JP6384517B2 - 塗膜構造 - Google Patents

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Description

本発明は、塗膜構造に関する。
防災上の観点などからビルや住宅等の建築物の外壁に難燃性を付与する場合、窯業サイディングと呼ばれる外装材を用いることが一般的である。
しかし、外観への装飾性付与の要求や外壁の塗り替えなどに応じて窯業サイディングを塗装してしまうと、火災が起きた際に炎から放射された遠赤外線によって塗膜が加熱され、塗膜中の樹脂や添加剤等の有機成分が分解・揮発し、発生した可燃性のガスに引火したり発火したりすることがある。そのため、塗膜にも難燃性が求められている。
従来、塗膜に難燃性を付与するには、耐熱性の高いシリコーン樹脂を用いていた。例えば特許文献1には、非ハロゲン系熱可塑性樹脂と、無機系難燃剤と、シリコーン樹脂とを含む難燃性樹脂組成物が開示されている。
しかし、シリコーン樹脂を含む難燃性樹脂組成物より形成される塗膜は上塗り適性に劣るため、外壁の塗り替えを考慮すると不向きであった。
シリコーン樹脂を用いずに塗膜に難燃性を付与する方法として、例えば特許文献2には、水性ポリウレタン樹脂と、イソシアネート類化合物と、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物とを含む難燃性塗料が開示されている。
特開平9−241512号公報 特表2015−535021号公報
しかしながら、特許文献2に記載の難燃性塗料の場合、難燃性を高めるために金属水酸化物を多量に配合すると、塗膜がひび割れるなどして外壁の外観を損なうことになる。特に、水酸化アルミニウムを多量に配合すると塗膜が淡色系になりやすいため、塗膜の色が制約されやすかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、難燃性に優れ、外観が良好であり、色の制約を受けにくい塗膜構造の提供を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 樹脂(a1)および難燃剤を含む塗膜(A)と、樹脂(b1)および着色顔料(b2)を含む着色塗料がゲル化膜で包まれたゲル状着色粒子を1色または2色以上含み、前記塗膜(A)上に設けられた単色または多彩模様の塗膜(B)とを備えた塗膜構造であって、前記塗膜(A)中の前記樹脂(a1)と前記難燃剤の質量比(樹脂(a1)/難燃剤)が18/82〜41/59であり、前記ゲル状着色粒子のそれぞれにおいて、前記樹脂(b1)と前記着色顔料(b2)の質量比(樹脂(b1)/着色顔料(b2))が57/43〜70/30であり、前記ゲル状着色粒子のそれぞれが、そのゲル状着色粒子に含まれる着色顔料(b2)の総質量に対して遮熱性着色顔料を55質量%以上含む、塗膜構造。
[2] 前記樹脂(b1)が、アクリル樹脂およびアクリルシリコーン樹脂の少なくとも一方である、[1]に記載の塗膜構造。
[3] 前記遮熱性着色顔料が、カルシウム−チタン−マンガン複合酸化物、ビスマス−マンガン複合酸化物、鉄−マンガン複合酸化物、マンガン−イットリウム複合酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の塗膜構造。
[4] 前記難燃剤が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよびポリリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の塗膜構造。
本発明によれば、難燃性に優れ、外観が良好であり、色の制約を受けにくい塗膜構造を提供できる。
本発明の塗膜構造の一例を示す断面図である。
図1は、本発明の塗膜構造の一例を示す断面図である。
この例の塗膜構造10は、塗膜(A)11と、塗膜(A)11上に設けられた塗膜(B)12とを備え、塗装対象物20の表面に設けられている。塗膜(A)11は下塗り塗膜であり、塗膜(B)12は上塗り塗膜である。
「塗膜(A)」
塗膜(A)11は、樹脂(a1)および難燃剤を含む。
樹脂(a1)としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル、ベオバ(分岐脂肪酸ビニルエステル)、天然または合成ゴムや、それらの共重合体のエマルジョンなど、一般に市販されている樹脂エマルジョンを使用することができる。中でも、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂が好ましい。
これら樹脂(a1)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、「アクリルシリコーン樹脂」とは、シリコーンで変性されたアクリル樹脂のことである。具体的には、シリコーングラフトアクリル樹脂が挙げられる。シリコーングラフトアクリル樹脂は、アクリル系単量体から誘導される主鎖に、シロキサンから誘導される側鎖がグラフトしたものである。
