JP6382623B2 - 燃料電池システム、燃料電池システムの制御装置、及び燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システム、燃料電池システムの制御装置、及び燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば燃料電池セルが複数組み合わされた燃料電池スタックなどを備えた燃料電池システム、該燃料電池システムの制御装置、及び該燃料電池システムの制御方法に関する。
従来より、例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC:以下単に燃料電池と記す)としては、固体電解質である固体酸化物層の両面に電極を配した燃料電池セルに対して、酸化剤ガス(通常空気)と燃料ガス(都市ガス等)を供給して発電を行うものが知られている。
また、このような燃料電池では、一個の燃料電池セルで得られる電力量は小さいので、燃料電池セルを複数個使用して燃料電池スタックを構成して大きな電力を得るように設計されている。
ところで、この種の燃料電池においては、発電を好適に行うために、発電部である燃料電池スタックを、例えば700〜750℃といった発電に適した温度範囲に維持する必要がある。
特に、定常運転時の要求負荷変動に伴う発電条件変動の際に、上述した温度範囲の上限を上回った場合には、燃料電池スタックおよび周辺部材の耐久性能が低下するという問題が発生するので、この温度範囲の上限を上限温度とし、発電時には、この上限温度よりも低い温度を発電目標温度(目標温度)として制御することが望ましい。
このような制御の方法として、例えば、下記特許文献1、2の技術が開示されている。これらの従来技術は、いずれも、目標温度に対して燃料電池スタックの温度(スタック温度)が高い場合に空気投入量を増量し、その一部を冷却用空気として燃料電池スタックの温度上昇を抑制するものであり、その制御は、目標温度を外れた際に空気投入量を調整するフィードバック制御である。
特開2010−123374号公報 特開2010−092836号公報
上述したフィードバック制御は、燃料電池スタックを安定な状態を保つためには有効な制御であるが、安定な状態を保つためには、制御対象の状態を正しく監視する必要があるため、下記のような問題が生ずることがあった。
具体的には、燃料電池の発電中には、燃料電池スタック内部(発電部)の温度を測定することが難しいため、燃料電池スタックを支えているフレームなどの周囲の温度からスタック内部(発電部)の温度を推測する方法がとられるが、この場合には、測温部位が燃料電池スタックから離れているため、燃料電池スタックの温度変化に対し測温部位の温度変化に遅れが発生するという問題がある。
例えば、燃料電池スタックから取り出す電流が急激に増加し、燃料電池スタック内部(発電部)の温度が大きく上昇する際には、測温部位までの伝熱に遅延が生じると、燃料電池スタック内部(発電部)の温度が許容温度(上限温度)を上回ってしまう可能性がある。
また、フィードバック制御での空気投入増量によるスタック温度の低下という状態において、測温部位までの伝熱遅延によって測温部位の測定温度が上昇を続けると、過剰に空気投入増量を続けることとなり、燃料電池スタック内部(発電部)の温度が低下し過ぎる可能性がある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、燃料電池に対して適切なタイミング、適切な比率で酸化剤ガスを供給することにより、好適な温度にて発電を行うことができる燃料電池システム、燃料電池システムの制御装置、及び燃料電池システムの制御方法を提供することを目的とする。
(1)本発明(燃料電池の制御装置)は、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受け、該燃料ガスと該酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池を備えた燃料電池システムの動作を制御する燃料電池システムの制御装置において、前記燃料電池の発電の際に、該燃料電池の温度が所定以上に上昇することを抑制するために、該燃料電池に供給する前記酸化剤ガス(A)の前記燃料ガス(H)に対する比率(A/H)を増加させる増加制御を行う構成を備えており、前記燃料電池の温度が所定の閾温度以上となった場合に、前記増加制御を開始するとともに、該増加制御における前記燃料電池の目標温度と前記燃料電池の温度が安定した安定温度との温度差を求め、前記安定温度が前記目標温度より高い場合には、前記温度差の分だけ前記所定の閾温度を減少させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定し、前記安定温度が前記目標温度より低い場合には、前記温度差の分だけ前記所定の閾温度を増加させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定することを特徴とする。
本第1態様では、基本的な動作として、燃料電池スタック等の燃料電池の運転時(発電時)に、燃料電池の温度が過度に上昇することを抑制するために、燃料電池に供給する酸化剤ガス(A)の燃料ガス(H)に対する比率(A/H)を増加させる増加制御を行う。
そして、この増加制御の際の燃料電池の目標温度と燃料電池の温度が安定した安定温度との温度差を求め、安定温度が目標温度より高い場合には、温度差の分だけ前記所定の閾温度を減少させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定し、安定温度が目標温度より低い場合には、温度差の分だけ前記所定の閾温度を増加させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定する。
