動しているか特定できないが、システム起動時であれば給電装置10の位置を特定でき、ピックアップ部20と給電線200との磁気結合が良好な位置に給電装置10を移動させておくことができる。
そして、電力供給率検出部43は、時間計測部47から入力される経過時間をもとに、システム起動時から所定の待機時間が経過するまでの間に、電力供給率を検出する。これにより、ピックアップ部20と給電線200との磁気結合が良好な位置に移動体100が存在する状態で、電力供給率検出部43は電力供給率を求めることができるから、非接触給電が安定的に行われている状態で電力供給率を求めることができる。
また、本実施形態の非接触給電システムにおいて、電力供給率検出部43は、電圧変換部の出力電圧V1と、負荷101に印加される電圧V2との高低から、電力供給率が他の給電部よりも低いか否かを検出するように構成されてもよい。
この場合、図11に示すように、給電部11,12の各々が、逆流防止素子45と出力電圧測定部46をさらに備えればよい。なお、逆流防止素子45および出力電圧測定部46を備えた点を除いては、図8に示す非接触給電システムと同様であるから、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、給電部11,12は同一の構成を有しており、図11では図示を簡単にするために、給電部11については整流部31および電圧変換部32以外の制御系の回路部分の図示を省略している。
逆流防止素子45は例えばダイオードであり、定電圧電源回路30の電圧変換部32と負荷101との間に、電圧変換部32から負荷101へと電流を流す向きに接続されている。出力電圧測定部46は、逆流防止素子45の負荷101側の端子電圧から、負荷101に印加される電圧V2を測定し、測定結果を電力供給率検出部43に出力する。また、出力電圧測定部37は、逆流防止素子45の電圧変換部32側の端子電圧から、定電圧電源回路30、すなわち電圧変換部32の出力電圧V1を測定し、測定結果を定電圧制御回路33および電力供給率検出部43に出力する。電力供給率検出部43は、出力電圧V1と電圧V2の高低を比較し、出力電圧V1が電圧V2よりも低ければ、他の給電部から電力供給が行われており、その結果、電力供給率が他の給電部よりも低くなっていると判断し、判断結果を調整部42に出力する。
調整部42は、電力供給率が他の給電部よりも低いとの検出結果が電力供給率検出部43から入力された場合、定電圧制御の設定電圧VL1を高くするように制御する。また調整部42は、電力供給率が他の給電部よりも低いとの検出結果が電力供給率検出部43から入力されなくなると、定電圧制御の設定電圧VL1を高くする制御を停止する。
このように調整部42が定電圧制御の設定電圧VL1を調整することによって、複数の給電部11,12の出力電圧がほぼ同じ電圧となり、複数の給電部11,12から負荷101に均等に電力が供給されるから、一部の給電部に電力供給が偏りにくくなる。
また、本実施形態の非接触給電システムにおいて、電力供給率検出部43は、定電圧電源回路30が定電圧制御を行う期間と、定電圧電源回路30が定電圧制御を行わない期間との割合から、電力供給率を求めるように構成されてもよい。この場合、図12に示すように給電部11,12の各々は制御モード判定部48をさらに備えていればよい。なお、制御モード判定部48を備えた点を除いては、図8に示す非接触給電システムと同様であるから、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、給電部11,12は同一の構成を有しており、図12では図示を簡単にするために、給電部11については整流部31および電圧変換部32以外の制御系の回路部分の図示を省略している。
制御モード判定部48は、PWM制御部36から制御モードの情報を受け取り、電圧変換部32が定電圧制御を行っているか、定電流制御を行っているかを判定し、判定結果を電力供給率検出部43に出力する。
電力供給率検出部43は、制御モード判定部48から入力される判定結果をもとに、定電圧電源回路30が定電圧制御を行う期間と、定電圧電源回路30が定電圧制御を行わない期間との割合から、電力供給率を求める。電力供給率検出部43は、電力供給率の検出結果を調整部42に出力する。調整部42は、上述したように電力供給率の測定結果に応じて、定電圧制御での設定電圧VL1を調整する。