難燃剤としては無機系難燃剤、有機系難燃剤が挙げられる。
無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;リン酸アンモニウム(第三リン酸アンモニウム、化学式(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム(第二リン酸アンモニウム、化学式(NHHPO)、リン酸二水素アンモニウム(第一リン酸アンモニウム、化学式(NH)HPO)、ポリリン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の窒素化合物;三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物などが挙げられる。
有機系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、赤リン等のリン化合物;塩素化パラフィン等の塩素化合物、ポリ臭素化ビフェニル、ポリ臭素化ジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロデカン等の臭素化合物などが挙げられる。
これらの中でも、加熱されて分解したときに水または窒素等の不活性ガスが発生し、環境への負荷が少ない点で、金属水酸化物、窒素化合物が好ましく、その中でも水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモニウムがより好ましい。
これら難燃剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗膜(A)11中の樹脂(a1)と難燃剤の質量比(樹脂(a1)/難燃剤)は18/82〜41/59であり、18/82〜35/65が好ましい。難燃剤の割合が多くなるほど難燃性は高まるが、難燃剤の割合が多くなりすぎると塗膜(A)11を形成した際に、塗膜(A)11がひび割れてしまう。塗膜(A)11がひび割れた状態でその上に塗膜(B)12を形成すると、ひび割れが浮き出てしまい、塗膜構造10の塗膜外観が損なわれる。特に、難燃剤が金属水酸化物の場合、樹脂(a1)に対する金属水酸化物の割合が多すぎると塗膜(A)11のひび割れが顕著となる。樹脂(a1)と難燃剤の質量比が上記範囲内であれば、良好な塗膜外観を維持しつつ、高い難燃性を発現できる。加えて、塗膜(A)11上に塗膜(B)12を形成する際の塗料の塗布性も良好に維持できる。
なお、樹脂(a1)がエマルジョンの場合、前記質量比は固形分換算して求めた値である。
塗膜(A)11は、着色顔料(a2)や添加剤を含んでいてもよい。
着色顔料(a2)としては、例えばカーボンブラック、酸化チタン、クロム酸鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等の無機顔料;パール顔料、マイカ顔料、マイカコーティングパール顔料、ステンレス粉等の光輝性顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、マンガンブラウン等の有機顔料などが挙げられる。
また、塗膜(A)11は、着色顔料(a2)として、後述する遮熱性着色顔料を含んでいてもよい。
これら着色顔料(a2)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色顔料(a2)の含有量は、塗膜(A)中の樹脂(a1)の固形分100質量部に対して、30〜300質量部が好ましく、60〜250質量部がより好ましい。
添加剤としては、例えば体質顔料、増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、レベリング剤などが挙げられる。
体質顔料としては、例えば炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、含水ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。これら体質顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分散剤としては、例えばアニオン性高分子分散剤などが挙げられる。
塗膜(A)11は、樹脂(a1)および難燃剤と、必要に応じて着色顔料(a2)や添加剤とを含む着色塗料(a)より形成される。
着色塗料(a)は、樹脂(a1)および難燃剤と、必要に応じて着色顔料(a2)や添加剤とを所望の配合量となるように水等の溶媒に添加し、これを撹拌混合して得られる。
「塗膜(B)」
塗膜(B)12は、樹脂(b1)および着色顔料(b2)を含む着色塗料(b’)がゲル化膜で包まれたゲル状着色粒子を1色または2色以上含む塗膜である。
塗膜(B)12が、ゲル状着色粒子を1色含む場合、塗膜(B)12は単色の塗膜であり、ゲル状着色粒子を2色以上含む場合、塗膜(B)12は多彩模様(すなわち、複色)の塗膜である。