つまり、増加制御の際の供給ガスの比率(A/H)によって、燃料電池の安定温度と目標温度との温度差が変化すると考えられるので、本発明では、次回の増加制御の際に目標温度に容易に到達できるように、安定温度が目標温度より高い場合には、温度差の分だけ前記所定の閾温度を減少させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定し、安定温度が目標温度より低い場合には、温度差の分だけ前記所定の閾温度を増加させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定する。
具体的には、例えば後述する図2及び図3に示すように、次回の増加制御を開始する閾温度を変化させることにより、燃料電池の温度を速やかに目標温度域で安定化させることができる。
このように、本発明では、燃料電池の目標温度と燃料電池の安定温度との温度差の分だけ閾温度を増加又は減少させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定するという簡易な手法で、増加制御の増加開始タイミングを設定できる。
しかも、このように安定温度と目標温度との温度差に基づいて設定した閾温度を用いて増加制御を行うことにより、燃料電池が温度上昇する途中から冷却工程を開始するとともに温度上昇に合わせた冷却量とするため、燃料電池とその温度を測定する測定部位との間で伝熱遅延があっても、過度の温度上昇を抑えられるとともに、過冷却による温度低下を抑制することができるという顕著な効果を奏する。
また、酸化剤ガスを増量し一部を冷却用とすることは、システムの駆動電力の増加につながり発電効率低下につながるため、冷却用の酸化剤ガスの増量はできるだけ少ないほうが望ましいが、本発明は、上述した制御によって、適量の酸化剤ガスを供給できるので、発電効率が高いという利点もある。
なお、ここで、燃料電池とは、燃料電池セルや燃料電池スタック等のように、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受けて発電を行うものであり、燃料電池システムとは、燃料電池を備えるとともに、その燃料電池に燃料ガスと酸化剤ガスとを供給して発電させるための構成を備えるものである。
)本発明は、第態様として、前記増加制御を開始した後、前記燃料電池の温度が上昇している場合と下降している場合とで、前記比率(A/H)の変化量(A/H変化量)を変更することを特徴とする。
本第態様では、増加制御を開始した後、即ち増加制御実行中において、燃料電池の温度が上昇している場合と下降している場合とで、供給ガスの比率(A/H)の変化量(即ち比率(A/H)を変化させる量であるA/H変化量)を変更するので、例えばA/H変化量の正負やその絶対値を変更するので、燃料電池の温度を好適に目標温度に近づけることができる。
具体的には、増加制御を行った結果、燃料電池の温度が下降に転じた場合には、比率(A/H)が過大(即ち酸化剤ガスが過剰)であることが考えられる。従って、その様な場合には、比率(A/H)を減少させることにより燃料電池の温度の過度な下降を抑制するが、A/H変化量(減少幅)を温度上昇時のA/H変化量(増加幅)よりも小さくすることにより、燃料電池の温度の過度の下降を抑制するとともに、燃料電池の温度が安定する比率(A/H)を容易に得ることが可能となる。
)本発明は、第態様として、前記燃料電池の温度が目標温度に到達する前と後とで、前記比率(A/H)の変化量(A/H変化量)を変更することを特徴とする。
本第4態様では、燃料電池の温度が目標温度に到達する前と後とで、A/H変化量を変更するので、燃料電池の温度の過度の上昇を抑制することができる。
具体的には、燃料電池の温度が目標温度に到達した後も、同じ比率(A/H)で酸化剤ガス等を供給すると、燃料電池の温度が過度に上昇する恐れがあるが、目標温度に到達後に、A/H変化量を大きくする(即ち絶対値を大きくする)ことによって(空気の割合がより大きく増えるので)、燃料電池の温度の過度の上昇を抑制することができる。
)本発明は、第態様として、前記燃料電池から排出される未燃ガスを燃焼部(残ガス燃焼器)にて燃焼させて処理する構成を備えるとともに、前記増加制御にて設定される前記比率(A/H)が、前記燃焼部における燃焼の失火が発生する直前の限界比率に達した場合には、前記失火が発生しないように、該燃料電池の出力を規定する運転モードを変更することを特徴とする。
本第態様では、供給ガスの比率(A/H)で失火が発生する直前の限界比率に達した場合には、酸化剤ガスを増量する制御を行うことが適切でない(このまま増量制御を続けると失火が発生する)と判断して、失火が発生しないように、運転モードを変更して、燃料電池の出力を変更する(例えば最大出力を低減する)。
これによって、増加制御を行う際の失火を防止することができる。なお、最大出力を低減すると、燃料電池の発熱量が減少し、温度調整に必要な空気量を減らすことができるため、失火を防止することができる。
)本発明(燃料電池システム)は、第態様として、前記第1〜第態様のいずれかに記載の燃料電池システムの制御装置を備えたことを特徴とする。
本第態様は、燃料電池システムの制御装置を備えた燃料電池システムを例示したものである。