このように、電力供給率検出部43は、定電圧電源回路30が定電圧制御を行う期間と定電圧制御を行わない期間との割合から、電力供給率を求めているので、他の給電部から供給電力の情報を取得する通信手段を備えなくても、電力供給率の検出が可能になる。
以上説明したように、本実施形態の非接触給電システムにおいて、定電圧電源回路30は、設定電圧VL1の電圧値を調整する調整部42(電圧調整部)を備えてもよい。
設定電圧VL1がばらつくと、複数の給電部11,12で設定電圧VL1が異なる可能性があり、複数の給電部11,12の一部に電力供給が偏る可能性がある。調整部42を用いて設定電圧VL1を調整することによって、複数の給電部11,12で設定電圧VL1のばらつきが低減されるから、複数の給電部11,12から負荷101に均等に電力を供給させることができ、一部の給電部に電力供給が偏りにくくなる。
本実施形態の非接触給電システムにおいて、複数の給電部11,12の各々は、各々の給電部11,12から負荷101に供給された電力の全供給電力に占める割合である電力供給率を測定する電力供給率検出部43(測定部)を備えてもよい。また、調整部42(電圧調整部)は、電力供給率検出部43によって測定された給電部ごとの電力供給率に応じて、設定電圧VL1を調整するように構成されてもよい。
調整部42が、電力供給率検出部43によって測定された電力供給率に応じて、設定電圧VL1を調整することで、一部の給電部に電力供給が偏りにくくなり、複数の給電部11,12から負荷101への電力供給を均等にすることができる。
また、本実施形態の非接触給電システムにおいて、複数の給電部11,12の各々が備える電力供給率検出部43(測定部)は、負荷101に供給された全供給電力の平均値を負荷101側で測定し、全供給電力の平均値と、各々の給電部から負荷101に供給された平均電力とに基づいて、電力供給率を求めるように構成されてもよい。
電力供給率検出部43は、負荷101に供給された全供給電力の平均値を負荷101側で測定し、この全供給電力の平均値を用いて電力供給率を求めているので、他の給電部から供給電力の情報を所得するための通信手段が不要になる。
また、本実施形態の非接触給電システムにおいて、電力供給率検出部43(測定部)は、システム起動時に電力供給率を求めるように構成されてもよい。
システム起動時に、給電装置10を、各給電部11,12のピックアップ部20と給電線200との磁気結合が良好な位置に移動させておくことで、電力供給率を正しく測定できる。
また、本実施形態の非接触給電システムにおいて、定電圧電源回路30と負荷101との間に、定電圧電源回路30から負荷101へと電流を流す向きに逆流防止素子45が接続されてもよい。そして、逆流防止素子45の負荷101側の端子電圧に比べて、逆流防止素子45の定電圧電源回路30側の端子電圧の方が低い場合、調整部42(電圧調整部)は、設定電圧VL1の電圧値を増加させるように設定電圧VL1を調整してもよい。
これにより、定電圧電源回路30の出力電圧V1が、負荷101に印加される電圧V2よりも低い場合、調整部42は設定電圧VL1を増加させるから、複数の給電部11,12の出力電圧のばらつきが低減される。したがって、複数の給電部11,12から負荷101に対して均等に電力が供給され、一部の給電部に電力供給が偏りにくくなる。
また、本実施形態の非接触給電システムにおいて、電力供給率検出部43(測定部)は、定電圧電源回路30が定電圧制御を行う期間と、定電圧電源回路30が定電圧制御を行わない期間との割合から、電力供給率を求めるように構成されてもよい。
これにより、他の給電部から供給電力の情報を所得するための通信手段を備えていなくても、電力供給率を求めることができる。
なお、本実施形態の特徴部分を、他の実施形態で説明した非接触給電システムに適用してもよく、本実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記した各実施形態の構成は本発明の一例に過ぎず、本発明は、上記の実施形態に限定されず、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能である。