<ゲル状着色粒子>
ゲル状着色粒子は、着色塗料(b’)を分散媒に分散させることにより得られる。
(着色塗料(b’))
着色塗料(b’)は、樹脂(b1)および着色顔料(b2)を含む。また、着色塗料(b’)には親水性コロイド形成物質が含まれる。
樹脂(b1)としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル、ベオバ(分岐脂肪酸ビニルエステル)、天然または合成ゴムや、それらの共重合体のエマルジョンなど、一般に市販されている樹脂エマルジョンを使用することができる。中でも、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂が好ましい。
これら樹脂(b1)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色顔料(b2)としては、遮熱性着色顔料、非遮熱性着色顔料などが挙げられる。
ここで、「遮熱性着色顔料」とは、近赤外波長域(波長:780〜2500nm)の光を吸収しない、または近赤外波長域の光の吸収率が小さい着色顔料のことである。
遮熱性着色顔料としては、無機系遮熱顔料、有機系遮熱顔料が挙げられる。
無機系遮熱顔料としては、例えばアルミナやシリカ等で表面処理された酸化チタン(例えば石原産業株式会社製の「タイペークR−820N」)、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、チタン酸ナトリウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化セリウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物系顔料;カルシウム−チタン−マンガン複合酸化物(例えば石原産業株式会社製の「MPT−370」)、鉄−コバルト−クロム複合酸化物(例えば大日精化株式会社製の「ダイピロキサイドカラーブラウン#9290」、「ダイピロキサイドカラーブラック#9590」)、鉄−クロム複合酸化物(例えば大日精化株式会社製の「ダイピロキサイドカラーブラック#9595」、アサヒ化成工業株式会社製の「Black6350」)、鉄−マンガン複合酸化物、銅−マグネシウム複合酸化物(例えば大日精化株式会社製の「ダイピロキサイドカラーブラック#9598」)、ビスマス−マンガン複合酸化物(例えばアサヒ化成工業株式会社製の「Black6301」)、マンガン−イットリウム複合酸化物(例えばアサヒ化成工業株式会社製の「Black6303」)等の複合酸化物顔料;シリコン、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、ニッケル、チタン、クロム、カルシウム等の金属系顔料;鉄−クロム、ビスマス−マンガン、鉄−マンガン、マンガン−イットリウム等の合金系顔料などが挙げられる。これらの中でも複合酸化物顔料が好ましく、その中でも特に、環境への負荷が少ない点で、クロムを含まないカルシウム−チタン−マンガン複合酸化物、ビスマス−マンガン複合酸化物、鉄−マンガン複合酸化物、マンガン−イットリウム複合酸化物がより好ましい。
これら無機系遮熱顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機系遮熱顔料としては、例えばアゾ系顔料、アゾメチン系顔料、レーキ系顔料、チオインジゴ系顔料、アントラキノン系顔料(アントアンスロン顔料、ジアミノアンスラキノニル顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、アントラピリミジン顔料など)、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キニフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料などが挙げられる。
これら有機系遮熱顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非遮熱性着色顔料としては、塗膜(A)11の説明において先に例示した着色顔料(a2)が挙げられる。
親水性コロイド形成物質は、後述するゲル化剤と反応して着色塗料(b’)をゲル化膜で包む(すなわち、着色塗料(b’)をゲル化膜でカプセル化する)ものである。
親水性コロイド形成物質としては、例えばセルロース誘導体;ポリチレンオキサイド;ポリビニルアルコール;カゼイン、デンプン、ガラクトマンノン、グアルゴム、ローカストビーンゴム等の天然高分子などを含有する水溶液が挙げられる。中でもグアルゴムの水溶液が好ましく、水溶液の濃度は0.5〜5質量%が好ましく、1.0〜3質量%がより好ましい。