)本発明(燃料電池システムの制御方法)は、第態様として、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受けて該燃料ガスと該酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池を備えた燃料電池システムの動作を制御する燃料電池システムの制御方法において、前記燃料電池の発電の際に、該燃料電池の温度が所定以上に上昇することを抑制するために、該燃料電池に供給する前記酸化剤ガス(A)の前記燃料ガス(H)に対する比率(A/H)を増加させる増加制御を行う制御方法であって前記燃料電池の温度が所定の閾温度以上となった場合に、前記増加制御を開始するとともに、該増加制御における前記燃料電池の目標温度と前記燃料電池の温度が安定した安定温度との温度差を求め、前記安定温度が前記目標温度より高い場合には、前記温度差の分だけ前記所定の閾温度を減少させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定し、前記安定温度が前記目標温度より低い場合には、前記温度差の分だけ前記所定の閾温度を増加させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定することを特徴とする。
本第態様の燃料電池システムの制御方法は、前記第1態様の燃料電池システムの制御装置と同様な作用効果を奏する。
なお、以下では、燃料電池の構成や燃料電池に使用されるガスについて説明する。
・燃料ガスは、酸化剤ガスと反応させて発電を行うためのガスであり、この燃料ガスとしては、水素、還元剤となる炭化水素、水素と炭化水素との混合ガス、及びこれらのガスを所定温度の水中を通過させ加湿した燃料ガス、これらのガスに水蒸気を混合させた燃料ガス等が挙げられる。炭化水素は特に限定されず、例えば、天然ガス、ナフサ、石炭ガス化ガス等が挙げられる。これらの燃料ガスは1種類のみを用いても良いし、2種以上を併用してもよい。また50体積%以下の窒素及びアルゴン等の不活性ガスを含有してもよい。
・酸化剤ガスは、燃料ガスと反応させて発電を行うためのガスであり、酸素を含む空気等のガスであり、この酸化剤ガスとしては、酸素を含む空気等のガスなど、酸素と他の気体との混合ガス等を用いることができる。更に、この混合ガスには、80体積%以下の窒素及びアルゴン等の不活性ガスを含有してもよい。これらの酸化剤ガスのうち、空気が好ましい。
・燃料電池としては、固体電解質体(固体酸化物体)に燃料極と空気極とを備えた燃料電池セルを複数個用いた燃料電池スタックを採用できる。
この固体酸化物体は、電池の作動時に燃料極に導入される燃料ガス又は空気極に導入される酸化剤ガスのうちの一方の一部をイオンとして移動させることができるイオン伝導性を有する。このイオンとしては、例えば、酸素イオン及び水素イオン等が挙げられる。また、燃料極は、還元剤となる燃料ガスと接触し、セルにおける負電極として機能する。空気極は、酸化剤となる酸化剤ガスと接触し、セルにおける正電極として機能する。
この固体酸化物体の材料としては、例えばジルコニア系、セリア系、ペロブスカイト系の電解質材料が挙げられる。ジルコニア系材料ではイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、及びカルシア安定化ジルコニア(CaSZ)を挙げることができ、一般的にはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が使用される例が多い。セリア系材料ではいわゆる希土類元素添加セリアが、ペロブスカイト系材料ではランタン元素を含有するペロブスカイト型複酸化物など、周知の固体酸化物が挙げられる。
実施例1の燃料電池システムを模式的に示す説明図である。 実施例1の燃料電池システムの制御の内容(安定温度>目標温度の場合)を示す説明図である。 実施例1の燃料電池システムの制御の内容(安定温度<目標温度の場合)を示す説明図である。 実施例1の燃料電池システムの制御処理(1回目の処理)を示すフローチャートである。 実施例1の燃料電池システムの制御処理(2回目以降の処理)を示すフローチャートである。 実施例2の燃料電池システムの制御の内容を示す説明図である。 実施例2の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートである。 実施例3の燃料電池システムの制御の内容を示す説明図である。 実施例3の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートである。 実施例4の燃料電池システムの制御の内容を示す説明図である。 実施例4の燃料電池システムの制御処理を示すフローチャートである。 A/H変化量の変化を示すグラフである。
以下、本発明が適用された燃料電池システムとして、固体酸化物形燃料電池(以下単に燃料電池と記す)を備えた燃料電池システムの実施例について、図面を用いて説明する。
a)まず、本実施例1の燃料電池システムの構成について、図1に基づいて説明する。
図1に模式的に示す様に、本実施例1の燃料電池システム1は、燃料電池スタック3と、改質器5と、残ガス燃焼器7と、第1ポンプ9と、第2ポンプ11と、第3ポンプ13と、出力変換装置15と、制御装置17と、スタック電流計18と、を備えている。なお、燃料電池スタック3と、改質器5と、残ガス燃焼器7とから、固体酸化物形燃料電池(SOFC)モジュール19が構成されている。
以下、各構成について説明する。
前記燃料電池スタック3は、図示しないが、板状の燃料電池セルが、その板厚方向に複数積層された発電部である。なお、燃料電池セルは、周知のように、板状の固体電解質体(固体酸化物体)の各主面に燃料極と空気極とが形成されるとともに、燃料極側に燃料ガス(例えば都市ガス)が供給される燃料ガス流路と、空気極側に酸化剤ガス(例えば空気)が供給される空気流路とが設けられたものである。
この燃料電池スタック3(詳しくは各燃料電池セル)では、外部から燃料極に供給された燃料ガスと空気極に供給された酸化剤ガスとが電気化学反応することによって、発電を行って、その電力を出力変換装置15に供給することができる。
なお、燃料電池スタック3の外側部分(例えば燃料電池スタック3を外部から支持する図示しないフレーム)には、燃料電池スタック3の温度を検出するスタック温度計21が取り付けられている。