これら親水性コロイド形成物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗膜(B)12に含まれるゲル状着色粒子のそれぞれにおいて、親水性コロイド形成物質の含有量は、そのゲル状着色粒子の製造に用いる着色塗料(b’)に含まれる樹脂(b1)の固形分100質量部に対して、0.05〜5質量部が好ましく、0.1〜3.0質量部がより好ましい。親水性コロイド形成物質の含有量を上記範囲内とすることにより、安定したゲル化膜が得られる。
着色塗料(b’)は、添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、塗膜(A)11の説明において先に例示した添加剤が挙げられる。
着色塗料(b’)は、例えば、樹脂(b1)に親水性コロイド形成物質を加え撹拌混合したものに、着色顔料(b2)と水と必要に応じて添加剤との混合溶液を加えさらに撹拌混合して得られる。
(分散媒)
本発明に使用される分散媒は、ゲル化剤を含む水性の分散媒である。
ゲル化剤としては、例えば、マグネシウムモンモリロナイト粘土、ナトリウムペンタクロロフェノール、ホウ酸塩、タンニン酸、乳酸チタン、塩化カルシウムなどを含有する水溶液が挙げられる。中でもホウ酸塩の水溶液が好ましく、水溶液の濃度は0.05〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜8質量%である。これらゲル化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ゲル化剤の含有量は、分散媒100質量%中、0.05〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。ゲル化剤の含有量を上記範囲内とすることにより、安定したゲル化膜が得られる。
分散媒には、必要に応じて体質顔料や水溶性高分子化合物が任意成分として含まれてもよい。
体質顔料としては、カオリン、硫酸バリウム、含水ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどを含有する分散液が挙げられる。中でも含水ケイ酸マグネシウムの分散液が好ましく、分散液の濃度は0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。これら体質顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
体質顔料の含有量は、分散媒100質量%中、0.05〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
水溶性高分子化合物としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどを含有する水溶液が挙げられる。中でもカルボキシメチルセルロースの水溶液が好ましく、水溶液の濃度は0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量%である。これら水溶性高分子化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水溶性高分子化合物の含有量は、分散媒100質量%中、0.05〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%である。
分散媒は、ゲル化剤を含む水溶液と、必要に応じて体質顔料を含む分散液、および水溶性高分子化合物を含む水溶液とを撹拌混合したものに、水を加え希釈することにより得られる。
(ゲル状着色粒子の製造方法)
着色塗料(b’)がゲル化膜で包まれたゲル状着色粒子は公知の技術で製造できる。具体例として、前記着色塗料(b’)を前記分散媒中に混合し、ディソルバなどの分散機で撹拌しながら細分化して製造する。これにより、着色塗料(b’)に含まれる親水性コロイド形成物質と、分散媒に含まれるゲル化剤とが作用して形成される三次元的網状組織の中に着色塗料(b’)が閉じ込められ、さらに細分化することにより、着色塗料(b’)がゲル化膜でカプセル化した(ゲル化膜で包まれた)ゲル状着色粒子が分散媒に分散した状態で得られる。
着色塗料(b’)の配合量は、分散媒100質量部に対して100〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは150〜400質量部である。着色塗料(b’)の配合量を上記範囲内とすることにより、形状が均一なゲル状着色粒子が得られやすくなる。
着色塗料(b’)をゲル化膜で包む(カプセル化する)ことにより、ゲル状着色粒子が分散媒中で安定して分散することができる。
塗膜(B)12に含まれるゲル状着色粒子のそれぞれにおいて、そのゲル状着色粒子に含まれる樹脂(b1)と着色顔料(b2)の質量比(樹脂(b1)/着色顔料(b2))は57/43〜70/30であり、60/40〜65/35が好ましい。
なお、樹脂(b1)がエマルジョンの場合、前記質量比は固形分換算して求めた値である。
各ゲル状着色粒子における樹脂(b1)と着色顔料(b2)の質量比を上記範囲内とするには、各ゲル状着色粒子の製造に用いる各着色塗料(b’)での質量比が上記範囲内となるように、各着色塗料(b’)の配合を調整すればよい。
また、塗膜(B)12に含まれるゲル状着色粒子のそれぞれは、そのゲル状着色粒子に含まれる着色顔料(b2)の総質量に対して遮熱性着色顔料を55質量%以上含み、60質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましく、80質量%以上含むことがさらに好ましく、90質量%以上含むことが特に好ましい。各ゲル状着色粒子中の遮熱性着色顔料の含有量が55質量%以上であれば、塗膜の温度の上昇を効果的に抑制でき、十分な難燃性を発現できる。難燃性は遮熱性着色顔料の含有量が多い程高まる傾向にあることから、各ゲル状着色粒子中の遮熱性着色顔料の含有量の上限は、そのゲル状着色粒子に含まれる着色顔料(b2)の総質量に対して100質量%が好ましい。
各ゲル状着色粒子における遮熱性着色顔料の含有量を上記範囲内とするには、各ゲル状着色粒子の製造に用いる各着色塗料(b’)での遮熱性着色顔料の含有量が上記範囲内となるように、各着色塗料(b’)の配合を調整すればよい。
なお、ゲル状着色粒子の製造においては、2色以上の着色塗料(b’)を別々に調製しておき、これらを混合してゲル状着色粒子を製造してもよい。
2色以上の着色塗料(b’)を混合してゲル状着色粒子を製造する場合、混合後の着色塗料(b’)において、樹脂(b1)および着色顔料(b2)の質量比と、遮熱性着色顔料の含有量が上述した範囲内となればよい。よって、混合前の各着色塗料(b’)の全てにおいて、樹脂(b1)および着色顔料(b2)の質量比と、遮熱性着色顔料の含有量が上述した範囲内とならなくてもよい。
<他の成分>
塗膜(B)12は、ゲル状着色粒子以外に、本発明の効果を損なわない範囲でバインダ樹脂や添加剤を含有してもよい。
バインダ樹脂としては、例えばポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル、ベオバ(分岐脂肪酸ビニルエステル)、天然又は合成ゴムや、それらの共重合体のエマルジョン等の樹脂エマルジョンなどが挙げられる。
塗膜(B)12中のバインダ樹脂の含有量は特に限定されない。バインダ樹脂の割合が多くなるほど製膜しやすくなる傾向にあるが、多くなりすぎると十分な難燃性が得られにくくなる場合がある。なお、バインダ樹脂がエマルジョンの場合、バインダ樹脂の含有量は固形分換算して求める。
添加剤としては、例えば増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、レベリング剤などが挙げられる。
なお、塗膜(B)12は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば難燃剤を含んでいてもよい。ただし、上述したように難燃剤の含有量が多くなると塗膜がひび割れることがある。よって、難燃剤の含有量は少ない程好ましく、実質含まないことがより好ましい。
ここで、「実質含まない」とは、塗膜(B)12の総質量に対して1質量%未満を意味する。
塗膜(B)12は、1色以上のゲル状着色粒子と、必要に応じてバインダ樹脂や添加剤とを含む着色塗料(b)より形成される。
着色塗料(b)は、1色以上のゲル状着色粒子と、必要に応じてバインダ樹脂や添加剤とを所望の配合量となるように水等の溶媒に添加し、これを撹拌混合して得られる。
なお、塗膜(B)12がゲル状着色粒子を2色以上含む場合、各ゲル状着色粒子を別々に製造しておき、着色塗料(b)を調製する際にこれらを混合してもよいし、1つの分散媒に色の異なる複数の着色塗料(b’)を順次にまたは同時に添加して、2色以上のゲル状着色粒子を1つの分散媒中で製造してもよい。
「塗膜構造の製造方法」
塗膜構造10は、例えば以下のようにして得られる。
まず、塗装対象物(被塗装物)20上に着色塗料(a)を塗装し、常温乾燥または加熱乾燥して塗膜(A)11を形成する。次いで、得られた塗膜(A)11上に着色塗料(b)を塗装し、常温乾燥または加熱乾燥して塗膜(B)12を形成すし、塗膜構造10を得る。
着色塗料(a)および着色塗料(b)の塗装方法については特に制限されず、例えば、刷毛、こて、ローラー、スプレーなどの公知の塗布方法で塗布することができる。
塗装対象物20としては特に制限はなく、例えば、軽量気泡コンクリート、モルタル被覆面、窯業サイディング、漆喰、石膏ボード、金属板、コンクリート、木材、プラスチック、FRP等が挙げられるが、このなかでも、軽量気泡コンクリート、モルタル被覆面、窯業サイディング等の外壁用の建築材料が適している。
「作用効果」
着色顔料を含む塗膜は、遠赤外線を吸収しやすく、塗膜の温度が上昇しやすい傾向にある。例えば、カーボンブラックは黒色の塗膜を得るために一般的に用いられる着色顔料であるが、カーボンブラックは遠赤外線を吸収しやすいため、加熱が促進されやすく、塗膜を形成する樹脂や添加剤の分解温度まで塗膜の温度が早く到達してしまうことがある。