前記改質器5は、改質前の燃料ガス(原燃料ガス)と水とから、水素リッチの燃料ガスに改質する装置であり、この改質器5にて改質された燃料ガスは、燃料電池スタック3の各燃料電池セルの燃料極側に供給される。
前記残ガス燃焼器7は、燃料電池スタック3から排出された残ガスである未燃ガス(残余の燃料ガスと残余の酸化剤ガス)を燃焼させる装置(燃焼部)であり、この残ガス燃焼器7で燃焼された排気ガスは、外部に排出される。
前記第1ポンプ9は、外部から導入される酸化剤ガスを、燃料電池スタック3の各燃料電池セルの空気極側に供給する装置である。
前記第2ポンプ11は、外部から導入される改質水を、改質器5に供給する装置である。
前記第3ポンプ13は、外部から導入される燃料ガス(原燃料ガス)を、改質器5に供給する装置である。
前記出力変換装置15は、燃料電池スタック3から得られる電力を、例えば家庭用等の配線に供給できるように、その直流の出力を交流の出力に変換する装置である。
前記スタック電流計18は、燃料電池スタック3に流れる電流(スタック電流)、従って、燃料電池スタック3から出力変換装置15に供給される電流の値(電流値)を測定する装置である。
前記制御装置17は、図示しないが、周知のRAM、ROM、CPU等を有するマイクロコンピュータを備えた電子制御装置である。
この制御装置17では、スタック電流計18からのスタック電流を示す信号と、スタック温度計21からのスタック温度(燃料電池スタック3の温度)を示す信号を入力し、燃料電池スタック3の温度や発電の状態(出力)を制御するために、第1〜第3ポンプ11〜15に対して、その動作を制御する信号を出力するとともに、出力変換装置15に対して、燃料電池スタック3の目標出力を設定する。
b)次に、上述した燃料電池システム1にて実施される制御の内容について、図2及び図3に基づいて説明する。
なお、図2及び図3において、上限温度(例えば740℃)とは、燃料電池スタック3の温度の許容範囲の最大値である。目標温度とは、燃料電池スタック3の温度を制御するための目標値である。閾温度とは、温度が上昇する場合に、その温度上昇を抑制するために比率(A/H)を増加させる制御(増加制御)を開始するための判定値(判定温度)である。通常時A/Hとは、比率(A/H)を増加させる制御を行う前の通常の制御値(初期値:例えば2.9)である。
また、図2及び図3(及び下記図6、図8)において、太線が温度を示し、細線が制御A/H(即ち比率(A/H))を示している。
まず、図2の上図に示すように、燃料電池スタック3に燃料ガスと酸化剤ガスとを供給して発電を行うと、その発電に伴って徐々に温度が上昇する。
そこで、燃料電池スタック3の温度が(許容範囲を超えて)過度に上昇しないように、その温度上昇を抑制する制御を行う。詳しくは、燃料電池スタック3の温度が許容範囲の上限を超えないように(実際には、許容範囲内の目標温度に達するように)、酸化剤ガスの供給量(A)と燃料ガスの供給量(H)との比率(A/H)を、例えば一定量ずつ徐々に増加させる。即ち、所定時間毎に判定して、一度にA/H変化量ずつ変化させる。なお、この比率(A/H)は(同温同圧における)体積比である。
この供給ガスの比率(A/H)が増加すると、発電に使用されない酸化剤ガスの量(空気量)が増えるため、燃料電池スタック3からの熱の持ち出しが増え、燃料電池スタック3の温度が低下する。
そして、定格出力(最大出力:例えば700W)の状態で温度上昇がなくなったときの安定した温度を安定温度とする。
また、安定温度(例えば730℃)と目標温度(例えば720℃)との差(ΔT:例えば10℃)から、次回の温度上昇時(負荷変動時で次回の要求電力が定格となるような場合)に行われる(温度上昇を抑制するための)比率(A/H)を徐々に増加させる増加制御を開始する時期を決定する。即ち、増加制御を開始する際の増加開始タイミングを決める閾温度(例えば700℃)を決定する。
具体的には、図2の場合は、図2の上図に示すように、安定温度が目標温度より高くなったので、図2の下図に示すように、次回の増加開始タイミングを早くする。詳しくは、安定温度が目標温度よりΔT高い場合には、閾温度をΔT(例えば10℃)だけ下げることによって(即ち閾温度を例えば690℃に下げることによって)、次回の増加開始タイミングを早くする。
これによって、次回の増加制御の際には、温度のオーバーシュートを抑制して、今回よりも速やかに目標温度に到達する。
逆に、図3の上図に示すように、安定温度が目標温度より(例えば5℃)低い場合には、図3の下図に示すように、次回の増加開始タイミングを遅くする。詳しくは、安定温度が目標温度よりΔT(例えば5℃)だけ低い場合には、閾温度をΔT(例えば5℃)だけ上げることによって(即ち閾温度を例えば705℃に上げることによって)、次回の増加開始タイミングを遅くする。
これによって、次回の増加制御の際には、今回より速やかに目標温度域で安定する。
c)次に、前記制御装置17にて行われる制御処理について、図4(1回目の処理)及び図5(2回目以降の処理)に基づいて説明する。
<1回目の処理>
本処理は、比率(A/H)を徐々に増加させ、燃料電池スタック3の温度が安定した場合に、次回の閾温度(従って次回の増加開始タイミング)を設定するための処理である。
図4に示すように、まず、ステップ(S)100にて、スタック温度計21からの信号に基づいて、現在の燃料電池スタック3の温度(スタック温度)を取得する。
続くステップ110では、現在のスタック温度が閾温度以上か否かを判定する。ここで閾温度以上であると判断されるとステップ120に進み、一方閾温度未満であると判断されると前記ステップ100に戻る。なお、ここでの閾温度は、初期値(初回の値である標準閾温度)である。