しかし、本発明の塗膜構造10は、下塗り塗膜である塗膜(A)11上に、上塗り塗膜である塗膜(B)12が設けられている。
塗膜(B)12は、特定量の遮熱性着色顔料を含有するゲル状着色粒子を含んでいる。遮熱性着色顔料は近赤外線を反射しやすい性質を有するとともに、カーボンブラックに比べて遠赤外線の反射率が高く、塗膜の温度が上昇するのを抑制できる。
一方、塗膜(A)11は、特定量の難燃剤を含んでいる。難燃剤は加熱されると分解して窒素等のガスや水などを生成する。例えば、難燃剤が金属水酸化物の場合は水が生成され、窒素化合物の場合は窒素(不活性ガス)が生成され、塩素化合物の場合は塩化水素が生成され、臭素化合物の場合は臭化水素が生成される。難燃剤の加熱により水が生成する場合、この生成した水が蒸発する際の気化熱によって、塗膜(B)12の温度を下げることができる。また、難燃剤の加熱により窒素、塩化水素、臭化水素等のガスが生成する場合、この生成したガスによる空気の遮断効果により、塗膜構造10の燃焼を抑制し、塗膜(B)12の温度を下げることができる。
よって、本発明の塗膜構造10は、難燃性に優れる。しかも、従来のように難燃性を高めるために金属水酸化物等の難燃剤を多量に配合する必要がなく、塗膜(A)11中の難燃剤の含有量を規定しているので、塗膜がひび割れにくく、塗膜外観が良好である。
このように、本発明であれば塗膜(B)12が単色の塗膜であっても、多彩模様の塗膜であっても、難燃性に優れた塗膜構造10が容易に得られる。
また、遮熱性着色顔料として濃色系のものを用いれば難燃性に優れる濃色系の塗膜構造が得られ、遮熱性着色顔料として淡色系のものを用いれば難燃性に優れる淡色系の塗膜構造が得られることから、色の制約を受けにくい。特に、塗膜(B)12が多彩模様の塗膜の場合、濃色系の遮熱性着色顔料を含むゲル状着色粒子と、淡色系の遮熱性着色顔料を含むゲル状着色粒子とを併有する塗膜(B)12とすれば、濃色系の色味と淡色系の色味の両方を有する外観の塗膜構造10とすることもできる。また、多彩模様の塗膜(B)12にはゲル状着色粒子が2色以上含まれるので、意匠性にも優れる。
[他の実施形態]
本発明の塗膜構造は、上述したものに限定されない。
塗膜構造は、塗装対象物の表面に設けられるが、塗装対象物上に直接設けられていてもよいし、プライマー層を介して設けられていてもよい。また、塗膜構造には、必要に応じて塗膜(B)上にクリアトップコート層が設けられていてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、塗膜(A)と、塗膜(B)との間に中間層が設けられていてもよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[着色塗料(a)の調製]
「着色塗料(a−1)」
アクリル樹脂エマルジョン(日本アクリル化学株式会社製、「プライマルAC−38」、固形分45質量%)25質量部(固形分換算で11.25質量部)と、水酸化アルミニウム50質量部と、添加剤として分散剤および消泡剤を合計で2質量部と、水23質量部とを混合し、着色塗料(a−1)を得た。
「着色塗料(a−2)〜(a−12)」
表1、2に示す配合組成に変更した以外は、着色塗料(a−1)と同様にして着色塗料(a−2)〜(a−12)を得た。
Figure 0006384517
Figure 0006384517
[着色塗料(b’)の調製]
「着色塗料(b’−1)」
アクリル樹脂エマルジョン(日本アクリル化学株式会社製、「プライマルAC−38」、固形分45質量%)38質量部(固形分換算で17.1質量部)と、親水性コロイド形成物質として非イオン性グアルゴム誘導体の1.5質量%水溶液28.5質量部(固形分換算で0.4275質量部)との混合溶液(α)を準備した。
別途、着色顔料として鉄−クロム複合酸化物(大日精化株式会社製の「ダイピロキサイドカラーブラック#9595」)10質量部と、アニオン性高分子分散剤(日本アクリル化学株式会社製、「オロタン731」)1質量部と、水22.5質量部との混合溶液(β)を準備した。
混合溶液(α)に混合溶液(β)を加えて撹拌し、着色塗料(b’−1)を得た。
「着色塗料(b’−2)〜(b’−7)」
表3に示す配合組成に変更した以外は、着色塗料(b’−1)と同様にして着色塗料(b’−2)〜(b’−7)を得た。
なお、表3中の遮熱顔料ブラック1、2、遮熱顔料ブラウン、カーボンブラック、ブラウンとして、以下のものを用いた。
・遮熱顔料ブラック1:鉄−クロム複合酸化物(大日精化株式会社製、「ダイピロキサイドカラーブラック#9595」)
・遮熱顔料ブラック2:カルシウム−チタン−マンガン複合酸化物(石原産業株式会社製、「MPT−370」)
・遮熱顔料ブラウン:鉄−コバルト−クロム複合酸化物(大日精化株式会社製、「ダイピロキサイドカラーブラウン#9290」)
・カーボンブラック:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、「三菱カーボンブラックMA−100」)
・ブラウン:鉄−亜鉛複合酸化物(チタン工業株式会社製、「T−10」)
Figure 0006384517
[ゲル状着色粒子の製造]
「ゲル状着色粒子の分散体(G1)」
含水ケイ酸マグネシウムの4質量%水中分散液25質量部(固形分1質量部)に、重ホウ酸アンモニウムの5質量%水溶液5質量部(固形分0.25質量部)と、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの1質量%水溶液25質量部(固形分0.25質量部)を加え撹拌混合した後、水45質量部を加えて希釈し、分散媒を得た。
得られた分散媒40質量部に、着色塗料(b’−1)60質量部を加え、ディソルバで撹拌し、粒径が10mmになるまで分散して、ゲル状着色粒子の分散体(G1)を得た。
なお、表4に示す着色塗料(b’)の量(質量部)は、分散媒に添加する着色塗料(b’)の配合組成である。
「ゲル状着色粒子の分散体(G2)〜(G12)」
分散媒40質量部に、表4に示す種類と配合組成の着色塗料(b’)を単独または混合したものを合計で60質量部添加した以外は、ゲル状着色粒子の分散体(G1)と同様にしてゲル状着色粒子の分散体(G2)〜(G12)を得た。
Figure 0006384517
[試験1]
以下のようにして塗膜構造を製造し、難燃性および塗膜外観を評価した。
なお試験1では、塗膜(A)上に単色の塗膜(B)を形成した。
また、例1〜8、13〜21、26〜33、50〜57、74〜81、86〜94は実施例に相当し、例9〜12、22〜25、34〜49、58〜73、82〜85、95〜100は比較例に相当する。
「例1」
着色塗料(a)として、着色塗料(a−1)を用いた。
別途、アクリル樹脂エマルジョン(日本アクリル化学株式会社製、「プライマルAC−38」、固形分45質量%)29.8質量部(固形分換算で13.41質量部)に、ゲル状着色粒子の分散体(G1)45質量部と、アルカリ可溶型増粘剤(サンノプコ株式会社製、「SNシックナー636」)1質量部と、25質量%アンモニア水0.2質量部と、水24質量部とを混合し、ディソルバで撹拌して着色塗料(b)を調製した。
基材(軽量気泡コンクリート)上に、塗布量が1000g/mになるようスプレーにより着色塗料(a)を塗布し、常温乾燥して塗膜(A)を形成した。
次いで、塗膜(A)上に、塗布量が300g/mになるようスプレーにより着色塗料(b)を塗布し、常温乾燥して塗膜(B)を形成し、塗膜構造を得た。
得られた塗膜構造について、以下のようにして難燃性および塗膜外観を評価した。結果を表5に示す。
<難燃性の評価>
(最高発熱速度の測定)
国土交通省認可の法定性能評価機関(一般財団法人建材試験センター等)が定める「防耐火性能試験・評価業務方法書」に規定される「4.10 不燃性能試験・評価方法」における「4.10.2 発熱性試験・評価方法」に準拠して、最高発熱速度を測定した。
(着火時間の測定)
国土交通省認可の法定性能評価機関(一般財団法人建材試験センター等)が定める「防耐火性能試験・評価業務方法書」に規定される「4.10 不燃性能試験・評価方法」における「4.10.2 発熱性試験・評価方法」に準拠して、着火時間を測定した。
<塗膜外観の評価>
塗膜(A)を形成した際に、ひび割れの有無を目視にて確認し、以下の評価基準にて評価した。
○:ひび割れが確認されない。
×:ひび割れが確認された。
「例2〜100」
着色塗料(a)の種類を表5〜7に示すように変更し、ゲル状着色粒子の分散体の種類を表5〜7に示すように変更した以外は、例1と同様にして塗膜構造を製造し、評価した。結果を表5〜7に示す。
Figure 0006384517
Figure 0006384517
Figure 0006384517
表5〜7から明らかなように、例1〜8、13〜21、26〜33、50〜57、74〜81、86〜94で得られた塗膜構造は、難燃性に優れ、塗膜外観も良好であった。
一方、例10〜12、23〜25、35〜45、47〜49、59〜69、71〜73、83〜85、96〜100で得られた塗膜構造は、難燃性に劣っていた。
例9、22、34、46、58、70、82、95で得られた塗膜構造は、塗膜外観に劣っていた。
[試験2]
以下のようにして塗膜構造を製造し、難燃性および塗膜外観を評価した。
なお試験2では、塗膜(A)上に多彩模様の塗膜(B)を形成した。
また、例101〜108、113〜120、125〜132、137〜144は実施例に相当し、例109〜112、121〜124、133〜136、145〜172は比較例に相当する。
「例101」
着色塗料(a)として、着色塗料(a−1)を用いた。