ステップ120では、補正後の制御比率(A/H)を算出するために必要な補正A/Hを算出する。この補正A/Hとは、図3の上図に示すように、初期値である通常時A/Hに対して、経過時間に対応して徐々に(所定時間毎に所定分、即ちA/H変化量ずつ)比率(A/H)を増加させたものである。
つまり、所定時間前(前回の補正A/Hの演算時)の比率(A/H)に対して、所定時間毎に、所定の増量分(A/H変化量:ΔA/H)だけ加算する処理を行って順次補正A/Hを算出するものである。
続くステップ130では、実際に酸化剤ガス及び燃料ガスを供給する補正後の制御比率(補正後の制御比率=通常時A/H+補正A/H)の算出を行う。
続くステップ140では、制御A/Hに基づいて、酸化剤ガスの割合(従って酸化剤ガスの流量)を増加させる増加制御を行う。
続くステップ150では、温度が安定したか否かの判定を行う。ここで肯定判断された場合には、ステップ160に進み、一方否定判断されるとステップ120に戻る。
ステップ160では、前記図2及び図3に示すように、現在の閾温度に、安定温度と目標温度との差(ΔT)を加算(又は減算)した値を、次回の閾温度として設定し、一旦本処理を終了する。
なお、上述したように、目標温度安定温度の場合(図2参照)には、閾温度からΔTが減算されて閾温度が下がり、逆に、目標温度安定温度の場合(図3参照)には、閾温度にΔTが加算されて閾温度が上がる。
<2回目以降の処理>
本処理は、前記第1回目の処理の後に、再度比率(A/H)を徐々に増加させ、燃料電池スタック3の温度が安定した場合に、次回の閾温度(従って次回の増加開始タイミング)を設定するための処理である。
図5に示すように、まず、ステップ200にて、スタック温度計21からの信号に基づいて、現在のスタック温度を取得する。
続くステップ210では、現在のスタック温度が閾温度以上か否かを判定する。ここで閾温度以上であると判断されるとステップ220に進み、一方閾温度未満であると判断されると前記ステップ200に戻る。なお、ここでの閾温度は、前回の<1回目の処理>のステップ160にて設定された閾温度である。
ステップ220では、補正A/Hを算出する。
続くステップ230では、実際に酸化剤ガス及び燃料ガスを供給する補正後の制御比率(補正後の制御比率=通常時A/H+補正A/H)の算出を行う。
続くステップ240では、制御A/Hに基づいて、酸化剤ガスの割合(従って酸化剤ガスの流量)を増加させる増加制御を行う。
続くステップ250では、定格出力の状態で、温度が安定か否かの判定を行う。ここで肯定判断された場合には、ステップ260に進み、一方否定判断されるとステップ220に戻る。
ステップ260では、現在の閾温度に、安定温度と目標温度との差(ΔT)を加算(又は減算)した値を、次回の閾温度として設定し、一旦本処理を終了する。
その後は、本処理を繰り返して温度制御を行う。
このときも、現在の閾温度に、安定温度と目標温度との差(ΔT)を加算(又は減算)した値を、次回の閾温度として設定する。
d)次に、本実施例1の効果を説明する。
本実施例1では、基本的な動作として、燃料電池システム1を作動させて発電を行う場合に、燃料電池スタック3の温度が過度に上昇することを抑制するために、燃料電池スタック3に供給する酸化剤ガスと燃料ガスとの比率(A/H)を増加させる増加制御を行う。
そして、この増加制御の際に、燃料電池スタック3の温度が所定の時間の間、一定であった場合には、この温度を安定温度と判定し、この安定温度と(増加制御における)燃料電池スタック3の目標温度との差(温度差)を求め、この温度差に基づいて、次回の増加制御の際に上述した供給ガスの比率(A/H)を増加させる増加開始タイミングを調節する。なお、ここでは、温度が所定の(一定とみなせる)温度幅の範囲内である場合に、一定であると判断している。
詳しくは、安定温度と目標温度との差に基づいて、閾温度を変更し、これによって、増加開始タイミングを調節している。具体的には、前記図2及び図3に示すように、次回の増加開始タイミングを早めたり遅くすることにより、燃料電池スタック3の温度が目標温度をオーバーシュートしたり目標温度に達しない事態を回避することができ、速やかに目標温度に到達することができる。
このように、本実施例1によれば、従来よりも簡易な手法で増加開始タイミングを設定できる。
しかも、安定温度と目標温度との差に基づいて設定した増加開始タイミングにて増加制御を行うことにより、燃料電池が温度上昇する途中から冷却工程を開始するとともに温度上昇に合わせた冷却量とするため、燃料電池スタック3とその温度を測定する測定部位との間で伝熱遅延があっても、過度の温度上昇を抑えられるとともに、過冷却による温度低下を抑制することができるという顕著な効果を奏する。
また、酸化剤ガスを増量し一部を冷却用とすることは、燃料電池システム1の駆動電力の増加につながり発電効率低下につながるため、冷却用の酸化剤ガスの増量はできるだけ少ないほうが望ましいが、本実施例1では、上述した制御によって、適量の酸化剤ガスを供給できるので、発電効率が高いという利点もある。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容については、その説明は省略する。
なお、実施例2と実施例1とはハード構成は同じであるので、ハード構成の各部材の番号は、実施例1と同じものを使用する。
図6に示すように、本実施例2では、燃料電池スタック3の温度が目標温度に達していない場合に、温度が低下に転じた場合の制御について説明する。
増加制御は、上述したように、燃料電池スタック3の温度上昇時において、正のA/H変化量(以下第1A/H変化量と呼ぶ)を所定時間毎に補正し、即ち比率A/Hを増加させる制御であるが、増加制御実行中においてスタック温度が低下に転じた場合には、現在の比率A/Hが過大(酸化剤ガスの過剰)であると判断し、負のA/H変化量(以下、第2A/H変化量と呼ぶ)を補正することにより、制御比率(A/H)を徐々に低下させる増加制御(補正A/Hは小さくなるが、制御A/Hは、通常A/H+補正A/Hなので、実際に制御する比率A/Hは通常A/Hより大きい)を行う。