別途、アクリル樹脂エマルジョン(日本アクリル化学株式会社製、「プライマルAC−38」、固形分45質量%)29.8質量部(固形分換算で13.41質量部)に、ゲル状着色粒子の分散体(G3)と(G9)を合計で45質量部と、アルカリ可溶型増粘剤(サンノプコ株式会社製、「SNシックナー636」)1質量部と、25質量%アンモニア水0.2質量部と、水24質量部とを混合し、ディソルバで撹拌して着色塗料(b)を調製した。なお、ゲル状着色粒子の分散体(G3)と(G9)の質量比((G3):(G9))を50:50とした。
基材(軽量気泡コンクリート)上に、塗布量が1000g/mになるようスプレーにより着色塗料(a)を塗布し、常温乾燥して塗膜(A)を形成した。
次いで、塗膜(A)上に、塗布量が300g/mになるようスプレーにより着色塗料(b)を塗布し、常温乾燥して塗膜(B)を形成し、塗膜構造を得た。
得られた塗膜構造について、例1と同様にして難燃性および塗膜外観を評価した。結果を表8に示す。
「例102〜172」
着色塗料(a)の種類を表8、9に示すように変更し、ゲル状着色粒子の分散体の種類と比率を表8、9に示すように変更した以外は、例101と同様にして塗膜構造を製造し、評価した。結果を表8、9に示す。
Figure 0006384517
Figure 0006384517
表8、9から明らかなように、例101〜108、113〜120、125〜132、137〜144で得られた塗膜構造は、難燃性に優れ、塗膜外観も良好であった。
一方、例110〜112、122〜124、134〜136、146〜156、158〜168、170〜172で得られた塗膜構造は、難燃性に劣っていた。
例109、121、133、145、157、169で得られた塗膜構造は、塗膜外観に劣っていた。
10 塗膜構造
11 塗膜(A)
12 塗膜(B)
20 塗装対象物

Claims (4)

  1. 樹脂(a1)および難燃剤を含む塗膜(A)と、樹脂(b1)および着色顔料(b2)を含む着色塗料がゲル化膜で包まれたゲル状着色粒子を1色または2色以上含み、前記塗膜(A)上に設けられた単色または多彩模様の塗膜(B)とを備えた塗膜構造であって、
    前記塗膜(A)中の前記樹脂(a1)と前記難燃剤の質量比(樹脂(a1)/難燃剤)が18/82〜41/59であり、
    前記ゲル状着色粒子のそれぞれにおいて、前記樹脂(b1)と前記着色顔料(b2)の質量比(樹脂(b1)/着色顔料(b2))が57/43〜70/30であり、
    前記ゲル状着色粒子のそれぞれが、そのゲル状着色粒子に含まれる着色顔料(b2)の総質量に対して遮熱性着色顔料を55質量%以上含み、前記遮熱性着色顔料は下記金属酸化物系顔料、複合酸化物顔料、金属系顔料、合金系顔料、有機系顔料の群から選択される少なくとも1種である、塗膜構造。
    [遮熱性着色顔料]
    アルミナ又はシリカで表面処理された酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、チタン酸ナトリウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化セリウム、酸化アルミニウムから選択された金属酸化物系顔料;
    カルシウム−チタン−マンガン複合酸化物、鉄−コバルト−クロム複合酸化物、鉄−クロム複合酸化物、鉄−マンガン複合酸化物、銅−マグネシウム複合酸化物、ビスマス−マンガン複合酸化物、マンガン−イットリウム複合酸化物から選択された複合酸化物顔料;
    シリコン、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、ニッケル、チタン、クロム、カルシウムから選択された金属系顔料;
    鉄−クロム、ビスマス−マンガン、鉄−マンガン、マンガン−イットリウムから選択された合金系顔料;
    アゾ系顔料、アゾメチン系顔料、レーキ系顔料、チオインジゴ系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キニフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料から選択された有機系顔料。
  2. 前記樹脂(b1)が、アクリル樹脂およびアクリルシリコーン樹脂の少なくとも一方である、請求項1に記載の塗膜構造。
  3. 前記遮熱性着色顔料が、カルシウム−チタン−マンガン複合酸化物、ビスマス−マンガン複合酸化物、鉄−マンガン複合酸化物、マンガン−イットリウム複合酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の塗膜構造。
  4. 前記難燃剤が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよびポリリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗膜構造。
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