このとき、上昇時の第1A/H変化量(例えば0.005/℃)の絶対値は、温度低下時における第2A/H変化量(例えば0.0025/℃)の絶対値より大きく設定している。図6において、温度上昇時の制御A/Hの傾きと、下降時の傾きを比較したときに、後者の方が勾配が緩くなるように設定している(図12参照)。
具体的には、温度上昇時には、制御A/Hが増加するように制御するが、温度下降時には、制御A/Hが徐々に低下するように制御する。
つまり、燃料電池スタック3の温度が目標温度に達しない前に低下するのは、比率(A/H)が過大に設定された可能性があるので、燃料電池スタック3の温度が急速に低下することを防いで、上述したように、低下前より制御A/Hを小さくするように制御するが、A/H変化量(第2A/H変化量)の絶対値が大き過ぎると、今度は再び温度が上昇する可能性があるため、速やかに安定温度に到達させるために、第2A/H変化量の絶対値を小さく設定している。
次に、本実施例2における制御処理を説明する。
図7に示すように、ステップ300にて、スタック温度計21からの信号に基づいて、現在のスタック温度を取得する。
続くステップ310では、現在のスタック温度が閾温度以上か否かを判定する。ここで閾温度以上であると判断されるとステップ320に進み、一方閾温度未満であると判断されると前記ステップ300に戻る。なお、ここでの閾温度は、前回の処理にて設定された閾温度である。
ステップ320では、スタック温度が上昇中か下降中かの判定を行う。ここで、上昇中であると判定されるとステップ340に進み、一方、下降中であると判定されるとステップ330に進む。
ステップ330では、温度が下降中であるので、温度下降時の変化分(減量分)として第2A/H変化量を設定し、ステップ350に進む。なお、前述のように、A/H変化量の絶対値は、温度上昇時の第1A/H変化量>温度下降時の第2A/H変化量である。
一方、ステップ340では、温度が上昇中であるので、温度上昇時の変化分(増量分)として第1A/H変化量を設定し、ステップ350に進む。
ステップ350では、各A/H変化量を用いて補正A/Hを算出する。
具体的には、温度上昇時には、所定期間毎に設定する増量分として(ステップ340で設定された)温度上昇時の第1A/H変化量(例えば0.005/℃)を用い、そのA/H変化量を前回(即ち所定期間前)の補正A/Hに加算して、今回の補正A/Hを算出する。
一方、温度下降時には、所定期間毎に設定する減量分として(ステップ330で設定された)温度下降時の第2A/H変化量(例えば0.0025/℃)を用い、今回の補正A/Hを算出する。
続くステップ360では、前記ステップ350にて設定した補正A/Hを用いて、酸化剤ガス及び燃料ガスを供給する制御A/Hを算出する。なお、この場合も、制御A/Hは通常時A/Hより大きいので増量制御となる。
続くステップ370では、制御A/Hに基づき、供給ガス量を制御する。
続くステップ380では、定格出力の状態で、温度が安定したか否かの判定を行う。ここで肯定判断された場合には、ステップ390に進み、一方否定判断されるとステップ320に戻る。
ステップ390では、現在の閾温度に、安定温度と目標温度との差(ΔT)を加算(又は減算)した値を、次回の閾温度として設定し、一旦本処理を終了する。
従って、本実施例2では、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、燃料電池スタック3の温度が目標温度に到達する前にスタック温度が上昇から低下に変化した場合には、供給ガスの比率(A/H)を、温度上昇時と同様の変化量で変化させるのではなく、(温度上昇時よりは)小さく変化させるように制御している。
これによって、燃料電池スタック3の温度が急速に低下することを防止するとともに、速やかに安定温度に到達させることができるという利点がある。
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な内容については、その説明は省略する。
なお、実施例3と実施例1とはハード構成は同じであるので、ハード構成の各部材の番号は、実施例1と同じものを使用する。
図8に示すように、本実施例3では、目標温度を超えた場合の制御について説明する。
燃料電池スタック3の温度が目標温度に到達する前のA/H変化量(第1A/H変化量:例えば0.005/℃)と、到達後のA/H変化量(第3A/H変化量:例えば0.01/℃)との絶対値(大きさ)が異なるように設定している。具体的には、到達前の第1A/H変化量よりも、到達後の第3A/H変化量を大きくする。
つまり、燃料電池スタック3の温度が目標温度に達した後は、速やかに温度を低下させる必要があるので、上述したように、目標温度に到達する前よりA/H変化量を大きくするように設定している。
次に、本実施例3における制御処理を説明する。
図9に示すように、ステップ400にて、スタック温度計21からの信号に基づいて、現在のスタック温度を取得する。
続くステップ410では、現在のスタック温度が閾温度以上か否かを判定する。ここで閾温度以上であると判断されるとステップ420に進み、一方閾温度未満であると判断されると前記ステップ400に戻る。なお、ここでの閾温度は、前回の処理にて設定された閾温度である。
ステップ420では、スタック温度が上昇中か下降中かの判定を行う。ここで、下降中であると判定されるとステップ430に進み、一方、上昇中であると判定されるとステップ440に進む。
ステップ430では、温度が下降中であるので、温度下降時の変化分(減量分)として第2A/H変化量を設定し、ステップ470に進む。
一方、ステップ440では、温度が上昇中であるので、現在のスタック温度が目標温度未満か以上かの判定を行う。ここで、目標温度未満であると判定されるとステップ450に進み、一方、目標温度以上であると判定されるとステップ460に進む。
ステップ450では、現在のスタック温度が目標温度未満であるので、温度の(目標温度未満における)上昇時の増量分として第1A/H変化量を設定し、ステップ470に進む。
一方、ステップ460では、現在のスタック温度が目標温度以上であるので、温度の(目標温度以上における)上昇時の増量分として第3A/H変化量を設定し、ステップ470に進む。
なお、A/H変化量の大きさ(絶対値)は、第2A/H変化量(温度下降時)<第1A/H変化量(目標温度域以下での温度上昇時)<第3A/H変化量(目標温度超時の温度上昇時)である。
ステップ470では、前記第1〜第3A/H変化量(ΔA/H)のいずれかを用いて補正A/Hを算出する。
具体的には、スタック温度が上昇から下降に転じた場合には、所定期間毎に第2A/H変化量を用い、今回の補正A/Hを算出する。
また、スタック温度の上昇中で目標温度到達前の場合は、所定期間毎に設定する増量分として、第1A/H変化量を用い、そのA/H変化量を前回(即ち所定期間前)の補正A/Hに加算して、今回の補正A/Hを算出する。
更に、スタック温度の上昇中で目標温度到達後は、所定期間毎に設定する増量分として、第3A/H変化量を用い、そのA/H変化量を前回(即ち所定期間前)の補正A/Hに加算して、今回の補正A/Hを算出する。
続くステップ480では、制御A/Hを算出する。
続くステップ490では、制御A/Hに基づいて、酸化剤ガス及び燃料ガスを供給する制御(即ち、酸化剤ガスの割合を増加させる増加制御)を行う。
続くステップ500では、定格出力の状態で、温度が安定したか否かの判定を行う。ここで肯定判断された場合には、ステップ510に進み、一方否定判断されるとステップ420に戻る。
ステップ510では、現在の閾温度に、安定温度と目標温度との差(ΔT)を加算(又は減算)した値を、次回の閾温度として設定し、一旦本処理を終了する。
従って、本実施例3では、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、燃料電池スタック3の温度が目標温度に到達した後のA/H変化量を、到達前のA/H変化量よりも大きく設定している。
これによって、燃料電池スタック3の温度が目標温度より過度に上昇することを防止して、速やかに目標温度に近づけることができる。
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1と同様な内容については、その説明は省略する。
なお、実施例4と実施例1とはハード構成は同じであるので、ハード構成の各部材の番号は、実施例1と同じものを使用する。
図10に示すように、本実施例4では、増加制御にて設定される比率(A/H)が、残ガス燃焼器7における燃焼の失火が懸念される限界比率に達した場合には、燃料電池スタック3における出力を抑制するように、燃料電池スタック3の出力(定格出力)を規定する運転モードを変更する。
つまり、燃料電池スタック3から排出される未燃ガスを残ガス燃焼器7で燃焼させる構成の場合には、比率(A/H)を増加させる増加制御を行うと、残ガス燃焼器7での失火が懸念される。そこで、本実施例4では、失火が懸念される比率(A/H)を限界A/H(例えば3.3)として設定し、ガス供給を制御するA/Hが限界A/Hに達した場合には、増加制御による温度調節ができないと判断して、最大出力を抑えるように(ΔW(例えば70W)低下させるように)運転モードを切り替える。
これによって、燃料電池スタック3の温度が過度に上昇しないように(又は低下させるように)している。
なお、限界A/Hは、失火が発生するA/Hではなく、失火が発生する直前の比率A/Hであり、(失火A/H−余裕度λ)のようにして設定することができる。ここで、余裕度λ(例えば0.2)とは、残ガス燃焼を失火させないための制御量のマージンのことである。
次に、本実施例4における制御処理を説明する。
図11に示すように、ステップ600にて、スタック温度計21からの信号に基づいて、現在のスタック温度を取得する。
続くステップ610では、現在のスタック温度が閾温度以上か否かを判定する。ここで閾温度以上であると判断されるとステップ620に進み、一方閾温度未満であると判断されると前記ステップ600に戻る。なお、ここでの閾温度は、前回の処理にて設定された閾温度である。
ステップ620では、前記実施例1と同様にして補正A/Hを算出する。つまり、所定期間毎に設定する増量分として、A/H変化量を用い、そのA/H変化量を前回(即ち所定期間前)の補正A/Hに加算して、今回の補正A/Hを算出する。
続くステップ630では、制御A/H(=通常時A/H+補正A/H)を算出する。
続くステップ640では、制御A/Hが限界A/H未満か限界A/H以上かを判定する。ここで限界A/H以上であると判断されるとステップ650に進み、一方限界A/H未満であると判断されるとステップ660に進む。なお、ここでの閾温度は、前回の処理にて設定された閾温度である。
ステップ650では、制御A/Hが限界A/H以上であるので、定格出力を低減するように、運転モードを切り替える。例えば、酸化剤ガスと燃料ガスの全流量を低減するように運転モードを切り替える。
一方、ステップ660では、制御A/Hに基づいて、酸化剤ガス及び燃料ガスを供給する制御(即ち、酸化剤ガスの割合を増加させる増加制御)を行う。
続くステップ670では、定格出力の状態で、温度が安定したか否かの判定を行う。ここで肯定判断された場合には、ステップ680に進み、一方否定判断されるとステップ620に戻る。
ステップ680では、現在の閾温度に、安定温度と目標温度との差(ΔT)を加算(又は減算)した値を、次回の閾温度として設定し、一旦本処理を終了する。
従って、本実施例4では、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、設定する比率(A/H)である制御A/Hが限界A/Hに達した場合には、定格出力を低下させるように運転モードを切り替えるので、酸化剤ガスの過剰による失火を防止することができる。
なお、定格出力を低下させると、燃料電池の発熱量が減少し、温度調整に必要な空気量を減らすことができるため、失火を防止することができる。
[特許請求の範囲と実施例との関係]
特許請求の範囲の燃料電池は実施例の燃料電池スタックに、燃焼部は残ガス燃焼器に該当する。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、種々の態様を採ることができる。
(1)燃料電池スタックとしては、平板状の燃料電池セルが積層された平板状(又はブロック)のものや、円筒形状の燃料電池セルが集積されたもの、扁平形状の燃料電池セルが集積されたものなど、各種の形状のものが挙げられる。
(2)また、本発明は、固体酸化物形燃料電池に限らず、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形等にも適用することができる。
1…燃料電池システム
3…燃料電池スタック
5…改質器
7…残ガス燃焼器
9、11、13…ポンプ
15…出力変換装置
17…制御装置
19…SOFCモジュール

Claims (6)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受け、該燃料ガスと該酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池を備えた燃料電池システムの動作を制御する燃料電池システムの制御装置において、
    前記燃料電池の発電の際に、該燃料電池の温度が所定以上に上昇することを抑制するために、該燃料電池に供給する前記酸化剤ガス(A)の前記燃料ガス(H)に対する比率(A/H)を増加させる増加制御を行う構成を備えており、
    前記燃料電池の温度が所定の閾温度以上となった場合に、前記増加制御を開始するとともに、該増加制御における前記燃料電池の目標温度と前記燃料電池の温度が安定した安定温度との温度差を求め、
    前記安定温度が前記目標温度より高い場合には、前記温度差の分だけ前記所定の閾温度を減少させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定し、
    前記安定温度が前記目標温度より低い場合には、前記温度差の分だけ前記所定の閾温度を増加させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定することを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
  2. 前記増加制御を開始した後、前記燃料電池の温度が上昇している場合と下降している場合とで、前記比率(A/H)の変化量(A/H変化量)を変更することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
  3. 前記燃料電池の温度が目標温度に到達する前と後とで、前記比率(A/H)の変化量(A/H変化量)を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システムの制御装置。
  4. 前記燃料電池から排出される未燃ガスを燃焼部にて燃焼させて処理する構成を備えるとともに、
    前記増加制御にて設定される前記比率(A/H)が、前記燃焼部における燃焼の失火が発生する直前の限界比率に達した場合には、前記失火が発生しないことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御装置。
  5. 前記請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御装置を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  6. 燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を受けて該燃料ガスと該酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池を備えた燃料電池システムの動作を制御する燃料電池システムの制御方法において、
    前記燃料電池の発電の際に、該燃料電池の温度が所定以上に上昇することを抑制するために、該燃料電池に供給する前記酸化剤ガス(A)の前記燃料ガス(H)に対する比率(A/H)を増加させる増加制御を行う制御方法であって
    前記燃料電池の温度が所定の閾温度以上となった場合に、前記増加制御を開始するとともに、該増加制御における前記燃料電池の目標温度と前記燃料電池の温度が安定した安定温度との温度差を求め、
    前記安定温度が前記目標温度より高い場合には、前記温度差の分だけ前記所定の閾温度を減少させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定し、
    前記安定温度が前記目標温度より低い場合には、前記温度差の分だけ前記所定の閾温度を増加させた値を、次回の増加制御の開始の判定に用いる閾温度として設定することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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